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JP6241042B2 - 医療デバイス - Google Patents

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JP6241042B2 JP2013031886A JP2013031886A JP6241042B2 JP 6241042 B2 JP6241042 B2 JP 6241042B2 JP 2013031886 A JP2013031886 A JP 2013031886A JP 2013031886 A JP2013031886 A JP 2013031886A JP 6241042 B2 JP6241042 B2 JP 6241042B2
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Description

本発明は、医療デバイスに関する。
医療デバイスの1つとして、ソフトコンタクトレンズ(眼用レンズ)が例示される。市販のソフトコンタクトレンズには25%程度〜80%程度の含水率を有するハイドロゲル素材が一般的に用いられている。しかしながら、ハイドロゲル素材からなる含水性ソフトコンタクトレンズは、水を含んでいるためにコンタクトレンズから水が蒸発する現象が生じる。これにより、ある一定割合のコンタクトレンズ装用者は、裸眼のときよりも強い乾燥感をおぼえ、不快と感じることがあった。中にはコンタクトレンズドライアイといわれる症状を訴える者も存在した。またハイドロゲル素材からなる含水性ソフトコンタクトレンズは、涙液中の成分によって汚染されやすく、しかも多量の水を含んでいることから細菌繁殖のリスクもあった。
一方、高酸素透過性の低含水性ソフトコンタクトレンズとしては、例えば分子鎖両末端がビニルメチルシリル基で封鎖されたポリジメチルシロキサンとメチルハイドロジェンポリシロキサンとの混合物に白金系の触媒を加え、モールディング法で加熱硬化させる方法で得られるシリコーンラバーレンズが知られている(特許文献1参照)。
また、複数の重合性官能基を有するポリシロキサンや、片方の末端に重合性官能基を有するTRIS型のポリシロキサンを主体とした酸素透過性の高いコンタクトレンズ材料が特許文献2〜7等に記載されている。このうち、特許文献6には、2官能性有機シロキサンマクロマー単独で、または他のモノマーと共重合させて得られる重合体からなるコンタクトレンズ材料が開示されており、共重合に用いられるモノマーとしてはアクリル酸フルオロアルキルエステルまたはメタクリル酸フルオロアルキルエステル、およびアクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルが開示されている。
しかしながら、従来の高酸素透過性の低含水性ソフトコンタクトレンズにも次のような問題点が見られた。まずシリコーンラバーレンズについては、レンズ表面の疎水性を改善するために施した親水化処理層が剥離、あるいは弾力性が大きすぎるために角膜への固着が起こるなどの欠点があって、広く実用化されるまでには到らなかった。
また、複数の重合性官能基を有するポリシロキサンを主体とする材料は、酸素透過性が高く、柔軟性も持ち合わせており、コンタクトレンズに適する材料の1つと考えられる。しかしながら、重合後のレンズ表面に粘着性が残るために角膜に固着する懸念があり、またレンズの柔軟性と耐折り曲げ性などの機械物性のバランスが不十分であった。
また、特許文献7には、非含水性ソフトコンタクトレンズの材料として、アルコキシシランおよびシリコーンモノマーを構成要素とする重合体が開示されている。このうち、アルコキシシランは、一般に加水分解や縮合が起こりやすく、縮合が起こると架橋剤として機能するため、弾性率が高くなる。その結果、コンタクトレンズが硬くなって装用感が悪化するという問題があった。また、シリコーンモノマーに関しては、シリコーン部位が分岐型構造を有している場合、シリコーンモノマーの含有量が増大すると、コンタクトレンズの形状回復性が低下するという問題があった。
医療デバイスの表面を改質する方法に関しては、種々知られているが、その中で二種類以上のポリマー材料の層を1層ずつコーティングして積層する方法が知られている(例えば、特許文献8〜10参照)。中でも互いに反対の荷電を有する二つのポリマー材料を1層ずつ交互にコーティングする方法は、LbL法などと呼ばれ、材料の各々の層が、異なる材料の他の層と非共有結合的に結合されると考えられている。しかしながら、この方法の有用性が明示されている高酸素透過性軟質眼用レンズは、シリコーンハイドロゲル素材のものだけであり、低含水性軟質眼用レンズに対する有用性は知られていなかった。また、上記文献においては、LbLコーティングが4層〜20層程度の範囲の多層で行われており、それにも関わらず、濡れ性および易滑性を十分に満たすことができなかった。これに対し、特許文献11では、コート層を低減しつつ濡れ性および易滑性をより高くする方法として、酸性ポリマーおよび塩基性ポリマーを組み合わせて複数層のコーティングを行う方法が提示され、種々のポリマーの組み合わせからなるコーティング層を有する低含水性軟質眼用レンズが開示されており、この方法によれば、3層程度で上記特性を満たすレンズを得ることが可能である。しかしながら、複数層のコーティングを行うことは、なお製造工程の複雑化を要するものであり、また製造コストの増大が懸念されていた。
特開昭54−81363号公報 特開昭54−24047号公報 特開昭56−51715号公報 特開昭59−229524号公報 特開平2−188717号公報 特開平5−5861号公報 特表2002−311395号公報 特表2002−501211号公報 特表2005−538418号公報 特表2009−540369号公報 国際公開第2011/102356号
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、濡れ性および易滑性に優れ、装用時に角膜等に貼り付く現象を大幅に低減ないし回避するとともに、軟らかく破れ難い医療デバイスであって、従来のLbLコーティングのように3層〜20層程度といった多層で行うことなく、より少ない層のコーティングであっても、濡れ性および易滑性を十分に発現できる医療デバイスを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は下記の構成を有する。
本発明は、低含水性基材の表面の少なくとも一部に酸性ポリマーを含む層が形成された部材を備える医療デバイスであって、前記低含水性基材は、1級アミノ基および2級アミノ基の両方を同一の側鎖に有するポリシロキサン化合物を含み、かかる化合物としては後述する成分Aが好ましい。
上記低含水性基材は、1分子あたり1個以上の重合性官能基を有し、数平均分子量が100以上の直鎖状ポリシロキサン化合物である成分Bを含むことが好ましい。
さらに、上記低含水性基材は、側鎖に1分子あたり1個以上のアミノ基を有し、アミノ当量が3000以下のポリシロキサン化合物である成分Cを含むことが好ましく、また、フルオロアルキル基を有する重合性モノマーである成分Dを含むことが好ましい。
また、この低含水性基材に、酸性ポリマーを含む層が、1種以上の酸性ポリマー溶液による処理を1回以上行うことにより形成されることが好ましい。
本発明によれば、濡れ性および易滑性に優れ、装用時に角膜等に貼り付く現象を大幅に低減ないし回避するとともに、軟らかく破れ難い特性を備えながら、従来のLbLコーティングのように3層〜20層程度といった多層で行うことなく、より少ない層のコーティングであっても、濡れ性および易滑性を十分に発現できる医療デバイスを提供することが可能となる。
本発明で使用する医療デバイスとは、医療用として使用され、患者と接触、または患者から採取された組織、例えば、血液やその他の体液と接触させて使用するデバイスをいう。好適には、眼用レンズ、内視鏡、カテーテル、輸液チューブ、気体輸送チューブ、ステント、シース、カフ、チューブコネクタ、アクセスポート、排液バッグ、血液回路、皮膚用材料または薬剤担体などが例示される。
本発明の医療デバイスにおいて、低含水性とは含水率が10質量%以下であることを意味する。
ここで、含水率は、たとえばフィルム形状の乾燥状態の試験片の質量(乾燥状態での質量)と、湿潤状態の該試験片の質量(湿潤状態での質量)とから、{(湿潤状態での質量)−(乾燥状態での質量)/湿潤状態での質量}×100により与えられる。
本発明の医療デバイスは、低含水性であることから、眼用レンズとして使用する場合、装用者の眼の乾燥感が小さく装用感に優れるという特徴を有する。また本発明の医療デバイスは、低含水性であることから、細菌の繁殖リスクが小さいという利点を有する。含水率は5%以下がより好ましく2%以下がさらに好ましく、1%以下が最も好ましい。含水率が高すぎると、眼用レンズ装用者の眼の乾燥感が大きくなることに加え、細菌の繁殖リスクが高まるために好ましくない。
ここで湿潤状態とは、試料を室温(25℃)の純水またはリン酸塩緩衝液中に24時間以上浸漬した状態を意味する。湿潤状態での物性値の測定は、試料を純水またはリン酸緩衝液中から取り出し、表面水分を拭き取った後、可及的速やかに実施される。
リン酸塩緩衝液とは、Dulbecco’s PBS(-)にEDTA・2NAを加えた溶液である。具体的には塩化ナトリウム8g、塩化カリウム0.2g、リン酸水素二ナトリウム1.2g、リン酸二水素カリウム0.2g、およびエデト酸ナトリウム0.5gを純水に溶かして1000mLとした水溶液である。
本発明の医療デバイスは、使用用途に応じてレンズ形状やシート状の成型体(以下、基材と呼ぶ)を含み、該基材の表面の少なくとも一部に、酸性ポリマーおよび塩基性ポリマーからなる層が形成されている。
基材は、下記一般式に示す同一の側鎖に1級アミノ基および2級アミノ基の両方を有し、この側鎖を1個以上有するポリシロキサン化合物を含む。ここで、1級アミノ基とは、1級アミンに由来するアミノ基であり、2級アミノ基とは、2級アミンに由来するアミノ基である。同一側鎖に複数のカチオン性官能基である上記両アミノ基が存在することで、コート剤1分子が同一側鎖上の複数の官能基に捉えられ、医療デバイス基材上に保持されやすいと考えられる。以後、「1級アミノ基および2級アミノ基の両方を同一の側鎖に有するポリシロキサン化合物」を「成分A」とする。成分Aとしては、例えば下記式(A1)が好ましい。
Figure 0006241042
ここで、Xは重合性基を表し、1級アミノ基および2級アミノ基の両方を有する側鎖を有している。R〜Rは任意の側鎖を表し、RおよびR10は炭素数1〜9のアルキル基を表す。RおよびR10の好適な具体例は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基である。1級アミノ基と2級アミノ基をそれぞれ1個以上有していれば良く、上記両アミノ基のいずれかを2個以上有していても良く、上記両アミノ基をそれぞれ2個以上含有していても良い。aは1〜10の整数を表し、mおよびnは、それぞれ独立に0〜900の整数を表す。ただしmとnは同時に0ではない。成分Aは、複数の重合性官能基を有するポリシロキサン化合物であり、成分Aの重合性官能基の数は、1分子あたり1個以上であればよいが、より柔軟(低弾性率)な医療デバイスが得られやすいという観点からは、1分子あたり2個以下が好ましい。成分Aは、重合性官能基を分子鎖のいずれの位置に有していてもよいが、特に分子鎖の末端に重合性官能基を有する構造が好ましい。
成分Aの平均分子量は1000〜70000であることが好ましく、また、アミノ当量は4000以下であることが好ましいが、この限りではない。アミノ当量が4000以下であると、基材表面に出現するカチオン性官能基が多くなり、酸性ポリマーを含むコート剤を静電吸着または化学的に反応させやすくなり、その結果、コーティング層の数をより低減することが可能になる。アミノ当量が4000を超える場合は、基材表面に出現するカチオン性官能基が少なくなり、3層未満で医療デバイスをコーティングすることが困難になる場合がある。より好ましいアミノ当量の範囲は3000以下であり、さらに好ましくは2000以下である。下限としては、300以上であることが好ましい。また、成分Aの平均分子量が上記範囲にあることで、易滑性および柔軟で装用感に優れ、しかも耐折り曲げ性などの機械物性に優れた基材が得られる。
成分Aにおける重合性官能基としては、ラジカル重合可能な官能基が好ましく、炭素炭素二重結合を有するものがより好ましい。好ましい重合性官能基の例としては、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、α−アルコキシメチルアクリロイル基、マレイン酸残基、フマル酸残基、イタコン酸残基、クロトン酸残基、イソクロトン酸残基、およびシトラコン酸残基などである。これらの中でも高い重合性を有することから(メタ)アクリロイル基が最も好ましい。
なお、本明細書において(メタ)アクリロイルという語はメタクリロイルおよびアクリロイルの両方を表すものであり、(メタ)アクリル、(メタ)アクリレートなどの語も同様である。
成分Aとしては、下記式(A2)の構造を有するものが好ましいが、この限りではない。
Figure 0006241042
式中、Xは重合性官能基を表し、上記したラジカル重合可能な官能基が好ましい。R〜Rは任意の側鎖を表す。mおよびnは、それぞれ独立に0〜900の整数を表す。ただしmとnは同時に0ではない。
上記式(A1)および(A2)において、R〜Rはそれぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、フェニル基、および炭素数1〜20のフルオロアルキル基から選ばれた置換基であることが好ましい。R〜Rの好適な具体例は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基などの炭素数1〜20のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などの炭素数1〜4のアルコキシル基;トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、トリフルオロプロピル基、テトラフルオロプロピル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、ペンタフルオロブチル基、ヘプタフルオロペンチル基、ノナフルオロヘキシル基、ヘキサフルオロブチル基、ヘプタフルオロブチル基、オクタフルオロペンチル基、ノナフルオロペンチル基、ドデカフルオロヘプチル基、トリデカフルオロヘプチル基、ドデカフルオロオクチル基、トリデカフルオロオクチル基、ヘキサデカフルオロデシル基、ヘプタデカフルオロデシル基、テトラフルオロプロピル基、ペンタフルオロプロピル基、テトラデカフルオロオクチル基、ペンタデカフルオロオクチル基、オクタデカフルオロデシル基、およびノナデカフルオロデシル基などの炭素数1〜20のフルオロアルキル基とフェニル基である。これらの中で、医療デバイスに良好な機械物性と高酸素透過性を与えるという観点から最も好ましいのは、メチル基である。
基材において、成分Aは1種類のみ用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。医療デバイスの基材が適当な量の成分Aを含有することにより、基材表面にカチオン性官能基が出現し、コーティング層を何層も重ねることなく、濡れ性および易滑性をデバイスに付与できるコート剤を基材に静電吸着または化学的に反応させやすくなり、コート層の数を最小限に抑えることが可能となる。
本発明の医療デバイスの好ましい態様として、前記基材が、前記成分に加えて、1分子あたり1個以上の重合性官能基を有し、数平均分子量が100以上の直鎖状ポリシロキサン化合物である成分を含む共重合体を主成分とすることが好ましい。以後、「1分子あたり1個以上の重合性官能基を有し、数平均分子量が100以上の直鎖状ポリシロキサン化合物である成分B」を「成分B」と呼ぶ。
成分Bは直鎖状であることが好ましい。直鎖状であれば、得られる医療デバイスの形状回復性が向上する。ここで直鎖状とは、重合性基を有する基と結合したケイ素原子を起点とする、一本の線状に連なるSi−(O−Si)n−1−O−Si結合で示される構造を指す(ただし、nは2以上の整数を表す)。得られる医療デバイスが十分な形状回復性を得るためには、nは3以上の整数が好ましく、4以上がより好ましく、5以上がさらに好ましく、6以上が最も好ましい。
成分Bの数平均分子量は100以上であることが好ましい。成分Bの数平均分子量がこの範囲にあることで、柔軟で装用感に優れ、しかも耐折り曲げ性などの機械物性に優れた医療デバイスが得られる。成分Bのポリシロキサン化合物の数平均分子量は、耐折り曲げ性などの機械物性により優れた医療デバイスが得られることから、8000以上がより好ましく、9000以上であることがさらに好ましく、10000以上であることがより一層好ましい。一方で、100000以下であることが好ましく、70000以下であることがより好ましく、50000以下であることがさらに好ましい。成分Bの数平均分子量が小さすぎる場合には耐折り曲げ性などの機械物性が低くなる傾向があり、特に6000未満では耐折り曲げ性が低くなる。成分Bの数平均分子量が大きすぎる場合には、柔軟性や透明性が低下する傾向があり好ましくない。
本発明の医療デバイスを低含水性軟質眼用レンズなどに使用する場合、透明性が高いことが好ましい。透明性の基準としては、目視した際に透明で濁りがないことが好ましい。さらに眼用レンズは、レンズ投影機で観察した場合、濁りがほとんど、または、全く観察されないことが好ましく、濁りが全く観察されないことが最も好ましい。
成分Bの分散度(質量平均分子量を数平均分子量で除した値)は、6以下が好ましく、3以下がより好ましく、2以下がさらに好ましく、1.5以下が最も好ましい。成分Bの分散度が小さい場合、他の成分との相溶性が向上し、得られる医療デバイスの透明性が向上する、得られる医療デバイスに含まれる抽出可能な成分が減る、医療デバイス成型に伴う収縮率が小さくなる、などの利点が生じる。医療デバイスが眼用レンズである場合、レンズ成型に伴う収縮率は、レンズ成型比=[レンズ直径]/[モールドの空隙部の直径]で評価することができる。レンズ成型比は、1に近いほど高品位のレンズを安定に製造することが容易となる。成型比は0.85〜2.0の範囲が好ましく、0.9〜1.5の範囲がより好ましく、0.91〜1.3の範囲が最も好ましい。
成分Bの重合性官能基としては、ラジカル重合可能な官能基が好ましく、炭素炭素二重結合を有するものがより好ましい。好ましい重合性官能基の例としては、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、α−アルコキシメチルアクリロイル基、マレイン酸残基、フマル酸残基、イタコン酸残基、クロトン酸残基、イソクロトン酸残基、およびシトラコン酸残基などである。これらの中でも高い重合性を有することから(メタ)アクリロイル基が最も好ましい。成分Bが分子内に2個以上の重合性官能基を有する場合、分子内に有する重合性官能基は、同一または異なる重合性官能基であってよい。
また、成分Bの重合性官能基は、良好な機械物性の医療デバイスが得られやすいことから、成分Aの重合性官能基と共重合可能であることがより好ましい。成分Aと成分Bが均一に共重合されることで良好な表面特性を有する医療デバイスが得られやすいことから、成分Aの重合性官能基と同一であることがさらに好ましい。成分Bの重合性官能基と成分Aの重合性官能基が、ともに(メタ)アクリロイル基であることが最も好ましい。
成分Bとしては、下記式(B1)の構造を有するものが好ましい。
Figure 0006241042
式(B1)中、Xはそれぞれ独立に重合性官能基を表す。
Xとしては、ラジカル重合可能な官能基が好ましく、炭素炭素二重結合を有するものが好ましい。好ましい重合性官能基の例としては、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、α−アルコキシメチルアクリロイル基、マレイン酸残基、フマル酸残基、イタコン酸残基、クロトン酸残基、イソクロトン酸残基、およびシトラコン酸残基などである。これらの中でも高い重合性を有することから(メタ)アクリロイル基が最も好ましい。R〜Rはそれぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、および炭素数1〜20のフルオロアルキル基から選ばれた置換基を表す。
〜Rの好適な具体例は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基などの炭素数1〜20のアルキル基;トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、トリフルオロプロピル基、テトラフルオロプロピル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、ペンタフルオロブチル基、ヘプタフルオロペンチル基、ノナフルオロヘキシル基、ヘキサフルオロブチル基、ヘプタフルオロブチル基、オクタフルオロペンチル基、ノナフルオロペンチル基、ドデカフルオロヘプチル基、トリデカフルオロヘプチル基、ドデカフルオロオクチル基、トリデカフルオロオクチル基、ヘキサデカフルオロデシル基、ヘプタデカフルオロデシル基、テトラフルオロプロピル基、ペンタフルオロプロピル基、テトラデカフルオロオクチル基、ペンタデカフルオロオクチル基、オクタデカフルオロデシル基、およびノナデカフルオロデシル基などの炭素数1〜20のフルオロアルキル基とフェニル基である。これらの中で、医療デバイスに良好な機械物性と高酸素透過性を与えるという観点から最も好ましいのはメチル基である。
式(B1)中、mおよびnは、それぞれ独立に0〜1500の整数を表す。ただしmとnは同時に0ではない。mとnの合計値(m+n)は、80以上が好ましく、100以上がより好ましく、100〜1400がより好ましく、120〜950がより好ましく、130〜700がさらに好ましい。
〜Rが全てメチル基の場合、n=0であり、mは、80〜1500が好ましく、100〜1400がより好ましく、120〜950がより好ましく、130〜700がさらに好ましい。この場合、mの値は、成分Aのポリシロキサン化合物の分子量によって決まる。
成分Bは1種類のみ用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の医療デバイスの基材において、共重合体に含まれる成分Aと成分Bとの質量比は限定されないが、成分Aは5質量%以上が好ましい。医療デバイスの基材が適当な量の成分Aを含有することにより、基材表面にカチオン性官能基が出現し、コート剤を静電吸着または化学的に反応させやすくなる。
本発明の医療デバイスの別の好ましい態様として、前記基材が、前記成分A、前記成分Bおよび側鎖にアミノ基を有し、アミノ当量が3000以下のポリシロキサン化合物である成分Cを含む共重合体を主成分とすることが好ましい。
成分Cは直鎖状であることが好ましい。直鎖状であれば、得られる医療デバイスの形状回復性が向上する。ここで直鎖状とは、重合性基を有する基と結合したケイ素原子を起点とする、一本の線状に連なるSi−(O−Si)n−1−O−Si結合で示される構造を指す(ただし、nは2以上の整数を表す)。得られる医療デバイスが十分な形状回復性を得るためには、nは3以上の整数が好ましく、4以上がより好ましく、5以上がさらに好ましく、6以上が最も好ましい。
成分Cの重合性官能基としては、ラジカル重合可能な官能基が好ましく、炭素炭素二重結合を有するものがより好ましい。好ましい重合性官能基の例としては、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、α−アルコキシメチルアクリロイル基、マレイン酸残基、フマル酸残基、イタコン酸残基、クロトン酸残基、イソクロトン酸残基、およびシトラコン酸残基などである。これらの中でも高い重合性を有することから(メタ)アクリロイル基が最も好ましい。成分Aが分子内に2個以上の重合性官能基を有する場合、分子内に有する重合性官能基は、同一または異なる重合性官能基であってよい。
また、成分Cの重合性官能基は、良好な機械物性の医療デバイスが得られやすいことから、成分Aおよび成分Bの重合性官能基と共重合可能であることがより好ましい。成分Aおよび成分Bと成分Cが均一に共重合されることで良好な表面特性を有する医療デバイスが得られやすいことから、成分Aおよび成分Bの重合性官能基と同一であることがさらに好ましい。成分Cの重合性官能基と成分Aおよび成分Bの重合性官能基が、ともに(メタ)アクリロイル基であることが最も好ましい。
成分Cとしては、下記式(C1)の構造を有するものが好ましい。
Figure 0006241042
式(C1)中、Xはそれぞれ独立に重合性官能基を表す。
Xとしては、ラジカル重合可能な官能基が好ましく、炭素炭素二重結合を有するものが好ましい。好ましい重合性官能基の例としては、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、α−アルコキシメチルアクリロイル基、マレイン酸残基、フマル酸残基、イタコン酸残基、クロトン酸残基、イソクロトン酸残基、およびシトラコン酸残基などである。これらの中でも高い重合性を有することから(メタ)アクリロイル基が最も好ましい。
〜Rはそれぞれ独立に、水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、フェニル基、および炭素数1〜20のフルオロアルキル基から選ばれた置換基を表す。
〜Rの好適な具体例は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基などの炭素数1〜20のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などの炭素数1〜4のアルコキシル基;トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、トリフルオロプロピル基、テトラフルオロプロピル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、ペンタフルオロブチル基、ヘプタフルオロペンチル基、ノナフルオロヘキシル基、ヘキサフルオロブチル基、ヘプタフルオロブチル基、オクタフルオロペンチル基、ノナフルオロペンチル基、ドデカフルオロヘプチル基、トリデカフルオロヘプチル基、ドデカフルオロオクチル基、トリデカフルオロオクチル基、ヘキサデカフルオロデシル基、ヘプタデカフルオロデシル基、テトラフルオロプロピル基、ペンタフルオロプロピル基、テトラデカフルオロオクチル基、ペンタデカフルオロオクチル基、オクタデカフルオロデシル基、およびノナデカフルオロデシル基などの炭素数1〜20のフルオロアルキル基とフェニル基である。これらの中で、医療デバイスに良好な機械物性と高酸素透過性を与えるという観点から最も好ましいのはメチル基である。
式(C1)中、mおよびnは、それぞれ独立に0〜1500の整数を表す。ただしmとnは同時に0ではない。mとnの合計値(m+n)は、80以上が好ましく、100以上がより好ましく、100〜1400がより好ましく、120〜950がより好ましく、130〜700がさらに好ましい。
〜Rが全てメチル基の場合、n=0であり、mは、80〜1500が好ましく、100〜1400がより好ましく、120〜950がより好ましく、130〜700がさらに好ましい。この場合、mの値は成分Aのポリシロキサン化合物の分子量によって決まる。
成分Cは1種類のみ用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の医療デバイスの基材において、共重合体に含まれる成分Aおよび成分Bと成分Cとの質量比は特に限定されないが、成分Cは5質量%以上が好ましい。医療デバイスの基材が適当な量の成分Cを含有することにより、3層未満の酸性ポリマーをコーティングすることで、基材に易滑性を向上させることが出来る。
本発明の医療デバイスの別の好ましい態様として、前記基材が、前記成分A、前記成分Bおよびフルオロアルキル基を有する重合性モノマーである成分Dを含む共重合体を主成分とすることが好ましく、さらに前記成分Cを含有することが好ましい。
成分Dはフルオロアルキル基に起因する臨界表面張力の低下により、撥水撥油性の性質を持ち、これにより、医療デバイス表面が涙液中のタンパク質や脂質などの成分によって汚染されることを抑える効果がある。また、成分Dは、柔軟で装用感に優れ、しかも耐折り曲げ性などの機械物性に優れた医療デバイスを与える効果がある。成分Dのフルオロアルキル基の好適な具体例は、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、トリフルオロプロピル基、テトラフルオロプロピル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、ペンタフルオロブチル基、ヘプタフルオロペンチル基、ノナフルオロヘキシル基、ヘキサフルオロブチル基、ヘプタフルオロブチル基、オクタフルオロペンチル基、ノナフルオロペンチル基、ドデカフルオロヘプチル基、トリデカフルオロヘプチル基、ドデカフルオロオクチル基、トリデカフルオロオクチル基、ヘキサデカフルオロデシル基、ヘプタデカフルオロデシル基、テトラフルオロプロピル基、ペンタフルオロプロピル基、テトラデカフルオロオクチル基、ペンタデカフルオロオクチル基、オクタデカフルオロデシル基、およびノナデカフルオロデシル基などの炭素数1〜20のフルオロアルキル基である。より好ましくは、炭素数2〜8のフルオロアルキル基、例えば、トリフルオロエチル基、テトラフルオロプロピル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、オクタフルオロペンチル基、およびドデカフルオロオクチル基であり、最も好ましくはトリフルオロエチル基である。
成分Dの重合性官能基としてはラジカル重合可能な官能基が好ましく、炭素炭素二重結合を有するものがより好ましい。好ましい重合性官能基の例としては、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、α−アルコキシメチルアクリロイル基、マレイン酸残基、フマル酸残基、イタコン酸残基、クロトン酸残基、イソクロトン酸残基、およびシトラコン酸残基などであるが、これらの中でも高い重合性を有することから(メタ)アクリロイル基が最も好ましい。
柔軟で装用感に優れ、しかも耐折り曲げ性などの機械物性に優れた医療デバイスが得られる効果が大きいことから、成分Dとして最も好ましいのは(メタ)アクリル酸フルオロアルキルエステルである。かかる(メタ)アクリル酸フルオロアルキルエステルの具体例としては、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロプロピル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、ヘプタフルオロブチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ノナフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ドデカフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ドデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、ドデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート、およびトリデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレートが挙げられる。トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ドデカフルオロオクチル(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。最も好ましくはトリフルオロエチル(メタ)アクリレートである。成分Dは1種類のみ用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
成分Dの重合性官能基としてはラジカル重合可能な官能基が好ましく、炭素炭素二重結合を有するものがより好ましい。好ましい重合性官能基の例としては、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、α−アルコキシメチルアクリロイル基、マレイン酸残基、フマル酸残基、イタコン酸残基、クロトン酸残基、イソクロトン酸残基、およびシトラコン酸残基などであるが、これらの中でも高い重合性を有することから(メタ)アクリロイル基が最も好ましい。
成分Dとして、柔軟性や耐折り曲げ性などの機械的特性の改善のために好適な例は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、好ましくはアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、その具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、およびn−ステアリル(メタ)アクリレート等を挙げることができ、より好ましくは、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレートである。これらの中でアルキル基の炭素数が1〜10の(メタ)アクリル酸アルキルエステルはさらに好ましい。アルキル基の炭素数が大きすぎると得られる医療デバイスの透明性が低下する場合があり好ましくない。
さらに、機械的性質、表面濡れ性、医療デバイスの寸法安定性などを向上させるためには、所望に応じ、以下に述べるモノマーを成分Dとして共重合させることができる。
機械的性質を向上させるためのモノマーとしては、例えばスチレン、tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物等が挙げられる。
表面濡れ性を向上させるためのモノマーとしては、例えばメタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、グリセロールメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、メチレンビスアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルアセトアミド、およびN−ビニル−N−メチルアセトアミド等が挙げられる。中でもN,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、メチレンビスアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルアセトアミド、およびN−ビニル−N−メチルアセトアミドなどのアミノ基またはアミド基を含有するモノマーが好ましい。特に、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートなどのアミノ基を有するモノマーは、色素との良好な相溶性を有する点で好適である。
医療デバイスの寸法安定性を向上させるためのモノマーとしては、例えばエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、ビニルメタクリレート、アクリルメタクリレートおよびこれらのメタクリレート類に対応するアクリレート類、ジビニルベンゼン、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。
本発明の医療デバイスの基材において、成分Dは、1種類のみ用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
共重合体中における成分Dの好ましい含有量は、成分A100質量部に対して、10〜500質量部、より好ましくは20〜400質量部、さらに好ましくは20〜200質量部である。成分Dの使用量が少なすぎる場合は、基材に白濁が生じたり、耐折り曲げ性などの機械物性が不十分になったりする傾向がある。
成分Dの好ましい使用量は、成分A、成分B、成分Cの総和を100質量部とし、これに対して、0.001〜400質量部、より好ましくは0.01〜300質量部、さらに好ましくは0.01〜200質量部、最も好ましくは0.01〜30質量部である。成分Dの使用量が少なすぎる場合は成分Dに期待する効果が得られにくくなる。成分Dの使用量が多すぎる場合は得られる医療デバイスに白濁が生じたり耐折り曲げ性などの機械物性が不十分になったりする傾向があり好ましくない。
また、基材に用いる共重合体としては、成分A、成分Bおよび成分Dに加えて、前記成分A、成分Bおよび成分Dとは異なる成分(以下成分E)をさらに共重合させたものを用いてもよい。
成分Eとしては、共重合体のガラス転移点を室温あるいは0℃以下に下げるものがよい。これらは凝集エネルギ−を低下させるので、共重合体にゴム弾性と柔らかさを与える効果がある。
本発明の医療デバイスは、紫外線吸収剤、色素、着色剤、湿潤剤、スリップ剤、医薬および栄養補助成分、相溶化成分、抗菌成分、離型剤等の成分(成分Ck)をさらに含んでいてもよい。上記した成分はいずれも、非反応性形態または共重合形態で含有され得る。
成分Ckを使用する場合、成分Ckの好ましい使用量は、成分A、成分B、成分Cの総和を100質量部とし、これに対して0.00001〜100質量部、より好ましくは0.0001〜30質量部、さらに好ましくは0.0001〜10質量部である。成分Ckの使用量が少なすぎる場合は、紫外線吸収剤や着色剤などの成分に期待される効果が十分に得られない傾向がある。成分Ckの使用量が多すぎる場合は得られる医療デバイスに白濁が生じる傾向があり好ましくない。
本発明の医療デバイスの基材が紫外線吸収剤を含む場合、装用者の体組織(眼用レンズの場合は眼)を有害紫外線から保護することができる。また、着色剤を含む場合、医療デバイスが着色されて、識別が容易になり、取扱時の利便性が向上する。
上記した成分はいずれも、非反応性形態または共重合形態で含有され得る。上記成分を共重合した場合、すなわち重合性官能基を有する紫外線吸収剤、重合性官能基を有する着色剤などを使用した場合は、該成分が基材に共重合されて固定化されるので溶出の可能性が小さくなるので好ましい。
本発明にかかる医療デバイスの基材の1形態は、共重合成分として、紫外線吸収剤および着色剤から選ばれる成分(成分Ck)、2種類以上の成分D、成分A、成分Bおよび成分Cを含むことが好ましい。その場合、成分Dとしては、炭素数1〜10の(メタ)アクリル酸アルキルエステルから少なくとも1種類、前記表面濡れ性を向上させるためのモノマーから少なくとも1種類が選ばれることが好ましい。成分Dを2種類以上使用することにより、紫外線吸収剤や着色剤との親和性が増し、透明な基材を得ることが容易になる。
紫外線吸収剤を用いる場合、その好ましい使用量は、成分A、成分B、成分Cの総和を100質量部とし、これに対して0.01〜20質量部、より好ましくは0.05〜10質量部、さらに好ましくは0.1〜2質量部である。着色剤を用いる場合、その好ましい使用量は、成分A、成分B、成分Cの総和を100質量部とし、これに対して0.00001〜5質量部、より好ましくは0.0001〜1質量部、さらに好ましくは0.0001〜0.5質量部である。紫外線吸収剤や着色剤の含有量が少なすぎる場合は、紫外線吸収効果や着色効果が得られにくくなる。逆に、多すぎる場合はこれらの成分を基材中に溶解せしめることが難しくなる。
基材は、高い酸素透過性を有するため、および、表面にコーティングされるポリマーとの間に共有結合を介さずに強固な密着性を得るために、ケイ素原子を5質量%以上含むことが好ましい。ケイ素原子の含有量(質量%)は、乾燥状態の基材質量を基準(100質量%)として算出される。基材のケイ素原子含有率は5質量%〜36質量%が好ましく、7質量%〜30質量%がより好ましく、10質量%〜30質量%がさらに好ましく、12質量%〜26質量%が最も好ましい。ケイ素原子の含有率が大きすぎる場合は弾性率が大きくなる場合があり好ましくない。
基材におけるケイ素原子の含有量は以下の方法で測定することができる。十分乾燥した基材を白金るつぼに秤取し、硫酸を加えてホットプレートおよびバーナーで加熱灰化する。灰化物を炭酸ナトリウムで融解し、水を加えて加熱溶解した後、硝酸を加え水で定容する。この溶液について、ICP発光分光分析法によりケイ素原子を測定し、基材中の含有量を求める。
医療デバイスの基材、すなわちレンズ形状やシート形状の成型体を製造する方法としては、公知の方法を使用することができる。例えば、いったん、丸棒や板状の重合体を得て、これを切削加工等によって所望の形状に加工する方法、モールド重合法、およびスピンキャスト重合法などを使用することができる。医療デバイスを切削加工で得る場合には、低温での冷凍切削が好適である。
一例として、成分Aを含む原料組成物をモールド重合法により重合して眼用レンズを製造する方法について、次に説明する。まず、一定の形状を有する2枚のモールド部材間の空隙に原料組成物を充填する。モールド部材の材料としては、樹脂、ガラス、セラミックス、金属等が挙げられる。光重合を行う場合は光学的に透明な素材が好ましいので、樹脂またはガラスが好ましく使用される。モールド部材の形状や原料組成物の性状によっては、眼用レンズに一定の厚みを与え、かつ、空隙に充填した原料組成物の液モレを防止するために、ガスケットを用いてもよい。空隙に原料組成物を充填したモールドに、続いて紫外線、可視光線またはこれらの組み合わせなどの活性光線を照射するか、もしくはオーブンや液槽中などで加熱することにより、充填した原料組成物を重合する。2通りの重合方法を併用する方法もありうる。すなわち、光重合の後に加熱重合、または加熱重合後に光重合することもできる。光重合の具体的態様としては、例えば水銀ランプや紫外線ランプ(例えばFL15BL、東芝)の光のような紫外線を含む光を短時間(通常は1時間以下)照射する方法が挙げられる。熱重合を行う場合には、組成物を室温付近から徐々に昇温し、数時間ないし数十時間かけて60℃〜200℃の温度まで高めて行く条件が、眼用レンズの光学的な均一性および品位を保持し、かつ再現性を高めるために好まれる。
重合においては、重合をしやすくするために過酸化物やアゾ化合物に代表される熱重合開始剤または光重合開始剤を添加することが好ましい。熱重合を行う場合は、所望の反応温度において最適な分解特性を有するものが選択される。一般的には、10時間半減期温度が40〜120℃のアゾ系開始剤および過酸化物系開始剤が好適である。光重合を行う場合の光開始剤としてはカルボニル化合物、過酸化物、アゾ化合物、硫黄化合物、ハロゲン化合物、および金属塩などを挙げることができる。これらの重合開始剤は単独または混合にて用いられる。重合開始剤の量は、重合混合物に対し最大で5質量%までが好ましい。
重合する際は、重合溶媒を使用することができる。溶媒としては有機系、無機系の各種溶媒が適用可能である。溶媒の例としては、水;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ノルマルブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、t−アミルアルコール、テトラヒドロリナロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールおよびポリエチレングリコール等のアルコール系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテルおよびポリエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、乳酸エチルおよび安息香酸メチル等のエステル系溶媒;ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタンおよびノルマルオクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒;シクロへキサンおよびエチルシクロへキサン等の脂環族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;ベンゼン、トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;並びに石油系溶媒が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いてもよく、また2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の医療デバイスは、基材表面の少なくとも一部に、酸性ポリマーおよび塩基性ポリマーからなる層(以下、コーティング層と呼ぶ)が形成されていることが必要である。コーティング層を有することで、医療デバイスの表面に良好な濡れ性と易滑性が付与され、優れた装用感を与えることができる。
発明者らは、本発明の医療デバイスが、低含水性であっても、少なくても1回の酸性ポリマー溶液による処理のみで、医療デバイス表面に十分な濡れ性、易滑性および防汚性を付与することが可能であることを見出した。これにより、本発明の医療デバイスは、従来の医療デバイスの使用用途の一例である低含水性軟質眼用レンズにおいて問題とされていた、装用時に角膜に貼り付く現象を大幅に低減ないし回避することができる。
コーティング層は、基材との間に共有結合を有する必要はなく、むしろ簡便な工程での製造が可能とするため、コーティング層と基材との間に共有結合を有さず、かつ実用的な耐久性を有することが好ましい。
コーティング層は、下記に詳細に説明する酸性ポリマー水溶液、および塩基性ポリマー水溶液で基材表面を処理することにより形成することが好ましい。
本発明は、反応性アミン官能基を有するポリシロキサンを医療デバイス基材成分に含めることで、塩基性ポリマーの添加を省略することができる。前述の医療デバイス基材のコーティング層は、1種以上の酸性ポリマー溶液による処理を1回以上行うことにより形成することが可能である。ただし、1種以上の塩基性ポリマー溶液による処理を1回以上行うことを排除するものではない。上記した従来技術において、コーティング層として、1種以上の酸性ポリマー、および1種以上の塩基性ポリマーを積層することで濡れ性等の機能を発現していたが、本発明に係る医療デバイス基材においてはこの限りではなく、選択する酸性ポリマーによっては、1回の酸性ポリマー溶液による処理のみで、易滑性と水濡れ性を付与することが可能である。
酸性ポリマーとしては、酸性を有する複数の基をポリマー鎖に沿って有するホモポリマーまたは共重合ポリマーを好適に用いることができる。酸性を有する基としては、カルボキシル基、スルホン酸基およびこれらの塩が好適であり、カルボキシル基およびその塩が最も好適である。たとえば、このような酸性ポリマーの好適な例は、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリ(ビニル安息香酸)、ポリ(チオフェン−3−酢酸)、ポリ(4−スチレンスルホン酸)、ポリビニルスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)およびこれらの塩などである。以上はホモポリマーの例であるが、これらの共重合体(すなわち前記酸性ポリマーを構成する酸性モノマーどうしの共重合体、あるいは酸性モノマーと他のモノマーの共重合体)も好適に用いることができる。
酸性ポリマーが共重合体である場合、該共重合体を構成する酸性モノマーとしては、重合性の高さという点でアリル基、ビニル基、および(メタ)アクリロイル基を有するモノマーが好ましく、(メタ)アクリロイル基を有するモノマーが最も好ましい。該共重合体を構成する酸性モノマーとして好適なものを例示すれば、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、およびこれらの塩である。これらの中で、(メタ)アクリル酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、およびこれらの塩がより好ましく、最も好ましいのは(メタ)アクリル酸、およびその塩である。
塩基性ポリマーを用いる場合、塩基性を有する複数の基をポリマー鎖に沿って有するホモポリマーまたは共重合ポリマーを好適に用いることができる。塩基性を有する基としてはアミノ基およびその塩が好適である。たとえば、このような塩基性ポリマーの好適な例は、ポリ(アリルアミン)、ポリ(ビニルアミン)、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(ビニルベンジルトリメチルアミン)、ポリアニリン、ポリ(アミノスチレン)、ポリ(N,N−ジアルキルアミノエチルメタクリレート)などのアミノ基含有(メタ)アクリレート重合体、ポリ(N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド)などのアミノ基含有(メタ)アクリルアミド重合体およびこれらの塩などである。以上はホモポリマーの例であるが、これらの共重合体(すなわち前記塩基性ポリマーを構成する塩基性モノマーどうしの共重合体、あるいは塩基性モノマーと他のモノマーの共重合体)も好適に用いることができる。
塩基性ポリマーが共重合体である場合、該共重合体を構成する塩基性モノマーとしては、重合性の高さという点でアリル基、ビニル基、および(メタ)アクリロイル基を有するモノマーが好ましく、(メタ)アクリロイル基を有するモノマーが最も好ましい。該共重合体を構成する塩基性モノマーとして好適なものを例示すれば、アリルアミン、ビニルアミン(前駆体としてN−ビニルカルボン酸アミド)、ビニルベンジルトリメチルアミン、アミノ基含有スチレン、アミノ基含有(メタ)アクリレート、アミノ基含有(メタ)アクリルアミド、およびこれらの塩である。これらの中でも重合性の高さからアミノ基含有(メタ)アクリレート、アミノ基含有(メタ)アクリルアミド、およびこれらの塩がより好ましく、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、およびこれらの塩が最も好ましい。
塩基性ポリマーは、第四級アンモニウム構造を有するポリマーであってもよい。第四級アンモニウム構造を有するポリマー化合物は、医療デバイスのコーティングに使用されると、医療デバイスに抗微生物性を付与することができる。
前記塩基性モノマーあるいは酸性モノマーと他のモノマーの共重合体を用いる場合、その共重合比率は[塩基性モノマーあるいは酸性モノマーのモル数]/[他のモノマーのモル数]が、1/99〜99/1が好ましく、2/98〜90/10がより好ましく、10/90〜80/20がさらに好ましい。共重合比率がこの範囲にある場合に、易滑性や涙液に対する防汚性などの機能を発現しやすくなる。
酸性ポリマーまたは塩基性ポリマーを製造する方法としては、公知の方法を使用することができる。例えば、上記した所定の割合で、溶媒中にモノマーを配合し、重合開始剤を添加後、不活性媒体の存在下、還流しながら所定温度で重合反応を行う。反応により得られた反応物は、溶媒に浸漬して、未反応のモノマー成分を除去した後、洗浄、乾燥して重合体を得る。該方法で、ホモポリマーまたは2元以上のコポリマーを製造することができる。
コーティング層の種々の特性、たとえば厚さを変えるために、酸性ポリマーおよび塩基性ポリマーの分子量を変えることができる。具体的には、分子量を増すと、一般にコーティング層の厚さは増す。しかし、分子量が大きすぎる場合、粘度増大により取り扱い難さが増す可能性がある。そのため、本発明で使用される酸性ポリマーまたは塩基性ポリマーは、2000〜150000の分子量を有することが好ましい。より好ましくは、分子量5000〜100000であり、さらに好ましくは、75000〜100000である。酸性ポリマーおよび塩基性ポリマーの分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー法(水系溶媒)で測定されるポリエチレングリコール換算の質量平均分子量である。
コーティング層の塗布は、たとえばWO99/35520、WO01/57118または米国特許公報第2001−0045676号に記載されているような多数の方法で達成することができる。
本発明の医療デバイスは、基材表面の少なくとも一部に、酸性ポリマーを含む層(以下、コーティング層と呼ぶ)が形成されているが、該層内の少なくとも一部が架橋されていても良い。また、本発明の医療デバイスにおいては、上記基材と上記層との間で少なくとも一部が架橋されていても良い。ここで、架橋とは、ポリマー同士が自らの官能基または架橋剤を用いて橋架け構造を作って結合することである。
上記架橋は、基材に少なくとも酸性ポリマーを付着させた状態で放射線を照射することにより生じさせることができる。放射線は、各種のイオン線、電子線、陽電子線、エックス線、γ線、中性子線が好ましく、より好ましくは電子線およびγ線である。最も好ましくはγ線である。
上述のようにコーティング層内やコーティング層と基材との間で架橋を生じさせることにより、レンズの表面に良好な濡れ性と易滑性が付与され、優れた装用感を与えることができる。一方で、放射線照射により基材内部にも架橋を生じ、医療デバイスが硬くなりすぎる場合がある。その場合は基材中の成分Aを適宜、成分Dに置き換えて共重合することにより、基材内部の過度の架橋を抑制することができる。
ここで、酸性ポリマー水溶液または塩基性ポリマー水溶液は、通常、1種のポリマーを含有する溶液である。ここで、1種とは、構成するモノマー種が同一のポリマー群を意味する。ただし、構成するモノマー種が同一であっても、配合比を変えて合成したポリマーは1種ではない。1種(同一)のポリマーの溶液であっても、濃度が異なる溶液は1種とはみなさない。
本発明の医療デバイスの弾性率(引張弾性率)は、0.01MPa以上が好ましく、0.1MPa以上がより好ましく、0.1MPa以上がさらに好ましく、0.2以上MPaがよりいっそう好ましく、また、1.0MPa以下が好ましく、0.8MPa以下がより好ましく、0.7MPa以下がさらに好ましく、0.6MPa以下がよりいっそう好ましく、0.2〜0.55MPaの範囲が最も好ましいが、この限りではない。弾性率が低くすぎると、軟らかすぎてハンドリングが難しくなる傾向がある。弾性率が高すぎると、硬すぎて、患者の皮膚に接触した際やレンズを装着した際の装用感が悪くなる傾向がある。弾性率1MPa以下になると良好な装用感が得られるので好ましい。弾性率は、湿潤状態の試料にて測定される。
本発明の医療デバイスの伸度(引張破断伸度)は100%以上が好ましく、200%以上がより好ましく、また、1000%以下が好ましく、700%以下がより好ましい。伸度が小さいと、医療デバイスが破れやすくなるので好ましくない。伸度が大きすぎる場合には、医療デバイスが変形しやすくなる傾向があり好ましくない。伸度は、湿潤状態の試料にて測定される。
本発明の医療デバイスは、表面の濡れ性に優れることが、生体への馴染みという観点から重要である。特に眼用レンズの場合、装用者の角膜への貼り付きを防止する観点から、動的接触角(前進時、浸漬速度:0.1mm/sec)が100゜以下であることが好ましく、90゜以下がより好ましく、80゜以下がさらに好ましい。動的接触角がさらに低い範囲はよりいっそう好ましいといえ、65゜以下が好ましく、60゜以下がより好ましく、55゜以下がさらに好ましく、50゜以下が一層好ましく、45゜以下が最も好ましい。動的接触角は、リン酸緩衝液による湿潤状態の試料にて、リン酸緩衝液に対して測定される。
また、本発明の医療デバイスは、表面の濡れ性に優れることが生体への馴染みという観点から重要である。かかる観点から、医療デバイスの表面の液膜保持時間が長いことが好ましい。ここで、液膜保持時間とは、リン酸緩衝液に浸漬した医療デバイスを液から引き上げ、空中に表面(眼用レンズの場合は直径方向)が垂直になるように保持した際に、医療デバイス表面の液膜が切れずに保持される時間である。液膜保持時間は、5秒以上が好ましく、10秒以上がさらに好ましく、20秒以上が最も好ましい。ここで直径とは、レンズの縁部が構成する円の直径である。また、液膜保持時間はリン酸緩衝液による湿潤状態の試料にて測定される。
また、体組織の表面に接触した際の動きを円滑にする観点、特に眼用レンズの場合に装用者の角膜への貼り付きを防止する観点から、医療デバイスの表面が優れた易滑性を有することが好ましい。易滑性を表す指標の一つとして表面摩擦係数が挙げられ、この係数が小さい方が好ましい。具体的には、実施例にて後述するリン酸塩緩衝液による湿潤時の表面摩擦係数(MIU)が2以下であることが好ましく、1.6以下がより好ましく、1以下がさらに好ましい。表面摩擦係数が小さいほど表面摩擦が小さく、生体(例えばコンタクトレンズの場合は角膜や眼瞼結膜)との間に擦れが生じたときに生体に与える影響が小さくなる。その意味では、表面摩擦係数は1以下が好ましく、0.8以下がより好ましく、0.6以下が最も好ましい。
本発明の医療デバイスは、患者の体組織(眼用レンズの場合は眼)への大気からの酸素供給の観点から、高い酸素透過性を有することが好ましい。酸素透過係数[×10−11(cm/sec)mLO/(mL・hPa)]は50以上が好ましく、100以上がより好ましく、200以上がさらに好ましく、300以上が最も好ましい。ただし、酸素透過性を高すぎると機械物性などの他の物性に悪影響が出る場合があり好ましくない。酸素透過係数は、乾燥状態の試料にて測定される。
さらに、医療デバイスの防汚性は、ムチン付着、脂質(パルミチン酸メチル)付着、および人工涙液浸漬試験により評価することができ、これらの評価による付着量が少ないものほど、装用感に優れるとともに、細菌繁殖リスクが低減されるために好ましい。例えば、ムチン付着量としては5μg/cm以下が好ましく、4μg/cm以下がより好ましく、3μg/cm以下が最も好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
(分析方法および評価方法)
本明細書において、湿潤状態とは、試料を室温(25℃)の純水またはリン酸塩緩衝液中に24時間以上浸漬した状態を意味する。湿潤状態での物性値の測定は、試料を純水またはリン酸緩衝液中から取り出し、表面水分を拭き取った後、可及的速やかに実施される。
また、本明細書においてリン酸塩緩衝液とは、Dulbecco’s PBS(-)にEDTA・2NAを加えた溶液である。具体的には塩化ナトリウム8g、塩化カリウム0.2g、リン酸水素二ナトリウム1.2g、リン酸二水素カリウム0.2g、およびエデト酸ナトリウム0.5gを純水に溶かして1000mLとした水溶液である。
(1)濡れ性
コンタクトレンズ形状の試験片を、室温で容器中のリン酸緩衝液中に24時間以上浸漬した。試験片とリン酸緩衝液の入ったビーカーを超音波洗浄器にかけた(1分間)。試験片をリン酸緩衝液から引き上げ、空中に直径方向が垂直になるように保持した際の表面の様子を目視観察し、下記の基準で判定した。ここで直径とはコンタクトレンズの縁部が形成する円の直径である。
A:表面の液膜が20秒以上保持する
B:表面の液膜が10秒以上20秒未満で切れる
C:表面の液膜が5秒以上10秒未満で切れる
D:表面の液膜が1秒以上5秒未満で切れる
E:表面の液膜が瞬時に切れる(1秒未満)。
(2)易滑性
易滑性は湿潤状態のサンプル(コンタクトレンズ形状)を人差し指で5回擦った時の官能評価で行った。
A:非常に優れた易滑性がある
B:AとCの中間程度の易滑性がある
C:中程度の易滑性がある
D:易滑性がほとんど無い(CとEの中間程度)
E:易滑性が無い。
(3)コーティング用ポリマーのGPC測定条件
装置:島津製作所製 Prominence GPCシステム
ポンプ:LC−20AD
オートサンプラ:SIL−20AHT
カラムオーブン:CTO−20A
検出器:RID−10A
カラム:東ソー社製GMPWXL(内径7.8mm×30cm、粒子径13μm)
溶媒:水/メタノール=1/1(0.1N硝酸リチウム添加)
流速:0.5mL/分
測定時間:30分
サンプル濃度:0.1質量%
注入量:100μL
標準サンプル:Agilent社製ポリエチレンオキシド標準サンプル(0.1kD〜1258kD)。
合成例1
<CPDA:N,N−ジメチルアクリルアミド/アクリル酸(モル比2/1)>
500mL三口フラスコにN,N−ジメチルアクリルアミド(59.50g、0.600mol)、アクリル酸(21.62g、0.300mol)、純水(325.20g)、重合開始剤VA−061(和光純薬、0.1408g、0.562mmol)、2−メルカプトエタノール(43.8μL、0.63mmol)を加え、三方コック、還流冷却管、温度計およびメカニカルスターラを装着した。モノマー濃度は20質量%であった。三口フラスコ内部を真空ポンプで脱気して、アルゴン置換を3回繰り返した後、混合物を50℃で0.5時間撹拌し、その後70℃に昇温して、6.5時間撹拌した。重合終了後、重合反応液をエバポレータで400gまで濃縮し、2−プロパノール/n−ヘキサン=500mL/500mL中に注ぎ入れて静置後、上澄み液をデカンテーションで除いた。得られた固形分を2−プロパノール/n−ヘキサン=250mL/250mLで3回洗浄した。固形分を真空乾燥機で60℃、一晩乾燥させた。液体窒素を入れ、スパチュラで破砕した後、真空乾燥機で60℃、3時間乾燥させた。このようにして得られた共重合体の分子量はMn:55kD、Mw:192kD(Mw/Mn=3.5)であった。
(CPDA溶液の調製)
合成例1で得られたCPDA共重合体を、純水に溶解して1質量%水溶液とした。ここで、純水とは逆浸透膜で濾過して精製した水を表す。
実施例1
成分Aとして下記式(A3)
Figure 0006241042
で表される両末端がメタクリロイル基であり、1級アミンおよび2級アミンを同一の側鎖に有し、この側鎖を分子内に1個以上有するポリシロキサン化合物である成分Aを5質量部、
成分Bとして下記式(B2)
Figure 0006241042
で表される両末端にメタクリロイル基を有するポリジメチルシロキサン(FM7726、チッソ、質量平均分子量29kD、数平均分子量26kD)を40質量部、成分Dとしてトリフルオロエチルアクリレート(ビスコート3F、大阪有機化学工業)を41質量部、成分Ckとして重合性基を有する紫外線吸収剤(RUVA−93、大塚化学)を1質量部、重合開始剤“イルガキュア”(登録商標)819(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ、1質量部)およびt−アミルアルコール(20質量部)を混合し撹拌した。
メンブレンフィルター(0.45μm)でろ過して不溶分を除いてモノマー混合物を得た。透明樹脂(ポリ4−メチルペンテン−1)製のコンタクトレンズ用モールドに、モノマー混合物を注入し、蛍光ランプ(東芝、FL−8D、昼光色、8W、2本)を用いて光照射(8000ルクス、20分間)して重合した。重合後に、モールドごと100質量%イソプロピルアルコール水溶液中に浸漬して、モールドからコンタクトレンズ形状の成型体を剥離した。得られた成型体を、大過剰量の100質量%イソプロピルアルコール水溶液に60℃、2時間浸漬した。成型体を密閉バイアル瓶中のリン酸緩衝液に浸漬した状態で入れ、121℃、30分間、オートクレーブ滅菌を行った。得られた成型体は、縁部の直径約14mm、中心部厚み約0.07mmであった。得られた成型体の含水率は1%未満であった。
実施例2〜4
成分Aの一般式を式(A4)に示し、当該式中のY,m,nについて下記の表1に示した通りに変更した以外は、実施例1と全く同様にして成型体を得た。成型体の含水率はいずれも1%未満であった。
Figure 0006241042
Figure 0006241042
実施例5
成分Aとして下記式(A5)
Figure 0006241042
で表される両末端がメタクリロイル基であり、同一の側鎖に1級アミンおよび2級アミンの両方を有し、この側鎖を1個以上有するポリシロキサン化合物である成分Aを5質量部、
成分Bとして下記式(B3)
Figure 0006241042
で表される両末端にメタクリロイル基を有するポリジメチルシロキサン(FM7726、チッソ、質量平均分子量29kD、数平均分子量26kD)を40質量部、成分Cとして下記式(C3)
Figure 0006241042
で表される片末端がメタクリロイル基であり、側鎖にアミノ基を有するポリシロキサン化合物(数平均分子量15000)を10質量部、成分Dとしてトリフルオロエチルアクリレート(ビスコート3F、大阪有機化学工業)を31質量部、成分Ckとして重合性基を有する紫外線吸収剤(RUVA−93、大塚化学)を1質量部、重合開始剤“イルガキュア(登録商標)”819(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ、1質量部)およびt−アミルアルコール(20質量部)を混合し撹拌した。
メンブレンフィルター(0.45μm)でろ過して不溶分を除いてモノマー混合物を得た。透明樹脂(ポリ4−メチルペンテン−1)製のコンタクトレンズ用モールドに、モノマー混合物を注入し、蛍光ランプ(東芝、FL−8D、昼光色、8W、2本)を用いて光照射(8000ルクス、20分間)して重合した。重合後に、モールドごと100質量%イソプロピルアルコール水溶液中に浸漬して、モールドからコンタクトレンズ形状の成型体を剥離した。得られた成型体を、大過剰量の100質量%イソプロピルアルコール水溶液に60℃、2時間浸漬した。成型体を密閉バイアル瓶中のリン酸緩衝液に浸漬した状態で入れ、121℃、30分間、オートクレーブ滅菌を行った。得られた成型体は、縁部の直径約14mm、中心部厚み約0.07mmであった。得られた成型体の含水率は1%未満であった。
実施例6〜8
成分Aの一般式を式(A5)に示し、式(A5)中のY,m,nについて下記の表2に
示した通りに変更した以外は、実施例と全く同様にして成型体を得た。成型体の含水率
はいずれも1%未満であった。
Figure 0006241042
Figure 0006241042
比較例1
成分Bとして下記式(B4)
Figure 0006241042
で表される両末端にメタクリロイル基を有するポリジメチルシロキサン(FM7726、チッソ、質量平均分子量29kD、数平均分子量26kD)を40質量部、成分Dとしてトリフルオロエチルアクリレート(ビスコート3F、大阪有機化学工業)を46質量部、成分Ckとして重合性基を有する紫外線吸収剤(RUVA−93、大塚化学)を1質量部、重合開始剤“イルガキュア”(登録商標)819(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ、1質量部)およびt−アミルアルコール(20質量部)を混合し撹拌した。
メンブレンフィルター(0.45μm)でろ過して不溶分を除いてモノマー混合物を得た。透明樹脂(ポリ4−メチルペンテン−1)製のコンタクトレンズ用モールドに、モノマー混合物を注入し、蛍光ランプ(東芝、FL−8D、昼光色、8W、2本)を用いて光照射(8000ルクス、20分間)して重合した。重合後に、モールドごと100質量%イソプロピルアルコール水溶液中に浸漬して、モールドからコンタクトレンズ形状の成型体を剥離した。得られた成型体を、大過剰量の100質量%イソプロピルアルコール水溶液に60℃、2時間浸漬した。成型体を密閉バイアル瓶中のリン酸緩衝液に浸漬した状態で入れ、121℃、30分間、オートクレーブ滅菌を行った。得られた成型体は、縁部の直径約14mm、中心部厚み約0.07mmであった。得られた成型体の含水率は1%未満であった。
比較例2
成分Bとして下記式(B5)
Figure 0006241042
で表される両末端にメタクリロイル基を有するポリジメチルシロキサン(FM7726、チッソ、質量平均分子量29kD、数平均分子量26kD)を40質量部、成分Dとしてトリフルオロエチルアクリレート(ビスコート3F、大阪有機化学工業)を41質量部、成分Ckとしてジメチルアミノエチルアクリレート(興人)を10質量部、重合性基を有する紫外線吸収剤(RUVA−93、大塚化学)を1質量部、重合開始剤“イルガキュア”(登録商標)819(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ、1質量部)およびt−アミルアルコール(20質量部)を混合し撹拌した。
メンブレンフィルター(0.45μm)でろ過して不溶分を除いてモノマー混合物を得た。透明樹脂(ポリ4−メチルペンテン−1)製のコンタクトレンズ用モールドに、モノマー混合物を注入し、蛍光ランプ(東芝、FL−8D、昼光色、8W、2本)を用いて光照射(8000ルクス、20分間)して重合した。重合後に、モールドごと100質量%イソプロピルアルコール水溶液中に浸漬して、モールドからコンタクトレンズ形状の成型体を剥離した。得られた成型体を、大過剰量の100質量%イソプロピルアルコール水溶液に60℃、2時間浸漬した。成型体を密閉バイアル瓶中のリン酸緩衝液に浸漬した状態で入れ、121℃、30分間、オートクレーブ滅菌を行った。得られた成型体は、縁部の直径約14mm、中心部厚み約0.07mmであった。得られた成型体の含水率は1%未満であった。
比較例3
成分Bとして下記式(B6)
Figure 0006241042
で表される両末端にメタクリロイル基を有するポリジメチルシロキサン(FM7726、チッソ、質量平均分子量29kD、数平均分子量26kD)を40質量部、成分Cとして下記式(C4)
Figure 0006241042
で表される片末端がメタクリロイル基であり、側鎖にアミノ基を有するポリシロキサン化合物(数平均分子量15000)を10質量部、成分Dとしてトリフルオロエチルアクリレート(ビスコート3F、大阪有機化学工業)を36質量部、成分Ckとして重合性基を有する紫外線吸収剤(RUVA−93、大塚化学)を1質量部、重合開始剤“イルガキュア”(登録商標)819(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ、1質量部)およびt−アミルアルコール(20質量部)を混合し撹拌した。
メンブレンフィルター(0.45μm)でろ過して不溶分を除いてモノマー混合物を得た。透明樹脂(ポリ4−メチルペンテン−1)製のコンタクトレンズ用モールドに、モノマー混合物を注入し、蛍光ランプ(東芝、FL−8D、昼光色、8W、2本)を用いて光照射(8000ルクス、20分間)して重合した。重合後に、モールドごと100質量%イソプロピルアルコール水溶液中に浸漬して、モールドからコンタクトレンズ形状の成型体を剥離した。得られた成型体を、大過剰量の100質量%イソプロピルアルコール水溶液に60℃、2時間浸漬した。成型体を密閉バイアル瓶中のリン酸緩衝液に浸漬した状態で入れ、121℃、30分間、オートクレーブ滅菌を行った。得られた成型体は、縁部の直径約14mm、中心部厚み約0.07mmであった。得られた成型体の含水率は1%未満であった。
比較例4
成分Cとして下記式(C5)で表されるポリマーに変更した以外は参考例1と全く同様にして成型体を得た。得られた成型体の含水率はいずれも1%未満であった。
Figure 0006241042
コーティングおよび評価
実施例1〜7、および比較例1〜4で得られた成型体に、合成例1で作成した酸性ポリマー(CPDA共重合体)からなる層(コーティング層)を形成した。実施例1〜7、比較例1〜4で得られた成型体をCPDA溶液に30分間浸漬した後、3つの純水浴にそれぞれ5分間浸漬し、易滑性、濡れ性を評価した。評価結果を表3、表4に示す。
Figure 0006241042
Figure 0006241042
比較例1〜4で得られた成型体と比較して、実施例1〜7で得られた成型体は易滑性、水濡れ性が付与された。合成例1で得られたCPDA共重合体は、アニオン性であるが、当該医療デバイス基材は、ジアミン変性ポリシロキサンを含有しており基材表面はカチオン性であるため、基材表面にCPDA共重合体が静電的に吸着し、基材に水濡れ性と易滑性を付与できたと思われる。
本発明は医療デバイスに関するものであり、患者と接触、または患者から採取された組織、例えば、血液やその他の体液と接触させて使用するデバイス、例えば、眼用レンズや皮膚用材料に好適に使用できる。特に低含水性軟質眼用レンズ、例えば、低含水性ソフトコンタクトレンズ、眼内レンズ、人工角膜、角膜インレイ、角膜オンレイ、メガネレンズなどの眼用レンズとして有用である。

Claims (3)

  1. 低含水性基材の表面の少なくとも一部に酸性ポリマーを含む層が形成された軟質部材を備える医療デバイスであって、前記低含水性軟質基材は、1級アミノ基および2級アミノ基の両方を同一の側鎖に有するポリシロキサン化合物に加えて、側鎖にアミノ基を有し、アミノ当量が3000以下のポリシロキサン化合物と、1分子あたり1個以上の重合性官能基を有し、数平均分子量が100以上の直鎖状ポリシロキサン化合物とを含む医療デバイス。
  2. 前記低含水性基材が前記ポリシロキサン化合物に加えて、フルオロアルキル基を有する重合性モノマーを含む請求項1に記載の医療デバイス。
  3. 請求項1または2に記載の医療デバイスを製造する方法であって、前記酸性ポリマーを含む層が1種以上の酸性ポリマー溶液による処理を1回以上行うことにより形成されている医療用デバイスの製造方法
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