JP6124022B2 - 低炭素高マンガン鋼の溶製方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、炭素濃度が0.0050mass%以下の鋼を脱ガス設備で溶製する際、真空脱炭処理時間の20%が経過するまでの間に、炭素含有量が0.5〜9mass%のマンガン合金を添加し、マンガン合金中の炭素を酸化・除去することで溶鋼中のマンガン成分を調整する低炭素鋼の溶製方法が提案されている。
また、特許文献3には、炭素を含有するマンガン系合金鉄を溶鋼中に吹き込み添加(インジェクション添加)しながら溶鋼に真空脱炭処理を施すことで、溶鋼中のマンガン成分を調整する、炭素濃度が0.05mass%以下、マンガン濃度が0.3mass%以上である低炭素高マンガン鋼の溶製方法が提案されている。
0.5≦(G/F)/(G/F)st≦3.0 ・・・(1)
を満たすように上吹きランスから酸素含有ガスと燃料を供給することを特徴とする。
0.1≦G/S≦0.5 ・・・(2)
を満たすように上吹きランスから酸素含有ガスと炭素含有マンガン合金を供給することを特徴とする。
図2の複合ランスにおいて、中心孔は、図示のない酸素供給設備と連結されており、その酸素供給設備から供給される酸素が通る通路11と、その通路11の先端(ランス先端)において上記酸素を音速以上の速度で噴出して溶鋼浴の表面に吹き付けるノズル12からなる。なお、上記ノズル12は、ランス長さ方向で内径が等しいストイレートノズルとしてもよいが、酸素を高速で噴出する観点から、図2に示したように、通路径を局部的に狭めたスロート部13を有するラバールノズルを採用するのが好ましい。また、上記中心孔は、マンガン合金やマンガン鉱石、脱硫剤等の粉体副原料を貯蔵している図示のないホッパーとも連結されており、上記粉体副原料を搬送ガス(キャリアガス)によって粉体・キャリアガス通路16を介して搬送し、粉体・キャリアガス噴出孔17から溶鋼に添加することが可能となっている。なお、上記酸素としては、一般的には純酸素が、また、搬送ガスとしては、一般にArガスや窒素ガス等の不活性ガスが用いられる。
また、上記酸素含有ガスとしては、中心孔から噴出する酸素と同じ純酸素が一般的に用いられるが、支燃性であれば純酸素に限定されるものではなく、例えば、酸素富化空気、空気などを用いることもできる。
0.5≦(G/F)/(G/F)st≦3.0・・・(1)
を満たすように酸素含有ガスと燃料を供給することが重要である。
0.1≦G/S≦0.5 ・・・(2)
を満たすように上吹き複合ランスから酸素含有ガスとマンガン合金を供給することが重要である。
図3は、溶鋼を用いないラボ実験にて、上吹きランス先端のバーナーの火炎温度を種々に変えて、中心孔から噴出するマンガン合金を加熱し、ランス下方位置に設置した取鍋容器に向かって上吹き添加したときのマンガン合金中の炭素濃度を測定した結果を示したものである。なお、この実験では、マンガン合金としては炭素を7.5mass%含有する高炭素フェロマンガンを、その搬送ガスにはArガスを、火炎を形成する燃料にはプロパンガスを、酸素含有ガスには純酸素を用いた。
この図から、火炎温度の上昇とともにバーナー加熱後の高炭素FeMn中の炭素濃度は減少しており、特に火炎温度を1500℃以上とすることでマンガン合金中の炭素を効率よく酸化・除去できることがわかる。より好ましい火炎温度は1700℃以上である。
上記実験では、転炉において溶銑を脱炭精錬した溶鋼は、未脱酸のまま取鍋に出鋼した。転炉から出鋼した溶鋼の成分は、RH到着時で、Cが0.028〜0.031mass%、Siが0.05mass%以下、Mnが0.09〜0.12mass%、Pが0.03mass%以下、Sが0.003mass%以下、Oが0.03〜0.08mass%の範囲であった。なお、上記転炉の脱炭精錬では、マンガン源として、マンガン鉱石を添加した。
次いで、上記出鋼した未脱酸状態の溶鋼は、取鍋に容れたままRH真空脱ガス装置に搬送し、真空下で溶鋼を環流しながら、Mn濃度の調整のためのマンガン源として高炭素フェロマンガンを添加するとともに、Cを成分規格から要求される所定の濃度まで低減する脱炭精錬(リムド処理)を施した。
なお、マンガン源として添加した上記の高炭素フェロマンガンは、Cが約7mass%で、Mnが約75mass%のものを用い、ランスから搬送ガス(Arガス)とともに添加する場合は粒度が3mm以下のものを、副原料投入口から添加する場合は粒度が5〜20mmのものを用い、いずれの場合も添加速度は100〜500kg/minとした。
また、上吹きランス先端のバーナーに火炎を形成する場合には、燃料としてLPGを7Nm3/min(一定)、酸素含有ガスとして純酸素を20〜55Nm3/minの範囲で変えて供給し、火炎の形成条件および火炎温度を変化させた。
また、リムド処理における環流ガス(Arガス)の流量は1.5Nm3/min、真空槽の到達真空度は6.7kPa(各条件で一定)とした。
また、リムド処理後の溶鋼の目標成分は、C:0.002〜0.02mass%、Mn:0.3〜1.2mass%とし、リムド処理時に脱酸に必要な溶鋼中の酸素が不足している場合には、上吹きランス先端のノズルから酸素を溶鋼浴表面に吹き付け(送酸)ながら脱炭を行った。また、リムド処理後、Mn濃度が低すぎた場合には、炭素含有量が0.01mass%以下の金属マンガンを添加してMn濃度の調整を行った。
上記のようにしてリムド処理を完了した溶鋼は、引き続き、RH真空脱ガス装置で、真空下で溶鋼を環流させながら、溶鋼にAlやSi等の脱酸材を添加して脱酸した後、各種合金成分を添加して成分規格に適合した成分組成に調整するキルド処理を施し、低炭素高マンガン鋼を溶製した。
まず、No.10,11は、高炭素フェロマンガンを加熱することなく副原料投入口(図1の8)から真空槽内へ添加した例であり、非加熱の高炭素FeMn添加に伴う顕熱負荷によって、溶鋼温度が20℃以上低下しており、脱炭速度は0.0007〜0.0009mass%/minであった。
また、No.8,9は、高炭素フェロマンガンをバーナーの火炎で加熱せずにランス(図1の9)から溶鋼浴に上吹き添加した例であり、上記No.10,11と同様、非加熱の高炭素FeMn添加に伴う顕熱負荷による溶鋼の温度低下が大きく、脱炭速度も0.0008〜0.0010mass%/minと低位であった。
これに対して、No.1〜7は、高炭素FeMnを上吹きランスの先端に形成した火炎で加熱して溶鋼浴に上吹き添加した例であり、これらの例では、溶鋼温度がいずれも7℃以上上昇している。これは、高炭素FeMnを加熱して添加したことで、温度ロスが低減できたためと考えられる。
中でも、No.1〜4は、脱炭速度が0.0014〜0.0018mass%/minで、No.8〜11に比べて高位であった。これは、バーナーの火炎中でバーナーから供給された酸素と高炭素FeMn中の炭素が反応し、高炭素FeMn中の炭素が脱炭されたためであると考えられる。
しかし、(G/F)/(G/F)stの値が3超えであるNo.7は、脱炭速度は0.0014mass%/minと高位であるが、Mn歩留は66.7%で、No.1〜6に比べて低位であった。これは、高炭素FeMnに対する酸素の量が過剰であったため、バーナーの火炎中で高炭素FeMn中の炭素の酸化(脱炭)は促進されるものも、マンガンも酸化されたためであると考えられる。
一方、(G/F)/(G/F)stの値が0.5未満であるNo.6は、脱炭速度が0.0010mass%/minとNo.1〜4に比べて低位であった。これは、高炭素FeMnに対する酸素の量が不足して還元性の火炎となったため、脱炭が十分に進行しなかったためであると考えられる。
また、No.5も、脱炭速度が0.0013mass%/minとNo.1〜4に比べて比較的低位であった。これは火炎温度が低かったため、火炎中での脱炭が十分に進行しなかったためであると考えられる。
G/Sの値が0.1未満であるNo.12は、脱炭速度が0.0009mass%/minと、No.13〜16に比べて低位であった。これは、高炭素FeMn添加量に対して酸素の供給量が少なく、火炎内で十分に高炭素FeMnの脱炭が進行しなかったためと考えられる。
一方、G/Sの値が0.5超えであるNo.16は、Mn歩留が70.0%と、No.12〜15に比べて低位であった。これは過剰な酸素の供給により高炭素FeMn中のマンガンが酸化されたためであると考えられる。
2:取鍋
3:脱ガス部
4:真空槽
5,6:浸漬管
7:排気口
8:副原料投入口(シュート)
9:上吹きランス
10:環流ガス供給配管
11:酸素通路
12:ノズル
13:スロート部
14:燃料・酸素含有ガス通路
15:バーナー
16:粉体・キャリアガス通路
17:粉体・キャリアガス噴出孔
Claims (4)
- ランスの軸中心に設けられた、溶鋼に吹き付ける酸素が通る通路と、その通路の先端において上記酸素を噴出するノズルからなり、かつ、粉体副原料を搬送ガスによって搬送する粉体・キャリアガス通路と、その先端において粉体副原料を溶鋼に添加する粉体・キャリアガス噴出孔を有する中心孔と、
酸素含有ガスと燃料とで火炎を形成することができるバーナーからなる上吹きランスを備えた真空脱ガス装置を用いて鋼を溶製する方法において、
上記中心孔先端のノズルから炭素含有マンガン合金を搬送用ガスとともに噴出すると同時に、上記周囲孔先端のバーナーで形成した火炎で上記炭素含有マンガン合金を加熱し、脱炭して溶鋼中に上吹き添加することを特徴とする低炭素高マンガン鋼の溶製方法。 - 酸素含有ガスの供給速度をG(Nm3/min)、燃料の供給速度をF(Nm3/min)、上記燃料の供給速度Fに対する該燃料が完全燃焼するのに必要な酸素含有ガスの供給速度Gの化学量論比を(G/F)stとしたとき、上記G、Fおよび(G/F)stが下記(1)式を満たすように上吹きランスから酸素含有ガスと燃料を供給することを特徴とする請求項1に記載の低炭素高マンガン鋼の溶製方法。
0.5≦(G/F)/(G/F)st≦3.0 ・・・(1) - 酸素含有ガスの供給速度をG(Nm3/min)、炭素含有マンガン合金の供給速度をS(kg/min)としたとき、上記Sに対するGの比(G/S)が下記(2)式を満たすように上吹きランスから酸素含有ガスと炭素含有マンガン合金を供給することを特徴とする請求項1または2に記載の低炭素高マンガン鋼の溶製方法。
0.1≦G/S≦0.5 ・・・(2) - 上記周囲孔先端のバーナーで形成した火炎の温度を1500℃以上とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の低炭素高マンガン鋼の溶製方法。
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