[go: up one dir, main page]

JP6186318B2 - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

無段変速機の変速制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6186318B2
JP6186318B2 JP2014155035A JP2014155035A JP6186318B2 JP 6186318 B2 JP6186318 B2 JP 6186318B2 JP 2014155035 A JP2014155035 A JP 2014155035A JP 2014155035 A JP2014155035 A JP 2014155035A JP 6186318 B2 JP6186318 B2 JP 6186318B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
eccentricity
output shaft
vehicle
amount
torque
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014155035A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016031134A (ja
Inventor
庸浩 小林
庸浩 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2014155035A priority Critical patent/JP6186318B2/ja
Priority to CN201510441151.5A priority patent/CN105317953B/zh
Publication of JP2016031134A publication Critical patent/JP2016031134A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6186318B2 publication Critical patent/JP6186318B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H21/00Gearings comprising primarily only links or levers, with or without slides
    • F16H21/10Gearings comprising primarily only links or levers, with or without slides all movement being in, or parallel to, a single plane
    • F16H21/12Gearings comprising primarily only links or levers, with or without slides all movement being in, or parallel to, a single plane for conveying rotary motion
    • F16H21/14Gearings comprising primarily only links or levers, with or without slides all movement being in, or parallel to, a single plane for conveying rotary motion by means of cranks, eccentrics, or like members fixed to one rotary member and guided along tracks on the other
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H61/00Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
    • F16H61/26Generation or transmission of movements for final actuating mechanisms
    • F16H61/28Generation or transmission of movements for final actuating mechanisms with at least one movement of the final actuating mechanism being caused by a non-mechanical force, e.g. power-assisted
    • F16H61/32Electric motors actuators or related electrical control means therefor

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Transmission Devices (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

本発明は、クランク式の無段変速機の変速制御装置に関する。
例えば、特許文献1には、エンジンに接続された入力軸の回転をコネクティングロッドの往復運動に変換し、コネクティングロッドの往復運動をワンウェイクラッチによって出力軸の回転運動に変換する無段変速機が記載されている。
特開2012−1048号公報
図14は、特許文献1に記載された無段変速機の変速原理を例示する図である。特許文献1に記載された無段変速機は、クランク軸と同期している偏心ディスクとピ二オンシャフトの位相差を、回転半径(偏心量R1)=0から変化させて、ギヤドニュートラル(GN)における変速比∞からオーバードライブ(OD:最小変速比)までのレシオで変速可能である。当該無段変速機では、偏心ディスクとピ二オンシャフトの位相差を調節する変速アクチュエータ(モータ)の回転角によって回転半径(偏心量R1)が変更される。
無段変速機がギヤドニュートラル(GN)状態であるとき、エンジンの駆動力は出力軸に伝達されないため、当該無段変速機を搭載した車両は停止している。車両停止状態でアクセルペダル(AP)が踏まれると、偏心量R1が増加するよう変速アクチュエータが駆動され、無段変速機の出力軸におけるトルク(以下「出力軸トルク」という。)が所定値以上になると車両は発進する。
図15は、変速アクチュエータの回転角と、偏心量R1と、出力軸トルクの関係を例示的に示す図である。車両停止状態において、変速アクチュエータは、ギヤドニュートラル(GN)状態に対応する回転角(偏心量R1=0)で待機している。
この状態で、アクセルペダル(AP)が踏まれて(APオン:時刻t0)、偏心量R1を徐々に大きくしていく際、変速アクチュエータを構成するギヤにガタ(バックラッシュ)があるため、変速アクチュエータが回転しても、実際の偏心量R1が大きくなるまでにはタイムラグ(ガタ詰領域)がある。このため、時刻t0から時刻t1の範囲で、偏心量R1は増加しない。
バックラッシュが詰まり、時刻t1から実際の偏心量R1がゼロから徐々に大きくなると、それにつれて出力軸トルクも大きくなる。図15において、時刻t1を超えると偏心量R1は増加していき、これに応じて出力軸トルクも増加する。しかし、時刻t2までの出力軸トルクは車両(タイヤ)の静止摩擦力以下であるため、車両は動き出さない。
時刻t2で、車両(タイヤ)の静止摩擦力に打ち勝てるだけの出力軸トルクに到達すると、車両が動き出す。この時点でドライバ(運転者)は車両の発進駆動力を体感することができる。
このように、アクセルペダル(AP)が踏まれてから変速アクチュエータを回転させて、偏心量R1を大きくしていき、ドライバが車両の発進駆動力を体感できるまでには、変速アクチュエータのガタ(バックラッシュ)と、静止摩擦力の乗り越しという観点で発進時の応答性が低下する可能性がある。
車両停止状態において、待機制御値として、変速アクチュエータのガタ(バックラッシュ)を相殺する分だけ変速アクチュエータの回転角を回転させておくことで、バックラッシュによる応答性の低下を改善することができる。
また、車両停止状態において、待機制御値として、バックラッシュ分に加えて静止摩擦力とつりあう出力軸トルクを出力するように変速アクチュエータの回転角を事前に回転させておくことで、バックラッシュ及び静止摩擦力の乗り越しによる応答性の低下を改善することができる。
このため、車両停止状態において、バックラッシュ及び静止摩擦力の乗り越しによる応答性の低下を改善するためには、変速アクチュエータを事前に回転させておくことによって偏心量R1をどの値に設定しておけば良いかを知る必要がある。すなわち、停止状態の車両が発進する直前の偏心量R1の値を取得すれば、発進時の応答性の低下を改善できる。
本発明の目的は、停止状態の車両が発進する直前の偏心量の値を取得可能な無段変速機の変速制御装置を提供することである。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、
車両に搭載された駆動源(例えば、後述の実施形態での内燃機関E)からの駆動力が伝達される入力軸(例えば、後述の実施形態での入力軸2)と、
前記入力軸と平行に配置された出力軸(例えば、後述の実施形態での出力軸3)と、
前記入力軸を中心として回転可能であり前記入力軸の軸線(例えば、後述の実施形態での回転中心軸線P1)からの偏心量が可変である偏心機構(例えば、後述の実施形態での偏心量調節機構4)と、前記出力軸に軸支された揺動リンク(例えば、後述の実施形態での揺動リンク18)と、を有し、前記入力軸の回転運動を前記揺動リンクの揺動運動に変換するてこクランク機構(例えば、後述の実施形態でのてこクランク機構20)と、
前記揺動リンクが前記出力軸を中心として一方側に回転しようとするときに前記出力軸に対して前記揺動リンクを固定し、他方側に回転しようとするときに前記出力軸に対して前記揺動リンクを空転させる一方向回転阻止機構(例えば、後述の実施形態での一方向クラッチ17)と、を備える無段変速機(例えば、後述の実施形態での無段変速機1)の変速制御装置であって、
前記偏心機構における前記偏心量を制御する偏心量制御部(例えば、後述の実施形態での偏心量制御部103)と、
前記出力軸に伝達されるトルクを示す出力軸トルク情報を取得する出力軸トルク情報取得部(例えば、後述の実施形態での出力軸トルク情報取得部105)と、
前記駆動源は駆動力を出力しているが前記車両が停止しているとき、前記偏心量制御部により前記偏心量が増加するよう制御され、前記出力軸トルク情報の示すトルクが目標値以上となったときの前記偏心量を、前記車両が発進する直前の発進前偏心量に設定する発進前偏心量設定部(例えば、後述の実施形態での発進前偏心量設定部109)と、を備え、
前記目標値は、停止状態の前記車両が発進する直前の前記出力軸に伝達されるトルクとして予め設定された値である。
請求項2に記載の発明は、
車両に搭載された駆動源(例えば、後述の実施形態での内燃機関E)からの駆動力が伝達される入力軸(例えば、後述の実施形態での入力軸2)と、
前記入力軸と平行に配置された出力軸(例えば、後述の実施形態での出力軸3)と、
前記入力軸を中心として回転可能であり前記入力軸の軸線(例えば、後述の実施形態での回転中心軸線P1)からの偏心量が可変である偏心機構(例えば、後述の実施形態での偏心量調節機構4)と、前記出力軸に軸支された揺動リンク(例えば、後述の実施形態での揺動リンク18)と、を有し、前記入力軸の回転運動を前記揺動リンクの揺動運動に変換するてこクランク機構(例えば、後述の実施形態でのてこクランク機構20)と、
前記揺動リンクが前記出力軸を中心として一方側に回転しようとするときに前記出力軸に対して前記揺動リンクを固定し、他方側に回転しようとするときに前記出力軸に対して前記揺動リンクを空転させる一方向回転阻止機構(例えば、後述の実施形態での一方向クラッチ17)と、を備え、
前記てこクランク機構を複数備え、前記複数のてこクランク機構の各偏心機構は、前記入力軸の周方向における所定角度毎に偏心して配置された無段変速機(例えば、後述の実施形態での無段変速機1)の変速制御装置であって、
前記複数のてこクランク機構の前記偏心機構における前記偏心量を制御する偏心量制御部(例えば、後述の実施形態での偏心量制御部103)と、
前記出力軸に伝達されるトルクを示す出力軸トルク情報を取得する出力軸トルク情報取得部(例えば、後述の実施形態での出力軸トルク情報取得部105)と、
前記出力軸トルク情報が示すトルクの単位時間当たりの平均値を算出する平均値算出部(例えば、後述の実施形態での平均値算出部107)と、
前記駆動源は駆動力を出力しているが前記車両が停止しているとき、前記偏心量制御部により前記偏心量が増加するよう制御され、前記平均値算出部によって算出された平均値が目標値以上となったときの前記偏心量を、前記車両が発進する直前の発進前偏心量に設定する発進前偏心量設定部(例えば、後述の実施形態での発進前偏心量設定部109)と、を備え、
前記目標値は、停止状態の前記車両が発進する直前の前記出力軸に伝達される単位時間当たりのトルクとして予め設定された値である。
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、
前記駆動源は駆動力を出力しているが前記車両が停止しているときに、前記偏心量制御部により前記偏心量が増加するよう制御されたが、当該制御中に前記偏心量が少なくとも一度低下した場合、前記発進前偏心量設定部は前記発進前偏心量の設定を行わない。
請求項に記載の発明では、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明において、
前記偏心量制御部は、前記偏心量が所定時間毎に段階的に増加し、前記所定時間中の前記偏心量が一定とするよう制御する。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、
前記所定時間毎の前記偏心量の増加量は、前記出力軸トルク情報の示すトルク又は前記出力軸トルク情報が示すトルクの単位時間当たりの平均値前記目標値との差分が小さいほど小さい。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の発明において、
前記発進前偏心量設定部によって前記発進前偏心量が設定された後、前記偏心量制御部は、前記車両が停止中の前記偏心量が前記発進前偏心量となるよう制御する。
請求項1の発明によれば、所定値は、停止状態の車両が発進する直前のトルクを示す値であるため、車両が停止中の静止摩擦力に打ち勝つ直前のトルクを出力する際の偏心量の値を発進前偏心量として取得できる。
請求項2の発明によれば、単位時間当たりの平均値を算出することによって出力軸に伝達されるトルクの脈動が抑制された値が得られる。
請求項の発明によれば、偏心量制御部による制御中に偏心量が外因等によって低下しても、出力軸にはトルクの増加傾向が残る。このため、低下後に再び偏心量を増加しても、出力軸トルク情報の示すトルクが所定値以上となったときの偏心量には誤差が含まれる。したがって、当該誤差を含む偏心量は、発進前偏心量に設定されない。
請求項の発明によれば、偏心量を所定時間毎に段階的に増加させ、所定時間中の偏心量を一定とするよう制御することによって、偏心量に応じた出力軸に伝達されるトルクが安定するまでの時間を確保できる。その結果、出力軸トルク情報の示すトルクが所定値以上となるときの偏心量のオーバーシュートを防止できる。
請求項の発明によれば、偏心量の増加量は最初は大きく徐々に小さくなるため、発進前偏心量のオーバーシュートを防止できる。
請求項6の発明によれば、発進直前での偏心量として発進前偏心量が設定されるため、発進時の応答性が向上する。すなわち、車両が停止状態のときにアクセルペダルが踏まれて実際に発進するまでの間にタイムラグが発生しない。
本実施形態の無段変速機を含む車両の内部構成を示すブロック図である。 本実施形態の無段変速機の構造を示す断面図である。 図2の無段変速機の偏心量調節機構、コネクティングロッド及び揺動リンクを軸方向から見た図である。 図2の無段変速機の偏心量調節機構による偏心量の変化を示す図である。 本実施形態の偏心量調節機構による偏心量の変化と、揺動リンクの揺動運動の揺動角度範囲の関係を示す図である。 図2の無段変速機の回転半径調節機構の回転半径の変化に対する揺動リンクの角速度の変化を示すグラフである。 図2の無段変速機のてこクランク機構によって出力軸が回転される状態を示すグラフである。 偏心量R1を0から増加させた場合の出力軸トルクの変化の一例を示すグラフである。 車両が発進しない程度の任意の偏心量に制御されているときの6つのてこクランク機構における各揺動リンクの揺動角及びトルク伝達状態、並びに、偏心量が低下した際の各揺動リンクの揺動角及びトルク伝達状態を示す図である。 マネジメントECUの内部構成を示すブロック図である。 本実施形態の偏心量制御部による偏心量R1の指示値R1_cmdと出力軸トルクの各時間変化の一例を示すグラフである。 偏心量制御部による所定時間tp毎の指示値R1_cmdの増加量と、一定時間Tcでの出力軸トルクと目標値との差分Dとの関係を示すグラフである。 マネジメントECUの動作を示すフローチャートである。 特許文献1に記載された無段変速機の変速原理を例示する図である。 変速アクチュエータの回転角と、偏心量と、出力軸トルクの関係を例示的に示す図である。
以下、本発明の実施形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
図1は、本実施形態の無段変速機を含む車両の内部構成を示すブロック図である。図1に示す車両に搭載された無段変速機1は、内燃機関Eからの駆動力を左右の車軸Sを介して駆動輪W,Wに伝達する。車両は、さらに、アクチュエータ14と、動力伝達切換機構SCと、デファレンシャルギヤDと、マネジメントECU31と、出力軸トルクセンサ33とを備える。なお、図1中の点線の矢印は値データを示し、実線の矢印は指示内容を含む制御信号を示す。
アクチュエータ14は、無段変速機1の偏心機構を駆動して無段変速機1の変速比(レシオ)を変更する電動機であり、回転軸がマネジメントECU31から指示された動作角度となるよう動作する。動力伝達切換機構SCは、車両のシフトポジションを、パーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジ及びドライブレンジのいずれかに切り換え可能である。なお、ニュートラルレンジが選択されているときの無段変速機1と駆動輪W,Wとの間の動力伝達経路は遮断されている。デファレンシャルギヤDは、左右の駆動輪W,Wの回転差を吸収する。
マネジメントECU31は、アクチュエータ14、内燃機関E及び動力伝達切換機構SC等の制御を行う。上述したように、アクチュエータ14の動作角度によって無段変速機1の変速比が変更されるため、マネジメントECU31がアクチュエータ14を制御することによって、無段変速機Tの変速比が制御される。出力軸トルクセンサ33は、無段変速機1の出力軸に伝達されるトルクを計測する。
<無段変速機の構造>
図2および図3を参照して、本実施形態の無段変速機1の構造について説明する。本実施形態の無段変速機1は、変速比i(i=入力軸の回転速度/出力軸の回転速度)を無限大(∞)にして出力軸の回転速度を「0」にできる変速機、いわゆるIVT(Infinity Variable Transmission)の一種である。
本実施形態の無段変速機1は、入力軸2と、出力軸3と、6つの偏心量調節機構4とを備える。出力軸3は中空構造を有しており、出力軸3内を貫通して配置されているドライブシャフトSが車両の左右の車輪W(駆動輪)と接続している。動力伝達切換機構SCおよびデファレンシャルギヤDが出力軸3の右端側に配置されている。
入力軸2は中空の部材からなり、内燃機関Eからの駆動力を受けて回転中心軸線P1を中心として回転駆動される。
出力軸3は、入力軸2とは水平方向に離れた位置に入力軸2に平行に配置され、動力伝達切換機構SCおよびデファレンシャルギヤD等を介して自動車のドライブシャフトSに駆動力を伝達する。
偏心量調節機構4はそれぞれ駆動力入力部であり、入力軸2の回転中心軸線P1を中心として回転するように設けられ、カム部としてのカムディスク5と、偏心部材としての偏心ディスク6と、ピニオンシャフト7とを有する。
カムディスク5は、円盤形状であり、入力軸2の回転中心軸線P1から偏心して入力軸2と一体的に回転するように入力軸2に2個1組で設けられている。各1組のカムディスク5は、それぞれ位相を60°異なるように設定され、6組のカムディスク5で入力軸2の周方向を一回りするように配置されている。
偏心ディスク6は、円盤形状であり、その中心P3から偏心した位置に受入孔6aが設けられ、その受入孔6aを挟むように、1組のカムディスク5が回転可能に支持されている。
偏心ディスク6の受入孔6aは、その中心が、入力軸2の回転中心軸線P1からカムディスク5の中心P2(受入孔6aの中心)までの距離Raとカムディスク5の中心P2から偏心ディスク6の中心P3までの距離Rbとが同一となるように形成されている。また、偏心ディスク6の受入孔6aには、1組のカムディスク5に挟まれた内周面に、内歯6bが形成されている。
ピニオンシャフト7は、入力軸2の中空部内に、入力軸2と同心に配置され、ピニオン軸受7bを介して入力軸2の内周面に相対回転可能に支持されている。また、ピニオンシャフト7の外周面には、外歯7aが設けられている。さらに、ピニオンシャフト7には、差動機構8が接続されている。
入力軸2における1組のカムディスク5の間には、カムディスク5の偏心方向に対向する箇所に内周面と外周面とを連通させる切欠孔2aが形成されており、この切欠孔2aを介して、ピニオンシャフト7の外歯7aは、偏心ディスク6の受入孔6aの内歯6bと噛合している。
差動機構8は、遊星歯車機構であり、サンギヤ9と、入力軸2に連結された第1リングギヤ10と、ピニオンシャフト7に連結された第2リングギヤ11と、サンギヤ9及び第1リングギヤ10と噛合する大径部12aと、第2リングギヤ11と噛合する小径部12bとからなる段付きピニオン12を自転及び公転可能に軸支するキャリア13とを有している。また、差動機構8のサンギヤ9は、ピニオンシャフト7の駆動用のアクチュエータ14(偏心量調節用駆動源)の回転軸14aに連結されている。
そして、このアクチュエータ14の回転速度を入力軸2の回転速度と同一にした場合、サンギヤ9と第1リングギヤ10とが同一速度で回転することとなり、サンギヤ9、第1リングギヤ10、第2リングギヤ11及びキャリア13の4つの要素が相対回転不能なロック状態となって、第2リングギヤ11と連結するピニオンシャフト7が入力軸2と同一速度で回転する。
また、アクチュエータ14の回転速度を入力軸2の回転速度よりも遅くした場合、サンギヤ9の回転数をNs、第1リングギヤ10の回転数をNR1、サンギヤ9と第1リングギヤ10のギヤ比(第1リングギヤ10の歯数/サンギヤ9の歯数)をjとすると、キャリア13の回転数が(j・NR1+Ns)/(j+1)となる。また、サンギヤ9と第2リングギヤ11のギヤ比((第2リングギヤ11の歯数/サンギヤ9の歯数)×(段付きピニオン12の大径部12aの歯数/小径部12bの歯数))をkとすると、第2リングギヤ11の回転数が{j(k+1)NR1+(k−j)Ns}/{k(j+1)}となる。
したがって、アクチュエータ14の回転速度を入力軸2の回転速度よりも遅くした場合であって、カムディスク5が固定された入力軸2の回転速度とピニオンシャフト7の回転速度とが同一である場合には、偏心ディスク6はカムディスク5と共に一体に回転する。一方で、入力軸2の回転速度とピニオンシャフト7の回転速度とに差がある場合には、偏心ディスク6はカムディスク5の中心P2を中心にカムディスク5の周縁を回転する。
図3に示すように、偏心ディスク6は、カムディスク5に対して、P1からP2までの距離RaとP2からP3までの距離Rbとが同一となるように偏心されている。そのため、偏心ディスク6の中心P3を入力軸2の回転中心軸線P1と同一線上に位置させて、入力軸2の回転中心軸線P1と偏心ディスク6の中心P3との距離、すなわち、偏心量R1を「0」にすることもできる。
偏心ディスク6の外縁部には、コネクティングロッド15が回転可能に支持されている。コネクティングロッド15は、一方の端部に大径の大径環状部15aを有し、他方の端部に小径の小径環状部15bを有している。コネクティングロッド15の大径環状部15aは、コンロッド軸受16を介して偏心ディスク6の外縁部に支持されている。
出力軸3には、一方向回転阻止機構としての一方向クラッチ17(ワンウェイクラッチ)を介して、揺動リンク18が連結されている。一方向クラッチ17は、出力軸3の回転中心軸線P4を中心として一方側に回転しようとする場合に出力軸3に対して揺動リンク18を固定し、他方側に回転しようとする場合に出力軸3に対して揺動リンク18を空転させる。
揺動リンク18には、揺動端部18aが設けられ、揺動端部18aには、小径環状部15bを軸方向で挟み込むことができるように形成された一対の突片18bが設けられている。一対の突片18bには、小径環状部15bの内径に対応する貫通孔18cが穿設されている。貫通孔18c及び小径環状部15bに連結ピン19が挿入されることによって、コネクティングロッド15と揺動リンク18とが連結されている。また、揺動リンク18には、環状部18dが設けられている。
次に、図3〜図5を参照して、本実施形態の無段変速機1のてこクランク機構について説明する。
図3に示すように、本実施形態の無段変速機1において、偏心量調節機構4と、コネクティングロッド15と、揺動リンク18とが、てこクランク機構20(四節リンク機構)を構成している。
てこクランク機構20によって、入力軸2の回転運動は、出力軸3の回転中心軸線P4を中心とする揺動リンク18の揺動運動に変換される。本実施形態の無段変速機1は、図2に示すように、合計6個のてこクランク機構20を備えている。
てこクランク機構20では、偏心量調節機構4の偏心量R1が「0」でない場合に、入力軸2とピニオンシャフト7を同一速度で回転させると、各コネクティングロッド15が60度ずつ位相を変えながら、入力軸2と出力軸3との間で出力軸3側に押したり、入力軸2側に引いたりを交互に繰り返して、揺動リンク18を揺動させる。
そして、揺動リンク18と出力軸3との間には一方向クラッチ17が設けられているので、揺動リンク18が押された場合には、揺動リンク18が固定されて出力軸3に揺動リンク18の揺動運動によるトルクが伝達されて出力軸3が回転し、揺動リンク18が引かれた場合には、揺動リンク18が空回りして出力軸3に揺動リンク18の揺動運動によるトルクが伝達されない。6つの偏心量調節機構4は、それぞれ60度ずつ位相を変えて配置されているので、出力軸3は6つの偏心量調節機構4により順に回転駆動される。
また、本実施形態の無段変速機1では、図4に示すように、偏心量調節機構4によって偏心量R1が調節可能である。
図4(a)は、偏心量R1を「最大」とした状態を示し、入力軸2の回転中心軸線P1とカムディスク5の中心P2と偏心ディスク6の中心P3とが一直線に並ぶように、ピニオンシャフト7と偏心ディスク6とが位置する。この場合の変速比iは最小となる。図4(b)は、偏心量R1を図4(a)よりも小さい「中」とした状態を示し、図4(c)は、偏心量R1を図4(b)よりも更に小さい「小」とした状態を示している。変速比iは、図4(b)では図4(a)の変速比iよりも大きい「中」となり、図4(c)では図4(b)の変速比iよりも大きい「大」とした状態を示している。図4(d)は、偏心量R1を「0」とした状態を示し、入力軸2の回転中心軸線P1と、偏心ディスク6の中心P3とが同心に位置する。この場合の変速比iは無限大(∞)となる。
図5は、本実施形態の偏心量調節機構4による偏心量R1の変化と、揺動リンク18の揺動運動の揺動角度範囲の関係を示している。
図5(a)は偏心量R1が図4(a)の「最大」である場合(変速比iが最小である場合)、図5(b)は偏心量R1が図4(b)の「中」である場合(変速比iが中である場合)、図5(c)は偏心量R1が図4(c)の「小」である場合(変速比iが大である場合)の、偏心量調節機構4の回転運動に対する揺動リンク18の揺動範囲θ2を示している。ここで、出力軸3の回転中心軸線P4からコネクティングロッド15と揺動端部18aの連結点、すなわち、連結ピン19の中心P5までの距離が、揺動リンク18の長さR2である。
図5から明らかなように、偏心量R1が小さくなるのに伴い、揺動リンク18の揺動角度範囲θ2が狭くなり、偏心量R1が「0」になった場合には、揺動リンク18は揺動しなくなる。
図6は、無段変速機1の偏心量調節機構4の位相θ1を横軸、揺動リンク18の角速度ωを縦軸として、偏心量調節機構4の偏心量R1の変化に伴う角速度ωの変化の関係を示す図である。図6から明らかなように、偏心量R1が大きい(変速比iが小さい)ほど揺動リンク18の角速度ωが大きくなることが分かる。図7は、6つの偏心量調節機構4を回転させた場合(入力軸2とピニオンシャフト7とを同一速度で回転させた場合)の偏心量調節機構4の位相θ1に対する、各揺動リンク18の角速度ωを示す図である。図7から、6つのてこクランク機構20によって出力軸3がスムーズに回転されることが分かる。
<発進前偏心量の取得>
本実施形態では、上記説明した無段変速機1を搭載した車両の発進時の応答性を向上するために、停止状態の車両が発進する直前の偏心量(発進前偏心量)R1sを取得する。車両が停止中に偏心量R1が発進前偏心量R1sとなるよう制御すれば、アクセルペダルが踏まれて実際に発進するまでの間にタイムラグが発生しないため、発進時の応答性が向上する。
発進前偏心量R1sを取得する手法の一つに、車両が停止状態から実際に動き出した時の偏心量R1を計測する方法がある。当該方法によれば、図8の(a)側のグラフに示すように、車両が停止中に偏心量R1を0から単調に増加させて、車両が実際に動き出した時の偏心量R1を計測できれば良いが、図8の(b)側のグラフに示すように、偏心量R1の増加制御中に外因等によって偏心量R1が低下した際には、正確な発進前偏心量R1sを取得することができない。これは、偏心量R1の増加制御中に偏心量R1が低下しても、無段変速機1の出力軸3にはトルク(出力軸トルク)の増加傾向が残るためである。図8に示す(b)側のグラフでは、偏心量R1の増加制御中に偏心量R1が2回低下しているが、出力軸トルクは、(a)側のグラフと変わらず、増加し続けている。
図9は、車両が発進しない程度の任意の偏心量に制御されているときの6つのてこクランク機構における各揺動リンクの揺動角及びトルク伝達状態、並びに、偏心量が低下した際の各揺動リンクの揺動角及びトルク伝達状態を示す図である。図9の(a)側のグラフに示す例では、揺動リンク#1,#3,#5は、出力軸3に対して実線の矢印で示すトルク伝達方向に回転するため、一方向クラッチ17を介して出力軸3に固定されてトルクを出力軸3に伝達する。一方、揺動リンク#2,#4,#6は、出力軸3に対して破線の矢印で示すトルク解放方向に回転するため、出力軸3に対して空転する。偏心量R1が増加制御されているとき外因等によって偏心量R1が低下して揺動リンク18の揺動範囲θ2が狭くなっても、揺動リンク#1,#3,#5が出力軸3に伝達しているトルクの増加傾向は、一方向クラッチ17が各揺動リンクに強く係合しているため、すぐには変わらない。特に揺動リンク#1で最も強く係合しているため、揺動リンク#1から出力軸3に伝達されるトルクの増加傾向が残りやすい。このため、図9の(b)側のグラフに示すように、偏心量R1が低下して揺動範囲θ2は狭くなるが、揺動リンク#1,#3,#5から出力軸3に伝達されるトルクの増加傾向は変わらず、図8に示したように出力軸トルクは増加し続ける。
このように、車両が停止中に偏心量R1を0から単調に増加させて、車両が実際に動き出した時の偏心量R1を計測する上記方法では、偏心量R1の増加制御中に外因等によって偏心量R1が低下した際には、正確な発進前偏心量R1sを取得することができない。したがって、本実施形態では、以下説明する技術によって発進前偏心量R1sを取得する。
図1に示すように、無段変速機1の出力軸3には、出力軸トルクセンサ33が設けられる。出力軸トルクセンサ33は、出力軸3の捩れ量を検出するピックアップセンサ等であり、捩れ量に応じた出力軸トルクを計測する。なお、出力軸トルクセンサ33は、揺動リンク18の拡管量を検出して、この拡管量に応じた出力軸トルクを計測しても良い。「拡管」とは、一方向クラッチ17によって揺動リンク18が出力軸3に対して固定されトルクが出力軸3に伝達されるとき、揺動リンク18は一方向クラッチ17によって内径側から押されて、その外径が微小に増加することをいう。また、「拡管量」は、拡管時の揺動リンク18の外径の増大量をいう。
出力軸トルクセンサ33が計測した値を示す信号(出力軸トルク情報)は、図1に示したマネジメントECU31に入力される。また、マネジメントECU31には、ブレーキペダル踏力(BRK踏力)を示す信号も入力される。
図10は、マネジメントECU31の内部構成を示すブロック図である。図10に示すように、マネジメントECU31は、動作開始決定部101と、偏心量制御部103と、出力軸トルク情報取得部105と、平均値算出部107と、発進前偏心量設定部109とを有する。
動作開始決定部101は、まず、車両が所定の条件を満たすか否かを判断する。所定の条件とは、シフトポジションがドライブレンジ(Dレンジ)であり、かつ、BRK踏力が0でない状態である。すなわち、シフトポジションはDレンジに設定されているが、運転者によってブレーキペダルが踏まれているために車両が停止した状態が所定の条件である。なお、シフトポジションがDレンジであるとき、内燃機関Eは当然ながら駆動している。また、所定の条件の他の例として、無段変速機1の出力軸3にブレーキ構造が設けられている場合には、シフトポジションがパーキングレンジ(Pレンジ)又はニュートラルレンジ(Nレンジ)のとき、駆動輪W,Wと無段変速機1とが切断され、かつ、内燃機関Eは駆動しているが出力軸3にブレーキがかけられている状態を、前記所定の条件としても良い。
動作開始決定部101は、車両が所定の条件を満たすと判断すれば、続いて、無段変速機1がギヤドニュートラル(GN)状態であるか否かを判断する。動作開始決定部101は、偏心量制御部103がアクチュエータ14に送る偏心量R1の指示値が0であれば、無段変速機1がGN状態であると判断する。動作開始決定部101は、車両が所定の条件を満たし、かつ、無段変速機1がGN状態であると判断すれば、発進前偏心量R1sを取得するための動作開始を決定する。
動作開始決定部101が発進前偏心量R1sを取得するための動作開始を決定すると、偏心量制御部103、出力軸トルク情報取得部105、平均値算出部107及び発進前偏心量設定部109は、以下の動作を行う。偏心量制御部103は、無段変速機1における偏心量調節機構4の偏心量R1が所望の値となるよう、アクチュエータ14に偏心量R1の指示値R1_cmdを出力する。出力軸トルク情報取得部105は、出力軸トルクセンサ33が計測した値を示す信号(出力軸トルク情報)を取得する。平均値算出部107は、出力軸トルク情報の示すトルク(出力軸トルク)の単位時間当たりの平均値(以下「出力軸トルク平均値」という。)を算出する。出力軸トルクの単位時間当たりの平均値を算出することによってトルクの脈動が抑制された値が得られる。
発進前偏心量設定部109は、偏心量制御部による偏心量R1の制御の結果、出力軸トルク平均値が目標値以上となったときの偏心量R1の指示値R1_cmdを、車両が発進する直前の発進前偏心量R1sに設定する。目標値は、停止状態の車両が発進する直前の出力軸トルク平均値として予め設定された値である。発進前偏心量R1sが設定された後、偏心量制御部103は、車両が停止中の偏心量R1が発進前偏心量R1sとなるよう制御する。
図11は、本実施形態の偏心量制御部103による偏心量R1の指示値R1_cmdと出力軸トルクの各時間変化の一例を示すグラフである。図11では、出力軸トルク平均値は一点鎖線で示されている。図11に示すように、偏心量制御部103は、指示値R1_cmdを所定時間tp毎に段階的に増加させ、所定時間tp中の指示値R1_cmdの値を一定とするよう制御する。なお、アクチュエータ14が高い値の指示値R1_cmdを受け取っても、当該指示値R1_cmdの偏心量R1に応じた出力軸トルクが発生するまでには時間(出力軸トルクの過渡応答時間)を要する。このため、所定時間tpは、考えられる最長の出力軸トルクの過渡応答時間と、一定時間Tcとを含む時間に設定されている。なお、一定時間Tcは、所定時間tpの最後尾の時間帯である。このように、所定時間tp中の指示値R1_cmdの値を一定とすることで、偏心量R1に応じた出力軸3に伝達されるトルクが安定するまでの時間を確保できる。その結果、出力軸トルクの平均値が目標値以上となるときの偏心量のオーバーシュートを防止できる。
また、偏心量制御部103による所定時間tp毎の指示値R1_cmdの増加量は、図12に示すように、一定時間Tcでの出力軸トルク平均値と目標値との差分Dが小さいほど小さく設定されている。例えば、図11に示す時刻t1直前の一定時間Tcでの出力軸トルク平均値と目標値との差分D1に応じた指示値R1_cmdの増加量Δ1に対して、時刻t2直前の一定時間Tcでの出力軸トルク平均値と目標値との差分D2は差分D1よりも小さいため、指示値R1_cmdの増加量Δ2は増加量Δ1よりも小さい。当該設定によって、指示値R1_cmdの増加量は最初は大きく徐々に小さくなるため、発進前偏心量R1sのオーバーシュートを防止できる。
偏心量制御部103が上記説明した制御中に外因等により偏心量R1が一度でも低下した場合、出力軸3にはトルクの増加傾向が残るため、出力軸トルクの平均値が目標値以上となったときの偏心量R1の指示値R1_cmdには誤差が含まれる。このため、発進前偏心量設定部109は、当該誤差を含む指示値R1_cmdを発進前偏心量R1sとして設定しない。
図13は、マネジメントECU31の動作を示すフローチャートである。図13に示すように、マネジメントECU31の動作開始決定部101は、車両が所定の条件を満たすか否かを判断する(ステップS101)。所定の条件とは、シフトポジションがドライブレンジ(Dレンジ)であり、かつ、BRK踏力が0でない状態である。ステップS101において、所定の条件を満たす場合はステップS103に進み、所定の条件を満たさない場合は処理を終了する。ステップS103では、動作開始決定部101は、無段変速機1がギヤドニュートラル(GN)状態であるか否かを判断する。ステップS103において、無段変速機1がGN状態であればステップS105に進み、GN状態でなければ処理を終了する。
ステップS105では、偏心量制御部103は、偏心量R1の指示値R1_cmdを所定時間毎に段階的に増加させ、所定時間中の指示値R1_cmdの値を一定とするよう制御する。このとき、偏心量R1が低下した場合(ステップS107:NO)には処理を終了する。ステップS109では、発進前偏心量設定部109は、出力軸トルク平均値が目標値以上であるかを判断し、目標値以上であればステップS111に進み、目標値未満であればステップS105に戻る。ステップS111では、発進前偏心量設定部109は、出力軸トルク平均値が目標値以上である時の指示値R1_cmdを発進前偏心量R1sに設定する。
以上説明したように、本実施形態では、内燃機関Eが駆動している状態でシフトポジションはDレンジに設定されているが、運転者によってブレーキペダルが踏まれているために車両が停止しているときに、無段変速機1がギヤドニュートラル(GN)状態であれば、偏心量制御部103は、無段変速機1における偏心量R1の指示値R1_cmdを所定時間毎に段階的に増加させるよう制御して、発進前偏心量設定部109は、出力軸トルクが目標値以上となったときの指示値R1_cmdを、車両が発進する直前の発進前偏心量R1sに設定する。目標値は、停止状態の車両が発進する直前の出力軸トルクとして予め設定された値であるため、車両が停止中の静止摩擦力に打ち勝つ直前の出力軸トルクを出力する際の偏心量R1の値を発進前偏心量R1sとして取得できる。
また、発進前偏心量R1sが設定された後、偏心量制御部103は、車両が停止中の偏心量R1が発進前偏心量R1sとなるよう制御する。このため、発進時の応答性が向上する。すなわち、車両が停止状態のときにアクセルペダルが踏まれて実際に発進するまでの間にタイムラグが発生しない。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
1 無段変速機
2 入力軸
2a 切欠孔
3 出力軸
4 回転半径調節機構
5 カムディスク
6 回転ディスク
6a 受入孔
6b 内歯
7 ピニオンシャフト
7a 外歯
8 差動機構
9 サンギヤ
10 第1リングギヤ
11 第2リングギヤ
12 段付きピニオン
12a 大径部
12b 小径部
13 キャリア
14 アクチュエータ
14a 回転軸
15 コネクティングロッド
15a 大径環状部
15b 小径環状部
16 コンロッド軸受
17 一方向クラッチ
18 揺動リンク
18a 揺動端部
18b 突片
18c 貫通孔
18d 環状部
19 連結ピン
20 てこクランク機構
31 マネジメントECU
33 出力軸トルクセンサ
101 動作開始決定部
103 偏心量制御部
105 出力軸トルク情報取得部
107 平均値算出部
109 発進前偏心量設定部
D デファレンシャルギヤ
P1 入力軸2の回転中心軸線
P2 カムディスク5の中心
P3 回転ディスク6の中心
P4 出力軸3の回転中心軸線
P5 連結ピン19の中心
Ra P1とP2の距離
Rb P2とP3の距96E2
R1 P1とP3の距離(偏心量,回転半径調節機構4の回転半径)
R2 P4とP5の距離(揺動リンク18の長さ)
S ドライブシャフト
SC 動力伝達切換機構
W 駆動輪
θ1 回転半径調節機構4の位相
θ2 揺動リンク18の揺動範囲

Claims (6)

  1. 車両に搭載された駆動源からの駆動力が伝達される入力軸と、
    前記入力軸と平行に配置された出力軸と、
    前記入力軸を中心として回転可能であり前記入力軸の軸線からの偏心量が可変である偏心機構と、前記出力軸に軸支された揺動リンクと、を有し、前記入力軸の回転運動を前記揺動リンクの揺動運動に変換するてこクランク機構と、
    前記揺動リンクが前記出力軸を中心として一方側に回転しようとするときに前記出力軸に対して前記揺動リンクを固定し、他方側に回転しようとするときに前記出力軸に対して前記揺動リンクを空転させる一方向回転阻止機構と、を備える無段変速機の変速制御装置であって、
    前記偏心機構における前記偏心量を制御する偏心量制御部と、
    前記出力軸に伝達されるトルクを示す出力軸トルク情報を取得する出力軸トルク情報取得部と、
    前記駆動源は駆動力を出力しているが前記車両が停止しているとき、前記偏心量制御部により前記偏心量が増加するよう制御され、前記出力軸トルク情報の示すトルクが目標値以上となったときの前記偏心量を、前記車両が発進する直前の発進前偏心量に設定する発進前偏心量設定部と、を備え、
    前記目標値は、停止状態の前記車両が発進する直前の前記出力軸に伝達されるトルクとして予め設定された値である、無段変速機の変速制御装置。
  2. 車両に搭載された駆動源からの駆動力が伝達される入力軸と、
    前記入力軸と平行に配置された出力軸と、
    前記入力軸を中心として回転可能であり前記入力軸の軸線からの偏心量が可変である偏心機構と、前記出力軸に軸支された揺動リンクと、を有し、前記入力軸の回転運動を前記揺動リンクの揺動運動に変換するてこクランク機構と、
    前記揺動リンクが前記出力軸を中心として一方側に回転しようとするときに前記出力軸に対して前記揺動リンクを固定し、他方側に回転しようとするときに前記出力軸に対して前記揺動リンクを空転させる一方向回転阻止機構と、を備え、
    前記てこクランク機構を複数備え、前記複数のてこクランク機構の各偏心機構は、前記入力軸の周方向における所定角度毎に偏心して配置された無段変速機の変速制御装置であって、
    前記複数のてこクランク機構の前記偏心機構における前記偏心量を制御する偏心量制御部と、
    前記出力軸に伝達されるトルクを示す出力軸トルク情報を取得する出力軸トルク情報取得部と、
    前記出力軸トルク情報が示すトルクの単位時間当たりの平均値を算出する平均値算出部と、
    記駆動源は駆動力を出力しているが前記車両が停止しているとき、前記偏心量制御部により前記偏心量が増加するよう制御され、前記平均値算出部によって算出された平均値が目標値以上となったときの前記偏心量を、前記車両が発進する直前の発進前偏心量に設定する発進前偏心量設定部と、を備え、
    前記目標値は、停止状態の前記車両が発進する直前の前記出力軸に伝達される単位時間当たりのトルクとして予め設定された値である、無段変速機の変速制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載の無段変速機の変速制御装置であって、
    前記駆動源は駆動力を出力しているが前記車両が停止しているときに、前記偏心量制御部により前記偏心量が増加するよう制御されたが、当該制御中に前記偏心量が少なくとも一度低下した場合、前記発進前偏心量設定部は前記発進前偏心量の設定を行わない、無段変速機の変速制御装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の無段変速機の変速制御装置であって、
    前記偏心量制御部は、前記偏心量が所定時間毎に段階的に増加し、前記所定時間中の前記偏心量が一定とするよう制御する、無段変速機の変速制御装置。
  5. 請求項に記載の無段変速機の変速制御装置であって、
    前記所定時間毎の前記偏心量の増加量は、前記出力軸トルク情報の示すトルク又は前記出力軸トルク情報が示すトルクの単位時間当たりの平均値前記目標値との差分が小さいほど小さい、無段変速機の変速制御装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の無段変速機の変速制御装置であって、
    前記発進前偏心量設定部によって前記発進前偏心量が設定された後、前記偏心量制御部は、前記車両が停止中の前記偏心量が前記発進前偏心量となるよう制御する、無段変速機の変速制御装置。
JP2014155035A 2014-07-30 2014-07-30 無段変速機の変速制御装置 Expired - Fee Related JP6186318B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014155035A JP6186318B2 (ja) 2014-07-30 2014-07-30 無段変速機の変速制御装置
CN201510441151.5A CN105317953B (zh) 2014-07-30 2015-07-24 无级变速器的变速控制装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014155035A JP6186318B2 (ja) 2014-07-30 2014-07-30 無段変速機の変速制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016031134A JP2016031134A (ja) 2016-03-07
JP6186318B2 true JP6186318B2 (ja) 2017-08-23

Family

ID=55245990

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014155035A Expired - Fee Related JP6186318B2 (ja) 2014-07-30 2014-07-30 無段変速機の変速制御装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6186318B2 (ja)
CN (1) CN105317953B (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6090635B2 (ja) * 2014-11-14 2017-03-08 本田技研工業株式会社 車両用動力伝達装置
EP3735544B1 (de) * 2018-02-27 2021-04-14 FAHRNI, Dieter Gerhard Stufenloses getriebe und verfahren zum betreiben eines stufenlosen getriebes
CN117411381B (zh) * 2023-12-14 2024-03-26 威海天拓合创电子工程有限公司 一种基于实时数据监测的伺服电机输出精度控制方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4257019B2 (ja) * 2000-05-25 2009-04-22 本田技研工業株式会社 車両用自動変速機の制御装置
DE102009013997A1 (de) * 2008-03-28 2009-10-01 Luk Lamellen Und Kupplungsbau Beteiligungs Kg Verfahren zur Steuerung eines Kurbel-CVT Getriebes eines Fahrzeugs
JP5487165B2 (ja) * 2011-07-27 2014-05-07 本田技研工業株式会社 トルク推定装置及びトルク推定方法
JP5659120B2 (ja) * 2011-07-27 2015-01-28 本田技研工業株式会社 変速制御装置及び変速比制御方法
WO2013061465A1 (ja) * 2011-10-28 2013-05-02 トヨタ自動車株式会社 車両用無段変速機の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN105317953A (zh) 2016-02-10
CN105317953B (zh) 2018-01-05
JP2016031134A (ja) 2016-03-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6660876B2 (ja) 連続可変変速機
JP2012251618A (ja) 車両用動力伝達装置
JP2012251608A (ja) 無段変速機の制御装置
JP6186318B2 (ja) 無段変速機の変速制御装置
JP6783307B2 (ja) ねじりばねを有するトランスミッション、及びトランスミッションを操作するための方法
JP5982563B2 (ja) 無段変速機
JP2004169719A (ja) トロイダル型無段変速機及び無段変速装置
US20020111244A1 (en) Toroidal type continuously variable transmission and continuously variable transmission apparatus
JP5826146B2 (ja) 無段変速機の制御装置
JP2005207600A (ja) コーンリング式変速機
JP6014554B2 (ja) 動力伝達装置
JP6069521B2 (ja) 動力伝達装置
JP5836252B2 (ja) 無段変速機の制御装置
JP2016164446A (ja) 変速制御装置
JP6201062B2 (ja) 変速機
JP6163124B2 (ja) 無段変速機
JP6067884B2 (ja) 動力伝達装置
JP5844714B2 (ja) 四節リンク機構型無段変速機の制御装置
JP6134057B2 (ja) 変速制御装置
JP5982262B2 (ja) 無段変速機
JP2017032086A (ja) 無段変速機
JP6022407B2 (ja) 動力伝達装置
JP2010054003A (ja) ジャイロ歳差運動自動変速機
WO2014156334A1 (ja) 無段変速機
WO2015001857A1 (ja) 動力伝達装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170110

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20170120

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170216

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170704

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170731

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6186318

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees