(4.詳細な説明)
(4.1 定義)
本明細書で使用されるように、及び別途示されない限り、本明細書に提供される「方法(process(es))」という用語は、本明細書に提供される化合物を調製するのに有用である本明細書に開示される方法(methods)を指す。本明細書に開示される方法(methods)(例えば、出発材料、試薬、保護基、溶媒、温度、反応時間、精製)の変更もまた、本開示により包含される。
本明細書で使用されるように、及び別途示されない限り、「添加する」、「反応させる」、「処理する」という用語、又は類似の用語は、ある反応物質、試薬、溶媒、触媒、反応基などを別の反応物質、試薬、溶媒、触媒、反応基などと接触させることを意味する。反応物質、試薬、溶媒、触媒、反応基などは、個々に、同時に、又は別々に添加することができ、かつ任意の順序で添加することができる。それらは、熱の存在下又は非存在下で添加することができ、かつ任意に不活性雰囲気下で添加することができる。「反応させる」とは、その場形成、又は反応基が同じ分子内にある場合、分子内反応を指すことができる。
本明細書で使用されるように、及び別途示されない限り、「実質的に完了して」いる又は「実質的な完了」にまで推進されている反応とは、該反応が、パーセント収率で約80%超、一実施態様において、パーセント収率で約90%超、別の実施態様において、パーセント収率で約95%超、及び別の実施態様において、パーセント収率で約97%超の所望の生成物を含有することを意味する。
本明細書で使用されるように、及び別途示されない限り、「塩」という用語は、本明細書に開示される化合物中に存在し得る酸性基又は塩基性基の塩を含むが、これらに限定されない。塩基性の性質である化合物は、様々な無機酸及び有機酸との多種多様な塩を形成することができる。そのような塩基性化合物の塩を調製するために使用し得る酸は、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重酒石酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、カルボン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、クエン酸塩、ジヒドロクロリド、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシル酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、ヒドロキシナフトエ酸塩、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ムスケート、ナプシル酸塩、硝酸塩、パントテン酸塩(panthothenate)、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トリエチオジド、及びパモ酸塩を含むが、これらに限定されない、陰イオンを含む塩を形成する酸である。アミノ基を含む化合物は、上述の酸の他に、様々なアミノ酸との塩を形成することもできる。酸性の性質である化合物は、様々な陽イオンとの塩基塩を形成することができる。そのような塩の非限定的な例としては、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、並びにいくつかの実施態様において、カルシウム塩、マグネシウム塩、ナトリウム塩、リチウム塩、亜鉛塩、カリウム塩、及び鉄塩が挙げられる。酸性の性質である化合物は、アミノ基を含む化合物との塩基塩を形成することもできる。
本明細書で使用されるように、及び別途示されない限り、「水和物」という用語は、非共有結合的分子間力で結合した化学量論的又は非化学量論的量の水をさらに含む、化合物又はその塩を意味する。
本明細書で使用されるように、及び別途示されない限り、「溶媒和物」という用語は、1以上の溶媒分子と化合物との会合から形成される溶媒和物を意味する。「溶媒和物」という用語は、水和物(例えば、一水和物、二水和物、三水和物、四水和物など)を含む。
本明細書で使用されるように、及び別途示されない限り、「多形」という用語は、化合物又はその錯体の固体結晶形態を意味する。同じ化合物の異なる多形は、異なる物理的、化学的、及び/又は分光学的特性を示すことができる。
本明細書で使用されるように、及び別途示されない限り、「ハロ」、「ハロゲン」という用語、又は類似の用語は、-F、-Cl、-Br、又は-Iを意味する。
本明細書で使用されるように、及び別途示されない限り、「アルキル」という用語は、飽和した一価の非分岐又は分岐状炭化水素鎖を意味する。アルキル基の例としては、(C1-C6)アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2-メチル-1-プロピル、2-メチル-2-プロピル、2-メチル-1-ブチル、3-メチル-1-ブチル、2-メチル-3-ブチル、2,2-ジメチル-1-プロピル、2-メチル-1-ペンチル、3-メチル-1-ペンチル、4-メチル-1-ペンチル、2-メチル-2-ペンチル、3-メチル-2-ペンチル、4-メチル-2-ペンチル、2,2-ジメチル-1-ブチル、3,3-ジメチル-1-ブチル、2-エチル-1-ブチル、ブチル、イソブチル、t-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、及びヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。より長いアルキル基としては、ヘプチル、オクチル、ノニル、及びデシル基が挙げられる。アルキル基は非置換であることができるか、又は1以上の好適な置換基で置換されることができる。アルキル基は、炭素の同位体及び/又は水素の同位体(すなわち、ジューテリウムもしくはトリチウム)が濃縮されることにより、天然存在度のアルキル基のアイソトポログであることもできる。
本明細書で使用されるように、及び別途示されない限り、「アルコキシ」という用語は、酸素原子を介して別の基に結合しているアルキル基(すなわち、-O-アルキル)を意味する。アルコキシ基は非置換であることができるか、又は1以上の好適な置換基で置換されることができる。アルコキシ基の例としては、(C1-C6)アルコキシ基、例えば、-O-メチル、-O-エチル、-O-プロピル、-O-イソプロピル、-O-2-メチル-1-プロピル、-O-2-メチル-2-プロピル、-O-2-メチル-1-ブチル、-O-3-メチル-1-ブチル、-O-2-メチル-3-ブチル、-O-2,2-ジメチル-1-プロピル、-O-2-メチル-1-ペンチル、3-O--メチル-1-ペンチル、-O-4-メチル-1-ペンチル、-O-2-メチル-2-ペンチル、-O-3-メチル-2-ペンチル、-O-4-メチル-2-ペンチル、-O-2,2-ジメチル-1-ブチル、-O-3,3-ジメチル-1-ブチル、-O-2-エチル-1-ブチル、-O-ブチル、-O-イソブチル、-O-t-ブチル、-O-ペンチル、-O-イソペンチル、-O-ネオペンチル、及び-O-ヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。アルコキシ基は、炭素の同位体、酸素の同位体、及び/又は水素の同位体(すなわち、ジューテリウムもしくはトリチウム)が濃縮されることにより、天然存在度のアルコキシ基のアイソトポログであることもできる。
本明細書で使用されるように、及び別途示されない限り、「アルコール」という用語は、-OH基で置換された任意の化合物を意味する。アルコール基は、酸素の同位体及び/又は水素の同位体(すなわち、ジューテリウムもしくはトリチウム)が濃縮されることにより、天然存在度のアルコール基のアイソトポログであることもできる。
本明細書で使用されるように、及び別途示されない限り、「アミノ」又は「アミノ基」という用語は、式-NH2、-NH(アルキル)、-NH(アリール)、-N(アルキル)2、-N(アリール)2、又は-N(アルキル)(アリール)の一価基を意味する。アミノ基は、炭素の同位体、窒素の同位体、及び/又は水素の同位体(すなわち、ジューテリウムもしくはトリチウム)が濃縮されることにより、天然存在度のアミノ基のアイソトポログであることもできる。
別途示されない限り、反応性官能基(例えば、限定するものではないが、カルボキシ、ヒドロキシ、及びアミノ部分)を含有する、本明細書に提供される化合物の調製に有用な中間体を含む、本明細書に提供される化合物には、その保護誘導体も含まれる。「保護誘導体」とは、反応性部位(1つ又は複数)が1以上の保護基(別名、遮断基)で遮断されている化合物である。カルボキシ部分の好適な保護基としては、ベンジル、t-ブチル、及び同類物、並びに該同類物のアイソトポログが挙げられる。アミノ及びアミド基の好適な保護基としては、アセチル、トリフルオロアセチル、t-ブチルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、及び同類物が挙げられる。ヒドロキシの好適な保護基としては、ベンジル及び同類物が挙げられる。他の好適な保護基は、当業者に周知である。保護基の選択及び使用、並びに保護基を導入及び除去するための反応条件は、その全体が引用により本明細書中に組み込まれる、T. W. Greenの文献、有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)(第3版、Wiley, New York、1999)に記載されている。
本明細書で使用されるように、及び別途示されない限り、基又は試薬に関する頭字語又は記号は、以下の定義を有する: HPLC=高速液体クロマトグラフィー; TFA=トリフルオロ酢酸; TFE=2,2,2-トリフルオロエタノール、THF=テトラヒドロフラン; CH3CN=アセトニトリル; HOAc=酢酸; DCM=ジクロロメタン。
本明細書で使用されるように、及び別途示されない限り、「置換された」又は「置換」という用語は、化学的構造又は部分を説明するために使用される場合、その水素原子の1つ又は複数が、例えば、限定されないが:アルキル、アルケニル、アルキニル、及びシクロアルキル;アルコキシアルキル;アロイル;ジューテリウム、ハロ;ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル);ヘテロシクロアルキル;ハロアルコキシ(例えば、トリフルオロメトキシ);ヒドロキシ;アルコキシ;シクロアルキルオキシ;ヘテロシクロオキシ(heterocylooxy);オキソ;アルカノイル;アリール;ヘテロアリール(例えば、インドリル、イミダゾリル、フリル、チエニル、チアゾリル、ピロリジル、ピリジル、及びピリミジル);アリールアルキル;アルキルアリール;ヘテロアリール;ヘテロアリールアルキル;アルキルヘテロアリール;ヘテロシクロ;ヘテロシクロアルキル-アルキル;アリールオキシ、アルカノイルオキシ;アミノ;アルキルアミノ;アリールアミノ;アリールアルキルアミノ;シクロアルキルアミノ;ヘテロシクロアミノ; モノ-及びジ-置換アミノ;アルカノイルアミノ;アロイルアミノ;アラルカノイルアミノ;アミノアルキル;カルバミル(例えば、CONH2);置換カルバミル(例えば、CONH-アルキル、CONH-アリール、CONH-アリールアルキル、又は窒素上に2つの置換基がある場合);カルボニル;アルコキシカルボニル;カルボキシ;シアノ;エステル;エーテル;グアニジノ;ニトロ;スルホニル;アルキルスルホニル;アリールスルホニル;アリールアルキルスルホニル;スルホンアミド(例えば、SO2NH2);置換スルホンアミド;チオール;アルキルチオ;アリールチオ;アリールアルキルチオ;シクロアルキルチオ;ヘテロシクロチオ;アルキルチオノ;アリールチオノ;並びにアリールアルキルチオノなどの置換基と置き換えられているその構造又は部分の誘導体を指す。いくつかの実施態様において、置換基それ自体は、1以上の化学的部分、例えば、限定されないが、本明細書に記載されているもので置換されていてもよい。
本明細書で使用されるように、及び別途示されない限り、「約」という用語は、与えられた値がおおよそのものであることを規定するために使用される。例えば、「約」という用語は、それが反応温度との関連で使用される場合、30%、25%、20%、15%、10%、又は5%以内の温度偏差が、示された温度により包含されることを意味する。同様に、「約」という用語は、それが反応時間との関連で使用される場合、30%、25%、20%、15%、10%、又は5%以内の期間偏差が、示された期間により包含されることを意味する。
構造又はその部分の立体化学が、例えば、太字又は点線で示されていない場合、該構造又はその部分は、化合物の全てのエナンチオマー的に純粋な混合物、エナンチオマー的に濃縮された混合物、ジアステレオマー的に純粋な混合物、ジアステレオマー的に濃縮された混合物、及びラセミ混合物を包含するものと解釈されるべきである。
別途示されない限り、本明細書で互換的に使用される「エナンチオマー的に濃縮された」及び「エナンチオマー的に純粋な」という用語は、1つのエナンチオマーの重量パーセントが、ラセミ組成物の対照混合物中のその1つのエナンチオマーの量よりも多い(例えば、重量で1:1を超える)組成物を指す。例えば、エナンチオマー的に濃縮された(S)-エナンチオマーの調製物とは、(R)-エナンチオマーに対して、50重量%超、例えば、少なくとも75重量%、さらに例えば、少なくとも80重量%の(S)-エナンチオマーを有する化合物の調製物を意味する。いくつかの実施態様において、濃縮は、80重量%をはるかに超えて、他のエナンチオマーに対して少なくとも85重量%、例えば、少なくとも90重量%、例えば、少なくとも95重量%の1つのエナンチオマーを有する組成物の調製物を指す、「実質的に光学的に濃縮された」、「実質的にエナンチオマー的に濃縮された」、「実質的にエナンチオマー的に純粋な」、又は「実質的に非ラセミ体の」調製物を生じさせることができる。いくつかの実施態様において、エナンチオマー的に濃縮された組成物は、その組成物のラセミ混合物が有するよりも大きい単位質量当たりの治療的有用性に関する効力を有する。
本明細書で使用されるように、及び別途示されない限り、「水素化」という用語は、水素原子を不飽和結合に付加する化学的プロセスを指す。
本開示は、非限定的な実施態様を例示することが意図される以下の詳細な説明及び例示的実施例を参照することにより、より完全に理解することができる。
本明細書に提供されるほとんどの実施態様及び実施例は、アミノスルホン化合物の(S)-エナンチオマーに関するものであるが、キラルな反応物質、試薬、溶媒、触媒、配位子などの立体化学を反転させた場合、アミノスルホン化合物の対応する(R)-エナンチオマーを、開示された方法により調製することができることが理解されるべきである。
(4.2 方法)
本明細書に提供されるのは、エナンチオマー的に濃縮された又はエナンチオマー的に純粋なアミノスルホン化合物の調製方法である。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法は、不斉水素化を利用する。
エナンチオマー的に濃縮された又はエナンチオマー的に純粋なアミノスルホン化合物は、特定のスルホン基を含有する化合物の調製に有用である。一実施態様において、該スルホン基を含有する化合物は、(S)-N-(2-(1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アセトアミド、又はそのアイソトポログである。別の実施態様において、該スルホン基を含有する化合物は、(S)-N-(2-(1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル)-3-オキソイソインドリン-4-イル)シクロプロパンカルボキサミド、又はそのアイソトポログである。
(4.2.1 エナミン基質の不斉水素化)
一実施態様において、本明細書に提供される方法は、下記のスキーム2に示されるような、エナミン基質の不斉水素化を利用する。
一実施態様において、提供されるのは、式(I)のアミノスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形:
(式中、R
1及びR
2は、各々独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換(C
1-C
6)アルキル、置換もしくは非置換(C
1-C
6)アルコキシ、(C
3-C
18)シクロアルキル、(C
3-C
6)シクロアルコキシ、シアノ、-CF
3、又は(C
3-C
18)シクロアルキル-(C
1-C
6)アルコキシ、或いはそれらのアイソトポログであり;かつR
3は、(C
1-C
6)アルキル、又はそのアイソトポログである)を調製する方法であって;
式(II)のエナミン、又はその塩もしくはアイソトポログ:
を、(1)金属触媒及びキラル配位子、又は(2)キラル金属触媒/配位子錯体の存在下、水素化により還元する工程を含む、方法である。
一実施態様において、水素化は、水素ガスを用いて実施される。
一実施態様において、本明細書に提供されるのは、式(I)のアミノスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形(式中、R1及びR2は、置換もしくは非置換(C1-C6)アルコキシ、又はそれらのアイソトポログである)を調製する上記方法である。一実施態様において、本明細書に提供されるのは、式(I)のアミノスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形(式中、R1は、OMe、又はそのアイソトポログであり; R2は、OEt、又はそのアイソトポログであり;かつR3は、Me、又はそのアイソトポログである)を調製する上記方法である。
一実施態様において、水素化は、遊離塩基形態の式(II)のエナミンに対して行われる。別の実施態様において、水素化は、塩形態の式(II)のエナミンに対して行われる。一実施態様において、水素化は、塩酸塩形態の式(II)のエナミンに対して行われる。
金属触媒は、水素化を促進することができる任意の金属触媒であることができる。一実施態様において、金属触媒は、限定されないが、銅、ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、イリジウム、及びルテニウムなどの金属を含有する。一実施態様において、金属触媒は、ロジウムを含有する。別の実施態様において、金属触媒は、ルテニウムを含有する。また別の実施態様において、金属触媒は、イリジウムを含有する。一実施態様において、金属触媒は、Rh(cod)2OTfである。別の実施態様において、金属触媒は、Rh(cod)2BF4である。また別の実施態様において、金属触媒は、[Ir(cod)Cl]2である。
キラル配位子又はキラル金属触媒/配位子錯体は、不斉水素化を促進することができる任意のキラル配位子又はキラル金属触媒/配位子錯体であることができる。一実施態様において、キラル配位子又はキラル金属触媒/配位子錯体は、(S,R)-t-Bu Josiphos、Josiphos SL-J011-2、(S,S)-Me-Duphos、(S,S)-Chiraphos、(R)-Phanephos、(R)-Ru(OAc)2(DM-segphos)、[(R,R)-Me-BPE]Rh(cod)BF4、(R)-C3-TunePhos、(R)-[Rh(cod)TCFP]BF4、又はそれらの立体異性体であるが、これらに限定されない。一実施態様において、キラル配位子は、(S,R)-t-Bu Josiphos又はJosiphos SL-J011-2である。一実施態様において、キラル配位子は、(S,R)-t-Bu Josiphosである。別の実施態様において、キラル配位子は、Josiphos SL-J011-2である。別の実施態様において、キラル配位子は、(R,S)-t-Bu Josiphosである。
水素化は、約0.025mol%以上の触媒の投入量で行われることができる。一般に、触媒の投入量が多いほど、変換は多く、反応時間は短い。しかしながら、触媒の投入量が十分に多い場合、所望の生成物の収量は、競合する副反応が原因で減少し得る。一実施態様において、触媒の投入量は、約0.025mol%〜約20mol%である。一実施態様において、触媒の投入量は、約0.025mol%〜約10mol%である。一実施態様において、触媒の投入量は、約0.05mol%〜約5mol%である。一実施態様において、触媒の投入量は、約0.05mol%〜約2.5mol%である。一実施態様において、触媒の投入量は、約0.05mol%〜約1mol%である。一実施態様において、触媒の投入量は、約0.05mol%〜約0.25mol%である。一実施態様において、触媒の投入量は、約5mol%である。別の実施態様において、触媒の投入量は、約1mol%である。また別の実施態様において、触媒の投入量は、約0.25mol%である。
キラル配位子対金属触媒のモル比は、水素化を促進することができる任意の比であることができる。一実施態様において、キラル配位子対金属触媒のモル比は、約3:1〜約1:3である。一実施態様において、キラル配位子対金属触媒のモル比は、約3:1〜約1:1である。一実施態様において、キラル配位子対金属触媒のモル比は、約2:1である。別の実施態様において、キラル配位子対金属触媒のモル比は、約1:1である。
水素化は、約1psia〜約550psiaの水素圧下で行われることができる。一般に、水素圧が高いほど、反応時間は短い。一実施態様において、水素圧は、約15psig〜約250psigである。一実施態様において、水素圧は、約15psig〜約90psigである。別の実施態様において、水素圧は、約90psig〜約250psigである。一実施態様において、水素圧は、約15psigである。別の実施態様において、水素圧は、約90psigである。また別の実施態様において、水素圧は、約250psigである。
水素化は、溶媒、例えば、限定されないが、酢酸エチル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、N-メチルピロリジノン、N,N-ジメチル-ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ギ酸、酢酸、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2,2,2-トリフルオロエタノール、及びそれらの混合物中で行われることができる。一実施態様において、溶媒は、エタノールである。別の実施態様において、溶媒は、2,2,2-トリフルオロエタノールである。
反応温度は、約10℃〜約90℃であることができる。一実施態様において、反応温度は、約40℃〜約60℃である。一実施態様において、反応温度は、約50℃である。
反応時間は、反応温度及び水素圧に応じて、約1〜約72時間まで変動することができる。一般に、反応温度が高く、水素圧が高いほど、反応時間は短い。一実施態様において、反応温度が約50℃である場合、反応時間は約18時間である。一実施態様において、反応温度が約50℃であり、水素圧が約90psigである場合、反応時間は約1〜約2時間である。別の実施態様において、反応温度が約50℃であり、水素圧が約30psigである場合、反応時間は約7時間である。
一実施態様において、式(II)のエナミン、又はその塩(式中、R1はOMeであり、R2はOEtであり、かつR3はMeである)の不斉水素化は、2,2,2-トリフルオロエタノール中、約1mol%のRh(cod)2OTf及び約1mol%の(R,S)-t-Bu Josiphosの存在下、約90psigの水素圧下、約50℃で行われる。
一実施態様において、式(II)のエナミン、又はその塩(式中、R1はOMeであり、R2はOEtであり、かつR3はMeである)の不斉水素化は、2,2,2-トリフルオロエタノール中、約0.5mol%のRh(cod)2OTf及び約0.5mol%の(S,R)-t-Bu Josiphosの存在下、約90psigの水素圧下、約50℃で行われる。
別の実施態様において、式(II)のエナミン(式中、R1はOMeであり、R2はOEtであり、かつR3はMeである)の塩酸塩の不斉水素化は、2,2,2-トリフルオロエタノール中、(1)金属触媒及びキラル配位子、又は(2)キラル金属触媒/配位子錯体の存在下、約90psigの水素圧下、約50℃で行われる。
上記の実施態様の組合せの全てが本明細書により包含される。
(4.2.2 N-アシルエナミン基質の不斉水素化)
一実施態様において、本明細書に提供される方法は、下記のスキーム3に示されるような、N-アシルエナミン基質の不斉水素化を利用する。
一実施態様において、提供されるのは、式(I)のアミノスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形:
(式中、R
1及びR
2は、各々独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換(C
1-C
6)アルキル、置換もしくは非置換(C
1-C
6)アルコキシ、(C
3-C
18)シクロアルキル、(C
3-C
6)シクロアルコキシ、シアノ、-CF
3、又は(C
3-C
18)シクロアルキル-(C
1-C
6)アルコキシ、或いはそれらのアイソトポログであり;かつR
3は、(C
1-C
6)アルキル、又はそのアイソトポログである)を調製する方法であって;
(a)式(II)のエナミン、又はその塩もしくはアイソトポログ:
を、アシル化試薬と反応させて、式(III)のN-アシルエナミン、又はそのアイソトポログ:
(式中、Rは、水素;それ自体1以上のハロゲンで任意に置換された、(C
1-C
6)アルキル;又は1以上のハロゲンで任意に置換された、5〜10員アリールもしくはヘテロアリール;或いはそれらのアイソトポログである)を形成させる工程;
(b)式(III)のN-アシルエナミン、又はそのアイソトポログを、(1)金属触媒及びキラル配位子、又は(2)キラル金属触媒/配位子錯体の存在下、水素化により還元して、式(IV)のN-アシルアミノスルホン、又はそのアイソトポログ:
を形成させる工程;並びに
(c)式(IV)のN-アシルアミノスルホン、又はそのアイソトポログを、式(I)のアミノスルホン、又はその塩もしくはアイソトポログに変換する工程
を含む、方法である。
一実施態様において、水素化は、水素ガスを用いて実施される。
工程(a)及び(c)で利用されている技術のような、アミノ基を保護及び脱保護する一般的な技術は、当技術分野で公知である。一般に、T. W. Greenの文献、有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)(第3版、Wiley, New York、1999)を参照されたい。Rの1つの選択基準は、とりわけ、窒素原子が結合している炭素原子の立体化学を保持するために、工程(c)におけるアシル基の除去が容易であることである。
一実施態様において、本明細書に提供されるのは、式(I)のアミノスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形(式中、R1及びR2は、置換もしくは非置換(C1-C6)アルコキシ、又はそれらのアイソトポログである)を調製する上記方法である。一実施態様において、本明細書に提供されるのは、式(I)のアミノスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形(式中、R1は、OMe、又はそのアイソトポログであり; R2は、OEt、又はそのアイソトポログであり;かつR3は、Me、又はそのアイソトポログである)を調製する上記方法である。
一実施態様において、Rは、それ自体1以上のハロゲンで任意に置換された、(C1-C6)アルキル、又はそのアイソトポログである。一実施態様において、Rは、CF3、又はそのアイソトポログである。
工程(a)において、アシル化試薬は、当技術分野で公知の任意の好適なアシル化試薬であり得る。一実施態様において、アシル化試薬は、無水トリフルオロ酢酸である。別の実施態様において、アシル化試薬は、トリフルオロアセチルクロリドである。
工程(a)において、式(II)のエナミン、又はその塩のアシル化は、限定されないが、酢酸エチル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、N-メチルピロリジノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ギ酸、酢酸、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2,2,2-トリフルオロエタノール、及びそれらの混合物などの溶媒中で行われることができる。一実施態様において、溶媒は、ジクロロメタンである。
工程(a)において、反応温度は、約-10℃〜約90℃であることができる。一実施態様において、反応温度は、約0℃である。
工程(b)において、金属触媒は、水素化を促進することができる任意の金属触媒であることができる。一実施態様において、金属触媒は、限定されないが、銅、ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、イリジウム、及びルテニウムなどの金属を含有する。一実施態様において、金属触媒は、ロジウムを含有する。別の実施態様において、金属触媒は、ルテニウムを含有する。また別の実施態様において、金属触媒は、イリジウムを含有する。一実施態様において、金属触媒は、Rh(cod)2OTfである。別の実施態様において、金属触媒は、Rh(cod)2BF4である。また別の実施態様において、金属触媒は、[Ir(cod)Cl]2である。
工程(b)において、キラル配位子又はキラル金属触媒/配位子錯体は、不斉水素化を促進することができる任意のキラル配位子又はキラル金属触媒/配位子錯体であることができる。一実施態様において、キラル配位子又はキラル金属触媒/配位子錯体は、限定されないが、(S,R)-t-Bu Josiphos、(S,S)-Me-Duphos、(S,S)-Chiraphos、(R)-Phanephos、(S)-(DM-Segphos)、[(R,R)-Me-BPE]Rh(cod)BF4、(R)-C3-TunePhos、(R)-[Rh(cod)TCFP]BF4、(S)-N-ベンジル-N-メチル-MonoPhos、又はそれらの立体異性体である。一実施態様において、キラル配位子は、(R,R)-Me-Duphosである。
工程(b)において、水素化は、約0.025mol%以上の触媒の投入量で行われることができる。一般に、触媒の投入量が多いほど、変換は多く、反応時間は短い。しかしながら、触媒の投入量が十分に多い場合、所望の生成物の収量は、競合する副反応が原因で減少し得る。一実施態様において、触媒の投入量は、約0.025mol%〜約20mol%である。一実施態様において、触媒の投入量は、約0.025mol%〜約10mol%である。一実施態様において、触媒の投入量は、約0.05mol%〜約5mol%である。一実施態様において、触媒の投入量は、約0.05mol%〜約2.5mol%である。一実施態様において、触媒の投入量は、約0.05mol%〜約1mol%である。一実施態様において、触媒の投入量は、約0.05mol%〜約0.25mol%である。一実施態様において、触媒の投入量は、約5mol%である。別の実施態様において、触媒の投入量は、約1mol%である。また別の実施態様において、触媒の投入量は、約0.25mol%である。
工程(b)において、キラル配位子対金属触媒のモル比は、水素化を促進することができる任意の比であることができる。一実施態様において、キラル配位子対金属触媒のモル比は、約3:1〜約1:3である。一実施態様において、キラル配位子対金属触媒のモル比は、約3:1〜約1:1である。一実施態様において、キラル配位子対金属触媒のモル比は、約2:1である。別の実施態様において、キラル配位子対金属触媒のモル比は、約1:1である。
工程(b)において、水素化は、約1psia〜約550psiaの水素圧下で行われることができる。一般に、水素圧が高いほど、反応時間は短い。一実施態様において、水素圧は、約15psig〜約250psigである。一実施態様において、水素圧は、約15psig〜約90psigである。別の実施態様において、水素圧は、約90psig〜約250psigである。一実施態様において、水素圧は、約15psigである。別の実施態様において、水素圧は、約90psigである。また別の実施態様において、水素圧は、約250psigである。
工程(b)において、水素化は、限定されないが、酢酸エチル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、N-メチルピロリジノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ギ酸、酢酸、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2,2,2-トリフルオロエタノール、及びそれらの混合物などの溶媒中で行われることができる。一実施態様において、溶媒は、エタノールである。別の実施態様において、溶媒は、2,2,2-トリフルオロエタノールである。
工程(b)において、反応温度は、約10℃〜約90℃であることができる。一実施態様において、反応温度は、約40℃〜約60℃である。一実施態様において、反応温度は、約50℃である。別の実施態様において、反応温度は、約35℃である。
工程(b)において、反応時間は、反応温度及び水素圧に応じて、約1〜約72時間まで変動することができる。一般に、反応温度が高く、水素圧が高いほど、反応時間は短い。一実施態様において、反応温度が約50℃である場合、反応時間は約18時間である。
一実施態様において、式(III)のN-アシルエナミン(式中、R1はOMeであり、R2はOEtであり、R3はMeであり、かつRはCF3である)の不斉水素化は、2,2,2-トリフルオロエタノール中、約2mol%のRh(cod)2OTf及び約3mol%の(R,R)-Me-Duphosの存在下、約90psigの水素圧下、約35℃で行われる。
別の実施態様において、式(III)のN-アシルエナミン(式中、R1はOMeであり、R2はOEtであり、R3はMeであり、かつRはCF3である)の不斉水素化は、2,2,2-トリフルオロエタノール中、約5mol%のRh(cod)2OTf及び約10mol%の(S,S)-Me-Duphosの存在下、約250psigの水素圧下、約50℃で行われる。
また別の実施態様において、式(III)のN-アシルエナミン(式中、R1はOMeであり、R2はOEtであり、R3はMeであり、かつRはCF3である)の不斉水素化は、2,2,2-トリフルオロエタノール中、約1mol%のRh(cod)2OTf及び約2mol%の(R,R)-Me-Duphosの存在下、約90psig〜約250psigの水素圧下、約25℃で行われる。
また別の実施態様において、式(III)のN-アシルエナミン(式中、R1はOMeであり、R2はOEtであり、R3はMeであり、かつRはCF3である)の不斉水素化は、2,2,2-トリフルオロエタノール中、約1mol%のRh(cod)2OTf及び約2mol%の(S,S)-Me-Duphosの存在下、約250psigの水素圧下、約50℃で行われる。
工程(c)において、式(IV)のN-アシルアミノスルホン中のアシル基の除去は、塩基の存在下で行われることができる。一実施態様において、塩基は、K2CO3である。
工程(c)において、式(IV)のN-アシルアミノスルホン中のアシル基の除去は、酸の存在下で行われることができる。一実施態様において、酸は、HClである。
上記の実施態様の組合せの全てが本明細書により包含される。
(4.2.3 ケトン基質の不斉還元アミノ化)
一実施態様において、本明細書に提供される方法は、下記のスキーム4に示されるような、ケトン基質の不斉還元アミノ化を利用する。
一実施態様において、提供されるのは、式(I)のアミノスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形:
(式中、R
1及びR
2は、各々独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換(C
1-C
6)アルキル、置換もしくは非置換(C
1-C
6)アルコキシ、(C
3-C
18)シクロアルキル、(C
3-C
6)シクロアルコキシ、シアノ、-CF
3、又は(C
3-C
18)シクロアルキル-(C
1-C
6)アルコキシ、或いはそれらのアイソトポログであり;かつR
3は、(C
1-C
6)アルキル、又はそのアイソトポログである)を調製する方法であって;
(a)式(V)のケトン、又はそのアイソトポログ:
を、アンモニア又はアンモニウム塩と反応させて、式(II)のエナミン、又はその塩もしくはアイソトポログ:
を形成させる工程;
(b)式(II)のエナミン、又はその塩もしくはアイソトポログを任意に単離する工程;並びに
(c)式(II)のエナミン、又はその塩もしくはアイソトポログを、(1)金属触媒及びキラル配位子、又は(2)キラル金属触媒/配位子錯体の存在下、水素化により還元する工程
を含む、方法である。
一実施態様において、水素化は、水素ガスを用いて実施される。
一実施態様において、本明細書に提供されるのは、式(I)のアミノスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形(式中、R1及びR2は、置換もしくは非置換(C1-C6)アルコキシ、又はそれらのアイソトポログである)を調製する上記方法である。一実施態様において、本明細書に提供されるのは、式(I)のアミノスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形(式中、R1は、OMe、又はそのアイソトポログであり; R2は、OEt、又はそのアイソトポログであり;かつR3は、Me、又はそのアイソトポログである)を調製する上記方法である。
一実施態様において、工程(a)のアンモニウム塩は、酢酸アンモニウムである。
工程(a)において、式(V)のケトンとアンモニア又はアンモニウム塩との反応は、限定されないが、酢酸エチル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、N-メチルピロリジノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ギ酸、酢酸、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2,2,2-トリフルオロエタノール、及びそれらの混合物などの溶媒中で行われることができる。一実施態様において、溶媒は、エタノールである。別の実施態様において、溶媒は、2,2,2-トリフルオロエタノールである。
工程(c)において、金属触媒は、水素化を促進することができる任意の金属触媒であることができる。一実施態様において、金属触媒は、限定されないが、銅、ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、イリジウム、及びルテニウムなどの金属を含有する。一実施態様において、金属触媒は、ロジウムを含有する。別の実施態様において、金属触媒は、ルテニウムを含有する。また別の実施態様において、金属触媒は、イリジウムを含有する。一実施態様において、金属触媒は、Rh(cod)2OTfである。別の実施態様において、金属触媒は、Rh(cod)2BF4である。また別の実施態様において、金属触媒は、[Ir(cod)Cl]2である。
工程(c)において、キラル配位子又はキラル金属触媒/配位子錯体は、不斉水素化を促進することができる任意のキラル配位子又はキラル金属触媒/配位子錯体であることができる。一実施態様において、キラル配位子又はキラル金属触媒/配位子錯体は、限定されないが、(S,R)-t-Bu Josiphos、Josiphos SL-J011-2、(S,S)-Me-Duphos、(S,S)-Chiraphos、(R)-Phanephos、(R)-Ru(OAc)2(DM-segphos)、[(R,R)-Me-BPE]Rh(cod)BF4、(R)-C3-TunePhos、(R)-[Rh(cod)TCFP]BF4、又はそれらの立体異性体である。一実施態様において、キラル配位子は、(S,R)-t-Bu Josiphos又はJosiphos SL-J011-2である。一実施態様において、キラル配位子は、(S,R)-t-Bu Josiphosである。別の実施態様において、キラル配位子は、Josiphos SL-J011-2である。
工程(c)において、水素化は、約0.025mol%以上の触媒の投入量で行われることができる。一般に、触媒の投入量が多いほど、変換は多く、反応時間は短い。しかしながら、触媒の投入量が十分に多い場合、所望の生成物の収量は、競合する副反応が原因で減少し得る。一実施態様において、触媒の投入量は、約0.025mol%〜約20mol%である。一実施態様において、触媒の投入量は、約0.025mol%〜約10mol%である。一実施態様において、触媒の投入量は、約0.05mol%〜約5mol%である。一実施態様において、触媒の投入量は、約0.05mol%〜約2.5mol%である。一実施態様において、触媒の投入量は、約0.05mol%〜約1mol%である。一実施態様において、触媒の投入量は、約0.05mol%〜約0.25mol%である。一実施態様において、触媒の投入量は、約5mol%である。別の実施態様において、触媒の投入量は、約1mol%である。また別の実施態様において、触媒の投入量は、約0.25mol%である。
工程(c)において、キラル配位子対金属触媒のモル比は、水素化を促進することができる任意の比であることができる。一実施態様において、キラル配位子対金属触媒のモル比は、約3:1〜約1:3である。一実施態様において、キラル配位子対金属触媒のモル比は、約3:1〜約1:1である。一実施態様において、キラル配位子対金属触媒のモル比は、約2:1である。別の実施態様において、キラル配位子対金属触媒のモル比は、約1:1である。
工程(c)において、水素化は、約1psia〜約550psiaの水素圧下で行われることができる。一般に、水素圧が高いほど、反応時間は短い。一実施態様において、水素圧は、約15psig〜約250psigである。一実施態様において、水素圧は、約15psig〜約90psigである。別の実施態様において、水素圧は、約90psig〜約250psigである。一実施態様において、水素圧は、約15psigである。別の実施態様において、水素圧は、約90psigである。また別の実施態様において、水素圧は、約250psigである。
工程(c)において、水素化は、限定されないが、酢酸エチル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、N-メチルピロリジノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ギ酸、酢酸、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2,2,2-トリフルオロエタノール、及びそれらの混合物などの溶媒中で行われることができる。一実施態様において、溶媒は、エタノールである。別の実施態様において、溶媒は、2,2,2-トリフルオロエタノールである。
工程(c)において、反応温度は、約10℃〜約90℃であることができる。一実施態様において、反応温度は、約40℃〜約60℃である。一実施態様において、反応温度は、約50℃である。別の実施態様において、反応温度は、約35℃である。
工程(c)において、反応時間は、反応温度及び水素圧に応じて、約1〜約72時間まで変動することができる。一般に、反応温度が高く、水素圧が高いほど、反応時間は短い。一実施態様において、反応温度が約50℃である場合、反応時間は約18時間である。
一実施態様において、式(II)のエナミンは、工程(a)の後に単離され、工程(c)の不斉水素化は、2,2,2-トリフルオロエタノール中、約0.37mol%のRh(cod)2OTf及び約0.37mol%の(S,R)-t-Bu Josiphosの存在下、約90psigの水素圧下、約50℃で行われる。
別の実施態様において、式(II)のエナミンは、工程(a)の後に単離されず、工程(c)の不斉水素化は、2,2,2-トリフルオロエタノール中、約1mol%のRh(cod)2OTf及び約1mol%の(S,R)-t-Bu Josiphosの存在下、約90psigの水素圧下、約50℃で行われる。
上記の実施態様の組合せの全てが本明細書により包含される。
(4.2.4 ケトン基質の不斉水素化)
一実施態様において、本明細書に提供される方法は、下記のスキーム5に示されるような、ケトン基質の不斉水素化を利用する。
一実施態様において、提供されるのは、式(I)のアミノスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形:
(式中、R
1及びR
2は、各々独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換(C
1-C
6)アルキル、置換もしくは非置換(C
1-C
6)アルコキシ、(C
3-C
18)シクロアルキル、(C
3-C
6)シクロアルコキシ、シアノ、-CF
3、又は(C
3-C
18)シクロアルキル-(C
1-C
6)アルコキシ、或いはそれらのアイソトポログであり;かつR
3は、(C
1-C
6)アルキル、又はそのアイソトポログである)を調製する方法であって;
(a)式(V)のケトン、又はそのアイソトポログ:
を、(1)金属触媒及びキラル配位子、又は(2)キラル金属触媒/配位子錯体の存在下、水素化により還元して、式(VI)のヒドロキシルスルホン、又はそのアイソトポログ:
を形成させる工程;並びに
(b)式(VI)のヒドロキシスルホン、又はそのアイソトポログを、式(I)のアミノスルホン、又はその塩もしくはアイソトポログに変換する工程
を含む、方法である。
一実施態様において、水素化は、水素ガスを用いて実施される。
一実施態様において、本明細書に提供されるのは、式(I)のアミノスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形(式中、R1及びR2は、置換もしくは非置換(C1-C6)アルコキシ、又はそれらのアイソトポログである)を調製する上記方法である。一実施態様において、本明細書に提供されるのは、式(I)のアミノスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形(式中、R1は、OMe、又はそのアイソトポログであり; R2は、OEt、又はそのアイソトポログであり;かつR3は、Me、又はそのアイソトポログである)を調製する上記方法である。
工程(a)において、金属触媒は、水素化を促進することができる任意の金属触媒であることができる。一実施態様において、金属触媒は、限定されないが、銅、ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、イリジウム、及びルテニウムなどの金属を含有する。一実施態様において、金属触媒は、ロジウムを含有する。別の実施態様において、金属触媒は、ルテニウムを含有する。また別の実施態様において、金属触媒は、イリジウムを含有する。一実施態様において、金属触媒は、Rh(cod)2OTfである。別の実施態様において、金属触媒は、Rh(cod)2BF4である。また別の実施態様において、金属触媒は、[Ir(cod)Cl]2である。また別の実施態様において、金属触媒は、Ru(OAc)2である。また別の実施態様において、金属触媒は、RuCl2である。また別の実施態様において、金属触媒は、RuCl(ベンゼン)である。また別の実施態様において、金属触媒は、RuCl(p-シメン)である。
工程(a)において、キラル配位子又はキラル金属触媒/配位子錯体は、不斉水素化を促進することができる任意のキラル配位子又はキラル金属触媒/配位子錯体であることができる。一実施態様において、キラル配位子又はキラル金属触媒/配位子錯体は、限定されないが、(S,R)-t-Bu Josiphos、Josiphos SL-J011-2、(S,S)-Me-Duphos、(S,S)-Chiraphos、(R)-Phanephos、(R)-Ru(OAc)2(DM-segphos)、[(R,R)-Me-BPE]Rh(cod)BF4、(R)-C3-TunePhos、(R)-[Rh(cod)TCFP]BF4、又はそれらの立体異性体である。一実施態様において、キラル配位子は、(S,R)-t-Bu Josiphos又はJosiphos SL-J011-2である。一実施態様において、キラル配位子は、(S,R)-t-Bu Josiphosである。別の実施態様において、キラル配位子は、Josiphos SL-J011-2である。一実施態様において、キラル配位子又はキラル金属触媒/配位子錯体は、限定されないが、(S)-Ru(OAc)2(BINAP)、(S)-Ru(OAc)2(DM-SEGPHOS)、RuCl(p-シメン)[(S,S)-Ts-DPEN]、RuCl2[(R)-(DM-SEGPHOS)][(R,R)-(DPEN)]、RuCl2[(R)-(Phanephos)][(S,S)-(DPEN)]、RuCl2[(R)-DM-BINAP][(R,R)-DPEN]、又はそれらの立体異性体である。一実施態様において、キラル金属触媒/配位子錯体は、RuCl(p-シメン)[(S,S)-Ts-DPEN]である。
工程(a)において、水素化は、約0.025mol%以上の触媒の投入量で行われることができる。一般に、触媒の投入量が多いほど、変換は多く、反応時間は短い。しかしながら、触媒の投入量が十分に多い場合、所望の生成物の収量は、競合する副反応が原因で減少し得る。一実施態様において、触媒の投入量は、約0.025mol%〜約20mol%である。一実施態様において、触媒の投入量は、約0.025mol%〜約10mol%である。一実施態様において、触媒の投入量は、約0.05mol%〜約5mol%である。一実施態様において、触媒の投入量は、約0.05mol%〜約2.5mol%である。一実施態様において、触媒の投入量は、約0.05mol%〜約1mol%である。一実施態様において、触媒の投入量は、約0.05mol%〜約0.25mol%である。一実施態様において、触媒の投入量は、約5mol%である。別の実施態様において、触媒の投入量は、約1mol%である。また別の実施態様において、触媒の投入量は、約0.25mol%である。
工程(a)において、キラル配位子対金属触媒のモル比は、水素化を促進することができる任意の比であることができる。一実施態様において、キラル配位子対金属触媒のモル比は、約3:1〜約1:3である。一実施態様において、キラル配位子対金属触媒のモル比は、約3:1〜約1:1である。一実施態様において、キラル配位子対金属触媒のモル比は、約2:1である。別の実施態様において、キラル配位子対金属触媒のモル比は、約1:1である。
工程(a)において、水素化は、約1psia〜約550psiaの水素圧下で行われることができる。一般に、水素圧が高いほど、反応時間は短い。一実施態様において、水素圧は、約15psig〜約450psigである。一実施態様において、水素圧は、約15psig〜約90psigである。別の実施態様において、水素圧は、約90psig〜約250psigである。別の実施態様において、水素圧は、約250psig〜約450psigである。一実施態様において、水素圧は、約15psigである。別の実施態様において、水素圧は、約90psigである。また別の実施態様において、水素圧は、約250psigである。また別の実施態様において、水素圧は、約450psigである。
工程(a)において、水素化は、限定されないが、酢酸エチル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、N-メチルピロリジノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ギ酸、酢酸、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2,2,2-トリフルオロエタノール、及びそれらの混合物などの溶媒中で行われることができる。一実施態様において、溶媒は、エタノールである。別の実施態様において、溶媒は、2,2,2-トリフルオロエタノールである。また別の実施態様において、溶媒は、イソプロパノールである。
工程(a)において、反応温度は、約10℃〜約90℃であることができる。一実施態様において、反応温度は、約40℃〜約60℃である。一実施態様において、反応温度は、約50℃である。別の実施態様において、反応温度は、約35℃である。
工程(a)において、反応時間は、反応温度及び水素圧に応じて、約1〜約72時間まで変動することができる。一般に、反応温度が高く、水素圧が高いほど、反応時間は短い。一実施態様において、反応温度が約50℃である場合、反応時間は約18時間である。別の実施態様において、反応温度が約50℃である場合、反応時間は、約16時間である。
一実施態様において、工程(a)は、添加剤の存在下で行われる。一実施態様において、添加剤は、アミン、ピリジン、ピリジン N-オキシド、イミダゾール、アルコキシド、ハライド、又はそれらの組合せである。一実施態様において、アミンは、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、又は1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク-7-エン(DBU)である。一実施態様において、アルコキシドは、C1-6アルコキシドである。一実施態様において、アルコキシドは、NaOMe、NaOEt、t-BuONa、KOMe、KOEt、t-BuOKである。一実施態様において、アルコキシドは、t-BuOKである。
一実施態様において、式(V)のケトンの不斉水素化は、2,2,2-トリフルオロエタノール中、約5mol%のRh(cod)2OTf及び約10mol%の(S,R)-t-Bu Josiphosの存在下、約90psig〜約250psigの水素圧下、約50℃で行われる。
別の実施態様において、式(V)のケトンの不斉水素化は、2,2,2-トリフルオロエタノール中、約0.5mol%のRh(cod)2OTf及び約1mol%の(S,R)-t-Bu Josiphosの存在下、約90psig〜約250psigの水素圧下、約50℃で行われる。
また別の実施態様において、式(V)のケトンの不斉水素化は、イソプロパノール中、約5mol%のt-BuOK及び約1mol%のRuCl(p-シメン)[(S,S)-Ts-DPEN]の存在下、450psigの水素圧下、約50℃で行われる。
一実施態様において、工程(b)において、式(VI)のヒドロキシスルホン中のヒドロキシル基は、窒素系求核剤により置換され、得られる生成物は、式(I)のアミノスルホン、又はその塩にさらに変換される。一実施態様において、窒素系求核剤は、フタルイミドであり、工程(b)は、以下のように示される。
別の実施態様において、窒素系求核剤は、アジドであり、工程(b)は、以下のように示される。
一実施態様において、アジドは、アジ化水素(すなわち、アジ化水素酸)、アジ化ナトリウム、又はアジ化カリウムである。
光延反応は、光延反応に好適である当技術分野で公知の任意の条件で行われることができる。一実施態様において、光延反応は、PBu3及びアゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)の存在下で行われる。
光延反応は、光延反応に好適である当技術分野で公知の任意の溶媒中で行われることができる。一実施態様において、光延反応は、限定されないが、トルエン、酢酸エチル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、N-メチルピロリジノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、及びそれらの混合物などの溶媒中で行われる。一実施態様において、溶媒は、トルエンである。
光延反応の反応温度は、約-100℃〜約100℃であることができる。一実施態様において、反応温度は、約-60℃〜約-2℃である。一実施態様において、反応温度は、約-60℃である。
光延反応の反応時間は、反応温度に応じて、約1〜約72時間まで変動することができる。一般に、反応温度が高いほど、反応時間は短い。一実施態様において、反応温度が約-60℃〜約-2℃である場合、反応時間は約16時間〜約20時間である。
アジドの水素化は、アジドの水素化に好適である当技術分野で公知の任意の条件で行われることができる。一実施態様において、水素化は、Pd/Cの存在下で行われる。一実施態様において、水素化は、アルコールの溶媒中で行われる。一実施態様において、溶媒は、2,2,2-トリフルオロエタノールである。
一実施態様において、式(VI)のヒドロキシスルホン中のヒドロキシル基は、限定されないが、OMs及びOTsなどの活性化形態に変換され;次いで、窒素系求核剤により置換され;得られた生成物は、式(I)のアミノスルホン、又はその塩にさらに変換される。
式(VI)のヒドロキシスルホンは、式(I)のアミノスルホンに変換されることなく、スルホン基を含有する化合物の調製において直接利用されることもできる。一実施態様において、本明細書に提供されるのは、以下に示すような、(S)-N-(2-(1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アセトアミドを調製する方法である。
一実施態様において、提供されるのは、式(VI)のヒドロキシスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形:
(式中、R
1及びR
2は、各々独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換(C
1-C
6)アルキル、置換もしくは非置換(C
1-C
6)アルコキシ、(C
3-C
18)シクロアルキル、(C
3-C
6)シクロアルコキシ、シアノ、-CF
3、又は(C
3-C
18)シクロアルキル-(C
1-C
6)アルコキシ、或いはそれらのアイソトポログであり;かつR
3は、(C
1-C
6)アルキル、又はそのアイソトポログである)を調製する方法であって;
(a)式(V)のケトン、又はそのアイソトポログ:
を、(1)金属触媒及びキラル配位子、又は(2)キラル金属触媒/配位子錯体の存在下、水素化により還元して、式(VI)のヒドロキシルスルホン、又はそのアイソトポログを形成させる工程
を含む、方法である。
工程(a)は、上記に及び本明細書に記載されている通りである。
上記の実施態様の組合せの全てが本明細書により包含される。
(4.2.5 ケトン基質の不斉転移水素化)
一実施態様において、本明細書に提供される方法は、下記のスキーム6に示されるような、ケトン基質の不斉転移水素化を利用する。
一実施態様において、提供されるのは、式(I)のアミノスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形:
(式中、R
1及びR
2は、各々独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換(C
1-C
6)アルキル、置換もしくは非置換(C
1-C
6)アルコキシ、(C
3-C
18)シクロアルキル、(C
3-C
6)シクロアルコキシ、シアノ、-CF
3、又は(C
3-C
18)シクロアルキル-(C
1-C
6)アルコキシ、或いはそれらのアイソトポログであり;かつR
3は、(C
1-C
6)アルキル、又はそのアイソトポログである)を調製する方法であって;
(a)式(V)のケトン、又はそのアイソトポログ:
を、転移試薬並びに(1)金属触媒及びキラル配位子、又は(2)キラル金属触媒/配位子錯体の存在下、転移水素化により還元して、式(VI)のヒドロキシルスルホン、又はそのアイソトポログ:
を形成させる工程;並びに
(b)式(VI)のヒドロキシスルホン、又はそのアイソトポログを、式(I)のアミノスルホン、又はその塩もしくはアイソトポログに変換する工程
を含む、方法である。
一実施態様において、本明細書に提供されるのは、式(I)のアミノスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形(式中、R1及びR2は、置換もしくは非置換(C1-C6)アルコキシ、又はそれらのアイソトポログである)を調製する上記方法である。一実施態様において、本明細書に提供されるのは、式(I)のアミノスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形(式中、R1は、OMe、又はそのアイソトポログであり; R2は、OEt、又はそのアイソトポログであり;かつR3は、Me、又はそのアイソトポログである)を調製する上記方法である。
工程(a)において、転移試薬は、転移水素化を促進することができる任意の転移試薬であることができる。一実施態様において、転移試薬は、ギ酸塩である。一実施態様において、転移試薬は、ギ酸-トリエチルアミン錯体である。一実施態様において、転移試薬は、ギ酸もしくはその塩(限定されないが、ナトリウム塩、カリウム塩、及びアンモニウム塩を含む)、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン(さらに置換基を有する異性体を含む)、ジイミド、ヒドラジン、又はハンチュエステルである。一実施態様において、転移試薬は、5:2のギ酸-トリエチルアミン錯体である。別の実施態様において、転移試薬は、イソプロパノールである。
工程(a)において、金属触媒は、転移水素化を促進することができる任意の金属触媒であることができる。一実施態様において、金属触媒は、限定されないが、銅、ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、イリジウム、及びルテニウムなどの金属を含有する。一実施態様において、金属触媒は、ロジウムを含有する。別の実施態様において、金属触媒は、ルテニウムを含有する。また別の実施態様において、金属触媒は、イリジウムを含有する。一実施態様において、金属触媒は、Rh(cod)2OTfである。別の実施態様において、金属触媒は、Rh(cod)2BF4である。また別の実施態様において、金属触媒は、[Ir(cod)Cl]2である。また別の実施態様において、金属触媒は、Ru(OAc)2である。また別の実施態様において、金属触媒は、RuCl2である。また別の実施態様において、金属触媒は、RuCl(ベンゼン)である。また別の実施態様において、金属触媒は、RuCl(p-シメン)である。
工程(a)において、キラル配位子又はキラル金属触媒/配位子錯体は、不斉転移水素化を促進することができる任意のキラル配位子又はキラル金属触媒/配位子錯体であることができる。一実施態様において、キラル金属触媒/配位子錯体は、RuCl(p-シメン)[(S,S)-Ts-DPEN]、又はその立体異性体である。
工程(a)において、転移水素化は、約0.025mol%以上の触媒の投入量で行われることができる。一般に、触媒の投入量が多いほど、変換は多く、反応時間は短い。しかしながら、触媒の投入量が十分に多い場合、所望の生成物の収量は、競合する副反応が原因で減少し得る。一実施態様において、触媒の投入量は、約0.025mol%〜約20mol%である。一実施態様において、触媒の投入量は、約0.025mol%〜約10mol%である。一実施態様において、触媒の投入量は、約0.05mol%〜約5mol%である。一実施態様において、触媒の投入量は、約0.05mol%〜約2.5mol%である。一実施態様において、触媒の投入量は、約0.05mol%〜約1mol%である。一実施態様において、触媒の投入量は、約0.05mol%〜約0.25mol%である。一実施態様において、触媒の投入量は、約5mol%である。別の実施態様において、触媒の投入量は、約1mol%である。また別の実施態様において、触媒の投入量は、約0.25mol%である。
工程(a)において、キラル配位子対金属触媒のモル比は、転移水素化を促進することができる任意の比であることができる。一実施態様において、キラル配位子対金属触媒のモル比は、約3:1〜約1:3である。一実施態様において、キラル配位子対金属触媒のモル比は、約3:1〜約1:1である。一実施態様において、キラル配位子対金属触媒のモル比は、約2:1である。別の実施態様において、キラル配位子対金属触媒のモル比は、約1:1である。
工程(a)において、転移水素化は、限定されないが、酢酸エチル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、N-メチルピロリジノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ギ酸、酢酸、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2,2,2-トリフルオロエタノール、及びそれらの混合物などの溶媒中で行われることができる。一実施態様において、溶媒は、エタノールである。別の実施態様において、溶媒は、2,2,2-トリフルオロエタノールである。また別の実施態様において、溶媒は、アセトニトリルである。
工程(a)において、反応温度は、約10℃〜約90℃であることができる。一実施態様において、反応温度は、約20℃〜約60℃である。一実施態様において、反応温度は、約50℃である。別の実施態様において、反応温度は、約20℃〜約25℃である。
工程(a)において、反応時間は、反応温度に応じて、約1〜約72時間まで変動することができる。一般に、反応温度が高いほど、反応時間は短い。一実施態様において、反応温度が約20℃〜約25℃である場合、反応時間は約40時間である。
一実施態様において、転移試薬は、5:2のギ酸-トリエチルアミン錯体であり、式(V)のケトンの不斉転移水素化は、アセトニトリル中、約1mol%のRuCl(p-シメン)[(S,S)-Ts-DPEN]の存在下、約20〜25℃で行われる。
工程(b)は、上記に及び本明細書に記載されている通りである。
一実施態様において、提供されるのは、式(VI)のヒドロキシスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形:
(式中、R
1及びR
2は、各々独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換(C
1-C
6)アルキル、置換もしくは非置換(C
1-C
6)アルコキシ、(C
3-C
18)シクロアルキル、(C
3-C
6)シクロアルコキシ、シアノ、-CF
3、又は(C
3-C
18)シクロアルキル-(C
1-C
6)アルコキシ、或いはそれらのアイソトポログであり;かつR
3は、(C
1-C
6)アルキル、又はそのアイソトポログである)を調製する方法であって;
(a)式(V)のケトン、又はそのアイソトポログ:
を、転移試薬並びに(1)金属触媒及びキラル配位子、又は(2)キラル金属触媒/配位子錯体の存在下、転移水素化により還元して、式(VI)のヒドロキシルスルホン、又はそのアイソトポログを形成させる工程
を含む、方法である。
工程(a)は、上記に及び本明細書に記載されている通りである。
上記の実施態様の組合せの全てが本明細書により包含される。
(4.2.6 ケトン基質の不斉ボラン還元)
一実施態様において、本明細書に提供される方法は、下記のスキーム7に示されるような、ケトン基質の不斉ボラン還元を利用する。
一実施態様において、提供されるのは、式(I)のアミノスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形:
(式中、R
1及びR
2は、各々独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換(C
1-C
6)アルキル、置換もしくは非置換(C
1-C
6)アルコキシ、(C
3-C
18)シクロアルキル、(C
3-C
6)シクロアルコキシ、シアノ、-CF
3、又は(C
3-C
18)シクロアルキル-(C
1-C
6)アルコキシ、或いはそれらのアイソトポログであり;かつR
3は、(C
1-C
6)アルキル、又はそのアイソトポログである)を調製する方法であって;
(a)式(V)のケトン、又はそのアイソトポログ:
を、ボラン試薬及びキラルオキサザボロリジンの存在下、ボラン還元により還元して、式(VI)のヒドロキシルスルホン、又はそのアイソトポログ:
を形成させる工程;並びに
(b)式(VI)のヒドロキシスルホン、又はそのアイソトポログを、式(I)のアミノスルホン、又はその塩もしくはアイソトポログに変換する工程
を含む、方法である。
一実施態様において、本明細書に提供されるのは、式(I)のアミノスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形(式中、R1及びR2は、置換もしくは非置換(C1-C6)アルコキシ、又はそれらのアイソトポログである)を調製する上記方法である。一実施態様において、本明細書に提供されるのは、式(I)のアミノスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形(式中、R1は、OMe、又はそのアイソトポログであり; R2は、OEt、又はそのアイソトポログであり;かつR3は、Me、又はそのアイソトポログである)を調製する上記方法である。
工程(a)において、ボラン試薬は、ボラン還元を促進することができる任意のボラン剤であることができる。一実施態様において、ボラン試薬は、ボラン-テトラヒドロフラン(THF)、ボランジメチルスルフィド、ボランN,N-ジエチルアニリン、ジボラン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、又はN-エチル-N-イソプロピルアニリン-ボラン錯体である。一実施態様において、ボラン試薬は、N-エチル-N-イソプロピルアニリン-ボラン錯体である。
工程(a)は、式(V)の化合物対ボラン試薬の任意のモル比で行われることができる。一実施態様において、式(V)の化合物対ボラン試薬のモル比は、約10:1〜約1:10である。一実施態様において、式(V)の化合物対ボラン試薬のモル比は、約5:1〜約1:5である。一実施態様において、式(V)の化合物対ボラン試薬のモル比は、約3:1〜約1:3である。一実施態様において、式(V)の化合物対ボラン試薬のモル比は、約1.5:1〜約1:1.5である。一実施態様において、式(V)の化合物対ボラン試薬のモル比は、約1:1〜約1:1.5である。別の実施態様において、式(V)の化合物対ボラン試薬のモル比は、は、約1:1である。一実施態様において、式(V)の化合物対ボラン試薬のモル比は、約3:1〜約1:10である。一実施態様において、式(V)の化合物対ボラン試薬のモル比は、約3:1〜約1:5である。
工程(a)において、キラルオキサザボロリジンは、不斉ボラン還元を促進することができる任意のキラルオキサザボロリジンであることができる。一実施態様において、キラルオキサザボロリジンは、CBS-オキサザボロリジンである。一実施態様において、キラルオキサザボロリジンは、式(A)の化合物:
(式中、R
a及びR
bは、独立に、置換もしくは非置換(C
6-C
14)アリールであり、かつR
cは、水素、置換もしくは非置換(C
1-C
6)アルキル、又は置換もしくは非置換(C
6-C
14)アリールである)である。一実施態様において、R
a及びR
bは、独立に、フェニル又はβ-ナフチルである。一実施態様において、R
cは、水素、メチル、n-ブチル、又はオルト-トリルである。一実施態様において、R
aとR
bは両方ともフェニルであり、かつR
cはメチルである。
工程(a)において、不斉ボラン還元は、約0.025mol%以上のキラルオキサザボロリジンの投入量で行われることができる。一般に、キラルオキサザボロリジンの投入量が多いほど、変換は多く、反応時間は短い。一実施態様において、キラルオキサザボロリジンの投入量は、約0.025mol%〜約20mol%である。一実施態様において、キラルオキサザボロリジンの投入量は、約0.025mol%〜約10mol%である。一実施態様において、キラルオキサザボロリジンの投入量は、約0.05mol%〜約5mol%である。一実施態様において、キラルオキサザボロリジンの投入量は、約0.05mol%〜約2.5mol%である。一実施態様において、キラルオキサザボロリジンの投入量は、約0.05mol%〜約1mol%である。一実施態様において、キラルオキサザボロリジンの投入量は、約0.05mol%〜約0.25mol%である。一実施態様において、キラルオキサザボロリジンの投入量は、約10mol%である。別の実施態様において、キラルオキサザボロリジンの投入量は、約5mol%である。
工程(a)において、不斉ボラン還元は、限定されないが、酢酸エチル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、N-メチルピロリジノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ギ酸、酢酸、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2,2,2-トリフルオロエタノール、及びそれらの混合物などの溶媒中で行われることができる。一実施態様において、溶媒は、テトラヒドロフランである。
工程(a)において、反応温度は、約10℃〜約90℃であることができる。一実施態様において、反応温度は、約20℃〜約60℃である。一実施態様において、反応温度は、約50℃である。別の実施態様において、反応温度は、約25℃である。
工程(a)において、反応時間は、反応温度に応じて、約1〜約72時間まで変動することができる。一般に、反応温度が高いほど、反応時間は短い。一実施態様において、反応温度が約25℃である場合、反応時間は約24時間である。
一実施態様において、ボラン試薬は、N-エチル-N-イソプロピルアニリン-ボラン錯体であり、式(V)の化合物対ボラン試薬のモル比は、約1:1であり、かつ式(V)の化合物の不斉ボラン還元は、テトラヒドロフラン中、約10mol%のCBS-オキサザボロリジンの存在下、約25℃で行われる。
工程(b)は、上記に及び本明細書に記載されている通りである。
一実施態様において、提供されるのは、式(VI)のヒドロキシスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形:
(式中、R
1及びR
2は、各々独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換(C
1-C
6)アルキル、置換もしくは非置換(C
1-C
6)アルコキシ、(C
3-C
18)シクロアルキル、(C
3-C
6)シクロアルコキシ、シアノ、-CF
3、又は(C
3-C
18)シクロアルキル-(C
1-C
6)アルコキシ、或いはそれらのアイソトポログであり;かつR
3は、(C
1-C
6)アルキル、又はそのアイソトポログである)を調製する方法であって;
(a)式(V)のケトン、又はそのアイソトポログ:
を、ボラン試薬及びキラルオキサザボロリジンの存在下、ボラン還元により還元して、式(VI)のヒドロキシルスルホン、又はそのアイソトポログを形成させる工程
を含む、方法である。
工程(a)は、上記に及び本明細書に記載されている通りである。
上記の実施態様の組合せの全てが本明細書により包含される。
(4.2.7 ケトン基質のポリマー担持不斉還元)
一実施態様において、本明細書に提供される方法は、下記のスキーム8に示されるような、ケトン基質のポリマー担持不斉還元を利用する。
一実施態様において、提供されるのは、式(I)のアミノスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形:
(式中、R
1及びR
2は、各々独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換(C
1-C
6)アルキル、置換もしくは非置換(C
1-C
6)アルコキシ、(C
3-C
18)シクロアルキル、(C
3-C
6)シクロアルコキシ、シアノ、-CF
3、又は(C
3-C
18)シクロアルキル-(C
1-C
6)アルコキシ、或いはそれらのアイソトポログであり;かつR
3は、(C
1-C
6)アルキル、又はそのアイソトポログである)を調製する方法であって;
(a)式(V)のケトン、又はそのアイソトポログ:
を、還元試薬、ルイス酸、及びポリマー担持キラルスルホンアミドの存在下で還元して、式(VI)のヒドロキシルスルホン、又はそのアイソトポログ:
を形成させる工程;並びに
(b)式(VI)のヒドロキシスルホン、又はそのアイソトポログを、式(I)のアミノスルホン、又はその塩もしくはアイソトポログに変換する工程
を含む、方法である。
一実施態様において、本明細書に提供されるのは、式(I)のアミノスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形(式中、R1及びR2は、置換もしくは非置換(C1-C6)アルコキシ、又はそれらのアイソトポログである)を調製する上記方法である。一実施態様において、本明細書に提供されるのは、式(I)のアミノスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形(式中、R1は、OMe、又はそのアイソトポログであり; R2は、OEt、又はそのアイソトポログであり;かつR3は、Me、又はそのアイソトポログである)を調製する上記方法である。
工程(a)において、還元試薬は、還元を促進することができる任意の還元試薬であることができる。一実施態様において、還元試薬は、NaBH4、又はボランジメチルスルフィドである。一実施態様において、還元試薬は、NaBH4である。
工程(a)は、式(V)の化合物対還元試薬の任意のモル比で行われることができる。一実施態様において、式(V)の化合物対還元試薬のモル比は、約10:1〜約1:10である。一実施態様において、式(V)の化合物対還元試薬のモル比は、約5:1〜約1:5である。一実施態様において、式(V)の化合物対還元試薬のモル比は、約3:1〜約1:3である。一実施態様において、式(V)の化合物対還元試薬のモル比は、約1.5:1〜約1:1.5である。一実施態様において、式(V)の化合物対還元試薬のモル比は、約1:1〜約1:1.5である。一実施態様において、式(V)の化合物対還元試薬のモル比は、約1:1.2である。別の実施態様において、式(V)の化合物対還元試薬のモル比は、約1:1である。
工程(a)において、ルイス酸は、還元を促進することができる任意のルイス酸であることができる。一実施態様において、ルイス酸は、Me3SiCl、又はBF3・OEt2である。一実施態様において、ルイス酸は、Me3SiClである。
工程(a)は、式(V)の化合物対ルイス酸の任意のモル比で行われることができる。一実施態様において、式(V)の化合物対ルイス酸のモル比は、約10:1〜約1:10である。一実施態様において、式(V)の化合物対ルイス酸のモル比は、約5:1〜約1:5である。一実施態様において、式(V)の化合物対ルイス酸のモル比は、約3:1〜約1:3である。一実施態様において、式(V)の化合物対ルイス酸のモル比は、約1.5:1〜約1:1.5である。一実施態様において、式(V)の化合物対ルイス酸のモル比は、約1:1〜約1:1.5である。一実施態様において、式(V)の化合物対ルイス酸のモル比は、約1:1.2である。別の実施態様において、式(V)の化合物対ルイス酸のモル比は、約1:1である。
工程(a)において、ポリマー担持キラルスルホンアミドは、不斉還元を促進することができる任意のポリマー担持キラルスルホンアミドであることができる。一実施態様において、ポリマー担持キラルスルホンアミドは、次式の化合物:
である。
工程(a)において、不斉還元は、約0.025mol%以上のポリマー担持キラルスルホンアミドの投入量で行われることができる。一般に、ポリマー担持キラルスルホンアミドの投入量が多いほど、変換は多く、反応時間は短い。一実施態様において、ポリマー担持キラルスルホンアミドの投入量は、約0.025mol%〜約100mol%である。一実施態様において、ポリマー担持キラルスルホンアミドの投入量は、約0.25mol%〜約75mol%である。一実施態様において、ポリマー担持キラルスルホンアミドの投入量は、約1mol%〜約50mol%である。一実施態様において、ポリマー担持キラルスルホンアミドの投入量は、約5mol%〜約40mol%である。一実施態様において、ポリマー担持キラルスルホンアミドの投入量は、約10mol%〜約30mol%である。一実施態様において、ポリマー担持キラルスルホンアミドの投入量は、約15mol%〜約25mol%である。一実施態様において、ポリマー担持キラルスルホンアミドの投入量は、約25mol%である。別の実施態様において、ポリマー担持キラルスルホンアミドの投入量は、約10mol%である。
工程(a)において、不斉還元は、限定されないが、酢酸エチル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、N-メチルピロリジノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ギ酸、酢酸、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2,2,2-トリフルオロエタノール、及びそれらの混合物などの溶媒中で行われることができる。一実施態様において、溶媒は、テトラヒドロフランである。
工程(a)において、反応温度は、約10℃〜約90℃であることができる。一実施態様において、反応温度は、約20℃〜約60℃である。一実施態様において、反応温度は、約50℃である。別の実施態様において、反応温度は、約25℃である。別の実施態様において、反応温度は、約70℃である。別の実施態様において、反応温度は、テトラヒドロフランの約還流温度である。
工程(a)において、反応時間は、反応温度に応じて、約1〜約72時間まで変動することができる。一般に、反応温度が高いほど、反応時間は短い。一実施態様において、反応温度が約25℃である場合、反応時間は約24時間である。一実施態様において、反応時間は、約3時間である。
一実施態様において、還元試薬はNaBH
4であり、ルイス酸はMe
3SiClであり、かつ式(V)の化合物の不斉還元は、約25mol%の次式のポリマー担持キラルスルホンアミド:
の存在下で行われる。
工程(b)は、上記に及び本明細書に記載されている通りである。
一実施態様において、提供されるのは、式(VI)のヒドロキシスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形:
(式中、R
1及びR
2は、各々独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換(C
1-C
6)アルキル、置換もしくは非置換(C
1-C
6)アルコキシ、(C
3-C
18)シクロアルキル、(C
3-C
6)シクロアルコキシ、シアノ、-CF
3、又は(C
3-C
18)シクロアルキル-(C
1-C
6)アルコキシ、或いはそれらのアイソトポログであり;かつR
3は、(C
1-C
6)アルキル、又はそのアイソトポログである)を調製する方法であって;
(a)式(V)のケトン、又はそのアイソトポログ:
を、還元試薬及びポリマー担持キラルスルホンアミドの存在下で還元して、式(VI)のヒドロキシルスルホン、又はそのアイソトポログを形成させる工程
を含む、方法である。
工程(a)は、上記に及び本明細書に記載されている通りである。
上記の実施態様の組合せの全てが本明細書により包含される。
(4.2.8 ケトン基質の酵母又は真菌媒介性不斉還元)
一実施態様において、本明細書に提供される方法は、下記のスキーム9に示されるような、ケトン基質の酵母又は真菌媒介性不斉還元を利用する。
一実施態様において、提供されるのは、式(I)のアミノスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形:
(式中、R
1及びR
2は、各々独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換(C
1-C
6)アルキル、置換もしくは非置換(C
1-C
6)アルコキシ、(C
3-C
18)シクロアルキル、(C
3-C
6)シクロアルコキシ、シアノ、-CF
3、又は(C
3-C
18)シクロアルキル-(C
1-C
6)アルコキシ、或いはそれらのアイソトポログであり;かつR
3は、(C
1-C
6)アルキル、又はそのアイソトポログである)を調製する方法であって;
(a)式(V)のケトン、又はそのアイソトポログ:
を、酵母又は真菌の存在下、酵母又は真菌媒介性不斉還元により還元して、式(VI)のヒドロキシルスルホン、又はそのアイソトポログ:
を形成させる工程;及び
(b)式(VI)のヒドロキシスルホン、又はそのアイソトポログを、式(I)のアミノスルホン、又はその塩もしくはアイソトポログに変換する工程
を含む、方法である。
一実施態様において、本明細書に提供されるのは、式(I)のアミノスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形(式中、R1及びR2は、置換もしくは非置換(C1-C6)アルコキシ、又はそれらのアイソトポログである)を調製する上記方法である。一実施態様において、本明細書に提供されるのは、式(I)のアミノスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形(式中、R1は、OMe、又はそのアイソトポログであり; R2は、OEt、又はそのアイソトポログであり;かつR3は、Me、又はそのアイソトポログである)を調製する上記方法である。
工程(a)において、酵母又は真菌は、酵母又は真菌媒介性不斉還元を促進することができる任意の酵母又は真菌であることができる。一実施態様において、工程(a)は、酵母の存在下で行われる。一実施態様において、酵母は、パン酵母である。一実施態様において、工程(a)は、真菌の存在下で行われる。一実施態様において、真菌は、ピキア・ファリノス(Pichia farinose) IAM 4682、ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)、又はクルブラリア・ルナータ(Curvularia lunata)である。一実施態様において、真菌は、クルブラリア・ルナータである。
工程(b)は、上記に及び本明細書に記載されている通りである。
一実施態様において、提供されるのは、式(VI)のヒドロキシスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形:
(式中、R
1及びR
2は、各々独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換(C
1-C
6)アルキル、置換もしくは非置換(C
1-C
6)アルコキシ、(C
3-C
18)シクロアルキル、(C
3-C
6)シクロアルコキシ、シアノ、-CF
3、又は(C
3-C
18)シクロアルキル-(C
1-C
6)アルコキシ、或いはそれらのアイソトポログであり;かつR
3は、(C
1-C
6)アルキル、又はそのアイソトポログである)を調製する方法であって;
(a)式(V)のケトン、又はそのアイソトポログ:
を、酵母又は真菌の存在下、酵母又は真菌媒介性不斉還元により還元して、式(VI)のヒドロキシルスルホン、又はそのアイソトポログを形成させる工程
を含む、方法である。
工程(a)は、上記に及び本明細書に記載されている通りである。
上記の実施態様の組合せの全てが本明細書により包含される。
(4.2.9 ケトン基質の不斉ヒドロシリル化)
一実施態様において、本明細書に提供される方法は、下記のスキーム10に示されるような、ケトン基質の不斉ヒドロシリル化を利用する。
一実施態様において、提供されるのは、式(I)のアミノスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形:
(式中、R
1及びR
2は、各々独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換(C
1-C
6)アルキル、置換もしくは非置換(C
1-C
6)アルコキシ、(C
3-C
18)シクロアルキル、(C
3-C
6)シクロアルコキシ、シアノ、-CF
3、又は(C
3-C
18)シクロアルキル-(C
1-C
6)アルコキシ、或いはそれらのアイソトポログであり;かつR
3は、(C
1-C
6)アルキル、又はそのアイソトポログである)を調製する方法であって;
(a)式(V)のケトン、又はそのアイソトポログ:
を、シラン並びに(1)金属触媒及びキラル配位子、又は(2)キラル金属触媒/配位子錯体の存在下、ヒドロシリル化により還元して、式(VI)のヒドロキシルスルホン、又はそのアイソトポログ:
を形成させる工程;並びに
(b)式(VI)のヒドロキシスルホン、又はそのアイソトポログを、式(I)のアミノスルホン、又はその塩もしくはアイソトポログに変換する工程
を含む、方法である。
一実施態様において、本明細書に提供されるのは、式(I)のアミノスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形(式中、R1及びR2は、置換もしくは非置換(C1-C6)アルコキシ、又はそれらのアイソトポログである)を調製する上記方法である。一実施態様において、本明細書に提供されるのは、式(I)のアミノスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形(式中、R1は、OMe、又はそのアイソトポログであり; R2は、OEt、又はそのアイソトポログであり;かつR3は、Me、又はそのアイソトポログである)を調製する上記方法である。
工程(a)において、シランは、ヒドロシリル化を促進することができる任意のシランであることができる。一実施態様において、シランは、ポリメチルヒドロシラン、又はジフェニルシランである。
工程(a)は、式(V)の化合物対シランの任意のモル比で行われることができる。一実施態様において、式(V)の化合物対シランのモル比は、約10:1〜約1:10である。一実施態様において、式(V)の化合物対シランのモル比は、約5:1〜約1:5である。一実施態様において、式(V)の化合物対シランのモル比は、約3:1〜約1:3である。一実施態様において、式(V)の化合物対シランのモル比は、約1.5:1〜約1:1.5である。一実施態様において、式(V)の化合物対シランのモル比は、約1:1〜約1:1.5である。一実施態様において、式(V)の化合物対シランのモル比は、約1:1.1である。別の実施態様において、式(V)の化合物対シランのモル比は、約1:1である。
工程(a)において、金属触媒は、ヒドロシリル化を促進することができる任意の金属触媒であることができる。一実施態様において、金属触媒は、限定されないが、亜鉛、銅、ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、イリジウム、及びルテニウムなどの金属を含有する。一実施態様において、金属触媒は、ロジウムを含有する。別の実施態様において、金属触媒は、亜鉛を含有する。また別の実施態様において、金属触媒は、銅を含有する。一実施態様において、金属触媒は、CuCl、Cu(OAc)2、又は[Rh(cod)Cl]2である。
工程(a)において、キラル配位子又はキラル金属触媒/配位子錯体は、不斉ヒドロシリル化を促進することができる任意のキラル配位子又はキラル金属触媒/配位子錯体であることができる。一実施態様において、キラル配位子は、DTBM-Segphos、Xyl-Meo-Biphep、又は2-(2-オキサゾリン-2-イルメチル)ピリジンである。
工程(a)において、ヒドロシリル化は、約0.025mol%以上の触媒の投入量で行われることができる。一般に、触媒の投入量が多いほど、変換は多く、反応時間は短い。しかしながら、触媒の投入量が十分に多い場合、所望の生成物の収量は、競合する副反応が原因で減少し得る。一実施態様において、触媒の投入量は、約0.025mol%〜約20mol%である。一実施態様において、触媒の投入量は、約0.025mol%〜約10mol%である。一実施態様において、触媒の投入量は、約0.05mol%〜約5mol%である。一実施態様において、触媒の投入量は、約0.05mol%〜約2.5mol%である。一実施態様において、触媒の投入量は、約0.05mol%〜約1mol%である。一実施態様において、触媒の投入量は、約0.05mol%〜約0.25mol%である。一実施態様において、触媒の投入量は、約5mol%である。別の実施態様において、触媒の投入量は、約1mol%である。また別の実施態様において、触媒の投入量は、約0.25mol%である。
工程(a)において、キラル配位子対金属触媒のモル比は、転移水素化を促進することができる任意の比であることができる。一実施態様において、キラル配位子対金属触媒のモル比は、約3:1〜約1:3である。一実施態様において、キラル配位子対金属触媒のモル比は、約3:1〜約1:1である。一実施態様において、キラル配位子対金属触媒のモル比は、約2:1である。別の実施態様において、キラル配位子対金属触媒のモル比は、約1:1である。
工程(b)は、上記に及び本明細書に記載されている通りである。
一実施態様において、提供されるのは、式(VI)のヒドロキシスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形:
(式中、R
1及びR
2は、各々独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換(C
1-C
6)アルキル、置換もしくは非置換(C
1-C
6)アルコキシ、(C
3-C
18)シクロアルキル、(C
3-C
6)シクロアルコキシ、シアノ、-CF
3、又は(C
3-C
18)シクロアルキル-(C
1-C
6)アルコキシ、或いはそれらのアイソトポログであり;かつR
3は、(C
1-C
6)アルキル、又はそのアイソトポログである)を調製する方法であって;
(a)式(V)のケトン、又はそのアイソトポログ:
を、シラン並びに(1)金属触媒及びキラル配位子、又は(2)キラル金属触媒/配位子錯体の存在下、ヒドロシリル化により還元して、式(VI)のヒドロキシルスルホン、又はそのアイソトポログを形成させる工程
を含む、方法である。
工程(a)は、上記に及び本明細書に記載されている通りである。
上記の実施態様の組合せの全てが本明細書により包含される。
(4.2.10 速度論的分割)
一実施態様において、本明細書に提供される方法は、下記のスキーム11に示されるような、ヒドロキシスルホン基質の速度論的分割を利用する。
一実施態様において、提供されるのは、式(I)のアミノスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形:
(式中、R
1及びR
2は、各々独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換(C
1-C
6)アルキル、置換もしくは非置換(C
1-C
6)アルコキシ、(C
3-C
18)シクロアルキル、(C
3-C
6)シクロアルコキシ、シアノ、-CF
3、又は(C
3-C
18)シクロアルキル-(C
1-C
6)アルコキシ、或いはそれらのアイソトポログであり;かつR
3は、(C
1-C
6)アルキル、又はそのアイソトポログである)を調製する方法であって;
(a)式(VI)のヒドロキシスルホン、又はそのアイソトポログ:
を、リパーゼ及びエステルと接触させて、エナンチオマー的に濃縮された式(VI)のヒドロキシルスルホン、又はそのアイソトポログを形成させる工程;並びに
(b)エナンチオマー的に濃縮された式(VI)のヒドロキシスルホン、又はそのアイソトポログを、式(I)のアミノスルホン、又はその塩もしくはアイソトポログに変換する工程
を含む、方法である。
一実施態様において、本明細書に提供されるのは、式(I)のアミノスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形(式中、R1及びR2は、置換もしくは非置換(C1-C6)アルコキシ、又はそれらのアイソトポログである)を調製する上記方法である。一実施態様において、本明細書に提供されるのは、式(I)のアミノスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形(式中、R1は、OMe、又はそのアイソトポログであり; R2は、OEt、又はそのアイソトポログであり;かつR3は、Me、又はそのアイソトポログである)を調製する上記方法である。
工程(a)において、リパーゼは、速度論的分割反応を促進することができる任意のリパーゼであることができる。一実施態様において、リパーゼは、ブタ膵リパーゼである。
工程(a)において、エステルは、速度論的分割反応を促進することができる任意のエステルであることができる。一実施態様において、エステルは、(C1-6アルキル)-COO-(C1-6アルキル)であり、ここで、各々のC1-6アルキルは、独立に及び任意に、1以上のハロゲンで置換されている。一実施態様において、エステルは、BuCO2CH2CCl3である。
工程(b)は、上記に及び本明細書に記載されている通りである。
一実施態様において、提供されるのは、式(VI)のヒドロキシスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形:
(式中、R
1及びR
2は、各々独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換(C
1-C
6)アルキル、置換もしくは非置換(C
1-C
6)アルコキシ、(C
3-C
18)シクロアルキル、(C
3-C
6)シクロアルコキシ、シアノ、-CF
3、又は(C
3-C
18)シクロアルキル-(C
1-C
6)アルコキシ、或いはそれらのアイソトポログであり;かつR
3は、(C
1-C
6)アルキル、又はそのアイソトポログである)を調製する方法であって;
(a)式(VI)のヒドロキシスルホン、又はそのアイソトポログを、リパーゼ及びエステルと接触させて、エナンチオマー的に濃縮された式(VI)のヒドロキシルスルホン、又はそのアイソトポログを形成させる工程
を含む、方法である。
工程(a)は、上記に及び本明細書に記載されている通りである。
上記の実施態様の組合せの全てが本明細書により包含される。
(4.2.11 N-アシルヒドラゾン基質の不斉水素化)
一実施態様において、本明細書に提供される方法は、下記のスキーム12に示されるような、N-アシルヒドラゾン基質の不斉水素化を利用する。
一実施態様において、提供されるのは、式(I)のアミノスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形:
(式中、R
1及びR
2は、各々独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換(C
1-C
6)アルキル、置換もしくは非置換(C
1-C
6)アルコキシ、(C
3-C
18)シクロアルキル、(C
3-C
6)シクロアルコキシ、シアノ、-CF
3、又は(C
3-C
18)シクロアルキル-(C
1-C
6)アルコキシ、或いはそれらのアイソトポログであり;かつR
3は、(C
1-C
6)アルキル、又はそのアイソトポログである)を調製する方法であって;
(a)式(V)のケトン、又はそのアイソトポログ:
を、N-アシルヒドラジンと反応させて、式(VII)の化合物、又はそのアイソトポログ:
(式中、Rは、水素;それ自体1以上のハロゲンで任意に置換された、(C
1-C
6)アルキル;又は1以上のハロゲンで任意に置換された、5〜10員アリールもしくはヘテロアリール;或いはそれらのアイソトポログである)を形成させる工程;
(b)式(VII)の化合物、又はそのアイソトポログを、(1)金属触媒及びキラル配位子、又は(2)キラル金属触媒/配位子錯体の存在下、水素化により還元して、式(VIII)の化合物、又はそのアイソトポログ:
を形成させる工程;並びに
(c)式(VIII)の化合物、又はそのアイソトポログを、式(I)のアミノスルホン、又はその塩もしくはアイソトポログに変換する工程
を含む、方法である。
一実施態様において、水素化は、水素ガスを用いて実施される。
一実施態様において、本明細書に提供されるのは、式(I)のアミノスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形(式中、R1及びR2は、置換もしくは非置換(C1-C6)アルコキシ、又はそれらのアイソトポログである)を調製する上記方法である。一実施態様において、本明細書に提供されるのは、式(I)のアミノスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形(式中、R1は、OMe、又はそのアイソトポログであり; R2は、OEt、又はそのアイソトポログであり;かつR3は、Me、又はそのアイソトポログである)を調製する上記方法である。
一実施態様において、Rは、それ自体1以上のハロゲンで任意に置換された、5〜10員アリール又はヘテロアリールである。一実施態様において、Rは、フェニルである。
上記の実施態様の組合せの全てが本明細書により包含される。
(4.2.12 エナミン基質の不斉ボラン還元)
一実施態様において、本明細書に提供される方法は、下記のスキーム13に示されるような、エナミン基質の不斉ボラン還元を利用する。
一実施態様において、提供されるのは、式(I)のアミノスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形:
(式中、R
1及びR
2は、各々独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換(C
1-C
6)アルキル、置換もしくは非置換(C
1-C
6)アルコキシ、(C
3-C
18)シクロアルキル、(C
3-C
6)シクロアルコキシ、シアノ、-CF
3、又は(C
3-C
18)シクロアルキル-(C
1-C
6)アルコキシ、或いはそれらのアイソトポログであり;かつR
3は、(C
1-C
6)アルキル、又はそのアイソトポログである)を調製する方法であって;
式(II)のエナミン、又はその塩もしくはアイソトポログ:
を、ボラン試薬及びキラル配位子の存在下、ボラン還元により還元する工程を含む、方法である。
一実施態様において、本明細書に提供されるのは、式(I)のアミノスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形(式中、R1及びR2は、置換もしくは非置換(C1-C6)アルコキシ、又はそれらのアイソトポログである)を調製する上記方法である。一実施態様において、本明細書に提供されるのは、式(I)のアミノスルホン化合物、又はその塩、水和物を含む溶媒和物、アイソトポログ、もしくは多形(式中、R1は、OMe、又はそのアイソトポログであり; R2は、OEt、又はそのアイソトポログであり;かつR3は、Me、又はそのアイソトポログである)を調製する上記方法である。
ボラン試薬は、ボラン還元を促進することができる任意のボラン剤であることができる。一実施態様において、ボラン試薬は、ボラン-テトラヒドロフラン(THF)、ボランジメチルスルフィド、ボランN,N-ジエチルアニリン、ジボラン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、又はN-エチル-N-イソプロピルアニリン-ボラン錯体である。一実施態様において、ボラン試薬は、ボランN,N-ジエチルアニリンである。
ボラン還元は、式(II)の化合物対ボラン試薬の任意のモル比で行われることができる。一実施態様において、式(II)の化合物対ボラン試薬のモル比は、約10:1〜約1:10である。一実施態様において、式(II)の化合物対ボラン試薬のモル比は、約5:1〜約1:5である。一実施態様において、式(II)の化合物対ボラン試薬のモル比は、約3:1〜約1:3である。一実施態様において、式(II)の化合物対ボラン試薬のモル比は、約1.5:1〜約1:1.5である。一実施態様において、式(II)の化合物対ボラン試薬のモル比は、約1:1〜約1:1.5である。別の実施態様において、式(II)の化合物対ボラン試薬のモル比は、約1:1である。また別の実施態様において、式(II)の化合物対ボラン試薬のモル比は、約1:1.8である。一実施態様において、式(II)の化合物対ボラン試薬のモル比は、約3:1〜約1:10である。一実施態様において、式(V)の化合物対ボラン試薬のモル比は、約3:1〜約1:5である。
キラル配位子は、不斉ボラン還元を促進することができる任意のキラル配位子であることができる。一実施態様において、キラル配位子は、(1R,2S)-アミノインダノール、又はその立体異性体である。一実施態様において、キラル配位子は、(1R,2S)-アミノインダノールである。
ボラン還元は、式(II)の化合物対キラル配位子の任意のモル比で行われることができる。一実施態様において、式(II)の化合物対キラル配位子のモル比は、約10:1〜約1:10である。一実施態様において、式(II)の化合物対キラル配位子のモル比は、約5:1〜約1:5である。一実施態様において、式(II)の化合物対キラル配位子のモル比は、約3:1〜約1:3である。一実施態様において、式(II)の化合物対キラル配位子のモル比は、約1.5:1〜約1:1.5である。一実施態様において、式(II)の化合物対キラル配位子のモル比は、約1:1〜約1:1.5である。別の実施態様において、式(II)の化合物対キラル配位子のモル比は、約1:1である。
ボラン還元は、限定されないが、酢酸エチル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、N-メチルピロリジノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ギ酸、酢酸、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2,2,2-トリフルオロエタノール、及びそれらの混合物などの溶媒中で行われることができる。一実施態様において、溶媒は、テトラヒドロフランである。
反応温度は、約-50℃〜約90℃であることができる。一実施態様において、反応温度は、約-50℃〜約60℃である。一実施態様において、反応温度は、約-3℃である。
工程(a)において、反応時間は、反応温度に応じて、約1〜約120時間まで変動することができる。一般に、反応温度が高いほど、反応時間は短い。一実施態様において、反応温度が約-3℃である場合、反応時間は約72時間である。
一実施態様において、ボラン試薬は、ボランN,N-ジエチルアニリンであり、式(II)の化合物対ボラン試薬のモル比は、約1:1.8であり、キラル配位子は、(1R,2S)-アミノインダノールであり、式(II)の化合物対キラル配位子のモル比は、約1:1であり、かつ式(II)の化合物の不斉ボラン還元は、テトラヒドロフラン中で行われる。
上記の実施態様の組合せの全てが本明細書により包含される。
(4.2.13 出発材料の調製)
本明細書に提供される全ての合成法のための出発材料(例えば、式(II)のエナミン及び式(V)のケトン)は、当技術分野で公知の又は本明細書に提供される方法を用いて調製することができる。
一実施態様において、式(II)のエナミンは、下記のスキーム14に示されるように、対応するベンゾニトリルをLiCH
2SO
2R
3と反応させることにより調製することができる。
一実施態様において、本明細書に提供される全ての合成法で使用される式(II)のエナミンは、約80%、約85%、約90%、約95%、約98%、約99.0%、約99.5%、又は約99.9%を超える純度を有する。別の実施態様において、本明細書に提供される全ての合成法で使用される式(II)のエナミンは、約50%を超えるが、約80%、約85%、約90%、約95%、約98%、約99.0%、約99.5%、又は約99.9%未満の純度を有する。
一実施態様において、本明細書に提供される全ての合成法で使用される式(II)のエナミンは、特定の量の式(I)のアミンを含有する。一実施態様において、本明細書に提供される全ての合成法で使用される式(II)のエナミンは、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満、約0.5%未満、又は約0.1%未満の式(I)のアミンを含有する。
上記の実施態様の組合せの全てが本明細書により包含される。
(5.実施例)
本明細書で使用される場合、これらの方法、スキーム、及び実施例で使用される記号及び慣例は、特定の略語が具体的に定義されているかどうかにかかわらず、現在の科学文献、例えば、Journal of the American Chemical Society又はJournal of Biological Chemistryで使用されるものと一致している。具体的には、以下の略語を、実施例において及び本明細書の全体を通じて使用することができるが、これらに限定されるものではない: g(グラム); mg(ミリグラム); mL(ミリリットル); μL(マイクロリットル); M(モル濃度); mM(ミリモル濃度);μM(マイクロモル濃度); eq.(当量); mmol(ミリモル); Hz(ヘルツ); MHz(メガヘルツ); hr又はhrs(時間(hour)又は時間(hours)); min(分);及びMS(質量分析法)。
以下の実施例の全てについて、別途規定されない限り、当技術分野で公知の標準的な後処理及び精製方法を利用することができる。別途規定されない限り、温度は全て℃(セ氏温度)で表される。別途注記されない限り、反応は全て、室温で実施された。本明細書に示される合成法は、具体的な実施例の使用による応用可能な化学を例示することを意図するものであって、本開示の範囲を示すものではない。
(実施例1)
(1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エテンアミンの合成)
ジメチルスルホン(85g、903mmol)のTHF(480ml)スラリーを、1.6Mのn-ブチルリチウムのヘキサン(505ml、808mmol)溶液で、0〜5℃で処理した。得られた混合物を1時間撹拌し、その後、3-エトキシ-4-メトキシベンゾニトリル(80g、451mmol)のTHF(240ml)溶液を0〜5℃で添加した。混合物を0〜5℃で0.5時間撹拌し、25〜30℃に0.5時間かけて加温し、その後、1時間撹拌した。水(1.4L)を25〜30℃で添加し、反応塊を室温(20〜30℃)で一晩撹拌した。固体を濾過し、その後、水:THF(200ml)の2:1混合物、水(200ml)、及びヘプタン(2×200ml)で洗浄した。該固体を、減圧下、40〜45℃で乾燥させると、生成物が白色の固体(102g、83%収率)として得られた;
(実施例2)
((R)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エタンアミンの合成)
25mlの2,2,2-トリフルオロエタノール中のビス(1,5-シクロオクタジエン)ロジウム(I)トリフルオロメタンスルホネート(36mg、0.074mmol)及び(R)-1-[(S)-2-(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ-tert-ブチルホスフィン(40mg、0.074mmol)の溶液を窒素下で調製した。その後、この溶液に、1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エテンアミン(2.0g、7.4mmol)を仕込んだ。得られた混合物を50℃に加熱し、90psigの水素圧下で水素化した。18時間後、該混合物を周囲温度に冷却し、水素化装置から取り出した。該混合物を蒸発させ、残渣を、水-アセトニトリル勾配を用いるC18逆相カラム上でのクロマトグラフィーにより精製した。適当な画分をプールし、〜150mlにまで蒸発させた。この溶液に、ブライン(20ml)を添加し、得られた溶液をEtOAc(3×50ml)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(MgSO
4)、蒸発させると、生成物が白色の結晶性固体(1.4g、70%収率)として得られた;アキラルHPLC(Hypersil BDS C
8、5.0μm、250×4.6mm、1.5ml/分、278nm、10分間かけて90/10〜80/20の0.1%水性TFA/MeOHへの勾配、その後、次の15分間かけて10/90の0.1%水性TFA/MeOHへの勾配): 9.11(99.6%);キラルHPLC(Chiralpak AD-H 5.0μm Daicel、250×4.6mm、1.0ml/分、280nm、70:30:0.1のヘプタン-i-PrOH-ジエチルアミン): 7.32(97.5%)、8.26(2.47%);
(実施例3)
((S)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エタンアミン N-Ac-L-Leu塩の合成)
10mlの2,2,2-トリフルオロエタノール中のビス(1,5-シクロオクタジエン)ロジウム(I)トリフルオロメタンスルホネート(17mg、0.037mmol)及び(S)-1-[(R)-2-(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ-tert-ブチルホスフィン(20mg、0.037mmol)の溶液を窒素下で調製した。その後、この溶液に、1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エテンアミン(2.0g、7.4mmol)を仕込んだ。得られた混合物を50℃に加熱し、90psigの水素圧下で水素化した。18時間後、該混合物を周囲温度に冷却し、水素化装置から取り出した。Ecosorb C-941(200mg)を添加し、混合物を周囲温度で3時間撹拌した。該混合物をセライトに通して濾過し、濾液を追加のトリフルオロエタノール(2ml)で洗浄した。その後、混合物を55℃に加熱し、N-アセチル-L-ロイシン(1.3g、7.5mmol)の溶液を1時間にわたって滴加した。添加が終了した後、撹拌を同じ温度で1時間継続し、その後、混合物を2時間かけて22℃に冷却し、この温度で16時間撹拌した。結晶性生成物を濾過し、メタノール(2×5ml)ですすぎ、真空下、45℃で乾燥させると、生成物が白色の固体(2.6g、80%収率)として得られた;アキラルHPLC(Hypersil BDS C
8、5.0μm、250×4.6mm、1.5ml/分、278nm、10分間かけて90/10〜80/20の0.1%水性TFA/MeOHへの勾配、その後、次の15分間かけて10/90の0.1%水性TFA/MeOHへの勾配): 8.57(99.8%);キラルHPLC(Chiralpak AD-H 5.0μm Daicel、250×4.6mm、1.0ml/分、280nm、70:30:0.1のヘプタン-i-PrOH-ジエチルアミン): 8.35(99.6%);
分析(C
20H
34N
2O
7S) C、H、N。計算値C、53.79; H、7.67; N 6.27。実測値C、53.78; H、7.57; N 6.18。
(実施例4)
(エナミンの不斉水素化のための選択された配位子)
各々の反応について、ビス(1,5-シクロオクタジエン)ロジウム(I)トリフルオロメタンスルホネート(9mg、0.018mmol)、2,2,2-トリフルオロエタノール(3ml)、及び適当な配位子(0.037mmol)又は配位子と金属の予備形成錯体(0.018mmol)の混合物を窒素下で調製した。その後、1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エテンアミン(100mg、0.37mmol)を添加した。得られた混合物を50℃に加熱し、250psigの水素圧下で水素化した。18時間後、該混合物を水素化装置から取り出し、アキラルHPLC(Hypersil BDS C
8、5.0μm、250×4.6mm、1.5ml/分、278nm、10分間かけて90/10〜80/20の0.1%水性TFA/MeOHへの勾配、その後、次の15分間かけて10/90の0.1%水性TFA/MeOHへの勾配)によりモニタリングした。>10面積%の生成物エナミンを含有する反応液を、キラルHPLC(Chiralpak AD-H 5.0μm Daicel、250×4.6mm、1.0ml/分、280nm、70:30:0.1のヘプタン-i-PrOH-ジエチルアミン又は50:40:10:0.1のヘプタン-EtOH-i-PrOH-ジエチルアミン)により、キラル純度についてもアッセイした。結果を下の表1に記載する。
表1.エナミン基質の不斉水素化
a
(実施例5)
(1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エテンアミン塩酸塩の合成)
1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エテンアミン(1.3g、4.79mmol)を15mlのCH
2Cl
2に溶解させ、3Mの塩化水素のシクロペンチルメチルエーテル(2.5ml、7.50mmol)溶液を添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、濾過した。固体を追加のCH
2Cl
2(5ml)ですすぎ、真空下で乾燥させると、塩酸塩が淡黄色の固体(1.45g、98%収率)として得られた;
(実施例6)
(エナミン塩酸塩の不斉水素化のための選択された配位子)
各々の反応について、ビス(1,5-シクロオクタジエン)ロジウム(I)トリフルオロメタンスルホネート(7.9mg、0.018mmol)、2,2,2-トリフルオロエタノール(3ml)、及び適当な配位子(0.032mmol)又は配位子と金属の予備形成錯体(0.016mmol)の混合物を窒素下で調製した。その後、1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エテンアミン塩酸塩(100mg、0.33mmol)を添加した。得られた混合物を50℃に加熱し、90psigの水素圧下で水素化した。18時間後、該混合物を水素化装置から取り出し、変換について、アキラルHPLC(Hypersil BDS C
8、5.0μm、250×4.6mm、1.5ml/分、278nm、10分間かけて90/10〜80/20の0.1%水性TFA/MeOHへの勾配、その後、次の15分間かけて10/90の0.1%水性TFA/MeOHへの勾配)によりモニタリングした。>2面積%の生成物エナミンを含有する反応液を、キラルHPLC(Chiralpak AD-H 5.0μm Daicel、250×4.6mm、1.0ml/分、280nm、70:30:0.1のヘプタン-i-PrOH-ジエチルアミン又は50:40:10:0.1のヘプタン-EtOH-i-PrOH-ジエチルアミン)により、キラル純度についてもアッセイした。結果を表2に示す。
表2.エナミン塩酸塩の不斉水素化
a
(実施例7)
(N-(1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)ビニル)-2,2,2-トリフルオロアセトアミドの合成)
1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エテンアミン(2g、7.37mmol)の塩化メチレン(20ml)溶液を氷上で冷却し、その後、無水2,2,2-トリフルオロ酢酸(1.127ml、8.11mmol)を添加し、次いで、トリエチルアミン(1.229ml、8.85mmol)を添加した。混合物を撹拌し、2時間かけて室温に加温しておいた。該混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラム上に直接充填し、ヘキサン-酢酸エチル勾配で溶出させた。適当な画分をプールし、真空下で蒸発させ、残渣をヘプタン(40ml)でスラリー化させた。1時間後、固体を濾過し、追加のヘプタン(25ml)で洗浄し、真空下で乾燥させると、生成物が白色の固体(2.3g、85%収率)として得られた; HPLC(Waters BEH C
18、1.7μm、2.1×50mm、0.8ml/分、240nm、5分間で5/95から85/15のCH
3CN 0.1%FA/H
2O 0.1%FAへの勾配、その後、1分間の85/15 CH
3CN 0.1%FA/H
2O 0.1%FA): 2.03(5.71%)、2.26(94.29%);
(実施例8)
((S)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エタンアミンの合成)
工程1:ビス(1,5-シクロオクタジエン)ロジウム(I)トリフルオロメタンスルホネート(0.025g、0.054mmol)、1,2-ビス[(2R,5R)-2,5-ジメチルホスホラノ]ベンゼン(0.025g、0.082mmol)の2,2,2-トリフルオロエタノール(20ml)溶液に、N-(1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)ビニル)-2,2,2-トリフルオロアセトアミド(1g、2.72mmol)を添加した。得られた混合物を、90psigの水素ガス下、35℃で18時間水素化した。その後、該混合物を25℃に冷却し、メタノール(7ml)を15分間かけて滴加し、混合物を同じ温度で2時間撹拌した。固体を濾過し、1:1のMeOH-TFE(5ml)ですすぎ、真空下で乾燥させると、還元生成物が白色の固体(0.47g、47%収率)として得られた; HPLC(Hypersil BDS C
8、5.0μm、250×4.6mm、1.5ml/分、278nm、10分間かけて90/10〜80/20の0.1%水性TFA/MeOHへの勾配、その後、次の15分間かけて10/90の0.1%水性TFA/MeOHへの勾配):16.43(99.5%);
工程2:工程1からの生成物(0.30g、0.81mmol)に、6N HCl(15ml)を添加し、得られた混合物を85℃に16時間加熱し、その後、20℃に冷却した。該混合物を濾過し、濾液を蒸発させた。残渣を10%K
2CO
3(8ml)とCH
2Cl
2(8ml)に分配した。下側の有機相を除去し、CH
2Cl
2(2×8ml)で洗浄した。該有機相にCH
2Cl
2(25ml)を添加し、得られた有機相を10%K
2CO
3(2×25ml)及び水(25ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、真空下で蒸発させると、生成物が白色の固体(150mg、68%収率)として得られた;アキラルHPLC(Hypersil BDS C
8、5.0μm、250×4.6mm、1.5ml/分、278nm、10分間かけて90/10〜80/20の0.1%水性TFA/MeOHへの勾配、その後、次の15分間かけて10/90の0.1%水性TFA/MeOHへの勾配): 8.68(99.5%);キラルHPLC(Chiralpak AD-H 5.0μm Daicel、250×4.6mm、1.0ml/分、280nm、70:30:0.1のヘプタン-i-PrOH-ジエチルアミン): 7.17(1.9%)、8.06(98.1%);
分析(C
12H
19NO
4S) C、H、N。計算値C、52.73; H、7.01; N、5.12。実測値C、53.03; H、6.78; N、4.98。
(実施例9)
(N-アシルエナミンの不斉水素化のための選択された配位子)
各々の反応について、ビス(1,5-シクロオクタジエン)ロジウム(I)トリフルオロメタンスルホネート(6.4mg、0.014mmol)、2,2,2-トリフルオロエタノール(3ml)、及び適当な配位子(0.027mmol)又は配位子と金属の予備形成錯体(0.014mmol)の混合物を窒素下で調製した。その後、N-(1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)ビニル)-2,2,2-トリフルオロアセトアミド(100mg、0.27mmol)を添加した。得られた混合物を50℃に加熱し、250psigの水素ガス下で水素化した。18時間後、該混合物を水素化装置から取り出し、変換について、アキラルHPLC(Hypersil BDS C
8、5.0μm、250×4.6mm、1.5ml/分、278nm、10分間かけて90/10〜80/20の0.1%水性TFA/MeOHへの勾配、その後、次の15分間かけて10/90の0.1%水性TFA/MeOHへの勾配)によりモニタリングした。反応液の一部は、アミノスルホンを副生成物として含有することが分かった。各々の反応液中に観察されるアミノスルホンの面積%を表3に記載する。出発材料のN-アシルエナミンはLC条件下で適度に不安定であることが分かったので、基質の面積%は、N-アシルエナミンとケトンの加水分解生成物の面積%の合計として提供されている。>10面積%の生成物エナミンを含有する反応液を、キラルHPLC(Chiralpak AD-H 5.0μm Daicel、250×4.6mm、1.0ml/分、280nm、70:30:0.1のヘプタン-i-PrOH-ジエチルアミン又は50:40:10:0.1のヘプタン-EtOH-i-PrOH-ジエチルアミン)により、キラル純度についてもアッセイした。
表3.N-トリフルオロアセチルエナミン基質の不斉水素化
a
(実施例10)
(エナミンの単離を伴うケトンの不斉還元アミノ化)
1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エタノン(2g、7.34mmol)及び酢酸アンモニウム(0.90g、11.7mmol)のTFE(75ml)中の混合物を加熱還流させ、無水アンモニアを該溶液に通して45分間バブリングさせながら、総容量が20mlに減るまで溶媒を留去した。その後、蒸留を中止し、バッチを還流状態で24時間保持した。該バッチを冷却し、蒸発乾固させた。その後、メタノール(10ml)を残渣に添加し、得られたスラリーを30分間撹拌した。その後、固体を濾過し、MeOH(5ml)で洗浄し、真空下で乾燥させた。その後、該固体を水素化反応容器に移した。この容器に、ビス(1,5-シクロオクタジエン)ロジウム(I)トリフルオロメタンスルホネート(12.6mg、0.027mmol)、(S)-1-[(R)-2-(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ-tert-ブチルホスフィン(14.4mg、0.027mmol)、及びTFE(7.2ml)の溶液も仕込んだ。混合物を50℃に加温し、90psigの水素ガス下で18時間水素化した。その後、Ecosorb C-941(150mg)を添加し、混合物を20℃で4時間撹拌した。混合物をセライトに通して濾過し、濾液を清澄な容器に移した。該混合物を撹拌しながら55℃に加温し、N-アセチル-L-ロイシン(0.79g、3.7mmol)のメタノール(7.25ml)溶液を1時間かけて添加すると、生成物の沈殿がN-アセチル-L-ロイシン塩として得られた。混合物を55℃で1時間撹拌し、その後、1:1のTFE-MeOH混合物(5ml)を添加した。該混合物を2時間かけて25℃に冷却し、撹拌をこの温度で16時間継続させた。該混合物を濾過し、1:1のTFE-MeOH(10ml)及びMeOH(10ml)で洗浄し、真空下で乾燥させた。生成物が白色の固体(1.35g、41%収率)として得られた;アキラルHPLC(Hypersil BDS C
8、5.0μm、250×4.6mm、1.5ml/分、278nm、10分間かけて90/10〜80/20の0.1%水性TFA/MeOHへの勾配、その後、次の15分間かけて10/90の0.1%水性TFA/MeOHへの勾配): 8.89(98.8%);キラルHPLC(Chiralpak AD-H 5.0μm Daicel、250×4.6mm、1.0ml/分、280nm、70:30:0.1のヘプタン-i-PrOH-ジエチルアミン): 6.94(0.81%)、8.21(99.34%);
分析(C
20H
34N
2O
7S) C、H、N。計算値C、53.79; H、7.67; N、6.27。実測値C、53.86; H、7.97; N、6.36。
(実施例11)
(エナミンの単離を伴わないケトンの不斉還元アミノ化)
1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エタノン(2g、7.34mmol)及び酢酸アンモニウム(1.868g、24.24mmol)のTFE(20ml)中の混合物を加熱還流させた。バッチをゆっくりと蒸留しながら、NH
4OAc(5g)のTFE(100ml)溶液を、一定容量を維持するのに十分な速度で仕込んだ。添加が終了すると、総容量が20mlになるまで混合物を蒸留した。その後、該混合物を20℃に冷却し、水素化反応容器に移した。該混合物に、ビス(1,5-シクロオクタジエン)ロジウム(I)トリフルオロメタンスルホネート(0.034g、0.073mmol)及び(S)-1-[(R)-2-(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ-tert-ブチルホスフィン(0.040g、0.073mmol)を仕込んだ。混合物を50℃に加温し、90psigの水素ガス下で18時間水素化した。その後、50mlの水及び5mlの濃HClを添加し、混合物を20℃で1時間撹拌した。その後、該混合物をEtOAc(2×50ml)で抽出し、水相を水性10N NaOHでpH〜10まで塩基性化した。その後、混合物をEtOAc(2×50ml)で抽出し、合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO
4)、真空下で蒸発させると、生成物が白色の固体(0.30g、15%収率)として得られた;アキラルHPLC(Hypersil BDS C
8、5.0μm、250×4.6mm、1.5ml/分、278nm、10分間かけて90/10〜80/20の0.1%水性TFA/MeOHへの勾配、その後、次の15分間かけて10/90の0.1%水性TFA/MeOHへの勾配): 8.85(98.8%);キラルHPLC(Chiralpak AD-H 5.0μm Daicel、250×4.6mm、1.0ml/分、280nm、70:30:0.1のヘプタン-i-PrOH-ジエチルアミン): 7.23(3.98%)、8.17(96.02%);
分析(C
12H
19NO
4S) C、H、N。計算値C、52.73; H、7.01; N、5.12。実測値C、52.55; H、7.26; N、5.25。
(実施例12)
(ケトンの不斉転移水素化)
1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エタノン(1.2g、4.4mmol)、RuCl(p-シメン)[(S,S)-Ts-DPEN](28mg、0.044mmol)、及び5:2のギ酸-トリエチルアミン錯体(2.2ml)のアセトニトリル(7.2ml)中の混合物を20〜25℃で40時間撹拌した。該混合物を蒸発乾固させ、残渣を、ヘキサン-酢酸エチル勾配を用いて、シリカゲルカラム上でクロマトグラフィー処理した。適当な画分をプールし、蒸発させた。残渣をヘプタン(25ml)で粉砕化し、得られたスラリーを濾過し、真空下で乾燥させると、(R)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エタノールが白色の固体(1.05g、87%収率)として得られた;アキラルHPLC(Hypersil BDS C
8、5.0μm、250×4.6mm、1.5ml/分、278nm、10分間かけて90/10〜80/20の0.1%水性TFA/MeOHへの勾配、その後、次の15分間かけて10/90の0.1%水性TFA/MeOHへの勾配): 12.37(99.8%);キラルHPLC(Chiralpak AD-H 5.0μm Daicel、250×4.6mm、1.0ml/分、280nm、85:15のヘプタン-i-PrOH): 18.07(0.51%)、20.43(99.4%);
(実施例13)
(キラルアルコールからアミノスルホンへの変換)
工程1:(R)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エタノール(0.94g、3.4mmol)のトルエン(280ml)及びTHF(20ml)中の混合物を窒素で15分間スパージし、その後、〜1.1Mのアジ化水素酸のトルエン(13.8ml、〜15mmol)溶液を添加した。フラスコをドライアイス-アセトン浴中で冷却した。内部温度が<-60℃に達したら、トリブチルホスフィン(1.7ml、6.9mmol)、その後、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(1.6ml、7.9mmol)を添加した。反応温度を<-60℃に維持するために、該冷却浴に、次の4時間、ドライアイスを仕込み、その後、温度を徐々に上昇させておいた。16時間後、内部温度は-2℃に達していた。その後、シリカゲル(20g)を添加し、得られたスラリーを蒸発させた。残渣を、ヘキサン-EtOAc勾配を用いて、シリカゲルカラム上でクロマトグラフィー処理した。適当な画分をプールし、蒸発させた後、残渣をヘプタン(25ml)で粉砕化し、スラリーを濾過した。固体を真空下で乾燥させると、(S)-4-(1-アジド-2-(メチルスルホニル)エチル)-2-エトキシ-1-メトキシベンゼンが白色の固体(0.84g、81%収率)として得られた; HPLC(Hypersil BDS C
8、5.0μm、250×4.6mm、1.5ml/分、278nm、10分間かけて90/10〜80/20の0.1%水性TFA/MeOHへの勾配、その後、次の15分間かけて10/90の0.1%水性TFA/MeOHへの勾配): 17.77(99.9%);
工程2:工程1からの生成物(0.5g、1.670mmol)をTFEに溶解させ、その後、10%Pd-C(0.05g)を添加した。得られた混合物を、40psigの水素下、周囲温度で9時間水素化し、その後、混合物をセライトに通して濾過した。濾液を撹拌しながら55℃に加温し、N-アセチル-L-Leu(0.29g、1.67mmol)のMeOH(10ml)溶液を混合物に1時間かけて少しずつ添加した。混合物を同じ温度で2時間撹拌し、その後、2時間かけて21℃に冷却し、この温度で16時間撹拌した。該混合物を濾過し、1:1(v/v)のTFE-MeOH(10ml)ですすぎ、固体を真空下で乾燥させると、(S)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エタンアミンN-アセチル-L-ロイシン塩が白色の固体(0.33g、44%収率)として得られた;アキラルHPLC(Hypersil BDS C
8、5.0μm、250×4.6mm、1.5ml/分、278nm、10分間かけて90/10〜80/20の0.1%水性TFA/MeOHへの勾配、その後、次の15分間かけて10/90の0.1%水性TFA/MeOHへの勾配): 7.26(99.8%);キラルHPLC(Chiralpak AD-H 5.0μm Daicel、250×4.6mm、1.0ml/分、280nm、70:30:0.1のヘプタン-i-PrOH-ジエチルアミン): 7.10(2.8%)、8.02(97.2%);
(実施例14)
(水素ガスを用いる不斉水素化のための選択された配位子)
各々の反応について、示された溶媒(3ml)中の1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エタノン(300mg、1.1mmol)及び配位子と金属の予備形成錯体(0.011mmol)の混合物を不活性雰囲気下で合わせた。下の表4に示されるようないくつかの場合において、t-ブタノール(0.11ml、0.11mmol)中の1.0Mのt-BuOKを添加した。得られた混合物を50℃に加熱し、450psigの水素ガス下で水素化した。18時間後、該混合物を、変換について、アキラルHPLC(Hypersil BDS C
8、5.0μm、250×4.6mm、1.5ml/分、278nm、10分間かけて90/10〜80/20の0.1%水性TFA/MeOHへの勾配、その後、次の15分間かけて10/90の0.1%水性TFA/MeOHへの勾配)によりモニタリングした。>〜10面積%の生成物エナミンを含有する反応液を、キラルHPLC(Chiralpak AD-H 5.0μm Daicel、250×4.6mm、1.0ml/分、280nm、70:30:0.1のヘプタン-i-PrOH-ジエチルアミン又は50:40:10:0.1のヘプタン-EtOH-i-PrOH-ジエチルアミン)により、キラル純度についてもアッセイした。
表4.ケトン基質の不斉水素化
a
(実施例15)
(ケトンの不斉水素化)
1.0Mのt-BuOKの2-メチル-2-プロパノール(0.220ml、0.220mmol)溶液を2-プロパノール(12ml)中に希釈した。得られた溶液に、RuCl(p-シメン)[(S,S)-Ts-DPEN](28mg、0.044mmol)及び1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エタノン(1.2g、4.4mmol)を添加した。混合物を、450psigの水素ガス下、50℃で16時間水素化した。その後、該混合物を蒸発させた。残渣をCH
2Cl
2(50ml)に溶解させ、この溶液を1N NaOH(2×50ml)、水(50ml)、及びブライン(50ml)で洗浄した。有機相を蒸発させ、残渣を、ヘキサン-酢酸エチル勾配を用いて、シリカゲルカラム上に直接充填した。適当な画分をプールし、蒸発させた。残渣をMTBE(20ml)で1時間スラリー化させ、濾過した。フィルターをMTBE(5ml)で洗浄し、固体を真空下で乾燥させると、(R)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エタノールが白色の固体(0.63g、52%収率)として得られた;アキラルHPLC(Hypersil BDS C
8、5.0μm、250×4.6mm、1.5ml/分、278nm、10分間かけて90/10〜80/20の0.1%水性TFA/MeOHへの勾配、その後、次の15分間かけて10/90の0.1%水性TFA/MeOHへの勾配): 11.38(99.7%);キラルHPLC(Chiralpak AD-H 5.0μm Daicel、250×4.6mm、1.0ml/分、280nm、85:15のヘプタン-i-PrOH): 17.77(9.1%)、20.14(90.9%)。
(実施例16)
(アミノインダノール/ボランによるエナミンの不斉還元)
(1R,2S)-アミノインダノール(3.8g、25.5mmol)及びTHF(65mL)の混合物を15〜20℃で撹拌し、ボランジエチルアニリン(7.4g、45.4mmol、1.8当量)を約5分間かけて添加した。該混合物を-3℃に冷却し、1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エテンアミン(6.9g、25.5mmol)を72時間かけて添加した。7%HCl(120ml)を混合物に0〜10℃で添加した。混合物を15℃に加温し、酢酸エチル(100ml)で洗浄した。水層を、4%水性水酸化ナトリウムを用いてpH10に調整し、得られた混合物を塩化メチレン(2×300ml)で抽出した。合わせた有機層を減圧下で濃縮すると、14.2gの白色の粗固体が得られた。この固体をヘプタン(200ml)中でスラリー化させ、濾過すると、6.4gの白色の固体が得られた。この材料を、酢酸エチル中の10%メタノールで溶出させるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、3.4gが49%収率で白色の固体として得られた。アキラルHPLC(Hypersil BDS C
8、5.0μm、250×4.6mm、1.5ml/分、278nm、10分間かけて90/10〜80/20の0.1%水性TFA/MeOHへの勾配、その後、次の15分間かけて10/90の0.1%水性TFA/MeOHへの勾配): 9.21(>99.9%);キラルHPLC(Chiralpak AD-H 5.0μm Daicel、250×4.6mm、1.0ml/分、280nm、70:30:0.1のヘプタン-i-PrOH-ジエチルアミン): 7.43(64.02%)、8.52(35.98%);