JP6089626B2 - ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents
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Description
この問題を解決する方法の一つとして、反応器に連続的に原料を供給し、同時に生成したポリカーボネートを取り出す連続式の反応プロセスを用いて、重合後のポリカーボネートをより少ない熱履歴で触媒失活処理及びペレット化を行い、ポリマー中に残留する芳香族モノヒドロキシ化合物の量を1000ppm以下に減少させ、得られるポリマーの色調を改善する方法が用いられている(特許文献5参照)。
[1]構造の一部にフルオレン部位を有するジヒドロキシ化合物(A)を含むジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを、連続的に反応器に供給して溶融重縮合するポリカーボネートの製造方法であって、以下の条件1〜4をすべて満たすことを特徴とするポリカーボネートの連続的製造方法。
1.ジヒドロキシ化合物(A)は室温で固体である。
2.ジヒドロキシ化合物(A)と炭酸ジエステルとを反応器に供給する前に混合して溶解する工程を含む。
3.ジヒドロキシ化合物(A)と炭酸ジエステルとを溶解槽に連続的に供給すると同時に、該溶解槽からジヒドロキシ化合物(A)と炭酸ジエステルの混合溶融液を連続的に排出することによって、該ジヒドロキシ化合物(A)と炭酸ジエステルの混合液を反応器に供給する。
4.ジヒドロキシ化合物(A)を液化してから、反応器に供給するまでの滞留時間が0.05時間以上10時間以下である。
[2]前記ジヒドロキシ化合物(A)の融点が炭酸ジエステルの融点より5℃以上高く、250℃以下である[1]に記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
[3]前記ジヒドロキシ化合物(A)が、下記構造式(1)で表されるジヒドロキシ化合物である[1]または[2]に記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
[4]前記炭酸ジエステルを溶融液とし、少なくとも1つの溶解槽に供給して、ジヒドロキシ化合物(A)と炭酸ジエステルの混合液を調製する[1]乃至[3]のいずれかに記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
[5]前記室温で固体のジヒドロキシ化合物(A)が、メディアン径200μm以下の粉体である[1]乃至[4]のいずれかに記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
[6]前記ジヒドロキシ化合物(A)と炭酸ジエステルは、それぞれ計量フィーダー、あるいは流量計によって定量して溶解槽に供給される[1]乃至[5]のいずれかに記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
[7]前記溶解槽内の溶融液中のジヒドロキシ化合物(A)と炭酸ジエステルのモル比率を±3%以内に保持することを特徴とする[1]乃至[6]のいずれかに記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
[8]前記溶解槽が攪拌機と、加熱媒体が流通する熱交換器を具備する[1]乃至[7]のいずれかに記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
[9]前記溶解槽の内温が160℃以下であり、かつ、内温と加熱媒体温度との差が50℃以下である[8]に記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
[10]前記溶解槽内部に保有しているジヒドロキシ化合物(A)と炭酸ジエステルを含有する混合液の容積をV[m3]、該混合液と熱交換機との接触面積をS[m2]とした時に、下記式(2)を満たす[8]又は[9]に記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
V/S ≦ 0.4 (2)
[11]前記溶解槽内部に保有しているジヒドロキシ化合物(A)と炭酸ジエステルを含有する混合液の液面を溶解槽高さの70%以上に保持することを特徴とする[1]乃至[10]のいずれかに記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
[12]前記溶解槽は、直列に連結された2つ以上の溶解槽であり、下流側の溶解槽の前記加熱媒体の温度が上流側の溶解槽の加熱媒体温度以下である[8]乃至[11]のいずれかに記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
[13]前記溶解槽内部の酸素濃度が0.5体積%以下である[1]乃至[12]のいずれかに記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
[14]前記ジヒドロキシ化合物は、前記ジヒドロキシ化合物(A)以外のジヒドロキシ化合物をさらに含み、前記ジヒドロキシ化合物(A)以外のジヒドロキシ化合物は、構造の一部に下記式(3)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物(B)を含む[1]乃至[13]のいずれかに記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
、および前記フルオレン構造を有するジヒドロキシ化合物の一部を構成する部位である場合を除く。)
[15]前記ジヒドロキシ化合物(B)が、環状構造を有し、かつエーテル構造を有する化合物である[14]に記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
[16]前記ジヒドロキシ化合物(B)が、下記構造式(4)で表される環状エーテル構造を有する化合物である[14]又は[15]に記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
[18]反応に用いられるすべてのジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルを、反応器に投入される前にフィルターで濾過する[1]乃至[17]のいずれかに記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
[19]反応器に供給される原料組成のうち、少なくとも1種のジヒドロキシ化合物の全ジヒドロキシ化合物に対する重量分率を、異なる重量分率に変更する組成切り替え工程を有し、上記組成切り替え工程の前の重量分率と組成切り替え工程後の重量分率の差が1wt%以上である[14]乃至[18]のいずれかに記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
[20]構造の一部にフルオレン部位を有するジヒドロキシ化合物(A)を含むジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを、連続的に反応器に供給して溶融重縮合するポリカーボネートの製造方法であって、以下の条件1〜4をすべて満たすことを特徴とするポリカーボネートの連続的製造方法。
1.ジヒドロキシ化合物(A)は室温で固体である。
2.ジヒドロキシ化合物(A)と炭酸ジエステルとを反応器に供給する前に混合して溶解する工程を含む。
3.ジヒドロキシ化合物(A)と炭酸ジエステルとを溶解槽に連続的に供給すると同時に、該溶解槽からジヒドロキシ化合物(A)と炭酸ジエステルの混合溶融液を連続的に排出することによって、該ジヒドロキシ化合物(A)と炭酸ジエステルの混合液を反応器に供給する。
4.該ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルの混合溶融液を調製してから、反応器に供給するまでの滞留時間が0.05時間以上8時間以下である。
[21][1]乃至[20]のいずれかに記載の方法で得られたポリカーボネートを製膜してなることを特徴とする透明フィルム。
[22]前記透明フィルムが、少なくとも一方向に延伸されてなることを特徴とする[2
1]に記載の透明フィルム。
[23]波長450nmで測定した位相差(Re450)と波長550nmで測定した位相差(Re550)の比が下記式(5)を満足することを特徴とする[21]又は[22]に記載の透明フィルム。
0.5 ≦ Re450/Re550 ≦ 1.0 (5)
なお、本明細書において、「〜」という表現を用いた場合、その前後の数値または物理値を含む意味で用いることとする。
以下、本発明のポリカーボネートの製造方法において使用可能な原料、触媒について説明する。
(ジヒドロキシ化合物)
本発明のポリカーボネートの製造に用いられるジヒドロキシ化合物は、少なくともフルオレン構造を有するジヒドロキシ化合物(A)(フルオレン系ジヒドロキシ化合物)を含む。得られるポリカーボネートの耐熱性や機械強度、光学特性と重合反応性の観点から、ジヒドロキシ化合物(A)は、9,9−ジフェニルフルオレンの構造を有する下記式(1)で表されるものが好適に用いられる。
炭素数20のアリーレン基を表す。m及びnはそれぞれ独立に0〜5の整数である。)
、および前記フルオレン構造を有するジヒドロキシ化合物の一部を構成する部位である場合を除く。)
すなわち、ジヒドロキシ化合物(B)には、−CH2−OH以外に式(3)で表される
部位を有さない化合物は含まれないが、−CH2−OH以外に−CH2−O−CH2−等の
式(3)で表される部位を有する化合物は含まれる。
所望とする光学特性が得られ、さらに耐熱性や機械強度などの物性をバランスさせるためには、ジヒドロキシ化合物(A)/ジヒドロキシ化合物(B)のモル比が10/90〜70/30が好ましく、20/80〜60/40であるのがより好ましい。
から誘導されるジヒドロキシ化合物等が挙げられる。
て使用する前に塩基性安定剤をイオン交換樹脂や蒸留等で除去することが好ましい。
本発明において、ポリカーボネートは、少なくともジヒドロキシ化合物(A)を含むジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを原料として、エステル交換反応により重縮合させて得ることができる。
エステル交換反応に用いられる炭酸ジエステルとしては、通常、下記式(8)で表されるものが挙げられる。これらの炭酸ジエステルは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の製造方法において、ポリカーボネートは、上述のようにジヒドロキシ化合物(A)を含むジヒドロキシ化合物と前記式(8)で表される炭酸ジエステルをエステル交換反応させて製造する。より詳細には、エステル交換させ、副生するモノヒドロキシ化合物等を系外に除去することによって得られる。このエステル交換反応の際には、エステル交換反応触媒存在下で重縮合を行うが、本発明の方法で製造されるポリカーボネートの製造時に使用し得るエステル交換反応触媒(以下、単に触媒、重合触媒と言うことがある)は、反応速度や重縮合して得られるポリカーボネートの色調に非常に大きな影響を与え得る。
アンモニウムヒドロキシド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、テトラフェニルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、ブチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。
触媒量が少なすぎると、重合速度が遅くなるため、所望の分子量のポリカーボネートを得ようとするにはその分だけ重合温度を高くせざるを得なくなる。そのために、得られるポリカーボネートの色相が悪化する可能性が高くなり、また、未反応の原料が重合途中で揮発してジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルのモル比率が崩れ、所望の分子量に到達しない可能性がある。一方、重合触媒の使用量が多すぎると、好ましくない副反応を併発し、得られるポリカーボネートの色相の悪化や成形加工時の樹脂の着色を招く可能性がある。
溶融重縮合による反応は、反応速度やポリカーボネートの品質を一定に制御するために、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとのモル比を厳密に制御する必要がある。要求される定量精度を得るには固体を供給する方法では難しいため、ポリカーボネートの原料として使用するジヒドロキシ化合物、および炭酸ジエステルは、通常、窒素やアルゴン等の不活性ガスの雰囲気下、バッチ式、半回分式または連続式の攪拌槽型の装置を用いて溶融液として扱われる。
また、ジヒドロキシ化合物(A)と炭酸ジエステルの混合溶融液を調製してから、反応器に供給するまでの滞留時間が0.05時間以上8時間以下であることが好ましい。
したがって、固体のジヒドロキシ化合物(A)と炭酸ジエステルを連続して溶解槽に一定流量で供給し、同時に該溶解槽から混合液を連続的に排出する方法を採用すると、液化と溶融状態の保持にかかる熱履歴を最小にすることができるとともに、溶解にかかる滞留時間を一定にすることが可能となる。原料の熱劣化は完全には避けられないが、滞留時間を一定に保つことで、一定の品質の原料を反応器に供給することができ、重縮合工程の運転やポリカーボネートの品質の安定化につながる。さらに、固体のジヒドロキシ化合物(A)を一定の供給量で連続的に供給することで、供給量の変動を最小に抑えることができるため、得られるポリカーボネートの共重合組成の変動が小さくなり、特に光学物性などの品質を均一にすることが可能となる。
できる。ここで溶解槽iにおける滞留時間Tiは、以下に詳述するとおり、溶解槽iへの
物質の流入及び溶解槽iからの物質の流出によって分類される4種類の要素(状態)の滞留時間Txの組み合わせに分解できる。従って、溶解槽iにおける滞留時間Tiはジヒドロキシ化合物(A)の液化方法に従って、下記の要素の滞留時間の合計で表される。なお、本発明においては、エステル交換反応は連続式であり、反応器に供給する流量が一定であるため、少なくとも最終段の溶解槽から排出する混合液の流量は一定である。
この場合、溶解槽iから物質の流出がない事を指し、溶解槽iの中で物質が静置されているか、攪拌されているかは問わない。溶解槽iの要素1としての滞留時間Ti 1[hr]は溶解槽iに物質が保持されている時間ti[hr]となる。
Ti 1=ti (10)
Ti 1:溶解槽iの要素1としての滞留時間[hr]
ti:溶解槽iに物質が保持されている時間[hr]
要素1の例としては、溶解槽で固体を加熱攪拌するのに要する時間、バッチ式でジヒドロキシ化合物(A)と炭酸ジエステルを混合する時間、原料溶融液を貯蔵する時間等が該当する。なお、溶解槽から溶液を排出する時間は後述の要素2に分類される。
溶解槽iの要素2としての滞留時間Ti 2[hr]は、溶解槽i内部に存在する物質の総量Wi[kg]と溶解槽iから該物質が流出する流量Fi[kg/hr]とから次のように求まる。
Ti 2=Wi/Fi (11)
Ti 2:溶解槽iの要素2としての滞留時間[hr]
Wi:溶解槽i内部に存在する物質の量[kg]
Fi:溶解槽iから排出する物質の流量[kg/hr]
要素2の例としては、バッチ式の溶解槽からの排出における滞留時間が該当する。
溶解槽i内部に存在する物質の量Wi[kg]は一定であるので、要素3としての滞留
時間Ti 3[hr]は、前記Wiと、溶解槽iから該物質が流出する流量Fi[kg/hr]とから次のように求まる。
Ti 3=Wi/Fi (12)
Ti 3:溶解槽iの要素3としての滞留時間[hr]
Wi:溶解槽i内部に存在する物質の量[kg]
Fi:溶解槽iから排出する物質の流量[kg/hr]
要素3の例としては、連続式でジヒドロキシ化合物(A)と炭酸ジエステルを混合する時間が該当する。
この場合、溶解槽i内部に存在する物質の量Wi[kg]の変化が一律ではないので、
該物質を排出する時、滞留時間に差が生じる。そこで、溶解槽iの要素4としての滞留時間Ti 4[hr]は、溶解槽iにおける物質の最長滞留時間Ti max[hr]とする。
Ti 4=Ti max (13)
Ti 4:溶解槽iの要素4としての滞留時間[hr]
Ti max:溶解槽iにおける物質の最長滞留時間[hr]要素4の例としては、バッチ式溶解装置や間欠式混合装置等における滞留時間等が該当する。
(方法1)固体のジヒドロキシ化合物(A)を溶融した炭酸ジエステル中に溶解して液化する方法。
(方法2)液体のジヒドロキシ化合物(A)と液体の炭酸ジエステルを溶解槽で混合する方法。この方法においては、固体のジヒドロキシ化合物(A)を単独で加熱融解して液化する工程を含む。
(方法3)固体のジヒドロキシ化合物(A)と固体の炭酸ジエステルの混合物を加熱融解して液化する方法。
尚、第1溶解槽において未溶解の固体ジヒドロキシ化合物(A)を含んでいる場合は、第1溶解槽の排出液を第2溶解槽に送液後、第2溶解槽においてジヒドロキシ化合物(A)を完全溶解すればよい。
以下、本発明においてジヒドロキシ化合物(A)を液化してから反応器に供給するまでの代表例について、前記定義に基づく滞留時間Tの計算式を記述する。
この例では、ジヒドロキシ化合物(A)が第1溶解槽に投入された時点から、液化したジヒドロキシ化合物(A)と炭酸ジエステルの混合溶融液を第2溶解槽から排出する時点までを溶解槽内の滞留時間Tとする。上述の通り、溶解槽同士、又は溶解槽と反応槽を接続する配管の影響は考慮しない。
T=T1+T2 (14)
T:第1溶解槽に原料を投入した時点から、第2溶解槽から混合溶融液を排出する時点までのジヒドロキシ化合物(A)の滞留時間[hr]
T1:第1溶解槽におけるジヒドロキシ化合物(A)の滞留時間[hr]
T2:第2溶解槽におけるジヒドロキシ化合物(A)の滞留時間[hr]
ここで、第1溶解槽、第2溶解槽とも連続式であり、それぞれの溶解槽内部に存在する物質の量は一定で、かつ、それぞれの溶解槽から排出する物質の流量は一定であるから、第1溶解槽、第2溶解槽ともに前記要素3を適用する。
T=T1 3+T2 3 (14)
T1 3=W1/F1 (15)
T1 3:第1溶解槽におけるジヒドロキシ化合物(A)の滞留時間[hr]
W1:第1溶解槽内部に存在する物質の量[kg]
F1:第1溶解槽から排出する物質の流量[kg/hr]
T2 3=W2/F2 (16)
T2 3:第2溶解槽におけるジヒドロキシ化合物(A)の滞留時間[hr]
W2:第2溶解槽内部に存在する物質の量[kg]
F2:第2溶解槽から排出する物質の流量[kg/hr]
従って、式(14)は下記の通り記述される。
T=T1 3+T2 3=W1/F1+W2/F2 (17)
この例においても、ジヒドロキシ化合物(A)が第1溶解槽に投入された時点から、液化したジヒドロキシ化合物(A)と炭酸ジエステルの混合液を第2溶解槽から排出する時点までを溶解槽内の滞留時間Tとする。上述の通り、溶解槽同士、又は溶解槽と反応槽を接続する配管の影響は考慮しない。
T=T1+T2 (18)
T:ジヒドロキシ化合物(A)が第1溶解槽に投入された時点から、液化したジヒドロキシ化合物(A)と炭酸ジエステルの混合液が第2溶解槽から排出された時点までのジ ヒドロキシ化合物(A)の滞留時間[hr]
T1:第1溶解槽におけるジヒドロキシ化合物(A)の滞留時間[hr]
T2:第2溶解槽におけるジヒドロキシ化合物(A)の滞留時間[hr]
この例では、第1溶解槽はバッチ式に相当するので、第1溶解槽の滞留時間T1は、加
熱を開始した時点から排出を開始した時点までの滞留時間(攪拌に要する時間)であり、該滞留時間は前記要素1に該当するのでT1 1と表記し、排出段階における滞留時間は上記要素2に該当するのでT1 2と表記する。第1溶解槽におけるジヒドロキシ化合物(A)の滞留時間は次式で記述される。
T1=T1 1+T1 2=t1+W1/F1 (19)
T1:第1溶解槽におけるジヒドロキシ化合物(A)を含む液の滞留時間[hr]
T1 1:第1溶解槽におけるジヒドロキシ化合物(A)を含む液の攪拌に要する時間[hr]
T1 2:第1溶解槽におけるジヒドロキシ化合物(A)を含む液の排出に要する時間[hr]
t1:第1溶解槽で攪拌に要する時間[hr]
W1:第1溶解槽内部に存在する物質の量[kg]
F1:第1溶解槽から排出する物質の流量[kg/hr]
但し、第1溶解槽の排出時間が第1溶解槽で攪拌に要する時間よりきわめて短い場合は、排出時間W1/F1を無視してもかまわない。一方、第2溶解槽において、ジヒドロキシ化合物(A)と炭酸ジエステルの混合液の量が変動し、第2溶解槽における混合液の滞留時間にばらつきが生じるため、第2溶解槽の滞留時間T2は、前記要素4に従い、最も長い滞留時間T2 maxとする。
T2 4=T2 max (20)
T2 4:第2溶解槽におけるジヒドロキシ化合物(A)の滞留時間[hr]
T2 max:第2溶解槽における混合液の最長の滞留時間[hr]従って、この例における滞留時間Tは次式となる。
T=T1 1+T2 4=t1+W1/F1+T2 max (21)
この例では、第1溶解槽はバッチ式による原料の加熱融解であり、第2溶解槽は連続式混合である。第1溶解槽において、ジヒドロキシ化合物(A)を投入後、加熱を開始した時点から、第2溶解槽出口から原料混合液を排出した時点までを溶解槽内の滞留時間Tとする。
T=T1+T2 (22)
T:第1溶解槽において、ジヒドロキシ化合物(A)を投入後、加熱を開始した時点から、第2溶解槽出口から原料混合液を排出した時点までのジヒドロキシ化合物(A)の 滞留時間[hr]
T1:第1溶解槽におけるジヒドロキシ化合物(A)の滞留時間[hr]
T2:第2溶解槽におけるジヒドロキシ化合物(A)の滞留時間[hr]
この例においても、第1溶解槽において、加熱を開始した時点から排出を開始した時点までの滞留時間と、排出段階における滞留時間に分割でき、それらの和を第1溶解槽内の滞留時間T1とするので、代表例2の第1溶解槽の場合と同様、次式である。
T1=T1 1+T1 2=t1+W1/F1 (23)
T1 1:加熱を開始した時点から排出を開始した時点までの第1溶解槽内のジヒドロキシ
化合物(A)の滞留時間[hr]
T1 2:排出段階における溶解槽内のジヒドロキシ化合物(A)の滞留時間[hr]
t1:第1溶解槽で攪拌に要する時間[hr]
W1:第1溶解槽内のジヒドロキシ化合物(A)の量[kg]
F1:第1溶解槽から排出するジヒドロキシ化合物(A)の流量[kg/hr]
一方、第2溶解槽における滞留時間T2は、上記要素3の連続混合に該当するので、滞
留時間T2は次式になる。
T2=T2 3=W2/F2 (24)
T2 3:第2溶解槽内のジヒドロキシ化合物(A)の滞留時間[hr]
W2:第2溶解槽内のジヒドロキシ化合物(A)の量[kg]
F2:第2溶解槽から排出するジヒドロキシ化合物(A)の流量[kg/hr]以上を
まとめると、この例における滞留時間Tは、次式の通り記述される。
T=T1+T2=t1+W1/F1+W2/F2 (25)
(A)を加温する必要があるため、加熱媒体が流通する熱交換器を具備していることが好ましい。また、溶融時間を短縮し、ジヒドロキシ化合物(A)が加熱媒体との接触面において局所過熱されることによる劣化を抑制するために、攪拌機を用いて攪拌されることが好ましい。
溶解槽内部のジヒドロキシ化合物(A)の容積をV[m3]、該混合液と熱交換器との
接触面積をS[m2]とした時に、V/Sが0.4以下となるのが好ましく、さらには0
.35以下が好ましく、特には0.3以下が好ましい。なお、V/Sの下限は、0.1がよく、0.15が好ましい。0.1未満になると過度な数の内部熱交換器を溶解槽内に設置することになり、必要な容積を確保できなくなるため、現実的ではない。
本発明においては、複数種用いる原料のうち、いずれの原料を濾過してもよいし、全てを濾過してもよく、その方法は、限定されるものではなく、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルの原料混合物を濾過してもよいし、別々に濾過した後に混合してもよい。また、重縮合反応の途中の反応液をフィルターで濾過することもできる。
各原料のライン一つ一つにフィルターを設置してもよいが、すべての原料を混合してから一つのフィルターに通すことは設備を簡略化できるためより好ましい。また、フィルターを使用する場合、圧力上昇などを監視する必要があるが、フィルターを1つに集約することによって、該フィルターのみを監視すればよくなり、運転管理も容易となる。
スクタイプ、チューブタイプ、フラット型円筒タイプ、プリーツ型円筒タイプ等のいずれの型式であってもよいが、中でもコンパクトで濾過面積が大きく取れるプリーツタイプのものが好ましい。また、該フィルターを構成する濾材としては、金属ワインド、積層金属メッシュ、金属不織布、多孔質金属板等のいずれでもよいが、濾過精度の観点から積層金属メッシュまたは金属不織布が好ましく、中でも金属不織布を焼結して固定したタイプのものが好ましい。
該フィルターの材質についての制限は特になく、金属製、樹脂製、セラミック製等を使用することができるが、耐熱性や着色低減の観点からは、鉄含有量80%以下である金属製フィルターが好ましく、中でもSUS304、SUS316、SUS316L、SUS310S等のステンレス鋼製が好ましい。
フィルターの目開きは特に制限はないが、少なくとも1つのフィルターにおいては、99%の濾過精度として10μm以下であることが好ましく、フィルターが複数配置されている場合には、最上流側において好ましくは8以上、更に好ましくは10以上であり、その最下流側において好ましくは2以下、更に好ましくは1以下である。
尚、前記99%の濾過精度として定義される目開きとは、ISO16889に準拠して決定された下記式(30)で表されるβχ値が1000の場合のχの値を言う。
βχ=(χμmより大きい1次側の粒子数)/(χμmより大きい2次側の粒子数) (30)
(ここで1次側とはフィルターでの濾過前、2次側とは濾過後を示す。)
ることで、反応器に供給されるジヒドロキシ化合物の組成を瞬時に切り替えることが可能となり、製品が切り替わるまでの時間を大幅に短縮することが可能となり、原料のロスや移行期間の短縮により、製品の歩留まりや生産性を向上することが可能となる。
本発明の方法においては、少なくとも上記ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを、液体状態で連続的に反応器に供給し、通常、重縮合触媒の存在下で反応させる(溶融重縮合)ことによりポリカーボネートが製造される。
々な観点から重要な影響を与え得る。
本発明で製造するポリカーボネートも、通常のポリカーボネートと同様に、反応の進行とともに反応液の粘度が上昇してくるため、多槽方式の各反応器においては、重縮合反応の進行とともに副生するモノヒドロキシ化合物(DPCを用いた場合はフェノールとなる。)をより効果的に系外に除去し、また、反応液の流動性を確保するために、上記の反応条件内で、段階的により高温、より高真空に設定する必要がある。
<前段反応工程>
先ず、上記ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの混合物を、溶融下に、竪型攪拌反応槽に供給して、通常、温度130℃〜230℃で重縮合反応を行う。
次に、前段の重縮合工程で得られたオリゴマーを横型攪拌反応器に供給して、温度200℃〜260℃で重縮合反応を行い、ポリカーボネートを得る。この反応は通常1器以上、好ましくは1〜3器の横型攪拌反応器で連続的に行われる。
重縮合工程を多槽方式で行う場合は、通常、竪型攪拌反応槽を含む複数器の反応器を設けて、ポリカーボネートの平均分子量(還元粘度)を増大させる。
り格子翼((株)日立製作所製)等が挙げられる。
本発明の方法で製造されるポリカーボネートは、上述の重縮合反応を行った後、固化させることなく、溶融状態のまま、フィルターに通して異物を濾過する。中でも樹脂中に含まれる低分子量成分の除去や、熱安定剤等の添加混練を実施するため、重縮合で得られた樹脂を押出機に導入し、次いで押出機から排出された樹脂を、フィルターを用いて濾過することが好ましい。
旦ストランドの形態で冷却固化させてペレット化し、該ペレットを再度押出機に導入してフィルターで濾過し、ストランドの形態で冷却固化させて、ペレット化する方法、最終重縮合反応器から溶融状態で抜き出し、押出機を通さずにストランドの形態で冷却固化させて一旦ペレット化させた後に、一軸または二軸の押出機にペレットを供給し、溶融押出しした後、フィルターで濾過し、ストランドの形態で冷却固化させてペレット化させる方法等が挙げられる。中でも熱履歴を最小限に抑え、色相の悪化や分子量の低下等、熱劣化を抑制するためには、最終重縮合反応器から溶融状態で一軸または二軸の押出機に樹脂を供給し、溶融押出しした後、直接フィルターで濾過し、ストランドの形態で冷却固化させて、回転式カッター等でペレット化する方法が好ましい。
次に図を用いて、本実施の形態が適用される本発明の方法の一例を具体的に説明する。以下に説明する製造装置や原料、触媒は本発明の実施態様の一例であり、本発明は以下に説明する例に限定されるものではない。
溶解槽2fではBHEPFとDPCを攪拌混合し、所定の滞留時間となるように液面が一定に制御される。原料の供給と同時に、底部からBHEPFとDPCの混合液を一定流量で溶解槽2iに移送する。溶解槽2iにおいても所定の滞留時間となるように液面を一定に制御される。完全に均一に溶解混合されたBHEPFとDPCの混合液は、定量供給ポンプ2kにより、所定流量で排出され、別途溶融されたISBとPEGと配管中で混合され、スタティックミキサー7aと原料フィルター7bを通って反応器に移送される。
れ、反応器の前で水溶液とした重合触媒を触媒タンク6aから触媒供給ポンプ6bにより供給され、混合される。
拌反応器8dの後には移送する反応液が高粘度になるため、ギアポンプ11aと11bが設けられる。
第1竪型攪拌反応槽8aと第2竪型攪拌反応槽8bは、供給熱量が特に大きくなることがあるため、熱媒温度が過剰に高温にならないように、それぞれ内部熱交換器10a、10bが設けられる。
各反応器にそれぞれ取り付けられた凝縮器15a、15b、15c、15dから、フェノール(モノヒドロキシ化合物)等の副生物が連続的に留出液回収タンク17aに送られ、液化回収される。また、第3竪型攪拌反応槽8cと第4横型攪拌反応器8dにそれぞれ取り付けられた凝縮器15c、15dの下流側にはコールドトラップ(図示せず)が設けられ、副生物が連続的に固化回収される。
本実施の形態では、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの重縮合反応に基づく重縮合は、以下の手順に従い開始される。
内温:130℃〜230℃、圧力:40kPa〜10kPa、加熱媒体の温度140℃〜240℃ 、還流比0.01〜10
(第2竪型攪拌反応槽8b)
内温:150℃〜230℃、圧力:40kPa〜8kPa、加熱媒体の温度160℃〜240℃、還流比0.01〜5
(第3竪型攪拌反応槽8c)
内温:170℃〜230℃、圧力:10kPa〜1kPa、加熱媒体の温度180℃〜240℃
(第4横型攪拌反応器8d)
内温:200℃〜260℃、圧力:1kPa〜10Pa、加熱媒体の温度210〜270℃
なお、本明細書中、上記「反応溶液の表面更新」という語は、液表面の反応溶液が液表面下部の反応溶液と入れ替わることを意味する。
このように本発明で用いられる横型攪拌反応器は、水平軸と、この水平軸にほぼ直角に取り付けられた相互に不連続な攪拌翼とを有する装置であり、押出機と異なりスクリュー
部分を有していない。本発明の方法においては、このような横型攪拌反応器を少なくとも1器用いることが好ましい。
本発明にかかる前記位相差フィルムは、公知のヨウ素系あるいは染料系の偏光板と粘着剤を介して積層貼合することにより、各種液晶表示装置、または有機EL表示装置用などの位相差板として用いることができる。
とが好ましく、40×10-12Pa-1以下であることが更に好ましい。光弾性係数が過度
に大きいと、位相差フィルムとした場合、偏光板と張り合わせると、画面の周囲が白くぼやけるような画像品質の低下が起きる可能性がある。特に大型の表示装置に用いられる場合にはこの問題が顕著に現れる。
以下において、原料調製液、およびポリカーボネートの組成分析と物性の評価は次の方法により行った。
・BHEPF:9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン (大阪ガスケミカル(株)製、商品名:BPEF、メディアン径57μm)
・BCF:9,9−ビス(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)フルオレン (大阪ガスケミカル(株)製、商品名:BCF、メディアン径21μm))
・ISB:イソソルビド (ロケットフルーレ社製、商品名:POLYSORB PS)・PEG#1000:ポリエチレングリコール 数平均分子量1000(三洋化成(株)製)
・DPC:ジフェニルカーボネート(三菱化学(株)製)
ビーカーに試料20gを計量し、1,4−ジオキサン20gを加えて溶解した。光路長2cmのガラスセルに入れて、分光測色計CM−5(コニカミノルタ(株)製)により透過モードで測定を行い、溶液のイエローインデックス(YI)値を測定した。YI値が小さい程、黄色味が少ないことを示す。
2)溶解槽中のジヒドロキシ化合物(A)と炭酸ジエステルのモル比率
溶解槽の底部に取り付けられたバルブを開けて、ジヒドロキシ化合物(A)(実施例ではBHEPF)と炭酸ジエステルの溶融混合液を流し、そこからスパチュラを用いて50mg程度サンプリングした。試料をアセトニトリルに溶解し、試料濃度が200〜250重量ppmとなるように溶液を調製した。この試料溶液を検出波長220nmにてHPLCの測定を行い、BHEPFとDPCに由来するピーク面積を測定した。事前に既知の濃度のBHEPFとDPCの混合試料から求めた検量線により、DPC/BHEPFのモル比率を算出した。なお、溶解槽中でBHEPFとDPCはわずかに反応が進行しており、BHEPFの反応物に由来するピークは未反応のBHEPFとして、またDPCより生成したフェノールは未反応のDPCとしてモル比率の計算に加えた。
3)還元粘度
溶媒として塩化メチレンを用い、0.6g/dLの濃度のポリカーボネート溶液を調製した。森友理化工業(株)製ウベローデ型粘度管を用いて、温度20.0℃±0.1℃で測定を行い、溶媒の通過時間t0と溶液の通過時間tから次式より相対粘度ηrelを求め、ηrel=t/t0
相対粘度から次式より比粘度ηspを求めた。
ηsp=(η−η0)/η0=ηrel−1 比粘度を濃度c(g/dL)で割って、還元粘度
ηsp/cを求めた。この値が高いほど分子量が大きい。
ポリカーボネートの色相は、ASTM D1925に準拠して、ペレットの反射光におけるYI値(イエローインデックス値)を測定して評価した。装置はコニカミノルタ(株)製分光測色計CM−5を用い、測定条件は測定径30mm、SCEを選択した。シャーレ測定用校正ガラスCM−A212を測定部にはめ込み、その上からゼロ校正ボックスCM−A124をかぶせてゼロ校正を行い、続いて内蔵の白色校正板を用いて白色校正を行った。白色校正板CM−A210を用いて測定を行い、L*が99.40±0.05、a*が0.03±0.01、b*が−0.43±0.01、YIが−0.58±0.01となることを確認した。ペレットの測定は、内径30mm、高さ50mmの円柱ガラス容器にペレットを40mm程度の深さまで詰めて測定を行った。ガラス容器からペレットを取り出してから再度測定を行う操作を2回繰り返し、計3回の測定値の平均値を用いた。YI値が小さいほど樹脂の黄色味が少なく、色調に優れることを意味する。
ポリカーボネート中の各ジヒドロキシ化合物構造単位比は、ポリカーボネート30mgを秤取し、重クロロホルム約0.7mLに溶解し、これを内径5mmのNMR用チューブに入れ、1H NMRスペクトルを測定した。各ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位
に基づくシグナル強度比より各ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位比を求めた。用いた装置や条件は、次のとおりである。
・装置:日本電子(株)製JNM−AL400(共鳴周波数400MHz)
・測定温度:常温
・緩和時間:6秒
・積算回数:512回
80℃で5時間真空乾燥したポリカーボネート樹脂サンプル4.0gを、幅8cm、長さ8cm、厚さ0.5mmのスペーサーを用いて、熱プレスにて熱プレス温度250℃で、予熱1分、圧力20MPaの条件で1分間加圧後、スペーサーごと取り出し、水管冷却式プレスで、圧力20MPaで3分間加圧冷却しフィルムを作製し、幅6cm、長さ6cmの試料を切り出した。この試料を、バッチ式二軸延伸装置(東洋精機産業(株)製)で、延伸温度をポリカーボネート樹脂のガラス転移温度+15℃、延伸速度を720mm/分(ひずみ速度1200%/min)で、延伸倍率2.0倍の一軸延伸を行った。このとき延伸方向に対して垂直方向は、保持した状態(延伸倍率1.0)で延伸を行った。
延伸された試料より幅4cm、長さ4cmに切り出し、位相差測定装置(王子計測機器(株)製KOBRA−WPR)を用いて測定波長450,500,550,590,630nmで位相差を測定し、波長分散性を測定した。波長分散性は、450nmと550nmで測定した位相差Re450とRe550の比(Re450/Re550)を計算した。位相差比が1より大きいと波長分散は正であり、1未満では負となる。それぞれの位相差の比が、1未満で小さい程、負の波長分散性が強いことを示している。
[参考例1]
撹拌翼および100℃に制御された還流冷却器を具備した重合反応装置に、BHEPFとISBとPEG#1000と、蒸留精製して塩化物イオン濃度を10ppb以下にしたDPC、および酢酸マグネシウム4水和物を、モル比でBHEPF/ISB/PEG#1000/DPC/酢酸マグネシウム4水和物=0.432/0.556/0.012/1.020/1.50×10−5になるように仕込み、十分に窒素置換した(酸素濃度0.0005〜0.001vol%)。続いて熱媒で加温を行い、内温が100℃になった時点で撹拌を開始した。昇温を開始後40分で内温を220℃にし、内温が220℃に到達した時点でこの温度を保持するように制御すると同時に、減圧を開始し、220℃に到達してから90分で13.3kPa(絶対圧力、以下同様)にした。重合反応とともに副生するフェノール蒸気は、100℃の還流冷却器に導き、フェノール蒸気中に若干量含まれるモノマー成分を重合反応器に戻し、凝縮しないフェノール蒸気は続いて45℃の凝縮器に導いて回収した。
参考例1と同じ原料の仕込みで反応を実施したが、事前に重合反応装置にBHEPFとDPCのみ仕込み、十分に窒素置換を行った後、内温を150℃に保持して、攪拌下、8時間溶融状態を保持した。その後、室温付近まで冷却した。続いて、ISBとPEG#1000と酢酸マグネシウム4水和物を仕込み、装置内を十分に窒素置換し、その後は参考例1と同様に反応を行った。
内温が220℃に到達してから60分後のフェノールの留出率は理論生成量の51%、得られたポリカーボネートのペレットYIは41であった。参考例1と比較して反応速度が低下し、得られたポリカーボネートの色調も悪化した。
BCFとISBとPEG#1000とDPC、および酢酸カルシウム1水和物を、モル比でBCF/ISB/PEG#1000/DPC/酢酸カルシウム1水和物=0.242/0.739/0.019/1.020/3.0×10−5になるように仕込んだ以外は参考例1と同様に行った。
内温が220℃に到達してから60分後のフェノールの留出率は理論生成量の70%であった。得られたポリカーボネートの還元粘度は0.380dL/g、ペレットYIは43であった。
参考例3と同じ原料の仕込みで反応を実施したが、事前に重合反応装置にBCFとDPCのみ仕込み、十分に窒素置換を行った後、内温を150℃に保持して、攪拌下、8時間溶融状態を保持した。その後、室温付近まで冷却した。続いて、ISBとPEG#1000と酢酸カルシウム1水和物を仕込み、装置内を十分に窒素置換し、その後は参考例1と同様に反応を行った。
内温が220℃に到達してから60分後のフェノールの留出率は理論生成量の53%、得られたポリカーボネートのペレットYIは60であった。参考例3と比較して反応速度が低下し、得られたポリカーボネートの色調も悪化した。
表1に示したとおり、本発明で用いられるフルオレン構造を有するジヒドロキシ化合物は、溶融状態で保管する間に反応性が低下し、さらには得られるポリカーボネートの色調も悪化することが分かる。
[実施例1]
前述した図1に示した原料調製工程により、BHEPFとISBとPEG#1000とDPCの混合溶液を調製した。
フレコンに包装されたBHEPFを受入ホッパー2bに投入し、槽内を窒素置換した。窒素による気力輸送により、BHEPFを原料サイロ2dに移送した。底部から計量フィーダー2eにより、連続的に所定の流量で溶解槽2fに供給した。別の槽にてDPCを溶融させておき、BHEPFと同時にDPC定量供給ポンプ4bにより、所定流量で溶解槽2f(第一溶解槽)に供給した。原料のモル比は後に混合するISBとPEG#1000も合わせて、BHEPF/ISB/PEG#1000/DPC=0.432/0.556/0.012/1.020となるように混合した。溶解槽2fの内温が130℃となるように熱媒温度を調節し、槽底部の排出ラインに設けたバルブ(図示せず)の開度を制御しつつ液量を所定量に保持することにより、溶解槽2fの滞留時間を1.5時間に調節した。溶解槽2fの槽底部から排出されたBHEPFとDPCの混合液は溶解槽2i(第二溶解槽)に供給された。溶解槽2iの内温は110℃、滞留時間は1.5時間に調節した。溶解槽2iの底部から定量供給ポンプ2kにより、混合液を連続的に排出し、別途、溶融させたISBとPEG#1000とを前述の一定のモル比となるように混合して、反応器に供給した。溶解槽2iから反応器までの移送配管における原料の滞留時間は3分以内であった。
ISBはフレコンから受入ホッパー1bに投入し、解砕機1cを使用して圧密により生成した塊を最大径が2cm以下の大きさに砕き、溶解槽1dに移送した。解砕機1cと、解砕機1cから溶解槽1dを繋ぐ配管内には窒素を流通させた。溶解槽1dは内温が80℃となるように熱媒温度を調整し、槽底部の排出ラインに設けたバルブ(図示せず)の開度を制御しつつ液量を調節することにより、滞留時間を1.5時間とした。溶解槽1dの内部には窒素導入管を取り付け(図示せず)、溶解槽1dの液中に、酸素濃度が5ppm以下である窒素を吹き込んでバブリングさせた。溶解槽1dの底部から排出されたISBは溶解槽1gに供給された。溶解槽1gの内温は70℃、滞留時間は1.5時間に調節した。溶解槽1gの底部から定量供給ポンプ1hにより、溶融したISBを連続的に排出し、反応器に供給した。
原料調製液はスタティックミキサー7aと原料フィルター7bを通して反応器に供給した。反応器の前で重縮合触媒として酢酸マグネシウム4水和物を全ジヒドロキシ化合物1molに対して15μmolとなるように触媒供給ポンプ6bから供給した。
BHEPF定量供給ポンプ2kの後に取り付けられたバルブからBHEPFとDPCの混合液をサンプリングし、前述の色調分析とモル比の分析を行った。混合液のYIは1.38であり、色調の悪化はほとんど見られなかった。また、混合液は48時間運転を続けた中で6時間おきにサンプリングを行った。その間のBHEPFとDPCのモル比はDPC/BHEPF=2.340〜2.382であり、2.361±0.89%であり、溶解槽中のBHEPFとDPCのモル比を非常に狭い範囲に調整することができた。
先ず、各反応器を表2のとおり、予め反応条件に応じた内温・圧力に設定した。
次に原料調製工程にて一定のモル比で混合されたBHEPFとISBとPEG#1000とDPC、および重縮合触媒とを、前述した所定温度・圧力の±5%の範囲内に制御した第1竪型攪拌反応槽8a内に連続供給し、平均滞留時間が60分になるように、槽底部のポリマー排出ラインに設けたバルブ(図示せず)の開度を制御しつつ、液面レベルを一定に保った。
後段反応工程では、第4横型攪拌反応器8dの圧力を調節することにより、第4横型攪拌反応器出口の還元粘度ηsp/cが0.37から0.39の範囲となるように合わせ込んだ。48時間運転を行った際の圧力の調整範囲は0.6kPaから0.8kPaであり、ペレットYIは26から28の範囲で変動した。また、ポリカーボネートを構成する全ジヒドロキシ化合物中のBHEPFのモル比は43.1〜43.2mol%であり、品質の均一性は非常に優れていた。また、得られたポリカーボネートからフィルムを成形して波長分散の測定を行った。この結果を表3に示す。
BHEPF溶解槽2fの内温を110℃とした以外は実施例1と同様に行った。実施例1と比較して、サンプリングしたBHEPF/DPC混合液の色調とポリマー色調は若干向上した一方、共重合組成の振れ幅や第4横型反応器8dの圧力範囲が広がったが、いずれも許容範囲内であった。共重合組成の振れ幅が広がった理由は、溶解槽2fにおけるBHEPFの溶解度が不足しており、移送時にモル比がずれてしまったことが考えられる。実際に溶解槽2iのDPC/BHEPFモル比率の分析値は2.321〜2.401であり、2.361±1.69%の変動範囲となり、実施例1よりも変動範囲が大きくなった。
BHEPFの溶解時に溶解槽2fの1槽のみを用いて溶解させた。溶解槽2fの滞留時間を3時間に設定し、未溶解のBHEPFが残らないように溶解槽内温を調節したところ、150℃まで昇温する必要があった。実施例1と比較して、BHEPF/DPC混合液のYIが上昇しており、溶解工程中に劣化が進行していることが示唆された。
上記のとおり調製された原料を用いて、重縮合工程は実施例1と同様に実施したところ、第4横型攪拌反応器の圧力変動が若干大きくなり、得られたポリカーボネートは実施例1と比較して若干色調が悪化したがいずれも許容範囲内であった。
BHEPFの溶解をバッチ式で行った。溶解槽2fと同様の第一溶解槽(図示せず)に溶融したDPCを仕込み、続いて、BHEPFを所定のモル比となるように供給した。ISBとPEG#1000も合わせた全原料の仕込みモル比は実施例1と同様である。第一溶解槽の内温を130℃にして、1.5時間攪拌混合した。次に槽底部から第二溶解槽(図示せず)に全量移送し、内温110℃で2時間保持した。槽底部から定量供給ポンプ(図示せず)により原料フィルター7bを通した後、重縮合触媒として酢酸マグネシウム4水和物を全ジヒドロキシ化合物1molに対して、15μmolとなるように供給した。上記のように調製された原料調製液は重縮合工程に送られ、実施例1と同様にしてポリカーボネートを製造した。
運転中は第二溶解槽の原料がなくなる前に、新たに第一溶解槽で原料を混合して、第二溶解槽に供給した。第二溶解槽では新たな原料が供給されるまで滞留時間が延び続けることになり、本比較例での最短の滞留時間は2時間、最長の滞留時間は12時間であった。溶解槽2iのDPC/BHEPFモル比率は2.279〜2.422となり、2.351
±3.04%となり、混合溶液のモル比率の変動が大きくなった。
上記のようにして得られたポリカーボネートは実施例1と比較して色調が悪化しただけでなく、分子量を一定範囲に収めるために第4横型反応器8dの圧力を調節したところ、実施例1よりも変動幅が広くなり操業が困難になった。さらに、得られたポリカーボネートの色調も悪化し、また色調のばらつきや共重合組成のばらつきも大きくなった。
表3に示した結果から、原料ジヒドロキシ化合物の溶解にかかる温度および滞留時間を適切に設定することで、ポリカーボネートの品質を向上できるとともに、製品品質と運転条件が安定し、歩留まりが向上する利点も得られる。なお、実施例で得られポリカーボネートネートは、耐熱性、熱安定性、機械的強度のいずれも良好なものである。
1b:ISB受入ホッパー
1c:解砕機
1d、1g:ISB溶解槽
1e:内部熱交換器
1f:上部パドル下部アンカー型攪拌翼
1h:ISB定量供給ポンプ
2a:BHEPFフレコン
2b:BHEPF受入ホッパー
2c:BHEPF空送ブロワー
2d:BHEPF原料サイロ
2e:BHEPF計量フィーダー
2f、2i:BHEPF溶解槽
2g:内部熱交換器
2h、2j:上部パドル下部アンカー型攪拌翼
2k:BHEPF定量供給ポンプ
3a:PEGドラム缶
3b:PEG供給ポンプ
3c:PEG溶解槽
3d:PEG定量供給ポンプ
4a、5a:DPC供給ライン
4b、5b:DPC定量供給ポンプ
6a:触媒タンク
6b:触媒定量供給ポンプ
7a:スタティックミキサー
7b:原料フィルター
8b:第2竪型攪拌反応槽
8c:第3竪型攪拌反応槽
8d:第4横型攪拌反応器
9a、9b、9c:マックスブレンド翼
9d:2軸メガネ型攪拌翼
10a、10b:内部熱交換器
11a、11b:ギアポンプ
12a、12b:還流冷却器
13a、13b:還流管
14a、14b、14c、14d:留出管
15a、15b、15c、15d:凝縮器
16a、16b、16c、16d:減圧装置
17a:留出液回収タンク
Claims (21)
- 構造の一部にフルオレン部位を有するジヒドロキシ化合物(A)を含むジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを、連続的に反応器に供給して溶融重縮合するポリカーボネートの製造方法であって、以下の条件1〜4をすべて満たすことを特徴とするポリカーボネートの連続的製造方法。
1.ジヒドロキシ化合物(A)は室温で固体である。
2.ジヒドロキシ化合物(A)と炭酸ジエステルとを反応器に供給する前に混合して溶解する工程を含む。
3.ジヒドロキシ化合物(A)と炭酸ジエステルとを溶解槽に連続的に供給すると同時に、該溶解槽からジヒドロキシ化合物(A)と炭酸ジエステルの混合溶融液を連続的に排出することによって、該ジヒドロキシ化合物(A)と炭酸ジエステルの混合液を反応器に供給する。
4.ジヒドロキシ化合物(A)を液化してから、反応器に供給するまでの滞留時間が0.05時間以上10時間以下である。 - 前記ジヒドロキシ化合物(A)の融点が炭酸ジエステルの融点より5℃以上高く、250℃以下である請求項1に記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
- 前記ジヒドロキシ化合物(A)が、下記構造式(1)で表されるジヒドロキシ化合物である請求項1又は2に記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
- 前記炭酸ジエステルを溶融液とし、少なくとも1つの溶解槽に供給して、ジヒドロキシ化合物(A)と炭酸ジエステルの混合液を調製する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
- 前記室温で固体のジヒドロキシ化合物(A)が、メディアン径200μm以下の粉体である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
- 前記ジヒドロキシ化合物(A)と炭酸ジエステルは、それぞれ計量フィーダー、あるいは流量計によって定量して溶解槽に供給される請求項1乃至5のいずれか1項に記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
- 前記溶解槽内の溶融液中のジヒドロキシ化合物(A)と炭酸ジエステルのモル比率を±3%以内に保持することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
- 前記溶解槽が攪拌機と、加熱媒体が流通する熱交換器を具備する請求項1乃至7のいずれか1項に記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
- 前記溶解槽の内温が160℃以下であり、かつ、内温と加熱媒体温度との差が50℃以下である請求項8に記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
- 前記溶解槽内部に保有しているジヒドロキシ化合物(A)と炭酸ジエステルを含有する混合液の容積をV[m3]、該混合液と熱交換機との接触面積をS[m2]とした時に、下記式(2)を満たす請求項8又は9に記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
V/S ≦ 0.4 (2) - 前記溶解槽内部に保有しているジヒドロキシ化合物(A)と炭酸ジエステルを含有する混合液の液面を溶解槽高さの70%以上に保持することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
- 前記溶解槽は、直列に連結された2つ以上の溶解槽であり、下流側の溶解槽の前記加熱媒体の温度が上流側の溶解槽の加熱媒体温度以下である請求項8乃至11のいずれか1項に記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
- 前記溶解槽内部の酸素濃度が0.5体積%以下である請求項1乃至12のいずれか1項に記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
- 前記ジヒドロキシ化合物は、前記ジヒドロキシ化合物(A)以外のジヒドロキシ化合物をさらに含み、前記ジヒドロキシ化合物(A)以外のジヒドロキシ化合物は、構造の一部に下記式(3)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物(B)を含む請求項1乃至13のいずれか1項に記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
、および前記フルオレン構造を有するジヒドロキシ化合物の一部を構成する部位である場合を除く。) - 前記ジヒドロキシ化合物(B)が、環状構造を有し、かつエーテル構造を有する化合物である請求項14に記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
- 前記ジヒドロキシ化合物(B)が、下記構造式(4)で表される環状エーテル構造を有する化合物である請求項14又は15に記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
- 前記ジヒドロキシ化合物(A)以外のジヒドロキシ化合物は、前記ジヒドロキシ化合物(A)を液化する溶解槽とは別の溶解槽で液化される、請求項14乃至16のいずれか1項に記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
- 反応に用いられるすべてのジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルを、反応器に投入される前にフィルターで濾過する請求項1乃至17のいずれか1項に記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
- 反応器に供給される原料組成のうち、少なくとも1種のジヒドロキシ化合物の全ジヒドロキシ化合物に対する重量分率を、異なる重量分率に変更する組成切り替え工程を有し、上記組成切り替え工程の前の重量分率と組成切り替え工程後の重量分率の差が1wt%以上である請求項14乃至18のいずれか1項に記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
- 構造の一部にフルオレン部位を有するジヒドロキシ化合物(A)を含むジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを、連続的に反応器に供給して溶融重縮合するポリカーボネートの製造方法であって、以下の条件1〜4をすべて満たすことを特徴とするポリカーボネートの連続的製造方法。
1.ジヒドロキシ化合物(A)は室温で固体である。
2.ジヒドロキシ化合物(A)と炭酸ジエステルとを反応器に供給する前に混合して溶解する工程を含む。
3.ジヒドロキシ化合物(A)と炭酸ジエステルとを溶解槽に連続的に供給すると同時に、該溶解槽からジヒドロキシ化合物(A)と炭酸ジエステルの混合溶融液を連続的に排出することによって、該ジヒドロキシ化合物(A)と炭酸ジエステルの混合液を反応器に供給する。
4.該ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルの混合溶融液を調製してから、反応器に供給するまでの滞留時間が0.05時間以上8時間以下である。 - さらに以下の条件5を満足する、請求項1乃至20のいずれか1項に記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
5.溶解槽への前記ジヒドロキシ化合物(A)と炭酸ジエステルの供給量と溶解槽からの前記ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルの混合溶融液の排出量を一定にし、かつ等しくすることによって、溶解槽の内容液の液量が一定である。
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