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JP6197709B2 - 新聞印刷用インクジェット記録用紙 - Google Patents

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JP6197709B2 JP2014054573A JP2014054573A JP6197709B2 JP 6197709 B2 JP6197709 B2 JP 6197709B2 JP 2014054573 A JP2014054573 A JP 2014054573A JP 2014054573 A JP2014054573 A JP 2014054573A JP 6197709 B2 JP6197709 B2 JP 6197709B2
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Description

本発明は、インクジェット記録方式を利用した新聞印刷に最適化されたインクジェット記録用紙に関する。
インクジェット方式を用いて印刷するインクジェット印刷の用途は、フォトプリント、端末PC(パーソナルコンピュータ)用プリンター、ファックスまたは複写機に留まらない。インクジェット印刷は、多品種小ロット印刷、可変情報印刷を可能とする、いわゆるオンデマンド印刷分野でも実用化が進んでいる。近年、インクジェット方式では、印刷速度の高速化および画質の向上が図られてきており、オフセット印刷や新聞印刷にも広がりをみせている。また、インクジェット印刷方式は、版作製の必要がないため、印刷ロットあたりの印刷部数が少ない印刷において、安価ですむため急速に浸透してきている。このような利点を生かしてオフセット印刷、グラビア印刷、出版印刷、新聞印刷、インクジェット商業印刷への適用が検討されている。
インクジェット方式では、各種の方法により、インクの微小液滴を印刷用紙の表面に射出して、印刷用紙の表面に画像や文字を形成する。インクジェット方式は、高速化、フルカラー化が容易である上、出力時の騒音が低く、装置が低価格であることから、多方面で利用されている。
インクジェット商業印刷では、連続して印刷を行なうことが好ましい。インクジェット商業印刷では、通常、インクジェットインクを射出するインクジェットヘッドとして、ラインヘッドが採用されている。従来のインクジェットヘッドとしては、端末PC用プリンターに多く用いられているシリアル型ヘッドもある。しかし、シリアル型ヘッドを用いる場合には、印刷用紙の搬送を止めて印刷を行なう必要がある。このため、シリアル型ヘッドは、印刷用紙を搬送しながら印刷する場合には使用できない。これに対し、ラインヘッドは、印刷用紙を連続的に搬送しながら印刷できるので、輪転方式などのインクジェット商業印刷に適している。
最近、インクジェット商業印刷市場では、印刷速度のさらなる高速化が進められている。現在、インクジェット商業印刷機として、印刷用紙の搬送速度が60m/min以上のもの、更に高速では200m/minを超えるものが登場している。
インクジェット商業印刷機では、インクジェットヘッドから印刷用紙の表面にインク液滴を射出し、画像を形成した後、印刷物を乾燥している。インクジェット商業印刷機に用いられている乾燥装置としては、いろいろな種類のものがある。例えば、UV(紫外線)ランプ、ハロゲンランプ、LEDランプ、熱風乾燥装置の他、印刷用紙を搬送する搬送ロール(ヒートロール)の表面を熱して印刷物を乾燥させるものなどがある。インクジェット商業印刷機において印刷物を乾燥させる温度は、印刷スピードや、印刷物のインク量に伴って設定される他、紙が発火しない温度を加味して調整されている。
インクジェット商業印刷機で印刷する場合に使用される印刷用紙としては、高いインク吸収性が求められる。印刷用紙のインク吸収性が不十分であると、印字品質上インクの吸収ムラが生じたり、印刷物の異なる色の境界線ににじみが発生したりして、印刷品質が低下する。印刷操業上は紙送り用ペーパーロールをインクで汚しこのインクが紙に再転写されるため印刷速度が上がらなくなる。更に、吸収性低下が原因で印刷用紙にインクが定着しにくくなると、印刷後巻き取られた際に裏移りしたり、印刷後に印刷用紙の表面を擦った際に印刷物からインクが脱落するといった不都合が生じる。
インクジェット印刷機は、無版印刷方式であり、可変情報の印刷に適しているため、顧客情報を取り扱うドキュメントプロセッシングサービス(DPS)や、ダイレクトメール(DM)といったトランスプロモビジネスに広く用いられている。この用途では、文字情報などの可変情報に加えて、宣伝効果を高める写真画像や図柄の印刷も実施されている。インクジェット方式を用いて写真画像や図柄を印刷する場合、可変情報のみを印刷する場合と比較して、印刷用紙に射出されるインク量が非常に多くなる。したがって、写真画像や図柄を印刷するために使用される印刷用紙には、より高いインク吸収性が要求されるようになってきており、ますます紙表面のインクを効率よく乾燥させてさまざまな不具合が起こりにくくすることが重要となってきている。
各メディアビジネスの近年の拡大傾向は、トランスプロモなどのプロモーションメディア、インターネット、衛星放送を含むテレビメディアなどが広がりを見せる一方、新聞メディアは縮小を続けており、印刷部数も減少している。また、メディアに求められる情報が多種多様になるにつれて新聞メディアで取り扱われる情報も多様化しビジュアル化してカラー図柄、カラー写真の取り扱いが増えている。この影響を受け、新聞印刷においては、印刷ロット数は増加し、印刷ロットあたりの印刷部数は減少しており、印刷ロット毎に版を作製し交換が必要となる従来の大型オフセット印刷機を使用した場合の生産性の低下は大きい。この状況を改善するため、印刷会社では版作製と交換作業を伴わないデジタル印刷機の利用検討を進めている。
従来のオフセット印刷機に、インクジェット方式による可変情報の印刷システムを組み込んだ新聞用輪転機も使われているが、取り扱える可変情報は簡単な文字印刷に止まる為、要求される多様な印刷を行えていない。
例えば、デジタル印刷機を用いて、特許文献1に記載されているような従来のオフセット印刷用新聞用紙に印刷すると、水性顔料インクの吸収適性がないため画像の滲み、発色性の低下が発生し現状の新聞印刷品質並みのものが得られない。また、広がりつつあるカラー印刷と写真印刷を行うと用紙に打ち込まれるインク量が増加するためさらに画像低下が発生している。
このような状況を解決するために、以下に示すように、これまで様々な研究がなされている。
例えば、特許文献2には、インクジェット方式による可変情報を印刷するシステムを組み込んだオフセット新聞輪転機向け用紙として、その用紙に用いられる離解パルプ種や繊維長の最適化および給水時間やインクジェット印刷による形状係数を規定したものが記載されている。
特許文献3では、インクジェット印刷用の新聞印刷用紙の表面の多価塩を配することを提案している。
特許文献4では、インクジェット記録媒体印刷用塗工紙の塗工層の顔料、接着剤および着色剤を検討した新聞用紙を含む校正用紙について記載されている。
特許文献5、6には、新聞印刷もしくはその校正に用いるインクジェット記録用紙におけるパルプ種および多価金属塩やカチオン性化合物について記載されている。
特許文献7には、高速輪転インクジェットシステムに使用するシートとして、アルキルアミン・アンモニア・エピハロヒドリン重縮合物の利用および最適なコッブサイズ度について記載されている。
特許文献8には、顔料インクを用いた高速インクジェットシステムにおいて、ポリアミンエピクロルヒドリン共重合体について記載されている。
特開2009−13513号公報 特開2011−161720号公報 特開2010−516524号公報 特開2000−318299号公報 特開2005−28573号公報 特開2003−326844号公報 特開2000−247016号公報 特開2013−226834号公報
前記の各先行文献のうち、特許文献2のオフセット新聞輪転機向け用紙の場合は、インク打ち込み量の多い高精細画像ではインク吸収性が不足する。特許文献3のインクジェット印刷用の新聞印刷用紙の場合は、インク打ち込み量が多くなると滲みが発生する。特許文献4のインクジェット記録媒体印刷用塗工紙は、新聞校正用に検討されたものであるため印刷速度が増すとインク吸収性が不足する。特許文献5,6のインクジェット記録用紙では、インクの発色性は良化するもののインク吸収性が不足し満足な画像が得られない。
特許文献7には、画像などの固定情報をあらかじめオフセット印刷し、可変情報のみを高速輪転インクジェットシステムにて印刷する場合についての画像耐水性の向上について記載されているが、固定情報含めインクジェット印刷するには吸収性、発色性、耐水性が不足する。特許文献8には、インクジェット印刷全般について画像品質向上効果について記載されているが、新聞印刷用インクジェット印刷に使用できる、従来のオフセット印刷用新聞用紙と非常に似通った用紙を得るには不十分である。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、新聞用インクジェット印刷において、インク吸収性、インク発色性、インク定着性に優れた新聞印刷用インクジェット記録用紙を提供することを課題とする。
本発明者等は、従来のオフセット印刷用新聞用紙をインクジェット印刷に用いた場合の各種課題を解決するために研究を重ねた結果、全パルプ中の50質量%以上が脱墨パルプである木材繊維を主体とした坪量が17g/m以上63g/m以下の支持体の少なくとも1面に、重量平均分子量が5500以下のポリアミンエピクロルヒドリン共重合物を含み顔料を含まない表面処理液を固形分換算で片面あたり0.1以上5.0g/m以下の塗布量で塗布して作製した用紙が新聞印刷用インクジェット記録として最適であることを見出し、以下の発明をなすに至ったものである。
〔1〕基紙の少なくとも片面に、カチオン樹脂を含み実質的に顔料を含まない表面処理液を塗布・乾燥してなるインクジェット方式により印刷する新聞用紙であって、前記基紙は、坪量が17〜63g/mで、基紙を構成する全パルプ中の50質量%以上が脱墨パルプであり、前記カチオン樹脂は、重量平均分子量が900〜5500のポリアミンエピクロルヒドリン共重合物であり、前記表面処理液におけるポリアミンエピクロルヒドリン共重合物の含有量が総固形分100質量部のうち30〜60質量部であり、前記表面処理液の塗布量が固形分換算で片面あたり0.1〜5.0g/mであり、前記表面処理液を塗布する前の基紙の表面の明度(L1)、色度(a1)、色度(b1)と、塗布した後の塗布面の明度(L2)、色度(a2)、色度(b2)の差ΔE(L)が1以下であることを特徴とする、新聞印刷用インクジェット記録用紙。
〔2〕前記表面処理液に着色剤を含む、〔1〕に記載の新聞印刷用インクジェット記録用紙。
〔3〕前記基紙が、灰分として炭酸カルシウムを5〜20質量部含有する、〔1〕又は〔2〕に記載の新聞印刷用インクジェット記録用紙。
〔4〕前記新聞印刷用インクジェット記録用紙のJIS P8140に準拠したコッブサイズ度をAとし、前記新聞印刷用インクジェット記録用紙の米坪をBとしたとき、A/Bの値が0.60以上1.20以下である、〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の新聞印刷用インクジェット記録用紙
本発明のインクジェット印刷用塗工紙は、基紙を構成する全パルプ中の50質量%以上が脱墨パルプである坪量17〜63g/m2の基紙の少なくとも片面に、カチオン樹脂を含み実質的に顔料を含まない表面処理液を塗布・乾燥してなる新聞用紙である。また、該カチオン樹脂は重量平均分子量が5500以下のポリアミンエピクロルヒドリン共重合物であり、前記表面処理液の固形分換算の塗布量は片面あたり0.1g/m以上5.0g/m以下である。上記の要件を満たすことに加えて、前記表面処理液を塗布する前の基紙の表面と、塗布した後の塗布面から得られるΔELが1以下であるという要件を満たすことにより、新聞インクジェット印刷において高品質な印刷物が得られる。
<表面処理液>
本発明で使用されるカチオン樹脂を含み実質的に顔料を含まない表面処理液に含まれるカチオン樹脂としては、重量平均分子量が5500以下のポリアミンエピクロルヒドリン共重合物を用いるのが好ましい。この重合物を用いた場合、新聞印刷用インクジェット印刷において高画質な印刷が行える。また、新聞用紙が持つ特有な風合い(色相)をインクジェット印刷用紙で再現することは重要であるが、この重合物を用いると色相変化が非常に小さくなる。
本発明に係る新聞印刷用インクジェット記録用紙は、現在世の中に広く使用されているオフセット印刷用新聞用紙の置き換え商品としての位置づけをもつことから、色相はオフセット印刷用新聞紙に近いものでないといけない。カチオン樹脂を含有する表面処理液を塗布する前後の色相としての指標は、JIS−Z8722で規定される測定方法に従い測定したJIS−Z8729で規定される明度(L値)、色度(a値、b値)を用いて求められる。また、両者の色相の違いは、下記式で表されるΔE(L)で判定できる。この方法は、従来のオフセット印刷用新聞用紙と本発明の新聞印刷用インクジェット記録用紙の比較にも用いられる。本発明におけるΔE(L)の数値は下式により得られる数値を意味する。

ΔE(L)={(L1―L2)+(a1−a2)+(b1−b2)}0.5

1 : 塗布前の基紙の明度(L値)
2 : 塗布後の用紙の明度(L値)
1 : 塗布前の基紙の色度(a値)
2 : 塗布後の用紙の色度(a値)
1 : 塗布前の基紙の色度(b値)
2 : 塗布後の用紙の色度(b値)
ポリアミンエピクロルヒドリン共重合物の最適な重量平均分子量としては、更に900以上5500以下が好ましい。重量平均分子量が900未満になると基紙に塗工する際に基紙中深くに浸透していまい基紙表面上の分布量が少なくなりインクジェット適性の向上効果が小さくなる。また重量平均分子量が5500を超えるとポリアミンエピクロルヒドリン共重合物がバインダーのような特性を持つことからバリアー性を有し、結果としてインクジェットインクの吸収性を阻害するとともに、塗布後の色相変化が大きくなる。
ポリアミンエピクロルヒドリン共重合物の配合量は、表面処理液の固形分換算の総質量部100部に対して30〜60質量部が好ましく、より好ましくは35〜55質量部の範囲で調節される。ポリアミンエピクロルヒドリン共重合物が30質量部未満であると、インクジェット印刷におけるにじみ抑制効果や発色性が低下する。60質量部を超えると、インクジェット印刷のインク吸収性が低下し、塗布後の色相変化が大きくなる傾向がある。
表面処理液にはポリアミンエピクロルヒドリン共重合物を主配合とする以外に、他のカチオン樹脂や硫酸アルミニウム等の金属塩を配合してもかまわない。但し、色相変化が許容範囲を超えない目安として表面処理液の固形分換算の総質量部100部に対して10質量部以下の使用に留めることが望ましい。
カチオン性樹脂の例としては、(1)アルキルアミン−エピクロルヒドリン共重合物、(2)第2級アミノ基、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル重合体、(3)ポリビニルアミン、ポリビニルアミジン、5員環アミジン類、(4)ジシアンジアミド−ホルマリン共重合体に代表されるジシアン系カチオン樹脂、(5)ジシアンジアミド−ポリエチレンアミン共重合物に代表されるポリアミン系カチオン樹脂、(6)ポリエチレンポリアミンやポリプロピレンポリアミンなどのポリアルキレンポリアミン類又はその誘導体、(7)ジアリルジメチルアンモニウム−SO共重合物、(8)ジアリルアミン塩−SO共重合物、(9)ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物、(10)アリルアミン塩の重合物、(11)ビニルベンジルトリアリルアンモニウム塩の単独重合体又は共重合体、(12)ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩共重合物、(13)アクリルアミド−ジアリルアミン塩共重合物、(14)ポリ塩化アルミニウム、ポリ酢酸アルミニウムなどのアルミニウム塩等の一般市販されているものが挙げられ、アルミニウム塩以外の金属塩としては、硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛、ギ酸カルシウム、酢酸カルシウム、硝酸カルシウムが挙げられる。
本発明で使用するデンプンとしては、アルキル変性デンプン、カチオン化デンプン、生デンプン、酸化デンプン、エーテル化デンプン、エステル化デンプン等が挙げられる。これらのデンプン類は、溶液型スチレン重合体や溶液型スチレン−アクリル共重合体との相溶性が良く、表面処理液を塗布した後、インクジェット用紙表面に溶液型スチレン重合体や溶液型スチレン−アクリル共重合体が均一に分布し、印刷面の均一性が向上するため好ましい。
デンプン類の配合量は、表面処理液の固形分換算の総質量部100部に対して40〜90質量部が好ましく、より好ましくは50〜80質量部の範囲で調節される。デンプン類が40質量部未満であると、表面強度の低下が起こり、印刷部のコスレ汚れが発生しやすくなり、90質量部を超えると、インク乾燥性の低下、印刷部のムラが起こりやすくなる。
デンプン類の他に、バインダーとしてカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロースなどの水溶性セルロース類、アルギン酸、グアーガム、キサンタンガム、プルラン等の天然水溶性高分子誘導体類、カチオン化ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド等を使用してもかまわない。
本発明で使用するカチオン樹脂を含み実質的に顔料を含まない表面処理液には、表面サイズ剤として溶液型スチレン系重合体、または、溶液型スチレン−アクリル系共重合体を含有する。表面サイズ剤の配合量は、表面処理液の固形分換算の総質量部100部に対して0.1〜4質量部が好ましく、より好ましくは0.2〜3質量部の範囲で調節される。表面サイズ剤が0.1質量部未満であると、インクジェット印刷適性の滲みレベルの低下が起こり、4質量部を超えると、インク乾燥性レベルの低下が起こる。
溶液型スチレン系重合体、または、溶液型スチレン−アクリル系共重合体は、水分散型いわゆるエマルジョン型のものに対して、溶液型のものは溶剤を介して水中に溶解するため、表面処理液中に溶解した状態で含有され、原紙に塗布された際に均一に塗布され、ベタ印刷部の均一性が向上する。市販品では星光PMC社製SE2220、SS2702、SS2700等が使用可能である。
表面処理液は実質上顔料を含まない。もしも顔料が含まれるとインクジェット印刷の吸収性が低下する。
また、表面処理液を塗布した後の色相をより従来のオフセット印刷用新聞用紙に近づけるために、表面処理液に着色剤を入れて色相を調整するとさらによい。表面処理液への添加量としては、表面処理液の固形分換算の総質量部100部に対して0.005質量部から0.5質量部がよい。本発明で使用するポリアミンエピクロルヒドリン共重合物以外のカチオン性樹脂を用いている場合、表面処理液に着色剤を入れたとしてもL値の変化が大きくなり、結果として、ΔE(L)が1以下に収まらない。
使用される着色剤としては、例えば、アゾ化合物(ジチゾン、ホルマザン)、キノン系(ナフトキノン、アントラキノン、アクリドン、アントアントロン、インダントレン、ピレンジオン、ビオラントロン)、キノンイミン(アジン、オキサジン、チアジン)、インジゴ染料(インジルビン、オキシインジゴ、チオインジゴ)、硫化染料、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン(フルオラン、フルオレセイン、ローダミン)、フェロセン、フルオレノン、フルギド、ペリレン、フェナジン、フェノチアジン、ポリレン(カロテン、マレイン酸誘導体、ピロラジン、スチルベン、スチリル)、ポリメチン(シアニン、ピリジニウム、ピリリウム、キノリニウム、ローダニン)、キサンテン、アリザリン、アクリジン、アクリジノン、カルボスチリル、クマリン、ジフェニルアミン、フタロペリノン、ポルフィン、クロロフィル、フタロシアニン、クラウン化合物、スクアリリウム、チアフルバレン、チアゾール、ニトロ染料、ニトロソ染料、発色後のロイコ染料などの染料系着色剤、チタンブラック、チタニウムイエロー、群青、紺青、コバルト青、カーボンブラック、鉄黒、酸化亜鉛、酸化コバルト、酸化珪素、水酸化アルミニウム、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、染色レーキ、澱粉、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン樹脂などの合成樹脂粒子、シリコーン粒子などの顔料系着色剤およびスチルベン系、ジスチルベン系、ベンゾオキサゾール系、クマリン系、ジスチルベン系、ベンゾイミダゾール系、ピラゾリン系などの蛍光染料が挙げられるが、これに限定さえるものではない。オフセット印刷用新聞用紙の色相に近づけるために単体、併用どちらでもよい。
また、必要に応じ各種助剤、例えば、界面活性剤、pH調節剤、粘度調節剤、柔軟剤、光沢付与剤、ワックス類、分散剤、流動変性剤、安定化剤、帯電防止剤、架橋剤、サイズ剤、紫外線吸収剤、消泡剤、耐水化剤、可塑剤、滑剤、防腐剤及び香料等が必要に応じて適宜配合される。
表面処理液の塗布量については、特に限定されるものではないが、片面当りの乾燥塗布量が0.1〜5.0g/mの範囲となるように、原紙の片面もしくは両面に塗布、乾燥するのが好ましく、0.3〜3.0g/mの範囲とするのがさらに好ましい。表面処理液の乾燥後(固形分換算)塗布量が0.1g/m未満では、充分なインクジェット印刷適性が得られず、他方、5.0g/mを越えるとインク乾燥性が低下しやすくなる。
<原紙>
本発明で用いる新聞印刷用インクジェット記録用紙の原紙としては、全パルプ中の50質量%以上が脱墨パルプ(DIP等)であり、この他に化学パルプ(NBKP、LBKP等)、機械パルプ(GP、CGP、RGP、PGW、TMP等)等の木材パルプを単独または任意の比率で混合して使用される。また、ホワイトカーボン、クレー、無定形シリカ、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウムなどの製紙用填料が抄紙時に添加される。このとき、インクジェット印刷のインク吸収性を考慮すると炭酸カルシウムを用いることが望ましい。填料は原紙100質量部中5質量部以上20質量部以下含有することが望ましい。5質量部未満となるとインク吸収性が低下し、また20質量部を超えるとなると印刷に必要な十分な紙力が得られず断紙を引き起こす可能性があり好ましくない。
また、必要に応じて、内添サイズ剤、定着剤、紙力増強剤、歩留り向上剤、耐水化剤、紫外線吸収剤等の公知公用の抄紙用薬品が適宜添加され、公知公用の抄紙機にて抄紙される。原紙の抄造条件についても、特に限定はない。オフセット印刷用新聞用紙の色相に近づけるために、各種着色剤を用いてもよい。抄紙機としては、例えば、長網式抄紙機、ギャップフォーマー型抄紙機、円網式抄紙機、短網式抄紙機等の商業規模の抄紙機が、目的に応じて適宜選択して使用できる。
本発明の新聞印刷用インクジェット記録用紙に使用する原紙は、坪量が17〜63g/m程度の範囲にある原紙が、好ましい。坪量が17g/m未満となると印刷の際紙が切れ効率が下がる。また、印刷物が裏面に透けて両面印刷用に使用できない。また63g/mを超えるとなると新聞として利用する際重さが大きくなりすぎ好ましくない。
<表面処理液の塗布>
表面処理液を原紙へ塗布するための装置としては、特に限定されるものではないが、例えば、以下のような公知公用の装置が適宜使用される。
2ロールサイズプレス、ブレードメタリングサイズプレス、ロッドメタリングサイズプレス、ゲートロールコーターなどのロールコーター、トレーリング、フレキシブル、ロールアプリケーション、ファウンテンアプリケーション、ショートドゥエル等のベベルタイプやベントタイプのブレードコーター、ロッドブレードコーター、バーコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、グラビアコーターなど。なお、表面処理液を塗布後の湿潤塗被層を乾燥する方法としては、例えば、蒸気乾燥、ガスヒーター乾燥、電気ヒーター乾燥、赤外線ヒーター乾燥等の各種方式が採用できる。
本発明の新聞印刷用インクジェット記録用紙の製造に際しては、表面処理液の塗工後に、各種キャレンダー装置にて平滑化処理を施しても良い。かかるキャレンダー装置としては、スーパーキャレンダー、ソフトキャレンダー、グロスキャレンダー、コンパクトキャレンダー、マットスーパーキャレンダー、マットキャレンダー等の一般に使用されているキャレンダー装置が適宜使用できる。キャレンダー仕上げ条件としては、剛性ロールの温度、キャレンダー圧力、ニップ数、ロール速度、キャレンダー前の紙水分等が、要求される品質に応じて適宜選択される。さらに、キャレンダー装置は、抄紙機と別であるオフタイプと抄紙機と一体となっているオンタイプがあるが、どちらにおいても使用できる。
使用するキャレンダー装置の材質は、剛性ロールでは金属もしくはその表面に硬質クロムメッキ等で鏡面処理したロールである。弾性ロールはウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ポリアクリレート樹脂等の樹脂ロール、コットン、ナイロン、アスベスト、アラミド繊維等を成型したロールが適宜使用される。なお、キャレンダーによる仕上げ後の新聞用紙の調湿、加湿のための水塗り装置、静電加湿装置、蒸気加湿装置等を適宜組合せて使用することも可能である。
本発明に係る新聞印刷用インクジェット記録用紙は、インクジェット印刷機のインク吸収性を規定するために、JIS P 8140で規定される吸水度試験方法コッブ法(水を捨てるまでの時間を10秒、吸取りを開始するまでの時間を20秒)で得られる吸水度(A)が特に重要である。吸水度は坪量により変動するため、吸水度(A)と新聞印刷用インクジェット記録用紙の坪量(B)の比率(A)/(B)が0.6以上1.2以下であることが望ましい。0.6未満になるとインク吸収性が低下し、1.2を超えると発色性の低下が起こる。
本発明に係るインクジェット用紙の不透明度は特に限定されないが、75%以上、好ましくは80%以上であれば、印刷面の裏面に印刷面が透き通ることなく印刷後の不透明性を維持できる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。例中、部とあるのは質量部を、%とあるのは質量%をそれぞれ示す。尚、本発明は、これらの実施例に何等制限を受けるものではない。
実施例1
<基材の調製>
脱墨古紙パルプ60部、サーモメカニカルパルプ20部、グラインドパルプ10部、針葉樹クラフトパルプ10部の割合で混合し離解して400mlC.S.F.とした。このパルプ100部に対して硫酸バンド1部、カチオン化でんぷん(王子コーンスターチ製エースK―100)1部、サイズ剤としてアルケニル無水コハク酸(荒川化学工業製サイズパイン SA-864)0.5部を添加した後、填料として炭酸カルシウムを20部混合し、さらに歩留まり剤(協和産業製キースロックRP40L、ポリアクリルアミド)を0.011部添加して調製した紙料を長網多筒型抄紙機によって抄紙し、坪量42g/mの原紙を得た。この原紙は、L=90、a=−1、b=2.5であった。
上記原紙上に、酸化デンプン(王子コーンスターチ製、エースA)59部、表面サイズ剤(星光PMC社、SE2220)1部、ポリアミンエピクロルヒドリン共重合物(星光PMC製DK6810、重量平均分子量 2000)40部の割合の混合物を含有する表面処理液を乾燥塗布量が両面で2.5g/mとなるように2ロールサイズプレス機で塗布後乾燥し、坪量44.5g/mの新聞印刷用インクジェット記録用紙(L=89.5、a=−1.3、b=2.5)を得た。この時の吸水度は40g/mであった(A/B=0.90)。
実施例2
実施例1の表面処理液中のポリアミンエピクロルヒドリン共重合物(星光PMC製DK6810、重量平均分子量 2000)を、ポリアミンエピクロルヒドリン共重合物(星光PMC製TDK202、重量平均分子量5000)に変更した以外は実施例1同様にして、坪量44.5g/mの新聞印刷用インクジェット記録用紙を得た(L=89.3、a=−1.5、b=2.5)。この時の吸水度は45g/mであった(A/B=1.01)。
実施例3
実施例1の表面処理液の塗工量を2.5g/mから0.5g/mに変更した以外は実施例1と同様にして、坪量42.5g/mの新聞印刷用インクジェット記録用紙を得た(L=89.8、a=−1.1、b=2.5)。この時の吸水度は50g/mであった(A/B=1.18)。
実施例4
実施例1の表面処理液の塗工量を2.5g/mから4.5g/mに変更した以外は実施例1と同様にして、坪量46.5g/mの新聞印刷用インクジェット記録用紙を得た(L=90、a=−1.3、b=2.6)。この時の吸水度は35g/mであった(A/B=0.75)。
実施例5(参考実施例)
実施例1の表面処理液中の酸化でんぷん59部とポリアミンエピクロルヒドリン共重合物40部を、酸化でんぷん79部、ポリアミンエピクロルヒドリン共重合物20部とする以外は実施例1と同様にして、坪量44.5g/mの新聞印刷用インクジェット記録用紙を得た(L=89.6、a=−1.2、b=2.5)。この時の吸水度は30g/mであった(A/B=0.67)。
実施例6(参考実施例)
実施例1の表面処理液中の酸化でんぷん59部とポリアミンエピクロルヒドリン共重合物40部を、酸化でんぷん19部とポリアミンエピクロルヒドリン共重合物80部とする以外は実施例1と同様にして、坪量44.5g/mの新聞印刷用インクジェット記録用紙を得た(L=90、a=−1.6、b=2.7)。この時の吸水度は50g/mであった(A/B=1.12)。
実施例7
実施例1の原紙における填料としての炭酸カルシウム10部を3部に変更した以外は実施例1と同様にして、坪量44.5g/mの新聞印刷用インクジェット記録用紙(L=89.8、a=−1.3、b=2.6)を得た。上記の原紙は、L=89.8、a=−1.1、b=2.4のものであった。この時の吸水度は50g/mであった(A/B=1.12)。
実施例8
実施例1の原紙における填料としての炭酸カルシウム10部を25部に変更した以外は実施例1と同様にして、坪量44.5g/mの新聞印刷用インクジェット記録用紙(L=89、a=−1.5、b=2.0)を得た。上記の原紙は、L=89.5、a=−1.3、b=2.2のものであった。この時の吸水度は30g/mであった(A/B=0.67)。
実施例9
実施例1の原紙におけるサイズ剤量を0.5部から1.0部に変更した以外は実施例1と同様にして、坪量44.5g/mの新聞印刷用インクジェット記録用紙を得た(L=89.5、a=−1.3、b=2.5)。上記の原紙は、L=89.8、a=−1.1、b=2.6のものであった。この時の吸水度は30g/mであった(A/B=0.67)。
実施例10
実施例1の原紙におけるサイズ剤を、アルケニル無水コハク酸(荒川化学工業製サイズパイン SA-864)0.5部からアルキルケテンダイマー(荒川化学工業製サイズパイン K-287)0.5部に変更した以外は実施例1と同様にして、坪量44.5g/mの新聞印刷用インクジェット記録用紙(L=89.5、a=−1.3、b=2.5)を得た。上記の原紙は、L=90、a=−1、b=2.5のものであった。この時の吸水度は38g/mであった(A/B=0.86)。
実施例11
実施例1の表面処理液に対してアゾ系直接染料(ダイレクトペーパーブラックRAL 日本化学工業所製)を0.01部添加した以外は実施例1と同様にして、新聞印刷用インクジェット用紙(L=89.8、a=−1、b=2.5)を得た。この時の吸水度は40g/mであった(A/B=0.90)。
実施例12
実施例1の表面処理液中のポリアミンエピクロルヒドリン共重合物(星光PMC製DK6810、重量平均分子量 2000)を、ポリアミンエピクロルヒドリン共重合物(星光PMC製、DK6802 重量平均分子量1000)に変更した以外は実施例1と同様にして、坪量44.5g/mの新聞印刷用インクジェット記録用紙(L=89.5、a=−1.1、b=2.5)を得た。この時の吸水度は45g/mであった(A/B=1.01)。
比較例1
実施例1の坪量42g/mの原紙を、坪量15g/mの原紙に変更した以外は実施例1と同様にして、17.5g/mの新聞印刷用インクジェット記録用紙(L=93.2、a=−2.2、b=3.5)を得た。原紙の色相は(L=93、a=−2、b=3.5)であった。この時の吸水度は10g/mであった(A/B=0.57)。
比較例2
実施例1の坪量42g/mの原紙を、坪量68g/mの原紙とした以外は実施例1と同様にして、70.5g/mの新聞印刷用インクジェット記録用紙(L=87.5、a=1.3、b=1.5)を得た。原紙の色相は(L=87、a=1、b=1.5)であった。この時の吸水度は90g/mであった(A/B=1.28)。
比較例3
実施例1の表面処理液中のポリアミンエピクロルヒドリン共重合物(星光PMC製DK6810、重量平均分子量 2000)を、ポリアミンエピクロルヒドリン共重合物(星光PMC製DK6857、重量平均分子量 10000)に変更した以外は実施例1同様にして、坪量44.5g/mの新聞印刷用インクジェット記録用紙(L=87.8、a=0.5、b=2)を得た。この時の吸水量は45g/mであった(A/B=1.01)。
比較例4
実施例1の表面処理液の塗工量を、2.5g/mから6.0g/mに変更した以外は実施例1と同様にして、坪量48g/mの新聞印刷用インクジェット記録用紙(L=87.5、a=1.3、b=1.5)を得た。この時の吸水度は20g/mであった(A/B=41.7)。
比較例5
実施例1の表面処理液中のポリアミンエピクロルヒドリン共重合物(星光PMC製DK6810、重量平均分子量 2000)40部を、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(センカ製ユニセンスCP−91、重量平均分子量 20000)40部に変更した以外は実施例1と同様にして、坪量44.5g/mの新聞印刷用インクジェット記録用紙(L=86.5、a=1.3、b=1.5)を得た。この時の吸水度は40g/mであった(A/B=0.90)。
比較例6
実施例1の表面処理液中のポリアミンエピクロルヒドリン共重合物(星光PMC製DK6810、重量平均分子量 2000)40部を、ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物(里田化工社製ジェットフィックス36N、重量平均分子量 3100)40部に変更した以外は実施例1と同様にして、坪量44.5g/mの新聞印刷用インクジェット記録用紙(L=85.5、a=2.3、b=2.1)を得た。この時の吸水度は30g/mであった(A/B=0.67)。
比較例7
比較例5の表面処理液に対してアゾ系直接染料(ダイレクトペーパーブラックRAL 日本化学工業所製)0.01部を添加した以外は実施例1と同様にして、新聞印刷用インクジェット用紙(L=88.5、a=−2.1、b=3.5)を得た。この時の吸水度は40g/mであった(A/B=0.90)。
比較例8
<オフセット印刷用新聞用紙として>
<基材の調製>
脱墨古紙パルプ60部、サーモメカニカルパルプ20部、グラインドパルプ10部、針葉樹クラフトパルプ10部の割合で混合し離解して400mlC.S.F.とした。このパルプ100部に対して、サイズ剤としてアルキルケテンダイマーを0.01部、カチオン化でんぷん(王子コーンスターチ製エースK―100)を0.5部、填料としての炭酸カルシウムを40部混合した後、歩留まり剤(協和産業製キースロックRP40L、ポリアクリルアミド)を0.01部添加して調製した紙料を長網多筒型抄紙機によって抄紙し、坪量42g/mの原紙(L=88、a=0、b=1.5)を得た。
上記原紙上に、酸化デンプン(王子コーンスターチ製、エースA)のみを含有する塗布液を両面で1g/mとなるように2ロールサイズプレス機で塗布後乾燥し、坪量43g/mの新聞印刷用インクジェット記録用紙(L=88、a=0、b=1.5)を得た。この時の吸水度は46g/mであった(A/B=1.03)。
各実施例及び比較例で得たインクジェット用紙について、以下に示す方法により評価を行った。得られた結果を表1に示す。
<インクジェット印刷適性/バーコード印刷適性=にじみ評価>
各実施例及び比較例で得たインクジェット用紙をミヤコシ製高速インクジェット プリンティングシステムMJP600で「UCC/EAN128コード」を印刷した。その後、インクジェット印刷されたEAN128バーコードについて、バーコード検証機「Inspector D4000」(RJS社製)を用いてバーコードを10回走査させて評価した。
(評価基準)
5:バーコードリーダーの10回の走査の内、10回読み取れる。
4:バーコードリーダーの10回の走査の内、9回読み取れる。
3:バーコードリーダーの10回の走査の内、6以上9回未満読み取れる。
2:バーコードに対して複数の走査線を通過させると読み取れるレベル。
1:読み取ることが出来ないレベル。
なお、評価が2以下のものは、実用上問題がある。
<インクジェット印刷適性/インク乾燥性>
各実施例及び比較例で得たインクジェット用紙をミヤコシ製高速インクジェット プリンティングシステムMJP600で「UCC/EAN128コード」を印刷した。その後、インクジェット印刷を行った部位について、インクの転写汚れについて目視判定を行った。(評価基準)
5(優)−1(劣)
なお、評価が2以下のものは、実用上問題がある。
<インクジェット印刷適性/裏写り評価>
各実施例及び比較例で得たインクジェット用紙をミヤコシ製高速インクジェット プリンティングシステムMJP600で「UCC/EAN128コード」を印刷した。その後、インクジェット印刷を行った部位を用紙の裏側から、インク裏移りについて目視判定を行った。
(評価基準)
5(優)−1(劣)
なお、評価が2以下のものは、実用上問題がある。
<インクジェット印刷適性/耐水性>
各実施例及び比較例で得たインクジェット用紙をミヤコシ製高速インクジェット プリンティングシステムMJP600で、日本規格協会発行の「カラーディジタル標準画像データ/N3」を印刷した。インクジェット印刷後のシートを水道水中に30秒間浸積した後、自然乾燥した。その後、印刷画像の滲みの程度を目視で評価した。
(評価基準)
5(優)−1(劣)
なお、評価が2以下のものは、実用上問題がある。
<インクジェット印刷適性/耐擦過性>
各実施例及び比較例で得たインクジェット用紙をミヤコシ製高速インクジェット プリンティングシステムMJP600で、日本規格協会発行の「カラーディジタル標準画像データ/N3」を印刷した。その後、インクジェット印刷部をウエスで10回擦り、印刷部コスレ汚れの程度を目視で評価した。
(評価基準)
5(優)−1(劣)
なお、評価が2以下のものは、実用上問題がある。
<インクジェット印刷適性/ベタ印刷部均一性>
各実施例及び比較例で得たインクジェット用紙をミヤコシ製高速インクジェット プリンティングシステムMJP600で、日本規格協会発行の「カラーディジタル標準画像データ/N3」を印刷した。その後、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローベタ印刷部全ての印刷ムラの程度を目視で評価した。
(評価基準)
5(優)−1(劣)
なお、評価が2以下のものは、実用上問題がある。
実施例1〜12及び比較例1〜8の、インクジェット印刷適性の評価結果を表1に示す。
Figure 0006197709
表1の結果から明らかなように、実施例1〜4、7〜12のインクジェット記録用紙は、脱墨パルプ50質量%以上で坪量17〜63g/mという基紙面を、選択された重量平均分子量のポリアミンエピクロヒドリン共重合物をカチオン樹脂として含み、顔料を含まない表面処理液により処理することにより、新聞用紙用インクジェット記録用紙に求められるインクジェット適性の全評価項目をバランスよく満たしているとともに、基紙面と表面処理液を塗布乾燥した後の塗布面から得られる色相の差ΔE(La)の数値がいずれも1未満であることによって、新聞用紙が持つ風合(色相)をインクジェット印刷用紙で実現することができたものである。

Claims (4)

  1. 基紙の少なくとも片面に、カチオン樹脂を含み実質的に顔料を含まない表面処理液を塗布・乾燥してなるインクジェット方式により印刷する新聞用紙であって、前記基紙は、坪量が17〜63g/mで、基紙を構成する全パルプ中の50質量%以上が脱墨パルプであり、前記カチオン樹脂は、重量平均分子量が900〜5500のポリアミンエピクロルヒドリン共重合物であり、前記表面処理液におけるポリアミンエピクロルヒドリン共重合物の含有量が総固形分100質量部のうち30〜60質量部であり、前記表面処理液の塗布量が片面あたり固形分換算で0.1〜5.0g/mであり、前記表面処理液を塗布する前の基紙の表面の明度(L1)、色度(a1)、色度(b1)と、塗布した後の塗布面の明度(L2)、色度(a2)、色度(b2)の差ΔE(L)が1以下であることを特徴とする、新聞印刷用インクジェット記録用紙。
  2. 前記表面処理液に着色剤を含む、請求項1に記載の新聞印刷用インクジェット記録用紙。
  3. 前記基紙が、灰分として炭酸カルシウムを5〜20質量部含有する、請求項1又は2に記載の新聞印刷用インクジェット記録用紙。
  4. 前記新聞印刷用インクジェット記録用紙のJIS P8140に準拠したコッブサイズ度をAとし、前記新聞印刷用インクジェット記録用紙の米坪をBとしたとき、A/Bの値が0.60以上1.20以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の新聞印刷用インクジェット記録用紙
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