JP6201330B2 - 透明両面接着性シート - Google Patents
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しかし、このような方法では、液状の接着樹脂組成物を充填する際の作業が煩雑で生産性に劣るばかりか、印刷隠蔽層に隠蔽される部分など、紫外線の到達し難い箇所は粘着剤を硬化させることが困難であり、安定した品質を得ることが難しいという課題を抱えていた。
このため接着性シートなどの充填部材には、より高い応力緩和性(流動性)が求められるが、流動性を高めるだけでは接着性シートの保管安定性や取り回し時の作業性が損なわれる上に、貼合した積層部材の耐発泡信頼性が低下する虞がある。
引張り法で求める60℃における動的貯蔵弾性率(E’)を、せん断法で求める60℃における動的貯蔵弾性率(G’)で除した値(E’/G’)が10以上であることを第2の特徴とする、Bステージ状態の透明両面接着性シートを提案する。
このようなBステージ状態の透明両面接着性シートにおいて、シートのE’/G’が10以上であるということは、シート面に対して平行方向に伸長乃至圧縮応力をかけた場合に比べて、シート面の垂直方向すなわちシート面を通して応力をかけた場合の方が変形し易いことを意味しており、寸法安定性が高く、かつ面方向への応力による変形感度が高い、すなわち貼合面の段差部に追従することができる。
よって、貼合面に段差部を備えた画像表示装置構成部材を、本発明が提案する透明両面接着性シートを使用して貼合すれば、貼合面の段差部に追従して隅々まで充填することができ、しかも接着性シート内に生じる歪みを緩和することもでき、さらには、取り回し時の作業性を損なうことなく、高温や高湿環境下での耐発泡性を維持することができる。
本発明の第1の実施形態に係る透明両面接着性シート(以下、「本接着性シート1」と称する。)は、1種以上の(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体と、紫外線領域の光によって架橋を開始する紫外線重合開始剤(A)と、可視光領域の光によって架橋を開始する可視光重合開始剤(B)とを含有し、必要に応じて架橋剤(C)、必要に応じて粘着付与剤(D)、必要に応じてその他の成分(E)をさらに含有する接着剤組成物(以下、「本接着剤組成物1」と称する。)を1次硬化させて得られる、単層構成からなるBステージ状態の透明両面接着性シートである。
中でも、本接着性シート1の凹凸追随性を高める観点からは、未架橋の接着剤組成物1に対して可視光を照射して可視光架橋させて、紫外線反応性を残したBステージ状態の透明両面接着性シートとするのが好ましい。
上記の製法において、可視光線を照射する場合には、紫外線重合開始剤(A)が反応するのを避けるため、紫外線領域の光、例えば380nm未満の波長領域の光を実質的に含まない可視光線を照射するのが好ましい。
ここで、実質的に含まないとは、紫外線領域の光を意図してカットしても多少含まれる場合があるため、このような場合を包含する意図であり、例えば380nm以上の波長領域(例えば410nm波長)の光線強度に対して、380nm未満の波長領域の光線強度(例えば350nm波長)が10%未満であれば、実施的に含まれないとするものである。
本発明の第2の実施形態に係る透明両面接着性シート(以下、「本接着性シート2」と称する。)は、1種以上の(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体と、可視光領域の光によって架橋を開始する可視光重合開始剤(B)とを含有し、必要に応じて架橋剤(C)、必要に応じて粘着付与剤(D)、必要に応じてその他の成分(E)をさらに含有する接着剤組成物(以下、「本接着剤組成物2」と称する。)を1次硬化させて得られる中間層S1と、
1種以上の(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体と、紫外線領域の光によって架橋を開始する紫外線重合開始剤(A)とを含有し、必要に応じて架橋剤(C)、必要に応じて粘着付与剤(D)、必要に応じてその他の成分(E)をさらに含有する接着剤組成物(以下、「本接着剤組成物3」と称する。)から形成される最外層S2と、
を備えた、Bステージ状態の透明両面接着性シートである。
中でも、中間層S1の表裏両側に最外層S2を備えた構成(S2/S1/S2)を有する構成であるのが好ましい。
最外層S2を形成する本接着剤組成物3におけるベース樹脂は、本接着性シート1と同様のベース樹脂、すなわち(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体を使用することができる。詳しくは後述する。
具体的には、中間層S1における(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体100質量部あたりの可視光重合開始剤(B)の質量部数(中間Bm)に対する、最外層S2における(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体100質量部あたりの可視光重合開始剤(B)の質量部数(最外Bm)の比率(最外Bm/中間Bm)が1よりも低い、特に0.5よりも低い、中でも特に0.05よりも低いことが好ましい。
中間層S1を形成する本接着剤組成物2におけるベース樹脂としては、本接着性シート1のベース樹脂、すなわち(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体を使用することができる。詳しくは後述する。
但し、中間層S1を形成する本接着剤組成物2におけるベース樹脂は、最外層S2を形成する本接着剤組成物3におけるベース樹脂と同じ樹脂であっても、異なる樹脂であってもよい。透明性の確保や作製し易さ、さらには中間層S1と最外層S2との境界面での屈折を防ぐ観点からは、互いのベース樹脂は同じ樹脂であるのが好ましい。
また、本接着剤組成物2における可視光重合開始剤(B)、架橋剤(C)、粘着付与剤(D)及びその他の成分(E)についてもそれぞれ、本接着性シート1と同様のものを使用することができる。詳しくは後述する。
例えば、中間層S1は、可視光重合開始剤(B)のほかに、紫外線重合開始剤(A)を含んでいてもよい。中間層S1が、紫外線重合開始剤(A)を含んでいれば、紫外線照射によって中間層S1をさらに架橋させることができる。
本接着性シート2において、50μm以上の高さを有する印刷部による段差(「高印刷段差」と称する)などの凹凸部へ貼合する際の追従性や、貼合後の平滑性、加工性をバランスさせる観点から、中間層S1の60℃におけるせん断法による動的貯蔵弾性率(G’)は、最外層S2の60℃におけるせん断法による動的貯蔵弾性率(G’)より低い値となることが好ましい。
中でも、最外層S2の60℃におけるせん断法による動的貯蔵弾性率(G’)に対する中間層S1の60℃におけるせん断法による動的貯蔵弾性率(G’)の比率が1.5〜1000であることが好ましく、中でも2以上或いは500以下であるのがさらに好ましい。
このような観点から、中間層S1の60℃におけるせん断法による動的貯蔵弾性率(G’)は、中でも5.0×103Pa以上或いは5.0×106Pa以下、その中でも特に1.0×104Pa以上或いは1.0×106Pa以下であることが好ましい。
本接着性シート2において、最外層S2の層総厚みに対する中間層S1の層総厚みの比率((S1)/(S2))は、0.1<(S1)/(S2)<10であるのが好ましい。
中間層S1と最外層S2の厚さの比率が上記範囲であれば、後述する画像表示装置構成用積層体及び画像表示装置において、本接着性シート2の厚みの寄与が大きくなり過ぎないため、柔軟すぎて裁断や取回しに係る作業性が劣るようになることがなく、好ましい。また、凹凸や屈曲した面への追随性に劣ることもなく、被着体への接着力や濡れ性を維持することができるから、好ましい。
印刷段差への追従性や貼合後の凹凸近傍の光学的な歪を低減させる観点からは、0.1<(S1)/(S2)<1であるのがより一層好ましい。
本接着性シート2は、次のような方法で製造することができる。
例えば、2枚の透明離型シート間に、本接着剤組成物2及び本接着剤組成物3をそれぞれ共押出して2層の積層シートを作製し、この積層シートに可視光線を照射することにより中間層S1を一次硬化させて、Bステージ状態の本接着性シート2を得ることができる。
最外層S2、中間層S1及び最外層S2からなる3層構成の場合には、例えば、2枚の透明離型シート間に、本接着剤組成物2及び本接着剤組成物3をそれぞれ共押出して3層の積層シートを作製し、この積層シートに可視光線を照射することにより中間層S1を一次硬化させて、Bステージ状態の本接着性シート2を得ることができる。
紫外線領域の波長の光を実質的に含まない可視光線を照射する方法としては、紫外線領域の波長の光を含まない可視光線のみを出射する光源を用いてもよいし、紫外線領域の波長の光を透過しないフィルターを介した光源を用いて照射するようにしてもよい。また、本接着性シート1,2の片面又は両面に、紫外線領域の波長の光を透過しないフィルムを積層して、該フィルムを介して光照射することで、紫外線領域の波長が本接着性シート1,2に到達しないようにしてもよい。
なお、実質的に含まないとは、紫外線領域の光を意図してカットしても多少含まれる場合があるため、このような場合を包含する意図であり、例えば380nm以上の波長領域(例えば410nm波長)の光線強度に対して、380nm未満の波長領域の光線強度(例えば350nm波長)が10%未満であれば、実施的に含まれないとするものである。
本接着性シート1、2は、1種以上の(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体をベース樹脂として含有し、紫外線領域の光によって架橋を開始する紫外線重合開始剤(A)と、可視光領域の光によって架橋を開始する可視光重合開始剤(B)とを含み、必要に応じてさらに、架橋剤としての多官能(メタ)アクリル酸エステル樹脂(C)と、必要に応じてさらに、粘着付与剤(D)とを含有する、Bステージ状態の透明両面接着性シートである点で共通している。
本接着性シート1,2はいずれも、引張り法で求める60℃における動的貯蔵弾性率(E’)を、せん断法で求める60℃における動的貯蔵弾性率(G’)で除した値(E’/G’)が10以上とすることができる。
本接着性シート1,2は、引張り法で求める60℃における動的貯蔵弾性率(E’)が1.0×10 4 Pa〜6.6×10 5 Paであるのが好ましく、中でも5.0×104Pa以上或いは5.0×105Pa以下であるのがより好ましい。但し、これらの範囲に限定するものではない。
前記引張り法による動的貯蔵弾性率(E’)が1.0×104Pa以上であれば、接着性シートの裁断加工性の点で好ましい。また、前記引張り法による動的貯蔵弾性率(E’)が6.6×10 5 Pa以下であれば、凹凸面へ貼合後に接着性シート内に生じる歪みを緩和することができる点で好ましい。
本接着性シート1,2は、せん断法で求める60℃における動的貯蔵弾性率(G’)が、5.0×102Pa〜1.0×105Paであるのが好ましく、中でも5.0×103Pa以上或いは5.0×104Pa以下であるのが特に好ましい。但し、これらの範囲に限定するものではない。
前記せん断法による動的貯蔵弾性率(G’)が5.0×102Pa以上であれば、接着性シートの保管安定性の点で好ましい。また、前記せん断法による動的貯蔵弾性率(G’)が1.0×105Pa以下であれば、凹凸をもつ被着面への追従性の点で好ましい。
本接着性シート1,2は、透明であるという特徴を有している。発泡樹脂などからなる接着性シートのように非透明な接着性シートとは区別されるものである。
本接着性シート1,2の総厚みは、50μm〜1mmであるのが好ましく、より好ましくは100μm以上或いは500μm以下である。
本接着性シート1,2の総厚みが50μm以上であれば、高印刷段差等の凹凸への追従することが可能であり、1mm以下であれば、薄肉化の要求にこたえることができる。
さらに、従来の画像表示装置における周縁の隠蔽層の印刷高さがより高く、具体的には50μm程度の段差までをも埋める観点からは、本接着性シート1,2の総厚みは100μm以上であるのがより一層好ましく、特に150μm以上であるのがさらに好ましい。他方、薄肉化の要求にこたえる観点からは、500μm以下、特に350μm以下であるのがさらに好ましい。
本接着剤組成物1,2,3のベース樹脂としては、粘着性、透明性及び耐候性などの観点から、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(共重合体を含む意で、以下「アクリル酸エステル系(共)重合体」と称する。)を用いるのが好ましい。
また、上記アクリルモノマーやメタクリルモノマーと共重合可能な酢酸ビニルやアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル等の各種ビニルモノマーも適宜重合に用いることができる。
このような観点から、該ベース樹脂の質量平均分子量(Mw)は、10万〜70万、特に20万以上或いは60万以下、中でも特に25万以上或いは50万以下であるのが好ましい。
質量平均分子量/数平均分子量が大きいということは、分子量分布が広いことを意味しており、この値が5〜10程度であれば、低分子量成分及び高分子量成分のそれぞれが流動性や濡れ性、凝集力といった分子量に見合った性能を発揮するため、分子量分布が狭い(均一の)ものより、加工性や粘着性能が良くなる傾向があり、好ましい。
この際、2種類のモノマー成分の示差走査熱量測定(DSC)法で求められるガラス転移温度(Tg)の差は25〜300℃であるのが好ましく、特に40℃以上或いは200℃以下、中でも特に60℃以上或いは180℃以下、さらには100℃以上或いは180℃以下であるのがよりいっそう好ましい。具体的には、一方のモノマーのガラス転移温度(Tg)が−100℃〜0℃、特に−80℃〜−20℃であり、他方のモノマー成分のガラス転移温度(Tg)が0〜250℃、特に20〜180℃であるのが好ましい。
ガラス転移温度の差が大きい2種類のモノマーを含む共重合体とすることにより、ガラス転移温度が低い成分が流動性成分として、ガラス転移温度の高い成分が凝集成分として各々機能し、柔軟性と凝集力を兼ね備えた接着性シートを得ることが出来る。
他方、示差走査熱量測定(DSC)法で求められるガラス転移温度(Tg)が0〜250℃である共重合成分としては、例えば酢酸ビニル、スチレン、メチルメタクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、4−エトキシ化クミルフェノール(メタ)アクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ネオペンチルアクリレート、セチルアクリレート、フェニルアクリレート、トルイルアクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、ジエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート、2−ナフチルアクリレート、2−メトキシカルボニルフェニルアクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、エトキシ化ノニルフェノールメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェネチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド、アクリロニトリルなどを挙げることができる。
紫外線重合開始剤(A)としては、紫外線、例えば波長300nm〜380nm領域の光線の照射によって、ラジカルを発生してベース樹脂の重合反応の起点となるものであればよい。
よって、本接着性シート1,2は、紫外線重合開始剤(A)を含有することにより、紫外線、例えば波長300nm〜380nmの範囲の何れかにおいて紫外線架橋反応を開始させる波長吸収域を有することになる。
かかる観点から、紫外線重合開始剤(A)としては、可視光での波長領域(波長380nm以上の領域)の光線の照射でラジカル発生が生じにくい性質を有するものが好ましい。具体的には、波長365nmのモル吸光係数が10以上であるものが好ましい。
分子間水素引抜型は、一度励起されても、開始剤のうち反応しなかったものは基底状態に戻るため、反応開始剤として再度利用可能である。このため、分子内開裂型と比較して、分子間水素引抜型は反応後も活性種として残存し易い。よって、貼合後に紫外線を照射し、さらに架橋(2次硬化)させる際の反応開始剤として用いるのに好適である。また、分子間水素引抜型は、分子内開裂型と比較して、低分子量の分解生成物が少なく、分解物由来のアウトガスや溶出物の発生が少ないという点でも優れている。
中でも、分子間水素引抜型であるベンゾフェノンおよびその誘導体は、反応後も分解生成物がなく、また組成物をBステージ状態とするための反応活性種として潜在させ易いため好ましい。
可視光重合開始剤(B)としては、可視光線、例えば380nm〜700nmの波長領域の光線の照射によって、ラジカルを発生させてベース樹脂の重合反応の起点となるものであればよい。
可視光重合開始剤(B)は、可視光線の照射のみによってラジカルを発生させるものであってもよいし、また、可視光領域以外の波長領域の光線の照射によってもラジカルを発生させるものであってもよい。
分子内開裂型は、光照射によってラジカルを発生する際に分解して別の化合物となり、一度励起されると反応開始剤としての機能をもたなくなる。このため、可視光線域に吸収波長をもつ可視光重合開始剤(B)として該分子内開裂型を用いると、分子間水素引抜型を用いる場合に比べて、可視光線照射によって接着性シートに1次架橋を施した後、可視光線反応性の光重合性開始剤(「可視光線硬化型光重合性開始剤」とも称する)が接着組成物中に未反応残渣として残り、接着性シートの予期せぬ経時変化や架橋の促進を招く可能性が低いため好ましい。また、可視光線硬化型光重合性開始剤特有の着色についても、反応分解物となることで、可視光線域の吸収がなくなり、消色するものを適宜選択することができるため好ましい。
紫外線重合開始剤(A)及び可視光重合開始剤(B)を含めた架橋開始剤の含有量は、特に制限されるものではない。目安としては、各層を構成するベース樹脂100質量部に対し0.1〜10質量部、特に0.2質量部以上或いは5質量部以下、その中でも0.5質量部以上或いは3質量部以下の割合で調整するのが好ましい。但し、他の要素とのバランスでこの範囲を超えてもよい。
前記含有比率は、中間層S1を可視光線によって1次硬化させた後、最外層S2は紫外線反応の余地を十分に残したBステージ状態とすることができる点で好ましい。
ベース樹脂の種類によっては、架橋剤が無くても、可視光による架橋及び紫外線による架橋を行うことが可能である。よって、架橋剤(C)は、必要に応じて添加すればよい。但し、2次硬化前後での物性変化を大きくすることができる観点から、架橋剤を含有するのが好ましい。
中でも、反応性や得られる硬化物の強度の点で、アクリル酸エステル系(共)重合体を架橋する際に用いる架橋モノマー(架橋剤)としては、例えば(メタ)アクリロイル基を3個以上有する多官能(メタ)アクリレートが好ましい。
かかる観点から、架橋剤(C)の量は、各層を構成するベース樹脂100質量部に対して0〜30質量部、特に20質量部以下、中でも10質量部以下、その中でも特に5質量部以下とするのが好ましい。
本粘着剤組成物1,2,3は、必要に応じて、粘着付与樹脂粘着付与剤(D)を含有してもよい。
粘着付与樹脂(D)は、本接着性シート1、2の弾性率やガラス転移温度を調整し、剥離力やタックなどの粘着特性を調整する作用がある。剥離抵抗は、引き剥がし時に粘着材が変形する際のエネルギー損失が最も高い時、すなわちTanδ曲線の分散ピーク付近で高い値を示す。一般的に粘着組成物は、室温より低いTanδのピーク温度をもつことから、粘着付与樹脂(D)を添加して組成物全体のガラス転移温度を上げることで、常温から高温域にかけてのみかけの剥離抵抗を高めることが出来る。
よって、みかけの剥離抵抗を得たい時に粘着付与樹脂(D)を含有してもよい。
水添ロジンエステル樹脂は、荒川化学社(パインクリスタル)、パイノバ社(ピコライト)などから入手可能である。
本粘着剤組成物1,2,3は、上記以外の成分として、通常の粘着剤組成物に配合されている公知の成分を含有してもよい。例えば、必要に応じて、酸化防止剤、老化防止剤、吸湿剤などの各種の添加剤を適宜配合することも可能である。
また、必要に応じて反応触媒(三級アミン系化合物、四級アンモニウム系化合物、ラウリル酸スズ化合物など)を適宜添加してもよい。
本接着性シート1,2はいずれも、透明で、接着性を備えているばかりか、貼合面の段差部に追従して隅々まで充填することができ、接着性シート内に生じる歪みを緩和することもでき、さらには、取り回し時の作業性を損なうことなく、高温や高湿環境下での耐発泡性を維持することができる。よって、例えばパソコン、モバイル端末(PDA)、ゲーム機、テレビ(TV)、カーナビ、タッチパネル、ペンタブレットなど、LCD、PDP又はELなどの画像表示パネルを用いた平面型画像表示装置において、画像表示パネルに対して保護パネルやタッチパネル等の透明パネルを貼り合わせるのに好適に用いることができる。
この際のカット方法は、トムソン刃による打ち抜き、スーパーカッターやレーザーでのカットが一般的であり、離型フィルムを剥がし易いように表裏どちらか一方の離型フィルムを額縁状に残してハーフカットするのがより好ましい。
次に、本接着性シート1又は2の少なくとも片面に、画像表示装置構成部材が積層されてなる構成を備えた画像表示装置構成用積層体(「本画像表示装置構成用積層体」と称する)の製造方法について説明する。
本画像表示装置構成用積層体は、本接着性シート1又は2の両面に画像表示装置構成部材が積層されてなる構成を備えたもののほか、本接着性シート1又は2の片面に画像表示装置構成部材が積層され、他方の面に離型シートなどが積層されてなる構成を備えたものなども包含する。
(1) 未架橋状態の接着剤組成物を単層又は多層のシート状に成形し、可視光線を前記接着剤組成物に照射して、当該接着剤組成物を可視光線架橋させることにより、Bステージ状態の本接着性シート1又は2を形成する工程。
(2) 前記Bステージ状態の本接着性シート1又は2の少なくとも片面に、画像表示装置構成部材を積層し、当該画像表示装置構成部材を介して、前記透明両面接着性シートに紫外線を照射して紫外線架橋させる工程。
工程(1)では、前述した方法によって、本接着性シート1又は2を作製すればよい。例えば、2枚の透明離型シートの間に、未架橋状態の本接着剤組成物1,2,3を単層又は多層のシート状に成形し、少なくとも一方の透明離型シートを介して可視光線を前記接着剤組成物に照射して、当該接着剤組成物を可視光線架橋させるようにすればよい。
この際、例えば本接着剤組成物1,2,3を加熱溶融(ホットメルト)し、これを透明離型樹脂シート上に塗布して単層又は多層のシート状に成形することもできる。
紫外線領域の波長の光を実質的に含まない可視光線を照射する方法としては、前述したように、紫外線領域の波長の光を含まない可視光線のみを出射する光源を用いてもよいし、紫外線領域の波長の光を透過しないフィルターを介して照射するようにしてもよい。
例えば波長380nmの光線透過率が10%未満であって、且つ、波長405nmの光線透過率が80%以上である透明離型シートを介して、可視光線を接着剤組成物に照射する方法を挙げることができる。
なお、実質的に含まないとは、紫外線領域の光を意図してカットしても多少含まれる場合があるため、このような場合を包含する意図であり、例えば380nm以上の波長領域(例えば410nm波長)の光線強度に対して、380nm未満の波長領域の光線強度(例えば350nm波長)が10%未満であれば、実施的に含まれないとするものである。
工程(2)では、工程(1)で得られたBステージ状態の本接着性シート1又は2の少なくとも片面に、画像表示装置構成部材を積層し、当該画像表示装置構成部材を介して、前記透明両面接着性シートに紫外線を照射して紫外線架橋させる。
このように、画像表示装置構成部材を介して、前記Bステージ状態の透明両面接着性シートに紫外線を照射して紫外線架橋させることにより、当該透明両面接着性シートをしっかりと架橋させることができ、当該透明両面接着性シートを当該画像表示装置構成部材にしっかりと接着させることができる。
なお、上述したように、本接着性シート1又は2の片面に画像表示装置構成部材が積層され、他方の面に離型シートなどを積層してもよい。
具体的に言えば、例えば紫外線を照射する側の本接着性シート1又は2の片面に、画像表示装置構成部材としてガラス板を積層する場合、当該ガラス板の紫外線透過率が一定以上であることが好ましい。また、例えば本接着性シート1又は2の一側の片面にガラス板を積層し、他側の片面に保護シートを積層する場合には、少なくともガラス板若しくは保護シートのいずれかの紫外線透過率が一定以上であることが好ましい。
よって、画像表示装置構成部材を介して透明両面接着性シートに紫外線を照射する際の当該画像表示装置構成部材の紫外線透過率、すなわちUV−A波の波長範囲300nm〜380nmにおける光線透過率が20%以上であることが好ましく、特に30%以上、中でも特に40%以上であるのがより一層好ましい。
上記製造方法で使用することができる画像表示装置構成部材としては、例えばパソコン、モバイル端末(PDA)、ゲーム機、テレビ(TV)、カーナビ、タッチパネル、ペンタブレットなど、LCD、PDP又はELなどの画像表示装置の構成部材を挙げることができる。
そこで、保護パネル/本接着性シート1,2/偏光フィルムの構成から成る積層体を作製すれば、高温下で使用された場合であっても、保護パネルや偏光フィルムから放出されるアウトガスによる発泡を効果的に抑制することができる。
なお、一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、その厚さが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいい、一般的に「フィルム」とは、長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいう(日本工業規格JISK6900)。しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
また、画像表示パネル、保護パネル等のように「パネル」と表現する場合、板体、シートおよびフィルムを包含するものである。
また、「X以上」(Xは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
2−エチルヘキシルアクリレート(Tg−70℃)75質量部と、酢酸ビニル(Tg32℃)20質量部と、アクリル酸(Tg105℃)5質量部とをランダム共重合してなるアクリル酸エステル共重合体(Mw:40万、Mn:9万、Mw/Mn:4.4)1kgに対し、架橋剤としての紫外線硬化樹脂プロポキシ化ペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学社製「ATM−4PL」)250gと、可視光線重合開始剤としての2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製「ルシリンTPO」、365nmモル吸光係数160、405nmモル吸光係数60)3gと、紫外線重合開始剤としての4−メチルベンゾフェノン(Lambson社製SpeedCureMBP、365nmモル吸光係数30、405nmモル吸光係数0.1以下)10gとを均一混合し、中間層組成物Aを調製した。
中間層組成物Aにおいて、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド及び4−メチルベンゾフェノンの代わりに、光重合性開始剤として、紫外線重合開始剤である4−メチルベンゾフェノン(Lambson社製SpeedCureMBP、365nmモル吸光係数30、405nmモル吸光係数0.1以下)20gを用いた以外は、中間層組成物Aと同様にして中間層組成物Bを作成した。
中間層組成物Aにおいて、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド及び4−メチルベンゾフェノンの代わりに、光重合性開始剤として、可視光線重合開始剤としての2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製「ルシリンTPO」、365nmモル吸光係数160、405nmモル吸光係数60)10gを用いた以外は、中間層組成物Aと同様にして中間層組成物Bを作成した。
2−エチルヘキシルアクリレート(Tg−70℃)75質量部と、酢酸ビニル(Tg32℃)20質量部と、アクリル酸(Tg105℃)5質量部とをランダム共重合してなるアクリル酸エステル共重合体(Mw:50万、Mn:9万、Mw/Mn:5.6)1kgに対して、架橋剤としての紫外線硬化樹脂プロポキシ化ペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学社製「ATM−4PL」)50gと、紫外線重合開始剤としての4−メチルベンゾフェノン(Lambson社製SpeedCureMBP、365nmモル吸光係数30、405nmモル吸光係数0.1以下)15gとを混合し、接着層組成物Aを調製した。
ブチルアクリレート(Tg−55℃)69質量部と酢酸ビニル(Tg32℃)30質量部とアクリル酸(Tg105℃)1質量部とをランダム共重合してなるアクリル酸エステル共重合体(Mw:35万、Mn:7万、Mw/Mn:5.0)1kgに対し、架橋剤としてプロポキシ化ペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学社製「ATM−4PL」)70gと、粘着付与剤として水添ロジン樹脂(荒川化学社製「パインクリスタルKR311」:軟化温度77℃)100gと、紫外線重合開始剤としての4−メチルベンゾフェノン(Lambson社製SpeedCureMBP、365nmモル吸光係数30、405nmモル吸光係数0.1以下)20gとを混合し、接着層組成物Bを調製した。
2−エチルヘキシルアクリレート(Tg−70℃)75質量部と、酢酸ビニル(Tg32℃)20質量部と、アクリル酸(Tg105℃)5質量部とをランダム共重合してなるアクリル酸エステル共重合体(Mw:40万、Mn:9万、Mw/Mn:4.4)1kgに対して、紫外線重合開始剤としての4−メチルベンゾフェノン365nmモル吸光係数30、405nmモル吸光係数0.1以下)20gを混合し、接着層組成物C調製した。
接着組成物Aの4−メチルベンゾフェノンの代わりに、光重合性開始剤として、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製「ルシリンTPO」、365nmモル吸光係数160、405nmモル吸光係数60)10gを配合した以外は、接着組成物Aと同様にして接着組成物Dを作成した。
2−エチルヘキシルアクリレート(Tg−70℃)88質量部とアクリル酸(Tg105℃)11.5質量部と4−アクリロイルオキシエトキシベンゾフェノン0.5質量部とをランダム共重合してなるアクリル酸エステル共重合体(Mw:15万、Mn:5万、Mw/Mn:3.0)1kgに対し、光重合性開始剤2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製「ルシリンTPO」、365nmモル吸光係数160、405nmモル吸光係数60)1gを添加し接着層組成物Eを作製した。
剥離処理を施したUVカットポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂製「O700E100」)(波長380nmにおける光線透過率が0.7%かつ、波長405nmにおける光線透過率87%)を作製した。
前記積層体の表裏両側から、離型フィルム1,2を介して、波長405nmの積算光量が1000mJとなるように、高圧水銀ランプにて光線を照射して可視光線架橋させて、Bステージ状態の透明両面接着性シート1(総厚み150μm)を作製した。このとき、UVカットポリエチレンテレフタレートフィルムによって波長380nm以下の光が遮断されるため、透明両面粘着シートには、実質波長380nm以上の光(可視光)のみが到達していることになる。
実施例1において、接着層組成物B/中間層組成物A/接着層組成物B=50μm/50μm/50μmとなるよう共押出してシート状に成形した以外は、実施例1と同様にして、Bステージ状態の透明両面接着性シート2(総厚み150μm)を作製した。
剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(藤森工業社製「バイナ100GT」:波長365nmにおける光線透過率が87%かつ、波長405nmにおける光線透過率90%)の片側面に、接着層組成物C/中間層組成物B/接着層組成物C=40μm/70μm/40μmとなるよう共押出してシート状に成形し、表面に、剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂製「MRF75」:波長365nmにおける光線透過率が88%かつ、波長405nmにおける光線透過率90%)を積層して積層体を作製した。
前記積層体の表裏両側から、前記ポリエチレンテレフタレートフィルムを介して、波長365nmの積算光量が1000mJとなるよう高圧水銀ランプにて照射して紫外線架橋させて、Bステージ状態の透明両面接着性シート1(総厚み150μm)を作製した。
実施例1において、接着組成物D/中間組成物C/接着組成物D=50μm/50μm/50μmとなるよう共押出してシート状に成形した以外は、実施例1と同様にして、Bステージ状態の透明両面接着性シート4(総厚み150μm)を作製した。
剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(藤森工業社製「バイナ100GT」)の当該片側面に、接着組成物D=150μmとなるよう押出してシート状に成形し、表面に剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂製「MRF75」)を積層して、硬化前透明両面接着性シート5(総厚み150μm)を作製した。
高印刷段差を有する画像表示装置構成部材の代替部材として、60mm×90mm×厚さ0.5mmのソーダライムガラスの周縁部に、幅10mm、厚み80μmの白色の印刷を施し、周縁部に80μmの印刷段差を形成してなる評価用ガラス基板(波長300nm〜380nmの範囲における光線透過率90%以上)を作製した。
そして、所定の大きさに裁断した透明両面接着性シート1〜4の一方の剥離フィルムを剥がし、露出した粘着面に、上記ガラス基板の印刷段差部を覆うように、減圧下(絶対圧5kPa)にて80℃に加熱してプレス貼合した後、当該ガラス基板を介して、前記透明両面接着性シート1〜4に、波長365nmの積算光量が1000mJとなるよう高圧水銀ランプにて、紫外線架橋させて、画像表示装置構成用積層体1〜4を作製した。
実施例及び比較例で得られた透明両面接着性シート1〜5について、次のような評価を行った。
引張り法で求める60℃における動的貯蔵弾性率(E’)は、実施例及び比較例で得られた透明両面接着性シート1〜5を試料寸法:巾4mm×長15mmに裁断し、動的粘弾性測定装置(アイティ計測制御株式会社製、itkDVA-200)を用いて、引張モード:振動周波数1Hz、測定温度:0℃から100℃、昇温速度:3℃/分の速度で、60℃における引張り法による動的貯蔵弾性率E’を測定した。
せん断法で求める60℃における動的貯蔵弾性率(G’)は、実施例及び比較例で得られた透明両面接着性シート1〜5をそれぞれ複数枚使用して、1mm〜2mmの厚みになるように積層し、直径20mmの円状に打ち抜いたものを測定試料とし、レオメータ(英弘精機株式会社製「MARS」)を用いて、粘着治具:Φ25mmパラレルプレート、歪み:0.5%、周波数:1Hz、温度:−50〜200℃、昇温速度:3℃/minで、60℃におけるせん断法による動的貯蔵弾性率G’を測定した。
上記透明両面接着性シート1〜5を、剥離フィルムを積層したままトムソン打抜機を用いて55mm×85mmのトムソン刃で100枚カットした。裁断直後と、裁断品100枚を積層して25℃、50%湿度環境下にて1週間保管した後の端部の形状を観察した。
貼合直後もしくは保管後に、糊のはみ出しや端部の潰れが10枚以上みられたものを「×」と評価し、糊のはみ出しや端部の潰れが10枚以上無かったものを「○」と判定した。
前述のように画像表示装置構成用積層体1〜4を作製した際、当該積層体1〜4の外観を目視観察し、印刷段差付近に透明両面接着性シートの浮きもしくは剥離が発生したものを「×」と評価し、浮きはないものの印刷段差近傍の開口部に筋ムラや光学ムラがみられるものを「△」、浮きもしくは剥離が無かったものを「○」と評価した。
高印刷段差を有する画像表示装置構成部材の代替部材として、60mm×90mm×厚さ0.5mmのソーダライムガラスの周縁部に、幅10mm、厚み80μmの白色の印刷を施し、周縁部に80μmの印刷段差を形成してなる評価用ガラス基板(開口部の波長300nm〜380nmの範囲における光線透過率90%以上)を作製した。
このようにして評価用ガラス基板を50枚づつ作製し、印刷を施したガラス基板を介して、365nmの紫外線が積算光量にて2000mJ/cm2到達するように、透明両面接着性シート1〜5に紫外線照射し、耐発泡性試験のサンプルを作製した。
養生後に新たな浮きや発泡が5枚以上生じたものを「×」、発生したものの5枚以下だったものを「△」新たな浮きや発泡が生じなかったものを「○」と評価した。
上記接着性シート1、2(実施例1,2)はいずれも、可視光線に感度の高い光重合性開始剤(A)と紫外線に反応する重合開始剤(B)とを併用してE’/G’の値を10以上に調整したことにより、優れた裁断加工性や保管安定性をもちながらも段差部に接する部分に生じる歪みを緩和することができ、光学特性への悪影響を抑えることができることが分かった。さらに、紫外線架橋の余地を十分に残したBステージ状態とする事が出来るため、貼合後に部材を介して紫外線照射することで耐発泡信頼性に優れた積層体が得られた。
また、紫外線による2次架橋反応の感度が1次架橋により損なわれるため、耐発泡信頼性は実施例と比較すると劣る結果となった。
Claims (9)
- 1種以上の(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体と、波長365nmのモル吸光係数が10以上で、かつ波長405nmのモル吸光係数が0.1以下である紫外線重合開始剤(A)と、波長405nmのモル吸光係数が10以上である可視光重合開始剤(B)とを含有することを第1の特徴とし、
引張り法で求める60℃における動的貯蔵弾性率(E’)が1.0×10 4 Pa〜6.6×10 5 Paであり、せん断法で求める60℃における動的貯蔵弾性率(G’)が5.0×10 2 Pa〜1.0×10 5 Paであり、かつ、引張り法で求める60℃における動的貯蔵弾性率(E’)を、せん断法で求める60℃における動的貯蔵弾性率(G’)で除した値(E’/G’)が10以上100以下であることを第2の特徴とし、
可視光架橋されて紫外線架橋性が残るBステージ状態であるか、或いは、紫外線架橋されて可視光架橋性が残るBステージ状態である透明両面接着性シート。
- 架橋剤としての多官能(メタ)アクリル酸エステル樹脂(C)をさらに含有することを特徴とする請求項1に記載の透明両面接着性シート。
- 軟化温度60℃〜150℃の樹脂を含有する粘着付与剤(D)をさらに含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の透明両面接着性シート。
- 1種以上の(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体と、波長405nmのモル吸光係数が10以上である可視光重合開始剤(B)とを含有する中間層S1と、
1種以上の(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体と、波長365nmのモル吸光係数が10以上で、かつ波長405nmのモル吸光係数が0.1以下である紫外線重合開始剤(A)とを含有する最外層S2と、
を備えた積層シートであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の透明両面接着性シート。 - 中間層S1における(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体100質量部あたりの可視光重合開始剤(B)の質量部数(中間Bm)に対する、最外層S2における(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体100質量部あたりの可視光重合開始剤(B)の質量部数(最外Bm)の比率(最外Bm/中間Bm)が1よりも低いことを特徴とする請求項4に記載の透明両面接着性シート。
- 前記紫外線重合開始剤(A)が分子間水素引抜型光開始剤であり、前記可視光重合開始剤(B)が開裂型光重合性開始剤であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の透明両面接着性シート。
- 請求項1〜6の何れかに記載の透明両面接着性シートの少なくとも片面に、画像表示装置構成部材を積層し、当該画像表示装置構成部材を介して前記透明両面接着性シートに紫外線を含む光線を照射して、当該透明両面接着性シートを紫外線架橋させてなる構成を備えた画像表示装置構成用積層体。
- 前記画像表示装置構成部材が、タッチパネル、画像表示パネル、表面保護パネル及び偏光フィルムからなる群のうちの何れか、或いは2種類以上の組み合わせからなる積層体である請求項7に記載の画像表示装置構成用積層体。
- 請求項8に記載の積層体を用いて構成された画像表示装置。
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