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JP6096141B2 - 透明ガラス繊維フィルム - Google Patents

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JP6096141B2 JP2014053203A JP2014053203A JP6096141B2 JP 6096141 B2 JP6096141 B2 JP 6096141B2 JP 2014053203 A JP2014053203 A JP 2014053203A JP 2014053203 A JP2014053203 A JP 2014053203A JP 6096141 B2 JP6096141 B2 JP 6096141B2
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Description

本発明は、表面処理された透明ガラス繊維フィルム及び透明ガラス繊維フィルムの製造方法に関する。
デジタル技術の目覚しい発展に伴い、パソコン、携帯電話に代表される電子機器の高機能化に対するための対応として、プリント基板に対する特性の要求が強くなっている。このプリント基板の一態様として、ガラス繊維を用いたものが挙げられる。このガラス繊維のうち、一般的によく用いられているEガラスは屈折率が1.56であり、例えば、樹脂を含浸させる場合、ガラス繊維と樹脂との屈折率差が±0.01以下であれば透明となることが知られている(特許文献1)。
実際、特許文献1に示されるエポキシ樹脂を含浸させたプリプレグ、もしくは、特許文献2〜4に示されるガラス繊維に低屈折率エポキシ樹脂を含浸させ、さらにその外側に高屈折率のエポキシ樹脂を含浸させた透明プリプレグ及びそれを用いた積層板は知られている。また、エポキシ樹脂含有透明ガラス繊維フィルム上にSiもしくはAlなどをスパッタリングして低ガス透過性多層基板を作製する方法も知られている。さらに、特許文献5では、熱可塑性樹脂を用いて透明性の高い透明樹脂成型体が示されている。しかし、エポキシ樹脂や熱可塑性樹脂では熱衝撃性が悪いことが知られており、これらは、高信頼性が求められる電子材料用途で使用されるもののうち、発熱量の少ない電子部品に使用が限られていた。
熱衝撃性の求められる電子材料に用いる樹脂として、上記樹脂以外のシリコーン樹脂やシアネートエステル樹脂(特許文献6)が開示されている。しかし、これらの樹脂を用いたものであっても、高度な耐変色性や機械強度が求められる電子材料に好適とは言えず、上述の透明性、機械強度、熱衝撃性等の耐熱性、耐変色性、電気絶縁性、寸法安定性、及びフレキシブル性のいずれの特性においても優れたプリント基板材料が求められていた。
特許4117792号公報 特開2011−068019号公報 特開2011−068020号公報 特開2013−028680号公報 特開2010−037475号公報 特許5022265号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、透明性が高く、高強度で耐熱性、電気絶縁性、寸法安定性、フレキシブル性に優れる透明表面処理ガラス繊維フィルムを提供することを目的とする。
上記課題を達成するため、本発明は、
表面処理ガラス繊維フィルムを1枚、もしくは複数枚積層させたものを含む透明ガラス繊維フィルムであって、
JIS R 3420に記載の方法で測定した前記表面処理ガラス繊維フィルムの慣用曲げ剛性の値が、未処理のガラス繊維フィルムの慣用曲げ剛性の値に対して3倍から100倍であり、JIS K 7375に記載の方法で測定した厚さ500μm以下で波長400〜800nmでの前記表面処理ガラス繊維フィルムの全光線透過率が90%以上のものである透明ガラス繊維フィルムを提供する。
このような透明ガラス繊維フィルムであれば、透明性が高く、高強度で耐熱性、電気絶縁性、寸法安定性、フレキシブル性に優れたものを得ることができる。
このうち、前記表面処理ガラス繊維フィルムが、有機ケイ素化合物により表面処理されたガラスクロスであることが好ましい。
このような表面処理ガラス繊維フィルムを用いれば、より高強度でガラス繊維が固定化され、また、有機ケイ素化合物により表面処理を行ったフィルムであるため、優れた耐熱性及び耐変色性を有する透明ガラス繊維フィルムを得ることができる。
また、前記有機ケイ素化合物とガラスクロスとの25℃におけるナトリウムD線の屈折率差が−0.02以上+0.02以下であり、かつそれぞれの屈折率の値が1.44以上1.60以下であることが好ましい。
このような表面処理ガラス繊維フィルムを用いれば、より高い透明性を有する透明ガラス繊維フィルムを得ることができる。
さらに、前記ガラスクロスが石英ガラスクロスであることが好ましい。
このような表面処理ガラス繊維フィルムを用いれば、より優れた耐熱性及び透明性を有する透明ガラス繊維フィルムを得ることができる。
また、前記有機ケイ素化合物が、アルコキシシラン、ポリシラザン、シリコーン変性ワニス、アルコキシシランと金属アルコキシドの混合物、及び動的光散乱法によって測定した平均粒径が1〜100nmであるシリカゾルとアルコキシシランとの混合物からなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物であることが好ましい。
このような表面処理ガラス繊維フィルムを用いれば、より優れた電気絶縁性、耐熱性、耐候性を有する透明ガラス繊維フィルムを得ることができる。
また、本発明は、
前記透明ガラス繊維フィルムを用いた半導体装置を提供する。
このような半導体装置であれば、透明ガラス繊維フィルムの透明性、強度、耐熱性、電気絶縁性、寸法安定性、フレキシブル性が優れているため、高品質なものとなる。
さらに、本発明は、
前記透明ガラス繊維フィルムを用いたディスプレイ用保護フィルムを提供する。
このようなディスプレイ用保護フィルムであれば、透明ガラス繊維フィルムの透明性、強度、耐熱性、電気絶縁性、寸法安定性、フレキシブル性が優れているため、高品質なものとなる。
このとき、前記ディスプレイ用保護フィルムの片面又は両面に、反射防止層又は防汚層、もしくはこれらの両方を設けたものであることが好ましい。
本発明のディスプレイ用保護フィルムは、片面又は両面に、必要に応じて反射防止層又は防汚層を設けることができる。
本発明の透明ガラス繊維基板であれば、透明性が高く、高強度で耐熱性、電気絶縁性、耐変色性、寸法安定性、フレキシブル性に優れたものを得ることができる。このような透明ガラス繊維フィルムを用いた半導体装置やディスプレイ用保護フィルムは、高品質なものとなる。
各実施例及び比較例における柔軟性試験の際に用いた半円筒状の筐体の断面図である。
従来の透明フレキシブル基板では用いる繊維フィルムに「機械的強度が弱いため、重い部品を載置するには別に支えが必要になる。熱特性が悪い。」などの欠点があり、問題となっていた。本発明者らは、鋭意検討した結果、特定の慣用曲げ剛性と全光線透過率を有する表面処理を施したガラス繊維フィルムであれば、透明性が高く、高強度で、電気絶縁性、耐熱性、寸法安定性、耐変色性、耐候性、フレキシブル性などに優れていることを見出し、このフィルムを透明ガラス繊維フィルムとしてフレキシブル基板の材料とすることで上記の問題が解消されることを見出し、本発明を完成させた。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明は、
表面処理ガラス繊維フィルムを1枚、もしくは複数枚積層させたものを含む透明ガラス繊維フィルムであって、
JIS R 3420に記載の方法で測定した前記表面処理ガラス繊維フィルムの慣用曲げ剛性の値が、未処理のガラス繊維フィルムの慣用曲げ剛性の値に対して3倍から100倍であり、JIS K 7375に記載の方法で測定した厚さ500μm以下で波長400〜800nmでの前記表面処理ガラス繊維フィルムの全光線透過率が90%以上のものである透明ガラス繊維フィルムである。
このような表面処理ガラス繊維フィルムは、JIS R 3420で規定された方法で測定したクロスの慣用曲げ剛性の値が、未処理の繊維フィルムの慣用曲げ剛性の値に対して、3倍から100倍である。この倍数は、繊維フィルムを表面処理することによって、いわゆる「織布」状態から「フィルム」状態に変化する程度を示す指標として用いるものであり、好ましくは5倍から60倍であり、さらに好ましくは10倍から40倍である。
上記の値が、3倍未満では本発明が目的とする寸法安定性やガラス繊維の固定化すなわち目開きや捩れの防止効果がほとんど得られず、またシロキサン特性に起因する電気絶縁性、耐熱性、耐候性などが不十分である。また、100倍を超えると上記表面処理ガラス繊維フィルムの曲げ剛性が固くなりすぎて、フレキシブル基板としての柔軟性が損なわれ、クラック等が発生する。
また、表面処理ガラス繊維フィルムは、有機ケイ素化合物により表面処理されたガラスクロスであることが好ましい。このような表面処理ガラス繊維フィルムは、有機ケイ素化合物による表面処理により、ガラスクロスを構成する繊維(フィラメント)の一部又は全部が結束されているため、よじれや目開きを生じることもなく、均一性・均質性に優れ、高温時の応力集中がなく、平均線膨張係数も低いものとなり、高温下でも寸法安定性に優れたものとなる。
ガラス繊維フィルムとしてガラスクロスを、表面処理に有機ケイ素化合物を用いた場合、上記特性を満たすためには、繊維フィルムへの有機ケイ素化合物の付着量は、表面処理ガラス繊維フィルム(処理後の繊維フィルム)100質量%に対して、2質量%以上90質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以上70質量%以下、さらに好ましくは10質量%以上60質量%以下である。
2質量%以上の付着量であれば、上記特性を満たすことができ、その結果、電気絶縁性、耐熱性、寸法安定性、自立性などの特性が良好となるため好ましい。また、90質量%以下の付着量であれば、耐熱性が低下したり、柔軟性が損なわれたりすることなく、電気絶縁性、寸法安定性などが得られるので好ましい。
本発明においてガラスクロスを用いる場合、柱状流或いは高周波振動法による水流で開繊加工したものも利用可能である。さらに、本発明において適用されるガラス繊維は、Eガラス、Aガラス、Dガラス、Sガラス等のいずれのガラス繊維でも使用できる。コスト及び入手のしやすさから一般用のEガラスが好ましいが、より高度な特性を要求される場合(例えば、低誘電率、高耐熱性、低不純物など)には石英ガラスが好ましい。
このようなガラスクロスとしては、繊維の織り密度は10〜200本/25mmが好ましく、より好ましくは15〜100本/25mmであり、質量は5〜400g/mが好ましく、より好ましくは10〜300g/mである。この範囲であれば、表面処理による結束が効果的に行われ、電気絶縁性、耐熱性、寸法安定性、自立性などの特性を容易に得ることができる。
このようなガラスクロスの織り方としては、平織り、朱子織り、ななこ織り等が使用できる。また、双方又は一方がテクスチャード加工を施されたガラス繊維で製織されたガラス繊維であっても良い。さらに三軸組布されたガラス繊維はより強度が強く、信頼性の高い表面処理ガラス繊維フィルムとなる。また、不織布や長繊維を一定方向に配列された織物も使用可能である。加えて、ガラスクロスに集束剤が塗布されている場合、有機ケイ素化合物による処理が阻害される場合があるので、予め除去しておくことが望ましい。
表面処理ガラス繊維フィルムの厚さが500μm以下の場合においてJIS K 7375に準拠した方法で測定した全光線透過率が90%以上であることが本発明の特徴である。この全光線透過率は、好ましくは92%〜100%、さらに好ましくは95〜100%である。90%未満では、透明材料として重要な透明性が失われる。
透明ガラス繊維フィルムは、ガラスクロスと有機ケイ素化合物との25℃におけるナトリウムD線の屈折率差が−0.02以上、0.02以下であればよく、好ましくは−0.015以上、0.015以下であり、さらに好ましくは−0.01以上、0.01以下である。ガラスクロスとケイ素含有有機化合物との屈折率差がこの範囲内であれば、容易に透明性の高い表面処理ガラス繊維フィルムを形成することができる。
上述のガラスクロスに表面処理をする際に用いる有機ケイ素化合物としては、アルコキシシラン、ポリシラザン、シリコーン変性ワニス、アルコキシシランと金属アルコキシドの混合物、及び動的光散乱法によって測定した平均粒径が1〜100nmであるシリカゾルとアルコキシシランとの混合物からなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物を挙げることができる。
例えば、アルコキシシランとしては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、フェニルメチルビニルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメチルジエトキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ナフチルトリメトキシシラン、ナフチルトリエトキシシラン、1,4−ビス(メトキシジメチルシリル)ベンゼン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−アリルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(N−ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン及びその塩酸塩、N−(N−ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン及びその塩酸塩、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、トリス−(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプリピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(トリスエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のアルコキシシラン化合物が挙げられ、1種あるいは2種以上混合して使用しても良い。また、これらに限定するものではない。
好ましくは、屈折率調整のためにメチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメチルジエトキシシラン、トリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ナフチルトリメトキシシラン、ナフチルトリエトキシシラン1,4−ビス(メトキシジメチルシリル)ベンゼンなどが挙げられるが、これらに限定するものではない。
また、上記アルコキシシランの1種又は2種以上の部分加水分解縮合物を用いてもよい。この部分加水分解縮合物は、公知の縮合触媒を添加して任意に調製してもよく、市販されているものを用いてもよい。市販されているものの例としては、エポキシ基含有アルコキシシランオリゴマーX−41−1059A(信越化学工業(株)製)、アミノ基含有アルコキシシランオリゴマーX−40−2651(信越化学工業(株)製)などが挙げられる。
ポリシラザンとしては、1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、ヘキサメチルジシラザン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルシクロトリシラザンなどの化合物が挙げられるが、これらに限定するものではない。
シリコーン変性ワニスとしては、アルキッド変性ワニスやポリエステル変性ワニス、エポキシ変性ワニス、アクリル変性ワニスなど多様なシリコーン変性ワニスが使用されるが、最終用途、目的により選択すればよい。
アルコキシシランと金属アルコキシドの混合物において、アルコキシシランとしては、上記で例示したアルコキシシランが同様に用いられ、金属アルコキシドの例としては、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムアセチルアセテート、ジルコニウムテトラブトキシド、テトライソプロピルチタネートなどが挙げられる。アルコキシシランと金属アルコキシドの混合比は質量比で100:10〜100:100が好ましく、特に好ましくは100:20〜100:100である。
シリカゾルとアルコキシシランとの混合物において、シリカゾルとしては動的光散乱法によって測定した平均粒径が1〜100nm、好ましくは1〜50nmであるようなシリカゾルであり、アルコキシシランとしては上記で例示したアルコキシシランが同様に用いられる。シリカゾルとアルコキシシランの混合比はシリカゾルの固形分とアルコキシシランとの質量比で100:0.1〜100:10が好ましく、特に好ましくは100:0.1〜100:4である。
本発明では、光線透過率が90%未満とならない範囲であれば、要求される特性に応じて上記ガラス繊維に、炭素繊維、セラミック系などの無機繊維、ホウ素繊維、スチールファイバー、タングステン繊維などの金属繊維、アラミド、フェノール系などの新耐熱繊維などの繊維を混合した織布などをガラスクロスとして用いることができる。
本発明の表面処理ガラス繊維フィルムの製造方法は、一般的なガラス繊維の処理方法が適用される。本発明の表面処理ガラス繊維フィルムの塗布方法は、一般的なガラス繊維の塗布方法が適用される。代表的なコーティング方式としては、ダイレクトグラビアコーター、チャンバードクターコーター、オフセットグラビアコーター、一本ロールキスコーター、リバースキスコーター、バーコーター、リバースロールコーター、スロッタダイ、エアードクターコーター、正回転ロールコーター、ブレードコーター、ナイフコーター、含浸コーター、MBコーター、MBリバースコーターなどがある。中でもダイレクトグラビアコーター、オフセットコーター、含浸コーター塗布方式が本発明の表面処理ガラス繊維フィルムの製造には好ましい。
使用する有機ケイ素化合物により条件は異なるが、塗布後、乾燥、硬化目的で、温度は室温から300℃、好ましくは100℃から250℃、より好ましくは150℃から230℃で加熱処理する。最初から高温で処理してもよく、段階的に温度を上げてもよいが、最初室温から100℃程度で乾燥し、次いで150℃から200℃の高温で処理すると溶剤などから起因するボイドを抑制できるため特に好ましい。また、処理時間は1分から24時間、好ましくはで3分から4時間、より好ましくは5分から1時間処理を行う。これらの条件は、生産性やコスト、作業性を考慮して設定してよく、この加熱処理によって本発明の表面処理ガラス繊維フィルムを製造する。
塗布液は上記有機ケイ素化合物を溶媒で希釈したものである。溶媒の例としては、水あるいは有機溶剤をそれぞれ単独あるいは2種以上混合して用いることができる。有機溶剤の例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコールエーテル類、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジn−ブチルエーテルなどのエーテル類などが挙げられる。この希釈液に、さらにギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、などの有機酸やアンモニア水などのpH調整剤、顔料、充填剤、界面活性剤、増粘剤などを添加することもできる。
また、アルコキシ基の縮合触媒を添加してもよく、例えば有機スズ化合物、有機チタン化合物、有機ビスマス化合物のような有機金属化合物系、アミン系化合物などが挙げられる。
有機金属化合物系の縮合触媒としては、ジブチルスズジメトキサイド、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズビス(アセチルアセトナート)、ジブチルスズビス(ベンジルマレート)、ジメチルスズジメトキサイド、ジメチルスズジアセテート、ジオクチルスズジオクテート、ジオクチルスズジラウレート、スズジオクテート、及びスズジラウレート等の有機スズ化合物、並びに、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、テトラターシャリーブチルチタネート、テトラノルマルプロピルチタネート、テトラ−2−エチルヘキシルチタネート、ジイソプロピルジターシャリーブチルチタネート、ジメトキシチタンビスアセチルアセトナート、ジイソプロポキシチタンビスエチルアセトアセテート、ジターシャーリーブトキシチタンビスエチルアセトアセテート、及びジターシャリーブトキシチタンビスメチルアセトアセテート等の有機チタン化合物、ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)又はビスマストリス(ネオデカノエート)等の有機ビスマス化合物などの金属ルイス酸等、ジルコニウムテトラノルマルプロポキシド、ジルコニウムテトラノルマルブトキシド、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムトリブトキシモノアセチルアセトネート、ジルコニウムモノブトキシアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムトリブトキシモノステアレートなどのジルコニウム化合物が挙げられる。上記触媒は単独でも、2種以上の組み合わせであってもよい。 アミン系化合物の例としては、ヘキシルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ヘキサメトキシメチルメラミン等が挙げられる。
これら縮合触媒の中では、有機チタン化合物、ジルコニウム化合物を用いることが好ましく、特に耐変色性が高く、反応性に富むジルコニウム系触媒のオルガチックスZAシリーズ(マツモトファインケミカル株式会社製)を用いることが特に好ましい。
塗布液は、塗布環境への影響を考慮して、水系の塗布液が好ましい。アミノ基含有シランカップリング剤(商品例:KBM−903(信越化学工業(株)製))は水系での安定性に優れ、溶解性もよいことから好ましい有機ケイ素化合物である。
本発明の透明ガラス繊維フィルムは、上述の表面処理ガラス繊維フィルムを1枚、もしくは複数枚積層させた積層板を含むものである。即ち、表面処理ガラス繊維フィルム1枚をそのまま用いることもできるし、複数枚の表面処理ガラス繊維フィルムを例えば、接着剤等で貼り合わせた積層板を用いることもできる。このとき用いることのできる接着剤としては特に限定されないが、耐熱性、耐変色性の観点から、熱硬化性樹脂からなるものが好ましい。
本発明の透明ガラス繊維フィルムは、有機ケイ素化合物等でガラス繊維フィルムが表面処理されており、透明性、耐熱性、電気絶縁性、寸法安定性、変色性、耐光性、耐候性などに優れている。また、ガラスクロスと有機ケイ素化合物との屈折率を近づけたものを表面処理ガラス繊維フィルムに用いることにより、ガラス繊維にない自立性があり、繊維が固定化されていることによる樹脂充填時におけるガラス繊維のよれや目開きなどの問題が発生しない均一、均質な透明ガラス繊維フィルムが得られる。
このことから、本発明の透明ガラス繊維フィルムは、半導体装置の材料、特に光半導体装置の材料として好適に用いることができる。その際には、フィルム単独での使用が可能である。また、プリプレグの補強基板としても使用できる。さらに、その表面に銅張りあるいは銅メッキすることで金属張基板とすることができ、LED実装基板に好適に使用できる。
また、本発明の透明ガラス繊維フィルムは、透明性が高く、ガラスのように割れることがないため、薄型PC、タブレットPC、スマートフォンなどに用いられるディスプレイ用保護フィルムなどへの応用も可能である。ディスプレイ用保護フィルムとして使用する際は、保護フィルムの片面又は両面に、反射防止層又は防汚層、もしくはこれらの両方を設けたものを好適に用いることができる。
このうちの反射防止層は、本発明の透明ガラス繊維フィルムを上記保護フィルムとして用いる際に、周辺光の映り込みなどによる反射を防止・低減させ、視認性を向上させるために施すものである。具体的には、TiO、ZrO、SiO、MgF等の薄膜が好適に用いられ、より好ましくはこれらの積層体が用いられる。
また、防汚層は、上記保護フィルム又は反射防止層の表面に処理するものであり、表面が指紋、皮脂などの人体からの汚れが付着するのを防止したり、汚れをふき取りやすくしたり、目立たなくさせたりするために施すものである。そのため、撥水撥油性を有することが望ましく、このような性能を付与するには、フッ素系シランカップリング剤やフッ素系アクリレートを含有するアクリル樹脂などを塗工することが好ましい。特にこれらフッ素系処理剤として、パーフルオロポリエーテル基を有する処理剤を用いると、撥水撥油性に優れているため、高い防汚性能を得ることができるので特に好ましい。
本発明の透明ガラス繊維フィルムは、上記以外にも、防爆用又は防犯用窓などの建築用透明補強フィルムとして用いられたり、航空用窓や自動車用など高強度透明補強フィルムとして用いられたりすることも可能である。また、透明性が高いため、透明ガラス繊維フィルム上にITOなどの透明導電性材料を蒸着させたりすることにより、フレキシブルディスプレイや太陽電池を安価で製造できるなど、本発明の透明ガラス繊維フィルムは多種多様な分野で用いることができる。
以下、合成例、実施例、及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。尚、本発明中で言及する重量平均分子量とは、下記条件で測定したゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレンを標準物質とした重量平均分子量を指すこととする。
[測定条件]
展開溶媒:THF
流量:0.6mL/min
検出器:示差屈折率検出器(RI)
カラム:TSK Guardcolomn SuperH−L
TSKgel SuperH4000(6.0mmI.D.×15cm×1)
TSKgel SuperH3000(6.0mmI.D.×15cm×1)
TSKgel SuperH2000(6.0mmI.D.×15cm×2)
(いずれも東ソー社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:20μL(濃度0.5重量%のTHF溶液)
[合成例1]
ケイ素原子を含む有機化合物として、フェニルトリメトキシシラン(KBM−103 信越化学工業(株)製)198.3g(1.00mol)、ジフェニルジメトキシシラン(KBM−202 信越化学工業(株)製)224.4g(1.00mol)、イソプロピルアルコール600gをフラスコに加え、25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)14gと水128gを混合し、それをフラスコに添加し3時間攪拌した。トルエン400gを加え、水洗し、溶剤留去を行なった。得られたアルコキシシランの部分加水分解縮合物の重量平均分子量(Mw)は1,500、屈折率はn 25=1.551であった。
[合成例2]
ケイ素原子を含む有機化合物として、フェニルトリメトキシシラン(KBM−103 信越化学工業(株)製)198.3g(1.00mol)、1,4−ビス(メトキシジメチルシリル)ベンゼン509.0g(2.00mol)、イソプロピルアルコール600gをフラスコに加え、以下の操作は合成例1と同様の操作を行なった。Mwは1,800、屈折率はn 25=1.542であった。
[合成例3]
ケイ素原子を含む有機化合物として、ナフチルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製)248.4g(1.00mol)、ジフェニルジメトキシシラン(KBM−202 信越化学工業(株)製)224.4g(1.00mol)、イソプロピルアルコール600gをフラスコに加え、以下の操作は合成例1と同様の操作を行なった。Mwは2,000、屈折率はn 25=1.555であった。
[実施例1]
合成例1の樹脂を10wt%トルエン溶液にし、ガラスクロス(用糸:E250、密度:タテ糸59本/25mm、ヨコ糸57本/25mm、厚さ:87μm、質量:95g/m)に含浸させ、100℃×10分で加熱乾燥させた。その後100℃×1時間及び200℃×1時間加熱処理して表面処理ガラス繊維フィルムを作製した。処理前のガラスクロスと表面処理後のガラス繊維フィルムの質量を測定し、有機ケイ素化合物の付着量を下記式により算出した。
付着量(質量%)=(処理後のガラス繊維フィルムの質量[g]−処理前のガラスクロスの質量[g])/処理後のガラス繊維フィルムの質量[g]
その結果を表1に示す。また、表面処理透明ガラス処理フィルムに対し、以下の測定を行なった。
・機械的特性
得られた表面処理ガラス繊維処理フィルムについて以下の機械的特性を測定した。
1.慣用曲げ剛性
JIS R 3420(ガラス繊維一般試験方法)に記載の方法で測定を行い、縦糸方向での測定値を用いた。結果を表1に示す。
・光学特性
2.全光線透過率
JIS K7375に準拠して、表面処理ガラス繊維フィルム1枚(厚み100〜150μm)での全光線透過率を測定した。
[実施例2,3]
合成例2及び3の樹脂を10wt%トルエン溶液にし、ガラスクロス(用糸:E250、密度:タテ糸59本/25mm、ヨコ糸57本/25mm、厚さ:87μm、質量:95g/m)に含浸させ、100℃×10分で加熱乾燥させた。その後100℃×1hr及び200℃×1hrで加熱処理して表面処理ガラス繊維フィルムを作製し、実施例1と同様の測定を行った。
[実施例4〜6]
合成例1〜3の樹脂にオルガチックスZA−65(テトラブトキシジルコニウム n−ブタノール溶液 マツモトファインケミカル(株)製)を樹脂100部に対し0.3部加え、その後トルエンで10wt%溶液に調製したものに対し、以下実施例1と同様の操作を行い、表面処理ガラス繊維フィルムを作製し、実施例1と同様の測定を行った。
[比較例1]
シアネートエステル樹脂(Lonza社製「BADCy」、2,2−ビス(4−シアナートフェニル)プロパンを52質量部、1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサンを含むエポキシ樹脂(ダイセル化学工業(株)製 EHPE3150)を48質量部配合し、さらに硬化開始剤としてオクタン酸亜鉛を0.02質量部配合し、これにトルエン50質量部、メチルエチルケトン50質量部を添加して、温度70℃で攪拌溶解することによって、樹脂ワニスを調製した。このワニスを用いて実施例1に示される工程を経てプリプレグを作製し、実施例1と同様の測定を行なった。
[比較例2]
アロニックスM−315(トリスアクリロイルオキシエチルイソシアヌレート 東亜合成製)40部、エポキシエステル3000A(ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物(共栄社化学製)30部、カヤラッドHX220(ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのカプロラクトン付加(m+n=2)のジアクリレート(日本化薬製)30部、硬化触媒としてイルガキュア369(BASFジャパン製)2部、カヤキュアITX(日本化薬製)0.4部、パーブチルO(t−ブチルー2−エチルペルヘキサノエート 日本油脂製)1.5部加え、攪拌混合した調製液を、ガラスクロス(用糸:E250、密度:タテ糸59本/25mm、ヨコ糸57本/25mm、厚さ:87μm、質量:95g/m)に含浸させUV照射し硬化させた。以下は実施例1と同様の測定を行なった。
実施例1〜6、比較例1,2に対し、以下の測定を行なった。
柔軟性試験
それぞれのフィルム及びプリプレグを、図1で示す筐体の外側にはめ込み、フィルムのわれ、くずれなどを確認した。結果を表1に示す。
Figure 0006096141
表1及び表Xの結果から、慣用曲げ剛性倍率の値が3倍から100倍の間である実施例1〜6は、柔軟性試験において良好な結果を示したが、慣用曲げ剛性倍率の値が100倍を超えている比較例1,2は、高弾性すぎて曲げられないという結果となった。
[実施例7]
実施例1で得られた表面処理透明ガラス繊維フィルム2枚を付加型シリコーン樹脂接着剤(製品名:KE−109、信越化学工業(株)製)によって貼りあわせ、熱プレス機にて圧力2MPa、150℃で30分間加圧成型し、さらにこれを150℃で1時間2次硬化させて積層板を得た。得られた積層板について下記評価を行った。評価結果を表2に示す。
[実施例8]
実施例2で得られたガラス繊維処理フィルムを用いて、実施例7と同様の方法で積層板を得た。得られた積層板を用いて、実施例7と同様にして、外観、耐熱性を評価した。結果を表2に記載した。
[実施例9]
実施例3で得られたガラス繊維処理フィルムを用いて、実施例7と同様の方法で積層板を得た。得られた積層板を用いて、実施例7と同様にして、耐熱性を評価した。結果を表2に記載した。
[実施例10]
実施例4で得られたガラス繊維処理フィルムを用いて、実施例7と同様の方法で積層板を得た。得られた積層板を用いて、実施例7と同様にして、耐熱性を評価した。結果を表2に記載した。
[比較例3]
比較例1で得られた透明プリプレグを用いて、接着剤を用いない以外は実施例7と同様の方法で積層板を得た。得られた積層板を用いて、実施例7と同様にして、耐熱性を評価した。結果を表2に記載した。
[比較例4]
比較例2で得られた透明プリプレグを用いて、接着剤を用いない以外は実施例7と同様の方法で積層板を得た。得られた積層板を用いて、実施例7と同様にして、耐熱性を評価した。結果を表2に記載した。
耐熱性
それぞれの透明積層板を150℃×1000hrの耐熱試験を行い、外観を確認した。
柔軟性試験
それぞれの透明積層板を、図1で示す幅10cmの筐体の外周部にはめ込み、フィルムのわれ、くずれなどを確認した。
耐熱衝撃性試験
ヒートショック試験機で−60℃×1分⇔150℃×1分を1000サイクル行った後の試験片のクラック、剥離、変色などを観察したものを表2に示す。
Figure 0006096141
*1 フィルム柔軟性
○良好(割れ、剥離なし) ×不良(割れ又は剥離あり)
*2 熱衝撃試験 外観
○ 良好(割れ、剥離なし) × 不良(割れ又は剥離あり)
実施例7〜10の積層板ではエポキシ樹脂やアクリル樹脂などを含まずに積層板を製造しているため、従来のガラスエポキシ基板の欠点である基材の変色を抑えた積層板を得ることも可能になる。また、用いた表面処理ガラス繊維フィルムの慣用曲げ剛性倍率が3倍から10倍の範囲内であるため、フィルムの柔軟性が保たれ、かつ熱衝撃性にも強い高強度な透明基板を提供することができる。
形状変化試験
実施例1、実施例2、実施例4、実施例5で得られたガラスクロス及び、比較例1で得られた透明プリプレグを用いて下記の比較評価試験を行った。
予め、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品名:EPICRON N−695、(株)DIC製)10質量部、フェノールノボラック樹脂(商品名:PHENOLITE TD−2090、(株)DIC製)5質量部、イミダゾール系触媒(商品名:1B2PZ、(株)四国化成製)0.1質量部及びMEK溶剤50質量部からなる高フィラー含有エポキシ樹脂組成物のスラリーを調製した。
[実施例11]
実施例1で得られたガラス繊維フィルムを上記エポキシ樹脂組成物スラリーに含浸したのち、100℃で10分乾燥後、2枚重ねて金型にセットし、温度:200℃、圧力:2MPa、加圧時間:70分でプレスして積層板を得た。その後、フィルム及びガラスクロスの目開き、よじれなどを目視で観察した。その結果を表3に示す。
[実施例12]
実施例2で得られたガラス繊維フィルムを用いて、実施例11と同様の方法で積層板を得た。得られた積層板を用いて、実施例11と同様にして、フィルム及びガラスクロスの目開き、よじれなどを目視で観察した。その結果を表3に示す。
[実施例13]
実施例4で得られたガラス繊維フィルムを用いて、実施例11と同様の方法で積層板を得た。得られた積層板を用いて、実施例11と同様にして、フィルム及びガラスクロスの目開き、よじれなどを目視で観察した。その結果を表3に示す。
[実施例14]
実施例5で得られたガラス繊維フィルムを用いて、実施例11と同様の方法で積層板を得た。得られた積層板を用いて、実施例11と同様にして、フィルム及びガラスクロスの目開き、よじれなどを目視で観察した。その結果を表3に示す。
[比較例5]
比較例1で得られた透明プリプレグを用いて、実施例11と同様の方法で積層板を得た。得られた積層板を用いて、実施例11と同様にして、フィルム及びガラスクロスの目開き、よじれなどを目視で観察した。その結果を表3に示す。
Figure 0006096141
*3 形状変化
○ 良好(目開きなし) × 不良(目開きあり、縒れあり)
表3の結果から、実施例11〜14の積層板では、本発明のガラス繊維フィルムを用いているため、従来のシランカップリング剤処理ガラスクロスと異なり、プレス時の形状変化が少なく、寸法安定性に優れた基板を提供できた。そのため、内在する応力により基板自身にも捩れ、反りの発生が抑制され、高温時で高信頼性の材料として適用できる。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…表面処理ガラス繊維フィルム、 2…半円筒状筐体。

Claims (7)

  1. 表面処理ガラス繊維フィルムを1枚、もしくは複数枚積層させたものを含む透明ガラス繊維フィルムであって、
    JIS R 3420に記載の方法で測定した前記表面処理ガラス繊維フィルムの慣用曲げ剛性の値が、未処理のガラス繊維フィルムの慣用曲げ剛性の値に対して3倍から100倍であり、JIS K 7375に記載の方法で測定した厚さ500μm以下で波長400〜800nmでの前記表面処理ガラス繊維フィルムの全光線透過率が90%以上のものであり、
    前記表面処理ガラス繊維フィルムが、有機ケイ素化合物により表面処理されたガラスクロスであることを特徴とする透明ガラス繊維フィルム。
  2. 前記有機ケイ素化合物とガラスクロスとの25℃におけるナトリウムD線の屈折率差が−0.02以上+0.02以下であり、かつそれぞれの屈折率の値が1.44以上1.60以下である請求項に記載の透明ガラス繊維フィルム。
  3. 前記ガラスクロスが石英ガラスクロスであることを特徴とする請求項又は請求項に記載の透明ガラス繊維フィルム。
  4. 前記有機ケイ素化合物が、アルコキシシラン、ポリシラザン、シリコーン変性ワニス、アルコキシシランと金属アルコキシドの混合物、及び動的光散乱法によって測定した平均粒径が1〜100nmであるシリカゾルとアルコキシシランとの混合物からなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物であることを特徴とする請求項から請求項のいずれか1項に記載の透明ガラス繊維フィルム。
  5. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の透明ガラス繊維フィルムを用いたものであることを特徴とする半導体装置。
  6. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の透明ガラス繊維フィルムを用いたものであることを特徴とするディスプレイ用保護フィルム。
  7. 前記ディスプレイ用保護フィルムの片面又は両面に、反射防止層又は防汚層、もしくはこれらの両方を設けたものであることを特徴とする請求項に記載のディスプレイ用保護フィルム。
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