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JP2016099494A - 投写型表示装置 - Google Patents

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JP2016099494A
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彩映 沢渡
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Abstract

【課題】従来よりも明るい映像を投写可能で小型な投写型表示装置を提供すること。
【解決手段】投写型表示装置100は、レーザー光源110と、画像信号に基づいて入射光を変調可能な液晶ライトバルブ130と、レーザー光源110と液晶ライトバルブ130との間に配置され、レーザー光源110から射出される偏光の光束を拡大し、光軸と略平行な状態として液晶ライトバルブ130に入射させるレンズ群としてのビームエキスパンダー120と、液晶ライトバルブ130から射出される表示光を拡大して投写する投写光学系としての投写レンズ180と、を備え、液晶ライトバルブ130は、第1液晶パネルとしての液晶パネル131と、液晶パネル131と投写レンズ180との間に配置された偏光素子としての偏光板132とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、投写型表示装置に関する。
投写型表示装置として映像を拡大して投写するプロジェクターが挙げられる。オフィスなどの明るい環境下で用いられるプロジェクターは、光源として一般的に超高圧水銀灯やハロゲンランプなどが用いられている。一方で、最近では持ち運びが容易であって、電源供給を気にせずに投写が可能な例えば発光ダイオード(LED)やレーザー素子を光源として用いた小型なプロジェクターが開発されている。
例えば、特許文献1には、時分割駆動により交番発光させた2つの光源からの互いに偏光軸が異なる直線偏光を同一の光軸の光束に合成する第1の光学素子と、時分割駆動に同期して移動させた2つの透過領域に、第1の光学素子から射出された直線偏光を入射させて、異なる直線偏光のうちの一方の直線偏光の偏光軸を変換して同一の直線偏光にして射出する第2の光学素子を備えた照明光学系を有する投写型映像表示装置が開示されている。2つの光源としては、LED光源やレーザー光源を用いる例が挙げられている。特許文献1の投写型映像表示装置によれば、2つの光源を用い、エテンデューの増加を防止して投写映像の明るさを向上させることができるとしている。
また、例えば、特許文献2には、光源としての白色発光ダイオードから発せられるp偏光とs偏光とを含む光をいずれか一方の偏光に変換する偏光変換素子を備えたプロジェクターが開示されている。特許文献2のプロジェクターでは、入射する光を画像情報に応じて変調する光変調装置として液晶パネルを用いた例が挙げられている。特許文献2のプロジェクターによれば偏光変換時に照度むらが生じ難い偏光変換素子の構成となっているため、明るさのむらが低減された表示が可能であるとしている。
特開2009−116165号公報 特開2013−190549号公報
上記特許文献1において、LED光源はp偏光とs偏光とを含むランダム偏光光源である。したがって、p偏光を透過しs偏光を反射する偏光分離膜に対して互いの光軸が直交するように2つのLED光源を配置すると、一方のLED光源のp偏光と他方のLED光源のs偏光とが表示に用いられる。言い換えれば、一方のLED光源のs偏光と他方のLED光源のp偏光とは表示に用いられない。つまり、2つのLED光源から発する光を有効に活用しているとは言えない。一方で、レーザー光源を用いる場合は、一方のレーザー光源はp偏光を発し、他方のレーザー光源はs偏光を発するように構成すれば確かに光利用効率において無駄が生じないものの、2つの光源を用いることから投写型映像表示装置を小型化することが難しいという課題があった。
また、上記特許文献2のプロジェクターでは、白色発光ダイオードから発せられるp偏光とs偏光とを含むランダム偏光を偏光変換素子によってp偏光またはs偏光のいずれか一方に変換してから光変調装置である液晶パネルに入射させている。ところが、液晶パネルの光の入射側と射出側とに偏光板を配置していることから、光変調装置における偏光の透過率は50%未満となる。すなわち、白色発光ダイオードから発せられた光を有効に活用することが難しいという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例]本適用例に係る投写型表示装置は、レーザー光源と、画像信号に基づいて入射光を変調可能な液晶ライトバルブと、前記レーザー光源と前記液晶ライトバルブとの間に配置され、前記レーザー光源から射出される偏光の光束を拡大し、光軸と略平行な状態として前記液晶ライトバルブに入射させるレンズ群と、前記液晶ライトバルブから射出される表示光を拡大して投写する投写光学系と、を備え、前記液晶ライトバルブは、第1液晶パネルと、前記第1液晶パネルと前記投写光学系との間に配置された偏光素子とを有することを特徴とする。
本適用例の構成によれば、レーザー光源からは偏光が得られるので、第1液晶パネルの光の入射側に偏光素子を配置しなくても、液晶ライトバルブとしての機能を発揮させることができる。ゆえに、レーザー光源から発する偏光を有効に利用して明るい映像の投写が可能で小型な投写型表示装置を実現できる。
上記適用例に記載の投写型表示装置において、前記レンズ群と前記液晶ライトバルブとの間に配置され、前記液晶ライトバルブに入射する前記偏光における偏光状態を補償する位相板を備えることが好ましい。
この構成によれば、レーザー光源から発した偏光はレンズ群を透過して屈折することにより、光軸と交差する面内の場所によって偏光方向がずれることがある。このような偏光の偏光状態を補償する位相板を備えることで偏光における偏光方向が略均一になるので、明るく且つコントラストが改善された映像が得られる。
上記適用例に記載の投写型表示装置において、前記位相板は、第2液晶パネルであって、前記液晶ライトバルブに入射する前記偏光における偏光状態に応じて、前記第2液晶パネルが駆動されることを特徴とする。
この構成によれば、位相板として第2液晶パネルを用いれば、複数の画素に与える駆動電圧を制御することで、偏光状態のきめ細かな補償が可能となる。
上記適用例に記載の投写型表示装置において、前記位相板は、第2液晶パネルであって、前記レーザー光源と前記レンズ群との間に配置され、前記レーザー光源から射出される偏光の偏光状態を検出する偏光状態検出機構を備え、前記偏光状態検出機構により検出された前記偏光状態に応じて、前記第2液晶パネルが駆動されることが好ましい。
この構成によれば、レーザー光源の偏光状態の変化(例えば偏光方向が一時的に変化するなど)に対応して、きめ細かな補償が可能となる。
上記適用例に記載の投写型表示装置において、前記レーザー光源の起動後の経過時間に応じて、前記偏光状態検出機構における前記偏光状態の検出タイミングを異ならせることが好ましい。
レーザー光源から発せられる偏光の偏光状態は、常に一定とは限らない。例えば、レーザー光源が起動してから偏光状態が変化することは結果的に映像の明るさが変動することに繋がる。この構成によれば、レーザー光源の起動後における時間的な偏光状態の変化に対応した補償が可能となる。つまり、映像における明るさの変動や明るさのむらを低減できる。
上記適用例に記載の投写型表示装置において、前記レーザー光源の起動初期段階では、前記偏光状態検出機構により第1の検出タイミングで前記偏光状態を検出し、前記起動初期段階を過ぎると前記第1の検出タイミングよりも長い周期の第2の検出タイミングで前記偏光状態を検出することが好ましい。
この構成によれば、レーザー光源の起動後における時間的な偏光状態の変化に対して、よりきめ細かな補償が可能となる。
上記適用例に記載の投写型表示装置において、前記位相板は、第2液晶パネルであって、前記投写光学系によって投写された映像の明るさを計測可能な計測機構を備え、前記計測機構により得られた前記映像の面内における相対的な明るさのむらを補償するように、前記第2液晶パネルが駆動されるとしてもよい。
この構成によれば、計測機構により実際に投写された映像の明るさを計測することができるので、映像の投写状態に応じた偏光状態の補償が可能となる。言い換えれば、過不足のない偏光状態の補償が可能となる。
上記適用例に記載の投写型表示装置において、前記位相板は、第2液晶パネルであって、駆動電圧が印加されていないときの配向状態がn=2以上の回転対称であることを特徴とする。
この構成によれば、レーザー光源から発してレンズ群を透過したレーザー光(偏光)が、アジマス偏光やラジアル偏光である部分を含んでいても、位相板を駆動制御することでレーザー光(偏光)の偏光方向を揃えた状態に補償することができる。
上記適用例に記載の投写型表示装置において、前記レンズ群と前記液晶ライトバルブとの間に配置され、前記レンズ群により屈折した偏光を直線偏光に変換する偏光変換素子を備えるとしてもよい。
この構成によれば、偏光変換素子によって偏光方向が揃った偏光を液晶ライトバルブに入射させることができる。加えて、レーザー光源を用いていることから、LED光源を用いる場合に比べて、色再現性に優れ、コントラストがよい映像を投写することができる。
上記適用例に記載の投写型表示装置において、前記液晶ライトバルブは、前記第1液晶パネルの光の入射側に配置された第2偏光素子と、前記第1液晶パネルの光の射出側に配置された第1偏光素子とを有するとしてもよい。
この構成によれば、液晶ライトバルブに入射する偏光の偏光軸を第2偏光素子によって均一に揃えることができるので、明るさは第2偏光素子が無い場合に比べて低下するもののよりコントラストが向上した映像を投写することができる。
上記適用例に記載の投写型表示装置において、赤、緑、青の3つの色光ごとに設けられた、前記レーザー光源と、前記レンズ群と、前記液晶ライトバルブとを少なくとも含む光学ユニットと、赤、緑、青の3つの前記光学ユニットのそれぞれから射出される表示光を合成する合成光学系と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、明るいカラーの映像を投写可能な投写型表示装置を提供することができる。
上記適用例に記載の投写型表示装置において、前記3つの色光ごとに設けられた前記光学ユニットのそれぞれは、前記液晶ライトバルブに入射する前記偏光における偏光状態を補償する位相板としての第2液晶パネルを含み、赤、緑、青の前記レーザー光源のそれぞれの偏光状態に応じて、前記第2液晶パネルが駆動されることが好ましい。
この構成によれば、明るく且つコントラストが改善されたカラーの映像を投写可能な投写型表示装置を提供することができる。
上記適用例に記載の投写型表示装置において、赤、緑、青の3つの色光ごとに設けられた前記レーザー光源と、前記レンズ群と、前記液晶ライトバルブと、前記液晶ライトバルブに入射する前記偏光における偏光状態を補償する位相板としての第2液晶パネルとを含む光学ユニットを備え、赤、緑、青の前記レーザー光源は順番に点灯し、前記レーザー光源の点灯の順番に同期して、前記第2液晶パネルが駆動されることを特徴とする。
この構成によれば、明るく且つコントラストが改善されたカラーの映像を投写可能であって、より小型なフィールドシーケンシャル駆動方式の投写型表示装置を提供することができる。
第1実施形態の投写型表示装置の構成を示す概略図。 (a)及び(b)はレンズ群の構成例を示す図。 (a)は第2実施形態の投写型表示装置の構成を示す概略図、(b)は偏光変換素子の構造を示す概略図。 第3実施形態の投写型表示装置の構成を示す概略図。 (a)は位相板としての液晶パネルの構成を示す概略平面図、(b)は位相板としての液晶パネルの要部の構造を示す概略断面図。 (a)及び(b)は位相板としての液晶パネルの配向処理例を示す概略図。 (a)及び(b)は位相板としての液晶パネルの他の配向処理例を示す概略平面図。 (a)及び(b)は位相板を用いた偏光における偏光方向の制御例を説明する図。 (a)及び(b)は位相板を用いた偏光における偏光方向の他の制御例を説明する図。 第4実施形態の投写型表示装置の構成を示す概略図。 レーザー光源の光強度と起動後の時間(秒)との関係を示すグラフ。 第5実施形態の投写型表示装置の構成を示す概略図。 第6実施形態の投写型表示装置の構成を示す概略図。 第7実施形態の投写型表示装置の構成を示す概略図。 変形例の位相板としての液晶パネルを示す概略平面図。 変形例の投写型表示装置の構成を示す概略図。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
本実施形態では、画像情報に基づいて入射光を変調する光変調手段として液晶ライトバルブを用いた投写型表示装置について例を挙げて説明する。
(第1実施形態)
<投写型表示装置>
まず、第1実施形態の投写型表示装置について、図1及び図2を参照して説明する。図1は第1実施形態の投写型表示装置の構成を示す概略図、図2(a)及び(b)はレンズ群の構成例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態の投写型表示装置100は、光源から発する光を変調して表示光とする光学ユニット101と、光学ユニット101から射出された表示光を拡大する投写光学系としての投写レンズ180とを含んで構成されている。光学ユニット101は、光源としてのレーザー光源110と、レンズ群120と、液晶ライトバルブ130と、を有している。光学ユニット101におけるこれらの構成は、同一の光軸L0上に配置されている。
液晶ライトバルブ130は、上述したように画像情報に基づいて入射光を変調して表示光として射出するものであり、液晶パネル131と、液晶パネル131の光の射出側に配置された偏光素子としての偏光板132とを有している。液晶ライトバルブ130から射出された表示光は、投写レンズ180によって拡大され、例えばスクリーン1000などの被投写体に投写される。投写レンズ180は、表示光の拡大投写倍率を調整可能であることが望ましい。
レーザー光源110は、例えば固体レーザー、半導体レーザー、液体レーザー、ガスレーザーなどを用いることができる。入射光を変調する液晶パネル131の表示領域には複数の画素が配置されており、画素の大きさや画素数にもよるが表示領域はある程度の面積が必要である。レーザー光源110から発せられるレーザー光の光束(ビーム)をそのまま液晶ライトバルブ130に入射させても、液晶パネル131の表示領域に配置された複数の画素に同時に光束(ビーム)を入射させることは実際には難しい。液晶パネル131の表示領域を走査するようにレーザー光源110からレーザー光を発生させる方法も考えられるが、レーザー光の走査手段が必要となり、装置構成が複雑になる。
本実施形態では、レーザー光源110と、液晶ライトバルブ130との間に、レーザー光の光束(ビーム)を拡大させるレンズ群120が配置されている。具体的には、レンズ群120は、凹レンズ121と、凸レンズ122とを含んで構成されている。凹レンズ121は凹状のレンズ面と凹状のレンズ面に対向する平面とを有する。凹レンズ121は凹状のレンズ面がレーザー光源110に向くように配置される。凸レンズ122は、凸状のレンズ面と凸状のレンズ面に対向する平面とを有する。凸レンズ122は凸状のレンズ面が液晶ライトバルブ130に向くように配置される。このように凹レンズ121と凸レンズ122とを光軸L0上に配置することにより、図2(a)に示すように、レーザー光源110から射出されたレーザー光の光束Lfは、凹レンズ121で屈折して拡大され、さらに凸レンズ122で屈折して光軸L0に対して略平行な状態として液晶ライトバルブ130に入射することになる。光束Lfが液晶パネル131の表示領域に亘って入射可能な程度に拡大されるように、凹レンズ121及び凸レンズ122の光学的な条件(レンズ材料の屈折率、レンズの口径、レンズ面の形状、レンズ間距離)が設定される。凹レンズ121と凸レンズ122とを組み合わせてレーザー光の光束Lfを拡大するレンズ群120の構成は、ガリレオ式と呼ばれている。
レーザー光源110から射出されるレーザー光の光束Lfを拡大して、光軸L0に略平行な状態にするレンズ群の構成は、ガリレオ式に限定されない。例えば、図2(b)に示すように、2つの凸レンズ123,124を組み合わせるケプラー式のレンズ群125を採用してもよい。凸レンズ123,124は、凸状のレンズ面と凸状のレンズ面に対向する平面とを有する。凸レンズ123は凸状のレンズ面がレーザー光源110に向くように配置される。凸レンズ123よりも口径が大きな凸レンズ124は、凸状のレンズ面が液晶ライトバルブ130に向くように配置される。レーザー光源110から射出された光束Lfは、凸レンズ123で屈折して拡大され、さらに凸レンズ124で屈折して光軸L0に対して略平行な状態として液晶ライトバルブ130に入射することになる。レンズ群125もまた、光束Lfが液晶パネル131の表示領域に亘って入射可能な程度に拡大されるように、凸レンズ123,124の光学的な条件(レンズ材料の屈折率、レンズの口径、レンズ面の形状、レンズ間距離)が設定される。
このように、レーザー光源110から発せられるレーザー光の光束Lfを拡大し、且つ光軸L0に対して略平行な状態とするレンズ群120(レンズ群125)を、以降、ビームエキスパンダーと呼ぶこととする。本実施形態では、ビームエキスパンダーとして2つのレンズを用いる例を示したが、これに限定されるものではなく、2つよりも多い例えば3つのレンズを含む構成としてもよい。
本実施形態の投写型表示装置100によれば、レーザー光源110は、励起される物質によって特定される所定の可視光波長の偏光を発する。該偏光の光束Lfは、ビームエキスパンダー120によって拡大され、光軸L0と略平行な状態で液晶ライトバルブ130に入射する。したがって、液晶ライトバルブ130の液晶パネル131の表示領域に亘って、拡大された該偏光の光束Lfが入射するので、液晶パネル131の光の射出側に偏光素子としての偏光板132を配置すれば、画像情報に基づいて変調された表示光が液晶ライトバルブ130から射出される。液晶パネル131の光の入射側に偏光素子を配置しなくてもよいので、液晶パネル131の光の入射側と射出側とにそれぞれ偏光素子を配置する場合に比べて、入射した該偏光が偏光素子により吸収されて光強度が低下することが改善される。すなわち、該偏光の光利用効率が改善され、明るい映像を投写可能な投写型表示装置100を実現できる。
なお、液晶パネル131の光の射出側に配置される偏光板132の偏光軸(透過軸または吸収軸)の面内における方向は、液晶パネル131の光学設計(液晶分子の配向制御方式)に基づいて、液晶ライトバルブ130に入射する該偏光の基本的な偏光軸の方向(偏光方向)を考慮して設定される。例えば、液晶パネル131がTN(Twisted Nematic)方式であれば、該偏光の基本的な偏光方向と偏光板132の偏光方向とが直交するように、偏光板132が配置される。
また、本実施形態における液晶パネル131は、本発明における「第1液晶パネル」の一例であり、光学設計は、上述したTN方式に限らず、例えばVA(Vertical Alignment)方式やIPS(In Plane Switching)方式などが採用されていてもよい。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の投写型表示装置について、図3を参照して説明する。図3(a)は第2実施形態の投写型表示装置の構成を示す概略図、図3(b)は偏光変換素子の構造を示す概略図である。第2実施形態の投写型表示装置は、第1実施形態の投写型表示装置100に対して光学ユニット101の構成を異ならせたものである。したがって、投写型表示装置100と同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図3(a)に示すように、本実施形態の投写型表示装置200は、光源から発する光を変調して表示光とする光学ユニット201と、投写光学系としての投写レンズ180とを含んで構成されている。光学ユニット201は、投写レンズ180に至る光軸L0上に配置された、レーザー光源110、ビームエキスパンダー120、偏光変換素子140、液晶ライトバルブ230と、を有している。液晶ライトバルブ230は、液晶パネル131と、液晶パネル131の光の入射側に配置された第2偏光素子としての偏光板133と、液晶パネル131の光の射出側に配置された第1偏光素子としての偏光板132とを有する。したがって、本実施形態の投写型表示装置200は、第1実施形態の投写型表示装置100に偏光板133と偏光変換素子140とを追加した構成となっている。
ビームエキスパンダー120と液晶ライトバルブ230との間に配置された偏光変換素子140は、レーザー光源110から発せられビームエキスパンダー120を透過した偏光の振動面を揃える役割を担うものである。具体的には、図3(b)に示すように、レーザー光源110から発せられた偏光は、光軸L0を中心にして振動する波として捉えることができる。波の振動方向すなわち振動面が互いに直交する偏光をp偏光Lpとs偏光Lsと呼ぶ。偏光変換素子140は、p偏光Lpを透過し、s偏光Lsを反射させる傾斜した界面をなす誘電体多層膜141と、誘電体多層膜141で反射されて入射したs偏光Lsを再び光軸L0の方向に反射させる傾斜した界面をなす誘電体多層膜142とを有している。したがって、レーザー光源110から発した偏光が、偏光変換素子140に入射して誘電体多層膜141を透過するとp偏光Lpとして射出される。一方、誘電体多層膜141で反射して誘電体多層膜142に入射するのはs偏光Lsである。誘電体多層膜142により反射したs偏光Lsは、進行方向の軸周りに振動面が回転してp偏光Lpとなり偏光変換素子140から射出される。すなわち、偏光変換素子140から射出される偏光は、振動面が同じp偏光Lpに揃うことになる。なお、p偏光Lp及びs偏光Lsは、偏光が進行する光軸L0の方向と交差する界面に対して定義されるものである。
本実施形態の投写型表示装置200によれば、ビームエキスパンダー120と液晶ライトバルブ230との間に、偏光の振動面を揃える偏光変換素子140を備えている。さらに、液晶パネル131の光の入射側に偏光板133が配置されている。したがって、偏光変換素子140によって振動面が揃った偏光の波としての振動方向すなわち偏光方向と、偏光板133の偏光方向とを揃えるように偏光板133を配置することで、液晶パネル131に入射する偏光の偏光方向を光軸L0と直交する面内において均一にすることができる。ゆえに、第1実施形態の投写型表示装置100に比べて、偏光板133により光利用効率が低下するものの、偏光方向が光軸L0と直交する面内において均一なp偏光Lpが液晶パネル131に入射するので、高いコントラストが得られ、見栄えのよい映像を投写可能な投写型表示装置200を実現できる。
なお、液晶パネル131の光の射出側に配置される偏光板132の偏光軸(透過軸または吸収軸)の光軸L0と直交する面内における方向は、液晶パネル131の光学設計(液晶分子の配向制御方式)に基づいて、偏光板133を透過して液晶パネル131に入射する偏光の偏光方向を考慮して設定される。
また、投写型表示装置200において、液晶ライトバルブ230を第1実施形態の液晶ライトバルブ130と置き換えてもよい。すなわち、液晶パネル131の光の入射側に偏光素子としての偏光板133を配置しなくても、ビームエキスパンダー120と液晶ライトバルブ130との間に偏光変換素子140を備えることで、偏光がレーザー光源110から発せられた時点に比べて、偏光方向が揃った状態となるので、明るさを確保しつつ見栄えのよい映像を投写することが可能である。
また、投写型表示装置200において、ビームエキスパンダー120と液晶ライトバルブ230との間の偏光変換素子140を省略してもよい。その場合は、液晶パネル131の光の入射側に偏光素子としての偏光板133を備える液晶ライトバルブ230を用いることが投写される映像のコントラストを確保する点で好ましい。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態の投写型表示装置について、図4〜図9を参照して説明する。図4は第3実施形態の投写型表示装置の構成を示す概略図、図5(a)は位相板としての液晶パネルの構成を示す概略平面図、図5(b)は位相板としての液晶パネルの要部の構造を示す概略断面図である。図6(a)及び(b)は位相板としての液晶パネルの配向処理例を示す概略図、図7(a)及び(b)は位相板としての液晶パネルの他の配向処理例を示す概略平面図、図8(a)及び(b)は位相板を用いた偏光における偏光方向の制御例を説明する図、図9(a)及び(b)は位相板を用いた偏光における偏光方向の他の制御例を説明する図である。
第3実施形態の投写型表示装置は、第1実施形態の投写型表示装置100に対して光学ユニット101の構成を異ならせたものである。したがって、投写型表示装置100と同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図4に示すように、本実施形態の投写型表示装置300は、光源から発する光を変調して表示光とする光学ユニット301と、投写光学系としての投写レンズ180とを含んで構成されている。光学ユニット301は、投写レンズ180に至る光軸L0上に配置された、レーザー光源110、ビームエキスパンダー120、位相板としての液晶パネル150、液晶ライトバルブ130と、を有している。また、位相板としての液晶パネル150を駆動するドライバー151と、ドライバー151を制御するコントローラー152と、を有している。すなわち、本実施形態の投写型表示装置300は、第1実施形態の投写型表示装置100に、位相板として機能する液晶パネル150と、該液晶パネル150を駆動、制御する電気回路と、を追加した構成となっている。
第1実施形態で説明したように、レーザー光源110は、例えば固体レーザー、半導体レーザー、液体レーザー、ガスレーザーなどを用いることができる。励起された物質からどのようにしてレーザー光を取り出す構成かによって、レーザー光源110から発せられるレーザー光(偏光)の偏光状態(偏光方向)が必ずしも安定した状態であるとは限らない。例えば、ガスレーザーでは、励起された物質から生ずるレーザー光はランダム偏光であり、共振器ミラーの間にブリュスター窓を配置することで偏光状態(偏光方向)が安定したいわゆる直線偏光が得られる。レーザー光源110から直線偏光が得られることが好ましいが、どのような偏光状態の偏光が得られるレーザー光源110を用いるかは波長や光強度などの特性、そしてコストも考慮する必要がある。
また、レーザー光源110から発した偏光の偏光状態(偏光方向)は、ビームエキスパンダー120を介して拡大される過程で、凹状や凸状のレンズ面など屈折率が異なる物質の界面に入射することで変化することも考えられる。
本実施形態で用いられる位相板として機能する液晶パネル150は、本発明における「第2液晶パネル」に相当するものであって、レーザー光源110から発して液晶パネル150に入射する偏光の偏光状態(偏光方向)を安定な状態に補償する機能を有するものである。以降、液晶パネル150の構成例とその機能について図5〜図9を参照して説明する。
図5(a)及び(b)に示すように、位相板としての液晶パネル150は、素子基板10と、対向基板20と、対向して配置された素子基板10と対向基板20との間に挟持された液晶層50とを有する。例えば、素子基板10は対向基板20よりも一回り大きい。素子基板10と対向基板20とは、対向基板20の外周に沿って配置された接着性を有するシール材(図示省略)によって貼り合わされている。シール材によって囲まれた内側に複数の画素Pが配列した画素領域Eが設けられている。
素子基板10は、透光性の例えば石英ガラスなどからなる基材10sと、基材10s上において複数の画素Pごとに設けられた画素電極15と、画素電極15を覆う配向膜18とを有している。なお、本実施形態における「透光性」とは可視光波長領域内の光の透過率が例えば85%以上であることを言う。
対向基板20は、同じく透光性の例えば石英ガラスなどからなる基材20sと、基材20s上において複数の画素Pに共通して設けられた共通電極25と、共通電極25を覆う配向膜28とを有している。
画素電極15や共通電極25は、それぞれ例えばITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの導電膜を用いて透光性を有するように形成されている。
液晶層50は、正または負の誘電異方性を有する液晶分子によって構成される。選択された液晶分子に応じて、液晶分子を配向させる配向膜18,28の配向膜材料や配向処理の方法が選定される。本実施形態では、正の誘電異方性を有するネマチックの液晶分子が用いられ、配向膜材料として例えばポリイミドなどの有機高分子材料が用いられている。
素子基板10には、図示を省略したが、画素Pの画素電極15をスイッチング制御するトランジスターを含む画素回路が設けられている。例えば、画素回路は、画素電極15と、該トランジスターと、蓄積容量と、これらを結ぶ信号線とを含んで構成される。信号線は、素子基板10の端子部10tに配列した複数の接続端子11に接続される(図5(a)参照)。
素子基板10の端子部10tには、液晶パネル150とドライバー151とを電気的に接続させるための中継基板(例えば、フレキシブル回路基板)が実装される。
このような液晶パネル150は、対向基板20側から光が入射するように、ビームエキスパンダー120と液晶ライトバルブ130との間に配置される。液晶パネル150において、画素領域Eに配置された画素Pの行方向をX方向とし、画素Pの列方向をY方向とする。また、X方向とY方向とに直交する方向をZ方向とする。そして、対向基板20から素子基板10に向かうZ方向に沿って見ることを「平面視」または「平面的に」として表すこととする。
図6(a)に示すように、例えば、素子基板10の配向膜18には、X方向に沿って矢印で示した方向に配向処理が施されている。一方、素子基板10に対向する対向基板20の配向膜28には、画素領域Eの中心を軸として平面視で時計回りに配向処理が施されている。配向処理の方法としては、配向膜18,28のそれぞれの表面を所定の配向方向に擦るラビング処理や、光を照射して配向方向を制御する光配向処理などを挙げることができる。
このような配向処理が施された素子基板10と対向基板20との間にネマチックの液晶分子LCからなる液晶層50を挟持すれば、図6(b)に示すように、平面視における同心円上において、液晶分子LCのツイスト方向、つまり液晶分子LCの長軸方向に沿って伝わる偏光の旋光方向(偏光方向)をX方向及びY方向において軸対称な偏光状態とすることができる。なお、液晶分子LCのツイスト方向は、素子基板10の配向膜18における配向処理方向を、例えば図6(a)の矢印の向きと逆方向とすることで変化する。また例えば、素子基板10の配向膜18における配向処理方向はX方向に限らずY方向としても軸対称な偏光状態が得られる。同様に、対向基板20の配向膜28における配向処理方向を反時計回りとしても軸対称な偏光状態が得られる。さらには、素子基板10における配向処理と、対向基板20における配向処理とを入れ替えても軸対称な偏光状態が得られる。
このように液晶パネル150に入射する偏光の偏光状態を軸対称な偏光状態とする方法は、図6に示した方法に限定されず、例えば図7に示すような配向処理方法としてもよい。具体的には、図7(a)に示すように、平面視で素子基板10における配向処理方向を破線の矢印で示すX方向において左から右に向かう方向とする。対向基板20における配向処理方向は、基板面をX方向とY方向とにそれぞれ2分割した4つの領域において、平面視で左上の領域では、実線の矢印で示すY方向において上から下に向かう方向とする。平面視で右下の領域における配向処理方向も左上の領域と同じである。平面視で左下の領域では、実線の矢印で示すY方向において下から上に向かう方向とする。平面視で右上の領域における配向処理方向も左下の領域と同じである。
このような配向処理を施した素子基板10と対向基板20との間にネマチックの液晶分子LCからなる液晶層50を挟持すれば、図7(b)に示すように、4つの領域における液晶分子LCの長軸方向に沿って伝わる偏光の旋光方向(偏光方向)をX方向及びY方向において軸対称な偏光状態とすることができる。なお、素子基板10の配向処理方向を破線の矢印で示す方向と逆向きにすることで液晶分子LCのツイスト方向は変化する。
このような液晶パネル150における液晶分子LCの配向状態は、画素領域Eの中心を軸として液晶パネル150を180度回転させれば同様な配向状態が得られることから、n=2の回転対称であると定義できる。
図6あるいは図7に示した液晶分子LCの配向状態である液晶パネル150を、図4に示したようにビームエキスパンダー120と液晶ライトバルブ130との間に配置する。そうすると、例えば図8(a)に示すように、ビームエキスパンダー120により拡大されたレーザー光が例えば光軸L0を中心として実線の矢印で示す一定の回転方向に向いているアジマス偏光である場合、アジマス偏光は位相板として機能する液晶パネル150を透過するときに液晶分子LCの長軸に沿って入射するので、液晶分子LCのツイストにより偏光方向が素子基板10の配向処理方向であるX方向に沿う方向に揃った状態に補償される。
また、例えば図8(b)に示すように、ビームエキスパンダー120により拡大されたレーザー光が光軸L0を中心として放射状に延びる実線の矢印で示すラジアル偏光である場合、図6(b)に示した状態から90度回転させた液晶パネル150にラジアル偏光を入射させると、平面視で液晶パネル150の12時と6時の位置に入射した偏光方向がY方向のラジアル偏光は、液晶分子LCのツイストにより偏光方向がX方向に変換される。平面視で液晶パネル150の3時と9時の位置に入射した偏光方向がX方向のラジアル偏光は、3時と9時の位置に対応する画素Pに駆動電圧を印加することで、偏光方向を変えずにそのまま透過させることができる。また、液晶パネル150において、上記以外の位置に入射したラジアル偏光に対しては当該位置の画素Pに印加する駆動電圧を調整することで偏光方向をX方向に揃えることが可能である。つまり、位相板として機能する液晶パネル150の画素Pに印加される駆動電圧を場所によって調整してラジアル偏光を透過させることで、偏光方向がX方向に沿う方向に揃った状態に補償される。
また、例えば図9(a)に示すように、ビームエキスパンダー120により拡大されたレーザー光が例えば光軸L0を中心として実線の矢印で示す一定の回転方向に向いているアジマス偏光である場合、図6(b)に示した状態から90度回転させた液晶パネル150にアジマス偏光を入射させると、アジマス偏光は位相板として機能する液晶パネル150を透過するときに液晶分子LCの長軸に沿って入射するので、液晶分子LCのツイストにより偏光方向がY方向に沿う方向に揃った状態に補償される。
また、例えば図9(b)に示すように、ビームエキスパンダー120により拡大されたレーザー光が光軸L0を中心として放射状に延びる実線の矢印で示すラジアル偏光である場合、図6(b)に示した液晶分子LCの配向状態である液晶パネル150にラジアル偏光を入射させると、平面視で液晶パネル150の3時と9時の位置に入射した偏光方向がX方向のラジアル偏光は、液晶分子LCのツイストにより偏光方向がY方向に変換される。平面視で液晶パネル150の12時と6時の位置に入射した偏光方向がY方向のラジアル偏光は、12時と6時の位置に対応する画素Pに駆動電圧を印加することで、偏光方向を変えずにそのまま透過させることができる。また、液晶パネル150において、上記以外の位置に入射したラジアル偏光に対しては当該位置の画素Pに印加する駆動電圧を調整することで偏光方向をY方向に揃えることが可能である。つまり、位相板として機能する液晶パネル150の画素Pに印加される駆動電圧を場所によって調整してラジアル偏光を透過させることで、偏光方向がY方向に沿う方向に揃った状態に補償される。
位相板として機能する液晶パネル150は、画素Pの画素電極15をスイッチング制御するトランジスターを備えたアクティブ駆動方式が採用されている。したがって、ドライバー151及びコントローラー152によりトランジスターを駆動制御して画素電極15と共通電極25との間に電界を発生させれば、正の誘電異方性を有する液晶分子LCは画素電極15と共通電極25との間の電界方向に揃って配向することになる。ビームエキスパンダー120により拡大されたレーザー光の偏光状態が、光軸L0と直交する面内において、部分的にアジマス偏光やラジアル偏光であっても、当該部分に対応する画素Pに印加される駆動電圧を制御(ON/OFFあるいはON−OFFの中間的な電位とする)すれば、上記面内において偏光方向を均一な状態に補償することができる。
なお、液晶パネル150における液晶分子LCの配向状態はn=2の回転対称であることに限定されず、n=2以上の回転対称であれば、上記の光学的な補償を実現できる。
また、ビームエキスパンダー120により拡大されたレーザー光の偏光状態に応じて、画素領域Eの中心を軸として液晶パネル150を回転させれば、アジマス偏光やラジアル偏光における偏光方向をX方向またはY方向に統一することができる。言い換えれば、投写型表示装置300は、ビームエキスパンダー120により拡大されたレーザー光の偏光状態を補償可能とするために、位相板としての液晶パネル150を画素領域Eの中心を軸として回転させることができる回転機構を備えることが好ましい。これによれば、レーザー光の様々な偏光状態に容易に対応して光学的な補償ができる。
液晶パネル150における配向処理は、レーザー光源110から発したレーザー光の光束がビームエキスパンダー120により拡大された後の偏光状態を考慮して設定される。また、液晶パネル150によって補償された後の偏光状態(偏光方向)を考慮して、液晶ライトバルブ130における液晶パネル131の光学設計や偏光板132の偏光軸の配置が設定される。
本実施形態の投写型表示装置300によれば、ビームエキスパンダー120と液晶ライトバルブ130との間に位相板として機能する液晶パネル150が配置されている。したがって、ビームエキスパンダー120から入射する偏光の偏光状態を、光軸L0と直交する面内において偏光方向が均一となるように補償することができるので、明るく、且つ高いコントラストが得られ見栄えのよい映像を投写可能な投写型表示装置300を実現できる。
なお、本実施形態では、液晶パネル150とドライバー151とを別体としたが、ドライバー151を液晶パネル150に組み込んだあるいは形成した構成としてもよい。また、例えば、コントローラー152にドライバー151が含まれる構成であってもよい。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態の投写型表示装置について、図10及び図11を参照して説明する。図10は第4実施形態の投写型表示装置の構成を示す概略図、図11はレーザー光源の光強度と起動後の時間(秒)との関係を示すグラフである。第4実施形態の投写型表示装置は、第3実施形態の投写型表示装置300に対して光学ユニット301の構成を異ならせたものである。したがって、投写型表示装置300と同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図10に示すように、本実施形態の投写型表示装置400は、光源から発する光を変調して表示光とする光学ユニット401と、投写光学系としての投写レンズ180とを含んで構成されている。光学ユニット401は、投写レンズ180に至る光軸L0上に配置された、レーザー光源110、ビームエキスパンダー120、位相板としての液晶パネル150、液晶ライトバルブ130と、を有している。また、位相板としての液晶パネル150を駆動するドライバー151と、ドライバー151を制御するコントローラー152と、を有している。加えて、レーザー光源110とビームエキスパンダー120との間の光軸L0上に設けられたビームスプリッター161と、検光子162と、光検出器163と、信号処理部164とを含む偏光状態検出機構160を備えている。すなわち、本実施形態の投写型表示装置400は、第3実施形態の投写型表示装置300に、偏光状態検出機構160を追加した構成となっている。
偏光状態検出機構160は、レーザー光源110から発せられるレーザー光(偏光)の偏光状態を検出するものである。具体的には、ビームスプリッター161は、p偏光Lpを透過し、s偏光Lsを反射させる。レーザー光源110から発したレーザー光(偏光)のうちs偏光Lsをビームスプリッター161で反射させて光検出器163に導く。ビームスプリッター161と光検出器163との間の光軸上には、検光子162が配置されている。検光子162は、レーザー光(s偏光Ls)の基本的な偏光方向と偏光軸が同じ方向となるように設定されており、レーザー光(s偏光Ls)を基本的に透過させる。レーザー光(s偏光Ls)を検光子162に入射させ透過した光の強度を光検出器163で計測する。光検出器163は、例えばダイオードやトランジスターなどの受光素子や、光電子増倍管(PMT;Photo Multiplier Tube)である。光検出器163は信号処理部164に電気的に接続され、信号処理部164はコントローラー152に電気的に接続されている。なお、信号処理部164はコントローラー152に含まれていてもよい。
レーザー光源110から発せられ、ビームスプリッター161で反射したレーザー光(s偏光Ls)の偏光状態が変化した場合、検光子162を透過する光量が変化することから光検出器163で検出される光強度が変化する。信号処理部164によって光検出器163が検出した光強度を電気信号に変換してコントローラー152に送出することで、コントローラー152はドライバー151を制御して液晶パネル150における複数の画素Pの駆動状態を画素Pごとに制御することができる構成となっている。
このような構成の偏光状態検出機構160を用いて、レーザー光源110として例えば半導体レーザー(波長532nm)の光強度を計測すると、図11の実線で示すように、半導体レーザーは起動後およそ20分程度で光強度のピークを迎えた後にほぼ一定の光強度となる。点灯後20分経過するまでの間は、光強度が上昇基調にあるものの変動していることがわかる。
同様にして、レーザー光源110として例えばHe(ヘリウム)−Ne(ネオン)のガスレーザー(以降、He−Neレーザーという;波長632nm)の光強度を計測すると、図11の破線で示すように、He−Neレーザーは点灯後およそ3分程度で光強度のピークを迎え、以降、光強度が徐々に低下していることがわかる。つまり、半導体レーザーやガスレーザーにしても起動後の経過時間により光強度すなわち偏光状態が変化していることがわかる。
本実施形態では、偏光状態検出機構160を用い、起動初期段階では第1の検出タイミング(時間間隔;周期)で偏光状態を検出し、起動初期段階を過ぎたら第1の検出タイミングと異なる第2の検出タイミング(時間間隔;周期)で偏光状態を検出する。具体的には、光強度の経時的な変化の割合が例えば5%以内に納まるように、半導体レーザーならば、起動後4分までは20秒間隔、4分から20分までは2分間隔、20分以降は20分間隔で光強度を計測する。同じく、He−Neレーザーならば、起動後3分までは15秒間隔、3分以降は15分間隔で光強度を計測する。
本実施形態の投写型表示装置400によれば、レーザー光源110とビームエキスパンダー120との間に偏光状態検出機構160が設けられているので、レーザー光源110の起動後の偏光状態に応じて位相板としての液晶パネル150を駆動制御することができる。すなわち、レーザー光源110の偏光状態が起動後に変化しても液晶パネル150によりきめ細かな補償が可能となる。ゆえに、明るく、且つ高いコントラストが得られる映像を経時的に安定して投写可能な投写型表示装置400を実現できる。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態の投写型表示装置について、図12を参照して説明する。図12は第5実施形態の投写型表示装置の構成を示す概略図である。第5実施形態の投写型表示装置は、第3実施形態の位相板としての液晶パネル150の駆動制御方法の他の例を示すものである。したがって、第3実施形態の投写型表示装置300と同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図12に示すように、本実施形態の投写型表示装置500は、光学ユニット301と、投写光学系としての投写レンズ180とを含んで構成されている。光学ユニット301は、投写レンズ180に至る光軸L0上に配置された、レーザー光源110、ビームエキスパンダー120、位相板としての液晶パネル150、液晶ライトバルブ130と、を有している。また、位相板としての液晶パネル150を駆動するドライバー151と、ドライバー151を制御するコントローラー152と、を有している。加えて、投写レンズ180によって被投写体であるスクリーン1000に投写された映像の明るさを計測可能な計測機構170を備えている。すなわち、本実施形態の投写型表示装置500は、第3実施形態の投写型表示装置300に、計測機構170を追加した構成となっている。
計測機構170は、スクリーン1000に投写された映像を撮像可能な撮像部171と、撮像部171により得られた映像の情報を画像処理して電気信号に変換する画像処理部172とを含んで構成されている。画像処理部172はコントローラー152に電気的に接続されている。撮像部171は、例えばCCDなどの撮像素子を含むものである。
レーザー光源110から発してビームエキスパンダー120により拡大されたレーザー光の偏光状態が変化すると、液晶ライトバルブ130から射出される表示光の明るさが変化してスクリーン1000に投写される。計測機構170はスクリーン1000に投写された映像を撮像部171で撮像し、撮像された映像の情報から面内における明るさのむらを画像処理部172によって電気信号に変換できる構成となっている。コントローラー152及びドライバー151は、画像処理部172から送出される電気信号に基づいて液晶パネル150を駆動制御する。映像の面内において相対的に明るさが低下している部分は、液晶ライトバルブ130に入射する偏光の偏光方向が基本的な設定からずれている部分である。コントローラー152は当該部分の偏光方向が補償されるようにドライバー151を制御して液晶パネル150を駆動する。
本実施形態の投写型表示装置500によれば、計測機構170により投写された映像の明るさを計測して、映像の面内における相対的な明るさのむらを補償するように液晶パネル150を駆動制御できる。すなわち、液晶ライトバルブ130に入射する偏光の偏光状態に起因する投写された映像の面内における明るさのむらを低減して、見栄えのよい映像を投写可能な投写型表示装置500を実現できる。
なお、スクリーン1000に投写され明るさが計測される映像は、パターン化されていない単一色の映像、あるいは特定のパターンの単一色の映像であることが好ましい。また、レーザー光源110を起動後、所定の時間間隔で投写された映像の明るさを計測して、画像情報として記憶する記憶部を設けておけば、レーザー光源110の起動後の経時的な偏光状態の変化についても補償が可能となる。上記記憶部はコントローラー152に含まれていてもよい。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態の投写型表示装置について、図13を参照して説明する。図13は第6実施形態の投写型表示装置の構成を示す概略図である。第6実施形態は、第4実施形態の投写型表示装置400における光学ユニット401を基本として、赤(R)、緑(G)、青(B)の3つに色光に対応した光学ユニットを備えたものである。したがって、第4実施形態の投写型表示装置400と同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図13に示すように、本実施形態の投写型表示装置600は、赤(R)、緑(G)、青(B)の3つに色光(偏光)に対応した光学ユニット601R,601G,601Bと、3つの光学ユニット601R,601G,601Bのそれぞれから画像情報に基づいて変調され射出された色光を合成して表示光とする合成光学系としてのクロスダイクロイックプリズム602と、クロスダイクロイックプリズム602から射出された表示光を、例えばスクリーン1000に拡大して投写する投写光学系としての投写レンズ180とを備えている。
光学ユニット601Gは、光軸上に配置された、緑色のレーザー光が得られるレーザー光源110G、ビームエキスパンダー120、位相板としての液晶パネル150G、液晶ライトバルブ130Gを有している。また、レーザー光源110Gとビームエキスパンダー120との間の光軸上に配置されたビームスプリッター161と、検光子162と、光検出器163とを含む偏光状態検出機構160Gを有している。
他の色光の光学ユニット601R,601Bも同様であり、色光に対応した構成のそれぞれには、色光の種別を示すR,Bの符号を付して識別する。すなわち、レーザー光源110Rは赤色のレーザー光が得られるものであり、レーザー光源110Bは青色のレーザー光が得られるものである。液晶ライトバルブ130Rは赤の色光を変調する光変調手段であり、液晶ライトバルブ130Bは青の色光を変調する光変調手段である。偏光状態検出機構160R,160Bや位相板としての液晶パネル150R,150Bもまたそれぞれの色光に対応して設けられている。
赤の色光が得られるレーザー光源110Rとしては、例えばAlGaInP(アルミニウム、ガリウム、インジウム、リン)系の材料を用いた半導体レーザー(波長630nm〜680nm)や、He−Neレーザー(波長632nm)などのガスレーザーが挙げられる。
緑の色光が得られるレーザー光源110Gとしては、例えばGaN(窒化ガリウム)系の材料を用いた半導体レーザー(波長530nm)や、アルゴンイオンレーザー(波長514nm)などのガスレーザーが挙げられる。
青の色光が得られるレーザー光源110Bとしては、例えばGaN(窒化ガリウム)系の材料を用いた半導体レーザー(波長400nm〜500nm)や、アルゴンイオンレーザー(波長488nm)などのガスレーザーが挙げられる。
なお、図13には図示を省略したが、投写型表示装置600は、各液晶パネル150R,150G,150Bをそれぞれ駆動するドライバー151を有する。また、偏光状態検出機構160R,160G,160Bの光検出器163とドライバー151とに電気的に接続されたコントローラー152を有する。
クロスダイクロイックプリズム602は、4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤の色光を反射する誘電体多層膜と青の色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。緑の色光はこれらの誘電体多層膜を透過する。光学ユニット601R,601G,601Bのそれぞれは、クロスダイクロイックプリズム602の各色光の入射面に対応する色光が入射するように配置される。これにより、これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像の表示光となる。表示光は、投写レンズ180によってスクリーン1000上に投写され、カラー画像が拡大されて表示される。
本実施形態の投写型表示装置600によれば、光学ユニット601R,601G,601Bのそれぞれは、レーザー光源110R,110G,110Bごとの偏光状態を検出可能な偏光状態検出機構160R,160G,160Bを備えている。また、偏光状態検出機構160R,160G,160Bによって検出された偏光状態に応じて、各色光の偏光状態を補償可能な液晶パネル150R,150G,150Bを備えている。したがって、明るく、且つ見栄えのよいカラー映像を投写可能な投写型表示装置600を実現できる。
なお、本実施形態では、偏光状態検出機構160R,160G,160Bを備える構成としたが、ビームエキスパンダー120によって拡大された各レーザー光(色光)における偏光状態を予め確認して、当該偏光状態を補償するように各液晶パネル150R,150G,150Bを駆動する構成としてもよい。すなわち、偏光状態検出機構160R,160G,160Bを省略することも可能である。
(第7実施形態)
次に、第7実施形態の投写型表示装置について、図14を参照して説明する、図14は、第7実施形態の投写型表示装置の構成を示す概略図である。第7実施形態の投写型表示装置は、第3実施形態の投写型表示装置300を基本としてカラー画像の投写を可能としたものである。したがって、投写型表示装置300と同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図14に示すように、本実施形態の投写型表示装置700は、光学ユニット701と、投写光学系としての投写レンズ180とを備えている。光学ユニット701は、投写レンズ180に向かう光軸L0上に配置された、赤の色光を発するレーザー光源110Rと、ビームエキスパンダー120と、液晶ライトバルブ130とを備えている。また、レーザー光源110Rとビームエキスパンダー120との間の光軸L0上に配置された2つのビームスプリッター191,192と、ビームスプリッター191に対応して配置された緑の色光を発するレーザー光源110Gと、ビームスプリッター192に対応して配置された青の色光を発するレーザー光源110Bとを有している。
ビームスプリッター191は、赤の色光を透過して緑の色光を反射する。ビームスプリッター192は、赤と緑の色光を透過して青の色光を反射する。各色のレーザー光源110R,110G,110Bは順番に点灯(駆動)され、レーザー光源110R,110G,110Bの点灯(駆動)に同期して、液晶ライトバルブ130の液晶パネル131には各色に対応した画像が表示される。レーザー光源110R,110G,110Bと液晶パネル131とは、同期して時分割駆動される。このような駆動方法はフィールドシーケンシャル駆動と呼ばれている。
ビームエキスパンダー120と液晶ライトバルブ130との間に配置された液晶パネル150もまた、各レーザー光源110R,110G,110Bのレーザー光(色光)がビームエキスパンダー120で拡大された後の偏光状態を補償するように、コントローラー152とドライバー151とによりフィールドシーケンシャル駆動される。
本実施形態の投写型表示装置700によれば、3つの色光を発するレーザー光源110R,110G,110Bと、液晶ライトバルブ130の液晶パネル131と、位相板としての液晶パネル150とが、それぞれ同期してフィールドシーケンシャル駆動されるので、明るいカラー画像が投写可能であって、上記第6実施形態の投写型表示装置600に比べて構成が簡素で小型な投写型表示装置700を実現できる。
なお、複数種のレーザー光源110R,110G,110Bを備える場合、各レーザー光源110R,110G,110Bから発してビームエキスパンダー120で拡大された後のそれぞれのレーザー光の偏光状態が必ずしも同一であるとは限らない。そこで、上記第3実施形態で説明したように位相板としての液晶パネル150を回転させる回転機構をさらに備え、偏光状態を的確に補償する観点から該回転機構もまたフィールドシーケンシャル駆動することが好ましい。
本発明は、上記した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う投写型表示装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例1)上記実施形態において、位相板として機能する液晶パネル150は、画素領域Eが平面視で四角形であることに限定されない。図15は、変形例の位相板としての液晶パネルを示す概略平面図である。レーザー光源110から発し、ビームエキスパンダー120で拡大されたレーザー光の光束は、光軸L0に直交する面内において円形である。例えば図15に示すように、変形例の位相板としての液晶パネル150Bは、同心円上に配置された複数の画素Pを有する画素領域Eを備える構成としてもよい。これによれば、レーザー光源110の光軸L0と画素領域Eの中心とを平面的に合致させ、レーザー光の光束における偏光状態に対応したより的確な位置の画素Pを駆動制御することで、より適正な偏光状態の補償を実現できる。
(変形例2)図16は、変形例の投写型表示装置の構成を示す概略図である。図16に示すように、変形例の投写型表示装置700Bは、上記第7実施形態の投写型表示装置700に対して位相板の構成を異ならせたものである。したがって、投写型表示装置700と同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
変形例の投写型表示装置700Bは、光学ユニット701Bと、投写光学系としての投写レンズ180とを備えている。光学ユニット701Bは、投写レンズ180に向かう光軸L0上に配置された、赤の色光を発するレーザー光源110Rと、ビームエキスパンダー120と、液晶ライトバルブ130とを備えている。また、レーザー光源110Rとビームエキスパンダー120との間の光軸L0上に配置された2つのビームスプリッター191,192と、ビームスプリッター191に対応して配置された緑の色光を発するレーザー光源110Gと、ビームスプリッター192に対応して配置された青の色光を発するレーザー光源110Bとを有している。
ビームエキスパンダー120と液晶ライトバルブ130との間に、位相板として機能する液晶パネル150Aと液晶パネル150Bとが配置されている。液晶パネル150A,150Bもまた、各レーザー光源110R,110G,110Bのレーザー光(色光)がビームエキスパンダー120で拡大された後の偏光状態を補償するように、コントローラー152とドライバー151A,151Bとによりフィールドシーケンシャル駆動される。
具体的には、液晶パネル150Aにおける液晶分子LCの配向状態は例えば図6(b)に示した回転対称となっている。これに対して液晶パネル150Bにおける液晶分子LCの配向状態も同様に回転対称となっているものの、液晶パネル150Bの配向状態は、液晶パネル150Aを90度回転させたものと同じになっている。
したがって、上記第3実施形態で説明したように、例えば液晶パネル150Aにアジマス偏光が入射したときには液晶パネル150Aを駆動せずに入射したレーザー光の偏光方向を光学的に補償する。その一方で、液晶パネル150Bは入射したレーザー光(光学的に補償されたレーザー光)をそのまま透過させるように駆動する。また、例えば液晶パネル150Aにラジアル偏光が入射したときには液晶パネル150Aを駆動してそのまま透過させ、ラジアル偏光を液晶パネル150Bに入射させて、入射したラジアル偏光が所定の偏光方向となるように液晶パネル150Bを駆動制御する。上記第7実施形態では、位相板として1つの液晶パネル150を備えることから、各レーザー光源110R,110G,110Bのレーザー光(色光)がビームエキスパンダー120で拡大された後の偏光状態を的確に補償するために、液晶パネル150を回転させる回転機構を備えて、該回転機構もフィールドシーケンシャル駆動することが好ましいことを述べたが、変形例の投写型表示装置700Bによれば、このような回転機構を設けなくても該偏光状態の光学的な補償を行うことができる。つまり、簡素な構成でより明るいカラー画像を投写可能な投写型表示装置700Bを実現できる。
(変形例3)液晶ライトバルブ130(あるいは液晶ライトバルブ230)において、液晶パネル131の光の入射側または射出側に配置される偏光素子は、偏光板であることに限定されない。偏光素子は、回折格子であってもよい。
(変形例4)光源からの光を変調して表示光とする光学ユニットは、ビームエキスパンダー120と液晶ライトバルブ130との間に、ライトパイプを備えていてもよい。ライトパイプは、ビームエキスパンダー120で拡大されたレーザー光の光束が拡散することを防ぐものであって、一定の屈折率を有するガラスなどの透明物質からなる柱状体(ロッド)や、内部を中空にして側面をミラーで構成したライトトンネルなどが挙げられる。また、ビームエキスパンダー120と液晶ライトバルブ130とは光軸L0上において直線的に配置されることに限定されず、ビームエキスパンダー120と液晶ライトバルブ130との間にリレーレンズやミラーなどを配置して導光することにより、折れ曲がった光軸L0上に配置されるとしてもよい。
(変形例5)液晶ライトバルブ130は、透過型の液晶パネル131を備える構成に限定されず、反射型の液晶パネルを備える構成としてもよい。その場合、反射型の液晶パネルの光の入射側(射出側)にビームスプリッターを配置する。ビームスプリッターに入射した偏光は反射型の液晶パネルで変調されて反射し射出される。変調された射出光がビームスプリッターで反射されて投写光学系に導かれる構成とすればよい。
(変形例6)カラー画像を投写可能な投写型表示装置は、赤(R)、緑(G)、青(B)の色光の発光が得られるレーザー光源110R,110G,110Bのすべてを含むことに限定されず、このうち2種の色光を発するレーザー光源を備えた構成としてもよい。
(変形例7)上記実施形態において、レーザー光源110、ビームエキスパンダー120、液晶ライトバルブ130を少なくとも含む光学ユニットを適用可能な投写型表示装置は、フロントプロジェクション方式に限定されず、リアプロジェクション方式としてもよい。また、上記光学ユニットは、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)やヘッドアップディスプレイ(HUD)にも適用可能である。
100,200,300,400,500,600,700…投写型表示装置、101,201,301,401,601R,601G,601B,701…光学ユニット、110,110R,110G,110B…レーザー光源、120…レンズ群としてのビームエキスパンダー、130…液晶ライトバルブ、131…第1液晶パネルとしての液晶パネル、132…偏光素子及び第1偏光素子としての偏光板、133…第2偏光素子としての偏光板、140…偏光変換素子、150,150R,150G,150B…位相板及び第2液晶パネルとしての液晶パネル、160,160R,160G,160B…偏光状態検出機構、170…計測機構、180…投写光学系としての投写レンズ。

Claims (13)

  1. レーザー光源と、
    画像信号に基づいて入射光を変調可能な液晶ライトバルブと、
    前記レーザー光源と前記液晶ライトバルブとの間に配置され、前記レーザー光源から射出される偏光の光束を拡大し、光軸と略平行な状態として前記液晶ライトバルブに入射させるレンズ群と、
    前記液晶ライトバルブから射出される表示光を拡大して投写する投写光学系と、を備え、
    前記液晶ライトバルブは、第1液晶パネルと、前記第1液晶パネルと前記投写光学系との間に配置された偏光素子とを有することを特徴とする投写型表示装置。
  2. 前記レンズ群と前記液晶ライトバルブとの間に配置され、前記液晶ライトバルブに入射する前記偏光における偏光状態を補償する位相板を備えたことを特徴とする請求項1に記載の投写型表示装置。
  3. 前記位相板は、第2液晶パネルであって、前記液晶ライトバルブに入射する前記偏光における偏光状態に応じて、前記第2液晶パネルが駆動されることを特徴とする請求項2に記載の投写型表示装置。
  4. 前記位相板は、第2液晶パネルであって、
    前記レーザー光源と前記レンズ群との間に配置され、前記レーザー光源から射出される偏光の偏光状態を検出する偏光状態検出機構を備え、
    前記偏光状態検出機構により検出された前記偏光状態に応じて、前記第2液晶パネルが駆動されることを特徴とする請求項2に記載の投写型表示装置。
  5. 前記レーザー光源の起動後の経過時間に応じて、前記偏光状態検出機構における前記偏光状態の検出タイミングを異ならせることを特徴とする請求項4に記載の投写型表示装置。
  6. 前記レーザー光源の起動初期段階では、前記偏光状態検出機構により第1の検出タイミングで前記偏光状態を検出し、前記起動初期段階を過ぎると前記第1の検出タイミングよりも長い周期の第2の検出タイミングで前記偏光状態を検出することを特徴とする請求項5に記載の投写型表示装置。
  7. 前記位相板は、第2液晶パネルであって、
    前記投写光学系によって投写された映像の明るさを計測可能な計測機構を備え、
    前記計測機構により得られた前記映像の面内における相対的な明るさのむらを補償するように、前記第2液晶パネルが駆動されることを特徴とする請求項2に記載の投写型表示装置。
  8. 前記位相板は、第2液晶パネルであって、駆動電圧が印加されていないときの配向状態がn=2以上の回転対称であることを特徴とする請求項2乃至7のいずれか一項に記載の投写型表示装置。
  9. 前記レンズ群と前記液晶ライトバルブとの間に配置され、前記レンズ群により屈折した偏光を直線偏光に変換する偏光変換素子を備えたことを特徴とする請求項1に記載の投写型表示装置。
  10. 前記液晶ライトバルブは、前記第1液晶パネルの光の入射側に配置された第2偏光素子と、前記第1液晶パネルの光の射出側に配置された第1偏光素子とを有することを特徴とする請求項1または9に記載の投写型表示装置。
  11. 赤、緑、青の3つの色光ごとに設けられた、前記レーザー光源と、前記レンズ群と、前記液晶ライトバルブとを少なくとも含む光学ユニットと、
    赤、緑、青の3つの前記光学ユニットのそれぞれから射出される表示光を合成する合成光学系と、を備えたことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の投写型表示装置。
  12. 前記3つの色光ごとに設けられた前記光学ユニットのそれぞれは、前記液晶ライトバルブに入射する前記偏光における偏光状態を補償する位相板としての第2液晶パネルを含み、
    赤、緑、青の前記レーザー光源のそれぞれの偏光状態に応じて、前記第2液晶パネルが駆動されることを特徴とする請求項11に記載の投写型表示装置。
  13. 赤、緑、青の3つの色光ごとに設けられた前記レーザー光源と、前記レンズ群と、前記液晶ライトバルブと、前記液晶ライトバルブに入射する前記偏光における偏光状態を補償する位相板としての第2液晶パネルとを含む光学ユニットを備え、
    赤、緑、青の前記レーザー光源は順番に点灯し、前記レーザー光源の点灯の順番に同期して、前記第2液晶パネルが駆動されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の投写型表示装置。
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