JP4665692B2 - 曲げ剛性に優れた高強度薄鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
質量%で、C:0.05〜0.15%、Si:0.3%以下、Mn:1.5〜2.5%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、Al:1.0%以下、N:0.01%以下、Nb:0.02〜0.1%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有し、かつC、N、Nbの含有量が下記の(1)、(2)式を満たすか、
あるいは、質量%で、C:0.05〜0.15%、Si:0.3%以下、Mn:1.5〜2.5%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、Al:1.0%以下、N:0.01%以下、Nb:0.02〜0.1%を含有し、さらにTi:0.01〜0.2%およびV:0.01〜0.2%から選ばれた少なくとも1種の元素を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる組成を有し、かつC、N、S、Nb、Ti、Vの含有量が下記の(3)、(4)式を満たし、
面積率で60〜90%のフェライト相と10〜40%のマルテンサイト相を有し、前記フェライト相と前記マルテンサイト相の面積率の合計が95%以上であり、かつフェライト粒の平均粒径(dα)が1.0〜6.0μm、マルテンサイト粒の平均粒径(dM)が0.5〜3.0μmであり、dα/dM≧1.5を満たすミクロ組織を有し、圧延方向に対して90°方向の引張強度TSが590MPa以上であり、かつ圧延方向、圧延方向に対して45°方向、および圧延方向に対して90°方向について3点曲げ試験を行って得た曲げ部外側の応力(σ)-歪(ε)曲線から、σが200MPaのときの曲線の傾き(Δσ/Δε)を求めたとき、圧延方向に対して90°方向の(Δσ/Δε)cが230GPa以上であり、前記3方向の平均の(Δσ/Δε)が200GPa以上であることを特徴とする曲げ剛性に優れた高強度薄鋼板を提供する。
Nb-(92.9/14)×N≧0.02・・・・・(1)
C-(12/92.9)×Nb -1 ≧0.01・・・・ (2)
Nb-(92.9/14)×N -2 ≧0.02・・・・・・・・・・・・・・・・ (3)
C-(12/92.9)×Nb -2 -(12/47.9)×Ti -2 -(12/50.9)×V≧0.01・・・ (4)
ここで、Nb -1 =Nb-(92.9/14)×N、N -2 =N-(14/47.9)×Ti(ただし、N -2 ≦0のときは、N -2 =0)、Nb -2 =Nb-(92.9/14)×N -2 、Ti -2 =Ti-(47.9/14)×N-(47.9/32.1)×S(ただし、Ti -2 ≦0のときは、Ti=0)であり、式中の各元素記号は各元素の含有量(質量%)を表し、また、平均の(Δσ/Δε)とは、圧延方向、圧延方向に対して45°方向、および圧延方向に対して90°方向について求めた(Δσ/Δε)を、それぞれ(Δσ/Δε)l、(Δσ/Δε)d、(Δσ/Δε)cとしたとき、{(Δσ/Δε)l+2×(Δσ/Δε)d+(Δσ/Δε)c}/4で計算した値である。
Ta=930-200×C0.5+40×Si-30×Mn+40×Al-10×Cr+30×Mo-15×Ni-20×Cu+10×W
・ ・・(5)
ここで、式中の各元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す。
10-6≦((5.6×10-4×exp((-3.44×104)/(Th+273)))×t)0.5≦3×10-5・・・・・(7)
また、粗圧延を行うに際し、(Ar3変態点+100)℃以下における合計圧下率を20%以上とし、前記粗圧延後、Ar3変態点以上の仕上圧延終了温度を確保できるように(Ar3変態点+150)℃以下に再加熱して仕上圧延を行うことが好ましい。
フェライト相は、その集合組織を制御することで曲げ剛性を高めることができるため、面積率で60%以上とする必要がある。一方、面積率で90%を越えると590MPa以上のTSを確保することが困難になることから、フェライト相は面積率60〜90%とする。マルテンサイト相は、高強度化に有効であるが、590MPa以上のTSを確保するには、面積率で10%以上とする必要がある。一方、集合組織の制御が困難なマルテンサイト相が40%を越えると曲げ剛性が低下することから、マルテンサイト相は面積率で10〜40%以下とする。なお、フェライト相とマルテンサイト相以外のその他の相は極力少ないことが望ましいが、面積率で5%程度までは許容でき、本願発明の効果を阻害することはない。したがって、フェライト相とマルテンサイト相の面積率の合計は95%以上とする。
上述したように、圧延方向、圧延方向に対して45°方向、および圧延方向に対して90°方向について3点曲げ試験を行って得た曲げ部外側の応力(σ)-歪(ε)曲線から、σが200MPaのときの曲線の傾き(Δσ/Δε)を求めたとき、圧延方向に対して90°方向の(Δσ/Δε)90が230GPa以上であり、かつ上記3方向の平均の(Δσ/Δε)が200GPa以上であれば、鋼板を薄肉化しても自動車の構造部材の剛性を大きく向上できる。ここで、(Δσ/Δε)を求めるにあたり、σが200MPaでの(Δσ/Δε)を求めたのは、自動車の走行において部材にかかる応力は、多くの場合、200MPaを超えないと考えられるためである。また、圧延方向に対して90°方向の(Δσ/Δε)cを230GPa以上とし、3方向の平均の(Δσ/Δε)を200GPa以上とすることにより、優れた曲げ剛性が得られるのは実際の自動車に応力が作用した場合の変形量が小さくなるためである。
σ=(3LP)/(2Wt2)
ε=(6tX)/L2
平均の(Δσ/Δε)=(Δσ/Δε)avは、圧延方向(l方向)、圧延方向に対して45°方向(d方向)、および圧延方向に対して90°方向(c方向)で測定された(Δσ/Δε)l、(Δσ/Δε)d、および(Δσ/Δε)cを用い、次の式で求めた。
(Δσ/Δε)av=((Δσ/Δε)l+2×(Δσ/Δε)d+(Δσ/Δε)c)/4
3)集合組織
(113)[1-10]〜(223)[1-10]方位の集合組織を発達させることで、特に圧延方向に対して90°方向の曲げ剛性を向上させることができることから、鋼板の1/4板厚における板面の(113)[1-10]〜(223)[1-10]方位における平均のODF(Orientation Distribution Function)解析強度fを6以上とすることが好ましい。
C:Cは、オーステナイト安定化元素なので、冷間圧延後の焼鈍時の冷却過程において焼入れ性を高め、低温変態相の生成を促進して高強度化に大きく寄与する。また、Ar3変態点を低下させるので、Ar3変態点直上で圧延を行うに際して、より低温域での熱間圧延を可能にし、未再結晶オーステナイトからのフェライト変態を促進して{113}<110>方位を発達させることができ、冷間圧延、焼鈍後の曲げ剛性を向上させることができる。このような効果を得るためには、C量を0.05%以上とし、さらに、Nb炭化物として固定されない量として上記(2)式で計算される固溶Cを0.01%以上とする必要がある。一方、C量が0.15%を超えると、硬質な低温変態相が増加して鋼板が極端に高強度化し、その加工性が劣化するとともに、冷間圧延および焼鈍時に曲げ剛性向上に有利な集合組織の発達を抑制したり、溶接性の劣化を招く。したがって、C量は0.05〜0.15%、好ましくは0.05〜0.11%とする。
Cr:Crは、セメンタイトの生成を抑制して焼入れ性を高める元素であり、焼鈍時の冷却過程において低温変態相の生成を促進して高強度化に大きく寄与する。また、熱間圧延時に加工オーステナイトの再結晶を抑制し、未再結晶オーステナイトからのフェライト変態を促進して{113}<110>方位を発達させ、焼鈍後の曲げ剛性を向上させる。このような効果を得るには、Cr量を0.05%以上とする必要がある。一方、Cr量が1.0%を超えると、その効果が飽和するだけでなく、合金コストの増加を招く。したがって、Cr量は0.05〜1.0%とすることがこのましい。なお、本発明の鋼板に溶融亜鉛めっきを施す場合には、表面に生成するCrの酸化物が不めっきを誘発するので、Cr量は0.5%以下とすることがより好ましい。
本発明の高強度薄鋼板は、例えば、上記のような成分組成からなる鋼を、スラブ鋳造し、そのまま、あるいは一旦冷却し再加熱した後、粗圧延と仕上圧延からなる熱間圧延を行い熱延鋼板とし、巻取った後、酸洗し、冷間圧延を行って冷延鋼板とし、焼鈍を行って製造されるが、以下にその詳細を説明する。
鋳造後のスラブは、そのまま、あるいは一旦冷却したのち再加熱を行って熱間圧延されるが、再加熱を行う場合は、加熱温度Th℃を、((-7020/(log(Nb・C0.87)-2.81))-273)〜1300℃の温度範囲とし、かつThと加熱時間t(s)が上記の(7)式を満たすように再加熱を行うことが好ましい。なお、該式中、Nb、Cは各々の元素の含有量(質量%)である。一旦冷却したのち再加熱を行うと、オーステナイト→フェライト→オーステナイト変態が起こるので、オーステナイト粒を細粒化でき、曲げ剛性をより向上させることができるが、そのときThとtを上記の(7)式のように制御する必要がある。特に、Thとtを確保することで、炭化物として析出しているNbを再固溶させ、Nbの効果を大きくするには、((5.6×10-4×exp((-3.44×104)/(Th+273)))×t)0.5を10-6以上とすることが好ましい。一方、Thとtが大きくなると、オーステナイトが粗大化し、曲げ剛性が低下することから、((5.6×10-4×exp((-3.44×104)/(Th+273)))×t)0.5を3×10-5以下とすることが好ましい。
熱間圧延時の粗圧延を低温で行うと、オーステナイト域で圧延するときは、加工歪みによりオーステナイト粒を細粒化でき、また、フェライト域やフェライト+オーステナイト域で圧延するときは、その後の再加熱時の再変態でオーステナイト粒を細粒化できるので、曲げ剛性をより向上させることができる。したがって、特に限定しないが、(Ar3変態点+100)℃以下における合計圧下率を20%以上として粗圧延を行うことが好ましく、この場合は、その後、Ar3変態点以上の仕上圧延終了温度を確保できるように、粗圧延した鋼を再加熱することが好ましい。なお、再加熱するにあたり、オーステナイト粒が粗大化しないように(Ar3変態点+150)℃以下に再加熱して仕上圧延を行うことが好ましい。
仕上圧延後の冷却速度を高めると、フェライト粒を細粒化し、冷間圧延、焼鈍後に(113)[1-10]〜(223)[1-10]方位を高めることができたり、また未再結晶オーステナイト域で圧延を終了する場合には、オーステナイトの再結晶を抑制し、未再結晶オーステナイトからのフェライト変態を進行させることができ、曲げ剛性をより向上させることができる。そのためには、仕上圧延後、3s以内に50℃/s以上の平均冷却速度で700℃以下まで冷却することがより好ましい。仕上圧延終了後冷却開始までの時間を3s以下とすることは、オーステナイトの再結晶を抑制する上で効果的であり、また、平均冷却速度を50℃/s以上とすることは、フェライト粒の粗大化を抑制する上で効果的であり、さらに、700℃以下まで冷却することは、加工オーステナイトの再結晶の進行やフェライト粒の粗大化を防止する上で効果的である。
熱間圧延後の鋼板を巻取るにあたり、巻取温度が500℃を下回ると低温変態相が生成して、その後の冷間圧延において、曲げ剛性を向上させる集合組織を発達させることができない。したがって、巻取温度は500℃以上とする必要がある。一方、巻取温度が高いと、冷間圧延前のフェライト粒が粗大化し、曲げ剛性を向上させる集合組織の発達を抑制することから、巻取温度は650℃以下とすることが好ましい。
酸洗後の熱延鋼板を冷間圧延する際に、その圧下率を最適化することで、曲げ剛性の向上に有効な(113)[1-10]〜(223)[1-10]方位に回転させることができる。このような方位を発達させるには圧下率を45〜85%とする必要がある。圧下率が45%未満あるいは85%を超えると(113)[1-10]〜(223)[1-10]方位への回転が不十分となり、曲げ剛性を向上させることが困難となる。
焼鈍時の昇温速度が極端に遅いと、昇温途中でフェライトの再結晶が進行することから、焼鈍時の昇温速度は、室温から後述するTaまで平均で1℃/s以上とする必要がある。なお、昇温速度は、特に上限を設けるものではないが、大きな昇温速度を得るには急速加熱設備等が必要となり製造コストが上昇するため、平均で30℃/s未満とすることが好ましい。
Claims (14)
- 質量%で、C:0.05〜0.15%、Si:0.3%以下、Mn:1.5〜2.5%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、Al:1.0%以下、N:0.01%以下、Nb:0.02〜0.1%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有し、かつC、N、Nbの含有量が下記の(1)、(2)式を満たし、面積率で60〜90%のフェライト相と10〜40%のマルテンサイト相を有し、前記フェライト相と前記マルテンサイト相の面積率の合計が95%以上であり、かつフェライト粒の平均粒径(dα)が1.0〜6.0μm、マルテンサイト粒の平均粒径(dM)が0.5〜3.0μmであり、dα/dM≧1.5を満たすミクロ組織を有し、圧延方向に対して90°方向の引張強度TSが590MPa以上であり、かつ圧延方向、圧延方向に対して45°方向、および圧延方向に対して90°方向について3点曲げ試験を行って得た曲げ部外側の応力(σ)-歪(ε)曲線から、σが200MPaのときの曲線の傾き(Δσ/Δε)を求めたとき、圧延方向に対して90°方向の(Δσ/Δε)cが230GPa以上であり、前記3方向の平均の(Δσ/Δε)が200GPa以上であることを特徴とする曲げ剛性に優れた高強度薄鋼板;
Nb-(92.9/14)×N≧0.02・・・・・(1)
C-(12/92.9)×Nb-1≧0.01・・・・ (2)
ここで、Nb-1=Nb-(92.9/14)×Nであり、式中の各元素記号は各元素の含有量(質量%)を表し、また、平均の(Δσ/Δε)とは、圧延方向、圧延方向に対して45°方向、および圧延方向に対して90°方向について求めた(Δσ/Δε)を、それぞれ(Δσ/Δε)l、(Δσ/Δε)d、(Δσ/Δε)cとしたとき、{(Δσ/Δε)l+2×(Δσ/Δε)d+(Δσ/Δε)c}/4で計算した値である。 - 質量%で、C:0.05〜0.15%、Si:0.3%以下、Mn:1.5〜2.5%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、Al:1.0%以下、N:0.01%以下、Nb:0.02〜0.1%を含有し、さらにTi:0.01〜0.2%およびV:0.01〜0.2%から選ばれた少なくとも1種の元素を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる組成を有し、かつC、N、S、Nb、Ti、Vの含有量が下記の(3)、(4)式を満たし、面積率で60〜90%のフェライト相と10〜40%のマルテンサイト相を有し、前記フェライト相と前記マルテンサイト相の面積率の合計が95%以上であり、かつフェライト粒の平均粒径(dα)が1.0〜6.0μm、マルテンサイト粒の平均粒径(dM)が0.5〜3.0μmであり、dα/dM≧1.5を満たすミクロ組織を有し、圧延方向に対して90°方向の引張強度TSが590MPa以上であり、かつ圧延方向、圧延方向に対して45°方向、および圧延方向に対して90°方向について3点曲げ試験を行って得た曲げ部外側の応力(σ)-歪(ε)曲線から、σが200MPaのときの曲線の傾き(Δσ/Δε)を求めたとき、圧延方向に対して90°方向の(Δσ/Δε)cが230GPa以上であり、前記3方向の平均の(Δσ/Δε)が200GPa以上であることを特徴とする曲げ剛性に優れた高強度薄鋼板;
Nb-(92.9/14)×N-2≧0.02・・・・・・・・・・・・・・・・ (3)
C-(12/92.9)×Nb-2-(12/47.9)×Ti-2-(12/50.9)×V≧0.01・・・ (4)
ここで、N-2=N-(14/47.9)×Ti(ただし、N-2≦0のときは、N-2=0)、Nb-2=Nb-(92.9/14)×N-2、Ti-2=Ti-(47.9/14)×N-(47.9/32.1)×S(ただし、Ti-2≦0のときは、Ti=0)であり、式中の各元素記号は各元素の含有量(質量%)を表し、また、平均の(Δσ/Δε)とは、圧延方向、圧延方向に対して45°方向、および圧延方向に対して90°方向について求めた(Δσ/Δε)を、それぞれ(Δσ/Δε)l、(Δσ/Δε)d、(Δσ/Δε)cとしたとき、{(Δσ/Δε)l+2×(Δσ/Δε)d+(Δσ/Δε)c}/4で計算した値である。 - 個々のフェライト粒径に関し、その自然対数を採った値の標準偏差をσAとしたとき、σA<0.7を満たすことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の曲げ剛性に優れた高強度薄鋼板。
- 鋼板の1/4板厚における板面の(113)[1-10]〜(223)[1-10]方位における平均のODF解析強度fが6以上であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の曲げ剛性に優れた高強度薄鋼板;ここで、[1-10]は(1,-1,0)の方向を表す。
- さらに、質量%で、Cr:0.05〜1.0%、Ni:0.05〜1.0%、Mo:0.05〜1.0%、B:0.0005〜0.0030%から選ばれた少なくとも1種の元素を含有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の曲げ剛性に優れた高強度薄鋼板。
- さらに、質量%で、Cu:0.1〜2.0%を含有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の曲げ剛性に優れた高強度薄鋼板。
- さらに、質量%で、W:0.1〜2.0%を含有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の曲げ剛性に優れた高強度薄鋼板。
- 請求項1、請求項2、請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の組成からなる鋼を、鋳造し、そのまま、あるいは一旦冷却し再加熱した後、粗圧延し、Ar3変態点以上の仕上圧延終了温度で仕上圧延し、500℃以上の巻取温度で巻取った後、酸洗を行い、45〜85%の範囲の圧下率Rで冷間圧延を行った後、焼鈍を行うに際し、室温から下記の(5)式に定義する温度Ta℃までを平均1℃/s以上の昇温速度で加熱し、Ta〜(Ta+10+R0.9)℃の温度範囲に下記の(6)式を満たすような時間v(s)滞留させた後、Ta〜600℃の温度範囲を3〜30℃/sの平均冷却速度で冷却することを特徴とする曲げ剛性に優れた高強度薄鋼板の製造方法。
Ta=930-200×C0.5+40×Si-30×Mn+40×Al-10×Cr+30×Mo-15×Ni-20×Cu+10×W
・・・・(5)
ここで、式中の各元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す。
- 鋼を鋳造し、一旦冷却したのち再加熱を行う際の加熱温度Th℃を、((-7020/(log(Nb・C0.87)-2.81))-273)〜1300℃[ただし、Nb、Cは、各元素の含有量(質量%)を表す。]の温度範囲とし、かつ加熱温度Th℃と加熱時間t(s)が下記の(7)式を満たすように再加熱を行うことを特徴とする請求項8に記載の曲げ剛性に優れた高強度薄鋼板の製造方法。
10-6≦((5.6×10-4×exp((-3.44×104)/(Th+273)))×t)0.5≦3×10-5・・・・・(7) - 粗圧延を行うに際し、(Ar3変態点+100)℃以下における合計圧下率を20%以上とし、前記粗圧延後、Ar3変態点以上の仕上圧延終了温度を確保できるように(Ar3変態点+150)℃以下に再加熱して仕上圧延を行うことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の曲げ剛性に優れた高強度薄鋼板の製造方法。
- 仕上圧延を行うに際し、(Ar3変態点+100)℃以下における合計圧下率を50%以上とし、かつ仕上圧延終了温度をAr3変態点〜(Ar3変態点+50)℃の温度範囲とすることを特徴とする請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の曲げ剛性に優れた高強度薄鋼板の製造方法。
- 仕上圧延を行うに際し、潤滑圧延を行うことを特徴とする請求項8から請求項11のいずれか1項に記載の曲げ剛性に優れた高強度薄鋼板の製造方法。
- 仕上圧延後、3s以内に50℃/s以上の平均冷却速度で700℃以下まで冷却することを特徴とする請求項8から請求項12のいずれか1項に記載の曲げ剛性に優れた高強度薄鋼板の製造方法。
- 焼鈍後に0.3〜10%の伸び率で調質圧延を行うことを特徴とする請求項8から請求項13のいずれか1項に記載の曲げ剛性に優れた高強度薄鋼板の製造方法。
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