JP6036937B2 - 金属粉末の製造方法、紫外線硬化型インクジェット組成物の製造方法および記録物の製造方法 - Google Patents
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しかし、これらの方法では、微細なパターンを形成することや、曲面部への適用が困難であるといった問題があった。
他方、顔料または染料を含む組成物による記録媒体への記録方法として、インクジェット法による記録方法が用いられている。インクジェット法では、微細なパターンの形成や、曲面部への記録にも好適に適用できるという点で優れている。また、近年、インクジェット法において、耐擦性、耐水性、耐溶剤性等を特に優れたものとするため等に、紫外線を照射すると硬化する組成物(紫外線硬化型インクジェット組成物)が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、紫外線硬化型インクジェット組成物では、顔料や染料の代わりに、金属粉末を適用しようとした場合、当該金属が本来有している光沢感等の特性を十分に発揮させることができないという問題点があり、また、組成物の安定性(保存安定性)に劣り、ゲル化による粘度上昇による吐出安定性の低下等の問題を引き起こす。
本発明の金属粉末の製造方法は、インクジェット方式により吐出される紫外線硬化型インクジェット組成物の製造に用いられる金属粉末を製造する方法であって、
少なくとも表面が金属材料で構成された母粒子を塩基で処理する工程と、
前記塩基で処理された前記母粒子に対し、下記式(1)で表される化学構造を有する長鎖アルキル系リン酸化合物で表面処理を施す工程とを有することを特徴とする。
POR n (OH) 3−n (1)
(式(1)中、Rは、CH 3 (CH 2 ) m −、CH 3 (CH 2 ) m (CH 2 O) l −、CH 3 (CH 2 ) m (CH 2 CH 2 O) l −または、CH 3 (CH 2 ) m O−であり、nは1以上3以下の整数であり、mは5以上19以下の整数であり、lは2以上20以下の整数である。)
これにより、保存安定性に優れ、光沢感、耐擦性に優れたパターン(印刷部)を備えた記録物の製造に好適に用いることのできる紫外線硬化型インクジェット組成物用の金属粉末を提供することができる。
Alは、本来、各種金属材料の中でも特に優れた光沢感を呈するものであるが、紫外線硬化型インクジェット組成物に、Alで構成された粉末を適用しようとした場合に、紫外線硬化型インクジェット組成物の保存安定性は特に低いものとなり、ゲル化による粘度上昇による吐出安定性の低下等の問題が特に顕著に発生することを本発明者は見出していた。これに対し、本発明では、表面がAlで構成された粉末を用いた場合であっても、上記のような問題の発生を確実に防止することができる。すなわち、本発明に係る金属粉末が、少なくとも表面が主としてAlで構成された粉末が前記長鎖アルキル系リン酸化合物で表面処理されたものであることにより、本発明の効果は特に顕著に発揮される。
本発明の金属粉末の製造方法では、前記金属粉末は、鱗片状をなすものであることが好ましい。
これにより、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて製造される記録物の光沢感、耐擦性等を特に優れたものとすることができる。
これにより、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて製造される記録物の光沢感、高級感をさらに優れたものとすることができる。また、紫外線硬化型インクジェット組成物の保存安定性、吐出安定性をさらに優れたものとすることができる。
少なくとも表面が金属材料で構成された母粒子を塩基で処理する工程と、
前記塩基で処理された前記母粒子に対し、下記式(1)で表される化学構造を有する長鎖アルキル系リン酸化合物で表面処理を施す工程と、
前記金属粉末と重合性化合物とを混合する工程とを有することを特徴とする。
POR n (OH) 3−n (1)
(式(1)中、Rは、CH 3 (CH 2 ) m −、CH 3 (CH 2 ) m (CH 2 O) l −、CH 3 (CH 2 ) m (CH 2 CH 2 O) l −または、CH 3 (CH 2 ) m O−であり、nは1以上3以下の整数であり、mは5以上19以下の整数であり、lは2以上20以下の整数である。)
これにより、保存安定性に優れ、光沢感、耐擦性に優れたパターン(印刷部)を備えた記録物の製造に好適に用いることのできる紫外線硬化型インクジェット組成物を提供することができる。
これにより、紫外線硬化型インクジェット組成物の保存安定性、吐出安定性を優れたものとしつつ、インクジェット法による吐出後の紫外線硬化型インクジェット組成物の反応性を特に優れたものとし、記録物の生産性を特に優れたものとすることができるとともに、形成されるパターンの耐擦性等を特に優れたものとすることができる。
これにより、紫外線硬化型インクジェット組成物の保存安定性、吐出安定性を優れたものとしつつ、インクジェット法による吐出後の紫外線硬化型インクジェット組成物の反応性を特に優れたものとし、記録物の生産性を特に優れたものとすることができるとともに、形成されるパターンの耐擦性等を特に優れたものとすることができる。
これにより、紫外線硬化型インクジェット組成物の保存安定性、吐出安定性をより優れたものとしつつ、形成されるパターンの耐擦性等をさらに優れたものとすることができる。
前記塩基で処理された前記母粒子に対し、下記式(1)で表される化学構造を有する長鎖アルキル系リン酸化合物で表面処理を施す工程と、
前記金属粉末と重合性化合物とを混合する工程と、
上記工程を経て製造された紫外線硬化型インクジェット組成物を記録媒体上に付与し、その後、紫外線を照射する工程とを有することを特徴とする。
POR n (OH) 3−n (1)
(式(1)中、Rは、CH 3 (CH 2 ) m −、CH 3 (CH 2 ) m (CH 2 O) l −、CH 3 (CH 2 ) m (CH 2 CH 2 O) l −または、CH 3 (CH 2 ) m O−であり、nは1以上3以下の整数であり、mは5以上19以下の整数であり、lは2以上20以下の整数である。)
これにより、光沢感、耐擦性に優れたパターン(印刷部)を有する記録物を提供することができる。
《金属粉末》
まず、本発明の金属粉末(紫外線硬化型インクジェット組成物用粉末)について説明する。
本発明の金属粉末は、インクジェット方式により吐出される紫外線硬化型インクジェット組成物の製造に用いられるものであって、長鎖アルキル系リン酸化合物で表面処理されたものである。
しかし、これらの方法では、微細なパターンを形成することや、曲面部への適用が困難であるといった問題があった。
他方、顔料または染料を含む組成物による記録媒体への記録方法として、インクジェット法による記録方法が用いられている。インクジェット法では、微細なパターンの形成や、曲面部への記録にも好適に適用できるという点で優れている。また、近年、インクジェット法において、耐擦性、耐水性、耐溶剤性等を特に優れたものとするため等に、紫外線を照射すると硬化する組成物(紫外線硬化型インクジェット組成物)が用いられている。
しかしながら、紫外線硬化型インクジェット組成物では、顔料や染料の代わりに、金属粉末を適用しようとした場合、当該金属が本来有している光沢感等の特性を十分に発揮させることができないという問題点があり、また、組成物の安定性(保存安定性)に劣り、ゲル化による粘度上昇による吐出安定性の低下等の問題を引き起こす。
まず、金属粒子を構成する母粒子(長鎖アルキル系リン酸化合物による表面処理を受ける粒子)について説明する。
金属粉末を構成する母粒子は、少なくとも、表面付近を含む領域が金属材料で構成されたものであればよく、例えば、全体が金属材料で構成されたものであってもよいし、非金属材料で構成された基部と、当該基部を被覆する金属材料で構成された被膜とを有するものであってもよい。
このような方法を用いて母粒子を製造する場合、例えば、基材上に、Alで構成された膜の形成(成膜)を行うことにより、母粒子を好適に製造することができる。前記基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチックフィルム等を用いることができる。また、基材は、成膜面に離型剤層を有するものであってもよい。
また、上記のような方法で、粉砕を行う場合、前記液体としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、n−ヘプタン、n−オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、トルエン、キシレン、シメン、デュレン、インデン、ジペンテン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、シクロヘキシルベンゼン等の炭化水素系化合物、またエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサン等のエーテル系化合物、さらにプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサノン、アセトニトリル等の極性化合物を好適に用いることができる。このような液体を用いることにより、母粒子の不本意な酸化等を防止しつつ、母粒子、金属粉末の生産性を特に優れたものとし、また、各粒子間での大きさ、形状、特性のばらつきを特に小さいものとすることができる。
上述したように、本発明に係る金属粉末は、長鎖アルキル系リン酸化合物で表面処理されたものである。
長鎖アルキル系リン酸化合物としては、炭素数が6以上のアルキル基を、分子内に少なくとも1つ有するリン酸化合物を用いることができる。
PORn(OH)3−n (1)
(式(1)中、Rは、CH3(CH2)m−、CH3(CH2)m(CH2O)l−、CH3(CH2)m(CH2CH2O)l−または、CH3(CH2)mO−であり、nは1以上3以下の整数であり、mは5以上19以下の整数であり、lは2以上20以下の整数である。)
これにより、紫外線硬化型インクジェット組成物の保存安定性を特に優れたものとし、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて製造される記録物の印刷部の光沢感、耐擦性を特に優れたものとすることができる。
また、式(1)中、lは、2以上20以下の整数であるのが好ましいが、4以上16以下の整数であるのがより好ましい。これにより、上述したような効果がより顕著に発揮される。
次に、本発明の紫外線硬化型インクジェット組成物について説明する。
本発明の紫外線硬化型インクジェット組成物は、インクジェット方式により吐出されるものであり、重合性化合物と、上述したような金属粉末とを含むものである。これにより、保存安定性に優れ、光沢感、耐擦性に優れたパターン(印刷部)を備えた記録物の製造に好適に用いることのできる紫外線硬化型インクジェット組成物を提供することができる。
重合性化合物は、紫外線の照射により重合し、硬化する成分である。このような成分を含むことにより、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて製造される記録物の耐擦性、耐水性、耐溶剤性等を優れたものとすることができる。
重合性化合物は、液状をなすものであり、紫外線硬化型インクジェット組成物において、金属粉末を分散する分散媒として機能するものであるのが好ましい。これにより、別途、記録物の製造過程において除去される(蒸発する)分散媒を用いる必要がなく、記録物の製造においても、分散媒を除去する工程を設ける必要がないため、記録物の生産性を特に優れたものとすることができる。また、分散媒として一般に有機溶媒として用いられているものを使用する必要がないため、揮発性有機化合物(VOC)の問題の発生を防止することができる。また、重合性化合物を含むことにより、様々な記録媒体(基材)に対する、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて形成される印刷部の密着性を優れたものとすることができる。すなわち、重合性化合物を含むことにより、紫外線硬化型インクジェット組成物は、メディア対応性に優れたものとなる。
本発明の紫外線硬化型インクジェット組成物は、上述した以外の成分(その他の成分)を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、光重合開始剤、スリップ剤(レベリング剤)、分散剤、重合促進剤、重合禁止剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)、着色剤、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、増粘剤、増感剤(増感色素)等が挙げられる。
これらの中でも、重合性化合物への溶解性および硬化性の観点から、アシルホスフィンオキサイド化合物およびチオキサントン化合物から選択される少なくとも1種が好ましく、アシルホスフィンオキサイド化合物およびチオキサントン化合物を併用することがより好ましい。
紫外線硬化型インクジェット組成物がスリップ剤を含むものであると、レベリング作用により記録物の表面が平滑になり、耐擦性が向上する。
スリップ剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリエステル変性シリコーンやポリエーテル変性シリコーン等のシリコーン系界面活性剤を用いることができ、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンまたはポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを用いることが好ましい。
本発明の紫外線硬化型インクジェット組成物の室温(20℃)での粘度は、20mPa・s以下であるのが好ましく、3mPa・s以上15mPa・s以下であるのがより好ましい。これにより、インクジェット法による液滴吐出を好適に行うことができる。
次に、本発明の記録物について説明する。
本発明の記録物は、上述したような紫外線硬化型インクジェット組成物を記録媒体上に付与し、その後、紫外線を照射することにより製造されたものである。このような記録物は、光沢感、耐擦性に優れたパターン(印刷部)を有するものである。
インクジェット法による紫外線硬化型インクジェット組成物の吐出は、公知の液滴吐出装置を用いて行うことができる。
紫外線源としては、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、紫外線発光ダイオード(UV−LED)、紫外線レーザダイオード(UV−LD)等を用いることができる。中でも、小型、高寿命、高効率、低コストの観点から、紫外線発光ダイオード(UV−LED)および紫外線レーザダイオード(UV−LD)が好ましい。
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[1]インクジェット組成物(紫外線硬化型インクジェット組成物)の製造
(実施例1)
まず、表面が平滑なポリエチレンテレフタレート製のフィルム(表面粗さRaが0.02μm以下)を用意した。
次に、このフィルムの一方の面の全体にシリコーンオイルを塗布した。
次に、シリコーンオイルを塗布した面側に、蒸着法により、Alで構成された膜を形成した。
次に、上記のようにして得られたAl製の粒子を長鎖アルキル系リン酸化合物としてのCH3(CH2)11O−PO(OH)2の1wt%ジエチレングリコールジエチルエーテル溶液中に投入し、10秒間攪拌することにより、長鎖アルキル系リン酸化合物による表面処理を行い、金属粉末を得た。
このようにして得られた金属粉末の平均粒径は0.8μm、平均厚さは、25nmであった。
金属粒子の構成(母粒子の組成および表面処理に用いる長鎖アルキル系リン酸化合物の種類)を表1に示すようにするとともに、インクジェット組成物(紫外線硬化型インクジェット組成物)の調製に用いる原料の種類・比率を変更することにより、表1に示すような組成となるようにした以外は、前記実施例1と同様にしてインクジェット組成物(紫外線硬化型インクジェット組成物)を製造した。
長鎖アルキル系リン酸化合物による表面処理を施していないAl製の粒子を金属粉末として用いた以外は、前記実施例1と同様にしてインクジェット組成物(紫外線硬化型インクジェット組成物)を製造した。
(比較例2)
金属粉末として、ガスアトマイズ法を用いて製造された球形状のAl粉末(長鎖アルキル系リン酸化合物による表面処理を施していないもの)を用いた以外は、前記比較例1と同様にしてインクジェット組成物(紫外線硬化型インクジェット組成物)を製造した。
長鎖アルキル系リン酸化合物としてのCH3(CH2)11O−PO(OH)2の代わりに、長鎖アルキル系リン酸化合物ではない(CH3(CH2)3O)2−PO(OH)用いて表面処理を行い金属粉末を得た以外は、前記実施例1と同様にしてインクジェット組成物(紫外線硬化型インクジェット組成物)を製造した。
前記実施例1と同様にして得られた鱗片状の金属粉末と、1,2−ヘキサンジオールと、トリメチロールプロパンと、サーフィノール465(日信化学工業社製)と、トリエタノールアミンと、グリセリンと、ポリフロー401(日信化学工業社製)と、イオン交換水とを混合することにより、インクジェット組成物を製造した。すなわち、本比較例のインクジェット組成物は、紫外線の照射により硬化する重合性化合物を含まないものである。
前記各実施例および比較例のインクジェット組成物を用いて、下記に示すような試験による評価を行った。
まず、チャンバー(サーマルチャンバー)内に設置した液滴吐出装置および前記各実施例および比較例のインクジェット組成物を用意し、ピエゾ素子の駆動波形を最適化した状態で、25℃、55%RHの環境下で、各インクジェット組成物について、液滴吐出ヘッドの各ノズルから、2000000発(2000000滴)の液滴の連続吐出を行った。その後、液滴吐出装置の運転を停止し、液滴吐出装置の流路に各インクジェット組成物が充填された状態で、25℃、55%RHの環境下に、240時間放置した。
B:ズレ量dの平均値が0.09μm以上0.15μm未満。
C:ズレ量dの平均値が0.15μm以上0.18μm未満。
D:ズレ量dの平均値が0.18μm以上0.22μm未満。
E:ズレ量dの平均値が0.22μm以上。
前記各実施例および比較例のインクジェット組成物について、40℃の環境下に、30日間放置した後、振動式粘度計を用いて、JIS Z8809に準拠して測定された前記各実施例のインクジェット組成物の20℃における粘度を測定し、製造直後からの粘度の上昇率を求め、以下の基準に従い、評価した。
B:粘度の上昇率が10%以上15%未満。
C:粘度の上昇率が15%以上20%未満。
D:粘度の上昇率が20%以上25%未満。
E:粘度の上昇率が25%以上、または、異物の発生が認められる。
前記各実施例および比較例のインクジェット組成物について、エプソン製インクジェットプリンター;PM800Cへ導入し、記録媒体として三菱樹脂(株)製、ダイアホイル G440E(厚さ38μm)を用いて、インク量wet 9g/m2にて、ベタ印刷を行い、印刷後、ただちにLED−UVランプ;フォセオン社製 RX firefly(ギャップ6mm ピーク波長365nm 1000mW/cm2)を用いて紫外線の照射を行い、インクジェット組成物が硬化したか否かを確認し、以下の5段階の基準に従い、評価した。硬化したか否かは、綿棒にて表面をこすって、未硬化のインク組成物が付着しないか否かで判断した。なお、下記A〜Eの照射量に該当するかどうかは、ランプを何秒照射したかによって算出できる。
B:100mJ/cm2以上200mJ/cm2未満の紫外線照射量にて硬化した。
C:200mJ/cm2以上500mJ/cm2未満の紫外線照射量にて硬化した。
D:500mJ/cm2以上1000mJ/cm2未満の紫外線照射量にて硬化した。
E:1000mJ/cm2以上の紫外線照射量にて硬化する。もしくはまったく硬化
しない。
各実施例および比較例のインクジェット組成物を用いて、それぞれ、以下のようにして、記録物としてのインテリアパネルを製造した。
まず、インクジェット組成物をインクジェット装置に投入した。
その後、ポリカーボネート(旭硝子社製、カーボグラス ポリッシュ 2mm厚)を用いて成形した曲面部を有する基材(記録媒体)上に、所定のパターンで、インクジェット組成物を吐出した。
その後、365nm、380nm、395nmの波長に極大値を有するスペクトルの紫外線を照射を、照射強度180mW/cm2を20秒間照射し、基材上のインクジェット組成物を硬化させ、記録物としてのインテリアパネルを得た。
また、基材として、ポリエチレンテレフタレート(三菱樹脂社製 ダイヤホイル G440E 38μm厚)を用いて成形したもの、低密度ポリエチレン(三井化学東セロ社製 T.U.X(L−LDPE) HC−E #80)を用いて成形したもの、2軸延伸ポリプロピレン(三井化学東セロ社製 OP U−1 #60)を用いて成形したもの、硬質塩化ビニル(アクリサンデー社製 サンデーシート(透明)0.5mm厚)を用いて成形したものを用いた以外は、上記と同様にして、各実施例および比較例のインクジェット組成物を用いて、それぞれ、10個ずつのインテリアパネル(記録物)を製造した。
上記のようにして得られた各記録物について、以下のような評価を行った。
[6.1]記録物の外観評価
前記各実施例および比較例で製造した各記録物を目視により観察し、以下の7段階の基準に従い、評価した。
B:高級感に溢れる光沢感を有し、非常に優れた外観を有している。
C:高級感のある光沢感を有し、優れた外観を有している。
D:高級感のある光沢感を有し、良好な外観を有している。
E:光沢感に劣り、外観がやや不良。
F:光沢感に劣り、外観が不良。
G:光沢感に劣り、外観が極めて不良。
前記各実施例および比較例で製造した各記録物のパターン形成部について、光沢度計(MINOLTA MULTI GLOSS 268)を用い、煽り角度60°での光沢度を測定し、以下の基準に従い評価した。
A:光沢度が300以上。
B:光沢度が200以上300未満。
C:光沢度が100以上200未満。
D:光沢度が100未満。
前記各実施例および比較例に係る記録物について、記録物の製造から48時間経過した時点で、サウザーランドラブテスターを用い、JIS K5701に準じて耐擦性試験を行い、上記[6.2]で述べたのと同様の方法により、耐擦性試験後の記録物についても光沢度(煽り角度60°)を測定し、耐擦性試験前後での光沢度の低下率を求め、以下の基準に従い評価した。
B:光沢度の低下率が6%以上14%未満。
C:光沢度の低下率が14%以上24%未満。
D:光沢度の低下率が24%以上28%未満。
E:光沢度の低下率が28%以上。
Claims (9)
- インクジェット方式により吐出される紫外線硬化型インクジェット組成物の製造に用いられる金属粉末を製造する方法であって、
少なくとも表面が金属材料で構成された母粒子を塩基で処理する工程と、
前記塩基で処理された前記母粒子に対し、下記式(1)で表される化学構造を有する長鎖アルキル系リン酸化合物で表面処理を施す工程とを有することを特徴とする金属粉末の製造方法。
POR n (OH) 3−n (1)
(式(1)中、Rは、CH 3 (CH 2 ) m −、CH 3 (CH 2 ) m (CH 2 O) l −、CH 3 (CH 2 ) m (CH 2 CH 2 O) l −または、CH 3 (CH 2 ) m O−であり、nは1以上3以下の整数であり、mは5以上19以下の整数であり、lは2以上20以下の整数である。) - 前記母粒子は、少なくとも表面が主としてAlで構成されたものである請求項1に記載の金属粉末の製造方法。
- 前記金属粉末は、鱗片状をなすものである請求項1または2に記載の金属粉末の製造方法。
- 前記金属粉末の平均粒径が、500nm以上2.0μm以下である請求項1ないし3のいずれかに記載の金属粉末の製造方法。
- インクジェット方式により吐出される紫外線硬化型インクジェット組成物の製造方法であって、
少なくとも表面が金属材料で構成された母粒子を塩基で処理する工程と、
前記塩基で処理された前記母粒子に対し、下記式(1)で表される化学構造を有する長鎖アルキル系リン酸化合物で表面処理を施す工程と、
前記金属粉末と重合性化合物とを混合する工程とを有することを特徴とする紫外線硬化型インクジェット組成物の製造方法。
POR n (OH) 3−n (1)
(式(1)中、Rは、CH 3 (CH 2 ) m −、CH 3 (CH 2 ) m (CH 2 O) l −、CH 3 (CH 2 ) m (CH 2 CH 2 O) l −または、CH 3 (CH 2 ) m O−であり、nは1以上3以下の整数であり、mは5以上19以下の整数であり、lは2以上20以下の整数である。) - 前記重合性化合物として、フェノキシエチルアクリレートを用いる請求項5に記載の紫外線硬化型インクジェット組成物の製造方法。
- 前記重合性化合物として、前記フェノキシエチルアクリレートに加え、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、および、4−ヒドロキシブチルアクリレートよりなる群から選択される少なくとも1種を用いる請求項6に記載の紫外線硬化型インクジェット組成物の製造方法。
- 前記重合性化合物として、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレートおよび/またはアミノアクリレートを用いる請求項5ないし7のいずれかに記載の紫外線硬化型インクジェット組成物の製造方法。
- 少なくとも表面が金属材料で構成された母粒子を塩基で処理する工程と、
前記塩基で処理された前記母粒子に対し、下記式(1)で表される化学構造を有する長鎖アルキル系リン酸化合物で表面処理を施す工程と、
前記金属粉末と重合性化合物とを混合する工程と、
上記工程を経て製造された紫外線硬化型インクジェット組成物を記録媒体上に付与し、その後、紫外線を照射する工程とを有することを特徴とする記録物の製造方法。
POR n (OH) 3−n (1)
(式(1)中、Rは、CH 3 (CH 2 ) m −、CH 3 (CH 2 ) m (CH 2 O) l −、CH 3 (CH 2 ) m (CH 2 CH 2 O) l −または、CH 3 (CH 2 ) m O−であり、nは1以上3以下の整数であり、mは5以上19以下の整数であり、lは2以上20以下の整数である。)
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