JP6119627B2 - 比例限の高い高強度冷延薄鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
このような要望に対し、高強度鋼板を適用することにより鋼板の薄肉化を図り、自動車の車体重量を軽減する試みが進められている。とくに、構造用部材(部品)に高強度鋼板を適用すると、部材強度が高くなることにより、衝突吸収エネルギーを高めたり、塑性変形を抑制したりすることができるという利点がある反面、部材(部品)肉厚の薄肉化にともない剛性が低下するという問題がある。とくに比例限を超えて荷重が加わった場合に、部材(部品)のたわみが大きくなる。そこで、剛性の低下防止という観点から、鋼板の比例限を高めることは有効であるともいえる。
本発明は、上記した従来技術の問題を解決し、比例限の高い高強度冷延薄鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
(1)冷延薄鋼板であって、質量%で、C:0.04〜0.25%、Si:0.30%以下、Mn:0.1〜2.0%、P:0.05%以下、S:0.030%以下、Al:0.10%以下、N:0.010%以下を含み、さらに、Ti:0.01〜1.00%、V:0.01〜1.00%のうちから選ばれた1種または2種を含有し、かつ、C、Ti、Vを次(1)式および次(2)式
(12/48)×Ti+(12/51)×V≧0.04 ‥‥(1)
C ≧ 0.9×((12/48)×Ti+(12/51)×V) ‥‥(2)
(ここで、C、Ti、V:各元素の含有量(質量%))
を満足するように調整して含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、面積率で95%以上のフェライト相を主相とし、該主相と面積率で0〜5%の第二相とからなり、さらに、10nm未満の析出物の析出密度が5.0×104μm−3以上、転位密度が5.0×1014m−2以上である組織とを有し、引張強さ:980MPa以上で、比例限が高いことを特徴とする高強度冷延薄鋼板。
(3)(1)または(2)において、前記組成に加えてさらに質量%で、B:0.0002〜0.0050%を含有することを特徴とする高強度冷延薄鋼板。
(5)(1)ないし(4)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに質量%で、Sb:0.005〜0.050%含有することを特徴とする高強度冷延薄鋼板。
(8)鋼素材に、熱間圧延と、冷間圧延を施し、冷延薄鋼板とするにあたり、前記鋼素材を、質量%で、C:0.04〜0.25%、Si:0.30%以下、Mn:0.1〜2.0%、P:0.05%以下、S:0.030%以下、Al:0.10%以下、N:0.010%以下を含み、さらに、Ti:0.01〜1.00%、V:0.01〜1.00%のうちから選ばれた1種または2種を含有し、かつ、C、Ti、Vを次(1)式および次(2)式
(12/48)×Ti+(12/51)×V≧0.04 ‥‥(1)
C ≧ 0.9×((12/48)×Ti+(12/51)×V) ‥‥(2)
(ここで、C、Ti、V:各元素の含有量(質量%))
を満足するように調整して含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成のスラブとし、前記熱間圧延を、粗圧延と仕上圧延からなる圧延とし、該仕上圧延が仕上圧延終了温度:850℃以上とする圧延とし、該仕上圧延終了から700℃までの平均冷却速度で30℃/s以上の冷却速度で冷却し、巻取温度:500℃以上で巻き取り熱延板とし、前記冷間圧延を、前記熱延板に酸洗処理を施したのち、冷圧率:10〜80%で冷間圧延を施し冷延板とする圧延とすることを特徴とする面積率で95%以上のフェライト相を主相とし、該主相と面積率で0〜5%の第二相とからなり、さらに、10nm未満の析出物の析出密度が5.0×10 4 μm −3 以上で、転位密度が5.0×10 14 m −2 以上である組織を有し、引張強さ:980MPa以上で、比例限が高い高強度冷延薄鋼板の製造方法。
(10)(9)において、前記連続焼鈍処理の冷却途中で、浴温:420〜500℃の亜鉛めっき浴に浸漬し、鋼板表面に溶融亜鉛めっき層を形成する溶融亜鉛めっき処理を施し、めっき鋼板とすることを特徴とする高強度冷延薄鋼板の製造方法。
(12/48)×Ti+(12/51)×V≧0.04 ‥‥(1)
C ≧ 0.9×((12/48)×Ti+(12/51)×V) ‥‥(2)
(ここで、C、Ti、V:各元素の含有量(質量%))
を満足するように調整して含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する。
C:0.04〜0.25%
Cは、Ti、V等の炭化物形性元素と結合して微細な炭化物を形成し、高強度化に寄与する元素である。また、Cは、熱間圧延後の冷却において、フェライト変態開始温度を低下させる作用を有し、これにより、炭化物の析出温度を低下させ、炭化物の微細化に寄与する。形成された微細な炭化物は、可動転位を固着し、比例限の向上にも寄与する。このような効果を得るためには、0.04%以上の含有を必要とする。なお、好ましくは0.08%以上、より好ましくは0.15%以上である。一方、0.25%を超える多量の含有は、フェライト変態を抑制し、ベイナイトやマルテンサイトへの変態を促進する。このため、Ti、V等との微細な炭化物形成が抑制される。また、多量のC含有は、溶接性をも低下させる。このため、Cは0.25%以下に限定した。なお、好ましくは0.20%以下である。このようなことから、Cは0.04〜0.25%の範囲に限定した。
Siは、固溶して鋼板の強度を上昇する作用を有する。このような効果を得るためには不純物レベル以上である0.005%以上含有することが望ましい。また、Siは、フェライト生成元素であり、多量に含有すると、熱間圧延後の冷却においてフェライト変態を促進し、炭化物の析出温度を上昇させ、炭化物を粗大に析出させるという悪影響を及ぼす。さらに、Siを多量に含有すると、熱延後の焼鈍において、鋼板表面にSi酸化物が生成して、めっき処理時に不めっき部分が生じるなどめっき性が著しく阻害されるという悪影響を及ぼす。このような悪影響は、0.30%以下であれば許容できる。なお、好ましくは0.1%以下、より好ましくは0.05%以下、さらに好ましくは0.03%以下である。
Mnは、鋼中に固溶して鋼板の強度を増加させ、さらにSと結合して有害なSをMnSとして無害化する作用を有する元素である。また、Mnは、圧延後の冷却において、フェライト変態開始温度を低下させ、炭化物の析出温度を下げることにより、炭化物の微細化に寄与する作用を有する。このような効果を得るため、Mnは0.1%以上含有する必要がある。なお、好ましくは0.3%以上である。一方、2.0%を超える多量の含有は、フェライト変態を抑制し、ベイナイトやマルテンサイトへの変態を促進する。このため、Ti、V等との微細な炭化物形成が抑制される。このため、Mnは2.0%以下に限定した。なお、好ましくは1.5%以下、さらに好ましくは1.0%以下である。このようなことから、Mnは0.1〜2.0%の範囲に限定した。
Pは、粒界に偏析して、延性や靭性を劣化させ、鋼板特性に悪影響を及ぼす元素である。また、Pは、圧延後の冷却においてフェライト変態を促進し、炭化物の析出温度を上昇させ、フェライト粒を粗大化するとともに、炭化物を粗大に析出させる。また、Pは、溶接性を低下させる。このため、本発明ではできるだけ低減することが望ましいが、このような悪影響は、0.05%までは許容できる。このため、Pは0.05%以下に限定した。なお、好ましくは0.03%以下、さらに好ましくは0.01%以下である。
Sは、熱間における延性を著しく低下させ、熱間割れを誘発し、表面性状を著しく劣化させる元素である。さらに、Sは、強度にほとんど寄与しないばかりか、粗大な硫化物を形成することにより、延性、伸びフランジ性を低下させ、さらには溶接性を低下するなど、鋼板特性に悪影響を及ぼすため、極力低減することが望ましい。なお、このような悪影響はSが0.030%を超えると顕著となるため、Sは0.030%以下に限定した。なお、好ましくは0.010%以下、より好ましくは0.003%以下、さらに好ましくは0.001%以下である。
Alは、脱酸剤として作用する元素であり、Alキルド鋼として、このような効果を得るために0.01%以上含有することが望ましい。また、Alは、圧延後の冷却でフェライト変態を促進する作用を有し、それにより、フェライト粒の粗大化や、炭化物の析出温度の上昇を介して炭化物を粗大に析出させるなどの悪影響を及ぼす。そのため、多量の含有は避ける必要がある。さらに0.10%を超える多量の含有は、鋼中でアルミ酸化物の増加を招き、清浄度の低下、延性の低下などの悪影響を招く。このようなことから、Alは0.10%以下に限定した。なお、好ましくは0.06%以下である。
Nは、Ti、V 等と高温で粗大な窒化物を形成し、強度への寄与が少ないうえ、Ti、V等による高強度化への寄与を減少させる。さらに、Nの多量含有は、熱間圧延中にスラブ割れを誘起し、表面疵を発生させる恐れがある。このようなことから、Nはできるだけ低減することが望ましいが、0.010%までであれば許容できる。このため、Nは0.010%以下に限定した。なお、好ましくは0.005%以下、より好ましくは0.003%以下、さらに好ましくは0.002%以下である。
Ti、Vはいずれも、Cと結合して微細な炭化物を形成し、高強度化および比例限の上昇に寄与する元素であり、本発明ではTi、Vのうちのいずれかまたは両方を含有する。このような効果を得るためには、Ti:0.01%以上、V:0.01%以上を含有する必要がある。一方、Ti:1.00%、V:1.00%を超えて多量に含有しても、強度、比例限の上昇が飽和し、含有量に見合う効果を期待できなくなり、経済的に不利となる。このため、Ti:1.00%以下、V:1.00%以下に限定した。このようなことから、Ti:0.01〜1.00%、V:0.01〜1.00%の範囲に限定した。
(12/48)×Ti+(12/51)×V≧ 0.04 ‥‥(1)
C ≧ 0.9×((12/48)×Ti+(12/51)×V) ‥‥(2)
(ここで、C、Ti、V:各元素の含有量(質量%))
(1)式の左辺{(12/48)×Ti+(12/51)×V}は、Ti、V含有量を、原子比で、炭化物を形成する炭素量に換算した値、炭素量換算値である。この炭素量換算値が0.04未満では、Ti、V含有量が少なすぎて所望の高強度化、所望の比例限を確保できなくなる。このため、{(12/48)×Ti+(12/51)×V}は0.04以上に限定した。なお、好ましくは0.06以上、より好ましくは0.10以上である。一方、{(12/48)×Ti+(12/51)×V}が0.20を超えて大きくなると、強度、比例限の上昇がさほど大きくならず、含有量に見合う効果が期待できなくなる。このため、{(12/48)×Ti+(12/51)×V}は0.20以下とすることが好ましい。なお、より好ましくは0.15以下である。
上記した成分が基本の成分であるが、本発明では、基本の組成に加えて選択元素として、さらに、Nb:0.005〜0.600%、Mo:0.005〜0.600%、Ta:0.005〜0.600%、W:0.005〜0.600%のうちから選ばれた1種または2種以上、および/または、B:0.0002〜0.0050%、および/または、Cr:0.01〜1.0%、Ni:0.01〜1.0%、Cu:0.01〜1.0%のうちから選ばれた1種または2種以上、および/または、Sb:0.005〜0.050%、および/または、Ca:0.0005〜0.01%、REM:0.0005〜0.01%のうちから選ばれた1種または2種、を含有できる。
Nb、Mo、Ta、Wはいずれも、微細析出物を形成し、析出強化で、強度の上昇や比例限の上昇に寄与する元素であり、必要に応じて選択して1種または2種以上含有できる。このような効果を得るためには、Nb:0.005%以上、Mo:0.005%以上、Ta:0.005%以上、W:0.005%以上それぞれ含有することが好ましい。なお、より好ましくは、Nb:0.100%以上、Mo:0.100%以上、Ta:0.100%以上、W:0.100%以上である。一方、Nb:0.600%、Mo:0.600%、Ta:0.600%、W:0.600%を、それぞれ超えて多量に含有しても、効果が飽和し含有量に見合う効果が期待できなくなり、経済的に不利となる。このため、含有する場合には、Nb:0.600%以下、Mo:0.600%以下、Ta:0.600%以下、W:0.600%以下にそれぞれ限定することが好ましい。なお、より好ましくはNb:0.300%以下、Mo:0.300%以下、Ta:0.300%以下、W:0.300%以下である。このようなことから、含有する場合には、Nb:0.005〜0.600%、Mo:0.005〜0.600%、Ta:0.005〜0.600%、W:0.005〜0.600%、の範囲に限定することが好ましい。
Bは、圧延後の冷却において、フェライト変態開始温度を低下させる作用を有し、炭化物の析出温度を下げて炭化物の微細化に寄与する。また、Bは、粒界に偏析して粒界強度を増加させ、耐二次加工脆性の向上に寄与する。このような効果を得るために、Bは、0.0002%以上含有することが好ましい。より好ましくは0.0005%以上、さらに好ましくは0.0010%以上である。一方、0.0050%を超える多量の含有は、熱間での変形抵抗を増加させ、圧延を困難にすると共に、延性低下の原因となる。このため、Bは、0.0050%以下に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.0030%以下、さらに好ましくは0.0020%以下である。このようなことから、含有する場合には、Bは0.0002〜0.0050%の範囲に限定することが好ましい。
Cr、Ni、Cuはいずれも、組織の微細化を介して、高強度化に寄与する元素であり、必要に応じて選択して1種または2種以上を含有できる。このような効果を得るためは、それぞれ0.01%以上含有することが好ましい。一方、それぞれ1.0%を超えて多量に含有しても、効果が飽和し、含有量に見合う効果を期待できないため、経済的に不利となる。このようなことから、含有する場合には、Cr:0.01〜1.0%、Ni:0.01〜1.0%、Cu:0.01〜1.0%の範囲にそれぞれ限定することが好ましい。
Sbは、熱間圧延時にスラブ(鋼素材)表面に偏析し、スラブの窒化を防止して、粗大な窒化物の形成を抑制する作用を有する元素であり、必要に応じて含有できる。このような効果を得るためには、0.005%以上含有することが好ましい。一方、0.050%を超えて多量に含有すると、材料コストの高騰を招く。このようなことから、含有する場合には、Sbは0.005〜0.050%の範囲に限定することが好ましい。
Ca、REMはいずれも、硫化物の形態制御を介して、延性、伸びフランジ性の向上に寄与する元素であり、必要に応じて選択して含有できる。このような効果を得るためは、それぞれ、Ca:0.0005%以上、REM:0.0005%以上含有することが好ましい。一方、それぞれ、0.01%を超えて多量に含有しても、効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できなくなり、経済的に不利となる。このため、含有する場合には、Ca:0.0005〜0.01%、REM:0.0005〜0.01%の範囲にそれぞれ限定することが好ましい。
また、本発明高強度冷延薄鋼板では、上記した組成を有し、さらに面積率で95%以上のフェライト相を主相とし、該主相と面積率で0〜5%の第二相とからなる組織を有する。
本発明では、成形性を高めるため、面積率で95%以上のフェライト相を主相とする。第二相として、ベイナイト相やマルテンサイト相などの低温変態相が存在すると、変態時に可動転位が導入され、比例限が低下する。このため、比例限を上昇させるには、フェライト相以外の第二相は、面積率で0%とすることが好ましい。存在しても面積率で5%以下である。このようなことから、主相であるフェライト相は、面積率で95%以上とした。なお、好ましくは面積率で98%以上、さらに好ましくは100%である。
粒径:10nm未満の析出物の析出密度:5.0×104μm−3以上
本発明では、微細な析出物で可動転位を固着し、比例限を高める。粗大な析出物は、強度への影響がほとんどない。微細な析出物として、本発明では、粒径:10nm未満の析出物とする。なお、好ましい粒径は、5nm未満、さらに好ましくは3nm未満である。ここでいう「粒径」は最大径である。粒径:10nm未満の析出物の析出密度が、5.0×104μm−3未満では、所望の高比例限を確保できなくなる。このため、粒径:10nm未満の析出物の析出密度を5.0×104μm−3以上に限定した。なお、好ましくは10.0×104μm−3以上、より好ましくは20.0×104 μm−3以上である。
本発明では、冷間圧延等の加工により導入した転位を上記したように、粒径10nm未満の微細析出物で固着し、所望の高比例限を得る。所望の比例限を確保するためには、転位密度で5.0×1014m−2以上を必要とする。導入された転位の密度が、5.0×1014m−2未満では、比例限の上昇が少なく、所望の比例限を確保できない。このため、転位密度は5.0×1014m−2以上に限定した。なお、好ましくは10.0×1014m−2以上、より好ましくは20.0×1014m−2以上、さらに好ましくは30.0×1014m−2以上である。また、100.0×1014m−2を超えて転位を導入しても、効果が飽和し、転位の導入工程に見合う効果が期待できなくなるため、転位密度は100.0×1014m−2以下で十分である。本発明冷延薄鋼板中に存在する転位は、タングル化していない、ランダムのままの転位である。
本発明では、上記した組成の鋼素材に、熱間圧延と、冷間圧延を施し、冷延薄鋼板とする。
鋼素材の製造方法は、とくに限定する必要はなく、常用の方法がいずれも適用できる。
例えば、上記した組成の溶鋼を転炉等を利用した溶製方法で溶製し、連続鋳造法等の常用の鋳造方法でスラブ等の鋳片とし、鋼素材とする、常用の方法が例示できる。
得られた鋼素材が、熱間圧延が可能な温度を保持している場合にはそのまま、熱間圧延を施してもよい。また、鋼素材が温片、冷片となっている場合には、所定の加熱温度に再加熱したのち、熱間圧延を施す。
熱間圧延のための加熱温度は、1200℃以上溶融点未満とすることが好ましい。加熱温度を高温とすることにより、炭化物形成元素を完全に固溶することができ、その後の過程で微細な析出物として析出させることができる。加熱温度が1200℃未満では、炭化物形成元素を完全に固溶することができない。なお、鋼素材の加熱は、1200℃以上で10min以上保持することが好ましく、さらに好ましくは1250℃以上で30min以上であり、より好ましくは1300℃以上で10min以上であり、もっと好ましくは1400℃以上で10min以上である。
粗圧延は、とくに限定する必要はなく、常用の粗圧延がいずれも適用できる。
粗圧延を施されて所定寸法のシートバーとされたのち、ついで仕上圧延が施されて、熱延板とされる。仕上圧延は、仕上圧延終了温度が850℃以上となる圧延とする。
仕上圧延終了温度が850℃未満の低温になると、圧延後の冷却でフェライト変態が促進され、炭化物の析出が促進された粗大な炭化物となり、所望の高比例限を達成できなくなる。また、仕上圧延終了温度がフェライト域になるような低温となると、歪誘起析出により粗大な炭化物が析出する。このため、仕上圧延終了温度は850℃以上に限定した。なお、好ましくは880℃以上、より好ましくは920℃以上、さらに好ましくは940℃以上である。
仕上圧延終了から700℃までの平均冷却速度:30℃/s以上
仕上圧延終了から700℃までの温度域での冷却が、平均で30℃/s未満と遅い場合には、フェライト変態が促進され、炭化物が大きく析出する。このため、本発明では、仕上圧延終了後の冷却を、仕上圧延終了から700℃までの平均冷却速度で、30℃/s以上に限定した。なお、好ましくは50℃/s以上、より好ましくは70℃/s以上である。冷却速度の上限はとくに限定する必要はないが、鋼板形状、温度制御の観点から1000℃/s以下とすることが好ましい。
巻取温度が500℃未満と低いと、ベイナイトやマルテンサイトなどの低温変態相の生成が促進され、フェライト相を主相とする所望組織の形成が阻害され、微細な炭化物の析出も抑制される。このため、巻取温度は500℃以上に限定した。なお、好ましくは550℃以上、より好ましくは600℃以上である。一方、炭化物の粗大化抑制の観点から、巻取温度は700℃以下とすることが好ましい。より好ましくは650℃以下である。
冷圧率:10〜80%
冷間圧延は、鋼板に転位を導入するために行う。転位の導入により、強度および比例限の上昇が期待できる。このような効果を得るためには、冷間圧延の圧下率(冷圧率)を10%以上とする。なお、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上である。冷圧率が10%未満では、所望の高強度、高比例限が得られない。一方、80%を超えて冷圧率が大きくなると、加工性が著しく劣化する。このため、冷圧率は80%以下に限定した。なお、好ましくは70%以下である。
均熱温度:600〜800℃
焼鈍処理における均熱温度は、所望の成形性を確保するために、600℃以上とする。均熱温度が600℃未満では、回復が生じないため、成形性の改善は認められない。一方、均熱温度が800℃を超える高温では、析出物が粗大化するとともに、再結晶が進行し、強度、比例限が低下する。このため、焼鈍処理の均熱温度は、600〜800℃の範囲の温度に限定した。なお、好ましくは780℃以下、より好ましくは760℃以下である。
均熱時間:300s以下
所望の成形性向上を確保するためには、均熱時間は30s以上とすることが望ましい。均熱時間が30s未満では、回復が生じないため、所望の成形性向上が得られない。一方、300sを超えて長時間では、微細な析出物が粗大化するとともに、再結晶が進行し、転位密度も低下する。このため、均熱時間は30〜300sとした。なお、好ましくは200s以下、より好ましくは100s以下である。
溶融亜鉛めっき処理を施す場合には、焼鈍処理(連続焼鈍処理)の冷却途中で鋼板を、浴温が420〜500℃である亜鉛めっき浴中に浸漬して、鋼板表面にめっき層を形成することが好ましい。なお、溶融亜鉛めっき処理は、均熱帯の出口側に亜鉛めっき浴を配置した連続亜鉛めっき設備を使用して行うことが好ましい。
合金化処理の加熱温度:460〜600℃
ZnとFeの合金化を行うには、460℃以上の温度にめっき層を加熱する必要がある。一方、600℃を超えて加熱温度が高くなると、合金化が進行しすぎて、めっきが脆くなる。このため、溶融亜鉛めっき層の合金化処理は460〜600℃の温度範囲で行うこととした。なお、好ましくは570℃以下である。上記した温度での保持は、1s以上、好ましくは10s以下である。合金化処理の加熱温度における保持時間が10sを超えて長時間となると、地鉄中の析出物が粗大化し、鋼板の強度が低下する。このため、合金化処理における保持時間は1〜10sとすることが好ましい。
(1)組織観察
得られた鋼板から組織観察用試験片を採取し、圧延方向断面を研磨、ナイタール腐食して、光学顕微鏡(倍率:500倍)を用いて組織を観察し、300×300μm2領域について組織を撮像し、フェライトの面積率を算出した。
ρ=14.4×η2/b2
を用いて、転位密度ρを測定した。ここで、bはバーガースベクトル(0.25nm)である。なお、局所歪は、Hallの方法(W.H.Hall:J. Inst. Met.,77(1950),1127参照)を用いて得られた値を使用するものとする。また、上記した式は、G.K.Williams and R.E.Smallmannによる式(G.K.Williams and R.E.Smallmann:Philos. Mag., 8(1956),34)を用いた。
(2)引張試験
得られた鋼板から、圧延方向に直角な方向(C方向)が試験片長手方向となるように引張試験片(JIS 5号試験片)を採取し、JIS Z 2241の規定に準拠して、引張試験を行い引張特性(降伏強さYP、引張強さTS、伸びEl)を求めた。また、得られた鋼板から、圧延方向に直角な方向(C方向)が試験片長手方向となるように引張試験片(JIS 5号試験片)を採取し、比例限を求めた。引張試験片の平行部両面に歪ゲージ(ゲージ長:5mm)を貼付して、歪速度:1mm/minで引張試験を行い、応力−歪曲線を求め、得られた応力−歪曲線の傾きが小さくなり始める点(直線からずれ始める点)の応力を比例限応力とした。なお、歪は、試験片両面に貼付した歪ゲージで測定された値の平均値とした。
Claims (11)
- 冷延薄鋼板であって、質量%で、
C :0.04〜0.25%、 Si:0.30%以下、
Mn:0.1〜2.0%、 P :0.05%以下、
S :0.030%以下、 Al:0.10%以下、
N :0.010%以下
を含み、さらに、Ti:0.01〜1.00%、V:0.01〜1.00%のうちから選ばれた1種または2種を含有し、かつ、C、Ti、Vを下記(1)式および下記(2)式を満足するように調整して含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、
面積率で95%以上のフェライト相を主相とし、該主相と面積率で0〜5%の第二相とからなり、さらに、10nm未満の析出物の析出密度が5.0×104μm−3以上で、転位密度が5.0×1014m−2以上である組織とを有し、
引張強さ:980MPa以上で、比例限が高いことを特徴とする高強度冷延薄鋼板。
記
(12/48)×Ti+(12/51)×V≧0.04 ‥‥(1)
C ≧ 0.9×((12/48)×Ti+(12/51)×V) ‥‥(2)
ここで、C、Ti、V:各元素の含有量(質量%) - 前記組成に加えてさらに質量%で、Nb:0.005〜0.600%、Mo:0.005〜0.600%、Ta:0.005〜0.600%、W:0.005〜0.600%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の高強度冷延薄鋼板。
- 前記組成に加えてさらに質量%で、B:0.0002〜0.0050%を含有することを特徴とする
請求項1または2に記載の高強度冷延薄鋼板。 - 前記組成に加えてさらに質量%で、Cr:0.01〜1.0%、Ni:0.01〜1.0%、Cu:0.01〜1.0%
のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の高強度冷延薄鋼板。 - 前記組成に加えてさらに質量%で、Sb:0.005〜0.050%を含有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の高強度冷延薄鋼板。
- 前記組成に加えてさらに質量%で、Ca:0.0005〜0.01%、REM:0.0005〜0.01%のうちから選ばれた1種または2種を含有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の高強度冷延薄鋼板。
- 鋼板表面にめっき層を形成してなることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の高強度冷延薄鋼板。
- 鋼素材に、熱間圧延と、冷間圧延を施し、冷延薄鋼板とするにあたり、
前記鋼素材を、質量%で、
C :0.04〜0.25%、 Si:0.30%以下、
Mn:0.1〜2.0%、 P :0.05%以下、
S :0.030%以下、 Al:0.10%以下、
N :0.010%以下
を含み、さらに、Ti:0.01〜1.00%、V:0.01〜1.00%のうちから選ばれた1種または2種を含有し、かつ、C、Ti、Vを下記(1)式および下記(2)式を満足するように調整して含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成の鋼素材とし、
前記熱間圧延を、粗圧延と仕上圧延からなる圧延とし、該仕上圧延が仕上圧延終了温度:850℃以上とする圧延とし、該仕上圧延終了から700℃までの平均冷却速度で30℃/s以上の冷却速度で冷却し、巻取温度:500℃以上で巻き取り熱延板とし、
前記冷間圧延を、前記熱延板に酸洗処理を施したのち、冷圧率:10〜80%で冷間圧延を施し冷延板とする圧延とすることを特徴とする面積率で95%以上のフェライト相を主相とし、該主相と面積率で0〜5%の第二相とからなり、さらに、10nm未満の析出物の析出密度が5.0×10 4 μm −3 以上で、転位密度が5.0×10 14 m −2 以上である組織を有し、引張強さ:980MPa以上で、比例限の高い高強度冷延薄鋼板の製造方法。
記
(12/48)×Ti+(12/51)×V≧0.04 ‥‥(1)
C ≧ 0.9×((12/48)×Ti+(12/51)×V) ‥‥(2)
ここで、C、Ti、V:各元素の含有量(質量%) - 前記冷延板に、さらに均熱温度:600〜800℃、均熱時間:300s以下である連続焼鈍処理を施し、冷延焼鈍板とすることを特徴とする請求項8に記載の高強度冷延薄鋼板の製造方法。
- 前記連続焼鈍処理の冷却途中で、浴温:420〜500℃の亜鉛めっき浴に浸漬し、鋼板表面に溶融亜鉛めっき層を形成する溶融亜鉛めっき処理を施し、めっき鋼板とすることを特徴とする請求項9に記載の高強度冷延薄鋼板の製造方法。
- 前記溶融亜鉛めっき処理後に、さらにめっき層の合金化処理を施すことを特徴とする請求項10に記載の高強度冷延薄鋼板の製造方法。
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