[go: up one dir, main page]

JP6181003B2 - 膜分離活性汚泥処理装置及びその運転方法 - Google Patents

膜分離活性汚泥処理装置及びその運転方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6181003B2
JP6181003B2 JP2014123709A JP2014123709A JP6181003B2 JP 6181003 B2 JP6181003 B2 JP 6181003B2 JP 2014123709 A JP2014123709 A JP 2014123709A JP 2014123709 A JP2014123709 A JP 2014123709A JP 6181003 B2 JP6181003 B2 JP 6181003B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
biological reaction
tank
membrane separation
reaction tank
treated water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014123709A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016002514A (ja
Inventor
陽介 花本
陽介 花本
穣 森田
穣 森田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2014123709A priority Critical patent/JP6181003B2/ja
Publication of JP2016002514A publication Critical patent/JP2016002514A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6181003B2 publication Critical patent/JP6181003B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Landscapes

  • Aeration Devices For Treatment Of Activated Polluted Sludge (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Activated Sludge Processes (AREA)

Description

本発明は、膜分離活性汚泥法を利用して水処理を行う膜分離活性汚泥処理装置及びその運転方法に関する。
活性汚泥を用いた排水処理方法として、膜分離活性汚泥法が利用されている。膜分離活性汚泥法は、活性汚泥を用いて生物反応処理を行った後、その処理水を限外濾過膜、精密濾過膜等を用いた濾過処理に供することで活性汚泥を分離回収する処理方法である。膜分離活性汚泥法を利用して水処理を行う膜分離活性汚泥処理装置としては、無酸素条件下において脱窒処理を行う無酸素槽と、好気条件下において硝化処理、有機物処理、脱リン処理等を行う好気槽とを順に備えると共に、好気槽で処理された処理水と活性汚泥とを固液分離する膜分離器と、好気槽で処理された処理水の一部を無酸素槽に返流させる返流流路とを有する処理装置が知られている。
この種の膜分離活性汚泥処理装置では、排水処理方法の一種である嫌気好気法(AO法)に基いた生物反応処理が行われている。無酸素槽では、活性汚泥に含まれるポリリン酸蓄積細菌に、菌体内に蓄積しているリンをあらかじめ放出させる処理が行われ、好気槽では、ポリリン酸蓄積細菌に放出させた以上のリンを採り込ませて蓄積させる。その後、このようなポリリン酸蓄積細菌を余剰汚泥として引き抜くことで脱リン処理がなされている。また、好気槽では、活性汚泥による有機物の好気分解処理が行われると共に、活性汚泥に含まれる硝化菌の作用で、被処理水に含まれているアンモニア態窒素(NH−N)を硝酸態窒素(NO−N)にまで酸化する硝化処理も行われる。そして、硝酸態窒素を含む処理水が無酸素槽に返送され、無酸素槽において、活性汚泥に含まれる脱窒菌の作用で、硝酸態窒素を分子状窒素(N)にまで還元する脱窒処理が行われて窒素除去がなされている。
膜分離活性汚泥処理装置に備えられる膜分離器は、処理水に含まれる活性汚泥を分離回収する機能を有しており、活性汚泥濃度の向上や、これに伴う処理装置の簡略化、小型化を実現する手段として有効であるとされている。膜分離器には、分離膜の目詰まりを防止するために、分離膜を曝気洗浄する散気装置が併設されることが多く、このような膜分離器が設置された処理槽を好気槽として機能させる形態の膜分離活性汚泥処理装置の開発が進められている。
こうした形態の膜分離活性汚泥処理装置では、活性汚泥の分離回収に伴う活性汚泥濃度の上昇に起因して、微生物による溶存酸素消費量が増大したり、被処理水の粘度の増大によって水相への酸素移動速度が低下し、散気量に対する酸素溶解効率が悪化したりする。そのため、必要とされる溶存酸素濃度を維持するための散気量が増加する傾向があり、運転動力を抑制することは容易ではない。
そこで、運転動力の削減を可能とした膜分離活性汚泥処理装置が提案されている。例えば、特許文献1には、活性汚泥によって被処理水を処理する好気槽を複数に分割し、前記被処理水を好気的に処理する第一好気槽と、前記第一好気槽からの前記被処理水が流入し、前記活性汚泥を膜分離する膜ユニットを備えて、活性汚泥濃度が前記第一好気槽よりも高く設定された第二好気槽と、を備え、前記第二好気槽には、少なくとも前記第一好気槽よりも上流側に硝化液を循環させる循環ラインを設けたことを特徴とする膜分離活性汚泥処理装置が開示されている。
特開2012−076081号公報
図5は、比較例に係る膜分離活性汚泥処理装置の概略構成を示す図である。特許文献1に開示されるような従来の膜分離活性汚泥処理装置(比較例に係る膜分離活性汚泥処理装置)100は、撹拌手段32が設置された無酸素槽20Cと、微細気泡を散気する第1散気手段(22,24)が設置された第1好気槽30Cと、膜分離器41及び粗大気泡を散気する第2散気手段(42,44)が設置された第2好気槽40Cと、第2好気槽40Cにおける処理水を無酸素槽20Cに返流させる返流流路150Cとを備えている。
この膜分離活性汚泥処理装置100では、返流流路150Cによって、膜分離器41で濃縮された活性汚泥を処理水と共に無酸素槽20Cに返流させており、粗大気泡を散気する第2散気手段(42,44)を第2好気槽40Cに設置されている膜分離器41の曝気洗浄に用いることができる。その一方で、微細気泡を散気する第1散気手段(22,24)を第1好気槽30Cに設置することによって、第1好気槽30Cを、第2好気槽40Cと比較して、被処理水中へ酸素が溶け込み易い状態とし、散気量を抑制させることで、装置全体の運転動力の低減を図っている。
一般には、排水処理装置では、処理水質の向上を図るためには、処理される被処理水の水質や、処理によって適合させようとする水質基準に応じて最適な運転形式を選択することが望まれる。例えば、膜分離活性汚泥処理装置100では、被処理水の窒素負荷が小さい場合には、粗大気泡を散気する第2散気手段(42,44)のみであっても、好気処理に必要な溶存酸素濃度を維持することが可能な場合があるため、微細気泡を散気する第1散気手段(22,24)の作動を停止させて運転動力を削減しつつ、第1好気槽30Cをバイパスさせたり、第1好気槽30Cを無酸素槽として使用したりする運転形式が効率的である。また、リンに係る水質基準が厳しい場合には、好気槽30C,40Cや無酸素槽20Cよりも前段で、嫌気条件下の生物反応処理を行うことで、ポリリン酸蓄積細菌にあらかじめリンを放出させておく運転形式が適切である。
しかしながら、図5に示されるような膜分離活性汚泥処理装置100では、第1好気槽30Cをバイパスさせる場合には、無酸素槽20Cと第2好気槽40Cとの間で活性汚泥を移送するための運転動力が別途必要となる。例えば、図5に示すように、無酸素槽20Cにおける処理水を活性汚泥と共に第2好気槽40Cに移送する移送流路140Cを設ける形態とすると、この流路上に設置される移送ポンプ54の運転動力が別途必要になる。また、第1好気槽30Cを無酸素槽として使用する場合には、無酸素条件下の生物反応処理が行われる処理槽(20C,30C)の総容積が拡大されるため、それに応じて滞留時間が影響を受けたり余剰汚泥が増加したりする場合がある。また、無酸素槽として使用する第1好気槽30Cに第1散気手段(22,24)による散気撹拌に代わる撹拌装置を設置する形態とすると、その運転動力が別途必要になる。また、好気槽30C,40Cや無酸素槽20Cよりも前段で、嫌気条件下の生物反応処理を行う場合には、その生物反応処理が行われる処理槽との間で処理水や活性汚泥を移送するポンプ等の運転動力が別途必要になる。
そこで、本発明は、処理水質の向上と運転動力の抑制とを図ることを可能とした膜分離活性汚泥処理装置及びその運転方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために本発明に係る膜分離活性汚泥処理装置は、被処理水の曝気を行う第1散気手段を有し、活性汚泥を用いて前記被処理水の生物反応処理を行う第1生物反応槽と、被処理水を撹拌する撹拌手段を有し、活性汚泥を用いて無酸素条件下で前記被処理水の生物反応処理を行う第2生物反応槽と、前記第2生物反応槽に隣接して備えられ、前記第1生物反応槽及び前記第2生物反応槽の少なくとも一方において生物反応処理された処理水と活性汚泥とを固液分離する膜分離器及び前記膜分離器を曝気洗浄すると共に前記処理水の曝気を行う第2散気手段を有し、活性汚泥を用いて好気条件下で前記処理水の生物反応処理を行う膜分離槽と、前記第1生物反応槽と前記膜分離槽とを接続し、前記第1生物反応槽における処理水を前記膜分離槽に流入させる第1処理水流路と、前記第2生物反応槽と前記第1生物反応槽とを接続し、前記第1生物反応槽及び前記第2生物反応槽のいずれか一方における処理水を他方の生物反応槽に流入させる連結流路と、前記第2生物反応槽と前記膜分離槽とを接続し、前記第2生物反応槽における処理水を前記膜分離槽に流入させる第2処理水流路と、前記膜分離槽と前記第2生物反応槽とを接続し、前記第2生物反応槽と前記膜分離槽との間に前記第2処理水流路と共に循環路を形成して、前記膜分離槽における処理水を前記第2生物反応槽に返流させる返流流路とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る膜分離活性汚泥処理装置の運転方法は、前記連結流路弁及び前記第2処理水流路弁を開弁、且つ、前記第1処理水流路弁を閉弁させると共に、前記第1生物反応槽に系外から被処理水を流入させて、前記第1生物反応槽、前記第2生物反応槽、前記膜分離槽の順に前記被処理水の生物反応処理を行うことを特徴とする。または、前記第1処理水流路弁及び前記連結流路弁を開弁、且つ、前記第2処理水流路弁を閉弁させると共に、前記第1生物反応槽に系外から被処理水を流入させて、前記第1生物反応槽、前記第2生物反応槽、前記膜分離槽の順に前記被処理水の生物反応処理を行うことを特徴とする。または、前記第1散気手段を作動させて前記第1生物反応槽を好気槽として機能させる運転形式と、前記第1散気手段を停止させて前記第1生物反応槽を嫌気槽として機能させる運転形式とを切り替えて生物反応処理を行うことを特徴とする
本発明によれば、処理水質の向上と運転動力の抑制とを図ることを可能とした膜分離活性汚泥処理装置及びその運転方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る膜分離活性汚泥処理装置の概略構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る膜分離活性汚泥処理装置の運転方法毎に被処理水の通流経路を示した概要図である。 本発明の一実施形態に係る膜分離活性汚泥処理装置における運転形式の選択処理の一例を示す流れ図である。 本発明の一実施形態に係る膜分離活性汚泥処理装置における運転形式の変更処理の一例を示す流れ図である。 比較例に係る膜分離活性汚泥処理装置の概略構成を示す図である。
以下に本発明の一実施形態に係る膜分離活性汚泥処理装置及びその運転方法について説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複する部分についての説明は省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る膜分離活性汚泥処理装置の概略構成を示す図である。
本実施形態に係る膜分離活性汚泥処理装置1は、膜分離活性汚泥法を利用した排水処理装置であって、活性汚泥を用いた生物反応処理によって排水処理(廃水処理)を行うと共に、限外濾過膜、精密濾過膜等を用いた濾過処理によって、処理に用いた活性汚泥を処理水から分離回収して再利用する装置である。
図1に示すように、本実施形態に係る膜分離活性汚泥処理装置1は、第1生物反応槽20と、第2生物反応槽30と、膜分離槽40とを備えている。また、第1処理水配管110と合流配管140とによって形成される第1処理水流路、連結配管120によって形成される連結流路、第2処理水配管130と合流配管140とによって形成される第2処理水流路、及び、越流堰150によって形成される返流流路を備えている。この膜分離活性汚泥処理装置1では、生物反応処理が行われる第1生物反応槽20と、第2生物反応槽30と、膜分離槽40とは、直列に配列しており、仕切板によって互いに分割されている。そして、第2生物反応槽30と膜分離槽40との間については越流堰150の上方において連通した状態となっている。
膜分離活性汚泥処理装置1で処理される被処理水(原水)は、取水ポンプ5によって下水処理施設の最初沈殿池等(膜分離活性汚泥処理装置1の系外)から引き込まれ、スクリーン槽10に導入される。スクリーン槽10には、固液分離を行うためのスクリーン12が備えられており、原水がスクリーン12を通過する際に、粗大な固形浮遊物、混入異物等が分離除去されるようになっている。なお、膜分離活性汚泥処理装置1に引き込まれる原水は、不図示の流量計測手段によって負荷水量が計測される。
スクリーン槽10において処理された原水は、はじめに第1生物反応槽20及び第2生物反応槽30のいずれかに導入される。系外から第1生物反応槽20に接続される第1原水流路には、第1原水流路弁V4が備えられており、第1原水流路弁V4が開状態のとき、スクリーン槽10において処理された原水が、第1原水流路を通流して第1生物反応槽20に導入され、第1原水流路弁V4が閉状態のとき、原水の通流が遮断されるようになっている。また、系外から第2生物反応槽30に接続される第2原水流路には、第2原水流路弁V5が備えられており、第2原水流路弁V5が開状態のとき、スクリーン槽10において処理された原水が、第2原水流路を通流して第2生物反応槽30に導入され、第2原水流路弁V5が閉状態のとき、原水の通流が遮断される。
第1生物反応槽20は、活性汚泥を用いて被処理水の生物反応処理を行う処理槽となっている。第1生物反応槽20における生物反応処理は、第1散気手段(22,24)の作動と停止及び各弁の開閉にしたがって、無酸素条件下の処理、嫌気条件下の処理及び好気条件下の処理のいずれかとされる。なお、本明細書において、被処理水の用語は、生物反応処理等によって処理される排水等の液体を意味し、各処理毎の処理対象を指称するために用いられることがある。各処理槽毎において処理される排水、膜分離活性汚泥処理装置全体において処理される排水のそれぞれが、その処理における被処理水となる。
無酸素条件下の処理は、酸素の曝気が行われず実質的に分子状酸素が無い一方で、硝酸態窒素の供給が行われ硝酸態としての結合性酸素がある雰囲気で行われる。無酸素条件の処理では、活性汚泥に含まれる脱窒菌の作用で、被処理水に含まれている硝酸態窒素(NO−N)が窒素ガス(N)にまで還元される脱窒処理が行われる。
嫌気条件下の処理は、酸素の曝気及び硝酸態窒素の供給が行われず実質的に分子状酸素や結合性酸素が無い雰囲気で行われる。嫌気条件下の処理では、活性汚泥に含まれるポリリン酸蓄積細菌に、蓄積させているリンを放出させる一方で、有機物の取り込みを行わせる。このような処理を行うことによって、その後の好気条件下の処理では、ポリリン酸蓄積細菌に放出させた以上のリンを蓄積させることが可能となり、効率的な脱リン処理が行われるようになっている。
好気条件下の処理は、酸素の曝気の下で行われる。好気条件の処理では、活性汚泥に含まれるポリリン酸蓄積細菌に被処理水に含まれているリンを摂取蓄積させる脱リン処理が行われる。また、活性汚泥に含まれる硝化菌の作用で、被処理水に含まれているアンモニア態窒素(NH−N)を、硝酸態窒素(NO−N)にまで酸化する硝化処理が行われる。また、活性汚泥によって各種有機物の好気分解処理が行われる。
第1生物反応槽20は、生物反応処理される被処理水の曝気を行う第1散気手段を有している。第1散気手段としては、例えば、酸素ガスや空気の微細気泡を散気する散気管22とブロワ24とで構成される散気装置が挙げられる。微細気泡は、第2散気手段による粗大気泡よりも気泡径が小さく、比表面積が大きい特徴を有するものである。そのため、第1散気手段(22,24)による散気では、溶存酸素濃度を増大させる効率的な散気が行われるようになっている。第1散気手段としては、散気式撹拌装置を設置してもよい。散気式撹拌装置で無酸素ガスを散気することによって、無酸素槽や嫌気槽として機能させる酸素非散気時においても被処理水を撹拌することができるためである。
また、第1生物反応槽20には、不図示の溶存酸素濃度計測手段、窒素(アンモニア態窒素等)濃度計測手段、酸化還元電位計測手段等の各種計測手段が備えられるようにしてもよい。溶存酸素濃度計測手段による溶存酸素濃度の計測の下で第1散気手段(22,24)の散気量を制御し、被処理水の溶存酸素濃度を所定濃度範囲に維持することで、適切な硝化処理を行うことが可能である。また、窒素(アンモニア態窒素等)濃度計測手段によって、アンモニア態窒素濃度を把握することによって、窒素負荷に応じて第1散気手段(22,24)の散気量を制御することが可能となる。
第1生物反応槽20と膜分離槽40とは、第1処理水配管110と第1処理水配管110に接続された合流配管140とを介して連通され、第1処理水配管110と合流配管140とによって第1処理水流路が形成されている。第1処理水流路は、第1生物反応槽20と膜分離槽40とを接続し、第1生物反応槽20における処理水を膜分離槽40に流入させる流路を形成している。
第1処理水流路には、第1処理水流路弁V1が備えられており、第1処理水流路弁V1が開状態のとき、第1生物反応槽20における処理水が第1処理水流路を通流して膜分離槽40に導入され、第1処理水流路弁V1が閉状態のとき、処理水の通流が遮断されるようになっている。
また、第1生物反応槽20と第2生物反応槽30とは、連結配管120を介して連通され、連結配管120によって連結流路が形成されている。連結流路は、第1生物反応槽20と第2生物反応槽30とを接続し、各弁の開閉に応じて、第1生物反応槽20における処理水を第2生物反応槽30に、又は、第2生物反応槽30における処理水を第1生物反応槽20に流入させる流路を形成している。
連結流路には、連結流路弁V2が備えられており、連結流路弁V2が開状態のとき、第1生物反応槽20における処理水が連結流路を通流して第2生物反応槽30に、又は、第2生物反応槽30における処理水が連結流路を通流して第1生物反応槽20に導入され、連結流路弁V2が閉状態のとき、処理水の通流が遮断されるようになっている。
第2生物反応槽30は、活性汚泥を用いて無酸素条件下で被処理水の生物反応処理を行う処理槽となっている。第2生物反応槽30における生物反応処理は、膜分離槽40から返流される硝酸態窒素の存在の下で行われる無酸素条件下の処理とされ、硝酸態窒素の脱窒処理によって窒素除去がなされる。
第2生物反応槽30は、生物反応処理される被処理水を撹拌する撹拌手段32を有している。撹拌手段32としては、例えば、撹拌子等を回転させて撹拌する機械撹拌装置や、無酸素ガスを散気させて撹拌する散気撹拌装置等が挙げられる。撹拌手段32によって、被処理水中の活性汚泥が均一化され、沈降による堆積が抑制されるようになっている。
第2生物反応槽30と膜分離槽40とは、第2処理水配管130と第2処理水配管130に接続された合流配管140とを介して連通され、第2処理水配管130と合流配管140とによって第2処理水流路が形成されている。第2処理水流路は、第2生物反応槽30と膜分離槽40とを接続し、第2生物反応槽30における処理水を膜分離槽40に流入させる流路を形成している。
第2処理水流路には、第2処理水流路弁V3が備えられており、第2処理水流路弁V3が開状態のとき、第2生物反応槽30における処理水が第2処理水流路を通流して膜分離槽40に導入され、第2処理水流路弁V3が閉状態のとき、処理水の通流が遮断されるようになっている。
合流配管140には移送ポンプ54が備えられている。移送ポンプ54が作動することによって、第1処理水流路弁V1が開状態のとき、第1生物反応槽20における処理水が膜分離槽40に移送され、第2処理水流路弁V3が開状態のとき、第2生物反応槽30における処理水が膜分離槽40に移送される。
膜分離槽40は、生物反応処理された処理水と活性汚泥とを固液分離すると共に、活性汚泥を用いて好気条件下で被処理水の生物反応処理を行う処理槽となっている。膜分離槽40における生物反応処理は、酸素の曝気の下で行われる好気条件下の処理とされ、脱リン処理、硝化処理等がなされる。
膜分離槽40は、生物反応処理された処理水と活性汚泥とを固液分離する膜分離器41を有している。膜分離器41の分離膜に隔てられた一次側は、被処理水に浸漬され、二次側は膜分離器41から引き出される排水配管160と連通している。排水配管160には、吸引ポンプ56が備えられ、この吸引ポンプ56が作動することによって、二次側が負圧とされて活性汚泥を含む処理水が吸引されるようになっている。そして、活性汚泥の移動が分離膜で阻止される一方で、分離膜を透過した処理水が排水配管160に排水される。
膜分離器41としては、限外濾過膜、精密濾過膜等の分離膜を備えた膜分離器(膜分離装置)であって、例えば、平膜型の分離膜エレメントを水平方向に複数枚並列させて膜モジュールとし、その膜モジュールを復数段鉛直方向に積層させた構成の平膜型膜分離器が挙げられる。このような平膜型膜分離器であれば、分離膜の膜面が鉛直方向に配列し、せん断力を及ぼす気液二相流の流速が高められるため、散気による膜面洗浄(曝気洗浄)をより効率的に行うことが可能である。
また、膜分離槽40は、膜分離器41を曝気洗浄すると共に生物反応処理される処理水の曝気を行う第2散気手段を有している。第2散気手段としては、例えば、気泡径(直径)が100μm以上の酸素ガスや空気の粗大気泡を散気する散気管42とブロワ44とで構成される散気装置が挙げられる。粗大気泡は、浮力によって浮上する際に、分離膜の膜面に対して、クロスフローの気液二相流を形成する。この気液二相流によるせん断力によって、分離膜の膜面に付着、堆積した被処理水成分、微生物による代謝物、混入異物等が曝気洗浄される。また、粗大気泡は、比表面積が微細気泡よりも小さく、酸素を供給する効率は低いものの、浮力によって浮上する際にエアリフト効果による被処理水の循環流を形成し易い。そのため、第2散気手段(42,44)による散気では、供給される酸素ガスと被処理水との混合撹拌が促進され、好気的雰囲気が形成される。
また、膜分離槽40には、不図示の溶存酸素濃度計測手段、窒素(アンモニア態窒素等)濃度計測手段、酸化還元電位計測手段等の各種計測手段が備えられるようにしてもよい。溶存酸素濃度計測手段や窒素(アンモニア態窒素等)濃度計測手段を設置することによって、膜分離槽40における硝化処理や窒素成分濃度を独立に監視することができ、適切な運転形式を選択することが可能になる。
膜分離槽40における活性汚泥濃度は、第1生物反応槽20や第2生物反応槽30よりも高くなるように設計される。すなわち、膜分離槽40における活性汚泥濃度は、無酸素槽として機能する第2生物反応槽30や好気槽として機能させた第1生物反応槽20よりも高い濃度範囲とされる。膜分離槽40における活性汚泥濃度がこのような濃度範囲である場合には、活性汚泥の液粘性が低すぎず、気液二相流の流速やせん断力が高い領域が膜分離器の膜間流路内の抵抗が低い中央部に集中して洗浄効果が低下することが少ない。
膜分離槽40は、第2生物反応槽30に隣接して備えられている。膜分離槽40と第2生物反応槽30とは仕切板の上方において連通し、膜分離槽40と第2生物反応槽30との間には越流堰150が設けられ、越流堰150によって、仕切板に跨って返流流路が形成されている。返流流路は、膜分離槽40と第2生物反応槽30とを接続し、第2生物反応槽30と膜分離槽40との間に第2処理水流路と共に循環路を形成して、膜分離槽40における処理水を第2生物反応槽30に流入させる流路を形成している。膜分離槽40における最高水位は、第2生物反応槽30における最高水位よりも高くなるように設計されており、移送ポンプ54の作動によって被処理水が膜分離槽40に移送され生物反応処理された後、越流堰150を自然流下によって越流して第2生物反応槽30へ返流されるようになっている。このように膜分離槽40において生物反応処理された処理水が、越流堰150を越流して第2生物反応槽30へ返流されるようにすることで、移送ポンプ54を除いて硝化脱窒処理の循環を行うためのポンプが省略化されている。
膜分離槽40には、汚泥引抜配管170を介して汚泥引抜ポンプ58が接続されている。汚泥引抜ポンプ58によって、膜分離器41によって濃縮された活性汚泥の一部が膜分離槽40から引き抜かれ、ポリリン酸蓄積細菌に蓄積されたリン、窒素成分等を含む余剰汚泥が系外に排出されるようになっている。
膜分離活性汚泥処理装置1には、不図示の制御装置(コントローラ)が備えられている。制御装置には、第1処理水流路弁V1、連結流路弁V2、第2処理水流路弁V3や、ブロワ24,44等の機器類が、信号線を介して電気的に接続される。制御装置は、流量計測手段の計測に基いて第1処理水流路弁V1、連結流路弁V2、第2処理水流路弁V3の開閉を制御したり、溶存酸素濃度計測手段に基いて第2散気手段の(42,44)の散気量を制御したり、窒素濃度計測手段の計測に基いて、第1散気手段(22,24)の作動と停止、散気量を制御したりする機能を有している。そして、処理水質や負荷水量に基いて運転形式の選択処理や変更処理を実行する。なお、制御装置に、さらに第1原水流路弁V4及び第2原水流路弁V5を電気的に接続し、制御装置が、第1原水流路弁V4及び第2原水流路弁V5の開閉を制御するようにしてもよいし、第1原水流路又は第2原水流路に設置される流量計測手段、第1生物反応槽20や膜分離槽40に設置される酸化還元電位計測手段、溶存酸素濃度計測手段、第1生物反応槽20に設置される窒素(アンモニア態窒素等)濃度計測手段等の各種計測手段をさらに接続させて、これらによる計測に基いて制御を行うこともできる。
次に、膜分離活性汚泥処理装置の運転方法について説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る膜分離活性汚泥処理装置の運転方法毎に被処理水の通流経路を示した概要図である。
本実施形態に係る膜分離活性汚泥処理装置1では、被処理水の通流経路が異なる複数の運転形式を選択することができ、第1生物反応槽20を、好機条件下の処理を行う好気槽、嫌気条件下の処理を行う嫌気槽及び無酸素条件下の処理を行う無酸素槽のいずれかとして機能させた運転が可能となっている。また、第1生物反応槽20をバイパスして第1生物反応槽20で生物反応処理を行わない運転も可能である。このような運転方法(運転形式)は、第1散気手段(22,24)の作動と停止、並びに、第1処理水流路弁V1、連結流路弁V2、第2処理水流路弁V3、第1原水流路弁V4及び第2原水流路弁V5の開閉の切替によって実現される。
図2(a)に示すように、膜分離活性汚泥処理装置1では、連結流路弁V2、第2処理水流路弁V3及び第1原水流路弁V4を開弁させ、第1処理水流路弁V1及び第2原水流路弁V5を閉弁させることによって、第1生物反応槽20に原水(被処理水)を導入する第1原水流路F01、第1生物反応槽20における処理水を第2生物反応槽30に流入させる連結流路F30、第2生物反応槽30における処理水を膜分離槽40に流入させる第2処理水流路F20、膜分離槽40における処理水を第2生物反応槽30に返流させる返流流路F40を形成させることができる。そして、第2処理水流路F20と返流流路F40とは、循環路を形成し、処理水の一部は固液分離された後に排水流路F50を通流して系外に排水される。
この運転形式では、第1生物反応槽20、第2生物反応槽30、膜分離槽40の順に被処理水の生物反応処理が行われる。このとき、第1生物反応槽20は嫌気槽として機能し、第2生物反応槽30は無酸素槽として機能し、膜分離槽40は好気槽として機能することで、ポリリン酸蓄積細菌に蓄積させているリンを好機条件下の生物反応処理に先立って放出させることができ、脱リン処理の効率を向上させることが可能となる。
また、図2(b)に示すように、膜分離活性汚泥処理装置1では、第2処理水流路弁V3及び第2原水流路弁V5を開弁させ、第1処理水流路弁V1、連結流路弁V2及び第1原水流路弁V4を閉弁させることによって、第2生物反応槽30に原水(被処理水)を導入する第2原水流路F02、第2生物反応槽30における処理水を膜分離槽40に流入させる第2処理水流路F20、膜分離槽40における処理水を第2生物反応槽30に返流させる返流流路F40を形成させることができる。そして、第2処理水流路F20と返流流路F40とが循環路を形成し、処理水の一部は固液分離された後に排水流路F50を通流して系外に排水される。
この運転形式では、第2生物反応槽30、膜分離槽40の順に被処理水の生物反応処理が行われ、このとき、第2生物反応槽30は無酸素槽として機能し、膜分離槽40は好気槽として機能し、第1生物反応槽20はバイパスされることで、膜分離槽40のみによって好機条件下の生物反応処理がなされるようにすることができる。そのため、水量や窒素成分が低負荷の処理に対応した処理槽構成となり、その運転動力が削減されると共に、滞留時間や処理槽容量の調整や、第1生物反応槽20における補修、汚泥回収等が可能となる。
また、図2(c)に示すように、膜分離活性汚泥処理装置1では、第1処理水流路弁V1、連結流路弁V2及び第2原水流路弁V5を開弁させ、第2処理水流路弁V3及び第1原水流路弁V4を閉弁させることによって、第2生物反応槽30に原水(被処理水)を導入する第2原水流路F02、第2生物反応槽30における処理水を第1生物反応槽20に流入させる連結流路F30、第1生物反応槽20における処理水を膜分離槽40に流入させる第1処理水流路F10、膜分離槽40における処理水を第2生物反応槽30に返流させる返流流路F40を形成させることができる。そして、連結流路F30及び第1処理水流路F10と返流流路F40とが循環路を形成し、処理水の一部は固液分離された後に排水流路F50を通流して系外に排水される。
この運転形式では、第2生物反応槽30、第1生物反応槽20、膜分離槽40の順に被処理水の生物反応処理が行われる。このとき、第2生物反応槽30は無酸素槽として機能し、第1生物反応槽20は無酸素槽として機能し、膜分離槽40は好気槽として機能することで、水量や窒素成分が高負荷の処理に好適な槽分割型の運転形式が実現される。返流流路F40を経て返流された硝酸態窒素は、第2生物反応槽30と第1生物反応槽20とにおいて脱窒処理されるため、脱窒処理滞留時間の確保や処理水質の向上を図ることができる。
また、図2(d)に示すように、第1散気手段(22,24)を作動させ、被処理水の曝気を行うことによって、第1生物反応槽20を好気槽として機能させることができる。図2(d)では、第1処理水流路弁V1、連結流路弁V2及び第2原水流路弁V5を開弁させ、第2処理水流路弁V3及び第1原水流路弁V4を閉弁させることによって、第2生物反応槽30、第1生物反応槽20、膜分離槽40の順に被処理水の生物反応処理が行われ、第2生物反応槽30は無酸素槽として機能し、第1生物反応槽20と膜分離槽40とが好気槽として機能する。被処理水に含まれるアンモニア態窒素は、第1生物反応槽20と膜分離槽40とにおいて硝化処理されるため、硝化処理滞留時間の確保や硝化率の向上を図ることができる。
図3は、本発明の一実施形態に係る膜分離活性汚泥処理装置における運転形式の選択処理の一例を示す流れ図である。
膜分離活性汚泥処理装置1における運転形式の選択の処理は、運転開始時や運転継続時に制御装置によって行われる。以下の処理フローでは、操作者の指示によって運転形式の選択の処理を開始した制御装置が、各弁の開閉の切替並びに第1散気手段(22,42)の作動と停止の切替の制御を行う例を示している。なお、膜分離活性汚泥処理装置1の運転開始時には、各弁は全閉され、第1散気手段(22,42)は停止した状態である。
運転形式の選択の処理が開始されると、制御装置は、原水のリン濃度(C)の計測値を取得する(ステップS100)。リン濃度(C)は、原水に含まれる有機態リン及び無機態リンの濃度(全リン(T−P)濃度)等であり、原水の膜分離活性汚泥処理装置1への引き込みにあたってあらかじめ計測されて制御装置が有する記憶装置に記憶される等している。
ステップS110において、制御装置は、原水のリン濃度(C)が、処理水における限界リン濃度(CPLV)を下回っているか否かを判定する。限界リン濃度(CPLV)は、膜分離活性汚泥処理装置1における脱リン処理で達成しようとする目標リン濃度を意味し、例えば、処理水に課されるリン濃度の水質基準値(例えば、1mg/L等の値)以下の任意濃度が設定される。
ステップS110において、原水のリン濃度(C)が、処理水における限界リン濃度(CPLV)を下回っていると判定された場合(ステップS110:YES)には、処理はステップS120に移行する。
ステップS120において、制御装置は、各弁に制御信号を出力し、連結流路弁V2及び第2処理水流路弁V3を開弁、且つ、第1処理水流路弁V1閉弁させる。また、第1原水流路弁V4を開弁、第2原水流路弁V5を閉弁させる。そして、各弁の開閉の切替制御がなされると、運転形式の選択の処理は終了する。
このような処理では、図2(a)に示すように、連結流路F30と第2処理水流路F20とが形成されると共に、第1生物反応槽20に系外から被処理水を流入させる第1原水流路F01が形成され、リン除去に好適な槽分割型の運転形式が実現される。
その一方で、ステップS110において、原水のリン濃度(C)が、処理水における限界リン濃度(CPLV)以上であると判定された場合(ステップS110:NO)には、処理はステップS130に移行する。
ステップS130において、制御装置は、負荷水量(L)の計測値を取得する。負荷水量(L)は、膜分離活性汚泥処理装置1に引き込まれる原水の流入量であり、第1生物反応槽20や第2生物反応槽よりも前段に設置される流量計測手段によって計測され、その計測信号が制御装置に送信されている。
ステップS140において、制御装置は、計測された負荷水量(L)が、計画水量(Q)を下回っているか否かを判定する。計画水量(Q)は、膜分離活性汚泥処理装置1の用法や原水の種類等に応じて設計される時間あたり最大水量であり、例えば、窒素負荷の過多等に基いて制御装置が有する記憶装置にあらかじめ所定値が記憶されている。
ステップS140において、計測された負荷水量(L)が、計画水量(Q)を下回っていると判定された場合(ステップS140:YES)には、処理はステップS150に移行する。
ステップS150において、制御装置は、各弁に制御信号を出力し、第2処理水流路弁V3を開弁、且つ、第1処理水流路弁V1及び連結流路弁V2を閉弁させる。また、第2原水流路弁V5を開弁、第1原水流路弁V4を閉弁させる。そして、各弁の開閉の切替制御がなされると、運転形式の選択の処理は終了する。
このような処理では、図2(b)に示すように、第2処理水流路F20が形成されると共に、第2生物反応槽30に系外から被処理水を流入させる第2原水流路F02が形成され、水量や窒素成分が低負荷の処理に好適な槽一体型の運転形式が実現される。
その一方で、ステップS140において、計測された負荷水量(L)が、計画水量(Q)以上であると判定された場合(ステップS140:NO)には、処理はステップS160に移行する。
ステップS160において、制御装置は、各弁に制御信号を出力し、第1処理水流路弁V1及び連結流路弁V2を開弁、且つ、第2処理水流路弁V3を閉弁させる。また、第2原水流路弁V5を開弁、第1原水流路弁V4を閉弁させる。そして、各弁の開閉の切替制御がなされると、運転形式の選択の処理は終了する。
このような処理では、図2(c)に示すように、連結流路F30と第1処理水流路F10とが形成されると共に、第2生物反応槽30に系外から被処理水を流入させる第2原水流路F02が形成され、水量や窒素成分が高負荷の処理に好適な槽分割型の運転形式が実現される。
図4は、本発明の一実施形態に係る膜分離活性汚泥処理装置における運転形式の変更処理の一例を示す流れ図である。
本実施形態に係る膜分離活性汚泥処理装置1では、第1生物反応槽20において生物反応処理を行う運転形式が選択された場合、さらに、第1散気手段(22,24)の作動と停止の切替によって運転形式の変更がなされる。すなわち、第1生物反応槽20及び第2生物反応槽30の双方で生物反応処理を行う槽分割型の運転形式においては、第1生物反応槽20を好気槽として機能させる運転形式と、第1生物反応槽20を無酸素槽又は嫌気槽として機能させる運転形式とを切り替えて生物反応処理を行うことが可能となっている。膜分離活性汚泥処理装置1では、制御装置は、生物反応処理を行う間に運転形式の変更の処理を繰り返し実行する。
運転形式の変更の処理が開始されると、制御装置は、被処理水の窒素濃度(C)の計測値を取得する(ステップS200)。窒素濃度(C)は、例えば、第1生物反応槽20における被処理水のアンモニア態窒素濃度であり、第1生物反応槽20に導入される被処理水について窒素(アンモニア態窒素等)濃度計測手段によってあらかじめ計測される。
ステップS210において、制御装置は、被処理水の窒素濃度(C)が、硝化処理における限界窒素濃度(CNLV)を上回っているか否かを判定する。硝化処理における限界窒素濃度(CNLV)は、膜分離槽40で達成しようとする硝化処理後の目標窒素濃度(アンモニア態窒素濃度等)を意味し、例えば、所定の循環比や水温の下で、原水中に含まれるアンモニア態窒素等を、膜分離槽40において硝化処理した後に、第2生物反応槽30に返流し、第2生物反応槽30において脱窒処理して窒素除去することが可能であると見込まれる処理限界等に基いてあらかじめ設定される。
膜分離槽40が有する第2散気手段(42,44)の散気量は、散気に関わる運転動力を抑制する観点からは、膜分離器41の洗浄性に合わせて調節するのが適切である。そのため、第2散気手段(42,44)のみによる散気では、溶存酸濃度を維持することができなくなることがあり、硝化処理が不完全になる場合がある。そこで、このステップS210では、第1生物反応槽20に導入される被処理水に含まれているアンモニア態窒素等の窒素成分が、更なる硝化処理を要するか否かを、事前の予備運転等において求められている硝化処理の処理限界濃度との比較によって判断する。
ステップS210において、被処理水の窒素濃度(C)が、硝化処理の限界窒素濃度(CNLV)を上回っていると判定された場合(ステップS210:YES)には、処理はステップS220に移行する。
ステップS220において、制御装置は、第1散気手段(22,24)を作動させる。すなわち、制御装置は、停止した状態となっている第1散気手段のブロワ24を起動し、所定の散気量による被処理水の曝気を開始させる。そして、運転形式の変更の処理は終了する。
このような処理では、第1生物反応槽20が好気槽として機能するように膜分離活性汚泥処理装置1の運転形式が変更される。すなわち、ステップS120で選択された槽分割型の運転形式(図2(a)参照)では、好気槽として機能する第1生物反応槽20、無酸素槽として機能する第2生物反応槽30、好気槽として機能する膜分離槽40を順次経る運転形式が実現されることになる。この運転形式では、第2生物反応槽30における無酸素条件下の生物反応処理に先立って、高負荷の有機物の好気分解処理や硝化処理が可能となる。
また、ステップS160で選択された槽分割型の運転形式(図2(c)参照)では、無酸素槽として機能する第2生物反応槽30、好気槽として機能する第1生物反応槽20、好気槽として機能する膜分離槽40を順次経る運転形式が実現されることになる(図2(d)参照)。この運転形式では、硝化処理と脱窒処理との滞留時間や処理槽容積の比率を変更することが可能になり、装置規模が小さく抑えられていながら、窒素負荷に応じた処理水質の向上を容易に図ることができる。
その一方で、ステップS210において、被処理水の窒素濃度(C)が、硝化処理の限界窒素濃度(CNLV)以下であると判定された場合(ステップS210:NO)には、処理は終了する。
このような処理では、第1生物反応槽20が無酸素槽又は嫌気槽として機能するように膜分離活性汚泥処理装置1の運転形式が維持される。すなわち、第2原水流路F02によって第2生物反応槽30に原水(被処理水)を導入する運転形式では、第1生物反応槽20は無酸素槽として機能させることができる。この運転形式では、第2生物反応槽30における脱窒処理の処理能力によっては第1生物反応槽20に硝酸態窒素が導入されることになるため、窒素負荷や第2生物反応槽30における処理条件に応じて窒素除去率を向上させた運転を行うことが可能になる。
また、第1原水流路F01によって第1生物反応槽20に原水(被処理水)を導入する運転形式では、第1生物反応槽20は嫌気槽として機能する。この運転形式では、第1生物反応槽20で、ポリリン酸蓄積細菌に蓄積させているリンを放出させる処理が行われる。そのため、原水中のリンの負荷変動に対応した運転を行うことが可能になる。
なお、以上の運転形式の選択処理において、各処理は人為的に行ってもよい。すなわち、リン濃度や負荷水量を手動で計測し、計測値を用いて判定することによって、各弁の開閉を制御装置に制御させてよく、さらに各弁の開閉を手動で行ってもよい。
また、ステップS150及びステップS160の処理を行った後、ステップS130の処理に帰還させることによって、膜分離活性汚泥処理装置1の運転中に計測される負荷水量(L)に応じて、槽一体型の運転形式(図2(b)参照)と槽分割型の運転形式(図2(c)、(d)参照)が繰り返し切り換えられるようにしてもよい。
1 膜分離活性汚泥処理装置
5 引水ポンプ
10 スクリーン槽
12 スクリーン
20 第1生物反応槽
22 散気管(第1散気手段)
24 ブロワ(第1散気手段)
30 第2生物反応槽
32 撹拌手段
40 膜分離槽
41 膜分離器
42 散気管(第2散気手段)
44 ブロワ(第2散気手段)
54 移送ポンプ
56 吸引ポンプ
58 汚泥引抜ポンプ
110 第1処理水配管
120 連結配管
130 第2処理水配管
140 合流配管
150 越流堰
160 排水配管
170 汚泥引抜配管
V1 第1処理水流路弁
V2 連結流路弁
V3 第2処理水流路弁
V4 第1原水流路弁
V5 第2原水流路弁

Claims (9)

  1. 被処理水の曝気を行う第1散気手段を有し、活性汚泥を用いて前記被処理水の生物反応処理を行う第1生物反応槽と、
    被処理水を撹拌する撹拌手段を有し、活性汚泥を用いて無酸素条件下で前記被処理水の生物反応処理を行う第2生物反応槽と、
    前記第2生物反応槽に隣接して備えられ、前記第1生物反応槽及び前記第2生物反応槽の少なくとも一方において生物反応処理された処理水と活性汚泥とを固液分離する膜分離器及び前記膜分離器を曝気洗浄すると共に前記処理水の曝気を行う第2散気手段を有し、活性汚泥を用いて好気条件下で前記処理水の生物反応処理を行う膜分離槽と、
    前記第1生物反応槽と前記膜分離槽とを接続し、前記第1生物反応槽における処理水を前記膜分離槽に流入させる第1処理水流路と、
    前記第2生物反応槽と前記第1生物反応槽とを接続し、前記第1生物反応槽及び前記第2生物反応槽のいずれか一方における処理水を他方の生物反応槽に流入させる連結流路と、
    前記第2生物反応槽と前記膜分離槽とを接続し、前記第2生物反応槽における処理水を前記膜分離槽に流入させる第2処理水流路と、
    前記膜分離槽と前記第2生物反応槽とを接続し、前記第2生物反応槽と前記膜分離槽との間に前記第2処理水流路と共に循環路を形成して、前記膜分離槽における処理水を前記第2生物反応槽に返流させる返流流路と、
    を備えることを特徴とする膜分離活性汚泥処理装置。
  2. 前記返流流路が、前記膜分離槽と前記第2生物反応槽との間に設けられる越流堰によって形成され、
    前記膜分離槽において生物反応処理された処理水は、前記越流堰を越流して前記第2生物反応槽へ返流される
    ことを特徴とする請求項1に記載の膜分離活性汚泥処理装置。
  3. 前記第2散気手段が、気泡径が100μm以上の粗大気泡を前記被処理水に散気し、
    前記第1散気手段が、前記粗大気泡よりも気泡径が小さい微細気泡を前記被処理水に散気する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の膜分離活性汚泥処理装置。
  4. さらに、
    前記第1処理水流路を開閉する第1処理水流路弁と、
    前記連結流路を開閉する連結流路弁と、
    前記第2処理水流路を開閉する第2処理水流路弁と
    を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の膜分離活性汚泥処理装置。
  5. 請求項4に記載の膜分離活性汚泥処理装置の運転方法であって、
    前記第2処理水流路弁を開弁、且つ、前記第1処理水流路弁及び前記連結流路弁を閉弁させると共に、前記第2生物反応槽に系外から被処理水を流入させて、前記第2生物反応槽、前記膜分離槽の順に前記被処理水の生物反応処理を行う
    ことを特徴とする膜分離活性汚泥処理装置の運転方法。
  6. 請求項4に記載の膜分離活性汚泥処理装置の運転方法であって、
    前記連結流路弁及び前記第2処理水流路弁を開弁、且つ、前記第1処理水流路弁を閉弁させると共に、前記第1生物反応槽に系外から被処理水を流入させて、前記第1生物反応槽、前記第2生物反応槽、前記膜分離槽の順に前記被処理水の生物反応処理を行う
    ことを特徴とする膜分離活性汚泥処理装置の運転方法。
  7. 請求項4に記載の膜分離活性汚泥処理装置の運転方法であって、
    前記第1処理水流路弁及び前記連結流路弁を開弁、且つ、前記第2処理水流路弁を閉弁させると共に、前記第2生物反応槽に系外から被処理水を流入させて、前記第2生物反応槽、前記第1生物反応槽、前記膜分離槽の順に前記被処理水の生物反応処理を行う
    ことを特徴とする膜分離活性汚泥処理装置の運転方法。
  8. 請求項6に記載の膜分離活性汚泥処理装置の運転方法において、
    前記第1散気手段を作動させて前記第1生物反応槽を好気槽として機能させる運転形式と、前記第1散気手段を停止させて前記第1生物反応槽を嫌気槽として機能させる運転形式とを切り替えて生物反応処理を行う
    ことを特徴とする膜分離活性汚泥処理装置の運転方法。
  9. 請求項7に記載の膜分離活性汚泥処理装置の運転方法において、
    前記第1散気手段を作動させて前記第1生物反応槽を好気槽として機能させる運転形式と、前記第1散気手段を停止させて前記第1生物反応槽を無酸素槽として機能させる運転形式とを切り替えて生物反応処理を行う
    ことを特徴とする膜分離活性汚泥処理装置の運転方法。
JP2014123709A 2014-06-16 2014-06-16 膜分離活性汚泥処理装置及びその運転方法 Expired - Fee Related JP6181003B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014123709A JP6181003B2 (ja) 2014-06-16 2014-06-16 膜分離活性汚泥処理装置及びその運転方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014123709A JP6181003B2 (ja) 2014-06-16 2014-06-16 膜分離活性汚泥処理装置及びその運転方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016002514A JP2016002514A (ja) 2016-01-12
JP6181003B2 true JP6181003B2 (ja) 2017-08-16

Family

ID=55222240

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014123709A Expired - Fee Related JP6181003B2 (ja) 2014-06-16 2014-06-16 膜分離活性汚泥処理装置及びその運転方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6181003B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019039008A1 (ja) * 2017-08-24 2019-02-28 三菱電機株式会社 水処理制御システム
KR102023630B1 (ko) * 2017-09-21 2019-11-25 농업회사법인 인워터솔루션 주식회사 역방향 자연유하 방식의 막생물 반응기 시스템를 이용한 수처리 방법
JP7110052B2 (ja) * 2018-09-27 2022-08-01 株式会社クボタ 有機性排水処理装置の運転方法及び有機性排水処理装置
JP2023180565A (ja) * 2022-06-09 2023-12-21 オルガノ株式会社 原水処理方法及び原水処理装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3654799B2 (ja) * 1999-08-30 2005-06-02 株式会社クボタ 窒素含有汚水の処理装置
JP4742403B2 (ja) * 2000-05-10 2011-08-10 栗田工業株式会社 廃水の処理方法
US6863817B2 (en) * 2002-12-05 2005-03-08 Zenon Environmental Inc. Membrane bioreactor, process and aerator
JP2004337787A (ja) * 2003-05-19 2004-12-02 Kubota Corp 膜分離活性汚泥処理槽
WO2007038843A1 (en) * 2005-10-06 2007-04-12 Siemens Water Technologies Corp. Dynamic control of membrane bioreactor system
JP2010194481A (ja) * 2009-02-26 2010-09-09 Kubota Corp 汚水処理装置及び汚水処理装置の運転方法
JP2010253428A (ja) * 2009-04-28 2010-11-11 Asahi Kasei Chemicals Corp 排水処理装置及び排水処理方法
JP2012076081A (ja) * 2011-12-12 2012-04-19 Hitachi Plant Technologies Ltd 膜分離活性汚泥処理装置およびその方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016002514A (ja) 2016-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5217159B2 (ja) 汚水処理装置及びその方法
JP5665307B2 (ja) 有機性排水処理装置および有機性排水処理方法
RU2181344C2 (ru) Установка и способ биологической очистки нечистот и сточных вод
JP7110052B2 (ja) 有機性排水処理装置の運転方法及び有機性排水処理装置
JP4690265B2 (ja) 排水処理方法
JP6181003B2 (ja) 膜分離活性汚泥処理装置及びその運転方法
EP3851417B1 (en) Method for treating organic wastewater, and device for treating organic wastewater
KR20200042273A (ko) 삼분할포기 및 흐름변경방법을 적용한 침지식 멤브레인 결합형 하폐수 고도처리방법
US20120012524A1 (en) Membrane bioreactor process
JP5260417B2 (ja) 汚水処理設備及び汚水処理設備の改築方法
KR100566321B1 (ko) 삼분할포기 및 흐름변경방법을 적용한 침지식 멤브레인 결합형 하폐수 고도처리방법
JP7015117B2 (ja) 有機性排水処理方法及び有機性排水処理システム
CN110461777A (zh) 有机废水处理方法及有机废水处理装置
JP5743448B2 (ja) 汚水処理装置
JP2005246308A (ja) 排水の生物処理方法
JP6243804B2 (ja) 膜分離活性汚泥処理装置及び膜分離活性汚泥処理方法
JP4365734B2 (ja) 膜分離汚水処理装置及びその運転方法
JP4307275B2 (ja) 汚水の処理方法
JP2005279347A (ja) 膜分離装置を用いる生物学的処理方法および装置
JP6624926B2 (ja) 有機性排水処理装置および有機性排水処理方法
JP4611334B2 (ja) 有機性排水の処理方法及び装置
WO2024080068A1 (ja) 有機性排水処理方法及び有機性排水処理装置
CN218620499U (zh) 一种多模式脱氮除磷一体化污水处理反应器
JP4002459B2 (ja) 下水処理用反応装置
JP2004283637A (ja) 排水の処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161018

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170614

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170620

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170719

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6181003

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees