JP6114077B2 - 固形粉末化粧料 - Google Patents
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Description
湿式充填法は、乾式成型法に比べ、ほぐれがよく、均一な化粧膜を持つ点において優れているが、溶媒を除去する際、化粧料成分との親和性により除去しづらいことがあり、その結果、乾燥した後に亀裂や皿との間に隙間が生じて成型性が悪くなったり、成型できても耐衝撃性が低くなったりという問題や、ドーム状、ダイヤモンドカット状等の多様な立体形状に成型する場合に、カット面の角が鋭角に作れず成型性に劣る問題が生じる場合があった。
また、固形粉末化粧料はアイシャドウやファンデーション、白粉、チーク、アイブロウなどのメイクアップ化粧料やボディーパウダー等に使用されている剤形である。特にメイクアップ化粧料においては、時間がたっても化粧を施した直後の状態が維持される化粧持ちの機能は非常に重要な品質である。化粧崩れについては、肌から分泌される汗や皮脂により化粧膜が油光りする現象(いわゆるテカリ)や、汗や皮脂により顔料が濡れることにより明度が下がったり色相が変化したりする現象(いわゆるくすみ)、表情の動きなどによりしわや毛穴に化粧膜が局在化する現象(いわゆるヨレ・毛穴落ち)などが挙げられる。
これに対して、フッ素化合物処理粉体と有機変性粘土鉱物と油剤とを特定量含有することにより、化粧崩れを防止し、成形時に表面にヒビ割れやスキマを生じることなく、耐衝撃性に優れる技術が開発されている。(例えば、特許文献1参照)
ところが、有色粉体を高濃度に配合すると、粉体成分の凝集力が上がり肌への塗布時の伸び広がりが悪化し、使用感がざらつくなどの弊害や、使用中に化粧料表面が固化してしまい、以後の使用が困難となる等の問題が生じる場合があった。これらの問題は油性成分の配合量を上げるとさらに顕著になる場合があり、油性成分の配合量は比較的少なく、また、成型方法は、圧縮成型法が一般的であった。
また、アイシャドウやチーク、アイブロウ等のメイクアップ化粧料を肌に塗布した際の重要な品質として色材の発色に加え、ほぐれがよく、伸び広がりに優れ、均一な化粧膜を有するものが求められている。これらすべての品質を具現化する際には、いずれかの要素が欠けてしまい、すべてを満足に充足することは困難であった。
含有油剤量だけでなく、含有油剤の種類も品質に密接に関わる因子であり、様々な検討がこれまでなされてきた。例えば、真珠光沢顔料と体質顔料と特定の極性油分の2種以上を含有する油相部とを含有することで、真珠光沢顔料を高配合し、成型物の耐衝撃性が良く、均一に塗布でき、十分な光沢感、透明感を与える技術が挙げられる。(例えば、特許文献2参照)
しかし、高粘度油剤を用いた場合、密着性は飛躍的に向上するものの、肌に対して過剰に密着してしまい、負担感を増大させてしまうことや、シリコーン油を用いた場合、滑り性が過剰となり、逆に肌に対する密着性は不足してしまうことがあった。さらに極性油を用いた場合、肌なじみに優れてはいるが、ほぐれが悪く、化粧膜も不均一になり色材の発色も不十分であることがあった。
(1)次の成分(a)及び成分(b);
(a)アミノ変性シリコーンで処理した粉体
(b)水酸基を含有するエステル油
を含有することを特徴とする固形粉末化粧料を提供するものである。
(2)前記成分(a)のアミノ変性シリコーンで処理した粉体を1〜95質量%含有することを特徴とする前記(1)に記載の固形粉末化粧料を提供するものである。
(3)前記成分(b)の水酸基を含有するエステル油を1〜50質量%含有することを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の固形粉末化粧料を提供するものである。
前記成分(a)のアミノ変性シリコーンで処理した粉体が、粉体100質量部に対し、アミノ変性シリコーンを0.1〜10質量部で処理するものであることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の固形粉末化粧料を提供するものである。
(4)また、前記成分(b)のエステル油が、分子内に含有する水酸基の数が、1つまたは2つであることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の固形粉末化粧料を提供するものである。
本発明において固形粉末化粧料とは、粉体を主成分とする化粧料基材と溶媒を混合して容器に充填した後、該溶媒を除去することにより得られる化粧料を意味する。ここで、溶媒は特に限定されないが、揮発性の溶媒が好ましく、化粧料に通常使用される水、アルコール、炭化水素油、シリコーン油等が好ましい。本発明の固形粉末化粧料中の粉体の含有量は、特に限定されないが、一般的に30〜95質量%であることが好ましい。
ここで、アミノ当量とは、アミノ基又はアンモニウム基1個当たりのシロキサン骨格の質量を意味している。表記単位のg/molはアミノ基又はアンモニウム基1mol当たりに換算した値である。従って、アミノ当量の値が小さいほど分子内でのアミノ基又はアンモニウム基の比率が高いことを示している。
また、このものの粘度は、粉体が均一に被覆され、粉体分散性の向上が得られるという点から、100〜3000mm2/s(25℃)の範囲のものであることが好ましい。
具体的には、酸化チタン、黒色酸化チタン、酸化セリウム、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、無水ケイ酸、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカチタン、有機顔料被覆マイカチタン、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーパウダー、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマーパウダー、(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマーパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ポリウレタンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、N−アシルリジン等の有機粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、微粒子酸化チタン被覆マイカチタン、微粒子酸化亜鉛被覆マイカチタン、硫酸バリウム被覆マイカチタン、酸化チタン含有シリカ、酸化亜鉛含有シリカ等の複合粉体類等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いることができる。
その中でも成分(b)水酸基を含有するエステル油の分散性向上効果(均一な化粧膜及び優れた発色、経時におけるヨレの抑制効果)の観点から酸化チタン、酸化亜鉛、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、無水ケイ酸、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、マイカ、合成マイカ、セリサイト、タルク、硫酸バリウムなどの無機粉体が好ましく、その中でも板状粉体がより好ましい。具体的にはマイカ、合成マイカ、セリサイト、タルク、板状硫酸バリウム、板状硫酸カルシウムなどが好ましい。
これらの粉体表面をアミノ変性シリコーンで被覆処理する方法としては、特に限定されるものではなく、通常公知の処理方法が用いられる。具体的には、直接粉体と混合する方法や、アミノ変性シリコーンを水、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ヘキサン、軽質イソパラフィン、ベンゼン、トルエン等の溶媒を用いる方法が挙げられる。更に、気相法、メカノケミカル法等も挙げることができる。メカノケミカル法のなかでも、雷潰機、加圧式ニーダー、ミックスマラー、ローラミル、バンバリーミキサー、石臼等のずりせん断式加圧状態でずり剪断力が加えられる機構を有した混練機を用いる方法が好ましい。
また、他の好ましい一態様として、アミノ変性シリコーンを揮発性溶剤中に溶解した後に粉体と混合し、溶剤を乾燥除去し、または乾燥除去する時に70℃〜120℃に加熱して、その後解砕する方法が挙げられる。このうち、ずりせん断式低速混練機を用いて、アミノ変性シリコーンと粉体を混合後、70℃〜120℃に加熱してから解砕したアミノ変性シリコーン被覆粉末が特に好ましい。
前記したように、本発明の固形粉末化粧料中の粉体の含有量は、50〜80%が好ましいが、全粉体中の成分(a)の含有量は1〜80%が好ましく、4〜50%が特に好ましい。
また、成分(b)は、25℃で液状であると、化粧膜の均一性の点において好ましい。この中でも、ジグリセリンと炭素数8〜30の分岐または分岐を持たない脂肪酸とのエステルやリンゴ酸と炭素数8〜30の分岐または分岐を持たない脂肪族アルコールとのエステルがほぐれの良さや化粧膜の均一性、優れた発色の点で好ましい。
乳酸と炭素数8〜30の分岐または分岐を持たない脂肪族アルコールとのエステルとしては、具体的には、乳酸オクチルドデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル等が挙げられ、市販品としては、CERAPHYL 28(ISP社製)等が挙げられる。
ヒドロキシステアリン酸と炭素数8〜30の分岐または分岐を持たない脂肪族アルコールとのエステルとしては、具体的には、ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル等が挙げられ、市販品としては、リソカスタIOHS(高級アルコール工業社製)等が挙げられる。
中でも形状が略球状〜真球状の球状粉体を用いると、化粧料の凝集防止効果や、適度な崩壊性を与えることでとれを良くし、肌上への伸び広がりを向上させることができる。例えば、無水ケイ酸、ナイロン末、ポリメチルメタクリレート粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー、メチルシロキサン網状重合体、ウレタン樹脂、ポリスチレン末、シルク末、セルロース末等が挙げられる。また、これらは、そのままでも、表面処理を行ったものを使用しても良い。
球状粉体以外では、具体的には、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、カオリン、硫酸カルシウム、無水ケイ酸、炭化珪素、窒化硼素等の無機粉体類、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリプロピレン等の有機粉体類、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、アルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体等が挙げられ、これら粉体は1種又は2種以上の複合化したものを用いても良く、フッ素化合物、シリコーン系油剤、金属石ケン、界面活性剤、油脂、炭化水素等を用いて公知の方法により表面処理してあっても良い。
具体的には、エチレンホモポリマー、(エチレン/プロピレン)コポリマー、パラフィンワックス、セレシンワックス、オゾケライト、マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス、フィッシャトロプシュワックス、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン等の炭化水素類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、アジピン酸ジグリセリル混合脂肪酸エステル、ロジン酸ペンタエリトリット、フィトステロール脂肪酸エステル、ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸オクチルドデシル、水添ヒマシ油、水添ヒマシ油脂肪酸エステル、マカデミアンナッツ油脂肪酸フィトステリル、水添ホホバ油、キャンデリラワックス、ミツロウ、ライスワックス、モクロウ、ゲイロウ、モンタンワックス、カルナウバワックス等の常温で固体から半固体状のエステル類、トリメチルシロキシケイ酸、メタクリル変性ポリシロキサン、ステアリル変性メチルポリシロキサン、オレイル変性メチルポリシロキサン、ベヘニル変性メチルポリシロキサン、ポリビニルピロリドン変性メチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、アルコキシ変性ポリシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサン、ラノリン、デキストリン脂肪酸エステル、フラクトオリゴ糖脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸、デンプン脂肪酸エステル、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類、α−オレフィン・ビニルピロリドン共重合体等が挙げられる。
保湿剤としては、例えばタンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等、酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等、美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、フェノキシエタノール等が挙げられる。
本発明における、溶媒の混合量は、成型前の混合物を容器又は中皿に充填するために、流動性を付与する程度に任意に選択されるが、化粧料基材100質量部(以下、単に「部」と示す。)に対して溶媒10〜150部を用いることが好ましい。この範囲であれば、溶媒の除去が良好である。
また、本発明における流動性とは、粉体を主成分とする化粧料基材を、溶媒と混合した際、混合物の入った容器を傾けることにより、混合物が流れる状態のことを意味する。
例えば、成分(a)の粉体と成分(b)の油性成分とを含む化粧料基剤と揮発性溶媒とを混合し、スラリー状にした後、皿状容器に充填し、多孔質プレスヘッド等の吸収体を用いて圧縮しながら揮発性溶媒を回収する。その際、表面を平滑にするためにパッド等を用いてプレスすることが好ましい。
アミノ変性シリコーン処理酸化チタンの製造
アミノ変性シリコーン(KF8003/信越化学工業社)5質量部をイソプロピルアルコール70質量部に溶解し、そこに酸化チタン(CR−50:平均粒径0.25μm/石原産業社製)を95質量部添加した。それをスーパーミキサー(SMP−2/カワタ社製)により混合した後、80℃でイソプロピルアルコールを蒸発乾燥した。この乾燥物をアトマイザー(LM−05/ダルトン社製)にて解砕処理し、粉末状のアミノ変性シリコーン処理二酸化チタン(5%処理)を得た。
アミノ変性シリコーン処理マイカの製造
アミノ変性シリコーン(KF867S/信越化学工業社製)3質量部とマイカ(Y‐2300:平均粒径19μm/ヤマグチマイカ社製)97質量部と水10質量部とを雷潰機(ZOD型/石川工場社製)にて、3時間混合し、100℃で4時間加熱した。その後、アトマイザー(LM−05/ダルトン社製)にて解砕処理し、粉末状のアミノ変性シリコーン処理マイカ(3%処理)を得た。
アミノ変性シリコーン処理タルクの製造(1)
アミノ変性シリコーン(KF8004/信越化学工業社)3質量部とタルク(EX−15:平均粒径15μm/ヤマグチマイカ社製)97質量部と水10質量部とを雷潰機にて3時間混合し、90℃で3時間加熱した。その後、アトマイザー(LM−05/ダルトン社製)にて解砕処理し、粉末状のアミノ変性シリコーン処理タルク(3%処理)を得た。
アミノ変性シリコーン処理タルクの製造(2)
アミノ変性シリコーン(SF8451C/東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)2質量部とタルク(JA−13R:平均粒径6μm/浅田製粉社製)98質量部をスーパーミキサーにて10分間混合し、70℃で5時間加熱した。その後、アトマイザー(LM−05/ダルトン社製)にて解砕処理し、粉末状のアミノ変性シリコーン処理タルク(2%処理)を得た。 以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
表1に示すアイシャドウを調製し、発色、化粧持ち、ほぐれ、化粧膜の均一性、伸び広がりの滑らかさについて下記の評価を実施し、下記判定基準により判定した。その結果も併せて表1に示す。
*2 Y−2300(ヤマグチマイカ社製)
*3 FLAMENCO RED 420C(BASF社製)
*4 FLAMENCO GOLD 220C(BASF社製)
*5 CLOISONNE ROUGE FLAMBE(BASF社製)
*6 CLOISONNE COPPER(BASF社製)
*7 コスモール222(日清オイリオ社製)
*8 コスモール43V(日清オイリオ社製)
*9 T.I.O(TAIWAN)(日清オイリオ社製)
*10 CETIOL SN−1(BASF社製)
*11 パールリーム18(日油社製)
*12 KLEAROL WHITE MINERAL OIL(SONNEBORN,LLC社製)
*13 IPソルベント1620MU(出光興産社製)
A.成分(1)〜(11)を均一に混合する。
B.Aに、成分(12)〜(18)を均一に混合したものを加えて、均一に分散し、粉砕後、化粧料基材を得た。
C.化粧料基材100部に成分(19)を30部添加して混合した。常温にて混練した後樹脂皿容器に充填し、多孔質プレスヘッド等の吸収体を用いて圧縮しながら揮発性溶媒を回収した。その後、乾燥により軽質流動イソパラフィンを除去して、アイシャドウ(固形)を得た。
下記評価項目について各々下記方法により評価を行った。
(評価項目)
イ.発色
ロ.化粧持ち(密着性)
ハ.ほぐれ(取れの良さ)
ニ.化粧膜の均一性(ダマ付きしない)
ホ.滑らかさ(スライド性)
イ〜ホの項目について、各試料について専門パネル20名による使用テストを行った。
パネル各人が実施例1〜6及び比較例1〜5の各アイシャドウを塗布具(チップ)で瞼に塗布してもらい、下記絶対評価にて7段階に評価し評点をつけ、各試料についてパネル全員の評点合計からその平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。
イ.発色については、化粧膜が均一で発色に優れているかどうか、ロ.化粧持ちについては、各試料を塗布し、パネルに通常の生活をしてもらった後、6時間後に涙や汗などで化粧膜がくずれていないかどうかを評価した。ハ.ほぐれについては各試料をチップに取り、そのチップに付着する試料が多すぎず、少なすぎず適量であるかどうかを評価した。ニ.化粧膜の均一性については、各試料を塗布し、塗布面において試料の付きムラがなく、化粧膜が均一かどうかを評価した。ホ.滑らかさについては、各試料を塗布し、肌上においての伸び広がりが良く、スライド感があり摩擦感がないか否かを評価した。
(評点):(評価)
6 :非常に良い
5 :良い
4 :やや良い
3 :普通
2 :やや悪い
1 :悪い
0 :非常に悪い
(判定基準)
◎:5.0〜6.0点
○:3.5点〜5.0点未満
△:1.0点〜3.5点未満
×:1.0点未満
これに対して、成分(b)水酸基を含有するエステル油のかわりに、水酸基を有しないエステル油を含有している比較例1及び2は、ほぐれは良いものの、肌に対する密着性に劣り、発色、化粧持ちも実施例に比べ劣るものであった。
また、成分(b)水酸基を含有するエステル油のかわりに高粘度炭化水素油を含有した比較例3は、肌への密着性は優れ、一旦きれいに塗布すれば発色に優れるものの、取れすぎてダマになり、ほぐれや化粧膜の均一性、滑らかさに劣るものであった。
更に、成分(b)のかわりに低粘度炭化水素油やシリコーン油を含有した比較例4及び5については、ほぐれが良いものの、チップに付着したあと塗布部への付着が悪く、一部かすれる部分があり、発色、化粧膜の均一性、化粧持ちに関しては劣るものであった。
そして、成分(a)のアミノ変性シリコーンで処理した粉体のかわりに、未処理のマイカを用いた比較例6は、ほぐれが良くチップへの取れや、化粧膜も均一に塗布できるものの、色が沈み発色が悪く、少しの刺激ですぐに取れてしまい化粧持ちに劣るものであった。
(成分) (%)
1.黒酸化鉄 15
2.ベンガラ 5
3.黄酸化鉄 8
4.二酸化チタン 5
5.アミノ変性シリコーン処理マイカ*1 20
6.セリサイト 残量
7.アミノ変性シリコーン処理タルク*14 5
8.黒酸化鉄被覆雲母チタン*15 15
9.トリイソステアリン酸ジグリセリル 10
10.スクワラン 5
11.ジメチルポリシロキサン(20mm2/s:25℃) 5
12.重質流動イソパラフィン*11 5
*14 製造例3のアミノ変性シリコーン処理タルク(1)
*15 COLORONA MICA BLACK(メルク社製)
A.成分(1)〜(8)を均一に混合する。
B.Aに、成分(9)〜(12)を均一に混合したものを加えて、均一に分散し、粉砕後、化粧料基材を得た。
C.化粧料基材100部に軽質流動イソパラフィンを30部添加して混合した。常温にて混練した後、これを樹脂皿容器に充填し、乾燥により軽質流動イソパラフィンを除去して、アイブロウ(固形)を得た。
(成分) (%)
1.黒酸化鉄 0.5
2.ベンガラ 0.5
3.黄酸化鉄 1.5
4.アミノ変性シリコーン処理酸化チタン*16 15
5.アミノ変性シリコーン処理マイカ*17 25
6.セリサイト 残量
7.ポリエチレンテレルタレート粉体*18 3
8.ジメチルポリシロキサン3%処理板状酸化チタン 7
9.無水ケイ酸(真球状、平均粒径3.5μ) 5
10.リンゴ酸ジイソステアリル*7 10
11.スクワラン 5
12.トリメリト酸トリトリデシル 5
13.ジメチルポリシロキサン(10mm2/s:25℃) 5
*16 製造例1のアミノ変性シリコーン処理酸化チタン
*17 製造例2のアミノ変性シリコーン処理マイカ
*18 スノーリーフ P(オーケン社製)
A.成分(1)〜(9)を均一に混合する。
B.Aに、成分(10)〜(13)を均一に混合したものを加えて、均一に分散し、粉砕後、化粧料基材を得た。
C.化粧料基材100部に軽質流動イソパラフィンを30部添加して混合した。常温にて混練した後、これを金皿に充填し、多孔質プレスヘッド等の吸収体を用いて圧縮しながら揮発性溶媒を回収する。乾燥により軽質流動イソパラフィンを除去して、ファンデーションを得た。
(成分) (%)
1.パーフルオロオクチルトリエトキシシラン3%処理黄酸化鉄 0.5
2.パーフルオロオクチルトリエトキシシラン3%処理黒酸化鉄 0.1
3.パーフルオロオクチルトリエトキシシラン3%処理ベンガラ 3
4.赤226 2
5.アミノ変性シリコーン処理マイカ*1 20
6.セリサイト 残量
7.ベンガラ被覆雲母チタン*19 15
8.黒酸化鉄被覆雲母チタン*15 5
9.ポリエチレンテレルタレート粉体*18 5
10.トリイソステアリン酸ジグリセリル 10
11.ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル 2
12.重質流動イソパラフィン*11 5
13.スクワラン 5
14.パーフルオロポリメチルイソプロピル*20 10
*19:CLOISONNE CERISE FLAMBE 550Z(BASF社製,ベンガラ48%含有雲母)
*20:フォンブリン HC/04(アウシモント社製)
A.成分(1)〜(9)を均一に混合する。
B.Aに、成分(10)〜(14)を均一に混合したものを加えて、均一に分散し、粉砕後、化粧料基材を得た。
C.化粧料基材100部にデカメチルシクロペンタシロキサンを50部添加して混合した。常温にて混練した後、これを樹脂皿容器に充填し、乾燥によりデカメチルシクロペンタシロキサンを除去して、頬紅を得た。
(成分) (%)
1.黒酸化鉄 10
2.ベンガラ 3
3.黄酸化鉄 3
4.アミノ変性シリコーン処理マイカ*1 20
5.アミノ変性シリコーン処理タルク*21 5
6.セリサイト 残量
7.黒酸化鉄被覆雲母チタン*15 20
8.ポリエチレンテレルタレート粉体*18 5
9.リンゴ酸ジイソステアリル*6 10
10.流動パラフィン 10
11.ジイソステアリン酸ジグリセリル 5
*21 製造例4のアミノ変性シリコーン処理タルク(2)
A.成分(1)〜(8)を均一に混合する。
B.Aに、成分(9)〜(11)を均一に混合したものを加えて、均一に分散し、粉砕後、化粧料基材を得た。
C.化粧料基材100部にアルコール5%含有の水150部を添加して混合した。常温にて混練した後、これを樹脂皿容器に充填し、乾燥により水アルコール溶液を除去して、アイライナーを得た。
Claims (5)
- 粉体を主成分とする化粧料基材と溶媒を混合して容器に充填した後、該溶媒を除去することにより得られる固形粉末化粧料において、
該化粧料基材が、次の成分(a)及び(b);
(a)アミノ変性シリコーンで処理した粉体(但し、さらに油性成分で処理したものを除く)
(b)水酸基を含有するエステル油
を含有することを特徴とする固形粉末化粧料。 - 前記成分(a)のアミノ変性シリコーンで処理した粉体を1〜95質量%含有することを特徴とする請求項1記載の固形粉末化粧料。
- 前記成分(b)の水酸基を含有するエステル油を1〜50質量%含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の固形粉末化粧料。
- 前記成分(a)のアミノ変性シリコーンで処理した粉体が、粉体100質量部に対し、アミノ変性シリコーンを0.1〜10質量部で処理するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の固形粉末化粧料。
- 前記成分(b)の水酸基を含有するエステル油の含有する水酸基の数が、分子内に1つまたは2つであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の固形粉末化粧料。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013048138A JP6114077B2 (ja) | 2013-03-11 | 2013-03-11 | 固形粉末化粧料 |
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JP2013048138A JP6114077B2 (ja) | 2013-03-11 | 2013-03-11 | 固形粉末化粧料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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