トランスジェニック産物の開発はますます複雑になっており、単一遺伝子座に複数のトランス遺伝子を集積する必要がある。伝統的に、それぞれのトランス遺伝子は通常、発現のための独自のプロモーターが必要であり、したがって、1つの遺伝子スタック内で異なるトランス遺伝子を発現するには複数のプロモーターが必要である。このせいで、遺伝子スタックのサイズが増えることに加えて、同じプロモーターを繰り返し使用して、同じ形質を制御する異なるトランス遺伝子の類似するレベルの発現パターンを得る場合が多くなる。同じプロモーターにより駆動される多重遺伝子構築物は、遺伝子サイレンシングを引き起こし、したがってトランスジェニック産物のフィールドでの効果が低くなることが知られている。プロモーター繰り返しに起因する過剰な転写因子(TF)結合部位は内在性TFを枯渇させ、転写不活性化をもたらすことがある。
二方向プロモーター系を、プロモーターのどちらか1つのまたは両方の末端で遺伝子のバイシストロン性組織と、例えば、トーセア・アシグナ(Thosea asigna)ウイルス由来の2A配列の使用と組み合わせる構築物および方法が提供される。2Aタンパク質は、わずか16〜20アミノ酸長であるが、ポリタンパク質をそれ自体のカルボキシ末端で切断する。2Aまたは2A様ペプチドの「自己切断」または「リボソームスキップ」特性を使用して、トランスジェニック植物において産生される人工的ポリタンパク質を加工することができる。一実施形態では、Cry34とCry35遺伝子は1つの遺伝子発現カセットに融合され、そこではYFP(またはPhiyfp)とAAD1遺伝子はもう1つの遺伝子発現カセットに融合されている(2Aタンパク質遺伝子のコピーがそれぞれの組合せの2つの遺伝子間に置かれている単一オープンリーディングフレーム(ORF)を有する)。例えば、これらの遺伝子発現カセット(または遺伝子対)のそれぞれは二方向プロモーターのどちらかの末端に置かれ、単一のプロモーターを使用して4つのトランス遺伝子を駆動させることができる。したがって、本明細書に提供される構築物および方法は、同じプロモーターを繰り返して使用することを回避し商業的構築物のサイズを著しく減少させるのに有用である。さらに、4つ以上の遺伝子を1つのプロモーターで駆動させれば、単一形質を制御する遺伝子を同時発現させる能力も与えられる。
基礎研究または生物工学的応用のために使用される植物プロモーターは、一般に一方向性であり、その3’末端(下流)に融合されている1つの遺伝子のみに指令を与える。代謝工学および形質スタッキングのために植物に複数の遺伝子を導入することが必要であることが多く、したがって、複数の遺伝子の発現を駆動させるためには複数のプロモーターが典型的には将来のトランスジェニック作物に必要となる。配置されるプロモーターの数を節約し遺伝子集積のための同時共調節発現を可能にすることができる戦略を設計するのが望ましい。ある実施形態では、提供される二方向プロモーターは、RNAi、人工miRNA、またはヘアピンループRNA配列を含む、複数の転写単位の転写を駆動させることができる。
配置されるプロモーターの数を減らすための1つのアプローチは、両方向に転写を駆動しうる極めて重要な転写活性化スイッチを使用することである。これらのプロモーターは二方向プロモーターと呼ばれる。合成プロモーターは、作物植物における遺伝子操作に使用される複数のプロモーター間の相同性のレベルを制限するように設計することが可能であり、それにより相同性ベースの遺伝子サイレンシングを回避することが可能になる。人工的に設計された二方向プロモーターは、トランスジェニック植物の開発のための貴重なツールとなることができる。CaMV35Sおよびマンノピンシンターゼプロモーター(mas)プロモーターを含む、植物中のプロモーターの二方向機能はいくつかの場合で報告されている。しかし、そのようなプロモーターを使用する適合性は、二方向への遺伝子の予測可能で安定な同時発現については調べられていない。
複数の遺伝子の発現を協調させるための別の方法は、単一オープンリーディングフレームを、2つのコード配列間に自己プロセシング特性のある短い介在モチーフを含有するポリタンパク質前駆体にコードすることである。ポリタンパク質前駆体の自己触媒的プロセシングにより複数の独立したタンパク質が放出され、それらの同期し協調した発現がもたらされる。合成自己加水分解2Aペプチド配列は、植物系と動物系の両方で使用されて2つのトランス遺伝子を発現してきた。2Aペプチド配列はいくつかの既知のウイルスにより利用され、16〜20アミノ酸からなる。この2Aペプチド配列は、リボソームの活性を改変することにより同時翻訳的に自己切断(またはリボソームスキップ)して、2つのタンパク質間での2Aの加水分解を可能にし、2つのタンパク質産物が放出される。
単一プロモーターを使用して少なくとも4つのトランス遺伝子を発現させることが容易に達成される、二方向プロモーターアプローチと介在合成モチーフを使用するポリタンパク質プロセシングを組み合わせる構築物および方法が提供される。Cry34およびCry35の遺伝子ならびにYFP(またはPhiyfp)およびAAD1の遺伝子が、遺伝子発現カセットまたは遺伝子対として融合されて、2Aタンパク質遺伝子のコピーが遺伝子間に置かれている単一オープンリーディングフレーム(ORF)になる。この遺伝子対は二方向プロモーターのどちらかの末端に置かれて単一プロモーターを使用して4つのトランス遺伝子を駆動させることができる。本明細書に提供される構築物および/または方法は、同じプロモーターを繰り返し使用することを回避して潜在的トランス遺伝子サイレンシング問題を避けるのに有用である。さらに、このトランス遺伝子設計アプローチは、複数のトランス遺伝子を含有するトランス遺伝子スタックのサイズを著しく減らすことができる。4つ以上の遺伝子を1つのプロモーターで駆動させることは、単一形質を制御している遺伝子を同時発現させる能力も与え、トランスジェニック産物の長期の効果が確保される。
トランスジェニック植物の開発はますます複雑になっており、典型的には単一遺伝子座に複数のトランス遺伝子を積み重ねる必要がある。Xieら、(2001)Nat.Biotechnol.19(7):677〜9を参照されたい。それぞれのトランス遺伝子は通常、発現のための独自のプロモーターが必要であるため、1つの遺伝子スタック内で異なるトランス遺伝子を発現するには複数のプロモーターが必要である。このため、遺伝子スタックのサイズを増やすことに加えて、異なるトランス遺伝子の類似するレベルの発現パターンを得るには同じプロモーターを繰り返して使用する場合が多くなる。同じプロモーターにより駆動される複数の遺伝子の発現により遺伝子サイレンシングまたはHBGSが生じることがあるために、このアプローチは問題になることが多い。繰り返されるプロモーター中に過剰な競合する転写因子(TF)結合部位があるために、内在性TFを枯渇させ、転写が下方調節されることがある。トランス遺伝子のサイレンシングにより、トランス遺伝子を発現させる作製されたトランスジェニック植物の性能はおそらく望ましくない影響を受けることになる。トランス遺伝子内の繰り返し配列により遺伝子座内相同組換えが起こり、ポリヌクレオチドの再配置が生じることがある。
基礎研究または生物工学的応用のために使用される植物プロモーターは一般に一方向性であり、その3’末端(下流)で融合されている1つの遺伝子のみを調節する。様々な望ましい形質または特徴をもつトランスジェニック植物を作製するためには、望ましい形質および特徴をコードするトランス遺伝子の発現を駆動させるために配置されるプロモーターの数を減らすのが有用であると考えられる。代謝工学および形質スタッキングのために植物内に複数のトランス遺伝子を導入して、それにより複数のトランス遺伝子の発現を駆動する複数のプロモーターが必要になる場合が多い。プロモーターに隣接する2つのトランス遺伝子の発現を駆動させることができる単一の合成二方向プロモーターを開発することにより、トランスジェニック作物の開発に必要なプロモーターの総数を減らし、それにより同じプロモーターの繰り返し使用を減らし、トランスジェニック構築物のサイズを減少させ、および/またはHBGSの可能性を抑えうる。
本明細書の実施形態は、トウモロコシユビキチン−1遺伝子(例えば、ZmUbi1)由来の一方向プロモーターを使用して、1つのプロモーターが2つの遺伝子(プロモーターのそれぞれの末端に1つ)の発現を指示することができるように合成二方向プロモーターを設計する工程を利用する。本明細書で利用される工程には、ZmUbi1遺伝子由来のUbi1最小コアプロモーターエレメント(minUbi1P)の同定、およびある特定の合成二方向プロモーターを構築するためにこのエレメントを操作して新しい構成にすることが含まれることがある。本発明のいくつかの実施形態に従った工程により作製することができるような合成二方向プロモーターにより、当業者は、同じプロモーターの繰り返し使用を減らしトランスジェニック構築物のサイズを抑えながら植物細胞および植物にトランス遺伝子を積み重ねることが可能になりうる。さらに、単一の合成二方向プロモーターで2つの遺伝子の発現を調節すると、例えば、2つの遺伝子がそれぞれ宿主内の単一の形質に寄与する場合には有用になりうるような、同じ条件下で2つの遺伝子を同時発現する能力も与えられる。CaMV35プロモーター(Barfield and Pua (1991) Plant Cell Rep. 10(6〜7):308〜14; Xieら、(2001)、およびマンノピンシンターゼプロモーター(mas)プロモーター(Veltenら、(1984) EMBO J.3(12):2723〜30; Langridgeら、(1989) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:3219〜23)を含む、植物における二方向プロモーターの使用はいくつかの場合に報告されている。
植物遺伝子における転写開始および遺伝子発現モジュレーションは、プロモーター内に集団的に配置されている種々のDNA配列エレメントにより指示される。真核生物プロモーターは、最小コアプロモーターエレメント(minP)、およびさらに上流の調節配列(URS)からなる。コアプロモーターエレメントは、転写の正確な開始を指示するのに十分な連続するDNA配列の最小ストレッチである。植物におけるコアプロモーターは、CAATおよびTATAボックスなどの転写開始に関連するカロニカル領域も含む。TATAボックスエレメントは通常は、転写の開始部位のおよそ20〜35ヌクレオチド上流に位置している。
minPの活性化はURSに依拠しており、このURSには様々なタンパク質が結合しそれに続いて転写開始複合体と相互作用する。URSは、URSを含むプロモーターの時空間的発現パターンを決定するDNA配列を含む。プロモーターの極性はminPの配向によって決定されることが多く、URSは双極性である(すなわち、URSはその配向とは無関係に機能する)。例えば、CaMV35S合成一方向極性プロモーターは、minPをプロモーターの5’末端で反対配向に融合させることにより二方向プロモーターに変換しうる。例えば、Xieら、(2001) Nat. Biotechnol. 19(7):677〜9を参照されたい。
開示されているある特定の略字は表1に収載されている。
いくつかの実施形態の特定の例では、トウモロコシ(Zea mays)近交系、B73由来のトウモロコシUbi1(ZmUbi1)プロモーターの改変されたエレメントを使用して、すでに利用可能な二方向プロモーターに関して類のない発現制御特徴を与えるよう植物内で機能しうる合成二方向プロモーターを操作する。始めはB73由来のこのZmUbi1プロモーターは、トウモロコシゲノム内で転写開始部位の約899塩基5’側内、さらに転写開始部位の約1093塩基3’側内に位置している配列を含む。Christensenら、(1992) Plant Mol. Biol. 18(4):675〜89(B73 ZmUbi1遺伝子を記載している)。B73に由来し、いくつかの例で使用される改変ZmUbi1プロモーターはおよそ2kbプロモーターであり、TATAボックス、2つの重複する熱ショックコンセンサスエレメント、転写開始部位に直接隣接する82または83ヌクレオチド(基準鎖に応じて)リーダー配列(本明細書ではZmUbi1エクソンと呼ばれる)、および1015〜1016ヌクレオチドイントロンを含有する(例えば、図1参照)。ゼア(Zea)種およびトウモロコシ(Zea mays)遺伝子型に由来する他のトウモロコシユビキチンプロモーターバリアントは、TATAエレメントおよび上流熱ショックコンセンサスエレメントからなるminPエレメント近くに高い配列保存を示すことがある。したがって、本発明の実施形態は、合成二方向植物プロモーターを構築するための最小コアプロモーターエレメントとしてZmUbi1プロモーターのこの短い(約200nt)高度に保存された領域(例えば、配列番号1)を使用することにより例証される。
本明細書で使用される場合、冠詞「1つ(a)」、「1つ(an)」、および「その(the)」は、文脈がはっきりと明確に他の方法で指示していなければ、複数の参照を含む。
本明細書で使用される場合、語句「戻し交配」とは、育種家が雑種子孫を親のうちの一方、例えば、F1雑種の親遺伝子型のうちの1つを有する第1世代雑種F1と再び交雑させる工程のことである。
本明細書で使用される場合、語句「イントロン」とは、転写されるが翻訳はされない遺伝子(または対象の発現されたヌクレオチド配列)に含まれる任意の核酸配列のことである。イントロンは、遺伝子の一部とは見なされない5’末端非翻訳リーダー配列とは異なる。イントロンには、DNAの発現された配列内の非翻訳核酸配列、ならびにそこから転写されるRNA分子中の対応する配列が含まれる。
本明細書で使用される場合、語句「単離された」とは、構成成分内に化学的または機能的変化をもたらしつつ(例えば、核酸は、染色体内でこの核酸を残りのDNAに連結している化学結合を切断することにより染色体から単離されることもある)、構成成分が天然に存在している生物の細胞内の他の生物学的構成成分(すなわち、他の染色体および染色体外DNAおよびRNA、ならびにタンパク質)から実質的に分離されている、これとは別に産生された、またはこれから精製分離されている生物学的構成成分(核酸またはタンパク質を含む)のことである。「単離」された核酸分子およびタンパク質には、標準精製法により精製された核酸分子およびタンパク質が含まれる。語句「単離された」は、宿主細胞において組換え発現により調製された核酸およびタンパク質、ならびに化学的に合成された核酸分子、タンパク質、およびペプチドも包含する。
本明細書で使用される場合、語句「遺伝子発現」とは、核酸転写単位のコードされた情報(例えば、ゲノムDNAを含む)が、タンパク質の合成を含むことが多い、細胞の操作的、非操作的、または構造的部分に変換される過程のことである。遺伝子発現は、外部シグナル、例えば、遺伝子発現を増加させるまたは減少させる作用因子への細胞、組織、または生物の曝露により影響を受けることがある。遺伝子の発現は、DNAからRNAそしてタンパク質への経路における任意の場所でも調節されることがある。遺伝子発現の調節は、例えば、転写、翻訳、RNA輸送およびプロセシング、mRNAなどの中間分子の分解に作用する制御を通して、または産生された後の特定のタンパク質分子の活性化、不活性化、区分化、もしくは分解を通して、またはそれらの組合せにより起こる。遺伝子発現は、限定せずに、ノーザンブロット、RT−PCR、ウェスタンブロット、またはin vitro、in situもしくはin vivoタンパク質活性アッセイ(複数可)を含む、当技術分野で公知のどんな方法によってもRNAレベル、またはタンパク質レベルで測定することが可能である。
本明細書で使用される場合、語句「相同性ベースの遺伝子サイレンシング」(HBGS)とは、転写遺伝子サイレンシングと転写後遺伝子サイレンシングの両方を含む総称のことである。非連結サイレンシング遺伝子座による標的遺伝子座のサイレンシングは、プロモーターまたは転写された配列に対応する二本鎖RNA(dsRNA)の産生のせいでそれぞれ転写阻害(転写遺伝子サイレンシング;TGS)またはmRNA分解(転写後遺伝子サイレンシング;PTGS)に起因することがある。それぞれの過程への異なる細胞構成成分の関与は、dsRNA誘導TGSおよびPTGSがおそらく古代の共通な機構の多様化に起因することを示唆している。しかし、TGSとPTGSを厳密に比較するのは、その比較が一般に異なるサイレンシング遺伝子座の解析に依拠しているために困難であった。単一トランス遺伝子座は、異なる標的遺伝子のプロモーターと転写された配列に対応するdsRNAの産生のせいで、TGSとPTGSの両方を始動させると説明することができる。例えば、Mourrainら、(2007) Planta 225:365〜79を参照されたい。siRNAは相同な配列上でTGSとPTGSを始動させる実際の分子である可能性が高く、siRNAはこのモデルでは、トランス遺伝子配列のメチル化を内在性プロモーター内に広げることを通じて相同な配列のサイレンシングおよびメチル化をシスでおよびトランスで始動させると考えられる。
本明細書で使用される場合、語句「核酸分子」(または「核酸」または「ポリヌクレオチド」)とは、ヌクレオチドのポリマー形態のことであり、これにはRNA、cDNA、ゲノムDNA、および合成形態のセンス鎖とアンチセンス鎖の両方ならびに上記の混合ポリマーを含みうる。ヌクレオチドとは、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、またはどちらかの種類のヌクレオチドの改変された形態のことでもよい。本明細書で使用される「核酸分子」は「核酸」および「ポリヌクレオチド」と同義である。核酸分子は通常、他の方法で指定されなければ、少なくとも10塩基長である。この用語は未定長のRNAまたはDNAの分子のことでもよい。この用語には一本鎖形態および二本鎖形態のDNAを含む。核酸分子は、天然に存在するおよび/または天然には存在しないヌクレオチド連鎖により互いに連結された天然に存在するおよび改変されたヌクレオチドのどちらかまたは両方を含んでいてもよい。
核酸分子は、当業者により容易に認識されるように、化学的に改変されても生化学的に改変されてもよく、または非天然もしくは誘導体化されたヌクレオチド塩基を含有していてもよい。そのような改変には、例えば、標識、メチル化、天然に存在するヌクレオチドのうちの1つまたは複数の類似体との置換、ヌクレオチド間改変(例えば、無電荷連鎖、例えば、メチルホスホン酸、リン酸トリエステル、ホスホロアミド酸、カルバミン酸、等;電荷連鎖、例えば、ホスホロチオエート、ジチオリン酸、等;ペンダント部分、例えば、ペプチド;介入物、例えば、アクリジン、ソラレン、等;キレート剤;アルキル化剤;および改変連鎖、例えば、アルファアノマー核酸、等)が含まれる。用語「核酸分子」には、一本鎖、二本鎖、部分的二重鎖、三重鎖、ヘアピン、環状、および錠かけ型の立体構造を含む、任意のトポロジー立体構造も含まれる。
転写はDNA鎖に沿って5’から3’への様式で進む。これにより、RNAは伸長している鎖の3’末端へのリボヌクレオチド−5’−三リン酸の連続付加(ピロリン酸の不可欠な除去と共に)により作られる。線形または環状核酸分子どちらでも、別々のエレメント(例えば、特定のヌクレオチド配列)は、そのエレメントから5’方向の同じ核酸に結合しているまたは結合することになるのであれば、追加のエレメントに対して「上流」にあると呼んでもよい。同様に、別々のエレメントは、そのエレメントから3’方向の同じ核酸に結合しているまたは結合することになるのであれば、追加のエレメントに対して「下流」にあることになりうる。
本明細書で使用される場合、語句「塩基位置」とは、指定された核酸内の所与の塩基またはヌクレオチド残基の位置のことである。指定された核酸は、基準核酸とのアライメント(下参照)により定義してもよい。
本明細書で使用される場合、語句「ハイブリダイゼーション」とは、オリゴヌクレオチドとその類似体が水素結合によりハイブリダイズする過程のことであり、水素結合には相補的塩基間のワトソン−クリック、フーグスティーンまたは逆フーグスティーン水素結合が含まれる。一般に、核酸分子は、ピリミジン(シトシン(C)、ウラシル(U)、およびチミン(T))またはプリン(アデニン(A)およびグアニン(G))のどちらかである窒素塩基からなる。これらの窒素塩基はピリミジンとプリン間で水素結合を形成し、プリンへのピリミジンの結合は「塩基対合」と呼ばれる。さらに具体的には、AはTまたはUと水素結合し、GはCと結合する。「相補的」とは、2つの異なる核酸配列または同じ核酸配列の2つの異なる領域間で起こる塩基対合のことである。
本明細書で使用される場合、語句「特異的にハイブリダイズ可能な」および「特異的に相補的な」とは、オリゴヌクレオチドとDNAまたはRNA標的の間で安定で特異的な結合が生じるのに十分な程度の相補性のことである。特異的にハイブリダイズ可能であるためにはオリゴヌクレオチドはその標的配列と100%相補的である必要はない。標的DNAまたはRNA分子へのオリゴヌクレオチドの結合が標的DNAまたはRNAの正常な機能を妨害し、特異的結合が望ましい条件下で、例えば、in vivoアッセイまたは系の場合の生理的条件下で非標的配列へのオリゴヌクレオチドの非特異的結合を避けるのに十分な程度の相補性が存在するとき、オリゴヌクレオチドは特異的にハイブリダイズ可能である。そのような結合は特異的ハイブリダイゼーションと呼ばれる。
特定の程度の厳密性を生じるハイブリダイゼーション条件は、選択されたハイブリダイゼーション法の性質ならびにハイブリダイズする核酸配列の組成および長さに応じて変化することになる。一般に、ハイブリダイゼーションの温度およびハイブリダイゼーションバッファーのイオン強度(特に、Na+および/またはMg2+濃度)はハイブリダイゼーションの厳密性に寄与するが、洗浄時間も厳密性に影響を与える。特定の程度の厳密性を達成するのに必要なハイブリダイゼーション条件に関する計算は、Sambrookら、(ed.)、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、2nd ed.、vol. 1〜3、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、New York、1989、chs. 9 and 11で考察されている。
本明細書で使用される場合、語句「厳密な条件」は、ハイブリダイゼーション分子とDNA標的の間のミスマッチが50%未満である場合にのみハイブリダイゼーションが起こる条件を包含する。「厳密な条件」には、さらに特定のレベルの厳密性が含まれる。したがって、本明細書で使用される場合、「中程度の厳密性」条件とは、50%を超える配列ミスマッチを有する分子ではハイブリダイズしない条件であり、「高厳密性」の条件とは、20%を超えるミスマッチを有する配列ではハイブリダイズしない条件であり、「超高厳密性」の条件とは、10%を超えるミスマッチを有する配列ではハイブリダイズしない条件である。
特定の実施形態では、厳密な条件は、65℃でのハイブリダイゼーション、続いて0.1×SSC/0.1%SDSを用いた65℃での40分間の洗浄を含むことができる。
以下は代表的、非限定的ハイブリダイゼーション条件である。
超高厳密性:5×SSCバッファー中65℃で16時間のハイブリダイゼーション;2×SSCバッファー中室温でそれぞれ15分間の洗浄2回;および0.5×SSCバッファー中65℃でそれぞれ20分間の洗浄を2回。
高厳密性:5×〜6×SSCバッファー中65〜70℃で16〜20時間のハイブリダイゼーション;2×SSCバッファー中室温でそれぞれ5〜20分間の洗浄2回;および1×SSCバッファー中55〜70℃でそれぞれ30分間の洗浄を2回。
中程度厳密性:6×SSCバッファー中室温から55℃で16〜20時間のハイブリダイゼーション;2×〜3×SSCバッファー中室温から55℃でそれぞれ20〜30分間の洗浄を少なくとも2回。
特定の実施形態では、特異的にハイブリダイズ可能な核酸分子は、超高厳密性ハイブリダイゼーション条件下で結合したままでいることができる。これらのおよび追加の実施形態では、特異的にハイブリダイズ可能な核酸分子は、高厳密性ハイブリダイゼーション条件下で結合したままでいることができる。これらのおよび追加の実施形態では、特異的にハイブリダイズ可能な核酸分子は、中程度厳密性ハイブリダイゼーション条件下で結合したままでいることができる。
本明細書で使用される場合、語句「オリゴヌクレオチド」とは、短い核酸ポリマーのことである。オリゴヌクレオチドは、さらに長い核酸セグメントを切断することによりまたは個々のヌクレオチド前駆体を重合することにより形成しうる。自動合成装置を使用すれば、最大数百塩基対長のオリゴヌクレオチドの合成が可能になる。オリゴヌクレオチドは相補的ヌクレオチド配列に結合することができるので、DNAまたはRNAを検出するためのプローブとして使用しうる。DNAで構成されているオリゴヌクレオチド(オリゴデオキシリボヌクレオチド)は、小DNA配列の増幅のための技法であるPCRにおいて使用しうる。PCRでは、オリゴヌクレオチドは典型的には「プライマー」と呼ばれ、これによりDNAポリメラーゼはオリゴヌクレオチドを伸長して相補鎖を複製することができる。
本明細書で使用される場合、語句「配列同一性」または「同一性」とは、2つの核酸またはポリペプチド配列が、特定された比較窓にわたって最大一致に整列された場合と同じである2つの配列中の残基を指しうるコンテキストのことである。
本明細書で使用される場合、語句「配列同一性の百分率」とは、比較窓にわたって2つの最適に整列された配列(例えば、核酸配列およびアミノ酸配列)を比較することにより決定される値のことであり、比較窓内の配列の一部は、2つの配列の最適アライメントの基準配列(付加も欠失も含まない)と比べた場合、付加または欠失(例えば、ギャップ)を含んでいてもよい。百分率は、同一ヌクレオチドまたはアミノ酸残基が両方の配列中に存在する位置の数を決定して適合した位置の数を得て、適合した位置の数を比較窓内の位置の総数で割り、この結果に100を掛けることにより計算されて配列同一性の百分率が得られる。
比較のために配列を整列させる方法は当技術分野では周知である。様々なプログラムおよびアライメントアルゴリズムが、例えば、Smith and Waterman (1981) Adv. Appl. Math. 2:482; Needleman and Wunsch (1970) J. Mol. Biol. 48:443; Pearson and Lipman (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 85:2444; Higgins and Sharp (1988) Gene 73:237〜44; Higgins and Sharp (1989) CABIOS 5:151〜3; Corpetら、(1988) Nucleic Acids Res. 16:10881〜90; Huangら、(1992) Comp. Appl. Biosci. 8:155〜65; Pearsonら、(1994) Methods Mol. Biol. 24:307〜31; Tatianaら、(1999) FEMS Microbiol. Lett. 174:247〜50に記載されている。配列アライメント法および相同性計算の詳細な検討は、例えば、Altschulら、(1990) J. Mol. Biol. 215:403〜10に見ることができる。
国立バイオテクノロジー情報センター(NCBI)Basic Local Alignment Search Tool (BLAST(商標);Altschulら、(1990))は、いくつかの配列解析プログラムに関連して使用するための、国立バイオテクノロジー情報センター(Bethesda、MD)、およびインターネット上を含むいくつかの供給源から入手可能である。このプログラムを使用して配列同一性を決定する方法の記載は、インターネット上のBLAST(商標)についての「ヘルプ」セクションで入手可能である。核酸配列の比較では、BLAST(商標)(Blastn)プログラムの「Blast2配列」機能はデフォルトパラメータを使用して用いてもよい。基準配列にはるかに大きな類似性を有する核酸配列であれば、この方法により評価される場合、百分率同一性の増加を示すことになる。
本明細書で使用される場合、語句「作動可能に連結された」とは、第一の核酸配列が第二の核酸配列と機能的な関係にある場合、第一の核酸配列は第二の核酸配列に作動可能に連結しているコンテキストのことである。例えば、プロモーターがコード配列の転写または発現に影響を与える場合、プロモーターはコード配列に作動可能に連結している。組換え的に産生される場合、作動可能に連結された核酸配列は一般に連続しており、2つのタンパク質コード領域を結合させる必要がある場合は、同じリーディングフレーム内にある。しかし、エレメントは作動可能に連結されるのに近接している必要はない。
本明細書で使用される場合、語句「プロモーター」とは、一般に上流に(遺伝子の5’領域の方に)位置しているDNAの領域であって、転写に必要な領域のことである。プロモーターは、それが制御している遺伝子の適切な活性化または抑圧を可能にしてもよい。プロモーターは転写因子により認識される特定の配列を含有しうる。これらの因子はプロモーターDNA配列に結合して、遺伝子のコード領域からRNAを合成する酵素である、RNAポリメラーゼを動員することができる。
本明細書で使用される場合、語句「形質転換する」または「形質導入する」とは、ウイルスまたはベクターが核酸分子を細胞内に移す過程のことである。核酸分子を細胞ゲノムに取り込むことによりまたはエピソーム複製によりのいずれかで、細胞により核酸分子が安定的に複製される場合、細胞は、細胞内に「形質導入された」核酸分子により「形質転換」される。本明細書で使用される場合、用語「形質転換」は、核酸分子をそのような細胞内に導入することができる全ての技法を包含する。例には、ウイルスベクターを用いたトランスフェクション;プラスミドベクターを用いた形質転換;エレクトロポレーション(Frommら、(1986) Nature 319:791〜3);リポフェクション(Felgnerら、(1987) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:7413〜7);マイクロインジェクション(Muellerら、(1978) Cell 15:579〜85);アグロバクテリウム(Agrobacterium)媒介移入(Fraleyら、(1983) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:4803〜7);直接DNA取り込み;ウィスカー媒介形質転換;および微粒子銃(Kleinら、(1987) Nature 327:70)が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、語句「トランス遺伝子」とは、外来性核酸配列のことである。一例では、トランス遺伝子は遺伝子配列(例えば、除草剤耐性遺伝子)、産業的にまたは薬剤的に有用な化合物をコードする遺伝子、または望ましい農業上の形質をコードする遺伝子である。さらに別の例では、トランス遺伝子は、その発現により標的核酸配列の発現が阻害されるアンチセンス核酸配列である。トランス遺伝子は、それに作動可能に連結している調節配列(例えば、プロモーター)を含有していてもよい。いくつかの実施形態では、対象の核酸配列はトランス遺伝子である。しかし、他の実施形態では、対象の核酸配列は、その追加のゲノムコピーが望ましい内在性核酸配列、または宿主生物における標的核酸分子の配列に関してアンチセンス配向である核酸配列である。
本明細書で使用される場合、語句「ベクター」とは、細胞に導入され、それにより形質転換細胞を作製する核酸分子のことである。ベクターは、複製起点などの、ベクターが宿主細胞内で複製することを可能にする核酸配列を含みうる。例には、プラスミド、コスミド、バクテリオファージ、または外来性DNAを細胞内に運ぶウイルスが含まれるが、これらに限定されない。ベクターは、1つもしくは複数の遺伝子、アンチセンス分子、および/または選択可能マーカー遺伝子ならびに当技術分野で公知の他の遺伝要素も含むことができる。ベクターは、細胞を形質導入する、形質転換する、または感染させ、それにより細胞に核酸分子および/またはベクターにコードされたタンパク質を発現させうる。ベクターは、場合によって、核酸分子の細胞内への進入を達成するのに役立つ物質(例えば、リポソーム)を含みうる。
本明細書で使用される場合、語句「植物」には、植物細胞ならびに葉、茎、根、花、花粉、および種子などの植物組織を含むがこれらに限定されない植物および植物部分が含まれる。本発明で使用することができる植物の種類は一般に、被子植物(単子葉および双子葉植物)、裸子植物、シダ類および多細胞藻類を含む、変異誘発を受け入れられる高等および下等植物の種類と同じくらい幅広い。したがって、「植物」には双子葉植物および単子葉植物が含まれる。双子葉植物の例には、タバコ、シロイズナズナ(Arabidopsis)、ダイズ、トマト、パパイア、キャノーラ、ヒマワリ、ワタ、アルファルファ、ジャガイモ、ブドウ、キマメ、エンドウマメ、アブラナ属(Brassica)、ヒヨコマメ、サトウダイコン、ナタネ、スイカ、メロン、コショウ、ピーナッツ、カボチャ(pumpkin)、ダイコン、ホウレンソウ、カボチャ(squash)、ブロッコリー、キャベツ、ニンジン、カリフラワー、セロリ、ハクサイ、キュウリ、ナスおよびレタスが含まれる。単子葉植物の例には、トウモロコシ、イネ、コムギ、サトウキビ、オオムギ、ライムギ、モロコシ、ラン、タケ、バナナ、ガマ、ユリ、カラスムギ、タマネギ、アワ、およびライコムギが含まれる。
本明細書で使用される場合、語句「植物物質」とは、葉、茎、根、花もしくは花部、果実、花粉、卵細胞、接合体、種子、挿し木、細胞もしくは組織培養物、または植物の他の任意の部分もしくは産物のことである。ある実施形態では、植物物質には子葉および葉が含まれる。
本明細書で使用される場合、語句「翻訳スイッチ」とは、すぐ下流の遺伝子の翻訳を可能にする遺伝子末端の機構のことである。翻訳スイッチの機構は、核酸レベルで(例えば、ウイルスもしくは真核生物配列内リボソーム進入部位(IRES)、選択的スプライシング部位、またはリボザイム切断部位)またはペプチド/タンパク質レベルで(例えば、2Aペプチド、2A様ペプチド、インテインペプチド、またはプロテアーゼ切断部位)機能することができる。
核酸レベルでのまたはペプチド/タンパク質レベルでの翻訳スイッチのこれらの機構は当技術分野では周知である。例えば、li, Z., H. M. Schumacherら、(2010) J Biotechnol 145(1): 9〜16; Chen, Y., K. Perumalら、(2000) Gene Expr 9(3): 133〜143; Dinkova, T. D., H. Zepedaら、(2005) Plant J 41(5): 722〜731; Dorokhov, Y. L., M. V. Skulachevら、(2002) Proc Natl Acad Sci U S A 99(8): 5301〜5306; Fernandez-Miragall, O. and C. Hernandez (2011) PLoS One 6(7): e22617; Groppelli, E., G. J. Belshamら、(2007) J Gen Virol 88(Pt 5): 1583〜1588; Ha, S. H., Y. S. Liangら、(2010) Plant Biotechnol J 8(8): 928〜938; Karetnikov, A. and K. Lehto (2007) J Gen Virol 88(Pt 1): 286〜297; Karetnikov, A. and K. Lehto (2008) Virology 371(2): 292〜308; Khan, M. A., H. Yumakら、(2009) J Biol Chem 284(51): 35461〜35470; and Koh, D. C., S. M. Wongら、(2003) J Biol Chem 278(23): 20565〜20573を参照されたい。前記文献の内容は本明細書によりその全体を参照によって組込まれている。改変されたインテインを含有する多重遺伝子発現構築物は、米国特許第7,026,526号および米国特許第7,741,530号ならびに米国特許出願公開第2008/0115243号に開示されている。
本明細書で使用される場合、語句「選択可能マーカー」または「選択可能マーカー遺伝子」とは、例えば、植物細胞を選択剤から保護するまたは選択剤に対する抵抗性/耐性を与えるために、場合によって植物形質転換において使用される遺伝子のことである。機能的選択可能マーカーを受け入れる細胞または植物のみが、選択剤を有する条件下で分裂または増殖することができる。選択剤の例は、例えば、スペクチノマイシン、ネオマイシン、カナマイシン、パロモマイシン、ゲンタマイシン、およびハイグロマイシンを含む抗生物質を含むことができる。これらの選択可能マーカーには、抗生物質カナマイシンに対する抵抗性を与える酵素を発現するネオマイシンホスホトランスフェラーゼ(nptII)の遺伝子、ならびに関連抗生物質ネオマイシン、パロモマイシン、ゲンタマイシン、およびG418の遺伝子、またはハイグロマイシンに対する抵抗性を与える酵素を発現するハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ(hpt)の遺伝子が含まれる。他の選択可能マーカー遺伝子は、Bar(BASTA(登録商標)(グルホシネートアンモニウム)、またはホスフィノトリシン(PPT)に対する抵抗性)、アセト乳酸シンターゼ(ALS、分岐鎖アミノ酸の合成の第1ステップを妨げるスルホニル尿素(SU)、イミダゾリノン(IMI)、トリアゾロピリミジン(TP)、ピリミジニルオキシベンゾエート(POB)、およびスルホニルアミノカルボニルトリアゾリノンなどの阻害剤に対する抵抗性)、グリホサート、2,4−Dを含む除草剤抵抗性、および金属抵抗性または感受性をコードする遺伝子を含むことができる。語句「マーカー陽性」とは、選択可能マーカー遺伝子を含むように形質転換された植物のことである。
様々な選択可能なまたは検出可能なマーカーを選ばれた発現ベクター中に取り込ませて、形質転換された植物、または形質転換体の同定および選択を可能にすることができる。例えば、DNA塩基配列決定およびPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)、サザンブロッティング、RNAブロッティング、ベクターから発現されたタンパク質、例えば、ホスフィノトリシン抵抗性を媒介する沈降タンパク質、またはレポーター遺伝子β−グルクロニダーゼ(GUS)、ルシフェラーゼ、緑色蛍光タンパク質(GFP)、DsRed、β−ガラクトシダーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、アルカリホスファターゼ、および同類の物などの他のタンパク質を検出するための免疫学的方法を含む、形質転換植物における選択マーカーの発現を確認するための多くの方法が利用可能である(Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、Third Edition、Cold Spring Harbor Press、N.Y.、2001参照)。
選択可能マーカー遺伝子は形質転換細胞または組織の選択のために利用される。選択可能マーカー遺伝子には、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼII(NEO)およびハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ(HPT)をコードする遺伝子などの抗生物質抵抗性をコードする遺伝子、ならびに除草剤化合物に対する抵抗性を与える遺伝子が含まれる。除草剤抵抗性遺伝子は一般に、除草剤に非感受性の改変された標的タンパク質または除草剤が機能することができる前に植物中で除草剤を分解するもしくは解毒する酵素をコードしている。例えば、グリホサートに対する抵抗性は、変異体標的酵素、5−エノールピルビルシキミ酸−3−ホスフェートシンターゼ(EPSPS)をコードする遺伝子を使用することにより獲得されてきた。EPSPSの遺伝子および変異体は、米国特許第4,940,835号、米国特許第5,188,642号、米国特許第5,310,667号、米国特許第5,633,435号、米国特許第5,633,448号、および米国特許第6,566,587号に開示されている。グルホシネートアンモニウム、ブロモキシニル、および2,4−ジクロロフェノキシアセテート(2,4−D)に対する抵抗性は、それぞれの除草剤を解毒するホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ、ニトリラーゼ、または2,4−ジクロロフェノキシアセテートモノオキシゲナーゼをコードする細菌遺伝子を使用することにより獲得されてきた。グルホシネート抵抗性/耐性のための酵素/遺伝子は、米国特許第5,273,894号、米国特許第5,276,268号、米国特許第5,550,318号、および米国特許第5,561,236号に開示されている。2,4−D抵抗性のための酵素/遺伝子は、米国特許第6,100,446号および米国特許第6,153,401号、ならびに米国特許出願公開第2009/0093366号およびWO2007/053482に既に開示されている。ニトリラーゼに対する酵素/遺伝子は米国特許第4,810,648号に既に開示されている。
イミダゾリノンまたはスルホニル尿素を含む、他の除草剤は成長点または分裂組織を阻害することができ、これらの除草剤に対するアセトヒドロキシ酸シンターゼ(AHAS)およびアセト乳酸シンターゼ(ALS)の抵抗性/耐性の遺伝子は記載されている。AHASおよび変異体の遺伝子および変異体は、米国特許第4,761,373号、米国特許第5,304,732号、米国特許第5,331,107号、米国特許第5,853,973号、および米国特許第5,928,937号に開示されている。ALSの遺伝子および変異体は米国特許第5,013,659号および米国特許第5,141,870号に開示されている。
グリホサート抵抗性遺伝子には、それぞれ変異体5−エノールピルビルシキミ酸−3−ホスフェートシンターゼ(EPSP)遺伝子(組み換え核酸の導入および/または天然のEPSP遺伝子の様々な形態のin vivo変異誘発を介して)、aroA遺伝子およびグリホサートアセチルトランスフェラーゼ(GAT)遺伝子が含まれる。他のホスホノ化合物に対する抵抗性遺伝子には、グルホシネート(ストレプトミセス・ハイグロスコピクス(Streptomyces hygroscopicus)およびストレプトミセス・ビリジクロモジェネス(Streptomyces viridichromogenes)を含むストレプトミセス(Streptomyces)種由来のホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ(PAT)遺伝子)、およびピリジノキシまたはフェノキシプロピオン酸およびシクロヘキソン(cyclohexone)(ACCアーゼ阻害因子コード遺伝子)が含まれる。アセチル補酵素Aカルボキシラーゼ(ACCas)の除草剤抵抗性/耐性遺伝子は、米国特許第5,162,602号および米国特許第5,498,544号に記載されている。
変異体aroA遺伝子をコードするDNA分子はATCC受託番号39256の下で入手可能であり、この変異体遺伝子のヌクレオチド配列は、Comaiへの米国特許第4,769,061号、Kumadaらへの欧州特許出願第0333033号、およびGoodmanらへの米国特許第4,975,374号で開示されており、L−ホスフィノトリシンなどの除草剤に対する抵抗性を与えるグルタミンシンテターゼ遺伝子のヌクレオチド配列を開示している。PAT遺伝子のヌクレオチド配列は、Leemansらへの欧州特許出願第0242246号に提供されている。DeGreefら、Bio/Technology 7:61(1989)も、PAT活性をコードするキメラバー遺伝子を発現するトランスジェニック植物の作製を記載している。セトキシジムおよびハロキシホップを含む、フェノキシプロピオン酸およびシクロヘキソンに対する抵抗性を与える遺伝子の例は、Marshallら、Theon. Appl. Genet. 83:435 (1992)により記載されているAcc1−S1、Acc1−S2およびAcc1−S3遺伝子である。グリホサート抵抗性を与えることができるGAT遺伝子は、CastleらへのWO2005012515に記載されている。2,4−D、fopおよびピリジルオキシオーキシン除草剤に対する抵抗性を与える遺伝子はWO2005107437および米国特許出願第11/587,893号に記載されている。
トリアジン(psbAおよび1s+遺伝子)またはベンゾニトリル(ニトリラーゼ遺伝子)を含む、他の除草剤は光合成を阻害することができる。Przibilaら、Plant Cell 3:169 (1991)は、変異体psbA遺伝子をコードするプラスミドを有するクラミドモナス(Chlamydomonas)の形質転換を記載している。ニトリラーゼ遺伝子のヌクレオチド配列は、Stalkerへの米国特許第4,810,648号に開示されており、これらの遺伝子を含有するDNA分子はATCC受託番号53435、ATCC受託番号67441、およびATCC受託番号67442の下で入手可能である。グルタチオンS−トランスフェラーゼをコードするDNAのクローニングおよび発現はHayesら、Biochem. J. 285:173 (1992)により記載されている。
本発明の目的のために、選択可能マーカー遺伝子には、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼII(Fraleyら、(1986) CRC Critical Reviews in Plant Science、4:1〜25)、シアナミドヒドラターゼ(Maier-Greinerら、(1991) Proc. Natl. Acad. Sci. USA、88:4250〜4264)、アスパラギン酸キナーゼ、ジヒドロジピコリン酸シンターゼ(Perlら、(1993) Bio/Technology、11:715〜718)、トリプトファンデカルボキシラーゼ(Goddijnら、(1993) Plant Mol. Bio.、22:907〜912)、ジヒドロジピコリン酸シンターゼおよび脱感作アスパルテード(aspartade)キナーゼ(Perlら、(1993) Bio/Technology、11:715〜718)、バー遺伝子(Tokiら、(1992) Plant Physiol., 100:1503〜1507 および Meagherら、(1996) and Crop Sci., 36:1367)、トリプトファンデカルボキシラーゼ(Goddijnら、(1993) Plant Mol. Biol.、22:907〜912)、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ(NEO)(Southernら、(1982) J. Mol. Appl. Gen., 1:327、ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ(HPTまたはHYG)(Shimizuら、(1986) Mol. Cell Biol., 6:1074)、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)(Kwokら、(1986) PNAS USA 4552)、ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ(DeBlockら、(1987) EMBO J., 6:2513)、2,2−ジクロロプロピオン酸デハロゲナーゼ(Buchanan-Wollatronら、(1989) J. Cell. Biochem. 13D:330)、アセトヒドロキシ酸シンターゼ(Andersonら、米国特許第4,761,373号; Haughnら、(1988) Mol. Gen. Genet. 221:266)、5−エノールピルビル−シキミ酸−リン酸シンターゼ(aroA)(Comaiら、(1985) Nature 317:741)、ハロアリールニトリラーゼ(Stalkerら、公開されたPCT出願WO87/04181)、アセチル補酵素Aカルボキシラーゼ(Parkerら、(1990) Plant Physiol. 92:1220)、ジヒドロプテロイン酸シンターゼ(sul I)(Guerineauら、(1990) Plant Mol. Biol. 15:127)、および32kD光化学系IIポリペプチド(psbA)(Hirschbergら、(1983) Science, 222:1346)をコードする遺伝子が含まれるが、これらに限定されない。
クロラムフェニコール(Herrera-Estrellaら、(1983) EMBO J., 2:987〜992)、メトトレキサート(Herrera-Estrellaら、(1983) Nature, 303:209〜213; Meijerら、(1991) Plant Mol Bio., 16:807〜820 (1991))、ハイグロマイシン(Waldronら、(1985) Plant Mol. Biol., 5:103〜108; Zhijianら、(1995) Plant Science, 108:219〜227 および Meijerら、(1991) Plant Mol. Bio. 16:807〜820)、ストレプトマイシン(Jonesら、(1987) Mol. Gen. Genet., 210:86〜91)、スペクチノマイシン(Bretagne-Sagnardら、(1996) Transgenic Res., 5:131〜137)、ブレオマイシン(Hilleら、(1986) Plant Mol. Biol., 7:171〜176)、スルホンアミド(Guerineauら、(1990) Plant Mol. Bio., 15:127〜136)、ブロモキシニル(Stalkerら、(1988) Science, 242:419〜423)、2,4−D(Streberら、(1989) Bio/Technology, 7:811〜816)、グルホサート(Shawら、(1986) Science, 233:478〜481)、およびホスフィノトリシン(DeBlockら、(1987) EMBO J., 6:2513〜2518)に対する抵抗性をコードする遺伝子も含まれる。
選択可能マーカーおよびレポーター遺伝子の上記一覧は限定することを意図していない。いかなるレポーターまたは選択可能マーカー遺伝子も本発明に包含される。必要な場合には、そのような遺伝子は当技術分野で公知である方法により塩基配列決定することができる。
レポーターおよび選択可能マーカー遺伝子は、植物における最適発現のために合成される。すなわち、遺伝子のコード配列は植物における発現を増強するように改変されている。合成マーカー遺伝子は植物においてより高いレベルで発現されてより高い形質転換効率を生じるように設計されている。遺伝子の合成最適化のための方法は当技術分野で入手可能である。実際、いくつかの遺伝子は、植物における遺伝子産物の発現を増加するように最適化されている。
マーカー遺伝子配列は特定の植物種における発現のために最適化することが可能であり、またはあるいは植物科における最適発現のために改変することが可能である。植物の好ましいコドンは、対象の特定の植物種において最大量で発現されるタンパク質において最も使用頻度の高いコドンから決定しうる。例えば、EPA0359472;EPA0385962;WO91/16432; Perlakら、(1991) Proc. Natl. Acad. Sci. USA、88:3324〜3328; およびMurrayら、(1989) Nucleic Acids Research、17: 477〜498;米国特許第5,380,831号;および米国特許第5,436,391号を参照されたい。このように、ヌクレオチド配列は任意の植物における発現に最適化することが可能である。遺伝子配列の全てまたは任意の部分は最適化するまたは合成であってもよいことが認識される。すなわち、完全に最適化されたまたは部分的に最適化された配列も使用しうる。
除草剤に対する抵抗性を与える遺伝子:
A.除草剤イミダゾリノンまたはスルホニル尿素に対するアセトヒドロキシ酸シンターゼ(AHAS)およびアセト乳酸シンターゼ(ALS)の抵抗性/耐性。AHASおよび変異体の遺伝子および変異体は、米国特許第4,761,373号、米国特許第5,304,732号、米国特許第5,331,107号、米国特許第5,853,973号、および米国特許第5,928,937号に開示されている。ALSの遺伝子および変異体は米国特許第5,013,659号および米国特許第5,141,870号に開示されている。
B.除草剤シクロヘキサンジオンおよび/またはアリールオキシフェノキシプロパン酸(Haloxyfop、Diclofop、Fenoxyprop、Fluazifop、Quizalopfopを含む)に対するアセチル補酵素Aカルボキシラーゼ(ACCas)の抵抗性/耐性遺伝子は米国特許第5,162,602号および米国特許第5,498,544号に記載されている。
C.グルホサート抵抗性/耐性の遺伝子。5−エノールピルビル−3−ホスホシキミ酸シンターゼ(ES3Pシンターゼ)の遺伝子は米国特許第4,769,601号に記載されている。5−エノールピルビルシキミ酸−3−リン酸シンターゼ(EPSPS)および変異体の遺伝子は米国特許第4,940,835号、米国特許第5,188,642号、米国特許第5,310,667号、米国特許第5,633,435号、米国特許第5,633,448号、および米国特許第6,566,587号に記載されている。
D.グルホシネート(ビアラホス、ホスフィノトリシン(PPT))抵抗性/耐性の遺伝子。ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ(Pat)の遺伝子は米国特許第5,273,894号、米国特許第5,276,268号、および米国特許第5,550,318号に記載されており、ビアラホス抵抗性の遺伝子(Bar)は米国特許第5,561,236号、および米国特許第5,646,024号、米国特許第5,648,477号、および米国特許第7,112,665号に記載されている。グルタミンシンテターゼ(GS)の遺伝子は米国特許第4,975,372号および欧州特許出願EP0333033 A1に記載されている。
E.除草剤イソオキサゾール、ジケトニトリル、および/またはスルコトリオンおよびメソトリオンを含むトリケトンに対するヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)の抵抗性/耐性遺伝子は、米国特許第6,268,549号および米国特許第6,069,115号に記載されている。
F.2,4−D抵抗性/耐性の遺伝子。2,4−D−モノオキシゲナーゼの遺伝子は米国特許第6,100,446号および米国特許第6,153,401号に記載されている。2,4−D抵抗性/耐性の追加の遺伝子はUS2009/0093366およびWO2007/053482に開示されている。
G.除草剤イミダゾールおよび/またはトリアゾールに対するイミダゾールグリセロールリン酸デヒドラターゼ(IGPD)の遺伝子は米国特許第5,541,310号に記載されている。除草剤Dicambaに対するDicamba分解酵素(オキシゲナーゼ、フェレドキシン、およびレダクターゼ)の遺伝子は米国特許第7,022,896号および米国特許第7,105,724号に開示されている。
H.トリアジン(psbAおよび1s+遺伝子)またはベンゾニトリル(ニトリラーゼ遺伝子)を含む、光合成を阻害する除草剤の遺伝子。例えば、変異psbA遺伝子をコードするプラスミドでのクラミドモナス(Chlamydomonas)の形質転換を開示しているPrzibilaら、Plant Cell 3:169 (1991)を参照されたい。ニトリラーゼ遺伝子のヌクレオチド配列は米国特許第4,810,648号に開示されており、これらの遺伝子を含有するDNA分子はATCC受託番号53435、ATCC受託番号67441、およびATCC受託番号67442下で入手可能である。グルタチオンS−トランスフェラーゼをコードするDNAのクローニングおよび発現はHayesら、Biochem. J. 285:173 (1992)により記載されている。
他の方法で具体的に説明されなければ、本明細書で使用される全ての専門用語および科学用語は、本開示が属する分野の当業者が一般的に理解しているのと同じ意味を有する。分子生物学の一般用語の定義は、例えば、Lewin, Genes V, Oxford University Press, 1994 (ISBN 0-19-854287-9); Kendrewら、(eds.), The Encyclopedia of Molecular Biology, Blackwell Science Ltd., 1994 (ISBN 0-632-02182-9); およびMeyers (ed.), Molecular Biology and Biotechnology: A Comprehensive Desk Reference, VCH Publishers, Inc., 1995 (ISBN 1-56081-569-8)に見ることができる。
二方向プロモーターとして機能することができる合成ヌクレオチド配列を含む核酸分子が提供される。いくつかの実施形態では、合成二方向プロモーターは対象の1つまたは2つのヌクレオチド配列(複数可)に作動可能に連結されうる。例えば、合成二方向プロモーターは、対象のヌクレオチド配列(複数可)の少なくとも1つ(例えば、1つまたは両方)の転写を調節するように、対象の1つまたは2つのヌクレオチド配列(複数可)(例えば、プロモーターのそれぞれの末端に1つで2つの遺伝子)に作動可能に連結されうる。合成二方向プロモーターにプロモーター由来のURSを組み込むことにより、合成二方向プロモーターに作動可能に連結されている対象のヌクレオチド配列に関して特定の発現および調節パターン(例えば、天然のプロモーターの制御下の遺伝子により示されるような)を実現しうる。
本発明のいくつかの実施形態は、合成二方向プロモーターを操作するために一方向トウモロコシユビキチン−1遺伝子(ZmUbi1)由来の最小コアプロモーターエレメントを天然のプロモーターの分子コンテキストとは異なる分子コンテキストに組み込むことにより、本明細書では例証される。この最小コアプロモーターエレメントは本明細書では「minUbi1P」と呼ばれ、およそ200nt長である。ゼア(Zea)種およびトウモロコシ(Z.mays)遺伝子型由来のminUbi1Pエレメントの塩基配列決定および解析により、minUbi1Pエレメントは、配列番号1のminUbi1Pエレメントの、例えば、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、および/または少なくとも約100%の配列同一性を共有するならば、転写開始因子としてその機能を保存するように高度に保存されていることが明らかにされた。本発明のいくつかの実施形態において有用でありうるminUbi1Pエレメントの特徴には、例えば、限定せずに、ヌクレオチド配列の前述の高度な保存、少なくとも1つのTATAボックスの存在、および/または少なくとも1つ(例えば、2つ)の熱ショックコンセンサスエレメント(複数可)の存在が含まれうる。特定のminUbi1Pエレメントでは、1つよりも多い熱ショックコンセンサスエレメントはminUbi1P配列内で重複していることがある。
合成二方向プロモーターを操作するためにminUbi1Pエレメントを天然のプロモーターの分子前後関係とは異なる分子前後関係に組み込む工程は、その天然の最小コアプロモーターを含む、プロモーターの残りの配列に関して、核酸中のminUbi1Pエレメントの配向を逆にすることを含みうる。したがって、合成二方向プロモーターは、第一のminUbi1Pエレメントの5’に位置する対象のヌクレオチド配列に作動可能に連結されるように、プロモーター中に第二の最小コアプロモーターエレメント(例えば、第二のminUbi1Pエレメント)の5’に組み込まれた第一のminUbi1Pエレメントを逆配向で含みうる。例えば、第一のminUbi1PエレメントはZmUbi1プロモーターの5’末端に逆配向で組み込まれてもよい。
合成二方向Ubi1プロモーターは、少なくとも1つのminUbi1Pエレメントに加えて1つまたは複数の追加の配列エレメントも含みうる。いくつかの実施形態では、合成二方向Ubi1プロモーターは、プロモーターURS、エクソン(例えば、リーダーまたはシグナルペプチド)、イントロン、スペーサー配列、およびまたは前記のいずれかの1つまたは複数の組合せを含みうる。例えば、限定せずに、合成二方向Ubi1プロモーターは、Ubi1プロモーター由来のURS配列(例えば、トウモロコシUbi1プロモーター)、Ubi1遺伝子由来のリーダーペプチドをコードするエクソン、Ubi1遺伝子由来のイントロン、およびこれらの組合せを含みうる。
プロモーターURSを含む合成二方向Ubi1プロモーターを含むそれらの例の一部では、URSは合成プロモーターに特定の調節特性を与えるように選択しうる。公知のプロモーターは、作動可能に連結された遺伝子に対してプロモーターが行使する制御の種類(例えば、環境応答、発生の合図、および空間情報)が広く異なり、異種プロモーターに組み込まれたURSは典型的には、その天然のプロモーターおよび作動可能に連結された遺伝子(複数可)に関してURSが示す制御の種類を維持する。上記、Langridgeら、(1989)。特徴付けられ、いくつかの実施形態に従って合成二方向Ubi1プロモーター内に含まれるURSを含有しうる真核生物プロモーターの例には、例えば、限定せずに、米国特許第6,437,217号(トウモロコシRS81プロモーター)、米国特許第5,641,876号(イネアクチンプロモーター)、米国特許第6,426,446号(トウモロコシRS324プロモーター)、米国特許第6,429,362号(トウモロコシPR−1プロモーター)、米国特許第6,232,526号(トウモロコシA3プロモーター)、米国特許第6,177,611号(構成的トウモロコシプロモーター)、米国特許第6,433,252号(トウモロコシL3オレオシンプロモーター)、米国特許第6,429,357号(イネアクチン2プロモーター、およびイネアクチン2イントロン)、米国特許第5,837,848号(根特異的プロモーター)、米国特許第6,294,714号(光誘導性プロモーター)、米国特許第6,140,078号(塩誘導性プロモーター)、米国特許第6,252,138号(病原体誘導性プロモーター)、米国特許第6,175,060号(亜リン酸欠損誘導性プロモーター)、米国特許第6,388,170号(二方向プロモーター)、米国特許第6,635,806号(ガンマコイキシン(gamma-coixin)プロモーター)、および米国特許出願第09/757,089号(トウモロコシ葉緑体アルドラーゼプロモーター)に記載されているプロモーターが含まれる。
追加の例となる原核生物プロモーターには、ノパリンシンターゼ(NOS)プロモーター(Ebertら、(1987) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84(16):5745〜9)、オクトピンシンターゼ(OCS)プロモーター(アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)の腫瘍誘導性プラスミド上に担持されている)、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)19Sプロモーターなどのカリモウイルスプロモーター(Lawtonら、(1987) Plant Mol. Biol. 9:315〜24)、CaMV35Sプロモーター(Odellら、(1985) Nature 313:810〜2)、ゴマノハグサモザイクウイルス35S−プロモーター(Walkerら、(1987) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84(19):6624〜8)、スクロースシンターゼプロモーター(Yang and Russell (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:4144〜8)、R遺伝子複合体プロモーター(Chandlerら、(1989) Plant Cell 1:1175〜83)、CaMV35S(米国特許第5,322,938号、米国特許第5,352,605号、米国特許第5,359,142号、および米国特許第5,530,196号)、FMV35S(米国特許第6,051,753号、および米国特許第5,378,619号)、PC1SVプロモーター(米国特許第5,850,019号)、SCP1プロモーター(米国特許第6,677,503号)、およびAGRtu.nosプロモーター(ジェンバンク受託番号V00087; Depickerら、(1982) J. Mol. Appl. Genet. 1:561〜73; Bevanら、(1983) Nature 304:184〜7)、および同類の物が含まれる。
いくつかの実施形態では、合成二方向Ubi1プロモーターは、minUbi1Pエレメント(複数可)に加えてエクソンをさらに含みうる。例えば、プロモーターに作動可能に連結されている対象のヌクレオチド配列によりコードされているポリペプチドを標的にするまたは特定の細胞内位置および/または区画に輸送することが特定の実施形態では望ましいことがある。これらのおよび他の実施形態では、コード配列(エクソン)は、minUbi1Pエレメントとポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の間の核酸分子に組み込んでもよい。合成二方向Ubi1プロモーターが、組み込まれたコード配列にコードされたペプチドをポリペプチドのその残りの部分と機能的な関係にあるまま含むポリペプチド(またはプロモーターに作動可能に連結されている2つのポリペプチドコード配列のうちの1つもしくは両方)の発現を促進するように、これらのエレメントは当業者の裁量により配置しうる。特定の実施例では、リーダー、輸送、またはシグナルペプチド(例えば、Ubi1リーダーペプチド)をコードするエクソンを組み込んでもよい。
合成二方向Ubi1プロモーターに組み込まれているエクソンによりコードされうるペプチドには、例えば、限定せずに、ユビキチン(例えば、Ubi1)リーダーエクソン、および国際PCT出願第WO2008/105890号においてジカンバモノオキシゲナーゼ(DMO)の葉緑体ターゲティングについて例証されているように、葉緑体輸送ペプチド(CTP)(例えば、シロイズナズナ(A. thaliana)EPSPS CTP (Kleeら、(1987) Mol. Gen. Genet. 210:437〜42)、およびペチュニア(Petunia hybrida)EPSPS CTP (della-Cioppaら、(1986) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 83:6873〜7))が含まれる。
本発明のいくつかの実施形態では、イントロンも合成二方向Ubi1プロモーターに、例えば、Ubi1Pエレメントとプロモーターに作動可能に連結されている対象のヌクレオチド配列の間に組み込むことができる。いくつかの実施例では、合成二方向Ubi1プロモーターに組み込まれたイントロンは、限定せずに、翻訳開始配列の上流の完全にプロセシングされたmRNA中に存在する翻訳リーダー配列として機能する5’UTRであってよい(そのような翻訳リーダー配列は、mRNAへの一次転写物のプロセシング、mRNA安定性、および/または翻訳効率に影響を与えうる)。翻訳リーダー配列の例には、トウモロコシおよびペチュニア熱ショックタンパク質リーダー(米国特許第5,362,865号)、植物ウイルスコートタンパク質リーダー、植物ルビスコリーダー、などが含まれる。例えば、Turner and Foster (1995) Molecular Biotech. 3(3):225〜36. Non-limiting examples of 5'UTRs include GmHsp (米国特許第5,659,122号); PhDnaK (米国特許第5,362,865号); AtAnt1; TEV (Carrington and Freed (1990) J. Virol. 64:1590〜7);およびAGRtu.nos (ジェンバンク受託番号V00087;および Bevanら、(1983) Nature 304:184〜7)を参照されたい。
場合によって、合成二方向Ubi1プロモーターに組み込みうる追加の配列には、例えば、限定せずに、3’非翻訳配列、3’転写終結領域、およびポリアデニル化領域が含まれる。これらは対象のヌクレオチド配列(例えば、合成二方向Ubi1プロモーターに作動可能に連結されている対象の配列)の下流に位置する遺伝要素であり、ポリアデニル化シグナルを与えるポリヌクレオチドおよび/または転写、mRNAプロセシング、もしくは遺伝子発現に影響を与えることができる他の調節シグナルが含まれる。ポリアデニル化シグナルは植物中で機能して、mRNA前駆体の3’末端にポリアデニル酸ヌクレオチドを付加させることができる。ポリアデニル化配列は、天然の遺伝子に、種々の植物遺伝子に、またはT−DNA遺伝子に由来してもよい。3’転写終結領域の非限定的例は、ノパリンシンターゼ3’領域(nos3’;Fraleyら、(1983) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:4803〜7)である。様々な3’非翻訳領域の使用の例は、Ingelbrechtら、(1989) Plant Cell 1:671〜80に提供されている。ポリアデニル化シグナルの非限定的例には、エンドウ(Pisum sativum)RbcS2遺伝子由来のシグナル(Ps.RbcS2-E9; Coruzziら、(1984) EMBO J. 3:1671〜9)およびAGRtu.nos(ジェンバンク受託番号E01312)が含まれる。
いくつかの実施形態では、合成二方向Ubi1プロモーターは、標的生物のゲノムにおける特定の遺伝子座へのプロモーターを含む核酸のターゲティングを促進する1つまたは複数のヌクレオチド配列を含む。例えば、宿主内のゲノムDNA配列(例えば、希少なまたは独特なゲノムDNA配列)のセグメントに相同な1つまたは複数の配列が含まれうる。いくつかの実施例では、これらの相同配列は、宿主ゲノムにおける相同DNAの部位に合成二方向Ubi1プロモーターを含む核酸の組換えおよび組込みを導きうる。特定の実施例では、合成二方向Ubi1プロモーターは、希少なまたは独特の位置の配列を認識する操作されたヌクレアーゼ酵素を利用して宿主ゲノムの希少なまたは独特な位置へのプロモーターを含む核酸のターゲティングを促進し、希少なまたは独特な位置での組込みを促進する1つまたは複数のヌクレオチド配列を含む。ヌクレアーゼ酵素として亜鉛フィンガーエンドヌクレアーゼを用いるそのような標的にされた組込みシステムは、米国特許出願第13/011,735号に記載されている。
合成二方向Ubi1プロモーターを含む核酸は、例えば、限定せずに、RCA、PCR増幅、RT−PCR増幅、OLA、およびSNuPEを含む、当技術分野で公知の任意の技法を使用して産生しうる。これらのおよび他の等価な技法は当業者には周知であり、例えば、限定せずに、Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、3rd Ed.、Cold Spring Harbor Laboratory、2001; および Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley & Sons、1998に詳細にさらに記載されている。上に引用されている参考文献は全て、そこに提供される任意の図面、図、および/または表を含む、前述の説明書の両方を含む。
送達および/または形質転換。本開示は、合成二方向Ubi1プロモーターを含む核酸分子で細胞を形質転換するための方法も提供する。植物への核酸分子の導入のための当技術分野で公知の比較的多数の技法のいずれでも使用して、いくつかの実施形態に従って合成二方向Ubi1プロモーターを含む核酸分子で植物を形質転換する、例えば、1つまたは複数の合成二方向Ubi1プロモーターを宿主植物ゲノム内に導入し、および/またはプロモーターに作動可能に連結された対象の1つまたは複数の核酸分子(複数可)をさらに導入することができる。
植物の形質転換に適した方法には、DNAを細胞内に導入することができるいかなる方法でも、例えば、限定せずに、エレクトロポレーション(例えば、米国特許第5,384,253号参照)、微粒子銃(例えば、米国特許第5,015,580号、米国特許第5,550,318号、米国特許第5,538,880号、米国特許第6,160,208号、米国特許第6,399,861号、および米国特許第6,403,865号参照)、アグロバクテリウム(Agrobacterium)媒介形質転換(例えば、米国特許第5,635,055号、米国特許第5,824,877号、米国特許第5,591,616号、米国特許第5,981,840号、および米国特許第6,384,301号参照)、プロトプラスト形質転換(例えば、米国特許第5,508,184号参照)が含まれる。前述の技法などの技法の適用を通じて、事実上どんな植物種の細胞も安定的に形質転換され、これらの細胞は当業者には公知の技法によりトランスジェニック植物に成長させうる。例えば、ワタ形質転換のコンテキストで特に有用でありうる技法は、米国特許第5,846,797号、米国特許第5,159,135号、米国特許第5,004,863号、および米国特許第6,624,344号に記載されており、特にアブラナ属(Brassica)植物を形質転換するための技法は、例えば、米国特許第5,750,871号に記載されており、ダイズを形質転換するための技法は、例えば、米国特許第6,384,301号に記載されており、トウモロコシを形質転換するための技法は、例えば、米国特許第7,060,876号および米国特許第5,591,616号、ならびに国際PCT出願WO95/06722に記載されている。
受容細胞への外来性核酸の送達を達成後、形質転換細胞は一般にさらなる培養および植物再生のために同定される。形質転換体を同定する能力を改善するために、形質転換体を生み出すのに使用される形質転換ベクターと一緒に選択可能またはスクリーニング可能マーカー遺伝子を用いることを望む場合がある。この場合、潜在的形質転換細胞集団は、細胞を選択剤(複数可)に曝露することによりアッセイすることができる、または望ましいマーカー遺伝子形質を求めて細胞をスクリーニングすることが可能である。
選択剤への曝露を乗り切る細胞、またはスクリーニングアッセイにおいて陽性とスコア化された細胞は、植物の再生を支持する培地で培養してもよい。いくつかの実施形態では、どんな適切な植物組織培養培地(例えば、MSおよびN6培地)でも、成長調節物質などのさらなる物質を含むことにより改変しうる。組織は、植物再生取組みを始めるのに十分な組織が入手可能になるまで、または手動選択のラウンドの繰り返しに続いて、組織の形態が再生に適するまで(例えば、少なくとも2週間)成長調節物質を有する基礎培地で維持され、次に苗条形成の助けになる培地へ移されうる。培養物は十分な苗条形成が生じるまで定期的に移される。苗条が形成されると、根形成の助けになる培地へ移される。十分な根が形成されると、植物はさらなる成長と成熟のために土壌に移すことができる。
再生中の植物における合成二方向Ubi1プロモーターを含む望ましい核酸分子の存在を確認するため、種々のアッセイを実施しうる。そのようなアッセイには、例えば、サザンおよびノーザンブロッティングならびにPCRなどの分子生物学的アッセイ;例えば、免疫学的手段(ELISAおよび/またはウェスタンブロット)によりまたは酵素機能によりタンパク質産物の存在を検出するなどの生化学的アッセイ;葉または根アッセイなどの植物部分アッセイ;ならびに全再生植物の表現型の解析が含まれる。
標的にされる組込み事象は、例えば、対象の核酸分子に特異的なオリゴヌクレオチドプライマーを使用して、例えば、PCR増幅によりスクリーニングしうる。PCR遺伝子型判定には、ゲノムに組み込まれた対象の核酸分子を含有すると予測される単離された宿主植物カラス組織由来のゲノムDNAのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅、続いてPCR増幅産物の標準クローニングおよび配列解析が含まれるがこれらに限定されないと理解されている。PCR遺伝子型判定の方法はよく記載されており(例えば、Riosら、(2002) Plant J. 32:243〜53参照)、細胞培養物を含む、任意の植物種または組織型由来のゲノムDNAに適用しうる。標的配列と導入された配列の両方に結合するオリゴヌクレオチドプライマーの組合せは、PCR増幅反応において順次使用されてもまたは多重化されてもよい。標的部位、導入された核酸配列、および/または前記2つの組合せにアニールするように設計されたオリゴヌクレオチドプライマーを作製しうる。したがって、PCR遺伝子型判定戦略には、例えば、限定せずに、植物ゲノムにおける特定の配列の増幅、植物ゲノムにおける複数の特定の配列の増幅、植物ゲノムにおける非特異的配列の増幅、および前述のいずれかの組合せが含まれうる。当業者であれば、プライマーと増幅反応の追加の組合せを考案してゲノムを調べることができる。例えば、フォワードとリバースオリゴヌクレオチドプライマーのセットを、導入された核酸配列の境界の外側で標的に特異的な核酸配列(複数可)にアニールするよう設計しうる。
フォワードおよびリバースオリゴヌクレオチドプライマーは、導入された核酸分子に、例えば、そこに含まれる対象のヌクレオチド配列内のコード領域に対応する配列で、またはこの核酸分子の他の部分に特異的にアニールするように設計しうる。これらのプライマーは上記のプライマーと併せて使用しうる。オリゴヌクレオチドプライマーは所望の配列に従って合成することができ、市販されている(例えば、Integrated DNA Technologies, Inc.、Coralville、IAから)。増幅に続いてクローニングおよび塩基配列決定を、または増幅産物の直接配列解析を実施してもよい。当業者であれば、PCR遺伝子型判定中に生み出される増幅産物の解析のための代替方法を想定してもよい。一実施形態では、遺伝子標的に特異的なオリゴヌクレオチドプライマーはPCR増幅において用いられる。
本発明のいくつかの実施形態では、例えば、核酸構築物中に存在しうるような、合成二方向Ubi1プロモーターを含む細胞も提供される。特定の実施例では、いくつかの実施形態に従った合成二方向Ubi1プロモーターは、植物細胞および植物においてトランス遺伝子の発現を調節する調節配列として利用しうる。いくつかのそのような実施例では、対象のヌクレオチド配列(例えば、トランス遺伝子)に作動可能に連結されている合成二方向Ubi1プロモーターを使用すれば、所与の数の対象のヌクレオチド配列の発現を調節するのに必要な相同プロモーターの数を減らし、および/または所与の数の対象のヌクレオチド配列を導入するのに必要な核酸構築物(複数可)のサイズを抑えられる。さらに、合成二方向Ubi1プロモーターを使用すれば、同じ条件(例えば、プロモーターが活性である条件)下で対象の2つの作動可能に連結されたヌクレオチド配列の同時発現が可能になる。例えば、対象の2つの作動可能に連結されたヌクレオチド配列がそれぞれ、対象のヌクレオチド配列を含むトランスジェニック宿主における単一の形質に寄与し、対象のヌクレオチド配列の同時発現がトランスジェニック宿主における前記形質の発現に有利に影響する場合には、そのような実施例は特に有用になりうる。
いくつかの実施形態では、1つもしくは複数の合成二方向Ubi1プロモーター(複数可)および/または対象のヌクレオチド配列(複数可)を含むトランスジェニック植物は、植物における対象のヌクレオチド配列(複数可)の発現により与えられる(例えば、導入される、増強される、または寄与される)1つまたは複数の望ましい形質を有しうる。そのような形質には、例えば、限定せずに、昆虫、他の有害生物、および病原体に対する抵抗性;除草剤に対する耐性;増強した安定性、収率、または貯蔵期間;環境耐性;薬剤生産;工業製品生産;ならびに栄養強化が含まれうる。いくつかの実施例では、望ましい形質は、対象のヌクレオチド配列に作動可能に連結された合成二方向Ubi1プロモーターを含む核酸分子で植物を形質転換することにより与えられうる。いくつかの実施例では、望ましい形質は育種を介して後代植物として産生される植物に与えられ、その形質は、合成二方向Ubi1プロモーターに作動可能に連結された対象のヌクレオチド配列を含む親植物から植物に渡される合成二方向Ubi1プロモーターに作動可能に連結された1つまたは複数の対象のヌクレオチド配列により与えられうる。
いくつかの実施形態に従ったトランスジェニック植物は、本発明の核酸分子で形質転換される、または本発明の核酸分子で形質転換された植物で育種することができるどんな植物であってもよい。したがって、植物は双子葉植物でも単子葉植物でもよい。いくつかの実施例において使用するための双子葉植物の非限定的例には、アルファルファ、マメ、ブロッコリー、キャノーラ、キャベツ、ニンジン、カリフラワー、セロリ、ハクサイ、ワタ、キュウリ、ナス、レタス、メロン、エンドウマメ、コショウ、ピーナッツ、ジャガイモ、カボチャ(pumpkin)、ダイコン、ナタネ、ホウレンソウ、ダイズ、カボチャ(squash)、サトウダイコン、ヒマワリ、タバコ、トマト、およびスイカが含まれる。いくつかの実施例において使用するための単子葉植物の非限定的例には、トウモロコシ、タマネギ、イネ、モロコシ、コムギ、ライムギ、アワ、サトウキビ、オオムギ、ライコムギ、スイッチグラス、および芝草が含まれる。
いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物はいかなる方法で使用してもまたは栽培してもよく、そこでは合成二方向Ubi1プロモーターおよび/または作動可能に連結された対象のヌクレオチド配列の存在が望ましい。したがって、そのようなトランスジェニック植物は、本発明に従った核酸分子で形質転換されることにより特に1つまたは複数の所望の形質を有するように操作されてもよく、当業者には公知のいかなる方法によって植え付けるおよび/または栽培してもよい。
本発明は特定の方法および実施形態を参照して説明されてきたが、本発明から逸脱することなく様々な改変および変化を加えられることは認識されるであろう。
以下の実施例はある特定の特長および/または実施形態を説明するために提供される。実施例は、本開示を例示される特定の特長または実施形態に限定するものと解釈されるべきではない。
[実施例]
形質転換および発現
アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)の形質転換:pDAB108706バイナリーベクターはアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)株DAt13192ターナリー(米国特許仮出願第61/368965号)中に形質転換される。細菌コロニーは単離され、バイナリープラスミドDNAは単離され制限酵素消化を介して確かめられる。
トウモロコシ形質転換:穂減菌および胚単離。トウモロコシ未熟胚を入手するため、トウモロコシ(Zea mays)(c.v.B104)の植物が温室で栽培され、自家または兄弟姉妹受粉されて穂を産生する。穂は受粉のおよそ9〜12日後に収穫される。実験当日、穂は、5%次亜塩素酸ナトリウムを含有する家庭用漂白剤の20%溶液中に浸漬され、20〜30分振盪され、続いて減菌水で3回すすがれることにより表面減菌される。減菌後、未熟接合体胚(1.5〜2.2mm)はそれぞれの穂から無菌で解体され、液体感染培養液(LS Basal Medium、4.43gm/L;N6 Vitamin Solution[1000X]、1.00mL/L;L−プロリン、700.0mg/L;スクロース、68.5gm/L;グルコース、36.0gm/L;2,4−D、1.50mg/L)を含有するマイクロ遠心チューブに無作為に分配される。所与のセットの実験では、2〜3穂からのプールされた胚は処置ごとに使用される。
アグロバクテリウム(Agrobacterium)培養開始:上記のバイナリーベクターを含有するアグロバクテリウム(Agrobacterium)のグリセロールストックは、適切な抗生物質を含有するAB最小培地プレート上に画線され、20℃で3〜4日間増殖される。単一コロニーが摘み取られ、同じ抗生物質を含有するYEPプレート上に画線され、28℃で1〜2日間インキュベートされた。
アグロバクテリウム(Agrobacterium)培養および共培養:実験当日、アグロバクテリウム(Agrobacterium)コロニーはYEPプレートから摘み取られ、50mL使い捨てチューブ中10mLの感染培養液に懸濁され、細胞密度は分光光度計を使用してOD600=0.2〜0.4nmに調整される。アグロバクテリウム(Agrobacterium)培養物は、胚解体が実施される間、室温で100rpmの回転式振盪器の上に置かれる。サイズが1.5〜2.2mmの未熟接合体胚は減菌されたトウモロコシ仁から単離され、1mLの感染培養液に入れられ、同じ培養液で1度洗浄される。アグロバクテリウム(Agrobacterium)懸濁液(2mL)がそれぞれのチューブに添加され、チューブは約20回反転され、次に10〜15分間振盪される。胚は共培養培地(MS Salts、4.33gm/L;L−プロリン、700.0mg/L;ミオイノシトール、100.0mg/L;カゼイン酵素加水分解物100.0mg/L;Dicamba−3.30mg/L;スクロース、30.0gm/L;Gelzan(商標)、3.00gm/L;改変MS−Vitamin[1000X]、1.00ml/L;AgNO3、15.0mg/L;Acetosyringone、100μM)上に移され、盤状体を上にして配向され、25℃、明所で3〜4日間インキュベートされる。
GUSおよびYFP/Phiyfp一過性発現:一過性YFP/PhiyfpおよびGUS発現は、形質転換された胚において、アグロバクテリウム(Agrobacterium)との3日間の共培養後に観察することができる。胚はYFPフィルターおよび500nm光源を使用して分光光度計(Leica Microsystems、Buffalo Grove、IL)下で観察される。YFP/Phiyfp発現を示す胚はGUS組織化学アッセイのために選択される。GUS染色溶液はManiatisら、(1989)に記載される通りに調製され、胚は37℃で24時間、1mL溶液中でインキュベートされる。胚は顕微鏡下でGUS一過性発現について観察される。
カルス選択および推定事象の再生:共培養期間に続いて、胚は選択剤なしの静止培地(MS塩、4.33gm/L;L−プロリン、700.0mg/L;ミオイノシトール、100.0mg/L;MES[(2−(n−モルホリノ)−エタンスルホン酸)、遊離酸]500.0mg/L;カゼイン酵素加水分解物100.0mg/L;Dicamba、3.30mg/L;スクロース、30.0gm/L;Gelzan 2.30gm/L;改変MS−Vitamin[1000X]、1.00ml/L;AgNO3、15.0mg/L;Carbenicillin、250.0mg/L)に移され、28℃で7日間、光強度50μmol m−2s−1で24時間、明所でインキュベートされる。胚は、100nMハロキシホップを含有する、選択1培地(MS塩、4.33gm/L;L−プロリン、700.0mg/L;ミオイノシトール、100.0mg/L;MES[(2−(n−モルホリノ)−エタンスルホン酸)、遊離酸]500.0mg/L;カゼイン酵素加水分解物 100.0mg/L;Dicamba、3.30mg/L;スクロース、30.0gm/L;Gelzan(商標)2.30gm/L;改変MS−Vitamin[1000X]、1.00ml/L;AgNO3、15.0mg/L;Carbenicillin、250.0mg/L)上に移され、28℃で7日間、光強度50μmol m−2s−1で24時間、明所でインキュベートされる。
増殖している胚形成カルスのある胚は、500nMハロキシホップを含有する、選択2培地(MS塩、4.33gm/L;ミオイノシトール、100.0mg/L;L−プロリン、700.0mg/L;MES[(2−(n−モルホリノ)−エタンスルホン酸)、遊離酸]500.0mg/L;カゼイン酵素加水分解物 100.0mg/L;Dicamba、3.30mg/L;スクロース、30.0gm/L;Gelzan(商標)2.30gm/L;改変MS−Vitamin[1000X]、1.00ml/L;AgNO3、15.0mg/L;Carbenicillin、250.0mg/L)上に移され、28℃でさらに14日間、光強度50μmol m−2s−1で24時間、明所でインキュベートされる。この選択ステップにより、トランスジェニックカルスはさらに増殖し分化する。カルス選択期間は3週間続く。増殖している胚形成カルスは、500nMハロキシホップを含有する、再生1培地(MS塩、4.33gm/L;ミオイノシトール、100.0mg/L;L−プロリン、350.0mg/L;MES[(2−(n−モルホリノ)−エタンスルホン酸)、遊離酸]250.0mg/L;カゼイン酵素加水分解物 50.0mg/L;NAA0.500mg/L;ABA2.50mg/L;BA1.00mg/L;スクロース、45.0gm/L;Gelzan(商標)2.50gm/L;改変MS−Vitamin[1000X]、1.00ml/L;AgNO3、1.00mg/L;Carbenicillin、250.0mg/L)上に移され、28℃で7日間、光強度50μmol m−2s−1で24時間、明所で培養される。苗条/芽のある胚形成カルスは、500nMハロキシホップを含有する、再生2培地(MS塩、4.33gm/L;改変MS−Vitamin[1000X]、1.00ml/L;ミオイノシトール、100.0mg/L;スクロース、60.0gm/L;Gellan Gum G434(商標)3.00gm/L;Carbenicillin、250.0mg/L)上に移される。培養物は、28℃で7〜10日間、光強度50μmol m−2s−1で24時間光の下でインキュベートされる。一次根のある小苗条は、MAGENTA(商標)ボックス(Sigma−Aldrich、St.Louis、MO)中の苗条伸長および発根培地(MS塩、4.33gm/L;改変MS−Vitamin[1000X]、1.00ml/L;ミオイノシトール、100.0mg/L;スクロース、60.0gm/L;Gellan Gum G434(商標)3.00gm/L;Carbenicillin、250.0mg/L)に移され、28℃で7日間、16/8時間明/暗下でインキュベートされる。推定トランスジェニック小植物はトランス遺伝子コピー数について分析され、温室に移される。
合成二方向Ubi1プロモーターおよびpDAB108706ベクターの構築
トウモロコシユビキチン−1プロモーター(Ubi1)の例となる概略図は図1に示されている。Ubi1プロモーターはトウモロコシからクローニングされる。Ubi1プロモーターを含有するプラスミドは、高忠実度PCR増幅システムを使用してPCR増幅される。トウモロコシUbi1プロモーターのおよそ200nt領域がトウモロコシ(Zea mays)Ubi1最小コアプロモーター(minUbi1P)(配列番号1)として同定される。次に、配列番号1のminUbi1Pは、当技術分野で一般的に知られているクローニング法を使用して、トウモロコシ(Zea mays)ユビキチン−1エクソン(ZmUbi1エクソン)およびトウモロコシ(Zea mays)ユビキチン−1イントロン(ZmUbi1イントロン)を含むポリヌクレオチド(配列番号2)に付加され、配列番号3のポリヌクレオチドを作製する。次に、得られたポリヌクレオチドは、トウモロコシUbi1プロモーター(Ubi1上流調節配列(URS);配列番号4)を含む)を含む核酸の上流に逆配向でクローニングされて、配列番号5の合成二方向Ubi1プロモーターを作製する(例えば、図5参照)。
レポーター遺伝子コード配列は、合成二方向Ubi1プロモーターのそれぞれの末端の下流にクローニングされる。黄色蛍光タンパク質(yfp)コード配列は、minUbi1P、ZmUbi1エクソン、およびZmUbi1イントロンプロモーターエレメントを含有するポリヌクレオチド断片の下流に挿入される。さらに、3−フレーム停止ポリヌクレオチド配列およびトウモロコシコンセンサスポリヌクレオチド(Kozak)配列を含有する下流リーダー配列がminUbi1P、ZmUbi1、エクソン、およびZmUbi1イントロンプロモーターエレメント断片に付加される。uidA(GUS)コード配列が、yfp配列に関して逆配向で合成二方向Ubi1プロモーターの下流に挿入される(配列番号6;例えば、図3参照)。yfpおよびGUS遺伝子に作動可能に連結された合成二方向Ubi1プロモーターを含む得られたポリヌクレオチドは、プラスミドpDAB105801にクローニングされる。
プラスミドpDAB105801由来のGUSおよびyfp遺伝子発現カセットを含有したバイナリーベクターは、GATEWAY(商標)L−R CLONASE(商標)反応(Invitrogen、Carlsbad、CA)を介して完成する。得られたベクターpDAB108706は、T鎖領域内にGUS、yfp、およびaad−1遺伝子発現カセットを含有する(例えば、図5参照)。
合成二方向ユビキチン1プロモーターに作動可能に連結された遺伝子の一過性発現
pDAB108706で形質転換されたトウモロコシ(Zea mays)胚におけるYFPおよびGUS一過性発現の代表的例が描かれている。二方向ZmUbi1プロモーターの両側は作動可能に連結されたyfpおよびGUSコード配列の強力な発現を駆動することができる。YFP発現レベルはGUS発現レベルに匹敵する。これらの所見により、二方向ZmUbi1プロモーターの両側が生物学的に機能的であることが確かめられる。さらに、合成二方向Ubi1プロモーターのminUbi1Pエレメントは、yfpコード配列を駆動する一方向ZmUbi1プロモーターを含有したバイナリープラスミド(pDAB101556)で形質転換されたトウモロコシ(Zea mays)カルスと比べた場合、類似する発現レベルでYFPを発現することができる。YFPまたはGUSの発現は、バイナリー構築物で形質転換されておらず、yfpまたはGUSコード配列を含有しない負の対照未熟胚では検出されない。
合成二方向ユビキチン1プロモーターに作動可能に連結された遺伝子の安定な発現
yfpコード配列を含有するpDAB108706バイナリーベクターで安定的に形質転換されているトウモロコシ(Zea mays)カルス細胞の画像を観察することができる。これらの細胞は、選択2培地上でずっと増殖しているトウモロコシ(Z.mays)胚から得られる。二方向ZmUbi1プロモーターはyfpコード配列の強力な発現を駆動することができる。これらの結果により、二方向ZmUbi1プロモーターのMin−UbiP1最小プロモーターエレメントは、安定的に形質転換されたトウモロコシ(Z.mays)カルス細胞においてレポーター遺伝子を発現することができることが確かめられる。YFPタンパク質の発現レベルは、yfpコード配列を駆動する一方向ZmUbi1プロモーターを含有した対照バイナリーベクター(pDAB101556)で形質転換されたトウモロコシ(Z.mays)カルスにおけるYFP発現と比べると、類似している。YFPまたはGUSの発現は、バイナリー構築物で形質転換されておらず、yfpまたはGUSコード配列を含有しない負の対照カルスでは検出されない。
リアルタイムTaqMan(登録商標)PCRを使用するトランス遺伝子コピー数推定
トウモロコシ(Zea mays)胚は二方向ZmUbi1プロモーター、pDAB108706を含有するバイナリーベクターで形質転換されており、他の植物は対照バイナリーベクター、pDAB101556で形質転換されている。両セットのトウモロコシ(Z.mays)植物のゲノム内のyfpトランス遺伝子の存在は、加水分解プローブアッセイを介して確認される。カルスから成長した安定的に形質転換されたトランスジェニックトウモロコシ(Z.mays)小植物が得られ、分析されて、pDAB108706バイナリーベクターおよびpDAB101556対照バイナリーベクター由来の低コピー数(1〜2コピー)の完全長T鎖インサートを含有した事象を同定する。同定された小植物は温室に進めて栽培される。
Roche Light Cycler480(商標)システムを使用して、pDAB108706バイナリーベクターで形質転換されている事象についておよびpDAB101556バイナリーベクターで形質転換されている対照事象についてトランス遺伝子コピー数を決定する。この方法は、yfp遺伝子におよび内在性トウモロコシ(Z.mays)基準遺伝子、インベルターゼ(ジェンバンク受託番号U16123.1)に特異的なオリゴヌクレオチドを単回アッセイにおいて用いるバイプレックスTaqMan(登録商標)反応を利用する。コピー数および接合状態は、既知のコピー数標準と比べた場合、インベルターゼ特異的蛍光に対するyfp特異的蛍光の強度を測定することにより決定される。
pDAB108706バイナリーベクターで形質転換されているトウモロコシ(Z.mays)では、yfp遺伝子特異的DNA断片は、FAM蛍光色素で標識されたプローブを含有するTaqMan(登録商標)プライマー/プローブセットを用いて増幅され、インベルターゼはHEX蛍光で標識されたプローブを含有する第二のTaqMan(登録商標)プライマー/プローブセットを用いて増幅される(表2)。PCR反応混合物は表3に記載されている通りに調製され、遺伝子特異的DNA断片は表4に記載されている条件に従って増幅される。試料のコピー数および接合状態は、既知のコピー数標準と比べた場合、基準遺伝子、インベルターゼに特異的な蛍光に対するレポーター遺伝子、yfpに特異的な蛍光の相対強度を測定することにより決定される。
pDAB108706:gDNAの既知の関係を有する標準を得るために、ベクター、pDAB108706をトウモロコシ(Z.mays)B104ゲノムDNA(gDNA)中に希釈することにより標準は作製される。例えば、トウモロコシ(Z.mays)B104 gDNAの1コピーあたり1、2、および4コピーのベクターDNAを有する試料が調製される。トウモロコシ(Z.mays)B104gDNA標準と混合されたpDAB108706の1および2コピー希釈は、ヘミ接合性であることが分かっている対照トウモロコシ(Z.mays)事象およびホモ接合性であることが分かっている対照トウモロコシ(Z.mays)事象に対して検証される(トウモロコシ(Z.mays)事象278;PCT国際特許出願第2011/022469 A2参照)。AAD1遺伝子に特異的であるオリゴヌクレオチドおよび内在性トウモロコシ(Z.mays)基準遺伝子、インベルターゼに特異的であるオリゴヌクレオチドを利用するTaqMan(登録商標)バイプレックスアッセイは、FAM蛍光色素で標識されたプローブを含有する1つのTaqMan(登録商標)プライマー/プローブセットを用いてAAD1に遺伝子特異的DNA断片を増幅し検出することにより、およびHEX蛍光で標識されたプローブを含有する第二のTaqMan(登録商標)プライマー/プローブセットを用いてインベルターゼに遺伝子特異的DNA断片を増幅し検出することにより実施される(表2)。AAD1 TaqMan(登録商標)反応混合物は、表3に記載される通りに調製され、特異的断片は表4に記載される条件に従って増幅される。
反応ごとに発生する蛍光のレベルは、Roche LightCycler480(商標)熱サイクラーを製造業者の指示書に従って使用して解析された。FAM蛍光部分は光学密度465/510nmで励起され、HEX蛍光部分は光学密度533/580nmで励起された。コピー数は、4つの既知のコピー数標準の標的/基準値(ヌル、1コピー(ヘミ)、2コピー(ホモ)および4コピー)に対する未知の試料の標的/基準値(LightCycler480(商標)により出力される)を比較することにより決定された。
二方向ZmUbi1プロモーター構築物(pDAB108706)を用いた形質転換を介して得られるトランスジェニック植物の、および対照一方向ZmUbi1プロモーターYFP構築物(pDAB101556)を用いた形質転換を介して得られるトランスジェニック植物のトランス遺伝子コピー数解析からの結果は表5に示されている。yfpトランス遺伝子の1〜2コピーを有する植物だけが、さらなる発現解析のために温室に移された。
合成二方向ユビキチン1プロモーターに作動可能に連結された遺伝子の全植物安定発現
低コピーT−DNA数のバイナリープラスミドpDAB108706を含有した全植物および低コピー数の対照バイナリープラスミドpDAB101556を含有した植物は温室で栽培される。pDAB108706で形質転換されたトウモロコシ(Z.mays)胚から得られるトランスジェニックT0トウモロコシ植物の葉および根の組織におけるYFPの安定な発現の代表的例が解析される。二方向ZmUbi1プロモーターは、葉組織でも根組織でもyfpコード配列の強力な発現を駆動させることができる。顕微鏡解析により、二方向ZmUbi1プロモーター中のMin−UbiP1最小プロモーターエレメントが、yfpコード配列の発現を駆動させる一方向ZmUbi1プロモーターを含有する対照バイナリープラスミド(pDAB101556)を駆動させることができることも確かめられる。これらの対照植物は、葉組織および根組織における安定なYFP発現も示している。
合成二方向ユビキチン1プロモーターに作動可能に連結された遺伝子のウェスタンブロット解析
全可溶性タンパク質:形質転換されたT0トウモロコシ植物は、V6発生段階で試料採取された。最も若い折り畳まれていない葉由来の4つの葉パンチの全てがマトリックスチューブに試料採取され、マトリックスボックスに置かれた。負の対照として、V6発生段階の2つの非形質転換B104トウモロコシ植物の4つの葉パンチはマトリックスチューブに試料採取された。鋼製ビーズが試料と一緒にマトリックスチューブに入れられ、次に400μLのPBSTがそれぞれのチューブに添加された。チューブは蓋をされ、タンパク質はKleco(商標)組織粉砕機内、5分間1500rpmでビーズ叩打により抽出された。デブリは遠心分離によりペレット化された。
それぞれのチューブからの5μLの試料は、96ウェルマイクロタイタープレートにおいてPBSTを用いて25μLまで希釈された。これらの試料は、BCAタンパク質アッセイキット(Thermo Scientific Pierce、Rockford、IL)を製造業者の指示書に従って使用して全可溶性タンパク質について分析された。キット中に与えられたウシ血清アルブミン(BSA)標準は2通りに分析され、その値の平均を使用して標準曲線を作成し、続いてこれを使用して試料ごとの全可溶性タンパク質を計算した。次に、試料ごとの全可溶性タンパク質はmg/μLに正規化された。
YFP/Phiyfpウェスタンブロット解析:96ウェルマイクロタイタープレートにおいて、抽出されたタンパク質のそれぞれの5μL試料は、5μLの2×Laemmli Buffer+2−β−メルカプトエタノールで希釈される。HEPESバッファー(50mM HEPES、200mM KCl、10%グリセロール)中の精製されたYFP/Phiyfpの対照試料はAxxora(San Diego、CA)から購入する。試料はLaemmliバッファーで1対1に希釈することにより同じプレートにおいて調製され、以下の濃度:0.5ng/μL、0.25ng/μL、および0.125ng/μLの標準曲線を作成する。試料は熱サイクラーにおいて95℃で30分間加熱され、次に4℃まで冷却される。次に、Bio−Rad Criterionゲル(商標)はMES/SDSバッファーを使用して集められる。試料は室温まで温めさせておき、10μLの試料は2つのゲルのそれぞれのウェルに負荷される。さらに、標準曲線のために使用された精製YFP/Phiyfpの試料、およびタンパク質ラダーマーカーはゲルのウェルに負荷される。このゲルは、150Vおよび150mAで90分間電気泳動的にランされる。ラン後、ゲルケーシングは開かれ、タンパク質は、iBlot System(商標)(Invitrogen)を使用してニトロセルロース膜に移される。タンパク質は、20Vの電流を10分間流すことによりゲルから膜に移される。ニトロセルロース膜ははずされ、StartingBlock T20(商標)ブロッキングバッファー中に4℃で一晩置かれる。次に、ブロッキングバッファーは捨てられ、膜は表6に記載されるプロトコールを使用して処理される。
抗体結合は、製造業者の指示書に従って、Amersham ECL(商標)プラス化学発光検出システムを使用して検出される。フィルムは10分および30分曝露される。10分曝露フィルムを使用してタンパク質を定量し、30分過剰曝露フィルムを使用してB104および他の対照試料におけるタンパク質の非存在を確認する。膜は曝露フィルムの裏に貼られ、タンパク質はピクセル密度解析により定量される。精製されたタンパク質標準のピクセル密度を先ず使用して、試料中のタンパク質を定量するのに使用される標準曲線を作成する。膜は精製された標準においてもPhiYFPモノマーおよびダイマーのバンドを示すが、PhiYFPモノマーのみを使用してタンパク質発現を定量する。次に、タンパク質の値をng/μLに正規化する。PhiYFPに対する正規化された全可溶性タンパク質(TSP)の比を、ng YFP/mg TSP、または代わりに百万分率(ppm)の単位に計算する。
GUSウェスタンブロット解析:GUSタンパク質の発現は、以下の:10μLの抽出試料は2×Laemmli+2−β−メルカプトエタノールで1対1に希釈され、95℃で30分間変性され、次に15μLがゲル内に負荷される点を例外に、PhiYFPに類似する方法で定量される。フィルム付の処理された膜(1分曝露)は、ピクセル密度解析のために膜で覆われる。
バイナリーベクターで形質転換されたトウモロコシ(Z.mays)胚から得られる12のトランスジェニックT0トウモロコシ植物のウェスタンブロット解析の結果は、図11に示されている。二方向ZmUbi1プロモーターは、葉組織からyfpおよびGUSコード配列の強力な発現を示す。これらの所見から、二方向ZmUbi1プロモーターのMin−UbiP1最小プロモーターエレメントが、yfpコード配列を駆動させる一方向ZmUbi1プロモーターを含有するバイナリープラスミド(pDAB101556;図12参照)で形質転換されたトウモロコシ(Z.mays)カルスと比べた場合、類似する発現レベルでYFPを発現したことが確かめられる。
4遺伝子カセットスタックの構築
プラスミドpDAB105803構築物は、単一トウモロコシ(Zea mays)ユビキチン−1二方向プロモーターにより駆動される4遺伝子カセットスタック(aad1−2a−Phiyfpおよびcry34−2a−cry35)を作製するための開始プラスミドとして使用される。プラスミドpDAB105803の代表的マップは図16に示されており、これにはトウモロコシ(Zea mays)ユビキチン−1二方向プロモーターが含有される。
プラスミドpDAB105841由来のaad1−2a−Phiyfp断片は、当技術分野で一般に知られているクローニング法を使用して、プラスミドpDAB105803のBamHIおよびSacI切断ベクター骨格にクローニングされる。これにより、中間プラスミドpDAB105842が生じた(図17)。プラスミドpDAB105840から得られるNotI/XbaI消化cry34(8V6)−2a−cry35断片は、プラスミドpDAB105842のNotI/SpeI部位の間にクローニングされて、プラスミドpDAB105843を構築する。プラスミドpDAB105843は、ZmUbi1二方向プロモーターのそれぞれの側にcry34(8V6)−2a−cry35およびaad1−2a−Phiyfp遺伝子カセットを含有する(図18)。
ZmUbi1二方向プロモーターならびにプラスミドpDAB105842由来の遺伝子発現カセットcry34(8V6)−2a−cry35およびPhiyfp−2a−aad1を含有するバイナリーベクターは、目的プラスミドpDAB101917とのGATEWAY L−R CLONASE反応(Invitrogen、Carlsbad、CA)により作製される。得られたベクターpDAB108717は、T−DNA境界内にcry34(8V6)−2a−cry35、aad1−2a−Phiyfp、およびPAT遺伝子発現カセットを含有している。
第二の4遺伝子カセットスタックの構築
プラスミドpDAB105803構築物を使用して、単一トウモロコシ(Zea mays)ユビキチン−1二方向プロモーターにより駆動される第二の4遺伝子カセットスタック(Phiyfp−2a−aad1およびcry34−2a−cry35)を作製する。プラスミドpDAB105844由来のPhiyfp−2a−aad1断片は、当技術分野で一般に知られているクローニング方法を使用して、プラスミドpDAB105803のBamHIおよびSacI切断ベクター骨格にクローニングされる。これにより、中間プラスミドpDAB105845が生じた(図20)。プラスミドpDAB105840から得られるNotI/XbaI消化cry34(8V6)−2a−cry35断片は、プラスミドpDAB105845のNotI/SpeI部位の間にクローニングされて、プラスミドpDAB105846を構築する(図21)。プラスミドpDAB105846は、ZmUbi1二方向プロモーターのそれぞれの側にcry34(8V6)−2a−cry35およびPhiyfp−2a−aad1遺伝子カセットを含有する。
ZmUbi1二方向プロモーターならびにプラスミドpDAB105846由来の遺伝子カセットcry34(8V6)−2a−cry35およびPhiyfp−2a−aad1を含有するバイナリーベクターは、目的プラスミドpDAB101917とのGATEWAY L−R CLONASE反応(Invitrogen、Carlsbad、CA)により作製される。得られたベクター、pDAB108718は、T−DNA境界内にcry34(8V6)−2a−cry35、Phiyfp−2a−aad1、およびPAT遺伝子発現カセットを含有している(図21)。
アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)株DAt13192の形質転換
pDAB108717およびpDAB108718バイナリーベクターは、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)ターナリー株DAt13192内に形質転換される(米国特許仮出願第61/368965号参照)。細菌コロニーは単離され、バイナリープラスミドDNAは抽出され、制限酵素消化により検証される。
トウモロコシへの形質転換
穂減菌および胚単離:トウモロコシ未熟胚を入手するため、トウモロコシ(Zea mays)(c.v.B104)の植物が温室で栽培され、自家または兄弟姉妹受粉されて穂を産生する。穂は受粉のおよそ9〜12日後に収穫される。実験当日、穂は、5%次亜塩素酸ナトリウムを含有する家庭用漂白剤の20%溶液中に浸漬され、20〜30分振盪され、続いて減菌水で3回すすがれることにより表面減菌される。減菌後、未熟接合体胚(1.5〜2.2mm)はそれぞれの穂から無菌で解体され、液体感染培養液(LS Basal Medium、4.43g/L;N6 Vitamin Solution[1000X]、1.00mL/L;L−プロリン、700.0mg/L;スクロース、68.5g/L;グルコース、36.0g/L;2,4−D、1.50mg/L)を含有するマイクロ遠心チューブに無作為に分配される。所与のセットの実験では、2〜3穂からのプールされた胚は処置ごとに使用される。
アグロバクテリウム(Agrobacterium)培養開始:上記のバイナリーベクターを含有するアグロバクテリウム(Agrobacterium)株のグリセロールストックは、適切な抗生物質を含有するAB最小培地プレート上に画線され、20℃で3〜4日間増殖される。単一コロニーが摘み取られ、同じ抗生物質を含有するYEPプレート上に画線され、28℃で1〜2日間インキュベートされる。
アグロバクテリウム(Agrobacterium)培養および共培養:実験当日、アグロバクテリウム(Agrobacterium)コロニーはYEPプレートから摘み取られ、50mL使い捨てチューブ中10mLの感染培養液に懸濁され、細胞密度は分光光度計を使用してOD600=0.2〜0.4nmに調整される。アグロバクテリウム(Agrobacterium)培養物は、胚解体が実施される間、室温で115rpmの回転式振盪器の上に置かれる。サイズが1.5〜2.2mmの未熟接合体胚は減菌されたトウモロコシ仁から単離され、1mLの感染培養液に入れられ、同じ培養液で1度洗浄される。アグロバクテリウム(Agrobacterium)懸濁液(2mL)がそれぞれのチューブに添加され、チューブは約20回反転され、次に10〜15分間振盪される。胚は共培養培地(MS塩、4.33g/L;L−プロリン、700.0mg/L;ミオイノシトール、100.0mg/L;カゼイン酵素加水分解物100.0mg/L;Dicamba 3.30mg/L;スクロース、30.0g/L;Gelzan(商標)、3.00g/L;改変MS−Vitamin[1000X]、1.00ml/L;AgNO3、15.0mg/L;Acetosyringone、100μM)上に移され、盤状体を上にして配向され、25℃、明所で3〜4日間インキュベートされる。
YFP/Phiyfp一過性発現:一過性YFP/Phiyfp発現は、形質転換された胚において、アグロバクテリウム(Agrobacterium)との3日間の共培養後に形質転換された胚において観察することができる。胚はYFPフィルターおよび500nm光源を使用して立体顕微鏡(Leica Microsystems、Buffalo Grove、IL)下で観察される。
カルス選択および推定事象の再生:共培養期間に続いて、胚は選択剤なしの静止培地(MS塩、4.33g/L;L−プロリン、700.0mg/L;ミオイノシトール、100.0mg/L;MES[(2−(n−モルホリノ)−エタンスルホン酸)、遊離酸]、500.0mg/L;カゼイン酵素加水分解物、100.0mg/L;Dicamba、3.30mg/L;スクロース、30.0g/L;Gelzan(商標)、2.30g/L;改変MS−Vitamin[1000X]、1.00ml/L;AgNO3、15.0mg/L;Carbenicillin、250.0mg/L)に移され、28℃で7日間、光強度50μmol m−2s−1で24時間、明所でインキュベートされる。胚は、3mg/L Bialaphosを含有する、選択1培地(MS塩、4.33g/L;L−プロリン、700.0mg/L;ミオイノシトール、100.0mg/L;MES[(2−(n−モルホリノ)−エタンスルホン酸)、遊離酸]、500.0mg/L;カゼイン酵素加水分解物、100.0mg/L;Dicamba、3.30mg/L;スクロース、30.0g/L;Gelzan(商標)、2.30g/L;改変MS−Vitamin[1000X]、1.00ml/L;AgNO3、15.0mg/L;Carbenicillin、250.0mg/L)上に移され、28℃で7日間、光強度50μmol m−2s−1で24時間、明所でインキュベートされる。
増殖している胚形成カルスのある胚は、5mg/L Bialaphosを含有する、選択2培地(MS塩、4.33g/L;ミオイノシトール、100.0mg/L;L−プロリン、700.0mg/L;MES[(2−(n−モルホリノ)−エタンスルホン酸)、遊離酸]、500.0mg/L;カゼイン酵素加水分解物、100.0mg/L;Dicamba、3.30mg/L;スクロース、30.0g/L;Gelzan(商標)2.30g/L;改変MS−Vitamin[1000X]、1.00ml/L;AgNO3、15.0mg/L;Carbenicillin、250.0mg/L)上に移され、28℃でさらに14日間、光強度50μmol m−2s−1で24時間、明所でインキュベートされる。この選択ステップにより、トランスジェニックカルスはさらに増殖し分化する。カルス選択期間は3週間続きうる。増殖している胚形成カルスは、3mg/L Bialaphosを含有する、再生1培地(MS塩、4.33g/L;ミオイノシトール、100.0mg/L;L−プロリン、350.0mg/L;MES[(2−(n−モルホリノ)−エタンスルホン酸)、遊離酸]、250.0mg/L;カゼイン酵素加水分解物、50.0mg/L;NAA、0.500mg/L;ABA、2.50mg/L;BA、1.00mg/L;スクロース、45.0g/L;Gelzan(商標)2.50g/L;改変MS−Vitamin[1000X]、1.00ml/L;AgNO3、1.00mg/L;Carbenicillin、250.0mg/L)上に移され、28℃で7日間、光強度50μmol m−2s−1で24時間、明所で培養される。
苗条/芽のある胚形成カルスは、3mg/L Bialaphosを含有する、再生2培地(MS塩、4.33g/L;改変MS−Vitamin[1000X]、1.00ml/L;ミオイノシトール、100.0mg/L;スクロース、60.0g/L;Gellan Gum G434(商標)、3.00g/L;Carbenicillin、250.0mg/L)上に移される。培養物は、28℃で7〜10日間、光強度50μmol m−2s−1で24時間光の下でインキュベートされる。一次根のある小苗条は、苗条伸長および発根培地(phytatrayにおいて、MS塩、4.33g/L;N6 Vitamin Solution[1000X]、1.00mL/L;ミオイノシトール、100.0mg/L;スクロース、30.0g/L;寒天5.50g/L)に移され、28℃で7日間、90μmol m−2s−1で16/8時間明/暗下でインキュベートされる。健康な推定トランスジェニック小植物が選択され、次に25℃でさらに2〜5日間、200μmol m−2s−1で16/8時間明/暗においてインキュベートされ、トランス遺伝子コピー数について分析され、温室に移される。
一過性Phiyfp発現
pDAB108717で形質転換されたトウモロコシ(Zea mays)胚由来のPhiyfpの一過性発現が実施される。二方向ZmUbi1プロモーターは、非形質転換胚がいかなるPhiyfp蛍光も示さない、aad1−2a−Phiyfp遺伝子発現カセットからPhiyfpを発現することができる。予想されるレベルのYFP/Phiyfp発現を示された、単一Phiyfpコード配列を駆動する一方向トウモロコシ(Zea mays)(Zm)Ubi1プロモーターを含有するバイナリープラスミドpDAB105748(図15)で形質転換されたトウモロコシ(Zea mays)胚から、類似するレベルのPhiyfp発現を観察することができる。Phiyfpの一過性発現は、二方向ZmUbi1プロモーターがPhiyfp−2a−aad1遺伝子発現カセットからPhiyfpを発現することができる、pDAB108718で形質転換されたトウモロコシ(Zea mays)胚から観察することができる。
安定的に形質転換されたトウモロコシにおけるPhiyfp発現
二方向ZmUbi1プロモーターにより駆動される安定的に形質転換されたトウモロコシ(Zea mays)カルスにおけるPhiyfp発現:aad1−2a−Phiyfp遺伝子発現カセットを含有するpDAB108717バイナリーベクターで形質転換されたトウモロコシ(Zea mays)胚は、良好なPhiyfp発現を示す。二方向ZmUbi1プロモーターはPhiyfpの強力な発現を駆動することができる。これらの結果から、二方向ZmUbi1プロモーターのMin−UbiP1最小プロモーターエレメントがレポーター遺伝子、例えば、PhiyfpまたはYFPを発現することができることが確認される。Phiyfpタンパク質の発現レベルは、Phiyfpコード配列を駆動する一方向ZmUbi1プロモーターを含有した対照バイナリーベクター(pDAB105748)で形質転換されたトウモロコシ(Zea mays)カルスと比べると、類似している。Phiyfpの発現は、バイナリー構築物で形質転換されておらずPhiyfpコード配列を含有していなかった負の対照カルスでは検出されない。
Phiyfp−2a−aad1遺伝子発現カセットを含有するpDAB108718バイナリーベクターで形質転換されたトウモロコシ(Zea mays)胚は、良好なPhiyfp発現を示す。二方向ZmUbi1プロモーターはPhiyfpの強力な発現を駆動することができる。これらの結果から、二方向ZmUbi1プロモーターのMin−UbiP1最小プロモーターエレメントがレポーター遺伝子、例えば、PhiyfpまたはYFPを発現することができることが確認される。
トランス遺伝子コピー数の推定
リアルタイムTaqMan(商標)PCRを使用するトランス遺伝子コピー数推定:トウモロコシ(Zea mays)植物は二方向ZmUbi1プロモーターを含有するバイナリーベクター、pDAB108717およびpDAB108718で形質転換され、他の植物は対照バイナリーベクター、pDAB105748で形質転換される。pDAB108717およびpDAB108718へのトランスジェニックなトウモロコシ(Z.mays)植物のゲノム内のコード配列(Phiyfp、aad1、cry34、cry35、Pat)の存在は、TaqMan加水分解プローブアッセイにより確かめられた。対照ベクター、pDAB105748へのトランスジェニックな植物は、Phiyfp配列の存在について分析された。カルスから成長した安定的に形質転換されたトランスジェニックトウモロコシ(Z.mays)小植物が得られ、分析されて、pDAB108717およびpDAB108718バイナリーベクター、ならびにpDAB105748対照バイナリーベクター由来の低コピー数(1〜2コピー)の完全長T鎖インサートを含有する事象を同定した。確認された小植物は温室に進めて栽培される。
Roche Light Cycler480(商標)システムを使用して、pDAB108717およびpDAB108718バイナリーベクターで形質転換された事象についてトランス遺伝子コピー数を決定した。この方法は、前記コード配列におよび内在性トウモロコシ(Z.mays)基準遺伝子、インベルターゼ(ジェンバンク受託番号U16123.1)に特異的なオリゴヌクレオチドを単回アッセイにおいて用いるバイプレックスTaqMan(登録商標)反応を利用した。コピー数および接合状態は、既知のコピー数標準と比べた場合、インベルターゼ特異的蛍光に対するコード配列特異的蛍光の強度を測定することにより決定された。
pDAB108717およびpDAB108718バイナリーベクターで形質転換されたトウモロコシ(Z.mays)試料では、コード配列特異的DNA断片は、FAM蛍光色素で標識されたプローブを含有する1つのTaqMan(登録商標)プライマー/プローブセットを用いて増幅され、インベルターゼはHEX蛍光で標識されたプローブを含有する第二のTaqMan(登録商標)プライマー/プローブセットを用いて増幅される。PCR反応混合物は、表8に記載される通りに調製され、遺伝子特異的DNA断片は表9に記載される条件に従って増幅される。試料のコピー数および接合状態は、既知のコピー数標準と比べた場合、基準遺伝子、インベルターゼに特異的な蛍光に対するコード配列に特異的な蛍光の相対強度を測定することにより決定される。
標準は、ベクター(pDAB108717およびpDAB108717)をトウモロコシ(Z.mays)B104ゲノムDNA(gDNA)に希釈して、ベクター:gDNAの既知の関係を用いて標準を得ることにより作製される。例えば、トウモロコシ(Z.mays)B104 gDNAの1コピーあたり1、2、および4コピーのベクターDNAを有する試料が調製される。トウモロコシ(Z.mays)B104 gDNA標準と混合されたベクターの1および2コピー希釈は、ヘミ接合性であることが分かっている対照トウモロコシ(Z.mays)事象およびホモ接合性であることが分かっている対照トウモロコシ(Z.mays)事象に対して検証される(トウモロコシ(Z.mays)事象278;PCT国際特許出願第WO2011/022469 A2参照)。コード配列遺伝子に特異的であるオリゴヌクレオチドおよび内在性トウモロコシ(Z.mays)基準遺伝子、インベルターゼに特異的であるオリゴヌクレオチドを利用するTaqMan(登録商標)バイプレックスアッセイは、FAM蛍光色素で標識されたプローブを含有する1つのTaqMan(登録商標)プライマー/プローブセットを用いてコード配列の遺伝子特異的DNA断片を増幅し検出することにより、およびHEX蛍光で標識されたプローブを含有する第二のTaqMan(登録商標)プライマー/プローブセットを用いてインベルターゼの遺伝子特異的DNA断片を増幅し検出することにより実施される。表7に従って、コード配列TaqMan(登録商標)反応混合物は、表8に記載される通りに調製され、特異的断片は表9に記載される条件に従って増幅される。
反応ごとに発生する蛍光のレベルは、Roche LightCycler480(商標)熱サイクラーを製造業者の指示書に従って使用して解析される。FAM蛍光部分は光学密度465/510nmで励起され、HEX蛍光部分は光学密度533/580nmで励起される。コピー数は、4つの既知のコピー数標準の標的/基準値(例えば、ヌル、1コピー(ヘミ)、2コピー(ホモ)および4コピー)に対する未知の試料の標的/基準値(LightCycler480(商標)により出力される)を比較することにより決定することができる。
二方向ZmUbi1プロモーター構築物(pDAB108717およびpDAB108718)を用いた形質転換を介して得られるトランスジェニック植物の、および対照一方向ZmUbi1プロモーターPhiyfp構築物(pDAB105748)を用いた形質転換を介して得られるトランスジェニック植物のトランス遺伝子コピー数解析からの結果は表10にまとめられている。全てのトランス遺伝子の1〜2コピーを有する植物だけが、さらなる発現解析のために温室に移される。
トウモロコシT0植物における安定なPhiyfp発現
二方向ZmUbi1プロモーターにより駆動されるトウモロコシ(Zea mays)T0植物における安定なPhiyfp発現:aad1−2a−Phiyfp遺伝子発現カセットを含有するpDAB108717バイナリーベクターで形質転換されたトウモロコシ(Zea mays)胚を観察することができる。二方向ZmUbi1プロモーターは、苗条組織でも根組織でもPhiyfpの強力な発現を駆動させることができる。この結果から、二方向ZmUbi1プロモーターのMin−UbiP1最小プロモーターエレメントは、レポーター遺伝子、例えば、Phiyfpまたは2A配列を使用してaad1とバイシストロン性に融合されているYFPを発現することができることが確認される。Phiyfpタンパク質の発現レベルは、Phiyfpコード配列を駆動する一方向ZmUbi1プロモーターを含有する対照バイナリーベクター(pDAB105748)で形質転換されたトウモロコシ(Z.mays)胚に類似している。Phiyfpの発現は、バイナリー構築物で形質転換されておらずPhiyfpコード配列を含有していない負の対照植物では検出されない。
Phiyfp−2a−aad1遺伝子発現カセットを含有するpDAB108718バイナリーベクターにトランスジェニックなトウモロコシ(Zea mays)T0植物の葉および根組織におけるPhiyfp発現が観察できる。二方向ZmUbi1プロモーターはPhiyfpの強力な発現を駆動させることができる。この結果から、二方向ZmUbi1プロモーターのMin−UbiP1最小プロモーターエレメントは、レポーター遺伝子、例えば、Phiyfpまたは2A配列を使用してaad1に融合されているYFPを発現することができることが確認される。
Cry34、Cry35、およびAAD1タンパク質解析
植物は、1鋼製ビーズ、続いてPBST+0.5%BSA(0.6mL)が添加されている1.5mL円錐チューブ中のマトリックスボックスのカラム1〜10に試料採取される。次に、このボックスは、Geno Grinderにおいて1500rpmで5分間試料粉砕のためにビーズ叩打され、次に4℃で7分間、3700rpmで遠心分離される。
Cry34/35 ELISAアッセイ:別個の96ディープウェルプレートにおいて、抽出物の試料はPBST+1%blotto中、1:200で希釈される。次に、希釈された試料の25μL容積2つは抗Cry34および抗Cry35(Meso Scale Discovery)が整列されている別個の96ウェルプレートに移される。それぞれのプレートの11および12カラムにおいて、PBST+1%blotto中プレート標準濃度のCry34およびCry35が添加される(25μL)。次に、プレートは室温で1時間振盪しながらインキュベートされる。次に、プレートはPBSTで洗浄される(3×300μL)。その後、SulfoTAGコンジュゲート抗Cry34および抗Cry35の25μL溶液がそれぞれのウェルに添加され、室温で1時間振盪しながらインキュベートされる。次に、プレートはPBSTで洗浄される(3×300μL)。次に、150μL容積のReadバッファーT(Meso Scale Discovery)が添加され、プレートはSECTOR(登録商標)6000リーダー上で即時に読み取られる。試料中のタンパク質の濃度は、同じプレートから産生されるそれぞれのタンパク質について標準曲線を使用して計算することができる。
AAD−1 ELISAアッセイ:別個の96ディープウェルプレートにおいて、抽出物の試料はPBST+0.5%BSA中、1:20で希釈される。次に、希釈された試料の200μL容積2つは抗AAD1(Acadia Bioscience LLCにより提供される)で被覆されている別個の96ウェルプレートに移される。それぞれのプレートの11および12カラムにおいて、PBST+0.5%BSA中プレート標準濃度のAAD1が添加される(200μL)。次に、ビオチン化された抗AAD1の50μL容積がそれぞれのウェルに添加され、プレートは室温で1時間振盪しながらインキュベートされる。次に、プレートはPBSTで洗浄される(5×300μL)。その後、ステプタビジン(steptavidin)アルカリホスフェートコンジュゲート溶液の100μL溶液がそれぞれのウェルに添加され、室温で30分間振盪しながらインキュベートされる。次に、プレートはPBSTで洗浄される(5×300μL)。次に、100μL容積の基質(p−ニトロフェニルホスフェート、PNPP)が添加され、室温で45分間振盪しながらインキュベートされる。その後、プレートはSpectraMax M5プレートリーダー(Molecular Devices)上、A405で読み取られる。試料中のタンパク質の濃度は、同じプレートから作成される標準曲線を使用して計算することができる。
トウモロコシT0植物のタンパク質解析
二方向トウモロコシ(Zea mays)ユビキチン1プロモーター構築物(pDAB108717)により駆動されるトウモロコシT0植物のタンパク質解析:cry34−2a−cry35およびaad1−2a−Phiyfpを含有するpDAB108717で形質転換されたトウモロコシ(Zea mays)胚から得られた11のトランスジェニックT0トウモロコシ植物の代表的ELISA解析は表11にまとめられている。二方向ZmUbi1プロモーターは、葉においてCry34とCry35コード配列の両方の強力な発現を示している。驚くべきことに、タンパク質データは、一方向ZmUbi1駆動構築物と比べて、二方向構築物pDAB108717からCry34の最大4倍高い発現を実証している。一方向ZmUbi1駆動構築物と比べて、Cry35およびAAD1タンパク質の類似の8〜10倍高い発現も二方向構築物pDAB108717から予想外に観察される。これらの所見により、構築物pDAB108717中の単一Zmユビキチン1二方向プロモーターは、それぞれのコード配列が独立したZmUbiプロモーターにより駆動される、同じ遺伝子を駆動する一方向ZmUbi1プロモーターを含有するバイナリープラスミドで形質転換されたトウモロコシ(Zea mays)植物と比べた場合、複数の遺伝子(例えば、Cry34、Cry35、およびAAD1)を予想外に高いレベルで発現できることが明らかにされている。
二方向トウモロコシ(Zea mays)ユビキチン1プロモーター構築物(pDAB108717)により駆動されるトウモロコシT0植物のCry34とCry35発現相関:cry34−2a−cry35を含有するpDAB108717で形質転換されたトウモロコシ(Zea mays)胚から得られる11のトランスジェニックT0トウモロコシ植物におけるCry34とCry35タンパク質の間の相関解析は図23Aに示されている。非常に高い相関(R二乗=0.98)は、二方向ZmUbi1プロモーターにより駆動されるcry34−2a−cry35遺伝子発現カセットからのCry34とCry35の間の強い発現共調節を実証している。
二方向トウモロコシ(Zea mays)ユビキチン1プロモーター構築物(pDAB108718)により駆動されるトウモロコシT0植物のタンパク質解析:cry34−2a−cry35を含有するpDAB108718で形質転換されたトウモロコシ(Zea mays)胚から得られた11のトランスジェニックT0トウモロコシ植物の代表的ELISA解析は表12にまとめられている。二方向ZmUbi1プロモーターは、葉においてCry34とCry35コード配列の両方の強力な発現を示した。タンパク質データは、一方向ZmUbi1駆動構築物と比べて、二方向構築物pDAB108718からCry34、Cry35およびAAD1タンパク質の数倍高い発現を実証している。これらの所見により、構築物pDAB108718中のトウモロコシ(Zea mays)ユビキチン1二方向プロモーターは、それぞれのコード配列が非依存性ZmUbi1プロモーターにより駆動される、同じ遺伝子を駆動する一方向ZmUbi1プロモーターを含有するバイナリープラスミドで形質転換されたトウモロコシ(Zea mays)植物と比べた場合、複数の遺伝子(例えば、Cry34、Cry35、およびAAD1)を予想外に高いレベルで発現したことが確認されている。
二方向トウモロコシ(Zea mays)ユビキチン1プロモーター構築物(pDAB108718)により駆動されるトウモロコシT0植物のCry34とCry35発現相関:cry34−2a−cry35を含有するpDAB108718で形質転換されたトウモロコシ(Zea mays)胚から得られる11のトランスジェニックT0トウモロコシ植物におけるCry34とCry35タンパク質の間の相関解析は図23Bに示されている。非常に高い相関(R二乗=0.98)は、二方向ZmUbi1プロモーターにより駆動されるcry34−2a−cry35遺伝子発現カセットからのCry34とCry35の間の強い発現共調節を実証している。
トランス遺伝子スタッキング:合成二方向プロモーター(T1データ)
二方向トウモロコシ(Zea mays)ユビキチン1プロモーター構築物により駆動されるT1植物の遺伝子発現:構築物あたり10から12の単一コピー事象が、対照構築物pDAB108716は1つの事象のみを有することを除いて、解析のために選択される。V6段階について5つの植物/事象が試験され、V10〜12および/R3段階について3つの植物/事象が試験される。タンパク質アッセイは、LCMSまたはELISAを使用して実施される。
この実施例において使用される構築物は図26に示されている。pDAB108706(ZMUbi二方向性(−200))およびpDAB108707(ZMUbi二方向性(−90))は本発明の代表的二方向プロモーターを有する構築物であり、pDAB101556(ZmUbi1−YFP対照)およびpDAB108716(ZMUbi1最小プロモーターなし)は一方向プロモーターを有する対照構築物として働く。
YFPタンパク質(LCMS)についての4つの構築物からの例となる発現結果(V6)(ng/cm2)は図27Aに示されており、YFP RNAについての4つの構築物からの例となる相対的発現結果(V6)は図27Bに示されている。
GUSタンパク質(LCMS)についての4つの構築物からの例となる発現結果(V6)(ng/cm2)は図28Aに示されており、GUS RNAについての4つの構築物からの例となる相対的発現結果(V6)は図28Bに示されている。
AAD1タンパク質(LCMS)についての4つの構築物からの例となる発現結果(V6)(ng/cm2)は図29Aに示されており、AAD1 RNAについての4つの構築物からの例となる相対的発現結果(V6)は図29Bに示されている。
YFPタンパク質(LCMS)についての4つの構築物からの発現結果(V6)(ng/cm2)の統計解析は図30Aに示されており、pDAB108707、pDAB108706、pDAB101556、およびpDAB108716についての平均値は、それぞれ57.63、52.66、49.75、および0である。YFP RNAについての4つの構築物からの相対的発現結果(V6)の統計解析は図30Bに示されており、pDAB108706、pDAB108707、pDAB101556、およびpDAB108716についての平均値は、それぞれ9.96、8.07、6.95、および1.01である。
GUSタンパク質(LCMS)についての4つの構築物からの発現結果(V6)(ng/cm2)の統計解析は図31Aに示されており、pDAB108706、pDAB108707、pDAB101556、およびpDAB108716についての平均値は、それぞれ151.27、143.22、0、および213.17である。GUS RNAについての4つの構築物からの相対的発現結果(V6)の統計解析は図31Bに示されており、pDAB108706、pDAB108707、pDAB101556、およびpDAB108716についての平均値は、それぞれ0.65、0.78、0、および3.03である。
AAD1タンパク質(LCMS)についての4つの構築物からの発現結果(V6)(ng/cm2)の統計解析は図32Aに示されており、pDAB108706、pDAB108707、pDAB101556、およびpDAB108716についての平均値は、それぞれ710.88、1417.01、856,58、および1795.43である。AAD1 RNAについての4つの構築物からの相対的発現結果(V6)の統計解析は図32Bに示されており、pDAB108706、pDAB108707、pDAB101556、およびpDAB108716についての平均値は、それぞれ1.33、1.37、1.93、および2.93である。
図33A、33B、および33Cは、それぞれYFP、AAD1、およびGUSタンパク質(LCMS)についての4つの構築物からの例となる発現結果(V10)(ng/cm2)を示している。
図34A、34B、および34Cは、それぞれYFP、GUS、およびAAD1タンパク質(LCMS)についての4つの構築物からの発現結果(V10)(ng/cm2)の統計解析を示している。YFP(図34A)についてのpDAB108706、pDAB108707、pDAB101556、およびpDAB108716の平均値は、それぞれ71.77、81.81、49.58、および23.01である。GUS(図34B)についてのpDAB108706、pDAB108707、pDAB101556、およびpDAB108716の平均値は、それぞれ109.63、98.25、0、および138.02である。ADD1(図34C)についてのpDAB108706、pDAB108707、pDAB101556、およびpDAB108716の平均値は、それぞれ666.11、597.80、715.12、および1002.84である。
図35A、35B、および35Cは、それぞれYFP、GUS、およびAAD1タンパク質(LCMS)についての4つの構築物からの例となる発現結果(R3)(ng/cm2)を示している。
図36A、36B、および36Cは、それぞれYFP、GUS、およびAAD1タンパク質(LCMS)についての4つの構築物からの発現結果(R3)(ng/cm2)の統計解析を示している。YFP(図36A)についてのpDAB108706、pDAB108707、pDAB101556、およびpDAB108716の平均値は、それぞれ91.38、49.49、21.67、および0.40である。GUS(図36B)についてのpDAB108706、pDAB108707、pDAB101556、およびpDAB108716の平均値は、それぞれ5.52、16.81、1.07、および46.60である。AAD1(図36C)についてのpDAB108706、pDAB108707、pDAB101556、およびpDAB108716の平均値は、それぞれ156.71、153.44、165.40、および197.80である。
この結果は、本発明のトウモロコシUbi1二方向プロモーターがGUSおよびYFPの強力な発現を駆動でき、トウモロコシUbi1二方向プロモーターからのYFP発現が一方向トウモロコシUbi1駆動YFPに類似していることを明らかにしている。この結果は、二方向転写がGUS発現(YFP発現のない最小プロモーターを欠く構築物と比べたGUS発現)に及ぼす効果は取るに足りないことも示唆している。
1つの単一プロモーターから4つのトランス遺伝子を駆動させるための二方向プロモーターと2Aバイシストロン性配列の組み合わせ(T1データ)
二方向トウモロコシ(Zea mays)ユビキチン1プロモーター構築物により駆動されるT1植物の遺伝子発現:構築物あたり10から12の単一コピー事象が、対照構築物が構築物あたり4または5事象を有することを除いて、解析のために選択される。V6段階について5つの植物/事象が試験され、V10〜12および/R3段階について3つの植物/事象が試験される。タンパク質アッセイは、LCMSまたはELISAを使用して実施される。
図37Aは、4つの構築物、pDAB105748(ZMUbi1−YFP)、pDAB105818(ZMUbi1−Cry34/ZMUbi1−Cry35/ZMUbi1−AAD1)、pDAB108717(YFP/AAD−1−ZMUbi1二方向性Cry34−Cry35)、およびpDAB108718(AAD1/YFP−ZMUbi1二方向性Cry34−Cry35)からのCry34 RNAの例となる相対的発現結果(V6)を示している。図37Bは、同じ4つの構築物、pDAB105748、pDAB105818、pDAB108717、およびpDAB108718からのCry34タンパク質(LCMS)の例となる相対的発現結果(V6)を示している。
図38Aは、4つの構築物、pDAB105748、pDAB105818、pDAB108717、およびpDAB108718からのAAD1 RNAの例となる相対的発現結果(V6)を示している。図38Bは、同じ4つの構築物、pDAB105748、pDAB105818、pDAB108717、およびpDAB108718からのAAD1タンパク質(LCMS)の例となる相対的発現結果(V6)を示している。
図39Aは、4つの構築物、pDAB105748、pDAB105818、pDAB108717、およびpDAB108718からのYFP RNAの例となる相対的発現結果(V6)を示している。図39Bは、同じ4つの構築物、pDAB105748、pDAB105818、pDAB108717、およびpDAB108718からのYFPタンパク質(LCMS)の例となる相対的発現結果(V6)を示している。
図40Aは、4つの構築物、pDAB105748、pDAB105818、pDAB108717、およびpDAB108718からのCry35 RNAの例となる相対的発現結果(V6)を示している。図40Bは、同じ4つの構築物、pDAB105748、pDAB105818、pDAB108717、およびpDAB108718からのCry35タンパク質(ELISA)の例となる相対的発現結果(V6)を示している。
図41は、4つの構築物、pDAB105748、pDAB105818、pDAB108717、およびpDAB108718からのPAT RNAの例となる相対的発現結果(V6)を示している。
図42Aは、4つの構築物、pDAB105748、pDAB105818、pDAB108717、およびpDAB108718からのCry34 RNAの発現結果(V6)の統計解析を示しており、平均値はそれぞれ0、2.42、2.67、および2.25である。図42Bは、同じ4つの構築物、pDAB105748、pDAB105818、pDAB108717、およびpDAB108718からのCry34タンパク質の発現結果(V6)の統計解析を示しており、平均値はそれぞれ0、596.94、2044.73、および719.18である。
図43Aは、4つの構築物、pDAB105748、pDAB105818、pDAB108717、およびpDAB108718からのAAD1 RNAの発現結果(V6)の統計解析を示しており、平均値はそれぞれ0、1.98、2.68、および2.03である。図43Bは、同じ4つの構築物、pDAB105748、pDAB105818、pDAB108717、およびpDAB108718からのAAD1タンパク質の発現結果(V6)の統計解析を示しており、平均値はそれぞれ0、2237.54、5763.88、および2379.15である。
図44Aは、4つの構築物、pDAB105748、pDAB105818、pDAB108717、およびpDAB108718からのYFP RNAの発現結果(V6)の統計解析を示しており、平均値はそれぞれ3.59、0、2.78、および1.95である。図44Bは、同じ4つの構築物、pDAB105748、pDAB105818、pDAB108717、およびpDAB108718からのYFPタンパク質の発現結果(V6)の統計解析を示しており、平均値はそれぞれ1420.69、251.68、1154.04、および706.04である。
図45Aは、4つの構築物、pDAB105748、pDAB105818、pDAB108717、およびpDAB108718からのCry35 RNAの発現結果(V6)の統計解析を示しており、平均値はそれぞれ0、1.12、3.74、および3.20である。図45Bは、同じ4つの構築物、pDAB105748、pDAB105818、pDAB108717、およびpDAB108718からのCry35タンパク質の発現結果(V6)の統計解析を示しており、平均値はそれぞれ0、283.54、635.83、および90.97である。
図46は、4つの構築物、pDAB105748、pDAB105818、pDAB108717、およびpDAB108718からのPAT RNAの発現結果(V6)の統計解析を示しており、平均値はそれぞれ1.56、0.07、1.46、および1.01である。
図47A、47B、47C、および47Dは、4つの構築物、pDAB105748、pDAB105818、pDAB108717、およびpDAB108718からのそれぞれYFP、AAD1、Cry34、およびCry35の例となるタンパク質発現結果(V10)を示している。
図48A、48B、48C、および48Dは、4つの構築物、pDAB105748、pDAB105818、pDAB108717、およびpDAB108718からのそれぞれYFP、AAD1、Cry34、およびCry35のタンパク質発現結果(V10)の統計解析を示している。
図49A、49B、49C、および49Dは、4つの構築物、pDAB105748、pDAB105818、pDAB108717、およびpDAB108718からのそれぞれYFP、AAD1、Cry34、およびCry35の例となるタンパク質発現結果(R3)を示している。
図50A、50B、50C、および50Dは、4つの構築物、pDAB105748、pDAB105818、pDAB108717、およびpDAB108718からのそれぞれYFP、AAD1、Cry34、およびCry35のタンパク質発現結果(R3)の統計解析を示している。
図51は、pDAB108718およびpDAB108717からのCry34、Cry35、およびAAD1のタンパク質発現についてのウェスタンブロットの例となる結果を示している。
この結果により、単一プロモーター駆動構築物における4つのトランス遺伝子全てが良好な発現レベルで機能的であることが明らかにされている。Ubi1二方向スタックにおける3つの遺伝子(Cry34/Cry35/AAD1)は、単一Ubi1駆動遺伝子スタック(DExT)により与えられる発現レベルに類似する強力な発現レベルを示している。
多くの例となる態様および実施形態を上で考察してきたが、当業者であればある種の改変、置換、追加およびそれらの部分的組合せを認識するであろう。したがって、以下の添付の特許請求の範囲および今後導入される特許請求の範囲は、その真の精神および範囲内であるような改変、置換、追加および部分的組合せを全て含むと解釈されることが意図されている。
本発明は、以下の態様を包含し得る。
[1]
トウモロコシ(Zea mays)またはゼア・ラグジュリアンズ(Zea luxurians)のユビキチン−1遺伝子由来の最小コアプロモーターエレメントを含む合成ポリヌクレオチド。
[2]
最小コアプロモーターエレメントが配列番号1に少なくとも75%同一であるポリヌクレオチド配列またはその相補体を含む、上記[1]に記載の合成ポリヌクレオチド。
[3]
最小コアプロモーターエレメントが配列番号1および15〜39からなる群から選択されるポリヌクレオチド配列を含む、上記[1]に記載の合成ポリヌクレオチド。
[4]
最小コアプロモーターエレメントが配列番号1またはその相補体を含む、上記[1]に記載の合成ポリヌクレオチド。
[5]
ユビキチン−1遺伝子由来のエクソンおよびユビキチン−1遺伝子由来のイントロンをさらに含む、上記[1]に記載の合成ポリヌクレオチド。
[6]
ユビキチン−1遺伝子由来の上流調節配列をさらに含む、上記[1]に記載の合成ポリヌクレオチド。
[7]
上流調節配列が配列番号4またはその相補体を含む、上記[6]に記載の合成ポリヌクレオチド。
[8]
上流調節配列(URS)、エンハンサーエレメント、エクソン、イントロン、転写開始部位、TATAボックス、熱ショックコンセンサスエレメント、およびそれらの組合せからなる群から選択されるエレメントをさらに含む、上記[1]に記載の合成ポリヌクレオチド。
[9]
最小コアプロモーターエレメントに作動可能に連結された対象のヌクレオチド配列をさらに含む、上記[1]に記載の合成ポリヌクレオチド。
[10]
トウモロコシ(Zea mays)またはゼア・ラグジュリアンズ(Zea luxurians)のユビキチン−1遺伝子由来の第二の最小コアプロモーターエレメントをさらに含み、前記2つの最小コアプロモーターエレメントがポリヌクレオチドにおいて互いに関して逆相補的配向である、上記[1]に記載の合成ポリヌクレオチド。
[11]
ユビキチン−1遺伝子由来のエクソンおよびユビキチン−1遺伝子由来のイントロンをさらに含む、上記[10]に記載の合成ポリヌクレオチド。
[12]
配列番号3またはその相補体を含む、上記[11]に記載の合成ポリヌクレオチド。
[13]
ユビキチン−1遺伝子由来の上流調節配列をさらに含む、上記[10]に記載の合成ポリヌクレオチド。
[14]
上流調節配列が配列番号4またはその相補体を含む、上記[13]に記載の合成ポリヌクレオチド。
[15]
上流調節配列(URS)、エクソン、イントロン、転写開始部位、TATAボックス、熱ショックコンセンサスエレメント、翻訳STARTおよび/またはSTOPヌクレオチド配列、ならびにそれらの組合せからなる群から選択されるエレメントをさらに含む、上記[10]に記載の合成ポリヌクレオチド。
[16]
配列番号5またはその相補体を含む、上記[15]に記載の合成ポリヌクレオチド。
[17]
最小コアプロモーターエレメントのうちの一つに作動可能に連結された対象の第一のヌクレオチド配列を含む、上記[10]に記載の合成ポリヌクレオチド。
[18]
対象の第一のヌクレオチド配列に作動可能に連結されていない最小コアプロモーターエレメントに作動可能に連結されている対象の第二のヌクレオチド配列を含む、上記[17]に記載の合成ポリヌクレオチド。
[19]
上記[1]に記載のポリヌクレオチドで細胞を形質転換することを含む、トランスジェニック細胞を作製するための方法。
[20]
上記[10]に記載のポリヌクレオチドで細胞を形質転換することを含む、トランスジェニック細胞を作製するための方法。
[21]
細胞が植物細胞である、上記[18]に記載の方法。
[22]
細胞が植物細胞である、上記[19]に記載の方法。
[23]
上記[1]に記載のポリヌクレオチドを含む植物細胞。
[24]
上記[10]に記載のポリヌクレオチドを含む植物細胞。
[25]
上記[23]に記載の植物細胞を含む植物。
[26]
上記[24]に記載の植物細胞を含む植物。
[27]
方向非依存的な様式で転写を開始するための手段に作動可能に連結された対象のヌクレオチド配列を植物細胞内に導入することを含む、植物細胞において対象のヌクレオチド配列を発現するための方法。
[28]
対象の2つの作動可能に連結されたヌクレオチド配列の転写を開始するための手段に作動可能に連結された対象のヌクレオチド配列を植物細胞内に導入することを含む、植物細胞において対象のヌクレオチド配列を発現するための方法。
[29]
(a)対象の2つの作動可能に連結されたヌクレオチド配列の転写を開始するための手段に作動可能に連結された対象のヌクレオチド配列、および
(b)対象の2つの作動可能に連結されたヌクレオチド配列の転写を開始するための手段に作動可能に連結された対象の第二のヌクレオチド配列
を含む核酸を植物細胞内に導入することを含む、上記[28]に記載の方法。
[30]
エクソンがトウモロコシ(Zea mays)またはゼア・ラグジュリアンズ(Zea luxurians)のユビキチン−1遺伝子由来である、上記[5]に記載の合成ポリヌクレオチド。
[31]
対象の2つの作動可能に連結されたヌクレオチド配列の転写を開始するための手段が配列番号5またはその相補体を含む、上記[29]に記載の方法。
[32]
核酸が、対象の2つの作動可能に連結されたヌクレオチド配列の転写を開始するための手段に作動可能に連結された対象のヌクレオチド配列を植物細胞のDNAの所定の部位に標的するように、植物細胞内に導入される、上記[29]に記載の方法。
[33]
対象の2つの作動可能に連結されたヌクレオチド配列の転写を開始するための手段に作動可能に連結された対象のヌクレオチド配列が、亜鉛フィンガーヌクレアーゼ媒介組換えを利用して所定の部位に標的される、上記[32]に記載の方法。
[34]
(a)二方向プロモーター、および
(b)二方向プロモーターの向かい合っている末端の2つの遺伝子発現カセット
を含み、
遺伝子発現カセットのうちの少なくとも1つが翻訳スイッチを介して連結された2つ以上の遺伝子を含む、
植物細胞および/または組織において複数の遺伝子を発現するための核酸構築物。
[35]
二方向プロモーターがウイルス配列を含まない、上記[34]に記載の核酸構築物。
[36]
二方向プロモーターが少なくとも1つのエンハンサーを含む、上記[34]に記載の核酸構築物。
[37]
核酸構築物がアグロバクテリウム(Agrobacterium)媒介形質転換のためのバイナリーベクターを含む、上記[34]に記載の核酸構築物。
[38]
二方向プロモーターが、上流調節配列(URS)、エンハンサーエレメント、エクソン、イントロン、転写開始部位、TATAボックス、熱ショックコンセンサスエレメント、およびそれらの組合せからなる群から選択されるエレメントを含む、上記[34]に記載の核酸構築物。
[39]
二方向プロモーターが、トウモロコシ(Zea mays)またはゼア・ラグジュリアンズ(Zea luxurians)のユビキチン−1遺伝子由来の最小コアプロモーターエレメントを含む、上記[34]に記載の核酸構築物。
[40]
二方向プロモーターが、トウモロコシ(Zea mays)またはゼア・ラグジュリアンズ(Zea luxurians)由来の第二の最小コアプロモーターをさらに含み、前記2つの最小コアプロモーターエレメントが互いに関して逆相補的配向である、上記[39]に記載の核酸構築物。
[41]
最小コアプロモーターエレメントが、配列番号1に少なくとも70%同一であるポリヌクレオチド配列またはその相補体を含む、上記[39]に記載の核酸構築物。
[42]
二方向プロモーターが、ユビキチン−1遺伝子由来のエクソンおよび/またはユビキチン遺伝子由来のイントロンを含む、上記[39]に記載の核酸構築物。
[43]
二方向プロモーターが配列番号3のポリヌクレオチドまたはその相補体を含む、上記[42]に記載の核酸構築物。
[44]
二方向プロモーターがユビキチン遺伝子由来の上流調節配列を含む、上記[42]に記載の核酸構築物。
[45]
ユビキチン遺伝子由来の上流調節配列が、配列番号4のポリヌクレオチドまたはその相補体を含む、上記[44]に記載の核酸構築物。
[46]
二方向プロモーターが配列番号5のポリヌクレオチドまたはその相補体を含む、上記[34]に記載の核酸構築物。
[47]
二方向プロモーターがユビキチン遺伝子由来の上流調節配列(URS)を含む、上記[34]に記載の核酸構築物。
[48]
二方向プロモーターが
(i)ユビキチン遺伝子のプロモーターとは異なるプロモーター、および
(ii)ユビキチン遺伝子由来の上流調節配列(URS)
を含む、上記[47]に記載の核酸構築物。
[49]
両方の遺伝子発現カセットが翻訳スイッチを介して連結された2つ以上の遺伝子を含む、上記[34]に記載の核酸構築物。
[50]
翻訳スイッチが、配列内リボソーム進入部位(IRES)、選択的スプライシング部位、リボザイム切断部位、2Aペプチドをコードするポリヌクレオチド配列、2A様ペプチドをコードするポリヌクレオチド配列、インテインをコードするポリヌクレオチド配列、プロテアーゼ切断部位をコードするポリヌクレオチド配列、およびそれらの組合せからなる群から選択される、上記[34]に記載の核酸構築物。
[51]
翻訳スイッチの上流の遺伝子が翻訳停止コドンを含まない、上記[34]に記載の核酸構築物。
[52]
少なくとも4つの遺伝子の発現を可能にする、上記[33]に記載の核酸構築物。
[53]
3つから20までの間の遺伝子の発現を可能にする、上記[34]に記載の核酸構築物。
[54]
4つから8つまでの間の遺伝子の発現を可能にする、上記[53]に記載の核酸構築物。
[55]
二方向プロモーターからの遺伝子の発現が、一方向プロモーターと比べた場合、少なくとも4倍高い、上記[34]に記載の核酸構築物。
[56]
二方向プロモーターからの遺伝子の発現が、一方向プロモーターと比べた場合、3倍から10倍高い、上記[34]に記載の核酸構築物。
[57]
上記[34]に記載の核酸構築物で植物細胞を形質転換することを含む、トランスジェニック植物を作製するための方法。
[58]
上記[34]に記載の核酸構築物で細胞を形質転換することを含む、トランスジェニック細胞を作製するための方法。
[59]
上記[34]に記載の核酸構築物を含む植物細胞。
[60]
核酸構築物が植物細胞に安定的に形質転換されている、上記[59]に記載の植物細胞。
[61]
上記[34]に記載の核酸構築物を含むトランスジェニック植物。
[62]
核酸構築物がトランスジェニック植物の細胞に安定的に形質転換されている、上記[61]に記載のトランスジェニック植物。
[63]
上記[34]に記載の核酸構築物を植物細胞および/または組織中に導入することを含む、植物細胞および/または組織において複数の遺伝子を発現させるための方法。
[64]
植物細胞および/または組織が上記[34]に記載の核酸構築物で安定的に形質転換されている、上記[63]に記載の方法。
[65]
上記[34]に記載の核酸構築物を含む、アグロバクテリウム(Agrobacterium)媒介形質転換のためのバイナリーベクター。
[66]
上記[1]の合成ポリヌクレオチドを含む、アグロバクテリウム(Agrobacterium)媒介形質転換のためのバイナリーベクター。