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JP6153838B2 - 血管透過性抑制剤 - Google Patents

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Description

本発明は、硝酸塩を含有する、血管透過性抑制剤に関する。
改変Davis分類では糖尿病網膜症は、(i)血管透過性亢進を伴う単純網膜症、(ii)血管閉塞を伴う前増殖網膜症、および(iii)血管新生を伴う増殖網膜症、の3つのステージに分類される(たとえば、船津英陽、「糖尿病網膜症の所見と重症度分類」、月刊糖尿病 vol.2 No.3, 49−50, 2010(非特許文献1)を参照。)。
糖尿病網膜症第1ステージに起こる血管透過性亢進は、原疾患である糖尿病に起因する高血糖が続くことにより、体内のタンパク質が非酵素的に糖化を受け、最終糖化産物(Advanced Glycation End product:AGEs)が産生されることにより開始される。AGEsは、網膜グリア細胞等で血管内皮増殖因子(Vascular Endothelial Growth Factor:VEGF)発現を誘導し(Lu, M., 「Advanced Glycation End Products Increase Retinal Vascular Endothelial Growth Factor Expression」, J Clin Invest 101(6) : 1219-1224, 1998(非特許文献2))、続いてVEGFは血管内皮細胞における接着分子(InterCellular Adhesion Molecule-1:ICAM−1)の発現を誘導する。血液中の白血球は、ICAM−1発現により血管内皮に接着・凝集し、サイトカインやフリーラジカルを放出する。このため、血管内皮細胞間の接着装置であるタイトジャンクションが分解し、網膜血液関門の破綻により血管透過性が亢進し、血液成分が漏出し浮腫・出血が発生する。
糖尿病において、浮腫が黄斑付近に生じた場合は糖尿病性黄斑浮腫と呼ばれ、重篤な視覚障害を引き起こす。他の浮腫を伴う眼科疾患として、滲出型加齢黄斑変性症や近視性黄斑変性症が知られているが、両疾患とも脈絡膜新生血管の発生・増殖により網膜に浮腫・出血が生じ、結果的に黄斑上に萎縮・瘢痕が形成されて視力の低下を引き起こす重篤な疾患である。
眼科領域における浮腫の治療では、炎症反応を抑制するためのステロイド剤、眼内のVEGFを無効化するための抗VEGF抗体、VEGF拮抗薬や偽VEGF受容体などが用いられ、全身的な副作用軽減のためこれらの薬剤は直接眼内に投与される。薬剤の眼内注射は、侵襲的であり患者に苦痛を与えるばかりか眼内感染症の危険性をも伴う。さらに、眼内注射は局所的ではあるが、投与された薬剤は血液中に入り全身循環に移行するため、全身的な副作用のリスクは払拭できず、ステロイド剤の場合は、免疫抑制作用による感染症、副腎皮質機能不全、糖新生の促進による糖尿病悪化等の危険性がある。また、抗VEGF薬は、月1回3ヶ月間、眼内に連続投与する必要があるため(ルセンティス添付文書(2013年3月改訂版)(非特許文献3))、患者の身体的負担が大きく、さらに、眼内投与後、数日間は洗髪、洗顔を控えることも余儀なくされるため患者のQOLの低下が問題になる。
眼科疾患の他に、血管透過性亢進により浮腫・出血を伴う疾患として、急性肺障害(Acute Lung Injury:ALI)および急性呼吸促迫症候群(Acute Respiratory Distress Syndrome:ARDS)が知られている。これらの疾患では、肺の炎症が引き金となりサイトカイン等の炎症性分子が産生され、肺に白血球(肺胞マクロファージ、好中球)が動員され毛細血管内皮および肺胞上皮が傷害を受け、毛細血管と気腔間の壁が破壊されることにより、血管透過性が亢進し浮腫が発生する。ALIおよびARDSの治療に関しては、呼吸管理療法、薬物療法の二つが試行されているが、症状を直接改善できる薬物療法は現在に至るまで確立されていない。
特開2011−037830号公報
船津英陽、「糖尿病網膜症の所見と重症度分類」、月刊糖尿病 vol.2 No.3, 49−50, 2010 Lu, M., 「Advanced Glycation End Products Increase Retinal Vascular Endothelial Growth Factor Expression」, J Clin Invest 101(6) : 1219-1224, 1998 ルセンティス添付文書(2013年3月改訂版)
上述のように、血管透過性亢進に起因する浮腫・出血を伴う眼科疾患の従来の治療法は、侵襲的な薬剤の眼内投与が主流であり、患者の身体的苦痛ならびにQOLの低下、さらには投与薬剤の全身的な副作用の危険性を伴うものであり、満足のいく内科的治療法は確立されていなかった。また、浮腫・出血を伴う肺疾患においては、症状を直接改善できる薬物治療法は見出されていない。
本発明の目的は、糖尿病性黄斑浮腫、滲出型加齢黄斑変性症、近視性黄斑変性症などの浮腫・出血を伴う眼科疾患および急性肺障害、急性呼吸促迫症候群などの浮腫・出血を伴う肺疾患などを、内科的に治療し、患者の身体的苦痛軽減ならびに患者のQOLを改善できる、副作用が少なく、安全性が高い血管透過性抑制剤を提供することである。
本発明の血管透過性抑制剤は、血管透過性亢進に起因する浮腫および出血の少なくともいずれかを伴う疾患の予防または治療に用いられる血管透過性を抑制する薬剤であって、硝酸塩を含有することを特徴とする。
本発明の血管透過性抑制剤は、硝酸イオンに換算して一日あたり5μmol/kg〜1300μmol/kgの範囲内で投与されることが好ましい。
また本発明の血管透過性抑制剤は、血漿中の硝酸イオン濃度の変動を抑えるように頻回投与されることが好ましい。
本発明における血管透過性亢進に起因する浮腫および出血の少なくともいずれかを伴う疾患は、糖尿病性黄斑浮腫、滲出型加齢黄斑変性症、近視性黄斑変性症、急性肺障害および急性呼吸促迫症候群からなる群から選ばれる少なくともいずれかであることがより好ましい。
本発明によれば、眼科疾患および肺疾患における血管透過性を抑制し、糖尿病性黄斑浮腫、滲出型加齢黄斑変性症、近視性黄斑変性症、急性肺障害、急性呼吸促迫症候群などの浮腫・出血を伴う疾患を、患者に身体的苦痛、QOLの低下を与えることなく、副作用が少なく安全性が高い、予防または治療することができる、浮腫・出血を伴う眼科疾患および肺疾患の予防、治療薬が提供される。
実験例1の結果を示す網膜血管の蛍光造影写真であり、図1(a)は対照1を投与した場合、図1(b)は被験化合物1を投与した場合をそれぞれ示している。 STZ誘発糖尿病モデルマウスに被験化合物1および対照1をそれぞれ7カ月間投与した場合の浮腫発生数を示すグラフである。 STZ誘発糖尿病モデルマウスに被験化合物2および対照2をそれぞれ投与した場合のエバンスブルーの漏出量を比較して示すグラフである。 実験例3の結果として、血管壁に白血球が接着している様子を示す蛍光造影写真である。 STZ誘発糖尿病モデルマウスに被験化合物3および対照3をそれぞれ投与した場合の網膜血管に接着した白血球数を健常マウスと共に比較して示すグラフである。 STZ誘発糖尿病モデルマウスに被験化合物4および対照4をそれぞれ投与した場合の網膜組織中のVEGF発現量を比較して示すグラフである。 実験例5の結果として、被験化合物投与群5と対照群5とを比較して示す肺中葉のHE染色標本の光学顕微鏡写真であり、図7(a)は被験化合物投与群5、図7(b)は対照群5についてそれぞれ示している。 実験例6の結果として、被験化合物投与群6と対照群6とを比較して示す肺中葉のHE染色標本の光学顕微鏡写真であり、図8(a)は対照群6、図8(b)は被験化合物投与群6についてそれぞれ示している。
眼科疾患および肺疾患における浮腫・出血は、血管内皮細胞への白血球接着や血管内皮増殖因子(VEGF)等のサイトカイン発現により血管内皮細胞間のタイトジャンクションが破綻して、血管透過性が亢進し血液成分が漏出することにより発生する。本発明者は、硝酸塩が医薬的に許容される安全な投与量において、血管透過性亢進に関与している白血球の血管内接着・凝集の抑制、およびVEGF等のサイトカインの発現に影響を及ぼし、血管透過性を抑制する作用を有することを見出した。特に、体内の硝酸イオン濃度を高めることにより、眼科疾患および肺疾患における血管透過性を抑制し、糖尿病性黄斑浮腫、滲出型加齢黄斑変性症、近視性黄斑変性症、急性肺障害、急性呼吸促迫症候群などの浮腫・出血を伴う疾患の予防・治療が可能となる。
本発明における硝酸塩は、無機アニオン(硝酸イオン:N0 )とカチオンから形成される薬学的に許容される塩であればよく、例えば、カチオンとしてアルカリ金属、アルカリ土類金属、或いは有機塩基を用いることができる。例えば、アルカリ金属として、ナトリウム、カリウムが好ましく、アルカリ土類金属として、カルシウム、マグネシウムが好ましく、有機塩基として、アルギニン、リジンが好ましい。
元来、硝酸塩は、土壌を含む自然界に広く分布しており、主に葉野菜の摂取によって人体に取り込まれる。例えば、ホウレンソウ生葉には、硝酸塩が、硝酸イオンに換算して100g中約0.2g(文部科学省作成「五訂増補日本食品標準成分表」)含まれており、人が日常的に摂取しても問題のない安全性の高い化合物であることは経験的に知られている。硝酸塩の毒性として、唯一立証されているのが過剰投与によるメトヘモグロビン血症の発症であるが、発明者が詳細に調査した結果、体重1kgあたり硝酸ナトリウム2000μmol(約170mg)投与までは血中のメトヘモグロビンの増加は起こらないことがわかっている。
硝酸塩を使用した眼科領域における従来技術として、増殖網膜症の病的血管新生を制御する方法が公開されているが(特許文献1)、当該方法は、糖尿病網膜症の末期に好適に適用されるものであり、寧ろ糖尿病網膜症の初期に好適に適用される、本願発明のような血管透過性亢進により発生する浮腫・出血への硝酸塩の有効性、適用については、未だ研究ならびに発明はなされていない。
浮腫・出血を伴う眼科疾患および肺疾患に対する本発明の予防・治療効果は、一日の硝酸イオン投与量により規定され、有効投与量は、一日当たり5μmol/kg(体重)〜1300μmol/kg(体重)の範囲で、好ましくは10μmol/kg(体重)〜100μmol/kg(体重)、より好ましくは15μmol/kg(体重)〜75μmol/kg(体重)である。
また本発明の血管透過性抑制剤は、後述する実験例1と実験例2の結果から明らかなように、有効1日投与量を複数回(特に好適には1日に3回以上)に分けて投与される方が好ましい。すなわち、本発明の血管透過性抑制剤は、頻回投与により血漿中硝酸イオン濃度の変動を小さくし、恒常的に硝酸イオン濃度を高い状態に維持することで本効果が得やすくなる。
さらに、本発明における硝酸塩の投与形態として、硝酸塩が水に溶け易く、消化管からの吸収性が良好なことから、非経口、経口問わず多様な投与形態を使用することができる。非経口投与剤型としては、注射剤(硝子体への注射は含まない)、吸入剤等が挙げられ、一方、経口投与剤型としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、内用液剤等が挙げられる。これらの製剤は、汎用されている製剤技術を用いて、配合変化に注意し、薬学的に許容される医薬品添加物を使用して調製することができる。なお、上述したように、本効果をより有効に得るためには、恒常的に血中硝酸イオン濃度を高い状態にする必要があるため、放出制御を施した製剤は、本発明の効果を引き出すのに適した剤型である。また、本発明の血管透過性抑制剤は、特定保健用食品、健康食品、サプリメントなどの形態で提供されてもよい。
以下、実験例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実験例1:硝酸塩の眼科疾患浮腫予防・治療効果の評価>
糖尿病モデル動物として汎用されている薬物誘発糖尿病モデルマウスを用いて、硝酸塩の浮腫発生予防および治療効果を評価した。
(被験化合物1の調製)
被験化合物として硝酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社)を蒸留水(和光純薬工業株式会社)に溶解し、濃度3mmol/Lのナトリウム経口投与液を調製した(被験化合物1)。効果比較のため対照投与液として蒸留水を用いた(対照1)。
(実験方法)
1)STZ誘発糖尿病モデルマウスの作製
実験動物はC57BL/6Jマウス(日本エスエルシー株式会社)を使用した。生後5週目にストレプトゾトシン(SIGMA、以下「STZ」と略す)注射液を、1日1回、2日間、マウス腹腔内に体重1kgあたり100mg投与し、糖尿病を誘発させた。STZ投与1週間後に、全頭の血糖値をアントセンスロゼ(株式会社堀場製作所)で測定し、300〜500mg/dLのものを実験に供した。
2)評価試験
STZ誘発糖尿病モデルマウスを、被験化合物1投与群(被験化合物投与群1)と対照1投与群(対照群1)の2群に分け、1日1回、7ヵ月間、硝酸ナトリウム15μmol/kg(体重)に相当する被験化合物1或いは対照1を、経口ゾンデを用いて胃内投与した。
被験化合物1および対照1の投与開始から7ヶ月経過後、各々のマウスの血糖値をアントセンスロゼ(株式会社堀場製作所)で測定した。引続き、深麻酔下にて開胸し、エバンスブルー(SIGMA)生理食塩水溶液(30mg/mL)を2mL左心室から2分間かけて全身灌流させた。その後、眼球を摘出し4% パラホルムアルデヒドリン酸緩衝液(和光純薬工業株式会社)で4時間固定した。固定後、網膜を剥離して網膜伸展標本を作製した。顕微鏡観察は、蛍光倒立顕微鏡(オリンパスIX71)を使用し、網膜血管からエバンスブルーが漏れている箇所を浮腫発生部位とみなし計数評価した。
(結果および効果)
図1は、実験例1の結果を示す網膜血管の蛍光造影写真であり、図1(a)は対照1を投与した場合、図1(b)は被験化合物1を投与した場合をそれぞれ示している。また図2は、実験例1の結果として、STZ誘発糖尿病モデルマウスに被験化合物1および対照1をそれぞれ7カ月間投与した場合(対照群1:N=4、被験化合物投与群1:N=6)の浮腫発生数を示すグラフであり、縦軸は浮腫数(個)を示している。エバンスブルーによる浮腫評価に先だって被験化合物投与群1および対照群1の血糖値を測定した結果、被験化合物投与群1は平均755.3mg/dL、対照群1は平均752.5mg/dLであり、被検化合物1投与による原疾患(糖尿病)への影響は認められなかった。しかしながら、高血糖のため血管透過性が亢進し発生した浮腫の数は、対照群1に比して被験化合物投与群1では、約1/3に減少した。この結果から、硝酸塩が、糖尿病網膜症等の眼科疾患で発症する浮腫を予防または治療する効果を有することが明らかとなった。
<実験例2:硝酸塩の眼科疾患血管透過性抑制効果の評価>
眼科疾患および肺疾患における浮腫・出血は、血管内皮細胞への白血球接着や血管内皮増殖因子(VEGF)等のサイトカイン発現により血管内皮細胞間のタイトジャンクションが破綻して、血管透過性が亢進し血液成分が漏出することにより発生する。硝酸塩の血管透過性抑制効果について、STZ誘発糖尿病モデルマウスを用いて、血液成分のアルブミンと特異的に結合する色素(エバンスブルー)を血管内に投与し、一定時間後、血管から網膜組織中へ漏出したエバンスブルー量を測定することにより評価した。
(被験化合物2の調製)
硝酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社)を蒸留水(和光純薬工業株式会社)に溶解し、濃度150mg/Lの硝酸ナトリウム水溶液を調製した(被験化合物2)。効果比較のため対照投与液として蒸留水を用いた(対照2)。
(実験方法)
1)STZ誘発糖尿病モデルマウスの作製
STZ誘発糖尿病モデルマウスの作製は、実験例1に準じて行った。
2)評価試験
STZ誘発糖尿病モデルマウスを、被験化合物2投与群(被験化合物投与群2)と対照2投与群(対照群2)の2群に分け、それぞれの群に対し、12ヵ月間、試験液をマウス用給水ビン(株式会社夏目製作所)に入れ、自由摂取させた。なお、一日当たりの飲水量は、試験液の入った給水ビンの重量変化から算出した。評価試験期間中の被検化合物投与群2に対する硝酸ナトリウム投与量は、一日当たり平均1300μmol/kg(体重)であった。
血管透過性評価試験は、各群のSTZ誘発糖尿病モデルマウスの血糖値を、アントセンスロゼ(株式会社堀場製作所)を用いて測定してから行った。まず、濃度30mg/mLのエバンスブルー生理食塩水を、尾静脈から投与(投与量:エバンスブルー45mg/kg(体重))し、飼育ゲージに戻し2時間通常通り生活させることにより、網膜血管からの血液成分の漏出を待った。2時間後、マウス顎静脈から採血し、血漿中エバンスブルー濃度測定用サンプルとした。続いて、深麻酔を施し、左心室から1mL/5g(マウス体重)の用量で1% パラホルムアルデヒド−クエン酸水溶液(パラホルムアルデヒド(和光純薬工業株式会社)を0.05M クエン酸(和光純薬工業株式会社)水溶液で溶解)を全身灌流して血液を洗い流した。その後、速やかに眼球を摘出し、網膜を剥離して恒量になるまで4℃で乾燥させ網膜乾燥重量を測定した。網膜組織に漏出したエバンスブルーは、網膜1個に対し30μLのホルムアミド(和光純薬工業株式会社)を加え70℃で18時間加温することにより抽出された。抽出溶液を、4℃、10,000Gで20分間遠心分離し、上清を網膜組織中エバンスブルー濃度測定用サンプルとした。なお、血漿中および網膜組織中のエバンスブルー濃度は、吸光光度計(日本分光株式会社、V−670)を使用し波長620nmの吸光度測定により算定した。以下の式で、エバンスブルー漏出量を算出した。
エバンスブルー漏出量
=(網膜組織中エバンスブルー濃度/網膜重量)/(血漿中エバンスブルー濃度×潅流時間)
(結果および効果)
図3は、実験例2の結果として、STZ誘発糖尿病モデルマウスに被験化合物2および対照2をそれぞれ投与した場合(対照群2:N=6、被験化合物投与群2:N=4)のエバンスブルーの漏出量を比較して示すグラフであり、縦軸はエバンスブルー漏出量(μg・μL/g・μg・h)である。エバンスブルーによる血管透過性評価に先だって被験化合物投与群2および対照群2の血糖値を測定した結果、被験化合物投与群2は平均397.0mg/dL、対照群2は平均412.3mg/dLであり有意な差は認められず、被験化合物2投与による原疾患(糖尿病)への影響はなかった。しかしながら、血管透過性亢進の指標となる網膜組織中へのエバンスブルーの漏出量は、対照群2に比して被験化合物投与群2では約1/12に減少した。この結果から、硝酸塩が、高血糖により引き起こされる血管透過性の亢進を抑制する効果を有することが明らかとなった。
<実験例3:硝酸塩の眼内毛細血管への白血球接着・凝集抑制効果の評価>
血管透過性亢進を引き起こす血管内皮への白血球の接着・凝集に対する硝酸塩の抑制効果を、STZ誘発糖尿病モデルマウスを用いて評価した。
(被験化合物3の調製)
硝酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社)を蒸留水(和光純薬工業株式会社)に溶解し、濃度150mg/Lの硝酸ナトリウム水溶液を調製した(被験化合物3)。効果比較のため対照投与液として蒸留水を用いた(対照3)。
(実験方法)
1)STZ誘発糖尿病モデルマウスの作製
STZ誘発糖尿病モデルマウスの作製は、実験例1に準じて行った。
2)評価試験
STZ誘発糖尿病モデルマウスを、被験化合物3投与群(被験化合物投与群3)と対照3投与群(対照群3)の2群に分け、それぞれの群に対し、6ヶ月間、試験液をマウス用給水ビン(株式会社夏目製作所)に入れ、自由摂取させた。なお、一日当たりの飲水量は、試験液の入った給水ビンの重量変化から算出した。評価試験期間中の被験化合物投与群3に対する硝酸ナトリウム投与量は、一日当たり平均1300μmol/kg(体重)であった。
血管内皮に対する白血球の接着・凝集評価試験は、蛍光標識(FITC)されたコンカナバリンA(ConA)の白血球への吸着特性を利用して行った。まず、STZ誘発糖尿病マウスを深麻酔下開胸し、右心耳切開後、濃度40μg/mLのFITC−ConA液(FITC−ConA(ベクターラボラトリーズ)をリン酸緩衝液(ライフテクノロジーズジャパン)で溶解))2.5mLを左心室から1mL/分の速度で灌流させた。次いで、リン酸緩衝液(ライフテクノロジーズジャパン)10mLを全身灌流させ、血管内皮に接着していない白血球を洗い流した。その後、速やかに眼球を摘出し、4% パラホルムアルデヒドリン酸緩衝液(和光純薬工業株式会社)で4時間固定し、網膜を剥離して網膜伸展標本を作製した。顕微鏡観察は、蛍光倒立顕微鏡(オリンパスIX71)を使用し、1網膜当たりの血管内皮に接着している白血球数を計数評価した。
(結果および効果)
図4は、実験例3の結果として、血管壁に白血球が接着している様子を示す蛍光造影写真であり、写真中、白い矢印の先が、血管壁に接着した白血球を示している。また図5は、実験例3の結果として、STZ誘発糖尿病モデルマウスに被験化合物3および対照3をそれぞれ投与した場合の網膜血管に接着した白血球数を健常マウスと共に比較して示す(対照群3:N=4、被験化合物投与群3:N=4、健常マウス:N=2)グラフであり、縦軸は1網膜当たりの接着白血球数(個)である。糖尿病発症から、6ヵ月間、蒸留水を投与し続けた対照群3の網膜血管内皮接着白血球数は、健常マウスに比して約10倍多かった。しかしながら、6ヵ月間、硝酸ナトリウム水溶液を投与し続けた被験化合物投与群3では、接着白血球数が対照群3の約5/9に減少した。この結果から、硝酸塩が、高血糖により引き起こされる眼内毛細血管への白血球接着・凝集を抑制する効果を有することが明らかとなった。
<実験例4:硝酸塩の血管内皮増殖因子発現に及ぼす影響の評価>
血管透過性亢進に関与するタンパク質である血管内皮増殖因子(VEGF)の発現に及ぼす硝酸塩の影響を、STZ誘発糖尿病モデルマウスを用いて評価した。
(被験化合物4の調製)
硝酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社)を蒸留水(和光純薬工業株式会社)に溶解し、濃度150mg/Lの硝酸ナトリウム水溶液を調製した(被験化合物4)。効果比較のため対照投与液として蒸留水を用いた(対照4)。
(実験方法)
1)STZ誘発糖尿病モデルマウスの作製
STZ誘発糖尿病モデルマウスの作製は、実験例1に準じて行った。
2)評価試験
STZ誘発糖尿病モデルマウスを、被験化合物4投与群(被験化合物投与群4)と対照4投与群(対照群4)の2群に分け、それぞれの群に対し、7ヶ月間、試験液をマウス用給水ビン(株式会社夏目製作所)に入れ、自由摂取させた。なお、一日当たりの飲水量は、試験液の入った給水ビンの重量変化から算出した。評価試験期間中の被験化合物投与群4に対する硝酸ナトリウム投与量は、一日当たり平均1300μmol/kg(体重)であった。
網膜組織中のVEGFの定量は、SDS−PAGEを経てウェスタンブロット法により行った。まず、STZ誘発糖尿病マウスの眼球を深麻酔下摘出し、網膜を剥離してM−PER(Thermo Scientific)で溶解した。得られた網膜溶液について、総タンパク質量の測定とSDS−PAGEによりVEGFを分離した。発現したVEGF量の検出は、抗VEGF抗体(abcam)を用いたウェスタンブロット法により行った。検出用の試薬として、イムノスターLD(和光純薬)を使用した。なお、検出結果は、ImageJ(NIH)を用いたデンシトメトリー法にて数値化された。
(結果および効果)
図6は、実験例4の結果として、STZ誘発糖尿病モデルマウスに被験化合物4および対照4をそれぞれ投与した場合の網膜組織中のVEGF発現量を比較して示す(対照群4:N=7、被験化合物投与群4:N=3)グラフであり、縦軸はVEGF発現量の相対値(対照群4を1とする)である。糖尿病発症から7ヵ月間、硝酸ナトリウム水溶液を投与し続けた被験化合物投与群4の網膜組織中VEGF発現量は、対照群4に比して約60%減少した。この結果から、硝酸塩が、血管透過性亢進に関与するタンパク質であるVEGFの発現に影響を及ぼすことが明らかとなった。
<実験例5:硝酸塩の浮腫および出血を伴う肺障害に対する治療効果の評価>
高濃度酸素投与により浮腫・出血を伴う肺障害を誘発させた肺障害モデルマウスを用いて、硝酸塩の浮腫・出血を伴う肺疾患に対する治療効果を評価した。
(被験化合物5の調製)
硝酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社)を注射用生理食塩水(大塚製薬株式会社)に溶解し、濃度20mmol/Lの硝酸ナトリウム注射液を調製した(被験化合物5)。効果比較のため対照投与液として注射用生理食塩水を用いた(対照5)。
(実験方法)
1)肺障害モデルマウスの作製
実験動物はC57BL/6Jマウス(日本エスエルシー株式会社)を使用した。新生仔マウスを生後1日から12日まで親マウスと共に、酸素制御装置(Biospherix, Ltd製、型番:PRO−OX 110)によって高濃度酸素(75±1% O)状態に制御されたケージ内で飼育した。12日以降は大気圧条件下(21% O)に戻し、生後17日まで飼育した。
2)評価試験
肺障害モデルマウスを、被験化合物5投与群(被験化合物投与群5)と対照5投与群(対照群5)の2群に分け、1日1回、生後12日から生後17日までの6日間、硝酸ナトリウム100μmol/kg(体重)に相当する被験化合物5或いは対照5を頚部皮下注射した。
生後17日目に、深麻酔によりマウスを安楽死させ肺を摘出し、4% パラホルムアルデヒドリン酸緩衝液(和光純薬工業株式会社)中で48時間固定した。固定後、各肺葉に切り分け、エタノール系列により脱水し、パラフィン包埋を行った。その後、肺葉を厚さ4μmの薄切とし、脱パラフィン後、ヘマトキシリン−エオジン染色(HE染色)を行い光顕標本とした。顕微鏡観察は、倒立顕微鏡(オリンパスIX71)を使用し、浮腫・出血部位、肺胞壁の損傷等の障害部位を評価した。
(結果および効果)
図7は、実験例5の結果として、被験化合物投与群5と対照群5とを比較して示す肺中葉のHE染色標本の光学顕微鏡写真であり、図7(a)は被験化合物投与群5、図7(b)は対照群5についてそれぞれ示している。対照群5の肺中葉(図7(b))において、高濃度酸素により肺胞壁が破損し炎症を起こして、浮腫・出血が広範囲にわたって発生しているのが観察された(図7(b)中、円内)。これに対し、被験化合物投与群5では、浮腫・出血が抑えられ肺胞壁が修復されているのが認められた(図7(a))。この結果から、硝酸塩が、炎症性の肺疾患において発生する浮腫・出血を治療する効果を有することが示唆された。
<実験例6:硝酸塩の肺障害組織における白血球凝集・浸潤抑制効果の評価>
高濃度酸素誘発肺障害モデルマウスを用いて、血管透過性亢進に関与する炎症部位への白血球の凝集・湿潤に対する硝酸塩の抑制効果を評価した。
(被験化合物6の調製)
硝酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社)を注射用生理食塩水(大塚製薬株式会社)に溶解し、濃度20mmol/Lの硝酸ナトリウム注射液(被験化合物6)を調製した。効果比較のため対照投与液として注射用生理食塩水を用いた(対照6)。
(実験方法)
1)肺障害モデルマウスの作製
肺障害モデルマウスの作製は、実験例5に準じて行った。
2)評価試験
肺障害モデルマウスを、被験化合物6投与群(被験化合物投与群6)と対照6投与群(対照群6)の2群に分け、1日1回、生後12日から生後17日までの6日間、硝酸ナトリウム100μmol/kg(体重)に相当する被験化合物6或いは対照6を頚部皮下注射した。
生後17日目に、深麻酔によりマウスを安楽死させ肺を摘出し、4% パラホルムアルデヒドリン酸緩衝液(和光純薬工業株式会社)中で48時間固定した。固定後、各肺葉に切り分け、エタノール系列により脱水し、パラフィン包埋を行った。その後、肺葉を厚さ4μmの薄切とし、脱パラフィン後、ヘマトキシリン−エオジン染色(HE染色)を行い光顕標本とした。顕微鏡観察は、倒立顕微鏡(オリンパスIX71)を使用し肺胞炎症部位に凝集・湿潤している白血球を調べた。
(結果および効果)
図8は、実験例6の結果として、被験化合物投与群6と対照群6とを比較して示す肺中葉のHE染色標本の光学顕微鏡写真であり、図8(a)は対照群6、図8(b)は被験化合物投与群6についてそれぞれ示している。対照群6および被験化合物投与群6において、高濃度酸素により肺胞壁の破損・炎症が生じ、肺胞内へ血液成分が漏出している部位を精査した結果、対照群6では出血部位に白血球(図8(a)中、白色の矢印の先)が散見されたが、被験化合物投与群6ではほとんど確認されなかった(図8(b))。この結果から、硝酸塩が、肺障害組織における白血球の凝集・浸潤を抑制する効果を有することが示唆された。
今回開示された実施の形態および実験例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

Claims (4)

  1. 血管透過性亢進に起因する浮腫および出血の少なくともいずれかを伴う疾患の予防または治療に用いられる血管透過性を抑制する薬剤であって、アニオンとして硝酸イオン(NO )を含み、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルギニンまたはリジンをカチオンとして含む硝酸塩を含有する、血管透過性抑制剤。
  2. 硝酸イオンに換算して一日あたり5μmol/kg〜1300μmol/kgの範囲内で投与される、請求項1に記載の血管透過性抑制剤。
  3. 血漿中の硝酸イオン濃度の変動を抑えるように頻回投与される、請求項1または2に記載の血管透過性抑制剤。
  4. 血管透過性亢進に起因する浮腫および出血の少なくともいずれかを伴う疾患が、糖尿病性黄斑浮腫、滲出型加齢黄斑変性症、近視性黄斑変性症、急性肺障害および急性呼吸促迫症候群からなる群から選ばれる少なくともいずれかである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の血管透過性抑制剤。
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