JP6210451B2 - 反射防止膜の製造方法及び積層膜 - Google Patents
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Description
反射防止膜の製造方法としては、アルミニウム等を主成分とする膜を水熱処理する方法が知られている。
また、スパッタリングにより形成されたアルミニウム膜を水熱処理して反射防止膜を形成する反射防止膜の製造方法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
また、アルミニウムを含有するターゲットを使用し窒素を含有するガス中でスパッタリングを行うことにより基体上に窒素含有アルミニウム膜を形成し、次いで窒素含有アルミニウム膜を水中で加熱する反射防止膜の製造方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、気相成膜により、アルミニウム単体及びアルミニウムを含む化合物の少なくともいずれかからなる層を形成し、この層を水熱処理して凹凸構造を形成する反射防止膜の製造方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。
また、樹脂層の上に設けられた、酸化アルミニウムを主成分とする層を、温水処理することにより、この層の表面に凹凸を形成する反射防止膜の製造方法も知られている(例えば、特許文献4〜7参照)。
従って、水熱処理によって製造される反射防止膜においては、可視光の透過率を向上させることが求められる。
即ち、本発明の目的は、Al及びZnの少なくとも一方を含有する膜を水熱処理して反射防止膜を製造する際、(例えば水熱処理される膜の厚さが比較的厚い場合であっても)効率良く反射防止膜を製造でき、かつ、可視光の透過率が高い反射防止膜を製造できる反射防止膜の製造方法を提供することである。
また、本発明の目的は、水熱処理されることにより、可視光の透過率が高い反射防止膜を効率よく製造できる積層膜を提供することである。
本発明者らは、以上の知見に基づき、本発明を完成させた。
即ち、上記課題を解決するための具体的手段は以下のとおりである。
<2> 前記積層膜における表面層が、第1層である<1>に記載の反射防止膜の製造方法。
<3> 前記積層膜が、少なくとも前記第1層を複数備え、前記第2層が、少なくとも前記第1層間に配置されている<1>又は<2>に記載の反射防止膜の製造方法。
<4> 前記積層膜が、複数の前記第1層と複数の前記第2層とを備え、前記第1層と前記第2層とが交互に積層されている<1>〜<3>のいずれか1項に記載の反射防止膜の製造方法。
<5> 前記第2層の総厚が、前記第1層の総厚及び前記第2層の総厚の合計に対し、2%以上33%以下である<1>〜<4>のいずれか1項に記載の反射防止膜の製造方法。
<6> 前記第2層の総厚が、前記第1層の総厚及び前記第2層の総厚の合計に対し、10%以上33%以下である<1>〜<5>のいずれか1項に記載の反射防止膜の製造方法。
<7> 前記第2層の一層の厚さが、0.5nm以上35nm以下である<1>〜<6>のいずれか1項に記載の反射防止膜の製造方法。
<8> 前記積層膜は、総厚が100nm以上である<1>〜<7>のいずれか1項に記載の反射防止膜の製造方法。
<9> 前記積層膜は、総厚が100nm以上300nm以下である<1>〜<8>のいずれか1項に記載の反射防止膜の製造方法。
<10> 前記第1層及び前記第2層の各々が、気相成膜により形成された層である<1>〜<9>のいずれか1項に記載の反射防止膜の製造方法。
<11> 前記水熱処理は、水を主成分とする60℃以上の液体中に、前記積層膜を浸漬することにより行う<1>〜<10>のいずれか1項に記載の反射防止膜の製造方法。
<12> Al及びZnの少なくとも一方を主成分とする第1層とMgを主成分とする第2層とを備える積層膜であって、反射防止膜の製造に用いられる積層膜。
また、本発明によれば、水熱処理されることにより、可視光の透過率が高い反射防止膜を効率よく製造できる積層膜が提供される。
本発明の反射防止膜の製造方法(以下、「本発明の製造方法」ともいう)は、Al(アルミニウム)及びZn(亜鉛)の少なくとも一方を主成分とする第1層とMg(マグネシウム)を主成分とする第2層とを備える積層膜を準備する準備工程と、前記積層膜を水熱処理する水熱処理工程と、を有する。本発明の製造方法は、必要に応じ、その他の工程を有していてもよい。
以下、これらの効果を、「本発明の効果」と称することがある。
ここで、「効率良く反射防止膜を製造でき」とは、水熱処理(水熱反応)が可能な膜厚を増大できることを意味し、かつ、反射防止膜を製造するための水熱処理の時間を短縮できること(言い換えれば、水熱反応を促進できること)を意味する。
即ち、上記第1層の主成分である、Al及びZnの少なくとも一方は、実質的に、反射防止膜の主成分(Al2O3、Al(OH)3、ZnO、Zn(OH)2、等)を形成するための原料として機能する。
一方、上記第2層の主成分であるMgは、水に対する反応性が高い元素である。
従って、本発明の製造方法では、第1層と第2層とを備えた積層膜を水熱処理することにより、第2層の主成分であるMgが、第1層の主成分であるAl及びZnの少なくとも一方の水熱反応(水酸化反応及び酸化反応の少なくとも一方)を促進させる水熱反応促進剤として機能し、その結果、上記した本発明の効果(反射防止膜の製造効率の向上、及び、可視光の透過率向上の効果)が奏されるものと推測される。
一例として、Mg層は、水温4℃程度の水による水熱処理でも、水熱反応が進行することが確認されている。
ここで、水を主成分とする液体とは、含有量(質量%)が最も多い成分として水を含有する液体を指す。
以下、水を主成分とする液体を「水性液体」ともいう。
水性液体は、水を主成分とするが、本発明の効果を損なわない範囲で、水以外の成分を含んでいてもよい。
水以外の成分としては、アルコール等の水性溶剤(例えば炭素数1〜3のアルコール)、水溶性の塩(好ましくは塩化物塩;例えば、塩化ナトリウム、塩化カルシウム等)、酸(塩酸、酢酸、等)、アルカリ(水酸化ナトリウム等)等が挙げられる。
水性液体中における水の含有量は、水性液体の全量に対し、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましく、90質量%以上が更に好ましく、95質量%以上が特に好ましい。水性液体中における水の含有量は、理想的には、100質量%である。
本発明における準備工程は、Al及びZnの少なくとも一方を主成分とする第1層とMgを主成分とする第2層とを備える積層膜を準備する工程である。
この準備工程は、便宜上の工程である。
即ち、本発明の製造方法は、予め準備しておいた積層膜を水熱処理して反射防止膜を製造する方法であってもよいし、まず積層膜を製造し、製造された積層膜を水熱処理して反射防止膜を製造する方法であってもよい。
水熱処理の対象となる膜が第2層を含まない場合(例えば第1層のみからなる膜である場合)には、水熱処理の効率(反射防止膜の製造の効率)が低下するため、本発明の効果が得られない。
水熱処理の対象となる膜が第1層を含まない場合(例えば第2層のみからなる膜である場合)には、水熱処理に用いる水性液体に対する耐性が低下する(例えば、膜が水性液体に溶解し易くなる)。
また、本発明における積層膜は、本発明の効果を妨げない範囲で、第1層及び第2層以外のその他の層(例えば自然酸化膜からなる層など)を備えていてもよい。
第1層として、好ましくは、Al単体からなる層、Zn単体からなる層、又はAl−Zn合金からなる層であり、特に好ましくは、Al単体からなる層又はZn単体からなる層である。
また、第1層中におけるZnの含有量は、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましく、90質量%以上が更に好ましく、95質量%以上が特に好ましい。
第1層中におけるAl及びZnの総含有量は、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましく、90質量%以上が更に好ましく、95質量%以上が特に好ましい。
第1層の一層の厚さが5nm以上であると、製造される反射防止膜の総厚を厚くする点で有利である。
第1層の一層の厚さが60nm以下であると、水熱処理による反射防止膜の製造の効率がより向上する。更に、反射防止膜の可視光の透過率がより向上する。
第2層としては、Mg単体からなる層、Mg合金からなる層、Mg化合物からなる層が挙げられる。
第2層として、好ましくは、Mg単体からなる層である。
第2層の一層の厚さが1nm以上であると、本発明の効果がより効果的に奏される。
一方、第2層の一層の厚さが35nm以下であると、第2層の水性液体への溶解(溶出)によって生じることがある、膜剥がれをより抑制できる。
ここで、「表面層」とは、水熱処理に用いられる水性液体に直接曝される層を指す。
積層体が第1層を複数備える場合には、前記積層膜における表面層は、複数の第1層のうちの一つ(一層)であることが好ましい。
言い換えれば、第2層は、表面層以外の層であることが好ましい。
第2層が表面層以外の層であることにより、本発明の効果がより効果的に奏される。例えば、第2層の主成分であるMgが水性液体へ完全に溶解する前に、第1層の主成分であるAl及びZnの少なくとも一方の水熱反応を促進することができる。
更には、積層膜が、複数の第1層と、複数の第2層と、を備え、第1層と第2層とが交互に積層されている態様がより好ましい。
第2層の総厚が、第1層の総厚及び第2層の総厚の合計に対して、2%以上であることにより、反射防止膜の可視光の透過率がより向上する。更に、水熱処理による反射防止膜の製造の効率がより向上する。
第2層の総厚が、第1層の総厚及び第2層の総厚の合計に対して、33%以下であることにより、第2層の水性液体への溶解によって生じることがある、膜剥がれをより抑制できる。
この態様は、総厚が厚い反射防止膜を製造できる点で有利である。
本発明では、前述のとおり、積層膜が第2層を備えることにより、100nm以上といった厚い膜を水熱処理して反射防止膜を製造することが可能となる。
より好ましくは、積層膜(第1層及び第2層の各々)が、気相成膜により基材上に形成された膜(層)である態様である。
気相成膜として、具体的には、スパッタリング、蒸着、CVD(Chemical Vapor Deposition)、分子線エピタキシー(MBE;Molecular Beam Epitaxy)、等が挙げられる。中でも、スパッタリングが特に好ましい。
スパッタリングを行うためのスパッタリング装置は、RFスパッタリング装置であってもよいし、DCスパッタリング装置であってもよい。
スパッタリングの条件には特に制限はなく、例えば、特許第3953032号公報、特許第4790396号公報、Journal of Applied Physics 106, 023524(2009)等に記載された公知の条件が挙げられる。
基材の形状にも特に制限はない。基材の積層膜が形成される面は、平面であっても球面であってもよい。
基材としては、光が入射される部材(太陽電池のフロントパネル、液晶ディスプレイ等のディスプレイのフロントパネル、光ディスク、レンズ、プリズム等)が挙げられる。
また、基材の構成は、単層であることには限定されない。例えば、基材として、ガラス基板と少なくとも1層の樹脂層とを備えた積層体を用いることもできる。この場合、基材の積層膜が形成される面は、ガラス基板の表面であっても、樹脂層の表面であってもよい。
水熱処理工程は、上述した積層膜を水熱処理する工程である。
水熱処理は、60℃以上の水性液体中に、積層膜を浸漬することにより行うことが好ましい。水性液体については前述のとおりである。
水性液体の温度は、80℃以上が好ましく、85℃以上がより好ましく、90℃以上が特に好ましい。
水性液体の温度は、液体状態が維持できる温度であれば、その上限には特に制限はない。
水熱処理の時間は、反射防止膜の生産性などの観点からは、短ければ短い程好ましい。
水熱処理が行われる雰囲気の圧力の範囲としては、例えば、10kPa以上5000kPa以下の範囲が挙げられ、50kPa以上150kPa以下の範囲が好ましい。
本発明の製造方法は、上記以外のその他の工程を有していてもよい。
その他の工程としては、水熱処理によって得られた反射防止膜を、酸素含有雰囲気中(大気中を含む)、または、真空中で熱処理する工程が挙げられる。これにより、反射防止膜をより安定化させることができる。この理由は、水熱処理によって得られた反射防止膜に水酸化物(例えば、Al(OH)3、Zn(OH)2等)が含まれる場合において、上記熱処理により、水酸化物を酸化物(例えば、Al2O3、ZnO等)に変化させることができるからである。
本発明の積層膜は、Al及びZnの少なくとも一方を主成分とする第1層と、Mgを主成分とする第2層と、を備える。
本発明の積層膜によれば、前述のとおり、水熱処理されることにより、可視光の透過率が高い反射防止膜を効率よく製造できる。
本発明の積層膜は、前述のとおり、反射防止膜の製造に好適に用いられるものである。
本発明の積層膜の好ましい範囲は、上記「準備工程」の項で説明したとおりである。
また、以下の実施例において、水熱処理は、大気圧下で行った。
≪水熱処理される膜の総厚に関する実験≫
実施例1として、水熱処理される膜の総厚に関する実験(水熱処理による効果との関係に関する実験)を行った。
実施例1の概略は、第1層としてのZn層と第2層としてのMg層とが交互に積層された構成の積層膜を備えた下記サンプル1〜4、及び、第2層としてのMg層が設けられていない(即ち、Znの単層膜を備えた)下記比較サンプル1〜3のそれぞれに対し、水温96℃で3時間の水熱処理を施し、水熱処理後の外観を観察する、というものである。
サンプル1〜4では、Zn層の総厚とMg層の総厚との合計(即ち、積層膜の総厚)に対するMg層の総厚の比率が、30%となるように調整した。
以下、実施例1の詳細について説明する。
基材としてのガラス基板上に、Mg層(第2層)、Zn層(第1層)、Mg層(第2層)、Zn層(第1層)、Mg層(第2層)、及びZn層(第1層)をこの順に形成し、サンプル1とした。
サンプル1の積層膜の構成は、ガラス基板からみて、Mg層、Zn層、Mg層、Zn層、Mg層、及びZn層(表面層)がこの順に配置された構成である。
以下では、このサンプルの構成を、「Zn層/Mg層/Zn層/Mg層/Zn層/Mg層/ガラス基板」の構成ということがある。
RFスパッタリングによる各層の形成は、スパッタガスをAr及びN2の混合ガスからArガスに変更し、rf出力を200Wから50Wに変更し、基板温度を373Kから288Kに変更し、ガラス基板をコーニング社製の7059からコーニング社製のEAGLE XGに変更し、Mg層を形成する場合にはMgターゲットを用い、Zn層を形成する場合にはZnターゲットを用いたこと以外は特開2007−156017号公報の段落0028〜段落0039に記載された方法と同様にして行った。
また、全ての層は、ガラス基板を大気に取り出すことなく、連続して形成(成膜)した。
ガラス基板としては、コーニング社製のコーニングEAGLE XGを用いた。
ガラス基板のサイズは、縦20mm×横15mm×厚さ0.7mmとした。
実施例1では、このサンプル1の構成を「Zn(70nm)/Mg(30nm)」とも表記する。
次いで、水熱処理後のサンプル1の外観写真を撮影した。
外観写真は、最小目盛1mmの方眼紙の上にサンプルを置き、サンプルの横に金型定規を並べて撮影した(以下、同様である)。サンプル中の膜が透明である場合には、撮影された外観写真において、サンプルの背後の方眼紙が透けて見える。
サンプル1に対する比較実験として、比較サンプル1(Zn単層(100nm))の作製及び水熱処理を行った。
詳細には、サンプル1の作製において、積層膜に代えて、厚さ100nmのZn膜(単層膜)を形成したこと以外はサンプル1の作製と同様にして、比較サンプル1を作製した。
実施例1では、この比較サンプル1の構成を「Zn単層(100nm)」とも表記する。
得られた比較サンプル1のZn膜に対し、サンプル1の積層膜に対する水熱処理と同条件の水熱処理を施した。
次いで、水熱処理後の比較サンプル1の外観写真を、水熱処理後のサンプル1の外観写真と同様にして撮影した。
サンプル1の作製において、Zn層三層の総厚を105nmとし、Mg層三層の総厚を45nmとしたこと以外はサンプル1の作製と同様にして、サンプル2を作製した。
実施例1では、このサンプル2の構成を「Zn(105nm)/Mg(45nm)」とも表記する。
次いで、水熱処理後のサンプル2の外観写真を、水熱処理後のサンプル1の外観写真と同様にして撮影した。
サンプル2に対する比較実験として、比較サンプル2(Zn単層(150nm))の作製及び水熱処理を行った。
詳細には、サンプル1の作製において、積層膜に代えて、厚さ150nmのZn膜(単層膜)を形成したこと以外はサンプル1の作製と同様にして、比較サンプル2を作製した。実施例1では、この比較サンプル2の構成を「Zn単層(150nm)」とも表記する。
得られた比較サンプル2のZn膜に対し、サンプル1の積層膜に対する水熱処理と同条件の水熱処理を施した。
次いで、水熱処理後の比較サンプル2の外観写真を、水熱処理後のサンプル1の外観写真と同様にして撮影した。
サンプル1の作製において、Zn層三層の総厚を140nmとし、Mg層三層の総厚を60nmとしたこと以外はサンプル1の作製と同様にして、サンプル3を作製した。実施例1では、このサンプル3の構成を「Zn(140nm)/Mg(60nm)」とも表記する。
次いで、水熱処理後のサンプル3の外観写真を、水熱処理後のサンプル1の外観写真と同様にして撮影した。
サンプル3に対する比較実験として、比較サンプル3(Zn単層(200nm))の作製及び水熱処理を行った。
詳細には、サンプル1の作製において、積層膜に代えて、厚さ200nmのZn膜(単層膜)を形成したこと以外はサンプル1の作製と同様にして、比較サンプル3を作製した。実施例1では、この比較サンプル3の構成を「Zn単層(200nm)」とも表記する。
得られた比較サンプル3のZn膜に対し、サンプル1の積層膜に対する水熱処理と同条件の水熱処理を施した。
次いで、水熱処理後の比較サンプル3の外観写真を、水熱処理後のサンプル1の外観写真と同様にして撮影した。
Zn層三層の総厚を175nmとし、Mg層三層の総厚を75nmとしたこと以外はサンプル1の作製と同様にして、サンプル4を作製した。実施例1では、このサンプル4の構成を「Zn(175nm)/Mg(75nm)」とも表記する。
次いで、水熱処理後のサンプル4の外観写真を、水熱処理後のサンプル1の外観写真と同様にして撮影した。
下記表1の上段には、Zn層にMg層を積層したサンプル1〜4(表1では「Mg積層あり」と表記する)の外観写真を並べている。
また、下記表1の下段には、Zn層にMg層を積層していない比較サンプル1〜3(表1では「Mg積層なし」と表記する)の外観写真を並べている。
一方、Zn層にMg層を積層していない比較サンプル1〜3のうち、Zn膜の厚さが厚い比較サンプル2(Zn膜の厚さ150nm)及び比較サンプル3(Zn膜の厚さ200nm)では、水温96℃で3時間の条件の水熱処理では水熱反応が不十分であり、透明膜とはならなかった。
以上のように、Zn層にMg層を積層することにより、水熱処理される膜の厚さが厚い場合であっても効率良く水熱反応を進行させることができ、反射防止膜を効率良く製造できることが確認された。
また、水熱処理中及び水熱処理後のサンプル1〜4において、膜剥がれは確認されなかった。
この実施例1のサンプル1〜4の結果からみれば、実施例1のサンプル1〜4におけるZn層に代えて、Zn層よりも水熱反応の反応性に優れるAl層やAl−Zn合金層を用いた場合にも当然に、実施例1のサンプル1〜4と同様の(又はそれ以上)の効果(第2層を設けたことによる効果)が得られることが期待される。例えば、Al層(厚さ50nm〜100nm)は、水温96℃で3分程度の水熱処理で、透明膜となることが確認されている(以上、後述の実施例5参照)。
また、第1層として、上記以外のAl合金層、上記以外のZn合金層、Al化合物層(例えば、AlN層、Al2O3層)、Zn化合物層(例えば、ZnO層、Zn3N2層)を用いた場合にも、第2層を設けたことによる効果が得られることが期待される。
要するに、第1層は、Al及びZnの少なくとも一方を主成分とする層であればよい。
≪積層膜中のMg層の比率と水熱処理による効果との関係に関する実験≫
実施例2として、積層膜中のMg層の比率と水熱処理による効果との関係に関する実験を行った。
実施例2の概略は、第1層としてのZn層と第2層としてのMg層とが交互に積層された構成の積層膜を備えた下記サンプル11〜13、及び、第2層としてのMg層が設けられていない(即ち、Znの単層膜を備えた)下記比較サンプル11のそれぞれに対し、水温96℃で2時間の水熱処理を行い、水熱処理後の外観を観察するとともに、目視で膜が透明になるまでの時間を観測する、というものである。
実施例2における各サンプルでは、水熱処理される膜の総厚を100nmに固定した。
下記サンプル11〜13の構成は、いずれもZn層/Mg層/Zn層/Mg層/Zn層/Mg層/ガラス基板の構成である。
以下、実施例2の詳細について説明する。
サンプル13として、実施例1におけるサンプル1と同じ構成のサンプルを、サンプル1と同様の方法によって作製した。
実施例2では、サンプル13の構成を「Zn(70nm)/Mg(30nm)」とも表記する。
以上の結果を下記表2に示す。
サンプル13の作製において、Zn層三層の総厚を97nmとし、Mg層三層の総厚を3nmとしたこと以外はサンプル13の作製と同様にして、サンプル11を作製した。実施例2では、このサンプル11の構成を「Zn(97nm)/Mg(3nm)」とも表記する。
結果を下記表2に示す。
サンプル13の作製において、Zn層三層の総厚を83nmとし、Mg層三層の総厚を17nmとしたこと以外はサンプル13の作製と同様にして、サンプル12を作製した。実施例2では、このサンプル12の構成を「Zn(83nm)/Mg(17nm)」とも表記する。
結果を下記表2に示す。
比較サンプル11として、実施例1における比較サンプル1と同じ構成のサンプルを作製した。実施例2では、比較サンプル11の構成を「Zn(100nm)/Mg(0nm)」とも表記する。
結果を下記表2に示す。
更に、積層膜中におけるMg層の比率が高くなるにつれ、膜が透明になるまでの時間が劇的に短くなること(即ち、水熱反応が効率よく進行すること)が確認された。
≪積層膜中のMg層の比率と水熱処理後の膜の透過率との関係に関する実験≫
実施例3として、積層膜中のMg層の比率と水熱処理後の膜の透過率との関係に関する実験を行った。
サンプル21として、実施例1におけるサンプル1(Zn(70nm)/Mg(30nm))と同じ構成のサンプルを、サンプル1と同様の方法によって作製した。
実施例3では、このサンプル21の構成を、「Zn−22at%Mg」ともいう。
このように、実施例3並びに後述の実施例4及び5では、積層膜に含まれるMgの量を、「at%」(原子%)の単位で表記することがある。
得られたサンプル21を水温96℃の水中に2時間の浸漬することにより、サンプル21の積層膜の水熱処理を行った。
水熱処理後のサンプル21(ガラス基板及び積層膜)の全透過率を、島津製作所社製のMPC−3100を用いて測定した。測定波長の範囲は、0.24μm〜2.6μmの範囲とした。
測定結果を図1に示す。
サンプル21の作製において、Zn層三層の総厚を83nm(Zn層一層の厚さは27.7nm)とし、Mg層三層の総厚を17nm(Mg層一層の厚さは5.7nm)としたこと以外はサンプル21の作製と同様にして、サンプル22を作製した。
実施例3では、このサンプル22の構成を、「Zn−12at%Mg」ともいう。
得られたサンプル22の積層膜に対し、サンプル21の積層膜に対する水熱処理と同様の水熱処理を施した。更に、水熱処理後のサンプル21の全透過率の測定と同様にして、水熱処理後のサンプル22の全透過率を測定した。
測定結果を図1に示す。
サンプル21の作製において、Zn層三層の総厚を97nm(Zn層一層の厚さは32.3nm)とし、Mg層三層の総厚を3nm(Mg層一層の厚さは1nm)としたこと以外はサンプル21の作製と同様にして、サンプル23を作製した。
実施例3では、このサンプル23の構成を、「Zn−2at%Mg」ともいう。
得られたサンプル23の積層膜に対し、サンプル21の積層膜に対する水熱処理と同様の水熱処理を施した。更に、水熱処理後のサンプル21の全透過率の測定と同様にして、水熱処理後のサンプル23の全透過率を測定した。
測定結果を図1に示す。
比較サンプル21として、実施例1における比較サンプル1(Zn単層(100nm))と同じ構成のサンプルを、比較サンプル1と同様の方法によって作製した。
実施例3では、この比較サンプル21の構成を、「Zn」ともいう。
得られた比較サンプル21のZn膜(単層膜)に対し、サンプル21の積層膜に対する水熱処理と同様の水熱処理を施した。更に、水熱処理後のサンプル21の全透過率の測定と同様にして、水熱処理後の比較サンプル21の全透過率を測定した。
測定結果を図1に示す。
ブランクとして、サンプル21中のガラス基板(積層膜が設けられていないガラス基板)と同じガラス基板を準備し、このガラス基板(ブランク)の全透過率を、水熱処理後のサンプル21の全透過率の測定と同様にして測定した。
測定結果を図1に示す。
図1に示すように、Mg層を備えたサンプル(Zn−22at%、Zn−12at%、Zn−2at%)では、Mg層を含まないサンプル(Zn)及びガラス基板(glass substrate)と比較して、可視領域における全透過率が高かった。中でも、Zn−22at%及びZn−12at%では、可視領域における全透過率が特に高かった。
ここで、可視領域における全透過率が高いことは、反射防止膜としての性能に優れることを示している。
≪水熱処理後の膜のXRD(X線回折)測定ほか≫
実施例4として、実施例3における水熱処理後の各サンプルについて、XRD(X線回折)測定を行った。
XRD測定は、Rigaku社製のRU−300を用いて行った。
図2に示すように、各サンプルにおいて、ZnOに由来するピークが観測された。
詳細には、Mg層を備えたサンプル(Zn−22at%、Zn−12at%、Zn−2at%)において、Mg層を含まないサンプル(Zn)からのピークのシフトは見られなかった。更に、Mg層を備えたサンプル(Zn−22at%、Zn−12at%、Zn−2at%)において、Mgに由来するピークは観測されなかった。
EDXによる元素分析は、EDAX社製のEDAX Genesisを用いて行った。
その結果、Mg層を備えたサンプル(Zn−22at%、Zn−12at%、Zn−2at%)(水熱処理後)において、Znは検出されたが、Mgは検出されなかった。
この理由は、水熱処理により、Mg層が水中に溶解したためと考えられる。
即ち、Mg層とZn層との積層膜において、Mg層はZn層の水熱反応促進剤として機能し、かつ、Mg層自身は水熱処理後は膜中から消滅することがわかった。
<サンプル31(Al−12at%Mg)の作製及び評価>
実施例3のサンプル22(Zn−12at%)の作製において、Zn層(第1層)三層を、以下の厚さのAl層(第1層)三層にそれぞれ変更し、かつ、Mg層(第2層)三層を、以下の厚さのMg層(第2層)三層にそれぞれ変更したこと以外はサンプル22の作製と同様にして、サンプル31を作製した。
このサンプル31において、Al層三層の総厚は84nm(Al層一層の厚さは28nm)であり、Mg層三層の総厚は16nm(Mg層一層の厚さは5.3nm)である。
また、このサンプル31の構成は、Al層/Mg層/Al層/Mg層/Al層/Mg層/ガラス基板の構成である。
更に、実施例3における水熱処理後のサンプル21の全透過率の測定と同様にして、水熱処理後のサンプル31の全透過率を測定した。
測定結果を図3に示す。
実施例1における比較サンプル1(Zn単層(100nm))の作製において、Zn単層膜を、同じ厚さのAl単層膜に変更したこと以外は比較サンプル1の作製と同様にして、比較サンプル31を作製した。
実施例5では、この比較サンプル31の構成を、「Al」ともいう。
得られた比較サンプル31のAl膜(単層膜)に対し、サンプル31の積層膜に対する水熱処理と同様の水熱処理を施した。
更に、実施例3における水熱処理後のサンプル21の全透過率の測定と同様にして、水熱処理後の比較サンプル31の全透過率を測定した。
測定結果を図3に示す。
実施例3と同様に、ガラス基板(ブランク)の全透過率を測定した。
測定結果を図3に示す。
図3に示すように、Mg層を備えたサンプル31(Al−12at%Mg)では、Mg層を含まない比較サンプル31(Al)及びガラス基板(glass substrate)と比較して、可視領域における全透過率が高かった。
このように、第1層としてAl層を用いた場合(実施例5)も、第1層としてZn層を用いた場合(実施例3)と同様に、第2層としてMg層を用いたことによる可視光の透過率向上の効果が得られることが確認された。
また、サンプル31では比較サンプル31と比較して可視光の透過率が向上したことから、このサンプル31では、第2層としてMg層を用いたことにより、第1層であるAl層の水熱反応が促進されたと考えられる。
Claims (12)
- Al及びZnの少なくとも一方を主成分とする第1層とMgを主成分とする第2層とを備える積層膜を準備する準備工程と、
前記積層膜を水熱処理する水熱処理工程と、
を有する反射防止膜の製造方法。 - 前記積層膜における表面層が、第1層である請求項1に記載の反射防止膜の製造方法。
- 前記積層膜が、少なくとも前記第1層を複数備え、
前記第2層が、少なくとも前記第1層間に配置されている請求項1又は請求項2に記載の反射防止膜の製造方法。 - 前記積層膜が、複数の前記第1層と複数の前記第2層とを備え、
前記第1層と前記第2層とが交互に積層されている請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の反射防止膜の製造方法。 - 前記第2層の総厚が、前記第1層の総厚及び前記第2層の総厚の合計に対し、2%以上33%以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の反射防止膜の製造方法。
- 前記第2層の総厚が、前記第1層の総厚及び前記第2層の総厚の合計に対し、10%以上33%以下である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の反射防止膜の製造方法。
- 前記第2層の一層の厚さが、0.5nm以上35nm以下である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の反射防止膜の製造方法。
- 前記積層膜の総厚が、100nm以上である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の反射防止膜の製造方法。
- 前記積層膜の総厚が、100nm以上300nm以下である請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の反射防止膜の製造方法。
- 前記第1層及び前記第2層の各々が、気相成膜により形成された層である請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の反射防止膜の製造方法。
- 前記水熱処理は、水を主成分とする60℃以上の液体中に、前記積層膜を浸漬することにより行う請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の反射防止膜の製造方法。
- Al及びZnの少なくとも一方を主成分とする第1層とMgを主成分とする第2層とを備える積層膜であって、反射防止膜の製造に用いられる積層膜。
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