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JP6257326B2 - 神経因性疼痛におけるマロノニトリルアミドの使用 - Google Patents

神経因性疼痛におけるマロノニトリルアミドの使用 Download PDF

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Description

本明細書において提供される技術は、神経因性疼痛及び神経因性疼痛症候群の治療におけるマロノニトリルアミド及びその誘導体の新規の使用に関する。
疼痛疾患の治療は、医学分野で非常に重要である。現在、追加の疼痛治療は、世界中で必要である。疼痛疾患の特異的治療法に対する差し迫った要求は、適用された鎮痛薬の分野で最近発表された多数の学術上の著作物に記載されている。
疼痛は、国際疼痛学会(IASP)によって「組織の実質的あるいは潜在的な傷害に結びつくか、このような傷害を表す言葉を使って述べられる不快な感覚、情動体験」と定義されている。疼痛は、常に自覚的な症状であるが、その原因や症候群は分類できる。最も関連性のある疼痛の1つは、全体的な生活の質を大きく損なく、慢性痛の最も破壊的な形態の1つである神経因性疼痛である。
神経因性疼痛は、例えば、末梢又は中枢神経系における損傷又は機能障害によって起こる。神経因性疼痛疾患は、例えば、帯状疱疹後神経痛、三叉神経痛、糖尿病性神経痛、術後持続性疼痛、又は外傷後疼痛などの痛覚過敏症状や触覚性疼痛(アロディニア)症状を示す疾患を含む。
神経因性疼痛は、末梢神経系又は中枢神経系(脳脊髄)障害に起因する可能性がある。従って、神経因性疼痛は、末梢神経因性疼痛、中枢神経因性疼痛、又は混合(末梢及び中枢)神経因性疼痛に分けられることができる。
末梢神経損傷や機能障害は、末梢神経因性疼痛を引き起こす可能性がある。例としては、単神経障害(例えば、手根管症候群、神経根障害)、神経叢障害(典型的には、神経腫、腫瘍、又は椎間板ヘルニアによる神経圧迫に起因する)、及び多発性神経障害(典型的には、様々な代謝性神経障害に起因する)などがある。通常の状況下で、痛覚は、それぞれ無髄神経線維及び細い有髄神経線維、指定したC線維及びAδ線維によって運ばれる。末梢神経病変の後、神経腫は断端で成長することがある。ニューロンは、異常に敏感になり、かつ自発的な病理学的活性、異常な興奮性、並びに化学物質、熱及び機械的刺激に対する高感度を向上させる。この現象は、末梢感作と呼ばれる。
中枢神経因性疼痛は、脊髄損傷、多発性硬化症、及び脳卒中のいくつかのケースで見られる。脊髄において、脊髄視床路(STT)は、主要な上行侵害受容経路(ascending nociceptive pathway)を構成する。末梢に生じた持続的な自発的活動の結果として、後角におけるSTTニューロンは、増加したバックグラウンドアクティビティ、拡大した受容野、及び通常無害の触刺激が含まれる求心性インパルスに対する増加した反応を向上させる。この現象は、中枢性感作と呼ばれる。中枢性感作は、持続性の神経因性疼痛の重要なメカニズムとして提案されている。非神経性グリア細胞及び免疫反応は、中枢性感作において重要な役割を果たす。
神経因性疼痛の典型的な症状は感覚異常(重畳電撃成分に伴う自発性又は誘発性灼熱痛の場合が多い)であるが、疼痛は深くかつうずく可能性もある。知覚過敏、痛覚過敏、異痛(非侵害性刺激による疼痛)、及び痛感過敏(特に不快な、過度の疼痛反応)のような他の感覚は、発生する可能性もある。CNSが感作され改造されるので、症状は長続きしており、一般的に症状の主因(1つが存在した場合)を解消した後も持続している。
末梢神経損傷は、いくつかの異なる解剖学的部位で末梢免疫細胞及びグリアにおける反応を引き起こす。その反応は、すなわち、マクロファージ及びシュワン細胞は神経病変の遠位側にある軸索切断された神経線維のウォラー変性を促進すること、後根神経節(DRGs)における免疫反応は、マクロファージ、リンパ球及び衛星細胞によって駆動されること、脊髄ミクログリアの活性化は、星状膠細胞の活性化及び増殖が続いている末梢神経損傷に対するCNSの早期グリアの反応を支配することである。最近では、神経損傷によって誘発された神経因性疼痛の発展及び持続における免疫反応及びCNS−浸潤Tリンパ球の特別な役割は確認された(Cao and DeLeo, 2008、 Costigan et al., 2009、 Zenonos and Kim)。
片頭痛は、一般的な頭痛症候群であり、多くの場合遺伝的に決定され、通常一時的頭痛であるが、慢性的頭痛の場合もあり、拍動痛、片側性分布などの特徴があり、光恐怖症、音声恐怖症、匂い恐怖症、悪心及び/又は嘔吐と関連することが多い。脈拍性の頭痛が頻繁に発生することは、従来、血管に起因する疼痛として誤って解釈されるが、最近の研究は、片頭痛の痛みが神経性起源であることを指摘する。過去20年間で作られたいくつかの観察結果は、片頭痛における中枢性疼痛メカニズムである可能性があるという問題を提起した(AfridiおよびGoadsby, 2003goadsby, 2002)。
神経因性疼痛のための最新治療法は、一般的に、ニューロン活動の抑制によって症状を軽減することを唯一の目的とする。従って、例えば、NSAIDS、抗鬱剤、抗痙攣剤、バクロフェン、神経調節療法、又はアヘン剤などの治療選択肢は、主として、特異的な病因を標的とするのではなく、ニューロン興奮性亢進を非特異的削減することによって症状を緩和することである。
従って、神経因性疼痛を治療することができる効果的かつ改良された方法及び化合物は必要である。
第1態様において、本開示の実施形態は、神経因性疼痛及び/又は神経因性疼痛症候群の治療における使用のための化合物を提供する。
さらに他の態様において、本開示の実施形態は、本開示に係る化合物を含む、神経因性疼痛の治療における使用に適した、医薬組成物、単一単位剤形、及びキットを提供する。
さらなる態様において、本開示の実施形態は、神経因性疼痛を治療及び予防する方法であって、このような治療又は予防を必要とする患者に対して、治療的又は予防的に有効な量の本開示に係る化合物を投与することを含む方法に関する。
さらに、本開示の実施形態は、神経因性疼痛の治療において使用するための、マロノニトリルアミド、又は、その誘導体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、互変異性体、クラスレート若しくはプロドラッグに関する。
図1は、挫傷後、かつHR325及びビヒクルの強制経口投与後の50%足引っ込め閾値(paw withdrawal threshold)(g)を示す。 図2は、挫傷後、かつHR325、F778及びビヒクルの強制経口投与後の50%足引っ込め閾値(g)を示す。 図3は、後肢足底面に塗布されたアセトンに対する反応性の持続時間(s)を示す。 図4は、挫傷後、かつHR325及びビヒクルの強制経口投与後の50%足引っ込め閾値(g)を示す。 図5は、後肢足底面に塗布されたアセトンに対する反応性の持続時間(s)を示す。 図6は、坐骨神経の絞扼後、かつHR325の強制経口投与後の50%足引っ込め閾値(g)を示す。 図7は、坐骨神経の絞扼後、かつHR325の強制経口投与後の、後肢足底面に塗布されたアセトンに対する反応性の持続時間(s)を示す。 図8は、坐骨神経の部分結紮後、かつHR325の強制経口投与後の50%足引っ込め閾値(g)を示す。 図9は、坐骨神経の部分結紮後、かつHR325の強制経口投与後の、後肢足底面に塗布されたアセトンに対する反応性の持続時間(s)を示す。
本明細書に開示されるのは、神経因性疼痛の治療のためのマロノニトリルアミドの使用である。
本開示に係る神経因性疼痛は、神経系における原発巣や機能障害によって始まるか、又は生じた痛みである。
例えば、神経因性疼痛症候群は、帯状疱疹後神経痛(帯状疱疹に起因する)、神経根引き抜き損傷、疼痛を伴う外傷性単神経障害、疼痛を伴う多発性神経障害(特に、糖尿病に起因する)、中枢性疼痛症候群(潜在的に、神経系の任意のレベルにおけるほとんどすべての病変に起因する)、術後痛症候群(例えば、乳房切除術後症候群、開胸術後症候群、幻肢痛)、及び複合性局所疼痛症候群(反射性交感神経性ジストロフィー及び灼熱痛)を含む。
本発明の有利な実施形態において、神経因性疼痛は、感覚異常(重畳電撃成分に伴う自発性又は誘発性灼熱痛の場合が多い)のような典型的な症状を有するが、疼痛は深くかつうずく可能性もある。知覚過敏、痛覚過敏、異痛(非侵害性刺激による疼痛)、及び痛感過敏(特に不快な、過度の疼痛反応)のような他の感覚は、発生する可能性もある。
本開示に係る神経因性疼痛は、「末梢の」(末梢神経系に由来する)と「中枢の」(脳又は脊髄に由来する)に分けられることができる。
有利な実施形態において、中枢神経因性疼痛は、以下の病因群から選ばれる病因を有するタイプのものである。
−主に視床の脳病変、
−例えば視床梗塞又は脳幹梗塞などの梗塞、
−視床や脳幹を圧迫する脳の腫瘍又は膿瘍、
−多発性硬化症、
−例えば運動障害の場合の視床切除術などの脳手術、
−脊髄障害、
−脊髄損傷、
−例えば前側方脊髄切断術などの脊髄手術、
−虚血性病変、
−前脊髄動脈症候群、
−ワレンベルグ症候群、
−脊髄空洞症。
本開示に係る有利な実施形態において、神経因性疼痛は、中枢神経因性疼痛症候群である。いくつかの例では、中枢神経因性疼痛症候群は、脊髄損傷及び/又は脊髄挫傷によって引き起こされる(実施例1〜実施例3を参照)。
本開示のさらに有利な実施形態において、神経因性疼痛は、片頭痛や片頭痛の痛みのような中枢性疼痛メカニズムに起因する頭痛症候群である。
さらに有利な実施形態において、神経因性疼痛は末梢神経因性疼痛である。いくつかの例では、末梢神経因性疼痛は、慢性絞扼性神経損傷(chronic constriction injury)又は坐骨神経の結紮によって引き起こされる(実施例4及び実施例5を参照)。
本開示によると、主に末梢の神経因性疼痛は、以下の神経因性疼痛の種類から選ばれる種類を含むか、及び/又は以下の病因群から選ばれる病因を有する。
−例えば糖尿病性神経障害などの全身性疾患、
−例えば化学療法に起因する神経障害などの薬物誘発性病変、
−外傷性症候群及び絞扼性神経障害、
−神経根及び後神経節における病変、
−HIV感染後の神経障害、
−ヘルペス感染後の神経痛、
−神経根引き抜き損傷、
−脳神経病変、
−例えば三叉神経痛などの頭蓋神経痛、
−神経因性癌疼痛、
−幻肢痛、
−末梢神経、神経叢及び神経根の圧迫、
−腫瘍随伴性末梢神経障害及び神経節障害、
−例えば化学療法、放射線療法及び外科的介入などの癌治療による合併症、
−複合性局所疼痛症候群、
−I型病変(これまでは、反射性交感神経性ジストロフィーとして知られている)、
−II型病変(灼熱痛にほぼ相当する)。
有利な実施形態において、神経因性疼痛及び/又は神経因性疼痛症候群の治療のために使用される化合物は、マロノニトリルアミド、又は、その薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体若しくは立体異性体である。
神経因性疼痛症候群の治療のために使用される化合物の具体例は、以下の構造(化学式I〜化学式IV)を有する化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
I)HR325
Figure 0006257326
II)FK778
Figure 0006257326
III)MNA279
Figure 0006257326
IV)5−(3−ブチニル)−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−イソオキサゾールカルボアミド
Figure 0006257326
さらに有利な実施形態において、化合物は、1−(3−メチル−4−トリフルオロメチルフェニル−カルバモイル)−2−シクロプロピル−2−オキソ−プロピオノニトリル、N−(4−トリフルオロメチル)−フェニル−2−シアノ−3−ヒドロキシ−ヘプト−2−エン−6−イン−カルボン酸アミド、5−(3−ブチニル)−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−イソオキサゾールカルボアミド、及び2−シアノ−3−シクロプロピル−3−オキソ−(4−シアノフェニル)プロピオンアミド、又は、それらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体若しくは立体異性体からなる群より選ばれる。
有利な実施形態において、化合物は、1−(3−メチル−4−トリフルオロメチルフェニル−カルバモイル)−2−シクロプロピル−2−オキソ−プロピオノニトリルである。
他の有利な実施形態において、化合物は、N−(4−トリフルオロメチル)−フェニル−2−シアノ−3−ヒドロキシ−ヘプト−2−エン−6−イン−カルボン酸アミドである。
さらに有利な実施形態において、化合物は、化学式II又はその薬学的に許容される塩による構造を有している。
本開示の具体的な化合物は、米国特許第5,532,259号明細書、国際公開第91/717748号、及びKuoら(Kuo etal.,1996)に記載のこのような誘導体であり、上記各文献を参照により本願に援用する。
Kuoら(Kuo etal.,1996)において、本開示に係る化合物の製剤の例が示されており、これらの各々を参照することにより本願に援用する。
さらに、本開示に係る化合物は、市販品として購入できるか、又は、本明細書に開示された刊行物、特許、又は、特許公開に記載の方法に従って製造することができる。さらに、光学的に純粋な組成物は、不斉合成され得るか、又は、公知の分割剤若しくはキラルカラムと他の標準有機合成化学技術とを用いて分離され得る。本開示において使用される化合物は、ラセミ化合物、立体異性体的に濃縮された化合物又は立体異性体的に純粋な化合物、並びに、それらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、及びプロドラッグを含んでいてもよい。
例えば、FK778は、米国特許第5,308,865号(実施例14を参照)に記載の方法に従って製造することができる。FK778は、配座異性体及び立体異性体(Kobayashi et al.を参照)を含んでもよい。本明細書において使用される場合、「FK778」を指定した場合、このような配座異性体及び異性体も本開示の範囲内に含まれることが理解されるべきである。また、FK778は、他の互変異性体の形態であってもよく、このような互変異性体の形態も本開示の範囲内に含まれる。例えば、Kobayashiらに示されるように、FK778は、そのケト型又はエノール型、すなわち2−シアノ−3−オキソ−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−6−ヘプチンアミドであってもよい。本開示に係る使用のために、FK778は、本開示の範囲内に含まれる溶媒和物であってもよい。溶媒和物は水和物及びエタノレートを含むことが好ましい。
本開示に従って使用される好ましい化合物は、約1000g/mol未満の分子量を有する有機小分子であり、タンパク質、ペプチド類、オリゴヌクレオチド、オリゴ糖、又は他の高分子ではない。
有利な実施形態において、本開示に係る神経因性疼痛の治療に用いられる化合物は、神経系損傷後の患者に投与される。好ましくは、HR325又はF778は、神経系損傷後の患者に投与される。
驚くべきことに、本発明者らは、本開示に係る化合物、特にHR325又はF778の、神経因性疼痛のある哺乳動物への早期投与は、疼痛を最小限にし、かつ、鎮痛効果を化合物のさらなる投与なしに数週間〜数カ月維持させる(図1を参照)ことを見出している。
さらに、本発明者らは、本開示に係る化合物、特にHR325又はF778の投与は、また、すでに疼痛に罹患している場合(慢性痛)に、神経因性疼痛を最小限にすることを見出している。これらに結果は、図2及び図4に示される。
本開示に係る神経障害性慢性痛は、例えば、少なくとも1カ月以上の長期間持続する痛みであってもよい。それは、長期にわたる病気又は長引く損傷の結果である場合もある。神経因性慢性疼痛のための適切な定義は、Bogduk, N; Merskey, H (1994). Classification of chronic pain:descriptions of chronic pain syndromes and definitions of pain terms (seconded.). Seattle: IASP Press, p.212で掲載されており、その文献を参照により本願に援用する。
さらに有利な実施形態において、本開示にかかる化合物は、第2活性薬剤無しで、神経因性疼痛の治療における唯一の物理的活性化合物として使用される。
さらに他の有利な実施形態において、本開示は、神経因性疼痛を予防及び/又は治療するための、本開示に係る治療的に有効量の化合物を薬学的に許容される担体又は賦形剤と混合して含む医薬組成物に関する。
有利な実施形態において、本開示に係る医薬組成物は、本開示に係る化合物を含み、その組成物には第2活性成分を含まない。高度な一実施形態において、ラフルニムス(laflunimus)は、神経因性疼痛又は神経因性疼痛症候群の治療のための唯一の活性薬剤として使用される。高度な一実施形態において、ラフルニムスは、第2活性薬剤としての免疫調節化合物無しで、神経因性疼痛の治療のために使用される。
有利な実施形態において、医薬組成物は、神経因性疼痛を予防及び/又は治療するために使用され、この場合、その組成物は、治療的に有効量のラフルニムス又はその生理機能性誘導体を、薬学的に許容される担体又は賦形剤と混合して含む。有利な実施形態において、その医薬組成物は、(1−(3−メチル−4−トリフルオロメチルフェニル−カルバモイル)−2−シクロプロピル−2−オキソ−プロピオノニトリル)、N−(4−トリフルオロメチル)−フェニル−2−シアノ−3−ヒドロキシ−ヘプト−2−エン−6−イン−カルボン酸アミド、及び2−シアノ−3−シクロプロピル−3−オキソ−(4−シアノフェニル)プロピオンアミドからなる群より選ばれるマロノニトリルアミド、又は、その薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体若しくは立体異性体を含む。
本明細書において使用される場合、特記しない限り、「薬学的に許容される塩」という用語は、該用語が指す化合物の非毒性酸及び塩基付加塩を包含する。許容される非毒性酸付加塩は、当分野において公知の有機及び無機の酸又は塩基から誘導されるものを含み、それらの酸は、例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、メタンスルホン酸、酢酸、酒石酸、乳酸、琥珀酸、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、ソルビン酸、アコニット酸、サリチル酸、フタル酸、エンボン酸、エナント酸などを含む。天然に酸性である化合物は、様々な薬学的に許容される塩基と塩を形成することができる。このような酸性化合物の薬学的に許容される塩基付加塩を調製するために使用できる塩基は、非毒性塩基付加塩を形成するものであり、すなわち、薬理学的に許容されるカチオンを含有する塩、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩であり、特に、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、又はカリウムの塩などであるが、これらに限定されない。適切な有機塩基は、Ν,Ν−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルマイン(N−メチルグルカミン)、リジン、及びプロカインが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書において使用される場合、特記しない限り、「溶媒和物」という用語は、非共有結合性の分子間力により結合された、化学量論量又は非化学量論量の溶媒をさらに含む、本開示の化合物又はその塩を意味している。溶媒が水である場合、溶媒和物は水和物である。
本明細書において使用される場合、特記しない限り、「プロドラッグ」という用語は、生物学的条件下(インビトロ又はインビボ)で加水分解、酸化、又はそれ以外の場合は反応して本発明の化合物を提供することができる化合物の誘導体を意味している。プロドラッグの例としては、生物加水分解性アミド、生物加水分解性エステル、生物加水分解性カルバミン酸塩、生物加水分解性炭酸塩、生物加水分解性ウレイド、及び生物加水分解性ホスファート類似体などの生物加水分解性部分を含有する、本開示に係る化合物の誘導体を含むが、これらに限定されない。プロドラッグの他の例としては、−NO、−NO、−ONO、又は−ONO部分を含む、本開示の免疫調節化合物の誘導体が挙げられる。プロドラッグは、例えば、Burger’s Medicinal Chemistry and Drug Discovery, 172-178, 949-982(Manfred E. Wolff ed., 5th ed. 1995)、及び、Design ofProdrugs (H. Bundgaard ed., Elselvier, New York 1985)に記載の周知の方法を用いて典型的には調製され得る。本明細書において使用される場合、特記しない限り、「生物加水分解性アミド」、「生物加水分解性エステル」、「生物加水分解性カルバミン酸塩」、「生物加水分解性炭酸塩」、「生物加水分解性ウレイド」、「生物加水分解性ホスファート」は、1)化合物の生物活性を妨害しないが、摂取、作用の持続、作用の開始などのインビボでの有利な特性を該化合物に付与することができる、又は、2)生物学的に不活性であるが、インビボで生物学的活性体へ転換される、化合物のアミド、エステル、カルバミン酸塩、炭酸塩、ウレイド、又はホスファートをそれぞれ意味している。生物加水分解性エステルの例としては、低級アルキルエステル、低級アシロキシアルキルエステル(例えば、アセトキシルメチル、アセトキシエチル、アミノカルボニルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル、及びピバロイルオキシエチルエステル)、ラクトニルエステル(例えば、フタリジル及びチオフタリジルエステル)、低級アルコキシアシロキシアルキルエステル(例えば、メトキシカルボニル−オキシメチル、エトキシカルボニルオキシエチル、及びイソプロポキシカルボニルオキシエチルエステル)、アルコキシアルキルエステル、コリンエステル、並びにアシルアミノアルキルエステル(例えば、アセトアミドメチルエステル)が挙げられるが、これらに限定されない。生物加水分解性アミドの例としては、低級アルキルアミド、[アルファ]−アミノ酸アミド、アルコキシアシルアミド、及びアルキルアミノアルキルカルボニルアミドが挙げられるが、これらに限定されない。生物加水分解性のカルバミン酸塩の例としては、低級アルキルアミン、置換エチレンジアミン、アミノ酸、ヒドロキシアルキルアミン、複素環及び複素芳香族のアミン、並びにポリエーテルアミンが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書において使用される場合、特記しない限り、「立体異性体」という用語は、本開示における、鏡像異性体的に/立体異性体的に純粋な化合物、及び、鏡像異性体的に/立体異性体的に濃縮された化合物を全て包含している。
本明細書において使用される場合、特記しない限り、「立体異性体的に純粋」又は「鏡像異性体的に純粋」という用語は、化合物が1つの立体異性体を含み、それに対応するもう1つの立体異性体又は鏡像異性体は実質的に含まない、ということを意味する。例えば、化合物が80%、90%、又は95%以上の1つの立体異性体と、20%、10%、又は5%未満の対応するもう1つの立体異性体とを含む場合、該化合物は、立体異性体的に又は鏡像異性体的に純粋であり、特定の場合には、本開示の化合物は、特定のキラル中心に対して約80%ee(鏡像異性体過剰率)以上、好ましくは90%ee以上であり、より好ましくは、特定のキラル中心に対して95%eeである場合に、キラル中心に対して光学活性を有するか、又は、立体異性体的に/鏡像異性体的に純粋{すなわち、大体はR型、又は大体はS型)であると考えられる。
本明細書において使用される場合、特記しない限り、「立体異性体的に濃縮された」又は「鏡像異性体的に濃縮された」という用語は、ラセミ混合物と、本開示の化合物の立体異性体の他の混合物(例えば、R/S=30/70、35/65、40/60、45/55、55/45、60/40、65/35、及び70/30)とを含む。本開示の様々な阻害化合物は、1つ以上のキラル中心を有し、鏡像異性体のラセミ混合物、又はジアステレオマーの混合物として存在し得る。本開示は、このような化合物の立体異性体的に純粋な形態の使用、及びこれらの形態の混合物の使用を包含する。例えば、本開示の特定の阻害化合物の鏡像異性体を同じ又は異なる量で含む混合物は、本開示の方法及び組成物において使用されてもよい。これらの異性体は、不斉合成されてもよいし、又は、キラルカラム又はキラル分割剤などの標準的方法を用いて分離されてもよい。例えば、Jacques, J., et al, Enantiomers, Racemates and Resolutions(Wiley-Interscience, New York, 1981);Wilen, S. H., et al, Tetrahedron 33:2725(1977);Eliel, E. L., Stereochemistry of Carbon Compounds (McGraw-Hill, NY,1962);及びWilen, S. H., Tables of Resolving Agents andOptical Resolutions p. 268 (E. L. Eliel, Ed., Univ. of Notre Dame Press, NotreDame, IN, 1972)を参照する。
本明細書において使用される場合、特記しない限り、「互変異性体」という用語は、互変異性化によって容易に相互転換される、本開示に係る化合物の異性体を意味する。この反応は、一般に、単結合と隣接した二重結合とのスイッチに伴う水素原子又はプロトンのホルマール移動を引き起こす。一般的な互変異性体対は、ケトン−エノール、ケテン−イノール、アミド−イミド酸、ラクタム−ラクチム、複素環におけるアミド−イミド酸の互変異性体対、エナミン−イミン、エナミン−エナミンであり、また、溶液における還元糖のアノマーは、中間体の開鎖の形を介して相互転換する。
例えば、有利な実施形態において、化学式II(F778)を有する化合物は、そのエノール(F778)又はケト形で、即ち2−シアノ−3−オキソ−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−6−ヘプチンアミドであってもよく、このような互変異性体形も本開示の範囲内に含まれる。
なお、示された構造とその構造に与えられる名称との間に相違がある場合、示された構造がより重要なものと認めることに注目すべきである。また、構造又は構造の一部の立体化学が、例えば、太線又は破線により示されていない場合、その構造又はその構造の一部は、その全ての立体異性体を包含すると解釈されるものとする。
本明細書において使用される「生理機能性誘導体」という用語は、それ自体が薬学的に活性されないが、体内で、すなわち、投与される対象者において、その薬学的な活性型に変換される化合物を指す。生理機能性誘導体の例は、本願において以下で説明されるようなプロドラッグである。
本明細書において使用される「誘導体」という用語は、類似の化合物から誘導された化合物、又は、1つの原子が他の原子又は原子団によって置換される場合に他の化合物から生じると考えられ得る化合物を指す。本明細書において使用される「誘導体」という用語は、少なくとも理論上は、前駆体化合物から形成され得る化合物も指す(Oxford Dictionary of Biochemistry and Molecular BiolOgy. OxfordUniversity Press. ISBN 0-19-850673-2.を参照)。本発明の有利な実施形態において、「誘導体」という用語は、ラフルニムスからの誘導体に用いられる。
本開示は、神経因性疼痛や神経因性疼痛症候群の予防及び治療のための薬剤を製造するための、化学式I、II、III、IV又は化学式Vの化合物の使用、並びに、これらの化合物の薬理学的に許容される塩又は生理機能性誘導体の使用も対象としている。
本開示に係る方法及び使用は、帯状疱疹後神経痛(帯状疱疹に起因する)、神経根引き抜き損傷、疼痛を伴う外傷性単神経障害、疼痛を伴う多発性神経障害(特に、糖尿病に起因する)、中枢性疼痛症候群(潜在的に、神経系の任意のレベルにおけるほとんどすべての病変に起因する)、術後痛症候群(例えば、乳房切除術後症候群、開胸術後症候群、幻肢痛)、及び複合性局所疼痛症候群(反射性交感神経性ジストロフィー及び灼熱痛)などの、神経因性疼痛及び関連症候群を予防、治療及び/又は対処する方法を包含するが、これらに限定されない。
神経因性疼痛に関連する症状、状態、及び/又は症状は、感覚異常(重畳電撃成分に伴う自発性又は誘発性灼熱痛の場合が多い)を含むが、これらに限定されなく、疼痛は深くうずく可能性もある。知覚過敏、痛覚過敏、異痛(非侵害性刺激による疼痛)、及び痛感過敏(特に不快な、過度の疼痛反応)のような他の感覚が発生する可能性もある。
特定の活性薬剤のために採用される本開示に係る化合物の特定の投与経路の適合性は、特定の活性薬剤のために採用される本開示に係る化合物の特定の投与経路の適合性は、活性薬剤自体(例えば、それが、血流へ入る前に分解することなく、経口により投与され得るかどうか)及び治療される疾患に依存するであろう。本開示に係る化合物のための投与経路の有利な一実施形態は、経口投与である。さらなる投与経路は、当業者に知られているものである。
少なくとも1つの化合物の治療有効量の投与は、治療対象である各患者の年齢及び状態により異なり、且つ、これらの年齢及び状態依存している。本開示の一実施形態において、本明細書に記載の状態及び疾患のための本開示に係る化合物の推奨日用量の範囲は、約1mg/body〜10g/body、好ましくは5mg/body〜5g/body、より好ましくは10mg/body〜2g/bodyの一日量の活性成分がこの疾患を治療するために一般的に投与される範囲にあり、約0.5mg〜1mg、5mg、10mg、50mg、100mg、250mg、500mg、1g、2g、及び3gの平均単回投与量は一般的に投与される。この疾患(神経因性疼痛又は神経因性疼痛症候群)を治療するためにヒトに投与される一日量は、約0.1mg/kg〜50mg/kgの範囲にあってもよい。
この疾患(神経因性疼痛又は神経因性疼痛症候群)を防止するための少なくとも1つの化合物の投与期間は、化合物の種類、並びに防止しようとする病状の特性及び重症度によって異なる一方、この化合物は、通常、ヒトに対して、短期間又は長期間、すなわち、1週間〜1年にわたって投与されてもよい。
医薬組成物は、個々の、単一単位剤形の製剤で使用され得る。本開示の化合物は、本開示に係る化合物の1つ以上を、経口投与、又は、静脈、筋肉、髄腔内、皮下、経腸、直腸内又は鼻腔内などの非経口投与に適した薬学的に許容される担体又は賦形剤に伴う活性成分として含む、医薬組成物の形態で、例えば、固体、半固体、又は液体形態で使用されてもよい。該活性成分は、例えば、錠剤、ペレット、カプセル、坐剤、液剤(例えば、食塩水)、乳剤、懸濁剤(例えば、オリーブ油)、軟膏、及び使用に適した任意の他の形態のための、通常非毒性の薬学的に許容される担体と組み合わせられていてもよい。使用できる担体は、水、グルコース、乳糖アラビアゴム、ゼラチン、マンニトール、デンプン糊、三ケイ酸マグネシウム、コーンスターチ、ケラチン、コロイダルシリカ、じゃがいもデンプン、尿素、及び製剤の製造における使用に適したの他の担体であり、固体、半固体、又は液体の形態で、さらに、助剤、安定剤、増粘剤、着色剤、及び芳香剤を使用してもよい。活性対象化合物は、疾患を予防及び/又は治療するのに十分な有効量で医薬組成物中に含まれている。
本開示の単一単位剤形は、患者に対する、経口投与、粘膜投与(例えば、経鼻、舌下、膣内、口腔内、又は直腸)、非経口投与(例えば、皮下、静脈、ボーラス注射、筋肉、又は動脈内)、局所投与(例えば、点眼剤、又は他の眼の製剤)、経皮の又は経皮的投与に適している。剤形の例は、錠剤、カプレット、軟弾性ゼラチンカプセルなどのカプセル、カシェ剤、トローチ、口内錠、分散剤、坐剤、散剤、エアロゾル(例えば、鼻腔用スプレー又は吸入剤)、ゲル剤、懸濁剤(例えば、水性又は非水性の液体懸濁剤、水中油乳剤、又は油中水乳剤)、液剤、及びエリキシルを含む患者に対する経口投与又は粘膜投与に適した液体剤形、患者に対する非経口投与に適した液体剤形、局所投与に適した点眼剤又は他の点眼薬、及び、患者に対する非経口投与に適した液体剤形を提供するように再構成され得る滅菌固体(例えば、結晶性又は無定形の固体)が挙げられるが、これらに限定されない。
本開示の組成物、形状、及び剤形の種類は、一般的に、それらの用途によって異なる。例えば、疾患の急性治療に使用される剤形は、それが含む活性薬剤の1つ以上を、同じ疾患の長期治療に使用される剤形よりも多い量で含んでいてもよい。同様に、非経口剤形は、それが含む活性薬剤の1つ以上を、同じ疾患を治療するために使用される経口剤形よりも少ない量で含んでいてもよい。本開示により包含される具体的剤形がお互い異なるであろうこれら及び他の方法は、当業者には簡単に明らかになるであろう。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 18th ed., Mack Publishing,Easton PA (1990)を参照する。
典型的な医薬組成物及び剤形は、1つ以上の賦形剤を含有している。適切な賦形剤は、薬学分野の当業者に周知であり、適切な賦形剤の非限定的な例が、本明細書において提供されている。特定の賦形剤が医薬組成物又は剤形への組み込みに適しているかどうかは、当技術分野において周知の様々な要因に依存している。これらの要因は、剤形を患者へ投与する方法を含むが、これに限定はされない。例えば、錠剤などの経口剤形は、非経口剤形における使用には適していない賦形剤を含んでいてもよい。特定の賦形剤の適合性は、剤形における特定の活性薬剤にも依存していてもよい。例えば、いくつかの活性薬剤の分解は、乳糖などのいくつかの賦形剤によって、又は水に晒された時に加速されてもよい。第1級又は第2級アミンを含有する活性薬剤は、特に、このような加速分解の影響を受けやすい。従って、本開示は、乳糖又は他の単糖又は二糖を含んでいるとしてもその量が少量である医薬組成物及び剤形を包含している。本明細書において使用される場合「乳糖を含まない」という用語は、乳糖が存在するとしてもその量は活性成分の分解率を実質的に上昇させるには不十分なものである、ということを意味している。
本開示の乳糖を含まない組成物は、当技術分野において周知の、例えば、U.S. Pharmacopeia (USP) 25-NF20 (2002)に挙げられた賦形剤を含み得る。一般的に、乳糖を含まない組成物は、活性成分、結合剤/増量剤、及び潤滑剤を、薬学的に併用可能な、且つ、薬学的に許容される量で含んでいる。好ましい、乳糖を含まない剤形は、活性成分、微晶性セルロース、アルファー化デンプン、及びステアリン酸マグネシウムを含む。
水はいくつかの化合物の分解を促進することがあり得るので、本開示は、活性成分が含まれる無水の医薬組成物及び剤形をさらに包含する。水の添加(例えば、5%)は、貯蔵寿命又は経過時間に亘る製剤の安定性などの特性を決定するために、長期保存のシミュレート手段として、薬学的な技術において広く受け入れられている。例えば、Jens T. Carstensen, Drug Stability: Principles & Practice, 2d.Ed., Marcel Dekker, NY, NY, 1995, pp. 379-80を参照する。実際、水及び熱は、いくつかの化合物の分解を加速させる。従って、水分及び/又が湿気は製剤の製造、取扱い、包装、保管、送達、及び使用中に一般的に遭遇するものであるので、水の製剤に対する影響は、非常に重要であり得る。
本開示の無水の医薬組成物及び剤形は、無水の又は低水分含有の成分、及び、低水分又は低湿気条件を用いて調製され得る。製造、包装及び/又は保管中に水分及び/又は湿気との実質的な接触が予測されるならば、乳糖と、第1級又は第2級アミンを含む少なくとも1つの活性成分とを含む医薬組成物及び剤形は、無水であることが好ましい。無水の医薬組成物は、その無水の特性が維持されるように調製され、保管されるべきである。従って、無水の組成物は、適切な処方キットに含まれ得るように、水に対する曝露を防止することが知られている材料を用いて包装されることが好ましい。適切な包装の例としては、密封ホイル、プラスチック、単回投与容器(例えば、バイアル)、ブリスター包装、及びストリップ包装が挙げられるが、これらに限定されない。
本開示は、さらに、活性成分の分解率を下げる1つ以上の化合物を含む、医薬組成物及び剤形を包含する。本明細書において「安定剤」と称されるこのような化合物は、アスコルビン酸などの抗酸化剤、pH緩衝剤、又は塩緩衝剤を含むが、これらに限定されない。
賦形剤の量及び種類と同様に、剤形における活性薬剤の量及び特定の種類は、要因によって異なっていてもよく、要因の例としては、患者に対する投与経路が挙げられるが、これに限定されない。しかしながら、本開示の典型的な剤形は、本開示に係る化合物、又は、その薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、クラスレート若しくはプロドラッグを、約0.10mg〜約150mgの量で含む。典型的な剤形は、本開示の化合物、又は、その薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、クラスレート若しくはプロドラッグを、約0.1mg、1mg、2mg、5mg、7.5mg、10mg、12.5mg、15mg、17.5mg、20mg、25mg、50mg、100mg、150mg又は200mgの量で含む。特定の一実施形態において、好ましい剤形は、4−(アミノ)−2−(2,6−ジオキソ(3−ピペリジル))−イソインドリン−l,3−ジオンを、約1mg、2mg、5mg、10mg、25mg又は50mgの量で含む。特定の一実施形態において、好ましい剤形は、3−(4−アミノ−l−オキソ−l,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−ピペリジン−2,6−ジオンを約5mg、10mg、25mg又は50mgの量で含む。
経口投与に適した、本開示の医薬組成物の経口剤形は、錠剤(例えば、咀嚼錠)、カプレット、カプセル、及び液体(例えば、味付きシロップ)などの個別の剤形として提供され得るが、これらに限定されない。このような剤形は、所定量の活性成分を含み、当業者に周知の薬剤学の方法により調製されてもよい。一般的に、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 18th ed., Mack Publishing,Easton PA (1990)を参照する。
本開示の典型的な経口剤形は、従来の製薬の配合技術に従って、活性成分を緊密な混和物において少なくとも1つの賦形剤と組み合わせることにより調製される。賦形剤は、投与のために望ましい製剤の形態に応じて、様々な形態をとり得る。例えば、経口液体又はエアロゾル剤形において使用されるのに適した賦形剤は、水、グリコール、油、アルコール、着香料、防腐剤、及び着色料が挙げられるが、これらに限定されない。固体の経口剤形{例えば、散剤、錠剤、カプセル、及びカプレット)において使用するのに適した賦形剤の例としては、デンプン、糖類、微晶質セルロース、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、及び崩壊剤が挙げられるが、これらに限定されない。
錠剤及びカプセルは、その投与が容易なので、最も有利な経口投薬単位形態であり、この場合、固体賦形剤が採用される。所望に応じて、錠剤は、標準的な水性又は非水性技術によって被覆され得る。このような剤形は、製薬上の任意の方法により調製することができる。一般的に、医薬組成物及び剤形は、活性成分を液体担体、細かく分かれた固体担体、又はこれらの両方と均質に、且つ、完全に混和し、その後、その生成物を、必要に応じて所望の外形に成形することにより調製される。
例えば、錠剤は、圧縮又は成形により調製される。圧縮された錠剤は、活性成分を任意には賦形剤と混合して、適切な機械において散剤又は顆粒剤などの自由流動形態に圧縮することにより調製され得る。成形された錠剤は、適切な機械において不活性液体希釈剤により湿らされた、粉末化した化合物の混合物を成形することにより形成され得る。
本開示の経口剤形において使用し得る賦形剤の例としては、結合剤、増量剤、崩壊剤、及び潤滑剤が挙げられるが、これらに限定されない。医薬組成物及び剤形での使用に適した結合剤の例としては、コーンスターチ、じゃがいもデンプン、又は他のデンプン、ゼラチン、アカシアなどの、天然及び合成のゴム、ナトリウムアルギン酸塩、アルギン酸、他のアルギン酸塩、粉末化トラガカント、グアーガム、セルロース及びその誘導体{例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ナトリウムカルボキシメチルセルロース)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、{例えば、番号2208、2906、2910)、微晶性セルロース、及びその混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
微晶性セルロースの適切な形態は、AVICEL-PH-101、AVICEL-PH-103、AVICELRC-581、AVICEL-PH-105(FMC Corporation,American Viscose Division, Avicel Sales, Marcus Hook, PAから入手可能)として販売される材料、及びその混合物を含むが、これらに限定されない。具体的な結合剤は、AVICELRC−581として販売される、微晶性セルロースとナトリウムカルボキシメチルセルロースとの混合物である。適切な無水の又は低水分賦形剤又は添加物は、AVICEL−PH−103(TM)及びデンプン1500LMを含む。本明細書において開示される医薬組成物及び剤形における使用に適した増量剤の例としては、タルク、カルシウム炭酸塩(例えば、顆粒剤又は散剤)、微晶性セルロース、粉末化セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、珪酸、ソルビトール、デンプン、アルファー化デンプン、及びその混合物が挙げられるが、これらに限定されない。本開示の医薬組成物における結合剤又は増量剤は、医薬組成物又は剤形の約50重量パーセント〜約99重量パーセントで典型的には存在している。
崩壊剤は、本開示の組成物において使用されて、水性環境に曝露された場合に崩壊する錠剤を提供する。過量の崩壊剤を含む錠剤は、保管時に崩壊する可能性がある一方で、崩壊剤の含有量不足の錠剤は、所望の速度又は所望の条件下で崩壊しない可能性がある。従って、活性成分の放出を不利益に変えるように多すぎたり少なすぎたりしない十分な量の崩壊剤は、本開示の固体経口剤形を形成するために使用されるべきである。使用される崩壊剤の量は、製剤の種類によって異なっており、当業者には容易に認識できる。典型的な医薬組成物は、約0.5重量パーセント〜約15重量パーセントの崩壊剤、好ましくは、約1重量パーセント〜約5重量パーセントの崩壊剤を含む。
本開示の医薬組成物及び剤形において使用され得る崩壊剤は、寒天、アルギン酸、カルシウム炭酸塩、微晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、ナトリウムデンプングリコレート、じゃがいも又はタピオカのデンプン、他のデンプン、アルファー化デンプン、他のデンプン、クレー、他のアルギン、他のセルロース、ガム、及びその混合物を含むが、これらに限定されない。
本開示の医薬組成物及び剤形において使用され得る潤滑剤は、カルシウムステアリン酸塩、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ナトリウムラウリル硫酸塩、タルク、硬化植物油(例えば、落花生油、綿実油、ヒマワリ油、胡麻油、オリーブ油、トウモロコシ油、及び大豆油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル、寒天、及びその混合物を含むが、これらに限定されない。さらなる潤滑剤の例としては、シロイドシリカゲル(AEROSIL200、Baltimore, MDのW.R. Grace Co.社により製造)、合成石英の凝固エアロゾル(Piano, TXのDegussa Co.社により販売)、CAB−O−SIL(Boston, MAのCabot Co.社により販売される発熱性の二酸化珪素製品)、及びその混合物が挙げられるが、これらに限定されない。ともかく使用される場合、潤滑剤は、それが組み込まれる医薬組成物又は剤形の約1重量パーセント未満の量で使用されることが典型的である。
本開示の好ましい固形経口剤形は、本開示の化合物、無水乳糖、微晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、ステアリン酸、コロイド状無水シリカ、及びゼラチンを含む。
本開示の活性成分は、当業者に周知の制御放出手段又は送達手段により投与され得る。例としては、米国特許第3,845,770号、第3,916,899号、第3,536,809号、第3,598,123号、及び第4,008,719号、第5,674,533号、第5,059,595号、第5,591,767号、第5,120,548号、第5,073,543号、第5,639,476号、第5,354,556号、及び第5,733,566号明細書に記載のものが挙げられるが、これらに限定されなく、これらの文献を引用により本明細書に援用する。このような剤形を、様々な割合で所望の放出特性を提供するために、例えば、ヒドロプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、ゲル剤、浸透性膜、浸透圧系、多層コーティング、ミクロ粒子、リポソーム、ミクロスフェア、又はこれらの組み合わせを用いて、1つ以上の活性成分を低速で又は制御して放出するために使用することができる。本明細書に記載のものを含む、当業者に知られている適した制御放出製剤は、本開示の活性成分と共に使用するために簡単に選択され得る。従って、本開示は、制御放出に適合された錠剤、カプセル、ジェルキャップ、及びカプレットなどの経口投与に適した単一単位剤形を包含するが、これらに限定されない。
全ての制御放出の医薬製品は、その非制御の対照よりも薬剤療法を改善することを共通の目標にしている。理想的には、薬物療法における最適に設計された制御放出製剤の使用は、最短時間で疾患を治癒又は抑制するために採用される薬剤物質が最少になることを特徴とする。制御放出製剤の利点は、薬物の延長した活性、投薬頻度の低減、及び、患者のコンプライアンスの向上を含む。また、制御放出製剤は、作用の開始時間又は薬物の血中濃度などの他の特性に影響を及ぼすために使用され得るので、副作用(例えば、有害な副作用)の発生に影響を及ぼすことができる。
ほとんどの制御放出製剤は、所望の治療効果を迅速に生じる量の薬物(活性成分)を最初に放出し、次第に連続的に他の量の薬物を放出して長期に亘ってこのレベルの治療的又は予防的な効果を維持するように設計されている。体内における薬物のこの一定レベルを維持するために、薬物は、代謝され、体から排泄される薬物の量を置換する速度で剤形から放出される必要がある。活性成分の制御放出は、pH、温度、酵素、水、若しくは、他の生理学的条件又は化合物を含む様々な条件によって促進され得るが、これらに限定されない。
非経口剤形は、皮下、静脈(ボーラス注射を含む)、筋肉、及び動脈内を含む様々な経路により患者に投与され得るが、これらに限定されない。それらの投与は、典型的には、患者の汚染物質に対する自然免疫能を回避するので、非経口剤形は、無菌であるか、又は、患者への投与前に殺菌され得ることが好ましい。非経口剤形の例としては、注射用に準備された溶液、注射用の薬学的に許容されるビヒクルに溶解又は懸濁させることの容易な乾燥生成物、注射用に準備された懸濁剤、及び乳剤が挙げられるが、これらに限定されない。本開示の非経口剤形を提供するために使用され得る適切なビヒクルは、当業者に周知である。例としては、注射用の水USP;塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、ブドウ糖注射液、ブドウ糖及び塩化ナトリウムの注射液、及び乳酸加リンガー液などの水性ビヒクル、エチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールなどの水−混和性ビヒクル、並びに、トウモロコシ油、綿実油、落花生油、胡麻油、オレイン酸エチル、イソプロピルミリステート、及びベンジル安息香酸などの非水性ビヒクルが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に開示する活性成分の1つ以上の溶解性を上昇させる化合物は、本開示の非経口の剤形にも組み込まれ得る。例えば、シクロデキストリン及びその誘導体は、本開示の化合物及びその誘導体の溶解性を上昇させるために使用され得る。例えば、米国特許第5,134,127号明細書を参照する。なお、この文献は、引用により本願に援用される。
本開示の局所剤形及び粘膜剤形は、スプレー、エアロゾル、液剤、乳剤、懸濁剤、点眼剤若しくは他の眼の製剤、又は、当業者に知られている他の形態を含むが、これらに限定されない。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 16th and 18th eds., MackPublishing, Easton PA (1980 & 1990);及びIntroduction to Pharmaceutical DosageForms, 4th ed., Lea & Febiger, Philadelphia (1985)を参照する。口腔内の粘膜組織を治療するのに適した剤形は、洗口剤又は経口ゲル剤として製剤され得る。
本開示に含まれる局所剤形及び粘膜剤形を提供するために使用され得る適切な賦形剤{例えば、担体及び希釈剤)及び他の材料は、薬学分野の当業者に周知であり、所与の医薬組成物又は剤形が適用される特定の組織に依存している。この事実を考慮すると、典型的な賦形剤は、無毒性であって且つ薬学的に許容される、液剤、乳剤又はゲル剤を作成するための、水、アセトン、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン−1,3−ジオール、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミタート、鉱油、及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。保湿剤又は湿潤剤も、所望であれば医薬組成物及び剤形に添加され得る。このような付加成分の例は、当分野において周知である。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 16th and 18th eds., MackPublishing, Easton PA (1980 & 1990)を参照する。
医薬組成物又は剤形のpHも、1つ以上の活性成分の送達を向上するために調整されてもよい。同様に、溶媒担体の極性、そのイオン強度、又は張性を調節して送達を向上することができる。ステアリン酸塩などの化合物は、医薬組成物又は剤形に添加されて、送達を向上するために1つ以上の活性成分の親水性又は疎水性を有利に変化させることができる。これに関し、ステアリン酸塩は、製剤のための脂質ビヒクルとして、乳化剤又は界面活性剤として、及び、送達を促進する薬剤又は浸透を促進する薬剤として機能することができる。活性成分の異なる塩、水和物、又は溶媒和物は、結果として生じる組成物の特性をさらに調節するために使用され得る。
典型的には、本開示の活性成分は、同時又は同じ投与経路で患者に投与されないことが好ましい。従って、本開示は、開業医により使用される場合に、患者に対する適切な量の活性成分の投与を簡単化することができるキットを包含する。
本開示の典型的なキットは、本開示の化合物、又は、その薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、プロドラッグ、又はクラスレートの剤形を含む。本開示に含まれるキットは、追加の活性薬剤をさらに含み得る。追加の活性薬剤の例としては、本明細書に開示されたもの(例えば、項目4.2を参照)が挙げられるが、これらに限定されない。本開示のキットは、活性成分の投与に使用される装置をさらに含み得る。このような装置の例としては、シリンジ、点滴袋、パッチ、及び吸入器が挙げられるが、これらに限定されない。有利な一実施形態において、本開示のキットは、レフルノミドを含み、追加の免疫調節化合物を含まない。
本開示のキットは、移植のための細胞又は血液、並びに、1つ以上の活性成分を投与するために使用され得る薬学的に許容されるビヒクルをさらに含み得る。例えば、ある活性成分が、非経口投与のために再構成しなければならない固体形態で提供されている場合、キットは、活性成分を溶解させて非経口投与に適した、微粒子を含まない無菌液を形成することができる適切なビヒクルの密封容器を含み得る。薬学的に許容されるビヒクルの例としては、注射用の水USP;塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、ブドウ糖注射液、ブドウ糖及び塩化ナトリウムの注射、及び乳酸加リンガー液などの水性ビヒクル;エチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールなどの水−混和性ビヒクル;並びにトウモロコシ油、綿実油、落花生油、胡麻油、オレイン酸エチル、イソプロピルミリステート、及びベンジル安息香酸などの非水性ビヒクルが挙げられるが、これらに限定されない。
神経因性疼痛の治療における使用のための、本開示に係る化合物の有利な例は、
A)HR325(ラフルニムス)(1−(3−メチル−4−トリフルオロメチルフェニル−カルバモイル)−2−シクロプロピル−2−オキソ−プロピオノニトリル)、
B)FK778(N−(4−トリフルオロメチル)−フェニル−2−シアノ−3−ヒドロキシ−ヘプト−2−エン−6−イン−カルボン酸アミド)、
C)MNA279(2−シアノ−3−シクロプロピル−3−オキソ−(4−シアノフェニル)プロピオンアミド)、
D)5−(3−ブチニル)−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−イソオキサゾールカルボアミド、
である。
以下の実施例及び方法は、単に説明のために提供されたものであり、決して本開示の範囲を限定することを目的とするものではない。
[方法及び実施例]
ヒト被検者における本開示に係る化合物の臨床評価を裏付けるために、一連の非臨床の薬理学及び毒性学の研究を行った。これらの研究は、研究設計についての国際的に認められたガイドラインに従って、且つ、特記しない限りは、医薬品最適研究基準(GLP)の要件を遵守して行われた。
(実施例1)
ラットにおける重度脊髄挫傷損傷後の機械的異痛の発生を抑制するためのラフルニムス(HR325)治療。
<外科的方法>
13週齢雌ルイスラット(Charles River, Sulzfeld Germany)を、12時間:12時間の暗/明措置の下に収容し、水及び餌は自由にとらせた。1週間の馴化の後、動物に、イソフルランと空気との混合物(導入:5%イソフルラン、維持:2.2%イソフルオラン)による全身麻酔を行った。硬膜を破裂させずにTh10椎弓切除術を行い、重度挫傷SCI(25gemNYU/MASCIS II impactor){Gruner, 1992 シャープ3}を誘発した。筋肉及び皮膚を縫合した後、5mlの乳酸リンゲル液の皮下(s.c.)注射を与えた。自発的排尿が戻るまで(通常は1週間以内)、1日に2回手作業で膀胱を空にした。病変重症度を、インパクタ棒の衝撃速度及び挫傷深度により検証した。衝撃速度誤差>5%であった動物は、更なる分析から排除した。損傷の後、個々のラットを、治療群に無作為に割り当てた。以下のグループを使用した。
グループ1:SCI+7日間の強制投与によるビヒクル(無菌水における1,5%のCMC)、DPO1〜DPO7
グループ2:SCI+7日間の強制投与によるビヒクルにおけるHR325(10mg/kg/day)、DPO1〜DPO7
グループ3:SCI+7日間の強制投与によるビヒクルにおけるHR325(20mg/kg/day)、DPO1〜DPO7
グループ4:SCI+7日間の強制投与によるビヒクルにおけるHR325(30mg/kg/day)、DPO1〜DPO7
−機械的感度の評価−
機械的な感度応答は、無拘束状態で足引っ込めを誘発するのに必要である直接圧刺激として測定した。すべてのテストは、午前中7:30〜10:30amの間で行われ、行動試験の実施者が実験群の情報を知らないようにした。動物は、試験前に少なくとも20分間、試験装置に慣れた。各動物は、Chaplan(Chaplan et al.,1994)によって記載されたUp−Downパラダイムを用いて、0.4g〜15g(log force 3.61、3.84、4.08、4.31、4.56、4.74、4.93及び5.18)の一連のvon Freyフィラメントの刺激を受けた。選択されたvonFreyフィラメントは、後肢足底面に30°まで押し付けられ、後肢足底面を3秒間曲げた。足引っ込め応答は、陽性反応と見なされた。足引っ込めに必要である50%閾値力は、各ラットの両後肢に対して計算され、両後肢の平均値は、この動物の機械的感度を表すのに用いられた。
−結果−
機械的感度
機械的感度(足引っ込めのための50%閾値力で示される)は、vonFreyフィラメントを用いて、Up−Down法によって測定した。手術後第28日目はすべてのラットが足底の位置に後足で座り得る最初の時点であるため、すべてのラットは、手術前にベースライン検査され、手術後第28日目に再度検査された。ベースラインですべての動物は15gの最大の50%閾値力に達し、結果として両群間で差は認められなかった。予想通り、ビヒクル投与動物もHR325投与動物も共にDPO28で機械的過敏症を示した。しかし、HR325治療の結果として、機械的過敏症は、DPO28ですべてのHR325治療用量群において著しく低下した(one-way ANOVA、F3,53=19,93、p<0.001、図1を参照)。投与群とビヒクル対照群とのこの統計的有意差は、DPO63で実験終了まで維持した(one-way ANOVA、F3,53=35,34、p<0.001、図1を参照)。従って、すべてのテストしたHR325投薬量(すなわち、10mg/kg/d、20mg/kg/d、及び30mg/kg/d)は、実験脊髄損傷後の機械的異痛の発生を抑制することができる(図1を参照)。
(実施例2)
HR325及びFK778治療はともに、ラットにおける重度脊髄挫傷損傷によって誘導された中枢神経因性疼痛を回復することができる。
<外科的方法>
外科的方法は、実施例1を参照する。。
損傷の後、個々のラットを、治療群に無作為に割り当てた。以下のグループを使用した。
グループ1:SCI+7日間の強制投与によるビヒクル(無菌水における1,5%のCMC)、DPO28〜DPO35
グループ2:SCI+7日間の強制投与によるビヒクルにおけるHR325(10mg/kg/day)、DPO28〜DPO35
グループ3:SCI+7日間の強制投与によるビヒクルにおけるFK778(10mg/kg/day)、DPO28〜DPO35
−機械的感度の評価−
機械的感度の評価は、実施例1を参照する。
−アセトン試験−
De la Calle及び同僚たち(De la Calle etal。,2002)による若干修正された方法は、寒冷化学的刺激に対する反応性を確定するために用いられた。ラットは、ラットの足へのアクセスを可能にするように、アクリルケージに入れられワイヤメッシュグリッドの上に置かれ、後肢足底面にアセトンを塗布した。これを行うため、100μlのアセトンを2.5ml注射器でグリッドの下方よりラット後肢の足底面に噴霧した。アセトンに60秒暴露された後の期間に床から脚を引っ込めるために使った時間を記録した。各テストの間に5分〜10分の間隔で、両後肢を各動物でテストした。両脚間の平均反応時間は、さらなる分析のために採用された。反応が全くなかった場合に0が割り当てられた一方、1秒の最小値は高速又は活発な反応を伝えるために割り当てられた。このアセトン試験は、低温、化学的、可能な機械的刺激の構成として説明した。
−結果−
機械的感度
機械的感度(足引っ込めのための50%閾値力で示される)は、vonFreyフィラメントを用いて、Up−Down法によって測定した。手術後第28日目はすべてのラットが足底の位置に後足で座り得る最初の時点であるため、すべてのラットは、手術前にベースライン検査され、手術後第28日目で再度検査された。ベースラインですべての動物は15gの最大の50%閾値力に達し、結果として両群間で差は認められなかった。予想通り、すべての動物はDPO28で機械的過敏症を示し、引っ込め閾値は、ビヒクル対照動物、HR−325投与動物及びFK−778投与動物において、それぞれ、損傷前の15グラムから2.7グラム、3.0グラム及び3.1グラムに低下した。その後、我々は、DPO28〜DPO35で、機械的過敏症に大きな影響を与えたHR−325、FK−778、又はビヒクルによる経口治療を開始した。DPO35で、引っ込め閾値は、ビヒクル対照動物と比較した場合、HR−325及びFK−778投与動物において著しく高かった(one-way anova、f2,35=12,6、p<0.001、図2を参照)。投与群とビヒクル対照群とのこの統計的有意差は、DPO77で実験終了まで維持した(one-way ANOVA、F2,35=24,2、p<0.001、図2を参照)。従って、HR−325及びFK−778は、実験脊髄損傷後の機械的異痛を抑制することができる。
−アセトン試験−
アセトン試験は、寒冷化学的刺激に対する反応性を確定するために用いられた。得られた結果は、アセトンが後肢足底面に適用されたときに損傷の前に全く反応を引き起こさないことを明確に示した。しかし、DPO28で、すべての動物は、アセトン暴露に対する明確な反応を示した。次の7日に、DPO35まで、治療は、HR−325、FK−778、又はビヒクルから開始された。治療の結果として、治療群間の最初の有意差はDPO35で明らかになった。FK−778投与動物は、ビヒクル対象群に比べて、アセトン暴露に著しく短く応答した(one-way ANOVA、F2,34=5,6、p<0.01、図3を参照)。3週間後、DPO56で、それらの群の間に顕著な差が依然として存在しており(one-way ANOVA、F2,34=21,0、p<O.001、図3を参照)、Bonferroni post-hocテストは、FK−778及びHR−325投与動物がビヒクル対象群に比べてアセトン暴露に著しく短く応答することを明らかにした。これらの差は、DPO70で、実験終了まで変わらなかった(one-way ANOVA、F2,34=12,3、p<0.01、図3を参照)。従って、HR−325及びFK−778はともに、実験的脊髄損傷後の冷感異痛を回復することができる。
(実施例3)
HR325治療は、脊髄挫傷損傷後3カ月で慢性中枢神経因性疼痛を回復することができる。
<外科的方法>
外科的方法は、実施例1を参照する。
損傷の後、個々のラットを、治療群に無作為に割り当てた。以下のグループを使用した。
グループ1:SCI+7日間の強制投与によるビヒクル(無菌水における1,5%のCMC)、DPO84〜DPO91
グループ2:SCI+7日間の強制投与によるビヒクルにおけるHR325(10mg/kg/day)、DPO84〜DPO91
−機械的感度の評価−
機械的感度の評価は、実施例1を参照する。
−アセトン試験−
機械的感度の評価は、実施例2を参照する。
−結果−
機械的感度
機械的感度(足引っ込めのための50%閾値力で示される)は、vonFreyフィラメントを用いて、Up−Down法によって測定した。手術後第28日目はすべてのラットが足底の位置に後足で座り得る最初の時点であるため、すべてのラットは、手術前にベースライン検査され、手術後第28日目に再度検査された。ベースラインですべての動物は15gの最大の50%閾値力に達し、結果として両群間で差は認められなかった。予想通り、すべての動物はDPO28で機械的過敏症を示し、引っ込め閾値は、ビヒクル対照動物及びHR−325投与動物において、それぞれ、損傷前の15グラムから3.2グラム及び2.7グラムに低下した。その後、それから2カ月にわたって、50%閾値力は、HR−325又はビヒクルによる経口治療が開始されたDPO84まで、安定に維持された。この7日間の治療の結果として、50%閾値力は増加しており、DPO91で引っ込め閾値は、ビヒクル対照動物と比較した場合、HR−325投与動物において著しく高かった(StudentT−テスト、T=5,33、p<0.001、図4を参照)。それらの群間の同等な差は、DPO105で実験終了時に認められた(Student T−テスト、T=7,68、p<0.001、図4を参照)。従って、HR−325は、持続的な3カ月を経ても、脊髄損傷による慢性の機械的異痛を回復することができる。
−アセトン試験−
アセトン試験は、寒冷化学的刺激に対する反応性を確定するために用いられた。得られた結果は、アセトンが後肢足底面に適用されたときに損傷の前に全く反応を引き起こさないことを明確に示した。しかし、DPO35で、すべての動物は、アセトン暴露に対する明確な反応を示した。次の2カ月に、DPO84まで、アセトン暴露に対する反応は変わらなかった。しかし、DPO84で、7日間の経口治療は、HR−325又はビヒクルから開始された。治療の結果として、その2つの群間の最初の有意差はDPO91で明らかになった(StudentT−テスト、T=4,70、p<0.001、図5を参照)。それらの群間の同等な差は、DPO105で実験終了時に認められた(Student T−テスト、T=3,54、p<0.01、図5を参照)。従って、HR−325は、持続的な3カ月を経ても、脊髄損傷による慢性の冷感異痛を回復することができる。
要するに、これらの実施例に示したデータは、HR−325治療(すなわち、10mg/kg/d、20mg/kg/d及び30mg/kg/d)が脊髄損傷後の機械的異痛の発生を抑制できることを明確に証明した。また、ラフルニムス(HR−325)及びFK−778治療は、脊髄損傷後の機械的異痛及び熱的異痛を回復することができる。最後に、HR−325治療は、3カ月間継続された脊髄損傷後の機械的異痛及び冷感異痛を回復することができる。
(実施例4)
HR325治療は、坐骨神経の慢性絞扼性神経損傷(CCI)後の末梢神経因性疼痛を和らげることができる。
<外科的方法>
手術は、Bennett及びXie(1988.)の方法に従って実施した。総坐骨神経は、大腿二頭筋を通して鈍的切開によって、大腿中部の位置で露出した。坐骨神経三枝分岐(sciatic trifurcation)の近位側における約7mmの神経は、組織への付着から解放され、4つの結紮糸(5.0クローミック腸線)は、1mm間隔で神経周囲にゆるく結ばれた。神経の直径がほとんど収縮しないと見なされるように、細心の注意を結ぶために払った。神経のこの絞扼は、神経内浮腫、局所的虚血、及び軸索変性を引き起こった。結果として、このモデルは、冷感異痛及び機械的異痛、並びに、2カ月以上の期間持続する自発性疼痛のいくつかの症状をもたらす(Attal et al., 1990; Bennett and Xie, 1988)。
損傷後14日(DPO14)で、各ラットはすべて、DPO21まで連続7日間でHR−325によって毎日治療した。
−機械的感度の評価−
機械的な感度応答は、無拘束状態で足引っ込めを誘発するのに必要である直接圧刺激として測定した。動物は、試験前に少なくとも20分間、試験装置に慣れた。各動物は、Chaplan(Chaplan et al.,1994)によって記載されたUp−Downパラダイムを用いて、1.0g〜60gの一連のvonFreyフィラメントの刺激を受けた。選択されたvon Freyフィラメントは、後肢足底面に30°まで押し付けられ、後肢足底面を3秒間曲げた。足引っ込め応答は、陽性反応と見なされた。足引っ込めに必要である50%閾値力は、各ラットの両後肢に対して計算された。
−アセトン試験−
De la Calle及び同僚たち(De la Calle et al。,2002)による若干修正された方法は、寒冷化学的刺激に対する反応性を確定するために用いられた。ラットは、ラットの足へのアクセスを可能にするように、アクリルケージに入れられワイヤメッシュグリッドの上に置かれ、後肢足底面にアセトンを塗布した。これを行うため、100μlのアセトンを2.5ml注射器でグリッドの下方よりラット後肢の足底面に噴霧した。アセトンに60秒暴露された後の期間に床から脚を引っ込めるために使った時間を記録した。各テストの間に5分〜10分の間隔で、両後肢を各動物でテストした。
−結果−
機械的感度
機械的感度(足引っ込めのための50%閾値力で示される)は、vonFreyフィラメントを用いて、Up−Down法によって測定した。すべてのラットは、手術前にベースライン検査され、手術後第7日目及び第14日目で再度検査された。ベースラインですべての動物は、反対側足と同側足のいずれにおいても、60gの最大の50%閾値の力に達した。予想通り、すべての動物は、DPO7及びDPO14で、同側足において重度機械的過敏症を示した。引っ込め閾値は、損傷前の60グラムから損傷後第14日目の10グラムに低下しており、この引っ込め閾値は、反対側足と比較した場合、著しく低かった。その後、DPO14からDPO21までの間に、HR−325による経口治療を施した(ブラックバー、図6)。DPO21で、同側足における引っ込め閾値は、47グラムまで著しく増加しており、この引っ込め閾値は、反対側足の引っ込め閾値とは有意差がなかった(T−test、n.s.,図6を参照)。1週間後、DPO28で、同側足における引っ込め閾値が依然として反対側足と同様であるので、HR−325の治療に与える影響は安定に維持された。
−アセトン試験−
アセトン試験は、寒冷化学的刺激に対する反応性を確定するために用いられた。得られた結果は、アセトンが後肢足底面に適用されたときに損傷の前に全く反応を引き起こさないことを明確に示した。しかし、ほとんどの動物は、DPO7及びDPO14で、同側足においてアセトン暴露に対する明確な反応、それぞれ16秒及び23秒の平均反応時間を示した。反対側足が全く反応しなかったので、両後肢の間で統計的有意差は見なされた。次の7日に、DPO21まで、動物を毎日10mg/kgのHR−325によって治療した(ブラックバー、図7)。治療の結果として、アセトンに対する反応性は、同側足においてほぼ低下した。1週間後、DPO28で、アセトン暴露に対する反応性は、依然として非常に低いであって、反対側足における反応性と同様である(T−test、n.s.,図7を参照)。
(実施例5)
HR325治療は、坐骨神経の部分結紮後の末梢神経因性疼痛を和らげることができる。
<外科的方法>
手術は、Seltzerら(1990)の方法に従って実施した。坐骨神経背側は、後上腕二頭筋の半腱様筋の神経が総坐骨神経から枝分かれした分岐点より遠位にある転子に近づく部位で、周囲結合組織から注意深く解放された。神経は、神経を下部構造(underlying structures)に押し付けないように注意しながら、その背側面における神経上膜をつまむことによって、その位置に固定された。8−0(ポリアミド6)縫合糸は、神経に挿入され、神経厚さの背側1/3〜1/2を結紮糸に閉じ込めるようにきつく結紮された(Seltzer et al., 1990)。
損傷後14日(DPO14)で、各ラットはすべて、DPO21まで連続7日間でHR−325によって毎日治療した。
−機械的感度の評価−
機械的感度の評価は実施例4を参照する。
−アセトン試験−
機械的感度の評価は実施例4を参照する。
−結果−
機械的感度
機械的感度(足引っ込めのための50%閾値力で示される)は、vonFreyフィラメントを用いて、Up−Down法によって測定した。すべてのラットは、手術前にベースライン検査され、手術後第7日目及び第14日目で再度検査された。ベースラインですべての動物は、反対側足と同側足のいずれにおいても、60gの最大の50%閾値の力に達した。予想通り、すべての動物は、DPO7及びDPO14で、同側足において重度機械的過敏症を示した。引っ込め閾値は、損傷前の60グラムから損傷後第14日目の19グラムに低下しており、この引っ込め閾値は、反対側足と比較した場合、著しく低かった。その後、DPO14からDPO21までの間に、HR−325による経口治療を施した(ブラックバー、図8)。DPO21で、同側足における引っ込め閾値は、54グラムまで著しく増加しており、この引っ込め閾値は、反対側足の引っ込め閾値とは有意差がなかった(T−test、n.s.,図8を参照)。1週間後、DPO28で、同側足における引っ込め閾値が依然として反対側足と同様であるので、HR−325の治療に与える影響は安定に維持された。
−アセトン試験−
アセトン試験は、寒冷化学的刺激に対する反応性を確定するために用いられた。得られた結果は、アセトンが後肢足底面に適用されたときに損傷の前に全く反応を引き起こさないことを明確に示した。しかし、ほとんどの動物は、DPO7及びDPO14で、同側足においてアセトン暴露に対する明確な反応、それぞれ4秒及び8秒の平均反応時間を示した。反対側足が全く反応しなかったので、両後肢の間で統計的有意差は見なされた。次の7日に、DPO21まで、動物を毎日10mg/kgのHR−325によって治療した(ブラックバー、図9)。治療の結果として、アセトンに対する反応性は、同側足において完全に低下した。1週間後、DPO28で、動物は依然としてアセトン暴露に対する反応性を示さなかった。従って、寒冷化学的刺激は、もう痛みをもたらさなかった(図9を参照)。
その結果は、マロノニトリルアミドによって制御された薬物療法が神経因性疼痛及び神経因性疼痛症候群の治療に使用できることを示す。
上記の本開示の実施形態は、単なる例示を意図するものであり、当業者は、特定の化合物、材料、及び手順の多数の均等物を認識する、又は、慣例実験のみで確認することができる。このような均等物は、本開示の範囲内にあるものとする。
(さらなる参照文献)
以下のさらなる刊行物を、参照により本願に援用する。
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Attal, N., et al., 1990.The bidirectional dose-dependent effect of systemic naloxone is also related tothe intensity and duration of pain-related disorders: a study in a rat model ofperipheral mononeuropathy. Brain Res. 525, 170-4.
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要するに、本開示の例は、以下のことに関連する。
−神経因性疼痛及び/又は神経因性疼痛症候群の治療において使用するための化合物であって、その化合物はマロノニトリルアミドである。
−化学式(I):
(I)
Figure 0006257326
を有する化合物、又は、その誘導体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体若しくは立体異性体。
−以下の、
i)(1−(3−メチル−4−トリフルオロメチルフェニル−カルバモイル)−2−シクロプロピル−2−オキソ−プロピオノニトリル)、
ii)N−(4−トリフルオロメチル)−フェニル−2−シアノ−3−ヒドロキシ−ヘプト−2−エン−6−イン−カルボン酸アミド、
iii)2−シアノ−3−シクロプロピル−3−オキソ−(4−シアノフェニル)プロピオンアミド、
iv)5−(3−ブチニル)−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−イソオキサゾールカルボアミド、
からなる群より選ばれる誘導体、又は、その薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体若しくは立体異性体。
−化学式II〜化学式IV:
(II)
Figure 0006257326
(III)
Figure 0006257326
(IV)
Figure 0006257326
の化合物からなる群より選ばれる誘導体、又は、その薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体若しくは立体異性体。
−R鏡像異性体又はS鏡像異性体である、本開示に係る化合物の立体異性体。
−ケト型又はエノール型である、本開示に係る化合物の互変異性体。
本開示にかかる神経因性疼痛症候群は、帯状疱疹後神経痛(帯状疱疹に起因する)、神経根引き抜き損傷、疼痛を伴う外傷性単神経障害、疼痛を伴う多発性神経障害(特に、糖尿病に起因する)、中枢性疼痛症候群(潜在的に、神経系の任意のレベルにおけるほとんどすべての病変に起因する)、術後痛症候群(例えば、乳房切除術後症候群、開胸術後症候群、幻肢痛)、又は、複合性局所疼痛症候群(反射性交感神経性ジストロフィー及び灼熱痛)であってもよい。
いくつかの実施形態において、神経因性疼痛は脊髄損傷に起因する中枢性疼痛症候群である。
いくつかの実施形態において、神経因性疼痛は脊髄挫傷に起因する中枢性疼痛症候群である。
また、本開示は、神経因性疼痛及び神経因性疼痛症候群の治療において使用するための医薬組成物に関し、その医薬組成物は、マロノニトリルアミドを、遊離形態で又は薬学的に許容される塩若しくは生理機能性誘導体の形態で、薬学的に許容される希釈剤又は担体とともに含む。
さらに、本開示は、神経因性疼痛及び神経因性疼痛症候群の治療において使用するための医薬組成物に関し、その医薬組成物は、化学式IIの化合物を、遊離形態で又は薬学的に許容される塩若しくは生理機能性誘導体の形態で、薬学的に許容される希釈剤又は担体とともに含む。
さらに、本開示は、神経因性疼痛及び神経因性疼痛症候群の治療において使用するための医薬組成物に関し、その医薬組成物は、化学式II〜化学式Vの化合物のいずれか1つの化合物を、遊離形態で又は薬学的に許容される塩若しくは生理機能性誘導体の形態で、薬学的に許容される希釈剤又は担体とともに含む。
さらに、本開示は、神経因性疼痛及び神経因性疼痛症候群の予防及び/又は治療のための医薬組成物に関し、その医薬組成物は、治療的に有効量のマロノニトリルアミド又はその生理機能性誘導体を、薬学的に許容される担体又は賦形剤と混合して含む。
さらに、本開示は、神経因性疼痛及び神経因性疼痛症候群の予防及び/又は治療のための医薬組成物に関し、その医薬組成物は、治療的に有効量の化学式IIの化合物又はその生理機能性誘導体を、薬学的に許容される担体又は賦形剤と混合して含む。
さらに、本開示は、神経因性疼痛及び神経因性疼痛症候群の予防及び/又は治療のための医薬組成物に関し、その医薬組成物は、治療的に有効量の、化学式II〜化学式Vの化合物のいずれか1つの化合物又はその生理機能性誘導体を、薬学的に許容される担体又は賦形剤と混合して含む。
治療される神経因性疼痛症候群は、帯状疱疹後神経痛(帯状疱疹に起因する)、神経根引き抜き損傷、疼痛を伴う外傷性単神経障害、疼痛を伴う多発性神経障害(特に、糖尿病に起因する)、中枢性疼痛症候群(潜在的に、神経系の任意のレベルにおけるほとんどすべての病変に起因する)、術後痛症候群(例えば、乳房切除術後症候群、開胸術後症候群、幻肢痛)、又は、複合性局所疼痛症候群(反射性交感神経性ジストロフィー及び灼熱痛)であってもよい。
いくつかの実施形態において、神経因性疼痛は、脊髄損傷に起因する中枢性疼痛症候群である。
いくつかの実施形態において、神経因性疼痛は、脊髄挫傷に起因する中枢性疼痛症候群である。

Claims (8)

  1. 下式:


    Figure 0006257326

    の化合物、又は、その薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは互変異性体を含む、神経因性疼痛及び/又は神経因性疼痛症候群の治療のための医薬組成物
  2. 前記化合物は、末梢の及び/又は主に末梢の神経因性疼痛、又は、中枢の及び/又は主に中枢の神経因性疼痛の治療のために使用される、請求項1に記載の医薬組成物
  3. 前記主に末梢の神経因性疼痛は、以下の神経因性疼痛の種類から選ばれる種類であるか、及び/又は以下の病因群から選ばれる病因を有し、
    −全身性疾患、
    −薬物誘発性病変、
    −外傷性症候群及び絞扼性神経障害、
    −神経根及び後神経節における病変、
    −HIV感染後の神経障害、
    −ヘルペス感染後の神経痛、
    −神経根引き抜き損傷、
    −脳神経病変、
    −頭蓋神経痛、
    −神経因性癌疼痛、
    −幻肢痛、
    −末梢神経、神経叢及び神経根の圧迫、
    −腫瘍随伴性末梢神経障害及び神経節障害、
    −癌治療による合併症、
    −複合性局所疼痛症候群、
    −反射性交感神経性ジストロフィー、及び
    −灼熱痛、
    前記主に中枢の神経因性疼痛は、
    −主に視床の脳病変、
    −梗塞、
    −視床や脳幹を圧迫する脳の腫瘍又は膿瘍、
    −多発性硬化症、
    −頭痛症候群、
    −脳手術、
    −脊髄障害、
    −脊髄損傷、
    −脊髄手術、
    −虚血性病変、
    −前脊髄動脈症候群、
    −ワレンベルグ症候群、及び
    −脊髄空洞症、
    病因群から選ばれる病因を有するタイプのものである、請求項1に記載の医薬組成物
  4. 前記神経因性疼痛症候群は、帯状疱疹後神経痛、神経根引き抜き損傷、疼痛を伴う外傷性単神経障害、疼痛を伴う多発性神経障害、中枢性疼痛症候群、術後痛症候群、複合性局所疼痛症候群、及び/又は、片頭痛若しくは片頭痛の痛みである、請求項1に記載の医薬組成物
  5. 前記神経因性疼痛は、脊髄損傷及び/又は脊髄挫傷に起因する中枢性疼痛症候群である、請求項1に記載の医薬組成物
  6. 前記神経因性疼痛は、慢性神経因性疼痛である、請求項1〜5のいずれかに記載の医薬組成物
  7. 前記化合物は、神経系の損傷後に始まって、1mg/body〜10g/bodyの1日投与量で投与される、請求項1〜6のいずれかに記載の医薬組成物
  8. 神経因性疼痛及び/又は神経因性疼痛症候群の治療剤の製造のための化合物の使用であって、該化合物は、
    下式:
    Figure 0006257326

    の化合物、又は、その薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは互変異性体である、使用。
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