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JP6194615B2 - モータ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、モータの駆動を制御するモータ制御装置に関する。
車両のステアリングシャフトやラックシャフトにモータのアシストトルクを付与することにより運転者のステアリング操作を補助する電動パワーステアリング装置が知られている。この電動パワーステアリング装置には、操舵機構に付与される操舵トルクに基づいてモータの駆動を制御するモータ制御装置が設けられている。モータ制御装置は、モータの各相(U相、V相、W相)の給電経路に配置されるスイッチング素子の開閉に基づいてモータに三相の駆動電力を供給する駆動回路と、駆動回路のスイッチング素子を開閉させる制御信号を生成するマイコンとからなる。マイコンは、操舵トルクに基づいて、モータの目標出力に対応する電流指令値を演算する。そしてマイコンは、この電流指令値にモータの各相電流値を追従させる電流フィードバック制御の実行によりモータの各相電圧指令値を演算し、この各相電圧指令値に基づいて制御信号を生成する。
一方、このようなモータ制御装置には、モータの各相給電経路に断線などの異常が生じたときに二相駆動制御などの各種フェイルセーフ制御を実行するものがある。こうしたフェイルセーフ制御の実行のためには、断線異常が発生したときに、各相給電経路のいずれが故障相であるかを特定する必要がある。そして従来、故障相を検出することが可能なモータ制御装置としては、特許文献1に記載の装置がある。その検出原理は以下の通りである。
各相給電経路のうちのいずれか一つに断線などの異常が生じた場合、異常が生じた故障相の電流値が零に保持されるため、故障相の電流値は電流指令値と乖離し易くなる。そのため故障相の電圧指令値はモータ回転角の変化に対して上限値あるいは下限値に張り付いたまま推移し易くなる。特許文献1に記載のモータ制御装置は、この点に着目し、三相のうちのいずれか一つを特定相とするとき、特定相の電流値が所定の電流判定値未満であって、且つ、特定相の電圧指令値が所定の電圧指令判定値を超えていることを条件に、特定相に通電不良が生じたと判定している。
特許第4348897号公報
ところで、各相給電経路のうちのいずれか一つに断線などの異常が生じた場合、異常が生じた故障相以外の正常な二相の電流値にも変化が生じるため、正常な二相の電流値も電流指令値と乖離し易くなる。したがって正常な二相の電圧指令値もモータ回転角の変化に対して上限値付近あるいは下限値付近で推移する場合がある。そのため特許文献1に記載のモータ制御装置では、正常相の電圧指令値が上限値付近あるいは下限値付近の値であるときに正常相の電流値が所定値未満になると、正常相を故障相として誤検出するおそれがあり、好ましくない。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、より的確に故障相を検出することのできるモータ制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するモータ制御装置は、モータの各相給電経路に配置されるスイッチング素子のスイッチングに基づき前記モータに三相の駆動電力を供給する駆動回路と、前記モータの目標出力に対応する電流指令値に前記モータの各相電流値を追従させる電流フィードバック制御を通じて前記モータの各相電圧指令値を演算し、前記各相電圧指令値に基づいて、前記スイッチング素子をスイッチングさせるための制御信号を生成する制御部と、を備えるモータ制御装置であって、前記三相のうちのいずれか一つを特定相とするとき、前記特定相の電流値の絶対値が所定の第1電流判定値未満であること、前記特定相の電圧指令値の絶対値が前記モータに印加すべき相電圧に対応するデューティ値の上限値又は下限値に応じて設定される電圧指令判定値以上であること、及び前記特定相の電圧指令値が前記特定相以外の二相の電圧指令値と乖離していることの全ての条件が満たされることを条件に、前記特定相の通電不良を検出する異常検出部を備える。
発明者の実験により、故障相の電圧指令値がモータ回転角の変化に対して上限値あるいは下限値に張り付いたまま推移している場合、故障相以外の正常な二相の電圧指令値は次のように変化していることが確認できた。まず故障相の電圧指令値が上限値に張り付いたまま推移している場合、正常な二相の電圧指令値は下限値付近を推移する。また故障相の電圧指令値が下限値に張り付いたまま推移している場合、正常な二相の電圧指令値は上限値付近を推移する。すなわち故障相の電圧指令値が上限値あるいは下限値に張り付いたまま推移している場合、故障相の電圧指令値と正常な二相の電圧指令値とが乖離するように変化する。したがって、三相のうちのいずれか一つを特定相とするとき、特定相の電圧指令値と、それ以外の二相の電圧指令値とが乖離している状況で特定相のみについて通電不良の有無を判定すれば、特定相の通電不良を的確に検出することができるとともに、特定相以外の二相の通電不良を誤検出することもない。よって上記構成によれば、より的確に故障相を検出することができる。
上記モータ制御装置について、前記異常検出部は、前記特定相の電圧指令値の正負の符号と前記特定相以外の二相の電圧指令値のそれぞれの正負の符号とが相違しているか否かに基づいて、前記特定相の電圧指令値が前記特定相以外の二相の電圧指令値と乖離しているか否かを判定することが有効である。
この構成によれば、特定相の電圧指令値と、それ以外の二相の電圧指令値とが乖離しているか否かを容易に判定することができる。
一方、発明者の実験により、特定相の電圧指令値と、それ以外の二相の電圧指令値とが乖離している場合、特定相以外の二相の電流値が零付近の値となることが確認できた。また、特定相の電圧指令値と、それ以外の二相の電圧指令値とが乖離している場合、モータ回転角が所定の範囲で変化している状況であることも確認できた。
そこで上記モータ制御装置について、前記異常検出部は、前記特定相以外の二相の電流値の絶対値が第2電流判定値未満であるか否かに基づいて、前記特定相の電圧指令値が前記特定相以外の二相の電圧指令値と乖離しているか否かを判定することが有効である。
また上記モータ制御装置について、前記異常検出部は、前記モータの回転角が所定の範囲であるか否かに基づいて、前記特定相の電圧指令値が前記特定相以外の二相の電圧指令値と乖離しているか否かを判定することが有効である。
これらの構成によれば、特定相の電圧指令値と、それ以外の二相の電圧指令値とが乖離しているか否かを容易に判定することができる。
このモータ制御装置によれば、より的確に故障相を検出することができる。
電動パワーステアリング装置の概略構成を示すブロック図。 モータ制御装置の一実施形態についてその構成を示すブロック図。 (a)は、デューティ値及び三角波の推移を示すタイムチャート。(b)〜(g)は、各相の上側FET及び下側FETのスイッチング状態の推移を示すタイムチャート。 各相の給電経路に通電不良が生じていない場合におけるモータ回転角(電気角)と各相電流値との関係を示すグラフ。 U相の給電経路に通電不良が生じた場合におけるモータ回転角(電気角)と各相電流値との関係を示すグラフ。 U相の給電経路に通電不良が生じた場合におけるモータ回転角(電気角)と各相デューティ値との関係を示すグラフ。 実施形態のモータ制御装置により実行されるU相の通電不良検出処理の手順を示すフローチャート。 モータ制御装置の変形例についてU相の通電不良検出処理の手順を示すフローチャート。 モータ制御装置の他の変形例についてU相の通電不良検出処理の手順を示すフローチャート。
以下、モータ制御装置の一実施形態について説明する。はじめに、本実施形態のモータ制御装置を適用した電動パワーステアリング装置の概要について説明する。
図1に示すように、この電動パワーステアリング装置は、運転者のステアリングホイール10の操作に基づき転舵輪3を転舵させる操舵機構1、及び運転者のステアリング操作を補助するアシスト機構2を備えている。
操舵機構1は、ステアリングホイール10の回転軸となるステアリングシャフト11、及びその下端部にラックアンドピニオン機構12を介して連結されたラックシャフト13を備えている。操舵機構1では、運転者のステアリングホイール10の操作に伴いステアリングシャフト11が回転すると、その回転運動がラックアンドピニオン機構12を介してラックシャフト13の軸方向の往復直線運動に変換される。このラックシャフト13の往復直線運動がその両端に連結されたタイロッド14を介して転舵輪3に伝達されることにより転舵輪3の転舵角が変化し、車両の進行方向が変更される。
アシスト機構2は、ステアリングシャフト11にアシストトルクを付与するモータ20を備えている。モータ20は三相ブラシレスモータからなる。モータ20の回転が減速機21を介してステアリングシャフト11に伝達されることでステアリングシャフト11にモータトルクが付与され、ステアリング操作が補助される。
この電動パワーステアリング装置には、ステアリングホイール10の操作量や車両の状態量を検出する各種センサが設けられている。例えばステアリングシャフト11には、運転者のステアリング操作に際してステアリングシャフト11に付与されるトルク(操舵トルク)Thを検出するトルクセンサ5が設けられている。車両には、その走行速度Sを検出する車速センサ6、及び車載バッテリの電圧VBを検出する電圧センサ7が設けられている。モータ20には、その回転角(電気角)θmを検出する回転角センサ8が設けられている。これらセンサ5〜8の出力はモータ制御装置4に取り込まれる。モータ制御装置4は各センサ5〜8の出力に基づいてモータ20の駆動を制御する。
図2に示すように、モータ制御装置4は、車載バッテリ(電源電圧+VB)から供給される直流電力を三相(U相、V相、W相)の交流電力に変換する駆動回路40、及び駆動回路40をPWM(パルス幅変調)駆動する制御部としてのマイコン41を備えている。
駆動回路40は、それぞれ対をなすFET42uとFET43uとの直列回路、FET42vとFET43vとの直列回路、及びFET42wとFET43wとの直列回路を並列に接続した構造からなる。FET42uとFET43uとの接続点P1、FET42vとFET43vとの接続点P2、及びFET42wとFET43wとの接続点P3には、給電線Wu〜Wwを介してモータ20の各相コイル20u〜20wがそれぞれ接続されている。駆動回路40では、マイコン41からの制御信号Sc1〜Sc6に基づいてFET42u〜42w,43u〜43wがそれぞれスイッチングされることにより、電源から供給される直流電力を三相の交流電力に変換する。
詳しくは、図3(a)〜(g)に示すように、マイコン41は、各相モータコイル20u〜20wに印可すべき相電圧に対応する各デューティ値Du〜Dwと、PWMキャリア(搬送波)である三角波δとの比較に基づいて制御信号Sc1〜Sc6を生成する。すなわちマイコン41は、三角波δの値よりも各相デューティ値Du〜Dwの方が大きい場合には、対応する相の電源側のFET42u〜42wがオンされ、小さい場合には、対応する相の電源側のFET42u〜42wがオフされる制御信号Sc1,Sc3,Sc5を生成する。またマイコン41は、三角波δの値よりも各相デューティ値Du〜Dwの方が小さい場合には、対応する相の接地側のFET43u〜43wがオンされ、大きい場合には、対応する相の接地側のFET43u〜43wがオフされる制御信号Sc2,Sc4,Sc6を生成する。こうして生成される制御信号Sc1〜Sc6に基づいてFET42u〜42w,43u〜43wがスイッチングされることにより、電源から供給される直流電力が三相交流電力に変換される。
図2に示すように、FET43u〜43wの接地配線には、各相に対応する電流センサ44u〜44wがそれぞれ設けられている。電流センサ44u〜44wは、各FET43u〜43wに対して直列に接続されたシャント抵抗の端子間電圧を増幅して出力する周知の構成からなる。各電流センサ44u〜44wの出力信号Si_u〜Si_wはマイコン41に取り込まれる。マイコン41は、電流センサ44u〜44wの出力信号Si_u〜Si_wを所定のサンプリングタイミングで取得し、各相のモータ電流値Iu〜Iwを演算する。詳しくは、図3(a)に示すように、マイコン41は、三角波δが谷となるタイミングT1及び山となるタイミングT2で電流センサ44u〜44wの出力信号Si_u〜Si_wをそれぞれ取得する。なお、「谷となるタイミングT1」とは、三角波δの値が最小となるピークタイミング、換言すれば電源側の全てのFET42u〜42wがオン状態となって、且つ、接地側の全てのFET43u〜43wがオフ状態となるタイミングである。これに対し、「山となるタイミングT2」とは、三角波δの値が最大となるピークタイミング、換言すれば電源側の全てのFET42u〜42wがオフ状態となって、且つ、接地側の全てのFET43u〜43wがオン状態となるタイミングである。マイコン41は、三角波δが谷となるタイミングT1で取得した出力信号Si_u〜Si_wに基づいて谷読み電流値Iv_u〜Iv_wを検出する。また三角波δが山となるタイミングT2で取得した出力信号Si_u〜Si_wに基づいて山読み電流値Im_u〜Im_wを検出する。そしてマイコン41は、検出した谷読み電流値Iv_u〜Iv_w及び山読み電流値Im_u〜Im_wから次式(1)〜(3)に基づいて各相電流値Iu〜Iwを演算する。
Iu=Im_u−Iv_u ・・・(1)
Iv=Im_v−Iv_v ・・・(2)
Iw=Im_w−Iv_w ・・・(3)
そしてマイコン41は、演算した各相電流値Iu〜Iw、及び各センサ5,6,8により検出される操舵トルクTh、車速S、及びモータ回転角θmに基づいて制御信号Sc1〜Sc6を生成する。すなわちマイコン41は、モータ回転角θmに基づいて各相電流値Iu〜Iwをd/q座標系のd軸電流値及びq軸電流値に変換する。またマイコン41は、操舵トルクTh及び車速Sに基づいて、モータ20の目標出力に対応する、換言すれば操舵機構1に付与すべきアシストトルクの目標値に対応するq軸電流指令値を演算する。例えばマイコン41は、操舵トルクThの絶対値が大きくなるほど、また車速Sが遅くなるほど、q軸電流指令値の絶対値をより大きい値に設定する。またマイコン41はd軸電流指令値を零に設定する。そしてマイコン41は、d軸電流値をd軸電流指令値に追従させるべく、またq軸電流値をq軸電流指令値に追従させるべく電流フィードバック制御を行うことによりd/q座標系の電圧指令値を演算する。次にマイコン41は、演算したd/q座標系の電圧指令値を逆変換することにより三相座標系の各相電圧指令値Vu*〜Vw*を演算し、演算した各相電圧指令値Vu*〜Vw*に基づいて各相デューティ値Du〜Dwを求める。なお各相デューティ値Du〜Dwはモータ回転角θmに対して略正弦波形でそれぞれ変化する。またV相デューティ値Dvは、U相デューティ値Duに対してモータ回転角θmの位相で120°だけ位相がずれている。さらにW相デューティ値Dwは、U相デューティ値Duに対してモータ回転角θmの位相で240°だけ位相がずれている。そしてマイコン41は、図3に例示したように各相デューティ値Du〜Dwと三角波δとを比較することにより制御信号Sc1〜Sc6を生成し、生成した制御信号Sc1〜Sc6を駆動回路40に出力する。これにより、目標アシストトルクを発生させるための駆動電力がモータ20に供給され、アシスト制御が実行される。
一方、マイコン41は、各相電流値Iu〜Iw及び各相デューティ値Du〜Dwに基づいてモータ20の各相給電経路の通電不良を検出する。このようにマイコン41は、通電不良を検出する異常検出部としても機能する。なお各相給電経路とは、各相の対をなすFETの直列回路と給電線とから構成される部分を示す。例えばU相の給電経路は、FET42uとFET43uとの直列回路、及びU相給電線Wuから構成される部分を示す。また、各相給電経路の通電不良とは、例えば各FET42u〜42w,43u〜43wのオープン故障や、給電線Wu〜Wwの断線などである。次に本実施形態の通電不良の検出原理について説明する。
各相給電経路に通電不良が生じていない場合、各相電流値Iu〜Iwは、図4に示すように、モータ回転角θmに対して120°だけ位相がそれぞれずれた正弦波形で変化する。これに対し、例えば図2に示すU相のFET43uにオープン故障が生じた場合、U相が通電不良となり、U相電流値Iuは零に保持される。このとき、正常なV相及びW相の電流値Iv,Iwは、図5に示すように、モータ回転角θmに対して180°だけ位相がずれた正弦波形で変化するようになる。そして各相電流値Iu〜Iwが図5に示すように変化するようになると、これに起因してd軸電流値とd軸電流指令値との偏差、及びq軸電流値とq軸電流指令値との偏差がそれぞれ拡大し易くなるため、各相デューティ値Du〜Dwが上限値あるいは下限値に設定され易くなる。詳しくは、図6に示すように、U相デューティ値Duは、モータ回転角θmに対して上限値あるいは下限値に張り付いたまま推移するようになる。またV相デューティ値Dv及びW相デューティ値Dwは、U相デューティ値Duが上限値に張り付いたまま推移している場合、下限値付近を推移し、U相デューティ値Duが下限値に張り付いたまま推移している場合、上限値付近を推移する。したがって従来のモータ制御装置のように、三相のいずれか一つを特定相とするとき、特定相の電流値が所定の電流判定値未満であること、及び特定相のデューティ値が上限値あるいは下限値であることのみを条件として特定相に通電不良が生じていると判定すると、正常な相を故障相と誤検出するおそれがある。すなわち、この判定方法を用いた場合、図5及び図6に示すように、正常なV相及びW相の電流値Iv,Iwが共に零近傍の値となるとき、それらの相のデューティ値Dv,Dwが上限値付近の値あるいは下限値付近の値となるため、それら正常な相を故障相と誤検出するおそれがある。
ところで、図6の各相デューティ値Du〜Dwの変化態様に着目すると、故障相に対応したU相デューティ値Duが上限値あるいは下限値に張り付いたまま推移している場合、U相デューティ値Duとそれ以外のデューティ値Dv,Dwとが乖離していることがわかる。したがってU相デューティ値Duとそれ以外のデューティ値Dv,Dwとが乖離しているときにU相についてのみ通電不良の有無を判定すれば、U相の通電不良を的確に検出することができるとともに、V相及びW相の通電不良を誤検出することもない。同様に、V相デューティ値Dvとそれ以外のデューティ値Dw,Duとが乖離しているときにV相についてのみ通電不良の有無を判定すれば、V相の通電不良を的確に検出することができるとともに、W相及びU相の通電不良を誤検出することもない。W相の通電不良の検出についても同様である。本実施形態では、この原理を利用して各相の通電不良を検出する。
次に図7を参照して、マイコン41が行う各相の通電不良検出処理についてその作用とともに説明する。なお、各相の通電不良検出処理は、検出相の違いのみで基本的には類似の処理であるため、以下では便宜上、U相の通電不良検出処理についてのみ代表して説明する。
図7に示すように、マイコン41は、はじめに、U相電流値Iu及びモータ回転角θmを検出し(ステップS1)、U相電流値の絶対値|Iu|が所定の電流判定値I1未満であるか否かを判断する(ステップS2)。なお所定の電流判定値I1は、モータ20のN−T特性を考慮しつつ、U相に通電不良が生じていると判定することのできる値に予め実験などにより設定されている。本実施形態では、このU相電流値の絶対値|Iu|に対して設定された電流判定値I1が第1電流判定値となる。そしてマイコン41は、U相電流値の絶対値|Iu|が所定の電流判定値I1未満である場合(ステップS2:YES)、その時点での各相デューティ値Du〜Dwに基づいて以下の(a1)〜(a3)の条件のAND条件(論理積条件)が満たされているか否かを判断する(ステップS3)。
(a1)U相デューティ値Duが第1デューティ判定値D1以上であること。なお第1デューティ判定値D1は、U相デューティ値Duが上限値に張り付いていると判定することのできる値(例えば85[%])に設定されている。
(a2)V相デューティ値Dvが「50[%]」未満であること。
(a3)W相デューティ値Dwが「50[%]」未満であること。
このようにステップS3の判断処理は、U相デューティ値Duが上限値であって、且つ、U相デューティ値Duとそれ以外のデューティ値Dv,Dwとが乖離しているか否かを判定する処理である。
そして(a1)〜(a3)の条件のAND条件が満たされていない場合には(ステップS3:NO)、以下の(b1)〜(b3)の条件のAND条件が満たされているか否かを判断する(ステップS4)。
(b1)U相デューティ値Duが第2デューティ判定値D2以下であること。なお第2デューティ判定値D2は、U相デューティ値Duが下限値に張り付いていると判定することのできる値(例えば15[%])に設定されている。
(b2)V相デューティ値Dvが「50[%]」を超えていること。
(b3)W相デューティ値Dwが「50[%]」を超えていること。
このようにステップS4の判断処理は、U相デューティ値Duが下限値であって、且つ、U相デューティ値Duとそれ以外のデューティ値Dv,Dwとが乖離しているか否かを判定する処理である。
なお、各相デューティ値Du〜Dwは各相電圧指令値Vu*〜Vw*と相関関係があるため、(a1)〜(a3)の条件はそれぞれ、以下の(a1’)〜(a3’)の条件に対応する。
(a1’)U相電圧指令値Vu*が正の値であって、且つ、その絶対値|Vu*|が所定の電圧指令判定値(>0)以上であること。
(a2’)V相電圧指令値Vv*が負の値であること。
(a3’)W相電圧指令値Vw*が負の値であること。
また(b1)〜(b3)の条件はそれぞれ、以下の(b1’)〜(b3’)の条件に対応する。
(b1’)U相電圧指令値Vu*が負の値であって、且つ、その絶対値|Vu|が所定の電圧指令判定値(>0)以上であること。
(b2’)V相電圧指令値Vv*が正の値であること。
(b3’)W相電圧指令値Vw*が正の値であること。
このようにステップS3及びS4の判断処理は、U相電圧指令値の絶対値|Vu*|が所定の電圧指令判定値以上であって、且つ、U相電圧指令値Vu*の正負の符号とそれ以外の電圧指令値Vv*,Vw*の正負の符号とが相違しているか否かを判定する処理に対応する。そして各相電圧指令値Vu*〜Vw*のそれぞれの正負の符号の比較が、U相電圧指令値Vu*とそれ以外の電圧指令値Vv*,Vw*とが乖離しているか否かを判定する処理に対応する。
そして(a1)〜(a3)の条件のAND条件が成立した場合(ステップS3:YES)、あるいは(b1)〜(b3)の条件のAND条件が成立した場合(ステップS4:YES)、マイコン41は、モータ角速度の絶対値|ω|が所定の角速度判定値ω1以下であるか否かを判断する(ステップS5)。これは以下の理由による。
モータ角速度が速くなるとモータ20の逆起電力が大きくなる。これは各相電流値の絶対値|Iu|〜|Iw|を小さくさせる要因となる。したがってモータ角速度が速い状況では、U相の給電経路が断線していないにも関わらずU相電流値の絶対値|Iu|が所定の電流判定値I1未満となる可能性があり、U相の通電不良を誤検出するおそれがある。こうした誤検出を回避すべく、本実施形態ではステップS5の判断処理を行うこととしている。なおマイコン41は、今回検出したモータ回転角θmと、前回検出したモータ回転角θmとの差分値を求め、その差分値を演算周期で除算することによりモータ角速度ωを演算する。また所定の角速度判定値ω1は、モータ角速度ωが、U相の通電不良を誤検出することのない値であると判定できる値に予め実験などにより設定されている。
そして、モータ角速度の絶対値|ω|が所定の角速度判定値ω1以下である場合(ステップS5:YES)、マイコン41は、電圧センサ7により検出されるバッテリ電圧VBが所定の電圧判定値V1以上であるか否かを判断する(ステップS6)。これは以下の理由による。
例えば車載バッテリの経年劣化などによりバッテリ電圧VBが低下すると、駆動回路40に供給される電源電圧が低下する。これも各相電流値の絶対値|Iu|〜|Iw|を小さくさせる要因となる。したがってバッテリ電圧VBが低下している状況でも、U相の給電経路が断線していないにもかかわらずU相電流値の絶対値|Iu|が所定の電流判定値I1未満となる可能性があり、U相の通電不良を誤検出するおそれがある。こうした誤検出を回避すべく、本実施形態ではステップS6の判断処理を行うこととしている。なお所定の電圧判定値V1は、バッテリ電圧VBが、U相の通電不良を誤検出することのない電圧であると判定できる値に予め実験などにより設定されている。
そしてマイコン41は、バッテリ電圧VBが所定の電圧判定値V1以上である場合(ステップS6:YES)、カウンタCの値をインクリメントした後(ステップS7)、カウンタCの値が所定値C1以上であるか否かを判断する(ステップS8)。なおカウンタCの初期値は零に設定されている。マイコン41は、カウンタCの値が所定値C1以上でない場合(ステップS8:NO)、一連の処理を終了する。
その後、マイコン41が図7に示すステップS1〜S7の処理を所定の演算周期で繰り返し実行すると、カウンタCの値が所定値C1に達する。このときマイコン41は、カウンタCの値が所定値C1以上であると判断すると(ステップS8:YES)、U相に通電不良が生じたと判定して(ステップS9)、フェイルセーフ制御を実行する(ステップS10)。なおフェイルセーフ制御としては、例えば通電不良が生じたU相以外のV相及びW相の給電経路を介してモータ20への給電を行うことによりモータ20の駆動を継続する二相駆動制御や、モータ20を停止させるモータ停止制御などが実行される。
またマイコン41は、ステップS2,S4,S5,S6のいずれかで否定判断した場合、カウンタCの値をクリアし(ステップS11)、一連の処理を終了する。
このような構成によれば、U相に通電不良が生じたときに、これをより的確に検出することができるため、フェイルセーフ制御への移行を的確に行うことが可能となる。
また本実施形態のモータ制御装置4では、図5に示すように、故障相のU相の電流値Iuを含め、正常相のV相及びW相の電流値Iv,Iwの全てが零近傍の値となるときにU相の故障を検出できる点は特に効果が大きい。すなわちU相の通電不良に起因して各相電流値Iu〜Iwが図5に示すように変化するようになった場合、正常なV相及びW相の電流値Iv,Iwが共に零近傍の値となるとき、モータ20の動作に引っ掛かりが生じる。このようなモータ20の動作に引っ掛かりが生じるような状況は、正常相が故障相と似たような状態となるため、従来の検出方法では正常相が故障相として誤検出され易い。この点、本実施形態のモータ制御装置4では、このような状況下でもU相のみを故障相として検出できる点で特に効果が大きい。
なおV相の通電不良検出処理は、図7の処理におけるU相、V相、W相をそれぞれ、V相、W相、U相に置き換えた処理である。またW相の通電不良検出処理は、図7におけるU相、V相、W相をそれぞれ、W相、U相、V相に置き換えた処理である。各相の通電不良検出処理で用いられるカウンタCの値は、マイコン41により各処理で個別にカウントされる。これらV相及びW相の通電不良検出処理でも、U相の通電不良検出処理で述べた効果に準じた効果が得られることは言うまでもない。
以上説明したように、本実施形態のモータ制御装置4によれば以下の効果が得られる。
(1)モータ制御装置4では、U相電流値の絶対値|Iu|が所定の電流判定値I1未満であるときに(a1)〜(a3)の条件のAND条件、あるいは(b1)〜(b3)の条件のAND条件が満たされることを条件に、U相に通電不良が生じていると判定することとした。換言すれば、モータ制御装置4は、U相電流値の絶対値|Iu|が所定の電流判定値I1未満であるときに(a1’)〜(a3’)の条件のAND条件、あるいは(b1’)〜(b3’)の条件のAND条件が満たされることを条件に、U相に通電不良が生じていると判定することとした。これにより、三相のうちのいずれか一つを特定相とするとき、特定相の通電不良を的確に検出することができるとともに、特定相以外の二相の通電不良を誤検出することもない。よって、より的確に故障相を検出することができる。
(2)モータ制御装置4では、モータ角速度ωが所定の角速度判定値ω1以下であることを更に条件として、特定相に通電不良が生じていると判定することとした。これにより通電不良の誤検出を回避することができる。
(3)モータ制御装置4では、バッテリ電圧VBが所定の電圧判定値V1以上であることを更に条件として、特定相に通電不良が生じていると判定することとした。これにより通電不良の誤検出を回避することができる。
なお、上記実施形態は、以下の形態にて実施することもできる。以下では便宜上、通電不良の検出に関して各相で共通する事項は、U相についてのみ代表して説明する。
・上記実施形態では、U相に通電不良が生じていると判定するための条件に、バッテリ電圧VBが所定の電圧判定値V1以上であることを含めたが、この条件を省略してもよい。すなわち図7に例示した処理においてステップS6の処理を省略してもよい。
・上記実施形態では、U相に通電不良が生じていると判定するための条件に、モータ角速度ωが角速度判定値ω1以下であることを含めた。しかしながら、モータ角速度ωが角速度判定値ω1以下の状況でのみモータ20が使用される場合には、この条件を省略することも可能である。すなわち図7に例示した処理においてステップS5の処理を省略することも可能である。
・図5及び図6に示すように、U相デューティ値Duとそれ以外のデューティ値Dv,Dwとが乖離しているとき、V相及びW相の電流値Iv,Iwは零付近の値となる。したがってU相デューティ値Duとそれ以外のデューティ値Dv,Dwとが乖離しているか否かを、V相及びW相の電流値Iv,Iwが電流判定値I1未満であるか否かに基づいて判断することも可能である。これを利用し、マイコン41では、図7に例示したステップS1〜S4の処理に代えて、図8に示すステップS12〜S15の処理をそれぞれ実行してもよい。すなわちマイコン41は、各相電流値Iu〜Iw及びモータ回転角θmを検出した後(ステップS12)、各相電流値の絶対値|Iu|〜|Iw|の全てが電流判定値I1未満であるか否かを判断する(ステップS13)。ここでは、V相及びW相の電流値の絶対値|Iv|,|Iw|に対して設定された電流判定値I1が第2電流判定値となる。そしてマイコン41は、各相電流値の絶対値|Iu|〜|Iw|の全てが電流判定値I1未満の場合(ステップS13:YES)、U相デューティ値Duが第1デューティ判定値D1以上であることを条件に(ステップS14:YES)、ステップS5以降の処理を実行する。またマイコン41は、U相デューティ値Duが第1デューティ判定値D1以上でない場合(ステップS14:NO)、U相デューティ値Duが第2デューティ判定値D2以下であることを条件に(ステップS15:YES)、ステップS5以降の処理を実行する。このような構成であっても上記実施形態に準じた効果を得ることが可能である。
・図5及び図6に示すように、U相デューティ値Duとそれ以外のデューティ値Dv,Dwとが乖離しているとき、モータ回転角θmは「60°≦θm≦120°」の範囲、あるいは「240°≦θm≦300°」の範囲となる。したがってU相デューティ値Duとそれ以外のデューティ値Dv,Dwとが乖離しているか否かを、モータ回転角θmに基づいて判断することも可能である。これを利用し、マイコン41では、図7に例示したステップS3,S4の処理に代えて、図9に示すステップS16,S17の処理をそれぞれ実行してもよい。すなわちマイコン41は、ステップS2で肯定判断した場合、U相デューティ値Duが第1デューティ判定値D1以上であって、且つ、モータ回転角θmが「60°≦θm≦120°」内であることを条件に(ステップS16:YES)、ステップS5以降の処理を実行する。またマイコン41は、ステップS16で否定判断した場合、U相デューティ値Duが第2デューティ判定値D2以下であって、且つ、モータ回転角θmが「240°≦θm≦300°」であることを条件に(ステップS17)、ステップS5以降の処理を実行する。このような構成であっても上記実施形態に準じた効果を得ることが可能である。
・上記実施形態では、谷読み電流値Iv_u〜Iv_w及び山読み電流値Im_u〜Im_wに基づいて各相電流値Iu〜Iwを検出したが、各相電流値Iu〜Iwの検出方法は適宜変更可能である。例えば山読み電流値Im_u〜Im_wをそのまま各相電流値Iu〜Iwとして用いてもよい。ところで、山読み電流値Im_u〜Im_wをそのまま各相電流値Iu〜Iwとして用いる場合、各相デューティ値Du〜Dwが上限値付近に設定されているときに各相電流値Iu〜Iwを適切に検出することができないおそれがある。例えばU相デューティ値Duが上限値付近に設定されている場合、U相の山読み電流値Im_uを検出する直前でU相のFET42u,43uのスイッチングが行われるため、検出されるU相の山読み電流値Im_uにノイズが含まれてしまう。そのため、U相の山読み電流値Im_uをそのままU相電流値Iuとして用いると、U相電流値Iuを適切に検出することができない。そこで、U相デューティ値Duが上限値付近に設定されている場合、V相及びW相の山読み電流値Im_v,Im_wから次式(4)に基づいてU相電流値Iuを推定してもよい。
Iu=−Im_v−Im_w ・・・(4)
またV相デューティ値DvあるいはW相デューティ値Dwが上限値付近に設定されている場合、各相の山読み電流値Im_u〜Im_wから次式(5),(6)に基づいてV相電流値Iv及びW相電流値Iwを推定してもよい。
Iv=−Im_w−Im_u ・・・(5)
Iw=−Im_u−Im_w ・・・(6)
これらの式(4)〜(6)に基づいて各相電流値Iu〜Iwを推定すれば、各相デューティ値Du〜Dwが上限値付近に設定されている場合でも、各相電流値Iu〜Iwをより高い精度で検出することが可能となる。
・上記実施形態では、各相デューティ値Du〜Dwとの比較に用いられる三角波δが一つだけであった。これに代えて、いわゆるアーム短絡による貫通電流の発生を回避すべく、上下にシフトされた位相の等しい2つの三角波を用いることにより、電源側のFET42u〜42wのオン/オフのタイミングと、接地側のFET43u〜43wのオン/オフのタイミングとの間にデッドタイムを設けてもよい。
・上記実施形態では、駆動回路40のスイッチング素子としてFET42u〜42w,43u〜43wを採用したが、それ以外の適宜のスイッチング素子を用いてもよい。
・上記実施形態の電動パワーステアリング装置は、ステアリングシャフト11にアシストトルクを付与する電動パワーステアリング装置に限らず、例えばラックシャフト13にアシストトルクを付与する電動パワーステアリング装置にも適用可能である。
・上記実施形態のモータ制御装置4は、電動パワーステアリング装置に限らず、適宜のモータ制御装置に適用することが可能である。
<付記>
次に、上記実施形態及びその変形例から把握できる技術的思想について追記する。
(イ)前記異常検出部は、前記モータの角速度が所定の角速度判定値未満であることを更に条件として、前記特定相の通電不良を検出することを特徴とするモータ制御装置。モータの角速度が速くなるほど、モータの逆起電力が大きくなるため、各相電流値の絶対値が小さくなる。そのためモータ角速度が速い状況で特定相の電流値に基づいて通電不良を検出すると、その検出が誤検出となるおそれがある。この点、上記構成によれば、モータ角速度が所定の角速度判定値以上の場合、通電不良の検出が行われない。そのため通電不良の誤検出を回避することができる。
(ロ)前記異常検出部は、前記駆動回路の電源電圧が所定の電圧判定値以上であることを更に条件として、前記特定相の通電不良を検出することを特徴とするモータ制御装置。何らかの理由により駆動回路の電源電圧が低下すると、各相電流値が小さくなる。そのため駆動回路の電源電圧が低下している状況で特定相の電流値に基づいて通電不良を検出すると、その検出が誤検出となるおそれがある。この点、上記構成によれば、駆動回路の電源電圧が所定の電圧判定値未満の場合には、通電不良の検出が行われない。そのため通電不良の誤検出を回避することができる。
4…モータ制御装置、20…モータ、40…駆動回路、41…マイコン(制御部)、42u〜42w,43u〜43w…FET(スイッチング素子)。

Claims (4)

  1. モータの各相給電経路に配置されるスイッチング素子のスイッチングに基づき前記モータに三相の駆動電力を供給する駆動回路と、
    前記モータの目標出力に対応する電流指令値に前記モータの各相電流値を追従させる電流フィードバック制御を通じて前記モータの各相電圧指令値を演算し、前記各相電圧指令値に基づいて、前記スイッチング素子をスイッチングさせるための制御信号を生成する制御部と、を備えるモータ制御装置であって、
    前記三相のうちのいずれか一つを特定相とするとき、前記特定相の電流値の絶対値が所定の第1電流判定値未満であること、前記特定相の電圧指令値の絶対値が前記モータに印加すべき相電圧に対応するデューティ値の上限値又は下限値に応じて設定される電圧指令判定値以上であること、及び前記特定相の電圧指令値が前記特定相以外の二相の電圧指令値と乖離していることの全ての条件が満たされることを条件に、前記特定相の通電不良を検出する異常検出部を備えることを特徴とするモータ制御装置。
  2. 請求項1に記載のモータ制御装置において、
    前記異常検出部は、前記特定相の電圧指令値の正負の符号と前記特定相以外の二相の電圧指令値のそれぞれの正負の符号とが相違しているか否かに基づいて、前記特定相の電圧指令値が前記特定相以外の二相の電圧指令値と乖離しているか否かを判定することを特徴とするモータ制御装置。
  3. 請求項1に記載のモータ制御装置において、
    前記異常検出部は、前記特定相以外の二相の電流値の絶対値が所定の第2電流判定値未満であるか否かに基づいて、前記特定相の電圧指令値が前記特定相以外の二相の電圧指令値と乖離しているか否かを判定することを特徴とするモータ制御装置。
  4. 請求項1に記載のモータ制御装置において、
    前記異常検出部は、前記モータの回転角が所定の範囲にあるか否かに基づいて、前記特定相の電圧指令値が前記特定相以外の二相の電圧指令値と乖離しているか否かを判定することを特徴とするモータ制御装置。
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