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JP6146902B2 - 電力供給装置 - Google Patents

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JP6146902B2 JP2013160865A JP2013160865A JP6146902B2 JP 6146902 B2 JP6146902 B2 JP 6146902B2 JP 2013160865 A JP2013160865 A JP 2013160865A JP 2013160865 A JP2013160865 A JP 2013160865A JP 6146902 B2 JP6146902 B2 JP 6146902B2
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博文 松尾
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Description

本発明は、電力供給装置に関するものである。
近年、地球温暖化を防止する観点から太陽光や風力を用いて発電する分散型電源に対する期待が増大している。分散型電源とは電力供給の一形態であり、比較的小規模な発電装置を消費地近くに分散配置して電力の供給をおこなう方式のことである。太陽光を用いる太陽電池、風力を用いる風力発電機は、発電電力が環境に大きく左右されるという特徴がある。このような自然環境依存性が高い分散型電源で発電した電力は、電力を受け取る対象(受電対象)に対して送電される。受電対象は、交流電力系統、直流電力系統、家庭用電気機器、産業機器がある。交流電力系統は従来からの社会インフラである。交流電力系統と分散型電源との関係は近年深まっており、分散型電源からの電力を交流電力系統を介して買取る制度が現在推進されている。直流電力系統は将来の社会インフラとしての期待が高まっている。電気機器(家庭用電気機器、産業機器等)の分野では、高性能化、小型化の要請の結果、半導体を用いたスイッチング電源回路および電動機のインバータ制御技術が普及しており、最新の電気機器の多くは交流電力のみならず直流電力でも動作する。
一方、地球人口の増大とともに年々、消費電力量は増大している。これに対処する方法として、大型の発電所と損失の大きい送電網に頼るよりは、消費地近くの分散型電源からの電力の活用がより有効であるとする提案がある。また、電力機器の電力効率を向上させて電力損失を低減することが、消費電力量の増大に対処する良策であるとの提案もある。
分散型電源に関係する従来の技術としては、太陽電池と交流電源系統との間にパワーコンディショナを介在させ、このパワーコンディショナの出力を日射量の多少にかかわらず電力を安定制御する技術が提案されている(特許文献1を参照)。また、複数の入力電源を効率よく単一出力として取り出すことができ、しかも入力電源の加算方法と制御方法の自由度が大きいDC−DCコンバータの技術が提案されている(特許文献2を参照)。
特開2002−271995号公報 特開平5−268765号公報
上述したように分散型電源からの電力の活用に大きな期待が生まれている反面、分散型電源は、自然環境に応じて発電電力量が大きく変動するという問題がある。従って発電電力量が安定しない分散型電源と、受電対象との間に介在するインターフェイスである電力供給装置の性能が不十分であると分散型電源からの電力を有効に活用できない。すなわち、電力供給装置の電力効率が悪いと無駄に電力が損失される。そこで、分散型電源で発電した電力を効率よく、受電対象に供給する技術が切望されている。
本発明は、かかる課題を解決し、分散型電源と受電対象との間に介在する効率が高い電力供給装置を提供する。
本発明の電力供給装置は、自然環境に応じて発電電力が変化する分散型電源と前記分散型電源からの電力の供給がない場合においても少なくとも所定時間の間は所定電力を供給し続けても両端の電圧が所定電圧までは減少しない静電容量を有するコンデンサとの並列接続回路に入力側を接続して入力電力を入力し、出力側を受電対象に接続して出力電力を出力する電力供給装置であって、前記電力供給装置は、前記入力側に接続されるスイッチ部と、前記スイッチ部によって断続された電力を入力する1次巻線と前記出力側に接続される2次巻線とを有する電力トランスと、前記スイッチ部のスイッチの導通・切断を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記入力側の入力電圧が所定最低入力電圧以上である場合に前記スイッチの導通時間を制御し前記2次巻線から得られる出力電力を前記受電対象に対して供給する電力供給処理を開始し、前記スイッチ部の伝送する伝送電力が前記所定電力未満である場合に前記スイッチを切断して前記電力供給処理を停止する。
本発明の電力供給装置によれば、スイッチ部の伝送する伝送電力が所定電力未満である場合にスイッチを切断して電力供給処理を停止するので高効率で動作し、電力損失が少ない。
第1の実施形態を示す図である。 制御部のブロック図である。 第1の実施形態のスイッチ部の動作を中心に説明するタイミングチャートである。 電力供給装置が交流電力系統に対して電力を供給する際の入力電力と効率との関係を示す図である。 第1の実施形態の電力供給装置の制御部の中央演算装置がおこなう処理を示すフローチャートである。 第1の実施形態の電力供給装置の第1の実施例を示す図である。 第1の実施形態の電力供給装置の第2の実施例を示す図である。 第2の実施形態を示す図である。 第2の実施形態の第1の電力供給ブロックのスイッチ部および第2の電力供給ブロックのスイッチ部の動作を中心に説明するタイミングチャートである。 第2の実施形態の電力供給装置の制御部の中央演算装置がおこなう処理を示すフローチャートである。 第2の実施形態の変形を示す図である。 第3の実施形態を示す図である。 第3実施形態のスイッチ部の動作を中心に説明するタイミングチャートである。 第3の実施形態の変形を示す図である。 第3の実施形態の別の変形を示す図である。 第4の実施形態を示す図である。 第4の実施形態の電力供給装置の制御部の中央演算装置がおこなう処理を示すフローチャートである。 第4の実施形態の変形を示す図である。 第4の実施形態の別の変形を示す図である。 第5の実施形態を示す図である。 第5の実施形態の変形を示す図である。 第6の実施形態を示す図である。 第6の実施形態の電力供給装置の制御部の中央演算装置がおこなう処理を示すフローチャートである。 第6の実施形態の変形を示す図である。 第6の実施形態の変形の電力供給装置の制御部の中央演算装置がおこなう処理を示すフローチャートである。 1次側回路についての実施形態の変形である。 1次側回路についての実施形態の別の変形である。 実施形態の2次側の電流センサを示す図である。 実施形態の効率演算処理を示すフローチャートである。
本発明の実施形態の電源装置は、自然環境に応じて発電電力が変化する分散型電源と分散型電源からの電力の供給がない場合においても少なくとも所定時間の間は所定電力を供給し続けても両端の電圧が所定電圧までは減少しない静電容量を有するコンデンサとの並列接続回路に入力側を接続して入力電力を入力し、出力側を受電対象に接続して出力電力を出力する電力供給装置である。電力供給装置は、入力側に接続されるスイッチ部と、スイッチ部によって断続された電力を入力する1次巻線と出力側に接続される2次巻線とを有する電力トランスと、スイッチ部のスイッチの導通・切断を制御する制御部と、を備える。制御部は、電力供給装置の入力側の電圧である入力電圧が所定最低入力電圧以上である場合にスイッチの導通時間を制御し2次巻線から得られる出力電力を受電対象に対して供給する電力供給処理を開始し、スイッチ部の伝送する伝送電力が所定電力未満である場合にスイッチを切断して電力供給処理を停止する(すべての実施形態)。
また、電力供給装置は、複数個のスイッチ部と、複数個の1次巻線を有するようにしても良い。この場合には、分散型電源と電気二重層コンデンサとを複数個備え、各々の分散型電源と各々の電気二重層コンデンサとを並列接続し、各々のスイッチ部の入力側に電力を供給する。制御部は、入力電圧が所定最低入力電圧以上である、複数個の中の一のスイッチ部のみを選択する選択処理をおこない、電力供給処理を開始し、伝送電力が所定電力未満となったときに電力供給装置における電力供給処理を停止した後に、再び、選択処理に戻る一連の処理を繰り返す(第2の実施形態、第2の実施形態の変形、第3の実施形態の変形、第3の実施形態の別の変形、第4の実施形態の変形、第5の実施形態の変形、第6の実施形態の変形)。
また、制御部は、所定電力の大きさを制御して入力電圧を定格電圧の範囲内の任意の電圧としても良い(第1の実施形態、第2の実施形態、第2の実施形態の変形、第3の実施形態、第3の実施形態の変形、第3の実施形態の別の変形、第4の実施形態、第4の実施形態の変形、第4の実施形態の別の変形、第5の実施形態、第5の実施形態の変形)。
受電対象は、交流電力系統であっても良く、制御部は、電力供給装置から供給する電流を交流電圧系統の電圧の相似形とする制御をしても良い(第1の実施形態、第2の実施形態、第2の実施形態の変形、第3の実施形態、第3の実施形態の変形、第3の実施形態の別の変形)。
受電対象は、直流電力系統であっても良く(第4の実施形態、第4の実施形態の変形、第4の実施形態の別の変形)、並列接続される直流負荷と蓄電器とであっても良い(第5の実施形態、第5の実施形態の変形)。
また、受電対象は、直流負荷であっても良く、制御部は、負荷に供給する出力電圧を所定直流電圧とする制御をしても良い(第6の実施形態、第6の実施形態の変形)。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態を示す図である。
第1の実施形態の電力供給装置である電力供給装置1は、図1において、分散型電源10と交流電力系統60を除く構成部である。電力供給装置1は、分散型電源10で得られる電力を交流電力系統60に対して供給する。
ここで、分散型電源10は、主として自然エネルギを電力に変換する電源であり、例えば、太陽電池、風力発電機である。太陽電池、風力発電機等を用いる分散型電源10の特徴は、交流電力系統60に対して供給可能な発電電力量が、自然環境に依存することである。例えば、分散型電源10が太陽電池である場合には、発電電力量は太陽電池に照射される太陽光量に依存する。太陽光量は長期的には季節(日照時間、太陽光の太陽電池のパネルに対する入射角度)、短期的には日毎、時間毎の雲の量に依存する。また、分散型電源10が風力発電機である場合には、発電電力量は風力発電機を回転させる風量に依存する。風量は、長期的には季節(季節特有の気圧配置)、短期的には日毎、時間毎の局地的な風量に依存する。
交流電力系統60は、例えば、一般家庭で使用する単相100Vの商用の交流電力系統である。交流電力系統60の特徴は、大電力送電網と大容量の交流発電機61を備える点である。交流発電機61は柱上トランスなどの複数のトランスを介して送電線の送電側の端末に備えられる。電力供給装置1と交流電力系統60の接続点において、送電網は、例えば、分散型電源10の1000倍以上の巨大な電力供給能力を有する。従って、分散型電源10から交流電力系統60に対して供給する電力量を分散型電源10の側で変化させたとしても、交流電力系統60に接続される図示しない他の機器および交流発電機61にほとんど影響を与えない。
(第1の実施形態の電力供給装置の構成)
第1の実施形態の電力供給装置1は、電流センサ36とスイッチ部30aと電力トランス40aと制御部50とインダクタ35と電圧センストランス55とを備える。
分散型電源10のスイッチ部30aの入力側は、電気二重層コンデンサ20aに対して並列に接続される。スイッチ部30aの出力側は、インダクタ35を介して電力トランス40aの1次側巻線Nに並列に接続される。制御部50aは、電気二重層コンデンサの両端に発生する入力電圧VIN、電力供給装置1の入力側に流れる入力電流IIN、および交流電力系統電圧信号SVACを入力し、これらに基づいてスイッチ制御信号CSないしスイッチ制御信号CSを出力してスイッチ部30aを制御する。そして、電力トランス40aの2次側巻線Nを交流電力系統60に対して並列に接続して、2次巻線側電流Iを交流電力系統60に供給する。
分散型電源10は、例えば、太陽電池、風力発電機である。太陽電池は電流源として機能し、風力発電機は電圧源として機能する点に若干の異なりはあるが、電力供給装置1の作用に大きな異なりはない。電流源であるか電圧源であるかによって作用に異なりが生じる点については個別に説明をする。
電気二重層コンデンサ20aは、電気二重層と呼ばれる固体と液体との界面に正負の電荷が蓄えられることを利用したエネルギー蓄積・供給デバイスであり、小形でファラド(F)単位の静電容量が得られるコンデンサである。電流源である太陽電池から電気二重層コンデンサ20aへ電流が供給されると電気二重層コンデンサの両端の入力電圧VINは積算電流量に応じて上昇する。また、電圧源である風力発電機から電気二重層コンデンサ20aへ電流が供給されると入力電圧VINは最終的には風力発電機の発電電圧まで上昇する。そして、電気二重層コンデンサ20aに1/2×C×VIN (単位:ジュール)のエネルギが蓄えられる。ここで、Cは電気二重層コンデンサ20aの容量である。
スイッチ部30aは、スイッチS、スイッチS、スイッチS、スイッチSを有する周知なるフルブリッジ接続である。以下の説明においては、まず、スイッチSないしスイッチSは、双方向に流れる電流を切断し、双方向に流れる電流を導通するスイッチであるとして説明する。
電力トランス40aは、交流電力系統60の周波数である50Hz(ヘルツ)または60Hzの正弦波で使用可能なトランスである。電力トランス40aは、1次側巻線Nと2次側巻線Nとを備える。
インダクタ35はスイッチ部30aで発生する50kHz(キロヘルツ)〜100kHzのスイッチング周波数成分を除去する高周波除去フィルタとして機能し、50Hzまたは60Hzに対してはインダクタとしてはほとんど機能しない。電圧センストランス55は、交流電力系統60と電力供給装置1とを分離して感電を防止するとともに、制御部50aで処理可能な電圧値の交流電力系統電圧信号SVACを発生するものである。電圧センストランス55は、1次側巻線SNと2次側巻線SNとを備える。
図2は、制御部50aのブロック図である。
制御部50aは、中央演算装置(CPU: Central-Processing Unit)501、ラム(RAM)502、ロム(ROM)503、スイッチ部インターフェイス(I/O)504、2次側インターフェイス(I/O)505、入力電圧・電流インターフェイス(I/O)506、等の構成部を有しており、これらの各構成部は相互に情報のやり取りが可能となるようにバスラインに接続される。インターフェイス(I/O)504ないしインターフェイス(I/O)506の各インターフェイスは、入出力インターフェイスとして構成されているが、出力インターフェイスとしてのみ、または、入力インターフェイスとしてのみ使用することもできる。
制御部50aは、スイッチ制御信号CSによってスイッチSを制御し、スイッチ制御信号CSによってスイッチSを制御し、スイッチ制御信号CSによってスイッチSを制御し、スイッチ制御信号CSによってスイッチSを制御する。
(第1の実施形態の電力供給装置の動作)
図3は、第1実施形態のスイッチ部30aの動作を中心に説明するタイミングチャートである。
図3は、スイッチSとスイッチSとスイッチSとスイッチSと電流センサ36で検出するトランス電流Iとトランス電流Iから検出する入力電流IINと入力電圧VINとの相互の関係を示す。図3の上段から順に、図3(a)はスイッチS、スイッチSが導通している時刻および時間、図3(b)はスイッチS、スイッチSが導通している時刻および時間を示し、長方形部分が導通している時間を表す。図3(c)はトランス電流Iを示し、図3(d)は入力電流IINを示し、図3(e)は電気二重層コンデンサ20aの両端の電圧である入力電圧VINを示す。図3(a)ないし図3(d)の各々の信号波形は、後述する制御部50aにおける処理によって生じる。ここで、2次巻線側電流I=(N/N)×トランス電流Iである。(N/N)は、1次側巻線Nの巻数Nと2次側巻線Nの巻数Nとの比である。
導通している時間の1個を代表して導通時間τで表す。スイッチSないしスイッチSの導通・切断の繰り返し周期を周期Tで表す。周期Tは、例えば、スイッチング周波数が50kHzのときは20μsec、スイッチング周波数が100kHzのときの10μsecであり、実施形態においてはスイッチング周期は20μsecないし10μsecの範囲である。
トランス電流Iは、インダクタ35がなければ図3(a)、図3(b)と同様の形状のパルス幅が変化する電流となるが、インダクタ35の作用により平滑化され正弦波となる。トランス電流Iは、後述する力率を1とする力率改善の処理の結果として交流電力系統60の電圧波形と同じ周期TACの正弦波の電流となる。周期TACは、例えば、交流電力系統60の周波数が50Hz(ヘルツ)のときは20msec(ミリ秒)、60Hzのときは16.67msecである。入力電流IINは、トランス電流Iの絶対値であり、一方向に流れる電流である。
実施形態において周期Tが20μsec、周期TACが20msecのときは、周期TAC/周期T=1000(個)、周期TAC/2に対して500(個)の周期Tが対応する。よって、周期TAC/2の間に500個のパルス幅信号(PWM信号:ピーダブリュエム信号)が存在するが、図3においては、見易くするために、500個のパルス幅信号を10個のパルス幅信号(導通時間τが0のパルス幅信号も含む)に置き替えて動作の説明をしている。
スイッチSとスイッチSとは同時に導通し、同時に切断する。スイッチSとスイッチSとは同時に導通し、同時に切断する。スイッチSとスイッチSとが導通するときはスイッチSとスイッチSとは切断し、スイッチSとスイッチSとが導通するときはスイッチSとスイッチSとは切断する。そして、スイッチSとスイッチSとが同時に導通する場合に、スイッチS、1次側巻線N、インダクタ35、スイッチSの順の方向に流れる電流路(第1の電流路)が周期T毎に導通の時間τ(パルス幅)を変えながら周期TACの半周期に渡り形成される。一方、スイッチSとスイッチSとが同時に導通する場合に、スイッチS、インダクタ35、1次側巻線N、スイッチSの順の方向に流れる電流路(第2の電流路)が周期T毎に導通の時間τを変えながら周期TACの他の半周期に渡り形成される。ここで、導通時間τの変化範囲は、0からTまでである。
スイッチSとスイッチSの導通する導通時間τに応じて第1の電流路を流れる電流の大きさが定まり、スイッチSとスイッチSの導通する導通時間τに応じて第2の電流路を流れる電流の大きさが定まる。第1の電流路を流れる電流および第2の電流路を流れる電流のいずれもが、第1の電流路および第2の電流路に含まれる高周波除去フィルタとして機能するインダクタ35の作用によって周期Tに対応する周波数以上の高周波成分は減衰せられる。そして、電力トランス40aに周期TACの正弦波電流であるトランス電流Iを流すように、制御部50aはスイッチ部30aを制御する。
次に、制御部50aがどのようにして所望の入力電流IINを流す制御をおこなうかについて説明をする。
交流電力系統電圧VACと2次巻線側電流I、すなわちトランス電流Iとが相似形であれば、力率1で電力供給装置1から交流電力系統60に電力を供給することができる。ここで、力率1の場合には、無効電力が発生せず電力供給装置1の効率および交流電力系統60における送電効率を高くすることができる。
制御部50aは、スイッチ部30aのスイッチSないしスイッチSを制御して力率1を保つようなトランス電流Iを以下のアルゴリズムに従いフィードバックループを用いて発生させる。
制御部50aの中央演算装置501は、ロム503に格納されたソフトウエアを用いて(数1)の演算をおこなう。
τ=K×(|SVAC|−|K×I|)・・・・・・(数1)
τはスイッチSとスイッチSの導通時間τまたはスイッチSとスイッチSの導通時間τである。|SVAC|は、電圧センストランス55から検出する交流電力系統電圧VACに応じた交流電力系統電圧信号SVACの絶対値である。定数Kはトランス電流Iの振幅の大きさを設定するための定数である。定数Kはフィードバックループのゲインを定める定数であり、ゲイン最適化のための位相補償特性を含む。
フィードバックループの作用によって|SVAC|−|K×I|=0とするように、各々のスイッチの導通時間τは時刻とともに変化する。このようにして制御部50aは、トランス電流Iの絶対値を交流電力系統電圧VACの絶対値の相似形とする制御、すなわち力率1とする制御をおこなう。定数Kの値を小さくしてトランス電流Iの振幅を大きくすることができ、定数Kの値を大きくしてトランス電流Iの振幅を小さくすることができる。(数1)において絶対値の演算をおこなったのは、交流電力系統電圧信号SVACの正、負の極性によらず制御系をフィードバックループとして動作させるためである。
(数2)は、交流電力系統電圧信号SVACが正なら1、交流電力系統電圧信号SVACが負なら-1となる表記であり、極性を検出する演算である。
Sign(SVAC)・・・・・・・・・・・・・・(数2)
(数2)の演算の結果が1であればスイッチSとスイッチSの導通する導通時間τを制御するスイッチ制御信号CSとスイッチ制御信号CSとを出力し、(数2)の演算の結果が−1であればスイッチSとスイッチSの導通する導通時間τを制御するスイッチ制御信号CSとスイッチ制御信号CSとを出力する。このようにして、制御部50aは、交流電力系統電圧VACの極性に応じて電力供給装置1から出力する2次巻線側電流Iの極性の正負を切り替えて交流電力系統60に力率1となるようにして電力を供給する。
(第1の実施形態の要部)
図4は、電力供給装置1が交流電力系統60に対して電力を供給する際の入力電力PIN(実効値)と効率ηとの関係を示す図である。
図4の意味するところは、入力電力PINが小さいときには、スイッチ部30aのスイッチング損、インダクタ35および電力トランス40aにおけるヒステリシス損が支配的となり効率ηは悪い。また、入力電力PINが大きいときには、スイッチ部30aの電流損、インダクタ35および電力トランス40aにおける電流損が支配的となり効率ηは悪い。図4から見て取れるように効率が最も良い領域は、入力電力PINが電力Pから電力Pの範囲である。
(数3)で表される入力電力PINは電力供給装置1の入力側に供給される実効電力Reである。(数4)で表される出力電力POUTは、電力供給装置1が交流電力系統60に対して供給する実効電力Reである。実効電力を得るための積分期間は通常は周期TACであるが、実効値を得る演算時間の短縮のため実施形態では以下の演算をおこなっている。交流電力である出力電力POUTは、電圧波形および電流波形が正弦波であることと、力率1であるので(電圧×電流)の積は常に正であることから、積分期間として周期TAC/2を用いている。入力電力PINについては、電気二重層コンデンサ20aの容量が大きいので周期TACよりも長時間、入力電圧VINが一定電圧であるとみなして積分期間をより自由に選択することも可能ではあるが、中央演算装置501における処理を簡略化するために、出力電力POUTの積分期間に合わせた演算をおこなっている。
Figure 0006146902
効率ηは(数5)で表される。
η=POUT/PIN・・・・・・・・・・・・(数5)
入力電流IINとトランス電流Iとの関係は、(数6)で表される。
IN=|I|・・・・・・・・・・・・・(数6)
(数6)で表される入力電流IIN(図3(d)を参照)は、トランス電流I(図3(c)を参照)の絶対値である。2次巻線側電流Iは、力率1では、交流電力系統電圧VACと同位相の正弦波である。2次巻線側電流I=(N/N)×トランス電流Iであるので、2次巻線側電流Iは図3(c)に示すトランス電流Iと相似形である。
電力供給装置1の(数5)で表される効率ηと分散型電源10から電力供給装置1に供給される入力電力PINとの関係について、分散型電源10が太陽電池である場合を例にして説明をする。
太陽電池に照射される太陽光が雲により遮られる場合、太陽電池に照射される太陽光の入射角度が小さい場合には、入力電力PINが電力Pよりも下回ることもある。このような場合には、電力供給装置1の効率ηが悪くなり電力損失が大きい。そこで、制御部50aは、無駄な電力損失を生じないように入力電力PINを0にする制御をおこなう。
入力電力PINを0にする制御は、第1の電流路および第2の電流路を形成されないようにして電力トランス40aに流れる電流を切断する。スイッチ部30aのスイッチSまたはスイッチSの少なくともいずれかを切断とすれば第1の電流路は形成されない。また、スイッチSまたはスイッチSの少なくともいずれかを切断とすれば第2の電流路は形成されない。
第1の電流路および第2の電流路が形成されない状態においては、太陽電池からの電流は電気二重層コンデンサ20aのみに流入して入力電圧VINは上昇し、1/2×C×VIN で表されるエネルギの量は増加する。制御部50aは、入力電圧VINを監視し、入力電圧VINが予め定める所定電圧に達すると再びスイッチSないしスイッチSの制御を開始して電力Pないし電力Pの範囲の入力電力PINを電気二重層コンデンサ20aからスイッチ部30aに供給する。
(第1の制御方法)
電力供給装置1が電力P以上の入力電力PINを維持できるかどうかは、交流電力系統60に対して実際に電力を供給しながら(数3)を演算しなければ分からない。つまり、電力供給装置1を動作させる前にはそのことを知ることが原則としてはできない。この原則によれば、電力供給装置1の動作を開始する契機を知り得ないこととなる。
しかしながら、電力P以上の入力電力PINを維持できるか否かを電力供給装置1の動作の開始以前に知ることができなければ、電力供給装置1が動作を停止した後、例えば、一定時間経ると必ず、電力供給装置1を動作させ交流電力系統60に電力を供給する試し運転をしなければならない。試し運転においては、電力供給装置1の伝送する電力が電力P以上であるとは限らず、結果として電力供給装置1を高効率に動作させることができない。そこで、電気二重層コンデンサ20aに蓄積されている1/2×C×VIN で表されるエネルギの蓄積量が所定量以上、つまり、入力電圧VINが所定電圧以上である場合に、電力供給装置1が電力供給を開始するための条件(開始条件)を満たすと判断するようにしている。
開始条件を満たす予め定める入力電圧VINを最低入力電圧VINMINと定義する。この最低入力電圧VINMINは、絶対最大定格電圧よりも低い電圧に設定する。絶対最大定格電圧は、一般の電気装置においても電力供給装置1と同様に定められている故障をすることなく動作することを保証する電圧である。絶対最大定格電圧はスイッチ部30aの耐圧電圧等々で定められ、さらに、組み合わせる電気二重層コンデンサ20aの耐圧電圧によっても定められることがある。
電力供給装置1の動作の開始の契機を定める最低入力電圧VINMINは、絶対最大定格電圧よりも低い入力電圧VINとなるよう適宜に定め得る。また、電力供給装置1から電力P以上の電力を所定時間以上取り出せるような入力電圧VINを実機による実験によって見出すことによっても容易に最低入力電圧VINMINを定めることができる。
要するに、電力供給装置1は以下のようにして受電対象である交流電力系統60に電力を供給する。制御部50aは、入力側の入力電圧VINが所定最低入力電圧VINMIN以上である場合にスイッチSないしスイッチSの導通時間を制御し2次巻線から得られる出力電力を交流電力系統60に対して供給する電力供給処理を開始し、スイッチ部30aの伝送する伝送電力が所定電力(電力P)未満である場合にスイッチを切断して電力供給処理を停止する。このようにすれば、電力供給装置1を入力電力PINを電力P以上として高い効率で動作させることが可能である。
より具体的には、電力供給装置1は、入力電圧VINが所定最低入力電圧VINMIN以上となると電力の伝送を開始した後は以下のように動作する。(数1)の予め定める固定値である定数Kの値に基づき電力P以上の電力を供給するようにする。そして、(数3)に基づき入力電力PINを演算し、入力電力PINが電力Pを下回ると、電力供給装置1は交流電力系統60に対する電力の供給を停止する。ここで、(数1)の定数Kの値に基づき入力電流IINを調整することができるので、電力P以上を伝送できる定数Kの固定値を予め定めておくことができる。また、入力電圧VINが低下して来ると定数Kの値にかかわらず電力P以上を伝送できなくなる。
または、以下のように制御することもできる。入力電圧VINが低下して入力電力PINが電力P未満になりそうであれば、制御部50aが定数Kの値を減じながら、電力P以上の伝送電力をより長い時間維持することができる。定数Kの値を減じても電力P以上の伝送電力を維持できなくなれば電力供給装置1は交流電力系統60に対する電力の供給を停止する。
電力供給装置1から交流電力系統60に対して電力の供給を停止した後は、分散型電源10から電気二重層コンデンサ20aに電流が流れ込み、電気二重層コンデンサ20aに蓄積される1/2×C×VIN で表されるエネルギが増大するので、次の電力供給の準備をすることができる。
このような制御が実施形態における原則的な制御であるが、利用価値の高い原則的な制御にも以下のような改善すべき点がある。電力供給装置1が電力伝送を開始する最低入力電圧VINMINが低すぎる場合には、短時間しか電力を交流電力系統60に対して伝送できない場合もあり得る。また、交流電力系統60に対する電力開始直後の入力電圧VINの値が過大となる場合もあり得る。
このような原則的な制御をより改善するための、より高度の制御方法のいくつかについて以下に説明をする。
(第2の制御方法)
電力供給装置1は、一定の幅を有する定格電圧の中心点で動作させる場合において通常は効率が最も高い。この定格電圧の中心点を定格中心入力電圧VINREFと定義する。より高度の制御方法における定格中心入力電圧VINREFと最低入力電圧VINMINとの関係について説明をする。定格中心入力電圧VINREFと最低入力電圧VINMINとの関係は、(数7)から導かれる。
1/2×C×VINMIN 2≧P×T+1/2×C×VINREF 2・・・(数7)
(数7)の左辺は、最低入力電圧VINMINにおける電気二重層コンデンサ20aの蓄積エネルギである。(数7)の右辺のP×Tは、電気二重層コンデンサ20aに対して分散型電源10からの電力の供給がない場合において、時間Tの間、電力供給装置1に対し電力Pを入力した場合における減少エネルギである。また、1/2×C×VINREF 2は定格中心入力電圧VINREFにおけるエネルギである。(数7)の意味するところは、(数7)の条件を満たせば、最低入力電圧VINMINにおいて電力供給装置1の動作を開始し、電力Pを電力供給装置1に入力し続ければ分散型電源10からの電力の供給がない場合においても時間Tが経過するまでは電気二重層コンデンサ20aの両端の電圧は定格中心入力電圧VINREFまでは減少しないということである。(数8)は(数7)の条件から導かれる時間Tの値である。
≧{C/(2×P)}×(VINMIN 2−VINREF 2)・・・(数8)
(数8)によって、制御部50aは、電力供給装置1が電力Pの入力電力PINを時間T以上維持することができるかどうかを電力供給装置1を動作させる前に入力電圧VINの値によって判断することができる。分散型電源10からの電力の供給がない場合においても電力供給装置1を少なくとも時間Tの間、動作させ短時間で動作と停止とを繰り返すことを防止してより効率を向上させるという観点から、時間Tは適宜に定め得る時間である。この裏返しが上述したように、電気二重層コンデンサ20aは、分散型電源10からの電力の供給がない場合においても少なくとも時間Tの間は電力Pを電力供給装置1に入力し続けても電気二重層コンデンサ20aの両端の電圧が定格中心入力電圧VINREFまでは減少しない容量(静電容量)を有するものでなければならないということである。電力供給装置1の動作後は入力電力PINを刻々演算して正確に高効率で電力供給がされているか否かを判断することができる。
ここで、(数8)から明らかなように、時間Tは、電気二重層コンデンサ20aの容量が大きくなる程長くなる。また、容量が大きくなる程、最低入力電圧VINMINが低くても時間Tを長くできる。よって、まず、分散型電源10からの電力の供給がない場合においても電力Pを電力供給装置1に入力し続けられる時間Tを決め、入力電圧VINMINを次に決め、さらに、電力Pを得るための定数Kを定め、最後に(数8)に基づいて電気二重層コンデンサ20aの容量を定めることによって、最低入力電圧VINMINを過大な値とすることなく、かつ、効率を向上させるに必要なる連続動作の時間Tを確保し高効率に電力供給装置1を動作させるという目的を達することができる。
電気機器は、一般的に定格電圧を定め、定格電圧の下限の定格下限入力電圧VINREFMINから定格電圧の上限の定格上限入力電圧VINREFMAXまで定格に定める性能を保証している。従って、(数7)、(数8)における定格中心入力電圧VINREFを、定格下限入力電圧VINREFMINから定格上限入力電圧VINREFMAXまでの間の任意の電圧に置き替えることもできる。(数8)から明らかなように、定格中心入力電圧VINREFを定格下限入力電圧VINREFMINに置き替える場合には時間Tはより長いものとなる。また、定格中心入力電圧VINREFを定格上限入力電圧VINREFMAXに置き替える場合には時間Tはより短いものとなり、定格中心入力電圧VINREFを置き替える電圧に応じて時間Tは変化する。
制御部50aは、入力側の入力電圧VINが最低入力電圧VINMIN以上である場合にスイッチの導通時間を制御し2次巻線から得られる出力電力を受電対象である交流電力系統60に対して供給する電力供給処理を開始する。(数1)の定数Kは、入力電流IINの大きさを決定するので、電力P=(定格中心入力電圧VINREF×入力電流IIN)が成立するような定数Kを予め設定しておけば、分散型電源10からの電力供給がないとしても、電力供給装置1は効率を高く保ちながら、略、時間Tの間は電力P以上の電力を供給できることとなる。そして、スイッチ部30aの伝送する伝送電力が電力P未満となれば、スイッチを切断して電力供給処理を停止する。
第2の制御方法の変形として、電力PINが電力Pに近づいて来た場合には、定数Kを小さくし、電流IINを増加させ、通常は、電力PINが電力P未満になることを防止できる。このようにすれば、さらに、長時間に渡り、電力供給装置1の効率を高く保ちながら電力P以上の電力を伝送し続けることができる。そして、電流IINを増加させても、電力PINが増加しなくなった段階においてスイッチ部30aの伝送する伝送電力が電力P未満となれば、スイッチを切断して電力供給処理を停止する。
第1の制御方法においては、最低入力電圧VINMINを適宜に定めた。例えば、実験によって最低入力電圧VINMINを定めた。一方、第2の制御方法は、(数7)に基づいて最低入力電圧VINMINを定めた。第2の制御方法によれば、電力供給装置1は効率を高く保ちながら、略、時間Tの間は電力P以上の電力を供給できるので、電力供給装置1の動作時間の予測性がより高くなるとともに、最低入力電圧VINMINを所望の値とするための電気二重層コンデンサ20aの容量を解析的に求めることによって電力供給装置1の動作の信頼性を高くすることができる。
(第3の制御方法)
さらに別の電力制御の方法として、電力Pが出力できなくなってから電力供給装置1のスイッチを切断して電力供給処理を停止するのではなく、動作に余裕を持たせ、電力Pの限界が来る前にスイッチを切断して電力供給処理を停止しても良い。処理が複雑であるので、フローチャートを参照して以下、説明をする。
図5は、第1の実施形態の電力供給装置1の制御部50aの中央演算装置501がおこなう処理を示すフローチャートである。
(制御処理のフローチャート)
図5を参照して、制御部50aの中央演算装置501がおこなう演算、制御について説明をする。中央演算装置501は、図5(a)のイニシャル処理のスタートからリターンまでの一連の処理と、図5(b)の電力供給処理のスタートからリターンまでの一連の処理とを割込によって実行する。
中央演算装置501は、図5(a)のイニシャル処理のスタートからリターンまでの一連の処理を中央演算装置501のリセットの直後の割込、または電力供給処理でイニシャル処理の先頭番地が割込レジスタに書かれた直後の割込において実行する。中央演算装置501は、図5(b)の電力供給処理のスタートからリターンまでの一連の処理を、割込レジスタに電力処理の先頭番地が書き込まれている場合に実行する。すなわち、イニシャル処理のみを実行する割込処理、電力供給処理のみを実行する割込処理、イニシャル処理に続いて電力供給処理を実行する割込処理の3種類がある。割込は、タイマー割込であり、割込の周期は周期Tであるとして以下に説明をする。
(イニシャル処理)
図5(a)に示すイニシャル処理は、中央演算装置501をリセットした後、およびイニシャル処理の先頭番地を割込レジスタに書き込んだ後、次の割込によって割込レジスタに書かれたイニシャル処理の先頭番地から処理を実行することによって開始する。イニシャル処理は、電力供給処理における各々のパラメータを予め定める初期値にする処理、スイッチSないしスイッチSのすべてを切断する処理、次の割込において実行する番地を割込レジスタに書き込む処理を含む。
ステップST11において中央演算装置501は、予め定める初期値である最低入力電圧VINMINと定格中心入力電圧VINREFと定数K(数1を参照)と定数K(数1を参照)と規定電力PREFと微差ΔKと微差ΔPと電力Pとをロム503から読み出し中央演算装置501のレジスタに格納する。また、スイッチ制御信号CSないしスイッチ制御信号CSのすべてをスイッチSないしスイッチSが切断するように導通時間τ=0に設定する。
なお、定格中心入力電圧VINREFを、上述したように定格下限入力電圧VINREFMINから定格上限入力電圧VINREFMAXまでの間の任意の電圧に置き替えても良い。
最低入力電圧VINMINは、上述したように電気二重層コンデンサ20aに蓄えられているエネルギによって電力Pを電力供給装置1に時間Tの間は供給可能であろうとして電力供給装置1の定格入力電圧の範囲内で予め設定する最低の電圧である。
定格中心入力電圧VINREFは、電力供給装置1の定格の範囲内の中心の入力電圧VINである。
定数Kの初期値は、フィードバックループの作用によって周期T毎に更新される。定数Kが収束するまでの短期間にスイッチに過大な電力が供給されることを防止するために最終的に収束すると予想される値よりも大きな値に設定する。
微差ΔKは、ロムから読み出した定数Kの値を少しずつ変化させるための定数である。例えば、定数Kの初期値の1/100〜1/1000程度に設定する。
規定電力PREFの初期値は、電力P以上であって電力P未満の予め定める電力である。例えば、電力Pと電力Pとの中間の値である。
微差ΔPは、ロムから読み出した規定電力PREFの値を少しずつ変化させるための定数である。例えば、規定電力PREFの初期値の1/100〜1/1000程度に設定する。
ステップST12において中央演算装置501は、入力電圧VINが最低入力電圧VINMIN以上であるか、未満であるかを判断する。入力電圧VINが最低入力電圧VINMIN以上である場合(Yes)には処理をステップST13に移し、入力電圧VINが最低入力電圧VINMIN未満である場合(No)には処理をステップST14に移す。
ステップST13において中央演算装置501は、電力供給処理の先頭番地を割込レジスタに書き込み、イニシャル処理は終了する。
次の割込処理は、電力供給処理の先頭番地からスタートする。
ステップST14において中央演算装置501は、イニシャル処理の先頭番地を割込レジスタに書き込み、イニシャル処理は終了する。
次の割込処理は、イニシャル処理の先頭番地からスタートする。
(電力供給処理)
電力供給処理においては、中央演算装置501は、電力供給装置1から交流電力系統60に対して電力供給を次の割込においてもするか否かを割込毎に判断する。中央演算装置501は、電力供給の制御をする場合には、力率1を保つとともに入力電圧VINを電力供給装置1の定格電圧の中心の電圧である定格中心入力電圧VINREFに保つようにするためのための入力電力PINである規定電力PREFを自動設定する。規定電力PREFの範囲は、実施形態においては、電力Pから分散型電源10の最大能力である電力Pまでの間とする。この目的を達するために、中央演算装置501は、イニシャル処理で設定した初期値である、定数Kと規定電力PREFとを、割込処理毎に更新し、更新した定数Kと規定電力PREFとを更新してレジスタに格納する。中央演算装置501は、割込毎の電力制御の各種演算においてレジスタに格納された更新された定数Kと規定電力PREFとを使用する。
ステップST101において中央演算装置501は、入力電圧・電流インターフェイス506を介して入力電圧VIN(図3(e)を参照)、入力電流IIN(図3(d)を参照)を取得する。また、2次側インターフェイス505を介して交流電力系統電圧VACと相似形の交流電力系統電圧信号SVACを取得する。
ここで、入力電圧・電流インターフェイス506(図2を参照)の図示しないハードウエアがトランス電流I(図3(c))の絶対値を検出して中央演算装置501は、入力電流IINを得る。トランス電流ITを取得した後、中央演算装置501で絶対値を得る演算をしても良い。
ステップST102において中央演算装置501は、(数1)に基づいてスイッチ導通の導通時間τを演算する。
ステップST103において中央演算装置501は、(数2)に基づき交流電力系統電圧信号SVACの極性を演算する。
ステップST104において中央演算装置501は、スイッチ部インターフェイス504を介して、交流電力系統電圧信号SVACの極性とスイッチ導通の導通時間τを反映するスイッチ制御信号CSないしスイッチ制御信号CSを出力する。
スイッチ制御信号CSないしスイッチ制御信号CSの各々によってスイッチ部30aのスイッチSないしスイッチSの各々は制御される。
このようなステップST102ないしステップST104までの処理によって力率1を実現する。
ステップST105において中央演算装置501は、(数3)に基づき周期TAC/2における実効電力である入力電力PINを演算する。
原則的処理では、割込周期である周期T毎に入力電圧VINと入力電流IINとの積を演算して、((周期TAC/2)/周期T)回の割込毎に実効値である入力電力PINを算出するところ、周期Tの割込毎に入力電力PINの算出の処理するために実施形態では以下のような演算をする。
周期T毎に、((周期TAC/2)/周期T)個の中の最も古いサンプリング時刻における入力電圧VINと入力電流IINとの積を捨てて、今回のサンプリング時刻における入力電圧VINと入力電流IINとの積を加算して平方根を得て移動実効値を求めて入力電力PINを得る演算をする。
ステップST106において中央演算装置501は、入力電力PINが規定電力PREF以上であるか否かを判断し、入力電力PINが規定電力PREF以上である場合(Yes)には処理をステップST107に移し、入力電力PINが規定電力PREF未満である場合(No)には処理をステップST108に移す。
ステップST107において中央演算装置501は、定数Kに微差ΔKを加算して定数Kの値をより大きくし、更新した定数Kの値をレジスタに書き込む。
定数Kの値をより大きくすると、力率1を保ちながら次の割込からトランス電流I(すなわち、入力電流IIN)を減少して、入力電力PINは規定電力PREFに近づく(数1を参照)。
ステップST108において中央演算装置501は、定数Kから微差ΔKを減算して定数Kの値をより小さくし、更新した定数Kの値をレジスタに書き込む。
定数Kの値をより小さくすると、力率1を保ちながら次の割込からトランス電流I(すなわち、入力電流IIN)を増加して、入力電力PINは規定電力PREFに近づく(数1を参照)。
ステップST109において中央演算装置501は、入力電圧VINが定格中心入力電圧VINREF以上であるか否かを判断し、入力電圧VINが定格中心入力電圧VINREF以上である場合(Yes)には処理をステップST110に移し、入力電圧VINが定格中心入力電圧VINREF未満である場合(No)には処理をステップST111に移す。
ステップST110において中央演算装置501は、規定電力PREFに微差ΔPを加算して規定電力PREFの値をより大きくし、更新した規定電力PREFの値をレジスタに書き込む。
規定電力PREFの値をより大きくすると、次の割込において、入力電力PINは、より大きくした規定電力PREFに近づき、その結果として入力電力PINは増加するので、入力電圧VINは低下して入力電圧VINを定格中心入力電圧VINREFに保つことができる。
ステップST111において中央演算装置501は、規定電力PREFから微差ΔPを減算して規定電力PREFの値をより小さくし、更新した規定電力PREFの値をレジスタに書き込む。
規定電力PREFの値をより小さくすると、次の割込において、入力電力PINは、より小さくした規定電力PREFに近づき、その結果として入力電力PINは減少するので、入力電圧VINは上昇して入力電圧VINを定格中心入力電圧VINREFに保つことができる。
ステップST112において中央演算装置501は、入力電力PINが電力P以上であるか否かを判断し、入力電力PINが電力P以上である場合(Yes)には電力供給処理は終了し、入力電力PINが電力P未満である場合(No)にはステップST113に処理を移す。そして、Yesの場合には、次の割込では、再び電力供給処理をおこなう。
ステップST113において中央演算装置501は、イニシャル処理の先頭番地を割込レジスタに書き込み、電力供給処理は終了する。そして、次の割込では、イニシャル処理をおこなう。
第3の制御法においては、制御部50aは、力率1に保つとともに入力電圧VINを定格電圧の中心電圧である定格中心入力電圧VINREFに保ちながら、効率ηが高い電力Pないし電力Pの範囲の入力電力PINで交流電力系統60に対して電力を供給する。第3の制御法においては、入力電圧VINを一定に保つので、電力供給装置1の動作の信頼性はより高いものとなる。上述したように、定格中心入力電圧VINREFを、定格下限入力電圧VINREFMINから定格上限入力電圧VINREFMAXまでの間の任意の電圧に置き替えることもできる。
第3の制御法においても第1の制御方法および第2の制御方法と同様に、制御部50aは、入力電力PINが電力Pを下回る場合には、第1の電流路および第2の電流路を形成しないようにして電力供給装置1の動作を停止し、太陽電池からの電流を電気二重層コンデンサ20aのみに蓄える。なお、太陽電池から取り出し得る最大電力よりも、電力Pが大きくなるようにスイッチ部30aと電力トランス40aとを主要構成部とするインバータの定格電力を定める場合には電力Pが電力伝送に際して制限となることはない。
従来の技術では、太陽電池から得られる電力が小電力であってもスイッチ部30aと電力トランス40aとを主要構成部とするインバータは、常時、交流電力系統60に電力伝送するように動作したので、太陽電池から得られる電力が小さい場合の効率ηは悪かった。第1の実施形態においては、太陽電池から得られる電力が小電力である場合には電力伝送をすることなく電気二重層コンデンサ20aにエネルギを蓄え、効率ηが高い領域のみで太陽電池から得られる電力を交流電力系統60に電力伝送する。よって、総合的な効率は従来技術に比べて向上する。
次に、分散型電源10が風力発電機である場合について説明をする。
分散型電源10が風力発電機である場合においても、風力が弱まり入力電力PINが電力Pに達しないときにはインバータは交流電力系統60に電力伝送する動作を中止する。ここで、風力発電機は電圧源として機能するので風力が弱まる場合には風力発電機の発電電圧が電気二重層コンデンサ20aの両端の電圧である入力電圧VINを下回る。このとき、電気二重層コンデンサ20aに蓄えられたエネルギが風力発電機に逆流するので風力の強弱に応じて電力が、風力発電機と電気二重層コンデンサ20aとの間で行き来して損失となる。
よって、風力発電機と電気二重層コンデンサ20aとの間に逆流を防止するダイオードを配することが望ましい。このようにすれば、風力が弱まった場合でも電気二重層コンデンサ20aに蓄えられたエネルギは風力発電機に戻ることなく保存され、かつ、電気二重層コンデンサ20aが風力発電機の負荷とはならないので風車の回転の運動エネルギもまた保存される。
風力が強くなり風力発電機の発電電圧が高くなり電気二重層コンデンサ20aの両端の電圧が回復して、電力Pを供給可能な入力電圧VINに達したことを制御部50aが検出すると、再び、電力供給装置1は、効率ηが高い領域のみで交流電力系統60に対して電力伝送する。このように逆流を防止するダイオードを配することにより、風力発電機から交流電力系統60に対する電力伝送の総合的な効率は、さらに高くなる。
電力供給装置1における総合的な効率が高くなると、より多くの電力が交流電力系統60に対して伝送可能となり、交流発電機61の負担が軽減するという技術的効果が生じる。また、電力供給装置1からの供給する電力量の増加に応じて分散型電源10の電力を売電する者の利益もより大きくなるという経済的効果が生じる。
(第1の実施例)
図6は、第1の実施形態の電力供給装置の第1の実施例を示す図である。
図6を参照して、第1の実施例について説明をする。第1の実施例は、分散型電源10が太陽電池であり、スイッチSないしスイッチSがMOSFET(モスエフイーティ:metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)である場合の第1の実施形態の実施例である。電力供給装置1aのスイッチ部30aaの各MOSFETは製造プロセス上形成されるボデイダイオードをドレインとソース間に有する。4個のボデイダイオードは、電力トランス40aの1次側巻線Nを入力側とし、電気二重層コンデンサ20aを出力側とするブリッジ整流回路を形成する。
上述したようにスイッチSないしスイッチSが双方向スイッチの場合には、スイッチが切断であるときはいずれの方向にも電流が流れない。しかしながら、MOSFETで構成されるスイッチSaないしスイッチSaが切断である場合においてはこのブリッジ整流回路のみによる電流路が形成され、電力トランス40aの1次側巻線Nに発生する交流電力はこのブリッジ整流回路で整流され、直流電圧が電気二重層コンデンサ20aに印加される。
ここで、電気二重層コンデンサ20aの両端の入力電圧VINがブリッジ整流回路で整流される直流電圧よりも低い場合にはブリッジ整流回路からの電流は電気二重層コンデンサ20aに流れる。一方、電気二重層コンデンサ20aの両端の入力電圧VINがブリッジ整流回路で整流される直流電圧よりも高い場合にはブリッジ整流回路からの電流は電気二重層コンデンサ20aに流れないので、太陽電池からの供給される電流はすべて電気二重層コンデンサ20aに流れ込みエネルギとして蓄えられる。そして、制御部50aは、電気二重層コンデンサ20aに十分エネルギが蓄えられた段階で電力P1以上の電力を交流電力系統60に対して伝送する制御をおこなう。
(第2の実施例)
図7は、第1の実施形態の電力供給装置の第2の実施例を示す図である。
図7を参照して、第2の実施例について説明をする。第2の実施例は、分散型電源10が風力発電機であり、第1の実施例と同様にスイッチSaないしスイッチSaはMOSFETである場合の実施例である。第2の実施例が第1の実施例と異なる点は、電圧源として機能する風力発電機と電気二重層コンデンサ20aと間に逆流防止ダイオード21が接続される点である。
第2の実施例においては、電力供給装置1bは、逆流防止ダイオード21を備えて、上述したように無駄に電力が消費されることを防止する。風力が弱く風力発電機の発電電圧が低いときには、逆流防止ダイオード21が電気二重層コンデンサ20aから風力発電機に対して電流を流すことを防止する。また、電気二重層コンデンサ20aは風力発電機の負荷とならないので風力発電機の回転運動を妨げず、風力発電機に連結される風車の運動エネルギの消散は少なく、風車の回転数は急激に減少することはない。そして風力が強くなり、風力発電機の起電圧が入力電圧VINを上回ると逆流防止ダイオード21が導通して電気二重層コンデンサ20aに充電電流を流す。制御部50aは、電気二重層コンデンサ20aに十分エネルギが蓄えられた段階で電力P以上の電力を交流電力系統60に対して伝送する制御をおこなう。このようして風力発電機が発生する電力を有効に活用できる。
[第2の実施形態]
図8は、第2の実施形態を示す図である。
図8に示す第2の実施形態の各構成部の第1の実施形態と同一部分には同一の符号を付し、説明を省略する。第2の実施形態の電力供給装置2は、第1の電力供給ブロックと第2の電力供給ブロックとを備える。
第1の電力供給ブロックは、スイッチS11とスイッチS21とスイッチS31とスイッチS41とを有するスイッチ部30aと、電力トランス40bの第1の1次側巻線N11と、第1のインダクタ351と、第1の電流センサ361と、第1の電気二重層コンデンサ20aと、分散型電源101と、第2の電力供給ブロックと共用される制御部50bと、を構成部とする。
スイッチ部30aのスイッチS11と第1の実施形態のスイッチ部30aのスイッチSは同様の構成を有し同様に動作し、スイッチS21とスイッチSは同様の構成を有し同様に動作し、スイッチS31とスイッチSは同様の構成を有し同様に動作し、スイッチS41とスイッチSは同様の構成を有し同様に動作する。インダクタ351は、第1の実施形態のインダクタ35と同様の構成を有し同様に動作し、電流センサ361は第1の実施形態の電流センサ36と同様の構成を有し同様に動作し、電気二重層コンデンサ20aは第1の実施形態の電気二重層コンデンサ20aと同様の構成を有し同様に動作する。
第2の電力供給ブロックは、スイッチS12とスイッチS22とスイッチS32とスイッチS42とを有するスイッチ部30aと、電力トランス40bの第2の1次側巻線N12と、第2のインダクタ352と、第2の電流センサ362と、第2の電気二重層コンデンサ20aと、分散型電源102と、第1の電力供給ブロックと共用される制御部50bと、を構成部とする。
スイッチ部30aのスイッチS12と第1の実施形態のスイッチ部30aのスイッチSは同様の構成を有し同様に動作し、スイッチS22とスイッチSは同様の構成を有し同様に動作し、スイッチS32とスイッチSは同様の構成を有し同様に動作し、スイッチS42とスイッチSは同様の構成を有し同様に動作する。インダクタ352は、第1の実施形態のインダクタ35と同様の構成を有し同様に動作し、電流センサ362は第1の実施形態の電流センサ36と同様の構成を有し同様に動作し、電気二重層コンデンサ20aは第1の実施形態の電気二重層コンデンサ20aと同様の構成を有し同様に動作する。
第2の実施形態の制御部50bは、図2に示す第2の実施形態の制御部50aと同様な構成を有しているが、スイッチ部インターフェイス504、2次側インターフェイス505、入力電圧・電流インターフェイス506のいずれもが第1実施形態よりも増加した信号数に対応している。また、中央演算装置501で実行するロム503に格納するプログラムも第1の電力供給ブロックと第2の電力供給ブロックとを制御するプログラムである点において第1実施形態と異なる。
図9は、第1の電力供給ブロックのスイッチ部30aおよび第2の電力供給ブロックのスイッチ部30aの動作を中心に説明するタイミングチャートである。
図9の上段から順に、図9(a)はスイッチS11、スイッチS21が導通している時刻および時間、図9(b)はスイッチS31、スイッチS41が導通している時刻および時間、図9(c)はスイッチS12、スイッチS22が導通している時刻および時間、図9(d)はスイッチS32、スイッチS42が導通している時刻および時間の各々を示す。スイッチ制御信号CS11がスイッチS11を導通・切断し、スイッチ制御信号CS21がスイッチS21を導通・切断し、スイッチ制御信号CS31がスイッチS31を導通・切断し、スイッチ制御信号CS41がスイッチS41を導通・切断する。スイッチ制御信号CS12がスイッチS12を導通・切断し、スイッチ制御信号CS22がスイッチS22を導通・切断し、スイッチ制御信号CS32がスイッチS32を導通・切断し、スイッチ制御信号CS42がスイッチS42を導通・切断する。
周期TACは交流電力系統60の電圧の周期であり、図3にTACの符号を付して示す周期である。時間Tは、スイッチS12ないしスイッチS42が切断し、スイッチS11ないしスイッチS41が導通・切断している時間を表す。時間Tは、スイッチS11ないしスイッチS41が切断し、スイッチS12ないしスイッチS42が導通・切断している時間を表す。時間Tは第1の電力供給ブロックが交流電力系統60に対して電力を供給している時間、時間Tは第2の電力供給ブロックが交流電力系統60に対して電力を供給している時間である。
図9(e)は第1の1次側巻線N11に流れるトランス電流IT1、図9(f)は第2の1次側巻線N12に流れるトランス電流IT2の各々を示す。図9(g)は2次巻線側電流Iを示す。ここで、2次巻線側電流I=(N11/N)×トランス電流IT1+(N12/N)×トランス電流IT2である。(N11/N)は第1の1次側巻線N11の巻数N11と2次側巻線Nの巻数Nとの比、(N12/N)は第2の1次側巻線N12の巻数N12と2次側巻線Nの巻数Nとの比である。
図9(a)ないし図9(g)の横軸は同一の時刻tを表す。図3(a)ないし図9(d)の各々の長方形部分が導通している時間、それ以外は切断を表す。第1の実施形態と同様に導通している時間がパルス幅変調されている。各スイッチの導通・切断の繰り返し周期は周期Tである。
第1のトランス電流IT1、第2のトランス電流IT2の各々は交流電力系統60の電圧波形と同じ正弦波の波形であり、正弦波の周期は周期TAC、すなわち、20msecまたは16.67msecである。図9には図示しないが各スイッチの導通・切断の周期Tは、図3と同様に例えば、20μsec〜10μsecである。
スイッチS11とスイッチS21とは同時に導通・切断し、スイッチS31とスイッチS41とは同時に導通・切断する。時間Tにおいて、スイッチS11とスイッチS21とが導通時間τ(τは第1のトランス電流IT1を正弦波とするように変化する)を有して導通・切断する半周期の時間TAC/2においてはスイッチS31とスイッチS41とは切断し、スイッチS31とスイッチS41とが導通時間τを有して導通・切断する他の半周期の時間TAC/2においてはスイッチS11とスイッチS21とは切断する。時間Tにおいては、スイッチS11、スイッチS21、スイッチS31、スイッチS41のいずれもが切断する。
また、スイッチS12とスイッチS22とは同時に導通・切断し、スイッチS32とスイッチS42とは同時に導通・切断する。時間Tにおいて、スイッチS12とスイッチS22とが導通時間τ(τは第2のトランス電流IT2を正弦波とするように変化する)を有して導通・切断する半周期の時間TAC/2においてはスイッチS32とスイッチS42とは切断し、スイッチS32とスイッチS42とが導通時間τを有して導通・切断する他の半周期の時間TAC/2においてはスイッチS12とスイッチS22とは切断する。時間Tにおいては、スイッチS12、スイッチS22、スイッチS32、スイッチS42のいずれもが切断する。
(第2実施形態の要部)
第1の入力電流IIN1と第1の入力電圧VIN1とを演算して得られる入力電力PIN1(数3の入力電力PINを参照)が、効率ηが良好なる電力の範囲である電力Pと電力Pの範囲(図4を参照)において電力を交流電力系統60に対して供給する点は第1の実施形態と同じである。第1の実施形態と同様にして時間Tを定めれば、時間T>時間Tとなり、第1の電力供給ブロックが頻繁に電力供給の動作と停止と繰り返すことを防止して、第1の電力供給ブロックの効率を向上させることができる。また、第2の入力電流IIN2と第2の入力電圧VIN2とを演算して得られる入力電力PIN2(数3の入力電力PINを参照)が、効率ηが良好なる電力の範囲である電力Pと電力Pの範囲において電力を交流電力系統60に対して供給する点は第1の実施形態と同じである。第1の実施形態と同様にして時間Tを定めれば、時間T>時間Tとなり、第2の電力供給ブロックが頻繁に電力供給の動作と停止と繰り返すことを防止して、第2の電力供給ブロックの効率を向上させることができる。
図9において、第1の電力供給ブロックが交流電力系統60に対する電力の供給を開始後、入力電力PIN1が電力Pを下回るまでの時間が時間Tである。制御部50bは、入力電力PIN1が電力Pを下回ることを検出すると、第1の電力供給ブロックからの電力の供給を停止し、入力電圧VIN2によって第2の電力供給ブロックが電力P以上の入力電力PIN2で交流電力系統60に対する電力の供給を開始することができる(Yes)か、否(No)かのいずれであるかを判断する。制御部50bは、判断結果がYesである場合には、第2の電力供給ブロックが交流電力系統60に対する電力の供給を開始するように制御をする。
そして、時間Tが経過した後、制御部50bは、入力電力PIN2が電力Pを下回ることを検出すると、入力電圧VIN1によって第1の電力供給ブロックが電力P以上の入力電力PIN1で交流電力系統60に対する電力の供給を開始することができる(Yes)か、否(No)かのいずれであるかを判断する。制御部50bは、判断結果がYesである場合には、直ちに第1の電力供給ブロックが交流電力系統60に対する電力の供給を開始するように制御をする(図9を参照)。一方、判断結果がNoである場合には、図9には図示しないが、第1の電力供給ブロックまたは第2の電力供給ブロックのいずれかが電力の供給の開始ができるようになるまで交流電力系統60に対する電力の供給を停止するように制御をする。
第2の実施形態によれば、第1の電力供給ブロックおよび第2の電力供給ブロックのいずれもが高い効率ηを維持しながら交流電力系統60に対する電力の供給をおこなうことができる。例えば、第1の分散型電源101の受光面が東向きに配置された太陽電池であり、第2の分散型電源102の受光面が西向きに配置された太陽電池である場合には太陽の朝から夜までの天空上の移動に合せて高効率な電力伝送ができる。また、太陽光を遮る雲が東西に移動する場合においても雲の移動に合せて高効率な電力伝送ができる。
図10は、第2の実施形態の電力供給装置2の制御部50bの中央演算装置501がおこなう処理を示すフローチャートである。
図10(a)は、イニシャル処理を示し、図10(b)は第1の電力供給処理を示し、10(c)は第2の電力供給処理を示す。図10(b)、10(c)の各々は、図5(b)とまったく同じ構造であるので、全体の記載は省略する。図10(b)は、第1の電力供給ブロックを制御する第1の電力供給処理であり、10(c)は、第2の電力供給ブロックを制御する第2の電力供給処理である。同一の割込の周期では同一ブロックの電力処理しか実行しない。第1の電力供給処理の実行中においては第2の電力供給処理の実行はおこなわず、第2の電力供給処理の実行中においては第1の電力供給処理の実行はおこなわない。
一方のブロックにおける電力供給処理を停止して他方のブロックにおける電力供給処理を実行する場合には、必ずイニシャル処理を介して処理が移る。第1の電力供給処理を停止して第2の電力供給処理を実行する場合には、第1の電力供給処理、次の割込の周期におけるイニシャル処理に続いて第2の電力供給処理、さらに次の割込の周期における第2の電力供給処理へと処理は移る。第2の電力供給処理を停止して第1の電力供給処理を実行する場合には、第2の電力供給処理、次の割込の周期におけるイニシャル処理に続いて第1の電力供給処理、さらに次の割込の周期における第1の電力供給処理へと処理は移る。具体的には、イニシャル処理において割込レジスタに書き込まれた番地が第1の電力供給処理の先頭番地であるか、第2の電力供給処理の先頭番地であるかによって、第1の電力供給処理または第2の電力供給処理のいずれの電力供給処理を実行するかが決まる。イニシャル処理を実行する毎に、更新された定数Kと規定電力PREFとは、初期値に戻る。イニシャル処理において第1の電力供給と第2の電力供給とのいずれもが給電可能ではない場合には、割込毎にイニシャル処理を繰り返し、処理はイニシャル処理に留まる。
(イニシャル処理)
第2の実施形態におけるイニシャル処理の説明は、後述する電力供給ブロックがn個である第2の実施形態の変形における処理も含めて一般的に説明する。
図10(a)におけるステップST21は、図5(a)に示すイニシャル処理のステップST11と同様である。後述するjOLDがレジスタに既に記憶されている。
ステップST22において中央演算装置501は、jNEW=jOLD+1のインクリメント演算をおこない、m=jNEW(modulo n)のモジュロ演算をおこない、入力電圧VINを検出すべき電力供給ブロックが第(m+1)の電力供給ブロックであることを特定する。
ここで、jNEWは、入力電圧VINの累積検出回数であり、nは電力供給ブロックの総数である。この実施形態では電力供給ブロックの総数は2であるので、n=2である。m=jNEW(modulo n)のモジュロ演算では、mはjNEW/nの剰余と定義される。n=2の場合、jNEWが2では(m+1)=1、jNEWが3では(m+1)=2、jNEWが4では(m+1)=1、jNEWが5では(m+1)=2、・・・と(m+1)の値は、1,2を繰り返す。つまり、第1の電力供給ブロックと第2の電力供給ブロックとを交互に特定できる。
nが2以外であるときは、jNEWがインクリメントする毎に、(m+1)は1、2、・・・・n、1、2、・・・・n、1、2、・・・と1からnまでを繰り返す。つまり、第1の電力供給ブロックないし第nの電力供給ブロックを順番に特定できる。
ステップST23において中央演算装置501は、第(m+1)の電力供給ブロックの入力電圧VINが最低入力電圧VINMIN以上である場合(Yes)には処理をステップST24に移し、入力電圧VINが最低入力電圧VINMIN未満である場合(No)には処理をステップST25に移す。
ステップST24において中央演算装置501は、第(m+1)の電力供給ブロックを制御する当該電力供給処理の先頭番地を割込レジスタに書き込み、jOLD=jNEWとレジスタの内容を置き替えて、イニシャル処理を終了する。
次の割込処理は、当該電力供給処理(第(m+1)の電力供給処理)の先頭番地からスタートする。
ステップST25において中央演算装置501は、イニシャル処理の先頭番地を割込レジスタに書き込み、jOLD=jNEWとレジスタの内容を置き替えて、イニシャル処理を終了する。
次の割込処理は、イニシャル処理の先頭番地からスタートする。
ステップST22ないしステップST25の処理を具体的に当てはめて説明する。jOLD=5であるとして説明をする。電力供給ブロックの総数が2であるので、n=2である。jOLD=5であるので、直前に入力電圧VINを検出した電力供給ブロックは第2の電力供給ブロックであった。
ステップST22において中央演算装置501は、jNEW=5(jOLD)+1のインクリメント演算をおこない、m=6(jNEW)(modulo 2)のモジュロ演算をおこない、入力電圧VINを検出すべき電力供給ブロックが第1の電力供給ブロックであることを特定する。
ステップST23において中央演算装置501は、第1の電力供給ブロックの入力電圧VINが最低入力電圧VINMIN以上である場合(Yes)には処理をステップST24に移し、入力電圧VINが最低入力電圧VINMIN未満である場合(No)には処理をステップST25に移す。
ステップST24において中央演算装置501は、第1の電力供給ブロックを制御する第1の電力供給処理の先頭番地を割込レジスタに書き込み、jOLD=jNEWと置き替えて、イニシャル処理を終了する。
次の割込処理は、第1の電力供給処理の先頭番地からスタートする。
ステップST25において中央演算装置501は、イニシャル処理の先頭番地を割込レジスタに書き込み、jOLD=jNEWと置き替えて、イニシャル処理は終了する。
次の割込処理は、イニシャル処理の先頭番地からスタートする。
(電力供給処理)
図10(b)に示す第1の電力供給処理においては、図5(b)の各ステップの、符号CS〜符号CSは符号CS11〜符号CS41に、符号S〜符号Sは符号S11〜符号S41に、符号VINは符号VIN1に、符号Iは符号IT1に、符号PINは符号PIN1に、符号PREFは符号PREF1に各々を置き替える。
図10(c)に示す第2の電力供給処理においては、図5(b)の各ステップの、符号CS〜符号CSは符号CS12〜符号CS42に、符号S〜符号Sは符号S12〜符号S42に、符号VINは符号VIN2に、符号Iは符号IT2に、符号PINは符号PIN2に、符号PREFは符号PREF2に各々を置き替える。
その他の各処理は、図5(b)に示すと同じ内容であるので説明を省略する。
(第2の実施形態の変形)
図11は、第2の実施形態の変形を示す図である。
第2の実施形態では電源供給ブロックが2個であったが、第2の実施形態の変形例の電力供給装置2aでは、電源供給ブロックの数を3以上の任意の整数nとして、n個まで電源供給ブロックの数を拡張するものである。第1の電源供給ブロックの第1の1次側巻線N11ないし第nの電源供給ブロックの第nの1次側巻線N1nの各々が電力トランス40cに配される。第1の電源供給ブロックから第nの電源供給ブロックのいずれかの1個の電源供給ブロックから交流電力系統60に対して電力を供給するときには、その他の電源供給ブロックの動作は停止するように制御部50cは制御をする。
制御部50cは、第1の入力電圧VIN1ないし第nの入力電圧VINnを検出し、電気二重層コンデンサに十分エネルギが蓄積されている電源供給ブロックから順に交流電力系統60に対して電力を供給するように制御をする。フローチャートは図示しないが、第1の電力供給処理および第2の電力供給処理に替えて、第1の電力供給処理ないし第nの電力供給処理を有すること以外は、10図に示すフローチャートと同様である。
第2の実施形態の変形によれば、例えば、n個のより小型の太陽電池を東西南北の様々の方位、様々の地上高位置に取付ける。このようにすれば太陽光の利用率は向上する。すなわち、n個の分散型電源の各々の太陽電池の太陽光に対面する角度、地上の太陽光を遮る建物の配置に応じて異なる発電電力を有する分散型電源に接続する複数の電源供給ブロックを設ける。制御部50cは、n個の電源供給ブロックから、予め付与した電源供給ブロックの番号の順に入力電圧を検出して、高効率に電力供給が可能な電源供給ブロックから順次、交流電力系統60に対して電力を供給するように制御をする。このようにすれば、交流電力系統60に対する総合的な電力供給量を大きくすることができる。
[第3の実施形態]
図12は、第3の実施形態を示す図である。
第3の実施形態は、第1の実施形態および第2の実施形態およびこれらの変形と同様に、電力供給装置3は受電対象である交流電力系統60に対して電力を供給する。第3の実施形態は、電力トランス40dとしてスイッチング周波数で動作する高周波トランスを用いて装置の小型化を図るものである。
図12に示す第3の実施形態の各構成部について、上述した実施形態と同一部分には同一の符号を付し、説明を省略する。第3の実施形態の電力供給装置3は、第1の実施形態の電力供給装置1には無い2次巻線側の第1の高周波整流部と第2の高周波整流部とを備える。また、電力トランス40cは、第1の実施形態の交流電力系統の周波数の電力トランス40aではなく、スイッチ部30aのスイッチング周波数に対応する高周波の電力トランス40cである。また、電圧センストランス55に替え、ホトカプラ56を用いているが、電圧センストランス55を用いても良い。制御部50aから出力されるスイッチ制御信号CSないしスイッチ制御信号CSは図3に示すものとは異なる(図13を参照)。
第3の実施形態の電力トランス40dには、1次側巻線Nにスイッチング周波数の正方向、負方向の高周波電流が交互にトランス電流Iとして流れる。これによって、電力トランス40dは高周波トランスとして構成可能となりトランスの小型化ができる。
2次巻線は2次側巻線N21と2次側巻線N22とを備え、2次側巻線N21と2次側巻線N22との接続点は中間タップを形成する。第1の高周波整流部は、ダイオードD、ダイオードD、ダイオードDおよびスイッチSを有し、第2の高周波整流部は、ダイオードD、ダイオードD、ダイオードDおよびスイッチSを有し、第1の高周波整流部と第2の高周波整流部との共有部としてインダクタ38およびコンデンサ39からなるスイッチング周波数成分を除去するローパスフィルタとして機能する高周波フィルタ部を備える。第1の高周波整流部、第2の高周波整流部および高周波フィルタ部はいずれもスイッチング周波数に対応可能な部材である。
図13は、第3実施形態のスイッチ部30aの動作を中心に説明するタイミングチャートである。
図13の上段から順に、図13(a)はスイッチSが導通している時刻および時間、図13(b)はスイッチSが導通している時刻および時間、図13(c)はスイッチS、スイッチSが導通している時刻および時間、図13(d)はスイッチS、スイッチSが導通している時刻および時間、図13(e)はトランス電流I、図13(f)は入力電流IIN、図13(g)はコンデンサ39の両端電圧、図13(h)は入力電圧・電流インターフェイス506の図示しないハードウエア(例えば、整流回路と抵抗とコンデンサのフィルタ)によって検出する、トランス電流Iの正、負側絶対値の平滑値、すなわち、入力電流IINの平滑値、の各々を示す。
図13(a)ないし図13(h)の横軸は同一の時刻tを表す。図13(a)ないし図13(d)の各々の長方形部分が導通している時間、それ以外は切断を表す。図13(e)のトランス電流Iは、横軸より上の長方形部分が正方向の電流、下の長方形部分が負方向の電流である。図13(f)の入力電流IINトランス電流Iの絶対値の正方向の電流である。図13(c)ないし図13(f)の長方形部分はいずれもスイッチング周波数においてパルス幅が変化するPWM(ピーダブリュエム)波形である。パルス周期は、例えば、スイッチング周波数が50kHzのときは、図13(c)、図13(d)の各信号の周期は20μsec(スイッチング周期T)である。
従って、周期Tが20μsec、周期TACが20msecのときは、周期TAC/周期T=1000である。実施形態では周期TAC/2に対して500個の周期Tが対応するのであるが、図13においては見易くするために、500個を5個(導通時間τが0も含む)に置き替えて動作の説明をしている。
スイッチSとスイッチSとは同時に導通し、同時に切断する。スイッチSとスイッチSとは同時に導通し、同時に切断する。スイッチSとスイッチSとが導通するときはスイッチSとスイッチSとは切断し、スイッチSとスイッチSとが導通するときはスイッチSとスイッチSとは切断する。そして、スイッチSとスイッチSとが同時に導通する場合に、スイッチS、1次側巻線N、スイッチSの順の方向に流れる電流路(第1の電流路)が形成される。一方、スイッチSとスイッチSとが同時に導通する場合に、スイッチS、1次側巻線N、スイッチSの順の方向に流れる電流路(第2の電流路)が形成される。
スイッチSとスイッチSの導通時間τに応じて第1の電流路を流れる電流の大きさが定まり、スイッチSとスイッチSの導通時間τに応じて第2の電流路を流れる電流の大きさが定まる。
制御部50aは、図13(e)に示すように第1の電流路を流れる正方向電流、第2の電流路を流れる負方向電流とスイッチング周期T/2毎に交互に切替えるので電力トランス40cはスイッチング周期Tが短くなる程、小型化できる。制御部50aがどのようにして所望の入力電流IINを流す制御をおこなうかについては、基本的な演算処理は第1の実施形態と同様である。異なる点は、入力電圧・電流インターフェイス506の図示しないハードウエアによって図13(h)に示すトランス電流Iの正、負側絶対値の平滑値を求める点と、この平滑値をトランス電流Iとして中央演算装置501が検出し、(数1)、(数3)を演算する点である。
また、制御部50aは、交流電力系統電圧信号SVACの極性を検出し、交流電力系統電圧信号SVACが正であるときは、図13(a)に示すスイッチ制御信号CSを出力してスイッチSを導通するように制御し、交流電力系統電圧信号SVACが負であるときは、図13(b)に示すスイッチ制御信号CSを出力してスイッチSを導通するように制御する。このようにして、交流電力系統60の電圧の極性と、電力供給装置3が出力する電圧の極性とを同一とすることができる。
制御部50aは、入力側の入力電圧VINが所定最低入力電圧VINMIN以上である場合にスイッチの導通時間を制御し2次巻線から得られる出力電力を受電対象である交流電力系統60に対して供給する電力供給処理を開始する。そして、第1の実施形態と同様に、予め定数Kの固定値を定め、または、定数Kの値を減じながら、電力P以上の伝送電力を維持する。そして、スイッチ部30aの伝送する伝送電力が所定電力である電力P未満である場合にスイッチを切断して前記電力供給処理を停止する。
このようにして電力P以上の電力を伝送し続ければ電力供給装置3の効率を高く保つことができる。しかしながら、電気二重層コンデンサ20aに蓄積されているエネルギが不足すると、定数Kの値を減じ電流IINを増加させても電力PINは増加せず、電力P以上を供給できない場合もある。そこで、電力Pの限界まで電力供給をするのではなく、動作に余裕を持たせ、以下のようにしても良い。
制御部50aは、電力供給処理を開始した後は、入力電圧VINを監視しながら、入力電流IINを調整して入力電力PINの値を制御する。具体的には、第1の実施形態と同様に、入力電圧VINが電力供給装置3の定格入力電圧の中心の定格中心入力電圧VINREFに維持されるように電力Pないし電力Pの範囲で入力電力PINを増減する。このような制御は、図5を参照して説明したものと同様である。
このようにして、制御部50aは、入力電圧VINを定格中心入力電圧VINREFに維持にしながら、電力Pないし電力Pの範囲で入力電力PINを供給する。そして、制御部50aは、入力電力PINが電力Pを下回る場合には、第1の電流路および第2の電流路を形成しないようにして、太陽電池からの電流をスイッチ部30aに供給することなく、電気二重層コンデンサ20aのみに蓄える。なお、太陽電池から取り出し得る最大電力よりも、電力Pが大きくなるようにスイッチ部30aと電力トランス40aとを主要構成部とするインバータの定格電力を定める場合には電力Pが電力伝送に際して制限となることはない。
第3の実施形態においては、分散型電源10から得られる電力が小電力である場合には電力伝送をすることなく電気二重層コンデンサ20aにエネルギを蓄え、効率ηが高い領域のみで分散型電源10から得られる電力を交流電力系統60に電力伝送する。よって、総合的な効率は従来技術に比べて向上する。
さらに、第3の実施形態においては、電力トランス40dとしてスイッチング周波数で動作する高周波トランスを用いるので装置の小型化を図ることができる。
(第3の実施形態の変形)
第3の実施形態の構成部の一部と、上述した第2の実施形態の構成部の一部または第2の実施形態の変形例とを組み合わせる新たな実施形態も実施可能である。
図14は、第3の実施形態の変形を示す図である。
図14は、第3の実施形態と図8に示す第2の実施形態とを組み合わせる実施形態である。図14に示す電力供給装置3aにおいては、第2実施形態と同様に、第1の電力供給ブロック(電気二重層コンデンサ20a、スイッチ部30a、電力トランス40dの1次側巻線N11を主要構成部とする)と第2の電力供給ブロック(電気二重層コンデンサ20a、スイッチ部30a、電力トランス40dの1次側巻線N12を主要構成部とする)とは同時に動作をしない。すなわち、第1の電力供給ブロックのスイッチ部30aが電力を供給する動作をするときには、第2の電力供給ブロックのスイッチ部30aは停止して電力を供給する動作をしない。また、第2の電力供給ブロックのスイッチ部30aが電力を供給する動作をするときには、第1の電力供給ブロックのスイッチ部30aは停止して電力を供給する動作をしない。
図14に示す電力供給装置3aの制御の処理は、図10に示す処理と同様である。
図15は、第3の実施形態の別の変形を示す図である。
図15は、第3の実施形態と図11に示す第2の実施形態の変形とを組み合わせる実施形態である。図15に示す第3の実施形態の変形においては、電力供給装置3bは、n個の電力供給ブロックを有し、n個の電力供給ブロックの各々は第3の実施形態と同様の構成を有する。制御部50cはn個の電力供給ブロックの中の1個の電力供給ブロックのみが電力供給をおこなう制御をおこなう。電力供給装置3bの制御の処理は、図10に示す処理と同様である。
[第4の実施形態]
図16は、第4の実施形態を示す図である。
上述した第1の実施形態ないし第3の実施形態は、分散型電源から受電対象である交流電力系統に対して電力を供給する実施形態であるが、第4の実施形態は受電対象である直流電力系統62に対して電力を供給する実施形態である。
図16に示す第4の実施形態の電力供給装置4は、直流電力を出力する。よって、電力供給装置4は、図12に示す第3の実施形態の電力供給装置3と比較すると、電力トランス40dの2次側の構成が以下の点で異なる。第3の実施形態では電力トランス40dの2次側に交流電圧を出力するのに対して、第4の実施形態では電力トランス40dの2次側に直流電圧を出力する。また、第3の実施形態では高周波の電力トランスを用いて電力伝送をするのに対して、第4の実施形態では商用周波数を用いて電力伝送をする。このために、第3の実施形態では電力トランス40dの2次側に高周波ダイオードであるダイオードDないしダイオードDを備えるが、第4の実施形態では商用周波のブリッジ整流器を用い、スイッチS、スイッチSは不要である。
電力供給装置4は分散型電源10で得られる電力を直流電力系統62に対して供給する。電力供給装置4と電力供給装置3とは、電力系統に供給する電力が直流電力であるか交流電力であるか以外の違いはない。従って、第3の実施形態と同様の制御方式の採用が可能である。ただし、直流電力の場合には力率の概念はなく、力率は常に1と考えることができ、第4の実施形態においては、電力供給装置4が出力する直流電圧が直流電力系統62の電圧よりも高ければ力率1で、電力供給装置4から直流電力系統62に対する電力供給が可能である。一方、第3の実施形態においては、電力供給装置3から出力する交流電流の波形が交流電力系統の電圧波形と相似形でなければ力率1で、電力供給装置3から交流電力系統に対する電力供給ができない。
従って、第4の実施形態においては、電力供給装置4が供給する入力電流IINの電流波形と直流電力系統62の電圧波形との位相を合わせる力率改善の処理は当然ながら必要ない。入力電力PINが電力Pを下回ることなく電力の供給をする電力伝送の方法は第4の実施形態と第3の実施形態とで異なりはない。
(数1)は、交流電力、直流電力を問わず定数Kの減増によって入力電流IINの増減ができることを表す。よって、第1の実施形態、第3の実施形態におけると同様の制御方法が採用できる。具体的には、制御部50aは、入力側の入力電圧VINが所定最低入力電圧VINMIN以上である場合にスイッチの導通時間を制御し2次巻線から得られる出力電力を受電対象である直流電力系統62に対して供給する電力供給処理を開始する。そして、第1の実施形態、第3の実施形態と同様に、予め定数Kの固定値を定め、または、定数Kの値を減じながら、電力P以上の伝送電力を維持する。そして、スイッチ部30aの伝送する伝送電力が所定電力である電力P未満である場合にスイッチを切断して前記電力供給処理を停止する。
第4の実施形態においては、受電対象が直流電力系統62であるところから、同じ制御の効果をより簡易な処理によって得ることができる。以下に、より簡易な処理の内容について説明をする。
制御部50aがおこなう制御の概略を以下にまとめる。
入力電力PINの実効値は、(数9)で表され、(数3)で表される交流電力の場合とは演算が異なる。つまり、直流電力であるので瞬時の電力は実効電力と等しい。
IN=VIN×IIN・・・・・・・・・・・(数9)
また、スイッチSないしスイッチSの導通する導通時間τは(数10)であらわされ、(数1)で表される交流電力の場合とは演算が異なる。
τ=K×(PREF−PIN
=K×{PREF−(VIN×IIN)}・・(数10)
制御部50aは、入力電圧VINと入力電流IINとを得て、(数9)に基づき入力電力PINを演算し、(数10)に基づきスイッチSないしスイッチSの導通する導通時間τを変化させ、入力電力PINの値が規定電力PREFとなるようにフィードバック制御をおこなう。この演算によって、正確に規定電力PREFの伝送電力を維持することができる。規定電力PREFを電力P以上とすれば、電力供給装置4は高効率で動作する。
交流電力系統におけると同様に直流電流系統においても、以下のようにして入力電圧VINを定格中心入力電圧VINREFとなす制御をおこなうことができる。
制御部50aは、入力電圧VINが定格中心入力電圧VINREF以上となると、入力電力PINを増加する。一方、入力電圧VINが定格中心入力電圧VINREF未満となると、入力電力PINを減少する。このようにして、入力電圧VINが定格中心入力電圧VINREFとなるようにしながら、電力Pないし電力Pの範囲で入力電力PINを制御する。そして、入力電力PINが電力Pを下回ると、電力供給装置4は直流電力系統62に対する電力供給を停止する。
制御部50aは、入力電力PINを規定電力PREFになるようにする制御と、入力電圧VINが定格中心入力電圧VINREFになるようにする制御とを併用してより高度の制御をおこなうことができる。制御処理が複雑であるのでフローチャートを用いて説明をする。
(制御処理のフローチャート)
図17は、第4の実施形態の電力供給装置の制御部の中央演算装置がおこなう処理を示すフローチャートである。
図17を参照して、制御部50aの中央演算装置501がおこなう演算、制御について説明をする。中央演算装置501は、図17(a)のイニシャル処理のスタートからリターンまでの一連の処理と、図17(b)の電力供給処理のスタートからリターンまでの一連の処理とを割込によって実行する。
中央演算装置501は、図17(a)のイニシャル処理のスタートからリターンまでの一連の処理を中央演算装置501のリセットの直後または割込レジスタにイニシャル処理の先頭番地が書き込まれている場合に実行する。中央演算装置501は、図17(b)の電力供給処理のスタートからリターンまでの一連の処理を、割込レジスタに電力処理の先頭番地が書き込まれている場合に実行する。すなわち、イニシャル処理のみを実行する割込処理、電力供給処理のみを実行する割込処理、イニシャル処理に続いて電力供給処理を実行する割込処理の3種類がある。割込は、タイマー割込であり、割込の周期は周期Tであるとして以下に説明をする。
(イニシャル処理)
図17(a)に示すイニシャル処理は、図5(a)に示すイニシャル処理と以下の点が異なる。ステップST21は、定数K、微差ΔKのロムからの読出しがない点においてステップST11と異なる。ステップST22ないしステップST24は、ステップST12ないしステップ14の各々と同じである。
(電力供給処理)
電力供給処理においては、中央演算装置501は、電力供給装置1から交流電力系統60に対して電力供給をするか否かを判断する。中央演算装置501は、電力供給の制御をする場合には、入力電圧VINを電力供給装置1の定格電圧の中心の電圧である定格中心入力電圧VINREFに保つようにするための入力電力PINである規定電力PREFの範囲を電力Pから分散型電源10の最大能力である電力Pまでの間に自動設定をする。この目的を達するために、中央演算装置501は、イニシャル処理で設定した初期値である、規定電力PREFを割込処理毎に更新し、更新した規定電力PREFをレジスタに格納する。中央演算装置501は、割込毎の電力制御の各種演算においてレジスタに格納された更新された規定電力PREFを使用する。
ステップST201において中央演算装置501は、入力電圧・電流インターフェイス506を介して入力電圧VIN、トランス電流Iを取得し、トランス電流Iから入力電流IINを取得する。
ステップST202において中央演算装置501は、(数9)に基づいて入力電力PINを演算する。
ステップST203において中央演算装置501は、(数10)に基づいてスイッチ導通の導通時間τを演算する。
ステップST204において中央演算装置501は、スイッチ部インターフェイス504を介して、スイッチ導通の導通時間τを反映するスイッチ制御信号CSないしスイッチ制御信号CSを出力する。
スイッチ制御信号CSないしスイッチ制御信号CSの各々によってスイッチ部30aのスイッチSないしスイッチSの各々は制御される。
ステップST205において中央演算装置501は、入力電力PINが規定電力PREF以上であるか否かを判断し、入力電力PINが規定電力PREF以上である場合(Yes)には処理をステップST206に移し、入力電力PINが規定電力PREF未満である場合(No)には処理をステップST207に移す。
ステップST206において中央演算装置501は、規定電力PREFに微差ΔPを加算して規定電力PREFの値をより大きくし、更新した規定電力PREFの値をレジスタに書き込む。
規定電力PREFの値をより大きくすると、次の割込において、入力電力PINは、より大きくした規定電力PREFに近づき、その結果として、入力電圧VINは低下して入力電圧VINを定格中心入力電圧VINREFに保つことができる。
ステップST207において中央演算装置501は、規定電力PREFから微差ΔPを減算して規定電力PREFの値をより小さくし、更新した規定電力PREFの値をレジスタに書き込む。
規定電力PREFの値をより小さくすると、次の割込において、入力電力PINは、より小さくした規定電力PREFに近づき、その結果として、入力電圧VINは上昇して入力電圧VINを定格中心入力電圧VINREFに保つことができる。
ステップST208において中央演算装置501は、入力電力PINが電力P以上であるか否かを判断し、入力電力PINが電力P以上である場合(Yes)には電力供給処理は終了し、入力電力PINが電力P未満である場合(No)にはステップST209に処理を移す。そして、Yesの場合には、次の割込では、再び電力供給処理をおこなう。
ステップST209において中央演算装置501は、イニシャル処理の先頭番地を割込レジスタに書き込み、電力供給処理は終了する。そして、次の割込では、イニシャル処理をおこなう。
このようにして、制御部50aは、入力電圧VINを定格電圧の中心電圧である定格中心入力電圧VINREFに保ちながら、効率ηが高い電力Pないし電力Pの範囲の入力電力PINを直流電力系統62に対して供給する。制御部50aは、入力電力PINが電力Pを下回る場合には、第1の電流路および第2の電流路を形成しないようにして電力供給装置1の動作を停止し、分散型電源10からの電流を電気二重層コンデンサ20aのみに蓄える。なお、太陽電池から取り出し得る最大電力よりも、電力Pが大きくなるようにスイッチ部30aと電力トランス40aとを主要構成部とするインバータの定格電力を定める場合には電力Pが電力伝送に際して制限となることはない。
第4の実施形態においては、分散型電源10から得られる電力が小電力である場合には電力伝送をすることなく電気二重層コンデンサ20aにエネルギを蓄え、効率ηが高い領域のみで分散型電源10から得られる電力を直流電力系統62に電力伝送する。よって、総合的な効率は従来技術に比べて向上する。
(第4の実施形態の変形)
図18は、第4の実施形態の変形を示す図である。図19は、第4の実施形態の別の変形を示す図である。
図18は、n個の電力ブロックを有する構成の場合の変形である。図19は、電力トランス40dを高周波トランス、2次側をスイッチング周波数に対応する高周波ダイオードとインダクタ38とで構成する場合である。
第4の実施形態は直流電流系統に対して直流電力を供給する点において、交流電流系統に対して交流電力を供給する第1の実施形態ないし第3の実施形態と異なる。そのために、1次側については力率改善のための構成が無くてもよく、2次側から直流を出力する構成が必要であるが、電力系統に対する電力伝送の方式の基本は共通する。よって、図示はしないが第4の実施形態の構成部の一部と、上述した第1の実施形態ないし第3の実施形態各々の実施形態の構成部の一部とを組み合わせる新たな実施形態も実施可能である。
[第5の実施形態]
図20は、第5の実施形態を示す図である。
図20に示す第5の実施形態の電力供給装置5は分散型電源10で得られる電力を直流負荷70と蓄電器80に対して供給する。第5の実施形態と第4の実施形態とは、直流電力を出力する電力トランス40aの2次側については同様の構成が可能である。
図20に示す第5の実施形態の電力供給装置5は、スイッチ部30aと制御部50aと電力トランス40aと2次側の整流回路であるブリッジ整流器91と電流センサ36とインダクタ35とを備える。電力供給装置5の出力端子に並列に蓄電器80が接続される点が第4の実施形態とは異なる。蓄電器80の作用は、電力供給装置5の出力端子からの電力の供給が停止したときに、直流負荷70に電力を供給するとともに直流負荷電圧Vを一定値に保持するものである。
第5の実施形態において、制御部がおこなう処理は、第4の実施形態と同様に図17に示す処理を用いることができる。
電力供給装置5の出力側からの2次巻線側電流Iは、直流負荷70と蓄電器80とに分流するので、直流負荷70に流れる電流がより小さいときは蓄電器80により大きな電流が流れる。また、蓄電器80の充電された状態が不十分であるときは大きな充電電流が蓄電器80に流れ、蓄電器80の充電された状態が十分であるときはより小さな充電電流が流れ、蓄電器80の充電された状態が完全であるときには充電電流は流れない。このようにして、電力Pないし電力Pの範囲で入力電力PINを制御する。そして、入力電力PINが電力Pを下回ると、電力供給装置5は出力端子から直流負荷70および蓄電器80に対する電力供給を停止する。直流負荷70の両端の直流負荷電圧Vは、蓄電器80の充電された状態、入力電力PINに応じて僅かに変動するが、直流負荷70の動作に影響は与えない。
(第5の実施形態の変形)
第5の実施形態は、第4の実施形態の直流電力系統62を直流負荷70と蓄電器80に替えるものであるので、このような置き替えをすれば、第4の実施形態の変形のすべてを第5の実施形態の変形とすることができる。図21はこのような置き替えの例である。図21に示す実施の形態において上述した実施形態と同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図21は、第5の実施形態の変形を示す図である。
図21は、第5の実施形態の構成の一部と第2の実施形態の変形の構成の一部とを組み合わせる実施形態である。第5の実施形態の変形はこれらに限られず、図示はしないが第5の実施形態の構成部の一部と、上述した第1の実施形態ないし第4の実施形態の各々の実施形態の構成部の一部とを組み合わせる新たな実施形態も実施可能である。
[第6の実施形態]
図22は、第6の実施形態を示す図である。
第6の実施形態において、電力供給装置6は受電対象である直流負荷70に電力を供給する。電力供給における制御方法は第1の実施形態ないし第5の実施形態およびそれらの変形と共通する。具体的には、制御部50aは、入力側の入力電圧VINが所定最低入力電圧VINMIN以上である場合にスイッチの導通時間を制御し2次巻線から得られる出力電力を受電対象である直流負荷70に対して供給する電力供給処理を開始する。そして、第1の実施形態ないし第5の実施形態と同様に、予め定数Kの固定値を定め、または、定数Kの値を減じながら、電力P以上の伝送電力を維持する。そして、スイッチ部30aの伝送する伝送電力が所定電力である電力P未満である場合にスイッチを切断して前記電力供給処理を停止する。ここで、スイッチの導通時間の制御は直流負荷70の電圧が所定電圧となるように制御する。
第6の実施形態の電力供給装置6の構成部について説明をする。直流電力を出力する電力トランス40aの2次側については第4の実施形態と同様の構成が可能である。ただし、第4の実施形態においては制御部が、電力供給装置4が出力する直流電力系統電圧VDCを制御しないが、第6の実施形態においては制御部が直流負荷電圧Vを制御する点において相違する。また、直流負荷電圧Vを制御するために、2次側の直流負荷電圧Vから1次側の直流負荷電圧信号SVを検出する検出部、例えば、ホトカプラ56が必須である。
第6の実施形態の電力供給装置6の制御部50aがおこなう制御の概略を以下にまとめる。
スイッチSないしスイッチSの導通する導通時間τは、(数11)であらわされる。通常の安定化電源と同様に、直流負荷電圧信号SVを基準電圧VREFと等しくするために導通時間τを制御するものである。ここで、直流負荷70を接続する電力供給装置6の出力端子における直流負荷電圧Vと直流負荷電圧信号SVの電圧比率は所定比率Kである。
τ=K×(VREF−SV)・・・・・・(数11)
制御部50aは、入力電圧・電流インターフェイス506を介して入力電圧VINとトランス電流Iから入力電流IINとを得て、2次側インターフェイス505を介して直流負荷電圧信号SVを得る。(数9)に基づき入力電力PINを演算し、(数11)に基づきスイッチSないしスイッチSの導通する導通時間τを得て、直流負荷電圧信号SVの値が基準電圧VREFとなるようにフィードバック制御をおこなう。基準電圧VREFは、直流負荷70の両端の直流負荷電圧Vと所定比率となるように設定される。よって、フィードバック制御の作用によって、電力供給装置6の出力端子の電圧は一定の電圧Vとなるように制御される。
(制御処理のフローチャート)
図23は、第6の実施形態の電力供給装置の制御部の中央演算装置がおこなう処理を示すフローチャートである。
図23を参照して、制御部50aの中央演算装置501がおこなう演算、制御について説明をする。中央演算装置501は、図23(a)のイニシャル処理のスタートからリターンまでの一連の処理と、図23(b)の電力供給処理のスタートからリターンまでの一連の処理とを割込によって実行する。
中央演算装置501は、図23(a)のイニシャル処理のスタートからリターンまでの一連の処理を中央演算装置501のリセットの直後または割込レジスタにイニシャル処理の先頭番地が書き込まれている場合に実行する。中央演算装置501は、図23(b)の電力供給処理のスタートからリターンまでの一連の処理を、割込レジスタに電力処理の先頭番地が書き込まれている場合に実行する。すなわち、イニシャル処理のみを実行する割込処理、電力供給処理のみを実行する割込処理、イニシャル処理に続いて電力供給処理を実行する割込処理の3種類がある。割込は、タイマー割込であり、割込の周期は周期Tであるとして以下に説明をする。
(イニシャル処理)
図23(a)に示すイニシャル処理は、ステップST31では、最低入力電圧VINMINと定数Kと基準電圧VREFと電力Pとをロム503から読み出しレジスタに格納する。また、スイッチ制御信号CSないしスイッチ制御信号CSのすべてを導通時間τ=0に設定する。
ステップST32ないしステップST34は、ステップST22ないしステップST24の各々と同じである。
(電力供給処理)
ステップST301において中央演算装置501は、入力電圧・電流インターフェイス506を介して入力電圧VINを取得し、トランス電流Iから入力電流IINを取得する。また、2次側インターフェイス505を介して直流負荷電圧Vと所定比率Kの直流負荷電圧信号SVを取得する。
ステップST302において中央演算装置501は、(数9)に基づいて入力電力PINを演算する。
ステップST303において中央演算装置501は、(数11)に基づいてスイッチ導通の時間である導通時間τを演算する。
ステップST304において中央演算装置501は、スイッチ部インターフェイス504を介して、スイッチ導通時間τを反映するスイッチ制御信号CSないしスイッチ制御信号CSを出力する。
スイッチ制御信号CSないしスイッチ制御信号CSの各々によってスイッチ部30aのスイッチSないしスイッチSの各々は制御され、直流負荷電圧信号SVは基準電圧VREFに近づく。
ステップST305において中央演算装置501は、入力電力PINが電力P以上であるか否かを判断し、入力電力PINが電力P以上である場合(Yes)には電力供給処理は終了し、入力電力PINが電力P未満である場合(No)にはステップST306に処理を移す。Yesの場合には、次の割込処理は電力供給処理である。
ステップST306において中央演算装置501は、イニシャル処理の先頭番地を割込レジスタに書き込み、電力供給処理は終了する。そして次の割込処理はイニシャル処理である。
このようにして、制御部50aは、直流負荷電圧信号SVを基準電圧VREFに保ちながら、すなわち、直流負荷電圧Vを所望の定電圧に保ちながら、効率ηが高い電力Pないし電力Pの範囲の入力電力PINを直流負荷70に対して供給する。制御部50aは、入力電力PINが電力Pを下回る場合には、第1の電流路および第2の電流路を形成しないようにして電力供給装置5の動作を停止し、分散型電源10からの電流を電気二重層コンデンサ20aのみに蓄える。このときに、直流負荷70に対してコンデンサ39から電力が供給される。
従来の技術では、分散型電源10から得られる電力が小電力であってもスイッチ部30aと電力トランス40aとを主要構成部とするインバータは、常時、少なくとも直流負荷70に電力伝送するように動作したので、効率ηは悪かった。第6の実施形態においては、分散型電源10から得られる電力が小電力である場合には電力伝送をすることなく電気二重層コンデンサ20aにエネルギを蓄え、効率ηが高い領域のみで分散型電源10から得られる電力を直流負荷70対して電力伝送する。よって、総合的な効率は従来技術に比べて向上する。
(第6の実施形態の変形)
図24は、第6の実施形態の変形を示す図である。
第6の実施形態の電力供給装置6の直流負荷70は一般の電子機器であるので、分散型電源10の発電電力が減少する場合でも電力の供給の停止をすることができない。図24に示す第6の実施形態の変形の電力供給装置6aは、複数の分散型電源および電気二重層コンデンサを備え、電力供給が可能なエネルギが十分に蓄えられた電気二重層コンデンサに接続される電力供給ブロックから順次、直流負荷70に対して電力を供給するものである。このような構成を採用すれば、ある電気二重層コンデンサのエネルギが減少した場合でも、別の電気二重層コンデンサのエネルギを直流負荷70に供給し、直流負荷70に対する電力の供給を継続できる。
図25は、第6の実施形態の変形の電力供給装置の制御部の中央演算装置がおこなう処理を示すフローチャートである。
制御部の中央演算装置がおこなう処理は、図10に示す処理と同様に、複数の電力供給処理を選択的におこなうが、各々の電力供給処理の内容は図23に示す内容と同じである。イニシャル処理においてレジスタに読み出す初期値の設定は、図23に示す処理と同じである。
(その他の変形)
図26、図27は、1次側回路についての変形である。
図26、図27は、上述したすべての実施形態の1次側回路について実施可能な変形である。図26は、1次側については周知なるハーフブリッジ回路を採用するものであり、上述したすべての実施形態において構成の一部とすることができる。図27は共振型回路を採用するものであり、導通時間τを変えるのではなく導通時間τは一定としてスイッチング周期を変え、トランスに流れる電流は電流共振によって正弦波とするとともにゼロ電圧スイッチングするものであり、上述したすべての実施形態において構成の一部とすることもできる。
また、2次側の整流回路については、両波整流回路、全波整流回路、同期整流回路等の周知なる種々の整流回路を用いることができる。
また、電力供給装置の入力電力PINが電力P以上、電力P未満の場合に電力供給装置が動作することに替え、電力供給装置の出力電力POUTが電力P×1/η以上、電力P×1/η未満の場合に電力供給装置が動作するようにしても良い。両者は、電力供給装置が伝送する電力を入力側で定義するか、出力側で定義するかの違いに過ぎない。要は、電力供給装置が高効率を維持して伝送できる電力が第1の所定電力以上、または、第1の所定電力以上および第2の所定電力未満の場合に電力供給装置が動作するようにすれば良い。
また、上述した実施形態では、分散型電源に並列に接続される電気二重層コンデンサは電力供給装置の外部に配置され、電力供給装置の入力側に接続されるが、電気二重層コンデンサを電力供給装置の内部に配置する電力供給装置も実施可能である。
また、電気二重層コンデンサは大容量コンデンサの一種であり、大容量コンデンサであれば電気二重層コンデンサに替え実施形態に用いることができる。例えば、電解コンデンサを並列接続したものを電気二重層コンデンサに替えて用いることができる。また、電気二重層コンデンサに替えてリチウムイオンキャパシタを用いることもできる。リチウムイオンキャパシタは、リチウムイオン二次電池の負極と電気二重層の正極を組み合わせた構造を有する大容量コンデンサの一種である。
要するに、第1の実施形態を参照して説明をしたように、本実施形態の電力供給装置の入力側に接続するコンデンサは、「分散型電源(分散型電源10)からの電力の供給がない場合においても少なくとも所定時間(時間T)の間は所定電力(電力P)を供給し続けても両端(そのコンデンサの両端)の電圧が所定電圧(定格中心入力電圧VINREF)までは減少しない容量(静電容量)を有するものでなければならないということである。また、「所定時間(時間T)」は、上述したように電力供給装置が短時間で動作と停止とを繰り返すことを防止してより効率を向上させるという観点から定める時間である。
また、図5、図10、図17に記載のフローチャートにおいて、「定格中心入力電圧VINREF」を、「定格下限入力電圧VINREFMINから定格上限入力電圧VINREFMAXまでの間の任意の電圧」に置き替えることもできる。
図28は、実施形態の2次側の電流センサを示す図である。
図29は、実施形態の効率演算処理を示すフローチャートである。
図28に示すように、例えば、電力供給装置3aは、2次側の電流センサ37を設け、2次巻線側電流Iに応じた2次巻線側電流信号SIを中央演算装置501が検出する。2次側の電圧センサを用いない実施形態を示す図16、図18、図19、図20、図21においては、さらに2次側の電圧センサ、例えば、ホトカプラ56を設け、直流電力系統電圧VDCに応じた、直流電力系統電圧信号SVDCを検出する。そして、中央演算装置501は、受電対象が交流電力系統60である場合には(数4)に基づきRe(VAC×I)を演算し、受電対象が直流電力系統62である場合には同様にしてRe(VDC×I)を演算し、受電対象が直流負荷70である場合には同様にしてRe(V×I)の各々を演算して実効電力である出力電力POUTを算出することができる。
図29のフローチャートは、タイマー割込においておこなう処理である。実際の実効電力である入力電力PINと2次側から受電対象に対して出力される実際の実効電力である出力電力POUTとを演算し、入力電力PIN/出力電力POUTを演算して効率ηを算出し、効率ηが所定値を下回る場合には電力供給装置から受電対象に対する電力供給を停止するようにしても良い。図29に示すフローチャートは、例えば、独立した効率演算処理のルーチンとすることによって、上述したすべて電力供給処理と併用することができる。
要するに、効率演算処理は以下のように機能する。受電対象に電力を供給する電力供給処理を開始し、割込毎に入力電力PIN/出力電力POUTを演算して効率ηを求め、効率ηが所定効率η未満である場合にスイッチを切断して電力供給処理を停止する。このようにすれば、電力供給装置1を高い効率で動作させることが可能である。
効率演算処理は、上述した各々の実施形態の電力供給処理に続けて同一の割込周期においておこなう。または、効率演算処理は、電力供給処理における入力電力PINが電力P以上であるか否かの判定の処理おこなわないように電力供給処理を変更し、このような電力供給処理に続けて同一の割込周期において効率演算処理をおこなう。
図29のフローチャートに示すように、効率演算処理においては、例えば、以下の処理を順次おこなう。
ステップST501において中央演算装置501は、受電対象に応じて出力電力POUTを演算する。
ステップST502において中央演算装置501は、(数5)に基づいて効率η=入力電力PIN/出力電力POUTを演算して効率ηを求める。入力電力PINは、既に電力供給処理において演算されている。
ステップST503において中央演算装置501は、効率ηが予め定めた効率η、例えば、95%以上であるか否かを判断し、効率ηが効率η以上である場合(Yes)には効率演算処理は終了し、効率ηが効率η未満である場合(No)にはステップST504に処理を移す。Yesの場合には、次の割込処理は電力供給処理である。
ステップST504において中央演算装置501は、イニシャル処理の先頭番地を割込レジスタに書き込み、電力供給処理は終了する。そして次の割込処理はイニシャル処理である。
上述したすべての実施形態の構成の一部分を組み合わせて、新たな実施形態とすることができる。
1、1a、2、2a、3、3a、3b、3c、4、4a、5、5a、6、6a 電力供給装置、 10、101、102、10n 分散型電源、 20a、20a、20a 電気二重層コンデンサ、 21 逆流防止ダイオード、 30a、30a、30a、30aa スイッチ部、 35、38、351、352 インダクタ、 36、361、362、37 電流センサ、 39 コンデンサ、 40a、40b、40c、40d 電力トランス、 50、50a、50b、50c 制御部、 55 電圧センストランス、 56 ホトカプラ、 60 交流電力系統、 61 交流発電機、 62 直流電力系統、 70 直流負荷、 80 蓄電器、 91 ブリッジ整流器、 501 中央演算装置、 503 ロム、 504 スイッチ部インターフェイス、 505 2次側インターフェイス、 506 入力電圧・電流インターフェイス、 CS、S11、CS12、CS、CS21、CS22、CS、S31、CS32、CS、CS、CS41、CS42、CS、CS スイッチ制御信号、 D、D、D、D、D、D ダイオード、 I 2次巻線側電流、 IIN、IIN、IIN2 入力電流、 I、IT1、IT2 トランス電流、 N、N11、N12、N1n 1次側巻線、 N、N21、N22 2次側巻線、 S、S11、S12、S、S21、S22、S、S31、S32、S、S41、S42、S、S、Sa、Sa スイッチ、 SI 2次巻線側電流信号、 SVAC 交流電力系統電圧信号、 SV 直流負荷電圧信号、VIN、VIN1、VIN2、INn 入力電圧、 V 直流負荷電圧

Claims (8)

  1. 自然環境に応じて発電電力が変化する分散型電源と前記分散型電源からの電力の供給がない場合においても少なくとも所定時間の間は所定電力を供給し続けても両端の電圧が所定電圧までは減少しない静電容量を有するコンデンサとの並列接続回路に入力側を接続して入力電力を入力し、出力側を受電対象に接続して出力電力を出力する電力供給装置であって、
    前記電力供給装置は、
    前記入力側に接続されるスイッチ部と、
    前記スイッチ部によって断続された電力を入力する1次巻線と前記出力側に接続される2次巻線とを有する電力トランスと、
    前記スイッチ部のスイッチの導通・切断を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記入力側の入力電圧が所定最低入力電圧以上である場合に前記スイッチの導通時間を制御し前記2次巻線から得られる出力電力を前記受電対象に対して供給する電力供給処理を開始し、
    前記スイッチ部の伝送する伝送電力が前記所定電力未満である場合に前記スイッチを切断して前記電力供給処理を停止する、
    電力供給装置。
  2. 前記電力供給装置は、
    複数個の前記コンデンサの各々に接続される複数個の前記スイッチ部と、
    前記複数個の前記スイッチ部の各々によって断続された電力の各々を入力する複数個の1次巻線を有し、
    前記制御部は、
    前記入力電圧が前記所定最低入力電圧以上である、前記複数個の中の一の前記スイッチ部のみを選択する選択処理をおこない、
    前記電力供給処理を開始し、前記電力供給処理を停止した後に、
    再び、前記選択処理に戻る一連の処理を繰り返す請求項1に記載の電力供給装置。
  3. 前記制御部は、
    前記所定電力の大きさを制御して前記入力電圧を定格電圧の範囲内の任意の電圧となるようにする、請求項1または請求項2に記載の電力供給装置。
  4. 前記受電対象は、交流電力系統であり、
    前記制御部は、
    さらに、前記交流電系統に対して供給する電流を前記交流電系統の電圧の相似形とする制御をする、請求項3に記載の電力供給装置。
  5. 前記受電対象は、
    直流電力系統である、請求項3に記載の電力供給装置。
  6. 前記受電対象は、
    並列接続される直流負荷と蓄電器とである、請求項3に記載の電力供給装置。
  7. 前記受電対象は、直流負荷であり、
    前記制御部は、
    前記直流負荷に供給する出力電圧を所定直流電圧に制御する、請求項1または請求項2に記載の電力供給装置。
  8. 前記コンデンサが、電気二重層コンデンサまたはリチウムイオンキャパシタである請求項1ないし請求項7の1項に記載の電力供給装置。
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