JP6006477B2 - 低温靭性と強度のバランスに優れた高強度鋼板の製造方法、及びその制御方法 - Google Patents
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Cは、鋼板の強度確保に必須の元素であり、0.05%以上含有させる。好ましいC含有量は0.06%以上、より好ましくは0.07%以上である。一方、Cを過剰に添加すると溶接性が悪化すると共に、硬質相であるMA組織の生成を抑制できず、低温靭性が悪化するため、Cは0.15%以下に抑える必要がある。C含有量は好ましくは0.13%以下、より好ましくは0.12%以下である。
Siは、溶鋼の脱酸に使用されると共に強度向上に作用する元素である。これらの効果を得るためには0.05%以上含有させる。好ましいSi含有量は0.07%以上、より好ましくは0.10%以上である。一方、Si含有量が多くなり過ぎると、溶接性や低温靭性が劣化するため、0.5%以下に抑える必要がある。Si含有量は好ましくは0.45%以下、より好ましくは0.40%以下である。
Mnは、焼入れ性を高めて鋼板の高強度化に寄与する元素である。このような作用を有効に発揮させるには、Mnを1.0%以上含有させる必要がある。好ましいMn含有量は1.1%以上、より好ましくは1.2%以上である。一方、Mnを過剰に添加すると溶接性や低温靭性が悪化するため、Mnは2.0%以下に抑える必要がある。Mn含有量は好ましくは1.9%以下、より好ましくは1.85%以下である。
Pは、低温靭性を劣化させる元素であるため極力低減する必要があり、本発明では0.02%以下に抑える。なお、Pは鋼中に不可避的に含まれるため、0%を含まないとした。
Sは、低温靭性を劣化させる元素であるため極力低減する必要があり、本発明では0.01%以下に抑える。なお、SもPと同じく鋼中に不可避的に含まれるため、0%を含まないとした。
Alは、脱酸剤として使用される元素であり、脱酸作用を十分に発揮するためには0.005%以上含有させる。好ましくは0.008%以上、より好ましくは0.010%以上である。一方、Alを過剰に含有すると、粗大な酸化物が増大し、低温靭性が劣化するので、0.045%以下に抑える。Al含有量は好ましくは0.040%以下、より好ましくは 0.035%以下である。
Nbは、低温靭性の向上と析出強化による強度向上に寄与する元素である。特に本発明でNbを必須元素とする理由は、オーステナイトの再結晶温度を低温化させて後記する制御圧延(1000℃以下の温度域で累積圧下率50%以上)におけるオーステナイト粒の微細化を促進して低温靭性の向上に寄与するからである。このような効果を有効に発揮させるには、Nbを0.005%以上含有させる必要がある。好ましいNb含有量は0.008%以上、より好ましくは0.010%以上である。一方、Nbを過剰に添加すると、低温靭性が悪化するため、Nbは0.08%以下に抑える必要がある。Nb含有量は好ましくは0.07%以下、より好ましくは0.06%以下である。
(B)B:0.005%以下(0%を含まない)、Ca:0.050%以下(0%を含まない)、Ti:0.030%以下(0%を含まない)、およびN:0.010%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される少なくとも一種、などを含有してもよい。こうした範囲を定めた理由は次の通りである。
Cu、Ni、Mo、CrおよびVは、いずれも強度確保に有用な元素である。
Cuは、焼入れ性を高めて鋼板の高強度化に寄与する元素である。これらの効果を得るためには0.03%以上含有させることが好ましい。Cuの含有量はより好ましくは0.05%以上、更に好ましくは0.08%以上である。一方、Cu含有量が過剰になると低温靭性を劣化させるため、1.5%以下とすることが好ましい。Cu含有量はより好ましくは1.3%以下、更に好ましくは1.2%以下である。
Niは、母材と溶接部の強度と低温靭性を同時に向上させる元素である。こうした作用を有効に発揮させるには、0.03%以上含有させることが好ましい。Ni含有量は、より好ましくは0.05%以上、更に好ましくは0.08%以上である。一方、Ni含有量が過剰になるとコストアップとなるため、3.0%以下とすることが好ましい。Ni含有量はより好ましくは1.5%以下、更に好ましくは1.2%以下である。
Moは、強度と低温靭性向上に有効な元素である。こうした効果を有効に発揮させるには、0.05%以上含有させることが好ましい。Mo含有量は、より好ましくは0.06%以上、更に好ましくは0.08%以上である。一方、Mo含有量が過剰になると溶接性や低温靭性(溶接部の低温靭性含む)が劣化するため、0.8%以下とすることが好ましい。Mo含有量はより好ましくは0.7%以下、更に好ましくは0.6%以下である。
Crは、高強度化に有効な元素であり、このような効果を得るためには0.05%以上含有させることが好ましい。Cr含有量はより好ましくは0.06%以上、更に好ましくは0.08%以上である。一方、Cr含有量が過剰になると、低温靭性を劣化させるので、1.5%以下に抑えることが好ましい。Cr含有量はより好ましくは1.3%以下、更に好ましくは1.2%以下である。
Vは、強度向上に寄与する元素であり、0.005%以上含有させることが好ましく、より好ましくは0.008%以上、更に好ましくは0.010%以上である。一方、V含有量が多くなると溶接性や低温靭性が劣化するため、0.08%以下とすることが好ましく、より好ましくは0.07%以下、更に好ましくは0.06%以下である。
B、Ca、Ti、およびNは、いずれも低温靭性向上に有用な元素である。
Bは、焼入れ性を高めて高強度化に寄与する元素であると共に、低温靭性(特に溶接部の低温靭性)を向上させる元素である。こうした効果を得るためには、0.0003%以上含有させることが好ましく、より好ましくは0.0005%以上、更に好ましくは0.0008%以上である。一方、B含有量が多くなると溶接性や低温靭性が劣化するため、0.005%以下とすることが好ましく、より好ましくは0.003%以下、更に好ましくは0.0025%以下である。
Caは、脱酸や母材の低温靭性向上に寄与する元素である。こうした効果を得るためには、0.0005%以上含有させることが好ましく、より好ましくは0.0008%以上、更に好ましくは0.0010%以上である。一方、Ca含有量が多くなると粗大なCaSやCaO等の介在物を形成して延性や母材の低温靭性を悪化させるため、好ましくは0.050%以下、より好ましくは0.040%以下、更に好ましくは0.030%以下である。
Tiは、TiN系析出物を生成して低温靭性(特に溶接部)を向上させると共に、高強度化に寄与する元素でもある。こうした作用を有効に発揮さえるには、0.003%以上含有させることが好ましく、より好ましくは0.005%以上、更に好ましくは0.007%以上である。一方、Ti含有量が過剰になると、粗大なTi析出物が生成して却って低温靭性の低下を招くため、好ましくは0.030%以下、より好ましくは0.025%以下、更に好ましくは0.022%以下である。
Nは、TiやAl等の元素と窒化物を形成して低温靭性を向上させる元素であるため、好ましくは0.002%以上、より好ましくは0.003%以上含有させるのがよい。一方、N含有量が過剰になると固溶N量が増大して低温靭性を悪化させるため、好ましくは0.010%以下、より好ましくは0.009%以下である。
上記した組成を有する鋼片は、熱間圧延前に加熱するが、加熱温度が低すぎると、鋼中のNbが十分に固溶しないため、圧延してもオーステナイト組織を十分に微細化できず、またNbの析出強化も十分に得られないため、所望の低温靭性や強度が確保できない。したがって加熱温度は1000℃以上、好ましくは1030℃以上とする。一方、加熱温度を高くし過ぎると、オーステナイト粒が粗大化して低温靭性が低下してしまうため、加熱温度は1250℃以下、好ましくは1200℃以下とする。
続いて、1000℃以下で累積圧下率が50%以上の熱間圧延を行う。オーステナイト再結晶温度域で圧延する場合は、オーステナイトの再結晶化が繰り返されてオーステナイト粒の微細化と整粒化が促進され、組織の微細化を図ることができ、低温靭性が向上する。またオーステナイト未再結晶温度域で圧延する場合は、オーステナイト結晶粒界の面積を増大させ、オーステナイト粒内に歪を導入させることができる。これにより、オーステナイト粒界、およびオーステナイト粒内からの変態を促進させて組織の微細化を図ることができ、低温靭性が向上する。したがって本発明で行う圧延は、オーステナイト再結晶温度域、またはオーステナイトと未再結晶温度域のいずれでもよい。好ましい圧延温度は730℃以上、より好ましくは750℃以上であって、再結晶温度を考慮すると上限は1000℃以下、好ましくは950℃以下、より好ましくは900℃以下である。
上記した熱間圧延の圧延終了温度は、Ar3点以上とする。圧延終了温度がAr3点未満では軟質のフェライトが生成し所望の強度が確保できないうえ、フェライトを圧延することによってフェライト中に歪が導入されてしまい、低温靭性が低下する。一方、圧延終了温度が900℃を超えると、たとえ1000℃以下での累積圧下率を50%以上としても組織が粗大化して、低温靭性が低下する。
上記条件で熱間圧延を行った後、3〜50℃/秒の平均冷却速度で加速冷却を施すが、加速冷却の開始温度はAr3−30℃以上であることが必要である。冷却開始温度がAr3−30℃未満となると、フェライト(ポリゴナルフェライト)が形成され、所望の組織(ベイナイト分率80%以上)を形成できなくなる。
本発明では平均冷却速度で3℃/秒以上の加速冷却を、冷却停止温度まで行う。熱間圧延後、平均3℃/秒以上の加速冷却を施すことにより、ベイナイト分率が80%以上の組織を確保でき、所望の高強度が得られる。一方、平均冷却速度が3℃/秒未満では、強度の低いフェライトやパーライトなどの高温変態組織が生成し、ベイナイト分率が低下して所望の強度を確保できない。また平均冷却速度が50℃/秒を超えると低温変態組織であるマルテンサイトや残留オーステナイトが生成し、ベイナイト分率を80%以上確保することが困難となる。好ましい加速冷却速度は、平均冷却速度で、5℃/秒以上、より好ましくは7℃/秒以上であって、好ましくは45℃/秒以下、より好ましくは40℃/秒以下である。
既に上記したように冷却停止温度をBf点±50℃の範囲内とすることによって、母材の低温靭性及び強度を高めることができる。またこの温度範囲内であれば、生成しているMA組織は、その後の冷却で殆ど分解される程度に制御されている。そのため、得られる鋼板にはMA組織が殆ど含まれておらず(好ましくは6%以下、より好ましくは0%)、MA組織による母材の低温靭性低下を抑制できる。
本発明では、上記熱間圧延と上記加速冷却によって得られる鋼板のベイナイト分率が80%以上となるように成分組成や圧延条件、冷却条件を上記範囲内で適切に調整することが望ましい。ベイナイト分率が80%以上であれば、強度と低温靭性のバランスを図ることができる。すなわち、ベイナイト分率が80%以上であれば、残部として含まれる金属組織による鋼板への影響を考慮する必要がない。鋼板のベイナイト分率が80面積%未満の場合、残部として存在する他の組織(例えばフェライトやパーライトなど)によって、鋼板の強度や低温靭性が影響を受けることがある。またベイナイト分率が低い場合は、鋼板の強度を確保するために圧延終了温度を下げる必要が生じる場合があるが(例えばAr3点以下)、圧延終了温度を下げると、その後の加速冷却によって十分に鋼板の組織制御ができず、例えばフェライトやパーライト、マルテンサイト分率が高くなり、母材の低温靭性が低下することがある。
供試鋼の金属組織は、板厚の1/4位置で圧延方向と平行な断面を切り出し、この断面を機械研磨した後、腐食(硝酸3体積%)させたものを光学顕微鏡(400倍)にて5視野(1視野当たりのサイズ:150μm×200μm)撮影した金属組織写真を画像解析してベイナイトの平均面積率を求めた。
供試鋼の機械的強度はJISZ2201号で規定されている4号試験片を用いて引張試験(室温下)を行い、降伏強度(YS:MPa)、引張強度(TS:MPa)を測定した。なお、上記試験片は供試鋼の板厚1/4位置から、圧延方向に対して垂直な方向が長手方向となるように切り出した。なお、降伏強度として上降伏点もしくは0.2%耐力を測定した。
供試鋼の板厚1/4で圧延方向に対して垂直な方向が長手方向となるようにJISZ2242で規定されているシャルピー試験片(1辺:10mm)を各3本採取してシャルピー試験を行い、低温靭性を測定した。具体的には低温靭性は、JISZ2242に基づいて試験温度を−160〜20℃の間を20℃ピッチで実施し、遷移曲線を描き、脆性破面率50%の温度を脆性波面遷移温度(vTrs)として算出した。
Bf点は、加工フォーマスター試験によりCCT曲線を作製して求めた。具体的には、加工フォーマスター試験片(φ8mm×12mm)を採取して、1100℃に加熱して10秒間保持した後、1.0℃/秒の平均冷却速度で1000℃まで冷却し、1000℃で歪速度1.0/秒にて累積圧下率25%の圧下を加える。その後、1.0℃/秒の平均冷却速度で900℃まで冷却し、900℃で歪速度1.0/秒にて累積圧下率50%の加工を施す。その後、900℃で2秒間保持し、加速冷却の際に適用する平均冷却速度(具体的には3〜50℃/秒)で50℃まで冷却し、冷却中の体積変化が生じる温度を測定して変態温度を求めた。更に、冷却後の組織を観察すると共にビッカース硬さ(JIS B 7735に基づく)を測定して最終組織を同定した。これらの結果から、CCT曲線を作成し、Bf点を求めた。測定装置は明石製作所製AVK(試験荷重98N)を用いた。
Claims (7)
- C :0.05〜0.15%(質量%の意味。以下、成分について同じ)、
Si:0.05〜0.5%、
Mn:1.0〜2.0%、
P :0.02%以下(0%を含まない)、
S :0.01%以下(0%を含まない)、
Al:0.005〜0.045%、
Nb:0.005〜0.08%、
を含有し、残部鉄および不可避的不純物からなる鋼片を、1000〜1250℃の温度に加熱した後、900℃以下の温度における累積圧下率を50%以上、圧延終了温度をAr3点以上900℃以下とする熱間圧延を施した後、Ar3−30℃以上の温度から、3〜50℃/秒の平均冷却速度でベイナイト変態終了温度+50℃からベイナイト変態終了温度−50℃の温度域まで冷却することを特徴とする板厚1/4位置における全組織に対するベイナイト面積率が80%以上である低温靭性と強度のバランスに優れた高強度鋼板の製造方法(但し、C:0.09%、Si:0.30%、Mn:1.5%、P:0.015%、S:0.002%、Al:0.02%、Nb:0.04%を含有し、残部鉄および不可避的不純物からなる鋼片を、加熱温度1150℃、(Ar3+150℃)以上の温度領域における圧下率60%、軽圧下のパス回数1回、(Ar3+150℃)〜Ar3までの圧下率75%、仕上温度780℃、冷却開始温度750℃、冷却速度8℃/s、冷却停止温度500℃で処理し、板厚22mm、平均フェライト粒径4μm、粗大ポリゴナルフェライト粒径15μm、粗大ポリゴナルフェライト面積率15%である鋼板の製造方法、およびC:0.06%、Si:0.25%、Mn:1.7%、P:0.010%、S:0.001%、Al:0.02%、Nb:0.04%、Cr:0.1%、Mo:0.2%、Ti:0.01%、Ca:0.003%を含有し、残部鉄および不可避的不純物からなる鋼片を、加熱温度1150℃、(Ar3+150℃)以上の温度領域における圧下率60%、軽圧下のパス回数1回、(Ar3+150℃)〜Ar3までの圧下率70%、仕上温度770℃、冷却開始温度740℃、冷却速度8℃/s、冷却停止温度550℃で処理し、板厚30mm、平均フェライト粒径4μm、粗大ポリゴナルフェライト粒径13μm、粗大ポリゴナルフェライト面積率15%である鋼板の製造方法を除く)。 - C :0.05〜0.15%、
Si:0.05〜0.5%、
Mn:1.0〜2.0%、
P :0.02%以下(0%を含まない)、
S :0.01%以下(0%を含まない)、
Al:0.005〜0.045%、
Nb:0.005〜0.08%、
を含有し、残部鉄および不可避的不純物からなる鋼片を、1000〜1250℃の温度に加熱した後、900℃以下の温度における累積圧下率を50%以上、圧延終了温度をAr3点以上900℃以下とする熱間圧延を施した後、Ar3−30℃以上の温度から、10〜50℃/秒の平均冷却速度でベイナイト変態終了温度+50℃からベイナイト変態終了温度−50℃の温度域まで冷却することを特徴とする板厚1/4位置における全組織に対するベイナイト面積率が80%以上である低温靭性と強度のバランスに優れた高強度鋼板の製造方法。 - C :0.05〜0.15%、
Si:0.05〜0.5%、
Mn:1.0〜2.0%、
P :0.02%以下(0%を含まない)、
S :0.01%以下(0%を含まない)、
Al:0.005〜0.045%、
Nb:0.005〜0.08%、
を含有し、残部鉄および不可避的不純物からなる鋼片を、1000〜1250℃の温度に加熱した後、900℃以下の温度における累積圧下率を50%以上、圧延終了温度をAr3点以上900℃以下とする熱間圧延を施した後、Ar3−30℃以上の温度から、3〜50℃/秒の平均冷却速度でベイナイト変態終了温度+50℃からベイナイト変態終了温度−50℃の温度域まで冷却することを特徴とする板厚1/4位置における全組織に対するベイナイト面積率が86%以上である低温靭性と強度のバランスに優れた高強度鋼板の製造方法。 - 更に、他の元素として、
Cu:1.5%以下(0%を含まない)、
Ni:3.0%以下(0%を含まない)、
Mo:0.8%以下(0%を含まない)、
Cr:1.5%以下(0%を含まない)、および
V:0.08%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される少なくとも一種を含有するものである請求項1〜3のいずれかに記載の高強度鋼板の製造方法。 - 更に、他の元素として、
B:0.005%以下(0%を含まない)、
Ca:0.050%以下(0%を含まない)、
Ti:0.030%以下(0%を含まない)、および
N:0.010%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される少なくとも一種を含有するものである請求項1〜4のいずれかに記載の高強度鋼板の製造方法(但し、C:0.06%、Si:0.44%、Mn:1.53%、P:0.013%、S:0.002%、Cr:0.17%、Nb:0.025%、Ti:0.015%、Al:0.035%を含有し、残部鉄および不可避的不純物からなる鋼片を、1100℃で加熱した後、圧下率80%、仕上げ圧延温度(圧延終了温度)860℃の熱間圧延を施した後、780℃から、15℃/秒の冷却速度で407℃まで冷却する、板厚1/4部位におけるベイナイト面積率が85%である低温靭性に優れた鋼板の製造方法を除く)。 - 低温靭性と強度のバランスに優れた高強度ベイナイト鋼板を得るための熱間圧延後の冷却工程の制御方法であって、
C :0.05〜0.15%、
Si:0.05〜0.5%、
Mn:1.0〜2.0%、
P :0.02%以下(0%を含まない)、
S :0.01%以下(0%を含まない)、
Al:0.005〜0.045%、
Nb:0.005〜0.08%、
を含有し、残部鉄および不可避的不純物からなる鋼片を、1000〜1250℃の温度に加熱した後、900℃以下の温度における累積圧下率を50%以上、圧延終了温度をAr3点以上900℃以下とする熱間圧延工程を施した後の冷却工程において、加速冷却開始温度をAr3−30℃以上、平均冷却速度を3〜50℃/秒、加速冷却後の冷却停止温度をベイナイト変態終了温度±50℃の範囲内とすることを特徴とする、板厚1/4位置における全組織に対するベイナイト面積率が80%以上であり、低温靭性と強度のバランスに優れた高強度ベイナイト鋼板を得るための熱間圧延後の冷却工程の制御方法(但し、C:0.09%、Si:0.30%、Mn:1.5%、P:0.015%、S:0.002%、Al:0.02%、Nb:0.04%を含有し、残部鉄および不可避的不純物からなる鋼片を、加熱温度1150℃、(Ar3+150℃)以上の温度領域における圧下率60%、軽圧下のパス回数1回、(Ar3+150℃)〜Ar3までの圧下率75%、仕上温度780℃、冷却開始温度750℃、冷却速度8℃/s、冷却停止温度500℃で処理し、板厚22mm、平均フェライト粒径4μm、粗大ポリゴナルフェライト粒径15μm、粗大ポリゴナルフェライト面積率15%である鋼板を得るための熱間圧延後の冷却工程の制御方法、および
C:0.06%、Si:0.25%、Mn:1.7%、P:0.010%、S:0.001%、Al:0.02%、Nb:0.04%、Cr:0.1%、Mo:0.2%、Ti:0.01%、Ca:0.003%を含有し、残部鉄および不可避的不純物からなる鋼片を、加熱温度1150℃、(Ar3+150℃)以上の温度領域における圧下率60%、軽圧下のパス回数1回、(Ar3+150℃)〜Ar3までの圧下率70%、仕上温度770℃、冷却開始温度740℃、冷却速度8℃/s、冷却停止温度550℃で処理し、板厚30mm、平均フェライト粒径4μm、粗大ポリゴナルフェライト粒径13μm、粗大ポリゴナルフェライト面積率15%である鋼板を得るための熱間圧延後の冷却工程の制御方法を除く)。 - 低温靭性と強度のバランスに優れた高強度ベイナイト鋼板を得るための熱間圧延後の冷却工程の制御方法であって、
C :0.05〜0.15%、
Si:0.05〜0.5%、
Mn:1.0〜2.0%、
P :0.02%以下(0%を含まない)、
S :0.01%以下(0%を含まない)、
Al:0.005〜0.045%、
Nb:0.005〜0.08%、
を含有し、残部鉄および不可避的不純物からなる鋼片を、1000〜1250℃の温度に加熱した後、900℃以下の温度における累積圧下率を50%以上、圧延終了温度をAr3点以上900℃以下とする熱間圧延工程を施した後の冷却工程において、加速冷却開始温度をAr3−30℃以上、平均冷却速度を10〜50℃/秒、加速冷却後の冷却停止温度をベイナイト変態終了温度±50℃の範囲内とすることを特徴とする、板厚1/4位置における全組織に対するベイナイト面積率が80%以上であり、低温靭性と強度のバランスに優れた高強度ベイナイト鋼板を得るための熱間圧延後の冷却工程の制御方法。
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