JP6180754B2 - 酸化物触媒及びその製造方法、並びに不飽和アルデヒドの製造方法 - Google Patents
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Description
〔1〕
モリブデン、ビスマス、鉄、コバルト、及びセリウムを含有し、
前記モリブデンと複合化した前記鉄のK吸収端X線吸収微細構造スペクトルを1階微分して得られるパターンにおける第一変曲点が、7125.5〜7127.0eVのX線エネルギーに現れる、オレフィン及び/又はアルコールを原料とする不飽和アルデヒドの製造用酸化物触媒。
〔2〕
下記組成式(1)で表される組成を有する、〔1〕に記載の酸化物触媒。
Mo12BiaFebCocCedAeBfOg (1)
(式(1)中、Moはモリブデン、Biはビスマス、Feは鉄、Coはコバルト、Ceはセリウムを示し、
Aはカリウム、セシウム、及びルビジウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、
Bはニッケル、マンガン、銅、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、錫、鉛、ランタン、プラセオジウム、ネオジム、及びユウロピウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、
a〜fは、Mo12原子に対する各元素の原子比を示し、1.5≦a≦6、2≦b≦6、2≦c≦8、0.5≦d≦6、0.01≦e≦2、及び0≦f<2を満たし、
gは酸素以外の構成元素の原子価によって決まる酸素の原子数である。)
〔3〕
〔1〕又は〔2〕に記載の酸化物触媒の製造方法であって、
モリブデン、ビスマス、鉄、コバルト、及びセリウムを含む原料と、酸化剤及び還元剤と、を混合して原料スラリーを得る混合工程と、
前記原料スラリーを乾燥して乾燥体を得る乾燥工程と、
前記乾燥体を仮焼成して仮焼成体を得る仮焼成工程と、
前記仮焼成体を本焼成して酸化物触媒を得る本焼成工程と、
を含み、
前記仮焼成工程及び前記本焼成工程は、不活性ガス雰囲気で行い、
前記仮焼成工程において、前記仮焼成体の還元率を10%以上100%未満になるよう制御する、酸化物触媒の製造方法。
〔4〕
前記原料スラリーを20℃以上の温度で熟成させる熟成工程をさらに含む、〔3〕に記載の酸化物触媒の製造方法。
〔5〕
前記還元剤を、前記原料に対して、1〜40質量%添加する、〔3〕又は〔4〕に記載の酸化物触媒の製造方法。
〔6〕
〔1〕又は〔2〕に記載の酸化物触媒を用いて、プロピレン、及びイソブチレンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィン、及び/又は、イソブタノール、及びt−ブチルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種のアルコール、を酸化反応させる工程を含む、不飽和アルデヒドの製造方法。
本実施形態に係る酸化物触媒は、モリブデン、ビスマス、鉄、コバルト及びセリウムを含有し、
前記モリブデンと複合化した前記鉄のK吸収端X線吸収微細構造スペクトルを1階微分して得られるパターンにおける第一変曲点が、7125.5〜7127.0eVのX線エネルギーに現れる。
本実施形態に係る酸化物触媒は、モリブデン、ビスマス、鉄、コバルト及びセリウムを含有し、モリブデンと複合化した鉄のK吸収端X線吸収微細構造スペクトルを1階微分して得られるパターンにおける第1変曲点が7125.5〜7127.0eVのX線エネルギーに現れる。Feの価数と、鉄のK吸収端X線吸収微細構造スペクトルを1階微分して得られるパターンにおける第1変曲点との関係を表1に示す。
鉄のK吸収端X線吸収微細構造の測定は、財団法人高輝度光科学研究センター 大型放射光施設 SPring−8のビームラインBL08B2において、下記条件により行うことが可能であるが、本発明の化合物のFe−K XAFSの測定は他の方法でも可能であり、測定方法を限定されない。
本実施形態に係る酸化物触媒は、好ましくは、下記組成式(1)で表される組成を有する。このような組成を有することにより、オレフィン及び/又はアルコールを原料とする不飽和アルデヒドの製造において、不飽和カルボン酸の生成がより少なく、不飽和アルデヒドの選択率がより高い傾向にある。
Mo12BiaFebCocCedAeBfOg (1)
(式(1)中、Moはモリブデン、Biはビスマス、Feは鉄、Coはコバルト、Ceはセリウムを示し、
Aは、カリウム、セシウム、及びルビジウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を示し、
Bは、ニッケル、マンガン、銅、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、錫、鉛、ランタン、プラセオジウム、ネオジム、及びユウロピウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を示し、
a〜fは、Mo12原子に対する各元素の原子比を示し、1.5≦a≦6、2≦b≦6、2≦c≦8、0.5≦d≦6、0.01≦e≦2、及び0≦f<2を満たし、
gは酸素以外の構成元素の原子価によって決まる酸素の原子数である。)
本実施形態に係る酸化物触媒は、上述の酸化物を担持するための担体を含有してもよい。担体を含むことにより、酸化物触媒を高分散化でき、担持された金属酸化物に高い耐摩耗性を与えることができる傾向にある。押し出し成型法により触媒を成型する場合には、担体成分を含むことが好ましい。
本実施形態に係る酸化物触媒の製造方法は、モリブデン、ビスマス、鉄、コバルト及びセリウムを含む酸化物触媒を形成する原料と、酸化剤及び/又は還元剤と、を混合して原料スラリーを得る混合工程と、
得られた原料スラリーを乾燥して乾燥体を得る乾燥工程と、
得られた乾燥体を仮焼成して仮焼成体を得る仮焼成工程と、
得られた仮焼成体を本焼成して酸化物触媒を得る本焼成工程と、
を含み、
前記仮焼成工程及び前記本焼成工程はする、不活性ガス雰囲気で行い、
前記仮焼成工程において、前記仮焼成体の還元率を10%以上100%未満になるよう制御する。
混合工程では、モリブデン、ビスマス、鉄、コバルト及びセリウムを含む酸化物触媒を形成する原料と、酸化剤及び/又は還元剤と、を混合して原料スラリーを得る。
なお必要に応じて、ニッケル、マンガン、銅、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、錫、鉛、ランタン、プラセオジウム、ネオジム、ユウロピウムの各元素源を原料スラリーに含めることもできる。これらは、水又は硝酸に可溶なアンモニウム塩、硝酸塩、塩酸塩、有機酸塩、酸化物、水酸化物、炭酸塩等として用いることができる。酸化物として用いる場合は、酸化物が水又は有機溶媒に分散された分散液が好ましく、より好ましくは酸化物が水に分散された分散液である。水に分散されている場合、酸化物の凝集を抑制し、高分散させるために高分子等の界面活性剤が含まれていてもよい。酸化物の粒子径は好ましくは1〜500nm、より好ましくは10〜80nmである。担体を含有する酸化物触媒を製造する場合は、原料スラリーにシリカ原料としてシリカゾルを添加することが好ましい。
上記アンモニウム塩と硝酸塩とを混合すると沈殿を生じ、原料スラリーとなり易い。このような原料スラリー20℃以上の温度で熟成させる熟成工程をさらに含むことが好ましい。熟成工程を有することにより、より均一な原料スラリーとなる傾向にある。本明細書中、スラリーの「熟成」とはスラリーを懸濁させた状態で保持することを示す。懸濁させるためには、継続的及び/又は断続的にスラリーを攪拌するのが好ましく、この攪拌の工程で、固形分を粉砕し、触媒前駆体の生成を促し、より微細で均一なスラリーにすることができる。酸化剤と還元剤を混合した場合、スラリーの粘度が高くなり、均一なスラリーができず、後述する焼成工程で均一な還元ができにくくなることから、熟成を行うことが特に好ましい。
乾燥工程では、混合工程で得られた原料スラリーを乾燥して乾燥体(例えば、乾燥粒子)を得る。乾燥方法は、特に制限されず、一般に用いられている方法によって行うことができ、例えば、蒸発乾涸法、噴霧乾燥法、減圧乾燥法等の任意の方法で行なうことができる。噴霧乾燥法としては、通常工業的に実施される遠心方式、二流体ノズル方式及び高圧ノズル方式等を採用することができる。また、乾燥熱源としては、特に限定されないが、例えば、スチーム、電気ヒーター等によって加熱された空気を用いることが好ましい。この際、噴霧乾燥装置の乾燥機入口の温度は、好ましくは150〜400℃、より好ましくは180〜400℃、さらに好ましくは200〜350℃である。上記温度範囲であることにより、複合酸化物が形成されやすい傾向にある。
仮焼成工程では、乾燥工程で得られた乾燥体を仮焼成して仮焼成体を得る。仮焼成工程は、不活性ガス雰囲気で行なわれる。仮焼成の目的は、乾燥体中に残存している硝酸の除去と、アンモニウム塩である原料及び硝酸塩である原料に由来する硝酸アンモニウム及び含有酸化剤及び還元剤をおだやかに燃焼させ、鉄を3価から2価にならない程度に徐々に還元することにある。乾燥体に酸化剤及び還元剤の両方が含まれてい場合には、発熱を抑えるために酸化物触媒量は極力少量で行うことが好ましく、酸化及び還元のコントロールが精度よく実施できるようにすることが好ましい。なお、窒素等の不活性ガスではなく、窒素で希釈された酸素や空気でも酸化及び還元をコントロールすることは可能である。しかし、熱処理中に酸素が含まれていると還元剤が分解するときの発熱の制御や、焼成時間の正確なコントロールが難しくなるため、焼成は不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。不活性ガスとしては、特に限定されないが、例えば、ヘリウム、アルゴン、窒素が挙げられるが、経済的な面から窒素が好ましい。
還元率(%)=x/n×100
MnO4 −+5e−+8H+ → Mn2++4H2O
Mn(n−x)→ Men+ + Xe−
(式中、xは電子の数を示し、nは金属の酸化数を示し、Meは金属元素を示し、Xは電子の数を示す。)
本焼成工程では、仮焼成工程で得られた仮焼成体を本焼成して酸化物触媒を得る。本焼成工程の目的は、所望の結晶構造を形成し易くすることにある。本発明者らの知見によると、結晶構造は焼成温度と焼成時間との積の影響を受けるため、焼成温度と焼成時間とを適切に設定することが好ましい。本焼成の温度は、結晶を成長させる観点で仮焼成の温度より高くすることが好ましい。このような本焼成の焼成温度は、鉄が3価と2価の中間的な価数をとる結晶の生成し易さの観点で、400〜700℃が好ましく、より好ましくは400℃〜650℃、さらに好ましくは450℃〜600℃である。このような温度で焼成を行う場合、焼成温度と焼成時間との積を適切にすることで、鉄が3価と2価の中間的な価数をとる結晶生成を促すことができる。この観点から、本焼成の時間は、好ましくは0.1〜24時間であり、より好ましくは1〜24時間であり、さらに好ましくは3〜10時間である。結晶構造の生成のために焼成温度及び焼成時間を適切にする観点から、400℃以下の低温の場合、例えば24〜72時間程度の長時間の本焼成を行うことが好ましく、600℃以上の高温の場合、得られる酸化物の表面積が小さくなりすぎて触媒活性が下がってしまうのを防ぐ観点から、1時間以下の短時間の本焼成を行うことが好ましい。
本実施形態に係る不飽和アルデヒドの製造方法は、上記酸化物触媒を用いて、プロピレン、及びイソブチレンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィン、及び/又は、イソブタノール、及びt−ブチルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種のアルコール、を酸化反応させる工程を含む。これにより製造される不飽和アルデヒドとしては、特に限定されないが、例えば、メタクロレイン、アクロレインが挙げられる。以下、その具体例について説明するが、本実施形態の製造方法は、以下の具体例に限定されるものではない。
上記メタクロレイン又はアクロレイは、例えば、本実施形態に係る酸化物触媒を用いて、プロピレン、イソブチレン、イソブタノール、及び/又はt−ブチルアルコールの気相接触酸化反応を行うことにより得ることができる。気相接触酸化反応は、固定床反応器内の触媒層に、1〜10容量%の、プロピレン、イソブチレン、イソブタノール、t−ブチルアルコール単独か、若しくはこれらの混合ガスに対して分子状酸素濃度が1〜20容量%になるように、分子状酸素含有ガスと希釈ガスを添加した混合ガスからなる原料ガスを導入する。プロピレン、イソブチレン、イソブタノール、t−ブチルアルコール、若しくはこれらの混合ガスの濃度は、通常1〜10容量%が好ましく、より好ましくは6〜10容量%、さらに好ましくは7〜9容量%である。反応温度は300〜480℃が好ましく、より好ましくは350℃〜450℃、さらに好ましくは400℃〜450℃である。圧力は、常圧〜5気圧であり、空間速度400〜4000/hr[Normal temperature pressure (NTP)条件下]で原料ガスを導入することで反応を行うことができる。酸素と、プロピレン、イソブチレン、イソブタノール、t−ブチルアルコール単独か、若しくはこれらの混合ガスのモル比は、不飽和アルデヒドの収率を向上させるために反応器の出口酸素濃度を制御する観点から、通常1.0〜2.0であり、好ましくは1.1〜1.8、より好ましくは1.2〜1.8である。
0.01<分子状酸素/(分子状酸素含有ガス+希釈ガス)<0.3
鉄のK吸収端X線吸収微細構造の測定は、財団法人高輝度光科学研究センター 大型放射光施設 SPring−8のビームラインBL08B2において、下記条件により行った。
仮焼成工程の後、酸化物触媒を硫酸で酸処理し、触媒中の還元元素を溶解した。これを過マンガン酸カリウムで滴定し、その滴定量より触媒の還元率を求めた。還元率は次の式で表される。
還元率(%)=x/n×100
MnO4 −+5e−+8H+ → Mn2++4H2O
Mn(n−x) → Men++Xe−
転化率=(反応した原料のモル数/供給した原料のモル数)×100
選択率=(生成した化合物のモル数/反応した原料のモル数)×100
収率=(生成した化合物のモル数/供給した原料のモル数)×100
イオン交換水86.5gと、酸化剤として濃度30質量%の過酸化水素水128.0gとを含む混合液に、三酸化モリブデン53.6gを入れ、約70℃で攪拌混合し、溶解させて溶液(A液)を得た。また、10質量%の平均粒子径51nmの酸化ビスマス水分散液210.4g、10質量%の平均粒子径20nmの酸化セリウム水分散液101.5g、硝酸コバルト29.2g、15質量%の平均粒子径39nmの酸化鉄水分散液52.7g、及び10質量%の水酸化セシウム液3.72gを混合した液に、還元剤として酒石酸を4.36g添加して溶液(B液)を得た。
イオン交換水89.8gと、酸化剤として濃度30質量%の過酸化水素水132.9gとの混合液に、三酸化モリブデン55.7gを入れ、約70℃で攪拌混合し、溶解させて溶液(A液)を得た。また、10質量%の平均粒子径51nmの酸化ビスマス水分散液173.3g、10質量%の平均粒子径20nmの酸化セリウム水分散液83.2g、硝酸コバルト42.6g、15質量%の平均粒子径39nmの酸化鉄水分散液51.3g、10質量%の水酸化セシウム液3.87g、及び10質量%の水酸化カリウム液1.81gを混合した液に、還元剤として酒石酸を4.57g添加して溶液(B液)を得た。
イオン交換水78.7gと、酸化剤として濃度30質量%の過酸化水素水116.5gとを含む混合液に、三酸化モリブデン48.8gを入れ、約70℃で攪拌混合し、溶解させて溶液(A液)を得た。また、10質量%の平均粒子径51nmの酸化ビスマス水分散液297.2g、10質量%の平均粒子径20nmの酸化セリウム水分散液73.0g、硝酸コバルト22.4g、15質量%の平均粒子径39nmの酸化鉄水分散液57.0g、及び10質量%の水酸化セシウム液3.39gを混合した液に、還元剤として酒石酸を8.72g添加して溶液(B液)を得た。
イオン交換水87.3gと、酸化剤として濃度30質量%の過酸化水素水129.2gとの混合液に、三酸化モリブデン54.1gを入れ、約70℃で攪拌混合し、溶解させて溶液(A液)を得た。また、10質量%の平均粒子径51nmの酸化ビスマス水分散液205.0g、10質量%の平均粒子径20nmの酸化セリウム水分散液97.1g、硝酸コバルト25.8g、15質量%の平均粒子径39nmの酸化鉄水分散液61.5g、及び10質量%の水酸化セシウム液3.76gを混合した液に、還元剤として酒石酸を4.38g添加して溶液(B液)を得た。
イオン交換水83.0gと、酸化剤として濃度30質量%の過酸化水素水122.8gとの混合液に、三酸化モリブデン51.5gを入れ、約70℃で攪拌混合し、溶解させて溶液(A液)を得た。また、10質量%の平均粒子径51nmの酸化ビスマス水分散液236.7g、10質量%の平均粒子径20nmの酸化セリウム水分散液112.8g、硝酸コバルト26.3g、15質量%の平均粒子径39nmの酸化鉄水分散液47.4g、及び10質量%の水酸化セシウム液3.57gを混合した液に、還元剤として酒石酸を4.26g添加して溶液(B液)を得た。
約90℃の温水202.7gにヘプタモリブデン酸アンモニウム67.6gを溶解させて溶液(A液)を得た。また、硝酸ビスマス43.2g、硝酸セリウム22.0g、硝酸鉄42.3g、硝酸ルビジウム1.40g、硝酸ニッケル9.3g、硝酸マグネシウム4.0g、及び硝酸コバルト18.6gを18質量%の硝酸水溶液20.5gに溶解させ、約90℃の温水202.0gを混合した液に還元剤としてアスコルビン酸を13.1g添加して溶液(B液)を得た。
還元剤である酒石酸を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較例1の酸化物触媒を得た。得られた酸化物触媒の組成を表2に示し、仮焼成体の還元率及び第一変曲点のX線エネルギーの値を表3に示す。
酸化剤である過酸化水素水を添加しなかったこと以外は実施例1と同様の操作を行い、比較例2の酸化物触媒を得た。得られた酸化物触媒の組成を表2に示し、仮焼成体の還元率及び第一変曲点のX線エネルギーの値を表3に示す。
仮焼成と本焼成を空気雰囲気下で実施したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、比較例3の酸化物触媒を得た。得られた酸化物触媒の組成を表2に示し、仮焼成体の還元率及び第一変曲点のX線エネルギーの値を表3に示す。
約90℃の温水218.0gに、ヘプタモリブデン酸アンモニウム72.7g、酸化アンチモン3.9g、パラタングステンアンモニウム3.4g、硝酸セシウム3.30g、及び酸化ビスマス10.0gを溶解させて溶液(A液)を得た。また、硝酸鉛4.6g、硝酸鉄30.3g、硝酸ニッケル11.0g、リン酸0.67g、及び硝酸コバルト66.1gを18質量%の硝酸水溶液38.4gに溶解させ、約90℃の温水126.2gを添加して溶液(B液)を得た。
(アクロレインの製造例)
イオン交換水86.7gと、酸化剤として濃度30質量%の過酸化水素水128.3gとの混合液に、三酸化モリブデン53.7gを入れ、約70℃で攪拌混合し、溶解させて溶液(A液)を得た。また、10質量%の平均粒子径51nmの酸化ビスマス水分散液210.8g、10質量%の平均粒子径20nmの酸化セリウム水分散液101.7g、硝酸コバルト29.3g、15質量%の平均粒子径39nmの酸化鉄水分散液52.8g、及び10質量%の水酸化セシウム液1.40gを混合した液に、還元剤として酒石酸を4.36g添加して溶液(B液)を得た。
仮焼成と本焼成を空気雰囲気下で実施したこと以外は実施例7と同様の操作を行い、比較例5の酸化物触媒を得た。得られた酸化物触媒の組成を表2に示し、仮焼成体の還元率及び第一変曲点のX線エネルギーの値を表3に示す。
Claims (6)
- モリブデン、ビスマス、鉄、コバルト、及びセリウムを含有し、
前記モリブデンと複合化した前記鉄のK吸収端X線吸収微細構造スペクトルを1階微分して得られるパターンにおける第一変曲点が、7125.5〜7127.0eVのX線エネルギーに現れる、オレフィン及び/又はアルコールを原料とする不飽和アルデヒドの製造用酸化物触媒。 - 下記組成式(1)で表される組成を有する、請求項1に記載の酸化物触媒。
Mo12BiaFebCocCedAeBfOg (1)
(式(1)中、Moはモリブデン、Biはビスマス、Feは鉄、Coはコバルト、Ceはセリウムを示し、
Aはカリウム、セシウム、及びルビジウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、
Bはニッケル、マンガン、銅、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、錫、鉛、ランタン、プラセオジウム、ネオジム、及びユウロピウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、
a〜fは、Mo12原子に対する各元素の原子比を示し、1.5≦a≦6、2≦b≦6、2≦c≦8、0.5≦d≦6、0.01≦e≦2、及び0≦f<2を満たし、
gは酸素以外の構成元素の原子価によって決まる酸素の原子数である。) - 請求項1又は2に記載の酸化物触媒の製造方法であって、
モリブデン、ビスマス、鉄、コバルト、及びセリウムを含む原料と、酸化剤及び還元剤と、を混合して原料スラリーを得る混合工程と、
前記原料スラリーを乾燥して乾燥体を得る乾燥工程と、
前記乾燥体を仮焼成して仮焼成体を得る仮焼成工程と、
前記仮焼成体を本焼成して酸化物触媒を得る本焼成工程と、
を含み、
前記仮焼成工程及び前記本焼成工程は、不活性ガス雰囲気で行い、
前記仮焼成工程において、前記仮焼成体の還元率を10%以上100%未満になるよう制御する、酸化物触媒の製造方法。 - 前記原料スラリーを20℃以上の温度で熟成させる熟成工程をさらに含む、請求項3に記載の酸化物触媒の製造方法。
- 前記還元剤を、前記原料に対して、1〜40質量%添加する、請求項3又は4に記載の酸化物触媒の製造方法。
- 請求項1又は2に記載の酸化物触媒を用いて、プロピレン、及びイソブチレンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィン、及び/又は、イソブタノール、及びt−ブチルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種のアルコール、を酸化反応させる工程を含む、不飽和アルデヒドの製造方法。
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