以下、本発明の実施の形態を説明する。
[投射型表示装置の構成]
図1は、本発明が適用された投射型表示装置のうち、透過型液晶装置を用いた投射型表示装置の説明図である。図2は、本発明が適用された投射型表示装置のうち、反射型液晶装置を用いた投射型表示装置の説明図である。
図1に示す投射型表示装置300は、液晶装置1として透過型液晶装置を用いた場合の一例であるのに対して、図2に示す投射型表示装置400は、液晶装置1として反射型液晶装置を用いた場合の一例である。投射型表示装置300、400はいずれも、赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の光源光を出射する光源部110(R)、(G)、(B)と、光源部110(R)、(G)、(B)から出射された赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の光源光が各々、供給されるライトバルブとしての液晶装置1(R)、(G)、(B)とを有している。また、投射型表示装置300、400はいずれも、液晶装置1(R)、(G)、(B)から出射された光を合成して出射するクロスダイクロイックプリズム150(光合成光学系)と、クロスダイクロイックプリズム150により合成されたカラー画像用の光をスクリーン等の被投射部材(図示せず)に投射する投射光学系160とを有している。
(投射型表示装置の第1例)
図1に示す投射型表示装置300において、赤色(R)用の光源部110(R)から赤色(R)用の液晶装置1(R)の液晶パネル100(R)に向かう光路には、コリメートレンズ121、集光レンズ122および入射側偏光板311が配置されており、液晶パネル100(R)とクロスダイクロイックプリズム150との間には出射側偏光板312が配置されている。光源部110(R)からは、赤色(R)のp偏光の光源光が出射され、光源光は、コリメートレンズ121、集光レンズ122および入射側偏光板311を透過した後、液晶パネル100(R)に入射する。液晶パネル100(R)は、p偏光の光源光を画像信号に応じた変調によってs偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換し、出射側偏光板312は、p偏光を遮断してs偏光を透過させる。従って、液晶パネル100(R)で変調された赤色(R)の光は、クロスダイクロイックプリズム150で反射して投射光学系160に向かう。
緑色(G)用の光源部110(G)から緑色(G)用の液晶装置1(G)の液晶パネル100(G)に向かう光路には、コリメートレンズ131、集光レンズ132および入射側偏光板321が配置されており、液晶パネル100(G)とクロスダイクロイックプリズム150との間には出射側偏光板322が配置されている。光源部110(G)からは、緑色(G)のs偏光の光源光が出射され、光源光は、コリメートレンズ131、集光レンズ132および入射側偏光板321を透過した後、液晶パネル100(G)に入射する。液晶パネル100(G)は、s偏光の光源光を画像信号に応じた変調によってp偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換し、出射側偏光板322は、s偏光を遮断してp偏光を透過させる。従って、液晶パネル100(G)で変調された緑色(G)の光は、クロスダイクロイックプリズム150を透過して投射光学系160に向かう。
青色(B)用の光源部110(B)から青色(B)用の液晶装置1(B)の液晶パネル100(B)に向かう光路には、コリメートレンズ141、集光レンズ142および入射側偏光板331が配置されており、液晶パネル100(B)とクロスダイクロイックプリズム150との間には出射側偏光板332が配置されている。光源部110(B)からは、青色(B)のp偏光の光源光が出射され、光源光は、コリメートレンズ141、集光レンズ142および入射側偏光板331を透過した後、液晶パネル100(B)に入射する。液晶パネル100(B)は、p偏光の光源光を画像信号に応じた変調によってs偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換し、出射側偏光板332は、p偏光を遮断してs偏光を透過させる。従って、液晶パネル100(B)で変調された青色(B)の光は、クロスダイクロイックプリズム150で反射して投射光学系160に向かう。
(投射型表示装置の第2例)
図2に示す投射型表示装置400において、赤色(R)用の光源部110(R)から赤色(R)用の液晶装置1(R)の液晶パネル100(R)に向かう光路には、コリメートレンズ121、集光レンズ122、入射側偏光板411およびワイヤーグリッド偏光板413が配置され、ワイヤーグリッド偏光板413は、液晶パネル100(R)およびクロスダイクロイックプリズム150の入射面に斜めに配置されている。ワイヤーグリッド偏光板413とクロスダイクロイックプリズム150との間には出射側偏光板412が配置されている。光源部110(R)からは、赤色(R)のp偏光の光源光が出射され、光源光は、コリメートレンズ121、集光レンズ122、入射側偏光板411およびワイヤーグリッド偏光板413を透過した後、液晶パネル100(R)に入射する。液晶パネル100(R)は、p偏光の光源光を画像信号に応じた変調によってs偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換して反射し、ワイヤーグリッド偏光板413は、s偏光の光を出射側偏光板412に向けて反射する。出射側偏光板412は、p偏光を遮断してs偏光を透過させる。従って、液晶パネル100(R)で変調された赤色(R)の光は、クロスダイクロイックプリズム150で反射して投射光学系160に向かう。
なお、緑色(G)用の液晶装置1(G)には、液晶装置1(R)と同様に光学部材が配置されているが、かかる光学部材の大部分は、y方向で重ねて配置されているため、図2には、緑色(G)用の光源部110(G)および出射側偏光板422のみを示してある。光源部110(G)からは、緑色(G)のs偏光の光源光が出射され、光源光は、コリメートレンズ、集光レンズ、入射側偏光板およびワイヤーグリッド偏光板(図示せず)を透過した後、液晶パネル100(G)に入射する。液晶パネル100(G)は、s偏光の光源光を画像信号に応じた変調によってp偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換して反射し、ワイヤーグリッド偏光板は、p偏光の光を出射側偏光板422に向けて反射する。出射側偏光板422は、s偏光を遮断してp偏光を透過させる。従って、液晶パネル100(G)で変調された緑色(G)の光は、クロスダイクロイックプリズム150を透過して投射光学系160に向かう。
青色(B)用の光源部110(B)から青色(B)用の液晶装置1(B)の液晶パネル100(B)に向かう光路には、コリメートレンズ141、集光レンズ142、入射側偏光板431およびワイヤーグリッド偏光板433が配置され、ワイヤーグリッド偏光板433は、液晶パネル100(B)およびクロスダイクロイックプリズム150の入射面に斜めに配置されている。ワイヤーグリッド偏光板433とクロスダイクロイックプリズム150との間には出射側偏光板432が配置されている。光源部110(B)からは、青色(B)のp偏光の光源光が出射され、光源光は、コリメートレンズ141、集光レンズ142、入射側偏光板431およびワイヤーグリッド偏光板433を透過した後、液晶パネル100(B)に入射する。液晶パネル100(B)は、p偏光の光源光を画像信号に応じた変調によってs偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換して反射し、ワイヤーグリッド偏光板433は、s偏光の光を出射側偏光板432に向けて反射する。出射側偏光板432は、p偏光を遮断してs偏光を透過させる。従って、液晶パネル100(B)で変調された青色(B)の光は、クロスダイクロイックプリズム150で反射して投射光学系160に向かう。
(光源部110の構成)
図1および図2に示す投射型表示装置300、400において、赤色(R)用の光源部110(R)は、赤色(R)用の複数の固体光源112(R)と、複数の固体光源112(R)が一方の基板面に設けられた基板111(R)と、複数の固体光源112(R)の各々にレンズ部が対向するフライアイ光学系113(R)とを有している。固体光源112(R)は、レーザーダイオード(LD)や発光ダイオード(LED)等の発光素子であり、本形態では、固体光源112(R)としてレーザーダイオードが用いられている。
緑色(G)用の光源部110(G)も、赤色(R)用の光源部110(R)と同様、緑色(G)用の複数の固体光源112(G)と、複数の固体光源112(G)が一方の基板面に設けられた基板111(G)と、複数の固体光源112(G)の各々にレンズ部が対向するフライアイ光学系113(G)とを有している。固体光源112(G)は、レーザーダイオードや発光ダイオード等の発光素子であり、本形態では、固体光源112(G)としてレーザーダイオードが用いられている。
青色(B)用の光源部110(B)でも、赤色(R)用の光源部110(R)や緑色(G)用の光源部110(G)と同様、複数の固体光源が用いられている。但し、青色(B)用の光源部110(B)は、赤色(R)用の光源部110(R)や緑色(G)用の光源部110(G)と違って、波長幅が短いため、図15を参照して説明した輝度ムラが発生しやすい。このため、本形態では、青色(B)用の光源部110(B)は、2つの光源装置(第1光源装置201および第2光源装置202)、光合成素子270、および偏光変換部材280を備えた光源ユニット200として構成されている。光源ユニット200の詳細な構成は、図4等を参照して後述する。
[液晶装置1の構成]
図3は、本発明を適用した投射型表示装置300に用いられた液晶装置1の液晶パネル100の説明図であり、図3(a)、(b)は、液晶パネル100を各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図、およびそのH−H′断面図である。なお、以下に説明する液晶装置1および液晶パネル100の構成は、図1および図2で説明した赤色(R)用、緑色(G)用および青色(B)用で共通である。従って、以下の説明では、対応する色を示すR、G、Bの記載を省略する。
図3(a)、(b)に示すように、本形態の液晶装置1は液晶パネル100を有している。液晶パネル100では、素子基板10と対向基板20とが所定の隙間を介してシール材107によって貼り合わされており、シール材107は対向基板20の外縁に沿うように枠状に設けられている。シール材107は、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等からなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバーあるいはガラスビーズ等のギャップ材107aが配合されている。液晶パネル100において、素子基板10と対向基板20との間のうち、シール材107によって囲まれた領域内には液晶層50(電気光学物質層)が設けられている。本形態において、シール材107には、液晶注入口107cとして利用される途切れ部分が形成されており、かかる液晶注入口107cは、液晶材料の注入後、封止材107dによって封止されている。
液晶パネル100において、素子基板10および対向基板20はいずれも四角形であり、素子基板10は、第1方向で対向する2つの辺10e、10f(端部)と、第2方向で対向する2つの辺10g、10h(端部)とを備えている。液晶パネル100の略中央には、表示領域10aが四角形の領域として設けられており、かかる形状に対応して、シール材107も略四角形に設けられている。表示領域10aの外側は、四角枠状の外周領域10cになっている。
素子基板10において、外周領域10cでは、素子基板10において第1方向の一方側に位置する辺10eに沿ってデータ線駆動回路101および複数の端子102が形成されており、この辺10eに隣接する他の辺10g、10hの各々に沿って走査線駆動回路104が形成されている。なお、端子102には、フレキシブル配線基板(図示せず)が接続されており、素子基板10には、フレキシブル配線基板を介して外部制御回路から各種電位や各種信号が入力される。
素子基板10の一方面10sおよび他方面10tのうち、対向基板20と対向する一方面10sの側において、表示領域10aには、画素電極9aや画素トランジスター(図示せず)がマトリクス状に配列されている。従って、表示領域10aは、画素電極9aがマトリクス状に配列された画素電極配列領域10pとして構成されている。かかる構成の素子基板10において、画素電極9aの液晶層50側には配向膜16が形成されている。素子基板10の一方面10sの側において、表示領域10aより外側の外周領域10cのうち、表示領域10aとシール材107とに挟まれた四角枠状の周辺領域10bには、画素電極9aと同時形成されたダミー画素電極9bが形成されている。
対向基板20の一方面20sおよび他方面20tのうち、素子基板10と対向する一方面20sの側には共通電極21が形成されている。共通電極21は、対向基板20の略全面あるいは複数の帯状電極として複数の画素100aに跨って形成されている。本形態において、共通電極21は、対向基板20の略全面に形成されている。
対向基板20の一方面20sの側には、共通電極21の液晶層50とは反対側に遮光層29が形成され、共通電極21の液晶層50側には配向膜26が積層されている。遮光層29は、表示領域10aの外周縁に沿って延在する額縁部分29aとして形成されており、遮光層29の内周縁によって表示領域10aが規定されている。また、遮光層29は、隣り合う画素電極9aにより挟まれた画素間領域に重なるブラックマトリクス部29bとしても形成されている。額縁部分29aはダミー画素電極9bと重なる位置に形成されており、額縁部分29aの外周縁は、シール材107の内周縁との間に隙間を隔てた位置にある。従って、額縁部分29aとシール材107とは重なっていない。
液晶パネル100において、シール材107より外側には、対向基板20の一方面20sの側の4つの角部分に基板間導通用電極25が形成されており、素子基板10の一方面10sの側には、対向基板20の4つの角部分(基板間導通用電極25)と対向する位置に基板間導通用電極19が形成されている。本形態において、基板間導通用電極25は、共通電極21の一部からなる。基板間導通用電極19には、共通電位Vcomが印加されている。基板間導通用電極19と基板間導通用電極25との間には、導電粒子を含んだ基板間導通材19aが配置されており、対向基板20の共通電極21は、基板間導通用電極19、基板間導通材19aおよび基板間導通用電極25を介して、素子基板10側に電気的に接続されている。このため、共通電極21は、素子基板10の側から共通電位Vcomが印加されている。シール材107は、略同一の幅寸法をもって対向基板20の外周縁に沿って設けられているが、対向基板20の角部分と重なる領域では基板間導通用電極19、25を避けて内側を通るように設けられている。
本形態において、液晶装置1が透過型である場合、画素電極9aおよび共通電極21は、ITO(Indium Tin Oxide)膜やIZO(Indium Zinc Oxide)膜等の透光性導電膜により形成される。かかる透過型の液晶装置1では、例えば、対向基板20の側から入射した光が素子基板10の側から出射される間に変調されて画像を表示する。また、液晶装置1が反射型である場合、共通電極21は、ITO膜やIZO膜等の透光性導電膜により形成され、画素電極9aは、アルミニウム膜等の反射性導電膜により形成される。かかる反射型の液晶装置1では、素子基板10および対向基板20のうち、対向基板20の側から入射した光が素子基板10で反射して出射される間に変調されて画像を表示する。
[実施の形態1]
図4は、本発明の実施の形態1に係る光源ユニット200の説明図であり、図4(a)、(b)、(c)は、光源ユニット200の説明図、光源ユニット200の第1光源装置201の説明図、および光源ユニット200の第2光源装置202の説明図である。図5は、本発明の実施の形態1に係る光源ユニット200の第1光源装置201から出射される第1光源光の説明図であり、図5(a)、(b)は、第1光源光等のスペクトラムを示す説明図、および第1光源光等のスペクトラムを波長で微分した微分スペクトラムの説明図である。なお、図4(b)と図4(c)とにおいて、光合成素子270から出射される光からみて同一の個所に相当する位置には、符号200a、200b、200c、200dのうち、同一の符号を付してある。また、図4等において、固体光源のうち、第1固体光源220aおよび第3固体光源250aには右上がりの斜線を付し、第2固体光源220bおよび第4固体光源250aには右下がりの斜線を付してある。
図4(a)に示すように、本形態では、図1および図2に示す青色(B)用の光源部110(B)は、第1光源装置201と、第2光源装置202と、第1光源装置201から出射された第1光源光と第2光源装置202から出射された第2光源光とを合成するための光合成素子270と、偏光変換素子280とを有する光源ユニット200として構成されている。従って、第1光源装置201から出射された第1光源光と、第2光源装置202から出射された第2光源光とが光合成素子270で合成され、光源ユニット200(青色(B)用の光源部110(B))から出射される。
本形態において、光合成素子270は、偏光ビームスプリッタからなり、p偏光の光を透過し、s偏光の光を反射する。従って、第1光源装置201は、光合成素子270にp偏光の光が入射するように配置されており、第1光源装置201から出射された青色(B)のp偏光の第1光源光は、光合成素子270を透過する。第2光源装置202は、光合成素子270にs偏光の光が入射するように配置されており、第2光源装置202から出射された青色(B)のs偏光の第2光源光は、光合成素子270で反射する。偏光変換素子280は、p偏光の光をp偏光のまま透過し、s偏光の光をp偏光の光に変換する。
図4(a)、(b)に示すように、第1光源装置201は、第1波長域に強度ピーク(ピーク波長)を有する光を出射する複数の第1固体光源220aと、第1波長域より長波長の第2波長域に強度ピークを有する光を出射する複数の第2固体光源220bと、第1固体光源220aおよび第2固体光源220bが一方の基板面に設けられた第1基板210とを有している。また、第1光源装置201は、第1基板210の一方の基板面側に対向するフライアイ光学系230を有しており、フライアイ光学系230の複数のレンズ部は、複数の第1固体光源220a、および複数の第2固体光源220bの各々に一対一で対向している。
このように構成した第1光源装置201では、第1固体光源220aから出射された光と、第2固体光源220bから出射された光とが合成されて、第1光源光として光合成素子270に入射する。
第1固体光源220aおよび第2固体光源220bは、レーザーダイオードや発光ダイオード等の発光素子であり、本形態では、第1固体光源220aおよび第2固体光源220bとしてレーザーダイオード220が用いられている。但し、第1固体光源220aと第2固体光源220bとが仕様が異なるレーザーダイオードである。ここでいう「仕様が異なる」とは、レーザーダイオードを構成する膜の材質(成分や組成比)や膜の厚さ等、出射する光の強度ピークが位置する波長域を相違させる構成が相違することを意味する。
第1固体光源220aは、第1基板210の一方の基板面に沿う第1直線L11上に配置され、第2固体光源220bは、第1直線L11に平行に延在かつ第1直線L11と離間した第2直線L12上に配置されている。例えば、第1固体光源220aは、計18個が用いられており、第1基板210の一方面で6個ずつ3列に配置されている。第2固体光源220bも、第1固体光源220aと同様、計18個が用いられており、第1基板210の一方面で6個ずつ3列に配置されている。ここで、第2固体光源220bは、第1固体光源220aの1番目の列に対して一方側で隣り合う位置、第1固体光源220aの2番目の列に対して一方側で隣り合う位置、および第1固体光源220aの3番目の列に対して一方側で隣り合う位置で第1固体光源220aの列に並列するように計3列に配置されている。このため、第1直線L11に直交する方向では、第1固体光源220aと第2固体光源220bとが交互に配置されている。
第1固体光源220aから出射される光のスペクトラムは、図5(a)に一点鎖線Laで示すように、約460nm付近の第1波長域に強度ピークを有し、その波長帯域は、450nmから470nmの約20nmである。従って、第1固体光源220aは、ピーク波長が第1波長域の単一スペクトル光を発する第1青色固体光源である。また、第2固体光源220bから出射される光のスペクトラムは、図5(b)に二点鎖線Lbで示すように、約465nm付近の第2波長域に強度ピークを有し、その波長帯域は、455nmから475nmの約20nmである。従って、第2固体光源220bは、ピーク波長が第1波長域より長波長の第2波長域の単一スペクトル光を発する第2青色固体光源である。ここで、第1固体光源220aから出射される光のピーク強度と、第2固体光源220bから出射される光のピーク強度とが略同等である。
従って、第1固体光源220aから出射された光と、第2固体光源220bから出射された光とが合成された第1光源光のスペクトラムは、図5(a)に実線Lsで示すように、462.5nm付近のみに1つの強度ピークを有し、その波長帯域は450nmから475nmである。それ故、第1光源光は、波長帯域が25nmまで広げられている。また、図5(b)に示すように、第1光源光のスペクトラムを波長により微分した微分スペクトラムでは、微分値が0に相当する直線と交差する個所が、450nmから475nmの波長帯域において1箇所である。
図4(a)、(c)に示すように、第2光源装置202は、第1波長域に強度ピークを有する光を出射する複数の第3固体光源250aと、第1波長域より長波長の第2波長域に強度ピークを有する光を出射する複数の第4固体光源250bと、第3固体光源250aおよび第4固体光源250bが一方の基板面に設けられた第2基板240とを有している。また、第2光源装置202は、第2基板240の一方の基板面側に対向するフライアイ光学系260を有しており、フライアイ光学系260の複数のレンズ部は、複数の第3固体光源250a、および複数の第4固体光源250bの各々に一対一で対向している。
このように構成した第2光源装置202では、第3固体光源250aから出射された光と、第4固体光源250bから出射された光とが合成されて、第2光源光として光合成素子270に入射する。
本形態において、第3固体光源250aおよび第4固体光源250bは、レーザーダイオードや発光ダイオード等の発光素子であり、本形態では、第3固体光源250aおよび第4固体光源250bとしてレーザーダイオード250が用いられている。但し、第3固体光源250aと第4固体光源250bとが仕様が異なるレーザーダイオードである。
第3固体光源250aは、第2基板240の一方の基板面に沿う第3直線L13上に配置され、第4固体光源250bは、第3直線L13に平行かつ第3直線L13と離間した第4直線L14上に配置されている。例えば、第3固体光源250aは、計18個が用いられており、第2基板240の一方面で6個ずつ3列に配置されている。第4固体光源250bも、第3固体光源250aと同様、計18個が用いられており、第2基板240の一方面で6個ずつ3列に配置されている。ここで、第4固体光源250bは、第3固体光源250aの1番目の列に対して一方側で隣り合う位置、第3固体光源250aの2番目の列に対して一方側で隣り合う位置、および第3固体光源250aの3番目の列に対して一方側で隣り合う位置で、第3固体光源250aの列に並列するように計3列に配置されている。このため、第1直線に直交する方向では、第3固体光源250aと第4固体光源250bとが交互に配置されている。
第3固体光源250aは、第1固体光源220aと同一仕様のレーザーダイオードであり、図5(a)に一点鎖線Laで示すように、約460nm付近の第1波長域に強度ピークを有し、その波長帯域は、450nmから470nmの約20nmである。第4固体光源250bは、第2固体光源220bと同一仕様のレーザーダイオードであり、第4固体光源250bから出射される光のスペクトラムは、図5(b)に二点鎖線Lbで示すように、約465nm付近の第2波長域に強度ピークを有し、その波長帯域は、455nmから475nmの約20nmである。また、第3固体光源250aから出射される光のピーク強度と、第4固体光源250bから出射される光のピーク強度とが略同等である。
従って、第3固体光源250aから出射された光と、第4固体光源250bから出射された光とが合成された第2光源光のスペクトラムは、図5(a)に実線Lsで示すように、462.5nm付近のみに1つの強度ピークを有し、その波長帯域は450nmから475nmである。それ故、第2光源光は、波長帯域が25nmまで広げられている。また、図5(b)に示すように、第2光源光のスペクトラムを波長により微分した微分スペクトラムでは、微分値が0に相当する直線と交差する個所が、450nmから475nmの波長帯域において1箇所である。
また、光源ユニット200において、第1光源装置201から出射された第1光源光と、第2光源装置202から出射された第2光源光とを合成して出射される光源光のスペクトラムは、図5(a)に実線Lsで示す通りであり、462.5nm付近のみに1つの強度ピークを有し、その波長帯域は450nmから475nmである。それ故、光源ユニット200から出射される光源光は、波長帯域が25nmまで広げられている。また、図5(b)に示すように、光源ユニット200から出射される光源光のスペクトラムを波長により微分した微分スペクトラムでは、微分値が0に相当する直線と交差する個所が、450nmから475nmの波長帯域において1箇所である。
本形態では、光合成素子270に第1固体光源220a、第2固体光源220b、第3固体光源250aおよび第4固体光源250bを投影すると、第1固体光源220aと第4固体光源250bとが重なり、第2固体光源220bと第3固体光源250aとが重なる。
ここで、第1固体光源220a、第2固体光源220b、第3固体光源250aおよび第4固体光源250bは、常時点灯するように駆動される。また、第1固体光源220a、第2固体光源220b、第3固体光源250aおよび第4固体光源250bが時分割駆動されることもあるが、このような場合でも、少なくとも一定時間は、第1固体光源220a、第2固体光源220b、第3固体光源250aおよび第4固体光源250bが同時点灯するように駆動される。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の光源ユニット200では、強度ピークが位置する波長域が異なる第1固体光源220aおよび第2固体光源220bを備えた第1光源装置201から出射された第1光源光と、強度ピークが位置する波長域が異なる第3固体光源250aおよび第4固体光源250bを備えた第2光源装置202から出射された第2光源光とを光合成素子270によって合成し、光源光として出射する。
このため、光源ユニット200から出射される光源光の波長帯域を任意に広げることができる。また、強度ピークが位置する波長域の差や、各固体光源から出射される光の量のバランス等によって、光源ユニット200から出射される光源光の波長帯域を任意に設定することができる。それ故、本形態に係る光源ユニット200を投射型表示装置300、400の光源部110(B)として用いたとき、液晶装置1(B)に位置毎の基板間距離(セル厚)のばらつきがあっても、かかるばらつきに起因する輝度ムラが発生しにくい。
例えば、図15に一点鎖線L16で示すように、強度ピークが465nmの光源光のみを用いると、実線L12で示すように、基板間距離がd+αの個所では、反射率がピークに相当するレベルとなるのに対して、点線L11で示すように、基板間距離がdの個所では、反射率がボトムに相当するレベルとなってしまう。しかるに本発明では、光源光に波長が470nmの光が含まれており、波長幅も広がっている。かかる光成分では、実線L12で示すように、基板間距離がd+αの個所では、反射率がボトム付近に相当するレベルとなるのに対して、点線L11で示すように、基板間距離がdの個所では、反射率がピーク付近に相当するレベルとなる。それ故、反射率が平均化されるので、輝度ムラが発生しにくい。
また、本形態では、第1光源装置201から出射された第1光源光と、第2光源装置202から出射された第2光源光とを光合成素子270によって合成し、光源光として用いるため、1つの光源装置を用いた場合に比して、他の光源部110(R)、(G)と光源光の光束径を同等とすることができる。
また、光合成素子270において、偏光の種類によって透過特性や反射特性が異なる場合でも、第1光源装置201および第2光源装置202の各々が、強度ピークが位置する波長域が異なる固体光源(第1固体光源220aと第2固体光源220b、第3固体光源250aと第4固体光源250b)を備えているため、光合成素子270の透過率特性(反射率特性)が、光源ユニット200から出射される光源光のスペクトラムに影響を及ぼしにくい。すなわち、第1固体光源220aから出射された光のみを第1光源光として用い、第4固体光源250bから出射された光のみを第2光源光として用いた場合、光合成素子270の透過率特性(反射率特性)が偏光の種類によって差がある場合、光源ユニット200から出射される光源光のスペクトラムが大きく変化することになる。しかるに本形態によれば、かかる変化が発生しにくいので、光源ユニット200から出射される光源光のスペクトラムを設定しやすい。
特に本形態では、第1光源装置201での第1固体光源220aと第2固体光源220bとの数の比と、第2光源装置202での第3固体光源250aと第4固体光源250bとの数の比とが等しい。このため、第1光源装置201から出射された第1光源光と、第2光源装置202から出射された第2光源光とでは、スペクトラムが等しい。それ故、光合成素子270の透過率特性(反射率特性)が、光源ユニット200から出射される光源光のスペクトラムに影響を及ぼさない。
また、本形態では、光源ユニット200において、第1光源装置201から出射された第1光源光と、第2光源装置202から出射された第2光源光とを合成して出射される光源光のスペクトラムに出現する強度ピークが1つである。このため、光源ユニット200から出射された光源光を液晶装置1で変調した際、色ムラが発生しにくい。
また、第1固体光源220a、第2固体光源220b、第3固体光源250aおよび第4固体光源250bは各々が列状に配置されているため、例えば、図12を参照して後述する形態のように、第1固体光源220a、第2固体光源220b、第3固体光源250aおよび第4固体光源250bに独立した給電経路を設けるのが容易である
[実施の形態2]
図6は、本発明の実施の形態2に係る光源ユニット200の説明図であり、図6(a)、(b)、(c)は、光源ユニット200の説明図、光源ユニット200の第1光源装置201の説明図、および光源ユニット200の第2光源装置202の説明図である。なお、以下に説明するいずれの実施の形態も、基本的な構成が実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
図6(a)に示すように、本形態でも、図1および図2に示す青色(B)用の光源部110(B)は、第1光源装置201と、第2光源装置202と、第1光源装置201から出射された第1光源光と第2光源装置202から出射された第2光源光とを合成する光合成素子270と、偏光変換素子280とを有する光源ユニット200として構成されている。従って、第1光源装置201から出射された第1光源光と、第2光源装置202から出射された第2光源光とが光合成素子270で合成され、光源ユニット200(青色(B)用の光源部110(B))から出射される。第1光源装置201は、第1波長域に強度ピークを有する光を出射する複数の第1固体光源220aと、第1波長域より長波長の第2波長域に強度ピークを有する光を出射する複数の第2固体光源220bと、第1固体光源220aおよび第2固体光源220bが一方の基板面に設けられた第1基板210とを有している。
第1光源装置201において、第1固体光源220aと第2固体光源220bとは、列方向および列方向に交差する方向のいずれにおいても交互に配置されている。例えば、第1固体光源220aおよび第2固体光源220bは、各々が18個ずつ、計36個が用いられており、第1固体光源220aおよび第2固体光源220bは、6個ずつ6列に配置されている。その際、いずれの列でも、第1固体光源220aと第2固体光源220bとが交互に配置されている。また、1番目の列と2番目の列とでは、第1固体光源220aおよび第2固体光源220bの位置が入れ替わっている。第2光源装置202においても、第1光源装置201と同様、第3固体光源250aと第4固体光源250bとは、列方向および列方向に交差する方向のいずれにおいても交互に配置されている。このため、光合成素子270に第1固体光源220a、第2固体光源220b、第3固体光源250aおよび第4固体光源250bを投影すると、第1固体光源220aと第4固体光源250bとが重なり、第2固体光源220bと第3固体光源250aとが重なる。
本形態でも、実施の形態1と同様、第1固体光源220aおよび第3固体光源250aから出射される光のスペクトラムは、図5(a)に一点鎖線Laで示すように、約460nm付近の第1波長域のみに1つの強度ピークを有し、その波長帯域は、450nmから470nmの約20nmである。また、第2固体光源220bおよび第4固体光源250bから出射される光のスペクトラムは、図5(a)に二点鎖線Lbで示すように、約465nm付近の第2波長域のみに1つの強度ピークを有し、その波長帯域は、455nmから475nmの約20nmである。
従って、光源ユニット200において、第1光源装置201から出射された第1光源光と、第2光源装置202から出射された第2光源光とを合成して出射される光源光のスペクトラムは、図5(a)に実線Lsで示す通りであり、462.5nm付近のみに1つの強度ピークを有し、その波長帯域は450nmから475nmである。また、図5(b)に示すように、第2光源光のスペクトラムを波長により微分した微分スペクトラムでは、微分値が0に相当する直線と交差する個所が1箇所である。
このように構成した光源ユニット200でも、実施の形態1と同様、強度ピークが位置する波長域が異なる第1固体光源220aおよび第2固体光源220bを備えた第1光源装置201から出射された第1光源光と、強度ピークが位置する波長域が異なる第3固体光源250aおよび第4固体光源250bを備えた第2光源装置202から出射された第2光源光とを光合成素子270によって合成し、光源光として出射する。このため、光源ユニット200から出射される光源光の波長帯域を任意に広げることができる。それ故、本形態に係る光源ユニット200を投射型表示装置300、400の光源部110(B)として用いたとき、液晶装置1(B)に位置毎の基板間距離(セル厚)のばらつきがあっても、かかるばらつきに起因する輝度ムラが発生しにくい等、実施の形態1と同様な効果を奏する。
[実施の形態3]
図7は、本発明の実施の形態3に係る光源ユニット200の説明図であり、図5(a)、(b)は、第1光源光等のスペクトラムを示す説明図、および第1光源光等のスペクトラムを波長で微分した微分スペクトラムの説明図である。
本形態では、図4および図6に示す第1固体光源220aおよび第3固体光源250aから出射される光のスペクトラムは、図7(a)に一点鎖線Laで示すように、約460nm付近の第1波長域のみに1つの強度ピークを有し、その波長帯域は、450nmから470nmの約20nmである。また、図4および図6に示す第2固体光源220bおよび第4固体光源250bから出射される光のスペクトラムは、図7(a)に二点鎖線Lbで示すように、約470nm付近の第2波長域のみに1つの強度ピークを有し、その波長帯域は、465nmから480nmの約20nmである。また、第1固体光源220aおよび第3固体光源250aから出射される光のピーク強度は、第2固体光源220bおよび第4固体光源250bから出射される光のピーク強度より低い。
従って、光源ユニット200において、第1光源装置201から出射された第1光源光と、第2光源装置202から出射された第2光源光とを合成して出射される光源光のスペクトラムは、図7(a)に実線Lsで示す通りであり、460nm付近および470nm付近の各々に強度ピークを有し、その波長帯域は450nmから485nmまでの35nmである。また、図7(b)に示すように、第2光源光のスペクトラムを波長により微分した微分スペクトラムでは、微分値が0に相当する直線と交差する個所が2箇所である。
このように構成した光源ユニット200でも、実施の形態1と同様、強度ピークが位置する波長域が異なる第1固体光源220aおよび第2固体光源220bを備えた第1光源装置201から出射された第1光源光と、強度ピークが位置する波長域が異なる第3固体光源250aおよび第4固体光源250bを備えた第2光源装置202から出射された第2光源光とを光合成素子270によって合成し、光源光として出射する。このため、光源ユニット200から出射される光源光の波長帯域を任意に広げることができる。それ故、本形態に係る光源ユニット200を投射型表示装置300、400の光源部110(B)として用いたとき、液晶装置1(B)に位置毎の基板間距離(セル厚)のばらつきがあっても、かかるばらつきに起因する輝度ムラが発生しにくい等、実施の形態1と同様な効果を奏する。
また、本形態では、光源ユニット200において、第1光源装置201から出射された第1光源光と、第2光源装置202から出射された第2光源光とを合成して出射される光源光のスペクトラムに出現する強度ピークが2つであるが、その波長帯域は450nmから485nmまでの35nmであり、実施の形態1、2より広い。従って、本形態に係る光源ユニット200を投射型表示装置300、400の光源部110(B)として用いたとき、液晶装置1(B)に位置毎の基板間距離(セル厚)のばらつきがあっても、かかるばらつきに起因する輝度ムラが発生しにくい等の効果を奏する。
[実施の形態4]
図8は、本発明の実施の形態4に係る光源ユニット200の説明図であり、図8(a)、(b)、(c)は、光源ユニット200の説明図、光源ユニット200の第1光源装置201の説明図、および光源ユニット200の第2光源装置202の説明図である。図9は、本発明の実施の形態4に係る光源ユニット200の第1光源装置201から出射される第1光源光の説明図であり、図9(a)、(b)は、第1光源光等のスペクトラムを示す説明図、および第1光源光等のスペクトラムを波長で微分した微分スペクトラムの説明図である。なお、図8においては、固体光源のうち、第5固体光源220cおよび第6固体光源250cには右上がりの斜線および右下がりの斜線を付してある。
図8(a)に示すように、本形態の光源ユニット200は、実施の形態1等と同様、第1光源装置201と、第2光源装置202と、第1光源装置201から出射された第1光源光と第2光源装置202から出射された第2光源光とを合成する光合成素子270と、偏光変換素子280とを有している。従って、第1光源装置201から出射された第1光源光と、第2光源装置202から出射された第2光源光とが光合成素子270で合成され、光源ユニット200(青色(B)用の光源部110(B))から出射される。
図8(a)、(b)に示すように、第1光源装置201では、第1基板210の一方の基板面に、第1波長域に強度ピークを有する光を出射する複数の第1固体光源220aと、第1波長域より長波長の第2波長域に強度ピークを有する光を出射する複数の第2固体光源220bと、第2波長域より長波長の第3波長域に強度ピークを有する光を出射する複数の第5固体光源220cとが設けられている。従って、第1光源装置201では、第1固体光源220aから出射された光と、第2固体光源220bから出射された光と、第5固体光源220cから出射された光とが合成されて、第1光源光として光合成素子270に入射する。
本形態において、第1固体光源220a、第2固体光源220bおよび第5固体光源220cは、レーザーダイオードや発光ダイオード等の発光素子であり、本形態では、第1固体光源220a、第2固体光源220bおよび第5固体光源220cとしてレーザーダイオード220が用いられている。但し、第1固体光源220a、第2固体光源220bおよび第5固体光源220cは、仕様が異なるレーザーダイオードである。
本形態において、第1固体光源220a、第2固体光源220bおよび第5固体光源220cは、各々6個ずつ3列に配置されている。また、第1固体光源220aの列、第2固体光源220bの列、および第5固体光源220cの列がこの順に配置されている。
図8(a)、(c)に示すように、第2光源装置202では、第2基板240の一方の基板面に、第1波長域に強度ピークを有する光を出射する複数の第3固体光源250aと、第1波長域より長波長の第2波長域に強度ピークを有する光を出射する複数の第4固体光源250bと、第2波長域より長波長の第3波長域に強度ピークを有する光を出射する複数の第6固体光源250cとが設けられている。従って、第2光源装置202では、第3固体光源250aから出射された光と、第4固体光源250bから出射された光と、第6固体光源250cから出射された光とが合成されて、第2光源光として光合成素子270に入射する。
本形態において、第3固体光源250a、第4固体光源250bおよび第6固体光源250cは、レーザーダイオードや発光ダイオード等の発光素子であり、本形態では、第3固体光源250a、第4固体光源250bおよび第6固体光源250cとしてレーザーダイオード250が用いられている。但し、第3固体光源250a、第4固体光源250bおよび第6固体光源250cは、仕様が異なるレーザーダイオードである。第1固体光源220aおよび第3固体光源250aは仕様が同一のレーザーダイオードであり、第2固体光源220bおよび第4固体光源250bは仕様が同一のレーザーダイオードであり、第5固体光源220cおよび第6固体光源250cは仕様が同一のレーザーダイオードである。
本形態において、第3固体光源250a、第4固体光源250bおよび第6固体光源250cは、各々6個ずつ3列に配置されている。また、第3固体光源250aの列、第4固体光源250bの列、および第6固体光源250cの列がこの順に配置されている。
第1固体光源220aおよび第3固体光源250aから出射される光のスペクトラムは、図9(a)に一点鎖線Laで示すように、約460nm付近の第1波長域のみに1つの強度ピークを有し、その波長帯域は、450nmから470nmの約20nmである。第2固体光源220bおよび第4固体光源250bから出射される光のスペクトラムは、図9(a)に二点鎖線Lbで示すように、約465nm付近の第2波長域のみに1つの強度ピークを有し、その波長帯域は、455nmから475nmの約20nmである。第5固体光源220cおよび第6固体光源250cから出射される光のスペクトラムは、図9(a)に点線Lcで示すように、約470nm付近の第3波長域のみに1つの強度ピークを有し、その波長帯域は、460nmから480nmの約20nmである。ここで、第1固体光源220aから出射される光のピーク強度、第2固体光源220bから出射される光のピーク強度、および第5固体光源220cから出射される光のピーク強度は同等である。また、第3固体光源250aから出射される光のピーク強度、第4固体光源250bから出射される光のピーク強度、および第6固体光源250cから出射される光のピーク強度は同等である。
従って、第1光源装置201から出射された第1光源光、および第2光源装置202から出射された第2光源光のスペクラムは、図9(a)に実線Lsで示す通りであり、465nm付近のみに1つの強度ピークを有し、その波長帯域は450nmから480nmである。また、図9(b)に示すように、光源ユニット200から出射される光のスペクトラムを波長により微分した微分スペクトラムでは、微分値が0に相当する直線と交差する個所が1箇所である。それ故、光源ユニット200から出射される光源光のスペクラムは、図9(a)に実線Lsで示す通りであり、465nm付近のみに1つの強度ピークを有し、その波長帯域は450nmから480nmである。また、図9(b)に示すように、光源ユニット200から出射される光のスペクトラムを波長により微分した微分スペクトラムでは、微分値が0に相当する直線と交差する個所が1箇所である。
以上説明したように、本形態の光源ユニット200では、強度ピークの波長域が異なる第1固体光源220a、第2固体光源220bおよび第5固体光源220cを備えた第1光源装置201から出射された第1光源光と、強度ピークの波長域が異なる第3固体光源250a、第4固体光源250bおよび第6固体光源250cを備えた第2光源装置202から出射された第2光源光とを光合成素子270によって合成し、光源光として出射する。
このため、光源ユニット200から出射される光源光の波長帯域を30nmまで広げることができる。従って、本形態に係る光源ユニット200を投射型表示装置300、400の光源部110(B)として用いたとき、液晶装置1(B)に位置毎の基板間距離(セル厚)のばらつきがあっても、かかるばらつきに起因する輝度ムラが発生しにくい等、実施の形態1と同様な効果を奏する。また、光源ユニット200から出射される光源光の波長帯域を30nmまで広げても、1つの強度ピークのみが出現する。それ故、光源ユニット200から出射された光源光を液晶装置1で変調した際、色ムラが発生しにくい。
[実施の形態5]
図10は、本発明の実施の形態5に係る光源ユニット200の説明図である。上記実施の形態1〜4では、第1光源装置201にフライアイ光学系230を設け、第2光源装置202にフライアイ光学系260を設けたが、図10に示すように、光合成素子270に対して光の出射側に、第1光源装置201および第2光源装置202に対して共通のフライアイ光学系290を設けてもよい。
[実施の形態6]
図11は、本発明の実施の形態6に係る光源ユニット200の説明図である。上記実施の形態1〜4では、第1固体光源220aと第2固体光源220bとが均等に分布するように第1基板210に設けられ、第3固体光源250aと第4固体光源250bとが均等に分布するように第2基板240に設けられていたが、図11に示すように、第1基板210において第1固体光源220aと第2固体光源220bとが偏って配置され、第2基板240において第3固体光源250aと第4固体光源250bとが偏って配置されていてもよい。
本形態においては、第1基板210の中心側に第2固体光源220bが配置され、第2固体光源220bが配置されている領域の周りに第1固体光源220aが配置されている。また、第2基板240の中心側に第4固体光源250bが配置され、第4固体光源250bが配置されている領域の周りに第3固体光源250aが配置されている。かかる構成によれば、長波長側に強度ピークを有する固体光源(第2固体光源220bおよび第4固体光源250b)が、図1および図2に示すレンズ系の光軸の近い側に配置され、短波長側に強度ピークを有する固体光源(第1固体光源220aおよび第3固体光源250a)がレンズ系の光軸から遠い側に配置されることになる。このため、短焦点化を実現することができるので、投射型表示装置300、400の小型化を図ることができる。
[実施の形態7]
図12は、本発明の実施の形態7に係る光源ユニット200の説明図である。図12に示すように、本形態では、第1固体光源220aと第2固体光源220bとは、異なる給電経路によって駆動され、第3固体光源250aと第4固体光源250bとは、異なる給電経路によって駆動されるようになっている。
より具体的には、第1基板210において列状に並ぶ第1固体光源220a毎に第1給電経路211aが設けられ、第1基板210において列状に並ぶ第2固体光源220b毎に第2給電経路211bが設けられている。また、第1給電経路211aの一端に端子216aが設けられ、第2給電経路211bの一端に端子216bが設けられている。また、第1給電経路211aの他端、および第2給電経路211bの他端は、共通線212に接続されている。従って、1列分の複数の第1固体光源220aは、第1給電経路211aによって直列に電気的接続され、1列分の複数の第2固体光源220bは、第2給電経路211bによって直列に電気的接続されている。
また、第2基板240において列状に並ぶ第3固体光源250a毎に第3給電経路241aが設けられ、第2基板240において列状に並ぶ第4固体光源250b毎に第4給電経路241bが設けられている。また、第3給電経路241aの一端に端子246aが設けられ、第4給電経路241bの一端に端子246bが設けられている。また、第3給電経路241aの他端、および第4給電経路241bの他端は、共通線242に接続されている。従って、1列分の複数の第3固体光源250aは、第3給電経路241aによって直列に電気的接続され、1列分の複数の第4固体光源250bは、第4給電経路241bによって直列に電気的接続されている。
かかる構成によれば、第1固体光源220a、第2固体光源220b、第3固体光源250aおよび第4固体光源250bを各々、適正な条件で駆動することができる。
例えば、第1固体光源220aおよび第2固体光源220bは、固体光源1個当たりの駆動電流が相違し、第3固体光源250aおよび第4固体光源250bは、固体光源1個当たりの駆動電流が相違している構成を採用することができる。この場合、第1固体光源220aに対する第2固体光源220bの駆動電流における大小関係と、第3固体光源250aに対する第4固体光源250bの駆動電流における大小関係とは等しい。
かかる構成によれば、同一駆動電流で駆動した際の寿命が、第1固体光源220aと第2固体光源220bとの間や、第3固体光源250aと第4固体光源250bとの間で相違する場合でも、寿命が短い方の固体光源に対する駆動電流を、寿命が長い方の固体光源に対する駆動電流より低く設定することができる。従って、第1固体光源220aと第2固体光源220bとの寿命、および第3固体光源250aと第4固体光源250bとの寿命を等しくすることができる。その場合、寿命が短い方の固体光源については、駆動電流を低減した分、固体光源の数を多くして、光量バランスを調整してもよい。
[実施の形態8]
図13は、本発明の実施の形態8に係る光源ユニット200の説明図である。実施の形態7では、1列の複数の固体光源が1つの給電経路によって直列に電気的接続されている構成であったが、本形態では、複数列の複数の固体光源が1つの給電経路によって直列に電気的接続されている構成である。
より具体的には、図13に示すように、第1基板210において2列に並ぶ第1固体光源220a毎に第1給電経路213aが設けられ、第1基板210において2列に並ぶ第2固体光源220b毎に第2給電経路213bが設けられている。また、第1給電経路213aの両端に端子217aが設けられ、第2給電経路213bの両端に端子217bが設けられている。従って、2列分の複数の第1固体光源220aが第1給電経路213aによって直列に電気的接続され、2列分の複数の第2固体光源220bが第2給電経路213bによって直列に電気的接続されている。
また、第2基板240において2列に並ぶ第3固体光源250a毎に第3給電経路243aが設けられ、第2基板240において2列に並ぶ第4固体光源250b毎に第4給電経路243bが設けられている。また、第3給電経路243aの両端に端子247aが設けられ、第4給電経路243bの両端に端子247bが設けられている。従って、2列分の複数の第3固体光源250aが第3給電経路243aによって直列に電気的接続され、2列分の複数の第4固体光源250bが第4給電経路243bによって直列に電気的接続されている。
従って、実施の形態7で例示したように、第1固体光源220a、第2固体光源220b、第3固体光源250aおよび第4固体光源250bを各々、適正な条件で駆動することができる。
なお、本形態では、2列の固体光源が1つの給電経路によって直列に電気的接続されている構成であったが、3列以上の固体光源が1つの給電経路によって直列に電気的接続されている構成を採用してもよい。なお、2列の固体光源が1つの給電経路によって直列に電気的接続されている構成の場合、給電経路の折り返し回数が1箇所であるが、n列以上の固体光源が1つの給電経路によって直列に電気的接続されている場合、給電経路の折り返し回数は、(n−1)箇所となる。
[実施の形態9]
図14は、本発明の実施の形態9に係る光源ユニット200の説明図である。図14に示すように、本形態において、第1固体光源220aおよび第2固体光源220bはいずれも、板状のステム206と、ステム206の一方面側に配置される発光素子(図示せず)と、ステム206の一方面側に被さるキャップ207と、ステム206の他方面側に設けられた一対の端子208とを有する。
また、第1光源装置201においては、一列に並ぶ複数の固体光源毎に第1基板210が連結されている。ここで、第1固体光源220aおよび第2固体光源220bは金属製のベース219に支持されている。ベース219には、第1固体光源220aおよび第2固体光源220bが1個ずつ配置された凹部219aが形成されており、凹部219aの底部には端子208が挿入される穴219bが形成されている。また、第1基板210にも穴218が形成されており、ベース219の穴219bを貫通した端子208の先端部は、第1基板210の穴218に挿入され、固定されている。この状態で、ベース219は、第1固体光源220aおよび第2固体光源220bの放熱部材として機能する。
また、第2光源装置202においても、第1光源装置201と同様、ベース249の凹部249aの底部に形成された穴249bを貫通した第3固体光源250aおよび第4固体光源250bの端子208の先端部は、第2基板240の穴248に挿入され、固定されている。この状態で、ベース249は、第3固体光源250aおよび第4固体光源250bの放熱部材として機能する。
このように構成した光源ユニット200において、第1固体光源220aおよび第2固体光源220bは、第1基板210に設けられた状態での放熱効率が相違し、第3固体光源250aおよび第4固体光源250bは、第2基板240に設けられた状態での放熱効率が相違する構成を採用してもよい。この場合、第1固体光源220aに対する第2固体光源220bの放熱効率の高低関係と、第3固体光源250aに対する第4固体光源250bの放熱効率の高低関係とは等しい。
例えば、同一環境温度下で駆動した際の寿命が、第1固体光源220aと第2固体光源220bとの間や、第3固体光源250aと第4固体光源250bとの間で相違する場合、寿命が短い方の固体光源における放熱効率を寿命が短い方の固体光源における放熱効率より高めることにより、第1固体光源220aと第2固体光源220bとの寿命、および第3固体光源250aと第4固体光源250bとの寿命を等しくする。
放熱効率を相違させるには、例えば、ベース219との接触面積を第1固体光源220aと第2固体光源220bとにおいて相違させ、ベース249との接触面積を第3固体光源250aと第4固体光源250bとにおいて相違させる。例えば、放熱効率を寿命が短い方の固体光源に対しては、ベース219、249の穴219b、249bの内径を変更してステム206の側面と穴219b、249bの内壁とを接触させ、接触面積を増大させる。
また、図11を参照して説明したように、第1固体光源220aおよび第2固体光源220bの一方の固体光源の配置領域の周りに囲むように他方の固体光源を配置し、外側に配置された固体光源の放熱効率を、内側に配置された固体光源の放熱効率を高くしてもよい。同様に、第3固体光源250aおよび第4固体光源250bの一方の固体光源の配置領域の周りに囲むように他方の固体光源を配置し、外側に配置された固体光源の放熱効率を、内側に配置された固体光源の放熱効率を高くしてもよい。
[実施の形態10]
上記実施の形態では、第1固体光源220aと第2固体光源220bとを同数または略同数としたが、第1固体光源220aの数と第2固体光源220bの数とを相違させてもよい。その場合、第3固体光源250aの数と第4固体光源250bの数についても相違させる。
例えば、第1固体光源220a、第2固体光源220b、第3固体光源250aおよび第4固体光源250bのうち、低波長側の第1固体光源220aおよび第3固体光源250aの数を長波長側の第2固体光源220bおよび第4固体光源250bの数より少なくする。かかる構成によれば、液晶装置1に入射する低波長成分を低減することができるので、液晶装置1に用いた液晶層50の光劣化を抑制することができる。
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、青色(B)用の光源部110(B)に、本発明を適用した光源ユニット200を用いたが、赤色(R)用の光源部110(R)および緑色(G)用の光源部110(G)の一方または双方に、本発明を適用した光源ユニット200を用いてもよい。
また、上記実施の形態では、赤色(R)用の光源部110(R)、緑色(G)用の光源部110(G)、および青色(B)用の光源部110(B)を設けたが、例えば、赤色(R)および緑色(G)の光成分を含む光を出射する光源部110を用い、光路の途中で、赤色(R)の光成分と、緑色(G)の光成分を含む光とに分離して液晶装置1(R)、(G)に供給するタイプの投射型表示装置に本発明を適用してもよい。