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JP6119135B2 - 光学素子の製造方法および光学素子 - Google Patents

光学素子の製造方法および光学素子 Download PDF

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Description

本発明は、光学素子およびその製造方法に関する。
光学素子の製造には、成形加工がよく用いられる(例えば、特許文献1を参照)。例えば、ガラス材料と樹脂材料を用いた複合型の回折レンズの成形加工を行う場合、円盤状のガラス基板上に塗布された樹脂材に対して成形型を押圧させ、成形型の転写面に形成された所定の形状(すなわち、回折格子の形状)を樹脂材に転写する。このようにして回折格子の形状が転写された円盤状の樹脂層を成形した後、回折レンズ(ガラス基板)の中心に回折格子が形成されているか検査を行う。
特開2007−131466号公報
ガラス基板の中心に回折格子が形成されているにもかかわらず、成形型により樹脂材が不均一に押し広げられ、成形後の樹脂層の外周部がガラス基板の外周部に対し偏芯してずれる場合がある。これに対し、成形後の樹脂層のずれを見込んで、予め余分に大きくガラス基板を作製し、樹脂層の成形後にガラス基板(必要に応じて樹脂層)を所定の大きさまで小さく切削加工する方法が考えられる。しかしながら、このような方法では、ガラス基板の切削加工に時間を要し、ガラス基板の材料の歩留まりが低下するため、製造コストが増加する一因となる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、製造コストを低減させることが可能な光学素子の製造方法および光学素子を提供することを目的とする。
このような目的達成のため、本発明に係る光学素子の製造方法は、略円盤状に形成された第1部材の表面に成形材料を供給し、前記成形材料が供給された前記第1部材の前記表面に成形型を近づけて前記成形材料を押し広げ、前記押し広げた前記成形材料を硬化させることにより、前記成形材料を硬化させてなる第2部材を前記第1部材に重ねて成形する光学素子の製造方法であって、前記光学素子を構成する所定の素子形状が前記第2部材に形成され、前記第1部材の前記表面の外周部近傍に、断面視V字形の一対の壁面を有する複数の溝部が前記所定の素子形状を囲む同心円型の円環状に延びて形成されるか、もしくは、前記成形型において前記第1部材の前記外周部近傍と対向する対向面部に、断面視V字形の一対の壁面を有する複数の溝部が、前記成形型において前記所定の素子形状を転写するための形状を有した転写面部を囲む同心円型の円環状に延びて形成されており、以下の条件式を満足している。
3°≦θ1≦60°
3°≦θ2≦60°
30°≦θ1+θ2≦120°
但し、
θ1:前記断面視V字形の一対の壁面における一方の壁面への傾斜角、
θ2:前記断面視V字形の一対の壁面における他方の壁面への傾斜角。
なお、上述の製造方法において、前記複数の溝部は、前記断面視V字形の一対の壁面に繋がる断面視円弧形の底面を有し、以下の条件式を満足していることが好ましい。
0.5μm≦R≦5μm
但し、
R:前記底面の曲率半径。
さらに、前記対向面部に前記複数の溝部が形成される場合には、前記転写面部が円形状に形成され、前記複数の溝部の回転対称軸が前記転写面部の回転対称軸と同軸であり、前記第1部材の前記表面に前記成形型を近づける際、前記転写面部および前記複数の溝部の回転対称軸を前記第1部材の回転対称軸と同軸となるように配置することが好ましい。
また、上述の製造方法において、前記所定の素子形状は、回折光学素子を構成する回折格子形状であることが好ましい。
また、上述の製造方法において、前記成形材料として紫外線硬化型樹脂を用いることが好ましい。
また、本発明に係る光学素子は、略円盤状に形成された第1部材と、前記第1部材の表面に重ねて略円盤状に形成された第2部材とを備える光学素子であって、前記光学素子を構成する所定の素子形状が前記第2部材に形成され、前記第1部材の前記表面の外周部近傍に、断面視V字形の一対の壁面を有する複数の溝部が前記所定の素子形状を囲む同心円型の円環状に延びて形成されるか、もしくは、前記第2部材における前記第1部材に重なる側と反対側の面の外周部近傍に、前記複数の溝部の場合とは逆向きの断面視V字形の一対の壁面を有する複数の突部が前記所定の素子形状を囲む同心円型の円環状に延びて形成され、以下の条件式を満足している。
3°≦θ1≦60°
3°≦θ2≦60°
30°≦θ1+θ2≦120°
但し、
θ1:前記断面視V字形の一対の壁面における一方の壁面への傾斜角、
θ2:前記断面視V字形の一対の壁面における他方の壁面への傾斜角。
本発明によれば、光学素子の製造コストを低減させることが可能となる。
第1実施形態における成形型の側断面図である。 回折レンズの側断面図である。 第1実施形態における成形型の部分断面図(拡大図)である。 溝部の拡大断面図である。 回折レンズの製造方法を示すフローチャートである。 第1実施形態における回折レンズの成形工程について(a)〜(d)へ順に示す模式図である。 第1実施形態におけるシフト検査工程の変形例を示す模式図である。 ガラス基板上にDOE成形部を成形した例を示す平断面図である。 溝部の変形例を示す拡大断面図である。 第2実施形態における回折レンズの成形工程について(a)〜(d)へ順に示す模式図である。 位相フレネルレンズの一例を示す側断面図である。 位相フレネルレンズの一例を示す側断面図である。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。本実施形態の光学素子として回折レンズ1が図2に示されている。この回折レンズ1は、回折光学素子(DOE:Diffractive Optical Element)を構成するDOE成形部2と、DOE成形部2を支持する透明な支持部3とを有して構成される。DOE成形部2は、透明の樹脂材料を用いて円盤状に成形され、DOE成形部2の表面には、複数の輪帯が同心円状に並ぶ回折格子21が形成されている。なお、各図において、説明容易化のため、回折格子21の輪帯の数を少なく記載しているが、実際の輪帯数は使用可能な程度に十分多いものとする。支持部3は、透明のガラス基板等から構成され、DOE成形部2よりも若干大きい径(もしくは、DOE成形部2と同径)の円盤状に形成される。
回折レンズ1の製造方法の第1実施形態として、DOE成形部2の成形に用いられる成形型50を図1に示す。第1実施形態における成形型50は、図1に示すような円盤状に形成された金型(スタンパーと称されることもある)であり、成形型50の表面側には、DOE成形部2(回折格子21)の形状を転写するための形状(反転形状)を有した転写面部51に加え、転写面部51を囲む円環状に延びた複数の溝部52が形成されている。転写面部51は、DOE成形部2(回折格子21)の形状に合わせて形成された円形状の転写面51aを有している。
転写面部51を囲む複数の溝部52は、図3に示すように、成形型50の径方向に等ピッチ間隔で並ぶ同心円状に形成される。各溝部52は、図4に示すように、断面視V字形の一対の壁面52a,52bと、この一対の壁面52a,52bに繋がる断面視円弧形の底面52cとを有している。本実施形態において、溝部52の深さ方向に(溝部52の回転対称軸と平行に)延びて底面52cの中央を通る軸を基準軸Sxと称する。また、各溝部52の一対の壁面52a,52bにおける一方(図4における左側)の壁面を第1壁面52aと称し、他方の壁面(図4における右側)を第2壁面52bと称する。
なお、転写面部51および溝部52は、図示しない精密旋盤を用いて、成形型50の回転対称軸を中心に回転させながら切削加工を行うことにより、同一の工程で形成される。そのため、溝部52の回転対称軸が転写面部51の回転対称軸と同軸となるように形成される。
第1実施形態における回折レンズ1の製造方法について、図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。まず予め、DOE成形部2を成形するための樹脂材20や、支持部3となるガラス基板30を作製した後、ガラス基板30の上に図6(d)に示すような突起状の輪帯22を有するDOE成形部2aを成形する(ステップST101)。
この成形工程において、まず、図6(a)に示すように、ガラス基板30を図示しないステージ上に載置する。ここで、ガラス基板30は、円盤状に形成された透明のガラス基板である。次に、図6(b)に示すように、ガラス基板30の表面中央部にDOE成形部2aを成形するための紫外線硬化特性を有する未硬化の(液状の)樹脂材20を塗布する。なお、DOE成形部2aに用いられる成形材料(樹脂材20)として紫外線硬化樹脂が用いられる。次に、図6(c)に示すように、樹脂材20が塗布されたガラス基板30の表面に成形型50を上方から近づけて、樹脂材20を略円盤状に押し広げる。この状態で、ガラス基板30の裏面側から樹脂材20に向けて紫外線を所定の照射量だけ照射し、未硬化の樹脂材20を硬化させた後、離型する。そうすると、成形型50の転写面51aが樹脂材20に当接することにより回折格子21の形状が樹脂材20に転写されるとともに、成形型50により押し広げられる樹脂材20の一部が成形型50の溝部52に入り込む。そのため、図6(d)に示すように、ガラス基板30の上に回折格子21を囲む突起状の輪帯22を有するDOE成形部2aが成形される。
このようにして、ガラス基板30の上に図6(d)に示すようなDOE成形部2aを成形する。その後、ガラス基板30の中心軸AX1に対する回折格子21の中心軸AX2のシフト量を測定する(ステップST102)。このシフト検査工程において、求めたシフト量が所定の閾値の範囲内である場合には正常と判定され、求めたシフト量が所定の閾値を超えた場合には異常と判定される。そして、シフト量を測定した後、旋盤等によりガラス基板30および突起状の輪帯22を含むDOE成形部2aの外周部をカットする仕上げ工程や、最終的な製品検査工程等を経て、DOE成形部2および支持部3からなる回折レンズ1が製造される。
第1実施形態では、成形型50の表面側中央部に円形状の転写面部51が形成される。また、成形型50の表面側外周部近傍、すなわち、成形型50においてガラス基板30の外周部近傍と対向する対向面部53に、転写面部51を囲む円環状の溝部52が当該転写面部51と同軸に形成される。そのため、ガラス基板30の表面に成形型50を近づける際、転写面部51および溝部52の回転対称軸をガラス基板30の回転対称軸と同軸となるように配置すれば、成形型50が樹脂材20を押し広げる際、樹脂材20の一部が円環状に繋がる溝部52に入り込むことで、樹脂材20を均一に(回転対称に)押し広げることができる。これにより、回折格子21だけでなく、DOE成形部2a自体もガラス基板30と同軸に形成される。この結果、第1実施形態によれば、DOE成形部2aのずれを見込んで、予め余分に大きくガラス基板30を作製する必要がないため、ガラス基板30の切削加工に時間を要することなく、ガラス基板30の材料の歩留まりが向上して、回折レンズ1の製造コストを低減させることが可能になる。
なお、各溝部52の第1壁面52aおよび第2壁面52bは、次の条件式(1)〜(3)で表される条件を満足するように形成されるのが好ましい。但し、基準軸Sxから第1壁面52aへの傾斜角をθ1とし、基準軸Sxから第2壁面52bへの傾斜角をθ2とする(図4を参照)。
3°≦θ1≦60° …(1)
3°≦θ2≦60° …(2)
30°≦θ1+θ2≦120° …(3)
上記条件式(1)〜(3)で表される条件を満足するように溝部52を形成すれば、樹脂材20が溝部52に沿って流れやすくなるので、樹脂材20をより均一に(回転対称に)押し広げることができ、上述したように、回折レンズ1の製造コストを低減させることが可能になる。また、離型を容易に行うことができるので、回折レンズ1の製造を容易にすることができる。
また、各溝部52の底面52cは、次の条件式(4)で表される条件を満足するように形成されるのが好ましい。但し、底面52cの曲率半径をRとする(図4を参照)。
0.5μm≦R≦5μm …(4)
上記条件式(4)で表される条件を満足するように溝部52を形成すれば、溝部52での樹脂材20の流れやすさを損なうことなく、溝部52を容易に加工することができるので、回折レンズ1の製造を容易にすることができる。
また、第1実施形態におけるシフト検査工程では、DOE成形部2aに形成された輪帯22を利用して、ガラス基板30の中心軸AX1に対する回折格子21の中心軸AX2のシフト量を測定することができる。具体的にはまず、図7に示すように、図示しないシフト検査用のカメラを用いて、ガラス基板30の外周部と輪帯22を含む高倍率の拡大画像を複数の測定位置(例えば、90度間隔の4つの測定位置)で撮像する。ガラス基板30の外周部と輪帯22を含む複数の(4つの)拡大画像A1〜A4を撮像すると、各拡大画像A1〜A4に対して画像処理を行うことで、各測定位置でのガラス基板30の外周部と輪帯22(複数の輪帯22のうち最も外側に位置するもの)との径方向の間隔L1〜L4をそれぞれ測定する。
第1実施形態の成形型50は、転写面部51および当該転写面部51と同軸の溝部52を有しており、回折格子21を囲む円環状の輪帯22が当該回折格子21と同軸に形成される。そのため、ガラス基板30の外周部と輪帯22を含む高倍率の拡大画像A1〜A4に基づき、輪帯22を介してシフト量を高精度に測定することが可能となる。なおこのとき、ガラス基板30の外周部と輪帯22が円形であるため、回折格子21の中心軸AX2(すなわち、輪帯22の中心軸)がガラス基板30の中心軸AX1と合っているときには、各測定位置での径方向の間隔L1〜L4は同じであるが、回折格子21の中心軸AX2がガラス基板30の中心軸AX1に対してシフトしているときには、各測定位置での径方向の間隔L1〜L4が異なることになる。これにより、複数の測定位置での径方向の間隔L1〜L4に基づいて、シフト量を高精度に求めることができる。
なお、シフト量の測定は、上述した方法に限られるものではなく、例えば、ガラス基板30の外周部と輪帯22を含む高倍率の拡大画像を120度間隔の3つの測定位置で撮像し、各測定位置での径方向の間隔をそれぞれ測定してもよく、複数の測定位置で撮像すればよい。また例えば、シフト検査用のカメラを用いて、ガラス基板30の外周部と回折格子21の外周部を含む画像を撮像し、この画像に対して所定の画像処理を行うことで、ガラス基板30の外周部と回折格子21の外周部との径方向の間隔を複数の測定位置(周方向に異なる位置)で測定するようにしてもよい。
ところで、本願の発明者は、第1実施形態に係る回折レンズ1の製造方法について実験を行った。まず予め、図3に示すように、複数の溝部52の総幅:L=2mm、溝部52のピッチ:P=0.04mm、溝部52の深さ:h=0.02mm、複数の溝部52の最内径:φ1=16.6mm、複数の溝部52の最外径:φ2=18.6mm、となるように成形型50を作製した。また、図4に示すように、基準軸Sxから第1壁面52aへの傾斜角:θ1=45°、基準軸Sxから第2壁面52bへの傾斜角:θ2=45°、底面52cの曲率半径:R=1μm、となるように溝部52を形成した。また予め、直径が28mm、厚さが2.8mmのガラス基板30を作製した。また予め、25℃における粘度が500mPa・sの未硬化の樹脂材20を作製した。そして、上述の第1実施形態と同様にして、ガラス基板30の表面中央部に未硬化の樹脂材20を塗布し、ガラス基板30の表面に成形型50を上方から近づけて樹脂材20を略円盤状に押し広げ、ガラス基板30の上に厚さが0.1mmのDOE成形部2aを成形した。
ここで、図8に示すように、ガラス基板30の中心軸(回転対称軸)とDOE成形部2aの外周部との最大距離をDmaxとし、ガラス基板30の中心軸とDOE成形部2aの外周部との最小距離をDminとする。上述した実験条件で複数のサンプルを作製し、DmaxおよびDminを測定した結果、DmaxとDminとの差の平均値が0.59mmで、標準偏差が0.17であった。本実施形態によれば、ガラス基板30(外周部)に対するDOE成形部2a(外周部)のシフト量(偏芯量)が1mm以下となることがわかる。
なお、上述の第1実施形態において、支持部3としてガラス基板30を用いているが、これに限られるものではなく、例えば、プラスチック製の基板であってもよく、透明な材料であればよい。
また、上述の第1実施形態において、DOE成形部2および支持部3(DOE成形部2aおよびガラス基板30)がそれぞれ円盤状に形成されているが、これに限られるものではなく、これらの少なくともいずれかの面が球面もしくは非球面であってもよい。
また、上述の第1実施形態において、複数の溝部52が成形型50の径方向に等ピッチ間隔で並んでいるが、これに限られるものではなく、等ピッチでなくてもよい。また、条件によっては、溝部52が単数であってもよい。
また、上述の第1実施形態において、シフト量を測定した後、輪帯22を含むDOE成形部2aの外周部をカットしているが、これに限られるものではなく、光学性能上問題がなければ、外周部をカットせずに輪帯22を残すようにしてもよい。
また、上述の第1実施形態において、溝部52の断面が左右対称に形成されているが、これに限られるものではなく、左右非対称に形成されてもよい。例えば、図9(a)に示すように、溝部52の第1壁面52a′が第2壁面52b′より傾斜してもよく、また例えば、図9(b)に示すように、溝部52の第2壁面52b″が第1壁面52a″より傾斜してもよい。すなわち、上述の条件式(1)〜(3)で表される条件を満足するように溝部52を形成すればよい。
続いて、回折レンズ1の製造方法の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態における製造フローは、第1実施形態における製造フローと比較して、シフト検査工程を設けていない点が異なる。まず予め、DOE成形部2を成形するための樹脂材20や、支持部3となるガラス基板60を作製した後、ガラス基板60の上に図10(d)に示すような輪帯63を裏面側に有するDOE成形部2bを成形する。
第2実施形態の成形型55は、図10(b)に示すような円盤状に形成された金型であり、成形型55の表面側には、DOE成形部2(回折格子21)の形状を転写するための形状(反転形状)を有した転写面部51のみが形成されている。第2実施形態の転写面部51は、第1実施形態と同様に形成され、DOE成形部2(回折格子21)の形状に合わせて形成された円形状の転写面51aを有している。
第2実施形態のガラス基板60は、図10(a)に示すような円盤状に形成された透明のガラス基板であり、ガラス基板60の表面側の外周部近傍には、複数の溝部62が円環状に延びて形成されている。第2実施形態の溝部62は、ガラス基板60の径方向に等ピッチ間隔で並ぶ同心円状に形成される。各溝部62は、第1実施形態の溝部52と同様の形状(上下反転させた形状)であり、詳細な図示を省略するが、断面視V字形の一対の壁面と、この一対の壁面に繋がる断面視円弧形の底面とを有している。また、第2実施形態の溝部62において、第1実施形態の溝部52と同様に、基準軸、第1壁面、および第2壁面を定義するものとし、これらの詳細な説明および図示を省略する。
なお、第2実施形態の溝部62は、図示しない研削機を用いて、ガラス基板60の回転対称軸を中心に回転させながら研削加工を行うことにより、溝部62の回転対称軸がガラス基板60の回転対称軸と同軸となるように形成される。
第2実施形態の成形工程では、まず、図10(a)に示すように、ガラス基板60を図示しないステージ上に載置する。次に、図10(b)に示すように、ガラス基板60の表面中央部に第1実施形態と同様の未硬化の(液状の)樹脂材20を塗布する。次に、図10(c)に示すように、樹脂材20が塗布されたガラス基板30の表面に成形型55を上方から近づけて、樹脂材20を略円盤状に押し広げる。この状態で、ガラス基板60の裏面側から樹脂材20に向けて紫外線を所定の照射量だけ照射し、未硬化の樹脂材20を硬化させた後、離型する。そうすると、成形型55の転写面51aが樹脂材20に当接することにより回折格子21の形状が樹脂材20に転写されるとともに、成形型55により押し広げられる樹脂材20の一部がガラス基板60の溝部62に入り込む。そのため、図10(d)に示すように、ガラス基板60の上に回折格子21を囲むように視認される輪帯63を裏面側に有するDOE成形部2bが成形される。
このようにして、ガラス基板60の上に図10(d)に示すようなDOE成形部2bを成形する。その後、旋盤等によりガラス基板60および輪帯63を含むDOE成形部2bの外周部をカットする仕上げ工程や、最終的な製品検査工程等を経て、DOE成形部2および支持部3からなる回折レンズ1が製造される。
第2実施形態では、ガラス基板60の外周部近傍に、成形型55の転写面部51よりも径が大きい円環状の溝部62がガラス基板60と同軸に形成される。そのため、ガラス基板60の表面に成形型55を近づける際、転写面部51の回転対称軸をガラス基板60の回転対称軸と同軸となるように配置すれば、成形型55が樹脂材20を押し広げる際、樹脂材20の一部が円環状に繋がる溝部62に入り込むことで、樹脂材20を均一に(回転対称に)押し広げることができる。これにより、回折格子21だけでなく、DOE成形部2b自体もガラス基板60と同軸に形成される。この結果、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、回折レンズ1の製造コストを低減させることが可能になる。
なお、各溝部62の第1壁面および第2壁面は、前述の条件式(1)〜(3)で表される条件を満足するように形成されるのが好ましい。なお、第1実施形態と同様に、溝部62における基準軸から第1壁面への傾斜角をθ1とし、基準軸から第2壁面への傾斜角をθ2とする。このようにすれば、第1実施形態と同様に、回折レンズ1の製造コストを低減させることが可能になる。また、離型を容易に行うことができるので、回折レンズ1の製造を容易にすることができる。
また、各溝部62の底面は、前述の条件式(4)で表される条件を満足するように形成されるのが好ましい。なお、第1実施形態と同様に、溝部62における底面の曲率半径をRとする。このようにすれば、第1実施形態と同様に、回折レンズ1の製造を容易にすることができる。
なお、上述の第2実施形態において、支持部3としてガラス基板60を用いているが、これに限られるものではなく、例えば、プラスチック製の基板であってもよく、透明な材料であればよい。
また、上述の第2実施形態において、DOE成形部2および支持部3(DOE成形部2bおよびガラス基板60)がそれぞれ円盤状に形成されているが、これに限られるものではなく、これらの少なくともいずれかの面が球面もしくは非球面であってもよい。
また、上述の第2実施形態において、複数の溝部62がガラス基板60の径方向に等ピッチ間隔で並んでいるが、これに限られるものではなく、等ピッチでなくてもよい。また、条件によっては、溝部62が単数であってもよい。
また、上述の第2実施形態において、輪帯63を含むDOE成形部2bの外周部をカットしているが、これに限られるものではなく、光学性能上問題がなければ、外周部をカットせずに輪帯63を残すようにしてもよい。
また、上述の第2実施形態において、溝部62の断面が左右対称に形成されているが、これに限られるものではなく、第1実施形態と同様に、左右非対称に形成されてもよい。すなわち、上述の条件式(1)〜(3)で表される条件を満足するように溝部62を形成すればよい。
また、上述の第1および第2実施形態において、単層のDOE成形部2を有する回折レンズ1を例に説明したが、これに限られるものではなく、密着複層型の位相フレネルレンズ(以下、PFレンズと称する)であっても、本発明を適用可能である。例えば、図11に示すような、低屈折率高分散の樹脂材料を用いて前述の成形型50(もしくは成形型55)により成形された第1のDOE層72と、第1のDOE層72を支持するガラス基板である第1の支持層73と、高屈折率低分散の樹脂材料を用いて第1のDOE層72に積層された第2のDOE層74と、第2のDOE層74を支持するガラス基板である第2の支持層75とを有したPFレンズ71であってもよい。また例えば、図12に示すような、低屈折率高分散の樹脂材料を用いて前述の成形型50(もしくは成形型55)により成形された第1のDOE層82と、第1のDOE層82を支持するガラス基板である支持層83と、高屈折率低分散の樹脂材料を用いて第1のDOE層82に積層された第2のDOE層84とを有したPFレンズ81であってもよい。
また、上述の第1および第2実施形態において、回折光学素子の一種である回折レンズ1を例に説明したが、これに限られるものではなく、一般的なフレネルレンズや、非球面レンズ、マイクロレンズアレイ等の光学素子であっても、本発明を適用可能である。
1 回折レンズ(光学素子)
2 DOE成形部 3 支持部
20 樹脂材(成形材料)
21 回折格子 22 輪帯
30 ガラス基板(第1実施形態)
50 成形型(第1実施形態)
51 転写面部(51a 転写面)
52 溝部(52a 第1壁面、52b 第2壁面、52c 底面)
55 成形型(第2実施形態)
60 ガラス基板(第2実施形態)
62 溝部
71 PFレンズ(回折光学素子の変形例)
81 PFレンズ(回折光学素子の変形例)

Claims (6)

  1. 略円盤状に形成された第1部材の表面に成形材料を供給し、前記成形材料が供給された前記第1部材の前記表面に成形型を近づけて前記成形材料を押し広げ、前記押し広げた前記成形材料を硬化させることにより、前記成形材料を硬化させてなる第2部材を前記第1部材に重ねて成形する光学素子の製造方法であって、
    前記光学素子を構成する所定の素子形状が前記第2部材に形成され、
    前記第1部材の前記表面の外周部近傍に、断面視V字形の一対の壁面を有する複数の溝部が前記所定の素子形状を囲む同心円型の円環状に延びて形成されるか、もしくは、前記成形型において前記第1部材の前記外周部近傍と対向する対向面部に、断面視V字形の一対の壁面を有する複数の溝部が、前記成形型において前記所定の素子形状を転写するための形状を有した転写面部を囲む同心円型の円環状に延びて形成されており、
    以下の条件式を満足することを特徴とする光学素子の製造方法。
    3°≦θ1≦60°
    3°≦θ2≦60°
    30°≦θ1+θ2≦120°
    但し、
    θ1:前記断面視V字形の一対の壁面における一方の壁面への傾斜角、
    θ2:前記断面視V字形の一対の壁面における他方の壁面への傾斜角。
  2. 前記複数の溝部は、前記断面視V字形の一対の壁面に繋がる断面視円弧形の底面を有し、
    以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学素子の製造方法。
    0.5μm≦R≦5μm
    但し、
    R:前記底面の曲率半径。
  3. 前記対向面部に前記複数の溝部が形成されており、
    前記転写面部が円形状に形成され、
    前記複数の溝部の回転対称軸が前記転写面部の回転対称軸と同軸であり、
    前記第1部材の前記表面に前記成形型を近づける際、前記転写面部および前記複数の溝部の回転対称軸を前記第1部材の回転対称軸と同軸となるように配置することを特徴とする請求項1または2に記載の光学素子の製造方法。
  4. 前記所定の素子形状は、回折光学素子を構成する回折格子形状であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の光学素子の製造方法。
  5. 前記成形材料として紫外線硬化型樹脂を用いることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の光学素子の製造方法。
  6. 略円盤状に形成された第1部材と、
    前記第1部材の表面に重ねて略円盤状に形成された第2部材とを備える光学素子であって、
    前記光学素子を構成する所定の素子形状が前記第2部材に形成され、
    前記第1部材の前記表面の外周部近傍に、断面視V字形の一対の壁面を有する複数の溝部が前記所定の素子形状を囲む同心円型の円環状に延びて形成されるか、もしくは、前記第2部材における前記第1部材に重なる側と反対側の面の外周部近傍に、前記複数の溝部の場合とは逆向きの断面視V字形の一対の壁面を有する複数の突部が前記所定の素子形状を囲む同心円型の円環状に延びて形成され、
    以下の条件式を満足することを特徴とする光学素子。
    3°≦θ1≦60°
    3°≦θ2≦60°
    30°≦θ1+θ2≦120°
    但し、
    θ1:前記断面視V字形の一対の壁面における一方の壁面への傾斜角、
    θ2:前記断面視V字形の一対の壁面における他方の壁面への傾斜角。
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