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JP6039967B2 - 車両のタックイン抑制制御装置 - Google Patents

車両のタックイン抑制制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、車両の旋回走行時に発生するタックインを抑制する車両のタックイン抑制制御装置に関する。
一般に、自動車等の車両においては、横加速度が高い運転状態でアクセルをオフすると、前輪側のコーナリングフォースが増大して急激にオーバーステアとなるタックイン現象が発生する場合がある。
このため、特許文献1には、左右輪間の差動を制限することで左右輪間でトルクの授受を行なうトルク移動機構を備え、車両の基準横加速度とエンジンブレーキ操作量とに基づいてタックインが生じると予測したときには、トルク移動機構を制御して旋回内輪側のトルクを増大させ、旋回性能を損なうことなくタックインを適正に抑制する技術が提案されている。
特開平7−108842号公報
しかしながら、特許文献1の技術は、遊星歯車機構によるセンタディファレンシャルを介して前輪側と後輪側とに駆動力を配分し、リヤデファレンシャルにトルク移動機構を備える車両を対象としている。このため、後輪側へ伝達される駆動力をなくすことはできず、旋回走行時のアクセルオフによるエンジンブレーキ時に後輪にも制動力が発生して後輪の横力が小さくなるばかりでなく、旋回性能を考慮して内輪側のトルクを増大させるため、内輪側の横力が不足し、タックインの抑制が不十分となる虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、旋回走行のエンジンブレーキ時に後輪側の制動力を弱めると共に内輪差に対する許容度を小さくして後輪の横力を高め、タックインを効果的に抑制することのできる車両のタックイン抑制制御装置を提供することを目的としている。
本発明による車両のタックイン抑制制御装置は、前輪側と後輪側とに駆動力を配分するセンタークラッチと、後輪終減速装置と左右のリヤドライブ軸との間に介装される左右のリヤクラッチとを有する車両の旋回走行時にタックインの発生を抑制するタックイン抑制制御装置であって、前記センタークラッチが締結された全輪駆動モードでの旋回走行時に、アクセル開度の変化量に基づいてタックインが発生する状況を判定してタックインの発生を抑制するタックイン抑制モードへの切り換えを指示するタックイン抑制モード判定部と、 前記タックイン抑制モードへの切り換えを指示されたとき、前記センタークラッチの締結トルクを低減させ、後輪側への駆動力を減少させるセンタークラッチ制御部と、前記タックイン抑制モードへの切り換えを指示されたとき、前記左右のリヤクラッチの締結トルクを増加させ、左右後輪の内輪差に対する許容度を小さくするリヤクラッチ制御部とを備えるものである。
本発明によれば、旋回走行のエンジンブレーキ時に後輪側の制動力を弱めると共に内輪差に対する許容度を小さくして後輪の横力を高め、タックインを効果的に抑制することができる。
車両のパワートレイン系の構成図 FWDモードのクラッチ締結状態を示す説明図 AWDモードのクラッチ締結状態を示す説明図 タックイン抑制モードのクラッチ締結状態を示す説明図 タイヤの前後力と横力との関係を示す説明図 タックイン抑制制御ルーチンのフローチャート センタークラッチ締結トルクの低減量を示す特性図 リヤクラッチ締結トルクの増加量を示す特性図 センタークラッチ締結トルクの減少を示す説明図 リヤクラッチ締結トルクの増加を示す説明図
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
先ず、車両のパワートレイン系について説明する。図1において、符号1は車両前部に配置されるエンジンを示し、本実施の形態においては、エンジン1の駆動力が前輪を主駆動輪として前輪と後輪とに可変配分されるフロントエンジン・フロントドライブ車ベース(FFベース)の全輪駆動(AWD;all-wheel drive)車に適用される。
具体的には、エンジン1の駆動力は、エンジン1後方の自動変速装置(トルクコンバータ等も含む)2からトランスミッション出力軸2aを経て、トランスファ3に伝達される。更に、トランスファ3に伝達された駆動力は、リヤドライブ軸4、プロペラシャフト5、ドライブピニオン軸部6を介して、ベベルギヤ機構等からなる後輪終減速装置7に入力される一方、リダクションドライブギヤ8、リダクションドリブンギヤ9、ドライブピニオン軸部となっているフロントドライブ軸10を介して前輪終減速装置11に入力される。前輪終減速装置11に入力された駆動力は、前輪左ドライブ軸13FLを経て左前輪14FLに伝達され、前輪右ドライブ軸13FRを経て右前輪14FRに伝達される。
尚、自動変速装置2、トランスファ3および前輪終減速装置11等は、一体にケース12内に設けられている。
トランスファ3は、リダクションドライブギヤ8側に設けたドライブプレート20aとリヤドライブ軸4側に設けたドリブンプレート20bとを交互に重ねて構成したトルク伝達容量可変型クラッチとしての湿式多板クラッチ(センタークラッチ)20を主として構成されている。センタークラッチ20には、センタークラッチ20の締結力を可変自在に付与するクラッチピストン20cが備えられ、このクラッチピストン20cによる押圧力を制御することにより、センタークラッチ20の締結力を可変して後輪終減速装置7へ入力される駆動力を制御し、前輪と後輪とのトルク配分比を可変することができる。
後輪終減速装置7に入力された駆動力は、左側のリヤクラッチ21RLを介して後輪左ドライブ軸13RLから左後輪14RLに伝達され、また、右側のリヤクラッチ21RRを介して後輪右ドライブ軸13RRから右後輪14RRに伝達される。左右のリヤクラッチ21RL,21RRは、センタークラッチ20と同様のトルク伝達容量可変型クラッチである。
具体的には、左側のリヤクラッチ21RLは、後輪終減速装置7側に設けたドライブプレート21RLaと、後輪左ドライブ軸13RL側に設けたドリブンプレート21RLbと、クラッチ締結力を付与するクラッチピストン21RLcとを備えている。右側のリヤクラッチ21RLは、後輪終減速装置7側に設けたドライブプレート21RRaと、後輪右ドライブ軸13RR側に設けたドリブンプレート21RRbと、クラッチ締結力を付与するクラッチピストン21RRcとを備えている。これらのリヤクラッチ21RL,21RRは、クラッチピストン21RLc,21RRcによる押圧力が個別に制御され、左右輪に伝達される駆動力が差動制限される。
次に、車両のパワートレインを制御する電子制御系について説明する。このパワートレインの電子制御系は、CAN(Controller Area Network)等の通信バス100に接続される複数の制御ユニットによって構成され、これらの複数の制御ユニットを介した協調制御により、エンジン1及び自動変速装置2が制御される。複数の制御ユニットは、それぞれマイクロコンピュータを中心として構成され、エンジン1を制御するエンジン制御ユニット(ECU)50、自動変速装置2を制御するトランスミッション制御ユニット(TCU)60、車両挙動を制御するビークルダイナミクス制御(VDC;Vehicle Dynamics Control)ユニット70によって代表される。
これらの制御ユニット50,60,70は、通信バス100によって形成される車内ネットワークを介して各種演算値等の制御情報や各種センサによって検出した制御パラメータ情報を相互に交換し、エンジン制御、駆動力制御を含む変速機制御、車両挙動制御等を実行する。各制御ユニット50,60,70に入力される信号としては、例えば、以下に示すようなセンサ信号がある。
ECU50に入力されるセンサ信号としては、エンジン回転数を検出するクランク角センサ51、ドライバのアクセル操作(アクセルペダルの踏み込み量:アクセル開度)を検出するアクセルセンサ52等からの信号がある。また、TCU60には、自動変速装置2のセレクト操作部における各レンジ、例えば、パーキング(P)レンジ、リバース(R)レンジ、ニュートラル(N)レンジ、ドライブ(D)レンジ、マニュアル(M)レンジ等を検出するインヒビタスイッチ61、トランスミッション出力軸2aの回転数を検出するトランスミッション出力軸回転センサ62等の信号が入力される。
更に、VDCユニット70には、各車輪14FL,14FR,14RL,14RRの車輪速を検出する車輪速センサ15FL,15FR,15RL,15RR、操舵角を検出する舵角センサ71、車両の横加速度を検出する横加速度センサ72、車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサ73等からの信号が入力される。
ここで、本実施の形態における車両は、センタークラッチ20を介して前輪と後輪とのトルク配分比を可変することができ、前後輪のトルク配分比が100:0のFWDモード(前輪駆動モード)と50:50のAWDモード(全輪駆動モード)との駆動力モードを切り換えることができる。更に、AWDモードでの旋回走行時に、タックインが発生する状況を判断した場合には、センタークラッチ20及び左右のリヤクラッチ21RL,21RRの作動状態を制御してタックイン抑制モードに切り換え、タックインの発生を抑制する。
具体的には、各駆動力モード(FWDモード、AWDモード、タックイン抑制モード)の切り換えは、複数のソレノイドバルブ等を擁した油圧回路で構成されるクラッチ駆動部65を介して行われる。クラッチ駆動部65は、TCU60からの指令により、各クラッチのクラッチピストン20c,21RLc,21RRcに供給する油圧を制御してセンタークラッチ20及び左右のリヤクラッチ21RL,21RRの締結状態を可変し、FWDモード、AWDモード、タックイン抑制モードを切換える。
FWDモードは、図2に示すように、センタークラッチ20及びリヤクラッチ21RL,21RRを全て開放し、プロペラシャフト5〜後輪終減速装置7間のパワートレイン要素を分離させる。このFWDモードは、フリクションロス及び内部循環トルクを低減した省燃費走行を可能とするモードである。
また、AWDモードは、図3に示すように、センタークラッチ20及びリヤクラッチ21RL,21RRを全て作動(締結)させる。このAWDモードは、ベクタリング効果を含めた4輪の駆動力を制御し、安定した走行を可能とするモードである。
一方、タックイン抑制モードは、図4に示すように、センタークラッチ20の締結力を弱める(ほぼ開放する)と共に、リヤクラッチ21RL,21RRを締結力が増加する方向に制御する。このタックイン抑制モードは、タックインが発生しそうな状況を察知した場合に切り換えられ、タックインの発生を抑制する。
これらのモードを切り換えるセンタークラッチ20及びリヤクラッチ21RL,21RRの制御は、車両の走行状態やドライバの運転操作に基づいて実施される。以下では、本発明の要旨であるタックイン抑制モード時の制御を主として説明する。タックイン抑制モードに係るTCU60の機能構成としては、図1中に示すように、タックイン抑制モード判定部60a、センタークラッチ制御部60b、リヤクラッチ制御部60cによって代表される機能部が備えられている。
タックイン抑制モード判定部60aは、アクセル開度変化に基づいてタックインが発生しそうな状況を判定し、タックイン抑制モードへの切り換えを指示する。本実施の形態においては、アクセルセンサ52で検出したアクセル開度ACCのアクセル戻し方向のアクセル開度変化量ΔACCを基本として判定し、アクセル開度変化量ΔACCが予め設定した閾値Hcを超えたとき、センタークラッチ制御部60b、リヤクラッチ制御部60cに、タックイン抑制モードへの切り換えを指示する。
尚、以上のアクセル開度変化量ΔACCによるタックイン抑制モードへの切り換え判定は、横加速度センサ72からの信号に基づいて車両が旋回走行中であると判定したときに実施するようにしても良い。また、アクセル開度変化量ΔACCによる条件に対して、アクセル開度変化速度を判定条件として加えるようにしても良い。
センタークラッチ制御部60bは、タックイン抑制モード判定部60aからのタックイン抑制モードへの切り換え指示を受けて、タックイン抑制モードへ切り換える直前の運転状態に応じて設定されるセンタークラッチ20の締結トルクに対する低減量を設定する。そして、クラッチ駆動部65を介してセンタークラッチ20の締結トルクを低減させ、後軸側へのトルク伝達を減少させる。
センタークラッチ20の締結トルクに対する低減量は、車両の横加速度と車速(4輪の車輪速の平均値)とに基づいて設定し、センタークラッチ20による前後軸間のトルク伝達を分断する方向に制御することで後輪の制動力を0に近づけ、後輪の横力をより多く使えるようにする。換言すれば、エンジンブレーキによる制動力を主として前輪のみに発生させ、後輪の横力余裕度を上げることで、タックインを抑制する。
図5は、スリップアングル毎のタイヤの前後力(横軸)と横力(縦軸)との関係を示し、スリップアングルが大きくなるほど、前後力の変化に対して横力の変化が大きくなることを示している。図5からわかるように、旋回走行時にセンタークラッチ20の締結力を弱めて後輪のタイヤ前後力を小さくすることにより、後輪の横力余裕度を増大させてタックインを抑制することが可能となる。
同時に、リヤクラッチ制御部60cは、タックイン抑制モードへの切り換え指示を受けて、リヤクラッチ21RL,21RRのタックイン抑制モードへの切り換え直前の締結トルクに対する増加量を設定する。本実施の形態においては、左右のリヤクラッチ21RL,21RRに対して同じ増加量を設定し、クラッチ駆動部65を介して、センタークラッチ20による前後軸間のトルク伝達を弱めると同時に、左右のリヤクラッチ21RL,21RRの締結トルクを増加させ、後輪左右の軌跡ベースの内輪差を許容し難くする(内輪差に対する許容度を小さくする)。
すなわち、タックイン抑制モード判定部60aでタックインが発生しそうな状況を判定したとき、センタークラッチ制御部60bでセンタークラッチ20の締結トルクを減少させて後輪の前後力を減少させ、後輪の横力余裕度をアップさせる。同時に、リヤクラッチ制御部60cでリヤクラッチ21RL,21RRの締結トルクを増加させて後輪左右の軌跡ベースの内輪差を許容し難くする。
これにより、前後軸間のトルク伝達を分断する方向に制御して後輪の横力余裕度をアップさせると共に、後輪左右の内輪差に対する許容度を小さくして旋回方向と逆方向のヨーモーメントを発生させることができる。その結果、旋回時の巻き込みを打ち消して、タックインを効果的に抑制することができる。
以上のタックイン抑制モードに係る処理は、具体的には、図6のフローチャートに示すプログラム処理によって実現される。以下、図6のフローチャートに示すタックイン抑制制御ルーチンについて説明する。
このタックイン抑制制御ルーチンでは、先ず最初のステップS1において、アクセルセンサ52で検出したアクセル開度ACCのアクセル戻し方向のアクセル開度変化量ΔACCが閾値Hc(例えば、アクセル全開100%に対して,通常の乾燥路走行で60〜70%のアクセル戻し量)を超えているか否かを調べる。その結果、ΔACC≦Hcの場合には本ルーチンを抜け、ΔACC>Hcの場合、タックイン抑制モードへ切り換えるべく、ステップS1からステップS2以降の処理へ進む。ステップS2以降の処理では、ステップS2,S3で、センタークラッチ20の締結トルクに対する低減量ΔTC、リヤクラッチ21RL,21RRの締結トルクに対する増加量ΔTRを、それぞれ設定する。
センタークラッチ20の締結トルクの低減量ΔTCは、横加速度センサ72で検出した横加速度Gy(絶対値)と、車輪速センサ15FL,15FR,15RL,15RRでそれぞれ検出した4輪の車輪速を平均して得られる車速Vとに基づいて設定される。横加速度Gyと車速Vとをパラメータとする締結トルクの低減量ΔTCは、例えば、図7に示すような特性に設定され、このような特性のマップを参照する等してセンタークラッチ20の締結トルクの低減量ΔTCが設定される。
図7に示す例では、横加速度Gyが大きく車速Vが高くなるほど、つまり高速で曲率半径の小さい走行路を走行するような状況になるほど、センタークラッチ20を開放状態に近づけ(例えば、締結トルク略0〜5Nm程度)、後輪の前後力を減少させて横力余裕度を上昇させる。逆に、横加速度Gyが小さく車速Vが低くなるほど、つまり低速で曲率半径の大きい走行路を走行するような状況では、タックインの影響が小さいため、センタークラッチ20の締結トルクを、タックイン抑制モードに切り換えない場合の締結トルクから若干弱める程度とする。
また、リヤクラッチ21RL,21RRの締結トルクの増加量ΔTRは、同様に、横加速度センサ72で検出した横加速度Gyの絶対値と、車輪速センサ15FL,15FR,15RL,15RRでそれぞれ検出した4輪の車輪速の平均値(車速)Vとに基づいて設定する。図8は、横加速度Gyと車速Vとをパラメータとする締結トルクの増加量ΔTRの特性例を示しており、このような特性のマップを参照する等してリヤクラッチ21RL,21RRの締結トルクの増加量ΔTRが設定される。
図8に示す例では、横加速度Gyが大きく4輪車輪速平均値Vが高くなるほど、つまり高速で曲率半径の小さい走行路を走行するような状況になるほど、リヤクラッチ21RL,21RRの締結トルクを増加させて左右後輪の内輪差を許容し難くして旋回時の巻き込みを打ち消すヨーモーメントを大きくする。逆に、横加速度Gyが小さく4輪車輪速平均値Vが低くなるほど、つまり低速で曲率半径の大きい走行路を走行するような状況では、タックインの影響が小さいため、左右のリヤクラッチ21RL,21RRの締結トルクの増加量を小さくして、左右後輪の内輪差を許容する方向に維持する。
その後、ステップS4へ進み、センタークラッチ20の締結トルクを、通常の運転状態(AWDモード)に応じた締結トルクTCから低減量ΔTCだけ減少させると共に、左右のリヤクラッチ21RL,21RRの締結トルクを、それぞれ運転状態に応じた締結トルクTRL,TRRから増加量ΔTRだけ増加させることで、タックイン抑制モードに切り換える。
タックイン抑制モードに切り換える前の通常の運転状態におけるセンタークラッチ20の締結トルクは、例えば、図9に示すように、アクセル開度ACC(又は前後加速度でも良い)と横加速度Gyとをパラメータとして設定される。図9の例では、同じアクセル開度ACCに対しては、横加速度Gyが大きくなるほど、締結トルクTCが大きくなる特性に設定されている。
また、タックイン抑制モードに切り換える前の通常の運転状態におけるリヤクラッチ21RL,21RRの締結トルクも、同様にアクセル開度ACC(又は前後加速度)と横加速度Gyとをパラメータとして設定される。図10に示すように、リヤクラッチ21RL,21RRの締結トルクは、センタークラッチ20の締結トルクTCから定まる締結トルクTRに対して、外輪側の締結トルクTRoを所定量だけ大きくすると共に、内輪側の締結トルクTRiを所定量だけ小さくし、差動制限トルクを発生させる。
アクセル開度の変化量ΔACCが閾値Hcを超えてタックイン抑制モードに入るとき、センタークラッチ20は、そのときのアクセル開度と横加速度とによって定まる締結トルクから低減量ΔTCだけ減少させた締結トルクとなるように制御される。このとき、アクセルが戻されてアクセル開度が小さくなっていることからセンタークラッチ20の締結トルクも小さくなり、図9中に示すように、更に低減量ΔTCだけセンタークラッチ20の締結トルクが減少させられるため、後輪側への駆動力配分はゼロに近くなり、制動力を前輪のみに発生させて後輪の横力余裕度を上げることができる。また、このとき、リヤクラッチ21RL,21RRの締結トルクは、図10中に示すように、それぞれ増加量ΔTRだけ大きくされる。このリヤクラッチ21RL,21RRの締結トルクの増大により、左右の内輪差に対する許容度を低下させて旋回方向と逆方向のヨーモーメントを発生させることができ、旋回時の巻き込みを打ち消すことが可能となる。
このように本実施の形態においては、タックインが発生しそうな場合に、センタークラッチ20の締結トルクの減少による後輪側の横力余裕度のアップと、リヤクラッチ21RL,21RRの締結トルクの増加による旋回時の巻き込みを打ち消す方向の付加ヨーモーメントとの相乗効果により、旋回走行時のタックインを極めて効果的に抑制することができる。
1 エンジン
2 自動変速装置
3 トランスファ
7 後輪終減速装置
20 センタークラッチ
21RL,21RR リヤクラッチ
60 トランスミッション制御ユニット
60a タックイン抑制モード判定部
60b センタークラッチ制御部
60c リヤクラッチ制御部
ΔACC アクセル開度変化量
Gy 横加速度
Hc 閾値
ΔTC センタークラッチの締結トルクの低減量
ΔTR リヤクラッチの締結トルクの増加量

Claims (4)

  1. 前輪側と後輪側とに駆動力を配分するセンタークラッチと、後輪終減速装置と左右のリヤドライブ軸との間に介装される左右のリヤクラッチとを有する車両の旋回走行時にタックインの発生を抑制するタックイン抑制制御装置であって、
    前記センタークラッチが締結された全輪駆動モードでの旋回走行時に、アクセル開度の変化量に基づいてタックインが発生する状況を判定してタックインの発生を抑制するタックイン抑制モードへの切り換えを指示するタックイン抑制モード判定部と、
    前記タックイン抑制モードへの切り換えを指示されたとき、前記センタークラッチの締結トルクを低減させ、後輪側への駆動力を減少させるセンタークラッチ制御部と、
    前記タックイン抑制モードへの切り換えを指示されたとき、前記左右のリヤクラッチの締結トルクを増加させ、左右後輪の内輪差に対する許容度を小さくするリヤクラッチ制御部と
    を備えることを特徴とする車両のタックイン抑制制御装置。
  2. 前記タックイン抑制モード判定部は、前記アクセル開度の変化量が閾値を超えたとき、タックインが発生する状況と判定してタックイン抑制モードへの切り換えを指示することを特徴とする請求項1記載の車両のタックイン抑制制御装置。
  3. 前記センタークラッチ制御部は、車両の横加速度と車速とに基づいて前記センタークラッチの締結トルクの低減量を設定することを特徴とする請求項1又は2記載の車両のタックイン抑制制御装置。
  4. 前記リヤクラッチ制御部は、車両の横加速度と車速とに基づいて前記左右のリヤクラッチの締結トルクの増加量を設定することを特徴とする請求項3記載の車両のタックイン抑制制御装置。
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