以下、本発明を具体化した実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1実施例)
まず、複合機1の全体構成について説明する。
図1は、本発明の複合機1(画像処理装置の一例)の読取装置100の原稿カバー4が開位置にあるときの概略構成を示す斜視図である。
図2は、本発明の複合機1の印刷装置110の装置本体2の内部構成を示す説明図である。なお、図2においては、便宜上、読取装置100を省略している。
図3は、読取装置100の左右方向に沿う断面の構成を表す概略断面図である。
本形態の複合機1は、図1から図3に示すように、印刷装置110と、印刷装置110の上方に設けられる読取装置100と、読取装置100前方に設けられる操作パネル40とを備えている。
複合機1は、画像データを印刷装置110によって用紙S(シート、記録材、挿抜される部材の一例)に印刷する印刷機能、読取装置100によって原稿の画像を読み取って画像データを生成する読取機能、特に読取機能によって生成した画像データに基づく画像を印刷機能によって用紙Sに印刷するコピー機能、など、複数の機能を有する。複合機1の有する各種機能については、後述する。
印刷装置の構成について説明する。
印刷装置110は、装置本体2(装置本体の一例)と、給紙部50と、印刷部10(画像処理部、画像形成部の一例)と、を主に備えている。
装置本体2は、内部に給紙部50及び印刷部10を有する。
給紙部50は、給紙トレイ51(シート保持部の一例)と、給紙ローラ71と、挿抜センサ61(センサの一例)と、を備えている。
給紙トレイ51は、装置本体2の下部に位置し、印刷に供される用紙Sを積載する。給紙トレイ51は、装置本体2に対してそれぞれ前方向に抜き出し可能、かつ、抜き出した後装置本体2に対して挿入可能に構成されている。給紙トレイ51が装置本体2に対して抜き出されている状態においては、ユーザは用紙Sを載置することが可能である。また、給紙トレイ51が装置本体2に対して完全に挿入されている状態においては、複合機1は、給紙トレイ51から用紙Sを給紙することが可能である。
給紙ローラ71は、給紙トレイ51の前部に設けられている。より具体的には、給紙トレイ51に保持された用紙Sの前端部の上方に設けられている。給紙ローラ71は、給紙トレイ51の一番上に保持された用紙Sから順に、1枚ずつ給紙する。
挿抜センサ61は、給紙トレイ51の後部に設けられている光学式センサであり、給紙トレイ51の挿抜状態を検知するためのセンサである。
印刷部10は、装置本体2の内部に位置し、プロセス部5と、搬送ベルト7と、定着部8とを主に備えている。
プロセス部5は、4色(ブラックK、イエローY、マゼンタM、シアンC)のトナーを用いて周知の電子写真方式によって用紙Sにカラーのトナー像を形成するものである。
搬送ベルト7は用紙Sをプロセス部5に沿って搬送するものであり、プロセス部5に沿ってベルト状に構成されている。
定着部8は用紙S上に形成されたトナー像を用紙Sに定着させるものであり、搬送ベルト7よりも搬送方向下流に設けられている。
この印刷部10により、用紙Sへの所望の画像の印刷が可能になっている。
印刷部10にて印刷に使用される用紙Sは、給紙トレイ51から、給紙ローラ71によって給紙され、搬送路11を通ってプロセス部5に搬送され、印刷部10の各構成要素によって印刷される。
図2中では、搬送路11を一点鎖線で示している。また、搬送路11中には、用紙Sを搬送する搬送ローラ74、75が設けられており、給紙トレイ51から給紙された用紙Sを印刷部10に搬送し、印刷部10によって印刷された後に装置本体2外の操作パネル40下部である排紙トレイ13に排出する。なお、搬送路11は、給紙トレイ51から搬送ローラ75によって搬送を終了する位置まで延びている。
読取装置の構成について説明する。
読取装置100は、原稿載置部3(原稿保持部の一例)と、原稿カバー4と、画像読取部6(画像読取部、画像処理部の一例)と、を主に備えている。
原稿載置部3は、図1に示すように、装置本体2の上面に設けられた平面部分であって、前後方向に沿って図示しない原稿を保持可能になっており、ユーザによって載置された原稿を保持する。原稿載置部3は、ガラス板等の透明の部材等によって構成される。
原稿カバー4は、装置本体2にヒンジ部4Aを介して設けられており、ヒンジ部4Aを中心として装置本体2に対して上下方向に回動することで、原稿載置部3に対して、図1のように原稿載置部3を開放する位置である開位置および、原稿載置部3を塞ぐ位置である閉位置に変位可能となっている。
画像読取部6は、読取デバイス21と、読取デバイス21を後述のように移動させるモータ23及びベルト機構部25と、を備えている。
読取デバイス21は、原稿載置部3の下部(すなわちガラス板等の透明の部材の下部)において、左右方向(副走査方向)に移動可能に収容されている。この読取デバイス21は、ベルト機構部25が備える一対のプーリ25aに巻回されたベルト25bに固定されており、モータ23によって回転駆動されるベルト25bと共に、左右方向に移動する。
読取デバイス21は、左右方向に直交する前後方向に沿って光源と複数の受光素子とを備えた周知のカラーCISである。
この画像読取部6により、原稿載置部3上の原稿の画像の読取が可能になっている。
前後方向に沿って原稿載置部3上に載置された原稿は、1ライン読み取り可能な読取デバイス21の左右方向の移動によって、画像を順次読み取られる。読み取り後、複合機1は、所定のメモリ等へ読取ったデータの格納等を行う。
原稿検出センサ69(図9)は、原稿載置部3の下部に設けられた光学式センサであって、原稿載置部3上の原稿の有無を検知するためのセンサである。
操作パネルの構成について説明する。
操作パネル40は、装置本体2の上方であって、読取装置100の前方面に位置しており、ディスプレイ41と、スタートキー、ストップキー、テンキー等から構成されるボタン群42とを備えている。
ディスプレイ41は、操作パネル40の中心に設けられ、後述の読取中画面90b(図6(b))や、用紙設定画面45(図4)等、複合機1の動作状況等を表示する。
ディスプレイ41は、画面を複数表示可能である。複数個の画面は、重ねて表示される。以下、複数個の画面の、最前面に表示される画面を、アクティブ状態であると表現する。
ボタン群42は、操作パネル40の右部に設けられ、ユーザによる各種入力操作を受付けるのに用いられる。
ボタン群42がユーザによって操作されると、複合機1は、アクティブ状態の画面に対する操作として受付ける。
この操作パネル40により複合機1の動作状況の表示やユーザによる入力操作が可能になっている。ユーザによる入力操作とは、例えば、スタートキーの押下による印刷部10に印刷を開始させる指示である開始指示や、ストップキーの押下による開始した印刷の中止指示の他、各給紙トレイ51に供給される用紙Sの種類に関する設定の入力等である。他にも、読取機能、コピー機能等の切り替えは、ボタン群42のテンキーの操作によって行われる。すなわち図5に示すように、各機能には対応して数字が割り当てられており、操作のあったテンキーの数字に対応する機能が選択される構成である。なお、ディスプレイ41は本発明の表示部の一例であり、ボタン群42は本発明の入力部の一例であり、用紙設定画面45は、本発明の挿抜される部材に関する設定画面の一例である。また、後述の読取中画面90b(図6(b))や、用紙設定画面45(図4)等を表示する処理は、表示処理の一例である。また、ボタン群42に対する操作を、アクティブ状態で表示中の画面に対する操作として受付ける処理は、受付処理の一例である。
次に、各種機能について説明する。
以下、複合機1が実行する各種機能として、印刷機能、読取機能、コピー機能について図4を参照しつつ、より具体的に説明を行う。
図4は、ディスプレイ41に表示される用紙設定画面45の例を示す概略的な図である。
まず、複合機1は電源ON等されると、操作パネル40にメインメニュー画面89(図5)をアクティブ状態で表示する。メインメニュー画面89には、読取機能、コピー機能の他、各種設定等のメニューが表示されており、ユーザのボタン群42の押下によって各メニューが選択可能となっている。なお、各種設定メニューをユーザが選択すると、ディスプレイ41の明るさ調整や時刻設定等の複合機1全体に係る設定が可能である。以下、メインメニュー画面89からの操作によって遷移する画面は、後述の用紙設定画面45が表示されない限り、アクティブ状態で表示されるものとする。
まず、印刷機能について説明を行う。
印刷機能は、読取装置100を用いずに、印刷装置110によって印刷を行う機能である。より具体的には、外部のコンピュータや、メディア等の画像を印刷する機能である。
印刷機能は、ユーザのボタン群42の押下による、メインメニュー画面89がアクティブ状態で表示中の状態からの印刷機能メニューの選択操作のほか、印刷データ及び設定を受信することや、メディアが複合機1に接続されること等によって選択される。
印刷機能が選択されると、必要に応じてユーザのボタン群42の押下等によってユーザから印刷に関する設定操作を受け付けた後、印刷部10を動作させ、受信した印刷データやメディア内に保存された画像等の印刷を行う。
なお、ユーザのボタン群42の押下によって印刷が中止されると、複合機1は、印刷部10の動作を停止し、印刷中の用紙Sを排紙し、印刷機能を終了する。
次に、読取機能について説明を行う。
読取機能は、原稿載置部3に保持された原稿を読み取る機能である。
読取機能は、ユーザのボタン群42の押下によってメインメニュー画面89のアクティブ状態での表示中に読取機能メニューを選択されることにより開始される。
ユーザがボタン群42の押下によって読取機能メニューを選択後、複合機1は、例えば、読取解像度、カラー若しくはモノクロ読取の切り替え、読取サイズ等の読取を行う条件をユーザに設定させる。そしてボタン群42の押下によってユーザから設定完了及び読取動作の開始指示を受付けた後、原稿検出センサ69によって原稿載置部3上の原稿を検出した場合には、原稿載置部3に保持された原稿の読取が行われる。原稿検出センサ69によって原稿載置部3上に原稿を検出しない場合には、原稿載置部3上に原稿を検出するまで、読取の実行を待機する。
原稿の読取後は、複合機1は、読み取った画像のデータを所定のメモリに保存する等し、読取機能を終了する。一方、ユーザのボタン群42の押下によって読取が中止されると、途中まで読み取った原稿のデータを破棄し、読取機能を終了する。
最後に、コピー機能について説明を行う。
コピー機能は画像読取部6によって読み取った原稿の画像を、給紙トレイ51に保持された用紙S上に印刷部10によって印刷を行う機能である。
ユーザがボタン群42の押下によってメインメニュー画面89のアクティブ状態での表示中にコピー機能を選択すると、複合機1は、まず、コピー部数や、片面若しくは両面印刷を選択可能な印刷面数、1面あたりの割り付け数等をユーザに設定させる。そしてボタン群42の押下によってユーザから設定完了及びコピーの開始指示を受付けると、原稿検出センサ69によって原稿載置部3上の原稿を検出した場合には、原稿載置部3に保持された原稿の読取が行われ、印刷部10の動作によって読み取った画像のコピーが行われる。原稿検出センサ69によって原稿載置部3上に原稿を検出しない場合には、原稿載置部3上に原稿を検出するまで、読取の実行を待機する。
なお、ユーザのボタン群42の押下によって、コピー動作が中止されると、複合機1は、画像読取部6及び印刷部10の動作を停止し、読み取った原稿のデータを破棄、印刷中であった用紙Sを排紙し、コピー機能を終了する。
以下、複合機1がディスプレイ41に表示する表示画面について、図5〜図8を参照しつつ、より具体的に説明を行う。
まず用紙設定画面45について、図4を用いてより詳しく説明を行う。
用紙設定画面45は、給紙トレイ51に保持される用紙Sの種類(サイズ、タイプ等)について設定を行うための表示画面である。複合機1は、給紙トレイ51に載置される用紙Sの種類を検知するセンサ等を備えていないため、給紙トレイ51に新たな用紙Sが補充された場合、ユーザは、給紙トレイ51に保持する用紙Sの種類について設定を行う必要がある。この設定が行われないと、複合機1の認識する給紙トレイ51内の用紙Sの種類と、給紙トレイ51内の実際の用紙Sの種類とにずれが生じ、給紙を行った場合のJAMの発生等、問題が起きる可能性がある。
用紙設定画面45は、給紙トレイ51が装置本体2に対して抜き出されたとき、用紙Sが補充される、すなわち、用紙Sの種類が変更される可能性があるとして、アクティブ状態で表示される。なお、それまで最前面に表示されていた画面すなわちアクティブ状態であった画面は、用紙設定画面45の背面に表示される。すなわちアクティブ状態でなくなる。これは、給紙トレイ51に保持される用紙Sの種類の設定を確実にユーザに促すためである。
用紙設定画面45は、図4に示すように、給紙トレイ51が新たに保持する用紙Sの種類の設定画面である。なお、用紙Sの種類としては、例えば、A4、はがき等の用紙Sのサイズや、普通紙、光沢紙等の用紙Sのタイプがある。ユーザはボタン群42を押下することにより、用紙設定画面45に表示される用紙Sの種類を変更することができる。そして、ユーザが設定ボタン45iを、対応するボタン群42によって押下することにより選択すると、設定ボタン45iを選択された時点で用紙設定画面45に表示されている用紙Sの種類が、給紙トレイ51が新たに保持する用紙Sの種類として、設定される。
設定が完了すると、用紙設定画面45は消去される。また、ユーザは消去ボタン45jを、ボタン群42によって押下することにより選択すると、給紙トレイ51を抜き出す前の設定が、給紙トレイ51に保持されている用紙Sの種類の設定として維持され、用紙設定画面45は消去される。すなわち、設定を変更せずに用紙設定画面45をディスプレイ41から消去することができる。
なお、用紙設定画面45を新たに最前面に表示し、それまで最前面に表示されていた画面を背面に表示する処理は、画面変更処理の一例である。
続いて、上述の各機能の設定中にディスプレイ41に表示される画面について、図5〜図8を用いてより詳しく説明を行う。
本実施形態においては、各機能の設定中に表示される画面として、読取を行う条件をユーザが設定することが可能な読取設定画面90a(図6(a))や、読取設定画面90aの設定項目に加えて、コピー部数や、片面若しくは両面印刷を選択可能な印刷面数、1面あたりの割り付け数等の設定が可能なコピー設定画面92a(図7(a))がある。
読取設定画面90aは、メインメニュー画面89のアクティブ状態での表示中において、ユーザのボタン群42の押下によって読取機能メニューが選択された場合に、メインメニュー画面89に代わって表示される。
読取設定画面90aには、例えば、読取解像度、カラー若しくはモノクロ読取の切り替え、読取サイズ等の読取を行う際の各種設定項目が表示される。
読取設定画面90aのアクティブ状態での表示中においては、ユーザはボタン群42の操作により、例えば、読取解像度、カラー若しくはモノクロ読取の切り替え、読取サイズ等の選択が可能である。また、読取設定画面90aの表示中においては、ユーザはボタン群42のスタートキーを押下することにより、読取内容の設定を、読取設定画面90aに表示された内容で設定完了する指示と、設定完了した内容での読取の開始指示とを、同時に行うことが可能である。
コピー設定画面92aは、メインメニュー画面89のアクティブ状態での表示中に、ユーザのボタン群42の押下によってコピー機能が選択されると、メインメニュー画面89に代わって表示される。
コピー設定画面92aには、コピーを行う条件の各種項目が表示される。より具体的には、上述の読取設定画面90aの設定項目に加えて、コピー部数や、片面若しくは両面印刷を選択可能な印刷面数、1面あたりの割り付け数等、印刷に関する設定項目が表示される。
コピー設定画面92aのアクティブ状態での表示中においては、ユーザはボタン群42の操作により、上述の読取設定画面90aでの設定項目に加えて、印刷に関する設定項目の選択が選択可能である。また、コピー設定画面92aのアクティブ状態での表示中においては、ユーザはボタン群42のスタートキーを押下することにより、コピー内容の設定をコピー設定画面92aに表示された内容で設定完了する指示と、設定完了した内容でのコピーの開始指示とを、同時に行うことが可能である。
印刷設定画面94a、読取設定画面90a、コピー設定画面92aは、本発明の、画像処理部によるジョブの内容の設定画面の一例である。
続いて、各種機能の動作中にディスプレイ41に表示される画面について、図6〜図8を用いてより詳しく説明を行う。
各種機能の動作中にディスプレイ41に表示される画面として、本実施形態においては、印刷中画面94b(図8)、読取中画面90b(図6(b))、コピー中画面92b(図7(b))がある。
印刷中画面94bは、印刷機能において、設定付きの印刷データの受信や、印刷に関する設定画面がアクティブ状態で表示中におけるボタン群42のスタートキーの押下によって表示される。
印刷中画面94bには、印刷中である旨と、印刷中止を受付可能な旨が表示される。
印刷中画面94bのアクティブ状態での表示中においては、ユーザは、ボタン群42のストップキーの押下により、印刷部10の動作を中止させる印刷中止指示を行うことが可能である。
印刷部10の動作を中止させる印刷中止指示の受付あるいは、印刷部10の動作が完了すると、ディスプレイ41の表示は、印刷中画面94bからメインメニュー画面89に切り替わる。
読取中画面90bは、読取機能において、読取設定画面90aのアクティブ状態での表示中に、ボタン群42のスタートキーを押下され、かつ、原稿検知センサ69によって、原稿が原稿載置部3上に有ることを検知した場合に、表示される。
読取中画面90bの表示中には、読取中である旨と、読取中止を受付可能な旨が表示される。
読取中画面90bアクティブ状態での表示中においては、ユーザは、ボタン群42のストップキーの押下により、画像読取部6の動作を中止させる読取中止指示を行うことが可能である。
画像読取部6の読取を中止させる読取中止指示の受付あるいは、画像読取部6の動作が完了すると、ディスプレイ41の表示は、読取中画面90bからメインメニュー画面89に切り替わる。
コピー中画面92bは、コピー機能において、コピー設定画面90bのアクティブ状態での表示中に、ボタン群42のスタートキーを押下され、かつ、原稿検知センサ69によって、原稿が原稿載置部3上に有ることを検知した場合に、表示される。
コピー中画面92bの表示中には、コピー中である旨と、コピー中止を受付可能な旨が表示される。
コピー中画面92bのアクティブ状態での表示中においては、ユーザは、ボタン群42のストップキーの押下により、画像読取部6及び印刷部10の動作を中止させるコピー中止指示を行うことが可能である。
画像読取部6及び印刷部10の動作を中止させるコピー中止指示の受付あるいは、画像読取部6及び印刷部10の動作が完了すると、ディスプレイ41の表示は、コピー中画面92bからメインメニュー画面89に切り替わる。
なお、読取設定画面90aのアクティブ状態での表示中あるいはコピー設定画面92aのアクティブ状態での表示中に、ボタン群42のスタートキーを押下されたが、原稿検出センサ69によって原稿載置部3上に原稿を検出しない場合には、原稿載置部3上に原稿を載置するよう促し、原稿載置部3上に原稿を検出するまで読取あるいはコピーの実行を待機する旨の画面をディスプレイ41に表示する。
印刷中画面94b、読取中画面90b、コピー中画面92bは、本発明の、画像処理部によって実行中のジョブの制御画面の一例である。
続いて、複合機1の電気的構成について説明する。
図9は、複合機1の電気的構成を概略的に示すブロック図である。複合機1は、図9に示すように、CPU31(制御部の一例)と、ROM32と、RAM33と、不揮発性記憶部34と、画像読取部6と、印刷部10と、操作パネル40と、ネットワークインターフェース(以下、ネットワークI/Fと称す)37と、USBインターフェース(以下、USB I/Fと称す)38と、検知部60と、モータ23と、を主に備えている。
ROM32には、複合機1を制御するための各種制御プログラムや各種設定、初期値等が記憶されている。
RAM33は、各種制御プログラムが読み出される作業領域として、あるいは、データを一時的に記憶する記憶領域として利用される。CPU31は、ROM32から読み出した制御プログラムに従って、その処理結果をRAM33または不揮発性記憶部34に記憶させながら、複合機1の各構成要素を制御する。RAM33には特に、後に詳述の画面表示フラグ67が記憶されている。また、RAM33には、現在アクティブ状態で表示中の画面が上述の画面のいずれであるかを格納するステータスパラメータが記憶されており、CPU31は、このステータスパラメータを参照することで、現在操作パネル40にどの画面がアクティブ状態で表示されているか判断することが出来る。
画像読取部6は、CPU31によって制御されて、原稿載置部3に載置された原稿の画像を読み取る。そして読み取った画像に応じた読取データを生成する。
印刷部10は、CPU31によって、プロセス部5や搬送ベルト7、定着部8等が制御されることにより給紙トレイ51から給紙された用紙Sに対して印刷を行う。
操作パネル40は、CPU31によって、図1に示すディスプレイ41への動作状況等の表示を制御される。また、ユーザのボタン群42の押下による入力操作に応じた信号をCPU31に伝達する。CPU31は、伝達された信号を、ディスプレイ41にアクティブ状態で表示中の画面に対する操作指示として受け付ける。
ネットワークI/F37及びUSB I/F38は、通信回線或いはUSBケーブル等を介して外部のコンピュータ(図示しない)、メディア(図示しない)等に接続され、相互のデータ通信が可能となっており、例えば印刷部10に印刷を行わせる印刷指示の受付や、印刷を行う画像データの受信等を行う。なお、ネットワークI/F37及びUSB I/F38以外のインターフェースを備えてもよい。例えば、SDカード等に対応したインターフェースを備えていてもよい。
検知部60は、挿抜センサ61と、原稿検出センサ69と、を備えている。
挿抜センサ61は、給紙トレイ51に向けて発光し、給紙トレイ51との前後方向の距離に応じて変化する反射光の、ある閾値に対する強弱に応じて、2通りの信号をCPU31に伝達する。特に、給紙トレイ51が抜出状態か、挿入状態かに応じた2通りの信号をCPU31に伝達する。なお、抜出状態とは、給紙トレイ51が装置本体2から一部または全て抜き出されている状態であり、反射光は、ある閾値よりも弱くなる。一方、挿入状態とは、装置本体2に挿入され全てが装置本体2内に収容されている状態であり、反射光は、ある閾値よりも強くなるものとする。
なお、挿抜センサ61は、上記のような構成に限られず、給紙トレイ51の挿抜に応じて異なる信号を伝達する構成であればなんでも良い。
原稿検出センサ69は、原稿載置部3の、原稿が載置される透明な部材上に向けて発光し、反射光の明度によって原稿載置部3上の原稿の有無に応じた2通りの信号をCPU31に伝達する。
モータ23はCPU31によって制御されて、ベルト機構部25に動力を伝達する。
以下、画面表示フラグ67について、より詳しく説明を行う。
画面表示フラグ67は、用紙設定画面45を表示する必要があるか否かを区別するためのものである。
CPU31は、本実施形態では、挿抜センサ61の信号が挿入状態から抜出状態に変化した場合に、画面表示フラグ67に「1」を格納する。すなわち、用紙設定画面45の表示を行う必要がある場合に、画面表示フラグ67に「1」を格納する。なお、画面表示フラグ67に「1」を格納した後用紙設定画面45を表示した場合等、用紙設定画面45の表示を行う必要がなくなった場合には、「0」を画面表示フラグ67に格納する。
画面表示フラグ67は、後に詳述の設定画面表示処理において、用紙設定画面45を表示する必要があるか否かをCPU31が判断する場合に用いられる。
なお、挿抜センサ61の信号が抜出状態から挿入状態に変化した場合に、画面表示フラグ67に「1」を格納する構成等であってもよい。すなわち、CPU31が画面表示フラグ67に「1」を格納する場合とは、給紙トレイ51について用紙Sの種類が変更された可能性のある状況であることを検知した場合であれば何でも良い。なお、センサについても、挿抜センサ61でなくてもよい。給紙トレイ51の用紙Sの種類が変更された可能性があることを検知するためのセンサであれば何でもよい。
上述のように、挿抜センサ61から出力される信号によって、給紙トレイ51の挿抜状態の変化を検知する処理は、検知処理の一例である。
以下、複合機1の、操作パネル40への用紙設定画面45の表示を制御する設定画面表示機能に係る設定画面表示処理について、図10を参照しつつ説明する。
図10は複合機1が行う設定画面表示処理のフローチャートである。
設定画面表示処理は、複合機1の電源がONされると、CPU31により実行される。
設定画面表示処理が開始されると、まずCPU31は、画面表示フラグ67に「0」を格納することにより、複合機1の電源ONによる、フラグの初期化を行う(S95)。
そして、CPU31は、画面表示フラグ67に、「1」が格納されているか否かを判断することによって、給紙トレイ51が抜出状態に変化したことにより用紙設定画面45Aの表示を行うべきであるか否かを判断する(S100)。画面表示フラグ67Aに、「1」が格納されていると判断することによって、給紙トレイ51が抜出状態に変化したことにより用紙設定画面45の表示を行うべきであると判断するまで(S100:NO)、S100の処理を繰り返し行う。
画面表示フラグ67に「1」が格納されているとして、給紙トレイ51が抜出状態に変化したことにより、用紙設定画面45の表示を行うべきであると判断する場合(S100:YES)、CPU31は、読取中画面90b、コピー中画面92b、印刷中画面94bのいずれか1つの画面がアクティブ状態で表示中であるか否かを判断することにより、印刷部10もしくは画像読取部6が動作中であるか否かを判断する(S105)。
読取中画面90b、コピー中画面92b、印刷中画面94bのいずれか1つの画面がアクティブ状態で表示中であると判断することにより、印刷部10もしくは画像読取部6が動作中であると判断する場合(S105:YES)、CPU31は、表示中の、読取中画面90b、コピー中画面92b、印刷中画面94bのいずれか1つの画面の表示が終了し、メインメニュー画面89が表示されたか否かを判断することにより、印刷部10や画像読取部6の動作が終了したか否かを判断する(S110)。表示中の、読取中画面90b、コピー中画面92b、印刷中画面94bのいずれか1つの画面の表示が終了し、メインメニュー画面89が表示されたと判断することにより、印刷部10もしくは画像読取部6の動作が終了したと判断するまで(S110:NO)、S110の判断を行う。
表示中の、読取中画面90b、コピー中画面92b、印刷中画面94bのいずれか1つの画面の表示が終了し、メインメニュー画面89が表示されたと判断することにより、印刷部10もしくは画像読取部6の動作が終了したと判断する場合(S110:YES)、CPU31は、給紙トレイ51Aに対応する用紙設定画面45の操作パネル40へのアクティブ状態での表示を開始する(S115)。そして、画面表示フラグ67の値を「0」に変更し、S100の処理へ移行する。なお、S115で表示を開始した用紙設定画面45は、前述のように、ユーザによるボタン群42の押下によって設定ボタン45iあるいは消去ボタン45jを操作されることにより、ディスプレイ41上から消去される。
一方、読取中画面90b、コピー中画面92b、印刷中画面94bのすべての画面がアクティブ状態で表示中でないと判断することにより、印刷部10及び画像読取部6が動作中でないと判断する場合(S105:NO)、CPU31は、メインメニュー画面89がアクティブ状態で表示中であるか否かを判断することにより、装置の使用開始を待機中であるか否かを判断する(S120)。
メインメニュー画面89がアクティブ状態で表示中であると判断することにより、装置の使用開始を待機中であると判断する場合(S120:YES)、CPU31は、給紙トレイ51に対応する用紙設定画面45の操作パネル40への表示を開始する(S115)。そして、画面表示フラグ67の値を「0」に変更し、S100の処理へ移行する。
メインメニュー画面89がアクティブ状態で表示中でないと判断することにより、装置の使用開始を待機中でないと判断する場合(S120:NO)、CPU31は、画面表示フラグ67の値を「0」に変更し、S100の処理へ移行する。
CPU31は、給紙トレイ51が抜出状態に変化したことにより、用紙設定画面45の表示を行うべきであると判断する場合(S100:YES)に、印刷、コピー、読取のいずれかの実行中であって、動作の制御画面がアクティブ状態であると判断する場合(S105:YES)、実行中の印刷、コピー、読取のいずれかの動作が終了したと判断するまで用紙設定画面45の表示を行わない(S110、S115)。一方、印刷、コピー、読取のいずれかの実行中でないと判断し、装置が使用されるのを待機する画面がアクティブ状態であると判断する場合(S105:NO、S120:YES)は、CPU31は、給紙トレイ51に対応する用紙設定画面45の操作パネル40への表示を開始する(S115)。このように、印刷、コピー、読取等の動作中は、用紙設定画面45の表示を行わないよう制御することによって、印刷、コピー、読取等の動作を制御、特に、中止させる指示を妨げない、すなわち、制限しない一連の処理は、変更制限処理の一例である。
なお複合機1が読み取った原稿の画像データを外部に送信するファクシミリ機能を備える場合には、S105の処理において、ユーザからファックス送信を中止させる指示が可能な画面のアクティブ状態での表示中か否かを判断して、ファックス送信を中止させる指示が可能な画面のアクティブ状態での表示中である場合には、その表示が終了してから用紙設定画面45を表示する構成であってもよい。
なお、S110において印刷部10や画像読取部6の動作が終了したか否か、すなわち、用紙設定画面45の表示を行わない期間が終了したか否かを判断する方法は、表示中の画面がメインメニュー画面89に変化したことによって判断する方法に限られない。例えば、現在の複合機1の動作状態を記憶するステータスパラメータをRAM33に有し、複合機1の動作状態が、印刷中、読取中、コピー中のいずれでもなくなったことによって判断する方法等であってもよい。
<作用効果>
本実施例によれば、印刷部10や画像読取部6によるコピー、読取、印刷等の実行中は、用紙設定画面45を表示し給紙トレイ51に新たに補充される用紙Sの種類に関する設定を受け付ける処理によって、コピー、読取、印刷等の実行を制御する指示、特に中止する指示の受け付けを制限しない。したがって、コピー、読取、印刷等の実行を制御する指示を行うユーザの操作を妨げる可能性を低減することができる。したがって、コピー、読取、印刷等の適切な実行や中止を妨げる可能性を低減できる。
また、印刷部10や画像読取部6によるコピー、読取、印刷等の実行中は、用紙設定画面45を表示せず、給紙トレイ51に新たに補充される用紙Sの種類に関する設定を受け付ける処理を行わないことによって、コピー、読取、印刷等の実行を制御する指示の受け付けを制限しないことができる。
また、コピー、読取、印刷等の適切な実行を妨げる可能性を低減できるとともに、給紙トレイ51に新たに補充される用紙Sの種類に関する設定をユーザに促すことができる。
(第2実施例)
次に図11を参照しつつ、第2実施例を説明する。なお記載の無い点については、第1実施例と同一であるとする。
図11は、次原稿確認画面96を表す概略図である。
第2実施例においては、複合機1は、読取機能において、原稿載置部3に載置された原稿の読み取り後、読取中画面90bの表示に代わって、次原稿確認画面96を表示する。
次原稿確認画面96には、直前に読取っていた原稿(第1の原稿の一例)の次に読み取りたい原稿(第2の原稿の一例)の有無についてユーザに確認や原稿の交換を促す情報が表示されている。
次原稿確認画面96のアクティブ状態での表示中において、複合機1は、直前に読取っていた原稿の次に読み取りたい原稿が有り且つ交換を行ったか、あるいは、次に読み取りたい原稿が無い、のいずれかの指示を、ユーザのボタン群42のテンキーの操作を通して受付可能である。
次原稿確認画面96の表示中において、直前に読取っていた原稿の次に読み取りたい原稿が有り且つ交換を行ったとユーザからボタン群42のテンキーの操作を通して指示を受け付けた場合、複合機1は、次原稿確認画面96に代わって再び読取中画面90bをディスプレイ41に表示する。そして、交換され原稿載置部3に新たに載置された原稿の読取を開始する。
一方、次原稿確認画面96のアクティブ状態での表示中において、直前に読取っていた原稿の次に読み取りたい原稿が無いと、ユーザからボタン群42のテンキーの操作を通して指示を受け付けた場合、複合機1は、それまでに読み取った画像を所定のメモリ等に保存し、次原稿確認画面96に代わってメインメニュー画面89を表示し、読取機能を終了する。
なお、次原稿確認画面96のアクティブ状態での表示中において、一定時間指示を受け付けない場合には、複合機1は、次原稿確認画面96の表示を消去し、それまでに読み取った画像を所定のメモリ等に保存し、次原稿確認画面96に代わってメインメニュー画面89を表示し、読取機能を終了する。
上記は、読取機能に限らず、読み取りが行われるコピー機能においても同様である。すなわち、原稿載置部3に載置された原稿の読み取り後、コピー中画面92bの表示に代わって、次原稿確認画面96を表示する。なお、第2実施例においては読取設定画面90aもしくはコピー設定画面92aのアクティブ状態での表示中に、読取面の設定項目で両面が設定された場合と、コピー設定画面92aの表示中に割り付け数の設定項目で1枚のシートSに複数の原稿の画像を割り付ける印刷が設定された場合の読取動作時には、原稿載置部3に載置された原稿の読み取り後、次原稿確認画面96を表示するものとする。なお、次原稿確認画面96を表示する場合とは上記の例に限られず、複数枚の原稿を読み取る可能性のある場合であれば何でも良い。
複合機1が、直前に読取った原稿の次に読み取りたい原稿があり、原稿の交換を行ったとユーザから操作パネル40の操作を通して指示を受け付けた場合、新たに載置された原稿の読取を行う。
以上の構成をふまえ、第2実施例においては、S105とS110の処理が第1実施例とは異なる。
第2実施例においては、画面表示フラグ67に「1」が格納されているとして、給紙トレイ51が抜出状態に変化したことにより、用紙設定画面45の表示を行うべきであると判断する場合(S100:YES)、CPU31は、次原稿確認画面96のアクティブ状態での表示中であるか否かを判断することにより、次に読み取りたい原稿の交換状態をユーザに確認して再び読取を行う読取機能もしくはコピー機能が動作中であるか否かを判断する(S105)。
次原稿確認画面96のアクティブ状態での表示中であると判断することにより、次に読み取りたい原稿の交換状態をユーザに確認して再び読取を行う読取機能もしくはコピー機能が動作中であると判断する場合(S105:YES)、CPU31は、読取機能もしくはコピー機能が終了し、メインメニュー画面89が表示されたか否かを判断することにより、印刷部10や画像読取部6の動作が終了したか否かを判断する(S110)。メインメニュー画面89が表示されたと判断することにより、印刷部10や画像読取部6の動作が終了したと判断するまで(S110:NO)、S110の判断を行う。
CPU31は、給紙トレイ51が抜出状態に変化したことにより、用紙設定画面45の表示を行うべきであると判断する場合(S100:YES)に、次に読み取りたい原稿の有無をユーザに確認して再び読取を行う読取もしくはコピーが実行中であって、次に読み取りたい原稿の有無をユーザに確認する画面がアクティブ状態であると判断する場合(S105:YES)、次に読み取りたい原稿の有無をユーザに確認して再び読取を行う読取もしくはコピーの実行が終了したと判断するまで用紙設定画面45の表示を行わない(S110、S115)。一方、次に読み取りたい原稿の有無をユーザに確認する画面がアクティブ状態で表示されていないと判断し、装置が使用されるのを待機する画面がアクティブ状態であると判断する場合(S105:NO、S120:YES)は、CPU31は、給紙トレイ51に対応する用紙設定画面45の操作パネル40への表示を開始する(S115)。このように、次に読み取りたい原稿の有無をユーザに確認する画面がアクティブ状態である場合は用紙設定画面45の表示を行わないことによって用紙Sの種類を設定する指示を受付けないことにより、次に読み取りたい原稿の有無の指示を妨げない、すなわち、制限しない一連の処理は、変更制限処理の一例である。
<作用効果>
本発明によれば、次に読み取りたい原稿の有無が存在する指示をユーザから受け付ける処理を行う読取もしくはコピーの実行中は、用紙設定画面45を表示し給紙トレイ51に新たに補充される用紙Sの種類に関する設定を受け付ける処理によって、次に読み取りたい原稿の有無が存在する指示の受け付けを制限しない。したがって、特に、次に読み取りたい原稿の読取を行う、すなわち読取を継続させる指示を行うユーザの操作を妨げる可能性を低減することができる。したがって、コピー、読取等の適切な継続を妨げる可能性を低減できる。
(第3実施例)
次に図12を参照しつつ、第3実施例を説明する。なお記載の無い点については、第1実施例と同一であるとする。
図12は、複合機1が行う、第1実施例とは異なる設定画面表示処理のフローチャートである。
第3実施例においては、S95と同様の、画面表示フラグ67の初期化(S495)の後、S100と同様の、用紙設定画面45の表示を行うべきであるか否かの判断処理(S500)において、用紙設定画面45の表示を行うべきであると判断された(S500:YES)後の処理が、第1実施例と異なる。
第3実施例において、用紙設定画面45の表示を行うべきであると判断された場合(S500:YES)、CPU31は、読取設定画面90a、コピー設定画面92a、印刷設定画面94aのいずれか1つの画面のアクティブ状態での表示中であるか否かを判断することにより、印刷部10や画像読取部6の動作の設定中か否かを判断する(S505)。
読取設定画面90a、コピー設定画面92a、印刷設定画面94aのいずれか1つの画面のアクティブ状態での表示中であると判断することにより、印刷部10や画像読取部6の動作の設定中であると判断する場合(S505:YES)、CPU31は、用紙設定画面45の表示を行わず、給紙トレイ51に載置されている用紙Sの種類を、前回設定された種類(現行の設定の一例)から変更がないものとする(S510)。すなわち例えばA4サイズの用紙Sが載置されていた場合に、給紙トレイ51Aの抜出があった場合には、新たに載置される用紙SをA4サイズであるとする。なお、S510の処理は、給紙トレイ51Aに載置されている用紙Sの種類を、不定とする処理であってもよい。この場合例えば、搬送路11中に用紙Sの用紙サイズを検知するセンサ等を設け、給紙を行うことにより、用紙の種類を設定するなどが考えられる。S510の処理後、用紙設定画面45の表示を行わないことから、画面表示フラグ67の値を「0」に変更し、S500の処理へ移行する。なお、用紙設定画面45Aの表示を行わないとは、用紙設定画面45の表示を制限する、あるいは禁止する、と読み替えられる。
一方、読取設定画面90a、コピー設定画面92a、印刷設定画面94aのすべての画面の表示中でないと判断することにより、印刷部10や画像読取部6の動作の設定中でないと判断する場合(S505:NO)、CPU31は、S105と同様の、読取中画面90b、コピー中画面92b、印刷中画面94bのいずれか1つの画面のアクティブ状態での表示中であるか否かを判断することにより、印刷部10もしくは画像読取部6が動作中であるか否かを判断する処理を行う(S515)。以下、S515、S520、S525、S530の処理は、それぞれ、S105、S110、S115、S120の処理と同様である。すなわち、印刷部10もしくは画像読取部6が動作中であると判断する場合には、印刷部10及び画像読取部6の動作が終了するまで、用紙設定画面45の表示を待機する。また、メインメニュー画面89がアクティブ状態で表示中、すなわち、装置の使用の開始の待機状態であると判断する場合には、用紙設定画面45を表示する。S525の処理終了後及びS530:NOの場合は、S115、S120と同様に、画面表示フラグ67Aの値を「0」に変更した後、S500の処理へ移行する。
なお複合機1が読み取った原稿の画像データを外部に送信するファクシミリ機能を備える場合には、S505の処理において、ユーザがファックス送信を開始させる指示が可能な画面のアクティブ状態での表示中か否かを判断して、ファックス送信を開始させる指示が可能な画面のアクティブ状態での表示中である場合には、用紙設定画面45を表示しないよう制御する構成であってもよい。
また、印刷部10もしくは画像読取部6が動作中であると判断する場合(S515:YES)には、印刷部10及び画像読取部6の動作が終了するまで用紙設定画面45の表示を待機する処理を行うのではなく、例えば、S510と同様に、用紙設定画面45の表示を行わず、トレイ51に載置されている用紙Sの種類を、前回設定された種類(現行の設定の一例)から変更がないとする処理を行ってもよい。
また、印刷部10や画像読取部6の動作の設定中であると判断する場合(S505:YES)には、用紙設定画面45の表示を行わず、トレイ51に載置されている用紙Sの種類を、前回設定された種類(現行の設定の一例)から変更がないとする処理を行うのではなく、例えば、S520、S525と同様に、動作の設定が終了してさらに動作が終了するまで用紙設定画面45の表示を待機する処理を行ってもよい。
CPU31は、給紙トレイ51Aが抜出状態に変化したことにより、用紙設定画面45の表示を行うべきであると判断する場合(S500:YES)に、印刷、コピー、読取等の動作の設定中であると判断する場合(S505:YES)、用紙設定画面45の表示を行わず、給紙トレイ51Aに載置されている用紙Sの種類を、前回設定された種類から変更がないものとする(S510)。また、印刷、コピー、読取等の動作中であると判断する場合(S515:YES)、印刷部10もしくは読取部5の動作が終了してから用紙設定画面45の表示を行う(S520、S525)。また、装置の使用の開始の待機状態であると判断する場合(S530;YES)、用紙設定画面45の表示を行う(S525)。このように、印刷、コピー、読取等の動作中及び動作の設定中は、用紙設定画面45の表示を行わないことによって、印刷、コピー、読取等の動作を制御する指示及び動作を設定する指示を妨げない、すなわち、制限しない一連の処理は、変更制限処理の一例である。
<作用効果>
本発明によれば、印刷部10や画像読取部6によるコピー、読取、印刷等の内容についての設定中においても、用紙設定画面45を表示し給紙トレイ51に新たに補充される用紙Sの種類に関する設定を受け付ける処理によって、コピー、読取、印刷等の内容についての設定指示の受け付けを制限しない。したがって、印刷部10や画像読取部6によるコピー、読取、印刷等の実行を制御する指示及び内容についての設定指示を行うユーザの操作を妨げる可能性を低減することができる。したがって、コピー、読取、印刷等の適切な準備を含む実行を妨げる可能性を低減できる。
また、用紙設定画面45の表示を制限する期間の終了後も表示しない構成において、コピー、読取、印刷等の適切な実行を妨げる可能性を低減しつつ、給紙トレイ51に新たに補充される用紙Sの種類に関する設定を行うことができる。
(第4実施例)
次に図13を参照しつつ、第4実施例を説明する。なお記載の無い点については、第3実施例と同一であるとする。
図13は、プレヴュー画面97を表す概略図である。
第4実施例においては、原稿を読み取る際の流れが第3実施例とは異なり、1枚の原稿に対して2回読取動作を行うことで読取を行う。より具体的には、第4実施例において原稿を読み取る際には、複合機1は、まず、読取中画面90b、コピー中画面92b等のアクティブ状態での表示をしつつ原稿載置部3に載置された原稿の1回目の読取であるプレ読取を行う。次に、後に詳述のプレヴュー画面97に表示を切り替え、アクティブ状態としつつ、ユーザによって2回目の読取である本読取のための調整の操作を受け付ける。そして、読取中画面90b、コピー中画面92b等のアクティブ状態での表示しつつ、受け付けた調整内容を加味して原稿の本読取を行う。そして、本読取によって読取った画像のみを、所定のメモリ等に保存する。
プレヴュー画面97は、プレ読取を行った原稿の本読取を行うにあたって、読取条件の設定画面である。
プレヴュー画面97は、プレ読取の終了後、読取中画面90b、コピー中画面92b等に代わって表示される。
プレヴュー画面97には、プレ読取にて読み取った画像(ジョブの実行を行う対象に関する画像、1度読取った画像の一例)が表示される。また、本読取において採用される解像度等の設定項目が表示される。このような構成によってユーザは、プレ読取した結果の画像を参照しつつ、解像度等の設定を調整することが可能である。
プレヴュー画面97のアクティブ状態での表示中においては、ユーザからボタン群42の押下を受け付けることにより、本読取の際の各設定項目の設定を受付けることが可能である。
プレヴュー画面97のアクティブ状態での表示中において、ユーザからボタン群42のスタートキーの押下を受け付けると、本読取の際の各設定項目の設定を、プレヴュー画面97の表示内容で受付けるとともに、受け付けた設定内容で原稿の本読取が開始される。また、プレヴュー画面97に代わって、再び読取中画面90b、コピー中画面92b等が表示される。
第4実施例においては、S505においてアクティブ状態で表示中か否か判断される画面が、プレヴュー画面97である点が、第3実施例と異なる。
用紙設定画面45の表示を行うべきであると判断された場合(S500:YES)、CPU31は、プレヴュー画面97のアクティブ状態での表示中か否かを判断する(S505)。
プレヴュー画面97のアクティブ状態での表示中であると判断する場合(S505:YES)には、S510と同様、給紙トレイ51に載置されている用紙Sの種類を、前回設定された種類から変更しないものとする。
一方、プレヴュー画面97のアクティブ状態での表示中でないと判断する場合(S505:NO)には、CPU31は、S105と同様の、読取中画面90b、コピー中画面92b、印刷中画面94bのいずれか1つの画面のアクティブ状態での表示中であるか否かを判断することにより、印刷部10もしくは画像読取部6が動作中であるか否かを判断する処理を行う(S515)。
CPU31は、給紙トレイ51が抜出状態に変化したことにより、用紙設定画面45の表示を行うべきであると判断する場合(S500:YES)に、解像度等、本読取の読み取り条件の設定中であると判断する場合(S505:YES)、用紙設定画面45の表示を行わない(S510)。また、印刷、コピー、読取等の実行中であると判断する場合(S515:YES)、印刷、コピー、読取等の実行が終了してから用紙設定画面45の表示を行う(S520、S525)。また、装置の使用の開始の待機状態であると判断する場合(S530;YES)、用紙設定画面45の表示を行う(S525)。このように、原稿の画像を再度読み取る際の設定中、用紙設定画面45の表示を行わないことによって、印刷、コピー、読取等の実行動作を制御する指示及び本読取の読み取り条件を設定する指示を妨げない、すなわち、制限しない一連の処理は、変更制限処理の一例である。
<作用効果>
また、本読取の実行にあたって読み取りを行う条件の設定中においても、用紙設定画面45を表示し給紙トレイ51に新たに補充される用紙Sの種類に関する設定を受け付ける処理によって、本読取の実行にあたって読み取りを行う条件の設定指示の受け付けを制限しない。したがって、コピー、読取等の実行を制御する指示及び本読取の実行にあたって読み取りを行う条件の設定指示を行うユーザの操作を妨げる可能性を低減することができる。したがって、原稿を一度読み取った後再度読取を行うコピー、読取等の適切な実行を妨げる可能性を低減できる。
(第5実施例)
次に図14を参照しつつ、第5実施例を説明する。なお記載の無い点については、第3実施例と同一であるとする。
図14は、画像選択画面98を表す概略図である。
第5実施例においては、複合機1は、USB I/F38を介してメディアが接続されると、印刷機能を実行し、接続されたメディア中の画像を印刷する構成である。
USB I/F38を介してメディアが複合機1に接続されることにより印刷機能が開始されると、画像選択画面98がアクティブ状態で表示される。
画像選択画面98には、メディア中の印刷可能な画像の一覧が表示される。
画像選択画面98のアクティブ状態での表示中においては、複合機1は、ユーザのボタン群42の押下によって、印刷を行う画像を選択する操作を受け付け可能である。
画像選択画面98のアクティブ状態での表示中において、ユーザのボタン群42のスタートキーの押下を受け付けることによって、複合機1は、画像選択画面98に代わって印刷中画面94bを表示し、また、印刷部10の動作により、選択された画像の用紙Sへの印刷を開始する。
第5実施例においては、S505において表示中か否か判断される画面が、画像選択画面98である点が、第3実施例と異なる。
用紙設定画面45の表示を行うべきであると判断された場合(S500:YES)、CPU31は、画像選択画面98のアクティブ状態での表示中か否かを判断する(S505)。
画像選択画面98のアクティブ状態での表示中であると判断する場合(S505:YES)には、S510と同様、給紙トレイ51に供給されている用紙Sの種類を、前回設定された種類と同じ種類であるものとする。
一方、画像選択画面98のアクティブ状態での表示中でないと判断する場合(S505:NO)には、CPU31は、S105と同様の、読取中画面90b、コピー中画面92b、印刷中画面94bのいずれか1つの画面のアクティブ状態での表示中であるか否かを判断することにより、印刷部10もしくは画像読取部6が動作中であるか否かを判断する処理を行う(S515)。
CPU31は、給紙トレイ51が抜出状態に変化したことにより、用紙設定画面45の表示を行うべきであると判断する場合(S500:YES)に、印刷を行う画像の選択中であると判断する場合(S505:YES)、用紙設定画面45の表示を行わない(S510)。また、印刷、コピー、読取等の動作の実行中であると判断する場合(S515:YES)、印刷、コピー、読取等の動作の実行が終了してから用紙設定画面45の表示を行う(S520、S525)。また、装置の使用の開始の待機状態であると判断する場合(S530;YES)、用紙設定画面45の表示を行う(S525)。このように、印刷を行う画像の選択中、用紙設定画面45の表示を行わないことによって、印刷、コピー、読取等の動作の実行を制御する指示及び印刷を行う画像の選択指示を妨げない、すなわち、制限しない一連の処理は、変更制限処理の一例である。
<作用効果>
本発明によれば、用紙Sに印刷する画像の選択中においても、用紙設定画面45を表示し給紙トレイ51に新たに補充される用紙Sの種類に関する設定を受け付ける処理によって、用紙Sに印刷する画像の選択指示の受け付けを制限しない。したがって、コピー、読取、印刷等の実行を制御する指示及び用紙Sに印刷する画像の選択指示を行うユーザの操作を妨げる可能性を低減することができる。したがって、画像の選択を受け付けて行う印刷の適切な実行を妨げる可能性を低減できる。
(その他の実施例)
(1)上記実施例においては、画像処理装置は複合機1としたが、これに限られず、例えばインクジェットプリンタ等、印刷装置110のみを備えた装置であってもよい。
(2)上記実施例では1つのCPU31により処理を実行する構成であったが、複数のCPU31により処理を実行する構成や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのハード回路のみ、または、CPU31およびハード回路により処理を実行する構成でもよい。
(3)上記実施例においては、挿抜される部材の一例としての用紙Sの挿抜を、挿抜センサ61がCPU31に伝達する信号によって検知していたが、挿抜される部材と、センサは、用紙Sと、挿抜センサ61に限られない。例えば、用紙Sに画像を形成するためのトナー(記録材の一例)を収容したトナーカートリッジを装置本体2に対して挿抜される部材とし、装置本体2に設けられた、トナーカートリッジを収容する収容部のカバーの開閉を検知するセンサをセンサとして、CPU31に伝達する信号によって、トナーカートリッジの挿抜状態の変化を検知する構成であってもよい。この構成においては、例えばカバーが開状態であることにより、ユーザがトナーカートリッジの交換に関する動作を行っている可能性があるとして、トナーカートリッジの挿抜状態の変化が検知されると判断されるとする。そして、トナーカートリッジの挿抜状態の変化が検知されるとCPU31が判断した場合には、例えば、情報として「トナーを交換しましたか?」というメッセージを表示すると共に、ユーザからYES、NOのいずれかの選択指示を受け付ける画面を表示するものとする。このようにすれば、印刷部10や画像読取部6によるコピー、読取、印刷等の実行中は、印刷中画面94b、読取中画面90b、コピー中画面92b等がアクティブ状態で表示されているのに代わって「トナーを交換しましたか?」というメッセージをアクティブ状態で表示しユーザからYES、NOのいずれかの選択指示を受け付ける処理を行わない。すなわち、コピー、読取、印刷等の実行を制御する指示の受け付けを制限しない。したがって、コピー、読取、印刷等の実行を制御する指示を行うユーザの操作を妨げる可能性を低減することができる。なお、インクジェットプリンタ等においては、トナーカートリッジの代わりに、インクカートリッジでも良い。
(4)上記実施例においては、複合機1において、給紙トレイ51は、装置本体2に対して挿抜可能であったがこれに限られず、給紙トレイ51は、たとえば装置本体2の常に外部に設けられ用紙Sを保持可能なMPトレイであってもよい。MPトレイ51に積載された用紙Sは、装置本体2の外壁によって構成される開口から装置本体2内部へ給紙される。用紙設定画面45の表示が必要であるか否かの検知方法は、例えば、アクチュエータ等、用紙の有無を検知するセンサをMPトレイに設けたうえで、MPトレイ上の用紙Sの無しから有りへの変化を検知する方法が考えられる。また、給紙トレイ51は、ローラに用紙Sが突き当てられることにより先端のみを給紙することで用紙Sを保持する手差しトレイであってもよい。手差しトレイにおいては、例えばローラの手前にMPトレイと同様に用紙Sの有無を検知するセンサを設けることにより、用紙Sの無しから有りへの変化を検知することによって、用紙設定画面45の表示が必要であるか否かを検知する。なお、給紙トレイ51は複数個設けられていても良い。また、すべて同一種類のトレイでなくてもよい。
(5)上記実施例においては、ボタン群42の操作によってユーザからの指示を受付ける構成であったが、このようでなくてもよい。例えば、ディスプレイ41がタッチパネルとして機能する場合には、タッチパネルとしてのディスプレイ41の操作によってユーザからの指示を受付ける構成であってもよい。
(6)上記実施例においては、用紙設定画面45をアクティブ状態で表示することによって、他の表示画面における操作を妨げない制御として、表示を行わない制御を行っていたが、このようでなくてもよい。例えば、用紙設定画面45の表示は行うが、アクティブ状態で表示中の画面の背面に表示、すなわちアクティブでない状態で表示する等の制御であってもよい。
(7)上記実施例においては、用紙設定画面45を表示する場合として、メインメニュー画面89がアクティブ状態で表示中である場合を挙げたが、例えば、時計のみの画面をアクティブ状態で表示中である場合等でもよい。すなわち、装置の使用の開始を待機する画面のアクティブ状態での表示中であればなんでもよい。
(8)上記実施例においては、アクティブ状態を、複数画面を重ねて表示する構成において最前面に表示されている状態と定義していたが、このようでなくてもよい。例えば、複数画面を並列に表示する構成においては、グレーアウトしていない状態と定義してもよい。