<実施の形態1>
はじめに、本発明の液晶表示装置の全体構成について、図面を参照しながら説明する。なお、図は模式的なものであり、示された構成要素の正確な大きさなどを反映するものではない。また、表示画素パターンや膜構成の図示も省略している。特記する場合を除いて、液晶表示装置の全体構成は全ての実施の形態において共通である。また、同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することである。
図1は、この発明の実施の形態1による液晶表示装置100の斜視図である。液晶表示装置100は、筐体102、パネルモジュール101、図示していないが筐体102の中に配置されるバックライトモジュールから構成される。図2は、パネルモジュール101の斜視図である。図3は、パネルモジュール101の分解図である。パネルモジュール101は、液晶パネル1、制御基板2、前面保護板3、背面保護板4、ボンディング材5から構成される。図3では、説明を容易にするために、液晶パネル1と前面保護板3との間に配置されるボンディング材5の図示を省略している。
パネルモジュール101は、図に示すように、湾曲形状の前面保護板3及び背面保護板4(以降、前面保護板3と背面保護板4のことを「2枚の保護板3,4」あるいは「保護板3,4」とも称する)で液晶パネル1とボンディング材5とを挟持する構造をとっている。このような構造により、液晶パネル1は湾曲形状に保持される。液晶パネル1には、液晶を駆動する駆動信号を出力する駆動用IC(Integrated Circuit)などを装備した制御基板2が接続されている。さらに、図示していないが、光源として、バックライトモジュールが、液晶パネル1の表示面の反対側の面に対向して配置されている。液晶表示装置100は、これらの部品を液晶パネル1の表示面の部分が可視となるような筺体102の中に収納することにより構成される。
以下では、初めに液晶パネル1について説明した後、パネルモジュール101について詳細に説明する。なお、本発明の実施の形態においては、図に示すように、液晶パネル1の表示面が前面側に突出するよう、表示面を凸面に湾曲させた構成を主に用いて説明する。しかしながら、液晶パネル1の構成はこれに限定するものではなく、表示面が凹面となる構成であってもよい。
まず、図4,5を用いて液晶パネル1の構成について詳しく説明する。ここでは、一例として、TFT(Thin Film Transistor)をスイッチング素子として用いて動作する液晶パネルを使用して説明する。
図4は、制御基板2が接続された液晶パネル1の平面図である。図5は、図4中のII−II線の位置における液晶パネル1の断面図である。図6は、図2中のI−I線におけるパネルモジュール101の断面図、つまり、パネルモジュール101の湾曲方向(図2,6中に示すY方向)における断面図で、保護板3,4により液晶パネル1とボンディング材5が挟持された状態を示す図である。
液晶パネル1は、スイッチング素子が配置され、偏光板50を有するアレイ基板10と、アレイ基板10に対向して配置され、シール材30によりアレイ基板10と貼り合わされ、偏光板50を有するカラーフィルタ基板20と、アレイ基板10とカラーフィルタ基板20との間に挟持される液晶40とから構成される。なお、シール材30はアレイ基板10とカラーフィルタ基板20との間に挟まれているので、図4においてはカラーフィルタ基板20を透視して図示している。シール材30は破線で示した。
シール材30は、樹脂からなり、アレイ基板10とカラーフィルタ基板20とで構成される液晶表示の表示面(表示領域)7に対応する領域を囲う様なパターンに形成されている。シール材30により囲まれ、かつ、アレイ基板とカラーフィルタ基板20との間に形成される隙間には、液晶40が注入されている。また、省略しているが、液晶40を注入するための液晶注入口がシール材30のパターンとして形成され、さらに、液晶注入口は液晶40の注入後に封止剤で封止される。
アレイ基板10は、図示していないが、透明基板であるガラス基板の一方の面に、表示面に対応する領域に液晶を配向させる配向膜、配向膜の下部に設けられ液晶を駆動する電圧を印加する画素電極、画素電極との間に電界を生じさせて液晶を駆動する共通電極、画素電極に電圧を供給するTFTなどのスイッチング素子、スイッチング素子を覆う絶縁膜、スイッチング素子に信号を供給する配線であるゲート配線及びソース配線などを有している。また、アレイ基板10は、表示面7に対応する領域外に、スイッチング素子に供給される信号を外部から受け入れる端子11などを有している。端子11には、FFC(Flexible Flat Cable)21を介して制御基板2が電気的に接続される。アレイ基板10は、ガラス基板の他方の面に偏光板50を有している。
カラーフィルタ基板20は、図示していないが、透明基板であるガラス基板の一方の面に液晶を配向させる配向膜、配向膜の下部に設けられるカラーフィルタ及び遮光層などを有している。カラーフィルタ基板20は、ガラス基板の他方の面に偏光板50を有している。
アレイ基板10とカラーフィルタ基板20とは、両基板間の距離を一定の距離に保持するギャップ材(図示せず)を介して貼り合わされている。ギャップ材としては、基板上に散布された粒状のギャップ材を用いてもよいし、何れか一方の基板上に樹脂をパターニングして形成された柱状のギャップ材を用いても良い。
次に、液晶パネル1の動作について説明する。
制御基板2から電気信号が入力されると、画素電極及び共通電極に駆動電圧が加わり、駆動電圧に応じて液晶40の分子の方向が変わる。そして、バックライトモジュールの発する光が、アレイ基板10、液晶40及びカラーフィルタ基板20を介して観察者側に透過或いは遮断されることにより、液晶パネル1の表示面に映像などが表示される。
なお、上述の液晶パネル1は、アレイ基板10に共通電極と画素電極とを設け、両電極間、つまり横方向に液晶に対し電界をかける横電界方式を用いたIPS(In−Plane Switching)モードの液晶パネルであるが、これは一例であり他の構成でも良い。例えば、液晶パネル1の動作モードは、VA(Vertically Aligned)モードや、TN(Twisted Nematic)モード、STN(Super Twisted Nematic)モード、強誘電性液晶モードなどでもよい。また、駆動方法は、単純マトリックスやアクティブマトリックスなどでもよい。また、通常の透過型の液晶パネルを用いて説明を行ったが、反射型や、両者を併せ持つ半透過型でも良い。
次に、液晶パネル1の製造方法について説明する。
アレイ基板10及びカラーフィルタ基板20の製造方法については一般的な方法を用いるため、簡単に説明する。アレイ基板10は、ガラス基板の一方の面に、成膜、フォトリソグラフィー法によるパターンニング、エッチングなどのパターン形成工程を繰り返し用いてスイッチング素子、画素電極、共通電極、端子、及びトランスファ電極を形成することにより製造される。また、カラーフィルタ基板20は、同様に、ガラス基板の一方の面にカラーフィルタを形成することにより製造される。
次に、アレイ基板10とカラーフィルタ基板20を貼り合せる工程について説明する。まず、画素電極が形成されているアレイ基板10を洗浄する基板洗浄工程が行われる。次に、アレイ基板10の一方の面に、例えば印刷法により配向膜の材料となるポリイミドからなる有機膜を塗布し、ホットプレートなどによる焼成処理で有機膜を乾燥させる配向膜材料塗布工程が行われる。その後、配向膜材料の塗布されたアレイ基板10に対して配向処理を行う配向処理工程が行われる。これにより、アレイ基板10に配向膜が形成される。また、カラーフィルタ基板20についても、洗浄、有機膜の塗布、及び配向処理が行われることにより配向膜が形成される。続いて、アレイ基板10或いはカラーフィルタ基板20の一方の面にシール材となる樹脂の塗布処理を行い、シール材30を形成するシール材塗布工程が行われる。シール材30には、例えばエポキシ系接着剤などの熱硬化型樹脂や紫外線硬化型樹脂が用いられる。
以上の様に準備が行われたアレイ基板10とカラーフィルタ基板20とは、互いに対向するよう配置され、各々の基板に形成されたパネルの画素が其々対応する様に位置合わせされて貼り合わされる。その後、貼り合せたアレイ基板10とカラーフィルタ基板20に対して、シール材30の硬化処理が行われる。この工程は、例えばシール材30の材質に合わせて熱を加えることや、紫外線を照射することにより行われる。
続いて、湾曲化が可能となるように、アレイ基板10およびカラーフィルタ基板20を削って薄膜化する薄型化研磨工程が行われる。この工程は、例えば薬液を用いた化学研磨や研磨材により擦る物理研磨でガラス基板表面を削ることにより行われる。本発明の実施の形態1においては、アレイ基板10及びカラーフィルタ基板20は、薬液を用いた化学研磨により、厚さがいずれも0.2mmとなるように加工される。
次に、貼り合わせた基板を個々の液晶パネル1に対応する個別セルに分断するセル分断工程が行われる。セル分断工程後、真空中で液晶注入口から液晶40を注入する液晶注入工程が行われる。更に、例えば、液晶注入口に光硬化型樹脂を塗布し、光を照射することにより、液晶注入口を封止する封止工程が行われる。
続いて、アレイ基板10およびカラーフィルタ基板20の外側に偏光板50を貼り付ける偏光板貼り付け工程が行われる。さらに、制御基板2を実装する制御基板実装工程が行われて、液晶パネル1が完成する。
次に、パネルモジュール101の構成について詳しく説明する。
図6に示すように、パネルモジュール101は、上記の工程により作成された湾曲可能な液晶パネル1と、液晶パネル1の表示面1a側に配置されたボンディング材(媒体)5と、液晶パネル1とボンディング材5とを挟持する保護板3,4とから構成される。保護板3,4は、液晶パネル1とボンディング材5とを挟持した状態でネジ等の固定具6で固定される。これにより、液晶パネル1は前面側に凸形状に湾曲した状態に保持される。
前面保護板3は、液晶パネル1の表示面1a側、つまり、液晶パネル1の前面側に配置され、当該前面保護板3の背面側に液晶パネル1側に向かって凹面となる湾曲面3aを有する。前面保護板3は、例えば、アクリルやポリカーボネイト等の樹脂やガラスのように透明な材料によって構成される。
背面保護板4は、液晶パネル1の表示面1aの反対側、つまり、液晶パネル1の背面側に配置され、当該背面保護板4の前面側に液晶パネル1側に向かって凸面となる湾曲面4aを有する。前面保護板4は、例えば、アクリルやポリカーボネイト等の樹脂やガラスのように透明な材料によって構成される。
前面保護板3の湾曲面3aの曲率半径と、背面保護板4の湾曲面4aの曲率半径とは、異なる。具体的には、表示面が凸形状に湾曲した液晶表示装置においては、前面保護板3の湾曲面3aの曲率半径は、背面保護板4の湾曲面4aの曲率半径と比較して大きくなるように形成される。より好ましくは、前面保護板3の湾曲面3aの曲率半径は、背面保護板4の湾曲面4aの曲率半径と比較して、前面保護板3と背面保護板4との間に挟まれている物(ここでは、液晶パネル1とボンディング材5)の厚みの最大値分よりも大きくなるように形成される。図6においては、前面保護板3と背面保護板4との間に挟まれている物の厚みは、保護板3,4の湾曲面3a,4aの湾曲方向の中央部で最小、端部で最大となる。また、前面保護板3の湾曲面3aと背面保護板4の湾曲面4aとの間に形成されるギャップ(「隙間」、「間隔」とも称する)は、少なくとも、液晶パネル1の表示面に対応する範囲において、保護板3,4の湾曲面3a,4aの湾曲方向の中央部から端部に向かうに従って徐々に大きくなるように構成される。前面保護板3と背面保護板4との隙間は、液晶パネル1とボンディング材5とで埋められる。
ここで、液晶パネル1の表示面1aが凹形状に湾曲した場合について説明する。液晶パネル1が前面側に凹となる場合、2枚の保護板3,4は、次の関係を満たすように形成される。背面保護板4の湾曲面4aの曲率半径は、前面保護板3の湾曲面3aの曲率半径と比較して大きくなるように形成される。より好ましくは、背面保護板4の湾曲面4aの曲率半径は、前面保護板3の湾曲面3aの曲率半径と比較して、前面保護板3と背面保護板4との間に挟まれている物(ここでは、液晶パネル1とボンディング材5)の厚みの最大値分よりも大きくなるように形成される。
よって、2枚の保護板3,4は、液晶パネル1の表示面1aの凹凸によらず、次の関係を満たすように形成される。液晶パネル1を挟持する2枚の保護板3,4のうち、液晶パネル1の凸面側に配置される保護板の湾曲面の曲率半径は、液晶パネル1の凹面側に配置される保護板の湾曲面の曲率半径と比較して大きくなるように形成される。より好ましくは、液晶パネル1の凸面側に配置される保護板の曲率半径は、液晶パネル1の凹面側に配置される保護板の曲率半径と比較して、2枚の保護板の間に挟まれている物(ここでは、液晶パネル1とボンディング材5)の厚みの最大値分よりも大きくなるように形成される。
液晶パネル1は、薄型化研磨工程で薄型化されているため湾曲化が可能となっており、背面保護板4の湾曲面4aに沿って配置される。よって、液晶パネル1の厚みが均一な場合には、前面保護板3と液晶パネル1との間隔は、前面保護板3の湾曲面3a、あるいは液晶パネル1の表示面1aの湾曲方向の中央部から端部に向かうに従って徐々に大きくなるように構成される。より好ましくは、前面保護板3の湾曲面3aの曲率半径は、液晶パネル1の表示面1aの曲率半径と比較して、前面保護板3と液晶パネル1との間に挟まれている物(ここでは、ボンディング材5)の厚みの最大値分よりも大きくなるように形成される。前面保護板3と液晶パネル1との間の隙間は、ボンディング材5で埋められる。
液晶パネル1の表示領域7は、例えば、長辺方向が約200mm、短辺方向が約120mmの矩形形状であり、短辺方向に沿って曲率半径400mmで前面側に凸となるように湾曲しているものとする。なお、これらの構成は一例であり、液晶パネル1はいかなる大きさや曲率半径であってもよい。また、液晶パネル1の表示領域7は、長辺方向に沿って湾曲する構成や、前面側に凹となるように湾曲する構成であってもよい。さらに、液晶パネル1の表示面1aや保護板3,4の湾曲面3a,4aは、曲率一定ではなく、例えば放物線のような形状に湾曲していてもよい。
ボンディング材5は、液晶パネル1と前面保護板3との間に配置され、液晶パネル1と前面保護板3との間の隙間を埋める媒体として機能している。ボンディング材5の厚みは、ボンディング材5を介して液晶パネル1と前面保護板3とを貼り合わせる前は一定だが、貼り合わせた後はボンディング材5の湾曲方向の中央部から端部に向かうに従って徐々に厚くなる。言い換えると、ボンディング材5の厚みは、ボンディング材5が液晶パネル1と前面保護板3との間に配置されて挟持されることにより、ボンディング材5の湾曲方向の中央部から端部に向かうに従って徐々に厚くなる。無加圧時のボンディング材5の厚みTは、例えば1mmとする。
液晶パネル1の表示面1aと前面保護板3の湾曲面3aとの間の隙間は、液晶パネル1や前面保護板3と屈折率の近いボンディング材5で隙間なく埋められている。このように構成することにより、液晶パネル1と空気層との界面において外光が反射して表示が見えにくくなる視認性低下の問題が軽減される。また、ボンディング材5は、液晶パネル1や保護板3との間に隙間なく、気泡が混入しないように貼り付けられ、液晶パネル1の位置を固定する役目を果たしている。
ボンディング材5は、加圧しながら対象物に貼り付けることを想定して選択される。そのため、ボンディング材5は、貼り付けの際に圧力のかかる部分の厚みが局所的に、例えば、貼り付け前の厚みの半分の0.5mmまで薄くなり、貼り付ける面の表面同士がぴったり沿えるような十分に柔らかい材質であることが好ましい。
また、上記のように、保護板3,4に設けられた曲率の異なる湾曲面3a,4aで液晶パネル1を湾曲形状に保持するには、2枚の保護板3,4の間に存在する、保護板3,4の湾曲面3a,4aに垂直な方向のギャップをボンディング材5で隙間無く埋め、この状態を組み立て後も維持する必要がある。さらに、貼り付け時に加圧する貼り付け方法においては、保護板3,4が一時的に割れない程度に若干撓む場合や、加圧する場所を徐々にずらしながら貼り付けることにより、貼り付け後に貼り付け時よりもギャップが多少大きくなる部分が発生する場合がある。
そのため、液晶パネル1と前面保護板3との間を埋めるボンディング材5は、加圧時の保護板3,4の変形やその後の引張り力による延伸方向の変形に対応することができる柔軟な材質であり、同時に密着力が高く界面剥離や凝集剥離を起こさず気泡を発生させにくい材質であることが好ましい。例えば、100μm以上など厚みのある柔軟な高密着粘着シート単体を用いることが考えられる。これ以外にも、上記のような柔軟な厚手シートに硬く固定力の高い粘着シートを組み合わせた2層構造で高密着性と高柔軟性の両方を備えたシートを用いることや、半硬化シートや液状硬化樹脂を用いて気泡なくギャップを埋めた後、硬化させて形を保持することなども考えられる。
以上のような構成にすることにより、表示面内に、肉眼で観測できるようなおおよそ0.1mmφ以上の大きさの気泡が発生しなくなった。
次に、パネルモジュール101の製造方法について図を用いて説明する。図7はパネルモジュール101の製造工程を示す模式図である。
まず、図7(a)に示すように、可撓性を有する平面形状の液晶パネル1は、液晶パネル配置工程において、背面保護板4の湾曲面4aに沿わせて配置され、固定される。この工程により、平面形状の液晶パネル1は曲率のついた状態に固定される。背面保護板4と液晶パネル1との固定方法は、例えば、粘着シートを用いて貼り合わせる、ネジ等により固定するなど、液晶パネル1面内で一様に固定でき、透過率が高い材料を用いるなど液晶パネル1の表示を邪魔せず、面内に気泡や段差を発生させない方法であれば何でもよい。一方、液晶パネル1の表示面1aにおける界面反射を低減するボンディング材5は、前面保護板3の湾曲面3aに沿わせて配置され、貼りつけられる。ボンディング材5は、保護板3,4などとは異なり柔軟性に優れるので、凸面や凹面への貼り付けの際にも十分に曲げながら作業することが可能である。よって、容易に気泡を表示面の外側へ逃がしながら貼り合わせることが出来る。
続いて、図7(b)に示すように、背面保護板4に固定した液晶パネル1は、前面保護板3に貼り付けたボンディング材5と対向するように配置される。
その後、図7(c)に示すように、保護板3,4の湾曲面3a,4a、あるいは液晶パネル1の表示面1aの湾曲方向の中心部分が加圧され、液晶パネル1とボンディング材5とを貼り合せる貼り合せ工程が開始される。図中の白抜きの矢印は加圧箇所を示す。
さらに、図7(d)に示すように、湾曲方向の中央部から端部に向かって加圧箇所を移動させながら、液晶パネル1とボンディング材5との貼り合せが行われる。最後に端部が貼り合わされて貼り合せ工程が終了する。液晶パネル1の表示面1aの湾曲方向の一方の端部と他方の端部は、同時に貼り合わせるようにしても良いし、片方ずつ順番に貼り合わせるようにしてもよい。
最後に、2枚の保護板3,4は、ネジ等の固定具6で固定される。固定具6による固定とボンディング材5の柔軟性と密着性により、貼合後、液晶パネル1と前面保護板3との間のギャップに剥がれや気泡が発生することはない。
なお、本発明の実施の形態1では、ボンディング材5を前面保護板3に貼り付けた後、ボンディング材5と液晶パネル1とを貼り合わせる製造方法について説明した。しかしながら、製造方法はこれに限らず、背面保護板4の湾曲面4aに固定した液晶パネル1の表示面1aにボンディング材5を貼り付け、その後、ボンディング材5と前面保護板3とを貼り合わせるという方法でもよい。この場合においても、ボンディング材5と前面保護板3との間に存在する空気を外側に逃がしながらボンディング材5と前面保護板3とを貼り合せることができるので、液晶パネル1の表示領域7と重なる位置に気泡が入り込むことがない。
また、液晶パネル1の表示面1aの曲率が部分的に変化するような形状のディスプレイの場合には、曲率半径が最も小さい部分を貼合開始点とすることにより、気泡を表示面の外に逃がしやすくすることができる。
さらに、本発明の実施の形態1では、貼り合せ工程で加圧箇所を移動させる場合について説明したが、液晶パネル1の形状やボンディング材5の厚み等によっては、加圧箇所を移動させることなく、湾曲方向の中央部分から端部にかけて順に貼り合せることができる。例えば、液晶パネル1の湾曲方向の曲率半径が400mm、ボンディング材5の厚みが1mmの場合、液晶パネル1の湾曲方向の長さが200mm程度以下であれば、図7(c)の加圧箇所において加圧を進めるだけで、徐々にボンディング材5が押されて沈みこみ、液晶パネル1の湾曲方向の中央部から端部まで貼り合せることができる。
また、液晶パネル1と前面保護板3とを貼り合わせる際に、液晶パネル1の中央部から貼り合わせを開始し、液晶パネル1の湾曲方向の両端にあたる表示領域7の長辺部分を最後に貼り合わせる方法について説明した。しかしながら、貼り合せる方法はこれに限らず、液晶パネル1の湾曲方向の両端部のうち、一方の端部から貼り合せを開始し、加圧箇所を他方の端部に向かって一方向にずらしていき、他方の端部側を最後に貼り合せる方法でもよい。
一方の端部から貼り合せる方法について、図を用いて具体的に説明する。図8は、パネルモジュール101の製造方法において、液晶パネル1の湾曲方向の一方の端部を加圧開始位置としたときの貼り合せの工程を示す模式図である。図8(a)は保護板3,4の湾曲面3a,4aの曲率半径の差が間に挟まれる物の厚みより大きい場合、図8(b)は、保護板3,4の湾曲面3a,4aの曲率半径の差が間に挟まれる物の厚みより小さい場合を示す。
図8(b)に示すように、保護板3,4の湾曲面3a,4aの曲率半径の差が間に挟まれる物の厚みより小さい場合には、貼り合せた領域が他方の端部側に到達する前に他方の端部が貼り合わされる。その結果、液晶パネル1とボンディング材5とを接合する際に、気泡を外に逃がすことができず、気泡が内部に閉じ込められた状態になる。
一方、図8(a)に示すように、保護板3,4の湾曲面3a,4aの曲率半径の差が間に挟まれる物の厚みより大きい場合、液晶パネル1とボンディング材5とを貼り合せた領域は、湾曲方向の一方の端部から他方の端部に向かって徐々に広がる。その結果、気泡を外に逃がしながら液晶パネル1とボンディング材5とを接合することができるので、気泡が内部に閉じ込められた状態になることがない。よって、本実施の形態1の貼り合せ工程においては、前面保護板3、又は背面保護板4の湾曲面3a,4aの湾曲方向の一方の端部から他方の端部に向かって加圧箇所を移動させてもよい。
以上のように、実施の形態1によれば、背面保護板4の湾曲面4aの曲率半径は、前面保護板3の湾曲面3a曲率半径より小さくなるように形成されている。よって、予め、背面保護板4の湾曲面4aに沿わせて液晶パネル1を配置することにより、液晶パネル1は前面保護板3の湾曲面3aよりも曲率半径の小さい、前面保護板3の湾曲面3aより曲がった形状となる。液晶パネル1をこのような曲率にすることで、液晶パネル1と前面保護板3とをボンディング材5を介して貼り合わせる際に、液晶パネル1とボンディング材5との貼り合せ領域が加圧開始位置から徐々に外側に広がるので、液晶パネル1の面内において2箇所以上の離れた領域が同時に貼り合わされることがなくなる。つまり、液晶パネル1の面内において、ある瞬間に貼合されている部分が次第に広がって湾曲方向の両端部分に到達するよりも先に、湾曲方向の端部分が貼合されることがなくなる。その結果、液晶パネル1の表示領域7に重なる位置に気泡を閉じ込めることなく、表示面1aの外側に徐々に気泡を逃がしながら貼合していくことが可能となる。
また、ボンディング材5が上記のように柔軟であるため、保護板3,4に挟み込んだ液晶パネル1が自身の弾性力で平板状に戻ろうとすることにより、液晶パネル1の曲率が湾曲方向の端部分で若干緩む。このときの液晶パネル1の表示面1aの湾曲方向の端部の曲率半径は、液晶パネル1の表示面1aの湾曲方向の中央部の曲率半径より大きく、液晶パネル1の凸面側に配置される保護板の湾曲面の対応する位置の曲率半径より小さくなる。このように構成することにより、湾曲化による応力集中によって発生する液晶パネル1の表示ムラが軽減される効果がある。貼合後、液晶パネル1の端部で曲率の緩みが起きる場合でも、ボンディング材5の剥がれや気泡の発生が生じない範囲であれば特に問題はない。
次に、保護板3,4の湾曲面3a,4aの曲率半径の関係について説明する。
図9は、保護板3,4の湾曲面3a,4aの曲率半径の差と保護板3,4の間に挟まれる物の厚みとの関係を説明するための図である。図9においては、液晶パネル1は背面保護板4の湾曲面4aに、ボンディング材5は前面保護板3の湾曲面3aにそれぞれ予め貼り付けられており、液晶パネル1とボンディング材5とが対向するように配置されている。図において、R’は前面保護板3の湾曲面3aの曲率半径、Rは背面保護板4の湾曲面4aの曲率半径、Pは液晶パネル1の厚み、Tはボンディング材5の厚みを示す。図9(a)は、保護板3,4の曲率半径の差(R’−R)が間に挟まれる物の厚み(P+T)と等しい場合を示す模式図である。図9(b)は、曲率半径の差(R’−R)が間に挟まれる物の厚み(P+T)より小さい場合を示す模式図である。図9(c),(d)は、曲率半径の差(R’−R)が間に挟まれる物の厚み(P+T)より大きい場合を示す模式図である。
図9(a)、(b)に示すように、曲率半径の差(R’−R)がボンディング材5の厚み以下になると、液晶パネル1とボンディング材5とを貼り合わせる際に、液晶パネル1がボンディング材5と複数個所で接触する可能性が高くなる。複数個所で接触すると、液晶パネル1とボンディング材5との間に存在する空気を表示面の外側へ逃がすことができなくなり、閉じ込められた空気が気泡となる。気泡が液晶パネル1の表示領域7と重なる位置に形成されると、表示品位の低下を招くという問題が生じる。
一方、図9(c)に示すように、曲率半径の差(R’−R)が、間に挟まれるものの厚みより大きい場合には、液晶パネル1はボンディング材5と1箇所で接触するので、液晶パネル1とボンディング材5との間の空気を表示面の外側へ逃しながら、液晶パネル1とボンディング材5とを貼り合わせることができる。
しかしながら、図9(d)に示すように、曲率半径の差(R’−R)が大きすぎると、液晶パネル1と前面保護板3との間の隙間をボンディング材5で埋めることができなくなる。このような問題を回避するためには、パネルモジュール101の構成を決定する際に、保護板3,4の曲率半径の差や保護板3,4の間に挟まれるものの厚みだけでなく、ボンディング材5の特性、液晶パネル1とボンディング材5とを貼り合わせる範囲などについても考慮する必要がある。
図10を用いて、保護板3の湾曲面3aの曲率半径の最適な範囲について説明する。
図10は、表示領域を前面側に凸となるように湾曲したパネルモジュール101の湾曲方向の断面図で、湾曲面3aに予めボンディング材5を貼り付けておいた前面保護板3と、湾曲面4aに予め液晶パネル1を貼り付けておいた背面保護板4とを貼り合わせる工程を示す図である。パネルモジュール101の加圧開始位置は、パネルモジュール101の湾曲方向の中央部Q0とする。また、貼り合わせるための加圧方向は、液晶パネル1の湾曲方向の中央部において、液晶パネル1の表示面1aに垂直な方向(図10中に示すZ方向)とする。
図において、液晶パネル1の表示面1aを構成する円弧の曲率半径をR、中心角を2θ、高さをHとする。また、液晶パネル1の表示面1aを構成する円弧の両端、つまり液晶パネル1の湾曲方向の端部Q1,Q2を結ぶ直線である弦の1/2の長さをrとする。前面保護板3についても同様に、前面保護板3の湾曲面3aを構成する円弧の曲率半径をR’、中心角を2θ’、高さをH’とし、前面保護板3の湾曲面3aを構成する円弧の両端を結ぶ直線である弦の1/2の長さをr’とする。
また、無加圧時のボンディング材5の厚みをT、貼り付けるための加圧時にボンディング材5の厚みの減少割合を示す係数をa、貼り付け後の引き伸ばし力を受けた時のボンディング材5の厚みの増加割合を示す係数をbとする。係数a=0.5は、加圧時の厚みが元の厚みの50%に減少することを示す。係数b=1.2は、引き伸ばし力を受けたときの厚みが元の厚みの120%に増加することを示す。よって、係数a=0.5、係数b=1.2とすると、加圧時のボンディング材5の厚みaTは0.5mm、引き伸ばし力を受けたときのボンディング材5の厚みbTは1.2mm、引き伸ばし力を受けたときのボンディング材5の伸び量(b−1)Tは0.2mmとなる。また、係数a=0.1、係数b=1.5とすると、加圧時のボンディング材5の厚みaTは0.1mm、貼り付け後の引き伸ばし力を受けた状態におけるボンディング材5の厚みbTは1.5mmとなる。
図においては、ボンディング材5の湾曲方向の中央部分は、貼り付け圧力により押しつぶされ、厚さaTとなっている。一方、ボンディング材5の湾曲方向の端部は、貼り付け圧力を受けていないので押しつぶされておらず、さらに、液晶パネル1との間に空間を形成している。
ここでは、液晶パネル1の表示面1aの全面、つまり、液晶パネル1湾曲方向の一方の端部Q1から他方の端部Q2までがボンディング材5を介して前面保護板3と貼り合わされるものとする。液晶パネル1の表示面1aとボンディング材5とを隙間なく貼り合せるためには、貼り合わせる範囲において、液晶パネル1の表示面1aと前面保護板3の湾曲面3aとの間に形成される空間がボンディング材5で埋まらなければならない。つまり、湾曲方向の両端Q1,Q2における、液晶パネル1と前面保護板3との隙間の加圧方向(図10のZ方向)の大きさが、貼合後の引っ張り力で伸びた状態のボンディング材5のZ方向の厚み以下となる必要がある。
液晶パネル1の湾曲方向の端部Q1(Q2)における、液晶パネル1と前面保護板3の湾曲面3aとの間のZ方向の隙間G1は、以下の式(1)で表される。
また、液晶パネル1の湾曲方向の端部Q1(Q2)における、貼合後の引っ張り力で伸びた状態のボンディング材5のZ方向の厚みG2は、以下の式(2)で表される。
液晶パネル1の湾曲方向の一方の端部Q1から他方の端部Q2までの全ての範囲が、ボンディング材5を介して前面保護板3と貼り合わされ、液晶パネル1と前面保護板3の凹面3aとの間の隙間がボンディング材5で完全に埋まるためには、少なくとも、G1とG2が等しくなる、つまり、以下の式(3)が成り立つ必要がある。
液晶パネル1の表示領域7は、長辺方向の長さが約200mm、短辺方向の長さ(湾曲方向の長さL)が約120mmの矩形形状であり、前面側に凸となるように短辺方向に沿って曲率半径R=400mmで湾曲しているものとする。液晶パネル1の表示面1aを構成する円弧の中心角2θは、L/Rにより求められる。
無加圧時の厚みTが1.0mm、係数a=0.5、係数b=1.2のボンディング材5を上記の液晶パネル1と組み合わせる場合、式(3)より、前面保護板3の湾曲面3aの曲率半径R’は、470mm以下とするのが良い。前面保護板3の湾曲面3aの曲率半径R’が470mmより大きくなると、G1>G2となり、液晶パネル1と前面保護板3との間の隙間をボンディング材5で埋めることができない。
また、無加圧時の厚みTが1.0mm、係数a=0.1、係数b=1.5のボンディング材5を上記の液晶パネル1と組み合わせる場合、式(3)より、前面保護板3の湾曲面3aの曲率半径R’は、式(3)より、580mm以下とするのが良い。前面保護板3の湾曲面3aの曲率半径R’が580mmより大きくなると、G1>G2となり、液晶パネル1と前面保護板3との間の隙間をボンディング材5で埋めることができない。
なお、いずれのボンディング材5との組み合わせにおいても、前面保護板3の湾曲面3aの曲率半径と、液晶パネル1の表示面1aの曲率半径との差は、間に挟まれる物の厚み(ここでは、ボンディング材5)より大きくなるようにする必要がある。このため、前面保護板3の湾曲面3aの曲率半径R’は、R+T<R’、つまり401mmより大きくなければならない。
以上の計算値は一例であり、液晶パネル1や前面保護板3の曲率半径や湾曲方向の長さ、ボンディング材5の厚みや貼合時あるいは貼合後の変形量、また液晶パネル1の湾曲形状が単純な円弧状であるか放物線状などであるかによって変わるものである。
<変形例1>
上記の実施の形態では、表示面が凸形状のパネルモジュールであり、前面保護板3の湾曲面3aが曲率半径一定の曲面である構成を示したが、湾曲面3aは曲率半径が変化する曲面であってもよい。
図11は、パネルモジュール201の断面図、図12は、パネルモジュール201の分解図である。図12では、説明を容易にするために、液晶パネル1と前面保護板63との間に配置されるボンディング材5の図示を省略している。
図に示すように、変形例1のパネルモジュール201は、2枚の保護板のうち、液晶パネル1の表示面側に配置される前面保護板63の板厚が湾曲方向(図11中に示すY方向)の中央部より端部で薄くなる構成となっている。また、前面保護板63の液晶パネル1側に形成された湾曲面63aは、曲率半径が湾曲方向の中央部より端部で大きくなるように形成されている。前面保護板63と液晶パネル1との間はボンディング材5で埋められる。
前面保護板63は、板厚が一定で湾曲形状に形成された前面保護板63において、図12の一点鎖線で示した削り領域8、つまり、前面保護板63の湾曲方向の両端部分を湾曲面63a側から厚み方向に削ることにより形成される。削り領域8においては、前面保護板63の板厚は、湾曲方向の端部に向かうに従って薄くなる。図11中の破線は、湾曲方向の両端部分を削る前の前面保護板63の形状を示す仮想の線である。
以上の構成においても、間に気泡を発生させることなく、保護板で液晶パネルとボンディング材とを挟持することができるので、液晶表示装置の表示品位低下を防ぐことができる。
なお、表示面が凹形状のパネルモジュールの場合には、前面保護板3の代わりに背面保護板4を上記のような形状とすることで、同様の効果が得られる。よって、変形例1の構成においては、液晶パネル1の表示面1aの凹凸によらず、液晶パネル1の凸面側に配置される保護板は、板厚が湾曲方向の中央部より端部で薄く、液晶パネル1側に形成された湾曲面の曲率半径が湾曲方向の中央部より端部で大きくなるように形成されると言い換えることができる。
<変形例2>
上記の実施形態では、表示面が凸形状のパネルモジュールであり、前面保護板4の湾曲面4aが曲率半径一定の曲面である構成を示したが、湾曲面4aは曲率半径が変化する曲面であってもよい。
図13は、パネルモジュール301の断面図、図14は、パネルモジュール301の分解図である。図14では、説明を容易にするために、液晶パネル1と前面保護板3との間に配置されるボンディング材5の図示を省略している。
図に示すように、変形例2のパネルモジュール301は、2枚の保護板のうち、液晶パネル1の背面側に配置される背面保護板64の板厚が湾曲方向(図13中に示すY方向)の中央部より端部で薄くなる構成となっている。また、背面保護板64の液晶パネル1側に形成された湾曲面64aは、曲率半径が湾曲方向の中央部より端部で小さくなるように形成されている。背面保護板64と液晶パネル1との間はボンディング材5で埋められる。
背面保護板64は、板厚が一定で湾曲形状に形成された背面保護板64において、図14の一点鎖線で示した削り領域9、つまり、背面保護板64の湾曲方向の両端部分を湾曲面64a側から厚み方向に削ることにより形成される。削り領域9においては、背面保護板64の板厚は、湾曲方向の端部に向かうに従って薄くなる。図13中の破線は、湾曲方向の両端部分を削る前の背面保護板64の形状を示す仮想の線である。
以上の構成においても、間に気泡を発生させることなく、保護板で液晶パネルとボンディング材とを挟持することができるので、液晶表示装置の表示品位低下を防ぐことができる。
なお、表示面が凹形状のパネルモジュールの場合には、背面保護板4の代わりに前面保護板3を上記のような形状とすることで、同様の効果が得られる。よって、変形例2の構成においては、液晶パネル1の表示面1aの凹凸によらず、液晶パネル1の凹面側に配置される保護板は、板厚が湾曲方向の中央部より端部で薄く、液晶パネル1側に形成された湾曲面の曲率半径が湾曲方向の中央部より端部で小さくなるように形成されると言い換えることができる。
以上をまとめると、実施の形態1によれば、2枚の保護板に形成した湾曲面で液晶パネル1を挟み込み、液晶パネル1を湾曲形状に保持する液晶表示装置において、前面保護板3の湾曲面3aと背面保護板4の湾曲面4aとの対応する位置における曲率半径の差は、前面保護板3と背面保護板4との間に配置されるものの厚みの最大値より大きくなるように構成する。このとき、液晶パネル1と前面保護板3との間に配置されるボンディング材5の厚みは、ボンディング材5の湾曲方向の中央部から端部に向かって厚くなる。このように構成することにより、パネルモジュール101の組み立て時に、前面保護板3と液晶パネル1との間に気泡を閉じ込めないよう、ボンディング材5を介して前面保護板3と液晶パネル1とを貼り合わせることができる。また、このようにして作製された液晶表示装置は、表示領域7と重なる位置に気泡が入り込むことがないので、前面保護板3と液晶パネル1との間をボンディング材5で埋めることで界面での外光反射を抑制して視認性低下を防ぎながら、高い表示品位を実現することが可能となる。
さらに、背面保護板4の湾曲面4aに配置した液晶パネル1と前面保護板3の湾曲面3aとを対向させたときの間隔が、保護板3,4の湾曲面3a,4aの湾曲方向の中央部から端部に向かって大きくなるように形成された前面保護板3の湾曲面3aと液晶パネル1とを前面保護板3の湾曲面3a又は液晶パネル1に沿わせて配置したボンディング材5を介して貼り合せる工程において、湾曲方向の中央部から端部に向かって保護板3,4を加圧する、あるいは湾曲方向の一方の端部から他方の端部に向かって保護板3,4を加圧することにより、気泡を表示領域7の外に逃がしながら貼り合せることができる。その結果、液晶パネル1の表示領域7と重なる位置に気泡が入り込むことがないので、高い表示品位を実現することが可能となる。
上述した実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと解されるべきである。本発明の範囲は、上述した実施形態の範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより発明を形成してもよい