〔実施の形態1〕
(画像形成装置の全体構成)
本発明の実施の形態を図面に基づいて以下に説明する。なお、以下の説明では、画像形成装置に向って右側の面を画像形成装置の右面、画像形成装置に向って左側の面を画像形成装置の左面と称する。
本発明の実施の形態における画像形成装置は、画像形成本体装置の上に自動原稿搬送装置を備えたものとなっている。
図1は画像形成本体装置2を右面側から見た場合における、画像形成本体装置2の内部構造を示す縦断面図である。図1においては、左側が画像形成本体装置2の前面側、右側が背面側となっている。
本実施の形態において、画像形成本体装置2はフルカラープリンターである。したがって、画像形成本体装置2は、外部から伝達される画像データに応じて用紙(記録紙、シート状の記録媒体)にカラー画像を印刷する。ここでは、画像形成本体装置2は、プリンターの場合を例示しているが、コピー機、ファクシミリ装置またはこれらの機能を備えた複合機であってもよい。この場合、画像形成本体装置2は、外部から伝達される画像データおよび/またはスキャナによって原稿から読み取った画像データに応じて用紙に多色または単色の画像を印刷する。
図1に示すように、画像形成本体装置2は、上下方向の中央部に、プロセスユニット11が設けられている。このプロセスユニット11の下方位置には、上から順次、レーザ光学系ユニット12および給紙カセット13が設けられている。また、プロセスユニット11に対する背面側位置には転写部14が設けられ、転写部14の上方位置には定着部15が設けられている。プロセスユニット11の上方における画像形成本体装置2の筐体上面は、排紙トレイ16となっている。
給紙カセット13から排紙トレイ16に至る経路には、用紙搬送路17が形成され、この用紙搬送路17には、給紙カセット13側から排紙トレイ16に向って、給紙ローラ18、タイミングローラ19、上記転写部14、上記定着部15および排紙ローラ20が設けられている。
プロセスユニット11は、第1〜第4画像形成部31〜34、中間転写ベルトユニット35および転写ベルトクリーニング装置36を備えている。
第1〜第4画像形成部31〜34は、それぞれ、イエロー用、マゼンタ用、シアン用、ブラック用となっている。
第1画像形成部31は、感光体ドラム41a、帯電器42a、現像装置43a、中間転写ローラ44aおよび感光体クリーナユニット45aを備えている。
帯電器42aは、各感光体ドラム41aの表面を所定電位に帯電させる。現像装置43aは、感光体ドラム41aがレーザ光学系ユニット12からのレーザ光により露光されて、感光体ドラム41aの表面に形成された静電潜像をトナーによって現像する。中間転写ローラ44aは、中間転写ベルト51の裏面に配置され、現像により感光体ドラム41aの表面に形成されたトナー像を中間転写ベルトユニット35の中間転写ベルト61の表面に転写する。感光体クリーニング装置45aは、現像および画像転写後に感光体ドラム41aの表面の残留トナーや紙粉を除去して回収する。
同様に、第2画像形成部32は、感光体ドラム41b、帯電器42b、現像装置43b、中間転写ローラ44bおよび感光体クリーニング装置45aを備えている。第3画像形成部33は、感光体ドラム41c、帯電器42c、現像装置43c、中間転写ローラ44cおよび感光体クリーニング装置45cを備えている。第4画像形成部34は、感光体ドラム41d、帯電器42d、現像装置43d、中間転写ローラ44dおよび感光体クリーニング装置45dを備えている。
中間転写ベルトユニット35は、中間転写ベルト51、並びに中間転写ベルト51を支持する駆動ローラ52、従動ローラ53およびテンションローラ54,55を備えている。
転写ベルトクリーニング装置36は、中間転写ベルト51の表面の残留トナーや紙粉を除去する。
レーザ光学系ユニット12は、各感光体ドラム41a〜41dに対応したレーザ光源12a〜12dを備え、それらレーザ光源12a〜12dから感光体ドラム41a〜41dにレーザ光を照射し、画像形成本体装置2において印刷する画像に応じた静電潜像を感光体ドラム41a〜41dの表面に形成する。
転写部14は、中間転写ベルト51を介して中間転写ベルトユニット35の駆動ローラ52に圧接される転写ローラ14aを備え、中間転写ベルト51の表面のトナー像を給紙カセット13から供給される用紙に転写する。
定着部15は、定着ローラ15aと加圧ローラ15bとを備え、用紙上のトナー像を溶融させて用紙に定着させる。
(画像形成動作)
上記構成の画像形成本体装置2では、カラー画像を印刷する場合に、入力された画像データに応じて、レーザ光学系ユニット12から感光体ドラム41a〜41dに対してレーザ光が照射され、感光体ドラム41a〜41dに静電潜像が形成される。それら、静電潜像は、現像装置43a〜43dから供給されるトナーによって現像され、感光体ドラム41a〜41dの表面に、それぞれイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナー像が形成される。
これらトナー像は、中間転写ベルトユニット35の中間転写ベルト51上の同一位置に、順次重なり合うように転写され、さらに転写部14において用紙上に転写される。
上記用紙は、給紙カセット13から給紙ローラ18により用紙搬送路17に送り出され、タイミングローラ19により中間転写ベルト51上のトナー像と合致するタイミングにて転写部14に供給される。
転写部14においてトナー像が転写された用紙は定着部15に搬送され、定着部15においてトナー像が用紙に定着される。その後、用紙は、排紙ローラ20によって排紙トレイ16上に排出される。
なお、画像形成装置1では、定着部15が背面側に位置しているので、定着部15にて発生した熱(熱風)が画像形成装置1の前面側に位置する使用者に伝わって使用者が不快感を受けるといったことがない。
(プロセスユニット)
ここで、プロセスユニット11は、例えば所定枚数の印刷を経ると新しいものと交換される。この場合、プロセスユニット11は、画像形成本体装置2に対して、画像形成本体装置2の右面側(図1における紙面手前側)に抜脱し、かつ挿入できるようになっている。図2は、画像形成本体装置2から抜脱した状態のプロセスユニット11を示す斜視図である。
図2に示すように、プロセスユニット11では、転写ベルトクリーニング装置36とつながっている廃トナー搬送パイプ36a、および感光体クリーニング装置45a〜45dとつながっている廃トナー搬送パイプ45a1〜45d1が画像形成本体装置2における右面側へ突出している。
次に、画像形成装置1における自動原稿搬送装置、カートリッジ装着部、トナーカートリッジおよび廃トナーボックスの配置状態について説明する。図3は、自動原稿搬送装置3を備え、かつ筐体を取り外した状態における画像形成装置1の斜視図である。
(自動原稿搬送装置)
図3に示すように、自動原稿搬送装置3は、画像形成本体装置2の上に設けられている。自動原稿搬送装置3は、原稿セットトレイ61および排紙トレイ62を備え、原稿セットトレイ61に配置された原稿を原稿読取部(図示せず)に搬送した後、排紙トレイ62上に排出する。原稿読取部は、自動原稿搬送装置3の内部および画像形成本体装置2の上部に設けられている。
本実施の形態において、自動原稿搬送装置3は、原稿画像の読み取りの際に、原稿セットトレイ61上に配置された原稿を、画像形成本体装置2の左面方向に搬送(給紙)するようになっている。具体的には、原稿は、原稿セットトレイ61から画像形成本体装置2の左面方向に搬送され、原稿読取部にて読み取られた後、画像形成本体装置2の右面方向に搬送されて、排紙トレイ62上に排出される。
給紙カセット13は、取っ手13aを引くことにより画像形成装置1(画像形成本体装置2)の前面側へ引き出し可能となっている。また、画像形成装置1は、前面側の位置の上部に操作パネル21を備えている。
(カートリッジ装着部およびトナーカートリッジ)
図3に示すように、プロセスユニット11に対する画像形成本体装置2の右面側位置の上部には、4個のカートリッジ装着部65〜68が設けられ、下部には廃トナーボックス69が設けられている。カートリッジ装着部65〜68は、上下方向に縦長の形状を有し、同じ高さ位置において画像形成装置1の前後方向に並んでいる。カートリッジ装着部65〜68は、隣り合うもの同士がつながって一体となった構造であり、それぞれ現像装置43a〜43dに対応して設けられている。
カートリッジ装着部65〜68には、図4および図5に示すように、それぞれトナーカートリッジ71〜74が装着される。図4は、図3に示したカートリッジ装着部65〜68にトナーカートリッジ71〜74を装着した状態を示す画像形成装置1の斜視図である。図5は、図3に示したカートリッジ装着部65〜68にトナーカートリッジ71〜74を装着した状態を示す画像形成本体装置2の右面側から見た正面図である。
トナーカートリッジ71〜74は、それぞれイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナーを収容している。トナーカートリッジ71〜74は、カートリッジ装着部65〜68に装着された状態において、それぞれ対応する現像装置43a〜43dへのトナーの補給が可能になる。一群をなすトナーカートリッジ71〜74は、画像形成本体装置2の右面側において、画像形成本体装置2の前後方向の中心位置に対して、前面寄りの位置に配置されている。
ここで、カートリッジ装着部65〜68の上部は、画像形成本体装置2の左右の縦壁部81,82のうちの右側の縦壁部82の内部に配置されている。縦壁部81,82は、排紙トレイ16の左右位置に設けられ、用紙を排紙トレイ16上に保持するために、筐体の上面が排紙トレイ16の上面よりも高くなるように形成されている。これにより、筐体の縦壁部82を利用して、縦長のカートリッジ装着部65〜68すなわち縦長のトナーカートリッジ71〜74を効率よく配置でき、かつトナーカートリッジ71〜74は所望の容量を確保し易くなっている。
(廃トナーボックス)
廃トナーボックス69は、図6(a)および図6(b)に示すように、薄型の長方形の箱形状となっている。具体的には、図6(a)の左右方向(画像形成本体装置2の前後方向)の寸法が上下方向の寸法よりも長く、かつ図6(a)の前後方向(画像形成本体装置2の左右方向、廃トナーボックス69の厚み)の寸法が上下方向の寸法よりも短くなっている。図6(a)は、廃トナーボックス69を画像形成本体装置2の右面側の正面から見た場合の正面図、図6(b)は、廃トナーボックス69の背面図(図6(a)の裏側)である。
廃トナーボックス69の上部には、プロセスユニット11の各クリーニング装置にて回収された廃トナーや紙粉を取り込むための上方に延びる第1〜第5の5個の延設部91〜95が形成されている。第1〜第5延設部91〜95は廃トナーボックス69の内部空間とつながっている。第1延設部91の高さは、他の第2〜第5延設部92〜95の高さよりも高く、第2〜第5延設部92〜95の高さは同一である。第1〜第5延設部91〜95におけるプロセスユニット11と対向する面には、それぞれ円形孔状の廃トナー取込口91a〜95aが形成されている。
廃トナーボックス69は、画像形成本体装置2に対して容易に着脱可能となっている。廃トナーボックス69は、画像形成本体装置2に装着した場合に、第1延設部91の廃トナー取込口91aが転写ベルトクリーニング装置36とつながり、第2〜第5延設部92〜95の廃トナー取込口92a〜95aが感光体クリーニング装置45a〜45dとつながるようになっている。
各クリーニング装置36およびクリーニング装置45a〜45dと廃トナーボックス69とを接続するために、図7に示すように、転写ベルトクリーニング装置36とつながっている廃トナー搬送パイプ36a、および感光体クリーニング装置45a〜45dとつながっている廃トナー搬送パイプ45a1〜45d1は、廃トナーボックス69の位置まで突出している。なお、図7は、図5に示した画像形成本体装置2において、トナーカートリッジ71〜74および廃トナーボックス69を取り外した状態を示す右面側から見た正面図である。
したがって、画像形成本体装置2に廃トナーボックス69を装着した場合には、転写ベルトクリーニング装置36とつながっている廃トナー搬送パイプ36aは、第1延設部91の廃トナー取込口91aに挿入される。また、感光体クリーニング装置45a〜45dとつながっている廃トナー搬送パイプ45a1〜45d1は、第2〜第5延設部92〜95の廃トナー取込口92a〜95aに挿入される。これにより、第1延設部91は、転写ベルトクリーニング装置36から廃トナーや紙粉を取り込む。また、第2〜第5延設部92〜95は、感光体クリーニング装置45a〜45dから廃トナーや紙粉を取り込む。なお、各クリーニング装置36,45a〜45dから第1〜第5延設部91〜95への廃トナーの搬送は、それらクリーニング装置36,45a〜45dが備える例えば廃トナー搬送スクリューによって行われる。
(トナーカートリッジおよびカートリッジ装着部の詳細構造)
次に、トナーカートリッジ71〜74およびカートリッジ装着部65〜68の構造について説明する。以下では、トナーカートリッジ71およびカートリッジ装着部65を例に説明する。図8は、図5に示したトナーカートリッジ71を簡略化して示す側面図である。図9は、図8に示したトナーカートリッジ71の正面図、図10は、図3に示したカートリッジ装着部65を簡略化して示す正面図、図11は図9におけるA−A線矢視断面図である。
図8および図9に示すように、トナーカートリッジ71は、上下方向に長い縦長形状に形成され、内部にトナーを収容するトナー収容部71aを備えている。トナー収容部71aの下端部には、トナー補給口71bが形成され、さらにこのトナー補給口71bを開閉するシャッタ71cが設けられている。トナー補給口71bが形成されている下端面は、円弧状に湾曲しており、これに対応して、シャッタ71cは円弧状に形成されている。シャッタ71cは、トナーカートリッジ71がカートリッジ装着部65に装着されていない通常状態において、ばね(図示せず)の作用により閉状態となっている。
トナー収容部71aの両側面には、トナー補給口71bの上、かつトナー補給口71bの位置に近いトナーカートリッジ71の下部の位置に、嵌合凸部71dが設けられている。すなわち、一方の嵌合凸部71dは、画像形成本体装置2の前面方向に突出し、他方の嵌合凸部71dは、画像形成本体装置2の背面方向に突出している。
嵌合凸部71dは、上下の面が円弧状の湾曲面71d1となり、上下の湾曲面71d1の間が両湾曲面71d1間の幅よりも狭い幅の直状部71d2となっている。
カートリッジ装着部65は、図10および図11に示すように、画像形成本体装置2の右面に沿って垂直に配置されるカートリッジ対向部65cを有している。また、カートリッジ対向部65cの下端部付近の左右位置(画像形成本体装置2を基準とすれば前面方向位置および背面方向位置)に、凸壁部65aを有している。
両凸壁部65aには、互いに対向する内面に、嵌合凹部65bが形成されている。嵌合凹部65bは、導入部が直状凹部65b2となり、その先の終端部が円形凹部65b1となっている。直状凹部65b2は、トナーカートリッジ71の嵌合凸部71dにおける直状部71d2よりも若干広い幅であり、円形凹部65b1は、トナーカートリッジ71の嵌合凸部71dにおける両湾曲面71d1の間の幅よりも若干広い径である。また、直状凹部65b2は、垂直上下方向に対して、画像形成本体装置2の右面側に傾斜している。
したがって、トナーカートリッジ71をカートリッジ装着部65に装着する場合、作業者は、まず、トナーカートリッジ71を、カートリッジ装着部65に対して、上方から斜め下方へ移動させ、嵌合凸部71dの直状部71d2を嵌合凹部65bの直状凹部65b2に挿入する。さらに、嵌合凸部71dが嵌合凹部65bの円形凹部65b1に到達するまで、トナーカートリッジ71を斜め下方へ移動させる。その後、トナーカートリッジ71をカートリッジ装着部65のカートリッジ対向部65cに当接するまで、トナーカートリッジ71を回転させる。この場合、トナーカートリッジ71の回転は、嵌合凸部71dが嵌合凹部65bの円形凹部65b1に回転可能に保持されているので、円滑に行うことができる。
(トナーカートリッジから現像装置へのトナーの補給)
図5に示すように、カートリッジ装着部65〜68に装着されたトナーカートリッジ71〜74の下には、それぞれトナー中間受け部材76〜79が配置されている。また、トナー中間受け部材76〜79の下には、図7にも示すように、それぞれ現像装置43a〜43dのトナー取込部43a1〜43d1の端部が配置されている。したがって、トナーカートリッジ71〜74のトナーはそれぞれトナー中間受け部材76〜79を介して、対応する現像装置43a〜43dに供給される。
ここでは、トナーカートリッジ71、カートリッジ装着部65、トナー中間受け部材76および現像装置43aの場合を例に、トナーカートリッジ71から現像装置43aへトナーを補給するための構成について説明する。
図12は、上方から斜め下方にトナーカートリッジ71を移動させて、トナーカートリッジ71の嵌合凸部71dをカートリッジ装着部65の嵌合凹部65bに挿入した状態を示す説明図である。図13は、カートリッジ装着部65に対するトナーカートリッジ71の装着が完了した状態を示す説明図である。
図13に示すように、トナー中間受け部材76には、トナー取込口76aが形成されている。トナー取込口76aの位置は、トナーカートリッジ71がカートリッジ装着部65に装着された状態においてトナーカートリッジ71のトナー補給口71bと対向する位置である。
また、図12に示すように、トナーカートリッジ71のシャッタ71cには、係合凸部71eが形成され、トナー中間受け部材76には、係合凸部71eと係合する係合受部76bが形成されている。
係合受部76bには、上方から斜め下方にトナーカートリッジ71を移動させて、トナーカートリッジ71の嵌合凸部71dをカートリッジ装着部65の嵌合凹部65bに挿入した状態において、係合凸部71eが係合する。
この状態において、図13に示すように、トナーカートリッジ71をカートリッジ装着部65のカートリッジ対向部65cに当接するように回転させると、シャッタ71cが開き、トナー補給口71bが開放される。これにより、トナーカートリッジ71内のトナーが、トナー補給口71b、トナー中間受け部材76のトナー取込口76a、トナー中間受け部材76の内部、トナー中間受け部材76のトナー補給口76cおよびトナー取込部43a1のトナー取込口43a2を経て、現像装置43aに補給される。
トナー中間受け部材76は、図14に示す構造となっている。図14は、トナー中間受け部材76の構造を示す縦断面図である。トナー中間受け部材76は、画像形成本体装置2に固定されており、図14に示すように、内部にトナー搬送スクリュー76dを備えている。トナー中間受け部材76では、トナー取込口76aから取り込んだトナーをトナー搬送スクリュー76dによって搬送し、トナー補給口76cから、トナー取込口43a2を通じて現像装置43aに補給する。トナー搬送スクリュー76dは、画像形成本体装置2から駆動力を受けて回転する。
(側面開閉扉)
画像形成本体装置2の筐体には、図15に示すように、画像形成本体装置2の右面に側面開閉扉101が形成されている。側面開閉扉101は、トナーカートリッジ71〜74および廃トナーボックス69の配置領域を開閉可能に覆っている。側面開閉扉101は、取手101aを有し、図15に示すように、下端部の回転支点軸102を中心として、上下方向へ開閉可能となっている。図15は、側面開閉扉101の開閉状態を示す説明図である。
本実施の形態において、側面開閉扉101は、閉位置101a0から第1開放位置101a1および第2開放位置101a2に開放できるようになっている。第1開放位置101a1では、トナーカートリッジ71〜74の交換作業が可能となっており、第2開放位置101a2では、廃トナーボックス69の交換作業、およびプロセスユニット11の交換作業が可能となっている。閉位置101a0に対する第1開放位置101a1の開放角度(第1開放角度)は、30°〜45°であり、第2開放位置101a2の開放角度(第2開放角度)は、90°〜110°である。
(開放角度調整機構部)
次に、側面開閉扉101を第1開放位置101a1および第2開放位置101a2に開放するための開放角度調整機構部について説明する。図16(a)は、画像形成本体装置2の前面側から見た場合における、側面開閉扉101が閉位置101a0に配置されている場合、および第1開放位置101a1に開放されている場合の開放角度調整機構部103の状態を示す説明図である。図16(b)は、開放角度調整機構部103が備える連結部材105を示す正面図である。図16(c)は、画像形成本体装置2の前面側から見た場合における、側面開閉扉101が第2開放位置101a2に開放されている場合の開放角度調整機構部103の状態を示す説明図である。
また、図17(a)は、画像形成本体装置2の右面側から見た場合における、側面開閉扉101が第1開放位置101a1に開放されている場合の開放角度調整機構部103の状態を示す説明図である。図17(b)は、画像形成本体装置2の右面側から見た場合における、側面開閉扉101が第2開放位置101a2に開放されている場合の開放角度調整機構部103の状態を示す説明図である。
開放角度調整機構部103は、図16(a)および図17(a)に示すように、案内部材104、連結部材105、ストッパ106および圧縮ばね107を備えている。
案内部材104は、長穴104aを有する板状部材であり、長穴104aの長手方向が画像形成本体装置2の左右方向となるように、画像形成本体装置2に固定されている。連結部材105は、図16(b)に示すように、細長い板形状の板状部105aを有している。さらに、板状部105aの一端部において板状部105aから垂直に突出する第1ボス105b、および板状部105aの他端部において板状部105aから第1ボス105bと同方向に突出する第2ボス105cを有している。
なお、案内部材104は、ビス等にて画像形成装置1に固定されているものであっても、画像形成装置1の底板を案内部材104の形状に加工することにより形成されているものであってもよい。
第1ボス105bは、案内部材104の長穴104aに挿入され、長穴104aに案内されて、画像形成本体装置2の左右方向に移動可能となっている。第2ボス105cは、回転支点軸102の上方の所定位置において、側面開閉扉101に対して回転可能に挿入されている。
ストッパ106は、作業者によって操作される操作部106a、および操作部106aから上方に突出する係止部106bを有し、案内部材104に対して上下移動可能となっている。ストッパ106の操作部106aは、例えば画像形成装置1の底部から下方へ露出している。ストッパ106は、作業者によって押し上げ操作が行われていない場合、図16(a)および図17(a)に示すように、圧縮ばね107によって下方に押し下げられている。この状態において、係止部106bは案内部材104の長穴104aの位置に配置され、連結部材105の第1ボス105bの右方向への移動を阻止する。
また、ストッパ106の係止部106bには、第1ボス105bの右方向への移動を可能とする凹部106b1が形成されている。この凹部106b1は、図16(c)および図17(b)に示すように、作業者によりストッパ106が上方位置に押し上げられた状態において、案内部材104の長穴104aの位置に配置される。したがって、この状態において、第1ボス105bの右方向への移動が可能となる。なお、この場合、第1ボス105bは、例えば係止部106bにおける右側の端部位置まで移動する。
上記の構成において、トナーカートリッジ71〜74は収容しているトナーが空になった場合に、また、廃トナーボックス69は回収した廃トナーが満杯となって場合に、また、プロセスユニット11は例えば印刷枚数が所定枚数となった場合に、例えば操作パネル21の表示に基づき、それぞれ新しいものと交換される。
ここで、トナーカートリッジ71〜74、廃トナーボックス69およびプロセスユニット11の交換サイクルは、印刷枚数に換算した場合、およそ、
・トナーカートリッジ71〜74: 4,000枚毎
・廃トナーボックス69 :10,000枚毎
・プロセスユニット11 :60,000枚毎
である。
(トナーカートリッジの交換作業)
トナーカートリッジ71〜74を交換する場合、作業者は、画像形成装置1の前面側位置において、画像形成装置1の右面に手を伸ばし、側面開閉扉101の取手101aを引いて側面開閉扉101を第1開放位置101a1(図15、図16(a)、図17(a))まで開放する。
ここで、開放角度調整機構部103では、側面開閉扉101が閉位置101a0にある場合、連結部材105の第1ボス105bは案内部材104の長穴104aの図16(a)における左方向(画像形成本体装置2の左方向)の端部付近に存在する。
この状態から、側面開閉扉101が開放されると、この開放動作に伴い、連結部材105が側面開閉扉101に引っ張られて右方向に移動し、同時に連結部材105の第1ボス105bが案内部材104の長穴104a内を右方向に移動し、ストッパ106の係止部106bに当接する。この結果、側面開閉扉101は、それ以上の開放が阻止され、第1開放位置101a1に配置される。
次に、作業者は、側面開閉扉101を第1開放位置101a1に開放した状態において、右手により、トナーカートリッジ71〜74のうち、交換すべきものを交換する。
例えば、トナーカートリッジ71を交換する場合、作業者は、図13に示したように、トナーカートリッジ71がカートリッジ装着部65に装着されている位置(装着完了状態)から、図12に示したように、トナーカートリッジ71のトナー補給口71bがシャッタ71cによって閉じられる位置まで、嵌合凸部71dを中心としてトナーカートリッジ71を右方向(時計回り)に回転させる。図13に示した位置から図12に示した位置までのトナーカートリッジ71の回転角度は、例えば30°である。
図12に示した状態では、トナーカートリッジ71の嵌合凸部71dにおける直状部71d2は、カートリッジ装着部65の嵌合凹部65bにおける直状凹部65b2と平行になる。そこで、作業者は、トナーカートリッジ71を図12に示した角度の状態にて、斜め上方に移動させる。これにより、トナーカートリッジ71の嵌合凸部71dがカートリッジ装着部65の嵌合凹部65bから抜脱される。なお、この場合には、トナーカートリッジ71のシャッタ71cにおける係合凸部71eと、現像装置43aのトナー取込部43a1における係合受部76bとの係合が解除される。したがって、シャッタ71cが閉じられ、トナー補給口71bが塞がれた状態にて、トナーカートリッジ71を画像形成本体装置2から抜き出すことができる。
一方、新しいトナーカートリッジ71を装着する場合、作業者は、トナーカートリッジ71を抜き出す場合の上記の動作と逆の動作を行い、トナーカートリッジ71を図13に示した装着完了状態とすればよい。この状態では、シャッタ71cが開き、トナーカートリッジ71内のトナーをトナー補給口71bおよびトナー取込部43a1のトナー取込口43a2を通じて、現像装置43aに補給可能となる。
(廃トナーボックスの交換作業)
廃トナーボックス69を交換する場合、作業者は、側面開閉扉101を第2開放位置101a2(図15、図16(c)、図17(b))まで開放する。この場合、作業者は、画像形成装置1の前面側位置において、左手にてストッパ106を押し上げ、右手にて側面開閉扉101の取手101aを引いて側面開閉扉101を開放する。
ここで、開放角度調整機構部103では、側面開閉扉101が閉位置101a0にある状態においてストッパ106が押し上げられると、ストッパ106の凹部106b1が案内部材104の長穴104aの位置に移動する。これにより、連結部材105の第1ボス105bは、ストッパ106の係止部106bにて右方向への移動を阻止されることなく、さらに右方向へ移動することができる。したがって、側面開閉扉101を第2開放位置101a2まで開放することができる。
次に、作業者は、側面開閉扉101を第2開放位置101a2に開放した状態において、廃トナーボックス69を右手にて画像形成本体装置2の右面側に引き出して、新しいものと交換する。
(プロセスユニットの交換作業)
プロセスユニット11を交換する場合、作業者は、廃トナーボックス69の交換作業と同様にして、側面開閉扉101を第2開放位置101a2(図15、図16(c)、図17(b))まで開放する。
次に、作業者は、画像形成本体装置2からプロセスユニット11の右面側に存在するトナーカートリッジ71〜74、カートリッジ装着部65〜68および廃トナーボックス69等を取り外したのち、プロセスユニット11を画像形成本体装置2から引き出して、新しいものと交換する。
この場合、作業者は、画像形成本体装置2の右面側に作業スペースを確保できる場合、右面側において、作業を行ってもよい。あるいは、画像形成本体装置2の右面側が前面側に来るように、画像形成本体装置2を水平に90度回転させて、作業を行ってもよい。
(給紙カセットへの用紙補給作業)
給紙カセット13に用紙を補給する場合は、作業者は、取っ手13aを引くことにより画像形成装置1(画像形成本体装置2)の前面側へ給紙カセット13を引き出す。そして、給紙カセット13内の所定位置に用紙の束を載置する。この場合、作業者は、給紙カセット13を引き出すことで、画像形成装置1の前面側に作業スペースが確保できない場合は、引き出した給紙カセット13の側方から作業を行ってもよい。
(交換作業と補給作業のアクセス方向の関係)
図18に、トナーカートリッジ71〜74および廃トナーボックス69の交換時のアクセス方向、給紙カセット13への用紙補給時のアクセス方向を示す。図18に示すように、トナーカートリッジ71〜74および廃トナーボックス69の交換時のアクセス方向は、画像形成装置1の右面側の空間から右面(右側面)に向かう矢印Bの方向であり、給紙カセット13への用紙補給時のアクセス方向は、画像形成装置1の前面の空間から前面に向かう矢印Aの方向となる。
また、図19に、トナーカートリッジ71(72〜74)と現像装置43a(43b〜43d)との第1連結部P1と、廃トナーボックス96と廃トナー搬送パイプ36aおよび廃トナー搬送パイプ45a1〜45d1との第2連結部P2と、給紙カセット13内にセットされた用紙400の画像形成の際に搬送される搬送領域との位置関係を示す。
トナーカートリッジ71(72〜74)と現像装置43a(43b〜43d)との間には、トナー中間受け部材76(77〜79)が介在されており、第1連結部p1は、トナーカートリッジ71(72〜74)のトナー補給口71bと、トナー中間受け部材76(77〜79)におけるトナー取込口76a(77 a〜79a)との連結部が相当する。廃トナー搬送パイプ36aおよび廃トナー搬送パイプ45a1〜45d1は、廃トナー回収部に相当する転写ベルトクリーニング装置36および感光体クリーニング装置45a〜45と接続されている。
図19中、一点鎖線で示すラインCよりも給紙カセット13に存在する側が搬送領域内であり、ラインCからトナーカートリッジ71(72〜74)および廃トナーボックス69が存在する側が搬送領域外である。なお、図19では、便宜上、トナーカートリッジ71(72〜74)と廃トナーボックス69とを、図において上下に離間して示しているが、図3、図4より明らかなように、トナーカートリッジ71(72〜74)の下端部と廃トナーボックス69の上端部とは、交互に配置されている。
(画像形成装置の利点)
以上のように、本実施の形態の画像形成装置1では、作業者は、トナーカートリッジ71〜74および廃トナーボックス69の交換作業を画像形成装置1の前面に位置した状態にて、画像形成装置1の右面側に形成された側面開閉扉101を開放することにより右手にて行うことができる。
これにより、画像形成装置の前面側位置において作業者の前後方向の動きが生じ難く、トナーカートリッジ71〜74および廃トナーボックス69の交換作業が、他の人の通行の妨げになる事態が生じ難くなっている。これにより、スモールオフィスやホームオフィスにおいても、トナーカートリッジ71〜74および廃トナーボックス69の交換作業を円滑に行うことができる。
また、側面開閉扉101が画像形成装置1の右面側に形成されていることから、人口割合で7割程度と言われている右利きの人は、トナーカートリッジ71〜74および廃トナーボックス69の交換作業を利き手にて容易に行うことができる。
また、作業者が車椅子を使用する障がい者であっても、画像形成装置1の右面側の側面開閉扉101を開放して、トナーカートリッジ71〜74の交換作業、および廃トナーボックス69の交換作業を容易に行うことができる。
図20(a)は車椅子を使用する作業者による画像形成装置1のトナーカートリッジ71〜74の交換作業を示す平面図である。図20(b)は、車椅子を使用する作業者による画像形成装置1の主電源に対する操作状態を示す平面図である。
図20(a)および図20(b)に示すように、車椅子111を使用する作業者112が画像形成装置1に対して作業を行う場合、車椅子111を画像形成装置1の前面側位置に横付けし、作業者112は右側から画像形成装置1の前面と対峙する。
トナーカートリッジ71〜74を交換する場合には、図20(a)に示すように、作業者112は上記の状態にて右手113を画像形成装置1の右面側位置に伸ばし、取手101aを操作して側面開閉扉101を開放し、トナーカートリッジ71〜74を交換する。同様にして、作業者112は、廃トナーボックス69の交換も行うことができる。また、例えば操作パネル21上の主電源スイッチ22を操作する場合には、図20(b)に示すように、トナーカートリッジ71〜74を交換する場合と同じ位置において、右手113にて主電源スイッチ22を操作する。
上記の各作業を行う場合、作業者112は、車椅子111を画像形成装置1の前面側において、画像形成装置1の前後方向に移動させる必要がない。したがって、画像形成装置1の前面側において車椅子111のスペースは必要となるものの、それ以上のスペースは必要なく、画像形成装置1の前面側において人の通行を妨げる事態を抑制することができる。
また、トナーカートリッジ71〜74、廃トナーボックス69およびプロセスユニット11の交換作業を、同一の側面開閉扉101を開放して行うことができるので、これら作業を容易に行うことができる。その上、画像形成装置1に必要な開閉扉の数を少なくすることができるので、画像形成装置1の構造を簡素化することができる。
また、特に、トナーカートリッジ71〜74の交換作業については、側面開閉扉101を第1開放位置101a1に開放した状態、すなわち例えば30°〜45°といった狭い角度(鋭角)に開放した状態にて行うことができる。したがって、画像形成装置1の側方に、側面開閉扉101を開放できる比較的小さいスペースを確保できれば、トナーカートリッジ71〜74の交換作業が可能となる。この点は、トナーカートリッジ71〜74の交換頻度が廃トナーボックス69やプロセスユニット11の交換頻度と比較して格段に高いことから、大きな利点である。
これにより、図21に示すように、画像形成装置1の側面開閉扉101を有する右面側の位置に書類ファイル121が置かれている場合や、図22に示すように、画像形成装置1がキャビネット122に配置され、画像形成装置1の側面開閉扉101を有する右面側の位置に例えば花瓶123が置かれている場合であっても、画像形成装置1や画像形成装置1の周りに配置されているものを移動させることなく、トナーカートリッジ71〜74の交換作業を行うことができる。
また、トナーカートリッジ71〜74の画像形成装置1に対する装着は、側面開閉扉101を第1開放位置101a1に開放した状態にて、トナーカートリッジ71〜74を画像形成装置1に対して上方から斜め下方に移動させて挿入した後、トナーカートリッジ71〜74を画像形成装置1方向(反時計回り)に回転させることにより行うようになっている。すなわち、トナーカートリッジ71〜74の画像形成装置1に対する装着は、トナーカートリッジ71〜74を側面開閉扉101に装着した後、側面開閉扉101を閉じることによりトナーカートリッジ71〜74を所定の装着位置に装着するものではない。したがって、側面開閉扉101が経年により変形して、側面開閉扉101を閉じた場合に、所定の装着位置にトナーカートリッジ71〜74が装着され難くなるといった不具合を生じない。
また、トナーカートリッジ71〜74を画像形成装置1に装着する場合に、側面開閉扉101の開放とともに、カートリッジ装着部65〜68をトナーカートリッジ71〜74の挿入を受け入れる位置まで回転させないので、側面開閉扉101の開放角度を小さくすることができ、これによっても狭い作業領域での作業が可能となっている。
したがって、本実施の形態の画像形成装置1は、トナーカートリッジ71〜74、廃トナーボックス69およびプロセスユニット11の交換作業を容易に行うことができ、かつ必要な開閉扉の数を抑制して構造を簡素化することができる。
また、図18に示すように、画像形成装置1においては、トナーカートリッジ71〜74および廃トナーボックス69の交換時のアクセス方向と、給紙カセット13への用紙補給時のアクセス方向とが異なる。加えて、図19に示すように、画像形成装置1においては、トナーカートリッジ71(72〜74)と現像装置43a(43b〜43d)との第1連結部P1および廃トナーボックス69と廃トナー回収部との第2連結部P2は共に、給紙カセット13に収容された用紙400が画像形成の際に搬送される搬送領域外に位置しているので、たとえ、給紙カセット13への用紙の補給と、トナーカートリッジ71(72〜74)あるいは廃トナーボックス69の交換を同時に実行したとしても、給紙カセット13やその内部の用紙400にトナーや廃トナーが付着して用紙400を汚染するといった事態の招来を効果的に防ぐことができる。
(側面開閉扉の他の例)
画像形成装置1は、図16に示した側面開閉扉101に代えて、図23(a)〜図23(c)に示す側面開閉扉131を備えていてもよい。図23(a)は、図15に示した側面開閉扉101の他の例を示す説明図、図23(b)は、図23(a)に示した側面開閉扉131の扉上部132を開放した状態を示す説明図、図23(c)は、図23(a)に示した扉上部132を閉じ状態に保持する構造を示す説明図である。
図23(a)に示すように、側面開閉扉131は、扉上部132と扉下部133とを備え、これら扉上部132と扉下部133とが開閉補助部材(連結部材)134とヒンジ(連結部材)135とによって連結されている。扉上部132には取手131aが形成されている。開閉補助部材134の材質は、例えばNBR(Nitrile butadiene rubber)などの弾性ゴムであってもよいし、厚み0.3mm程度のPET(Polyethylene terephthalate)フィルムであってもよい。
扉上部132と扉下部133とは、具体的には図23(b)に示すように、内面側において開閉補助部材134によって連結され、外面側においてヒンジ135により連結されている。開閉補助部材134は、ビス135によって扉上部132と扉下部133とに取り付けられる。開閉補助部材134がPETフィルムにて形成される場合、開閉補助部材134の扉上部132または扉下部133に取り付けられる部分には、長穴134aが形成されていてもよい。これは、扉上部132の開放時において、ビス135に対する開閉補助部材134の移動を可能とし、扉上部132を円滑に開放できるようにするためである。
また、図23(c)に示すように、扉上部132の両側の側面には、例えば弾性体からなる嵌合凸部136が形成されている。一方、画像形成本体装置2の筐体23における嵌合凸部136と対向する位置には、嵌合凹部24が形成されている。したがって、扉上部132を閉じた場合には、嵌合凸部136が嵌合凹部24と嵌合し、扉上部132が閉じ状態に保持される。
側面開閉扉131を備えた構成では、トナーカートリッジ71〜74の交換の場合には、扉上部132のみが開放され、廃トナーボックス69およびプロセスユニット11の交換の場合には、扉上部132および扉下部133が開放される。
トナーカートリッジ71〜74を交換する場合の扉上部132の開放角度は例えば60°〜70°であってもよい。この場合の扉上部132の開放角度は、開閉補助部材134の長穴134aの長さを調整することにより、調整可能である。
また、扉下部133の開閉は、前述した開放角度調整機構部103によって行うようにすればよい。すなわち、扉下部133は、ストッパ106が圧縮ばね107に押されて下方位置に移動している場合に閉状態に保持され、ストッパ106が上方に押し上げされた場合に開放可能となる。この場合の扉上部132および扉下部133の開放角度は、側面開閉扉101を第2開放位置101a2に開放する場合と同様、90°〜110°である。
上記のような側面開閉扉131を備えた構成では、画像形成装置1に対してトナーカートリッジ71〜74を着脱するために側面開閉扉131(扉上部132)を開放する場合の側面開閉扉131の回転領域を小さくすることができる。これにより、トナーカートリッジ71〜74を着脱する場合に必要な画像形成装置1の側方の作業スペースをさらに小さくすることができる。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態を図面に基づいて以下に説明する。
本実施の形態の画像形成装置1(画像形成本体装置2)は、図24〜図27に示すように、画像形成装置1(画像形成本体装置2)の筐体の右面に設けられた側面開閉扉101が第1〜第3開放角度の3段階の角度に開放されるようになっている。このために、画像形成本体装置2は、側面開閉扉101を3段階の角度、すなわち閉位置101b0から第1開放位置101b1、第2開放位置101b2および第3開放位置101b3に開放する開放角度調整機構部151を備えている。
(開放角度調整機構部)
図24(a)は、側面開閉扉101が閉位置101b0となっている場合の開放角度調整機構部151の状態を示す説明図である。図24(b)は、図24(a)に示した開放角度調整機構部151を画像形成本体装置2の右面側から見た場合の説明図である。図25は、側面開閉扉101が第1開放位置101b1に開放されている場合の開放角度調整機構部151の状態を示す説明図である。図26は、側面開閉扉101が第2開放位置101b2に開放されている場合の開放角度調整機構部151の状態を示す説明図である。図27は、側面開閉扉101が第3開放位置101b3に開放されている場合の開放角度調整機構部151の状態を示す説明図である。
図24(a)および図24(b)に示すように、開放角度調整機構部151は、細長い板形状の開放角度調整部材152を備えている。開放角度調整部材152の材質は、例えばPET(Polyethylene terephthalate)、ABS(acrylonitrile butadiene styrene)あるいは鉄、SUS等の金属である。開放角度調整機構部151は、画像形成本体装置2の内部において、画像形成本体装置2の前後方向に配置され、後方側の端部が軸部材153によって側面開閉扉101の側面に回転可能に連結されている。
開放角度調整部材152には、画像形成本体装置2の左右方向に延びる案内穴152aが形成され、この案内穴152aには、画像形成本体装置2に固定された案内ピン154が挿入されている。開放角度調整部材152における案内穴152aの周りの下辺は直線形状である。一方、案内穴152aの上辺は、案内穴152aの右端部(側面開閉扉101側の端部)から左端部に向って、第1案内部152a1、第1係止部152a2、第2案内部152a3および第2係止部152a4が形成されている。また、第2係止部152a4よりもさらに左方位置となっている案内穴152aの左端部(終端部)は、第3係止部152a5となっている。
第1案内部152a1および第2案内部152a3は、斜め上方に傾斜した後に水平となっている。第1係止部152a2および第2係止部152a4は、第1案内部152a1および第2案内部152a3の終端部から下方に延びている。第1係止部152a2、第2係止部152a4および第2案内部152a3には案内ピン154が係合され、側面開閉扉101の開放に伴う画像形成本体装置2の右面側への開放角度調整部材152の移動が阻止される。
上記の構成において、作業者が側面開閉扉101の取手101aを引いて、側面開閉扉101を図24(a)に示す閉位置101a0から開放した場合、開放角度調整機構部151では、側面開閉扉101の開放に伴って開放角度調整部材152が画像形成本体装置2の右面側に移動する。この場合、開放角度調整部材152の自重により、案内ピン154の上に第1案内部152a1が乗った状態で開放角度調整部材152が移動し、案内ピン154に第1係止部152a2が係合すると、それ以上の開放角度調整部材152の移動が阻止される。この状態において、側面開閉扉101は、図25に示すように、第1開放位置101b1まで開放された状態となる。
上記の状態から、開放角度調整部材152の左端部(画像形成本体装置2の左面方向の端部)を押し上げると、案内ピン154と第1係止部152a2との係合が解除され、さらに側面開閉扉101を開放することが可能となる。
次に、案内ピン154と第1係止部152a2との係合を解除した後、第1開放位置101b1からさらに側面開閉扉101を開放すると、案内ピン154の上に第2案内部152a3が乗った状態で開放角度調整部材152が移動する。その後、案内ピン154に第2係止部152a4が係合すると、それ以上の開放角度調整部材152の移動が阻止され、側面開閉扉101は、図26に示すように、第2開放位置101b2まで開放された状態となる。
次に、案内ピン154と第2係止部152a4との係合を解除した後、第2開放位置101b2からさらに側面開閉扉101を開放すると、案内ピン154に第3係止部152a5が係合し、それ以上の開放角度調整部材152の移動が阻止される。これにより、側面開閉扉101は、図27に示すように、第3開放位置101b3まで開放された状態となる。
なお、第1開放位置101b1、第2開放位置101b2および第3開放位置101b3から側面開閉扉101を閉じる場合には、側面開閉扉101を単純に各位置から閉じればよい。
本実施の形態において、閉位置101a0に対する第1開放位置101b1の開放角度(第1開放角度)は30°〜45°であり、第2開放位置101b2の開放角度(第2開放角度)は、45°〜75°であり、第3開放位置101b3の開放角度(第3開放角度)は、90°〜110°である。
第1開放位置101b1では、トナーカートリッジ71〜74の交換作業が可能となっており、第2開放位置101b2では、トナーカートリッジ71〜74および廃トナーボックス69の交換作業が可能となっており、第3開放位置101b3では、トナーカートリッジ71〜74、廃トナーボックス69およびプロセスユニット11の交換作業が可能となっている。これら、トナーカートリッジ71〜74、廃トナーボックス69およびプロセスユニット11の交換作業の作業手順は、前述のとおりである。
本実施の形態の画像形成装置1では、側面開閉扉101を第1開放角度(30°〜45°)の第1開放位置101b1に開放した状態にてトナーカートリッジ71〜74の交換作業を行うことができる。また、側面開閉扉101を第2開放角度(45°〜75°)の第2開放位置101b2に開放した状態にて、廃トナーボックス69の交換作業を行うことができる。すなわち、トナーカートリッジ71〜74の交換作業に加えて、廃トナーボックス69の交換作業においても、同一の側面開閉扉101を小さい角度に開放した状態にて、右手にて行うことができる。これにより、画像形成装置1の側方に、側面開閉扉101を開放できる比較的小さいスペースを確保できれば、トナーカートリッジ71〜74および廃トナーボックス69の交換作業が可能となる。なお、画像形成装置1の他の利点については、開放角度調整機構部103によって側面開閉扉101を開放する前述した構成の場合と同様である。
したがって、本実施の形態の画像形成装置1においてもトナーカートリッジ71〜74、廃トナーボックス69およびプロセスユニット11の交換作業を容易に行うことができ、かつ必要な開閉扉の数を抑制して構造を簡素化することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。