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JP6149536B2 - 定着部材、定着装置、及び画像形成装置 - Google Patents

定着部材、定着装置、及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真方式における定着部材、定着装置、及び画像形成装置に関する。
近年、複写機やプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置はフルカラー化の傾向にあり、その割合は徐々に高まりつつある。通常、電子写真方式のカラー画像形成装置は、記録媒体上に4色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)のトナー像からなるカラー画像を形成する画像形成部と、形成されたトナー像を記録媒体上に定着させる定着装置とを備えている。定着装置は、記録媒体上のトナー像を加熱する加熱手段と、トナー像を記録媒体上に定着させる定着部材と、定着部材と定着ニップを形成する加圧部材とを備え、記録媒体が定着ニップを通過する際に、トナー像を加熱、加圧して記録媒体上に定着させる。
定着部材としては、ベルト形状又はローラ形状のものが知られており、基材となる金属ローラ又は樹脂製のシームレスベルトの上に、耐熱性ゴムなどからなる弾性層を設けたもの、および弾性層の上にさらに離型層を設けたものなどが用いられている。なお、一般に、ローラ形状の定着部材には、加熱手段をローラ内部に組み込んで一体化したもの(加熱定着ローラ)が使用されており、また、ベルト形状の定着部材にもベルトが掛け回されたローラ内部には加熱手段が組み込まれているものがよく知られている。
定着部材は、フルカラーの多色トナー像(通常、4色のトナー像)を均一に加熱するため、トナー像に対して柔軟に密着し、効率よく熱を伝えることが必要となる。そこで、定着部材には、柔軟性と耐熱性を兼ね備えたシリコーンゴムを使用することが多い。しかし、シリコーンゴム自身は熱伝導性が低く、トナー像への熱伝導速度が遅くなる場合がある。トナー像への熱伝導が遅くなると、定着部材表面をトナー像の定着温度まで加熱するのに多くの時間が必要となり、高速機の場合には、熱の供給が間に合わなくなる。また、画像形成装置の立ち上がり速度が遅くなってしまうこともある。なお、定着装置の定着部材の温度上昇に対する立ち上がり速度が、電源投入時における画像形成装置全体の立ち上がりの律速になっていることが多い。
上記問題を解決する方法として、シリコーンゴムに炭素繊維を配合することで弾性層の熱伝導性を向上させ、且つ、シリコーンゴムに空孔部を設けることで弾性層の熱容量を低減させて、画像形成装置の立ち上がり時間を短縮させる技術が開示されている(特許文献1〜4)。
上記技術は高熱拡散に有効であり、弾性層を薄膜化することで、熱容量を更に低減できるため、画像形成装置の高速立ち上げが可能である。しかし、弾性層の厚さが薄くなるとニップ幅が減少してトナー像への追従性が低下し、画像に光沢ムラや定着不良が発生する問題がある。
弾性層のニップ幅を増加させる方法としては、例えば、弾性層を多層または複数の領域から成る構造にして柔軟性を高める方法が考えられる(特許文献5〜8)。
特許文献5の開示技術は弾性層の空隙率が等しい発泡弾性層を2層構造にしているため、ニップ幅は単層構造の発泡弾性層とあまり変わらない。
特許文献6の開示技術は弾性層に連続気泡を有する領域と独立気泡を有する領域を有しており、ニップ幅の増加に有効であるが、弾性層の表面側に連続気泡を有する領域があるため、弾性層表面に凹凸が生じる。弾性層の平滑性が低いと離型層にまで凹凸やシワが生じ、画像に光沢ムラや定着不良が発生する問題がある。
特許文献7の開示技術は弾性層に発泡平均セル径が大きい領域と発泡平均セル径が小さい領域を有しており、ニップ幅の増加に有効であるが、弾性層の表面側に発泡平均セル径が大きい領域があるため、弾性層の平滑性は低い。そのため、画像に光沢ムラや定着不良が発生する問題がある。
特許文献の開示技術は低発泡弾性層と高発泡弾性層の2層構造になっており、ニップ幅の増加に有効であるが、弾性層の表面側に低発泡弾性層があるため、弾性層表面側の熱容量が大きく熱拡散しにくい。
これらいずれの従来技術においても、弾性層の高熱拡散を維持したまま、弾性層の厚さが薄くなっても柔軟性と平滑性に優れる定着部材は提供できていない。
また、アセチレンアルコール類はシリコーンゴムの硬化速度を制御する硬化遅延剤として公知である(特許文献9)。本発明では、弾性層にアセチレンアルコール類を含有することでの柔軟性と平滑性を改善できる。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的は、高速立ち上げが可能であって、画像の光沢ムラの発生を抑制することができる定着部材、定着装置、及び画像形成装置を提供することにある。
本発明は以下に記載するとおりの定着部材、定着装置、及び画像形成装置に係るものである。
[1]トナー像の定着に用いられる定着部材であって、前記定着部材が、基材と、該基材の外周に設けられた第1の弾性層と、該第1の弾性層の外周に設けられた第2の弾性層と、該第2の弾性層の外周に設けられた離型層とを備えており、該第1の弾性層は炭素繊維とマイクロバルーンとを含有するシリコーンゴム組成物から成り、且つ、該第2の弾性層は炭素繊維とマイクロバルーンとアセチレンアルコール類とを含有するシリコーンゴム組成物から成ることを特徴とする定着部材。
[2]前記第2の弾性層中のマイクロバルーンの平均粒子径が、前記第1の弾性層中のマイクロバルーンの平均粒子径よりも小さいことを特徴とする前記[1]に記載の定着部材。
[3]前記第2の弾性層の厚さが、前記第1の弾性層の厚さの半分以下であることを特徴とする前記[2]に記載の定着部材。
[4]前記[1]乃至[3]のいずれかに記載の定着部材を備えたことを特徴とする定着装置。
[5]前記[4]に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
以下の詳細かつ具体的な発明から明らかなように、本発明によれば、高速立ち上げが可能であって、画像の光沢ムラの発生を抑制することができる定着部材、定着装置、及び画像形成装置を提供することができる。
本発明の定着部材例の断面図である。 本発明の定着部材例の断面拡大図である。 本発明の定着装置例(ベルト方式)の概略図である。 本発明の画像形成装置例の概略図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照にして具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内で、変更、改良などをすることができる。
<定着部材>
図1は、本発明の実施形態の1つの定着部材の構成を示す断面図である。なお、図1の定着部材は、ローラ、ベルト、シート等、どのような形状でもよい。図1に示す定着部材1は、基材2と、基材2の外周に設けられた第1の弾性層3と、第1の弾性層3の外周に設けられた第2の弾性層4と、第2の弾性層4の外周に設けられた離型層5とを備えている。定着部材の各層の間には必要に応じてプライマー層を設けてもよい。
図2は、図1における定着部材の微細構造を拡大して説明する図である。第1の弾性層3は、シリコーンゴム6aと炭素繊維7aとマイクロバルーン8aとから構成されるシリコーンゴム組成物であり、第2の弾性層4は、シリコーンゴム6bと炭素繊維7bとマイクロバルーン8bとアセチレンアルコール類(不図示)とから構成されるシリコーンゴム組成物である。
シリコーンゴム6としては、オルガノシロキサン構造を有するゴムであれば特に限定されずに用いることができる。シリコーンゴムとしては、例えば、KE−1950−30(信越化学工業)、DY35−2083(東レ・ダウコーニング)等が挙げられる。シリコーンゴムの中でも付加型液状シリコーンゴムは90〜140℃程度の温度で硬化し、加工性に優れるため好ましい。
炭素繊維7としては、プリカーサー(炭素繊維の原料を繊維化したもの)を炭素化して得られるものを用いることができる。炭素繊維には製造条件によってピッチ系炭素繊維とPAN系炭素繊維とがある。ピッチ系炭素繊維としては、例えば、GRANOC(R)XN−100−05M、XN−100−15M(日本グラファイトファイバー)、ダイアリード(R)K223QM、K6361M、K223HM(三菱樹脂)、ドナカーボ・ミドルS−2404、S−249、S−241、SG−249(大阪ガスケミカル)等が挙げられる。PAN系炭素繊維としては、例えば、トレカ(R)ミルドファイバーMLD−30、MLD−300、MLD−1000(東レ)、パイロフィル(R)チョップドファイバー(三菱レイヨン)などが挙げられる。ピッチ系炭素繊維はPAN系炭素繊維よりも熱伝導性に優れるため好ましい。また、炭素繊維としては、アスペクト比の大きいカーボンナノチューブを用いることもできる。
炭素繊維の添加量は、シリコーンゴム100重量部に対して好ましくは1〜60重量部、更に好ましくは5〜50重量部の範囲である。添加量が1重量部未満の場合には熱伝導性の向上が見られない。また、添加量が60重量部を超える場合には成型した定着部材の強度や柔軟性や表面平滑性の低下を招くため好ましくない。
マイクロバルーン8としては、直径5〜300μmの中空体であれば特に限定されずに用いることができる。マイクロバルーンには外殻成分によってプラスチックバルーン、ガラスバルーン、シリカバルーン、カーボンバルーンなどがある。マイクロバルーンとしては、例えば、マツモトマイクロスフェアー(R)F−30、F−36、F−50、F−55、F−80SDE、FN−80SDE、F−65DE、F−80DE(松本油脂製薬)、エクスパンセル(R)053−40、031−40、551DE40d42、920DE40d30、EMC40(B)(日本フィライト)等が挙げられる。マイクロバルーン中でもプラスチックバルーンは弾性が高く、軽量であるため好ましい。プラスチックバルーンは熱膨張性であり、弾性層を加熱成型する際に膨張して空孔部を形成することができる。また、未膨張のプラスチックバルーンを膨張させて既膨張プラスチックバルーンとした後に配合することもできる。既膨張プラスチックバルーンは膨張が完了しているので成型工程で体積や形状が変化しにくく、寸法精度に優れるため好ましい。
マイクロバルーンの平均粒子径は大きい方が定着部材の熱容量の低減と柔軟性の改善に効果があるものの、弾性層の厚さが薄い場合は表面平滑性の低下を招くことがある。そこで、マイクロバルーンの平均粒子径は、後述する弾性層の厚さよりも小さいことが好ましい。
また、第2の弾性層中のマイクロバルーン8bの平均粒子径は第1の弾性層中のマイクロバルーンの平均粒子径よりも小さいことが更に好ましい。これにより、定着部材の熱容量と柔軟性と平滑性を改善する効果を発現することができる。
マイクロバルーンの添加量は、シリコーンゴム100重量部に対して好ましくは0.1〜5重量部、更に好ましくは0.5〜3重量部の範囲である。添加量が0.1重量部未満の場合には熱容量の低減が見られない。また、添加量が5重量部を超える場合には成型した定着部材の強度や表面平滑性の低下を招くため好ましくない。
アセチレンアルコール類としては、例えば、2−メチル−3−ブチン−2−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、フェニルブチノール、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール等が挙げられる。
アセチレンアルコール類はシリコーンゴムの硬化速度を制御する硬化遅延剤として配合されることがあるが、通常はシリコーンゴムの成型工程で気化し、シリコーンゴム中にはごく微量しか残留しない。そのため、シリコーンゴムの柔軟性と平滑性を改善する効果は見られない。一方、本発明に係わるアセチレンアルコール類は第2の弾性層の成型後も弾性層に残り、定着部材の柔軟性と平滑性を改善する効果を発現することができる。
アセチレンアルコール類の添加量は、シリコーンゴム100重量部に対して好ましくは0.01〜5重量部、更に好ましくは0.05〜2重量部の範囲である。添加量が0.01重量部未満の場合には柔軟性と平滑性の改善効果が見られない。また、添加量が5重量部を超える場合にはシリコーンゴムの硬化を阻害するため好ましくない。
弾性層の組成物は、シリコーンゴムに炭素繊維とマイクロバルーンとアセチレンアルコール類とを混合/混錬分散して調製することができる。なお、弾性層には、本発明の効果を損なわない範囲であれば、目的に応じて、公知の充填剤、導電剤、耐熱剤等の添加剤を任意に添加することができる。
弾性層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、弾性層の組成物をブレード塗装、ダイ塗装、ディップ塗装などで塗布し、その後、熱や電子線などで硬化する方法が挙げられる。
弾性層全体の厚さは、好ましくは0.05〜4mm、更に好ましくは0.1〜2mmの範囲である。厚さが0.05mm未満の場合には十分な定着ニップ幅を形成できないことがある。また、厚さが4mmを超える場合には熱伝導性の低下や熱容量の増大を招き、画像形成装置の高速化や立ち上がりの迅速性に影響することがある。
第2の弾性層の厚さは第1の弾性層の厚さの半分以下であることが更に好ましい。これにより、定着部材の柔軟性を改善する効果を発現することができる。
基材2としては、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイド、フッ素樹脂等の樹脂、これらの樹脂に磁性導電性粒子を分散したもの、ニッケル、ステンレス、鉄、アルミニウム、銅等の金属、これら金属の合金などを用いることができる。
基材の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、基材の材料を金型成型する方法が挙げられる。
基材の厚さは、好ましくは20〜500μm、更に好ましくは50〜150μmの範囲である。厚さが20μm未満の場合には強度低下を招くことがある。また、厚さが500μmを超える場合には熱容量の増大を招き、画像形成装置の高速化や立ち上がりの迅速性に影響することがある。
離型層5としては、フッ素樹脂を用いることができる。フッ素樹脂としては、例えば、低分子量ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフロオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアアルキアルビニルエーテル共重合体(PFA)等が挙げられる。PTFEとしては、例えば、ルブロンL−5、L−2(ダイキン工業)、MP1100、MP1200、MP1300、TLP10F−1(三井・デュポンフロロケミカル)等が挙げられる。FEPとしては、例えば、532−8000(デュポン)が挙げられる。PFAとしては、例えば、AC−5600、AC−5539(ダイキン工業)、MP−102、MP−103、MP−300、350−J、451HP−J、950HP−Plus(三井・デュポンフロロケミカル)等が挙げられる。PFA・FEPとしては、例えば、SMT(グンゼ)が挙げられる。フッ素樹脂は比較的融点の低いもの(好ましくは250〜300℃)が加工性に優れるため好ましい。また、離型層としては、フロロシリコーンゴムを用いることもできる。
離型層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、離型層の材料をチューブ状にしたものを弾性層に被せる方法、湿式スプレー塗装や粉体塗装した後に焼き付ける方法などが挙げられる。
離型層の厚さは、好ましくは0.5〜50μm、更に好ましくは1〜30μmの範囲である。厚さが0.5μm未満の場合には離型層の耐久性が劣り、また定着部材表面を十分平滑にすることが難しくなる。一方、厚さが50μmを超える場合には画像追従性の低下や伝熱抵抗の増大を招くことがあり好ましくない。
<定着装置>
図3は、本発明の実施形態の1つの定着装置(ベルト方式)の構成を示す概略図である。ベルト方式定着装置20は、本発明の定着部材である定着ベルト21、定着ローラ22、加熱ローラ23、加圧ローラ24から構成されている。定着ベルト21は定着ローラ22と加熱ローラ23とに張架・支持されている。加圧ローラ24は、定着ベルト21に圧接されており、記録媒体Pが通過してトナー像Tが定着されるニップ部を形成している。定着ベルト21は、基材である芯金の表面に弾性層と離型層を順次設けてあり、図1、図2における定着部材と同じ構造である。加熱ローラ23の内部には、加熱手段であるハロゲンランプ等のヒータ25や温度センサー(不図示)が配置されている。加圧ローラ24は、基材である芯金の表面に耐熱性ゴムで形成された弾性層と離型層を順次設けてある。なお、図3の構成概略図では、定着ローラと加熱ローラとが一体になった支持部材に定着ベルトが張架・支持された構成としてもよい。
本発明の定着装置は、本発明に係る定着部材を採用しているので、高速立ち上げが可能であって、画像の光沢ムラの発生を抑制することができる。
<画像形成装置>
図4は、本発明の実施形態の1つの画像形成装置の構成を示す概略図である。画像形成装置30は、トナー像を形成して記録媒体に転写する画像形成部と、記録媒体に転写された画像を定着させる定着装置とを有している。画像形成部は、静電潜像が形成される像担持体31、像担持体31に接触して帯電処理を行う帯電ローラ32、レーザービーム等の露光装置33、像担持体31上に形成された静電潜像にトナーを付着させる現像ローラ34、帯電ローラ32にDC電圧を印加するための電源35、像担持体31上のトナー像を記録媒体Pに転写処理する転写ローラ36、転写処理後の像担持体31をクリーニングするためのクリーニング装置37、像担持体31の表面電位を測定する表面電位計38等を備えている。定着装置39は、本発明に係る定着装置であり、定着ベルト40および加圧ローラ41から構成されている。
この実施形態の画像形成装置30では、回転する像担持体31の感光層を帯電ローラ32にて一様に帯電させた後に、レーザービーム等の露光装置33で露光して静電潜像を形成し、この静電潜像に現像ローラ34によってトナーを付着させて現像し、トナー像として記録媒体P上に転写する。そして、転写されたトナー像を有する記録媒体Pを定着ベルト40および加圧ローラ41からなる定着装置39のニップ部で圧接し、記録媒体P上に付着しているトナー像を定着ローラ40の熱により軟化させつつ加圧して記録媒体P上に定着させ、排紙部へと排紙するように構成されている。この場合は、定着ベルト40として、本発明の定着部材が好適に用いられる。
本発明の画像形成装置は、本発明に係る定着装置を採用しているので、高速立ち上げが可能であって、画像の光沢ムラの発生を抑制することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
<定着部材の作製>
A−1工程:円筒状のポリイミド基材(直径60mm、厚み50μm)上にシリコーン用プライマーを塗布して乾燥させた。
B−1工程:シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング製、DY35−2083)100重量部、炭素繊維(日本グラファイトファイバー製、GRANOC(R)XN−100−05M)45重量部、マイクロバルーン(日本フィライト製、エクスパンセル(R)920DE40d30、平均粒子径35〜55μm)1.7重量部を分散し、シリコーンゴム組成物1−1を調製した。次に、A−1工程で形成した基材上に、上記シリコーンゴム組成物1−1を塗布し、100℃で30分間加熱硬化させ、厚み200μmの第1の弾性層を形成した。
C−1工程:シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング製、DY35−2083)100重量部、炭素繊維(日本グラファイトファイバー製、GRANOC(R)XN−100−05M)45重量部、マイクロバルーン(日本フィライト製、エクスパンセル(R)551DE40d42、平均粒子径30〜50μm)1.7重量部、3−メチル−1−ペンチン−3−オール(東京化成工業製)1.0重量部を分散し、シリコーンゴム組成物1−2を調製した。次に、B−1工程で形成した第1の弾性層上に、上記シリコーンゴム組成物1−2を塗布し、100℃で30分間加熱硬化させ、厚み200μmの第2の弾性層を形成した。
D−1工程:C−1工程で形成した第2の弾性層上にシリコーン用プライマーを塗布して、フッ素樹脂チューブ(三井・デュポンフロロケミカル製、350−J)をかぶせ、300℃で10分間加熱して、厚み15μmの離型層を形成した。
<定着画像の光沢評価>
以上のようにして製作した定着部材を画像形成装置(リコー製、imagio MPC3000)の定着装置に装着し、ベタ画像3万枚の通紙試験を行った。試験紙としてはアスクル株式会社のアスクル マルチペーパースーパーホワイトを使用した。通紙したベタ画像について、光沢ムラを目視によりランク付けして判定した。
[実施例2]
<定着部材の作製>
A−2工程:実施例1のA−1工程と同様にして、基材を形成した。
B−2工程:シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング製、DY35−2083)100重量部、炭素繊維(日本グラファイトファイバー製、GRANOC(R)XN−100−05M)40重量部、マイクロバルーン(日本フィライト製、エクスパンセル(R)920DE80d30、平均粒子径60〜90μm)1.3重量部を分散し、シリコーンゴム組成物2−1を調製した。次に、A−2工程で形成した基材上に、上記シリコーンゴム組成物2−1を塗布し、100℃で30分間加熱硬化させ、厚み200μmの第1の弾性層を形成した。
C−2工程:実施例1のC−1工程と同様にして、B−2工程で形成した第1の弾性層上に第2の弾性層を形成した。
D−2工程:実施例1のD−1工程と同様にして、C−2工程で形成した第2の弾性層上に離型層を形成した。
<定着画像の光沢評価>
実施例1と同様にして、定着部材を画像形成装置に装着し、ベタ画像の光沢ムラを評価した。
[実施例3]
<定着部材の作製>
A−3工程:実施例1のA−1工程と同様にして、基材を形成した。
B−3工程:シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング製、DY35−2083)100重量部、炭素繊維(日本グラファイトファイバー製、GRANOC(R)XN−100−05M)50重量部、マイクロバルーン(松本油脂製薬製、マツモトマイクロスフェアー(R)F−65DE、平均粒子径40〜60μm)1.5重量部を分散し、シリコーンゴム組成物3−1を調製した。次に、A−3工程で形成した基材上に、上記シリコーンゴム組成物3−1を塗布し、120℃で30分間加熱硬化させ、厚み200μmの第1の弾性層を形成した。
C−3工程:シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング製、DY35−2083)100重量部、炭素繊維(日本グラファイトファイバー製、GRANOC(R)XN−100−05M)40重量部、マイクロバルーン(松本油脂製薬製、マツモトマイクロスフェアー(R)FN−80SDE、平均粒子径20〜40μm)1.5重量部、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール(東京化成工業製)0.5重量部を分散し、シリコーンゴム組成物3−2を調製した。次に、B−3工程で形成した第1の弾性層上に、上記シリコーンゴム組成物3−2を塗布し、120℃で30分間加熱硬化させ、厚み100μmの第2の弾性層を形成した。
D−3工程:実施例1のD−1工程と同様にして、C−3工程で形成した第2の弾性層上に離型層を形成した。
<定着画像の光沢評価>
実施例1と同様にして、定着部材を画像形成装置に装着し、ベタ画像の光沢ムラを評価した。
[実施例4]
<定着部材の作製>
A−4工程:実施例1のA−1工程と同様にして、基材を形成した。
B−4工程:シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング製、DY35−2083)100重量部、炭素繊維(三菱樹脂製、ダイアリード(R)K223HM、平均繊維長50μm)45重量部、マイクロバルーン(松本油脂製薬製、マツモトマイクロスフェアー(R)F−80DE、平均粒子径90〜130μm)1.0重量部を分散し、シリコーンゴム組成物4−1を調製した。次に、A−4工程で形成した基材上に、上記シリコーンゴム組成物4−1を塗布し、120℃で30分間加熱硬化させ、厚み300μmの第1の弾性層を形成した。
C−4工程:シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング製、DY35−2083)100重量部、炭素繊維(三菱樹脂製、ダイアリード(R)K223HM、平均繊維長50μm)50重量部、マイクロバルーン(松本油脂製薬製、マツモトマイクロスフェアー(R)FN−80SDE、平均粒子径20〜40μm)1.5重量部、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール(東京化成工業製)の2−プロパノール10%溶液1.0重量部を分散し、シリコーンゴム組成物4−2を調製した。次に、B−4工程で形成した第1の弾性層上に、上記シリコーンゴム組成物4−2を塗布し、120℃で30分間加熱硬化させ、厚み100μmの第2の弾性層を形成した。
D−4工程:実施例1のD−1工程と同様にして、C−4工程で形成した第2の弾性層上に離型層を形成した。
<定着画像の光沢評価>
実施例1と同様にして、定着部材を画像形成装置に装着し、ベタ画像の光沢ムラを評価した。
[比較例1]
<定着部材の作製>
実施例2の定着部材において、第2の弾性層に3−メチル−1−ペンチン−3−オールを含有しないこと以外は実施例2と同様にして、定着部材を作製した。
<定着画像の光沢評価>
実施例1と同様にして、定着部材を画像形成装置に装着し、ベタ画像の光沢ムラを評価した。
[比較例2]
<定着部材の作製>
実施例4の定着部材において、第2の弾性層に2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオールを含有しないこと以外は実施例4と同様にして、定着部材を作製した。
<定着画像の光沢評価>
実施例1と同様にして、定着部材を画像形成装置に装着し、ベタ画像の光沢ムラを評価した。
光沢評価の結果を表1にまとめる。
<立ち上がり時間評価>
以上のようにして製作した定着部材を画像形成装置(リコー製、imagio MPC3000)の定着装置に装着し、電源ONからコピー開始になるまでの時間を測定した。既製品の定着部材の立ち上がり時間と比較し、ランク付けして判定した。
Figure 0006149536
<定着画像の光沢評価ランク>
ランク1:ひどい光沢ムラがあり、異常画像である。判定×
ランク2:光沢ムラがあり、異常画像である。判定×
ランク3:光沢ムラが認められるが、許容レベルである(異常画像ではない)。判定○
ランク4:光沢ムラなし。判定○
<立ち上がり時間評価ランク>
ランク1:立ち上がり時間が既製品(imagio MPC3000の定着部材)以上である。判定×
ランク2:立ち上がり時間が既製品(imagio MPC3000の定着部材)未満である。判定○
以上より、実施例1〜4の定着部材はベタ画像の光沢ムラの発生を抑制できた。一方、比較例1、2の定着部材はベタ画像に光沢ムラが発生した。また、比較例2の定着部材の表面には目視でも確認できる凹凸が見られた。
このことから、本発明に係わる定着部材はトナー像への追従性が改善しており、ベタ画像の光沢ムラの発生を抑制できることが確認された。
1:定着部材
2:基材
3:第1の弾性層
4:第2の弾性層
5:離型層
6a,b:シリコーンゴム
7a,b:炭素繊維
8a,b:マイクロバルーン

20:ベルト方式定着装置
21:定着ベルト(定着部材)
22:定着ローラ
23:加熱ローラ
24:加圧ローラ
25:ヒータ

30:画像形成装置
31:像担持体
32:帯電ローラ
33:露光装置
34:現像装置
35:電源
36:転写ローラ
37:クリーニング装置
38:表面電位計
39:定着装置
40:定着ベルト
41:加圧ローラ
特開2008−191557号公報 特開2008−197585号公報 特開2009−092826号公報 特許第4988633号公報 特開2011−237681号公報 特開2008−292533号公報 特開2007−170473号公報 特開2002−189369号公報 特開2008−163122号公報

Claims (4)

  1. トナー像の定着に用いられる定着部材であって、前記定着部材が、基材と、前記基材の外周に設けられた第1の弾性層と、前記第1の弾性層の外周に設けられた第2の弾性層と、前記第2の弾性層の外周に設けられた離型層とを備えており、
    前記第1の弾性層は炭素繊維とマイクロバルーンとを含有するシリコーンゴム組成物から成り、且つ、前記第2の弾性層は炭素繊維とマイクロバルーンとアセチレンアルコール類とを含有するシリコーンゴム組成物から成り、
    前記第2の弾性層中の前記マイクロバルーンの平均粒子径が、前記第1の弾性層中の前記マイクロバルーンの平均粒子径よりも小さいことを特徴とする定着部材。
  2. 前記第2の弾性層の厚さが、前記第1の弾性層の厚さの半分以下であることを特徴とする請求項1に記載の定着部材。
  3. 請求項1乃至2のいずれかに記載の定着部材を備えたことを特徴とする定着装置。
  4. 請求項3に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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