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JP6076015B2 - 有機el発光システム - Google Patents

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Description

本発明は、有機EL(Electro Luminescence)発光パネルを用いた有機EL発光システムに関するものである。特に本発明は、有機EL発光パネルの視野角特性の違いを利用した有機EL発光システムに関するものである。
近年、白熱灯や蛍光灯に代わる照明装置として有機EL発光パネルが注目され、多くの研究がなされている。
ここで、有機EL発光パネルは、有機EL装置に封止構造やケーシングを施したものである。また、有機EL装置は、ガラス基板等の基材に、有機EL素子を積層し、この有機EL素子に給電するための給電構造を形成したものである。
そして、有機EL素子は、一方又は双方が透光性を有する2つの電極を対向させ、この電極の間に有機化合物からなる発光層を積層したものである。有機EL装置は、電気的に励起された電子と正孔との再結合のエネルギーによって発光する。
すなわち、有機EL発光パネルは、自発光デバイスであり、発光層の材料を適宜選択することにより、種々の波長の光を発光することができる。
また、有機EL発光パネルは、白熱灯や蛍光灯、LED照明に比べて厚さが極めて小さくて軽量であり、且つ面状に発光するので、設置場所の制約が少ないという特長を有している。さらに、有機EL発光パネルは、白熱灯や蛍光灯に比べて発光効率が高いので消費電力が少なく、発熱が少ないという特長も有している。
近年の照明機器は、単なる直接照明としての機能だけではなく、空間のデザイン性を高めるといった付加的な機能が求められている。例えば、使用者の趣味に合わせた装飾機能等を有した照明機器が求められている。
特開2012−69257号公報
ところで、有機EL装置を使用した照明装置(以下、有機EL照明装置ともいう)は、LED等の照明に比べて視野角特性が良好であるものの、発光面を見る方向(角度)によって、見え方が異なってしまう。そのため、近年の有機EL照明装置では、主に視野角特性をさらに向上させるための工夫が施されている(例えば、特許文献1)。
発明者は、従来と同様、視野角特性を向上させるための研究を重ねた結果、視野角特性は、有機EL装置の組成の変更や有機EL装置の発光面に偏光フィルムを貼ることによって、ある程度、視野角特性を所定の条件(例えば、所望の色温度の範囲)に制御できることを発見した。
そこで、発明者は、視野角依存性があることを逆手にとって、視野角依存性が異なる複数の有機EL装置を並べることによって、点灯時に照明としての機能だけではなく、装飾効果を得ることを試み、開発を行った。
すなわち、本発明は、点灯時に照明としての機能だけではなく、装飾効果を得ることが可能な有機EL発光システムを開発することを課題とするものである。
上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、複数の有機EL発光パネルが面状に広がりをもって敷設されて1つの発光平面を形成する有機EL発光システムにおいて、前記有機EL発光パネルは、基材上に、2層の電極層と、有機発光層が前記電極層に挟まれた断面構造を備えるものであり、前記発光平面と、発光平面に対する法線との間に形成される角度であって、法線を基準として−30度〜30度の範囲の所定の角度から当該発光平面を観察した場合において、前記発光平面を形成する有機EL発光パネルのうち、最大色温度を有する有機EL発光パネルと最小色温度を有する有機EL発光パネルとの間の色温度の差が400K以下となっており、前記発光平面と、発光平面に対する法線との間に形成される角度であって、法線を基準として−80度〜−50度又は50度〜80度の範囲の所定の角度から当該発光平面を観察した場合において、前記発光平面を形成する有機EL発光パネルのうち、最大色温度を有する有機EL発光パネルと最小色温度を有する有機EL発光パネルとの間の色温度の差が500K以上となっていることを特徴とする有機EL発光システムである。
ここでいう「有機EL発光パネル」とは、2つの電極と有機発光層を備えた有機ELパネルのことであり、タンデム構造(多層構造)の有機ELパネルを含み、さらに、パッシブマトリクス駆動方式やアクティブマトリクス駆動方式が可能な有機ELマトリクスを含む概念である。
ここでいう「色温度」とは、黒体軌跡上の点である色温度だけではなく、黒体軌跡上の点の近傍の点を表す相関色温度も含む。
本発明の構成によれば、前記発光平面と、発光平面に対する法線との間に形成される角度であって、法線を基準として−30度〜30度の範囲の所定の角度から当該発光平面を観察した場合において、前記発光平面を形成する有機EL発光パネルのうち、最大色温度を有する有機EL発光パネルと最小色温度を有する有機EL発光パネルとの間の色温度の差が400K以下となっている。すなわち、使用者が発光平面を見た際の視認する角度(発光平面を使用者が見る角度)が−30度から30度となる範囲において、所定の視認する角度における複数の有機EL発光パネルのうち、最大色温度となる有機EL発光パネルと最小色温度を有する有機EL発光パネルとの間の色温度の差が400K以下となっている。つまり、視認する角度が−30度から30度となる範囲では、色温度差(青紫光と赤色光の比率の差)が小さいため、有機EL発光パネル間の発光色の見え方の違い(濃淡差)が小さく、通常の照明と同様、発光平面を形成する全ての有機EL発光パネルがほぼ同色の色に発光しているように見える。
また、本発明の構成によれば、発光平面と、発光平面に対する法線との間に形成される角度であって、法線を基準として−80度〜−50度又は50度〜80度の範囲の所定の角度から当該発光平面を観察した場合において、前記発光平面を形成する有機EL発光パネルのうち、最大色温度を有する有機EL発光パネルと最小色温度を有する有機EL発光パネルとの間の色温度の差が500K以上となっている。すなわち、使用者が発光平面を見た際の視認する角度が−80度から−50度又は50度から80度となる範囲において、所定の視認する角度における複数の有機EL発光パネルのうち、最大色温度となる有機EL発光パネルと最小色温度を有する有機EL発光パネルとの間の色温度の差は500K以上となっている。つまり、視認する角度が−80度から−50度又は50度から80度となる範囲では色温度差(青紫光と赤色光の比率の差)が大きいため、有機EL発光パネル間の発光色の見え方の違い(濃淡差)が大きく、有機EL発光パネル間で発光色の濃淡が明確にでる。言い換えると、所定の有機EL発光パネルは、他の有機EL発光パネルに対して青紫光又は赤色光の強度が強く出る。
このように、視認する角度の違いによって、使用者からの見え方が異なり、例えば、視認する角度における見え方の違いを利用して模様等を形成することで、当該模様等が浮き上がっているかのように使用者に印象づけることができる。
上記した発明は、視野角依存性が相違する複数種類の有機EL発光パネルから形成されるものであって、当該複数種類の有機EL発光パネルのうち、少なくとも1種類の有機EL発光パネルは、前記発光平面と、発光平面に対する法線との間に形成される角度であって、法線を基準として−80度〜80度の角度から当該発光平面を観察した場合において、前記1種類の有機EL発光パネルの−80度〜80度の範囲の各角度のうち、最大色温度と最小色温度の差が700K以下となっている有機EL発光システムとしてもよい。
ここでいう「視野角依存性」とは、発光平面を見る方向(角度)によってコントラスト比や色の見え方が異なる性質のことをいう。
この発明の構成によれば、少なくとも1種類の有機EL発光パネルは、−80度〜80度の範囲のそれぞれの角度の間での最大色温度と最小色温度の差が700K以下となっているものが採用されている。すなわち、前記少なくとも1種類の有機EL発光パネルの視認する角度による発光色の見え方の違いが小さい。そのため、視野角依存性の大きい有機EL発光パネルとの組み合わせにより、模様等を形成することができる。すなわち、視認する角度によって模様等が異なって見え、装飾効果が大きい。
上記した発明は、視野角依存性が相違する複数種類の有機EL発光パネルから形成されるものであって、当該複数種類の有機EL発光パネルのうち、少なくとも1種類の有機EL発光パネルは、前記発光平面と、発光平面に対する法線との間に形成される角度であって、法線を基準として−80度〜80度の角度から当該発光平面を観察した場合において、前記1種類の有機EL発光パネルの−80度〜80度の範囲の各角度のうち、最大色温度と最小色温度の差が1200K以上となっている有機EL発光システムとしてもよい。
この発明の構成によれば、少なくとも1種類の有機EL発光パネルは、−80度〜80度の範囲のそれぞれの角度の間での最大色温度と最小色温度の差が1200K以下となっているものが採用されている。すなわち、前記少なくとも1種類の有機EL発光パネルの視認する角度による発光色の見え方の違いが大きい。そのため、視野角依存性の小さい有機EL発光パネルとの組み合わせにより、模様等を形成することができる。すなわち、視認する角度によって模様等が異なって見え、装飾効果が大きい。
上記した発明は、視野角依存性が相違する複数種類の有機EL発光パネルから形成されるものであって、当該複数種類の有機EL発光パネルのうち、少なくとも1種類の有機EL発光パネルは、前記電極層のうち、一方の電極層と有機発光層との間に電子輸送層が介在しており、当該電子輸送層は、非発光性の有機材料で形成されており、当該電子輸送層の厚みは、30nm以上300nm以下となっている有機EL発光システムとしてもよい
この発明の構成によれば、電子輸送層の厚みは、30nm以上300nm以下となっている。すなわち、電子輸送層の厚みによって、各視認する角度における色温度を制御している。具体的には、最大色温度と最小色温度の差が所定の大きさ以上に離れるように制御しており、他の有機EL発光パネル間で視認する角度における発光色の見え方に違いを出しやすくしている。そのため、視野角依存性が相違する有機EL発光パネルを選択しやすい。
上記した発明は、視野角依存性が相違する複数種類の有機EL発光パネルから形成されるものであって、当該複数種類の有機EL発光パネルのうち、少なくとも1種類の有機EL発光パネルは、発光平面の一部を形成する発光面を偏光フィルムが覆っている有機EL発光システムとしてもよい
この発明の構成によれば、発光平面の一部を形成する発光面を偏光フィルムが覆っている。すなわち、偏光フィルムによって、各視認する角度における色温度を制御している。具体的には、最大色温度と最小色温度の差が所定の大きさ以上に離れるように制御しており、他の有機EL発光パネル間で視認する角度における発光色の見え方に違いを出しやすくしている。そのため、視野角依存性が相違する有機EL発光パネルを選択しやすい。
本発明の有機EL発光システムによれば、視認する角度における発光色の見え方の違いを利用して例えば、図形等を表示することが可能であり、デザイン性に優れている。
本発明の有機EL発光システムの斜視図である。 色度図と色温度との関係を表す説明図である。 図1の第1有機ELパネル及び第2有機ELパネルにおける視認する角度と色温度との関係を表す説明図である。 図1の有機EL発光システムを発光平面の法線上(0度)からみた際の見え方を表す説明図である。 図1の有機EL発光システムを発光平面の法線に対して30度の角度からみた際の見え方を表す説明図である。 図1の有機EL発光システムを発光平面の法線に対して50度の角度からみた際の見え方を表す説明図である。 図1の有機EL発光システムを発光平面の法線に対して70度の角度からみた際の見え方を表す説明図である。 図1の有機EL発光システムを発光平面の法線に対して80度の角度からみた際の見え方を表す説明図である。 図4の状態の有機EL発光システムにおける各有機ELパネルの色温度の分布を表す説明図である。 図7の状態の有機EL発光システムにおける各有機ELパネルの色温度の分布を表す説明図である。 本発明の有機ELパネルの層構成の模式図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
なお、以下の説明において、特に断りがない限り、有機EL発光システム1の上下左右の位置関係は、図1の姿勢を基準に説明する。すなわち、有機EL発光システム1を天井20と平行にし、有機EL発光システム1の光取出側(発光平面21側)の面が居住空間側(使用者側)を向いている状態を基準とする。なお、以下の色温度の値については、特に断りの無い限り、JIS Z 8725:1999に準じて算出した値を表す。
本実施形態の有機EL発光システム1は、図1のように複数の有機ELパネル2が並設されて、1つの照明装置として使用されるものである。すなわち、有機EL発光システム1は、複数の有機ELパネル2が面状に広がりをもって敷設されて形成されている。
本実施形態では、行方向lに5枚ずつ、列方向wに5枚ずつ、計25枚の有機ELパネル2が碁盤状に敷き詰められており、一つの発光平面21を形成している。
また、本実施形態の有機EL発光システム1では、視野角依存性が異なる2種類の有機ELパネル2a,2bが敷き詰められて形成されている。すなわち、有機EL発光システム1には、意図的に、視認する角度によって色温度の変動が大きい(視野角依存性が大きい)有機ELパネル(以下、第1有機ELパネル2aともいう)と、当該第1有機ELパネル2aに比べて、視認する角度によって色温度の変動が小さい(視野角依存性が小さい)有機ELパネル(以下、第2有機ELパネル2bともいう)を混在させている。
そして、有機EL発光システム1は、第1有機ELパネル2aを所望の図形形状に敷き詰めることによって、第2有機ELパネル2bに対して、所定の視認する角度の範囲にのみ当該図形形状が浮かび上がる構成となっている。
具体的には、第1有機ELパネル2aを中央側に敷設し、第2有機ELパネル2bを外側に敷設することで、図2の色度図に示される黒体軌道上に表される色温度の違いによって、第1有機ELパネル2aの図形を浮かび上がらせる構成としている。
なお、本実施形態では、5枚の第1有機ELパネル2aを中央側に十字に並べ、20枚の第2有機ELパネル2bをそれらの周辺部に並べることによって、十字の模様が浮かび上がるように敷設している。
第1有機ELパネル2a及び第2有機ELパネル2bのそれぞれの特性について説明すると、図3で表されるように、第1有機ELパネル2a及び第2有機ELパネル2bは、ともに見る角度(発光平面21に対する法線を基準として傾ける角度)が大きくなるにつれて色温度が大きくなる傾向となっており、法線n上(0度)においてピークボトムを取り、法線nに対して70度(−70度)でピークトップを取る。すなわち、第1有機ELパネル2aと第2有機ELパネル2bは、法線上から発光平面21に向けて傾ける方向になす角度が大きくなるにつれて色温度が大きくなっている。
第1有機ELパネル2aの特性に注目すると、法線nを基準として0度(法線n上)から80度(発光平面21を基準として10度)における第1有機ELパネル2aの最大色温度と最小色温度の差(ピークトップとピークボトムの差)は、1200K以上となっており、1300K以上となっていることが好ましい。
また、第2有機ELパネル2bの特性に注目すると、法線nを基準として0度(法線n上)から80度(発光平面21を基準として10度)における第2有機ELパネル2bの最大色温度と最小色温度の差(ピークトップとピークボトムの差)は、700K以下となっており、600K以下となっていることが好ましい。
以下、有機EL発光システム1の発光平面21の法線nに対する各角度における使用者からの見え方について説明する。
まず、有機EL発光システム1の発光平面21を法線n(0度)上から見た場合(発光平面21を真正面から見た場合)の見え方について説明すると、図3,図9のように第1有機ELパネル2aと第2有機ELパネル2bとの間で色温度にほとんど差がない。具体的には、0度において、発光平面21内の最大色温度となる第1有機ELパネル2aの色温度と、発光平面21内の最小色温度となる第2有機ELパネル2bの色温度との差Dvは、300K以下となっており、250K以下となっていることが好ましい。
ここで、色温度は、青紫光と赤色光の相対的な強さであり、図2に示される黒体軌跡上の対応する色あるいは黒体軌跡近傍の色を表すことから、色温度の差が大きくなると発光色の見え方の差(濃淡差)が大きくなり、小さくなると発光色の見え方の差(濃淡差)が小さくなる。
そのため、法線n(0度)上から見た場合、図4のように第1有機ELパネル2aの発光色と第2有機ELパネル2bの発光色との間でほとんど差がなく、第1有機ELパネル2aの発光色と第2有機ELパネル2bはほぼ同一色に見える。それ故に、有機EL発光システム1の発光平面21は、全面が同じように発光しているように見える。
続いて、有機EL発光システム1を法線nから30度の角度から見た場合(発光平面21から60度の角度から見た場合)の見え方について説明すると、図3のように発光平面21を真正面から見た場合に比べて色温度に差があるものの第1有機ELパネル2aと第2有機ELパネル2bとの間で色温度に大差がない。具体的には、30度において、発光平面21内の最大色温度となる第1有機ELパネル2aの色温度と、発光平面21内の最小色温度となる第2有機ELパネル2bの色温度との差は、400K以下となっており、350K以下になっていることが好ましい。
そのため、図5のように第1有機ELパネル2aの発光色と第2有機ELパネル2bの発光色との間であまり差がなく、第1有機ELパネル2aの発光色と第2有機ELパネル2bはほとんど同一色に見える。それ故に、有機EL発光システム1の発光平面21は、全面が同じように発光しているように見える。
このように、法線nを基準として0度から30度の範囲においては、発光平面21内の最大色温度となる第1有機ELパネル2aの色温度と、発光平面21内の最小色温度となる第2有機ELパネル2bの色温度の差は、400K以内に収まっており、第1有機ELパネル2aの発光色と、第2有機ELパネル2bの発光色は、ほぼ同一色に見える。つまり、法線nを基準として0度から30度の範囲においては、有機EL発光システム1は、同一光の照明装置として機能する。
続いて、有機EL発光システム1を法線nから50度の角度から見た場合(発光平面21から40度の角度から見た場合)の見え方について説明すると、図3のように発光平面21を0度から30度の範囲から見た場合に比べてあきらかに色温度に差がある。すなわち、第1有機ELパネル2aと第2有機ELパネル2bとの間で色温度に差がある。具体的には、視認する角度が50度の場合において、発光平面21内の最大色温度となる第1有機ELパネル2aの色温度と、発光平面内の最小色温度となる第2有機ELパネル2bの色温度との差は、500K以上となっており、600K以上となっていることが好ましい。
そのため、図6のように第1有機ELパネル2aの発光色と第2有機ELパネル2bの発光色との間で差が見られ、第1有機ELパネル2aの発光面と第2有機ELパネル2bの発光面間で見え方に違いがでる。すなわち、第1有機ELパネル2aの発光面と第2有機ELパネル2bの発光面間で濃淡がでて、第2有機ELパネル2bの発光面に対して第1有機ELパネル2aの発光面が白く浮き出ているように見える。言い換えると、第1有機ELパネル2aは赤色光に対する青紫光の割合が第2有機ELパネル2bに比べて大きい。それ故に、有機EL発光システム1の発光平面21は、第1有機ELパネル2aで表された図形(本実施形態では十字の形状)が浮かび上がっているように見える。
続いて、有機EL発光システム1を法線nから70度の角度から見た場合(発光平面21から20度の角度から見た場合)の見え方について説明すると、図3,図10のように発光平面21を50度から見た場合に比べてさらに色温度に差がある。すなわち、第1有機ELパネル2aと第2有機ELパネル2bとの間で色温度に大差がある。
具体的には、視認する角度が70度の場合において、発光平面21内の最大色温度となる第1有機ELパネル2aの色温度と、発光平面21内の最小色温度となる第2有機ELパネル2bの色温度との差Dhは、900K以上となっており、1000K以上となっていることが好ましい。
そのため、図7のように第1有機ELパネル2aの発光色と第2有機ELパネル2bの発光色との間で明確な差が見られ、第1有機ELパネル2aの発光面と第2有機ELパネル2bの発光面間で違いが大きくでる。すなわち、濃淡の差が激しく、第2有機ELパネル2bの発光面に対して第1有機ELパネル2aの発光面がはっきりと白く浮き出ているように見える。言い換えると、第1有機ELパネル2aは赤色光に対する青紫光の割合が第2有機ELパネル2bに比べて大きい。それ故に、有機EL発光システム1の発光平面21は、第1有機ELパネル2aで表された図形がくっきりと浮かび上がっているように見える。
続いて、有機EL発光システム1を法線nから80度の角度から見た場合(発光平面21から10度の角度から見た場合)の見え方について説明すると、図3のように発光平面21を70度から見た場合に比べて、第1有機ELパネル2aと第2有機ELパネル2bとの間での色温度の差は小さくなるが、0度から30度の範囲に比べて差はなお大きい。
具体的には、80度において、発光平面21内の最大色温度となる第1有機ELパネル2aの色温度と、発光平面21内の最小色温度となる第2有機ELパネル2bの色温度との差は、500K以上となっている。
そのため、図8のように第1有機ELパネル2aの発光色と第2有機ELパネル2bの発光色との間で差が見られ、第1有機ELパネル2aの発光面と第2有機ELパネル2bの発光面間で濃淡の差がある。すなわち、第2有機ELパネル2bの発光面に対して第1有機ELパネル2aの発光面が白く浮き出ているように見える。それ故に、有機EL発光システム1の発光平面21は、第1有機ELパネル2aで表された図形が浮かび上がっているように見える。
このように、法線nを基準として50度から70度の範囲においては、使用者の目線と発光平面21を結んだ直線が発光平面21に対して平行な成分が大きくなる程、言い換えると、発光平面21に対して垂直成分が小さくなるほど、第1有機ELパネル2aと第2有機ELパネル2bの色温度差は大きくなり、法線nを基準として70度から80度の範囲においては、使用者の目線と発光平面21を結んだ直線が発光平面21に対して平行な成分が小さくなる程、言い換えると、発光平面21に対して垂直成分が大きくなるほど、第1有機ELパネル2aと第2有機ELパネル2bの色温度差は大きくなる。
また、法線nを基準として50度〜80度の範囲においては、発光平面21内の最大色温度となる第1有機ELパネル2aの色温度と、発光平面内の最小色温度となる第2有機ELパネル2bの色温度の差が、500K以上に開いており、第1有機ELパネル2aの発光色と、第2有機ELパネル2bの発光色は、異なる色のように見える。具体的には、第1有機ELパネル2aはより白くみえ、第2有機ELパネル2bは、第1有機ELパネル2aに比べてうすく橙色が混ざった白色に見える。
以上をまとめると、本実施形態の有機EL発光システム1であれば、0度から30度の範囲では、通常の直接照明と同様、単一色の照明として機能し、50度から80度の範囲では、複数の色の照明として機能し、図形等の所望の形状が浮かび上がる。そのため、点灯時に照明としての機能だけではなく、装飾効果を得ることが可能であり、デザイン性を向上させることができる。
最後に、有機ELパネル2の層構成について説明する。本実施形態において、第1有機ELパネル2aと第2有機ELパネル2bの層構成は、基本的には同じである。
有機ELパネル2は、図11のように透光性を有した基板32(基材)上に有機EL素子30を積層している。
有機EL素子30は、図11のように少なくとも第1電極層33と第2電極層36との間に実際に発光する機能層35を備えたものである。本実施形態の有機ELパネル2では、少なくとも基板32側から光を取り出すいわゆる「ボトムエミッション型」の有機ELパネル2を採用しており、有機EL素子30は、基板32側から第1電極層33,機能層35,第2電極層36がこの順に積層されて形成されている。
基板32の材質は、透明性と絶縁性を備えたものであれば、特に限定されるものではない。本実施形態では、ガラス基板を採用している。
第1電極層33は、透明導電性酸化物によって形成された層であり、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)などが採用できる。
機能層35は、図11のように第1電極層33と第2電極層36との間に設けられ、少なくとも一層の有機発光層を備えた層である。具体的には、機能層35の構成は、図16のように、第1電極層33側から順に、正孔注入層40,正孔輸送層41,有機発光層42,電子輸送層43,及び電子注入層44を有している。
正孔注入層40,正孔輸送層41,有機発光層42,電子輸送層43,及び電子注入層44はいずれも公知の有機材料等によって形成されている。
本実施形態では、電子輸送層43の膜厚によって、視野角依存性を制御している。
具体的には、第1有機ELパネル2aの電子輸送層43の膜厚は30nm以上300nm以下となっており、50nm以上100nm以下であることが好ましい。
一方、第2有機ELパネル2bの電子輸送層43の膜厚は5nm以上25nm以下となっており、7nm以上15nm以下であることが好ましい。
第1有機ELパネル2aの電子輸送層43の膜厚を1としたときの第2有機ELパネル2bの電子輸送層43の膜厚は1.5以上10以下となっており、2以上7以下となっていることが好ましい。
第2電極層36は、第1電極層33と一対となって電極を形成するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば銀(Ag)やアルミニウム(Al)などが採用できる。
上記した実施形態では、有機ELパネル2として同時に全面が光る有機ELパネルを採用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、パッシブマトリックス構造やアクティブマトリックス構造を備えた有機ELパネルのように所望の位置を発光させることが可能な有機ELパネルであってもよい。
上記した実施形態では、有機ELパネル2の電子輸送層の膜厚によって、視野角依存性を制御していたが、視野角依存性の制御方法は限定されない。例えば、有機ELパネル2の発光面に偏光フィルムを取り付けて視野角依存性を制御してもよい。すなわち、偏光フィルムの有無によって視野角依存性を制御してもよいし、偏光フィルムの種類によって視野角依存性を制御してもよい。
上記した実施形態では、2種類の第1有機ELパネル2aと第2有機ELパネル2bによって、所望の図形を表示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、3種類以上の有機ELパネルによって、図形等を表示してもよい。
上記した実施形態では、図形の一例として第1有機ELパネル2aを平面視して十字の形状に敷設したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図形の形状は問わない。
上記した実施形態では、第1有機ELパネル2aを中央側に設け、第2有機ELパネル2bを外側に設けることによって、第1有機ELパネル2aが浮かび上がる構成としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、中央側に第2有機ELパネル2bを敷設し、外側に第1有機ELパネル2aを敷設して、第2有機ELパネル2bによって図形を形成してもよい。
1 有機EL発光システム
2 有機ELパネル(有機EL発光パネル)
2a 第1有機ELパネル(有機EL発光パネル)
2b 第2有機ELパネル(有機EL発光パネル)
21 発光平面
32 基板(基材)
33 第1電極層(電極)
35 機能層(有機発光層)
36 第2電極層(電極)
42 有機発光層
43 電子輸送層

Claims (1)

  1. 複数の有機EL発光パネルが面状に広がりをもって敷設されて1つの発光平面を形成する有機EL発光システムにおいて、
    前記有機EL発光パネルは、基材上に、2層の電極層と、有機発光層が前記電極層に挟まれた断面構造を備えるものであり、
    前記発光平面と、発光平面に対する法線との間に形成される角度であって、法線を基準として−30度〜30度の範囲の所定の角度から当該発光平面を観察した場合において、
    前記発光平面を形成する有機EL発光パネルのうち、最大色温度を有する有機EL発光パネルと最小色温度を有する有機EL発光パネルとの間の色温度の差が400K以下となっており、
    前記発光平面と、発光平面に対する法線との間に形成される角度であって、法線を基準として−80度〜−50度又は50度〜80度の範囲の所定の角度から当該発光平面を観察した場合において、
    前記発光平面を形成する有機EL発光パネルのうち、最大色温度を有する有機EL発光パネルと最小色温度を有する有機EL発光パネルとの間の色温度の差が500K以上となっていることを特徴とする有機EL発光システム。
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