[go: up one dir, main page]

JP6186809B2 - 研磨ローラ、定着装置、及び画像形成装置 - Google Patents

研磨ローラ、定着装置、及び画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6186809B2
JP6186809B2 JP2013074184A JP2013074184A JP6186809B2 JP 6186809 B2 JP6186809 B2 JP 6186809B2 JP 2013074184 A JP2013074184 A JP 2013074184A JP 2013074184 A JP2013074184 A JP 2013074184A JP 6186809 B2 JP6186809 B2 JP 6186809B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polishing
abrasive grains
abrasive
polishing roller
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013074184A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014199291A (ja
Inventor
小鷹 一広
一広 小鷹
寒河江 英利
英利 寒河江
甲斐 聡
聡 甲斐
義久 原
義久 原
優介 荒井
優介 荒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2013074184A priority Critical patent/JP6186809B2/ja
Priority to US14/207,831 priority patent/US9213274B2/en
Publication of JP2014199291A publication Critical patent/JP2014199291A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6186809B2 publication Critical patent/JP6186809B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/20Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat
    • G03G15/2003Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat
    • G03G15/2014Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat
    • G03G15/2017Structural details of the fixing unit in general, e.g. cooling means, heat shielding means
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/20Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat
    • G03G15/2003Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat
    • G03G15/2014Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat
    • G03G15/2017Structural details of the fixing unit in general, e.g. cooling means, heat shielding means
    • G03G15/2025Structural details of the fixing unit in general, e.g. cooling means, heat shielding means with special means for lubricating and/or cleaning the fixing unit, e.g. applying offset preventing fluid
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G2215/00Apparatus for electrophotographic processes
    • G03G2215/20Details of the fixing device or porcess
    • G03G2215/2003Structural features of the fixing device
    • G03G2215/2016Heating belt
    • G03G2215/2025Heating belt the fixing nip having a rotating belt support member opposing a pressure member
    • G03G2215/2032Heating belt the fixing nip having a rotating belt support member opposing a pressure member the belt further entrained around additional rotating belt support members

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Description

本発明は、定着装置において未定着トナー像が接するトナー像側回転部材の表面を研磨する研磨ローラ、そのような研磨ローラを有する定着装置、及び画像形成装置に関する。
電子写真方式を用いたレーザープリンタやカラー画像複写機等の画像形成装置においては、一般に、パソコンや画像入力装置から入力された画像データに基づいて静電潜像が形成され、トナーで現像された後に用紙等の記録材に転写される。そして、その転写されたトナー像が定着装置での加熱及び加圧によって記録材に定着される。
定着装置の多くは、互いに圧接した状態で回転し、未定着トナー像を保持した記録材を圧接部に受け入れて加熱及び加圧することにより未定着トナー像を記録材に定着する一対の定着用回転部材を備えている。ここで、この一対の定着用回転部材の圧接部を、あるサイズの記録材が連続して通過すると、定着用回転部材において記録材のエッジが接触する箇所にスジ状の痕が付いてしまうことがある。記録材のエッジには、その記録材の製造時に裁断によるいわゆるバリが生じていることがあり、上記のスジ状の痕は、多くの場合、このバリが定着用回転部材の表面を傷付けてしまうことに起因している。そして、一対の定着用回転部材のうち未定着トナー像が接する、例えば定着ベルト等といったトナー像側回転部材の表面にこのような痕が付いている場合、次のような事態が生じることがある。即ち、このような痕の原因となった記録材よりも幅広の記録材が定着されるときに、その痕がトナー像に写ってしまい画質が低下してしまうことがある。
そこで、トナー像側回転部材の表面を研磨する研磨ローラを定着装置に設けることが提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
ここで、研磨ローラによる研磨時間は、画像形成装置における画像形成についての生産性の観点から短いほど好ましい。研磨ローラは、その周面の研磨面が砥粒で形成されている。そして、上記の研磨時間の短縮のための1つの方法として、研磨面をなるべく粒度の大きな砥粒で形成することで、その研磨面で研磨したときの単位時間当たりの研磨能力を高くすることが考えられる。しかしながら、研磨面を形成する砥粒の粒度が大きいほど、研磨後の定着用回転部材の表面の光沢度は低下してしまう。トナー像側回転部材の表面の光沢度の低下は、定着後のトナー像の光沢度の低下を招いてしまう。
本発明は、トナー像側回転部材の表面の光沢度の低下を抑制しつつも、研磨時間を短縮することができる研磨ローラ、そのような研磨ローラを有する定着装置、及び画像形成装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、請求項1に係る発明は、
互いに圧接した状態で回転し、未定着トナー像を保持した記録材を圧接部に受け入れて加熱及び加圧することにより前記未定着トナー像を前記記録材に定着する一対の定着用回転部材を有する定着装置に設けられ、前記一対の定着用回転部材のうち、前記未定着トナー像が接するトナー像側回転部材の表面を研磨する研磨ローラにおいて、
前記研磨ローラは、芯金と、前記芯金の表面に形成される砥粒層を有し、
前記砥粒層は、砥粒と結着剤との集合体で形成され、
前記砥粒層の表面が、複数の前記砥粒を含有する前記集合体であって前記砥粒よりも大きい凸部と、該凸部間の凹部とからなる凹凸形状を有しており、
前記凸部が前記凹部より多くの前記砥粒を含有する前記集合体で形成されることで、前記凹凸形状が前記芯金の表面より粗い形状となっており、
前記凸部と前記凹部は連続して形成されることを特徴とする研磨ローラである。
本発明の研磨ローラによれば、トナー像側回転部材の表面の光沢度の低下を抑制しつつも、研磨時間を短縮することができる。
本発明の実施形態の画像形成装置の全体構成を示す図である。 図1の画像形成装置に搭載された定着装置の構成を示す図である。 定着ベルトと加圧ローラとの圧接部を通過する記録材を、図2中の矢印E方向から、加圧ローラの図示を省略して示す図である。 傷が付いた定着ベルトを示す模式図である。 傷が付いた定着ベルトにおける、その傷が付いている領域の拡大写真である。 定着ベルトに付いたスジ状の痕を示す模式図である。 幅狭の記録材によって定着ベルトの表面に付いたスジ状の痕が幅広の記録材のトナー像に写ってしまう様子を示す模式図である。 定着ベルトの表面についたスジ状の痕が、幅広の記録材のトナー像に写った様子を模式的に表す図である。 トナー像に写ったスジ状の痕の拡大写真である。 研磨によってスジ状の痕の程度が抑えられた様子を示す拡大写真である。 砥粒の粒度の変化に対する、研磨能力、及び、画像光沢度の低下度合いそれぞれの変化を示すグラフである。 図2に示す研磨機構の詳細を示す図である。 研磨ローラの外観を示す図である。 砥粒層の表面における凹凸形状を示す模式図である。 砥粒層の表面の粗さ曲線を表す模式図である。 様々な平均長さRsmに対する研磨能率μm/hourを示すグラフである。 研磨が繰り返し実行されても、高い研磨能力が維持されることを示すグラフである。 凹凸形状を有する本実施形態の研磨ロールと、凹凸形状を有しない従来の研磨ロールとについて、研磨前の表面と30回研磨(1万枚通紙毎)後の表面とのそれぞれを撮影した拡大写真である。 混合体に対する砥粒の重量比(砥粒比率)が異なる、3種類の研磨ロールそれぞれの表面の拡大写真である。 表4に記載の4つのサンプルについて、引っかき試験による引っかき摩耗痕の深さと、砥粒層の表面の凸部に崩れが生じた研磨回数(以下、耐久回数と呼ぶ)との関係を示したグラフである。 第8〜25実施例(表5)それぞれの砥粒層の密度と、引っかき摩耗痕の深さをプロットしたグラフである。 第1実施例及び第26〜29実施例それぞれについての引っかき摩耗痕の深さを棒グラフで示した図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
(全体構成)
図1は、本発明の実施形態の画像形成装置の全体構成を示す図である。
図1の画像形成装置1は、フルカラープリンタである。画像形成装置1の下部には、二段の給紙部12が配置されており、その上方には像形成部13が配置されている。また、この画像形成装置1は、像形成部13等の動作を制御する制御部1aを備えている。
画像形成装置1は、一般にコピー等に用いられる普通紙、並びに、OHPシート、カード、ハガキといった90K紙、及び坪量約100g/m2相当以上の厚紙や封筒等の普通紙よりも熱容量が大きな特殊シートのいずれをも記録材Sとして用いることが可能である。
像形成部13には、給紙側を下に、排紙側を上とするように傾斜して配置された転写ベルト装置14が設けられている。転写ベルト装置14は、複数の張架ローラ群に巻き回された無端状の転写ベルト14aを有しており、その1つの張架ローラが駆動源によって駆動されることで、転写ベルト14aが循環移動するようになっている。
転写ベルト14aの上部には、転写ベルト14aの移動方向上流側から順に、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、黒(Bk)用の4つの作像ユニット15M、15C、15Y、15Bkが並列配置されている。また、前記転写ベルト14aの移動方向下流側には定着装置2が配置されている。図1の画像形成装置1は、このように作像ユニット15M、15C、15Y、15Bkが並列配置されたいわゆるタンデムタイプのカラープリンタとなっている。
各作像ユニット15M、15C、15Y、15Bkには、それぞれ、像担持体としての感光体16が設けられており、この感光体16は図示しない駆動手段によって、図中時計回りに回転するようになっている。感光体16の周りには、帯電手段としての帯電ローラ17、レーザ光を用いた露光による書込みを行う光書込み部18、現像装置19、クリーニング装置20が配置されている。
画像形成装置1では、まず、マゼンタの作像ユニット15Mにおいて、感光体16が帯電ローラ17によって帯電され、光書込み部18からのレーザ光による露光によって感光体16に静電潜像が形成される。そして、この静電潜像が現像装置19によってトナーで現像されてマゼンタのトナー像として可視化されるようになっている。一方、給紙部12からは、所定の記録材Sが転写ベルト14a上に給送され、記録材Sは、転写ベルト14aの移動により感光体16に対向する転写位置に至るようになっている。そして、この転写位置において、転写ベルト14aの裏側に設けられた転写ローラ14bの作用により、マゼンタのトナー像が記録材Sに転写されるようになっている。
同様に、他の作像ユニット15C、15Y、15Bkにおいてもトナー像が形成され、これらのトナー像は、転写ベルト14aにより搬送される記録材S上に順次重ねて転写されるようになっている。
像形成部13が、本発明にいう像形成部の一例に相当する。尚、ここでは、像形成部の一例として、感光体16から記録材Sにトナー像が直接転写される形態が例示されている。しかしながら、像形成部はこの形態に限るものではなく、例えば、感光体16から中間転写ベルト等の中間転写体にトナー像が転写され、記録材Sには、この中間転写体からトナー像が転写されるといった形態であってもよい。この場合、当該中間転写体は、本発明にいう像形成部の一部に相当する。
全ての作像ユニット15M、15C、15Y、15Bkでの転写が終了した記録材Sは、定着装置2に送られ、記録材S上に付着しているトナーを熱により溶融させつつ、加圧により記録材S上に定着させるようになっている。定着後の記録材Sは、不図示の排出口から排出される。
尚、ここでは、本発明の画像形成装置の一例として、タンデムタイプのカラープリンタが例示されている。しかしながら、本発明の画像形成装置は、タンデムタイプのカラープリンタに限るものではない。本発明の画像形成装置は、例えばロータリータイプ等といったタンデムタイプ以外のタイプのものであってもよく、モノクロプリンタであってもよい。また、本発明の画像形成装置は、複写機やファクシミリ等といったプリンタ以外の画像形成装置であってもよい。
(定着装置)
次に、図1の画像形成装置1に搭載された定着装置について、3つの実施形態に共通の構成について説明する。
図2は、図1の画像形成装置に搭載された定着装置の構成を示す図である。この図2のパート(A)には、定着装置2が記録材Sに対し定着を行っている様子が示されている。また、図2のパート(B)には、後述するように研磨ロール3が定着ベルト21を研磨している様子が示されている。
図2の定着装置2は、無端状の定着ベルト21と加圧ローラ22を有している。定着ベルト21は、複数の張架ローラ23a,23bに巻き回されている。少なくとも何れかの張架ローラに熱源を有していても良いし、また、加圧ローラ22に熱源を有していても良い。
定着ベルト21は、シリコーンゴム製であり、表層に、記録材Sや加圧ローラ22の付着を抑えるための離型層としてPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)等のフッ素樹脂がコーティングされている。加圧ローラ22は、1つの張架ローラ23aに、間に定着ベルト21を挟んで押圧可能に構成されており、その結果、加圧ローラ22と定着ベルト21は互いに圧接可能となっている。この加圧ローラ22は、不図示の駆動源によって回転駆動され、図中の矢印A方向に回転する。そして、定着ベルト21が、この加圧ローラ22の回転に従動して図中の矢印B方向に循環移動する。定着ベルト21と加圧ローラ22とが、本発明にいう一対の定着用回転部材の一例に相当する。また、定着ベルト21が、本発明にいうトナー像側回転部材の一例に相当する。
図1の像形成部13でトナー像が転写された記録材Sは、この定着装置2に、図2のパート(A)中の右側から矢印C方向に送られてくる。この記録材Sは、定着ベルト21の動きに従って移動し、定着ベルト21と加圧ローラ22との圧接部Dを通過する。
図3は、定着ベルトと加圧ローラとの圧接部を通過する記録材を、図2中の矢印E方向から、加圧ローラの図示を省略して示す図である。
この図3では、定着ベルト21と加圧ローラ22との圧接部Dが点線で示されている。未定着のトナー像を保持する記録材Sは、この圧接部Dを、図2にも示されている矢印C方向に通過する。そして、この圧接部Dにおいて、未定着のトナー像が、定着ベルト21からの熱と、加圧ローラ22からの圧力により、記録材Sに定着される。
ここで、記録材Sのエッジには、その記録材Sの製造時における裁断により、いわゆるバリが生じていることがある。そして、圧接部Dを、あるサイズの記録材が通過すると、定着ベルト21や加圧ローラ22において当該記録材のエッジが接触する箇所に、上記のバリにより傷が付いてしまうことがある。特に、未定着トナー像が接する、定着ベルト21の表面に付いた傷は、定着後のトナー像の画質に影響を与えるおそれがある。
以下、図2の定着装置2の説明から一旦離れて、定着ベルトの傷と、その傷による画質への影響について説明する。
図4は、傷が付いた定着ベルトを示す模式図である。また、図4中の「S1」は記録材を示し、「F」はスジ状の痕を示している。また、図5は、傷が付いた定着ベルトにおける、その傷が付いている領域の拡大写真である。図5のパート(a)には、図2に示されている定着ベルト21と同等な構成を有する定着ベルト211における、傷が付いていない領域の拡大写真が比較のために示されている。パート(b)には、傷が付いている領域の拡大写真が示されている。これらの拡大写真は、株式会社キーエンス製のレーザマイクロスコープで撮影されたものである。
上述したように定着ベルト211の表面には、記録材S1のエッジのバリによって細かな傷が付くことがある。そして、記録材の通過が連続して行われると、各記録材のエッジのバリによって付けられた傷が集まって、図4や図5のパート(b)の拡大写真に示されるようにスジ状の痕Fとなることがある。
図6は、定着ベルトに付いたスジ状の痕を示す模式図である。
スジ状の痕Fは、図2示されている圧接部Dと同等な圧接部D1を矢印C方向に通過する記録材S1の、進行方向と平行な2本のエッジに沿って付けられる。このため、このスジ状の痕Fは、図6に示されるように、記録材S1の、進行方向と直交する幅と略同じ幅Wの間隔を空けて2本付けられることとなる。
定着ベルト211の表面にこのような痕Fが付いている場合、この痕Fの原因となった記録材S1よりも幅広の記録材が定着されるときに、その痕Fがトナー像に写ってしまい画質が低下してしまうことがある。
図7は、幅狭の記録材によって定着ベルトの表面に付いたスジ状の痕が幅広の記録材のトナー像に写ってしまう様子を示す模式図である。また、図8は、定着ベルトの表面についたスジ状の痕が、幅広の記録材のトナー像に写った様子を模式的に表す図である。また、図9は、トナー像に写ったスジ状の痕の拡大写真である。図8では、幅広の記録材S2に定着された、トナー像の一例としてのベタ画像Biに、スジ状の痕Fiが形成された様子が示されており、図9には、このベタ画像Bi上のスジ状の痕Fiの拡大写真が示されている。
定着ベルト21の表面における、スジ状の痕Fの箇所では周辺の箇所よりも光沢度が低い。このため、このような定着ベルト211に触れて定着を受けたトナー像では、このスジ状の痕Fが触れた箇所の光沢度が周辺の箇所の光沢度よりも低くなり、その光沢度の低くなった箇所が、図7〜図10に示されているようなスジ状の痕Fiとなる。つまり、定着ベルト211の表面に付いたスジ状の痕Fは、定着後のトナー像の画質を低下させてしまう。
具体的には、例えば、A4サイズの記録材が、その長手方向を進行方向として連続して圧接部を通過する際に、短手方向の幅だけ離れた2本のスジ状の痕が進行方向に平行に付いてしまうことがある。その後、例えばA3サイズの記録材や、短手方向を進行方向として搬送されてきたA4サイズの記録材Sが定着されると、上記の2本のスジ状の痕がトナー像に写ってしまうことがある。
以上で、定着ベルトの傷と画質への影響についての説明を終了し、図2の定着装置2の定着装置についての説明に戻る。
図2の定着装置2には、定着ベルト21の幅と略同じ長さの研磨ローラ30で定着ベルト21の表面を研磨する研磨機構40が設けられている。研磨ローラ30は、図2のパート(A)に示されているように通常は定着ベルト21の表面から離間している。この研磨機構40の動作は、図1に示されている制御部1aによって制御されている。
図1の画像形成装置1では、画像形成に使われた記録材について、サイズ及び搬送方向を表す記録材種類と、各記録材種類毎の枚数が制御部1aにおいて記録される。そして、この制御部1aによって、A4サイズで長手方向を進行方向として搬送された記録材の枚数が1万枚に達したか否かが判断される。
制御部1aが、記録材の枚数が1万枚に達したと判断すると、その制御部1aからの指示により、研磨機構40は、図2のパート(B)に示されているように研磨ローラ30を矢印I方向に定着ベルト21の表面へと押し付ける。また、この時には、研磨機構40は、研磨ローラ30を矢印Jで示されているように、定着ベルト21の移動方向に対する順方向に回転させる。そして、このときの研磨ローラ30の周速度は、定着ベルト21の移動速度よりも後述するように早くなっている。これにより、定着ベルト21の表面が研磨される。
また、ここでは、研磨ローラ30が定着ベルト21の表面を研磨するタイミングとして、A4サイズで長手方向を進行方向として搬送された記録材の枚数が1万枚に達するときが例示されている。しかしながら、この研磨のタイミングはこれに限るものではない。研磨のタイミングは、例えば上記のような記録材の枚数が、1万枚以上又は以下の、所定枚数に達するときであってもよい。また、研磨のタイミングは、A4サイズとA3サイズの記録材の合計枚数が所定枚数に達するときであってもよく、B5サイズ等の他のサイズの記録材の枚数が所定枚数に達するときであってもよい。また、研磨のタイミングは、所定サイズで、例えば厚紙等といった所定種類の記録材の枚数が所定枚数に達するときであってもよい。また、サイズおよび厚紙等、使用する記録材の複数の特徴毎に分類し、それぞれに対し重み付けをつけ、その重み付けによって所定カウントになった場合を研磨のタイミングとしても良い。あるいは、研磨のタイミングは、記録材のサイズや種類に係わりなく、枚数が所定枚数に達するときであってもよい。さらに、定着ベルト21の表面の許容以上のスジ状の痕を検知するセンサを設け、このセンサによりスジ状の痕が検知されたタイミングを研磨のタイミングとしてもよい。このように、研磨のタイミングは、設計段階で定められたどのようなタイミングであってもよい。
また、図2では、研磨ローラ30が、定着ベルト21の当該図面上の上方に配置されている。しかしながら、図2に示される研磨ローラ30の位置はあくまでも例示であって、研磨ローラ30の位置は、この図2に示される位置に限られるものではない。研磨ローラ30の位置は、定着ベルト21の下方や右側方や左側方であってもよく、定着ベルト21の表面を研磨できる位置であれば何れの位置であってもよい。
また、ここでは、本発明の定着装置の一例として、定着ベルトと加圧ローラとが互いに圧接した形態の定着装置が例示されている。しかしながら、本発明の定着装置は、この形態に限るものではなく、例えば加熱ローラと加圧ローラとの2つのローラが互いに圧接した形態のものであってもよい。
次に、定着ベルトの表面を研磨するときの一般的な問題点について説明する。
図10は、研磨によってスジ状の痕の程度が抑えられた様子を示す拡大写真である。図10のパート(a)には、図2の定着ベルト21と同等な定着ベルト211の表面に付いたスジ状の痕の拡大写真が示されている。また、パート(b)には、研磨によって程度が抑えられたスジ状の痕の拡大写真が示されている。
研磨に用いられる研磨ローラは、一般的に、周面に、砥粒で研磨面が形成されている。研磨時には、この研磨ローラの研磨面が定着ベルト211の表面を摺擦する。これにより、上記のスジ状の痕自体が削られるとともに、このスジ状の痕に細かな研磨痕が重畳される。その結果、定着ベルト211の表面におけるスジ状の痕と周辺部分との表面状態の差異が図10のパート(b)に示されるように小さくなりこのスジ状の痕の程度が抑えられる。
ここで、研磨ローラによる研磨時間は、画像形成装置における画像形成についての生産性の観点から短いほど好ましい。そして、上記の研磨時間の短縮のための1つの方法として、研磨面をなるべく粒度の大きな砥粒で形成することで、その研磨面で研磨したときの単位時間当たりの研磨量、即ち単位時間当たりの研磨能力を高くすることが挙げられる。しかしながら、研磨面を形成する砥粒の粒度が大きいほど、定着ベルト211の表面の光沢度は低下してしまう。定着ベルト211の表面の光沢度の低下は、定着されたトナー像の画像光沢度を低下させてしまう。
図11は、砥粒の粒度の変化に対する、研磨能力、及び、画像光沢度の低下度合いそれぞれの変化を示すグラフである。
この図11に示されているグラフG1では、まず、横軸に砥粒の粒度が示されている。
尚、ここでの砥粒の粒度の番手と、電気抵抗法による累積高さ50%(D50)平均粒径との関係は、下記の表1のようになっている。
また、このグラフG1における図中左側の縦軸には、研磨能力が示されている。ここでは、研磨能力が、3分間の研磨後の定着ベルト211における、スジ状の痕の部分(スジ部)の粗さと、それ以外の部分(非スジ部)の粗さとの差で表されている。また、粗さとしては、定着ベルト211の表面における粗さ曲線を規定する十点平均粗さRzjisが採用されている。図11のグラフG1では、研磨能力が、スジ状の痕の部分とそれ以外の部分との、この十点平均粗さRzjisの差ΔRzjisで表されている。この差ΔRzjisは、研磨後にもスジ状の痕がどの程度消えずに残っているかを表している。つまり、この差ΔRzjisが小さいほど研磨能力が高く、逆に、この差ΔRzjisが大きいほど研磨能力は低い。
また、図中右側の縦軸には、研磨による画像光沢度の低下度合いが示されている。ここでは、画像光沢度の低下度合いが、定着ベルト211に対する研磨前の定着装置2で定着を受けたトナー像と研磨後の定着装置2で定着を受けたトナー像との間における光沢度の差の、研磨前でのトナー像の光沢度に対する比率で表されている。ここでも、研磨時間は3分間としている。
そして、このグラフG1には、砥粒の粒度の変化に対する、研磨能力の変化が、△印を結んだ実線L1で示されており、画像光沢度の低下度合いの変化が、○印を結んだ実線L2で示されている。
実線L1から分かるように、砥粒の粒度が大きいほど研磨能力は高くなる。一方、実線L2から分かるように、砥粒の粒度が大きいほど画像光沢度の低下度合いは増加する。この画像光沢度の低下度合いの増加は、砥粒の粒度が大きいほど研磨時の研磨痕が深くなるためである。
ここで、実際の使用上、研磨能力としては、上記の十点平均粗さの差ΔRzjisが0.2μm以下で、画像光沢度の低下度合いとしては、その低下度合いが5%以下であることが望ましい。グラフG1における2つの実線L1,L2から分かるように、これら2つの条件を満たす粒度は、番手で#1500となる。しかしながら、3分間の研磨を、繰り返し実行しているうちには、研磨面に目詰まりが生じて研磨能力が低下しまうことがある。このため、実際には、仮に番手で#1500の砥粒を用いても、このような目詰まりによる研磨能力の低下を見越して3分よりも長めの研磨時間を必要とする場合がある。一方で、生産性の観点からは、研磨時間は、3分以内に抑えたいという要望がある。このため、研磨ローラには、画像光沢度の低下、つまり定着ベルト211の表面の光沢度の低下を抑制しつつも、研磨能力を高くして研磨時間を短縮することが求められる。
以上で、定着ベルトの表面を研磨するときの一般的な問題点についての説明を終了し、以下、研磨ローラと研磨機構について説明する。
図12は、図2に示す研磨機構の詳細を示す図である。
この図12に示されている研磨機構40は、研磨ローラ接離機構411と、研磨ローラ回転押圧機構412とを備えている。この研磨機構40の動作は、図1に示されている制御部1aによって制御される。
研磨ローラ接離機構411は、接離用バネ411aと接離用カム411bとを備えている。接離用バネ411aは、研磨ローラ30を、研磨ローラ回転押圧機構412ごと、図1に示されている画像形成装置1のフレーム1bに矢印G方向に引きつけている。
本実施形態では、図1の制御部1aが、A4サイズで長手方向を進行方向として搬送された記録材の枚数が1万枚に達したと判断するまでは、接離用カム411bが、図12中で点線で示す姿勢となっている。このため、制御部1aが上記判断をするまでは、接離用バネ411aによって研磨ローラ30が定着ベルト21の表面から離されている。そして、制御部1aが上記判断をすると、この制御部1aの指示を受けて不図示のモータが接離用カム411bを、図12中で実線で示す姿勢へと回転させる。これにより、研磨ローラ30が定着ベルト21の表面に接触する。
研磨ローラ回転押圧機構412は、機構用フレーム412aと、2つのガイドフレーム412b,412cと、2つの軸受412d,412eと、モータ固定部412fと、研磨ローラ用モータ412gと、2つの押圧用バネ412hとを備えている。機構用フレーム412aには、研磨ローラ30の両端の軸31cそれぞれに対応した位置にガイドフレーム412b,412cが1つずつ固定されている。この機構用フレーム412aが、上記の研磨ローラ接離機構411によって画像形成装置1のフレーム1bに支持されている。
各ガイドフレーム412b,412cには、研磨ローラ30の各軸31cを回転自在に支持する軸受412d,412eが1つずつ、矢印H方向にスライド移動自在に嵌め込まれている。図12中で左側のガイドフレーム412bに嵌め込まれた左側の軸受412dにはモータ固定部412fが取り付けられている。そして、このモータ固定部412fに研磨ローラ用モータ412gが固定されている。この研磨ローラ用モータ412gは、その回転軸が、研磨ローラ30の、左側の軸受412dに支持されている軸31cに連結されている。
各軸受412d,412eと機構用フレーム412aとの間には、2つの押圧用バネ412hが1つずつ配置されている。各押圧用バネ412hは、各軸受412d,412eを介して研磨ローラ30の各軸31cを矢印I方向に付勢している。研磨ローラ接離機構411の接離用カム411bが図12中に実線で示されている姿勢に回転したときには、これら2つの押圧用バネ412hが、研磨ローラ30を定着ベルト21の表面に押圧する。本実施形態では、押圧用バネ412hは、約1N/mmの圧力で、研磨ローラ30を定着ベルト21の表面に押圧するバネとなっている。
研磨機構40では、研磨ローラ接離機構411の接離用カム411bが図12中に実線で示されている姿勢に、図1の制御部1aの指示を受けて回転すると、研磨ローラ用モータ412gが研磨ローラ30を回転させる。このときの研磨ローラ30を回転方向は、図2のパート(b)に矢印Jで示されているように、定着ベルト21の移動方向に対する順方向となる。本実施形態では、定着ベルト21の周速度が160mm/secとなっており、これに対し、研磨ローラ30の周速度が960mm/secとなっている。そして、この定着ベルト21と研磨ローラ30との周速差により、定着ベルト21の表面が研磨されることとなる。
尚、研磨ローラ30の回転方向は、本実施形態のような順方向に限らず、定着ベルト21の移動方向に対する逆方向であってもよい。また、本実施形態では、順方向に回転する研磨ローラ30の周速度は上記の値に限るものではなく、定着ベルト21に対して相対的に速度差が生じるような速度であればどのような速度であってもよい。
図13は、研磨ローラの外観を示す図である。
研磨ローラ30は、芯金31と砥粒層32とを有している。定着装置2において、研磨ローラ30が常温から150度近い高温までの温度履歴にさらされるため、芯金31には錆に対する耐性が要求される。このため、芯金31の材料としては、ステンレス系の金属が好ましいが、快削鋼を用いてもよい。ただし、快削鋼を用いる場合、芯金31の形状に形成した後、表面に、3μm程度のNiメッキコートが施されることとなる。快削鋼で形成された芯金31は、ステンレス系の金属で形成された芯金31よりも、その加工の容易さから製造コストの面で有利である。
砥粒層32は、シリコーンゴムと砥粒の混合体で芯金31の表面に形成された、厚さが100μm程度の層である。砥粒としては、本実施形態では、粒度が番手で#1500のアルミナ系砥粒が採用されている。ただし、砥粒としては、アルミナ系砥粒の他に、炭化ケイ素系砥粒、ジルコニア系砥粒、および窒化ホウ素系砥粒のうちの何れかの砥粒が採用され得る。シリコーンゴムとしては、本実施形態では、少量でアルミナ系砥粒の結着力を高めるため、フィラーレスのものが採用されている。また、このシリコーンゴムとしては、2液混合の硬化タイプで、2次加硫後のJIS−A硬度が65度のものが採用されている。シリコーンゴムとしては硬い部類に入り、これもアルミナ系砥粒の結着力を高める作用に寄与している。
ここで、砥粒層32は、その表面が、次のような凹凸形状を有している。
図14は、砥粒層の表面における凹凸形状を示す模式図である。
この図14に示されているように、砥粒層32の表面の凹凸形状は、JISB0601において表面の粗さ曲線を規定する十点平均粗さRzjisと平均長さRsm両方が砥粒32aよりも大きな凹凸形状となっている。そして、この凹凸形状における凸部32bが、複数の砥粒32aの集合体となっている。この砥粒層32が、本発明にいう砥粒層の一例に相当する。そして、凸部32bが、本発明にいう凸部の一例に相当する。
尚、本実施形態では、本発明にいう凹凸形状の一例として、粗さ曲線を規定する十点平均粗さRzjisと平均長さRsmの両方が砥粒32aよりも大きな凹凸形状が例示されている。しかしながら、本発明にいう凹凸形状はこれに限るものではなく、十点平均粗さRzjisと平均長さRsmの何れか一方のみが砥粒32aよりも大きな凹凸形状であってもよい。
図15は、砥粒層の表面の粗さ曲線を表す模式図である。
上記の平均長さRsmは、図15に示されているように、互いに隣り合う2の凸部32bの下り斜面相互間の距離の平均値であり、次式で定義される。
砥粒層32の表面のこのような凹凸形状による凸部は、あたかも、それ自体が粒径の大きな砥粒のように振る舞う。その結果、図11のグラフG1において、実際に砥粒層32を形成している砥粒32aの粒度に対応した研磨能力よりも大きな研磨能力が得られることとなる。この研磨能力を表す指標としては、このグラフG1に示されているようなスジ状の痕の部分とそれ以外の部分との間での十点平均粗さの差ΔRzjisμm他に、単純に、単位時間当たりの研削量(以下、研磨能率μm/hourと呼ぶ)も挙げられる。表面が上記の凹凸形状となった砥粒層32では、その凹凸形状における平均長さRsmが大きいほど研磨能率μm/hourが大きくなる。
図16は、様々な平均長さRsmに対する研磨能率μm/hourを示すグラフである。
この図16に示されているグラフG2では、横軸に砥粒層32の表面の凹凸形状における平均長さRsmがとられ、縦軸に研磨能率μm/hourがとられている。そして、各平均長さRsmに対する研磨能率μm/hourが◇印でプロットされている。この◇印の並びから、右肩上がりの実線L3で示されているように、平均長さRsmが大きいほど研磨能率μm/hourが大きくなることが分かる。
ここで、上記のような凹凸形状を有する表面での研磨によって生じた研磨粉は、間隔の狭い砥粒32aの間には入り込まず間隔の広い凹部へと向かう。その結果、研磨が繰り返し実行されても、上述した目詰まりが抑えられ、延いては高い研磨能力が維持されることとなる。
図17は、研磨が繰り返し実行されても、高い研磨能力が維持されることを示すグラフである。
この図17のグラフG3では、横軸に砥粒の粒度が番手で示され、縦軸に研磨後の定着ベルト21における、スジ状の痕の部分(スジ部)とそれ以外の部分(非スジ部)との間での十点平均粗さの差ΔRzjisがとられている。そして、このグラフG3には、表面が凹凸形状を有していない従来の番手が異なる複数の研磨ロールそれぞれを使った3分間の研磨について、1回研磨後の十点平均粗さの差ΔRzjisが○印でプロットされている。また、各番手の従来の研磨ロールについて、30万枚の記録材について定着が実行された後、即ち、1万枚に1回の研磨が30回実行された後の十点平均粗さの差ΔRzjisが△印でプロットされている。そして、表面が上記の凹凸形状を有する番手が異なる複数の研磨ロールそれぞれを使った3分間の研磨について、上記の30回研磨後の十点平均粗さの差ΔRzjisが□印でプロットされている。ここで、研磨回数としての30回は、研磨ロールを実際に使用するに当たって、研磨能力がある程度以上に保たれることが望まれる、望ましい耐久回数である。
○印を結ぶ実線L4と△印を結ぶ実線L5との比較から、凹凸形状を有していない従来の研磨ロールでは、全ての番手について、30回研磨後には、上記の十点平均粗さの差ΔRzjisが大きくなっていることが分かる。上述したように、この十点平均粗さの差ΔRzjisは、研磨後の定着ベルト21の表面に、スジ状の痕がどの程度残っているかを表している。従って、これら2つの実線L4,L5の比較から、30回研磨後には、研磨ロールの研磨能力が低下していることが分かる。一方で、□印を結ぶ実線L6から、凹凸形状を有する研磨ロールでは、使用が想定される番手#1500以上のものについて、30回研磨後であっても、従来の研磨ロールよりも高い研磨能力が維持されていることが分かる。
凹凸形状を有する本実施形態の研磨ロール32におけるこのような高い研磨能力の維持は、上述したように、研磨粉による目詰まりが抑えられることによる。
図18は、凹凸形状を有する本実施形態の研磨ロールと、凹凸形状を有しない従来の研磨ロールとについて、研磨前の表面と30回研磨(1万枚通紙毎)後の表面とのそれぞれを撮影した拡大写真である。尚、1回当たりの研磨時間は3分となっている。
図18の拡大写真から、従来の研磨ロールでは、30回研磨後の表面に研磨粉による目詰まりが生じているのに対し、本実施形態の研磨ロール32では、研磨前の表面と30回研磨後の表面とでそれほど変化が見られないことが分かる。尚、この図18の拡大写真における研磨ロール32では、凹凸形状における平均長さRsmが78μmとなっている。また、図18の拡大写真は、いずれも倍率が15倍となっている。
以上のことから、本実施形態の研磨ロール32によれば、例えば研磨を複数回繰り返しても高い研磨能力が維持されることから、1回当たりの研磨時間として、例えば3分といった短い時間を採用することが可能となる。そして、上述したように、本実施形態の研磨ロール32では、凹凸形状における凸部32b(図14)が大きいほど高い研磨能力が得られる。一方で、研磨による定着ベルト21の表面の光沢度の低下度合いは、砥粒層32を形成している砥粒32aの粒度の番手が大きいほど抑制される。このため、上記の凹凸形状を有する砥粒層32は、番手で#1500以上の目の細かな砥粒を採用して研磨による光沢度の低下を抑えつつ、凹凸形状における凸部により高い研磨能力を得ることができる。
また、上記の目詰まり抑制の観点からは、凹凸形状における平均長さRsmが60μm以上であることが好ましい。この平均長さRsmが60μm以上となることにより、研磨ロール32について、例えば30回等といった、画像形成装置の機種によって決まる使用上の望ましい耐久回数の研磨を経た後でも上記の目詰まりが抑制されることとなる。また、この平均長さRsmは、後述する凹凸形状の形成方法における形成可能限界の観点から、160μm以下であることが望ましい。
本実施形態では、図13に示されている砥粒層32は、シリコーンゴムと砥粒の混合体で形成されるが、この混合体に対する砥粒の重量比は、次のような観点から、65%以上であることが望ましい。
図19は、混合体に対する砥粒の重量比(砥粒比率)が異なる、3種類の研磨ロールそれぞれの表面の拡大写真である。この図19には、砥粒比率が60%の研磨ロール、砥粒比率が68%の研磨ロール、及び砥粒比率が80%の研磨ロールについて、表面の拡大写真が示されている。また、各拡大写真の下には、各研磨ロールにおける砥粒層32−1,32−2,32−3が模式的に示されている。尚、ここでは、重量比に対する表面状態の変化が分かり易いように、研磨ロール自体は、表面が凹凸形状を有しない従来の研磨ロールとなっている。
砥粒比率が60%の砥粒層32−1の表面を撮影した拡大写真では、砥粒32aがシリコーンゴムに埋まってしまっている。表面がこのような状態になった研磨ロールでは、砥粒層32−1の表面が、定着ベルト21に対して上滑りしてしまい、満足な研磨能力が得られないことが多い。一方、砥粒比率が68%の砥粒層32−2についての拡大写真と、砥粒比率が80%の砥粒層32−3についての拡大写真とでは、いずれも砥粒32aがシリコーンゴムから表出している。そして、このように砥粒32aが表出した研磨ロールによれば所望の研磨能力が得られることとなる。
ここで、砥粒比率が65%未満の場合、図19における砥粒比率が60%についての拡大写真のように、砥粒32aがシリコーンゴムに埋まってしまう恐れがある。一方で、砥粒比率が65%以上の場合には、図19における砥粒比率が68%,80%についての拡大写真のように、砥粒32aが高い確率でシリコーンゴムから表出する。そして、砥粒比率と表面状態とのこのような関係は、本実施形態の研磨ロール32のように、表面に凹凸形状を持たせた場合であっても同様に生じ得る。従って、砥粒32aの表出という観点からは、シリコーンゴムと砥粒の混合体に対する砥粒の重量比は65%以上であることが望ましい。
ここで、本実施形態では、表面に上記のような凹凸形状を有した砥粒層32が、芯金31の表面に、シリコーンゴムと砥粒との混合体をスプレー塗装によって吹き付けることで形成される。この混合体を、上記のように砥粒の重量比は65%以上のものとした場合、この混合体は、架橋処理前であっても半固体状となり流動性が低い。このままでは、スプレー塗装に適さないので、この混合体を炭化水素系溶剤で希釈して低粘度化している。本実施形態では、トルエンを用い、50%程度希釈して粘度を100mPa・s以下に調整している。
この粘度の調整、スプレー塗装時のスプレーガンと芯金31の表面との距離の調整、及びスプレーガンのノズル口径により、芯金31の表面に霧滴状に着弾する混合体の乾き具合と霧滴径を調整することができる。本実施形態では、これらの調整により、芯金31の表面に、数十〜数百μmの霧滴を、ある程度外径を残した状態で堆積させることで、上記の凹凸形状を表面に有する砥粒層32が形成されている。
このとき、上記のような条件調整により、凹凸形状の十点平均粗さRzjisと平均長さRsmとを単に大きくした場合、砥粒層32に含有される空隙が多くなることがある。例えば、図19の砥粒比率80%の砥粒層32aでは、表面近傍の砥粒32aは、シリコーンゴムに浸かってはおらず、砥粒32aどうしは、それらの砥粒32a間のシリコーンゴムによって結着されている。このため、砥粒層32−3の内部には空隙が存在している。このような砥粒比率で凹凸形状を形成した場合にも、その砥粒層32の内部に空隙が存在している。そして、この空隙が多くなると、砥粒32aどうしの結着力が弱まり、その表面における凸部32bが研磨時に崩れ易くなる恐れがある。このような崩れ易さを回避する観点から、砥粒層32は、その密度が、1.15×10-3g/mm3以上であることが望ましい。
また、砥粒32aは、その粒度が番手で#1500以上であることが好ましい。番手で#1500の粒度は、電気抵抗法による累積高さ50%平均粒径に置き換えると9μm以上に相当する。このようにある程度目の細かい砥粒を用いることで、研磨後の定着ベルト21の光沢度の低下度合いの抑制効果を高めることができる。
尚、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明の研磨ローラの構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
次に、上述した実施形態に対応した画像形成装置を用い、実際に画像形成を行った実施例について説明する。尚、以下の実施例では、研磨ローラの寸法や材質について具体的に述べるが、これらの寸法や材質はあくまでも例であって、本発明は、これらの寸法や材質に限定されるものではない。
(第1実施例)
図1に示される画像形成装置1に、図13に示される研磨ローラ30を有する定着装置2を搭載した。
研磨ローラ31は、両端の軸を除いた長さが338mm、直径が14mmのものを用いた。
芯金31は、SUS303で形成され、両端の軸を除いた長さが338mm、直径が13.8mmのものを用いた。また、その材質は快削鋼であり、その表面に、3μm程度のNiメッキコートが施されている。
砥粒層32を構成する砥粒32aは、株式会社フジミインコーポレーテッド製のホワイトアルミナ砥粒で、電気抵抗法による粒度が番手で#1500のものを用いた。また、砥粒層32を構成するバインダは、東レ・ダウコーニング株式会社製のシリコーンゴムで、フィラーレス且つ2液混合の硬化タイプで、2次加硫後のJIS−A硬度が65度のものが用いられている。この砥粒層32は、その層厚が0.1mmとなっている。
この砥粒層32は、バインダとしてのシリコーンゴムと砥粒32aとの混合体で形成されている。その形成は、砥粒比率が80%の混合体をトルエンで希釈したものを用いたスプレー塗装によって行われる。このとき、第1実施例では、トルエンで希釈された混合体の粘度と、スプレー塗装時のスプレーガンと芯金31の表面との距離の調整、及びスプレーガンのノズル口径により、砥粒層32の表面に次のような凹凸形状を有するようになっている。即ち、その表面の粗さ曲線の十点平均粗さRzjisと平均長さRsmとが、それぞれ、下記の表2に定義される「大」のサイズに調整されている。
ここで、形成された砥粒層32の十点平均粗さRzjisと平均長さRsmとの確認は、接触式の表面粗さ計、具体的には、小坂研究所製のサーフコーダSE−30Hを用いた粗さ計測によって行った。また、その計測は、カットオフ値を2.5mmで行った。
また、この第1実施例では、砥粒層32の密度が、1.15×10-3g/mm3となっている。この密度の確認は、次のように行われている。まず、砥粒層32を形成前の芯金31の重量と外径とを計測し、次に、砥粒層32を形成後の研磨ローラ30の重量と外径とを計測する。そして、研磨ローラ30の重量から芯金31の重量を減算して、形成された砥粒層32の重量を得る。また、研磨ローラ30の外形から芯金31の外径を減算し、その減算結果に研磨ローラ30の軸を除いた長さを乗算することで、砥粒層32の体積を得る。そして、砥粒層32の重量を砥粒層32の体積で除算することで、砥粒層32の密度を得る。第1実施例では、このようにして得られた密度が上記値となっている。
そして、HAMMERMILL社製のA4サイズのプリンタ用紙を、長手方向を搬送方向として送り込んで、所定のテスト画像の形成を連続して行った。
まず、1万枚の画像形成が終了した時点で、1万枚につき1回行われる研磨が実行される前の段階で、A3サイズのプリンタ用紙を送り込んで、シアン色100%のベタ画像の形成を行った。その後、研磨が実行された後に、もう一度、シアン色100%のベタ画像の形成を行った。尚、研磨時間は3分に設定されている。
そして、研磨後に得られたベタ画像を、次の限度見本と比較し、そのベタ画像に、限度見本を超えたスジ状の痕が現れているか否かを判定した。この限度見本は、図11に示されている十点平均粗さRzjisの差ΔRzjisが0.2μmとなった定着ベルト21を使って形成されたシアン100%のA3サイズのベタ画像である。つまり、この段階での判定では、1回目の研磨での研磨能力が、上記の基準を満たしているか否かが判定される。
次に、研磨前のベタ画像と研磨後のベタ画像との双方について、光沢度が計測される。光沢度の計測は、日本電色製の光沢度計であるHANDY GROSSMETER PG−1が用いられた。そして、2つのベタ画像相互間の光沢度の差の、研磨前のベタ画像の光沢度に対する比率を、この1回目の研磨による画像光沢度の低下度合いとして算出した。さらに、この算出した画像光沢度の低下度合いが、図11に示されている、画像光沢度の低下度合いの閾値である5%を超えているか否かを判定した。
そして、この1回目の研磨について、研磨能力と画像光沢度の低下度合いとの双方について基準を満足した場合に合格との判定を行った。
続いて、A4サイズのプリンタ用紙について、さらに9万枚、累計10万枚の画像形成を行い、画像形成装置1内で10回目の研磨が行われる前の段階で、A3サイズのプリンタ用紙を送り込んで、シアン色100%のベタ画像の形成を行った。その後、研磨ロール32による研磨が実行された後に、もう一度、シアン色100%のベタ画像の形成を行った。その後、1回目の研磨のときと同様に、上記の限度見本を使った判定と光沢度測定による判定とを行い、10回目の研磨について、研磨能力と画像光沢度の低下度合いとの双方について基準を満足しているか否かの判定を行った。
さらに、10万枚、累計20万枚の画像形成を行い、画像形成装置1内で20回目の研磨が行われる前の段階で、A3サイズのプリンタ用紙を送り込んで、シアン色100%のベタ画像の形成を行った。その後、研磨ロール32による研磨が実行された後に、もう一度、シアン色100%のベタ画像の形成を行った。その後、1回目及び10回目の研磨のときと同様の判定を行った。
さらに、10万枚、累計30万枚の画像形成を行い、画像形成装置1内で30回目の研磨が行われる前の段階で、A3サイズのプリンタ用紙を送り込んで、シアン色100%のベタ画像の形成を行った。その後、研磨ロール32による研磨が実行された後に、もう一度、シアン色100%のベタ画像の形成を行った。その後、1回目、10回目、及び20回目の研磨のときと同様の判定を行った。
このように、30回目の研磨と判定とが終了した段階で、研磨ロール32の耐久性について次のように判定を行った。即ち、10回目の研磨で研磨能力と画像光沢度の低下度合いとの双方が基準を満たしたが、20回目の研磨では何れかが基準を満たさなかった場合に、耐久性について“不可”とした。また、20回目の研磨で研磨能力と画像光沢度の低下度合いとの双方が基準を満たしたが、30回目の研磨では何れかが基準を満たさなかった場合に、耐久性について“良”とした。そして、30回目の研磨でも研磨能力と画像光沢度の低下度合いとの双方が基準を満たした場合に、耐久性について“優”とした。
(第2〜7実施例)
この第2〜7実施例は、砥粒層32における十点平均粗さRzjisと平均長さRsmとが、上記の第1実施例と異なっている他は、この第1実施例と同様である。
十点平均粗さRzjisと平均長さRsmとの組合せが、第2実施例では上記の表2に定義される「中」と「大」となっている。また、第3実施例では「中」と「中」となっており、第4実施例では「小」と「中」となっており、第5実施例では「大」と「小」となっており、第6実施例では「中」と「小」となっており、第7実施例では「小」と「小」となっている。そして、各実施例について、1回目の研磨についての研磨能力と画像光沢度の低下度合いとの合否判定と、耐久性についての3段階評価を行った。
(比較例)
比較例は、研磨ロールの砥粒層が上述した凹凸形状を有していない点を除いて第1〜第7実施例と同様である。この比較例につても、1回目の研磨についての研磨能力と画像光沢度の低下度合いとの合否判定と、耐久性についての3段階評価を行った。
第1〜第7実施例、及び比較例についての、1回目の研磨についての研磨能力と画像光沢度の低下度合いとの合否判定と、耐久性についての3段階評価の結果を、表3に示す。
この表3では、1回目の研磨についての研磨能力と画像光沢度の低下度合いとの双方が基準を満たしている場合に合格を表す○印が記載されている。そして、何れか一方でも基準を満たさなかった場合に不可を表す×印が記載されている。また、この表3では、耐久性についての3段階評価の結果が、上述した優の場合に○印が記載され、良の場合に△印が記載され、不可の場合に×印が記載されている。
この表3から、比較例は、1回目の研磨については、研磨能力と画像光沢度の低下度合いとが基準を満たし合格となっているが、耐久性については不可となっている。これは、上述した目詰まりにより、研磨能力が低下したためと考えられる。
第1〜第7実施例でも、1回目の研磨については、何れも、研磨能力と画像光沢度の低下度合いとの基準を満たし合格となっている。一方、耐久性については、平均長さRsmが60μm以上となる、第1〜第4実施例ではいずれも優(○印)となっているが、平均長さRsmが60μm未満となる、第5〜第7実施例ではいずれも良(△印)に止まっている。これは、平均長さRsmが60μm以上の場合、平均長さRsmが60μm未満の場合と比べて、上述した目詰まりの抑制効果が高いためと考えられる。
ここで、第1〜第7実施例に関連して、平均長さRsmが170μm以上となる場合について次のような確認を行った。まず、RSmが170μm以上の研磨ローラでスジ消し研磨を行った。そして、その研磨後に得られたベタ画像を、上述した限度見本と比較し官能評価を行った。次に、RSmが160μm以下の研磨ローラでスジ消し研磨を行い、その研磨後に得られたベタ画像について同様の官能評価を行った。その結果、RSmが170μm以上の研磨ローラについての官能評価では、限度見本と比較して、定着ベルト上のスジ状の研磨痕に起因すると考えられる光沢ムラが多く視認された。一方、RSmが160μm以下の研磨ローラについての官能評価では、このような光沢ムラが抑えられていた。
ここで、Rsm160μmを越える研磨ローラを製造するためには、スプレー塗装時の霧滴を同レベルまで増大させる必要がある。このようなサイズに霧滴径を増大させた場合、霧の発生自体が不安定となり、液柱状態の突出やブレスと呼ばれる脈動が現れる恐れがある。この結果、研磨ローラ表面の均一性を確保することが困難となる場合があることも確認されている。
(第8〜25実施例)
これらの実施例に先立って、まず、下記の表4に記載の4つのサンプルについて後述の引っかき試験を行った。
これら4つのサンプルは、砥粒層32の密度以外は、上述した実施例1と同等なものである。そして、表4に記載されているように、サンプルAの密度は1.27×10-3g/mm3であり、サンプルBの密度は1.14×10-3g/mm3である。また、サンプルCの密度は0.73×10-3g/mm3であり、サンプルDの密度は0.54×10-3g/mm3である。
引っかき試験では、各サンプルの砥粒層32の表面に、先端径R=0.5mmのサファイア針を接触させ、0.98Nの荷重を加える。その状態のまま、サファイア針を、10mm/秒の速度で10mmの距離を3回往復摺動させる。そして、この往復摺動の結果、各サンプルの砥粒層32の表面に付いた痕(引っかき摩耗痕と呼ぶ)の深さを測定した。
その後、各サンプルの研磨ロール30に10回以上の研磨を実行させ、何回の研磨で砥粒層32の表面において凸部32aの崩れが生じるかを観察した。その観察結果を以下に示す。
図20は、表4に記載の4つのサンプルについて、引っかき試験による引っかき摩耗痕の深さと、砥粒層の表面の凸部に崩れが生じた研磨回数(以下、耐久回数と呼ぶ)との関係を示したグラフである。
この図20のグラフでは、横軸に各サンプルの名称が記載され、縦軸に引っかき摩耗痕の深さがとられている。そして、各サンプルにおける引っかき摩耗痕の深さが◇印でプロットされている。ここで、耐久回数が30回未満となったのはサンプルAのみであり、サンプルB〜Dについてはいずれも耐久回数が30回以上となっている。そして、これらのサンプルB〜Dのうち、最も密度の低いサンプルBにおける引っかき摩耗痕の深さは、30.0μmとなっている。
ここでの実施例では、実際の使用上の望ましい耐久回数が30回以上となっている。そして、上記のサンプルA〜Dから、この耐久回数が30回以上となる砥粒層32は、目安として引っかき摩耗痕の深さが30.0μm以下となることが分かる。
第8〜25実施例は、上記表4のサンプルから割り出した、目安としての引っかき摩耗痕の深さが30.0μm以下となる砥粒層32の密度を精密に求めるために行ったものである。各実施例は、砥粒層32の密度以外は、上述した実施例1と同等なものである。そして、各実施例の砥粒層32について上記の引っかき試験を行って引っかき摩耗痕の深さを求めた。各実施例の砥粒層32の密度と、引っかき摩耗痕の深さを下記の表5と図21にまとめた。
図21は、第8〜25実施例それぞれの砥粒層の密度と、引っかき摩耗痕の深さをプロットしたグラフである。
図21のグラフG5では、横軸に引っかき摩耗痕の深さがとられ、縦軸に砥粒層32の密度がとられている。そして、このグラフG5には、各引っかき摩耗痕の深さに対応した密度が、◇印でプロットされている。これらのプロット点の並びから、引っかき摩耗痕の深さが増すにつれて、実線L7で示されているように砥粒層32の密度が低くなることが分かる。そして、この実線L7上で、30.0μm以下の引っかき摩耗痕の深さに対応する密度が1.15×10-3g/mm3以上となっている。以上から、使用上望ましい30回以上の耐久回数を実現するために必要な砥粒層32の密度は、1.15×10-3g/mm3以上であることが分かる。
(第26〜29実施例)
第26〜29実施例は、砥粒層32の砥粒32aの砥粒種を除いて、上述した第1実施例と同等なものである。第26実施例の砥粒32aは炭化ケイ素系砥粒であり、第27実施例の砥粒32aは窒化ホウ素系砥粒であり、第28実施例の砥粒32aはジルコニア系砥粒であり、第29実施例の砥粒32aはシリカ系砥粒である。そして、これら4つの実施例に、アルミナ系砥粒であるホワイトアルミナの砥粒32aを有する上述の第1実施例を加えた合計5つの実施例について、上述の引っかき試験を行って引っかき摩耗痕の深さを計測した。
図22は、第1実施例及び第26〜29実施例それぞれについての引っかき摩耗痕の深さを棒グラフで示した図である。
図22のグラフG6では、横軸に、各実施例の名称が砥粒種とともに記載され、縦軸に引っかき摩耗痕の深さがとられている。そして、このグラフG6から、アルミナ系、炭化ケイ素系、窒化ホウ素系、ジルコニア系、及びシリカ系の何れの砥粒種でも、引っかき摩耗痕の深さは、上述の望ましい耐久回数が得られる30.0μm未満であることが分かる。
1 画像形成装置
1a 制御部
2 定着装置
30 研磨ローラ(研磨ローラの一例)
40 研磨機構
13 像形成部(像形成部の一例)
21 定着ベルト(定着用回転部材及びトナー像側回転部材の一例)
22 加圧ローラ(定着用回転部材の一例)
31 芯金
32 砥粒層(砥粒層の一例)
特開2008−40363号公報 特開2008−40364号公報

Claims (9)

  1. 互いに圧接した状態で回転し、未定着トナー像を保持した記録材を圧接部に受け入れて加熱及び加圧することにより前記未定着トナー像を前記記録材に定着する一対の定着用回転部材を有する定着装置に設けられ、前記一対の定着用回転部材のうち、前記未定着トナー像が接するトナー像側回転部材の表面を研磨する研磨ローラにおいて、
    前記研磨ローラは、芯金と、前記芯金の表面に形成される砥粒層を有し、
    前記砥粒層は、砥粒と結着剤との集合体で形成され、
    前記砥粒層の表面が、複数の前記砥粒を含有する前記集合体であって前記砥粒よりも大きい凸部と、該凸部間の凹部とからなる凹凸形状を有しており、
    前記凸部が前記凹部より多くの前記砥粒を含有する前記集合体で形成されることで、前記凹凸形状が前記芯金の表面より粗い形状となっており、
    前記凸部と前記凹部は連続して形成されることを特徴とする研磨ローラ。
  2. 前記凹凸形状が、前記砥粒層の表面の粗さ曲線を規定する十点平均粗さRzjisと平均長さRsmのうち少なくとも一方が前記砥粒よりも大きい凹凸形状であることを特徴とする請求項1記載の研磨ローラ。
  3. 前記平均長さRsmが、前記砥粒よりも大きく、且つ、60μm以上で160μm以下であることを特徴とする請求項2記載の研磨ローラ。
  4. 記砥粒層において前記砥粒が重量比で65%以上を占めていることを特徴とする請求項1から3のうち何れか1項記載の研磨ローラ。
  5. 記砥粒層の密度が1.15×10−3g/mm以上であることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項記載の研磨ローラ。
  6. 前記砥粒は、累積高さ50%平均粒径が9μm以下であることを特徴とする請求項1から5のうちいずれか1項記載の研磨ローラ。
  7. 前記砥粒層が、アルミナ系砥粒、窒化ホウ素係砥粒、ジルコニア系砥粒、およびシリカ系砥粒のうちの少なくとも一種類の砥粒を含有していることを特徴とする請求項1から6のうちいずれか1項記載の研磨ローラ。
  8. 互いに圧接した状態で回転し、未定着画像を保持した記録材を圧接部に受け入れて加熱及び加圧することにより前記未定着画像を前記記録材に定着する定着用回転部材と、
    請求項1から7のうちいずれか1項記載の研磨ローラと、
    を備えたことを特徴とする定着装置。
  9. 請求項8記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
JP2013074184A 2013-03-29 2013-03-29 研磨ローラ、定着装置、及び画像形成装置 Active JP6186809B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013074184A JP6186809B2 (ja) 2013-03-29 2013-03-29 研磨ローラ、定着装置、及び画像形成装置
US14/207,831 US9213274B2 (en) 2013-03-29 2014-03-13 Grinding roller, fixing device, and image forming apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013074184A JP6186809B2 (ja) 2013-03-29 2013-03-29 研磨ローラ、定着装置、及び画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014199291A JP2014199291A (ja) 2014-10-23
JP6186809B2 true JP6186809B2 (ja) 2017-08-30

Family

ID=51620977

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013074184A Active JP6186809B2 (ja) 2013-03-29 2013-03-29 研磨ローラ、定着装置、及び画像形成装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US9213274B2 (ja)
JP (1) JP6186809B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6488848B2 (ja) * 2015-04-17 2019-03-27 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置
JP2017040698A (ja) * 2015-08-18 2017-02-23 株式会社リコー 画像形成装置、画像形成装置の制御方法及びプログラム
JP2017083556A (ja) * 2015-10-26 2017-05-18 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置
US10114322B2 (en) * 2016-08-26 2018-10-30 Ricoh Company, Ltd. Fixing device and image forming apparatus

Family Cites Families (32)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04135481A (ja) * 1990-09-28 1992-05-08 Aasunikusu Kk バイオリアクターの生体触媒担持材と、生体触媒固定済担持材、及び生体触媒による処理方法
EP0664187B1 (en) * 1993-06-02 1999-10-13 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Grinding tape and method of manufacturing the same
US5453312A (en) 1993-10-29 1995-09-26 Minnesota Mining And Manufacturing Company Abrasive article, a process for its manufacture, and a method of using it to reduce a workpiece surface
ATE240188T1 (de) 1994-09-30 2003-05-15 Minnesota Mining & Mfg Beschichteter schleifgegenstand und verfahren zu seiner herstellung
JPH09230731A (ja) * 1996-02-20 1997-09-05 Canon Inc 画像形成装置
JPH1039668A (ja) * 1996-07-22 1998-02-13 Canon Inc 定着装置
US6231629B1 (en) * 1997-03-07 2001-05-15 3M Innovative Properties Company Abrasive article for providing a clear surface finish on glass
US6422933B1 (en) * 1997-11-04 2002-07-23 Firma Carl Freudenberg Flexible, open-pored cleaning body
US6217432B1 (en) * 1998-05-19 2001-04-17 3M Innovative Properties Company Abrasive article comprising a barrier coating
US8545583B2 (en) * 2000-11-17 2013-10-01 Wayne O. Duescher Method of forming a flexible abrasive sheet article
JP2004082323A (ja) 2002-06-26 2004-03-18 Ricoh Co Ltd 研磨具およびその製造方法
JP4594125B2 (ja) * 2004-02-20 2010-12-08 キヤノン株式会社 画像定着装置
JP4621441B2 (ja) 2004-06-08 2011-01-26 株式会社リコー 研磨具および研磨具の製造方法
JP2005349542A (ja) 2004-06-11 2005-12-22 Ricoh Co Ltd 砥石およびそれの製造方法
JP2006136973A (ja) * 2004-11-11 2006-06-01 Noritake Co Ltd 三次元立体構造の研磨凸部を備えた研磨布紙
JP4898172B2 (ja) 2005-09-08 2012-03-14 日本ミクロコーティング株式会社 研磨パッド及びその製造方法並びに研磨方法
US7594845B2 (en) 2005-10-20 2009-09-29 3M Innovative Properties Company Abrasive article and method of modifying the surface of a workpiece
US7410413B2 (en) 2006-04-27 2008-08-12 3M Innovative Properties Company Structured abrasive article and method of making and using the same
JP5224663B2 (ja) * 2006-08-09 2013-07-03 キヤノン株式会社 画像加熱装置
JP5224664B2 (ja) * 2006-08-09 2013-07-03 キヤノン株式会社 画像加熱装置
US8083820B2 (en) 2006-12-22 2011-12-27 3M Innovative Properties Company Structured fixed abrasive articles including surface treated nano-ceria filler, and method for making and using the same
US7959694B2 (en) * 2007-03-05 2011-06-14 3M Innovative Properties Company Laser cut abrasive article, and methods
JP2008221353A (ja) 2007-03-09 2008-09-25 Ricoh Co Ltd 研磨具及びその製造方法
JP2008268524A (ja) 2007-04-19 2008-11-06 Canon Inc 画像加熱装置
JP4979447B2 (ja) 2007-04-20 2012-07-18 キヤノン株式会社 画像加熱装置
US8080073B2 (en) 2007-12-20 2011-12-20 3M Innovative Properties Company Abrasive article having a plurality of precisely-shaped abrasive composites
CN101925441B (zh) * 2007-12-31 2013-08-14 3M创新有限公司 经等离子处理的磨料制品及其制造方法
JP5407158B2 (ja) 2008-03-24 2014-02-05 富士ゼロックス株式会社 定着装置及び画像形成装置
JP2010179402A (ja) 2009-02-05 2010-08-19 Bando Chem Ind Ltd 研磨シートおよび研磨シートの製造方法
JP2011123333A (ja) 2009-12-11 2011-06-23 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
JP5693324B2 (ja) 2011-03-29 2015-04-01 キヤノン株式会社 像加熱装置
JP5915167B2 (ja) * 2011-12-27 2016-05-11 富士ゼロックス株式会社 定着装置、画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014199291A (ja) 2014-10-23
US20140294455A1 (en) 2014-10-02
US9213274B2 (en) 2015-12-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5224663B2 (ja) 画像加熱装置
JP5224664B2 (ja) 画像加熱装置
JP6075862B2 (ja) 画像加熱装置および画像形成装置
JP6075863B2 (ja) 画像加熱装置および画像形成装置
US9261825B2 (en) Image heating apparatus having moving mechanism configured to move a rubbing rotatable member configured to rub a surface of a rotatable member, relative to the rotatable member
JP6080624B2 (ja) 画像加熱装置および画像形成装置
JP6186809B2 (ja) 研磨ローラ、定着装置、及び画像形成装置
JP5968056B2 (ja) 像加熱装置
JP2008040365A (ja) 画像加熱装置
US7949291B2 (en) Fixing device, fixing apparatus and image forming apparatus
JP2009229792A (ja) 定着装置及び画像形成装置
US20080056781A1 (en) Image forming apparatus
JP7434036B2 (ja) 電子写真用ベルト及び電子写真画像形成装置
JP6237257B2 (ja) 定着装置、及び画像形成装置
JP2015194733A (ja) 画像形成装置
JP2008122864A (ja) クリーニング装置及びそれを備えた画像形成装置
JP2008143609A (ja) シート搬送装置及び画像形成装置
JP2009003029A (ja) 転造装置、現像ローラの製造方法、現像ローラ、現像装置、および画像形成装置
JP2019148779A (ja) クリーニング装置、および画像形成装置
JP2014164293A (ja) 研磨ローラ、定着装置、および画像形成装置
JP5257344B2 (ja) 画像形成装置
JP6458450B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP6277978B2 (ja) 像担持体、及びこれを備えた画像形成装置
JP2014170181A (ja) 研磨ローラ、定着装置、及び画像形成装置
JP6337508B2 (ja) 定着装置、及び、画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161101

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161031

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161222

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20161222

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170228

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170525

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20170606

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170704

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170717

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6186809

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151