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JP6223915B2 - 圧縮機及びその駆動装置 - Google Patents

圧縮機及びその駆動装置 Download PDF

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JP6223915B2 JP2014127452A JP2014127452A JP6223915B2 JP 6223915 B2 JP6223915 B2 JP 6223915B2 JP 2014127452 A JP2014127452 A JP 2014127452A JP 2014127452 A JP2014127452 A JP 2014127452A JP 6223915 B2 JP6223915 B2 JP 6223915B2
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Description

本発明は、オイルフリースクリュー圧縮機をはじめとする各種圧縮機を駆動するための装置に関する。
従来、圧縮機を駆動するための装置として、例えば、特許文献1に開示されるものが知られている。この装置は、スクリュー圧縮機のスクリューロータを回転駆動するための装置であり、当該スクリュー圧縮機は、一対のスクリューロータである雌ロータ及び雄ロータと、これらを収容するロータケーシングと、を備えたスクリュー圧縮機に設けられ、当該雌ロータ及び雄ロータのうちの一方のスクリューロータ、例えば雄ロータを回転させる。当該装置は電動機を備え、この電動機は電磁力によって前記雄ロータを回転駆動する。
前記スクリュー圧縮機の中には、例えばオイルフリースクリュー圧縮機のように、20,000rpm以上の高速回転で運転が行われるものがある。この高速運転域は、ロータ軸の振幅が著しく増大する危険速度域を超える領域であるため、当該高速運転域での運転を行うためには、スクリュー圧縮機の立ち上げ加速時に前記危険速度域を通過しなければならない。
図10は、スクリュー圧縮機のロータ回転数と振幅との関係の一例を示す。この例によれば、例えば油冷式スクリュー圧縮機のように危険速度(この例では6000rpm)よりも低い速度領域で通常運転が行われる場合には、当該危険速度を常に回避することが可能であるが、オイルフリースクリュー圧縮機のように前記危険速度よりも高い運転領域で通常運転が行われる圧縮機においては、その通常運転に達する前に危険速度を通過しなければならない。この危険速度またはその近傍でのスクリューロータの回転は、ロータ接触限界を超える振幅、すなわち、一対のスクリューロータ同士を接触させてしまうような振幅、をもつ振動を招くおそれがある。
このような危険速度域での運転による大きな振動の発生を回避して安全な運転を行うための手段として、前記特許文献1には次のような方策A及びBが記載されている。
A.スクリューロータと、その回転軸に組み付けられるビルトイン型の電動機の回転子との間に中間軸受を介在させ、これにより前記スクリューロータ及び回転子のアセンブリの固有振動数を高める。
B.スクリュー圧縮機を立ち上げる際に低速域からのスクリューロータの加速度を十分に大きくして前記危険速度域、すなわち、ロータ軸の振幅が著しく大きくなる回転数領域、を短時間のうちに通過させる。
特開2002−122084号公報
方策Aのように、中間軸受の装着によって危険速度域を運転回転域よりもさらに高速側に移行させるためには、きわめて特殊で高価な軸受の使用を要し、かつ、その使用に伴って新たな冷却装置の装備やメンテナンスも必要となる。従って、著しいコストの上昇は避けられない。
方策Bのように危険速度域を短時間で通過して高速運転領域に至るためには、電動機の速度制御について優れた加速性が要求されるのと同時に、当該高速運転領域での発熱の抑制が重要な課題となり、その両立が難しい。具体的に、20,000rpm以上の高速回転では、モータの回転子に電磁力の変化によるコアの鉄損や渦電流損に起因して著しい発熱が生じやすい。その放熱のために大掛かりな冷却構造を増設することは、方策Aと同様にコストの著しい上昇を招く結果となる。
以上説明した課題は、オイルフリースクリュー圧縮機において顕著であるが、他の圧縮機の駆動に際しても同様に生じ得る。
本発明は、このような事情に鑑み、危険速度域をもつ圧縮機及びこれをコストの著しい上昇を伴うことなく前記危険速度域よりも高速側の領域で安全に駆動することが可能な駆動装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明者らは、圧縮機を駆動するための電動モータの制御方式としてPWM制御と矩形波駆動制御とを併用することに想到した。PWM制御は、そのキャリア周波数に起因する高調波成分のノイズを有するため、高速度領域で実行すると著しい発熱を生じやすい反面、精度の高い加速制御を実現して十分な加速性を得ることが可能であり、また前記のような高調波成分はスクリューロータに大きな加振力を与えるおそれがない利点を有する。一方、矩形波駆動制御は、特に低速度域で高い制御精度が得られにくく、優れた加速性は得られにくい反面、高速度域においてもPWM制御のような高調波成分のノイズに起因する著しい発熱は生じにくい。
本発明は、このような観点からなされたものであり、危険速度域をもつ圧縮機及びこれを高速度領域で駆動する駆動装置であって、当該駆動装置が、前記駆動の立ち上がり時に前記危険速度域を短時間で通過することが可能な優れた加速性をもつ速度制御と、高速回転領域での発熱の抑制との両立が可能なもの提供する。すなわち、本発明が提供するのは、ロータを有する圧縮機及び当該圧縮機を駆動するための駆動装置であり、当該駆動装置は、当該圧縮機に連結された電動機と、前記電動機とその電源とに接続されて当該電動機の駆動を行うインバータと、このインバータに制御信号を入力して前記電動機の駆動制御を行う制御部と、を備える。当該制御部は、前記圧縮機の作動速度に関する情報に基づき、当該作動速度が当該圧縮機の振動が最大となる危険速度よりも高い領域で予め定められた特定速度よりも低い運転領域では前記電動機のPWM制御を行うための制御信号を生成して前記インバータに入力し、当該作動速度が前記特定速度以上の領域では前記電動機の矩形波駆動制御を行うための制御信号を生成して前記インバータに入力する。
前記駆動装置によれば、前記圧縮機の作動速度が前記特定速度よりも低い運転領域では、精度の高い速度制御が可能なPWM制御を実行することによって高い加速性を得ることができ、これにより、危険速度を短時間で通過して圧縮機の振動の増大を回避することができる。そして、当該回転速度が当該特定速度以上である高速運転領域においては、PWM制御のようにキャリア周波数に起因する高調波成分のノイズが発生することのない矩形波駆動制御を実行することによって、スクリューロータの発熱を抑えることができる。前記駆動装置は、前記圧縮機がスクリューロータを有するオイルフリー型のスクリュー圧縮機であり、前記電動機が前記スクリューロータを回転させるように前記スクリュー圧縮機に連結される態様において、特に有効である。
前記PWM制御及び前記矩形波駆動制御は、共通のインバータを用いて実行することが可能である。これにより、低コストで高い加速性と発熱の抑制との両立を実現することができる。
前記圧縮機の作動速度に関する情報としては、前記制御部に入力される速度指令であってもよいし、磁極位置センサその他の検出器により検出される実際の電動機の回転速度であってもよい。
前記駆動装置は、さらに、前記圧縮機の振動の大きさを検出する振動検出器をさらに備え、前記制御部は、当該振動検出器により検出される振動の大きさが予め設定された許容値を超える場合には前記回転速度に関する情報にかかわらずPWM制御を実行するための制御信号を生成してインバータに入力すること、すなわち振動の抑制を優先した制御を行うこと、が好ましい。これにより、圧縮機の作動速度のみならず、実機における振動状態に適した電動機の制御を行うことが、可能である。
以上のように、本発明によれば、危険速度域をもつ圧縮機及びこれをコストの著しい上昇を伴うことなく前記危険速度域よりも高速側の高速領域で安全に駆動することが可能な駆動装置が、提供される。
本発明の各実施の形態に係る装置により駆動される圧縮機の例であるスクリュー圧縮機の断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る圧縮機の駆動装置の回路図である。 図2に示される制御部が実行する制御動作を示すフローチャートである。 PWM制御のためのゲート信号の波形の例を示すグラフである。 PWM制御における周波数とノイズ成分との関係を示すグラフである。 矩形波駆動制御のためのゲート信号の波形の例を示すグラフである。 矩形波駆動制御における周波数とノイズ成分との関係を示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態に係る圧縮機の駆動装置の回路図である。 図8に示される制御部が実行する制御動作を示すフローチャートである。 スクリュー圧縮機のロータ回転数と振幅との関係の例を示すグラフである。
本発明の第1の実施の形態を、図1〜図7を参照しながら説明する。
図1は前記実施形態に係る駆動装置により駆動される圧縮機であるスクリュー圧縮機10を示す。このスクリュー圧縮機10はいわゆるオイルフリー型の圧縮機であって、互いに噛み合う一対のスクリューロータである雄ロータ11及び雌ロータ12と、ロータケーシング14と、電動機ケーシング16と、を有する。
前記雄ロータ11及び雌ロータ12は、それぞれ、一方向に延びるロータ軸11a,12aと、各ロータ軸11a,11bの中間部分の周囲に設けられたロータ本体11b,12bと、を有する。これら雄ロータ11及び雌ロータ12は、ロータ本体11b,12b同士が適当な隙間をおいて噛み合うように、前記ロータケーシング14内に収容される。
前記各ロータ軸11a,12aの同じ側の端部(図1では左側端部)にはそれぞれタイミングギア17,18が固定されている。これらタイミングギア17,18は互いに噛合することによって雄雌ロータ11,12の同期回転を可能にする。また、雄ロータ11のロータ軸11aは、雌ロータ12のロータ軸12aに比べて、前記タイミングギア17と反対の側に延長されている。
前記ロータケーシング14は、前記雄ロータ11のうち前記ロータ軸11aの延長部分を除く本体部分と、前記雌ロータ12の全体を収容する。具体的に、ロータケーシング14は、前記ロータ軸11a,12aのうち、前記ロータ本体11b,12bと前記タイミングギア17,18との間の部分をそれぞれロータ側軸受(図1では転がり軸受)21,22を介して回転可能に保持するとともに、前記ロータ本体11b,12bを挟んで前記タイミングギア17,18と反対の側の部分をそれぞれ中間軸受(図1では転がり軸受)23,24を介して回転可能に保持する。
前記電動機ケーシング16は、前記雄ロータ11のロータ軸11aの前記延長部分を収容するように前記ロータケーシング14と軸方向に連結される。具体的に、当該電動機ケーシング16は、前記ロータ軸11aの延長部分の端部を電動機側軸受26を介して回転可能に保持する。
前記ロータケーシング14は、図示しないガスの吸込口と吐出口とを有する。また、前記ロータケーシング14及び電動機ケーシング16は、前記ロータ側軸受21,22、前記中間軸受23,24及び前記電動機側軸受26をそれぞれ冷却する油を供給するための給油路27,28,29を有する。
図2は、前記スクリュー圧縮機10の駆動装置及び圧縮機コントローラ30を示す。当該駆動装置は、当該圧縮機コントローラ30の指令を受けて前記スクリュー圧縮機10を駆動する。
前記圧縮機コントローラ30は、図示されないスイッチ等を含む操作装置に電気的に接続され、当該操作装置に与えられる操作に対応して前記スクリュー圧縮機10の運転制御を司る。当該圧縮機コントローラ30は、その主要な機能として、前記一対のスクリューロータである雄雌ロータ11,12の回転速度についての速度指令を出力する機能を有する。
前記駆動装置は、電動機32と、インバータ40と、電動機コントローラ50と、を有する。
前記電動機32は、この実施の形態では3相交流電動機からなり、前記インバータ40を介して図2に示す交流電源34に接続され、前記一対のスクリューロータである雌雄ロータ11,12のうちの一方である雄ロータ11を電磁力によって回転させる。この実施の形態に係る電動機32は、図1に示すようないわゆるビルトイン型のモータからなり、前記雄ロータ11のロータ軸11aの前記延長部分の周囲に構築されるとともに前記電動機ケーシング16に内蔵されている。
具体的に、前記電動機32は、前記ロータ軸11aの前記延長部分の周囲に固定された回転子36と、前記電動機ケーシング16に固定された固定子38と、を有する。前記回転子36は、周方向に配列された複数の永久磁石を含む。前記固定子38は、周方向に配列された複数の固定子コア38a及び各固定子コア38aの周囲に形成された複数の励磁コイル38bを含む。各固定子コア38aは、前記回転子36の径方向の外側の位置で当該回転子36の各永久磁石と径方向に対向可能となるように前記電動機ケーシング16の内側面に固定されている。
前記インバータ40は、前記交流電源34と前記電動機32の各励磁コイル38bとの間に介在し、当該各励磁コイル38bに適切な電流を流すことにより電動機32を作動させる。すなわち、当該電動機32に前記雄ロータ11を回転駆動させる。
具体的に、インバータ40は、図2に示すような整流回路42、平滑回路43、インバータ回路44及びゲートドライブ回路45を有する。整流回路42は、複数のダイオードを含み、交流電源34から供給される交流を直流に変換する。平滑回路43は、コンデンサを含み、前記整流回路42で変換された電流を平滑化する。インバータ回路44は、前記電動機32におけるU相、V相及びW相のそれぞれについて与えられた複数のスイッチングデバイス(例えばIGBT)を含み、これらのスイッチデバイスのオンオフによって前記各相に対応する励磁コイル38bを流れる電流が制御される。前記ゲートドライブ回路45は、前記電動機コントローラ50から入力されるゲート信号に対応して前記各スイッチングデバイスのゲート端子にゲート電流を流し、これにより当該スイッチングデバイスを駆動する。
さらに、この実施の形態に係るインバータ40には、複数の検出器が与えられている。当該複数の検出器には、前記平滑回路43におけるコンデンサの端子間電圧を検出する電圧センサ46と、前記インバータ回路44におけるU相電流及びW相電流をそれぞれ検出するU相電流センサ47及びW相電流センサ48と、が含まれる。また、前記電動機32には、その磁極位置を検出する磁極位置センサ39が与えられている。前記各センサは、その検出対象についての情報信号である検出信号を生成し、前記電動機コントローラ50に入力する。
前記電動機コントローラ50は、本発明に係る制御部に相当するもので、前記圧縮機コントローラ30から出力される速度指令と前記各センサから入力される検出信号とに基づいて適当なゲート信号を生成し、当該ゲート信号を前記ゲートドライブ回路45に入力することにより、前記電動機32の回転速度を制御する。具体的に、この電動機コントローラ50は、電圧指令部52と、制御モード指令部54と、ゲート信号生成部56と、を有する。
前記電圧指令部52は、前記圧縮機コントローラ30から出力される速度指令と、前記各センサから入力される検出信号と、に基づき、前記インバータ40についての目標出力電圧に相当する電圧指令を生成する。
制御モード指令部54は、前記速度指令に基づき、前記インバータ40による前記電動機32の駆動の制御について予め与えられた複数の制御モードのうちいずれの制御モードを選択すべきかを判定し、その選択した制御モードについての制御モード指令を生成する。前記複数の制御モードには、PWM(パルス幅変調)制御モードと、矩形波駆動制御モードと、が含まれる。
前記ゲート信号生成部56は、前記制御モード指令によって指定された制御モードに基づくゲート信号であって、前記電圧指令により指定される目標出力電圧を得るためのゲート信号を生成し、前記ゲートドライブ回路45に入力する。具体的に、当該ゲート信号生成部56は、前記PWM制御を行うためのゲート信号を生成するPWM制御部56aと、前記矩形波駆動制御を行うためのゲート信号を生成する矩形波駆動制御部56bと、を有する。
次に、この電動機コントローラ50が行う具体的な制御動作を、図3のフローチャート及び図4〜図7を併せて参照しながら、説明する。この制御動作は、駆動対象たるスクリュー圧縮機10の各ロータ11,12が図10に示す振動特性を有することを前提とし、当該図10に示される危険速度(6000rpm)の近傍の領域を短時間で通過するとともに当該危険速度よりも十分高い高回転速度(20000rpm)において発熱を抑えながら安全にロータ11,12を回転駆動することを目的として行われる。ここで、前記危険速度の具体的な数値は、スクリュー圧縮機10の設計及び製作の際に計測または予測が可能であり、既知の値として取り扱われることが可能である。
電動機コントローラ50は、まず、前記圧縮機コントローラ30が出力する速度指令と、各センサが生成する検出信号を取り込む(図4のステップS1)。
電圧指令部52は、当該速度指令及び当該各検出信号に基いて電圧指令を生成する。具体的に、電圧指令部52は、前記磁極位置センサ39により検出される磁極位置の時間微分によって電動機32の実回転速度を算定し(ステップS2)、この実回転速度と前記速度指令との対比に基いて、当該実回転速度を当該速度指令により指定される目標回転速度に合致させる、すなわち電動機32の回転速度をフィードバック制御する、ためのトルク指令を算定する(ステップS3)。さらに、電圧指令部52は、当該トルク指令を電動機32の目標電流を指定する電流指令に変換し(ステップS4)、前記U相及びW相電流センサ47,48がそれぞれ検出する実電流(実際のU相電流及びW相電流)と前記電流指令との対比に基いて、当該実電流を当該電流指令により指定される目標電流に合致させる、すなわち、電動機32の電流をフィードバック制御する、ための電圧指令を算定する(ステップS5)。
一方、制御モード指令部54は、速度指令により指定された指定速度が予め設定された特定速度以上であるか否かを判別する(ステップS6)。この特定速度は、前記危険速度よりも十分高い速度に設定される。具体的には、図10に示されるようにロータ回転数(回転速度)に応じて変化する振幅がロータ11,12同士の接触を確実に回避できる程度まで小さい振幅となる回転速度、例えば10000rpm、に設定される。
当該指定速度が前記特定速度未満の低速領域では(ステップS6でNO)、制御モード指令部54は制御モードとしてPWM制御を選択し(ステップS7)、これを指定する制御モード指令を生成する。この制御モード指令に基づき、ゲート信号生成部56は、電圧センサ46により検出される電圧を前記電圧指令により指定された目標電圧に合致させるためのPWM制御用ゲート信号を生成し、ゲートドライブ回路45に入力する(ステップS8)。
図4は、前記PWM制御モードにおいて生成されるゲート信号の波形を示す。このPWM制御モードでは、前記ゲート信号として、目標交流電圧の振幅に対応してパルス幅が変化するパルス信号が生成される。図4は、100Hzの正弦波電圧を得るためのパルス信号であってキャリア周波数が10kHzである信号の波形を例示している。このようなキャリア周波数によるPWM制御は、制御精度が高く、従って、スクリュー圧縮機10の立ち上がり時には目標速度の増加に確実に追従する優れた加速性でもって電動機32の回転速度を増加させることを可能にする。つまり、実際の回転速度が図10に示される危険速度及びその近傍の領域を確実に短時間で通過することを可能にする。
その一方、前記PWM制御は前記危険速度及びその近傍領域において雄ロータ11に加振力を与えるような周波数特性を有しておらず、当該領域での安全性にも優れている。図5は、PWM制御モードにおいて発生するノイズの周波数特性を示す。この図5に示されるように、PWM制御モードは、10kHzのキャリア周波数に起因する高調波成分、すなわち10kHz×n次の高調波成分を含むノイズを伴うが、当該高調波成分が雄ロータ11に深刻な加振力を与えるおそれはない。
このようなPWM制御に基づく加速が進むうち、前記指定速度が前記特定値以上である高速領域に達すると(ステップS6でYES)、制御モード指令部54は制御モードとして矩形波駆動制御を選択し(ステップS9)、これを指定する制御モード指令を生成する。この制御モード指令に基づき、ゲート信号生成部56は、電圧センサ46により検出される電圧を前記電圧指令により指定された目標電圧に合致させるための矩形波駆動制御用ゲート信号を生成し、ゲートドライブ回路45に入力する(ステップS10)。
図6は、矩形波駆動制御モードおいて生成されるゲート信号の波形を示す。この矩形波駆動制御モードでは、前記ゲート信号として、磁極位置センサ39が検出する磁極位置に応じてU相、V相及びW相のスイッチングを順次行うような矩形波信号が生成される。この矩形波信号には、信号電圧が0となる部分が含まれており、この部分の長さを変えることによって電圧の制御が可能となる。
図7は、矩形波駆動制御モードにおいて発生するノイズの周波数特性を示す。この図7に示されるように、矩形波駆動制御モードで発生するノイズは、基本周波数(駆動周波数)100Hzのn倍の比較的低い周波数成分を有するのみで、PWM制御において見られるようなキャリア周波数に起因する高周波成分を含まない。従って、当該高周波成分に起因する顕著な発熱は生じず、電動機32での著しい温度上昇が回避される。
以上のように、この駆動装置によれば、指定速度が特定速度(=危険速度+α)未満の低速度領域では、発熱を生じさせやすい高調波成分は含むものの加速性に優れかつ雄ロータ11に深刻な加振力を与えないPWM制御の選択が、危険速度及びその近傍の領域を安全かつ確実に短時間で通過することを可能にする一方、指定速度が特定速度以上の高速度領域では、高調波成分を抑えた矩形波駆動制御の選択が電動機32の温度上昇の抑制を可能にし、当該温度上昇に起因するロータ11,12の熱膨張による相互接触や回転子36における永久磁石の熱減磁の防止を可能にする。
矩形波駆動制御の選択による発熱の回避の理由の詳細は次のとおりである。一般に、発熱の要因となる渦電流損Peは、次のスタインメッツの実験式により与えられる。
Pe=Ke×(t×f×Bm)/ρ
ここで、Keは比例定数、tは渦電流が生じ得る板の厚み(電動機32では回転子36を構成する永久磁石の径方向の厚み)、fは周波数、Bmは最大磁束密度、ρは磁性体の抵抗率を示す。このように、渦電流損Peは周波数fの二乗に比例するので、高速領域において高調波成分を含むノイズを伴わない矩形波駆動制御モードを選択することが、発熱の抑制にきわめて有効である。
次に、本発明の第2の実施の形態を、図8及び図9を参照しながら説明する。
この第2の実施の形態に係る駆動装置は、第1の実施の形態に係る駆動装置の構成要素を全て包含するのに加え、前記ロータ11,12の振動のレベル(例えば振動方向の速度や加速度、振幅)を検出する振動検出器60をさらに備える。この振動検出器60は、例えば速度センサや加速度センサにより構成され、前記ロータ11,12の振動の検出が可能な箇所、例えば前記ロータケーシング14、に取付けられる。
一方、電動機コントローラ50の制御モード指令部54は、指定速度が特定速度未満である場合に加え、指定速度が特定速度以上であっても前記振動検出器60が検出する振動のレベルが予め設定された特定値以上である場合にはPWM制御モードを選択する。ここで、前記振動のレベルについての特定値は、例えばISO7919において規定される「非往復動機械の回転部にて測定された機械振動の評価基準のクラスIII・ZONEB」(長期連続運転可能領域)に基いて設定されるのが好ましく、これによれば前記特定値は例えば4.5mm/sが好適である。
前記制御モード指令部54は、図9に示すフローチャートにおいては、図3に示されるステップS6、すなわち指定速度が特定速度以上であるか否かの判断、に代え、ステップS6Aすなわち指定速度が特定速度以上であるか否かの判断と、ステップS6Bすなわち検出された振幅が特定値以上であるか否かの判断と、を行い、指定速度が特定速度以上であっても振幅が特定値以上の場合には(ステップS6AでNOかつステップS6BでYES)PWM制御モードを選択し(ステップS7)、指定速度が特定速度以上でかつ振幅が特定値未満である場合にのみ(ステップS6AでNOかつステップS6BでNO)矩形波駆動制御モードを選択する。
具体的に、この第2の実施の形態では、停止状態からの加速運転において、指定速度が特定速度(>危険速度)に達するまでは第1の実施の形態と同様にPWM制御モードが選択されるが、指定速度が特定速度以上になっても検出される振動のレベルが特定値以上である場合にはPWM制御モードが継続して採択され、当該振動のレベルが特定値未満になった時点ではじめて矩形波制御モードが採択される。減速時も同様であり、指定速度が特定速度よりも高い高速運転領域にて検出される振動レベルが特定値を下回る間は第1の実施の形態と同様に矩形波駆動方式が採択されるが、当該振動レベルが当該特定値を上回ると前記指定速度にかかわらず制御モードはPWM制御モードに切換えられ、以降はスクリュー圧縮機が停止するまで当該PWM制御モードの選択が継続される。
このような制御モードの選択は、危険速度を特定することができない場合、あるいは、装置の状態の変化に伴って危険速度が変化する可能性のある場合に、特に有効であり、これらの場合においても高い安全性を保証することができる。
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されない。本発明は、例えば次のような実施の形態を含む。
1)回転速度に関する情報について
本発明は、圧縮機の作動速度に関する情報に基いて制御モードの選択を行うことを特徴とするが、当該作動速度の情報は、図2に示すような圧縮機コントローラ30が出力する速度指令に限られない。例えば、図2に示される磁極位置センサ39の検出信号に基いて算定される実回転速度と前記特定速度との対比に基いて制御モードの選択が行われてもよい。
2)駆動対象について
本発明に係る装置によって駆動される圧縮機は、前記のオイルフリースクリュー圧縮機に限られない。本発明は、他の圧縮機、例えば、油冷式のスクリュー圧縮機や、スクリュー圧縮機以外の圧縮機、例えばターボ圧縮機、の駆動にも適用されることが可能である。
3)電動機について
本発明において用いられる電動機の構造や種類は特に限定されない。例えば本発明に係る電動機は、図1に示されるようなビルトイン型のものに限られず、図1に示されるロータケーシング14及びロータ軸11aと独立して構築され、当該ロータ軸11aにカップリング等で連結されるものであってもよい。
また、本発明に係る電動機が連結される圧縮機の部位も限定されない。当該電動機は、例えばスクリュー圧縮機における雄ロータのロータ軸ではなく雌ロータのロータ軸に連結されてもよい。あるいは、他の種類の圧縮機の回転軸や、当該圧縮機と電動機との間に介在する変速機の入力軸に連結されてもよい。
4)PWM制御モードでのキャリア周波数について
本発明に係るPWM制御モードでは、前記キャリア周波数が一定の周波数に固定されてもよいし、回転速度その他の因子に応じて増減されてもよい。例えば、高い加速性が要求される危険速度及びその近傍の領域、あるいは精度が出にくい低速領域では、高精度の制御を実現するために高いキャリア周波数が設定され、それ以外の領域ではスイッチングロスの低減のために比較的低いキャリア周波数が設定されてもよい。
10 スクリュー圧縮機
11 雄ロータ(スクリューロータ)
12 雌ロータ(スクリューロータ)
30 圧縮機コントローラ
32 電動機
34 交流電源
36 回転子
38 固定子
39 磁極位置センサ
40 インバータ
50 電動機コントローラ(制御部)
52 電圧指令部
54 制御モード指令部
56 ゲート信号生成部
60 振動検出器

Claims (4)

  1. ロータを有する圧縮機と、
    前記圧縮機を駆動するための駆動装置と、を備え、
    前記駆動装置は、
    前記ロータを回転させるように前記圧縮機に連結される電動機と、
    前記電動機とその電源とに接続されて当該電動機の駆動を行うインバータと、
    前記インバータに制御信号を入力して前記電動機の駆動制御を行う制御部と、を有し当該制御部は、前記圧縮機の作動速度に関する情報に基づき、当該作動速度が前記圧縮機の振動が最大となる危険速度よりも高い領域で予め定められた特定速度よりも低い運転領域では前記電動機のPWM制御を行うための制御信号を生成して前記インバータに入力し、当該作動速度が前記特定速度以上の領域では前記電動機の矩形波駆動制御を行うための制御信号を生成して前記インバータに入力する、圧縮機及びその駆動装置。
  2. 請求項1記載の圧縮機及びその駆動装置であって、前記制御部は、前記PWM制御及び前記矩形波駆動制御を共通の前記インバータを用いて実行する、圧縮機及びその駆動装置。
  3. 請求項1または2記載の圧縮機及びその駆動装置であって、前記圧縮機の振動の大きさを検出する振動検出器をさらに備え、前記制御部は、当該振動検出器により検出される振動の大きさが予め設定された許容値を超える場合には前記圧縮機の作動速度に関する情報にかかわらずPWM制御を実行するための制御信号を生成してインバータに入力する、圧縮機及びその駆動装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮機及びその駆動装置であって、前記圧縮機は、スクリューロータを有するオイルフリー型のスクリュー圧縮機であって、前記電動機は前記スクリューロータを回転させるように前記スクリュー圧縮機に連結される、圧縮機及びその駆動装置。
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