JP6200568B2 - 化粧板 - Google Patents
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Description
特許文献3には、トイレの壁に紫外線で励起される光触媒を部分的に担持して紫外線を照射する脱臭システムが記載されている。
特許文献4には、所定の面粗さをもつ光触媒を担持した防汚性化粧板が開示されている。
特許文献5には、水酸化アルミニウム多孔質粒子に光触媒を塗布した粒子を担持した内装材が開示されている。
図6は、従来の化粧板を模式的に示す概略断面図である。
この化粧板3では、光触媒などの機能性物質14が表層樹脂層12に固定されている。
さらに、特許文献3は、紫外線で触媒が活性化するため、可視光では十分に抗菌、抗ウィルス機能を発現させることができないという問題もみられた。
また、本発明の別の目的は、メラミン樹脂等からなる表層樹脂層の劣化を防ぎ、機能性の効果の維持に優れた化粧板を提供することを目的とする。特に、抗菌性、抗ウィルス性の効果の維持に優れた化粧板を提供することを目的とする。
基板と、
上記基板の一方面又は両面上に積層される表層樹脂層と、
上記表層樹脂層上に複数の粒子が凝集した状態で担持される機能性物質と、
からなることを特徴とする。
さらに、機能性物質として光触媒(酸化チタン)を用いた場合は、当該光触媒の凝集体は親水性であり、細菌やウィルスを含む水等の液体が、毛管現象により光触媒粒子の隙間に吸い込まれやすくなるため、液中の細菌やウィルスを確実に失活させることができる。
また、凝集した粒子の一部がセラミック粒子に担持されていれば、セラミック粒子に直接担持された機能性物質の粒子と凝集して繋がっている機能性物質の粒子は、セラミック粒子に直接担持されていなくても間接的にセラミック粒子に担持された状態となる。
そのため、機能性物質の粒子の多くがセラミック粒子上に担持されることになり、表層樹脂層に接触することが防止される。その結果、表層樹脂層の劣化を防止することができる。
セラミック粒子が、表層樹脂層表面に対して5%以上の面積率で露出していると、機能性物質を充分に担持させることができるため、菌やウィルスを減少させる作用を充分に発揮させることができる。また、セラミック粒子が、表層樹脂層表面に対して30%以下の面積率で露出していると、機能性物質を担持するセラミック粒子が表層樹脂層に強固に接合され脱落しにくくなるため、菌やウィルスを減少させる作用を充分に持続させることができる。
耐酸化性樹脂層を設けることにより、機能性物質は表層樹脂層に直接接触しない。このため、機能性物質による表層樹脂層の劣化を防ぐことができ、表層樹脂層の変色や表層樹脂層の劣化等に起因する機能性物質の脱落を防止することができる。
また、上記シリコーン樹脂層上に無機ゾルの乾燥体を有していることが望ましい。
シリコーン樹脂層が形成されていると、セラミック粒子を設けた場合と同様に、機能性物質は表層樹脂層に直接接触しない。このため、機能性物質による表層樹脂層の劣化を防ぐことができ、表層樹脂層の変色や表層樹脂層の劣化等に起因する機能性物質の脱落を防止することができる。また、シリコーン樹脂は撥水性であり、水などの流体中の細菌やウイルスと機能性物質とを接触させにくいが、機能性物質(親水性の酸化チタン等)の粒子の凝集体がシリコーン樹脂層上に担持されていると、毛管現象により細菌やウイルスを含む流体が上記粒子間に吸い込まれるため、細菌やウイルスを失活させることが可能となる。
上記複数の粒子が凝集した機能性物質の二次粒子の平均粒子径は、0.1μmを超えることが望ましく、0.6μm以下が望ましく、0.4μm以下であることがさらに望ましい。
上記複数の粒子が凝集した機能性物質を構成する一次粒子(すなわち複数の粒子)の平均粒子径は、50nmを超えることが望ましく、200nm以下が望ましい。
また、本発明の別の形態では、機能性物質はセラミック粒子の露出面上で、複数の粒子が凝集した状態で担持されている。そのため、機能性物質の多くがセラミック粒子に担持されており、機能性物質の粒子がセラミック粒子間の隙間に落ちることが防止されるので、機能性物質が表層樹脂層に直接接触しない。このため、機能性物質による表層樹脂層の劣化を防ぐことができ、表層樹脂層の変色や表層樹脂層の劣化等に起因する機能性物質の脱落を防止することができる。また、機能性物質の表層樹脂層中への埋没がなく、機能性物質が化粧板表面上に露出されているので、抗菌性、抗ウィルス性等、機能性物質としての本来の機能を発揮することができ、その効果を長期間維持することができる。
また、機能性物質は、セラミック粒子間の隙間に担持されていてもよい。セラミック粒子間に機能性物質が担持されていると、機能性物質の粒子の凝集体がより脱落しにくくなる。
図1は、本発明の一実施形態に係る化粧板を模式的に示す概略断面図である。
また、図2は、セラミック粒子間の隙間に凝集した光触媒が担持された状態を模式的に示す断面図である。
図2に示す化粧板2では、セラミック粒子13が表層樹脂層12上に露出して密集して配置され、機能性物質14は、セラミック粒子13間の隙間の露出面上に複数の粒子が凝集した状態で担持されている。
また、本発明の化粧板を構成する表層樹脂層に用いることができる樹脂としては、メラミン樹脂、ジアリルフタレート(DAP)樹脂、ポリエステル樹脂、オレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、グアナミン樹脂などが挙げられる。これらの中では、メラミン樹脂を用いることが望ましい。
セラミック粒子が、表層樹脂層表面に対して5%以上の面積率で露出していると、機能性物質を充分に担持させることができるため、菌やウィルスを減少させる作用を充分に発揮させることができる。また、セラミック粒子が、表層樹脂層表面に対して30%以下の面積率で露出していると、機能性物質を担持するセラミック粒子が表層樹脂層に強固に接合され脱落しにくくなるため、菌やウィルスを減少させる作用を充分に持続させることができる。
図3は、本発明の化粧板を構成するセラミック粒子の露出部の面積率の算定の基礎となる面積部を示す説明図である。
本発明の化粧板における面積率とは、図3における表層樹脂層全体の表面積Aに対する、その上にセラミック粒子13が露出して存在する表層樹脂層の合計の表面積Bの割合を意味する。セラミック粒子が、上記表層樹脂層表面に対して面積率で5%未満しか露出しないと、機能性物質の機能性が十分に発揮できない傾向にある。
本発明の化粧板において、可視光応答型光触媒は、白金担持チタニア触媒、銅担持チタニア触媒、鉄担持チタニア触媒、窒素ドープチタニア触媒、硫黄ドープチタニア触媒、炭素ドープチタニア触媒、又は、酸化タングステンであることが望ましく、銅担持チタニア触媒であることがより望ましい。銅担持チタニア触媒としては、例えば、特開2006−232729号公報に記載されたCuO/TiO2(重量%比)=1.0〜3.5の範囲で銅を含有するアナターゼ型酸化チタン、特開2012−210557号公報に記載された亜酸化銅(酸化銅(I):Cu2O)と酸化チタンとが複合化した光触媒組成物、特開2013−166705号公報に記載された一価銅化合物及び二価銅化合物を含む混合物を表面に担持した酸化チタン、並びに、国際公開第2013/094573号に記載された結晶性ルチル型酸化チタンを含む酸化チタンと2価銅化合物とを含有する銅及びチタン含有組成物などが挙げられる。
このような耐酸化性樹脂としては、シリコーン樹脂、フッ素樹脂から選ばれる少なくとも1種以上が望ましく、シリコーン樹脂がより望ましい。
表層樹脂層上に耐酸化性樹脂層が形成されていると、セラミック粒子を設けた場合と同様に、機能性物質は表層樹脂層に直接接触しない。このため、機能性物質による表層樹脂層の劣化を防ぐことができ、表層樹脂層の変色や表層樹脂層の劣化等に起因する機能性物質の脱落を防止することができる。
最初に、複数又は単数のコア紙及び/又はマグネシアセメント不燃基材等からなる基板表面上に表層樹脂層を形成する。上記基板やその製造方法、上記表層樹脂層については、本発明の化粧板の説明において説明したので、ここでは省略する。
また、樹脂フィルムの表面を粗化し、この粗化面にセラミック粒子を担持した後、セラミック粒子の担持面がメラミン樹脂等の樹脂含浸紙に接するように当該樹脂フィルムを積層し、加熱加圧して樹脂を硬化させた後、樹脂フィルムを除去することでセラミック粒子を表層樹脂層に転写することが望ましい。樹脂フィルムの表面は、コロナ放電、サンドブラスト、スクラッチ処理から選ばれる少なくとも1種以上の方法で粗化されることが望ましい。
樹脂フィルムの粗化面は、JIS B 0601に基づく算術平均粗さ(Ra)が0.05〜50μmであることが望ましく、0.1〜10μmが好適である。樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレンから選ばれる少なくとも1種以上の材質が望ましい。
上記方法により、表層樹脂層表面にセラミック粒子を露出して固定させることができる。
当該機能性物質を含む溶液には、凝集剤を含んでいることが望ましい。凝集剤により、コロイド状の機能性物質を凝集させることができるからである。凝集剤としては、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(Aldrich Chemical Company,Inc製)及びアニオン性ポリアクリルアミド(ハイホルダー351 栗田工業株式会社製)などを使用することができる。
(一次メラミン含浸工程)
厚さ0.2〜0.3mmのロール紙を、メラミン樹脂を含む溶液中に浸漬する。溶液の温度20℃、浸漬時間2分となるように、ロール紙を溶液中に浸漬しながら通過させることにより、ロール紙にメラミン樹脂を含浸させる。なお、ロール紙の移動速度は、10〜20cm/秒である。
(乾燥工程)
メラミン溶液中を通過したロール紙は、乾燥機により、温度100℃、乾燥時間30秒となるように乾燥させる。
乾燥工程を経たロール紙を、メラミン樹脂からなる溶液中に浸漬させる。溶液の温度20℃、浸漬時間30分となるように、ロール紙を溶液中に浸漬しながら通過させることにより、メラミン樹脂をロール紙に含浸させる。なお、ロール紙の移動速度は、10〜20cm/秒に調整できる。
(乾燥・切断工程)
メラミン溶液中を通過したロール紙は、乾燥機により、温度100℃、乾燥時間2時間となるように乾燥させる。乾燥後、910mm×1820mmに切断してメラミン樹脂含浸紙を得る。
平均粒子径0.5μmのγアルミナ粒子とエタノールからなるスプレー液を調製する。スプレー液を常温でスプレーに充填させて、切断したメラミン樹脂含浸紙に吹き付ける。
(乾燥工程)
アルミナ粒子を吹き付けたメラミン樹脂含浸紙を乾燥機により、温度110℃、乾燥時間2分となるように乾燥させる。
厚み0.3〜0.4mmのフェノール樹脂含浸コア紙を4枚積層し、その上に、上記工程により得られたアルミナ粒子を吹き付けたメラミン樹脂含浸紙をアルミナ粒子吹き付け面が外面となるように積層し、プレス機のプレス面とメラミン樹脂含浸紙のアルミナ粒子吹き付け面との間にPETからなる離形クッション材を介在させて、温度143℃、プレス圧80kg/cm2、プレス時間(昇温時間を含む)50分で熱圧着する。これにより、メラミン樹脂含浸層上にアルミナ粒子が露出して固定される。
平均粒子径100nmのCuO−TiO2の光触媒を凝集剤であるポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドを0.05重量%含む水に分散したスラリー(固形分濃度:25重量%、2次粒子の平均粒子径200nm)と、シリカゾル(SiO2濃度:3重量%)とを、4.5:5.5の重量割合(固形分重量)で含むメタノール混合溶液(光触媒濃度0.05重量%)を調製する。
上記工程で得られるアルミナ粒子が表面に露出して配置されたメラミン樹脂含浸層を表面に有する基板に、スプレーを用いて上記メタノール混合溶液を塗布し、25℃で12時間乾燥させ、アルミナ粒子上に上記光触媒が担持された化粧板の製造を完了する。
なお、メラミン樹脂表面の光触媒は、シリカゾルとメラミン樹脂が親和性が悪いため、乾燥時に自然に剥離する。しかし、メタノールなどで洗浄してメラミン樹脂表面の光触媒を除去してもよい。
アルミナ粒子表面に担持された凝集した光触媒の電子顕微鏡写真を図4に記載する。撮影は、電界放出形走査電子顕微鏡(測定機器:株式会社日立ハイテクノロジーズ製 S-4800(FE-SEM))を使用した。倍率は50,000倍である。
この写真から、アルミナ粒子13の表面に、光触媒粒子14が凝集した凝集粒子が担持されていることがわかる。
(一次メラミン含浸工程)
厚さ0.2〜0.3mmのロール紙を、メラミン樹脂を含む溶液中に浸漬する。溶液の温度20℃、浸漬時間2分となるように、ロール紙を溶液中に浸漬しながら通過させることにより、ロール紙にメラミン樹脂を含浸させる。なお、ロール紙の移動速度は、10〜20cm/秒である。
メラミン溶液中を通過したロール紙は、乾燥機により、温度100℃、乾燥時間30秒となるように乾燥させる。
乾燥工程を経たロール紙を、メラミン樹脂からなる溶液中に浸漬させる。溶液の温度20℃、浸漬時間30分となるように、ロール紙を溶液中に浸漬しながら通過させることにより、メラミン樹脂をロール紙に含浸させる。なお、ロール紙の移動速度は、10〜20cm/秒に調整できる。
メラミン溶液中を通過したロール紙は、乾燥機により、温度100℃、乾燥時間2時間となるように乾燥させる。乾燥後、910mm×1820mmに切断してメラミン樹脂含浸紙を得る。
坪量22g/m2の表面紙に、シリコーン系バインダーとしてアクリルシリコン樹脂エマルジョン(チタン工業株式会社製 PCU−103)を固形分換算値で77g/m2となるように含浸処理し、乾燥後910mm×1820mmに切断してシリコーン樹脂含浸表面紙を得る。
厚み0.3〜0.4mmのフェノール樹脂含浸コア紙を4枚積層し、その上に、上記工程により得られたメラミン樹脂含浸紙を積層し、さらにその上にシリコーン樹脂含浸表面紙を積層し、プレス機のプレス面とシリコーン樹脂含浸表面紙の間にPETからなる離形クッション材を介在させて、温度170℃、圧力50kg/cm2、時間100分で熱圧着して化粧板を製造する。
(光触媒担持工程)
平均粒子径100nmのCuO−TiO2の光触媒を凝集剤であるポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドを0.05重量%含む水に分散したスラリー(固形分濃度:25重量% 2次粒子の平均粒子径200nm)と、シリカゾル(SiO2濃度:3重量%)とを、4.5:5.5の重量割合(固形分重量)で含むメタノール混合溶液(光触媒濃度0.05重量%)を調製する。
上記工程で得られるシリコーン樹脂からなる耐酸化性樹脂層を表面に有する基板に、スプレーを用いて上記メタノール混合溶液を塗布し、25℃で12時間乾燥させる。
実施例1と同様であるが、(アルミナ粒子スプレー工程)において平均粒子径2μmのアルミナ粒子をスプレーで吹き付け、0.5mmの厚さのアルミナ層を設ける。
図5には、実施例1と同様に倍率10,000倍で撮影した電子顕微鏡写真を示す。
(一次メラミン含浸工程)
厚さ0.2〜0.3mmのロール紙を、メラミン樹脂を含む溶液中に浸漬する。溶液の温度20℃、浸漬時間2分となるように、ロール紙を溶液中に浸漬しながら通過させることにより、ロール紙にメラミン樹脂を含浸させる。なお、ロール紙の移動速度は、10〜20cm/秒である。
メラミン溶液中を通過したロール紙は、乾燥機により、温度100℃、乾燥時間30秒となるように乾燥させる。
乾燥工程を経たロール紙を、メラミン樹脂からなる溶液中に浸漬させる。溶液の温度20℃、浸漬時間30分となるように、ロール紙を溶液中に浸漬しながら通過させることにより、メラミン樹脂をロール紙に含浸させる。なお、ロール紙の移動速度は、10〜20cm/秒に調整できる。
メラミン溶液中を通過したロール紙は、乾燥機により、温度100℃、乾燥時間2時間となるように乾燥させる。乾燥後、910mm×1820mmに切断してメラミン樹脂含浸紙を得る。
坪量22g/m2の表面紙に、シリコーン系バインダーとしてアクリルシリコン樹脂エマルジョン(チタン工業株式会社製 PCU−103)を固形分換算値で77g/m2となるように含浸処理し、乾燥後910mm×1820mmに切断してシリコーン樹脂含浸表面紙を得る。
厚み0.3〜0.4mmのフェノール樹脂含浸コア紙を4枚積層し、その上に、上記工程により得られたメラミン樹脂含浸紙を積層し、さらにその上にシリコーン樹脂含浸表面紙を積層し、プレス機のプレス面とシリコーン樹脂含浸表面紙の間にPETからなる離形クッション材を介在させて、温度170℃、圧力50kg/cm2、時間100分で熱圧着して化粧板を製造する。
平均粒子径100nmのCuO−TiO2の光触媒を水に分散したスラリー(固形分濃度:25重量%)と、シリカゾル(SiO2濃度:3重量%)とを、4.5:5.5の重量割合(固形分重量)で含むメタノール混合溶液(光触媒濃度0.05重量%)を調製する。
上記工程で得られる化粧板に、スプレーを用いて上記メタノール混合溶液を塗布し、25℃で12時間乾燥させることにより、光触媒が担持された化粧板の製造を完了する。
(抗ウィルス性評価)
実施例1、2、3で得られた光触媒が担持された化粧板の抗ウィルス性を評価するために、JIS R1756 可視光応答形光触媒材料の抗ウィルス性試験方法に準じて抗ウィルス性に関する測定を行う。測定結果は、大腸菌に対して不活化されたウィルス濃度で表す。ここで、ウィルス濃度の指標として、大腸菌に対して不活化されたウィルスの濃度(ウィルス不活度)を使用する。ウィルス不活度とは、バクテリオファージを用いた抗ウィルス性試験で、ファージウィルスQβ濃度:830万個/ミリリットルを用いて、大腸菌に感染することができるウィルスの濃度を測定することにより、大腸菌に対して不活化されたウィルスの濃度を算出した結果となる。すなわち、ウィルス不活度は、ファージウィルスQβ濃度に対して、大腸菌に感染することができない濃度の度合いであり、(ファージウィルスQβ濃度−大腸菌に感染することができるウィルスの濃度)/(ファージウィルスQβ濃度)×100で算出することができる。ウィルス不活度の値が高いほど、抗ウィルス性に優れるといえる。
大腸菌に感染することができるウィルス濃度は、次のように測定する。ファージウィルス濃度既知(830万個/ミリリットル)の試験液を化粧板上に滴下して、JIS R1756に準じて光照射してウィルスを失活させた後、化粧板を所定量の水で洗浄、これを1000倍に希釈して、大腸菌培地に移植して培養し、失活していないウィルスの数を計測する。この失活していないウィルスの数、洗浄に使用した水の量および希釈率から大腸菌に感染することができるウィルス濃度を計算する。
実施例1の化粧板では、大腸菌に感染することができるウィルスの濃度が830個/ミリリットル以下となり、ウィルス不活度に換算すると99.99%以上である。また、実施例2の化粧板では大腸菌に感染することができるウィルスの濃度が3320個/ミリリットルであり、ウィルス不活度に換算すると99.96%に相当する。さらに、実施例3の化粧板では大腸菌に感染することができるウィルスの濃度が830個/ミリリットル以下となり、ウィルス不活度に換算すると99.99%以上に相当する。一方、比較例1の化粧板では、ウィルス不活度は、ほぼ0%である。
本発明では、凝集した光触媒が表層樹脂層上に担持されているため、細菌やウィルスが化粧板表面で流体とともに流動している場合でも、ウィルスの不活度は低下しない。
12 表層樹脂層
13 セラミック粒子
14 機能性物質
A 表層樹脂層全体の表面積
B セラミック粒子が露出して存在する表層樹脂層の合計の表面積
Claims (16)
- 基板と、
前記基板の一方面又は両面上に積層される表層樹脂層と、
前記表層樹脂層上に複数の粒子が凝集した状態で担持される光触媒と、
からなることを特徴とする化粧板。 - 基板と、
前記基板の一方面又は両面上に積層される表層樹脂層と、
前記表層樹脂層上に露出して配置されるセラミック粒子と、
前記セラミック粒子の露出面上で複数の粒子が凝集した状態で担持される光触媒と、
からなることを特徴とする化粧板。 - 前記セラミック粒子は、酸化アルミニウム含有粒子である請求項2に記載の化粧板。
- 前記セラミック粒子は、アルミナ又はアルミン酸ストロンチウムのいずれかからなる粒子である請求項2又は3に記載の化粧板。
- 前記セラミック粒子の平均粒子径は、0.1μm〜55μmである請求項2〜4のいずれかに記載の化粧板。
- 前記セラミック粒子は、前記表層樹脂層表面に対して5〜30%の面積率で露出して存在する請求項2〜5のいずれかに記載の化粧板。
- 前記セラミック粒子の表層に無機ゾルの乾燥体を有している請求項2〜6のいずれかに記載の化粧板。
- 前記複数の粒子が凝集した光触媒の二次粒子の平均粒子径は前記セラミック粒子の平均粒子径の1/5〜1/2である請求項2〜7のいずれかに記載の化粧板。
- 前記セラミック粒子間の隙間に複数の粒子が凝集した光触媒の二次粒子が担持されている請求項2〜8のいずれかに記載の化粧板。
- 前記表層樹脂層上に耐酸化性樹脂層が形成され、その耐酸化性樹脂層上に複数の粒子が凝集した状態で光触媒が担持されている請求項1に記載の化粧板。
- 前記表層樹脂層上にシリコーン樹脂層が形成され、そのシリコーン樹脂層上に複数の粒子が凝集した状態で光触媒が担持されている請求項1に記載の化粧板。
- 前記シリコーン樹脂層上に無機ゾルの乾燥体を有している請求項11に記載の化粧板。
- 前記光触媒は、可視光応答型光触媒である請求項1〜12のいずれかに記載の化粧板。
- 前記可視光応答型光触媒は、白金担持チタニア触媒、銅担持チタニア触媒、鉄担持チタニア触媒、窒素ドープチタニア触媒、硫黄ドープチタニア触媒、炭素ドープチタニア触媒、又は、酸化タングステンである請求項13に記載の化粧板。
- 前記表層樹脂層は、シリコーン樹脂及び/又はシランカップリング剤を含有する請求項1〜14のいずれかに記載の化粧板。
- 前記複数の粒子が凝集した光触媒の二次粒子の平均粒子径が0.1μmを超え、0.6μm以下である請求項1〜15のいずれかに記載の化粧板。
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