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JP6079353B2 - Dcブラシレスモータの制御装置 - Google Patents

Dcブラシレスモータの制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、空気調和機の圧縮機などに用いられるセンサレス直流ブラシレスモータ(以下、DCブラシレスモータという。)の制御技術に関し、より詳細にはロータの位置を確実に検出して適切な回転制御を行うDCブラシレスモータの制御装置に関するものである。
DCブラシレスモータの位置センサレス駆動方式として、インバータを用いた120度通電方式(矩形波通電方式)などの非通電相を有する方式が知られている。例えば120度通電方式では、180度区間のうちの120度区間を通電し、非通電の60度区間においてロータの回転により発生する誘起電圧のゼロクロスに基づいてロータ位置を検出し、この位置検出信号を基に各相のステータ巻線に流れる電流の方向を切り替えることでモータを駆動する。
ここで、検出される誘起電圧の波形にノイズ等が重畳すると、期待されるゼロクロス以外の誤った位置を検出するおそれがあることから、位置検出してから次に位置検出するまでの間において、位置検出してから所定の時間(以下、マスク時間という。)だけ位置検出信号の取得を禁止(マスク)して、誤検出を回避する処理が行われている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1の制御方法は、今回と前回の位置検出時刻の差を位置検出区間時間と規定して、前回の位置検出区間時間および今回の位置検出区間時間をもとにして次の位置検出で用いるマスク時間を算出するものである。このため、マスク時間は位置検出の区間ごとに変えられるようになっている。なお、この特許文献1の制御方法では、モータ1回転あたりのトルク変動に規則性が有ることを前提にマスク時間を設定している。
特開平10−271879号公報 特開平10−28395号公報 特開平9−215380号公報
ところで、モータが使用される環境上の特性として、経年変化による整流回路の平滑コンデンサの容量抜けや、例えば外気温度と室内の設定温度との差が大きく、モータが搭載される空調機の圧縮機を高負荷で運転する場合には、交流電源から整流回路で変換された直流電源のリップル電圧が大きくなりインバータに印加される直流電圧が変動し、モータの回転速度が変化するため、ロータ位置を検出するタイミングに影響する。
このようなインバータに印加される直流電圧の変動は、モータ回転数とは異なる周期となるので、上記の特許文献1の制御方法をそのまま適用すると次の位置検出タイミングを見逃してしまい、誤検出を誘発するおそれがある。つまり、図9に示すように、電圧変動によるトルク力変動が、位置検出区間時間の変動に加味される。このため、特許文献1の制御方法では、過去の位置検出区間時間の記録をもとに次の位置検出タイミングを予想して、不等式(正規の位置検出区間時間<予想した位置検出区間時間)が成立する状態になったときに、決定したマスク時間によって正規の位置検出信号を取りこぼすおそれがある。
例えば、図10−1は、直流電源のリップル特性でありこの直流電源でモータを駆動する。リップル周期Tは、交流電源の整流方式によって変わり、半波整流方式であれば交流電源の周期と同じになり、全波整流であれば交流電源の周期の1/2となる。
図10−2は、モータの周期がリップルの周期の1.5倍のときの図である。1回転毎にリップルの山と谷の数が異なるためモータ駆動させるインバータに印加される直流電圧が変動し、回転速度が異なってくる(電圧の高い山では早くなり、低い谷では遅くなる)。図10−2の状態でリップルによる回転速度の変化により、モータの回転周期が変動した結果を示したものが図10−3である。
したがって、図10−3のモータ周期T1の区間で位置検出のタイミングを予想すると実際には、モータ周期T2の区間のように周期が短くなるので、設定したマスク時間内に正規の位置検出信号が発生するとこの位置検出信号を取りこぼしてしまうおそれがある。
なお、図10−4に示すように、1周期(モータの1回転)で山と谷の数が同じ場合にはリップルの影響がなくなるので、モータ周期T1とモータ周期T2は同じになり、検出信号の取りこぼしのおそれはない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、印加する直流電圧のリップルに起因するロータの位置検出信号の取りこぼしをなくし、位置検出信号を確実に捉えることができるDCブラシレスモータの制御装置を提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るDCブラシレスモータの制御装置は、交流を直流に変換する整流回路と、直流を交流に変換しDCブラシレスモータを駆動するインバータと、PWM信号を生成する駆動回路を介して前記インバータをPWM制御する制御回路とを備え、前記インバータから前記DCブラシレスモータの各相のステータ巻線に通電を行うとともに、前記DCブラシレスモータのロータの回転によって非通電相のステータ巻線に発生する誘起電圧から得られる前記ロータの位置検出信号に基づいてステータ巻線に対する通電タイミングを制御する前記DCブラシレスモータの制御装置において、前記DCブラシレスモータの1回転前の位置検出区間時間、または、今回の前記位置検出信号から得られた位置検出区間時間に基づいて前記今回の位置検出から所定時間は次回の前記位置検出信号の検出を禁止する位置検出マスク時間を設定する位置検出マスク処理手段と、前記インバータに印加する直流電圧を測定する直流電圧測定回路と、前記直流電圧測定回路で測定した直流電圧値からリップル電圧値を算出するリップル演算処理手段と有し、前記リップル演算処理手段で算出されたリップル電圧値が所定の値より大きい場合には、前記位置検出マスク処理手段は、前記位置検出マスク時間を予め定めた最小マスク時間に設定することを特徴とする。
また、本発明に係る他のDCブラシレスモータの制御装置は、上述した発明において、前記DCブラシレスモータの回転周期と前記インバータに印加する直流電圧のリップル周期Rtとの周期を比較演算する周期比演算手段をさらに有し、この手段による演算の結果、前記DCブラシレスモータの回転周期が前記直流電圧のリップル周期の整数倍の関係である場合には、前記位置検出マスク処理手段は、前記位置検出マスク時間を前記位置検出区間時間に基づいて設定した前記位置検出マスク時間に設定することを特徴とする。
本発明によれば、印加する直流電圧のリップルに起因するロータの位置検出信号の取りこぼしをなくし、位置検出信号を確実に検出することができるという効果を奏する。また、モータの回転周期が前記直流電圧のリップル周期の整数倍の関係であるときには、印加する直流電圧のリップルの影響が相殺されるので、今回の位置検出区間時間に基づいたマスク時間をそのまま短縮しないで使用することができる。
図1は、本発明に係るDCブラシレスモータの制御装置の概略構成図である。 図2は、リップル値測定ステップのフローチャートの一例を示す図である。 図3は、本発明における位置検出マスク時間を説明するタイムチャートである。 図4は、本発明に係るDCブラシレスモータの制御装置のフローチャートの一例を示す図である。 図5は、リップル周期≦モータの回転周期(リップル電圧周期の整数倍)の場合の波形の説明図である。 図6は、リップル周期<モータの回転周期(リップル電圧周期の非整数倍)の場合の波形の説明図である。 図7は、リップル周期>モータの回転周期の場合の波形の説明図である。 図8は、位置検出タイミングの一例を示すタイムチャートである。 図9は、正規の位置検出信号を取りこぼす場合の説明図である。 図10−1は、直流電源のリップル特性の説明図である。 図10−2は、モータがリップル周期の1.5倍の周期で駆動する場合の説明図である。 図10−3は、リップルによる回転速度の変化により、モータの回転周期が変動した結果を示した説明図である。 図10−4は、モータがリップル周期の2倍の周期で駆動する場合の説明図である。
以下に、本発明に係るDCブラシレスモータの制御装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1に示すように、この制御装置10は、交流電源ACから供給される交流を直流に変換する整流回路12と、直流を交流に変換しDCブラシレスモータMを駆動するインバータ14と、モータMのロータの回転によって非通電相のステータ巻線に発生する誘起電圧からロータの位置検出信号を得る位置検出回路16と、位置検出回路16による位置検出信号に基づいてステータ巻線に対する通電切り替えタイミングを算出する一方、この算出タイミングで通電を切り替えるために所定の駆動信号を駆動回路20を介してインバータ14のスイッチング素子BU、BV、BW、BX、BY、BZに出力しインバータを制御するインバータ制御手段23を含む制御回路18とを備える。制御回路18は、CPU(中央演算処理ユニット)とメモリなどで構成される。
位置検出回路16の構成および動作について説明する。位置検出回路16は、各抵抗161〜166およびコンパレータ167を備えている。各抵抗161〜163の一端は、モータMのステータの各相に接続され、各抵抗161〜163の他端間が接続されている。各抵抗161〜163の接続点とグランドとの間には抵抗164が接続され、各抵抗161〜163と抵抗164の接続点がコンパレータ167の非反転入力端子に接続されている。以下、この各抵抗161〜163と抵抗164接続点の電圧を、仮想中性点電圧という。また、整流回路12の正極側とグランドとの間に抵抗165および抵抗166が直列に接続され、抵抗165および抵抗166の接続点の電圧が基準電圧として、コンパレータ167の反転入力端子に供給される。この基準電圧は、仮想中性点電圧のゼロクロス点(正負の変曲点)の電圧と一致するように設定される。コンパレータ167は、仮想中性点電圧と基準電圧とを比較することにより、仮想中性点電圧のゼロクロス点(すなわち、誘起電圧のゼロクロス点)を検出し、モータMのロータの位置を検出(以下、単に「位置検出」という)するための位置検出信号を出力するようになっている。
この制御装置10は、直流電圧測定回路22と、制御回路18内にリップル演算処理手段26と、位置検出マスク処理手段24とをさらに備える。
直流電圧測定回路22は、インバータ14に印加する直流電圧値を測定するものである。直流電圧が高圧のため、抵抗で分圧した電圧をA/DコンバータでAD変換し、変換した電圧値を制御回路18のリップル演算処理手段26に入力する。リップル演算処理手段26は、入力された電圧値から直流電圧のリップル電圧値ΔVdcとリップル周期Rtを算出する。リップル電圧値ΔVdcとリップル周期Rtを算出する方法については次に説明する。
図2のフローチャートに示すように直流電圧変動の監視は、例えば1msec毎に直流電圧測定回路22で直流電圧値を測定して、その値を測定してから少なくとも20msec(リップル周期の最大値で、入力交流電源周波数50Hzで半波整流を行なった時のリップル周期)間は記憶しておく(ステップS101)。記憶した直流電圧値より、直流電圧値の最大値と最小値を抽出してリップル電圧値ΔVdcおよびリップル周期Rtを算出する(ステップS102)。算出したリップル電圧値ΔVdcおよびリップル周期Rtを記憶し(ステップS103)、S101に戻って(ステップS104)上記の処理を繰り返す。
位置検出マスク処理手段24は、位置検出回路16で前回と今回の位置検出信号から得られた位置検出区間時間に所定の係数α(α<1)を掛けて位置検出を禁止する位置検出マスク時間を算出し、今回の位置検出から位置検出マスク時間の間は次回の前記位置検出信号の検出を禁止するものである。
上記の構成において、電源リップルによる直流電圧の変動によりモータの回転速度も変動するため、リップル電圧が所定の値Vdc_errを超えると位置検出時間に影響して、位置検出マスク処理手段24で設定した位置検出マスク時間より前に位置検出信号が発生してしまい検出できない。そこで、制御回路18内のリップル演算処理手段26は、直流電圧測定回路22において測定された直流電圧値から演算したリップル電圧値が所定の値Vdc_errより大きい場合には、位置検出マスク処理手段24の位置検出マスク時間を予め定めた最小マスク時間に設定して位置検出信号の検出を禁止する。なお、この最小マスク時間の設定条件は、位置検出期間が最も短いモータ最大回転数で位置検出可能な期間となるが、実際には後述する通電の切り替えからインバータの上下アーム切り替え終了直後までの時間を最小マスク時間の下限値とし、実機検証等で決定している。
次に、位置検出マスク時間について図3を参照しながら説明する。
図3に示すように、位置検出マスク処理手段24では、前回(1区間前)の位置検出信号を検出したタイミングt0と今回の位置検出信号の検出したタイミングt1より得られた今回の位置検出区間時間Δtを次回の位置検出区間の予測時間T(t1からt4までの時間)と予側し、次回の位置検出信号の検出を禁止する位置検出マスク時間Tm(t1からt3までの時間)を設定する。このマスク時間Tmの設定方法としては、今回の位置検出区間時間Δtに所定の係数α(α<1)を掛けた値をマスク時間とする。なお、図3では連続した位置検出時間を基に次回の位置検出区間の予測時間Tとマスク時間Tmを設定するようになっているが、実際には、位置検出信号がモータの極数によりモータの1周期あたりに出力される回数は変わり、例えば、モータが1回転する間に4極モータの場合12回、6極モータの場合18回検出される。そして、特許文献1で示されるようにモータの負荷は、モータ1回転単位でトルク変動の特性をもち、そのために位置検出信号を検出する毎に位置検出区間時間は変動する。よって、次回の位置検出区間の予測時間Tは、4極モータならば12区間前の位置検出区間時間に、6極ならば18区間前の位置検出区間時間に所定の係数α(α<1)を掛けた値をマスク時間として採用することで、モータの負荷による位置検出区間時間の影響をなくしている。また、この位置検出区間時間を1回転分加算することで、モータ周期を算出する。
今回の位置検出したタイミングt1から次回の位置検出区間の予測時間Tのうちt1からt3までのマスク時間Tmについては次回の位置検出信号の検出が禁止され、残りのt3からt5までの時間が位置検出可能期間となる。t5は、t1からの位置検出時間が最も長い場合を想定したもので、t4はあくまでも位置検出の予測値であるため、t4までに位置検出回路16によって位置検出がされなくても脱調と判断せずにt5までは位置検出は可能としている。本発明では、リップル演算処理手段26において直流電圧測定回路22で測定された直流電圧値から演算したリップル値が所定の値Vdc_errより大きい場合には、位置検出マスク処理手段24は、マスク時間Tmを予め定めた最小マスク時間Tmin(t1からt2)まで短縮し、短縮したマスク時間Tminについて次回の位置検出信号の検出を禁止する。
このように、マスク時間を位置検出マスク処理手段24で算出した時間TmよりもTminまで短縮することで、位置検出可能期間を長くして、リップルによるDC電圧変動による回転速度の変動からモータ周期が短くなり、位置マスク処理手段24で設定したマスク時間Tmより手前で位置検出信号が入力されても、従来の特許文献1の制御方法に比較して位置検出信号を取りこぼす事態を回避することができる。したがって、本発明によれば、印加する直流電圧のリップルに起因するロータの位置検出信号の取りこぼしをなくし、位置検出信号を確実に検出することができる。
なお、上記の実施の形態において、制御回路18内にモータの回転周期Mtとインバータに印加する直流電圧のリップル周期Rtとの周期比を求める周期比演算手段28をさらに有し、この周期比演算手段28による演算の結果、モータの回転周期Mtが直流電圧のリップル周期Rtより長く且つ、モータの回転周期Mtが直流電圧のリップル周期Rtの整数倍の関係である場合には、位置検出マスク処理手段24は、今回の位置検出区間時間Δtに基づいて設定した位置検出マスク時間Tmについて次回の位置検出信号の検出を禁止する。上述したように、整数倍の関係である場合には、リップルの影響がないので(図10−4を参照)、マスク時間Tmを短縮する処理を経ることなく、位置検出マスク処理手段24で求めたマスク時間Tmを用いて位置検出を行うことができる。
上記の位置検出マスク処理手段24の処理動作について、図4を参照しながら説明する。
図4のフローチャートに示すように、位置検出回路16で前回と今回の位置検出信号から得られた今回の位置検出区間時間ΔTに基づいて今回の位置検出t1から次回の前記位置検出信号の検出を禁止する位置検出マスク時間Tmを設定する(ステップS111)。次に、リップル演算処理手段24は直流電圧測定回路22で測定された直流電圧値をもとに演算したリップル値が予め定めた所定の電圧以上である場合には(ステップS112でYes)、ステップS113に移行し、反対に、所定の電圧未満である場合には(ステップS112でNo)、先のステップS111にて設定したマスク時間Tmのままで、S111に戻る(ステップS116)。
一方、ステップS113において、モータ回転周期とリップル演算処理手段26で演算されたリップル周期とを比較演算する周期比演算手段28でモータの回転周期≧リップル周期である場合にはステップS114に移行する。反対に、モータの回転周期<リップル周期である場合にはステップS115に移行し、前のステップS111にて設定したマスク時間Tmを予め定めた最小マスク時間Tminに短縮して(ステップS115)、S111に戻る(ステップS116)。
また、ステップS114においては、周期比演算手段28で演算されたモータ回転周期とリップル周期の比が整数倍であるか否かを判定し、この結果Yesの場合には先のステップS111にて設定したマスク時間Tmで次回の前記位置検出信号の検出を禁止して、S111に戻る(ステップS116)。反対に、ステップS114でNoの場合には先のステップS111にて設定したマスク時間Tmを予め定めた最小マスク時間Tminに短縮して(ステップS115)、S111に戻る(ステップS116)。
以上説明したように、本発明は、次回の位置検出タイミングの予側結果が直流電圧のリップルの影響によって実際の位置検出するタイミングと整合できない状態(不整合状態)と判断される場合には、位置検出マスク時間を短い時間に設定することで位置検出信号の検出を有効にすることにより、位置検出信号の取りこぼしを回避することができる。
次に、予測結果が上記の不整合状態であるか否かの具体的な判定方法について説明する。
モータ回転数と連動しない周波数を有する変動要素として、直流電圧のリップル変動に着目し、さらに不整合を起こす条件を、特定回転数から限定することで、不整合状態の判定の精度を上げることができる。
不整合状態の判定処理においては、直流電圧の変動とモータ負荷トルクの変動の和が、位置検出区間時間の変動となって現れるので、上述した図9に示すような位置検出区間時間の変動が発生する条件を限定することで、単にリップル値の大きさだけで位置検出マスク時間を短縮しないために不整合状態の判定精度を上げることができる。
位置検出時間の変動は、モータの回転周期の変化によるもので、変化させる要因としては、モータ負荷と直流電源のリップルがあり、この時のリップル周期とモータの回転周期との関係を下記の三つの場合に分けて説明する。
(1)リップル周期Rt≦モータの回転周期Mt(ただし、リップル周期の整数倍)の場合
(2)リップル周期Rt<モータの回転周期Mt(ただし、リップル周期の非整数倍)の場合
(3)リップル周期Rt>モータの回転周期Mtの場合
上記(1)については図5、(2)については図6、(3)については図7がそれぞれ対応している。各図の上段は、経過時間に対する位置検出時間を表し、中段はモータの負荷変動を表し、下段は直流電圧変動であるリップルを表している。中段のモータの負荷特性は圧縮機に搭載した場合のモータの1周期(縦2本の点線で表している)の負荷特性を表している。また、上段の位置検出時間は、大きくなるほど位置検出時間が長くなっていることを表わしている図なので、モータの回転速度に反比例する。従って、位置検出時間が大きい時、回転速度が遅いことを示している。例えば、モータの負荷が軽く、直流電圧が高い時は回転速度が速くなり、逆にモータの負荷が重く、直流電圧が低い時は回転速度が遅くなる。上段の位置検出時間の特性は、中段のモータ負荷に下段の直流電圧変動分を加味した特性となる。
上記(1)のモータの回転周期がリップル周期に対して整数倍の場合、図5で示すように、モータ1回転前の位置検出時間と次回の位置検出時間は同じになり、即ちモータの回転速度は一定となる。上記(2)のモータの回転周期がリップル周期に対して非整数倍の場合、図6で示すように、モータ1回転前の位置検出時間と次回の位置検出時間に相違が生じる。また、上記(3)のリップル周期>モータの回転周期の場合、図7に示すように、やはりモータ1回転前の位置検出時間と次回の位置検出時間に相違が生じるタイミングが存在する。
以上の結果を整理すると、下記の条件1、2の関係のいずれかが成立した場合には、次回の位置検出タイミングの予側結果が適切ではない可能性がある。
条件1:リップル周期<モータの回転周期、かつ、リップル周期×整数≠モータの回転周期
条件2:リップル周期>モータの回転周期
ここで、位置検出マスク時間を予め定めた最小マスク時間に設定する場合には、上記の条件1、または2の関係の成立に拘わらず、直流電圧の監視処理において記録したリップル電圧ΔVdcが所定の値Vdc_errを超えて位置検出時間に影響を与える場合に、不整合状態と判定してもよい。ここで、電圧Vdc_errは、実機検証等で予め定めることが可能である。
次に、上記で不整合状態と判定された場合の位置検出処理方法について説明する。
次回の位置検出タイミングの予測結果が不整合状態と判定された場合には、既に位置検出マスク処理手段24で設定されている位置検出マスク時間Tmを無効にすると同時に、この位置検出マスク時間を時間Tmより短い予め定めた最小マスク時間Tminに設定し、位置検出マスク処理手段24で設定された場合よりもマスク時間を短時間とし位置検出信号の検出を許可する。この短縮した位置検出マスク時間の下限値としては、通電の切り替えからインバータの上下アーム切り替え終了直後までの時間とすることができる。
この理由としては、例えば図8に示すように、位置検出回路16で検出する信号には誘起電圧に重畳するチョッピング波形によって誘起電圧のゼロクロス点を正しく検出することができずに正規の位置検出信号を特定する事が出来ない。そのため、位置検出回路16で検出する信号がLowレベルまたはHighレベルの一定レベルを保つことが出来るように、次の通電相の切り替えを行う前に、スイッチングを行う相の上側アーム(図1のBU、BV、BW相をスイッチング)と下側アーム(図1のBX、BY、BZ相をスイッチング)の切り替えを行っている。例えば、図8の左下の○は、W−Y相通電状態からU−Y相通電へ切り替えるまでを例にしたもので、位置検出をし易くするために、下側アーム(図1のBY相)のスイッチングから上側アーム(図1のBW相)のスイッチングに切り替えて、U相電圧が上昇していき、所定の閾値を超えるまでは、スイッチングのオン/オフによらず、位置検出信号はLowレベルを維持するため、初めてHighレベルに切り替わったタイミングを位置検出タイミングと判断することができる。
以上のように、本発明にかかるDCブラシレスモータの制御装置は、空気調和機の圧縮機などに使われるDCブラシレスモータに印加する直流電圧のリップルに起因するロータの位置検出信号の取りこぼしをなくし、位置検出信号を確実に検出することができるので、安定したモータ制御に適している。
10 DCブラシレスモータの制御装置
12 整流回路
14 インバータ
16 位置検出回路
18 制御回路
20 駆動回路
22 直流電圧測定回路
23 インバータ制御手段
24 位置検出マスク処理手段
26 リップル演算処理手段
28 周期比演算手段
M モータ
AC 交流電源

Claims (2)

  1. 交流を直流に変換する整流回路と、直流を交流に変換しDCブラシレスモータを駆動するインバータと、PWM信号を生成する駆動回路を介して前記インバータをPWM制御する制御回路とを備え、前記インバータから前記DCブラシレスモータの各相のステータ巻線に通電を行うとともに、前記DCブラシレスモータのロータの回転によって非通電相のステータ巻線に発生する誘起電圧から得られる前記ロータの位置検出信号に基づいてステータ巻線に対する通電タイミングを制御する前記DCブラシレスモータの制御装置において、
    前記DCブラシレスモータの1回転前の位置検出区間時間、または、今回の前記位置検出信号から得られた位置検出区間時間に基づいて前記今回の位置検出から所定時間は次回の前記位置検出信号の検出を禁止する位置検出マスク時間を設定する位置検出マスク処理手段と、
    前記インバータに印加する直流電圧を測定する直流電圧測定回路と、前記直流電圧測定回路で測定した直流電圧値からリップル電圧値を算出するリップル演算処理手段と有し、
    前記リップル演算処理手段で算出されたリップル電圧値が所定の値より大きい場合には、前記位置検出マスク処理手段は、前記位置検出マスク時間を予め定めた最小マスク時間に設定することを特徴とするDCブラシレスモータの制御装置。
  2. 前記DCブラシレスモータの回転周期と前記インバータに印加する直流電圧のリップル周期Rtとの周期を比較演算する周期比演算手段をさらに有し、この手段による演算の結果、前記DCブラシレスモータの回転周期が前記直流電圧のリップル周期の整数倍の関係である場合には、
    前記位置検出マスク処理手段は、前記位置検出マスク時間を前記位置検出区間時間に基づいて設定した前記位置検出マスク時間に設定することを特徴とする請求項1に記載のDCブラシレスモータの制御装置。
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