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JP6074128B2 - 光学体およびその製造方法、日射遮蔽部材、窓材、内装部材ならびに建具 - Google Patents

光学体およびその製造方法、日射遮蔽部材、窓材、内装部材ならびに建具 Download PDF

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Description

本発明は、光学体およびその製造方法、日射遮蔽部材、窓材、内装部材ならびに建具に関する。詳しくは、入射光を指向反射する光学体に関する。
近年、高層ビル、住居などの建築用ガラスや車窓ガラスに太陽光の一部を吸収、または反射させる層が設けられるケースが増加している。これは地球温暖化防止を目的とした省エネルギー対策のひとつであり、太陽から注がれる光エネルギーが窓から屋内に入り、屋内温度が上昇することによりかかる冷房設備の負荷を軽減することを目的としている。
太陽光から注がれる光エネルギーは、波長380〜780nmの可視領域と780〜2100nmの近赤外領域とが大きな比率を占めている。このうち後者の波長域における窓の透過率は、人間の視認性と無関係であるため、高透明性かつ高熱遮蔽性を有する窓としての性能を左右する重要な要素となる。
可視領域の透明性を維持しながら近赤外線を遮蔽する方法としては、近赤外領域に高い反射率を有する光学体を窓ガラスに設ける方法がある。この方法については、反射層として光学多層膜、金属含有膜、透明導電性膜などを用いる技術が既に数多く開示されている(例えば特許文献1)。
しかしながら、このような反射層は平面上の窓ガラスに設けられるため、入射した太陽光を正反射させることしかできない。このため、上空から照射されて正反射された光は、屋外の別な建物や地面に到達し、吸収されて熱に変わり周囲の気温を上昇させる。これにより、このような反射層が窓全体に貼られたビルの周辺では、局所的な温度上昇が起こり都市部ではヒートアイランドが増長されたり、反射光の照射面のみ芝生が生長しないなどの問題が生じている。
上記問題に対し、指向性反射体を用いることで太陽光を入射方向へと反射する技術が提案されている(例えば特許文献2)。ここで、指向性反射体としては、例えば略ピラミッド形状を配列させたものが採用されている。指向性反射体に入射した光は、各ピラミッド形状内の各面で複数回反射することにより、略入射方向へと反射する。
しかしながら、指向性反射体への入射角度が大きな光線に対しては、指向反射の性能が低下する。また、この略ピラミッド形状の、設計上は断面が略三角形状とされる稜線部が、製造工程上の理由により、理想形状からの崩れを有することがある。このとき、該稜線部への入射した入射光は、複数回の反射が起こらず、正反射方向に反射されてしまう。すなわち、該稜線部の理想形状からの崩れが大きくなるほど、指向性反射成分が減少する。
上述したような反射体では、指向性反射成分の減少により、太陽光が地上に到達してしまい、地表面近傍の温度上昇を引き起こすという問題がある。
国際公開第05/087680号パンフレット 特開2007−10893号公報
本発明者らは、従来技術が有する上述の課題を解決すべく、鋭意検討を行った。その結果、稜線部の理想形状からの崩れが比較的大きい場合であっても、地上への反射成分が少ない光学体およびその製造方法、日射遮蔽部材、窓材、内装部材ならびに建具を発明するに至った。
上述した課題を解決するために、本発明は、
第1の光学層と、
光が入射する入射面を有する第2の光学層と、
第1および第2の光学層で挟まれた反射層と
を備え、
第1の光学層および第2の光学層の少なくとも一方がリン酸化合物を含む樹脂からなり、かつ、反射層における、リン酸化合物を含む第1の光学層または第2の光学層と接する面に、酸化物もしくは窒化物、酸窒化物を含む層を有し、
第1の光学層が、反射層が設けられる表面に、凸形状または凹形状とされた複数の構造体を有し、
複数の構造体が、ほぼ周期的な配置ピッチを有しており、
凸形状とされた構造体、または相隣り合う凹形状とされた構造体間の稜線部が、入射面の側に突出した先端部を有し、
先端部が、理想形状からの崩れを有しており、
理想形状からの崩れは、構造体の先端部の断面形状を当該断面内において描かれる円の半径によって表すもので、当該円は、設計通りに形成されたとしたら得られたであろう当該構造先端の輪郭線に内接し、かつ、実際に得られた当該構造先端の形状において光の入射側に最も突出した点を通る円のうち、半径が大きい方の円であって、当該円の半径が、理想形状からの崩れの大きさであり、
先端部における理想形状からの崩れの大きさを表す円の半径が、10.0μm以下であり、
第2の光学層は、透明かつその屈折率が波長帯域780nm〜2100nmの近赤外線に対して1.49以上1.6以下であり、
入射角(θ、φ)(但し、θ:入射面に対する垂線と、入射面に入射する入射光または入射面から出射される反射光とのなす角、φ:入射面内の特定の直線と、入射光または反射光を入射面に射影した成分とのなす角)で入射面に入射した光のうち、少なくとも波長帯域780nm〜2100nmの近赤外線を(−θ、φ+180°)以外の方向に選択的に指向反射する光学体である。
複数の構造体が、ほぼ周期的な構造をなしていることが好ましい。
先端部における理想形状からの崩れの大きさが、構造体の配置ピッチの7%以下であることが好ましい。
第2の光学層の屈折率が、1.4以上1.6以下であることが好ましい。
または、第2の光学層の屈折率が、1.49以上1.55以下であることが好ましい。
また、本発明は、
金型の凹凸形状を第1の樹脂材料に転写し、一主面上に凸形状または凹形状とされた複数の構造体を有する第1の光学層を形成する工程と、
第1の光学層に転写された凹凸形状面上に反射層を形成する工程と、
反射層を第2の樹脂材料により包埋することにより、光が入射する入射面を有するとともに、透明かつその屈折率が波長帯域780nm〜2100nmの近赤外線に対して1.49以上1.6以下とされる第2の光学層を形成する工程と
を備え、
第1の光学層および第2の光学層の少なくとも一方がリン酸化合物を含む樹脂からなり、かつ、反射層における、リン酸化合物を含む第1の光学層または第2の光学層と接する面に、酸化物もしくは窒化物、酸窒化物を含む層を有し、
複数の構造体が、ほぼ周期的な配置ピッチを有しており、
凸形状とされた構造体、または相隣り合う凹形状とされた構造体間の稜線部が、入射面の側に突出した先端部を有し、
先端部が、理想形状からの崩れを有しており、
理想形状からの崩れは、構造体の先端部の断面形状を当該断面内において描かれる円の半径によって表すもので、当該円は、設計通りに形成されたとしたら得られたであろう当該構造先端の輪郭線に内接し、かつ、実際に得られた当該構造先端の形状において光の入射側に最も突出した点を通る円のうち、半径が大きい方の円であって、当該円の半径が、理想形状からの崩れの大きさであり、
先端部における理想形状からの崩れの大きさを表す円の半径が、10.0μm以下であり、
入射角(θ、φ)(但し、θ:入射面に対する垂線と、入射面に入射する入射光または入射面から出射される反射光とのなす角、φ:入射面内の特定の直線と、入射光または反射光を入射面に射影した成分とのなす角)で入射面に入射した光のうち、少なくとも波長帯域780nm〜2100nmの近赤外線を(−θ、φ+180°)以外の方向に選択的に指向反射するようにされた光学体の製造方法である。
ここで、理想形状からの崩れとは、以下のようにして決められる円の半径を指すものとする。図32Aおよび図32Bは、理想形状からの崩れCrの決め方を説明するための図である。Pは、構造体の配置ピッチ(以下、ピッチともいう。)である。図32Bは、図32AにおけるA部を拡大して示した図である。
図32Bに示すように、光学層の構造断面を観察したときに、設計通りであったとしたならば得られたであろう構造先端の輪郭線PL1およびPL2を描く。このとき、設計上の断面構造において、既に構造先端に曲率や何らかの形状を有しているような場合には、断面構造の側面の輪郭線を延長した線を輪郭線P1およびP2とみなす。次に、PL1およびPL2に内接し、かつ実際に得られた構造先端の形状において光の入射側に最も突出した点Tを通る円を描く。このときに得られる円のうち、半径が大である方の円Icの半径Crを理想形状からの崩れの大きさとする。
理想形状からの崩れの大きさは、例えば、光学層に形状を転写するための金型を加工する際に用いるバイト先端の曲率半径である。
構造体がほぼ周期的な構造をなしている場合には、構造体の配置ピッチは、該ほぼ周期的な構造の周期である。ここで、ほぼ周期的な構造とは、構造体の配置ピッチのずれが、設計上の配置ピッチの3%以下、好ましくは1%以下である構造を指す。なお、ほぼ周期的な構造には、完全な周期構造も含むものとする。
本発明では、凹凸面の上に形成される反射層を包埋してなる光学層の屈折率を、所定の範囲内のものとすることにより、構造先端の理想形状からの崩れが増加した場合であっても、全体としての指向性反射成分の減少を抑制することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光学体の概観を示す斜視図である。 図2Aは、本発明の第1の実施形態に係る光学体の一構成例を示す断面図である。図2Bは、本発明の第1の実施形態に係る光学体を被着体に貼り合わせた例を示す断面図である。 図3は、光学体1に対して入射する入射光と、光学体1により反射された反射光との関係を示す斜視図である。 図4Aは、第1の光学層の凹凸面の形状の一例を示す平面図である。図4Bは、図4Aに示した第1の光学層のB−B線に沿った断面図である。 図5は、図4Aに示した第1の光学層の凹凸面の一部を拡大して示す拡大平面図である。 図6Aは、光学体1に入射した光が反射層3により反射される様子を示した断面模式図である。図6Bは、空気/樹脂の界面で屈折した光が反射層3により反射される様子を示した略線図である。 図7は、フレネル反射率Γと、第2の光学層の屈折率n1との関係を示す図である。 図8A、図8Bは、光学体の機能の一例を説明するための断面図である。 図9Aは、コーナーキューブが形成された第1の光学層4の一部を模式的に示す斜視図である。図9Bは、第1の光学層4にコーナーキューブが形成された光学体1の断面模式図である。 図10Aは、理想形状からの崩れを有するコーナーキューブが形成された第1の光学層4の一部を模式的に示す斜視図である。図10Bは、第1の光学層4に理想形状からの崩れを有するコーナーキューブが形成された光学体1の断面模式図である。 図11A、図11Bは、本発明の第1の実施形態に係る光学体の貼り合わせ方法の一例を説明するための略線図である。 図12は、本発明の第1の実施形態に係る光学体を製造するための製造装置の一構成例を示す概略図である。 図13は、図12におけるK部を拡大して示した図である。 図14A〜図14Cは、本発明の第1の実施形態に係る光学体の製造方法の一例について説明するための工程図である。 図15A〜図15Cは、本発明の第1の実施形態に係る光学体の製造方法の一例について説明するための工程図である。 図16A〜図16Cは、本発明の第1の実施形態に係る光学体の製造方法の一例について説明するための工程図である。 図17Aは、ロール状原盤の概観を示す斜視図である。図17Bは、図17Aに示した領域Rを拡大して示す拡大平面図である。 図18A、図18Bは、試験例1のシミュレーション条件を説明するための略線図である。 図19Aは、試験例1のシミュレーションにより求められた上方反射率を示すグラフである。図19Bは、試験例2のシミュレーションにより求められた上方反射率を示すグラフである。 図20は、空気/樹脂の界面における反射の影響をとり込んだ上方反射率Ruを示したグラフである。 図21は、各サンプルについて、Cr=0.00における上方反射率を基準としたときの損失分Dを示したグラフである。 図22は、各サンプルについて、Cr=0.00における上方反射率を基準としたときの比Raを示したグラフである。 図23は、本発明の第1の実施形態の第1の変形例を示す斜視図である。 図24Aは、本発明の第1の実施形態の第2の変形例を示す断面図である。図24Bは、本発明の第1の実施形態の第3の変形例を示す断面図である。図24Cは、本発明の第1の実施形態の第4の変形例を示す断面図である。 図25は、本発明の第1の実施形態の第5の変形例を示す断面図である。 図26Aおよび図26Bは、第1の光学層に形成された構造体の形状例を示す斜視図である。 図27A、図27Bは、プリズム形状の構造体4cを垂線l1に対して非対称な形状とした例を示す略線図である。 図28は、本発明の第2の実施の形態に係るブラインド装置の一構成例を示す斜視図である。 図29Aは、スラットの第1の構成例を示す断面図である。図29Bは、スラットの第2の構成例を示す断面図である。図29Cは、スラット群を閉じた状態において外光が入射する入射面側から見たスラットの平面図である。 図30Aは、本発明の第3の実施の形態に係るロールスクリーン装置の一構成例を示す斜視図である。図30Bは、スクリーン302の一構成例を示す断面図である。 図31Aは、本発明の第4の実施の形態に係る建具の一構成例を示す斜視図である。図31Bは、光学体の一構成例を示す断面図である。 図32Aは、理想形状からの崩れの大きさの決め方を説明するための図である。図32Bは、図32AにおけるA部を拡大して示した図である。
本発明の実施形態について、図面を参照しながら以下の順序で説明する。
1.第1の実施形態(コーナーキューブパターンに反射層が形成された光学体の例)
2.第2の実施形態(光学体を備える日射遮蔽装置の例)
3.第3の実施形態(光学体をロールスクリーン装置に適用した例)
4.第4の実施形態(採光部に光学体を備える建具の例)
<1.第1の実施の形態>
[光学体の構成]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光学体の概観を示す斜視図である。図2Aは、本発明の第1の実施形態に係る光学体の一構成例を示す断面図である。図2Bは、本発明の第1の実施形態に係る光学体を被着体に貼り合わせた例を示す断面図である。指向反射体としての光学体1は、例えば指向反射性能を有する光学フィルムである。図1に示すように、光学体1は、帯状の形状を有し、例えばロール状に巻回されて、いわゆる原反とされる。
図2Aに示すように、この光学体1は、凹凸形状の界面を内部に有する光学層2と、この光学層2の界面に設けられた反射層3とを備える。光学層2は、凹凸形状の第1の面を有する第1の光学層4と、凹凸形状の第2の面を有する第2の光学層5とを備える。光学層内部の界面は、対向配置された凹凸形状の第1の面と第2の面とにより形成されている。具体的には、光学体は、凹凸面を有する第1の光学層4と、第1の光学層の凹凸面上に形成された反射層3と、反射層3が形成された凹凸面を埋めるように、反射層3上に形成された第2の光学層5とを備える。光学体1は、太陽光などの光が入射する入射面S1と、この入射面S1より入射した光のうち、光学体1を透過した光が出射される出射面S2とを有する。光学体1は、内壁部材、外壁部材、窓材、壁材などに適用して好適なものである。また、光学体1は、ブラインド装置のスラット(日射遮蔽部材)、およびロールスクリーン装置のスクリーン(日射遮蔽部材)として用いても好適なものである。さらに、光学体1は、障子などの建具(内装部材または外装部材)の採光部に設けられる光学体として用いても好適なものである。
光学体1が、必要に応じて、光学層2の出射面S2に第1の基材4aをさらに備えるようにしてもよい。また、光学体1が、必要に応じて、光学層2の入射面S1に第2の基材5aをさらに備えるようにしてもよい。なお、このように第1の基材4a、および/または第2の基材5aを光学体1に備える場合には、第1の基材4a、および/または第2の基材5aを光学体1に備えた状態において、以下に示す透明性、および透過色などの光学特性を満たすことが好ましい。
光学体1が、必要に応じて貼合層6をさらに備えるようにしてもよい。この貼合層6は、光学体1の入射面S1および出射面S2のうち、窓材10に貼り合わされる面に形成される。この貼合層6を介して、光学体1は被着体である窓材10の屋内側または屋外側に貼り合わされる。貼合層6としては、例えば、接着剤を主成分とする接着層(例えば、UV硬化型樹脂、2液混合型樹脂)、または粘着剤を主成分とする粘着層(例えば、感圧粘着材(PSA:Pressure Sensitive Adhesive))を用いることができる。貼合層6が粘着層である場合、貼合層6上に形成された剥離層7をさらに備えることが好ましい。このような構成にすることで、剥離層7を剥離するだけで、貼合層6を介して窓材10などの被着体に対して光学体1を容易に貼り合わせることができるからである。
光学体1が、第2の基材5aと、貼合層6および/または第2の光学層5の接合性を向上させる観点から、第2の基材5aと、貼合層6および/または第2の光学層5との間に、プライマー層(図示せず)をさらに備えるようにしてもよい。また、同様の箇所の接合性を向上させる観点から、プライマー層に代えて、またはプライマー層と共に、公知の物理的前処理を施すことが好ましい。公知の物理的前処理としては、例えば、プラズマ処理、コロナ処理などが挙げられる。
光学体1が、窓材10などの被着体に貼り合わされる入射面S1または出射面S2上、またはその面と反射層3との間に、バリア層(図示せず)をさらに備えるようにしてもよい。このようにバリア層を備えることで、入射面S1または出射面S2から反射層3への水分の拡散を低減し、反射層3に含まれる金属などの劣化を抑制することができる。したがって、光学体1の耐久性を向上させることができる。
光学体1は、表面に耐擦傷性などを付与する観点から、ハードコート層8をさらに備えるようにしてもよい。このハードコート層8は、光学体1の入射面S1および出射面S2のうち、窓材10などの被着体に貼り合わされる面とは反対側の面に形成することが好ましい。光学体1の入射面S1に、防汚性などを付与する観点から、撥水性または親水性を有する層をさらに備えてもよい。このような機能を有する層は、例えば、光学層2上に直接備える、またはハードコート層8などの各種機能層上に備えるようにしてもよい。
光学体1は、光学体1を窓材10などの被着体に容易に貼り合わせ可能にする観点からすると、可撓性を有することが好ましい。光学体1は、可撓性を有する光学フィルムであることが好ましい。これにより、帯状の光学体1をロール状に巻回して原反とすることができ、搬送性や取り扱い性などが向上するからである。ここで、フィルムにはシートが含まれるものとする。すなわち、光学体1には光学シートも含まれるものとする。なお、光学体1の形状は、フィルム状に限定されるものではなく、プレート状、ブロック状などとしてもよい。
光学体1は、透明性を有している。透明性としては、後述する透過像鮮明度の範囲を有するものであることが好ましい。第1の光学層4と第2の光学層5との屈折率差が、好ましくは0.010以下、より好ましくは0.008以下、さらに好ましくは0.005以下である。屈折率差が0.010を超えると、透過像がぼけて見える傾向がある。0.008を超え0.010以下の範囲であると、外の明るさにも依存するが日常生活には問題がない。0.005を超え0.008以下の範囲であると、光源のように非常に明るい物体のみ回折パターンが気になるが、外の景色を鮮明に見ることができる。0.005以下であれば、回折パターンは殆ど気にならない。なお、第1の光学層4および第2の光学層5の屈折率差が必ずしも上記範囲に入らなければならないというものではない。
第1の光学層4および第2の光学層5のうち、窓材10などと貼り合わせる側となる光学層は、粘着剤を主成分としてもよい。このような構成とすることで、粘着剤を主成分とする第1の光学層4、または第2の光学層5により光学体1を窓材10などに貼り合わせることができる。なお、このような構成にする場合、粘着剤の屈折率差が上記範囲内であることが好ましい。
第1の光学層4と第2の光学層5とは、屈折率などの光学特性が同じであることが好ましい。より具体的には、第1の光学層4と第2の光学層5とが、可視領域において透明性を有する同一材料、例えば同一樹脂材料からなることが好ましい。第1の光学層4と第2の光学層5とを同一材料により構成することで、両者の屈折率が等しくなるので、可視光の透明性を向上させることができる。ただし、同一材料を出発源としても、成膜工程における硬化条件などにより最終的に生成する層の屈折率が異なることがあるので、注意が必要である。これに対して、第1の光学層4と第2の光学層5とを異なる材料により構成すると、両者の屈折率が異なるので、反射層3を境界として光が屈折し、透過像がぼやける傾向がある。特に、遠くの電灯など点光源に近い物を観察すると回折パターンが顕著に観察される傾向がある。なお、屈折率の値を調整するために、第1の光学層4および/または第2の光学層5に添加剤を混入させてもよい。
第1の光学層4と第2の光学層5は、可視領域において透明性を有することが好ましい。ここで、透明性の定義には2種類の意味があり、光の吸収がないことと、光の散乱がないことである。一般的に透明と言った場合に前者だけを指すことがあるが、第1の実施形態に係る光学体1では両者を備えることが好ましい。現在利用されている再帰反射体は、道路標識や夜間作業者の衣服など、その表示反射光を視認することを目的としているため、例えば散乱性を有していても、下地反射体と密着していれば、その反射光を視認することができる。例えば、画像表示装置の前面に、防眩性の付与を目的として散乱性を有するアンチグレア処理をしても、画像は視認できるのと同一の原理である。しかしながら、第1の実施形態に係る光学体1は、指向反射する特定の波長以外の光を透過する点に特徴を有しており、この透過波長を主に透過する透過体に接着し、その透過光を観察するため、光の散乱がないことが好ましい。但し、その用途によっては、第1の光学層4に意図的に散乱性を持たせることも可能である。
光学体1は、好ましくは、透過した特定波長以外の光に対して主に透過性を有する剛体、例えば、窓材10に粘着剤などを介して貼り合わせて使用される。窓材10としては、高層ビルや住宅などの建築用窓材、車両用の窓材などが挙げられる。建築用窓材に光学体1を適用する場合、特に東〜南〜西向きの間のいずれかの向き(例えば南東〜南西向き)に配置された窓材10に光学体1を適用することが好ましい。このような位置の窓材10に適用することで、より効果的に熱線を反射することができるからである。光学体1は、単層の窓ガラスのみならず、複層ガラスなどの特殊なガラスにも用いることができる。また、窓材10は、ガラスからなるものに限定されるものではなく、透明性を有する高分子材料からなるものを用いてもよい。光学層2が、可視領域において透明性を有することが好ましい。このように透明性を有することで、光学体1を窓ガラスなどの窓材10に貼り合せた場合、可視光を透過し、太陽光による採光を確保することができるからである。また、貼り合わせる面としてはガラスの内面のみならず、外面にも使用することができる。
また、光学体1は他の熱線カットフィルムと併用して用いることができ、例えば空気と光学体1との界面(すなわち、光学体1の最表面)に光吸収塗膜を設けることもできる。また、光学体1は、ハードコート層、紫外線カット層、表面反射防止層などとも併用して用いることができる。これらの機能層を併用する場合、これらの機能層を光学体1と空気との間の界面に設けることが好ましい。ただし、紫外線カット層については、光学体1よりも太陽側に配置する必要があるため、特に室内の窓ガラス面に内貼り用として用いる場合には、該窓ガラス面と光学体1の間に紫外線カット層を設けることが望ましい。この場合、窓ガラス面と光学体1の間の貼合層中に、紫外線吸収剤を練りこんでおいてもよい。
また、光学体1の用途に応じて、光学体1に対して着色を施し、意匠性を付与するようにしてもよい。このように意匠性を付与する場合、透明性を損なわない範囲で第1の光学層4および第2の光学層5の少なくとも一方が、可視領域における特定の波長帯の光を主として吸収する構成とすることが好ましい。
図3は、光学体1に対して入射する入射光と、光学体1により反射された反射光との関係を示す斜視図である。光学体1は、光Lが入射する入射面S1を有する。反射層3が波長選択反射層である場合、光学体1は、入射角(θ、φ)で入射面S1に入射した光Lのうち、特定波長帯の光L1を選択的に正反射(−θ、φ+180°)以外の方向に指向反射するのに対して、特定波長帯以外の光L2を透過することが好ましい。また、光学体1は、上記特定波長帯以外の光に対して透明性を有する。透明性としては、後述する透過像鮮明度の範囲を有するものであることが好ましい。反射層3が半透過層である場合、入射角(θ、φ)で入射面S1に入射した光Lのうち一部の光L1を正反射(−θ、φ+180°)以外の方向に指向反射するのに対して、残りの光L2を透過することが好ましい。但し、θ:入射面S1に対する垂線l1と、入射光Lまたは反射光L1とのなす角である。φ:入射面S1内の特定の直線l2と、入射光Lまたは反射光L1を入射面S1に射影した成分とのなす角である。ここで、入射面内の特定の直線l2とは、入射角(θ、φ)を固定し、光学体1の入射面S1に対する垂線l1を軸として光学体1を回転したときに、φ方向への反射強度が最大になる軸である。但し、反射強度が最大となる軸(方向)が複数ある場合、そのうちの1つを直線l2として選択するものとする。なお、垂線l1を基準にして時計回りに回転した角度θを「+θ」とし、反時計回りに回転した角度θを「−θ」とする。直線l2を基準にして時計回りに回転した角度φを「+φ」とし、反時計回りに回転した角度φを「−φ」とする。反射層3が半透過層である場合、指向反射する光が、主に波長帯域400nm以上2100nm以下の光であることが好ましい。
選択的に指向反射する特定の波長帯の光、および透過させる特定の光は、光学体1の用途により異なる。例えば、窓材10に対して光学体1を適用する場合、選択的に指向反射する特定の波長帯の光は近赤外光であり、透過させる特定の波長帯の光は可視光であることが好ましい。具体的には、選択的に指向反射する特定の波長帯の光が、主に波長帯域780nm〜2100nmの近赤外線であることが好ましい。近赤外線を反射することで、光学体をガラス窓などの窓材に貼り合わせた場合に、建物内の温度上昇を抑制することができる。したがって、冷房負荷を軽減し、省エネルギー化を図ることができる。ここで、指向反射とは、正反射以外のある特定の方向への反射を有し、かつ、指向性を持たない拡散反射強度よりも十分に強いことを意味する。ここで、反射するとは、特定の波長帯域、例えば近赤外域における反射率が好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上、更に好ましくは80%以上であることを示す。透過するとは、特定の波長帯域、例えば可視光域における透過率が好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上、更に好ましくは70%以上であることを示す。
光学体1において、指向反射する方向φoが−90°以上、90°以下であることが好ましい。光学体1を窓材10に貼った場合、上空から入射する光のうち、特定波長帯の光を上空方向に戻すことができるからである。周辺に高い建物がない場合にはこの範囲の光学体1が有用である。また、指向反射する方向が(θ、−φ)近傍であることが好ましい。近傍とは、好ましく(θ、−φ)から5度以内、より好ましくは3度以内であり、さらに好ましくは2度以内の範囲内のずれのことをいう。この範囲にすることで、光学体1を窓材10に貼った場合、同程度の高さが立ち並ぶ建物の上空から入射する光のうち、特定波長帯の光を他の建物の上空に効率良く戻すことができるからである。このような指向反射を実現するためには、例えば球面や双曲面の一部や三角錐、四角錘、円錐などの3次元構造体を用いることが好ましい。(θ、φ)方向(−90°<φ<90°)から入射した光は、その形状に基づいて(θo、φo)方向(0°<θo<90°、−90°<φo<90°)に反射させることができる。または、一方向に伸びた柱状体としてもよい。(θ、φ)方向(−90°<φ<90°)から入射した光は、柱状体の傾斜角に基づいて(θo、−φ)方向(0°<θo<90°)に反射させることができる。
光学体1において、特定波長体の光の指向反射が、再帰反射近傍方向、すなわち、入射角(θ、φ)で入射面S1に入射した光に対する、特定波長体の光の反射方向が、(θ、φ)近傍であることが好ましい。光学体1を窓材10に貼った場合、上空から入射する光のうち、特定波長帯の光を上空に戻すことができるからである。ここで近傍とは5度以内が好ましく、より好ましくは3度以内であり、さらに好ましくは2度以内である。この範囲にすることで、光学体1を窓材10に貼った場合、上空から入射する光のうち、特定波長帯の光を上空に効率良く戻すことができるからである。また、赤外線センサーや赤外線撮像のように、赤外光照射部と受光部が隣接している場合は、再帰反射方向は入射方向と等しくなければならないが、本発明のように特定の方向からセンシングする必要がない場合は、厳密に同一方向とする必要はない。
反射層3が波長選択反射層である場合、光学体1において、透過性を持つ波長帯に対する透過像鮮明度に関し、0.5mmの光学くしを用いたときの値が、好ましくは50以上、より好ましくは60以上、さらに好ましくは75以上である。透過像鮮明度の値が50未満であると、透過像がぼけて見える傾向がある。50以上60未満であると、外の明るさにも依存するが日常生活には問題がない。60以上75未満であると、光源のように非常に明るい物体のみ回折パターンが気になるが、外の景色を鮮明に見ることができる。75以上であれば、回折パターンは殆ど気にならない。更に0.125mm、0.5mm、1.0mm、2.0mmの光学くしを用いて測定した透過像鮮明度の値の合計値が、好ましくは230以上、より好ましくは270以上、さらに好ましくは350以上である。透過像鮮明度の合計値が230未満であると、透過像がぼけて見える傾向がある。230以上270未満であると、外の明るさにも依存するが日常生活には問題がない。270以上350未満であると、光源のように非常に明るい物体のみ回折パターンが気になるが、外の景色を鮮明に見ることができる。350以上であれば、回折パターンは殆ど気にならない。ここで、透過像鮮明度の値は、スガ試験機製ICM−1Tを用いて、JIS K7105に準じて測定したものである。ただし、透過させたい波長がD65光源波長と異なる場合は、透過したい波長のフィルターを用いて校正した後に測定することが好ましい。
反射層3が半透過層である場合、D65光源に対する透過像鮮明度に関し、0.5mmの光学くしを用いたときの値が、好ましくは30以上、より好ましくは50以上、さらに好ましくは75以上である。透過像鮮明度の値が30未満であると、透過像がぼけて見える傾向がある。30以上50未満であると、外の明るさにも依存するが日常生活には問題がない。50以上75未満であると、光源のように非常に明るい物体のみ回折パターンが気になるが、外の景色を鮮明に見ることができる。75以上であれば、回折パターンは殆ど気にならない。更に0.125mm、0.5mm、1.0mm、2.0mmの光学くしを用いて測定した透過像鮮明度の値の合計値が、好ましくは170以上、より好ましくは230以上、さらに好ましくは350以上である。透過像鮮明度の合計値が170未満であると、透過像がぼけて見える傾向がある。170以上230未満であると、外の明るさにも依存するが日常生活には問題がない。230以上350未満であると、光源のように非常に明るい物体のみ回折パターンが気になるが、外の景色を鮮明に見ることができる。350以上であれば、回折パターンは殆ど気にならない。ここで、透過像鮮明度の値は、スガ試験機製ICM−1Tを用いて、JIS K7105に準じて測定したものである。
光学体1において、透過性を持つ波長帯に対するヘイズが、好ましくは6%以下、より好ましくは4%以下、さらに好ましくは2%以下である。ヘイズが6%を超えると、透過光が散乱され、曇って見えるためである。ここで、ヘイズは、村上色彩製HM−150を用いて、JIS K7136で規定される測定方法により測定したものである。ただし、透過させたい波長がD65光源波長と異なる場合は、透過したい波長のフィルターを用いて校正した後に測定することが好ましい。光学体1の入射面S1、好ましくは入射面S1および出射面S2は、透過像鮮明度を低下させない程度の平滑性を有する。具体的には、入射面S1および出射面S2の算術平均粗さRaは、好ましくは0.08μm以下、より好ましくは0.06μm以下、さらに好ましくは0.04μm以下である。なお、上記算術平均粗さRaは、入射面の表面粗さを測定し、2次元断面曲線から粗さ曲線を取得し、粗さパラメータとして算出したものである。なお、測定条件はJIS B0601:2001に準拠している。以下に測定装置および測定条件を示す。
測定装置:全自動微細形状測定機 サーフコーダーET4000A(株式会社小坂研究所)
λc=0.8mm、評価長さ4mm、カットオフ×5倍
データサンプリング間隔0.5μm
光学体1の透過色はなるべくニュートラルに近く、色付きがあるとしても涼しい印象を与える青、青緑、緑色などの薄い色調が好ましい。このような色調を得る観点からすると、入射面S1から入射し、光学層2および反射層3を透過し、出射面S2から出射される透過光および反射光の色度座標x、yは、例えばD65光源の照射に対しては、好ましくは0.20<x<0.35かつ0.20<y<0.40、より好ましくは、0.25<x<0.32かつ0.25<y<0.37、更に好ましくは0.30<x<0.32かつ0.30<y<0.35の範囲を満たすのが望ましい。更に、色調が赤みを帯びないためには、好ましくはy>x−0.02、より好ましくはy>xの関係を満たすのが望ましい。また、反射色調が入射角度によって変化すると、例えばビルの窓に適用された場合に、場所によって色調が異なったり、歩くと色が変化して見えるため好ましくない。このような色調の変化を抑制する観点からすると、5°以上60°以下の入射角度θで入射面S1または出射面S2から入射し、光学体1により反射された正反射光の色座標xの差の絶対値、および色座標yの差の絶対値が、光学体1の両主面のいずれにおいても、好ましくは0.05以下、より好ましくは0.03以下、さらに好ましくは0.01以下である。このような反射光に対する色座標x、yに関する数値範囲の限定は、入射面S1、および出射面S2の両方の面において満たされることが望ましい。
正反射近傍での色変化を抑制するためには、好ましくは5°以下、更に好ましくは10°以下の傾斜角を有する平面が含まれない事が望ましい。また、反射層3が樹脂で覆われている場合、入射光が空気から樹脂に入射する際に屈折するため、より広い入射角の範囲で正反射光近傍での色調変化を抑制する事が出来る。その他、正反射以外への反射色が問題になる場合は、問題となる方向に指向反射がいかないよう、光学体1を配置する事が好ましい。
以下、光学体1を構成する第1の光学層4、第2の光学層5、および反射層3について順次説明する。
「第1の光学層、第2の光学層」
第1の光学層4は、例えば、反射層3を支持し、かつ保護するためのものである。第1の光学層4は、光学体1に可撓性を付与する観点から、例えば、樹脂を主成分とする層からなる。第1の光学層4の両主面のうち、例えば、一方の面は平滑面であり、他方の面は凹凸面(第1の面)である。反射層3は該凹凸面上に形成される。
第2の光学層5は、反射層3が形成された第1の光学層4の第1の面(凹凸面)を包埋することにより、反射層3を保護するためのものである。第2の光学層5は、光学体1に可撓性を付与する観点から、例えば、樹脂を主成分とする層からなる。第2の光学層5の両主面のうち、例えば、一方の面は平滑面であり、他方の面は凹凸面(第2の面)である。第1の光学層4の凹凸面と第2の光学層5の凹凸面とは、互いに凹凸を反転した関係にある。
第1の光学層4の凹凸面は、例えば、2次元配列された複数の構造体4cにより形成されている。第2の光学層5の凹凸面は、例えば、2次元配列された複数の構造体5cにより形成されている。第1の光学層4の構造体4cと第2の光学層5の構造体5cとは、凹凸が反転している点のみが異なるので、以下では第1の光学層4の構造体4cについて説明する。
構造体4cの配置ピッチPは、好ましくは5μm以上5mm以下、より好ましくは5μm以上250μm未満、さらに好ましくは20μm以上200μm以下である。構造体4cのピッチが5μm未満であると、構造体4cの形状を所望のものとすることが難しい上、波長選択反射層の波長選択特性は一般的には急峻にすることが困難であるため、透過波長の一部を反射することがある。このような反射が起こると回折が生じて高次の反射まで視認されるため、透明性が悪く感じられる傾向がある。一方、構造体4cのピッチが5mmを超えると、指向反射に必要な構造体4cの形状を考慮した場合、必要な膜厚が厚くなりフレキシブル性が失われ、窓材10などの剛体に貼りあわせることが困難になる。また、構造体4cのピッチを250μm未満にすることにより、さらにフレキシブル性が増し、ロール・ツー・ロールでの製造が容易となり、バッチ生産が不要となる。窓などの建材に光学体1を適用するためには、数m程度の長さが必要であり、バッチ生産よりもロール・ツー・ロールでの製造が適している。さらに、ピッチを20μm以上200μm以下とした場合には、より生産性が向上する。
また、第1の光学層4の表面に形成される構造体4cの形状は1種類に限定されるものではなく、複数種類の形状の構造体4cを第1の光学層4の表面に形成するようにしてもよい。複数種類の形状の構造体4cを表面に設ける場合、複数種類の形状の構造体4cからなる所定のパターンが周期的に繰り返されるようにしてもよい。また、所望とする特性によっては、複数種類の構造体4cがランダム(非周期的)に形成されるようにしてもよい。
図4Aは、第1の光学層の凹凸面の形状の一例を示す平面図である。図4Bは、図4Aに示した第1の光学層のB−B線に沿った断面図である。第1の光学層4の凹凸面は、例えば、コーナーキューブ形状を有する凹部である構造体4cを、隣り合う構造体4cの傾斜面が対向するように、2次元配列することにより形成されている。2次元配列は、最稠密充填状態での2次元配列であることが好ましい。構造体4cの充填率を高め、光学体1の指向反射効果を向上することができるからである。
図5は、図4Aに示した第1の光学層の凹凸面の一部を拡大して示す拡大平面図である。凹部である構造体4cは、三角形状を有する底面71と、三角形状を有する3つの傾斜面72とを有するコーナーキューブ形状の構造体(以下、コーナーキューブ形状の構造体をコーナーキューブと適宜称する。)である。隣り合う構造体4cの傾斜面によって、稜線部73a、73b、73cが形成されている。これらの稜線部73a、73b、73cは、第1の光学層4の凹凸面内において3つの方向(以下稜線方向という。)a、b、cに向かって形成されている。3つの稜線方向a、b、cのうち、1つの稜線方向cは、帯状の光学体1の長手方向DL、すなわち、光学体1の入射面内における特定の直線l2の方向と略平行の関係にある。
ここで、コーナーキューブ形状には、正確なコーナーキューブ形状以外に、略コーナーキューブ形状も含まれる。略コーナーキューブ形状とは、光軸が傾いたコーナーキューブ、傾斜面が湾曲したコーナーキューブ、コーナー角度が90°からずれたコーナーキューブ、3方向の溝セットが6回対称からずれたコーナーキューブ、特定の2方向の溝が他の1方向の溝よりも深いコーナーキューブ、特定の1方向の溝が他の2方向の溝よりも深いコーナーキューブ、3方向の溝の交点が完全には一致していないコーナーキューブ、頂部に曲率を持つコーナーキューブなどの形状である。傾斜面が湾曲したコーナーキューブとしては、例えば、コーナーキューブを構成する3つの面のすべてが湾曲した曲面であるコーナーキューブ、コーナーキューブを構成する3つの面のうちの1つの面または2つの面が湾曲した曲面であり、残りの面が平面であるコーナーキューブが挙げられる。湾曲した曲面の形状としては、例えば放物面、双曲面、球面、楕円面など曲面、自由曲面などが挙げられる。また、曲面は、凹状および凸状のいずれであってもよく、1つのコーナーキューブに凹状、および凸状の両方の曲面が存在してもよい。
第1の光学層4は、例えば、2層構造を有している。具体的には、第1の光学層4は、第1の基材4aと、第1の基材4aと反射層3との間に形成され、反射層3と密着する凹凸面を有する第1の樹脂層4bとを備える。なお、第1の光学層4の構成は、2層構造に限定されるものではなく、単層構造、または3層以上の構造とすることも可能である。
第1の光学層4が、100℃での貯蔵弾性率の低下が少なく、25℃と100℃とでの貯蔵弾性率が著しく異ならない樹脂を主成分としていることが好ましい。具体的には、25℃での貯蔵弾性率が3×109Pa以下であり、100℃での貯蔵弾性率が3×107Pa以上である樹脂を含んでいることが好ましい。なお、第1の光学層4は、1種類の樹脂で構成されているのが好ましいが、2種類以上の樹脂を含んでいてもよい。また、必要に応じて、添加剤が混入されていてもよい。
このように100℃での貯蔵弾性率の低下が少なく、25℃と100℃とでの貯蔵弾性率が著しく異ならない樹脂を主成分としていると、熱、または熱と加圧とを伴うプロセスが第1の光学層4の凹凸面(第1の面)を形成後に存在する場合でも、設計した界面形状をほぼ保つことができる。これに対して、100℃での貯蔵弾性率の低下が大きく、25℃と100℃とでの貯蔵弾性率が著しく異なる樹脂を主成分としていると、設計した界面形状からの変形が大きくなり、光学体1にカールが生じたりする。
ここで、熱を伴うプロセスには、アニール処理などのように直接的に光学体1またはその構成部材に対して熱を加えるようなプロセスのみならず、薄膜の成膜時、および樹脂組成物の硬化時などに、成膜面が局所的に温度上昇して間接的にそれらに対して熱を加えるようなプロセスや、エネルギー線照射により金型の温度が上昇し、間接的に光学フィルムに熱を加えるようなプロセスも含まれる。また、上述した貯蔵弾性率の数値範囲を限定することにより得られる効果は、樹脂の種類に特に限定されず、熱可塑性樹脂、熱硬化型樹脂、およびエネルギー線照射型樹脂のいずれでも得ることができる。
第1の光学層4の貯蔵弾性率は、例えば以下のようにして確認することができる。第1の光学層4の表面が露出している場合には、その露出面の貯蔵弾性率を微小硬度計を用いて測定することにより確認することができる。また、第1の光学層4の表面に第1の基材4aなどが形成されている場合には、第1の基材4aなどを剥離して、第1の光学層4の表面を露出させた後、その露出面の貯蔵弾性率を微小硬度計を用いて測定することにより確認することができる。
高温下での弾性率の低下を抑制する方法としては、例えば、熱可塑性樹脂にあっては、側鎖の長さおよび種類などを調整する方法が挙げられ、熱硬化型樹脂、およびエネルギー線照射型樹脂にあっては、架橋点の量および架橋材の分子構造などを調整する方法が挙げられる。但し、このような構造変更によって樹脂材料そのものに求められる特性が損なわれないようにすることが好ましい。例えば、架橋剤の種類によっては室温付近での弾性率が高くなり、脆くなってしまったり、収縮が大きくなりフィルムが湾曲したり、カールしたりすることがあるので、架橋剤の種類を所望とする特性に応じて適宜選択することが好ましい。
第1の光学層4が、結晶性高分子材料を主成分として含んでいる場合には、ガラス転移点が、製造プロセス中の最高温度より大きく、製造プロセス中の最高温度下での貯蔵弾性率の低下が少ない樹脂を主成分としていることが好ましい。これに対して、ガラス転移点が、室温25℃以上、製造プロセス中の最高温度以下の範囲内にあり、製造プロセス中の最高温度下での貯蔵弾性率の低下が大きい樹脂を用いると、製造プロセス中に、設計した理想的な界面形状を保持することが困難になる。
第1の光学層4が、非晶性高分子材料を主成分として含んでいる場合には、融点が、製造プロセス中の最高温度より大きく、製造プロセス中の最高温度下での貯蔵弾性率の低下が少ない樹脂を主成分としていることが好ましい。これに対して、融点が、室温25℃以上、製造プロセス中の最高温度以下の範囲内にあり、製造プロセス中の最高温度下での貯蔵弾性率の低下が大きい樹脂を用いると、製造プロセス中に、設計した理想的な界面形状を保持することが困難になる。
ここで、製造プロセス中の最高温度とは、製造プロセス中における第1の光学層4の凹凸面(第1の面)の最高温度を意味している。上述した貯蔵弾性率の数値範囲、およびガラス転移点の温度範囲は、第2の光学層5も満たしていることが好ましい。
すなわち、第1の光学層4、および第2の光学層5の少なくとも一方が、25℃での貯蔵弾性率が3×109Pa以下である樹脂を含んでいることが好ましい。室温25℃において光学体1に可撓性を付与することができるので、ロール・ツー・ロールでの光学体1の製造が可能となるからである。
「基材」
第1の基材4a、および第2の基材5aは、例えば、透明性を有している。基材の形状としては、光学体1に可撓性を付与する観点から、フィルム状を有することが好ましいが、特にこの形状に限定されるものではない。第1の基材4a、および第2の基材5aの材料としては、例えば、公知の高分子材料を用いることができる。公知の高分子材料としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエステル(TPEE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、アラミド、ポリエチレン(PE)、ポリアクリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン(PP)、ジアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、エポキシ樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂などが挙げられるが、特にこれらの材料に限定されるものではない。第1の基材4a、および第2の基材5aの厚さは、生産性の観点から38〜100μmであることが好ましいが、この範囲に特に限定されるものではない。第1の基材4a、および第2の基材5aは、エネルギー線透過性を有することが好ましい。これにより、後述するように、第1の基材4a、または第2の基材5aと反射層3との間に介在させたエネルギー線硬化型樹脂に対して、第1の基材4a、または第2の基材5a側からエネルギー線を照射し、エネルギー線硬化型樹脂を硬化させることができるからである。
「樹脂層」
第1の光学層4、および第2の光学層5は、例えば、透明性を有する。第1の光学層4、および第2の光学層5は、例えば、樹脂組成物を硬化することにより得られる。樹脂組成物としては、製造の容易性の観点からすると、光または電子線などにより硬化するエネルギー線硬化型樹脂、または熱により硬化する熱硬化型樹脂を用いることが好ましい。エネルギー線硬化型樹脂としては、光により硬化する感光性樹脂組成物が好ましく、紫外線により硬化する紫外線硬化型樹脂組成物が最も好ましい。樹脂組成物は、第1の光学層4、または第2の光学層5と反射層3との密着性を向上させる観点から、リン酸を含有する化合物、コハク酸を含有する化合物、ブチロラクトンを含有する化合物をさらに含有することが好ましい。リン酸を含有する化合物としては、例えばリン酸を含有する(メタ)アクリレート、好ましくはリン酸を官能基に有する(メタ)アクリルモノマーまたはオリゴマーを用いることができる。コハク酸を含有する化合物としては、例えば、コハク酸を含有する(メタ)アクリレート、好ましくはコハク酸を官能基に有する(メタ)アクリルモノマーまたはオリゴマーを用いることができる。ブチロラクトンを含有する化合物としては、例えば、ブチロラクトンを含有する(メタ)アクリレート、好ましくはブチロラクトンを官能基に有する(メタ)アクリルモノマーまたはオリゴマーを用いることができる。
紫外線硬化型樹脂組成物は、例えば、(メタ)アクリレートと、光重合開始剤とを含有している。また、紫外線硬化型樹脂組成物が、必要に応じて、光安定剤、難燃剤、レベリング剤および酸化防止剤などをさらに含有するようにしてもよい。
アクリレートとしては、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するモノマーおよび/またはオリゴマーを用いることが好ましい。このモノマーおよび/またはオリゴマーとしては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレートなどを用いることができる。ここで、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基およびメタアクリロイル基のいずれかを意味するものである。ここで、オリゴマーとは、分子量500以上60000以下の分子をいう。
光重合開始剤としては、公知の材料から適宜選択したものを使用できる。公知の材料としては、例えば、ベンゾフェノン誘導体、アセトフェノン誘導体、アントラキノン誘導体などを単独で、または併用して用いることができる。重合開始剤の配合量は、固形分中0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。0.1質量%未満であると、光硬化性が低下し、実質的に工業生産に適さない。一方、10質量%を超えると、照射光量が小さい場合に、塗膜に臭気が残る傾向にある。ここで、固形分とは、硬化後のハードコート層12を構成する全ての成分をいう。具体的には例えば、アクリレート、および光重合開始剤などを固形分という。
用いられる樹脂としては、誘電体形成時のプロセス温度でも変形が無く、クラックが発生しないようなものが好ましい。ガラス転移温度が低いと設置後、高温時に変形してしまったり、誘電体形成時に樹脂形状が変化してしまうため好ましくなく、ガラス転移温度が高いとクラックや界面剥がれが生じやすく好ましくない。具体的にはガラス転移温度が60度以上、150度以下が好ましく、80度以上、130度以下がより好ましい。
樹脂はエネルギー線照射や熱などによって構造を転写できるものが好ましく、ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂、熱可塑性樹脂などを使用できる。上述の屈折率の要求を満たすものであればどのような種類の樹脂を使用しても良い。
硬化収縮を低減するために、オリゴマーを添加してもよい。硬化剤としてポリイソシアネートなどを含んでもよい。また、第1の光学層4、および第2の光学層5との密着性を考慮して水酸基やカルボキシル基、リン酸基を有するような単量体、多価アルコール類、カルボン酸、シラン、アルミ、チタンなどのカップリング剤や各種キレート剤などを添加しても良い。
樹脂組成物が、架橋剤をさらに含んでいることが好ましい。この架橋剤としては、環状の架橋剤を用いることが特に好ましい。架橋剤を用いることで、室温での貯蔵弾性率を大きく変化させることなく、樹脂を耐熱化することができるからである。なお、室温での貯蔵弾性率が大きく変化すると、光学体1が脆くなり、ロール・ツー・ロール工程などによる光学体1の作製が困難となる。環状の架橋剤としては、例えば、ジオキサングリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸ジアクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸トリアクリレート、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレートなどを挙げることができる。
なお、上述したポリマーなどの含有量は、反射層3に含まれる誘電体層、または金属層などの性質に応じて任意に調整することができる。
第1の基材4a、または第2の基材5aは、第1の光学層4、または第2の光学層5より水蒸気透過率が低いことが好ましい。例えば、第1の光学層4をウレタンアクリレートのようなエネルギー線硬化型樹脂で形成する場合には、第1の基材4aを第1の光学層4より水蒸気透過率が低く、かつ、エネルギー線透過性を有するポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂により形成することが好ましい。これにより、入射面S1または出射面S2から反射層3への水分の拡散を低減し、反射層3に含まれる金属などの劣化を抑制することができる。したがって、光学フィルム1の耐久性を向上させることができる。なお、厚み75μmのPETの水蒸気透過率は、10g/m2/day(40℃、90%RH)程度である。
第1の光学層4および第2の光学層5の少なくとも一方が、極性の高い官能基を含み、その含有量が第1の光学層4と第2の光学層5とで異なることが好ましい。第1の光学層4と第2の光学層5との両方が、リン酸化合物(例えば、リン酸エステル)を含み、第1の光学層4と第2の光学層5とにおける上記リン酸化合物の含有量が異なることが好ましい。リン酸化合物の含有量は、第1の光学層4と第2の光学層5とにおいて、好ましくは2倍以上、より好ましくは5倍以上、さらに好ましくは10倍以上異なることが好ましい。
第1の光学層4、および第2の光学層5の少なくとも一方が、リン酸化合物を含む場合、反射層3は、リン酸化合物を含む第1の光学層4または第2の光学層5と接する面に、酸化物もしくは窒化物、酸窒化物を含むことが好ましい。反射層3は、リン酸化合物を含む第1の光学層4または第2の光学層5と接する面に、酸化亜鉛(ZnO)または酸化ニオブを含む層を有することが特に好ましい。これらの光学層と波長選択反射層などの反射層3との密着性が向上するためである。また、反射層3がAg等の金属を含む場合に、腐食防止効果が高いからである。また、この反射層は、Al、Gaなどのドーパントを含有していても良い。金属酸化物層をスパッタ法等で形成する場合に、膜質や平滑性が向上するからである。
第1の光学層4、および第2の光学層5の少なくとも一方が、光学体1や窓材10などに意匠性を付与する観点からすると、可視領域における特定の波長帯の光を吸収する特性を有することが好ましい。樹脂中に分散させる顔料は、有機系顔料および無機系顔料のいずれであってもよいが、特に顔料自体の耐候性が高い無機系顔料とすることが好ましい。具体的には、ジルコングレー(Co、NiドープZrSiO4)、プラセオジムイエロー(PrドープZrSiO4)、クロムチタンイエロー(Cr、SbドープTiO2またはCr、WドープTiO2)、クロムグリーン(Cr23など)、ピーコックブルー((CoZn)O(AlCr)23)、ビクトリアグリーン((Al、Cr)23)、紺青(CoO・Al23・SiO2)、バナジウムジルコニウム青(VドープZrSiO4)、クロム錫ピンク(CrドープCaO・SnO2・SiO2)、陶試紅(MnドープAl23)、サーモンピンク(FeドープZrSiO4)などの無機顔料、アゾ系顔料やフタロシアニン系顔料などの有機顔料が挙げられる。
(第2の光学層の屈折率)
上述したように、第2の光学層5は、反射層3が形成された第1の光学層4の第1の面(凹凸面)を包埋することにより、反射層3を保護するためのものである。第2の光学層の屈折率を所定の範囲とすることにより、光学体1に入射する光を入射面において屈折させ、反射層3に対する実質的な入射角度を緩和させることができる。また、入射光が空気/樹脂の界面で反射することによる指向性反射成分の減少を抑えることができる。したがって、反射層が形成される構造先端、例えば構造体がコーナーキューブ形状であった場合にはその稜線部に形状の崩れを有する場合においても、全体としての指向性反射成分を高く保持することができる。
第2の光学層5は、例えば、2層構造を有している。具体的には、第2の光学層5は、第2の基材5aと、第2の基材5aと反射層3との間に形成され、反射層3と密着する凹凸面を有する第2の樹脂層5bとを備える。なお、第2の光学層5の構成は、2層構造に限定されるものではなく、単層構造、または3層以上の構造とすることも可能である。
第2の基材5a、および第2の樹脂層5bの材料としてはそれぞれ、第1の基材4a、および第2の樹脂層4bと同様のものを用いることができるが、その屈折率が所定の範囲内のものとされていることが重要である。すなわち、第2の光学層の屈折率が1.1以上1.9以下であることが好ましく、1.4以上1.6以下であることがより好ましく、1.49以上1.55以下であることがより好ましい。第2の光学層の屈折率を上記範囲とすることが好ましい理由は、実施例の説明とあわせて後述する。
なお、第2の光学層を複層構造とする際には、それぞれの層間の屈折率差が、好ましくは0.010以下、より好ましくは0.008以下、さらに好ましくは0.005以下である。光学体1を窓材などの被着体に貼り合わせる構成とする場合にも、被着面側の光学層の屈折率と被着体の屈折率との差が上記範囲にあることが好ましい。
図6Aは、光学体1に入射した光が反射層3により反射される様子を示した断面模式図である。図6Bは、空気/樹脂の界面で屈折した光が反射層3により反射される様子を示した略線図である。
図6Aにおいて、被着体や粘着層等は図示を省略しており、入射面S1は、光学体1と空気との界面であるとしている。ここでは図の左側が鉛直上方であるものとして説明を行うが、本実施の形態はこの例に限定されない。例えば、光学体1を傾斜した屋根に適用した場合には、図6Aの左側が斜め上方であるとしてもよいし、光学体1を天窓などに適用した場合には、光学体1が略水平方向を向いているものとしてもよい。
光学体1から出射される光の上方反射(指向性反射)率Ruおよび下方反射率Rdは、以下に説明するようにして求めることができる。
いま、入射角θ0で光Lが光学体1に入射したとする。光Lの一部は、空気/樹脂の界面で反射し、残りの成分は屈折角θ1の角度で屈折して反射層3へ向かう。反射層3へ向かった光の一部は反射層3において光学体の下方に向けて反射され、残りの成分は指向反射される。指向反射された光は再び空気/樹脂の界面に向かい、空気/樹脂の界面で屈折して光学体の上方に向けて出射される。一方、反射層3で指向反射されなかった成分は、空気/樹脂の界面で屈折して光学体の下方(図6Aの右側)に向けて出射されることになる。
したがって、上方反射成分は、光Lのうち反射層3で指向反射された成分であり、下方反射成分は、空気/樹脂の界面で反射した成分と反射層3で指向反射されなかった成分との和ということができる。なお、本明細書でいう上方反射とは、図6Aにおいて、光学体からの出射光Luの出射角度θuが0°以上90°以下のものを指す。
空気/樹脂の界面におけるエネルギー反射率は、いわゆるフレネルの反射率の公式によって計算される。
Figure 0006074128
Figure 0006074128
Γs:エネルギー反射率(S波)
Γp:エネルギー反射率(P波)
0:空気の屈折率(n0=1.0)
1:第2の光学層の屈折率
空気/樹脂の界面反射の成分の大きさは、Γs,Γpの算術平均Γ(以下、フレネル反射率と称する。)から見積もることができる。一方、光学体に入射する光のうち、空気/樹脂の界面で反射しなかった成分の割合、言い換えれば、空気/樹脂の界面で屈折した後に反射層3に向かう成分の割合は(1−Γ)と考えられる。
反射層3に入射する光のうち指向反射される光の割合、すなわち、反射層3における指向反射率をReとすると、光学体の上方から入射した光のうち、再び上方に向かって光学体から出射される光の割合(上方反射率Ru)はRe×(1−Γ)と表わされ、下方に向かって出射される光の割合は(1−Re)×(1−Γ)と表わされる。
以上から、光学体1の上方反射率Ru、下方反射率Rdは、それぞれ以下の式(3)および(4)で表わすことができる。
Figure 0006074128
Figure 0006074128
図7に、フレネル反射率Γと、第2の光学層の屈折率n1との関係を示す。図7に示すように、n1が大きくなるにつれて、Γは増加する。これは、入射した光Lのうち、空気/樹脂の界面で正反射する成分を抑えることだけを考えた場合には、第2の光学層の屈折率n1が1.0に近い方がよいことを示している。
一方、反射層3における指向反射率Reを増加させるには、反射層に向かう光を形状内の各面で確実に複数回反射させることが望ましい。このためには、反射層が仮に入射面と平行な平面であるとしたときの入射角、すなわち、空気/樹脂の界面における屈折角θ1を小さくする方がよい。
屈折角θ1は、いわゆるスネルの法則によって計算される。
Figure 0006074128
0=1.0とし、θ0を固定した場合において、屈折角θ1を小さくするには第2の光学層の屈折率n1を大きくした方がよいことが分かる。
上述したことをまとめると、光学体の指向性反射性能を低下させる下方反射の成分としては、空気/樹脂の界面における反射および反射層における下方反射の2つが影響すると考えることができる。前者の寄与を小さくするには、第2の光学層の屈折率n1が空気の屈折率に近い方がよく、後者の寄与を小さくするには、第2の光学層の屈折率n1がなるべく大きい方がよい。これらのことから、第2の光学層の屈折率は、光学体の指向性反射性能を決めるパラメータのひとつとなっている。
「反射層」
反射層は、例えば、入射角(θ、φ)で入射面に入射した光のうち、特定波長帯の光を指向反射するのに対して、特定波長帯以外の光を透過する波長選択反射層、入射角(θ、φ)で入射面に入射した光を指向反射する反射層、または散乱が少なく反対側を視認できる透明性を有する半透過層である。波長選択反射層は、例えば、積層膜、透明導電層、または機能層である。また、積層膜、透明導電層、および機能層を2以上組み合わせて波長選択層としてもよい。反射層3の平均層厚は、好ましくは20μm、より好ましくは5μm以下、さらに好ましくは1μm以下である。反射層3の平均層厚が20μmを超えると、透過光が屈折する光路が長くなり、透過像が歪んで見える傾向がある。反射層の形成方法としては、例えば、スパッタ法、蒸着法、ディップコーティング法、ダイコーティング法などを用いることができる。
以下、積層膜、透明導電層、機能層、および半透過層について順次説明する。
(積層膜)
積層膜は、例えば、屈折率の異なる低屈折率層および高屈折率層を交互に積層してなる積層膜である。または、赤外領域において反射率の高い金属層、反射層の劣化を防止する酸化金属保護層、可視領域において屈折率が高く反射防止層として機能する高屈折率層を積層したものである。高屈折率層としては、光学透明層、または透明導電層を用いることができる。積層膜の構成は、金属層の上に酸化金属層、その上に高屈折率層と積層する事により、繰り返し積層しても良い。
赤外領域において反射率の高い金属層は、例えば、Au、Ag、Cu、Al、Ni、Cr、Ti、Pd、Co、Si、Ta、W、Mo、Geなどの単体、またはこれらの単体を2種以上含む合金を主成分とする。そして、実用性の面を考慮すると、これらのうちのAg系、Cu系、Al系、Si系またはGe系の材料が好ましい。また、金属層の材料として合金を用いる場合には、金属層は、AlCu、AlTi、AlCr、AlCo、AlNdCu、AlMgSi、AgPdCu、AgPdTi、AgCuTi、AgPdCa、AgPdMg、AgPdFe、AgNdCu、AgBi、AgまたはSiBなどを主成分とすることが好ましい。また、金属層の腐食を抑えるために、金属層に対してTi、Ndなどの材料を添加することが好ましい。特に、金属層の材料としてAgを用いる場合には、上記材料を添加することが好ましい。
また、波長選択金属層の膜厚は6〜30nmとするのが好ましく、7〜25nmとするのが更に好ましく、8〜20nmとするのがより好ましい。6nm未満では反射層の金属がアイランド状や粒状になる事により反射機能の低下が生じ、30nm以上になると透過率の低下が生じる。
酸化金属保護層としては、例えば、ZnO系のZnO、GAZO、AZO、GZOなどの酸化金属を3〜30nmとするのが好ましく、4〜20nmとするのが更に好ましく、5〜15nmとするのがより好ましい。3nm未満では選択反射金属層の劣化が生じやすく、30nm以上ではクラックが生じやすい。酸化金属保護層の製膜は、酸化物ターゲットを使用し、直流パルススパッタ法またはMFデュアルスパッタ法、RFスパッタ法によりArガスのみで行うことが好ましい。
高屈折率層は、例えば、金属の酸化物を主成分とする層である。金属の酸化物として、例えば酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化チタンなどの高誘電体を主成分とし、例えば五酸化ニオブや五酸化タンタル、酸化チタンなどの酸化金属層を10〜80nmとするのが好ましく、10〜100nmとするのが更に好ましく、10〜120nmとするのがより好ましい。膜厚が10nm未満であると、可視光が反射しやすくなる傾向がある。一方、膜厚が120nmを超えると、透過率の低下やクラックが発生しやすくなる傾向がある。
また、積層膜に含まれる高屈折率層の屈折率は、1.7以上2.6以下の範囲内であることが好ましい。より好ましくは1.8以上2.6以下、更に好ましくは1.9以上2.6以下である。これにより、クラックが発生しない程度の薄い膜で可視光領域での反射防止が実現できるからである。ここで、屈折率は、波長550nmにおけるものである。
なお、積層膜は、無機材料からなる薄膜に限定されるものではなく、高分子材料からなる薄膜や高分子中に微粒子などを分散した層を積層して構成してもよい。
(透明導電層)
透明導電層は、可視領域において透明性を有する導電性材料を主成分とする透明導電層である。透明導電層は、例えば、酸化錫、酸化亜鉛、カーボンナノチューブ含有体、インジウムドープ酸化錫、インジウムドープ酸化亜鉛、アンチモンドープ酸化錫などの透明導電物質を主成分とする。もしくはこれらのナノ粒子や金属などの導電性を持つ材料のナノ粒子、ナノロッド、ナノワイヤーを樹脂中に高濃度に分散させた層を用いても良い。
(機能層)
機能層は、外部刺激により反射性能などが可逆的に変化するクロミック材料を主成分とする。クロミック材料は、例えば、熱、光、侵入分子などの外部刺激により構造を可逆的に変化させる材料である。クロミック材料としては、例えば、フォトクロミック材料、サーモクロミック材料、ガスクロミック材料、エレクトロクロミック材料を用いることができる。
フォトクロミック材料とは、光の作用により構造を可逆的に変化させる材料である。フォトクロミック材料は、例えば紫外線などの光照射により、反射率や色などの様々な物性を可逆的に変化させることができる。フォトクロミック材料としては、例えばCr、Fe、NiなどをドープしたTiO2、WO3、MoO3、Nb25などの遷移金属酸化物を用いることができる。また、これらの層と屈折率の異なる層を積層することで波長選択性を向上させることもできる。
サーモクロミック材料とは、熱の作用により構造を可逆的に変化させる材料である。フォトクロミック材料は、加熱により、反射率や色などの様々な物性を可逆的に変化させることができる。サーモクロミック材料としては、例えばVO2などを用いることができる。また、転移温度や転移カーブを制御する目的で、W、Mo、Fなどの元素を添加することもできる。また、VO2などのサーモクロミック材料を主成分とする薄膜を、TiO2やITOなどの高屈折率体を主成分とする反射防止層で挟んだ積層構造としてもよい。
または、コレステリック液晶などのフォトニックラティスを用いることもできる。コレステリック液晶は層間隔に応じた波長の光を選択的に反射することができ、この層間隔は温度によって変化するため、加熱により、反射率や色などの物性を可逆的に変化させることができる。この時、層間隔の異なるいくつかのコレステリック液晶層を用いて反射帯域を広げることも可能である。
エレクトロクロミック材料とは、電気により、反射率や色などの様々な物性を可逆的に変化させることができる材料である。エレクトロクロミック材料としては、例えば、電圧の印加により構造を可逆的に変化させる材料を用いることができる。より具体的には、エレクトロクロミック材料としては、例えば、プロトンなどのドープまたは脱ドープにより、反射特性が変わる反射型調光材料を用いることができる。反射型調光材料とは、具体的には、外部刺激により、光学的な性質を透明な状態と、鏡の状態、および/またはその中間状態に制御することができる材料である。このような反射型調光材料としては、例えば、マグネシウムおよびニッケルの合金材料、マグネシウムおよびチタンの合金材料を主成分とする合金材料、WO3やマイクロカプセル中に選択反射性を有する針状結晶を閉じ込めた材料などを用いることができる。
具体的な機能層の構成としては、例えば、第2の光学層上に、上記合金層、Pdなどを含む触媒層、薄いAlなどのバッファー層、Ta25などの電解質層、プロトンを含むWO3などのイオン貯蔵層、透明導電層が積層された構成を用いることができる。または、第2の光学層上に透明導電層、電解質層、WO3などのエレクトロクロミック層、透明導電層が積層された構成を用いることができる。これらの構成では、透明導電層と対向電極の間に電圧を印加することにより、電解質層に含まれるプロトンが合金層にドープまたは脱ドープされる。これにより、合金層の透過率が変化する。また、波長選択性を高めるために、エレクトロクロミック材料をTiO2やITOなどの高屈折率体と積層することが望ましい。また、その他の構成として、第2の光学層上に透明導電層、マイクロカプセルを分散した光学透明層、透明電極が積層された構成を用いることができる。この構成では、両透明電極間に電圧を印加することにより、マイクロカプセル中の針状結晶が配向した透過状態にしたり、電圧を除くことで針状結晶が四方八方を向き、波長選択反射状態にすることができる。
(半透過層)
半透過層は、半透過性の反射層である。半透過性の反射層としては、例えば、半導体性物質を含む薄い金属層、金属窒化層などが挙げられ、反射防止、色調調整、化学的濡れ性向上、または環境劣化に対する信頼性向上などの観点からすると、上記反射層を酸化層、窒化層、または酸窒化層などと積層した積層構造とすることが好ましい。
可視領域および赤外領域において反射率の高い金属層として、例えばAu、Ag、Cu、Al、Ni、Cr、Ti、Pd、Co、Si、Ta、W、Mo、Geなどの単体、またはこれらの単体を2種以上含む合金を主成分とする材料が挙げられる。そして、実用性の面を考慮すると、これらのうちのAg系、Cu系、Al系、Si系またはGe系の材料が好ましい。また、金属層の腐食を抑えるために、金属層に対してTi、Ndなどの材料を添加することが好ましい。また金属窒化層としては、例えば、TiN、CrN、WNなどが挙げられる。
半透過層の膜厚は、例えば、2nm以上40nm以下の範囲とすることが可能であるが、可視領域および近赤外領域において半透過性を有する膜厚であればよく、これに限定されるものではない。ここで、半透過性とは、波長500nm以上1000nm以下における透過率が5%以上70%以下、好ましくは10%以上60%以下、更に好ましくは15%以上55%以下であることを示す。また、半透過層とは、波長500nm以上1000nm以下における透過率が5%以上70%以下、好ましくは10%以上60%以下、更に好ましくは15%以上55%以下である反射層を示す。
[光学体の機能]
図8A、図8Bは、光学体の機能の一例を説明するための断面図である。ここでは、例として、構造体の断面形状が傾斜角45°のプリズム形状である場合を例として説明する。図8Aに示すように、この光学体1に入射した太陽光のうち近赤外線L1の一部は、入射した方向と同程度の上空方向に指向反射するのに対して、可視光L2は光学体1を透過する。
また、図8Bに示すように、光学体1に入射し、反射層3の反射層面で反射された光は、入射角度に応じた割合で、上空反射する成分Luと、上空反射しない成分Ldとに分離する。そして、上空反射しない成分Ldは、第2の光学層4と空気との界面で全反射した後、最終的に入射方向とは異なる方向に反射する。
光の入射角度をθ0、第2の光学層5の屈折率をn1、反射層3の反射率をRとすると、全入射成分に対する上空反射成分Luの割合Ruは、空気の屈折率をn0=1.0として、以下の式(6)で表すことができる。なお、θ1は、空気と第2の光学層5との界面における屈折角である。
Ru=(sin(45−θ1)+cos(45−θ1)/tan(45+θ1))/(sin(45−θ1)+cos(45−θ1))×R2 ・・・(6)
但し、θ1=sin-1(sinθ0/n1)
すなわち、第2の光学層5の屈折率n1を固定して考えた場合には、光学体に入射する光の入射角度θ0が増加すると、上方反射成分の割合Ruが減少する。逆にいえば、θ0の増加に伴うRuの減少を低減するためには、反射層への実効的な入射角度を抑えること、すなわち第2の光学層5の屈折率n1をなるべく大きくすることが、θ0の増加に伴うRuの減少の防止に対して有効である。
また、上空反射しない成分Ldの割合が多くなると、入射光が上空反射する割合が減少する。上空反射の割合を向上させるためには、反射層3の形状、すなわち、第1の光学層4の構造体4cの形状を工夫することが有効である。
図9Aは、コーナーキューブが形成された第1の光学層4の一部を模式的に示す斜視図である。図9Bは、第1の光学層4にコーナーキューブが形成された光学体1の断面模式図である。図9に示すように、コーナーキューブの稜線に理想形状からの崩れがなければ、上述の議論がそのまま適用できるが、製造工程上の理由から、設計値通りの形状を形成することが困難な場合がある。
図10Aは、理想形状からの崩れを有するコーナーキューブが形成された第1の光学層4の一部を模式的に示す斜視図である。図10Bは、第1の光学層4に理想形状からの崩れを有するコーナーキューブが形成された光学体1の断面模式図である。図10Aに示すような、本来は断面が略三角形状であるはずのコーナーキューブの稜線部に理想形状からの崩れが存在すると、上空に反射する成分が減少する。すなわち、図10Bに示すように、稜線部に理想形状からの崩れがなかった場合に上空に反射されていた成分Luのうちの一部は、稜線部で下方に向けて反射されてしまう。このように、稜線部の理想形状からの崩れの存在は、上空反射しない成分Ldの割合を増加させる要因となる。そのため、上述したような理想形状からの崩れの影響を低減させることが重要である。
[光学体の貼り合わせ方法]
図11A、図11Bは、本発明の第1の実施形態に係る光学体の貼り合わせ方法の一例を説明するための略線図である。ビルディングなどの近年の高層建築物に設けられた窓材10は、横幅に比べて縦幅の方が大きい矩形状のものが一般的である。したがって、以下では、このような形状を有する窓材10に対して光学体1を貼り合わせる例について説明する。
まず、ロール状に巻回された光学体(いわゆる原反)1から、帯状の光学体1を巻き出し、貼り合わせる窓材10の形状に合わせて適宜裁断し、矩形状の光学体1を得る。この矩形状の光学体1は、図11Aに示すように、対向する1組みの長辺Laと、対向する1組みの短辺Lbとを有する。矩形状の光学体1の長辺Laと、光学体1の入射面内におけるコーナーキューブの稜線lcとが略平行となっている。すなわち、矩形状の光学体1の長手方向DLと、光学体1の入射面内におけるコーナーキューブの稜線lcの方向とが略平行となっている。
次に、裁断した光学体1の一方の短辺Lbを、矩形状の窓材10の上端に位置する短辺10aに位置合わせする。次に、矩形状の光学体1を貼合層6などを介して窓材10の上端から下端に向かって順次貼り合わせる。これにより、光学体1の他方の短辺Lbが、矩形状の窓材10の他端に位置する短辺10bに位置合わせされる。次に、必要に応じて、窓材10に貼り合わされた光学体1の表面を押圧などして、窓材10と光学体1との間に混入した気泡を脱気する。以上により、光学体1の入射面内におけるコーナーキューブの稜線lcと、高層建築物などの建築物の高さ方向DHとが略平行となるように、矩形状の光学体1が窓材10に貼り合わされる。
[光学体の製造装置]
図12は、本発明の第1の実施形態に係る光学体を製造するための製造装置の一構成例を示す概略図である。図12に示すように、この製造装置は、基材供給ロール51、光学層供給ロール52、巻き取りロール53、ラミネートロール54、55、ガイドロール56〜60、塗布装置61、および照射装置62を備える。
基材供給ロール51および光学層供給ロール52はそれぞれ、帯状の基材5aおよび帯状の反射層付き光学層9がロール状に巻かれ、ガイドロール56、57などにより基材5aおよび反射層付き光学層9を連続的に送出できるように配置されている。図中の矢印は、基材5aおよび反射層付き光学層9が搬送される方向を示す。反射層付き光学層9は、反射層3が形成された第1の光学層4である。
巻き取りロール53は、この製造装置により作製された帯状の光学体1を巻き取りできるように配置されている。ガイドロール56〜60は、帯状の反射層付き光学層9、帯状の基材5a、および帯状の光学体1を搬送できるように、この製造装置内の搬送路に配置されている。ラミネートロール54、55およびガイドロール56〜60の材質は特に限定されるものではなく、所望とするロール特性に応じてステンレスなどの金属、ゴム、シリコーンなどを適宜選択して用いることができる。
塗布装置61は、例えば、コーターなどの塗布手段を備える装置を用いることができる。コーターとしては、例えば、塗布する樹脂組成物の物性などを考慮して、グラビア、ワイヤバー、およびダイなどのコーターを適宜使用することができる。照射装置62は、例えば、電子線、紫外線、可視光線、またはガンマ線などの電離線を照射する照射装置である。
図13は、図12におけるK部を拡大して示した図である。ラミネートロール54、55は、反射層付き光学層9と、第2の基材5aとをニップ可能に構成されている。ここで、反射層付き光学層9は、第1の光学層4の一主面上に反射層3を成膜したものである。なお、反射層付き光学層9として、第1の光学層4の反射層3が成膜された面と反対側の他主面上に第1の基材4aが形成されていてもよい。この例では、第1の光学層4の一主面上に反射層3が成膜され、他主面上に第1の基材4aが形成された場合が示されている。
[光学体の製造方法]
以下、図12および図14〜図16を参照して、本発明の第1の実施形態に係る光学体の製造方法の一例について説明する。なお、以下に示す製造プロセスの一部または全部は、生産性を考慮して、ロール・ツー・ロールにより行われることが好ましい。但し、金型の作製工程は除くものとする。
まず、図14Aに示すように、例えばバイト加工またはレーザー加工などにより、構造体4cと同一の凹凸形状の金型、またはその金型の反転形状を有する金型(レプリカ)21を形成する。次に、図14Bに示すように、例えば溶融押し出し法または転写法などを用いて、上記金型の凹凸形状をフィルム状の樹脂材料に転写する。転写法としては、型にエネルギー線硬化型樹脂を流し込み、エネルギー線を照射して硬化させる方法、樹脂に熱や圧力を加え、形状を転写する方法、または樹脂フィルムをロールから供給し、熱を加えながら型の形状を転写する方法(ラミネート転写法)などが挙げられる。これにより、図14Cに示すように、一主面に構造体4cを有する第1の光学層4が形成される。なお、樹脂は、架橋剤をさらに含んでいることが好ましい。室温での貯蔵弾性率を大きく変化させることなく、樹脂を耐熱化することができるからである。
次に、図15Aに示すように、その第1の光学層4の一主面上に反射層3を成膜する。反射層3の成膜方法としては、例えば、スパッタリング法、蒸着法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、ディップコーティング法、ダイコーティング法、ウェットコーティング法、スプレーコーティング法などが挙げられ、これらの成膜方法から、構造体4cの形状などに応じて適宜選択することが好ましい。次に、図15Bに示すように、必要に応じて、反射層3に対してアニール処理31を施す。アニール処理の温度は、例えば100℃以上250℃以下の範囲内である。
次に、図15Cに示すように、未硬化状態の樹脂22を反射層3上に塗布する。樹脂22としては、例えば、エネルギー線硬化型樹脂、または熱硬化型樹脂などを用いることができる。エネルギー線硬化型樹脂としては、紫外線硬化樹脂が好ましい。次に、図16Aのように、樹脂22上に第2の基材5aを被せることにより、積層体を形成する。次に、図16Bに示すように、例えばエネルギー線32または加熱32により樹脂22を硬化させるとともに、積層体に対して圧力33を加える。エネルギー線としては、例えば、電子線、紫外線、可視光線、ガンマ線、電子線などを用いることができ、生産設備の観点から、紫外線が好ましい。積算照射量は、樹脂の硬化特性、樹脂や基材5aの黄変抑制などを考慮して適宜選択することが好ましい。積層体に加える圧力は、0.01MPa以上1MPa以下の範囲内であることが好ましい。0.01MPa未満であると、フィルムの走行性に問題が生じる。一方、1MPaを超えると、ニップロールとして金属ロールを用いる必要があり、圧力ムラが生じ易く好ましくない。以上により、図16Cに示すように、反射層3上に第2の光学層5が形成され、光学体1が得られる。
ここで、図12に示す製造装置を用いて、第2の光学層の形成方法について具体的に説明する。まず、基材供給ロール51から基材5aを送出し、送出された基材5aは、ガイドロール56を経て塗布装置61の下を通過する。次に、塗布装置61の下を通過する基材5a上に、塗布装置61により電離線硬化樹脂を塗布する。次に、電離線硬化樹脂が塗布された基材5aをラミネートロールに向けて搬送する。一方、光学層供給ロール52から反射層付き光学層9を送出し、ガイドロール57を経てラミネートロール54、55に向けて搬送する。
次に、基材5aと反射層付き光学層9との間に気泡が入らないように、搬入された基材5aと反射層付き光学層9とをラミネートロール54、55により挟み合わせ、基材5aに対して反射層付き光学層9をラミネートする。次に、反射層付き光学層9によりラミネートされた基材5aを、ラミネートロール55の外周面に沿わせながら搬送するとともに、照射装置62により基材5a側から電離線硬化樹脂に電離線を照射し、電離線硬化樹脂を硬化させる。これにより、基材5aと反射層付き光学層9とが電離線硬化樹脂を介して貼り合わされ、目的とする長尺の光学体1が作製される。次に、作製された帯状の光学体1をロール58、59、60を介して巻き取りロール53に搬送し、光学体1を巻き取りロール53により巻き取る。これにより、帯状の光学体1が巻回された原反が得られる。
硬化した第1の光学層4は、上述の第2の光学層形成時のプロセス温度をt℃としたときに、(t−20)℃における貯蔵弾性率が3×107Pa以上であることが好ましい。ここで、プロセス温度tとは、例えば、ラミネートロール55の加熱温度である。第1の光学層4は、例えば、第1の基材4a上に設けられ、第1の基材4aを介してラミネートロール55に沿うように搬送されるため、実際に第1の光学層4にかかる温度は、経験的に(t−20)℃程度であることが分かっている。したがって、第1の光学層4の(t−20)℃における貯蔵弾性率を3×107Pa以上にすることにより、熱、または熱と加圧とにより光学層内部の界面の凹凸形状が変形することを抑制することができる。
また、第1の光学層4は、25℃での貯蔵弾性率が3×109Pa以下であることが好ましい。これにより、室温において可撓性を光学体に付与することができる。したがって、ロール・ツー・ロールなどの製造工程により光学体1を作製することが可能となる。
なお、プロセス温度tは、光学層または基材の使用樹脂の耐熱性を考慮すると、200℃以下であることが好ましい。ただし、耐熱性の高い樹脂を用いることにより、プロセス温度tを200℃以上に設定することも可能である。
[ロール状原盤の構成]
図17Aは、ロール状原盤の概観を示す斜視図である。図17Bは、図17Aに示した領域Rを拡大して示す拡大平面図である。ロール状原盤43は円柱面を有し、その円柱面には凹凸面が形成されている。この凹凸面をフィルムなどに転写することにより、第1の光学層4の凹凸面が成形される。ロール状原盤43の凹凸面は、コーナーキューブ形状を有する凸部である構造体43aを多数配列することにより形成されている。ロール状原盤43の構造体43aの形状は、第1の光学層4の構造体4cの凹形状を反転して凸形状としたものである。
凸部である構造体43cは、三角形状を有する底面81と、三角形状を有する3つの傾斜面82とを有するコーナーキューブ形状の構造体である。隣り合う構造体43aの傾斜面によって、溝部83a、83b、83cが形成されている。これらの溝部83a、83b、83cは、ロール状原盤43の円柱面内において3つの方向(以下溝方向と適宜称する。)a、b、cに向かって形成されている。3つの溝方向a、b、cのうち、1つの溝方向cは、ロール状原盤43のラジアル方向DRと略平行の関係にある。このロール状原盤43により第1の光学層4の凹凸面を成形することにより、図5に示すように、帯状の光学体1の長手方向DLと略平行な方向に稜線73cを形成することができる。
上述のようにして、本発明の実施の形態にかかる光学体を得ることができる。ここで、構造先端の理想形状からの崩れの発生の要因として、例えば、以下のものが挙げられる。
金型製作時におけるバイトの摩耗による構造先端のなまり
金型の凹凸形状をフィルム状の樹脂材料に転写する際の不完全な転写
ロールに巻きつけることによる巻きしまり
これら工程上の問題から発生する、構造先端の理想形状からの崩れの発生および理想形状からの崩れの大きさの増加を防止することは実際上困難である。
本発明の発明者らは、上述したような構造先端の理想形状からの崩れが存在した場合でも、反射層を樹脂により包埋し、該包埋樹脂の屈折率をコントロールすることにより、入射光に対する上方反射率の低下を抑制できることを見出した。以下、試験例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの試験例のみに限定されるものではない。
(試験例1)
図18Aおよび図18Bは、試験例1のシミュレーション条件を説明するための略線図である。
ORA(Optical Research Associates)社製照明設計解析ソフトウェアLight Toolsを用いて、以下のシミュレーションを行い、上方反射率を求めた。
まず、コーナーキューブパターンが最稠密充填された指向反射面SCCPを設定した。
以下に、指向反射面SCCPの設定条件を示す。
コーナーキューブのピッチ:100μm
コーナーキューブの頂角の角度:90°
次に、光源Pとして仮想太陽光源(色温度6500K)を設定し、入射角(θ0,φ)=(0°,0°)の方向から光を指向反射面SCCPに入射させ、入射角(θ0,φ)=(0°,0°)〜(70°,0°)の範囲内でθ0を10°ずつ上げていった。
なお、上方反射率は以下の式(7)により定義される。
上方反射率Ru=[(上方向の反射光パワーの総計)/(入射光パワーの総計)]×100 ・・・(7)
但し、入射光のパワー=(上方向の反射光のパワー)+(下方向の反射光のパワー)
上方向:反射角(θ,φ)=(θ、270°)〜(θ、90°)
下方向:反射角(θ,φ)=(θ、90°)〜(θ、270°)
但し、φ=90°、270°の方向は、上方向に含むものとする。入射角θ0は、0°≦θ0≦90°の範囲である。
図19Aは、上述のシミュレーションにより求められた上方反射率を示すグラフである。図19Aは、反射層が樹脂により包埋されていないとし、指向反射面SCCPの構造先端の理想形状からの崩れCrを0、1.46、3.43、7.87(μm)とした各場合についての上方反射率Ruを示している。横軸は包埋樹脂が存在するとした場合の光の屈折角θ1として表した。なお、本試験例においては、反射層が樹脂により包埋されていないため、ここでいう上方反射率Ruは、フレネル反射率Γ=0の場合にあたる。
(試験例2)
反射層が屈折率n1=1.53の樹脂により包埋されているとの設定をする以外は、試験例1とすべて同様にして、上方反射率を求めた。
図19Bは、上述のシミュレーションにより求められた上方反射率を示すグラフである。図19Bは、指向反射面SCCPの構造先端の理想形状からの崩れCrを0、1.46、3.43、7.87(μm)とした各場合についての上方反射率Ruを示している。なお、横軸は屈折角θ1として表し、縦軸は上方反射率とした。
反射層を樹脂により包埋しない場合と比較して、理想形状からの崩れCrの増加に対する上方反射率の低下が抑制されていることがわかる。すなわち、構造上に形成された反射層を樹脂により包埋することは、構造先端の理想形状からの崩れによる上方反射率の低下の防止に有効である。
第2の樹脂層の屈折率の説明において述べたように、反射層を包埋する樹脂、すなわち第2の樹脂層5の屈折率n1は、光学体の指向性反射性能を低下させる下方反射の成分の大きさに影響する。したがって、第2の樹脂層の屈折率n1を調節することにより、上方反射率の低下を防止することができる。
(試験例3)
理想形状からの崩れCrおよび包埋樹脂の屈折率n1を変化させたときの上方反射率Ruに対する影響を調べるため、サンプル1〜サンプル9を準備した。
ORA(Optical Research Associates)社製照明設計解析ソフトウェアLight Toolsを用いて、以下のシミュレーションを行い、上方反射率Ruを求めた。
まず、コーナーキューブパターンが最稠密充填された指向反射面SCCPを設定した。
以下に、指向反射面SCCPの設定条件を示す。
コーナーキューブのピッチ:100μm
コーナーキューブの頂角の角度:90°
光学体に対する入射光の入射角度をθ0=60°とし、式(5)により、各θ1から屈折率n1をそれぞれ求めた。
各n1およびCrに対してシミュレーションを行い、指向反射率Reとして、表1に示す結果を得た。なお、θ1=35°に対しては、θ1=30°および40°のときのReの算術平均を用いた。
Figure 0006074128
ここで、上に得られた結果は、空気/樹脂の界面における反射の影響が考慮されていないものである。次に、空気/樹脂の界面における反射の影響を考慮するため、θ1およびn1の値を用い、式(1)および(2)から、Γを求めた。Γから(1−Γ)を求めた。表2に、その計算結果を示す。
Figure 0006074128
さらに、表1および表2の結果から、空気/樹脂の界面における反射の影響をとり込んだ上方反射率RuとしてRe×(1−Γ)を計算した。その結果を表3および図20に示す。表3において、例えば、(n1,Cr)=(1.35,3.43)のRu=83%という値は、表1における(n1,Cr)=(1.35,3.43)のRの値である88%と、表2におけるn1=1.35のときの(1−Γ)の値0.9376とを掛け合わせたものである。
Figure 0006074128
(光学体の評価)
光学体の上方反射率Ruとしては、70%以上を確保することが好ましい。また、本発明の発明者らの経験上、製造工程に起因する理想形状からの崩れCrは、大きくともおよそ6.5μmの程度である。これらのことから、反射層を包埋する樹脂の屈折率として、1.1以上1.9以下とすることが好ましい。このときの理想形状からの崩れCrは、コーナーキューブのピッチPの6.5%となっている。
配置ピッチに対する、理想形状からの崩れCrが10%を超えると、光学体の性能の悪化も顕著になってくる。図20において、Crが10.0以下の範囲に着目すると、n1が1.4以上1.6以下の範囲であれば、Ruの値の変化が小さく、Ruを65%より大きくできる。
表4および図21は、各サンプルについて、Cr=0.00における上方反射率を基準としたときの損失分Dを示したものである。表4において、例えば、(n1,Cr)=(1.35,3.43)のD=11%という値は、表3における(n1,Cr)=(1.35,0.00)のRuの値である94%から、(n1,Cr)=(1.35,3.43)のRu=83%を引いて得たものである。
Figure 0006074128
表5および図22は、各サンプルについて、Cr=0.00における上方反射率を基準としたときの比Raを示したものである。表5において、例えば、(n1,Cr)=(1.35,3.43)のRa=88%という値は、表3における(n1,Cr)=(1.35,3.43)のRuの値である83%を、(n1,Cr)=(1.35,0.00)のRu=94%で割って得たものである。
Figure 0006074128
図21において、Dの値が小さいほど光学体の性能がよいことを示すが、Crが10.0以下の範囲に着目すると、n1が1.49以上であれば、Dを25%以下とすることができる。また、図22において、Raの値が大きいほど光学体の性能がよいことを示すが、Crが10.0以下の範囲に着目すると、n1が1.49以上であれば、Raを70%以上とすることができる。
また、図20によれば、n1が大きくなるにつれてRuの値が小さくなっていく傾向があり、理想形状からの崩れCrが小さいほど、この傾向が強い。ここで、n1が1.55以下であれば、理想形状からの崩れCrが小さい場合でも、高い性能(例えば、完全な理想形状の場合、すなわちCr=0.00でRuが90%以上)を確保できることが分かる。したがって、工程による構造先端の形状の崩れ量の予測が難しい場合でも、ロバスト性を持った材料選定が可能である。
上記のとおり、反射層を包埋する樹脂の屈折率をコントロールすることにより、構造先端の理想形状からの崩れが発生しても、光学体の指向性反射性能の低下を抑制することができる。すなわち、構造体の理想形状からの崩れCrが、コーナーキューブのピッチPの6.5%以下のとき、反射層を包埋してなる第2の光学体の樹脂の屈折率を1.1以上1.9以下とすれば、70%以上の上方反射率を確保することができる。
<変形例>
以下、上記実施形態の変形例について説明する。
[第1の変形例]
図23は、本発明の第1の実施形態の第1の変形例を示す斜視図である。なお、この図においては、第2の光学層を除いて図示してある。図23に示すように、本例では第1の光学層4に形成される構造体4cとして、四角錐形状の凹部を一単位とするほぼ周期的な構造が設けられている。このように、コーナーキューブ以外の形状を採用してもよい。
[第2の変形例]
図24Aは、本発明の本発明の第1の実施形態の第2の変形例を示す断面図である。図24Aに示すように、第1の光学層4は、樹脂と微粒子81とを含んでいる。微粒子81は、第1の光学層4の主構成材料である樹脂とは異なる屈折率を有している。微粒子81としては、例えば、例えば有機微粒子および無機微粒子の少なくとも1種を用いることができる。また、微粒子81としては、中空微粒子を用いてもよい。微粒子11としては、例えば、シリカ、アルミナなどの無機微粒子、スチレン、アクリル、やそれらの共重合体などの有機微粒子が挙げられるが、シリカ微粒子が特に好ましい。
[第3の変形例]
図24Bは、本発明の第1の実施形態の第3の変形例を示す断面図である。図24Bに示すように、光学体1は、第1の光学層4の表面に光拡散層82をさらに備えている。光拡散層82は、例えば、樹脂と微粒子とを含んでいる。微粒子としては、図24Aの例と同様のものを用いることができる。
[第4の変形例]
図24Cは、本発明の第1の実施形態の第4の変形例を示す断面図である。図24Cに示すように、光学体1は、反射層3と第1の光学層4との間に光拡散層82をさらに備えている。光拡散層82は、例えば、樹脂と微粒子とを含んでいる。微粒子としては、図24Aの例と同様のものを用いることができる。
第2ないし第4の変形例によれば、赤外線などの特定波長帯の光を指向反射し、可視光などの特定波長対以外の光を散乱させることができる。したがって、光学体1を曇らせて、光学体1に対して意匠性を付与することができる。
[第5の変形例]
図25は、本発明の第1の実施形態の第5の変形例を示す断面図である。第5の変形例は、光学体1の入射面S1および出射面S2のうち、被着体に貼り合わされる面とは反対側の露出面上に、洗浄効果を発現する自己洗浄効果層83を備えている。自己洗浄効果層83は、例えば、光触媒を含んでいる。光触媒としては、例えば、TiO2を用いることができる。
上述したように、光学体1は入射光を半透過する点に特徴を有している。光学体1を屋外や汚れの多い部屋などで使用する際には、表面に付着した汚れにより光が散乱され透過性および反射性が失われてしまうため、表面が常に光学的に透明であることが好ましい。そのため、表面が撥水性や親水性などに優れ、表面が自動的に洗浄効果を発現することが好ましい。
第5の変形例によれば、光学体1が自己洗浄効果層を備えているので、撥水性や親水性などを入射面に付与することができる。したがって、入射面に対する汚れなどの付着を抑制し、指向反射特性の低減を抑制できる。
[第6の変形例]
図26Aおよび図26Bは、第1の光学層に形成された構造体の形状例を示す斜視図である。なお、これらの図においては、第2の光学層を除いて図示してある。構造体4cは、一方向に延在された柱状の凸部または凹部であり、この柱状の構造体4cが一方向に向かって一次元配列されている。反射層3はこの構造体4c上に成膜させるため、反射層3の形状は、構造体4cの表面形状と同様の形状を有することになる。
構造体4cの形状としては、例えば、図26Aに示すプリズム形状、図26Bに示すレンチキュラー形状の反転形状、またはこれらの反転形状を挙げることができる。ここで、レンチキュラー形状とは、凸部の稜線に垂直な断面形状が円弧状もしくはほぼ円弧状、楕円弧状もしくはほぼ楕円弧、または放物線状もしくはほぼ放物線状の一部となっているものをいう。したがって、シリンドリカル形状もレンチキュラー形状に含まれる。また、構造体4cの形状は、図26Aおよび図26Bに示した形状、またはこれらの反転形状に限定されるものではなく、トロイダル形状、双曲柱状、楕円柱状、多角柱状、自由曲面状としてもよい。また、プリズム形状、およびレンチキュラー形状の頂部を多角形状(例えば五角形状)の形状としてもよい。構造体4cをプリズム形状とする場合、プリズム形状の構造体4cの傾斜角度θは、例えば45°である。構造体4cは、窓材10に適用した場合に、上空から入射した光を反射して上空に多く戻す観点からは、傾斜角が45°以上傾斜した平面または曲面を有することが好ましい。このような形状にすることで、入射光はほぼ1回の反射で上空へ戻るため、反射層3の反射率がそれ程高く無くとも効率的に上空方向へ入射光を反射できると共に、反射層3における光の吸収を低減できるからである。
このように、ほぼ周期的な構造を形成する複数の構造体として、一次元配列された構造体を採用することもできる。
[第7の変形例]
また、図27Aに示すように、構造体4cの形状を、光学フィルム1の入射面S1または出射面S2に垂直な垂線l1に対して非対称な形状としてもよい。この場合、構造体4cの主軸lmが、垂線l1を基準にして構造体4cの配列方向aに傾くことになる。ここで、構造体4cの主軸lmとは、構造体断面の底辺の中点と構造体の頂点とを通る直線を意味する。地面に対して略垂直に配置された窓材10に光学フィルム1を貼る場合には、図27Bに示すように、構造体4cの主軸lmが、垂線l1を基準にして窓材10の下方(地面側)に傾いていることが好ましい。一般に窓を介した熱の流入が多いのは昼過ぎ頃の時間帯であり、太陽の高度が45°より高いことが多いため、上記形状を採用することで、これら高角度から入射する光を効率的に上方に反射できるからである。図27Aおよび図27Bでは、プリズム形状の構造体4cを垂線l1に対して非対称な形状とした例が示されている。なお、プリズム形状以外の構造体4cを垂線l1に対して非対称な形状としてもよい。例えば、コーナーキューブ体を垂線l1に対して非対称な形状としてもよい。
<2.第2の実施の形態>
上述の第1の実施形態では、本発明を窓材などに適用する場合を例として説明したが、本発明はこの例に限定されるものではなく、窓材以外の内装部材や外装部材などに適用することが可能である。また、本発明は壁や屋根などのように固定された不動の内装部材および外装部材のみならず、季節や時間変動などに起因する太陽光の光量変化に応じて、太陽光の透過量および/または反射量を内装部材または外装部材を動かして調整し、屋内などの空間に取り入れ可能な装置にも適用可能である。第2の実施の形態では、このような装置の一例として、複数の日射遮蔽部材からなる日射遮蔽部材群の角度を変更することにより、日射遮蔽部材群による入射光線の遮蔽量を調整可能な日射遮蔽装置(ブラインド装置)について説明する。
図28は、本発明の第2の実施の形態に係るブラインド装置の一構成例を示す斜視図である。図28に示すように、日射遮蔽装置であるブラインド装置は、ヘッドボックス203と、複数のスラット(羽)202aからなるスラット群(日射遮蔽部材群)202と、ボトムレール204とを備える。ヘッドボックス203は、複数のスラット202aからなるスラット群202の上方に設けられている。ヘッドボックス203からラダーコード206、および昇降コード205が下方に向かって延びており、これらのコードの下端にボトムレール204が吊り下げられている。日射遮蔽部材であるスラット202aは、例えば、細長い矩形状を有し、ヘッドボックス203から下方に延びるラダーコード206により所定間隔で吊り下げ支持されている。また、ヘッドボックス203には、複数のスラット202aからなるスラット群202の角度を調整するためのロッドなどの操作手段(図示省略)が設けられている。
ヘッドボックス203は、ロッドなどの操作手段の操作により応じて、複数のスラット202aからなるスラット群202を回転駆動することにより、室内などの空間に取り込まれる光量を調整する駆動手段である。また、ヘッドボックス203は、昇降操作コード207などの操作手段の適宜操作に応じて、スラット群202を昇降する駆動手段(昇降手段)としての機能も有している。
図29Aは、スラットの第1の構成例を示す断面図である。図29Aに示すように、スラット202は、基材211と、光学体1とを備える。光学体1は、基材211の両主面のうち、スラット群202を閉じた状態において外光が入射する入射面側(例えば窓材に対向する面側)に設けることが好ましい。光学体1と基材211とは、例えば、貼り合わせ層により貼り合される。
基材211の形状としては、例えば、シート状、フィルム状、および板状などを挙げることができる。基材211の材料としては、ガラス、樹脂材料、紙材、および布材などを用いることができ、可視光を室内などの所定の空間に取り込むことを考慮すると、透明性を有する樹脂材料を用いることが好ましい。ガラス、樹脂材料、紙材、および布材としては、従来ロールスクリーンとして公知のものを用いることができる。光学体1としては、上述の実施形態に係る光学体1のうちの1種、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
図29Bは、スラットの第2の構成例を示す断面図である。図29Bに示すように、第2の構成例は、光学体1をスラット202aとして用いるものである。光学体1は、ラダーコード206により支持可能であるとともに、支持した状態において形状を維持できる程度の剛性を有していることが好ましい。
図29Cは、スラット群を閉じた状態において外光が入射する入射面側から見たスラットの平面図である。図29Cに示すように、スラット202aの短手方向DWとコーナーキューブの稜線方向cとが略一致することが好ましい。これは、上方への反射効率を向上させるためである。
<3.第3の実施の形態>
第3の実施の形態では、日射遮蔽部材を巻き取る、または巻き出すことで、日射遮蔽部材による入射光線の遮蔽量を調整可能な日射遮蔽装置の一例であるロールスクリーン装置について説明する。
図30Aは、本発明の第3の実施の形態に係るロールスクリーン装置の一構成例を示す斜視図である。図30Aに示すように、日射遮蔽装置であるロールスクリーン装置301は、スクリーン302と、ヘッドボックス303と、芯材304とを備える。ヘッドボックス303は、チェーン305などの操作部を操作することにより、スクリーン302を昇降可能に構成されている。ヘッドボックス303は、その内部にスクリーンを巻き取り、および巻き出すための巻軸を有し、この巻軸に対してスクリーン302の一端が結合されている。また、スクリーン302の他端には芯材304が結合されている。スクリーン302は可撓性を有し、その形状は特に限定されるものではなく、ロールスクリーン装置301を適用する窓材などの形状に応じて選択することが好ましく、例えば矩形状に選ばれる。
図30Aに示すように、スクリーン302の巻き出しまたは巻き取り方向DCとコーナーキューブの稜線方向cとが略一致することが好ましい。これは、上方への反射効率を向上させるためである。
図30Bは、スクリーン302の一構成例を示す断面図である。図30Bに示すように、スクリーン302は、基材311と、光学体1とを備え、可撓性を有していることが好ましい。光学体1は、基材311の両主面のうち、外光を入射させる入射面側(窓材に対向する面側)に設けることが好ましい。光学体1と基材311とは、例えば、貼合層により貼り合される。なお、スクリーン302の構成はこの例に限定されるものではなく、光学体1をスクリーン302として用いるようにしてもよい。
基材311の形状としては、例えば、例えば、シート状、フィルム状、および板状などを挙げることができる。基材311としては、ガラス、樹脂材料、紙材、および布材などを用いることができ、可視光を室内などの所定の空間に取り込むことを考慮すると、透明性を有する樹脂材料を用いることが好ましい。ガラス、樹脂材料、紙材、および布材としては、従来ロールスクリーンとして公知のものを用いることができる。光学体1としては、上述の実施形態に係る光学体1のうちの1種、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
<4.第4の実施の形態>
第4の実施の形態では、指向反射性能を有する光学体に採光部を備える建具(内装部材または外装部材)に対して本発明を適用した例について説明する。
図31Aは、本発明の第4の実施の形態に係る建具の一構成例を示す斜視図である。図31Aに示すように、建具401は、その採光部404に光学体402を備える構成を有している。具体的には、建具401は、光学体402と、光学体402の周縁部に設けられる枠材403とを備える。光学体402は枠材403により固定され、必要に応じて枠材403を分解して光学体402を取り外すことが可能である。建具401としては、例えば障子を挙げることができるが、本発明はこの例に限定されるものではなく、採光部を有する種々の建具に適用可能である。
図31Aに示すように、光学体402の高さ方向DHとコーナーキューブの稜線方向cとが略一致することが好ましい。これは、上方への反射効率を向上させるためである。
図31Bは、光学体の一構成例を示す断面図である。図31Bに示すように、光学体402は、基材411と、光学体1とを備える。光学体1は、基材411の両主面のうち、外光を入射させる入射面側(窓材に対向する面側)に設けられる。光学体1と基材411とは、貼合層などにより貼り合される。なお、障子402の構成はこの例に限定されるものではなく、光学体1を光学体402として用いるようにしてもよい。
基材411は、例えば、可撓性を有するシート、フィルム、または基板である。基材411としては、ガラス、樹脂材料、紙材、および布材などを用いることができ、可視光を室内などの所定の空欄に取り込むことを考慮すると、透明性を有する樹脂材料を用いることが好ましい。ガラス、樹脂材料、紙材、および布材としては、従来建具の光学体として公知のものを用いることができる。光学体1としては、上述の実施形態に係る光学体1のうちの1種、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
以上、この発明の実施形態および実施例について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態および実施例において挙げた構成、形状、材料および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、形状、材料および数値などを用いてもよい。
また、上述の実施形態の各構成は、本発明の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
また、上述の実施形態では、ブラインド装置、およびロールスクリーン装置の駆動方式が手動式である場合を例として説明したが、ブラインド装置、およびロールスクリーン装置の駆動方式を電動式としてもよい。
また、上述の実施形態では、光学フィルムを窓材などの被着体に貼り合わせる構成を例として説明したが、窓材などの被着体を光学フィルムの第1の光学層、または第2の光学層自体とする構成を採用するようにしてもよい。これにより、窓材などの光学体に予め指向反射の機能を付与することができる。
上述の実施形態では、本発明を窓材、建具、ブラインド装置のスラット、およびロールスクリーン装置のスクリーンなどの内装部材または外装部材に適用した場合を例として説明したが、本発明はこの例に限定されるものではなく、上記以外の内装部材および外装部材にも適用可能である。
本発明に係る光学体が適用される内装部材または外装部材としては、例えば、光学体自体により構成された内装部材または外装部材、指向反射体が貼り合わされた透明基材などにより構成された内装部材または外装部材などが挙げられる。このような内装部材または外装部材を室内の窓付近に設置することで、例えば、赤外線だけを屋外に指向反射し、可視光線を室内に取り入れることができる。したがって、内装部材または外装部材を設置した場合にも、室内照明の必要性が低減される。また、内装部材または外装部材による室内側への散乱反射も殆どないため、周囲の温度上昇も抑えることができる。また、視認性制御や強度向上など必要な目的に応じ、透明基材以外の貼り合わせ部材に適用することも可能である。
また、上述の実施形態では、ブラインド装置、およびロールスクリーン装置に対して本発明を適用した例について説明したが、本発明はこの例に限定されるものではなく、室内または屋内に設置される種々の日射遮蔽装置に適用可能である。
また、上述の実施形態では、日射遮蔽部材を巻き取る、または巻き出すことで、日射遮蔽部材による入射光線の遮蔽量を調整可能な日射遮蔽装置(例えばロールスクリーン装置)に本発明を適用した例について説明したが、本発明はこの例に限定されるものではない。例えば、日射遮蔽部材を折り畳むことで、日射遮蔽部材による入射光線の遮蔽量を調整可能な日射遮蔽装置に対しても本発明は適用可能である。このような日射遮蔽装置としては、例えば、日射遮蔽部材であるスクリーンを蛇腹状に折り畳むことで、入射光線の遮蔽量を調整するプリーツスクリーン装置を挙げることができる。
また、上述の実施形態では、本発明を横型ブラインド装置(ベネシアンブラインド装置)に対して適用した例について説明したが、縦型ブラインド装置(バーチカルブラインド装置)に対しても適用可能である。
1 光学体
2 光学層
3 反射層
4 第1の光学層
4a 第1の基材
4b 第1の樹脂層
4c 構造体
5 第2の光学層
5a 第2の基材
5b 第2の樹脂層
5c 構造体
6 貼合層
7 剥離層
8 ハードコート層
10 窓材
81 微粒子
82 光拡散層
S1 入射面
S2 出射面

Claims (15)

  1. 第1の光学層と、
    光が入射する入射面を有する第2の光学層と、
    上記第1および第2の光学層で挟まれた反射層と
    を備え、
    上記第1の光学層および上記第2の光学層の少なくとも一方がリン酸化合物を含む樹脂からなり、かつ、上記反射層における、上記リン酸化合物を含む上記第1の光学層または上記第2の光学層と接する面に、酸化物もしくは窒化物、酸窒化物を含む層を有し、
    上記第1の光学層が、上記反射層が設けられる表面に、凸形状または凹形状とされた複数の構造体を有し、
    上記複数の構造体が、ほぼ周期的な配置ピッチを有しており、
    上記凸形状とされた構造体、または相隣り合う上記凹形状とされた構造体間の稜線部が、上記入射面の側に突出した先端部を有し、
    上記先端部が、理想形状からの崩れを有しており、
    上記理想形状からの崩れは、上記構造体の先端部の断面形状を当該断面内において描かれる円の半径によって表すもので、当該円は、設計通りに形成されたとしたら得られたであろう当該構造先端の輪郭線に内接し、かつ、実際に得られた当該構造先端の形状において光の入射側に最も突出した点を通る円のうち、半径が大きい方の円であって、当該円の半径が、上記理想形状からの崩れの大きさであり、
    上記先端部における上記理想形状からの崩れの大きさを表す円の半径が、10.0μm以下であり、
    上記第2の光学層は、透明かつその屈折率が波長帯域780nm〜2100nmの近赤外線に対して1.49以上1.6以下であり、
    入射角(θ、φ)(但し、θ:上記入射面に対する垂線と、上記入射面に入射する入射光または上記入射面から出射される反射光とのなす角、φ:上記入射面内の特定の直線と、上記入射光または上記反射光を上記入射面に射影した成分とのなす角)で上記入射面に入射した光のうち、少なくとも波長帯域780nm〜2100nmの近赤外線を(−θ、φ+180°)以外の方向に選択的に指向反射する光学体。
  2. 上記第2の光学層の屈折率が、1.49以上1.55以下である請求項1に記載の光学体。
  3. 上記反射層が、半透過層または波長選択反射層である請求項1に記載の光学体。
  4. 上記構造体は、その断面形状が略三角形状のコーナーキューブ形状である請求項1に記載の光学体。
  5. 上記構造体は、上記第1の光学層の表面に1次元配列され、
    上記構造体の主軸が、上記入射面の垂線を基準にして上記構造体の配列方向に傾いている請求項1に記載の光学体。
  6. 上記光学層が、可視領域における特定の波長帯の光を吸収する請求項1に記載の光学体。
  7. 上記第1の光学層と上記第2の光学層とにより光学層が形成され、
    上記光学層の表面、上記光学層の内部、および上記反射層と上記光学層との間のうち、少なくとも1箇所に光散乱体をさらに備える請求項1に記載の光学体。
  8. 上記光学体の上記入射面上に、撥水性または親水性を有する層を備える請求項1に記載の光学体。
  9. 前記酸化物もしくは窒化物、酸窒化物を含む層が、酸化亜鉛または酸化ニオブを含む層である請求項1に記載の光学体。
  10. 前記反射層がAgを含む請求項1に記載の光学体。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の光学体を備える日射遮蔽部材。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の光学体を備える窓材。
  13. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の光学体を備える内装部材。
  14. 採光部を有し、上記採光部に請求項1〜10のいずれか1項に記載の光学体を備える建具。
  15. 金型の凹凸形状を第1の樹脂材料に転写し、一主面上に凸形状または凹形状とされた複数の構造体を有する第1の光学層を形成する工程と、
    上記第1の光学層に転写された凹凸形状面上に反射層を形成する工程と、
    上記反射層を第2の樹脂材料により包埋することにより、光が入射する入射面を有するとともに、透明かつその屈折率が波長帯域780nm〜2100nmの近赤外線に対して1.49以上1.6以下とされる第2の光学層を形成する工程と
    を備え、
    上記第1の光学層および上記第2の光学層の少なくとも一方がリン酸化合物を含む樹脂からなり、かつ、上記反射層における、上記リン酸化合物を含む上記第1の光学層または上記第2の光学層と接する面に、酸化物もしくは窒化物、酸窒化物を含む層を有し、
    上記複数の構造体が、ほぼ周期的な配置ピッチを有しており、
    上記凸形状とされた構造体、または相隣り合う上記凹形状とされた構造体間の稜線部が、上記入射面の側に突出した先端部を有し、
    上記先端部が、理想形状からの崩れを有しており、
    上記理想形状からの崩れは、上記構造体の先端部の断面形状を当該断面内において描かれる円の半径によって表すもので、当該円は、設計通りに形成されたとしたら得られたであろう当該構造先端の輪郭線に内接し、かつ、実際に得られた当該構造先端の形状において光の入射側に最も突出した点を通る円のうち、半径が大きい方の円であって、当該円の半径が、上記理想形状からの崩れの大きさであり、
    上記先端部における上記理想形状からの崩れの大きさを表す円の半径が、10.0μm以下であり、
    入射角(θ、φ)(但し、θ:上記入射面に対する垂線と、上記入射面に入射する入射光または上記入射面から出射される反射光とのなす角、φ:上記入射面内の特定の直線と、上記入射光または上記反射光を上記入射面に射影した成分とのなす角)で上記入射面に入射した光のうち、少なくとも波長帯域780nm〜2100nmの近赤外線を(−θ、φ+180°)以外の方向に選択的に指向反射するようにされた光学体の製造方法。
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