JP6198106B2 - 防眩フィルム、偏光板、液晶パネルおよび画像表示装置 - Google Patents
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Description
図1に示されるように、防眩フィルム10は、光透過性基材11と、光透過性基材11上に設けられた防眩層12と、防眩層12上に設けられた低屈折率層13とを備えている。防眩フィルム10は、少なくとも、光透過性基材11と、防眩層12とを備えていればよく、低屈折率層13を備えていなくともよい。光透過性基材11における防眩層12の界面付近には、図1に示されるように光透過性基材11と、重量平均分子量が1000以下の光重合性モノマーをモノマー単位として含む樹脂とが混在した混在領域11Aが形成されていることが好ましい。本明細書において、「重量平均分子量」は、テトラヒドロフラン(THF)等の溶媒に溶解して、従来公知のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によるポリスチレン換算により得られる値である。
光透過性基材11としては、光透過性を有すれば特に限定されないが、例えば、セルロースアシレート基材、シクロオレフィンポリマー基材、ポリカーボネート基材、アクリレート系ポリマー基材、ポリエステル基材、またはガラス基材が挙げられる。
混在領域11Aは、上述したように、光透過性基材1と、重量平均分子量が1000以下の光重合性モノマーをモノマー単位として含む樹脂とが混在した領域である。この光重合性モノマーは、防眩層12の後述するバインダ樹脂14にモノマー単位として含まれている重量平均分子量が1000以下の光重合性モノマーと同じものである。
防眩層12は、防眩性を発揮する層である。防眩層12は、防眩性を発揮するとともに、他の機能を発揮するものであってもよい。具体的には、防眩層12は、防眩性を発揮するとともに、例えば、ハードコート性、反射防止性、帯電防止性、または防汚性等の機能を発揮する層であってもよい。
バインダ樹脂14は、光照射により光重合性化合物を重合(架橋)させて得られたものである。光重合性化合物は、光重合性官能基を少なくとも1つ有するものである。本明細書における、「光重合性官能基」とは、光照射により重合反応し得る官能基である。光重合性官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性二重結合が挙げられる。なお、「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基」および「メタクリロイル基」の両方を含む意味である。また、光重合性化合物を重合する際に照射される光としては、可視光線、並びに紫外線、X線、電子線、α線、β線、およびγ線のような電離放射線が挙げられる。
光重合性モノマーは、重量平均分子量が1000以下のものである。光重合性モノマーの重量平均分子量が1000以下であることによって、光透過性基材11に浸透する溶剤とともに光透過性基材11に光重合性モノマーを浸透させることが可能となる。これにより、光透過性基材11における防眩層12の界面付近に、光透過性基材11と防眩層12との屈折率を緩和するための、光透過性基材11とこの光重合性モノマーをモノマー単位として含む樹脂とが混在した混在領域11Aを形成することができる。なお、このような光重合性モノマーを、1種類のみならず、複数種類用いてもよい。
光重合性オリゴマーは、重量平均分子量が1000を超え10000以下のものである。
光重合性オリゴマーとしては、光重合性官能基が3つ(3官能)以上の多官能オリゴマーが好ましい。光重合性オリゴマーとしては、2官能以上の多官能オリゴマーが好ましい。多官能オリゴマーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、 ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル−ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、イソシアヌレート(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
光重合性ポリマーは、重量平均分子量が10000を超えるものであり、重量平均分子量としては10000以上80000以下が好ましく、10000以上40000以下がより好ましい。重量平均分子量が80000を超える場合は、粘度が高いため塗工適性が低下してしまい、得られる防眩フィルムの外観が悪化するおそれがある。上記多官能ポリマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、イソシアヌレート(メタ)アクリレート、ポリエステル−ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
フュームドシリカ15とは、乾式法で作製された非常に嵩高い非晶質シリカの凝集体である。フュームドシリカ15は、例えば、四塩化ケイ素(SiCl4)等のケイ素化合物を酸素と水素の炎中で加水分解することによって製造される。フュームドシリカの市販品としては、日本アエロジル株式会社製のAEROSIL R805等が挙げられる。
上記したように防眩層12の凹凸面12Aにおける凹凸を形成しない微粒子であれば、防眩層12中に、フュームドシリカ15以外の微粒子を含んでいてもよい。
防眩層用組成物は、少なくとも、上記光重合性化合物、上記フュームドシリカを含むものである。その他、必要に応じて、防眩層用組成物に、フュームドシリカ以外の上記微粒子、上記熱可塑性樹脂、上記熱硬化性樹脂、溶剤、重合開始剤を添加してもよい。さらに、防眩層用組成物には、防眩層の硬度を高くする、硬化収縮を抑える、屈折率を制御する等の目的に応じて、従来公知の分散剤、界面活性剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、増粘剤、着色防止剤、着色剤(顔料、染料)、消泡剤、レベリング剤、難燃剤、紫外線吸収剤、接着付与剤、重合禁止剤、酸化防止剤、表面改質剤、易滑剤等を添加していてもよい。
溶剤としては、例えば、アルコール(例、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、ベンジルアルコール、PGME、エチレングリコール)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール、シクロヘプタノン、ジエチルケトン等)、エーテル類(1,4−ジオキサン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン等)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタン等)、エステル類(蟻酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、乳酸エチル等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)等が例示でき、これらの混合物であってもよい。
重合開始剤は、光照射により分解されて、ラジカルを発生して光重合性化合物の重合(架橋)を開始または進行させる成分である。
レベリング剤としては、例えば、シリコーンオイル、フッ素系界面活性剤等が、防眩層がベナードセル構造となることを回避することから好ましい。溶剤を含む樹脂組成物を塗工し、乾燥する場合、塗膜内において塗膜表面と内面とに表面張力差等を生じ、それによって塗膜内に多数の対流が引き起こされる。この対流により生じる構造はベナードセル構造と呼ばれ、形成する防眩層にゆず肌や塗工欠陥といった問題の原因となる。
低屈折率層13は、外部からの光(例えば蛍光灯、自然光等)が防眩フィルム10の表面にて反射する際に、その反射率を低下させるためのものである。低屈折率層13は防眩層12よりも低い屈折率を有する。具体的には、例えば、低屈折率は、1.45以下の屈折率を有することが好ましく、1.42以下の屈折率を有することがより好ましい。
dA=mλ/(4nA) …(1)
上記式中、nAは低屈折率層の屈折率を表し、mは正の奇数を表し、好ましくは1であり、λは波長であり、好ましくは480nm以上580nm以下の範囲の値である。
120<nAdA<145 …(2)
防眩フィルム10は、全ヘイズ値が1%以下であり、内部ヘイズ値が実質的に0%であることが好ましい。ここで、「内部ヘイズ値が実質的に0%である」とは、内部ヘイズ値が完全に0%である場合に限定されず、内部ヘイズ値が0%を超える場合であっても、測定誤差の範囲内であり、内部ヘイズ値がほぼ0%とみなせる範囲(例えば、0.3%以下の内部ヘイズ値)を含む意味である。全ヘイズ値および内部ヘイズ値は、ヘイズメーター(HM−150、村上色彩技術研究所製)を用いてJIS K7136に準拠した方法により測定することができる。具体的には、ヘイズメーターを用いて、JIS K7136に従って防眩フィルムの全ヘイズ値を測定する。その後、防眩層の表面に、透明光学粘着層を介してトリアセチルセルロース基材(富士フイルム社製、TD60UL)を貼り付ける。これによって、防眩層における凹凸面の凹凸形状が潰れ、防眩フィルムの表面が平坦になる。そして、この状態で、ヘイズメーター(HM−150、村上色彩技術研究所製)を用いて、JIS K7136に従ってヘイズ値を測定することで内部ヘイズ値を求める。この内部ヘイズは、防眩層における凹凸面の凹凸形状を加味しないものである。防眩フィルム10の全ヘイズ値は、0.3%以上0.5%以下であることがより好ましい。
θa=tan−1Δa …(3)
式中、Δaは傾斜を縦横比率で表したものであり、各凹凸の極小部と極大部の差(各凸部の高さに相当)の総和を基準長さで割った値である。
1)表面粗さ検出部の触針((株)小坂研究所製の商品名SE2555N(2μ標準))
・先端曲率半径2μm、頂角90度、材質ダイヤモンド
2)表面粗さ測定器の測定条件
・基準長さ(粗さ曲線のカットオフ値λc):2.5mm
・評価長さ(基準長さ(カットオフ値λc)×5):12.5mm
・触針の送り速さ:0.5mm/s
・予備長さ:(カットオフ値λc)×2
・縦倍率:2000倍
・横倍率:10倍
防眩フィルム10は、例えば、偏光板に組み込んで使用することができる。図3は本実施形態に係る防眩フィルムを組み込んだ偏光板の概略構成図である。図3に示されるように偏光板20は、防眩フィルム10と、偏光素子21と、保護フィルム22とを備えている。偏光素子21は、光透過性基材11における防眩層12が形成されている面とは反対側の面に形成されている。保護フィルム22は、偏光素子21の防眩フィルム10が設けられている面とは反対側の面に設けられている。保護フィルム22は位相差フィルムであってもよい。
防眩フィルム10や偏光板20は、液晶パネルに組み込んで使用することができる。図4は本実施形態に係る防眩フィルムを組み込んだ液晶パネルの概略構成図である。
防眩フィルム10、偏光板20、液晶パネル30は、例えば、4K2K(水平画素数3840×垂直画素数2160)のような水平画素数が3000以上の超高精細な画像表示装置に組み込んで使用することができる。画像表示装置としては、例えば液晶ディスプレイ(LCD)、陰極線管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、タッチパネル、タブレットPC、電子ペーパー等が挙げられる。図5は本実施形態に係る防眩フィルムを組み込んだ画像表示装置の一例である液晶ディスプレイの概略構成図である。
まず、下記に示す組成となるように各成分を配合して、防眩層用組成物を得た。
(防眩層用組成物1)
・フュームドシリカ(オクチルシラン処理、平均粒子径12nm、日本アエロジル社製):0.5質量部
・フュームドシリカ(メチルシラン処理、平均粒子径12nm、日本アエロジル社製):0.2質量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)(製品名「PETA」、ダイセル・サイテック社製):50質量部
・ウレタンアクリレート(製品名「V−4000BA」、DIC社製):50質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASFジャパン社製):5質量部
・ポリエーテル変性シリコーン(製品名「TSF4460」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):0.025質量部
・トルエン:70質量部
・イソプロピルアルコール:40質量部
・シクロヘキサノン:40質量部
・フュームドシリカ(オクチルシラン処理、平均粒子径12nm、日本アエロジル社製):0.6質量部
・フュームドシリカ(メチルシラン処理、平均粒子径12nm、日本アエロジル社製):0.3質量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)(製品名「PETA」、ダイセル・サイテック社製):50質量部
・ウレタンアクリレート(製品名「V−4000BA」、DIC社製):50質量部
・重合開始剤(イルガキュア184、BASFジャパン社製):5質量部
・ポリエーテル変性シリコーン(製品名「TSF4460」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):0.025質量部
・トルエン:70質量部
・イソプロピルアルコール:40質量部
・シクロヘキサノン:40質量部
・アクリル−スチレン共重合体粒子(有機微粒子、平均一次粒径3.0μm、屈折率1.52、積水化成品工業社製):4質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(製品名「PETIA」、ダイセル・サイテック社製):100質量部
・重合開始剤(製品名「イルガキュア184」、BASFジャパン社製):5質量部
・ポリエーテル変性シリコーン(製品名「TSF4460」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):0.025質量部
・トルエン:120質量部
・シクロヘキサノン:30質量部
・ポリスチレン粒子(有機微粒子、平均一次粒径3.0μm、屈折率1.59、積水化成品工業社製):10質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(製品名「PETIA」、ダイセル・サイテック社製):100質量部
・重合開始剤(製品名「イルガキュア184」、BASFジャパン社製):5質量部
・ポリエーテル変性シリコーン(製品名「TSF4460」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):0.025質量部
・トルエン:120質量部
・シクロヘキサノン:30質量部
・不定形シリカ粒子(無機微粒子、疎水化処理、平均粒子径(レーザー回折散乱法)2.7μm、富士シリシア化学社製):4質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(製品名「PETIA」、ダイセル・サイテック社製):100質量部
・重合開始剤(製品名「イルガキュア184」、BASFジャパン社製):5質量部
・ポリエーテル変性シリコーン(製品名「TSF4460」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):0.025質量部
・トルエン:150質量部
・メチルイソブチルケトン(MIBK):35質量部
なお、上記不定形シリカ粒子は、ゲル法で作製されたものであった。
下記に示す組成となるように各成分を配合して、低屈折率層用組成物を得た。
(低屈折率層用組成物)
・中空シリカ微粒子(中空シリカ微粒子の固形分:20質量%、溶液:メチルイソブチルケトン、平均粒径:50nm):40質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(製品名:PETIA、ダイセル・サイテック社製):10質量部
・重合開始剤(イルガキュア127;BASFジャパン社製):0.35質量部
・変性シリコーンオイル(X22164E;信越化学工業社製):0.5質量部
・メチルイソブチルケトン(MIBK):320質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA):161質量部
光透過性基材としての厚さ60μmのトリアセチルセルロース樹脂フィルム(富士フイルム社製、TD60UL)を準備し、トリアセチルセルロース樹脂フィルムの片面に、防眩層用組成物1を塗布し、塗膜を形成した。次いで、形成した塗膜に対して、0.2m/sの流速で70℃の乾燥空気を15秒間流通させた後、さらに10m/sの流速で70℃の乾燥空気を30秒間流通させて乾燥させることにより塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線を窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)下にて積算光量が100mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させることにより、4μm厚み(硬化時)の防眩層を形成し、実施例1に係る防眩フィルムを作製した。
実施例2においては、紫外線の積算光量を50mJ/cm2とした以外は、実施例1と同様にしてトリアセチルセルロース樹脂フィルムに防眩層を形成した。次いで、防眩層の表面に、低屈折率層用組成物を、乾燥後(40℃×1分)の膜厚が0.1μmとなるように塗布し、窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)下にて、積算光量100mJ/cm2で紫外線照射を行って硬化させて低屈折率層を形成し、実施例2に係る光学フィルムを作製した。
実施例3においては、防眩層用組成物1に代えて防眩層用組成物2を用いた以外は、実施例1と同様にして、防眩フィルムを作製した。
実施例4においては、乾燥条件を1.0m/sの流速で70℃の乾燥空気を15秒間流通させた後、さらに20m/sの流速で70℃の乾燥空気を30秒間流通させた以外は、実施例1と同様にして、防眩フィルムを作製した。
比較例1においては、防眩層用組成物1に代えて防眩層用組成物3を用いた以外は、実施例1と同様にして、防眩フィルムを作製した。
比較例2においては、防眩層用組成物1に代えて防眩層用組成物4を用い、硬化時の膜厚を2.5μmとした以外は、実施例1と同様にして、防眩フィルムを作製した。
比較例3においては、防眩層用組成物1に代えて防眩層用組成物5を用いた以外は、実施例1と同様にして、防眩フィルムを作製した。
実施例および比較例で得られた各防眩フィルムにおいて、以下のようにしてギラツキを評価した。輝度1500cd/m2のライトボックス(白色面光源)、200ppiのブラックマトリクスガラス、防眩フィルムの順に下から重ねた状態にし、30cm程度の距離から上下、左右様々な角度から、被験者15人が目視評価を行った。ギラツキが気になるか否かを判定し、下記の基準により評価した。
○:良好と答えた人が10人以上
×:良好と答えた人が5〜9人
××:良好と答えた人が4人以下
実施例および比較例で得られた各防眩フィルムにおいて、以下のようにして黒彩感を評価した。ソニー社製液晶テレビ「KDL−40X2500」の最表面の偏光板を剥離し、表面塗布のない偏光板を貼付した。次いで、その上に得られた実施例および比較例に係る各防眩フィルムを、防眩層側が最表面となるように、光学フィルム用透明粘着フィルム(全光線透過率91%以上、ヘイズ0.3%以下、膜厚20〜50μmの製品、例えばMHMシリーズ:日栄加工社製など)により貼付した。この液晶テレビを、照度が約1000Lxの環境下の室内に設置し、メディアファクトリー社のDVD「オペラ座の怪人」を表示して、液晶テレビから1.5〜2.0m程度離れた場所から、この映像を被験者15人が鑑賞することで、黒彩感を官能評価により評価した。黒彩感は、動画像を表示したとき、コントラストが高く、かつ画像に照りや輝きがあり、躍動感を感じるか否かで判定した。評価基準は以下のとおりである。
◎:良好と答えた人が13人以上
○:良好と答えた人が10〜12人
×:良好と答えた人が9人以下
上記実施例および比較例で得られた各防眩フィルムについて、以下のようにして、全体ヘイズ、内部ヘイズ、表面ヘイズを測定した。まず、ヘイズメーター(HM−150、村上色彩技術研究所製)を用いて、JIS K7136に従って防眩フィルムの全体ヘイズ値を測定した。その後、防眩層の表面に、透明光学粘着層を介してトリアセチルセルロース基材(富士フイルム社製、TD60UL)を貼り付けた。これによって、防眩層における凹凸面の凹凸形状が潰れ、防眩フィルムの表面が平坦になった。この状態で、ヘイズメーター(HM−150、村上色彩技術研究所製)を用いて、JIS K7136に従ってヘイズ値を測定して内部ヘイズ値を求めた。そして、全体ヘイズ値から内部ヘイズ値を差し引くことにより、表面ヘイズ値を求めた。
実施例及び比較例で得られた各防眩フィルムの表面(低屈折率層が無い場合には防眩層の表面、低屈折率層がある場合には低屈折率層の表面)において、Sm、θa、Ra、Ry、およびRzを測定した。Sm、Ra、RyおよびRzの定義は、JIS B0601−1994に従うものとし、θaは表面粗さ測定器:SE−3400/(株)小坂研究所製取り扱い説明書(1995.07.20改訂)に従うものとする。
1)表面粗さ検出部の触針((株)小坂研究所製の商品名SE2555N(2μ標準))
・先端曲率半径2μm、頂角90度、材質ダイヤモンド
2)表面粗さ測定器の測定条件
・基準長さ(粗さ曲線のカットオフ値λc):2.5mm
・評価長さ(基準長さ(カットオフ値λc)×5):12.5mm
・触針の送り速さ:0.5mm/s
・予備長さ:(カットオフ値λc)×2
・縦倍率:2000倍
・横倍率:10倍
10A…表面
11…光透過性基材
11A…混在領域
12…防眩層
12A…凹凸面
13…低屈折率層
14…バインダ樹脂
15…フュームドシリカ
20…偏光板
21…偏光素子
30…液晶パネル
40…画像表示装置
Claims (7)
- 光透過性基材と、前記光透過性基材上に設けられ、かつ凹凸面を有する防眩層とを備え、前記防眩層の凹凸面における凹凸が反映された凹凸面を有する防眩フィルムであって、
前記防眩層が、バインダ樹脂と、前記バインダ樹脂中に存在するフュームドシリカとを含み、
前記防眩層の凹凸面における凹凸が前記フュームドシリカのみに起因して形成されており、
前記防眩フィルムの全ヘイズ値が1%以下であり、
前記防眩フィルムの内部ヘイズ値が実質的に0%であり、
前記防眩フィルムの凹凸面を構成する凹凸の平均間隔Smが0.1mm以上0.8mm以下であり、
前記防眩フィルムの凹凸面を構成する凹凸の平均傾斜角θaが0.01°以上0.1°以下であり、
前記防眩フィルムの凹凸面を構成する凹凸の算術平均粗さRaが0.02μm以上0.12μm以下であり、
前記防眩フィルムの凹凸面を構成する凹凸の最大高さ粗さRyが0.1μm以上0.8μm以下であり、かつ、
前記防眩フィルムの凹凸面を構成する凹凸の10点平均粗さRzが0.1μm以上0.7μm以下である、防眩フィルム。 - 前記防眩層上に設けられ、かつ前記防眩層よりも低い屈折率を有する低屈折率層をさらに備える、請求項1に記載の防眩フィルム。
- 前記フュームドシリカは、表面が疎水化処理されたフュームドシリカである、請求項1または2に記載の防眩フィルム。
- 前記フュームドシリカの平均凝集径が100nm以上2.0μm以下である、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の防眩フィルム。
- 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の防眩フィルムと、
前記防眩フィルムの前記光透過性基材における前記防眩層が形成されている面とは反対側の面に形成された偏光素子とを備えることを特徴とする、偏光板。 - 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の防眩フィルム、または請求項5に記載の偏光板を備える、液晶表示パネル。
- 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の防眩フィルム、または請求項5に記載の偏光板を備え、かつ水平画素数が3000以上である、画像表示装置。
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