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JP6032837B2 - 分析装置 - Google Patents

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JP6032837B2
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Description

本発明は、血液などの所望の試料を分析するのに用いられる分析装置に関する。
分析装置の従来例として、特許文献1,2に記載されたようなものがある。この従来の分析装置では、分析用チップが利用される。分析用チップは、たとえば、所定の試薬が内面に塗布された反応室を有する構成とされており、この反応室に血液などの試料が供給されると、試料と試薬とが混合されて、呈色反応を生じる。この呈色反応部分の光学的特性(たとえば、吸光度)を検査することにより、前記試料の特定成分の濃度を求めることが可能である。
前記従来の分析装置は、分析用チップを装着するためのチップ装着部と、前記反応室における呈色反応部分の光学的特性を検査するための光学系とを有している。この光学系は、前記反応室に光を照射するための光源と、前記反応室を透過してきた光を受ける受光部とを有している(前記反射室からの反射光を受ける場合もあるが、以下略)。前記受光部は、たとえばフォトダイオードを用いて構成されており、受光量に対応したレベルの信号を出力する。この出力信号に基づき、前記反応室において生じた呈色反応部分の吸光度を判断することが可能である。
しかしながら、従来においては、次に述べるように、未だ改善すべき余地があった。
すなわち、従来の分析装置においては、光源から分析用チップに向けて照射される光は、光学レンズや光学用アパーチャを用いて絞られ、その光束径は、分析用チップの反応室の直径と略同一、またはそれよりも小さくされている。受光部は、そのように小径に絞られた状態で前記反応室を透過した光を受けることにより、その受光量に対応した信号出力を行なう。
このような構成によれば、分析用チップを分析装置のチップ装着部に装着する際には、分析装置の光源から受光部に到るまでの光路中に、分析用チップの反応室が位置するように、分析用チップを所定の位置へ正確に位置決めする必要がある。分析用チップの装着位置にずれを生じていたのでは、光源から発せられた光を反応室に適切に透過させてから受光部に到達させることができない。これでは、分析誤差が大きくなるばかりか、分析処理自体が困難となる不具合がある。
また、分析用チップに複数の反応室が設けられている場合には、光源および受光部を複数の反応室のそれぞれに対応する箇所へ移動させるための駆動機構を設ける必要がある。あるいは、複数の反応室に対応させて複数の光学系を設けておく必要がある。ところが、このような手段を採用したのでは、構造の複雑化を招き、分析装置全体の製造コストが高くなる。また、前記した駆動機構は、故障を生じ易く、そのメンテナンスなども面倒なものとなる。
一方、分析用チップの反応室において、試料と試薬との呈色反応を生じさせた場合に、この部分に気泡が混入する場合がある。ダスト類が混入する場合もある。このような気泡やダスト類は、試料と試薬との正常な呈色反応部分とは光の透過率が相違するため、試料の分析精度を高めるには、気泡やダスト類の悪影響を除外する必要がある。
このための手段として、特許文献2には、光源から発せられた光を反応室よりもかなり小径に絞り込み、かつこの光の照射位置を移動させることにより、反応室の複数の光照射領域についての吸光度を計測する手段が開示されている。この手段では、反応室の複数の光照射領域のうち、吸光度が異常と考えられる範囲にある領域については気泡が存在する領域であるとして除外している。
しかしながら、このような手段においては、サイズが小さい気泡を適切に検出して除外することは困難である。また、気泡が比較的大きいサイズであっても、この気泡がたとえば複数の光照射領域に跨がって存在するような場合には、この気泡を含む光照射領域が除外されない場合があり、気泡が存在する領域の吸光率が測定されてしまう可能性がある。さらに、前記手段においては、反応室のうち、小径に絞られた複数の光照射領域を対象として吸光率が部分的に算出されているに過ぎず、反応室の略全域を対象とした吸光率の算出処理はなされていない。このようなことから、前記手段によれば、測定誤差が比較的大きく、分析精度を高くする上で、未だ改善の余地がある。
特開2011−021918号公報 特開2010−276443号公報
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであって、分析用チップがチップ装着部に多少位置ずれした状態で装着されたような場合であっても、試料の分析処理を適切に行なうことが可能な分析装置を提供することを、その課題としている。また、呈色反応部分に気泡などが混入する事態を生じている場合であっても、その悪影響を適切に除外し、分析処理を高精度で行なうことが可能な分析装置を提供することを、他の課題としている。
本発明により提供される分析装置は、試料と試薬との呈色反応を生じさせるための少なくとも1つの反応室が設けられている分析用チップが装着されるチップ装着部と、前記反応室において前記呈色反応を生じさせた際にこの呈色反応部分の光学的特性を検査するための光学系と、この光学系を利用して得られたデータに基づいて前記試料中の特定成分の濃度演算処理を実行するデータ処理部と、を備えている、分析装置であって、前記光学系は、前記反応室よりも広い範囲を撮像可能なエリアイメージセンサを備え、このエリアイメージセンサによる撮像画像のデータとして、前記呈色反応部分およびその周辺領域が一括して撮像されたメイン画像のデータ、および前記反応室に前記試料が供給される前の状態で前記反応室およびその周辺領域が一括して撮像されたサブ画像のデータを得ることが可能とされ、前記データ処理部は、前記サブ画像のデータ内における前記反応室の画像のデータの位置を特定する処理を実行し、前記メイン画像のデータの中から、前記サブ画像のデータ内における反応室の画像のデータの位置と一致するデータを選出することにより、前記メイン画像のデータから前記呈色反応部分の画像のデータを選出するとともに、この選出された前記呈色反応部分の画像のデータ中の光学的特性が異常な画像のデータを検出した上で、この検出された異常な画像のデータを前記呈色反応部分の画像のデータから除外し、その残余のデータに基づいて前記濃度演算処理を実行可能であり、前記異常な画像のデータを検出する処理は、前記呈色反応部分の画像の2値化を行なうことによって、前記呈色反応部分の画像のデータのうち、光学的特性が異常な画像領域の輪郭を、前記呈色反応部分の他の領域とは相違するデータ領域として区別化し、かつ前記輪郭およびその内側領域の画像のデータを、前記異常な画像のデータであると見做して行なわれるように構成されていることを特徴としている。
このような構成によれば、前記メイン画像のデータから選出した呈色反応部分の画像のデータに基づき、試料の濃度演算処理を適切に実行することができる。このことに加え、次のような格別な効果も得られる。
すなわち、本発明においては、呈色反応部分の光学的特性を検査するための手段として、分析用チップの反応室よりも広い範囲を撮像可能なエリアイメージセンサを用いており、このエリアイメージセンサによって一括して撮像された呈色反応部分およびその周辺領域の画像のデータの中から、呈色反応部分の画像のデータを選出している。このため、分析用チップがチップ装着部に装着された際に、反応室がエリアイメージセンサの撮像可能範囲内に位置している限りは、呈色反応部分を適切に撮像し、その画像データを得ることが可能である。分析用チップがチップ装着部の本来の装着位置に対して多少の位置ずれを生じている場合であっても、とくに不具合を生じることはなく、呈色反応部分の画像のデータを得ることが可能である。このようなことから、本発明によれば、分析用チップがチップ装着部の所定位置に正確に位置決めされていない場合であっても、分析処理を適切に行なうことが可能である。
本発明では、前記したような効果が得られる結果、分析用チップの位置決め構造を簡略化することができる。このため、分析装置の製造コストの低減化なども図ることができる。
さらに、本発明では、呈色反応部分の状況を2次元で把握できることから、同一の反応速度部分のみを解析することや、たとえば血液試料中の血球の計数処理などを行なうことも可能となる。
さらに、たとえば、呈色反応部分とその周辺領域との光学的特性に大きな差がなく、メイン画像のデータのみでは、呈色反応部分の画像のデータを選出することが余り容易ではない場合であっても、サブ画像のデータを利用して反応室の位置を予め特定しておくことにより、呈色反応部分の画像のデータの選出処理を容易かつ正確に行なうことができることとなる。
呈色反応部分の画像のデータの中から、光学的特性が異常な画像のデータを検出して除外しているために、気泡やダスト類の画像のデータは適切に除外される。これら気泡やダスト類のサイズが大きい場合は勿論のこと、かなり微小な場合であっても、これらの画像を適切に検出し、除去することが可能である。また、異常な色むらの画像のデータも検出することができる。濃度演算処理は、前記の基本画像のデータから気泡やダスト類などの光学的特性が異常な画像のデータを除外した後の残余のデータに基づいて行なわれるが、この残余のデータは、正常な呈色反応部分の略全域の撮像画像のデータである。しかも、既述したように、気泡やダスト類などの異常な画像のデータが適切に除外されたものである。したがって、試料の分析測定誤差を小さくし、分析精度を高くすることができる。
さらに、簡易なデータ処理によって、呈色反応部分のうち、気泡やダスト類が存在する領域、あるいは異常な色むらを生じている領域の全体の画像データを適切に検出することができる。
本発明において、好ましくは、前記分析用チップとして、複数の反応室を有するものが用いられた場合に、前記エリアイメージセンサは、前記複数の反応室のそれぞれにおける複数の呈色反応部分をその周辺領域とともに一括して撮像可能であり、前記データ処理部は、前記メイン画像のデータから、前記複数の呈色反応部分の画像のデータを個々に選出し、前記濃度演算処理については、前記複数の呈色反応部分のそれぞれに対応して個別に行なうことが可能とされている。
このような構成によれば、分析用チップとして、複数の反応室を有するものを使用し、かつこれら複数の反応室のそれぞれにおいて試料と試薬との呈色反応を生じさせた場合に、これら複数の呈色反応部分をエリアイメージセンサによって一括して撮像し、各呈色反応に対応した濃度演算処理を個別に行なうことができる。複数の呈色反応部分を1つずつ個々に撮像していく必要はないために、迅速な処理が可能である。また、エリアイメージセンサについては、固定させたままでよいために、エリアイメージセンサ移動用の駆動機構を設けるような必要もない。さらに、光学系を複数設ける必要もない。したがって、全体構造の簡素化や製造コストの低減化などをより好適に図ることができる。
本発明において、好ましくは、前記光学系は、前記分析用チップの反応室およびその周辺領域に向けて光を照射することが可能な光源を有している。
このような構成によれば、前記光源からの光を照明光とし、分析用チップの反応室およびその周辺領域をエリアイメージセンサによって適切に撮像することができる。
なお、本発明においては、光源からエリアイメージセンサに到達する光は、分析用チップの透過光および反射光のいずれであってもよい。
本発明において、好ましくは、前記エリアイメージセンサおよび前記光源は、前記チップ装着部を挟んだ配置に設けられ、前記データ処理部は、前記チップ装着部に前記分析用チップが装着されておらず、かつ前記光源から発せられた光が前記エリアイメージセンサによって受けられている状態において、前記エリアイメージセンサによる受光量が所定量以上の幅で低下したときには、前記チップ装着部に前記分析用チップが装着されたものと判断するように構成されている。
このような構成によれば、チップ装着部に分析用チップが装着され、光源からエリアイメージセンサに向けて進行している光が分析用チップによって遮られた場合に、その旨を適切に検出することができる。したがって、分析用チップが装着された旨を検出するための専用のスイッチあるいはセンサなどを別途設ける必要はなく、合理的である。
本発明において、好ましくは、前記光源として、中心波長が相違する光を発する複数のLED光源が用いられ、かつこれら複数のLED光源の点灯駆動は、個々に切り替え可能であり、前記エリアイメージセンサは、モノクロ画像撮像用である。
このような構成によれば、複数のLED光源から発せられる光の中から、呈色反応部分の光学的特性を検査するのに適する中心波長の光を適宜選択することができる。一方、エリアイメージセンサは、モノクロ画像撮像用であるために、前記した複数のLED光源のいずれが選択された場合であっても、呈色反応部分についての撮像画像のデータを適切に得ることができる。
本発明において、好ましくは、前記光源の点灯駆動時間が制御されることにより、前記エリアイメージセンサによる撮像画像の明るさを変更可能とされている。
このような構成によれば、エリアイメージセンサによる撮像画像の明るさを、試料の分析処理に最適な明るさ、または最適に近い明るさに設定することが容易に実現できる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
本発明に係る分析装置の一例を示す構成図である。 (a)は、図1に示す分析装置で用いられる分析用チップの一例を示す平面図であり、(b)は、(a)のIIb−IIb断面図である。 図1に示す分析装置のデータ処理部の動作処理手順の一例を示すフローチャートである。 (a),(b)は、図1に示す分析装置のエリアイメージセンサによって撮像される領域の例を模式的に示す説明図である。 エリアイメージセンサによる撮像画像の例を模式的に示す要部拡大図である。 図5に示した画像の列L1の画素とその信号レベルとの関係を示す図である。 エリアイメージセンサによる撮像画像において反応室を特定する動作処理手順の一例を示すフローチャートである。 エリアイメージセンサによる撮像画像から気泡などの異常データを除外する処理手順の一例を示すフローチャートである。 気泡を含む撮像画像の一例を模式的に示す説明図である。 (a),(b)は、図9に示す撮像画像の2値化処理画像の例を模式的に示す説明図である。 図9に示した画像から異常データを除外する状態を模式的に示す説明図である。 呈色反応部分の画像のデータから気泡などの異常データを除外した場合と除外しない場合との吸光度の相違を示す説明図である。 (a),(b)は、呈色反応部分の画像のデータのヒストグラムの例を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
図1に示す分析装置Aは、分析用チップ1を用いて、試料3を分析する用途に利用される。試料3としては、たとえば血液が用いられる。ただし、後述するように、試料の種類
はこれに限定されるものではない。
理解の容易のため、図2を参照して、分析用チップ1の構造を先に説明する。ただし、分析用チップ1としては、その基本的な構成を従来既知のもの(既述した特許文献1,2などに記載のもの)と同様とすることが可能である。したがって、その構成については簡単に説明する。
分析用チップ1は、使い捨てタイプであり、複数の反応室12を有している。各反応室12には、呈色反応用の試薬13が配されており、各反応室12に試料3が供給されることにより、試料3と試薬13との呈色反応が生じる。この呈色反応の度合いは、試料3中の特定成分の濃度に対応する。したがって、前記呈色反応の光学的特性に基づき、試料3中の特定成分の濃度を求めることができる。図面においては、4つの反応室12が設けられた例を示しており、試料3についての4つの項目の検査を纏めて実行することが可能である。ただし、反応室12の数は、これに限定されない。また、複数の反応室12のうち、たとえば1つの反応室12については、試薬13が配されていない参照用の反応室とし、試料3が呈色反応を生じていない状態で試料3の光学的特性を検査し得る構成とすることもできる。
分析用チップ1は、透明なシート体10a〜10c、および遮光カバー14を積層して構成されており、複数の反応室12は、たとえば平面視円形状に形成されている。分析用チップ1の上面部には、複数の反応室12と複数の流路11を介して連通するリザーバ部15が設けられている。このリザーバ部15の開口部15aに試料3が滴下された状態において、キャップ16をリザーバ部15に装着し、キャップ16を押圧変形させると、試料3は、流路11から複数の反応室12に分岐して流れ込む。すると、試料3と試薬13との呈色反応が開始する。流路11の終端は、空気抜き用の孔部11aとして形成されている。この孔部11aは、リザーバ部15から各反応室12に試料3を供給する際に流路11内の空気を外部に逃がし、試料3の流れを円滑にするのに役立つ。
遮光カバー14は、たとえば黒色の光不透過性フィルムである。この遮光カバー14のうち、各反応室12の直上位置に相当する部分には、開口部14aが設けられている。後述するエリアイメージセンサ25による反応室12の撮像は、開口部14aを介してその上方から行なわれる。開口部14aは、反応室12と同様な円形状であり、その直径は、反応室12の直径と同一またはそれよりも僅かに小径である。
分析用チップ1には、2次元コード17が設けられている。この2次元コード17は、分析用チップ1を用いて実行される測定項目などの情報を表示している。分析装置Aには、二次元コード17の情報を読み取るためのコードリーダを設けてもよいが、好ましくは、そのような構成に代えて、後述するエリアイメージセンサ25を用いて前記情報を読み取り可能とされる。
図1に示すように、分析装置Aは、分析用チップ1を装着させるためのチップ装着部23、光源21やエリアイメージセンサ25を有する光学系OP、データ処理部28、およびこれらを収容する筐体20を具備している。
チップ装着部23は、筐体20の側面に差し込み口23cを開口して設けることにより構成されており、この差し込み口23cに分析用チップ1が差し込まれた際に、この分析用チップ1を安定的に固定させて載置させておくための載置台23aを有している。好ましくは、載置台23aには温調ヒータ23bが設けられており、試料3と試薬13との呈色反応を生じさせる際の温度を所定の温度範囲に維持できるように構成されている。
光源21(21a〜21e)は、たとえばLED光源であり、チップ装着部23の下方に設けられている。光源21a〜21eは、光の中心波長が互いに相違している。光源21a〜21eからそれぞれ発せられる光の中心波長は、たとえば405nm、450nm、535nm、630nm、および810nmである。光源21a〜21eは、個別に点灯駆動させることが可能であり、試料3の分析に際し、呈色反応に応じて適切な中心波長の光が選択される。なお、波長の切り替えは、光源21a〜21eを個別に点灯駆動させることに代えて、たとえば光源21a〜21eのそれぞれから発せられる光を個別に遮ることが可能なシャッタ機構を用いることもできる。光源21から発せられた光は、光散乱板22を介して拡散されてから、分析用チップ1の複数の反応室12およびその周辺領域に対してその下方から略均一に照射される。筐体20内のうち、光学系OPが設けられた箇所への外乱光の進入は阻止されている。
エリアイメージセンサ25は、たとえば300万画素程度のモノクロ画像撮像用のCCDイメージセンサである。エリアイメージセンサ25としては、従来既知のものを用いることが可能であるため、その詳細は省略するが、このエリアイメージセンサ25から出力される画像データ信号は、多数の画素信号の集合であり、受光量が多いほどその信号レベル(電圧信号のレベル)が高いものとなる。エリアイメージセンサ25の撮像可能範囲は、分析用チップ1の複数の反応室12が設けられている領域よりも広い範囲に設定されている。このため、エリアイメージセンサ25は、分析用チップ1をチップ装着部23に装着させた状態で撮像する場合、複数の反応室12とその周辺領域とを一括して撮像可能である。エリアイメージセンサ25が受ける光は、光源21から発せられて分析用チップ1を透過してきた光であるため、エリアイメージセンサ25で撮像された画像の信号レベルに基づき、分析用チップ1の所定部位の吸光度を測定することが可能である。
光源21は、その点灯駆動時間を複数段階で変更可能とされている。これに対し、エリアイメージセンサ25は、その撮像面に設けられている複数の受光部ごとに電荷蓄積機能を有しており、この蓄積された電荷量に対応するレベルの画像データ信号を出力する。このため、エリアイメージセンサ25による撮像画像としては、光源21の点灯駆動時間が短い場合には暗めの撮像画像が得られる一方、光源21の点灯駆動時間が長い場合には明るめの撮像画像が得られる。試料3と試薬13との呈色反応部分の色彩およびその明度などは一様ではないため、呈色反応部分の吸光度を求めるのに最適な明るさの撮像画像が得られるように、光源21の点灯駆動時間が制御される。あるいは、明るさが異なる複数の画像を撮像した後に、それらの中から最適と判断される画像が選択され、この選択された画像に基づいて吸光度が求められる。
エリアイメージセンサ25から出力されるアナログの画像データ信号は、増幅部26によって増幅された後に、A/D変換部27によってデジタル信号に変換されてからデータ処理部28に入力する。
データ処理部25は、たとえばマイクロコンピュータを用いて構成されており、エリアイメージセンサ25により撮像された画像のデータなどを記憶しておくための記憶部25aを有している。データ処理部25は、分析装置Aの各部の動作制御を実行する制御部として機能するが、これに加えて、試料3の分析を適切かつ高精度に行なうためのデータ処理を実行する。ただし、その具体的な内容については、後述する。
データ処理部25には、プリンタ70、表示部71、および操作部72が接続されている。プリンタ70および表示部71は、データ処理部25によって算出された分析結果のデータを出力するためのものであり、分析結果のデータに関連して、試料3の提供者(患者)、測定項目、測定条件などの他のデータも適宜出力される。表示部71は、たとえば液晶表示器や有機ELパネルなどを用いて構成されている。操作部72は、電源スイッチ
やその他の操作スイッチを有し、データ処理部28への制御指令やデータ入力に利用される。プリンタ70、表示部71、および操作部72については、分析装置Aに外付けした構成とすることもできる。
次に、前記した分析装置Aの作用について説明する。併せて、データ処理部28の動作処理手順の一例について、図3のフローチャートを参照しつつ説明する。
〔分析処理完了までの概略の動作処理〕
まず、チップ装着部23に分析用チップ1が未装着の状態において、操作部72において所定の操作が行なわれると、光源21が点灯駆動され、エリアイメージセンサ25の駆動も開始される(S1:YES,S2)。この際には、エリアイメージセンサ25によって、透明な載置台23aやその下方領域が撮像されるに過ぎず、その撮像画像は光源21からの受光量が多いために、全体が白色に近い画像である。
チップ装着部23に分析用チップ1が装着されると、光源21から発せられた光が分析用チップ1の遮光カバー14によって遮られる。その結果、エリアイメージセンサ25による受光量は所定以上の大きな幅で減少し、エリアイメージセンサ25から出力される画像データ信号のレベルが大きく低下する。すると、データ処理部28は、その時点でチップ装着部23に分析用チップ1が装着されたものと判断する(S3:YES,S4)。この時点までのエリアイメージセンサ25の駆動は、チップ装着部23に分析用チップ1が装着されたか否かを判断するための駆動であるため、光源21a〜21eを1つずつ切り替え駆動させる必要はなく、光源21a〜21eのいずれか1つのみを点灯駆動させるだけでもよい。また、分析用チップ1の反応室12には、試料3は未だ供給されていない。
エリアイメージセンサ25は、チップ装着部23に分析用チップ1が装着された後も撮像動作を実行し、図4(a)に示すように、分析用チップ1のうち、複数の反応室12の全てとその周辺領域とを一括して撮像したサブ画像Iaのデータを取得する(S5)。同図においては、分析用チップ1の一部分の周囲も撮像範囲になっているために、分析用チップ1の輪郭を判断することが可能であるが、これとは異なり、分析用チップ1の周囲を撮像範囲に含ませなくてもよい。
各反応室12の周辺領域は、黒色の遮光カバー14であるのに対し、各反応室12は、内部に試薬13を有するものの、透光性を有する部分である。データ処理部28は、各反応室12とその周辺領域との透光性の相違を利用し、サブ画像Iaのデータ中における各反応室12の位置を特定する(S6)。ただし、その詳細については、後述する。サブ画像Iaを撮像するタイミングでは、各反応室12に試料3が未だ供給されていないために、各反応室12とその周辺領域との透光度の差は相当に大きく、反応室12の位置を特定するのに好ましいものとなる。サブ画像Iaを撮像する際にも、光源21a〜21eのいずれか1つのみを点灯駆動させるだけでもよい。本実施形態では、サブ画像Iaのデータに、二次元コード17の画像データも含まれており、このデータは、データ処理部28によって読み取られて処理される。
その後、各反応室12に試料3が供給されると、各反応室12において試料3と試薬13とが混合されて呈色反応を生じる。この呈色反応を生じた状態においても、エリアイメージセンサ25による撮像がなされる。このことにより、たとえば図4(b)に示すように、呈色反応部分12a(反応室12)の全てとその周辺領域とを一括して撮像したメイン画像Ibのデータを取得する(S7:YES,S8)。メイン画像Ibとサブ画像Iaとは、撮像範囲が同一であり、これらは各反応室12において呈色反応を生じている画像であるか否かが相違するだけである。なお、各反応室12に試料3が供給されたか否かの判断(S7)は、各反応室12の撮像画像の変化に基づいてデータ処理部28に判断させ
ることができる。もちろん、これとは異なり、ユーザが特定のスイッチ操作を行なうことによってデータ処理部28にその旨のデータ入力を生じさせる手段を採用してもよい。
データ処理部28は、前記したメイン画像Ibを撮像した後には、この画像データの中から、各呈色反応部分12aの画像データを選出する(S9)。この選出処理は、メイン画像Ibのデータの中から、ステップS6において特定した各反応室12の画像データと位置が同一のデータを選出することにより行なう。メイン画像Ibのデータにおいては、各呈色反応部分12aとその周辺領域との明度差が小さくなる可能性があり、各呈色反応部分12aの位置を正確に特定する処理が煩雑化するが、本実施形態の処理方法によれば、そのような不具合が解消される。
次いで、データ処理部28は、前記した呈色反応部分12aの画像のデータから気泡の画像データなどの異常データを排除する処理を実行する(S10)。この処理についても、その詳細については後述する。データ処理部28は、呈色反応部分12aの画像のデータのうち、前記した異常データを排除した後には、その残余のデータに基づいて、試料3の特定成分の濃度を演算する(S11)。この演算処理は、まず呈色反応部分12aの吸光度を求めた後に、この吸光度を記憶部28aに記憶されている検量線のデータと照合することにより行なわれる。演算結果のデータは、表示部71やプリンタ70を利用して出力される(S12)。
〔各反応室12の位置特定処理〕
前記した一連の動作手順のうち、ステップS6における各反応室12の位置特定処理は、たとえば次のような手法を用いて実行される。
まず、図5に示す画像Ia’は、サブ画像Iaの一部(2つの反応室12とその周辺領域の画像)が模式的に示されたものであり、複数の画素40の集合体である(図5の格子によって囲まれた細かい桝目のそれぞれが画素40である)。同図において、列L1の各画素40の信号レベルは、図6に示すような状態である。なお、同図において、信号レベルの高低が「カウント値」で示されているが、この「カウント値」は、エリアイメージセンサ25から出力されるアナログ信号のレベルを一定の規則にしたがって数値化(デジタル化)した値である。カウント値が大きいほど、画素40の信号レベルが高い(画素40が明るい)。
図6においては、列L1の複数の画素40のうち、反応室12の領域に相当する画素40a,40b間、および画素40c,40d間に位置する画素40の信号レベルは高く、それ以外の画素40の信号レベルは低い。これは、反応室12は、透光性を有しているのに対し、反応室12の周辺領域には、遮光カバー14が位置しているからである。
データ処理部28は、前記したような状況の下、図7のフローチャートに示すような動作処理を実行する。
すなわち、データ処理部28は、サブ画像Iaのデータを取り込んだ後には、所定のカウント値(たとえば、図6では、カウント値「100,000」)を閾値TH1として設定し、複数の画素40のデータの中から、閾値TH1を超える信号レベルの画素データを選出する(S20,S21)。このことにより、受光量が多い画素データが選出される。次いで、データ処理部28は、そのようにして選出された画素データの信号レベルの平均値または中央値を求めてから、この平均値または中央値に基づき乖離範囲(分散範囲)を設定し、この乖離範囲内にある画素データの集合を、反応室12の画像のデータであると仮判断する(S22,S23)。
その後は、前記の仮判断の妥当性が判断される(S24)。この判断においては、たとえば反応室12の画像のデータであると仮判断されたデータのサイズや位置が、所定の範
囲から大きく逸脱していないか否かといったことが判断され、データのサイズや位置が明らかに異常であるような場合には、前記データは反応室12の画像のデータではないと判断される(S24:NO,S27)。このことにより、たとえば分析用チップ1の空気抜き用の孔部11aや、分析用チップ1の周囲の領域が、反応室12であると過誤判断されることは回避される。前記の仮判断が妥当であると判断される場合には、その判断が確定され、反応室12の画像のデータの位置が記憶部28aに記憶される(S24:YES,S25)。前記した処理は、サブ画像Iaのデータの全てについて終了するまで繰り返し実行される(S26)。このため、複数の反応室12のそれぞれの位置が適切に特定される。
〔気泡などの異常データ除外処理〕
図3のステップS10における気泡などの異常データを除外する処理は、たとえば次のような手順で行なわれる。この手順については、図8のフローチャートも適宜参照して説明する。
図9は、呈色反応部分12aの画像Ic(図3のステップS9において選出された画像であり、正確には、その画像の一部)を示しており、この画像Icには、気泡の画像5が含まれている。呈色反応部分12に気泡が混入した場合、この気泡の周縁部は、光源21から進行してきた光を高い反射率で反射する。したがって、画像Icにおいて、気泡の画像5の周縁部は、正常な呈色反応部分の画像領域12a'よりも暗い画像となる。一方、気泡の中央寄り部分は、光源21から進行してきた光を多く透過させる特性をもち、気泡の画像5の中央寄り部分は、いわゆる白抜け状態の画像となる。したがって、このような気泡の画像5が画像Icに含まれることは、呈色反応部分12aの吸光度を正確に求める上で好ましいものではない。
データ処理部28は、まず呈色反応部分12aの画像Icの2値化処理を実行する(S30)。この2値化処理では、所定の閾値を超える信号レベルの画素は白、閾値以下の信号レベルの画素は黒とされる。この2値化処理により、図10(a)に示す画像Idのように、気泡の画像5の輪郭線のみを黒色とし、これ以外の領域を白色とした2値化画像を得る。ただし、このような2値化処理のみでは、たとえば気泡の画像5の輪郭線が切欠き状になるなど、輪郭線が綺麗なリング状に現れない可能性がある。そこで、データ処理部28は、2値化画像データのフィルタ処理をさらに実行する(S31)。このフィルタ処理は、たとえば気泡5の輪郭線が切欠き状である場合に、前記輪郭線が連続したリング状となるように画像のデータを補正する処理である。このことにより、図10(b)に示す画像Id'のように、気泡の画像5の輪郭線が明確化される。
次いで、データ処理部28は、ラベリング処理を行なう(S32)。このラベリング処理は、前記フィルタ処理を終えた画像Id'中において、気泡の画像5の輪郭線およびこの輪郭線によって囲まれた領域を検出し、その位置や大きさを特定する処理である。図10(b)の矩形に囲んだ領域AR1,AR2が、そのようなラベリング処理によって気泡の画像5であると特定された領域である。ラベリング処理に際し、好ましくは、領域AR1,AR2は、気泡の画像5の実際のサイズよりもやや大きめの領域となるように特定される。このようにすれば、気泡の画像5のデータを略完全に除去する上で、その信頼性を高めることができる。
比較的微小な気泡の画像については、前記した2値化処理やフィルタ処理を行なった場合に、リング状の輪郭線をもった画像にはならず、微小な黒点状の画像となる。透光性が低いダスト類の画像についても同様である。ただし、このような微小な気泡やダスト類の画像は、微小な黒点状となって、2値化画像におけるノイズとしてその存在が明確化されるために、前記のラベリング処理においては、やはり前記した気泡の画像5と同様に異常
なデータとして検出され、その位置が特定される。さらに、反応呈色部分12aに極端な色むらが生じるような場合、その色むら部分の画像データを異常データとして処理することも可能である。
前記の一連の処理を終えた結果、気泡の画像5などの異常な画像の存在が確認された場合には、図11に示すように、ラベリング処理で特定された異常データ領域AR1,AR2を、呈色反応部分12についての元の画像Icから除外した画像Ic'を得る(S33:YES,S34)。呈色反応部分12aの吸光度は、画像Ic'のデータに基づいて求められる。吸光度を求めるための具体的な手法としては、画像Ic'を構成する複数の画素の信号レベルの平均値を算出し、この平均値に基づいて吸光度を求める手法が用いられる。
図12は、呈色反応部分の吸光度の例を示している。本件発明者は、血液中の総コレステロール測定用の呈色反応を生じさせる試験を行ない、エリアイメージセンサを用いて実際に撮像した画像について、気泡の画像データなどの異常データ除外処理を行なった場合と、行なっていない場合との吸光度の差を調べた。その一例が、図12に示されている。このデータから理解されるように、気泡の画像などの異常データを除外した場合には、除外しない場合と比較して、吸光度が高くなる。このことは、気泡などによる光の反射の悪影響を無くす上で、前記したような異常データ除外処理がかなり有効であることを意味するものと考えられる。
〔作用〕
以上のように、本実施形態の分析装置Aによれば、分析用チップ1の広い領域をエリアイメージセンサ25によって撮像することにより得られたメイン画像Ibのデータの中から、各呈色反応部分12aの画像のデータが選出されている。この選出処理は、反応室12とその周辺領域との吸光度の差に基づいて行なわれている。このため、分析用チップ1がチップ装着部23に装着された際に、分析用チップ1が斜めに傾くなどして所定の位置から多少のずれを生じている場合であっても、各呈色反応部分12aの画像のデータを正確に選出し、その吸光度を求めることが可能である。その結果、分析用チップ1の装着の仕方が悪いことに起因して試料3の分析処理が困難になるといった虞を少なくすることができる。チップ装着部23の構造を簡素にすることもできる。
本実施形態では、複数の呈色反応部分12aの吸光度が個々に求められ、複数項目の分析処理が略一斉に行なわれるために、その処理効率が良好であるが、このような処理に先立ち、エリアイメージセンサ25は、複数の呈色反応部分12aをその周辺領域とともに一括して撮像している。したがって、たとえばモータを備えた駆動機構を利用して、光学系OPを複数の反応室12に対応する位置へ順次移動させていくといった必要はない。また、複数の反応室12に対応させて複数の光学系を設けるといった必要もない。その結果、分析装置Aの構造の簡素化ならびに小型化を図り、製造コストを低減することができる。故障も生じ難くすることができる。
さらに、分析装置Aにおいては、呈色反応部分12aの画像のデータの中から、気泡の画像のデータなどの異常データを除外した後の残余のデータに基づいて吸光度の算出処理などを行なっているが、異常データの検出は、気泡などの光学的特性に基づいて高精度でなされている。また、異常データの除外処理も緻密に行なわれている。さらには、異常データの除外元となる画像のデータは、呈色反応部分12aの略全域の撮像画像のデータであるため、異常データを除外した後の画像のデータは、正常な呈色反応状態を的確に反映したものとなる。このようなことから、試料3の分析精度をより高くすることが可能である。本実施形態では、異常データを検出する手法として、呈色反応部分12aの画像の2値化処理を利用しているが、このような手法によれば、気泡やダスト類などの異常データを容易かつ適切に検出する上で、より好ましいものとなる。
上述の実施形態では、詳細な説明は省略しているが、光源21として、中心波長が異なる複数の光源21a〜21eを用いているために、呈色反応に適する中心波長の光を用いてその吸光度を正確に測定することができる。また、エリアイメージセンサ25は、モノクロタイプであるために、光源21a〜21eから発せられるいずれの光にも対処することができる。さらに、光源21の点灯駆動時間が制御されることにより、エリアイメージセンサ25による撮像画像として、明るさ(信号レベル)が相違する複数の撮像画像を得ることが可能であるため、撮像画像のデータとして、分析処理に最適なデータ、またはそれに近いデータを得ることができる。したがって、高精度な分析処理を行なう上で、より好ましいものとなる。
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係る分析装置の各部の具体的な構成は、本発明の意図する範囲内において種々に設計変更可能である。
本発明において、気泡などの異常データを除外するための手法としては、たとえば呈色反応部分12aの画像のデータをヒストグラム化する手法を用いることもできる。この手法は、次のとおりである。
すなわち、図13は、呈色反応部分12aの画像中の各画素の信号レベルと、信号レベルが同一の画素数との関係をヒストグラム化したものである。同図(a)は、呈色反応部分12aに気泡が混入している場合であり、信号レベルが低い領域において、画素数が正常な分布曲線Laから外れるデータ群D1が発生している。これは気泡の周縁部の吸光度が他の部分と比較して相当に高いことに原因する。同図(b)は、呈色反応部分12aに気泡が混入していない場合であり、前記したデータ群D1は発生していない。このようなことから理解されるように、データ群D1の存在により呈色反応部分12aに気泡が混入していることを察知することができる。また、データ群D1に属する画素データに基づき、気泡の位置を特定することも可能である。
もちろん、本発明では、上述した手法とは異なる手法で、気泡などの異常データの検出、および除外処理を行なってもよい。
上述した実施形態では、呈色反応部の画像のデータを特定するための手段として、反応室12に試料3が供給されていない状態で反応室12の位置を特定する処理を実行しているが、これに限定されない。本発明においては、反応室12に試料3が供給された後の撮像画像に基づいて、反応室12の位置(呈色反応部分12aの位置)を特定してもよい。反応室12の周辺領域を黒色またはそれに近い色彩にしておけば、血液などの試料との濃淡差を比較的大きくし、呈色反応部分12aとその周辺領域とを適切に区別することが可能である。
なお、反応室12の位置を特定するための手法としては、反応室およびその周辺領域の撮像画像のうち、明るい画像領域の中心位置を求めて、この中心から所定の半径内の領域を反応室とする手法を用いることができる。さらに、これとは異なる手法として、連続して並ぶ複数の画素のそれぞれの信号レベルの差分(または微分)を求め、その値が所定以上の幅で急変した箇所を、反応室とその周辺領域との境界部分とする手法を用いることもできる。反応室とその周辺領域との境界部分では、それらの光学的特性の相違に起因して、画素データの信号レベルが急変するからである。
エリアイメージセンサは、分析用チップを透過した光を利用して分析用チップを撮像することに代えて、分析用チップによって反射された光を利用して分析用チップを撮像する構成でもよい。試料と試薬との呈色反応の光学的特性を検査する場合、呈色反応部分12aの吸光特性に代えて、または加えて、呈色反応部分12aの光反射率や色彩に基づいた検査とすることもできる。
本発明のエリアイメージセンサは、CCDイメージセンサに限らない。たとえば、CMOSタイプのイメージセンサを用いることもできる。試料としては、血液以外として、たとえば尿を用いることができ、その具体的な種類は問わない。
A 分析装置
OP 光学系
Ia サブ画像
Ib メイン画像
1 分析用チップ
3 試料
12 反応室
12a 呈色反応部分(反応室)
13 試薬
21 光源
25 エリアイメージセンサ
28 データ処理部

Claims (6)

  1. 試料と試薬との呈色反応を生じさせるための少なくとも1つの反応室が設けられている分析用チップが装着されるチップ装着部と、
    前記反応室において前記呈色反応を生じさせた際にこの呈色反応部分の光学的特性を検査するための光学系と、
    この光学系を利用して得られたデータに基づいて前記試料中の特定成分の濃度演算処理を実行するデータ処理部と、
    を備えている、分析装置であって、
    前記光学系は、前記反応室よりも広い範囲を撮像可能なエリアイメージセンサを備え、
    このエリアイメージセンサによる撮像画像のデータとして、前記呈色反応部分およびその周辺領域が一括して撮像されたメイン画像のデータ、および前記反応室に前記試料が供給される前の状態で前記反応室およびその周辺領域が一括して撮像されたサブ画像のデータを得ることが可能とされ、
    前記データ処理部は、前記サブ画像のデータ内における前記反応室の画像のデータの位置を特定する処理を実行し、前記メイン画像のデータの中から、前記サブ画像のデータ内における反応室の画像のデータの位置と一致するデータを選出することにより、前記メイン画像のデータから前記呈色反応部分の画像のデータを選出するとともに、この選出された前記呈色反応部分の画像のデータ中の光学的特性が異常な画像のデータを検出した上で、この検出された異常な画像のデータを前記呈色反応部分の画像のデータから除外し、その残余のデータに基づいて前記濃度演算処理を実行可能であり、
    前記異常な画像のデータを検出する処理は、前記呈色反応部分の画像の2値化を行なうことによって、前記呈色反応部分の画像のデータのうち、光学的特性が異常な画像領域の輪郭を、前記呈色反応部分の他の領域とは相違するデータ領域として区別化し、かつ前記輪郭およびその内側領域の画像のデータを、前記異常な画像のデータであると見做して行なわれるように構成されていることを特徴とする、分析装置。
  2. 請求項1に記載の分析装置であって、
    前記分析用チップとして、複数の反応室を有するものが用いられた場合に、前記エリアイメージセンサは、前記複数の反応室のそれぞれにおける複数の呈色反応部分をその周辺領域とともに一括して撮像可能であり、
    前記データ処理部は、前記メイン画像のデータから、前記複数の呈色反応部分の画像のデータを個々に選出し、前記濃度演算処理については、前記複数の呈色反応部分のそれぞれに対応して個別に行なうことが可能とされている、分析装置。
  3. 請求項1または2に記載の分析装置であって、
    前記光学系は、前記分析用チップの反応室およびその周辺領域に向けて光を照射することが可能な光源を有している、分析装置。
  4. 請求項3に記載の分析装置であって、
    前記エリアイメージセンサおよび前記光源は、前記チップ装着部を挟んだ配置に設けられ、
    前記データ処理部は、前記チップ装着部に前記分析用チップが装着されておらず、かつ前記光源から発せられた光が前記エリアイメージセンサによって受けられている状態において、前記エリアイメージセンサによる受光量が所定量以上の幅で低下したときには、前記チップ装着部に前記分析用チップが装着されたものと判断するように構成されている、分析装置。
  5. 請求項3または4に記載の分析装置であって、
    前記光源として、中心波長が相違する光を発する複数のLED光源が用いられ、かつこれら複数のLED光源の点灯駆動は、個々に切り替え可能であり、
    前記エリアイメージセンサは、モノクロ画像撮像用である、分析装置。
  6. 請求項3ないし5のいずれかに記載の分析装置であって、
    前記光源の点灯駆動時間が制御されることにより、前記エリアイメージセンサによる撮像画像の明るさを変更可能とされている、分析装置。
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