[go: up one dir, main page]

JP6012478B2 - 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置 - Google Patents

回転速度検出装置付き車輪用軸受装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6012478B2
JP6012478B2 JP2013001386A JP2013001386A JP6012478B2 JP 6012478 B2 JP6012478 B2 JP 6012478B2 JP 2013001386 A JP2013001386 A JP 2013001386A JP 2013001386 A JP2013001386 A JP 2013001386A JP 6012478 B2 JP6012478 B2 JP 6012478B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ring
wheel
inner ring
rotational speed
pulsar ring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013001386A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014134225A (ja
Inventor
梅木田 光
光 梅木田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp filed Critical NTN Corp
Priority to JP2013001386A priority Critical patent/JP6012478B2/ja
Publication of JP2014134225A publication Critical patent/JP2014134225A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6012478B2 publication Critical patent/JP6012478B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C41/00Other accessories, e.g. devices integrated in the bearing not relating to the bearing function as such
    • F16C41/007Encoders, e.g. parts with a plurality of alternating magnetic poles
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/58Raceways; Race rings
    • F16C33/583Details of specific parts of races
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
    • F16C19/22Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings
    • F16C19/34Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings for both radial and axial load
    • F16C19/38Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings for both radial and axial load with two or more rows of rollers
    • F16C19/383Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings for both radial and axial load with two or more rows of rollers with tapered rollers, i.e. rollers having essentially the shape of a truncated cone
    • F16C19/385Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings for both radial and axial load with two or more rows of rollers with tapered rollers, i.e. rollers having essentially the shape of a truncated cone with two rows, i.e. double-row tapered roller bearings
    • F16C19/386Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings for both radial and axial load with two or more rows of rollers with tapered rollers, i.e. rollers having essentially the shape of a truncated cone with two rows, i.e. double-row tapered roller bearings in O-arrangement
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2326/00Articles relating to transporting
    • F16C2326/01Parts of vehicles in general
    • F16C2326/02Wheel hubs or castors

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Description

本発明は、自動車等の車輪を回転自在に支承すると共に、この車輪の回転速度を検出する回転速度検出装置が内蔵された回転速度検出装置付き車輪用軸受装置に関するものである。
自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支承すると共に、アンチロックブレーキシステム(ABS)を制御するため、車輪の回転速度を検出する回転速度検出装置が内蔵された回転速度検出装置付き車輪用軸受装置が一般的に知られている。中でも、回転速度センサとパルサリングとのエアギャップ調整作業の煩雑さを解消すると共に、よりコンパクト化を狙って、最近では、回転速度センサをも軸受に内蔵した回転速度検出装置付き車輪用軸受装置が提案されている。
このような回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の一例として図10に示すような構造が知られている。この回転速度検出装置付き車輪用軸受装置は、ハブ輪51と一対の内輪52A、52Bとからなる内方部材53と、この内方部材53に複列の円錐ころ54、54を介して外挿された外方部材55とを備えている。
ハブ輪51は、一端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ56を一体に有し、この車輪取付フランジ56から肩部51aを介して軸方向に延びる円筒状の小径段部51bが形成され、内周にトルク伝達用のセレーション(またはスプライン)51cが形成されている。車輪取付フランジ56の円周等配位置にはハブボルト56aが植設されている。また、小径段部51bには外周に内側転走面52aが形成された一対の内輪52A、52Bが所定のシメシロを介して圧入され、小径段部51bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部51dによって、所定の予圧が付与された状態で、ハブ輪51に対して一対の内輪52A、52Bが軸方向に固定されている。
外方部材55は、外周に懸架装置を構成するナックル(図示せず)に取り付けるための車体取付フランジ55bを一体に有し、内周に複列の前記内側転走面52a、52aに対向する複列の外側転走面55a、55aが一体に形成されている。そして、この外方部材55の外側転走面55a、55aと、これらに対向する複列の内側転走面52a、52a間には複列の円錐ころ54、54がそれぞれ収容され、保持器57、57によって転動自在に保持されている。また、外方部材55の端部にはシール58、59が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から軸受内部に雨水やダスト等が侵入するのを防止している。
内方部材53の外周における複列の円錐ころ54、54の間には、平歯車状の形状とされた金属材料からなるパルサリング60が嵌合している。具体的には、内方部材53の一対の内輪52A、52Bのうち、車輪取付フランジ56側に位置する内輪52Aに、パルサリング60が嵌合している。また、外方部材55には、前記パルサリング60をターゲットとして内方部材53の回転、つまり車輪の回転を検出するセンサ61が装着されている。
パルサリング60は、図11に拡大して示すように、前記内輪52Aに嵌合する嵌合部60aと、この嵌合部60aの外周端から前記一対の内輪52A、52Bに跨がって軸方向に延びる被検出部60bとでなる断面L字状とされている。被検出部60bは、前記センサ61の先端の検出面で検出される部分である。このように、パルサリング60を、断面L字状とすることにより、片方の内輪52Aに嵌合していながら、その被検出部60bを一対の内輪52A、52Bに跨がって配置することができる。したがって、内輪52Aにおいて、パルサリング60の嵌合する一端部、つまりもう片方の内輪52Bと対向する端面側を、内輪52Bよりも長くすることなく、複列の円錐ころ54、54の中央位置にパルサリング60の被検出部60bを配置することができる。
これにより、装置全体の軸方向長さを短縮でき、コンパクト化が可能となる。また、パルサリング60を断面L字状とすることにより、パルサリング60の無駄な肉厚部を削減できる。
センサ61は、複列の円錐ころ54、54の間の中央位置において、内方部材53の軸中心に対して垂直な姿勢で外方部材55に装着されて、その内方部材53側に向く端面である検出面が前記パルサリング60の被検出部60bに対峙している。すなわち、外方部材55には、複列の円錐ころ54、54間の中央位置において、内方部材53の軸中心に対して垂直な方向に外径面から内径面にわたって貫通するセンサ挿通孔62が設けられ、このセンサ挿通孔62にセンサ61を挿通させることで、軸中心に対して垂直な姿勢でセンサ61が外方部材55に装着されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2010−48349号
然しながら、この従来の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置では、パルサリング60を一方の内輪52Aに圧入してサブアッセンブリーにした後、ハブ輪51の小径段部51bに圧入される2段階の圧入工程となっている。この場合、それぞれの嵌合バラツキと2段階圧入によって、パルサリング60の膨張量が大きくなり、パルサリング60の外径に過大なフープ応力が発生すると共に、固定位置がずれる恐れがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、パルサリングの圧入に伴う膨張量を抑え、フープ応力による微小なクラックの発生を防止して信頼性の向上を図った回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、外周にナックルに取り付けるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジから肩部を介して軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面に対向する内側転走面が形成された一対の内輪からなる内方部材と、この内方部材および前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材の複列の外側転走面間に装着された回転速度センサと、を備えた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、前記一対の内輪のうちいずれか一方の内輪の小径側の端部に、前記回転速度センサに所定の径方向すきまを介して対峙し、被検出部を有するパルサリングが外嵌されると共に、このパルサリングが外嵌される前記内輪の嵌合部直下の内径に段差部が形成され、前記段差部の幅が前記内輪とパルサリングとの嵌合幅よりも大きく設定され、かつ前記内輪の小径側端部に前記パルサリングの脱落防止手段が形成され、前記内輪の端部外周に小端面に向って漸次拡径する所定の傾斜角からなるテーパ状の突出部が形成されている。
このように、外方部材の複列の外側転走面間に装着された回転速度センサを備えた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、一対の内輪のうちいずれか一方の内輪の小径側の端部に、回転速度センサに所定の径方向すきまを介して対峙し、被検出部を有するパルサリングが外嵌されると共に、このパルサリングが外嵌される内輪の嵌合部直下の内径に段差部が形成され、段差部の幅が内輪とパルサリングとの嵌合幅よりも大きく設定され、かつ内輪の小径側端部にパルサリングの脱落防止手段が形成され、内輪の端部外周に小端面に向って漸次拡径する所定の傾斜角からなるテーパ状の突出部が形成されているので、内輪の強度を確保しつつ、パルサリングの圧入に伴う膨張量を抑え、フープ応力による微小なクラックの発生を防止して信頼性の向上を図った回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供することができる。さらに、組立工程において、パルサリングの圧入工程の作業性を低下させることなく、パルサリングが内輪から脱落あるいは移動するのを防止することができ、信頼性が向上する。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項2記載の発明は、外周にナックルに取り付けるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジから肩部を介して軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面に対向する内側転走面が形成された一対の内輪からなる内方部材と、この内方部材および前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材の複列の外側転走面間に装着された回転速度センサと、を備えた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、前記一対の内輪のうちいずれか一方の内輪の小径側の端部に、前記回転速度センサに所定の径方向すきまを介して対峙し、被検出部を有するパルサリングが外嵌されると共に、このパルサリングが外嵌される前記内輪の嵌合部直下の内径に段差部が形成され、前記段差部の幅が前記内輪とパルサリングとの嵌合幅よりも大きく設定され、かつ前記内輪の小径側端部に前記パルサリングの脱落防止手段が形成され、前記内輪の端部外周に突出部が形成され、この突出部が、前記内輪の小端面との交差部にテーパ面からなる面取り部を備えている。
このように、外方部材の複列の外側転走面間に装着された回転速度センサを備えた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、一対の内輪のうちいずれか一方の内輪の小径側の端部に、回転速度センサに所定の径方向すきまを介して対峙し、被検出部を有するパルサリングが外嵌されると共に、このパルサリングが外嵌される内輪の嵌合部直下の内径に段差部が形成され、段差部の幅が内輪とパルサリングとの嵌合幅よりも大きく設定され、かつ内輪の小径側端部にパルサリングの脱落防止手段が形成され、内輪の端部外周に突出部が形成され、この突出部が、内輪の小端面との交差部にテーパ面からなる面取り部を備えているので、内輪の強度を確保しつつ、パルサリングの圧入に伴う膨張量を抑え、フープ応力による微小なクラックの発生を防止して信頼性の向上を図った回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供することができる。さらに、組立工程において、パルサリングの圧入工程の作業性を低下させることなく、パルサリングが内輪から脱落あるいは移動するのを防止することができ、信頼性が向上する。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項3記載の発明は、外周にナックルに取り付けるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジから肩部を介して軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面に対向する内側転走面が形成された一対の内輪からなる内方部材と、この内方部材および前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材の複列の外側転走面間に装着された回転速度センサと、を備えた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、前記一対の内輪のうちいずれか一方の内輪の小径側の端部に、前記回転速度センサに所定の径方向すきまを介して対峙し、被検出部を有するパルサリングが外嵌されると共に、このパルサリングが外嵌される前記内輪の嵌合部直下の内径に段差部が形成され、前記段差部の幅が前記内輪とパルサリングとの嵌合幅よりも大きく設定され、かつ前記内輪の小径側端部に前記パルサリングの脱落防止手段が形成され、前記パルサリングが、前記内輪に外嵌される嵌合部と、この嵌合部の端部から他方の内輪に跨がって軸方向に延びる段付部とを備え、前記嵌合部の段付部側の端部に、内径側に突出する環状の突起が形成され、この突起が前記段付部側に傾斜したテーパ面を有し、当該段付部との角部がエッジに形成されている。
このように、外方部材の複列の外側転走面間に装着された回転速度センサを備えた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、一対の内輪のうちいずれか一方の内輪の小径側の端部に、回転速度センサに所定の径方向すきまを介して対峙し、被検出部を有するパルサリングが外嵌されると共に、このパルサリングが外嵌される内輪の嵌合部直下の内径に段差部が形成され、段差部の幅が内輪とパルサリングとの嵌合幅よりも大きく設定され、かつ内輪の小径側端部にパルサリングの脱落防止手段が形成され、パルサリングが、内輪に外嵌される嵌合部と、この嵌合部の端部から他方の内輪に跨がって軸方向に延びる段付部とを備え、嵌合部の段付部側の端部に、内径側に突出する環状の突起が形成され、この突起が段付部側に傾斜したテーパ面を有し、当該段付部との角部がエッジに形成されているので、内輪の強度を確保しつつ、パルサリングの圧入に伴う膨張量を抑え、フープ応力による微小なクラックの発生を防止して信頼性の向上を図った回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供することができる。さらに、一方の内輪に嵌合されていながら、その被検出部が他方の内輪に跨がって配設することができるので、複列の転動体の中央位置にパルサリングの被検出部を配置することができると共に、パルサリングを圧入する際、テーパ面にガイドされた状態でスムーズに突起が弾性変形し、圧入工程の作業性を低下させることなく圧入することができると共に、圧入後は、突起のエッジが内輪の外周面に食い込んでパルサリングの脱落や移動を防止することができる。
また、請求項に記載の発明のように、前記インナー側の内輪の小径側の端部外径が前記アウター側の内輪の小径側の端部外径よりも大径に設定されていれば、パルサリングが圧入されたアウター側の内輪の小端面にインナー側の内輪の小端面を衝合させることで、インナー側の内輪の小端面によってパルサリングの脱落や移動を防止することができる。
本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置は、外周にナックルに取り付けるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジから肩部を介して軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面に対向する内側転走面が形成された一対の内輪からなる内方部材と、この内方部材および前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材の複列の外側転走面間に装着された回転速度センサと、を備えた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、前記一対の内輪のうちいずれか一方の内輪の小径側の端部に、前記回転速度センサに所定の径方向すきまを介して対峙し、被検出部を有するパルサリングが外嵌されると共に、このパルサリングが外嵌される前記内輪の嵌合部直下の内径に段差部が形成され、前記段差部の幅が前記内輪とパルサリングとの嵌合幅よりも大きく設定され、かつ前記内輪の小径側端部に前記パルサリングの脱落防止手段が形成され、前記内輪の端部外周に小端面に向って漸次拡径する所定の傾斜角からなるテーパ状の突出部が形成されているので、内輪の強度を確保しつつ、パルサリングの圧入に伴う膨張量を抑え、フープ応力による微小なクラックの発生を防止して信頼性の向上を図った回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供することができる。さらに、組立工程において、パルサリングの圧入工程の作業性を低下させることなく、パルサリングが内輪から脱落あるいは移動するのを防止することができ、信頼性が向上する。
また、外周にナックルに取り付けるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジから肩部を介して軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面に対向する内側転走面が形成された一対の内輪からなる内方部材と、この内方部材および前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材の複列の外側転走面間に装着された回転速度センサと、を備えた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、前記一対の内輪のうちいずれか一方の内輪の小径側の端部に、前記回転速度センサに所定の径方向すきまを介して対峙し、被検出部を有するパルサリングが外嵌されると共に、このパルサリングが外嵌される前記内輪の嵌合部直下の内径に段差部が形成され、前記段差部の幅が前記内輪とパルサリングとの嵌合幅よりも大きく設定され、かつ前記内輪の小径側端部に前記パルサリングの脱落防止手段が形成され、前記内輪の端部外周に突出部が形成され、この突出部が、前記内輪の小端面との交差部にテーパ面からなる面取り部を備えているので、内輪の強度を確保しつつ、パルサリングの圧入に伴う膨張量を抑え、フープ応力による微小なクラックの発生を防止して信頼性の向上を図った回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供することができる。さらに、組立工程において、パルサリングの圧入工程の作業性を低下させることなく、パルサリングが内輪から脱落あるいは移動するのを防止することができ、信頼性が向上する。
また、外周にナックルに取り付けるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジから肩部を介して軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面に対向する内側転走面が形成された一対の内輪からなる内方部材と、この内方部材および前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材の複列の外側転走面間に装着された回転速度センサと、を備えた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、前記一対の内輪のうちいずれか一方の内輪の小径側の端部に、前記回転速度センサに所定の径方向すきまを介して対峙し、被検出部を有するパルサリングが外嵌されると共に、このパルサリングが外嵌される前記内輪の嵌合部直下の内径に段差部が形成され、前記段差部の幅が前記内輪とパルサリングとの嵌合幅よりも大きく設定され、かつ前記内輪の小径側端部に前記パルサリングの脱落防止手段が形成され、前記パルサリングが、前記内輪に外嵌される嵌合部と、この嵌合部の端部から他方の内輪に跨がって軸方向に延びる段付部とを備え、前記嵌合部の段付部側の端部に、内径側に突出する環状の突起が形成され、この突起が前記段付部側に傾斜したテーパ面を有し、当該段付部との角部がエッジに形成されているので、内輪の強度を確保しつつ、パルサリングの圧入に伴う膨張量を抑え、フープ応力による微小なクラックの発生を防止して信頼性の向上を図った回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供することができる。さらに、一方の内輪に嵌合されていながら、その被検出部が他方の内輪に跨がって配設することができるので、複列の転動体の中央位置にパルサリングの被検出部を配置することができると共に、パルサリングを圧入する際、テーパ面にガイドされた状態でスムーズに突起が弾性変形し、圧入工程の作業性を低下させることなく圧入することができると共に、圧入後は、突起のエッジが内輪の外周面に食い込んでパルサリングの脱落や移動を防止することができる。
本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図である。 図1の検出部を示す要部拡大図である。 図1の内輪単体を示す縦断面図である。 図1の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の組立工程において、パルサリングの圧入工程を示す説明図である。 同上、内輪の圧入工程を示す説明図である。 (a)は、内輪のパルサリング圧入部を示す断面図、(b)は、(a)の要部拡大図である。 (a)は、図6の変形例を示す断面図、(b)は、(a)の要部拡大図である。 (a)は、パルサリング単体を示す断面図、(b)は、(a)の要部拡大図である。 本発明に係るパルサリング脱落防止手段を示す要部拡大図である。 従来の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を示す縦断面図である。 図10の要部拡大図である。
外周にナックルに取り付けるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジから肩部を介して軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面に対向する内側転走面が形成された一対の内輪からなる内方部材と、この内方部材および前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材の複列の外側転走面間に装着された回転速度センサと、を備えた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、前記一対の内輪のうちアウター側の内輪の小径側の端部に、前記回転速度センサに所定の径方向すきまを介して対峙し、凹凸部からなる被検出部を有する焼結合金製のパルサリングが外嵌されると共に、このパルサリングが、前記内輪に外嵌される嵌合部と、この嵌合部の端部から他方の内輪に跨がって軸方向に延びる段付部とを備え、外嵌される前記内輪の嵌合部直下の内径に段差部が形成され、この段差部の幅が前記内輪とパルサリングとの嵌合幅よりも大きく設定されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図、図2は、図1の検出部を示す要部拡大図、図3は、図1の内輪単体を示す縦断面図、図4は、図1の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の組立工程において、パルサリングの圧入工程を示す説明図、図5は、同上、内輪の圧入工程を示す説明図、図6(a)は、内輪のパルサリング圧入部を示す断面図、(b)は、(a)の要部拡大図、図7(a)は、図6の変形例を示す断面図、(b)は、(a)の要部拡大図、図8(a)は、パルサリング単体を示す断面図、(b)は、(a)の要部拡大図、図9は、本発明に係るパルサリング脱落防止手段を示す要部拡大図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図1の左側)、中央寄り側をインナー側(図1の右側)という。
図1において、この回転速度検出装置付き車輪用軸受装置は、内方部材1と外方部材2、および両部材1、2間に転動自在に収容された複列の転動体(円錐ころ)3、3とを備えている。内方部材1は、ハブ輪4と、このハブ輪4に塑性結合された一対の内輪5、7とからなる。
ハブ輪4は、アウター側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ6を一体に有し、外周に車輪取付フランジ6から肩部4aを介して軸方向に延びる円筒状の小径段部4bが形成されている。また、車輪取付フランジ6の周方向等配位置に車輪を固定するハブボルト6aが植設されている。
一対の内輪5、7は、外周にテーパ状の内側転走面5aがそれぞれ形成され、ハブ輪4の小径段部4bに所定のシメシロを介して圧入されている。そして、この内側転走面5aの大径側に転動体3を案内するための大鍔部5b、7bが形成されると共に、小径側には転動体3の脱落を防止するための小鍔部5c、7cが形成され、内輪5、7の小端面5d、7d(正面側端面)同士が突き合された状態でセットされた背面合せタイプの複列の円錐ころ軸受を構成している。
一対の内輪5、7は、ハブ輪4の小径段部4bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部4cによって、所定の予圧が付与された状態で、ハブ輪4に対して軸方向に固定されている。
外方部材2は、外周に懸架装置を構成するナックル(図示せず)に取り付けられるための車体取付フランジ2bを一体に有し、内周に外向きに開いたテーパ状の複列の外側転走面2a、2aが一体に形成されている。そして、複列の転動体3、3は両転走面間に保持器8を介して転動自在に収容されている。また、ナックルに内嵌される外径面に環状溝9が形成され、この環状溝9にOリング等の弾性リング10が装着されている。これにより、ナックルと外方部材2との嵌合部の気密性を向上させることができる。
ハブ輪4はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼(JIS規格のSC系機械構造用炭素鋼)で形成され、肩部4aから小径段部4bに亙って高周波焼入れによって表面硬さが50〜64HRCの範囲に所定の硬化層が形成されている。また、内輪5、7および転動体3はSUJ2等の高炭素クロム軸受鋼で形成され、ズブ焼入れにより芯部まで58〜64HRCの範囲で硬化処理されている。なお、加締部4cは鍛造後の表面硬さのままの未焼入れ部とされている。これにより、加締加工が容易となり、加工時の微小クラックの発生を防止すると共に、車輪取付フランジ6に負荷される回転曲げ荷重に対して充分な機械的強度を有し、ハブ輪4の耐久性が向上する。
外方部材2は、ハブ輪4と同様、S53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で形成し、少なくとも複列の外側転走面2a、2aが高周波焼入れによって表面に58〜64HRCの範囲に所定の硬化処理が施されている。そして、外方部材2と内輪5、7との間に形成される環状空間の開口部にはシール11、11が装着され、軸受内部に封入した潤滑グリースの漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。なお、シール11は、互いに対向配置されたスリンガと環状のシール板とからなる、所謂パックシールで構成されている。
また、ハブ輪4の内周には、図示しない等速自在継手を構成する外側継手部材の軸部が転がり軸受12、13を介して回転自在に支持されている。これらの転がり軸受12、13のうち、アウター側の転がり軸受12は深溝玉軸受からなり、インナー側の転がり軸受13はシェル形の針状ころ軸受からなる。
インナー側の内輪7と、ハブ輪4の加締部4cとの間には、ハブ輪4への駆動力を断続する切換えを行うためのカプラーリング14が設けられている。すなわち、内輪7は、カプラーリング14を介してハブ輪4に固定されている。カプラーリング14はSCr420等のクロム鋼からなり、ズブ焼入れ(焼入焼戻し)により芯部まで40〜55HRC(392〜600HV)の範囲で硬化処理されている。このように、S53C等からなるハブ輪4に比べ、Cr(クロム)の量が略0.12〜0.2wt%に対しカプラーリング14のCrの量が略0.9〜1.2wt%と増大し、粘り強さが高くなると共に、加締部4cの表面硬さ260HVに対して略132〜340HVの硬度差ができ、所望の強度を確保することができる。
カプラーリング14は、内輪7の大端面7eに当接して固定されている。このカプラーリング14の外周面および内周面にはいずれもスプライン部14a、14bが設けられており、このうち内周スプライン部14bは、複数のスプライン凹条と複数のスプライン凸条とが交互に形成され、ハブ輪4の小径段部4bのインナー側の外周面に交互に形成された複数のスプライン凹条と複数のスプライン凸条とからなるハブスプライン部15と噛み合っている。
カプラーリング14は、そのインナー側の端面に当接する加締部4cからの加締圧力によりインナー側の内輪7側に向かって押し付けられており、さらに、カプラーリング14がインナー側の内輪7と隣接するアウター側の内輪5を、ハブ輪4の肩部4aに向かって押し付けている。このように、加締部4cより作用する加締圧力により、カプラーリング14および一対の内輪部材5、7のハブ輪4に対する固定が確実なものとされている。
本実施形態では、回転速度センサ16は、外方部材2の複列の外側転走面2a、2a間に、径方向に貫通して形成されたセンサ挿入孔17に挿入されている。この回転速度センサ16は、ホール素子、磁気抵抗素子(MR素子)等、磁束の流れ方向に応じて特性を変化させる磁気検出素子と、この磁気検出素子の出力波形を整える波形成形回路が組み込まれたICとからなり、合成樹脂を射出成形によって一体にモールドされている。そして、センサ挿入孔17に挿入される軸状の挿入部16aと、外方部材2の外部に位置する非挿入部16bとを有している。また、挿入部16aの外周には環状溝18が形成され、この環状溝18にOリング等からなる弾性リング19が装着されている。また、非挿入部16bは、外方部材2のセンサ取付部20に着座する形状に形成され、側方に延びる取付片(図示せず)を介して締結されている。
一方、回転速度センサ16に所定の径方向すきま(エアギャップ)を介して対峙するパルサリング21がアウター側の内輪5の小鍔部5c側の外周に固定されている。このパルサリング21は、図2に拡大して示すように、被検出部となる凹凸部21aからなる平歯車状に形成されている。これにより、ハブ輪4の回転に伴い円周上交互に磁界の方向が変化し、回転速度センサ16を介して車輪の回転速度を検出することができる。なお、ここでは、凹凸部21aを有する平歯車状のパルサリング21を例示したが、本発明はこれに限らず、例えば、被検出部として合成ゴムにフェライト等の磁性体粉が混入され、磁極が着磁された磁気エンコーダのようなものであっても良い。
本実施形態では、一対の内輪5、7の小鍔部5c、7cの端部にそれぞれ小径部22、23が形成され、この小径部22にパルサリング21が外嵌されている。パルサリング21は焼結合金から断面略L字状に形成され、内輪5の小径部22に外嵌される嵌合部21bと、この嵌合部21bの端部から他方の内輪7に跨がって軸方向に延びる段付部21cとを備えている。このように、パルサリング21が断面略L字状に形成され、一方の内輪5に嵌合されていながら、その被検出部21aが他方の内輪7に跨がって配設することができるので、複列の転動体3、3の中央位置にパルサリング21の被検出部21aを配置することができる。なお、パルサリング21の材質は焼結合金に限らず、例えば、S20C等の炭素0.18〜0.23wt%を含む炭素鋼で形成されていても良い。
ここで、図3に示すように、ハブ輪4の小径段部4bに外嵌される内輪5の内径のうちパルサリング21が外嵌される小径部22の直下の内径に所定量ΔDの段差部24が形成されている。具体的には、段差ΔDは半径(片側)で0.2mm以下に設定されると共に、段差部24の幅L1が小径部22の嵌合幅L2よりも大きく設定されている。この段差部24により、内輪5をハブ輪4の小径段部4bに圧入しても、パルサリング21が外嵌される小径部22が膨張するのを抑えることができ、内輪5の強度を確保しつつ、パルサリング21の圧入に伴う膨張量を抑え、フープ応力による微小なクラックの発生を防止して信頼性の向上を図った回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供することができる。
次に、図4および図5を用いてアウター側の内輪5の組立方法を説明する。図4に示すように、内輪5に転動体3を装着すると共に、小径部22にパルサリング21が外嵌される。ここで、パルサリング21が正隙間をもって小径部22に嵌合される場合、すなわち、パルサリング21の嵌合部21bの内径dが小径部22の外径Dよりも大径(d>D)に設定されている場合、パルサリング21の嵌合によりパルサリング21の膨張および小径部22の直下の内輪5の段差部24の内径D1の縮径はない。一方、パルサリング21が小径部22に圧入される場合、すなわち、パルサリング21の嵌合部21bの内径dが小径部22の外径Dよりも小径(d<D)に設定されている場合、パルサリング21と内輪5の小径部22との剛性によって異なるが、パルサリング21の圧入によりパルサリング21が膨張するか、あるいは、内輪5の段差部24の内径D1が縮径する。
その後、図5に示すように、パルサリング21を嵌合した内輪5がハブ輪4の小径段部4bに圧入されるが、前述したパルサリング21の圧入工程で段差部24が縮径したとしても、段差部24の内径D1が内輪5の内径D0よりも大径(D1>D0)に設定されているため、この内輪5の圧入工程でパルサリング21が膨張してフープ応力による微小なクラックが発生するのを防止することができる。また、前述したパルサリング21を内輪5へ圧入工程で、パルサリング21が膨張して過大なフープ応力が発生しないためにも、パルサリング21は、内輪5の小径部22に対して、正隙間(隙間嵌め)または軽圧入(中間嵌め)によって嵌合されるのが好ましい。そして、その後のパルサリングを嵌合した内輪に対してハブ輪4を圧入する時点で、所定のシメシロとなるような設計とする。
パルサリング21が内輪5の小径部22に正隙間または軽圧入でもって嵌合される場合、組立工程において、パルサリング21が小径部22から脱落あるいは移動しないように、脱落防止手段を講じる必要がある。図6乃至図11にその脱落防止手段の実施形態を示す。
図6(a)に示す小径部25は、パルサリング(図示せず)の圧入起点となる端部外周に所定の傾斜角αからなるテーパ状の突出部25aが形成されている。この突出部25aは、(b)に拡大して示すように、小端面5dに向って漸次拡径するテーパ面に形成されている。そして、この傾斜角αが2〜5°の範囲に設定され、突出部25aの幅L3が小径部25の嵌合幅L2の略0.1〜0.2に設定(L3=0.1〜0.2L2)されている。これにより、パルサリングの圧入工程の作業性を低下させることなく、パルサリングの脱落や移動を防止することができる。なお、突出部25aの幅L3において、傾斜角αが2°未満では脱落防止効果が期待できず、また、5°を超えると、この突出部25aを弾性変形させてパルサリングを圧入する、所謂カチコミ作業が困難になるので好ましくない。
図7(a)に示す小径部26は、パルサリング(図示せず)の圧入起点となる端部外周に環状の突出部26aが形成されている。この突出部26aは、(b)に拡大して示すように、小端面5dとの交差部にテーパ面からなる面取り部26bを備えている。そして、突出部26aの突出量(半径)eが0.1〜0.5mmの範囲に設定されている。これにより、パルサリングの圧入工程の作業性を低下させることなく、パルサリングの脱落や移動を防止することができる。なお、突出量eが0.1mm未満では脱落防止効果が期待できず、また、0.5mmを超えるとカチコミ作業が困難になるので好ましくない。また、突出部26aは環状に限らず、周方向に複数箇所に形成されていても良いし、これらの突出部26aをパルサリング圧入後に、小径部26と小端面5dとの角部を径方向外方に塑性変形させて形成する加締部としても良い。
図8(a)に示すパルサリング27は焼結合金から断面略L字状に形成され、内輪(図示せず)の小径部に外嵌される嵌合部27aと、この嵌合部27aの端部から他方の内輪(図示せず)に跨がって軸方向に延びる段付部21cとを備えている。そして、嵌合部27aの段付部21c側の端部に、内径側に突出する環状の突起28が形成されている。この突起28は、(b)に拡大して示すように、嵌合部27a側に傾斜したテーパ面28aを有し、段付部21cとの角部はエッジに形成されている。これにより、パルサリング27を圧入する際はテーパ面28aにガイドされた状態でスムーズに突起28が弾性変形して圧入工程の作業性を低下させることなく、また、圧入後は、突起28のエッジが小径部(図示せず)の外周面に食い込んでパルサリング27の脱落や移動を防止することができる。
図9に示す脱落防止手段は、パルサリング21が圧入される内輪5と衝合される他方の内輪29の小鍔部7c側の端部に小径部29aが形成され、内輪5の小径部22の外径よりも大径に設定されている。これにより、パルサリング21が圧入された内輪5の小端面5dにこの内輪29の小端面29bを衝合させることにより、小端面29bによってパルサリング21の脱落や移動を防止することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置は、内輪回転構造において、外方部材の複列の外側転走面間に回転速度センサが配設され、ハブ輪の小径段部に一対の内輪が圧入された第2世代構造の車輪用軸受装置に適用できる。
1 内方部材
2 外方部材
2a 外側転走面
2b 車体取付フランジ
3 転動体
4 ハブ輪
4a 肩部
4b 小径段部
4c 加締部
5、7、29 内輪
5a 内側転走面
5b、7b 大鍔部
5c、7c 小鍔部
5d、7d、29b 小端面
6 車輪取付フランジ
6a ハブボルト
7e 内輪の大端面
8 保持器
9、18 環状溝
10、19 弾性リング
11 シール
12、13 転がり軸受
14 カプラーリング
14a 外周スプライン部
14b 内周スプライン部
15 ハブスプライン部
16 回転速度センサ
16a 挿入部
16b 非挿入部
17 センサ挿入孔
20 センサ取付部
21、27 パルサリング
21a 凹凸部
21b、27a 嵌合部
21c 段付部
22、23、25、26、29a 内輪の小径部
24 段差部
25a、26a 突出部
26b 面取り部
28 突起
28a テーパ面
51 ハブ輪
51a 肩部
51b 小径段部
51c セレーション
51d 加締部
52A、52B 内輪
52a 内側転走面
53 内方部材
54 円錐ころ
55 外方部材
55a 外側転走面
55b 車体取付フランジ
56 車輪取付フランジ
56a ハブボルト
57 保持器
58、59 シール
60 パルサリング
60a 嵌合部
60b 被検出部
61 センサ
62 センサ挿通孔
d パルサリングの嵌合部の内径
D 内輪の小径部の外径
D0 内輪の段差部の内径
D1 内輪の段差部の内径
L1 段差部の幅
L2 小径部の嵌合幅
L3 突出部の幅
e 突出部の突出量
α 突出部の傾斜角
ΔD 段差部の段差

Claims (4)

  1. 外周にナックルに取り付けるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
    一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジから肩部を介して軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面に対向する内側転走面が形成された一対の内輪からなる内方部材と、
    この内方部材および前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、
    前記外方部材の複列の外側転走面間に装着された回転速度センサと、を備えた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、
    前記一対の内輪のうちいずれか一方の内輪の小径側の端部に、前記回転速度センサに所定の径方向すきまを介して対峙し、被検出部を有するパルサリングが外嵌されると共に、このパルサリングが外嵌される前記内輪の嵌合部直下の内径に段差部が形成され、前記段差部の幅が前記内輪とパルサリングとの嵌合幅よりも大きく設定され、かつ前記内輪の小径側端部に前記パルサリングの脱落防止手段が形成され、前記内輪の端部外周に小端面に向って漸次拡径する所定の傾斜角からなるテーパ状の突出部が形成されていることを特徴とする回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  2. 外周にナックルに取り付けるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
    一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジから肩部を介して軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面に対向する内側転走面が形成された一対の内輪からなる内方部材と、
    この内方部材および前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、
    前記外方部材の複列の外側転走面間に装着された回転速度センサと、を備えた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、
    前記一対の内輪のうちいずれか一方の内輪の小径側の端部に、前記回転速度センサに所定の径方向すきまを介して対峙し、被検出部を有するパルサリングが外嵌されると共に、このパルサリングが外嵌される前記内輪の嵌合部直下の内径に段差部が形成され、前記段差部の幅が前記内輪とパルサリングとの嵌合幅よりも大きく設定され、かつ前記内輪の小径側端部に前記パルサリングの脱落防止手段が形成され、前記内輪の端部外周に突出部が形成され、この突出部が、前記内輪の小端面との交差部にテーパ面からなる面取り部を備えていることを特徴とする回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  3. 外周にナックルに取り付けるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
    一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジから肩部を介して軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面に対向する内側転走面が形成された一対の内輪からなる内方部材と、
    この内方部材および前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、
    前記外方部材の複列の外側転走面間に装着された回転速度センサと、を備えた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、
    前記一対の内輪のうちいずれか一方の内輪の小径側の端部に、前記回転速度センサに所定の径方向すきまを介して対峙し、被検出部を有するパルサリングが外嵌されると共に、このパルサリングが外嵌される前記内輪の嵌合部直下の内径に段差部が形成され、前記段差部の幅が前記内輪とパルサリングとの嵌合幅よりも大きく設定され、かつ前記内輪の小径側端部に前記パルサリングの脱落防止手段が形成され、前記パルサリングが、前記内輪に外嵌される嵌合部と、この嵌合部の端部から他方の内輪に跨がって軸方向に延びる段付部とを備え、前記嵌合部の段付部側の端部に、内径側に突出する環状の突起が形成され、この突起が前記段付部側に傾斜したテーパ面を有し、当該段付部との角部がエッジに形成されていることを特徴とする回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  4. 前記一対の内輪のうちインナー側の内輪の小径側の端部外径が前記一対の内輪のうちアウター側の内輪の小径側の端部外径よりも大径に設定されている請求項1乃至3いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
JP2013001386A 2013-01-08 2013-01-08 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置 Active JP6012478B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013001386A JP6012478B2 (ja) 2013-01-08 2013-01-08 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013001386A JP6012478B2 (ja) 2013-01-08 2013-01-08 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014134225A JP2014134225A (ja) 2014-07-24
JP6012478B2 true JP6012478B2 (ja) 2016-10-25

Family

ID=51412663

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013001386A Active JP6012478B2 (ja) 2013-01-08 2013-01-08 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6012478B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7408274B2 (ja) * 2018-06-01 2024-01-05 エドワーズ株式会社 真空ポンプ及びセンサターゲット
CN110617754B (zh) * 2019-09-27 2025-03-18 中国计量大学 一种轴承外套圈外径检测装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2546357Y2 (ja) * 1992-01-06 1997-08-27 光洋精工株式会社 軸受組立体
JP2006250178A (ja) * 2005-03-08 2006-09-21 Nsk Ltd 車輪支持用軸受ユニットとその製造方法
JP2007182961A (ja) * 2006-01-10 2007-07-19 Ntn Corp 軸受装置
JP2010048349A (ja) * 2008-08-22 2010-03-04 Ntn Corp センサ付車輪用軸受装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014134225A (ja) 2014-07-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7731427B2 (en) Wheel bearing apparatus incorporated with a wheel speed detecting apparatus and method of its assembly
JP2009197883A (ja) 車輪用軸受装置
JP4345988B2 (ja) 車輪用軸受装置
JP2010101332A (ja) 嵌合環およびそれを備えた車輪用軸受装置
JP4628049B2 (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
EP2045101B1 (en) Bearing device for drive wheel
JP6012478B2 (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
JP2008151727A (ja) 回転速度検出装置及び回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
JP4375790B2 (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
JP6309228B2 (ja) 車輪用軸受装置の製造方法
JP2011252552A (ja) 車輪用軸受装置
JP2008095766A (ja) 車輪用軸受
JP5988713B2 (ja) 車輪用軸受装置
WO2013015334A1 (ja) 車輪用軸受装置の組み付け装置およびその組み付け方法
JP2011149530A (ja) 車輪用軸受装置
JP5273845B2 (ja) 車輪用軸受装置
JP4628395B2 (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
JP6505961B2 (ja) 車輪用軸受装置
JP2005299764A (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
JP4628053B2 (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
JP2008303900A (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
JP2010047092A (ja) 車輪用軸受装置
JP2010019327A (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
JP2017057886A (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
JP6320092B2 (ja) 車輪用軸受装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150917

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160518

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160603

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160729

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160823

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160920

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6012478

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250