JP6260314B2 - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
PBTは結晶化成長が非常に速いために二軸延伸を行うことが非常に困難であり、できても延伸倍率があまり大きくできないことから品位が低いものであった。そのため、電池外装用、医薬包装用途などへの展開が期待されているものの、製膜性の点から本格的な参入には至っていない。
(1)フィルム中のグリコール単位の総和の内55モル%以上が1,4−ブタンジール由来の構造単位であり、かつ、ジカルボン酸単位の総和の内55モル%以上がテレフタル酸由来の構造単位である。
(2)ポリエステルAおよびポリエステルBのグリコール単位の総和の内60モル%以上が1,4−ブタンジール由来の構造単位であり、かつ、ジカルボン酸単位の総和の内40モル%以上がテレフタル酸由来の構造単位である。
(3)波長350nm〜2100nmの領域の反射率が25%未満である。
本発明ではフィルム中のジカルボン酸単位の総和の内テレフタル酸成分が55モル%以上であることが必要である。ジカルボン酸単位のテレフタル酸成分が55モル%未満であると、ポリエステルの融点が低下して、得られるフィルムの耐熱性が低下する。また、グリコール単位の総和の内1,4−ブタンジール成分が55モル%未満であると、フィルムの耐衝撃性が低下することが多い。
naはA層の面内屈折率、daはA層の層厚み、
nbはB層の面内屈折率、dbはB層の層厚み。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、フィルム中の最表層を除く層厚みの平均値が2nm〜250nmであることが好ましい。ここでいう最表層を除く層厚みの平均値とは、フィルム断面において、表面と裏面の表層の厚みを除いた層厚みの合計を(層数−2)で除した値をさす。層厚みの平均値が2nm〜250nmの範囲にあると一層に占める界面部分の割合が大きくなり、積層フィルム全体として層界面の物性が発現し界面効果が顕著となる。2nm未満でも界面効果は認められるが積層数が膨大なものとなるため、装置構成の観点から好ましくない。また、250nmより大きいと界面効果は低減するため好ましくない。
フィルム全体の厚みを測定する際は、ダイヤルゲージを用いて、200mm×300mmに切り出したフィルムの各々の試料の任意の場所5ヶ所の厚みを測定し、平均して求めた。また、各層厚みについては、フィルムをエポキシ樹脂に包埋し、フィルム断面をミクロトームで切り出し、該断面を透過型電子顕微鏡HU−12型((株)日立製作所製)を用い、フィルムの断面を40000倍に拡大観察し、断面写真を撮影した。用いる熱可塑性樹脂の組み合わせによっては公知のRuO4やOsO4などを使用した染色技術を用いてコントラストを高めても良い。得られた各層厚みからA層/B層の積層比を算出した。最表層を除く層厚みの平均値は、フィルム断面において、表面と裏面の表層の厚みを除いた層厚みの合計を(層数−2)で除した値を求めた。
フィルムを長手方向および幅方向に長さ150mm×幅10mmの矩形に切り出しサンプルとした(ここで長手方向とはフィルムの流れる方向(巻き取り方向)を表しており、幅方向とは長手方向に直交する方向をさす)。25℃、63%Rhの条件下で、引張試験機(オリエンテック製テンシロンUCT−100)を用いてクロスヘッドスピード300mm/分、幅10mm、試料長50mmとしてフィルムの長手方向、幅方向について、引張試験を行い、応力−歪み曲線を得た。得られた応力−ひずみ曲線から、弾性率、破断伸度、降伏点応力(σ2)、50%伸度応力(σ1)を求めた。各測定はそれぞれ5回ずつ行い、長手方向と幅方向に測定した値の平均を用いた。
層間密着強度はT−剥離試験により求めた。T−剥離試験はJIS K−6854に規定されたもののうち、T形剥離の方法を参考に行なった。サンプルとなるフィルムの両面にコロナ処理を行ない、接着剤を塗布した。コロナ処理方法と接着剤は接着剤の接着強度が0.5N/mm以上となるように選定した。詳しくは、サンプルとなるフィルムの表層がポリエチレンテレフタレートを75モル%以上含む場合は大気中でコロナ処理を行い、三井武田ケミカル(株)製接着剤タケラックA610、硬化剤タケネートA50と酢酸エチルを36:4:60で混合した接着剤を、塗布厚み3μmとなるようにメタバーを用いて塗布した。これに被着材として片面をコロナ処理した東レ(株)製PETフィルム“ルミラー”T60(厚み100μm)を両面に貼り合わせ、40℃で96時間硬化させた。このときチャックでつかむ部分として、被着材のPETフィルムを一辺だけサンプルのフィルムより50mm以上はみだすようにした。ただし、他の接着剤を用いて貼り合わせる場合、硬化温度、硬化時間は接着剤により十分接着強度が得られる条件で行った。他の接着剤を用いて張り合わせる場合、これら張り合わせの工程でサンプルとなるフィルムの特性が変わらないよう、接着剤を選定した。次に幅25±0.2mm、接着部分125mm以上、チャックでつかむ部分50mmとなるように切り出し、東洋精機製作所株式会社製の引張試験機で、被着材のPETフィルムを上下のチャックにはさみ、100±5mm/minでチャックを移動させてサンプルのフィルムが剥離する時の荷重を測定した。密着強度の値としては試験後のフィルム断面をTEMで観察し、A層とB層の層間で剥離しているサンプルを選び、被着材に破れがなくサンプルとなるフィルムが剥離した試験の剥離開始25mmから125mmまでの荷重の平均値を試験片の幅(25±0.2mm)で除した値を用いた。また、接着剤部分で剥離した場合やフィルムで破れが生じた場合は試験を再度やり直した。接着剤部分での剥離は剥離及び/または劈開部分を酢酸エチルでふき取り、接着剤がふき取られたか否かで判断した。1サンプルについて7検体測定し、最大値と最小値をのぞいた残り5つの値の平均値を表1に記載した。
日立製作所製 分光光度計(U−4100 Spectrophotomater)に付属の12°正反射付属装置P/N134−0104を取り付け、入射角度φ=12度における波長350〜2400nmの絶対反射率を測定した。測定条件:スリットは2nm(可視)/自動制御(赤外)とし、ゲインは2と設定し、走査速度を600nm/分とした。この時のもっとも反射率が高い点を最大反射率とした。
使用したポリエステル樹脂からサンプル質量5mgを採取し、示差走査熱量分析計(DSC)セイコーインスツルメント(株)製EXSTAR DSC6220を用い、JIS−K−7122(1987年)に従って測定、算出した。測定は25℃から290℃まで5℃/minで昇温しこのときの融点±20℃の範囲におけるベースラインからの積分値を融解熱量とした。また、融点が二つ以上観測される場合は、それぞれの融解熱量の合計した値を結晶融解熱量とする。
JIS−K−7112(1980年)の密度勾配管法に従い、水と臭化ナトリウムを使用して勾配管を作成し、下記式に従って密度を算出した。また、PETとPBTのブレンド体の場合は、完全結晶密度と非晶密度はそのブレンドの重量比率を基に求めた。
(d―da)/(dc−da)×100
d:サンプルの密度、da:サンプルの完全結晶密度、dc:サンプルの非晶密度
PETのda:1.455、PETのdc:1.335
PBTのda:1.41、PETのdc:1.278
(7)積層フィルムの作成方法
本発明のポリエステルフィルムとアルミニウム箔(福田金属箔分工業株式会社製:厚み40μm)をウレタン系の接着剤(東洋モートン社製、AD−502、CAT10L、酢酸エチルを15:1.5:25(質量比))を使用して常法によりドライラミネートして電池外装用積層体を作成した。さらにアルミニウム箔の上に、シーラントとしてマレイン酸変性ポリプロピレン樹脂とポリプロピレンとを共押出しした2層共押出しフィルム(マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂層:15μm、ポリプロピレン樹脂層:30μm)を、マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂層がアルミニウム箔側に位置するようにし、ラミネーターを用いて加熱圧着(120℃、0.3MPa、2m/min)させることで積層させ、電池外装用積層フィルムを作成した。
(7)で得られた積層フィルムを、100mm×100mm大に切り出し、50mm×30mmの矩形状の雄型とこの雄型とのクリアランスが0.5mmの雌型からなる金型を用いて、積層フィルムの中心と雄型の中心とがあうように、かつ雄型側にシーラント側がくるように雌型上に構成フィルムをセットし、プレス成形(加圧:0.1MPa)を行い、ピンホールやクラックなどの欠陥が発生しない最高成形深さを0.5mmピッチで評価した(雌型金型もしくは雄型金型を上か下から見たときの図を図2に、雌型金型に雄型金型をはめ込んだときの図を図3を示すが、丸で囲った破線部分のRはすべて2mmである)。電池外装用途で実用上使用できる最高成形深さは4mm以上であり、最高成形深さが大きければ大きいほど成形性が良いことを表す。一方、3mm未満では成形破れが多く電池外装用途で使用できない。
(8)の成形性評価で破損せずに成形できた積層フィルムをシーラント面が上になるように方眼紙の上に置く。真上から観察すると、図4に示すように、成形によって構成フィルムは二軸延伸フィルム面側に反り返っており、成形前のフィルム面積(図4、3)より投影像が小さくなっている。キーエンス(株)製カメラCV−H035により、真上から観察した状態で見える成形後のフィルム面積(図4 2)をプロファイル計測にて求め、以下の式にて反り度数を求める。下記の基準で評価を行った。電池外装用途においては、反り度数◎〜□が許容範囲であり、△〜×は反りが大きいために使用することができない。
反り度数=成形後のフィルムの投影面積/成形前のフィルムの投影面積×100
◎:反り度数が90以上であるもの
○:反り度数が89〜80であるもの
□:反り度数が79〜75であるもの
△:反り度数が74〜70であるもの
×:反り度数が69未満であるもの。
(8)の成形追従性評価で破損せずに成形できた積層フィルムをタバイエスペック(株)製プレッシャークッカーにて温度60℃、相対湿度90%RHの条件下にて168時間処理を行い、その後ポリエステルフィルム/アルミニウム箔間におけるデラミネーションの発生状態を確認する。状態は目視で確認し、明らかにデラミが発生しているものについては不良と判定する。目視で判定できない場合は、成形によってできた凹凸部任意5点の断面をSEM(500倍)で観察し、ポリエステルフィルム(B)/アルミニウム箔間が100μm以上離れている箇所があるかないかで以下のように判定した。また、判定が○であっても、フィルムの層間で剥離が生じていた場合には△とする。
○:100μm以上離れている箇所がない
×:100μm以上離れている箇所が1箇所でもある
△:フィルムの層間で剥離が生じている。
得られた構成フィルムの二軸配向ポリエステル表面に、濃塩酸を0.05ml滴下し室温にて1時間放置した。放置後、滴下した酸を拭き取り、フィルムの状態を以下のように判定した。
○:変化なし
△:白化が見られる
×:フィルム表面が溶解して凹み痕がつく
(12)ポリエステルの組成分析
ポリエステルをアルカリにより加水分解し、各成分を高速液体クロマトグラフィーまたはガスクロマトグラフィーにより分析し、各成分のピーク面積より組成比を求めた。
カルボン酸成分は、1mol/Lの濃度のナトリウムメチラート、及び酢酸メチルを加えて環流加熱で2時間処理した後、高速液体クロマトグラフィーにて測定を行った。測定条件は既知の方法で分析することができる。例えば以下に一例を示す。
装置:島津LC−10A
カラム:YMC−Pack ODS−A 150×4.6mm S−5μm
カラム温度:40℃
流量:1.2ml/min
検出器:UV 240nm
グリコール成分の定量はガスクロマトグラフィーを用いて既知の方法で分析することができる。例えば以下に一例を示す。
装置 :島津9A(島津製作所製)
カラム:SUPELCOWAX−10 キャピラリーカラム30m
カラム温度:140℃〜250℃(昇温速度5℃/min)
流量 :窒素 25ml/min
検出器:FID
その他のカルボン酸成分は高速液体クロマトグラフィーにて測定を行った。
ポリエステルAに固有粘度1.26、融点215℃のポリブチレンテレフタレートである“トレコン”(登録商標)1200S[東レ製](以下、PBT1とも表す)を、ポリエステルBに固有粘度0.65、融点255℃のポリエチレンテレフタレート(表中においてPETと表す)[東レ製F20S]とPBT1をそれぞれ乾燥した後、PET/PBT1=40/60の重量比率でブレンドしてそれぞれ別々の押出機に供給した。
A層を100%PBTとしていても、層数の増加により結晶化が抑制されているためにキャストフィルムは透明のままであり、縦方向と横方向の延伸倍率をそれぞれ3.8倍まで上げることができた(これ以上延伸倍率を上げるとテンターで破れが生じた)。
積層比を1.5とした以外は、実施例1と同様にしてフィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。実施例1と比べ、A層の比率が上がることにより成形性はわずかに上昇が見られた。
ポリエステルBをPET/PBT1比率を25/75とした以外は、実施例1と同様にしてフィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムと電池外装用構成フィルムの評価結果を表1に示す。実施例1と比べ、PBTの比率が上昇することにより成形性の向上が見られた。
積層比を1.5とした以外は、実施例3と同様にしてフィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムと電池外装用構成フィルムの評価結果を表1に示す。実施例2と比べ、PBTの比率が上昇することにより成形性の向上が見られた。
フィードブロックを201層のタイプに変更した以外、実施例3と同様にしてフィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムと電池外装用構成フィルムの評価結果を表1に示す。延伸倍率をそれぞれ3.5までしか上げられず、それにより成形性が低下していた。
フィードブロックを51層のタイプに変更した以外、実施例3と同様にしてフィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムと電池外装用構成フィルムの評価結果を表1に示す。延伸倍率をそれぞれ3.0までしか上げられず(それ以上の延伸倍率では破れが発生)、成形性は合格であったものの実施例中最も低かった。
ポリエステルAおよびBを、PET/PBT1の重量比率を10/90とした以外は、実施例3と同様にしてフィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムと電池外装用構成フィルムの評価結果を表1に示す。実施例中最も高い成形性が得られた。
ポリエステルBのPBT1を、固有粘度1.26、融点215℃のポリブチレンテレフタレートである“トレコン”(登録商標)1400S[東レ製](以下、PBT2とも表す)に変更した以外、実施例3と同様にしてフィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムと電池外装用構成フィルムの評価結果を表1に示す。物性面において大きな差はないが、わずかに延伸倍率が向上していた。
ポリエステルAにPBT1、ポリエステルBにPBT2を使用した以外は、実施例3と同様にしてフィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムと電池外装用構成フィルムの評価結果を表1に示す。キャスト時にエッジが白化したため、延伸倍率は大幅に下がり、実施例8と比べると成形性はやや低下していた。
ポリエステルBに固有粘度1.1、イソフタル酸を8モル%共重合したポリブチレンテレフタレート(表中においてPBT/Iと示す)を使用した以外は、実施例9と同様にしてフィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムと電池外装用構成フィルムの評価結果を表1に示す。キャスト時のエッジの白化は低下し、延伸倍率は大幅に向上した。また、実施例9と比べ成形性はやや向上が見られた。
ポリエステルAおよびBをPETに変更した(実質PETの単膜フィルムである)。また、縦延伸温度は88℃、横延伸温度を100℃、熱処理温度を230℃に変更した。それ以外は実施例1と同様にしてフィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムと電池外装用構成フィルムの評価結果を表2に示す。成形性に優れる一方で耐反り性が非常に悪かった。
東レ製ナイロン6(品番:アミラン1021T 以降、Ny6)のペレットを乾燥後、押出機中で270℃で溶融し、フィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイより4℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出し、未延伸フィルムを得た。次に、テンター法によりMD方向及びTD方向の同時二軸延伸を行った。この延伸倍率は、MD方向で3.0倍、TD方向では3.2倍であった。この延伸フィルムをテンターで引き続き195℃で熱固定を施して、厚さ25μmのフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムと電池外装用構成フィルムの評価結果を表2に示す。成形性と耐反り性に優れる一方で耐酸性に劣っていた。
801層のフィードブロックを3層ピノールに変更した以外は、実施例10と同様にした。キャスト時にフィルム全面が白化し、縦延伸は可能であったが続く横延伸で破れが発生したため、二軸延伸フィルムの採取はできなかった。
ポリエステルAをPET、ポリエステルBをPBT1とした以外は、実施例1と同様にしてフィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムと電池外装用構成フィルムの評価結果を表1に示す。成形性は非常に優れていたものの、一方の層がPETであったために耐反り性と耐デラミネーションに劣っていた。
ポリエステルAの樹脂を、PET/PBT1の重量比率を80/20とした以外は、実施例1と同様にしてフィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムと電池外装用構成フィルムの評価結果を表1に示す。成形性は優れていたものの、耐デラミネーションは不良であった。
ポリエステルAの樹脂を、PET/PBT1の重量比率を17/83として、フィードブロックを使用せず単膜フィルムとして、実施例1と同様にしてフィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムと電池外装用構成フィルムの評価結果を表1に示す。界面効果がないことから延伸倍率はあまり上げられず、PETとPBTとブレンドされているために、配向結晶性がかなり低下しており、成形性と耐酸性は不十分であった。
ポリエステルAの樹脂を、PET/PBT1の重量比率を40/60、ポリエステルBの樹脂を、PET/PBT1=50/50の重量比率でブレンドとした以外は実施例1と同様にしてフィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
ポリエステルAの樹脂をPET、ポリエステルBの樹脂をGN001(イーストマンケミカル製、以下PETGとも表す)とPETを80/20の重量比率でブレンドしたものに変更した以外は、比較例1と同様にしてフィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムと電池外装用構成フィルムの評価結果を表1に示す。B層が非晶樹脂であるために延伸倍率を上げることができる一方で、成形性の向上は見られなかった。
2 雌型金型
3 雄型金型
4 成形後のフィルム面積
5 成形部分(凹状)
6 成形前のフィルム面積
Claims (10)
- ポリエステルAを用いてなる層とポリエステルBを用いてなる層とが厚み方向に50層以上積層され、かつ以下の要件を満たすことを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。
(1)フィルム中のグリコール単位の総和の内55モル%以上が1,4−ブタンジール由来の構造単位であり、かつ、フィルム中のジカルボン酸単位の総和の内55モル%以上がテレフタル酸由来の構造単位である。
(2)ポリエステルAおよびポリエステルBのグリコール単位の総和の内60モル%以上が1,4−ブタンジール由来の構造単位であり、かつ、ポリエステルA及びポリエステルBのジカルボン酸単位の総和の内40モル%以上がテレフタル酸由来の構造単位である。
(3)波長350nm〜2100nmの領域の反射率が25%未満である。 - フィルム中の最表層を除く層厚みの平均値が2nm〜250nmであることを特徴とする請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
- 結晶融解熱量が45J/g以上であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
- ポリエステルAからなる層とポリエステルBからなる層の層間密着強度が0.7N/mm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
- フィルムの結晶化度が13〜38%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
- ポリエステルAおよびポリエステルBのグリコール単位の70モル%以上が1,4−ブタンジール由来の構造単位であり、かつ、ジカルボン酸単位の70モル%以上がテレフタル酸由来の構造単位であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
- 引張試験における応力−伸度曲線において、伸び率が50%となった際の引張応力σ1と、降伏点における引張応力σ2との比である応力比A(σ1/σ2)が1.5以上であり、引張応力σ2が100MPa未満であり、弾性率が4000MPa未満であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
- フィルム中の表層を構成する樹脂がポリブチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
- 電池外装用に用いられる請求項1〜8のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
- 医薬包装用に用いられる請求項1〜8のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
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