JP6120105B2 - 無機微粒子複合体とその製造方法、組成物及び硬化物 - Google Patents
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Description
例えば、耐熱性や耐摩耗性といった、無機材料固有の特性を生かすような設計においては、極力小さい粒径の無機微粒子を高い濃度で配合することで、より高い複合化効果を期待することができる。粒径が小さいほど無機微粒子の重量当たりの表面積が大きくなり、有機ポリマーと無機材料との界面領域が広くなるためである。更に無機微粒子の濃度が高くなると、無機材料の特性をより強く出せることとなる。
一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造単位とシラノール基および/または加水分解性シリル基とを有するポリシロキサンセグメント(a1)と、ビニル系重合体セグメント(a2)が、一般式(4)で表される結合により結合された複合樹脂(A)と、無機微粒子(m)とが、上記ポリシロキサンセグメント(a1)でシロキサン結合を介して結合していることを特徴とする、無機微粒子複合体(M)を提供することで、上記課題を解決する。
炭素原子数が1〜6のアルキル基、炭素原子数が3〜8のシクロアルキル基、アリール基、炭素原子数が7〜12のアラルキル基、エポキシ基を表す)
アルコキシシランと無機微粒子(m)とを混合する工程2と、
アルコキシシランを縮合反応する工程3とを有することを特徴とする、無機微粒子複合体(M)の製造方法を提供する。
また、樹脂と無機微粒子(m)が強固に結合していることから、本発明の無機微粒子複合体(M)は、耐水性、耐光性、耐摩耗性に特に優れるため、屋外におけるハードコート用塗料としての使用に適しており、建材塗料、自動車等運搬装置用塗料、樹脂ガラス保護膜、船底塗料等に好適に使用可能である。
また、本発明の無機微粒子複合体(M)は、樹脂と無機微粒子(m)が強固に結合していることから、熱履歴があっても線膨張率が低いことから寸法安定性に優れるため、高精度な電気・電子部材用の耐熱材料として特に好適に用いることが可能である。
本発明で使用する複合樹脂(A)は、前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位とシラノール基および/または加水分解性シリル基とを有するポリシロキサンセグメント(a1)(以下単にポリシロキサンセグメント(a1)と称す)と、ビニル系重合体セグメント(a2)とが、前記一般式(4)で表される結合により結合された複合樹脂(A)であることを特徴とする。
本発明における複合樹脂(A)は、ポリシロキサンセグメント(a1)を有する。ポリシロキサンセグメント(a1)は、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有するシラン化合物を縮合して得られるセグメントであって、一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造単位と、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有する。
該ポリシロキサンセグメント(a1)の含有率が複合樹脂(A)の全固形分量に対して10−90重量%であることで、後述の無機微粒子(m)と結合が容易になるため好ましい。
具体的には、本発明のポリシロキサンセグメントは、下記一般式(1)及び(2)で表される構造単位とシラノール基および/または加水分解性シリル基とを有する。
また、前記炭素原子数が7〜12のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、ジフェニルメチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
前記重合性二重結合を有する基は、ポリシロキサンセグメント(a1)中に2つ以上存在することが好ましく、3〜200個存在することがより好ましく、3〜50個存在することが更に好ましく、より線膨張の低い成形物を得ることができる。具体的には、前記ポリシロキサンセグメント(a1)中の重合性二重結合の含有率が3〜35重量%であれば、所望の線膨張率を得ることができる。尚、ここでいう重合性二重結合とは、ビニル基、ビニリデン基もしくはビニレン基のうち、フリーラジカルによる生長反応を行うことができる基の総称である。また、重合性二重結合の含有率とは、当該ビニル基、ビニリデン基もしくはビニレン基のポリシロキサンセグメント中における重量%を示すものである。
重合性二重結合を有する基としては、当該ビニル基、ビニリデン基、ビニレン基を含有してなる公知の全ての官能基を使用することができるが、中でも−R4−C(CH3)=CH2や−R4−O−CO−C(CH3)=CH2で表される(メタ)アクリロイル基は、紫外線硬化の際の反応性に富むことや、後述のビニル系重合体セグメント(a2)との相溶性が良好となる。
本発明においてシラノール基とは、珪素原子に直接結合した水酸基を有する珪素含有基である。該シラノール基は具体的には、前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位の、結合手を有する酸素原子が水素原子と結合して生じたシラノール基であることが好ましい。
またアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−ビニルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基等が挙げられる。
またアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、ジフェニルメチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、第二ブトキシ基、第三ブトキシ基等が挙げられる。
またアシロキシ基としては、例えば、ホルミルオキシ、アセトキシ、プロパノイルオキシ、ブタノイルオキシ、ピバロイルオキシ、ペンタノイルオキシ、フェニルアセトキシ、アセトアセトキシ、ベンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ等が挙げられる。
またアリールオキシ基としては、例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ等が挙げられる。
アルケニルオキシ基としては、例えば、ビニルオキシ基、アリルオキシ基、1−プロペニルオキシ基、イソプロペニルオキシ基、2−ブテニルオキシ基、3−ブテニルオキシ基、2−ペテニルオキシ基、3−メチル−3−ブテニルオキシ基、2−ヘキセニルオキシ基等が挙げられる。
また前記加水分解性シリル基は具体的には、前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位の、結合手を有する酸素原子が前記加水分解性基と結合もしくは置換されている加水分解性シリル基であることが好ましい。
また、前記シラノール基や前記加水分解性シリル基を含むポリシロキサンセグメント(a1)と後述のビニル系重合体セグメント(a2)とを、前記一般式(3)で表される結合を介して結合させる際に使用する。
ポリシロキサンセグメント(a1)は、前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位と、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有する以外は特に限定はなく、他の基を含んでいてもよい。例えば、
前記一般式(1)におけるR1が前記重合性二重結合を有する基である構造単位と、前記一般式(1)におけるR1がメチル等のアルキル基である構造単位とが共存したポリシロキサンセグメント(a1)であってもよいし、
前記一般式(1)におけるR1が前記重合性二重結合を有する基である構造単位と、前記一般式(1)におけるR1がメチル基等のアルキル基である構造単位と、前記一般式(2)におけるR2及びR3がメチル基等のアルキル基である構造単位とが共存したポリシロキサンセグメント(a1)であってもよいし、
前記一般式(1)におけるR1が前記重合性二重結合を有する基である構造単位と、前記一般式(2)におけるR2及びR3がメチル基等のアルキル基である構造単位とが共存したポリシロキサンセグメント(a1)であってもよいし、特に限定はない。
本発明におけるビニル系重合体セグメント(a2)とは、ビニル基または(メタ)アクリル基含有モノマーを重合して得られる重合体セグメントであって、ビニル重合体セグメント、アクリル重合体セグメント、ビニル/アクリル共重合体セグメント等が挙げられ、これらは用途により適宜選択することが好ましい。本発明の無機微粒子複合体は、ビニル系重合体セグメント(a2)を有するため、無機微粒子を配合していても造膜性に優れる。
炭素原子に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系モノマーとしては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリ(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、2−トリメトキシシリルエチルビニルエーテル、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリクロロシラン等が挙げられる。中でも、加水分解反応を容易に進行でき、また反応後の副生成物を容易に除去することができることからビニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
本発明の無機微粒子複合体(M)は、複合樹脂(A)と無機微粒子複合体(M)が、上記ポリシロキサンセグメント(a1)でシロキサン結合を介して結合していることを特徴とするものである。
本発明で使用する無機微粒子(m)は、本発明の効果を損なわなければとくに限定は無いが、ポリシロキサンセグメント(a1)とシロキサン結合を介して結合する為、シロキサン結合を形成しうる官能基を有する。
シロキサン結合を形成しうる官能基とは、水酸基、シラノール基、アルコキシシリル基等、シロキサン結合を形成しうる官能基であれば何でも良い。シロキサン結合を形成しうる無機微粒子(m)自身が有しているか、無機微粒子(m)を修飾することで官能基を導入してもよい。
無機微粒子(m)の修飾方法としては、公知慣用の方法を用いればよく、シランカップリング剤処理や、シロキサン結合を形成しうる官能基を有する樹脂でコーティングを行う等の方法がある。
これらの無機微粒子(m)は、用途によって適時選択すればよく、単独で使用しても、複数種組み合わせて使用してもかまわない。また、上記無機微粒子(m)は、例に挙げた特製以外にも様々な特性を有することから、適時用途に合わせて選択すればよい。
また、市販のコロイダルシリカとしては、例えば、日産化学工業(株)製メタノ−ルシリカゾル、IPA−ST、PGM−ST、NBA−ST、XBA−ST、DMAC−ST、ST−UP、ST−OUP、ST−20、ST−40、ST−C、ST−N、ST−O、ST−50、ST−OL等を挙げることができる。
例えば耐熱材料の場合、低線膨張率と硬化物の高強度を両立させるためには、前記シリカ微粒子は5〜90重量%であることが好ましく、線膨張係数をより低下させるためには20〜90重量%の割合で添加することがより好ましく、更に好ましくは50〜90重量%である。
また、例えばハードコート塗料の場合、耐摩耗性と基板密着性を両立させるためには5〜90重量%が好ましく、耐摩耗性をより向上させるためには5〜60重量%であることが特に好ましい。
本発明の無機微粒子複合体(M)は、炭素原子に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を有するビニル系重合体セグメント(a2)を合成する工程1と、アルコキシシランと無機微粒子(m)とを混合する工程2と、アルコキシシランを縮合反応する工程3とを有することを特徴とする製造方法によって得ることができる。この時、各工程は別々に行ってもよく、同時に行ってもかまわない。例えば、次のような方法で製造することができる。
。さらにこの後、上記ビニル系重合体セグメント(a2)にシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するシラン化合物を加水分解縮合することで、炭素原子に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基に対し、ポリシロキサンセグメント前駆体を結合させておいても良い。
混合には、公知の分散方法を使用することができる。機械的手段としては、例えば、ディスパー、タービン翼等攪拌翼を有する分散機、ペイントシェイカー、ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等が挙げられ、均一に混合させるためにはガラスビーズ、ジルコニアビーズ等の分散メディアを使用するビーズミルによる分散が好ましい。
前述のポリシロキサンセグメント(a1)が有するシラノール基および/または加水分解性シリル基と、前述のビニル系重合体セグメント(a2)が有するシラノール基および/または加水分解性シリル基とを脱水縮合反応する場合、前記一般式(4)で表される結合が生じる。従って前記一般式(4)中、炭素原子は前記ビニル系重合体セグメント(a2)の一部分を構成し、酸素原子のみに結合したケイ素原子は、前記ポリシロキサンセグメント(a1)の一部分を構成するものとする。
また、シラノール基および/または加水分解性シリル基含有シラン化合物と無機微粒子(m)を混合した状態で縮合することで、シラノール基および/または加水分解性シリル基含有シラン化合物と無機微粒子(m)の間でシロキサン結合が形成され、ポリシロキサンセグメント(a1)と無機微粒子(m)が化学的に結合する。
n−ブトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシランもしくはブチルトリエトキシシラン等が挙げられ、好ましくはメチルトリメトキシシランである。
さらに、固形分量や粘度を調製する目的として、分散媒を使用してもよい。分散媒としては、本発明の効果を損ねることのない液状媒体であればよく、各種有機溶剤や水、液状有機ポリマーおよびモノマーが挙げられる。
本発明における組成物とは、無機微粒子複合体(M)を含有する組成物であり、樹脂を配合して樹脂組成物とすることができる。
樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂が挙げられ、反応性化合物を含有してもかまわない
本発明で使用できる反応性化合物としては、無機微粒子複合体(M)との硬化反応に直接寄与する反応性基を有するポリマーまたはモノマーを使用することができる。本発明の無機微粒子複合体(M)が反応性基を有する場合、該反応性基と反応する基を有する反応性化合物を使用した無機微粒子複合体(M)含有樹組成物は、無機微粒子複合体(M)と反応性化合物とが3次元架橋するため、硬化物からのブリードアウトや可塑化の問題もなく、特に耐候性や耐磨耗性に優れる硬化物が得られる。
ポリイソシアネートと系中の水酸基(これは、前記ビニル系重合体セグメント(a2)中の水酸基や後述のアルコール性水酸基を有する前記活性エネルギー線硬化性モノマー中の水酸基である)との反応は、特に加熱等は必要なく、室温に放置することで徐徐に反応していく。また必要に応じて、80℃で数分間〜数時間(20分〜4時間)加熱して、アルコール性水酸基とイソシアネートの反応を促進してもよい。その場合は、必要に応じて公知のウレタン化触媒を使用してもよい。ウレタン化触媒は、所望する反応温度に応じて適宜選択する。
例えば、前述のポリイソシアネートを併用する場合には、ペンタエリスリトールトリアクリレートやジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の水酸基を有するアクリレートが好ましい。また、架橋密度をより高めるために、ジ(ペンタエリスリトール)ペンタアクリレート、ジ(ペンタエリスリトール)ヘキサアクリレート等の特に官能基数の高い(メタ)アクリレートを使用することも有効である。
また、耐摩耗性を向上させる目的として、イソシアヌレート構造を有する多価(メタ)アクリレートを使用することが好ましく、具体的にはトリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、εカプロラクトン変性トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート等が挙げられる。
本発明の無機微粒子複合体(M)を含有する組成物は、組成物の固形分量や粘度を調製する目的として、分散媒を使用してもよい。
分散媒としては、本発明の効果を損ねることのない液状媒体であればよく、各種水性溶媒、有機溶剤、液状有機ポリマー等が挙げられる。
本発明の無機微粒子複合体(M)を含有する組成物は、そのまま使用することが可能であるが、硬化させて硬化物として使用することもできる。硬化方法は、無機微粒子複合体(M)の有する硬化可能な構造によって、公知慣用の硬化方法を選択すればよい。
本発明の無機微粒子複合体(M)の有するポリシロキサンセグメント(a1)が有する、シラノール基および/または加水分解性シリル基を介して硬化させる場合には、熱硬化を行えばよい。熱硬化では単独で加熱し硬化させることも可能であるが、以下のような公知な硬化触媒を併用することも可能である。例えば、塩酸、硫酸、燐酸等の無機酸類;p−トルエンスルホン酸、燐酸モノイソプロピル、酢酸等の有機酸類;水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム等の無機塩基類;テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタン酸エステル類;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、トリ−n−ブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、モノエタノールアミン、イミダゾール、1−メチルイミダゾール等の各種の塩基性窒素原子を含有する化合物類;テトラメチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、ジラウリルジメチルアンモニウム塩等の各種の4級アンモニウム塩類であって、対アニオンとして、クロライド、ブロマイド、カルボキシレートもしくはハイドロオキサイドなどを有する4級アンモニウム塩類;ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、オクチル酸錫又はステアリン酸錫など錫カルボン酸塩等が挙げられる。触媒は単独で使用しても良いし、2種以上併用しても良い。
また、ビニル系重合体セグメント(a2)またはポリシロキサンセグメント(a1)が重合性二重結合を有する基を有する場合には、熱重合開始剤を使用することで、反応させることができる。
また、ビニル系重合体セグメント(a2)またはポリシロキサンセグメント(a1)がエポキシ基を有する場合には、エポキシ基、水酸基、カルボキシル基または酸無水物、またはアミド基を有する化合物を配合することで、反応させることができ、汎用のエポキシ樹脂用硬化剤が使用可能である。
本発明の無機微粒子複合体(M)において、ビニル系重合体セグメント(a2)またはポリシロキサンセグメント(a1)が重合性不飽和基を有する場合には、耐熱材料に光重合開始剤を配合することで、光硬化することが可能である。光硬化としては、紫外線硬化が好ましい。
光重合開始剤としては公知のものを使用すればよく、例えば、アセトフェノン類、ベンジルケタール類、ベンゾフェノン類からなる群から選ばれる一種以上を好ましく用いることができる。前記アセトフェノン類としては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン等が挙げられる。前記ベンジルケタール類としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。前記ベンゾフェノン類としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル等が挙げられる。前記ベンゾイン類等としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等が挙げられる。光重合開始剤は単独で使用しても良いし、2種以上を併用してもよい。
本発明の無機微粒子複合体(M)を含有する組成物は、無機微粒子(m)と樹脂が強固に結合しており分散安定性に優れることから、ハードコート材料として好適に使用可能である。
ハードコート性を高めるため、例えばシリカを樹脂に配合した塗膜の場合、シリカが親水性であることから、シリカ部分から塗膜が水分によって浸食され劣化するという問題があったが、本発明の無機微粒子複合体(M)は、無機微粒子(m)と樹脂が強固に結合していることから耐水性に優れるため、屋外で使用する建築材料や自動車関連部材に好適に使用可能である。
また、結合していない無機微粒子として、アルミナ、マグネシア、チタニア、ジルコニア、シリカ等を別途配合してもかまわない。
本発明のハードコート材料を硬化することで、本発明のハードコート硬化物を得ることができる。ハードコート硬化物の形状としては特に制限はなく、例えば、シート状、板状、球状、フィルム状ないしは大型の構築物又は複雑なる形状の組立物あるいは成形物であってもよく、用途に応じて選択すればよい。
本発明のハードコード硬化物を基材上に形成することで、ハードコート性に優れた積層体を得ることができる。基材としては特に限定は無く、プラスチック、金属、木材、無機質、皮革及び人工皮革が挙げられ、基材はコーティングあるいは表面処理等を行ったものであってもかまわない。プラスチック基材に対しては、本発明の無機微粒子複合体(M)がビニル系重合体セグメント(a2)を有することから、特に基材密着性に優れるため好ましい。
本発明のハードコート材料を硬化してなるハードコート硬化物、及び該ハードコート硬化物を積層してなる積層体は、耐水性に優れるため屋外や水が大量にかかるような使用用途であっても好適に使用可能である。また、本発明のハードコート硬化物は、耐摩耗性に優れるためハードコート層として適している。また、本発明のハードコート硬化物は、耐水性だけでなく耐光性、耐候性も優れるため、屋外における使用に適し、建材塗料、自動車等運搬装置用塗料、樹脂ガラス保護膜、船底塗料等に好適に使用可能である。
本発明の無機微粒子複合体(M)を含有する組成物は、無機微粒子(m)と樹脂が強固に結合しており分散安定性に優れることから、耐熱材料として好適に使用可能である。
本発明の耐熱材料を硬化することで耐熱部材が得られる。当該複合樹脂(A)はポリシロキサンセグメント(a1)の加水分解縮合による結合がより強固であるうえ、無機微粒子(m)がポリシロキサンセグメントに直接結合しているため、得られる耐熱材料および耐熱部材の線膨張率が低くなる。
さらに、前記ポリシロキサンセグメント(a1)が、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有するシラン化合物を縮合して得られるセグメントであって、前記シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有するシラン化合物中において、炭素原子数が1〜4のアルキル基を有するアルキルトリメアルコキシシランが40モル%以上であると、複合樹脂(A)自体の耐熱性により優れるため、さらに好ましい。
本発明の耐熱材料を硬化することで、本発明の耐熱部材を得ることができる。耐熱部材の形状としては特に制限はなく、例えば、シート状、板状、球状、フィルム状ないしは大型の構築物又は複雑なる形状の組立物あるいは成形物であってもよく、用途に応じて選択すればよい。
また、本発明の耐熱材料は耐熱性に優れ低線膨張率であるため、強化繊維と複合化し、耐熱繊維強化樹脂としても好適に用いることができる。強化繊維としては、繊維強化樹脂に用いられるものであればよく、カーボン繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維、チタン酸カリ繊維、ステンレス繊維、ガラス布、ガラス不織布、ガラスマット、ガラスロービング布、等の無機繊維のほか、紙、アラミド紙、アラミド布、アラミド繊維、芳香族エステル繊維のような植物繊維といった有機繊維を用いてもよい。中でも、カーボン繊維とガラス繊維は、産業上利用範囲が広いため、好ましい。これらのうち、一種類のみ用いてもよく、複数種を同時に用いてもよい。
耐熱繊維強化樹脂は、強化繊維と本発明の耐熱材料とを複合化することによって得られる。
複合化の方法は、本発明の効果を損なわない範囲であればとくに限定はなく、強化繊維と耐熱材料とを、混練、塗布、含浸、注入、圧着、等の方法が挙げられ、強化繊維の形態及び耐熱繊維強化樹脂の用途によって適時選択することができる。
また、耐熱繊維強化樹脂を半硬化したプリプレグと呼ばれる状態を形成した後、最終硬化をおこなって耐熱硬化物である繊維強化樹脂成形体を形成してもよい。該繊維強化樹脂成形体を積層した積層体を形成する場合は、プリプレグを形成した後、その他の層を積層してから最終硬化を行うことで、各層が密着した積層体を形成できるため、好ましい。
積層体の基材としては、金属やガラス等の無機材料や、プラスチックや木材といった有機材料等、用途によって適時使用すればよく、積層体の形状としても、平板状でも三次元構造を有していても立体状であってもかまわない。
プリント配線基板や半導体パッケージ基板といった用途の場合、金属箔を積層することが好ましく、金属箔としては銅箔、アルミ箔、金箔、銀箔などが挙げられ、加工性が良好なことから銅箔を用いることが好ましい。
本発明の耐熱材料及び耐熱部材は、耐光性、耐熱性に優れ低線膨張率であることから、様々な用途に使用することができる。例えば、耐熱性接着剤、パワー半導体用封止材、高輝度LED用封止材、耐熱コート材、銅張積層板などに使用することができる。特に光半導体の封止材として使用することで、光による劣化と、熱による寸法変化を抑えることができ、高い水準で半導体の性能を維持することが可能となる。
(a)装置 : ゲル浸透クロマトグラフ GCP−244(WATERS社製)
(b)カラム : Shodex HFIP 80M 2本(昭和電工(株)製)
(c)溶媒 : ジメチルホルムアミド
(d)流速 : 0.5ml/min
(e)温度 : 23℃
(f)試料濃度:0.1% 溶解度:完全溶解 ろ過:マイショリディスク W−13−5
(g)注入量 : 0.300ml
(h)検出器 : R−401型示差屈折率器(WATERS)
(i)分子量校正: ポリスチレン(標準品)
<合成例1> ポリシロキサンセグメント前駆体(a1−1)の合成
攪拌機、温度計、滴下ロート、冷却管及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、MTMS 415部、MPTS 756部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、60℃まで昇温した。次いで、PhoslexA−4 0.1部と脱イオン水 121部からなる混合物を5分間で滴下した。滴下終了後、反応容器中を80℃まで昇温し、4時間攪拌することにより加水分解縮合反応を行い、反応生成物を得た。
得られた反応生成物中に含まれるメタノールおよび水を、1〜30キロパスカル(kPa)の減圧下、40〜60℃の条件で除去することにより、数平均分子量が1000であるポリシロキサンセグメント前駆体(a1−1) 1000部を得た。
合成例1と同様にして、下記表4の配合比によって反応を行い、ポリシロキサンセグメント前駆体(a1−2)〜(a1−7)を得た。
<合成例8> ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−1)の合成
合成例1と同様の反応容器に、シラン化合物としてPTMS 20.1部、DMDMS 24.4部、溶剤としてMIBK 107.7部を仕込み、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、95℃まで昇温した。
次に、AA 1.5部、BA 1.5部、MMA 30.6部、BMA 14.4部、CHMA 75部、HEMA 22.5部、MPTS 4.5部、TBPEH 6.8部、MIBK 15部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下した後、さらに同温度で2時間撹拌し、数平均分子量が5800、水酸基価(OHv)が64.7mgKOH/gであるビニル系重合体を含有する反応液を得た。前記反応容器中に、PhoslexA−4 0.06部と脱イオン水 12.8部の混合物を、5分間をかけて滴下し、同温度で5時間攪拌することにより、シラン化合物の加水分解縮合反応を進行させた。反応生成物を、1H−NMRで分析したところ、前記反応容器中のシランモノマーが有するトリメトキシシリル基のほぼ100%が加水分解していた。次いで、同温度にて10時間攪拌することにより、TBPEHの残存量が0.1%以下である、ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−1)を得た。尚、TBPEHの残存量は、ヨウ素滴定法により測定した。
合成例8と同様にして、下記表5の配合比によって反応を行い、ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−2)〜(a2−8)を得た。
合成例1と同様の反応容器に、シラン化合物としてPTMS 480部を仕込み、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、95℃まで昇温した。
次に、BA 2.4部、MMA 90部、St 1.2部、GMA 72部、HEMA 60部、MPTS 14.4部、TBPEH 48部、PTMS 48部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下し、さらに10時間反応させることで、数平均分子量が6700、水酸基価(OHv)が107.8mgKOH/gであるビニル系重合体を含有する、ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−9)を得た。
合成例16と同様にして、下記表6の配合比によって反応を行い、ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−10)を得た。
合成例1と同様の反応容器に、シラン化合物としてGPTS 2219.7部を仕込み、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、95℃まで昇温した。
次に、AA 2部、BA 2部、MMA 26.9部、BMA 3.2部、GMA 202.4部、CHMA 75部、HEMA 37.5部、MPTS 3部、TBPEH 20.9部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下したのち、さらに同温度で2時間撹拌し、数平均分子量が6200、水酸基価(OHv)が46.4mgKOH/gであるビニル系重合体を含有する反応物を得た。さらに、前記反応容器中に、PhoslexA−4 3.42部と脱イオン水 508部の混合物を、5分間をかけて滴下し、同温度で5時間攪拌することにより、シラン化合物の加水分解縮合反応を進行させた。反応生成物を、1H−NMRで分析したところ、前記反応容器中のシランモノマーが有するトリメトキシシリル基のほぼ100%が加水分解していた。次いで、同温度にて10時間攪拌することにより、TBPEHの残存量が0.1%以下であるビニル系重合体セグメント前駆体(a2−11)を得た。尚、TBPEHの残存量は、ヨウ素滴定法により測定した。
合成例18と同様にして、下記表6の配合比によって反応を行い、ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−12)〜(a2−15)を得た。
合成例1と同様の反応容器にMIBK 372.9部を仕込み、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、95℃まで昇温した。
次に、AA 2部、BA 2部、MMA 26.9部、BMA 3.2部、GMA 202.4部、CHMA 75部、HEMA 37.5部、MPTS 3部、TBPEH 20.9部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下し、更に同温度で10時間攪拌することで、TBPEHの残存量が0.1%以下、数平均分子量が6200、水酸基価(OHv)が46.5mgKOH/gであるビニル系重合体を含有する、ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−16)を得た。
合成例23と同様にして、下記表7の配合比によって反応を行い、ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−17)、(a2−18)を得た。
合成例1と同様の反応容器に、シラン化合物としてMTMS 1825.8部、GPTS 4439.4部を仕込み、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、95℃まで昇温した。
次に、AA 2部、BA 2部、MMA 26.9部、BMA 3.2部、GMA 202.4部、CHMA 75部、HEMA 37.5部、MPTS 3部、TBPEH 6部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下することで、数平均分子量が6500、水酸基価(OHv)が46.5mgKOH/gであるビニル系重合体を含有するビニル系重合体セグメント前駆体(a2−19)を得た。
合成例1と同様の反応容器にMIBK 349部を仕込み、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、95℃まで昇温した。
次に、AA 2部、BA 2部、MMA 26.9部、BMA 3.2部、GMA 202.4部、CHMA 75部、HEMA 37.5部、MPTS 3部、TBPEH 20.9部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下し、さらに10時間反応させることで、数平均分子量が7200、水酸基価(OHv)が46.5mgKOH/gであるビニル系重合体を含有する、ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−20)を得た。
合成例18と同様にして、下記表7の配合比によって反応を行い、ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−21)、(a2−22)を得た。
<調製例1> 無機微粒子分散体(a3−1)の調製
MTMS 415部、MPTS 756部、アエロジルR−7200 1846部、PhoslexA−4 1.0部、脱イオン水 134部、MIBK 1846部を配合し、寿工業(株)製のウルトラアペックスミル UAM015を用いて分散をおこなった。分散体を調製するにあたり、ミル内にメディアとして100μm系のジルコニアビーズをミルの容積に対して70%充填し、周速10m/s、毎分1.5リットルの流量で配合物の循環粉砕を行った。循環粉砕を30分間行い、シリカ微粒子が混合物中に分散した無機微粒子分散液(a3−1)を得た。
調製例1と同様にして、下記表8の配合比によって調製を行い、無機微粒子分散体(a3−2)、(a3−3)を得た。
調製例1において、下記表8の配合比によることと、分散をプライミクス社製ロボミックスで行うこと以外は同様にして、無機微粒子分散体(a3−4)〜(a3−6)を得た。
調製例1と同様にして、下記表8の配合比によって調製を行い、無機微粒子分散体(a3−7)、(a3−8)を得た。
調製例1において、30μm系のジルコニアビーズをミルの容積に対して50%充填したことと、下記表9、表10の配合比によって調製を行ったこと以外は同様にして、無機微粒子分散体(a3−9)〜(a3−17)を得た。
<実施例1> 無機微粒子複合体(M−1)
ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−1)336.8部に対し、無機微粒子分散体(a3−1)を886.3部添加して、5分間撹拌したのち、脱イオン水 14.7部を加え、80℃で4時間撹拌を行い、ビニル系重合体セグメント前駆体とシラン化合物との加水分解縮合反応を行った。得られた反応生成物を、1〜30kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、次いで、MIBK 159.6部、DAA 620部を添加し、シリカの含有量が52重量%である無機微粒子複合体(M−1)溶液 1908部(固形分33.0%)を得た。
実施例1と同様にして、下記表11、12の配合にて反応を行い、無機微粒子複合体(M−2)〜(M−11)を得た。
ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−9)85.0部に、ポリシロキサンセグメント前駆体(a1−2)168.5部を添加して、5分間攪拌したのち、脱イオン水17.0部を加え、80℃で4時間攪拌を行いビニル系重合体セグメント前駆体とシラン化合物との加水分解縮合反応を行った。次いで無機微粒子分散体(a3−9)607.7部、脱イオン水2.0部を加え、5分間攪拌した後、反応生成物を1〜30kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、無機微粒子とシラン化合物とポリシロキサンセグメント前駆体との加水分解縮合反応を進行させて無機微粒子が結合したポリシロキサンセグメントを形成し、生成したメタノール及び水を除去した。得られた反応物にPGMAC214.3部を添加し、不揮発分が70%である無機微粒子複合体(M−12)を得た。
実施例12と同様にして、下記表13の配合にて反応を行い、無機微粒子複合体M−13)〜(M−15)を得た。
ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−21)4069部に対し、無機微粒子分散体(a3−17)を10400.1部添加して、80℃で4時間撹拌を行い、ビニル系重合体セグメント前駆体とシラン化合物との加水分解縮合反応を行った。得られた反応生成物を、1〜30kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、無機微粒子複合体(M−16)を得た。
実施例16と同様にして、下記表14の配合にて反応を行い、無機微粒子複合体(M−17)〜(M−21)を得た。
ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−16) 3015.8部に対し、無機微粒子分散体(a3−13) 9801.5部、p−StTS 2270部、PhoslexA−4 3.69部、脱イオン水 547部を添加して、80℃で4時間を行い、ビニル系重合体セグメント前駆体とシラン化合物との加水分解縮合反応を行った。得られた反応生成物を、1〜30kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、無機微粒子複合体(M−22)を得た。
実施例22と同様にして、下記表15の配合にて反応を行い、無機微粒子複合体(M−23)、(M−24)を得た。
実施例16と同様にして、下記表15の配合にて反応を行い、無機微粒子複合体(M−25)を得た。
実施例22と同様にして、下記表15の配合にて反応を行い、無機微粒子複合体(M−26)を得た。
得られた無機微粒子複合体(M)について、以下の評価を行い、下記表11〜15に結果を記した。
(長期安定性試験:25℃×2か月)
得られた無機微粒子分散体(M−1)〜(M−26)を、25℃にて2か月保存し、沈降物の発生と粘度上昇について目視で観察した。沈降物の発生や粘度上昇が無い場合は○、沈降物の発生や粘度上昇がある場合は×とした。
得られた無機微粒子分散体(M−1)〜(M−26)を、40℃にて3か月保存し、大塚電子製粒度分布計ELS−Zを用いて測定した粒径を下記式に代入して評価を実施した。
△D=(保存後の粒径)−(保存前の粒径)
○:△D=5未満
△:△D=5〜20
×:△D=20以上
上記方法にて40℃にて3か月保存された無機微粒子分散体(M−1)〜(M−26)をガラス基板上に50μmの厚さにて塗工し、ヘイズメータを用いて光線透過率を測定し、次式によって算出した(単位は%)。
Th=Td/Tt (Td:散乱光線透過率、Tt:全光線透過率)
○:ヘイズ値=5%未満
△:ヘイズ値=5%〜10%
×:ヘイズ値=10%以上
得られた無機微粒子分散体(M−1)〜(M−26)について、アプリケーターを用いてガラス基板上に100μmの薄膜を形成し、これを100℃にて1時間放置した際の外観を目視にて検査し、下記の判断基準にて試験結果を判定した。
○:表面状態が平滑である。
×:表面にクラックが発生している。
合成例1と同様の装置で、無機微粒子分散体(a3−1)250部を仕込み、80℃で4時間撹拌を行い、シリカ分散体の加水分解縮合反応を行った。得られた反応生成物を、1〜30kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、次いで、MIBK 32.2部、DAA 124.6部を添加し、比較無機微粒子複合体(比M−1)溶液 383部(固形分35.0%)を得た。得られた比較無機微粒子複合体(比M−1)に対し、実施例1と同様に長期保存安定性及び造膜性の評価を行い、結果を表16に示した。
合成例1と同様の装置に、ポリシロキサンセグメント(a1−1) 178.8部、ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−2)を371.2部添加し、5分間攪拌したのち、脱イオン水 41.0部を加え、80℃で4時間攪拌を行い、前記反応生成物とポリシロキサンの加水分解縮合反応を行った。得られた反応生成物を、10〜300kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、次いで、MIBK 195.0部を添加し、不揮発分が45.1%である複合樹脂 600部を得た。得られた複合樹脂に対し、シリカ微粒子としてR7200を270部、MIBKを540部配合し、寿工業(株)製のウルトラアペックスミルUAM015を用いて分散を行った。分散体を調製するにあたり、ミル内にメディアとして100μm径のジルコニアビーズをミルの容積に対して70%充填し、周速10m/s、毎分1.5リットルの流量で配合物の循環粉砕を行った。循環粉砕を30分間行い、シリカ微粒子が複合樹脂中に分散した比較無機微粒子分散体(比M−2)を得た。得られた比較無機微粒子分散体(比M−2)に対し、実施例1と同様に長期保存安定性及び造膜性の評価を行い、結果を表16に示した。
比較例2と同様にして、下記表16の配合にて反応を行い、比較無機微粒子分散体(比M−3)、(比M−4)を得て、実施例1と同様に長期保存安定性及び造膜性の評価を行い、結果を表16に示した。
合成例1と同様の装置に、ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−19) 6623.2部と、PhoslexA−4 2.44部、 脱イオン水 724.9部を配合し、80℃で4時間攪拌を行い、前記ビニル系重合体セグメント前駆体とポリシロキサンの加水分解縮合反応を行った。得られた反応生成物を、1〜30kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、不揮発分が95.5%である比較樹脂(比M−5)を得た。得られた比較樹脂(比M−5)について、実施例1と同様に長期保存安定性及び造膜性の評価を行い、結果を表16に示した。
比較例5で得られた比較樹脂(比M−5) 104.2部に対し、アエロジル50 100部、MIBK 200部を配合し、プライミクス社製ロボミックスを用いて分散を行い、比較無機微粒子分散体(比M−6)を得た。得られた無機微粒子分散体(比M−6)について、実施例1と同様に長期保存安定性及び造膜性の評価を行い、結果を表16に示した。
ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−2) 718.9部とアエロジル50を349部、MIBK 698部を、寿工業(株)製のウルトラアペックスミルUAM015を用いて分散を行った。分散体を調製するにあたり、ミル内にメディアとして100μm径のジルコニアビーズをミルの容積に対して70%充填し、周速10m/s、毎分1.5リットルの流量で配合物の循環粉砕を行った。循環粉砕を30分間行い、比較無機微粒子分散体(比M−7)を得て、実施例1と同様に長期保存安定性及び造膜性の評価を行い、結果を表16に示した。
実施例14で製造した無機微粒子複合体(M−14)、比較例3で製造した比較無機微粒子分散体(比M−3)、アエロジルR7200を、それぞれMIBKにて不揮発成分5重量%程度まで希釈し、12,000rpm、10min遠心分離を行い、上澄みを取り除く操作を3回行って洗浄した。得られた沈殿物を乾燥した後、SII製TG/DTA6200を用い、空気雰囲気にて常温から700℃まで毎分10℃ずつ昇温させ、測定前後での重量減少を測定し、以下の式にて有機含有量を算出した
有機吸着量=(無機微粒子複合体もしくは無機微粒子分散体のTG/DTAによる重量減少)−(アエロジルR7200のTG/DTAによる重量減少)
<実施例27> ハードコート材料1
実施例1で得られた無機微粒子複合体(M−1) 100部、A9300 35部、Irg184 2.8部、Ti400 2.8部、Ti123 0.7部を混合し、ハードコート材料1とした。得られたハードコート材料1を2mm×150mm×150mmのポリカーボネート板(レキサンLS2−111(SABIC社製))上に、乾燥膜厚が15μmになるよう塗布し、80℃で4分間乾燥させて樹脂組成物層を形成後、ランプ出力1kWの水銀ランプ下、約1000mJ/cm2の照射量で紫外線を照射することでハードコート硬化膜1を得た。
得られたハードコート材料1及びハードコート硬化膜1について、以下の評価を行い、結果を下記表18に示した。
得られたハードコート硬化膜1に対し、ヘイズメーターを使用して試験片の光線透過率を測定し、次式によってヘイズ値を算出した(単位は%)。
Th=Td/Tt (Td:散乱光線透過率、Tt:全光線透過率)
ヘイズ値が1%未満を(○)、1%〜3%未満を(△)、3%以上を(×)と判定した。
得られたハードコート硬化膜1に対し、JIS K−5400 碁盤目試験法に基づいて密着性試験を実施した。前記ハードコート硬化膜1の上にカッターで1mm幅の切込みを入れ碁盤目の数を100個とし、全ての碁盤目を覆うようにセロハンテープを貼り付け、すばやく引き剥がして付着して残っている碁盤目の数から、下記の基準によりポリカーボネート板への密着性を評価した。
◎:100個
○:95〜99個
△:60〜94個
×:59個以下
得られたハードコート硬化膜1を100℃の電気オーブン中で250時間加熱したのち、JIS K−5400 碁盤目試験法に基づいて密着性試験を実施した。前記ハードコート硬化膜1の上にカッターで1mm幅の切込みを入れ碁盤目の数を100個とし、全ての碁盤目を覆うようにセロハンテープを貼り付け、すばやく引き剥がして付着して残っている碁盤目の数から、下記の基準によりポリカーボネート板への密着性を評価した。
◎:100個
○:95〜99個
△:60〜94個
×:59個以下
得られたハードコート硬化膜1に対し、テーバー磨耗試験にて、ASTM D1044に準拠した方法(磨耗輪:CS−10F、荷重:500g、回転数:100)にて擦り、初期状態とのくもり価の差、すなわち、ヘイズ値変化ΔH(%)を測定する。差が小さいほど、耐磨耗性が高いことを示す。ΔHの値から、下記の基準により耐磨耗性を評価した。
◎:ΔH=6未満
○:ΔH=6〜8未満
△:ΔH=8〜10未満
×:ΔH=10以上
得られたハードコート硬化膜1に対し、テーバー磨耗試験にて、ASTM D1044に準拠した方法(磨耗輪:CS−10F、荷重:500g、回転数:500)にて擦り、初期状態とのくもり価の差、すなわち、ヘイズ値変化ΔH(%)を測定する。差が小さいほど、耐磨耗性が高いことを示す。ΔHの値から、下記の基準により耐磨耗性を評価した。
◎:ΔH=6未満
○:ΔH=6〜8未満
△:ΔH=8〜10未満
×:ΔH=10以上
得られたハードコート硬化膜1に対し、ダイプラウィンテス社製のDMWを使用してメタルウェザー試験(MW)による促進耐候性試験を実施し、未曝露の試験体と、120時間経過後の試験体を目視観察にて比較評価した。表面状態等に変化がないものを(○)、一部クラックが発生しているものを(△)、全面にクラックが発生しているものを(×)として判定した。なお本評価方法は、サンシャインウェザオメーターを利用した促進耐候性試験よりも更に厳しい条件で測定するものであり、屋外での長期使用を目的とする物質に対する試験方法である。
得られたハードコート硬化膜1に対し、岩崎電気製の超促進耐侯性試験機スーパーUVテスター(SUV)を使用して、照射強度90mW、ブラックパネル温度63℃湿度70%の条件にて100時間UV照射を実施した後に、初期状態とのくもり価の差、すなわち、ヘイズ値変化ΔH(%)を測定する。ΔHの値から、下記の基準により耐光性を評価した。
◎:ΔH=1.5未満
○:ΔH=1.5〜3.0未満
△:ΔH=3.0〜4.5未満
×:ΔH=4.5以上
得られたハードコート硬化膜1に対し、岩崎電気製の超促進耐侯性試験機スーパーUVテスター(SUV)を使用して、4時間照射(照射強度90mW、ブラックパネル温度63℃湿度70%)と4時間暗黒(ブラックパネル温度63℃湿度70%)と4時間結露(ブラックパネル温度30℃湿度95%)の12時間を1サイクルとし、50サイクル行った後に、初期状態とのくもり価の差、すなわち、ヘイズ値変化ΔH(%)を測定する。ΔHの値から、下記の基準により耐候性を評価した。
◎:ΔH=1.5未満
○:ΔH=1.5〜3.0未満
△:ΔH=3.0〜4.5未満
×:ΔH=4.5以上
得られたハードコート硬化膜1に対し、基材ごと60℃の温水に240時間浸漬し、その外観を目視にて検査し、下記の判断基準にて試験結果を判定した。
○:表面状態に変化が無い。
×:表面に荒れもしくはフクレが発生している。
得られたハードコート硬化膜1に対し、基材ごと沸騰水に1時間浸漬し、その外観を目視にて検査し、下記の判断基準にて試験結果を判定した。
○:表面状態に変化が無い。
×:表面に荒れもしくはフクレが発生している。
実施例1と同様にして、下記表18〜20の配合比にて配合を行い、ハードコート材料2〜16及びハードコート硬化膜2〜16を得、評価を行った。
実施例27と同様にして、下記表21の配合比にて配合を行い、比較ハードコート材料1、2及び比較ハードコート硬化膜1、2を得、評価を行った。
<実施例43> 耐熱材料1
実施例12で得られた無機微粒子複合体(M−12) 30部、2E4MZ 0.5部を配合し、耐熱材料1を得た。
得られた耐熱材料1について、松浪硝子工業株式会社製青板ガラス板(76mm×52mm×1mm)に、耐熱材料1を10μm厚にバーコートし、150℃で3時間加熱処理を行うことで、耐熱硬化膜1−1を得た。
また、また、片面鏡面アルミ板の鏡面層(100mm×250mm×0.3mm)に、耐熱材料1を100μm厚にバーコートし、ヤマト科学株式会社製 精密恒温器 DH610S中で150℃で3時間加熱処理を行い、得られた硬化塗膜をアルミ板上から剥離することで膜厚100μmの単独膜である耐熱硬化膜1−2を得た。
耐熱硬化膜1−2について、島津製作所TMA−50を用いて毎分10℃の昇温速度にて常温(25℃)から260℃まで昇温した後、25℃に冷却し、さらに同じ昇温速度で260℃まで昇温した。この2度目の昇温を本測定とし、40℃〜60℃までのデータから50℃でのCTE(ppm/K-1)を算出した。
耐熱硬化膜1−2について、島津製作所TMA−50を用いて毎分10℃の昇温速度にて常温(25℃)から260℃まで昇温した後、25℃に冷却し、さらに同じ昇温速度で260℃まで昇温した。この2度目の昇温を本測定とし、50℃〜250℃までのデータから50℃〜250℃での平均CTE(ppm/K-1)を算出した。
耐熱硬化膜1−1について、日本電色工業株式会社のヘイズメーターNDH−5000を用い、ガラス板上に得られた10μmの耐熱硬化膜のヘイズを測定した。ヘイズ値が3以下であれば○、3以上であれば×とした。
実施例43と同様にして、下記表22−24の配合比にて配合を行い、耐熱材料2〜15、耐熱硬化膜2−1〜15−1、耐熱硬化膜2−2〜15−2、を得、評価を行った。
ただし、実施例45については、耐熱硬化膜を作成する際の硬化条件として、ヤマト科学株式会社製 精密恒温器 DH610S中で80度、4分間プリベイクした後、80W/cm2の高圧水銀灯下、約1000mJの照射量で、紫外線照射を行うことで、耐熱硬化膜を作製した。
実施例1と同様にして、下記表25の配合比にて配合を行い、比較耐熱材料1〜5及び比較耐熱硬化膜1−1〜5−1、比較耐熱硬化膜1−2〜5−2を得、評価を行った。
ただし、比較例13については、比較耐熱硬化膜を作成する際の硬化条件として、ヤマト科学株式会社製 精密恒温器 DH610S中で80度、4分間プリベイクした後、80W/cm2の高圧水銀灯下、約1000mJの照射量で、紫外線照射を行うことで、耐熱硬化膜を作製した。
<実施例58>
実施例48で得られた耐熱材料6を用いて、耐熱繊維強化樹脂、および耐熱部材として繊維強化樹脂成形体及び積層体を作製した。
強化繊維として、ガラス繊維(ガラスクロス「#2116」(210×280mm)、日東紡績株式会社製)を用い、耐熱材料6を含浸させ、160℃で3分間加熱してプリプレグとした。
得られたプリプレグを6枚積層し、200℃、40kg/cm2、1.5時間、加圧プレスをおこなうことにより、耐熱維強化樹脂成形体を積層した積層体を得た。
その積層体に対し、T288試験を行い(試験法はIPC TM650に準拠)し、積層体の耐熱剥離性を評価した結果、60分以上経過しても膨れなどの変形は観察されなかった。
また、樹脂と無機微粒子(m)が強固に結合していることから、本発明の無機微粒子複合体(M)は、塗膜性、耐水性、耐光性、耐摩耗性に特に優れるため、屋外におけるハードコート用塗料としての使用に適しており、建材塗料、自動車等運搬装置用塗料、樹脂ガラス保護膜、船底塗料等に好適に使用可能である。
また、本発明の無機微粒子複合体(M)は、樹脂と無機微粒子(m)が強固に結合していることから、熱履歴があっても線膨張率が低いことから寸法安定性に優れるため、高精度な電気・電子部材用の耐熱材料として特に好適に用いることが可能である。
Claims (1)
- 炭素原子に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を有するビニル系重合体セグメント(a2)を合成する工程1と、
シラノール基および/または加水分解性シリル基含有シラン化合物と無機微粒子(m)とを混合する工程2と、
炭素原子に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を有するビニル系重合体セグメント(a2)と、シラノール基および/または加水分解性シリル基含有シラン化合物含有シラン化合物を縮合反応する工程3とを有する
無機微粒子複合体(M)の製造方法であって、
前記シラノール基および/または加水分解性シリル基含有シラン化合物が、重合性二重結合を有する基とシラノール基および/または加水分解性シリル基とを併有するシラン化合物、およびエポキシ基含有シラン化合物から選ばれる少なくとも1種を含むものであることを特徴とする、無機微粒子複合体(M)の製造方法。
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