JP6006409B2 - ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の製造方法に関する。詳しくは、表面架橋処理時の反応条件を制御することによって、耐ダメージ性に優れ、かつ高性能な吸水性樹脂を安定的に連続生産することができる、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の製造方法に関する。
吸水性樹脂(SAP/Super Absorbent Polymer)は、水膨潤性水不溶性の高分子ゲル化剤であり、自重の数倍から数百倍という多量の水性液を吸収することができるという性質から、紙オムツ、生理用ナプキン、失禁用パッド等の衛生用品、農園芸用保水剤又は工業用止水剤等の各種用途に幅広く利用されている。
このような吸水性樹脂は、その原料として多くの単量体や親水性高分子が提案されているが、吸水性能の観点から、アクリル酸及び/又はその塩を単量体として用いたポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂が工業的に最も多く用いられている。
当該吸水性樹脂は、主用途である紙オムツの高性能化に伴い、様々な機能(高物性化)が要求されている。具体的には、基本物性である無加圧下吸水倍率や加圧下吸水倍率の他、ゲル強度、水可溶分、含水率、吸水速度、通液性、粒度分布、耐尿性、抗菌性、耐ダメージ性、粉体流動性、消臭性、耐着色性、低粉塵、低残存モノマー等といった物性を向上させた吸水性樹脂が要求されている。そのため、これまで数多くの改良技術が提案されてきた。具体的には、下記特許文献1〜13に示される、表面架橋、添加剤又は製造工程の変更等の技術が挙げられる。
中でも、吸水性樹脂の表面架橋技術として、加熱処理時に雰囲気の相対湿度や露点を制御することによって吸水性樹脂中の水分を調整する技術(特許文献1、2)、加熱処理後の吸水性樹脂を冷却する装置の大きさを規定した技術(特許文献3)、加熱処理時に水性液を添加する技術(特許文献4)、表面架橋反応を2度行う技術(特許文献5)がそれぞれ提案されている。
また、表面架橋後の改質方法として、表面架橋反応後の吸水性樹脂に水を添加して造粒する技術(特許文献6)、加熱処理後の吸水性樹脂を冷却する際に水性液を添加して造粒する技術(特許文献7)、加熱処理後に水性液を添加して耐ダメージ性を向上させる技術(特許文献8)、製品の含水率を調整して耐ダメージ性を向上させる技術(特許文献9)、加熱処理後に再度加湿混合を行って吸水性樹脂の含水率を高める技術(特許文献10)、表面架橋後に多価金属塩水溶液を添加する技術(特許文献11、12)、表面架橋後にアルカノールアミン水溶液を添加する技術(特許文献13)がそれぞれ提案されている。
しかしながら、上述した表面架橋技術等を用いて製造した吸水性樹脂は、輸送工程や充填工程、更にはユーザーでの紙オムツ等の吸収物品への加工等において、機械的ダメージを受けることがあり、このため、吸水性樹脂の表面架橋層や粒子そのものが破壊される等して、粉塵の発生や物性の低下を招いていた。
上記現象は、吸水性樹脂の耐ダメージ性に関わる課題であるが、当該課題を解決する手法として、表面架橋した吸水性樹脂に水や水溶液を添加する技術(特許文献9〜13)が提案されている。
上述したように、吸水性樹脂の物性向上を目的としてこれまで数多くの表面架橋技術等が提案されてきた。中でも、紙オムツの高性能化に伴って、微粉やその発生量が少なく、耐ダメージ性に優れた吸水性樹脂を得るため、吸水性樹脂の表面架橋方法(特許文献1〜5)や表面架橋後に含水率を向上させる方法(特許文献8〜13)が提案されてきた。
しかしながら、上記特許文献1〜7の手法では、耐ダメージ性を有する高含水率の吸水性樹脂を製造する際、混合機や、反応機又は冷却機の内壁等に吸水性樹脂が付着し、安定的な連続生産ができず、生産性や物性低下を招くことがあった。
また、上記特許文献8〜13の手法は、耐ダメージ性(別称;耐衝撃安定性)のために、水性液として無機化合物や多価金属塩やアルカノールアミンが溶解した水溶液を用いており、吸水性樹脂の微粉量の低減及び耐ダメージ性の向上を目的とするには、かえってコストアップを伴うものであった。
つまり、本発明の課題は、耐ダメージ性に優れる吸水性樹脂を、高生産性で、かつ低コストで安定的に製造する方法を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明者らは、吸水性樹脂の製造方法、特に表面架橋工程での諸条件について鋭意検討した結果、以下の知見を見出し、本発明を完成させた。
即ち、耐ダメージ性や高含水率、加圧下吸水倍率といった吸水性樹脂の物性が、表面架橋工程(反応工程)で用いられる加熱装置内の雰囲気露点や吸水性樹脂の温度に依拠すること、及び、当該加熱装置等への吸水性樹脂の付着防止に対しては、加熱装置内の雰囲気温度や内壁面温度が影響することを見出した。
従って、吸水性樹脂の物性や安定生産を達成するためには、上述した条件(加熱装置の雰囲気露点、雰囲気温度、内壁面温度及び吸水性樹脂の温度)のすべてを満足するように制御することが重要である。
よって、本発明は、表面架橋工程を含む、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の製造方法であって、上記表面架橋工程の反応工程において、用いられる反応装置の内壁面温度が100〜250℃であり、当該反応装置内部の雰囲気露点が60〜100℃であり、かつ、吸水性樹脂混合物を加熱処理して粉温を90〜130℃とする、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の製造方法を提供する。
本発明の製造方法によれば、加圧下吸水倍率に優れ、表面架橋工程後に含水率を上昇させる工程を追加することなく、耐ダメージ性に優れた高含水率の吸水性樹脂を安定的に製造することができる。
以下、本発明に係るポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の製造方法について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更、実施し得る。具体的には、本発明は下記の各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
〔1〕用語の定義
(1−1)「吸水性樹脂」
本発明において、「吸水性樹脂」とは、水膨潤性水不溶性の高分子ゲル化剤を意味し、以下の物性を有するものをいう。即ち、水膨潤性として、CRC(無加圧下吸水倍率)が5(g/g)以上、及び、水不溶性として、Ext(水可溶分)が50重量%以下である高分子ゲル化剤を意味する。
(1−1)「吸水性樹脂」
本発明において、「吸水性樹脂」とは、水膨潤性水不溶性の高分子ゲル化剤を意味し、以下の物性を有するものをいう。即ち、水膨潤性として、CRC(無加圧下吸水倍率)が5(g/g)以上、及び、水不溶性として、Ext(水可溶分)が50重量%以下である高分子ゲル化剤を意味する。
上記吸水性樹脂は、その用途、目的に応じて適宜設計が可能であり、特に限定されないが、カルボキシル基を有する不飽和単量体を架橋重合させた親水性架橋重合体であることが好ましい。
また、上記吸水性樹脂は、全量(100重量%)が重合体である形態に限定されず、上記物性(CRC、Ext)を満足する範囲内で、添加剤等を含んだ吸水性樹脂組成物であってもよい。なお、本明細書では、特に注釈のない限り、添加剤等を含んだ吸水性樹脂組成物や、中間工程で得られる中間体(例えば、混合工程で得られる混合物や反応工程で得られる反応物等)、最終製品を包括して「吸水性樹脂」と総称する。
上記吸水性樹脂が上記吸水性樹脂組成物である場合、当該吸水性樹脂(ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂)の含有量は、吸水性樹脂組成物全体に対して、好ましくは70〜99.9重量%、より好ましくは75〜99重量%、更に好ましくは80〜97重量%、特に好ましくは80〜95重量%である。
吸水性樹脂以外の成分としては、吸水速度や耐衝撃性の観点から、水が好ましく、必要により後述の添加剤が含まれる。
(1−2)「ポリアクリル酸(塩)」
本発明において、「ポリアクリル酸(塩)」とは、グラフト成分を任意に含んだ、繰り返し単位としてアクリル酸及び/又はその塩(以下、「アクリル酸(塩)」と称する)を主成分とする重合体を意味する。
本発明において、「ポリアクリル酸(塩)」とは、グラフト成分を任意に含んだ、繰り返し単位としてアクリル酸及び/又はその塩(以下、「アクリル酸(塩)」と称する)を主成分とする重合体を意味する。
なお、上記「主成分」とは、アクリル酸(塩)の含有量(使用量)が、重合に用いられる単量体(架橋剤を除く)全体に対して、通常50〜100モル%、好ましくは70〜100モル%、より好ましくは90〜100モル%、更に好ましくは実質的に100モル%であることを意味する。
また、重合体としてのポリアクリル酸塩は、水溶性塩を必須に含み、好ましくは一価の塩、より好ましくはアルカリ金属塩又はアンモニウム塩、更に好ましくはアルカリ金属塩、特に好ましくはナトリウム塩を含む。
(1−3)「EDANA」及び「ERT」
「EDANA」は、欧州不織布工業会(European Disposables and Nonwovens Associations)の略称であり、「ERT」は、欧州標準(ほぼ世界標準)の吸水性樹脂の測定法(EDANA Recommended Test Methods)の略称である。
「EDANA」は、欧州不織布工業会(European Disposables and Nonwovens Associations)の略称であり、「ERT」は、欧州標準(ほぼ世界標準)の吸水性樹脂の測定法(EDANA Recommended Test Methods)の略称である。
本発明では、特に断りのない限り、ERT原本(2002年改定/公知文献)に準拠して、吸水性樹脂の物性を測定する。
(1−3−1)「CRC」(ERT441.2−02)
「CRC」は、Centrifuge Retention Capacity(遠心分離機保持容量)の略称であり、無加圧下吸水倍率(「吸水倍率」と称することもある)を意味する。
「CRC」は、Centrifuge Retention Capacity(遠心分離機保持容量)の略称であり、無加圧下吸水倍率(「吸水倍率」と称することもある)を意味する。
具体的には、不織布中の吸水性樹脂0.2gを大過剰の0.9重量%塩化ナトリウム水溶液で30分間自由膨潤させた後、遠心分離機(250G)で水切りした後の吸水倍率(単位;g/g)である。
(1−3−2)「AAP」(ERT442.2−02)
「AAP」は、Absorption Against Pressureの略称であり、加圧下吸水倍率を意味する。
「AAP」は、Absorption Against Pressureの略称であり、加圧下吸水倍率を意味する。
具体的には、吸水性樹脂0.9gを大過剰の0.9重量%塩化ナトリウム水溶液に1時間、2.06kPa(0.3psi)の荷重下で膨潤させた後の吸水倍率(単位;g/g)である。
(1−3−3)「Ext」(ERT470.2−02)
「Ext」は、Extractablesの略称であり、水可溶分を意味する。
「Ext」は、Extractablesの略称であり、水可溶分を意味する。
具体的には、吸水性樹脂1.0gを0.9重量%塩化ナトリウム水溶液200mlに添加して500rpmで16時間攪拌した後、溶解したポリマー量をpH滴定で測定した値(単位;重量%)である。
(1−3−4)「Moisture Content」(ERT430.2−02)
「Moisture Content」は、吸水性樹脂の含水率を意味する。
「Moisture Content」は、吸水性樹脂の含水率を意味する。
具体的には、吸水性樹脂4.0gについて、105℃で3時間乾燥した際の乾燥減量から算出した値(単位;重量%)である。なお、本発明では、吸水性樹脂を1.0g、乾燥温度を180℃に変更して測定した。
(1−3−5)「PSD」(ERT420.2−02)
「PSD」とは、Particle Size Distributionの略称であり、篩分級により測定される粒度分布を意味する。なお、重量平均粒子径(D50)及び粒子径分布幅は、欧州特許第0349240号や国際公開第2004/069915号に記載された「(1)Average Particle Diameter and Distribution of Particle Diameter」と同様の方法で測定される。
「PSD」とは、Particle Size Distributionの略称であり、篩分級により測定される粒度分布を意味する。なお、重量平均粒子径(D50)及び粒子径分布幅は、欧州特許第0349240号や国際公開第2004/069915号に記載された「(1)Average Particle Diameter and Distribution of Particle Diameter」と同様の方法で測定される。
(1−3−6)その他、EDANAで規定される物性
「pH」(ERT400.2−02):吸水性樹脂のpHを意味する。
「pH」(ERT400.2−02):吸水性樹脂のpHを意味する。
「FSC」(ERT440.2−02):Free Swell Capacityの略称であり、吸水性樹脂の自由膨潤倍率(単位;g/g)を意味する。
「Flow Rate」(ERT450.2−02):吸水性樹脂の流下速度を意味する。
「Density」(ERT460.2−02):吸水性樹脂の嵩比重を意味する。
「Respirable Particles」(ERT480.2−02):吸水性樹脂の呼吸域粉塵を意味する。
「Dust」(ERT490.2−02):吸水性樹脂中に含まれる粉塵を意味する。
(1−4)「粉化率」
本発明において、「粉化率」とは、吸水性樹脂の製造工程や輸送工程で発生する微粉量を評価する指標を意味する。具体的には、ダメージテスト(実施例で規定する「ペイントシェーカー試験」を指す)の前後で増加する150μm未満の粒子(微粉)量の割合である。当該粉化率の値が小さいほど、微粉の発生量が少なく、耐衝撃安定性に優れることを示す。
本発明において、「粉化率」とは、吸水性樹脂の製造工程や輸送工程で発生する微粉量を評価する指標を意味する。具体的には、ダメージテスト(実施例で規定する「ペイントシェーカー試験」を指す)の前後で増加する150μm未満の粒子(微粉)量の割合である。当該粉化率の値が小さいほど、微粉の発生量が少なく、耐衝撃安定性に優れることを示す。
(1−5)「粉相対湿度」
本発明において、「粉相対湿度」とは、表面架橋後の吸水性樹脂の含水率を制御するための指標として、次式にしたがって算出される値を意味する。
本発明において、「粉相対湿度」とは、表面架橋後の吸水性樹脂の含水率を制御するための指標として、次式にしたがって算出される値を意味する。
粉相対湿度(%)=(雰囲気の水蒸気圧)/(吸水性樹脂の温度(粉温)における飽和水蒸気圧)×100
なお、上式中、「雰囲気」とは反応装置内の吸水性樹脂の上部に存在する空間を指す。また、「雰囲気の水蒸気圧」及び「吸水性樹脂の温度(粉温)における飽和水蒸気圧」は、以下のワグナー(Wagner)式から求められる。
なお、上式中、「雰囲気」とは反応装置内の吸水性樹脂の上部に存在する空間を指す。また、「雰囲気の水蒸気圧」及び「吸水性樹脂の温度(粉温)における飽和水蒸気圧」は、以下のワグナー(Wagner)式から求められる。
水蒸気圧(hPa)=Pc×exp{(A・x+B・x^1.5+C・x^3+D・x^6)/(1−x)}
ここで、Pc;221200(hPa)(臨界圧)、Tc;647.3(K)(臨界温度)、x;1−(t+273.15)/Tc、A;−7.76451、B;1.45838、C;−2.7758、D;−1.23303である。
ここで、Pc;221200(hPa)(臨界圧)、Tc;647.3(K)(臨界温度)、x;1−(t+273.15)/Tc、A;−7.76451、B;1.45838、C;−2.7758、D;−1.23303である。
なお、吸水性樹脂の含水率が雰囲気の露点(相対湿度)に依存することや、吸水性樹脂を加温した際、吸水性樹脂中の水分が蒸発し含水率が低下することが一般的に知られている。しかしながら、これまで吸水性樹脂の含水率と、雰囲気露点及び吸水性樹脂の温度との関係を一元的に示した相関式はなかった。そこで、本発明者らが鋭意検討したところ、加温された吸水性樹脂の含水率が、粉相対湿度との相関性が良いことを見出した。
つまり、反応装置の雰囲気温度と吸水性樹脂の温度が異なる場合、水分の蒸発または吸湿が生じている吸水性樹脂の表面付近のガス温度は、反応装置の雰囲気温度よりも吸水性樹脂の温度に近いか、ほぼ同じである。
したがって、反応装置の雰囲気露点(相対湿度)の制御のみでは、吸水性樹脂の温度(粉温)が反映されず、所望する含水率の吸水性樹脂を得ることができない場合があったが、上記粉相対湿度を制御することで、所望する含水率の吸水性樹脂を安定的に得ることができるようになった。
(1−6)その他
本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上、Y以下」を意味する。また、特に注釈のない限り、重量の単位である「t(トン)」は「Metric ton(メトリック トン)」を意味し、「ppm」は「重量ppm」又は「質量ppm」を意味する。更に、「重量」と「質量」、「重量部」と「質量部」、「重量%」と「質量%」は同義語として扱う。また、「〜酸(塩)」は「〜酸及び/又はその塩」、「(メタ)アクリル」は「アクリル及び/又はメタクリル」をそれぞれ意味する。
本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上、Y以下」を意味する。また、特に注釈のない限り、重量の単位である「t(トン)」は「Metric ton(メトリック トン)」を意味し、「ppm」は「重量ppm」又は「質量ppm」を意味する。更に、「重量」と「質量」、「重量部」と「質量部」、「重量%」と「質量%」は同義語として扱う。また、「〜酸(塩)」は「〜酸及び/又はその塩」、「(メタ)アクリル」は「アクリル及び/又はメタクリル」をそれぞれ意味する。
〔2〕ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の製造方法
(2−1)重合工程
本工程は、アクリル酸(塩)系単量体水溶液を重合して含水ゲル状架橋重合体(以下、「含水ゲル」という。)を得る工程である。
(2−1)重合工程
本工程は、アクリル酸(塩)系単量体水溶液を重合して含水ゲル状架橋重合体(以下、「含水ゲル」という。)を得る工程である。
(単量体)(架橋剤を除く)
本発明の製造方法で得られるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂は、吸水性能の観点から、アクリル酸の少なくとも一部が中和されたアクリル酸(塩)を主成分とする単量体を、原料として使用することが好ましい。
本発明の製造方法で得られるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂は、吸水性能の観点から、アクリル酸の少なくとも一部が中和されたアクリル酸(塩)を主成分とする単量体を、原料として使用することが好ましい。
上記アクリル酸の部分中和塩としては特に限定されないが、吸水性能の観点から、好ましくはアルカリ金属塩、アンモニウム塩及びアミン塩から選ばれる1種以上の一価塩、より好ましくはアルカリ金属塩、更に好ましくはナトリウム塩、リチウム塩及びカリウム塩から選ばれる1種以上のアクリル酸塩、特に好ましくはナトリウム塩である。
上記中和は、重合前の単量体及び/又は重合後の含水ゲルに対して行うことができ、その中和率は、好ましくは10〜100モル%、より好ましくは30〜95モル%、更に好ましくは50〜90モル%、特に好ましくは60〜80モル%である。
上記単量体(下記の架橋剤を含む)は、通常、水溶液として重合される。その際、単量体濃度(固形分とも称する)は、通常10〜90重量%、好ましくは20〜80重量%、更に好ましくは30〜70重量%、特に好ましくは35〜60重量%、最も好ましくは40〜55重量%である。
また、得られる吸水性樹脂の諸物性を改善するという観点から、炭酸塩、アゾ化合物、気泡等の各種の発泡剤、界面活性剤又はキレート剤等の添加剤や、澱粉、ポリビニルアルコール又はポリアクリル酸(塩)等の水溶性又は吸水性の樹脂を、任意成分として、アクリル酸(塩)系単量体水溶液や、重合後の含水ゲル、乾燥重合体又は粉砕重合体等の吸水性樹脂に対して、添加することができる。
上記添加剤は、単量体に対して、好ましくは0〜5重量%、より好ましくは0〜1重量%が添加される。また、上記水溶性又は吸水性の樹脂は、単量体に対して、好ましくは0〜50重量%、より好ましくは0〜20重量%、更に好ましくは0〜10重量%、特に好ましくは0〜3重量%が添加される。
また、本発明では、アクリル酸(塩)を主成分として上記範囲で用いる場合、当該アクリル酸(塩)以外に、親水性又は疎水性の不飽和単量体を用いることもできる。
上記親水性又は疎水性不飽和単量体は、特に限定されないが、例えば、メタクリル酸、(無水)マレイン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリロキシアルカンスルホン酸、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルアセトアミド、(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ステアリルアクリレート及びこれらの塩等が挙げられる。
上記親水性又は疎水性不飽和単量体は、得られる吸水性樹脂の物性の観点から、全単量体に対して、好ましくは0〜50重量%、より好ましくは0〜20重量%の範囲内で用いられる。
(架橋剤(内部架橋剤))
本発明においては、吸水特性の観点から架橋剤(内部架橋剤)を使用することが好ましい。当該架橋剤(内部架橋剤)としては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸との重合性架橋剤、カルボキシル基との反応性架橋剤又はこれらを併せ持った架橋剤を例示することができる。
本発明においては、吸水特性の観点から架橋剤(内部架橋剤)を使用することが好ましい。当該架橋剤(内部架橋剤)としては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸との重合性架橋剤、カルボキシル基との反応性架橋剤又はこれらを併せ持った架橋剤を例示することができる。
具体的には、重合性架橋剤として、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリオキシエチレン)トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アリロキシアルカン等の、分子内に重合性二重結合を少なくとも2個有する化合物が挙げられる。
また、反応性架橋剤として、エチレングリコールジグリシジルエーテル等のポリグリシジルエーテル、プロパンジオール、グリセリン、ソルビトール等の多価アルコール等の共有結合性架橋剤、又はアルミニウム等の多価金属化合物等のイオン結合性架橋剤を例示することができる。
これらの中でも、吸水特性の観点から、アクリル酸との重合性架橋剤が好ましく、特に、アクリレート系、アリル系、アクリルアミド系の重合性架橋剤が好適に使用される。これらの内部架橋剤は1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
内部架橋剤の使用量は、物性の観点から、架橋剤を除く上記単量体に対して、好ましくは0.001〜5モル%、より好ましくは0.005〜2モル%、更に好ましくは0.01〜1モル%、特に好ましくは0.03〜0.5モル%である。
(重合開始剤)
本発明で使用される重合開始剤としては、重合の形態によって適宜選択される。このような重合開始剤としては、例えば、光分解型重合開始剤、熱分解型重合開始剤、レドックス系重合開始剤等を例示することができる。重合開始剤の使用量は、前記単量体に対して、0.0001〜1モル%が好ましく、0.001〜0.5モル%がより好ましい。
本発明で使用される重合開始剤としては、重合の形態によって適宜選択される。このような重合開始剤としては、例えば、光分解型重合開始剤、熱分解型重合開始剤、レドックス系重合開始剤等を例示することができる。重合開始剤の使用量は、前記単量体に対して、0.0001〜1モル%が好ましく、0.001〜0.5モル%がより好ましい。
光分解型重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン誘導体、ベンジル誘導体、アセトフェノン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、アゾ化合物等を例示することができる。また、熱分解型重合開始剤としては、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;過酸化水素、t−ブチルパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシド等の過酸化物;2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド等のアゾ化合物等を例示することができる。
レドックス系重合開始剤としては、例えば、上記過硫酸塩や過酸化物に、L−アスコルビン酸や亜硫酸水素ナトリウム等の還元性化合物を併用し、両者を組み合わせた系を例示することができる。また、上記光分解型開始剤と熱分解型重合開始剤とを併用することも、好ましい態様として挙げることができる。
(重合方法)
本発明における重合方法は、性能や重合制御の観点から、噴霧重合、液滴重合、水溶液重合又は逆相懸濁重合、好ましくは水溶液重合、更に好ましくは連続水溶液重合で行われる。水溶液重合や連続水溶液重合によって得られる吸水性樹脂は、その形状が不定形破砕状となり、その後の粉砕工程等で微粉が発生しやすくなるものの、本発明においては、表面架橋工程で水性液を添加することによって、微粉量を減らすことができる。
本発明における重合方法は、性能や重合制御の観点から、噴霧重合、液滴重合、水溶液重合又は逆相懸濁重合、好ましくは水溶液重合、更に好ましくは連続水溶液重合で行われる。水溶液重合や連続水溶液重合によって得られる吸水性樹脂は、その形状が不定形破砕状となり、その後の粉砕工程等で微粉が発生しやすくなるものの、本発明においては、表面架橋工程で水性液を添加することによって、微粉量を減らすことができる。
上記連続水溶液重合の好ましい形態として、例えば、連続ニーダー重合(米国特許第6987151号や同第6710141号等に記載)や、連続ベルト重合(米国特許第4893999号、同第6241928号や米国特許出願公開第2005/215734号等に記載)が挙げられる。これらの連続水溶液重合では、高生産性で吸水性樹脂を生産することができる。
このような高濃度や高温での重合であっても、本発明では単量体の安定性に優れ、また、白色度の高い吸水性樹脂が得られるため、かかる条件でより顕著に効果を発揮する。このような高温開始重合は、米国特許第6906159号や同第7091253号等に例示されているが、本発明の方法では、重合前の単量体の安定性にも優れるので、工業的なスケールでの生産が容易である。
これらの重合は、空気雰囲気下でも実施することができるが、着色改善の観点から、好ましくは、窒素やアルゴン等の不活性気体雰囲気(例えば、酸素濃度1容積%以下)で行うことが好ましい。また、単量体又は単量体を含む溶液中の溶存酸素が、不活性気体で十分に置換(例えば、酸素溶存量1[mg/L]未満)された後に、重合に用いられることが好ましい。
(2−2)ゲル粉砕工程
本工程は、上記重合工程で得られる含水ゲルを、ニーダー、ミートチョッパー又はカッターミル等のゲル粉砕機でゲル粉砕し、粒子状の含水ゲル(以下、「粒子状含水ゲル」という。)を得る工程である。なお、上記重合工程がニーダー重合の場合、重合工程とゲル粉砕工程が同時に実施されている。また、上記含水ゲルを、ゲル粉砕工程を経ずに、そのまま乾燥工程に供給してもよい。更に必要に応じて、ゲル粉砕工程の前後において、含水ゲルの熟成工程(特に加熱や保温による重合等の促進工程)を設置することもできる。
本工程は、上記重合工程で得られる含水ゲルを、ニーダー、ミートチョッパー又はカッターミル等のゲル粉砕機でゲル粉砕し、粒子状の含水ゲル(以下、「粒子状含水ゲル」という。)を得る工程である。なお、上記重合工程がニーダー重合の場合、重合工程とゲル粉砕工程が同時に実施されている。また、上記含水ゲルを、ゲル粉砕工程を経ずに、そのまま乾燥工程に供給してもよい。更に必要に応じて、ゲル粉砕工程の前後において、含水ゲルの熟成工程(特に加熱や保温による重合等の促進工程)を設置することもできる。
本工程においては、ゲル粉砕性の改善や物性改良の観点から、上記含水ゲルに対して、水、多価アルコール、水と多価アルコールとの混合液、多価金属(塩)水溶液、又はこれらの蒸気等を添加することもできる。
本発明において、残存モノマーの低減やゲル劣化の防止(耐尿性の向上)、黄変の防止の観点から、ゲル粉砕時間(重合終了時から乾燥開始時までの時間をいう。)を短時間とすることが好ましい。具体的には、好ましくは1時間以内、より好ましくは0.5時間以内、更に好ましくは0.1時間以内である。また、ゲル粉砕期間中の含水ゲルの温度は、好ましくは40〜95℃、より好ましくは50〜80℃、更に好ましくは60〜70℃に制御(保温又は加温)される。
上述したゲル粉砕後の粒子状含水ゲルの樹脂固形分は、好ましくは10〜90重量%、より好ましくは20〜80重量%、更に好ましくは30〜70重量%、特に好ましくは35〜60重量%である。また、粒子状含水ゲルの重量平均粒子径(D50)(篩分級で規定)は、好ましくは0.2〜10mm、より好ましくは0.3〜5mm、更に好ましくは0.5〜3mmである。更に、粒子径が5mm以上の粒子状含水ゲルの割合は、粒子径含水ゲル全体に対して、好ましくは0〜10重量%、より好ましくは0〜5重量%である。なお、粒子状含水ゲルの粒子径は、特開2000−63527号公報の段落〔0091〕に開示された湿式分級方法に準拠して測定を行う。
(2−3)乾燥工程
本工程は、上記重合工程及び/又はゲル粉砕工程で得られる、含水ゲル及び/又は粒子状含水ゲルを所望する樹脂固形分まで乾燥させて乾燥重合体を得る工程である。なお、当該樹脂固形分は、乾燥減量(試料1gを180℃で3時間加熱した際の重量変化)から求められる値であり、好ましくは80重量%以上、より好ましくは85〜99重量%、更に好ましくは90〜98重量%、特に好ましくは92〜97重量%である。
本工程は、上記重合工程及び/又はゲル粉砕工程で得られる、含水ゲル及び/又は粒子状含水ゲルを所望する樹脂固形分まで乾燥させて乾燥重合体を得る工程である。なお、当該樹脂固形分は、乾燥減量(試料1gを180℃で3時間加熱した際の重量変化)から求められる値であり、好ましくは80重量%以上、より好ましくは85〜99重量%、更に好ましくは90〜98重量%、特に好ましくは92〜97重量%である。
本発明における乾燥方法としては、含水ゲル及び/又は粒子状含水ゲルを上記樹脂固形分となるまで乾燥できればよく、例えば、加熱乾燥、熱風乾燥、減圧乾燥、赤外線乾燥、マイクロ波乾燥、ドラムドライヤー乾燥、疎水性有機溶媒との共沸脱水乾燥又は高温水蒸気による高湿乾燥等の乾燥方法から適宜選択することができる。中でも、熱風乾燥が好ましく、露点温度が0〜100℃の気体を使用する熱風乾燥がより好ましく、露点温度が20〜90℃の気体を使用する熱風乾燥が更に好ましい。
また、乾燥温度としては、吸水特性又は色調の観点から、好ましくは100〜300℃、より好ましくは150〜250℃に制御(加熱)されるが、特に、得られる吸水性樹脂の物性と白色度との両立の観点からは、乾燥温度が165〜230℃で乾燥時間が50分間以内であることが好ましく、乾燥時間は20〜40分間がより好ましい。なお、熱風乾燥を行う場合、熱風の温度を乾燥温度とする。上記乾燥温度や乾燥時間が上記範囲を外れると、吸水性樹脂の無加圧下吸水倍率(CRC)の低下や水可溶分の増加、白色度の低下を引き起こす虞があり好ましくない。
(2−4)粉砕工程
本工程は、上記乾燥工程で得られた乾燥重合体を粉砕して、粉砕重合体を得る工程である。なお、重合工程で得られる含水ゲルの形状が粒子状(例えば、重合工程が噴霧重合や液滴重合、逆相懸濁重合等)の場合には、乾燥工程後の粉砕を行わない場合もある。
本工程は、上記乾燥工程で得られた乾燥重合体を粉砕して、粉砕重合体を得る工程である。なお、重合工程で得られる含水ゲルの形状が粒子状(例えば、重合工程が噴霧重合や液滴重合、逆相懸濁重合等)の場合には、乾燥工程後の粉砕を行わない場合もある。
当該粉砕工程で使用される機器としては、特に限定されないが、例えば、ロールミル、ハンマーミル、ロールグラニュレーター、ジョーククラッシャー、ジャイレクトリークラッシャー、コーンクラッシャー、ロールクラッシャー、カッターミル等が挙げられる。中でも、粒度制御の観点から、ロールミル又はロールグラニュレーターを多段で使用することが好ましい。
(2−5)分級工程
本工程は、上述の各工程(重合工程、ゲル粉砕工程、乾燥工程、粉砕工程)を経て得られた粉砕重合体を分級して、吸水性樹脂粉末を得る工程である。
本工程は、上述の各工程(重合工程、ゲル粉砕工程、乾燥工程、粉砕工程)を経て得られた粉砕重合体を分級して、吸水性樹脂粉末を得る工程である。
本発明の分級方法としては、特に限定されないが、例えば、JIS標準篩(JIS Z8801−1(2000))を用いた篩分級等が挙げられる。なお、吸水性樹脂の粒度は、分級工程以外にも、重合工程(特に逆相懸濁重合や噴霧液滴重合)やその他の工程(例えば、造粒工程、微粉回収工程等)で、適宜調整することができる。
また、当該分級工程は、吸水性樹脂の製造工程上で少なくとも1回(1箇所)行うことができればよいが、好ましくは製造工程上で2回(2箇所)以上、より好ましくは表面架橋工程の前後で少なくとも1回(1箇所)以上行うことができればよい。更に必要に応じて、分級工程を3〜6回行ってもよい。
上記操作により得られる吸水性樹脂粉末の粒度として、重量平均粒子径(D50)は、好ましくは200〜600μm、より好ましくは200〜550μm、更に好ましくは250〜500μm、特に好ましくは300〜450μmである。また、粒子径が150μm未満の粒子の割合は、好ましくは0〜10重量%、より好ましくは0〜5重量%、更に好ましくは0〜1重量%であり、粒子径が850μm以上の粒子の割合は、好ましくは0〜5重量%、より好ましくは0〜3重量%、更に好ましくは0〜1重量%である。また、粒度分布の対数標準偏差(σζ)は、好ましくは0.20〜0.50、より好ましくは0.25〜0.40、更に好ましくは0.27〜0.35である。なお、これらの粒度は、国際公開第2004/69915号やEDANA ERT420.2−02に開示されている測定方法に準じて、標準篩を用いて測定される。
上述した粒度は、表面架橋前の吸水性樹脂に加えて、表面架橋後の吸水性樹脂や最終製品としての吸水性樹脂についても適用される。そのため、上記範囲の粒度を維持するように、表面架橋することが要求される。
(2−6)表面架橋工程
本工程は、上述した工程を経て得られる吸水性樹脂粉末の表面層(吸水性樹脂粉末の表面から数10μmの部分)に、架橋密度の高い部分を形成する工程であり、以下の(2−6−1)〜(2−6−4)の工程から構成されている。
本工程は、上述した工程を経て得られる吸水性樹脂粉末の表面層(吸水性樹脂粉末の表面から数10μmの部分)に、架橋密度の高い部分を形成する工程であり、以下の(2−6−1)〜(2−6−4)の工程から構成されている。
(2−6−1)混合工程
本混合工程は、上記吸水性樹脂粉末に表面架橋剤(またはその水溶液や分散液)を添加、混合する工程である。なお、上記吸水性樹脂粉末と表面架橋剤との混合物を、便宜上、吸水性樹脂混合物(以下、単に「混合物」)と称する場合もある(実施例も同じ)。
本混合工程は、上記吸水性樹脂粉末に表面架橋剤(またはその水溶液や分散液)を添加、混合する工程である。なお、上記吸水性樹脂粉末と表面架橋剤との混合物を、便宜上、吸水性樹脂混合物(以下、単に「混合物」)と称する場合もある(実施例も同じ)。
(表面架橋剤)
本発明で使用できる表面架橋剤は、特に限定されないが、例えば、米国特許第6228930号、同第6071976号、同第6254990号等に記載されている化合物を挙げることができる。
本発明で使用できる表面架橋剤は、特に限定されないが、例えば、米国特許第6228930号、同第6071976号、同第6254990号等に記載されている化合物を挙げることができる。
より具体的には、モノエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、モノプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、2,3,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール等の多価アルコール化合物;エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリシドール等のエポキシ化合物;エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリエチレンイミン、ポリアミドポリアミン等の多価アミン化合物;エピクロロヒドリン、エピブロムヒドリン、α−メチルエピクロロヒドリン等のハロエポキシ化合物;上記多価アミン化合物と上記ハロエポキシ化合物との縮合物;2−オキサゾリジノン等のオキサゾリジノン化合物;メタンスルホン酸((3−エチルオキセタン−3−イル)メチル)、クロロメタンスルホン酸((3−エチルオキセタン−3−イル)メチル)、1,6−ビス(3−エチルオキセタン−3−イル)−2,5−ジオキサヘキサン、1,12−ビス(3−エチルオキセタン−3−イル)−2,5,8,11−テトラオキサドデカン等のオキセタン化合物;エチレンカーボネート等のアルキレンカーボネート化合物等が挙げられ、1種または2種以上を併用することもできる。
これらの中でも、吸水性樹脂の物性向上や表面架橋時での含水率低下の抑制といった観点から、低温で反応可能なエポキシ化合物、ハロエポキシ化合物、オキサゾリジノン化合物、オキセタン化合物が好ましく、エポキシ化合物、ハロエポキシ化合物、オキセタン化合物がより好ましい。
上記表面架橋剤の使用量は、要求される吸水性樹脂の物性等の観点から、吸水性樹脂粉末100重量部に対して、好ましくは0.001〜10重量部、より好ましくは0.01〜5重量部である。なお、2種以上を併用する場合には、合計量が上記範囲内となればよい。
本発明において、上記表面架橋剤と吸水性樹脂粉末とを混合する際、水を用いることもできる。即ち、上記表面架橋剤を水溶液状態にして吸水性樹脂粉末に添加することもできる。このとき、水の使用量(水溶液の水含有量)としては、吸水性樹脂粉末の含水率にもよるが、吸水性樹脂粉末100重量部に対して、好ましくは1〜15重量部、より好ましくは1〜10重量部である。
更に、吸水性樹脂粉末に表面架橋剤やその水溶液、分散液を混合する際、親水性の有機溶媒や、混合助剤としての第三物質を用いることもできる。
上記親水性の有機溶媒としては、特に限定されないが、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の低級アルコール化合物;アセトン等のケトン化合物;ジオキサン、テトラヒドロフラン、メトキシ(ポリ)エチレングリコール等のエーテル化合物;ε−カプロラクタム、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド化合物;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド化合物;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、2−ブテン−1,4−ジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサノール、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ポリオキシプロピレン、オキシエチレン−オキシプロピレンブロック共重合体、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール化合物等が挙げられる。
なお、本発明において、多価アルコール化合物は、吸水性樹脂と反応する場合には表面架橋剤に分類され、反応しない場合には親水性の有機溶媒に分類される。反応の有無については、多価アルコールの残存量やエステルの増加量(IR分析等)によって、容易に判別することができる。
上記親水性有機溶媒の使用量は、吸水性樹脂粉末の固形分100重量部に対して、好ましくは10重量部以下、より好ましくは0.1〜5重量部である。
また、上記第三物質としては、欧州特許第0668080号に記載された無機酸、有機酸、ポリアミノ酸(塩)等が挙げられる。これらの化合物は、表面架橋剤として機能してもよいが、表面架橋後の吸水性樹脂の吸水特性を低下させないものが好まれる。当該第三物質の使用量は、吸水性樹脂粉末の固形分100重量部に対して、好ましくは0.005〜10重量部、より好ましくは0.05〜5重量部である。
(添加・混合方法)
本発明における表面架橋剤(またはその水溶液や分散液)の添加、混合方法は、特に限定されないが、表面架橋剤及び溶媒としての水または親水性有機溶媒、若しくはこれらの混合物を予め用意した後に、吸水性樹脂粉末に対して、好ましくは噴霧または滴下して混合すればよく、より好ましくは噴霧して混合すればよい。
本発明における表面架橋剤(またはその水溶液や分散液)の添加、混合方法は、特に限定されないが、表面架橋剤及び溶媒としての水または親水性有機溶媒、若しくはこれらの混合物を予め用意した後に、吸水性樹脂粉末に対して、好ましくは噴霧または滴下して混合すればよく、より好ましくは噴霧して混合すればよい。
また、上記混合の際に使用する混合装置としては、特に限定されないが、高速撹拌型混合装置が好ましく、高速撹拌型連続混合装置がより好ましく、横型または縦型の高速撹拌型連続混合装置が更に好ましい。具体的には、シュギミキサーやタービュライザー(何れもホソカワミクロン社製)、レディゲミキサー(レディゲ社製)等が挙げられる。
本発明における混合工程での運転条件として、混合装置の回転数は100〜10000rpmが好ましく、300〜2000rpmがより好ましい。また、滞留時間は180秒間以内が好ましく、0.1〜60秒間がより好ましく、1〜30秒間が更に好ましい。
更に、当該混合工程に供給される吸水性樹脂粉末の温度は30〜100℃が好ましく、35〜80℃がより好ましく、40〜70℃が更に好ましい。当該温度範囲とすることで、吸水性樹脂の物性低下を抑制することができる。
(2−6−2)反応工程
本反応工程は、上記混合工程で得られた混合物に熱、活性エネルギー線等を加えて、吸水性樹脂と表面架橋剤とを反応させて、反応物(以下、便宜上、「吸水性樹脂粒子」と称する。実施例も同じ)を得る工程(「表面架橋反応工程」と称する場合もある)である。
本反応工程は、上記混合工程で得られた混合物に熱、活性エネルギー線等を加えて、吸水性樹脂と表面架橋剤とを反応させて、反応物(以下、便宜上、「吸水性樹脂粒子」と称する。実施例も同じ)を得る工程(「表面架橋反応工程」と称する場合もある)である。
なお、上記混合工程と反応工程との間に、反応を伴わない貯蔵工程や撹拌工程を必要に応じて設けて、反応工程に供する前に表面架橋剤を吸水性樹脂粉末に浸透または拡散させてもよい。
(反応装置)
本工程で用いられる反応装置として、上記混合工程で用いられる混合装置と同じ形態の装置を使用してもよいが、好ましくは別形態の装置が使用される。具体的には、公知の乾燥機または加熱炉に、気体供給機構及び/又は気体排出機構(以下、「気体供給・排出機構」と称する場合がある)を具備した装置を使用することが好ましい。また、当該反応装置は、連続式であっても回分(バッチ)式であってもよいが、生産性の観点から、連続式の反応装置がより好ましい。
本工程で用いられる反応装置として、上記混合工程で用いられる混合装置と同じ形態の装置を使用してもよいが、好ましくは別形態の装置が使用される。具体的には、公知の乾燥機または加熱炉に、気体供給機構及び/又は気体排出機構(以下、「気体供給・排出機構」と称する場合がある)を具備した装置を使用することが好ましい。また、当該反応装置は、連続式であっても回分(バッチ)式であってもよいが、生産性の観点から、連続式の反応装置がより好ましい。
上記反応装置がバッチ式の場合、1枚または複数枚のトレーや多孔板等に混合物を実質的に均等に分散させて加熱する方法や、攪拌翼等が設置された単槽または複数の槽に混合物を充填させて攪拌しながら加熱する方法、流動槽で混合物を攪拌しながら加熱する方法等で、表面架橋反応が行われることが好ましい。
また、上記反応装置が連続式の場合は、ベルトや多孔板等の上に混合物を実質的に均等に分散させて移送しながら加熱する方法、攪拌翼やスクリュー等で混合物を攪拌させて移送しながら加熱する方法、加熱面の傾斜を利用して混合物を移送させながら加熱する方法等で、表面架橋反応が行われることが好ましい。
上記反応装置における加熱方式は、特に限定されないが、例えば、伝導伝熱型、輻射伝導型、熱風伝熱型、誘電加熱型等が挙げられる。これらの中でも、伝導伝熱型及び/又は熱風伝熱型が好ましく、伝導伝熱型がより好ましい。また、これらの熱源としては、特に限定されないが、例えば、高圧スチーム(加圧水蒸気)、温水、ナイター(溶融塩)、オイル等が挙げられる。これらの中から、目的等に応じて、適宜選択すればよいが、高圧スチーム(加圧水蒸気)を熱源とする伝導伝熱型反応装置が特に好ましい。
上記反応装置は、特に連続式の場合、加熱効率や均一な表面架橋反応の観点から、混合物を攪拌及び/又は流動させる機構(以下、「攪拌・流動機構」と称する場合がある。)を更に具備した装置であることが好ましい。当該攪拌・流動機構としては、特に限定されないが、例えば、溝型攪拌型、スクリュー型、回転型、円盤型、捏和型、流動層型等が挙げられる。中でも、攪拌翼(パドル)による攪拌型や、回転レトルト炉等の伝熱面自体が可動する攪拌型が好ましく、パドル型反応装置が特に好ましい。
上記反応装置、特に連続式の伝導伝熱型反応装置を用いる場合、その伝熱面積(加熱面積)としては、混合物の粉温が下記の温度範囲となるように制御できればよく、特に限定されないが、処理される混合物の供給量に対して、好ましくは5〜100m2/(t/hr)、より好ましくは10〜50m2/(t/hr)である。上記伝熱面積を上記範囲とすることで、混合物の粉温及び反応装置の内壁面温度を下記温度範囲内に制御することが容易となり、安定的な運転が可能となるため、好ましい。
上記反応装置は、連続生産の高効率化の観点から、混合物が排出口方向に自然流下し得る傾斜を有することが好ましく、具体的には水平面に対して下方に、0°を超えて20°以下が好ましく、0°を超えて10°以下がより好ましい。当該傾斜が20°を超えると、反応時間にムラが生じ、吸水性樹脂の物性が低下する虞があるため、好ましくない。
本発明で用いられる反応装置には、上記気体供給・排出機構が具備されるが、当該気体供給・排出機構によって、反応装置内の雰囲気露点及び雰囲気温度が制御される。このとき、単なる吸気口/排気口の設置だけではなく、反応装置内に流通させる気体の量や圧力を、ブロワー等を用いて調整することが好ましい。また、吸気口/排気口は、それぞれ1箇所に限らず、使用する反応装置の大きさや、雰囲気露点及び雰囲気温度を考慮して、それぞれ複数箇所設けることができる。
また、当該反応装置における加熱方法、攪拌方法、気体の供給方法や排出方法について、同一または異なった形式を組み合わせた複数の反応装置として使用することもできる。
(気流)
本発明において、反応装置内の雰囲気露点及び雰囲気温度を安定的に下記の範囲内とするために、気流を一定方向に制御することが好ましい。なお、「一定方向」とは、あらゆる箇所において同一の方向を意味するものではなく、マクロ的な視点から気流の方向が変動しないことを意味する。例えば、攪拌等による気流の部分的及び/又は一時的な乱流状態や渦流状態は、本発明の気流制御の対象外である。一方、吸気口からの吸気及び排気口からの排気という気流状態が、表面架橋反応の途中で、排気口からの吸気及び吸気口からの排気という気流状態に変化した場合、「一定方向ではない」という。
本発明において、反応装置内の雰囲気露点及び雰囲気温度を安定的に下記の範囲内とするために、気流を一定方向に制御することが好ましい。なお、「一定方向」とは、あらゆる箇所において同一の方向を意味するものではなく、マクロ的な視点から気流の方向が変動しないことを意味する。例えば、攪拌等による気流の部分的及び/又は一時的な乱流状態や渦流状態は、本発明の気流制御の対象外である。一方、吸気口からの吸気及び排気口からの排気という気流状態が、表面架橋反応の途中で、排気口からの吸気及び吸気口からの排気という気流状態に変化した場合、「一定方向ではない」という。
また、本工程における雰囲気露点及び雰囲気温度とは、反応装置内の混合物の上部空間に存在する気体の平均露点及び平均温度を意味し、当該反応装置内の加熱部で加熱されている混合物の鉛直上方において、測定することが好ましい。なお、表面架橋反応の開始直後や、連続式においては、加熱部に投入された直後や加熱部から排出される直前には、後述する範囲を外れる場合がある。
本発明において、吸気口/排気口がそれぞれ複数箇所設置された反応装置を用いる場合、特に連続式の反応装置を用いる場合、当該気流の向きは、反応装置に投入された混合物の移動方向に対して、鉛直方向または水平方向が好ましく、水平方向がより好ましく、対向流及び/又は並流が更に好ましく、並流が特に好ましい。また、反応装置内の個々の点において、経時的に気流の方向が変化しなければ、対向流の箇所と並流の箇所とが反応装置内で併存していてもよい。
当該気流の流量は、反応装置内の雰囲気露点や雰囲気温度を所望する範囲に制御できればよく、特に限定されないが、少なくとも0.1(Nm3/hr)を超え、10000(Nm3/hr)以下が好ましく、5000(Nm3/hr)以下がより好ましく、3000(Nm3/hr)以下が更に好ましい。また、処理される混合物の量に対する比率としては、3000(Nm3/t)以下が好ましく、1000(Nm3/t)以下がより好ましい。なお、「Nm3」は、標準状態(0℃、1気圧)に換算した気体の体積を意味し、0℃、1気圧の条件下で存在する気体の体積を意味するものではない。
上記気流の流量や比率は、排出された気体の合計流量や、当該流量と表面架橋工程に導入される吸水性樹脂粉末の供給量とから規定される値であるが、運転開始時や運転停止時等、連続生産における定常状態でない場合には、上記比率を外れる場合がある。
また、反応装置に導入される気体としては、雰囲気露点を下記範囲内に制御できればよく、特に限定されないが、空気、ドライエア、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス、これらの気体と水蒸気との混合物、蒸気等が挙げられる。また、これらの気体は、加熱されていても冷却されていてもよく、加圧でも減圧でもよい。通常、0〜50℃の空気が実質的に常圧(好ましくは1気圧(101.3kPa)±10%、より好ましくは1気圧±5%、更に好ましくは1気圧±1%)で供給されればよい。
なお、上記反応装置内の圧力は、微減圧であることが好ましい。具体的には、大気圧に対する差圧として、−10〜0kPaが好ましく、−5〜0kPaがより好ましく、−2〜0kPaが更に好ましい。
(操業条件)
本発明の効果を達成するため、本発明は、反応工程で用いる反応装置の内壁面温度を100〜250℃に、当該反応装置内部の雰囲気露点を60〜100℃に、かつ、吸水性樹脂混合物を加熱処理して粉温を90〜130℃に、それぞれ制御することを特徴とする。以下、反応工程における操業条件について詳細に述べる。
本発明の効果を達成するため、本発明は、反応工程で用いる反応装置の内壁面温度を100〜250℃に、当該反応装置内部の雰囲気露点を60〜100℃に、かつ、吸水性樹脂混合物を加熱処理して粉温を90〜130℃に、それぞれ制御することを特徴とする。以下、反応工程における操業条件について詳細に述べる。
本反応工程においては、上記混合物を加熱処理して、その粉温を所望する温度範囲となるように制御する。当該粉温としては、必須に90〜130℃、好ましくは95〜125℃、より好ましくは100〜120℃である。当該粉温が90℃未満の場合、表面架橋層を形成するための共有結合が不十分となる場合がある。一方、当該粉温が130℃を超える場合、吸水性樹脂から蒸発する水分量が多く、蒸発速度も速いため、所望する含水率の吸水性樹脂を得ることができないので好ましくない。
上記混合物の粉温は、反応工程における最高温度を意味するが、連続式においては、反応装置から排出された直後の吸水性樹脂粒子(吸水性樹脂粉末と表面架橋剤との混合物を加熱処理した後の反応物)の温度で評価する。
なお、反応装置の内壁面温度や伝熱面積、滞留時間等で当該粉温を制御することにより、所望する含水率や吸水性能を有する吸水性樹脂を得ることができる。
また、生産安定性の観点から、反応装置の内壁面温度を、必須に100〜250℃、好ましくは105〜200℃、より好ましくは110〜150℃に制御する。当該内壁面温度が100℃未満の場合、反応装置の内表面で発生する結露によって吸水性樹脂が付着し、これが原因となって生産性や物性の低下を招く虞がある。一方、当該内壁面温度が250℃を超える場合、部分的な過加熱が生じ、物性の低下を招く虞があるため、好ましくない。なお、反応装置の内壁面温度は、上述した熱源及び加熱方式で制御することができる。
反応装置での滞留時間(加熱処理時間)については、上記粉温を満たせばよく、特に限定されないが、通常、5〜60分間であり、好ましくは10〜50分間である。
本反応工程で用いる反応装置内部の雰囲気露点は、必須に60〜100℃、好ましくは65〜95℃に制御する。当該雰囲気露点が60℃未満の場合、吸水性樹脂から蒸発する水分量が多く、蒸発速度も速いため、所望する含水率の吸水性樹脂を得ることができない。更に、表面架橋剤の吸水性樹脂内部への浸透が不十分であるため、加圧下での吸水性能が低下する。
また、本反応工程で用いる反応装置内部の雰囲気温度は、好ましくは100〜150℃、より好ましくは105〜145℃に制御される。当該雰囲気温度が100℃未満の場合、吸水性樹脂から蒸発した水分が加熱装置内で結露し、更に吸水性樹脂が付着することで安定的な連続生産ができず、生産性や物性の低下を招く虞がある。
上記雰囲気露点や雰囲気温度の制御は、反応装置の内壁面や吸水性樹脂からの伝熱、吸水性樹脂から発生する水蒸気による露点の上昇等を考慮して、気体の供給量や排出量、温度、露点等を適宜、制御すればよい。具体的には、当該反応装置に測定機器を設置し、必要に応じて上記気体を投入して調整する方法や、気体の排出量や圧力の変更等により調整する方法等が挙げられる。本発明では、複数の制御方法を適宜組み合わせてもよい。
なお、上記雰囲気露点や雰囲気温度は、加熱部位の位置や処理時間の経過に伴い変化するが、反応装置内において一定範囲内となるように制御することが望まれる。当該「一定範囲内」とは、上記加熱処理の全時間を基準として、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは80%以上において、雰囲気露点や雰囲気温度が上記各範囲であること、及び、変化幅が好ましくは20℃以内、より好ましくは10℃以内、更に好ましくは5℃以内、特に好ましくは2℃以内であることをいう。
また、気流の流量が上記範囲内であれば、反応装置の気体排出機構内における適切な測定点での露点及び温度を、本発明で規定する反応装置内部の雰囲気露点及び雰囲気温度としてもよい。ただし、反応装置の加熱部から当該測定点まで他の気体の流入がなく、ガス洗浄装置等による処理がなく、加熱器や冷却器等を用いた強制的な温度変化がなく、反応装置の加熱部から当該測定点までの気体の移動時間が1秒間以内であることが要求される。
また、本発明において、粉相対湿度は、好ましくは15〜100%、より好ましくは20〜80%、更に好ましくは22〜70%である。当該粉相対湿度が15%未満の場合、吸水性樹脂からの水分蒸発速度が速く、所望する含水率の吸水性樹脂を得ることができない。一方、粉相対湿度が100%を超える場合、吸水性樹脂表面に結露が生じ、吸水性樹脂の粒子同士が凝集して塊状となり、安定生産の妨げとなり、結果として物性低下を招くため、好ましくない。
(2−6−3)冷却工程(任意)
本冷却工程は、上述した表面架橋反応の停止や次工程への搬送等を目的として、表面架橋反応工程後に実施される任意の工程である。
本冷却工程は、上述した表面架橋反応の停止や次工程への搬送等を目的として、表面架橋反応工程後に実施される任意の工程である。
本発明において、上記反応工程で得られた吸水性樹脂粒子を短時間で冷却工程に供することが好ましく、その時間としては、好ましくは0秒を超えて3分間以内、より好ましくは0秒を超えて2分間以内、更に好ましくは0秒を超えて1分間以内、特に好ましくは0秒を超えて30秒間以内である。当該時間は、上記反応工程での加熱装置と冷却工程での冷却装置との直結や短距離(例えば、10m以内)での接続等、両装置のレイアウト等によって制御することができる。
当該工程で使用される冷却装置としては、特に限定されないが、伝面や気流等による冷却機能を備えた攪拌装置又は流動装置等が挙げられる。具体的には、上記反応工程で好ましく使用されるパドル型加熱装置と同一形式の装置において、熱媒を冷媒に変更することで冷却装置として使用することができる。なお、当該装置の大きさは冷却効率等を考慮して適宜設定すればよく、必ずしも反応装置と同一の大きさにする必要はない。
上記冷却装置の冷媒としては、特に限定されないが、例えば、水、温水、不凍液等が挙げられる。また、冷却温度(ジャケット等の伝熱面温度)としては、好ましくは0〜90℃、より好ましくは20〜85℃、更に好ましくは40〜80℃である。
(2−6−4)添加工程(任意)
本添加工程は、吸水性樹脂の物性向上等を目的とする添加剤の添加工程であり、必要に応じて実施される任意の工程である。
本添加工程は、吸水性樹脂の物性向上等を目的とする添加剤の添加工程であり、必要に応じて実施される任意の工程である。
なお、当該添加工程は、上記反応工程後、或いは上記冷却工程が設置される場合、冷却工程後若しくは冷却工程と兼用(同一装置で冷却と同時に添加剤を添加)することができる。また、冷却工程が設置されない場合、添加剤の添加装置としては特に限定されないが、好ましくは攪拌装置又は流動装置が挙げられ、当該攪拌装置として、国際公開第2008/141821号に記載の攪拌混合機についても好ましく使用することができる。
(添加剤)
本発明において、得られる吸水性樹脂に対して、種々の付加機能を付与させるため、以下の各種添加剤を添加することが好ましく、当該添加剤を溶解又は分散させた水性液状態で添加することがより好ましい。
本発明において、得られる吸水性樹脂に対して、種々の付加機能を付与させるため、以下の各種添加剤を添加することが好ましく、当該添加剤を溶解又は分散させた水性液状態で添加することがより好ましい。
上記添加剤としては、特に限定されないが、例えば、消臭剤、抗菌剤、着色防止剤、キレート剤、無機の一価塩又は多価塩、酸性化合物、還元剤、アルカリ性化合物、界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも、水溶性添加剤が好ましく、キレート剤、無機還元剤、多価金属塩、消臭剤から選ばれる水溶性添加剤がより好ましい。これらの添加剤の中から、目的に応じて1種又は2種以上が選択される。
具体的には、得られる吸水性樹脂の着色防止や劣化防止(耐尿性)の観点から、キレート剤の添加が好ましい。当該キレート剤としては、例えば、国際公開第2011/040530号の「〔2〕キレート剤」に開示された各種のキレート剤及びその使用量が、本発明にも適用される。中でも、水溶性非高分子のアミノ多価カルボン酸又はアミノ多価リン酸及びその塩(特に一価塩)が好ましい。
また、得られる吸水性樹脂の着色防止や劣化防止、残存モノマー低減の観点から、無機還元剤の添加が好ましい。当該無機還元剤としては、例えば、国際公開第2011/040530号の「〔3〕無機還元剤」に開示された各種の無機還元剤及びその使用量が、本発明にも適用される。中でも、水溶性リン系還元剤又はイオウ系還元剤が好ましく、亜硫酸水素ナトリウム(SBS)等の亜硫酸塩がより好ましい。
更に、得られる吸水性樹脂の吸水速度(Vortex)の向上や通液性(SFC)向上、吸湿時の流動性の観点から、無機塩、特に多価金属塩及び/又はカチオン性ポリマーの添加が好ましい。当該多価金属塩及び/又はカチオン性ポリマーとしては、例えば、国際公開第2011/040530号の「〔6〕多価金属塩及び/又はカチオン性ポリマー」に開示された各種の多価金属塩及び/又はカチオン性ポリマー、及びそれらの使用量が、本発明にも適用される。中でも、アルミニウムの無機塩が好ましい。
また、上記消臭剤としては、特に限定されないが、合成又は天然の消臭剤が挙げられる。具体的には、国際公開第2003/104349号に開示された植物成分由来の消臭剤が好ましく使用される。更に具体的には、タンニン等のポリフェノール類が挙げられる。
上記添加剤を水性液状態で使用する際、その濃度は、総量として、好ましくは0.01〜50重量%、より好ましくは0.1〜40重量%、更に好ましくは1〜30重量%である。また、吸水性樹脂に対する添加量についても、目的等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、総量として、好ましくは1ppm〜10重量%、より好ましくは10ppm〜1重量%、更に好ましくは20ppm〜0.5重量%である。
(2−7)添加後の工程(整粒工程等)
水性液の添加後に別途、水分調整や粉体流動性の向上のため、部分的に乾燥又は加熱する硬化工程を設けてもよい。該硬化工程は乾燥(含水率の低下)することを必ずしも必要とせず、加熱処理が行われれば良い。その結果、添加した水分が吸水性樹脂内部に浸透して粉体流動性を向上させることができるため、製品充填工程を含むその後の製造工程での取扱い性や貯蔵後の製品安定性の向上効果を得ることができる。
水性液の添加後に別途、水分調整や粉体流動性の向上のため、部分的に乾燥又は加熱する硬化工程を設けてもよい。該硬化工程は乾燥(含水率の低下)することを必ずしも必要とせず、加熱処理が行われれば良い。その結果、添加した水分が吸水性樹脂内部に浸透して粉体流動性を向上させることができるため、製品充填工程を含むその後の製造工程での取扱い性や貯蔵後の製品安定性の向上効果を得ることができる。
なお、本発明では、水性液を反応工程中及び/又は反応工程以降の工程において添加することによって、水分が吸水性樹脂内部に浸透して粉体流動性を有するため、硬化工程を必要とせず、結果、プロセスの簡略化やプロセスダメージによる物性低下を抑えることができる。なお、上記粉体流動性として、ERT450.2−02で規定されるFlow Rateが、好ましくは3(g/s)以上、より好ましくは5(g/s)以上、更に好ましくは7(g/s)以上である。
また、表面架橋後や水性液添加後に凝集物の発生や粒度変化が見られることもあるため、分級工程及び任意に凝集物の解砕工程(あわせて整粒工程と呼ぶ)を設けてもよい。好ましくは整粒工程が設けられ、更に好ましくは、分級工程で凝集物(粗大粒子)又は微粉が除去される。分級工程で除去された凝集物又は微粉(特に150μm未満の粒子)は廃棄してもよく、凝集物の解砕(凝集物をほぐす操作)又は微粉リサイクルをしてもよい。
(2−8)その他の工程
上述した工程以外に、蒸発モノマーのリサイクル工程、造粒工程、微粉リサイクル工程等を、必要に応じて設けることができる。
上述した工程以外に、蒸発モノマーのリサイクル工程、造粒工程、微粉リサイクル工程等を、必要に応じて設けることができる。
更に、経時色調安定性効果やゲル劣化防止効果等のため、酸化剤、キレート剤、酸化防止剤、水、多価金属化合物、シリカや金属石鹸等の水不溶性無機又は有機粉末、消臭剤、抗菌剤、高分子ポリアミン、パルプや熱可塑性繊維等を、吸水性樹脂100重量部に対して、好ましくは0〜3重量部、より好ましくは0〜1重量部、添加する工程を設けてもよい。
〔3〕ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の物性
本発明に係る製造方法で得られるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂は、衛生用物品、特に紙オムツへの使用を目的とする場合、下記(3−1)〜(3−5)の少なくとも1つ、より好ましくは加圧下吸水倍率(AAP)を含めた2つ以上、更に好ましくは3つ以上の物性を所望する範囲に制御することが望ましい。
本発明に係る製造方法で得られるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂は、衛生用物品、特に紙オムツへの使用を目的とする場合、下記(3−1)〜(3−5)の少なくとも1つ、より好ましくは加圧下吸水倍率(AAP)を含めた2つ以上、更に好ましくは3つ以上の物性を所望する範囲に制御することが望ましい。
なお、制御される物性は、下記(3−1)〜(3−5)以外に、FSC(自由膨潤倍率)、PSD(粒度分布)、pH、Flow Rate(流下速度)、Density(嵩比重)、Respirable Particles(呼吸域粉塵)、Dust(粉塵)等が挙げられる。
本発明は、これらの物性を高度に制御する製造方法に好ましく適用されるが、下記に示した範囲を満たさない場合、本発明の効果が不十分であったり、紙オムツ1枚当たりの吸水性樹脂使用量が多い高濃度オムツにおいて、十分な性能を発揮しなかったりすることがある。
また、制御される物性やその測定方法は適宜決定されるが、上述したEDANAに開示される測定方法を本発明のポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の製造に適用することができる。
(3−1)無加圧下吸水倍率(CRC)
本発明のポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の無加圧下吸水倍率(CRC)は、好ましくは10(g/g)以上、より好ましくは20(g/g)以上、更に好ましくは25(g/g)以上、特に好ましくは27(g/g)以上である。なお、無加圧下吸水倍率(CRC)は値が大きいほど好ましく、上限値は特に限定されない。しかしながら、他の物性とのバランスの観点から、好ましくは50(g/g)以下、より好ましくは40(g/g)以下、更に好ましくは38(g/g)以下である。
本発明のポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の無加圧下吸水倍率(CRC)は、好ましくは10(g/g)以上、より好ましくは20(g/g)以上、更に好ましくは25(g/g)以上、特に好ましくは27(g/g)以上である。なお、無加圧下吸水倍率(CRC)は値が大きいほど好ましく、上限値は特に限定されない。しかしながら、他の物性とのバランスの観点から、好ましくは50(g/g)以下、より好ましくは40(g/g)以下、更に好ましくは38(g/g)以下である。
(3−2)加圧下吸水倍率(AAP)
本発明のポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の加圧下吸水倍率(AAP)(荷重2.06kPa)は、紙オムツでの漏れ防止の観点から、好ましくは20(g/g)以上、より好ましくは22(g/g)以上、更に好ましくは23(g/g)以上、特に好ましくは25(g/g)以上、最も好ましくは28(g/g)以上である。なお、加圧下吸水倍率(AAP)は値が大きいほど好ましく、上限値は特に限定されない。しかしながら、他の物性とのバランスの観点から、好ましくは40(g/g)以下、より好ましくは35(g/g)以下である。
本発明のポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の加圧下吸水倍率(AAP)(荷重2.06kPa)は、紙オムツでの漏れ防止の観点から、好ましくは20(g/g)以上、より好ましくは22(g/g)以上、更に好ましくは23(g/g)以上、特に好ましくは25(g/g)以上、最も好ましくは28(g/g)以上である。なお、加圧下吸水倍率(AAP)は値が大きいほど好ましく、上限値は特に限定されない。しかしながら、他の物性とのバランスの観点から、好ましくは40(g/g)以下、より好ましくは35(g/g)以下である。
(3−3)含水率
本発明のポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の含水率は、好ましくは6〜20重量%、より好ましくは6〜18重量%、更に好ましくは6〜15重量%である。当該含水率を上記範囲とすることで、微粉の発生量が少なく、耐衝撃性に優れた吸水性樹脂を得ることができる。更に、生産性を向上させることもできる。
本発明のポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の含水率は、好ましくは6〜20重量%、より好ましくは6〜18重量%、更に好ましくは6〜15重量%である。当該含水率を上記範囲とすることで、微粉の発生量が少なく、耐衝撃性に優れた吸水性樹脂を得ることができる。更に、生産性を向上させることもできる。
(3−4)水可溶分(Ext)
本発明のポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の水可溶分(Ext)は、好ましくは35重量%以下、より好ましくは25重量%以下、更に好ましくは15重量%以下、特に好ましくは10重量%以下である。水可溶分(Ext)は、前記の重合条件(架橋剤量等)や乾燥条件(乾燥温度)等で制御することができる。
本発明のポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の水可溶分(Ext)は、好ましくは35重量%以下、より好ましくは25重量%以下、更に好ましくは15重量%以下、特に好ましくは10重量%以下である。水可溶分(Ext)は、前記の重合条件(架橋剤量等)や乾燥条件(乾燥温度)等で制御することができる。
(3−5)粉化率(Dusting Rate)
本発明のポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の粉化率(Dusting Rate)は、好ましくは0〜2.0重量%、より好ましくは0〜1.5重量%、更に好ましくは0〜1.0重量%である。粉化率が2.0重量%を超える場合、本発明の吸水性樹脂の製造工程や輸送工程において粉塵が発生し、その影響によって作業環境が悪化する虞がある。
本発明のポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の粉化率(Dusting Rate)は、好ましくは0〜2.0重量%、より好ましくは0〜1.5重量%、更に好ましくは0〜1.0重量%である。粉化率が2.0重量%を超える場合、本発明の吸水性樹脂の製造工程や輸送工程において粉塵が発生し、その影響によって作業環境が悪化する虞がある。
〔4〕ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の用途
本発明のポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂は、特に限定されないが、好ましくは、紙オムツ、生理用ナプキン、失禁パット等の吸収性物品に用いられる吸収体として、使用される。特に、原料由来の臭気や着色等が問題となっていた高濃度紙オムツに使用した場合、更には吸収性物品中の吸収体上層部に使用した場合に優れた性能が発揮される。
本発明のポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂は、特に限定されないが、好ましくは、紙オムツ、生理用ナプキン、失禁パット等の吸収性物品に用いられる吸収体として、使用される。特に、原料由来の臭気や着色等が問題となっていた高濃度紙オムツに使用した場合、更には吸収性物品中の吸収体上層部に使用した場合に優れた性能が発揮される。
また、上記吸収体は、任意成分としてパルプ繊維等の吸収性材料を含む場合もあるが、この場合、吸水性樹脂の含有量(コア濃度)としては、好ましくは30〜100重量%、より好ましくは40〜100重量%、更に好ましくは50〜100重量%、更により好ましくは60〜100重量%、特に好ましくは70〜100重量%、最も好ましくは75〜95重量である。
以下、実施例において本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの説明に限定解釈されるものではなく、各実施例に開示された技術的手段を適宜組み合わせたものも、本発明の範囲に含まれるものとする。
特に注釈のない限り、実施例等で使用する電気機器(物性測定用の機器も含む)は、200V又は100Vの電源を使用し、また、室温(20〜25℃)、相対湿度50%RHの条件下で吸水性樹脂の物性を測定した。なお、便宜上、「リットル」を「l」又は「L」、「重量%」を「wt%」と記載することがある。
[吸水性樹脂の物性測定]
(a)含水率
本発明に係る製造方法で得られる吸水性樹脂(中間体である混合物等も含む)の含水率は、ERT430.2−02に従って測定される。なお、本発明では、試料量を1.0g、乾燥温度を180℃にそれぞれ変更した。
(a)含水率
本発明に係る製造方法で得られる吸水性樹脂(中間体である混合物等も含む)の含水率は、ERT430.2−02に従って測定される。なお、本発明では、試料量を1.0g、乾燥温度を180℃にそれぞれ変更した。
(b)無加圧下吸水倍率(CRC)
本発明に係る製造方法で得られる吸水性樹脂の無加圧下吸水倍率(CRC)は、ERT441.2−02に従って測定される。
本発明に係る製造方法で得られる吸水性樹脂の無加圧下吸水倍率(CRC)は、ERT441.2−02に従って測定される。
(c)加圧下吸水倍率(AAP)
本発明に係る製造方法で得られる吸水性樹脂の加圧下吸水倍率(AAP)は、ERT442.2−02に従って測定される。
本発明に係る製造方法で得られる吸水性樹脂の加圧下吸水倍率(AAP)は、ERT442.2−02に従って測定される。
(d)粉化率(Dusting Rate)
本発明に係る製造方法で得られる吸水性樹脂の粉化率(Dusting Rate)は、以下のダメージテスト(ペイントシェーカー(PS)試験)により測定される。
本発明に係る製造方法で得られる吸水性樹脂の粉化率(Dusting Rate)は、以下のダメージテスト(ペイントシェーカー(PS)試験)により測定される。
即ち、直径6cm、高さ11cmのガラス製容器に、吸水性樹脂30gと直径6mmのガラスビーズ10gとを入れ、ペイントシェーカー(No.488/東洋製機製作所製)に設置した。次いで、800(cycle/min)(CPM)でペイントシェーカーを振とうさせ、60分間経過後、停止させた。その後、目開き2mmのJIS標準篩を用いて、吸水性樹脂とガラスビーズを分離した。なお、特開平9−235378号公報にペイントシェーカーの詳細が記載されている。
粉化率は、次式に従って算出される。
粉化率(重量%)=(PS後の150μm以下の粒子径成分量)−(PS前の150μm以下の粒子径成分量)
[製造例1]
アクリル酸、48.5重量%の水酸化ナトリウム水溶液、イオン交換水、内部架橋剤としてポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシド単位数;平均9)及びキレート剤としてエチレンジアミン5酢酸・3ナトリウムを含む単量体水溶液(a)を作成した。当該単量体水溶液(a)は、単量体濃度が43重量%、中和率が75モル%であった。また、上記内部架橋剤及びキレート剤の使用量は、単量体に対して、それぞれ0.02モル%、100ppmであった。
[製造例1]
アクリル酸、48.5重量%の水酸化ナトリウム水溶液、イオン交換水、内部架橋剤としてポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシド単位数;平均9)及びキレート剤としてエチレンジアミン5酢酸・3ナトリウムを含む単量体水溶液(a)を作成した。当該単量体水溶液(a)は、単量体濃度が43重量%、中和率が75モル%であった。また、上記内部架橋剤及びキレート剤の使用量は、単量体に対して、それぞれ0.02モル%、100ppmであった。
次に、上記単量体水溶液(a)を加熱し、液温が95℃となった時点で、重合開始剤として過硫酸ナトリウムを単量体に対して0.05モル%を添加、混合した。次いで、連続ベルト式重合機に連続供給した。供給後、約30秒間経過後に重合が開始し、シート状の含水ゲル状架橋重合体(a)を得た。
上記操作で得られたシート状の含水ゲル状架橋重合体(a)は、ミートチョッパーを用いてゲル粉砕し、粒子状の含水ゲル状架橋重合体(a)とした。その後、バンド乾燥機の多孔板上に薄く広げて載せ、180℃で40分間、熱風乾燥して、ブロック状の乾燥重合体(a)を得た。次いで、当該乾燥重合体(a)を連続的にロールミルに供給して粉砕し、その後、目開き850μm及び150μmのJIS標準篩を有する篩い分け装置を用いて連続的に分級した。
上記一連の操作により、粒子径が150μm以上、850μm未満である粒子の含有量が90重量%以上である吸水性樹脂粉末(A)を得た。得られた吸水性樹脂粉末(A)は、受領平均粒子径(D50)が380μm、無加圧下吸水倍率(CRC)が51(g/g)、含水率が5.1重量%であった。
[実施例1]
上記製造例1で得られた吸水性樹脂粉末(A)を処理量50(kg/hr)で、高速攪拌型混合機(タービュライザー/ホソカワミクロン(株)製)に連続供給した。その後、予め作成しておいた表面架橋剤溶液(1)を当該混合機中に添加、混合し、湿潤された混合物(1)を得た。なお、当該表面架橋剤溶液(1)は、吸水性樹脂粉末(A)100重量部に対して、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.015重量部、プロピレングリコール1.0重量部及びイオン交換水3.0重量部を混合したものを用いた。
上記製造例1で得られた吸水性樹脂粉末(A)を処理量50(kg/hr)で、高速攪拌型混合機(タービュライザー/ホソカワミクロン(株)製)に連続供給した。その後、予め作成しておいた表面架橋剤溶液(1)を当該混合機中に添加、混合し、湿潤された混合物(1)を得た。なお、当該表面架橋剤溶液(1)は、吸水性樹脂粉末(A)100重量部に対して、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.015重量部、プロピレングリコール1.0重量部及びイオン交換水3.0重量部を混合したものを用いた。
上記操作で得られた混合物(1)を、雰囲気温度130℃、雰囲気露点80℃(相対湿度18%RH)に調温調湿したパドル式間接加熱反応機(パドルドライヤー/奈良機械製作所製)に連続供給し、表面架橋反応を行った。なお、当該パドルドライヤーの内壁面(パドル及びジャケット)は120℃の熱媒で加熱し、天板も0.2MPaの蒸気(約120℃)で保温した。当該表面架橋反応における加熱処理時間は42分間であり、パドルドライヤーから排出された直後の吸水性樹脂粒子(1)の温度は101℃であった。
続いて、上記パドルドライヤーから排出された吸水性樹脂粒子(1)を、目開き850μmのJIS標準篩に通過させて整粒し、吸水性樹脂(1)とした。得られた吸水性樹脂(1)の含水率は7.9重量%であった。その他の物性は表1に示した。
[実施例2]
上記実施例1において、パドルドライヤー内の雰囲気温度を109℃、雰囲気露点を65℃(相対湿度18%RH)にそれぞれ調整した以外は、実施例1と同様の操作を行って吸水性樹脂(2)を得た。得られた吸水性樹脂(2)の含水率は6.8重量%であった。その他の物性は表1に示した。
上記実施例1において、パドルドライヤー内の雰囲気温度を109℃、雰囲気露点を65℃(相対湿度18%RH)にそれぞれ調整した以外は、実施例1と同様の操作を行って吸水性樹脂(2)を得た。得られた吸水性樹脂(2)の含水率は6.8重量%であった。その他の物性は表1に示した。
なお、パドルドライヤーから排出された直後の吸水性樹脂粒子(2)の温度は101℃であった。
[比較例1]
上記実施例1において、パドルドライヤー内の雰囲気温度を83℃、雰囲気露点を45℃(相対湿度18%RH)にそれぞれ調整した以外は、実施例1と同様の操作を行って比較吸水性樹脂(1)を得た。得られた比較吸水性樹脂(1)の含水率は4.9重量%であった。その他の物性は表1に示した。
上記実施例1において、パドルドライヤー内の雰囲気温度を83℃、雰囲気露点を45℃(相対湿度18%RH)にそれぞれ調整した以外は、実施例1と同様の操作を行って比較吸水性樹脂(1)を得た。得られた比較吸水性樹脂(1)の含水率は4.9重量%であった。その他の物性は表1に示した。
なお、パドルドライヤーから排出された直後の比較吸水性樹脂粒子(1)の温度は100℃であった。
[比較例2]
上記実施例1において、熱媒の温度を220℃に調整した以外は、実施例1と同様の操作を行って比較吸水性樹脂(2)を得た。得られた比較吸水性樹脂(2)の含水率は1.2重量%であった。その他の物性は表1に示した。
上記実施例1において、熱媒の温度を220℃に調整した以外は、実施例1と同様の操作を行って比較吸水性樹脂(2)を得た。得られた比較吸水性樹脂(2)の含水率は1.2重量%であった。その他の物性は表1に示した。
なお、パドルドライヤーから排出された直後の比較吸水性樹脂粒子(2)の温度は195℃であった。
[実施例3]
上記製造例1で得られた吸水性樹脂粉末(A)を処理量100(kg/hr)で、高速攪拌型混合機(タービュライザー/ホソカワミクロン(株)製)に連続供給した。その後、予め作成しておいた表面架橋剤溶液(3)を当該混合機中に添加、混合し、湿潤された混合物(3)を得た。なお、当該表面架橋剤溶液(3)は、吸水性樹脂粉末(A)100重量部に対して、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.03重量部、プロピレングリコール1.0重量部及びイオン交換水4.0重量部を混合したものを用いた。
上記製造例1で得られた吸水性樹脂粉末(A)を処理量100(kg/hr)で、高速攪拌型混合機(タービュライザー/ホソカワミクロン(株)製)に連続供給した。その後、予め作成しておいた表面架橋剤溶液(3)を当該混合機中に添加、混合し、湿潤された混合物(3)を得た。なお、当該表面架橋剤溶液(3)は、吸水性樹脂粉末(A)100重量部に対して、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.03重量部、プロピレングリコール1.0重量部及びイオン交換水4.0重量部を混合したものを用いた。
上記操作で得られた混合物(3)を、雰囲気温度145℃、雰囲気露点95℃(相対湿度20%RH)に調温調湿したパドル式間接加熱反応機(パドルドライヤー/奈良機械製作所製)に連続供給し、表面架橋反応を行った。なお、当該パドルドライヤーの内壁面(パドル及びジャケット)は145℃の熱媒で加熱し、天板も0.2MPaの蒸気(約120℃)で保温した。当該表面架橋反応における加熱処理時間は21分間であり、パドルドライヤーから排出された直後の吸水性樹脂粒子(3)の温度は119℃であった。
続いて、上記パドルドライヤーから排出された吸水性樹脂粒子(3)を、目開き850μmのJIS標準篩に通過させて整粒し、吸水性樹脂(3)とした。得られた吸水性樹脂(3)の含水率は8.5重量%であった。その他の物性は表1に示した。
[比較例3]
上記実施例3において、パドルドライヤー内の雰囲気温度を80℃、雰囲気露点を55℃(相対湿度33%RH)にそれぞれ調整した以外は、実施例3と同様の操作を行って比較吸水性樹脂(3)を得た。得られた比較吸水性樹脂(3)の含水率は4.7重量%であった。その他の物性は表1に示した。
上記実施例3において、パドルドライヤー内の雰囲気温度を80℃、雰囲気露点を55℃(相対湿度33%RH)にそれぞれ調整した以外は、実施例3と同様の操作を行って比較吸水性樹脂(3)を得た。得られた比較吸水性樹脂(3)の含水率は4.7重量%であった。その他の物性は表1に示した。
なお、パドルドライヤーから排出された直後の比較吸水性樹脂粒子(3)の温度は118℃であった。
[実施例4]
上記製造例1で得られた吸水性樹脂粉末(A)を処理量40(kg/hr)で、高速攪拌型混合機(タービュライザー/ホソカワミクロン(株)製)に連続供給した。その後、予め作成しておいた表面架橋剤溶液(4)を当該混合機中に添加、混合し、湿潤された混合物(4)を得た。なお、当該表面架橋剤溶液(4)は、吸水性樹脂粉末(A)100重量部に対して、グリセロールポリグリシジルエーテル0.03重量部、プロピレングリコール1.0重量部及びイオン交換水4.0重量部を混合したものを用いた。
上記製造例1で得られた吸水性樹脂粉末(A)を処理量40(kg/hr)で、高速攪拌型混合機(タービュライザー/ホソカワミクロン(株)製)に連続供給した。その後、予め作成しておいた表面架橋剤溶液(4)を当該混合機中に添加、混合し、湿潤された混合物(4)を得た。なお、当該表面架橋剤溶液(4)は、吸水性樹脂粉末(A)100重量部に対して、グリセロールポリグリシジルエーテル0.03重量部、プロピレングリコール1.0重量部及びイオン交換水4.0重量部を混合したものを用いた。
上記操作で得られた混合物(4)を、雰囲気温度135℃、雰囲気露点85℃(相対湿度18%RH)に調温調湿したパドル式間接加熱反応機(パドルドライヤー/奈良機械製作所製)に連続供給し、表面架橋反応を行った。なお、当該パドルドライヤーの内壁面(パドル及びジャケット)は125℃の熱媒で加熱し、天板も0.2MPaの蒸気(約120℃)で保温した。当該表面架橋反応における加熱処理時間は53分間であり、パドルドライヤーから排出された直後の吸水性樹脂粒子(4)の温度は111℃であった。
続いて、上記パドルドライヤーから排出された吸水性樹脂粒子(4)を、目開き850μmのJIS標準篩に通過させて整粒し、吸水性樹脂(4)とした。得られた吸水性樹脂(4)の含水率は7.5重量%であった。その他の物性は表1に示した。
[比較例4]
上記実施例4において、パドルドライヤー内の雰囲気露点を35℃(相対湿度2%RH)に調整した以外は、実施例4と同様の操作を行って比較吸水性樹脂(4)を得た。得られた比較吸水性樹脂(4)の含水率は2.8重量%であった。その他の物性は表1に示した。
上記実施例4において、パドルドライヤー内の雰囲気露点を35℃(相対湿度2%RH)に調整した以外は、実施例4と同様の操作を行って比較吸水性樹脂(4)を得た。得られた比較吸水性樹脂(4)の含水率は2.8重量%であった。その他の物性は表1に示した。
なお、パドルドライヤーから排出された直後の比較吸水性樹脂粒子(4)の温度は110℃であった。
[実施例5]
上記実施例1で得られた吸水性樹脂(1)に対して、更にアエロジル200(日本アエロジル(株)製)を添加、混合することで、吸水性樹脂(5)を得た。得られた吸水性樹脂(5)の含水率は7.9重量%であった。その他の物性は表1に示した。
上記実施例1で得られた吸水性樹脂(1)に対して、更にアエロジル200(日本アエロジル(株)製)を添加、混合することで、吸水性樹脂(5)を得た。得られた吸水性樹脂(5)の含水率は7.9重量%であった。その他の物性は表1に示した。
なお、上記アエロジル200は、吸水性樹脂(1)100重量部に対して、0.5重量部を用いた。また、上記混合は、レディゲミキサー(GmbH社製)を使用して5分間、実施した。
[比較例5]
上記比較例1で得られた比較吸水性樹脂(1)に対して、更にアエロジル200(日本アエロジル(株)製)を添加、混合することで、比較吸水性樹脂(5)を得た。得られた比較吸水性樹脂(5)の含水率は4.9重量%であった。その他の物性は表1に示した。
上記比較例1で得られた比較吸水性樹脂(1)に対して、更にアエロジル200(日本アエロジル(株)製)を添加、混合することで、比較吸水性樹脂(5)を得た。得られた比較吸水性樹脂(5)の含水率は4.9重量%であった。その他の物性は表1に示した。
なお、上記アエロジル200は、比較吸水性樹脂(1)100重量部に対して、0.5重量部を用いた。また、上記混合は、レディゲミキサー(GmbH社製)を使用して5分間、実施した。
[実施例6]
上記実施例1で得られた吸水性樹脂(1)に対して、更に硫酸アルミニウム水溶液を添加、混合し、その後、乾燥、整粒することで、吸水性樹脂(6)を得た。得られた吸水性樹脂(6)の含水率は8.0重量%であった。その他の物性は表1に示した。
上記実施例1で得られた吸水性樹脂(1)に対して、更に硫酸アルミニウム水溶液を添加、混合し、その後、乾燥、整粒することで、吸水性樹脂(6)を得た。得られた吸水性樹脂(6)の含水率は8.0重量%であった。その他の物性は表1に示した。
なお、上記硫酸アルミニウム水溶液は、27重量%の硫酸アルミニウム水溶液(酸化アルミニウム換算で8重量%)、60重量%の乳酸ナトリウム水溶液及び1,2−プロピレングリコールの混合比率(重量比)が1.0:0.3:0.025であり、また、吸水性樹脂(1)100重量部に対して2.5重量部を添加した。
また、上記乾燥は、無風状態で60℃、1時間で行い、上記整粒は目開き850μmのJIS標準篩を使用した。
[比較例6]
上記比較例1で得られた比較吸水性樹脂(1)に対して、更に硫酸アルミニウム水溶液を添加、混合し、その後、乾燥、整粒することで、比較吸水性樹脂(6)を得た。得られた比較吸水性樹脂(6)の含水率は5.1重量%であった。その他の物性は表1に示した。
上記比較例1で得られた比較吸水性樹脂(1)に対して、更に硫酸アルミニウム水溶液を添加、混合し、その後、乾燥、整粒することで、比較吸水性樹脂(6)を得た。得られた比較吸水性樹脂(6)の含水率は5.1重量%であった。その他の物性は表1に示した。
なお、上記硫酸アルミニウム水溶液は、27重量%の硫酸アルミニウム水溶液(酸化アルミニウム換算で8重量%)、60重量%の乳酸ナトリウム水溶液及び1,2−プロピレングリコールの混合比率(重量比)が1.0:0.3:0.025であり、また、比較吸水性樹脂(1)100重量部に対して2.5重量部を添加した。
また、上記乾燥は、無風状態で60℃、1時間で行い、上記整粒は目開き850μmのJIS標準篩を使用した。
[製造例2]
アクリル酸ナトリウム水溶液、アクリル酸、イオン交換水及び内部架橋剤としてポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシド単位数;平均9)を、シグマ型ブレードを2本有するニーダー型反応機に投入し、単量体水溶液(b)を作成した。当該単量体水溶液(b)は、単量体濃度が38重量%、中和率が75モル%であった。また、上記内部架橋剤の使用量は、単量体に対して、0.05モル%であった。
アクリル酸ナトリウム水溶液、アクリル酸、イオン交換水及び内部架橋剤としてポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシド単位数;平均9)を、シグマ型ブレードを2本有するニーダー型反応機に投入し、単量体水溶液(b)を作成した。当該単量体水溶液(b)は、単量体濃度が38重量%、中和率が75モル%であった。また、上記内部架橋剤の使用量は、単量体に対して、0.05モル%であった。
次に、上記単量体水溶液(b)に窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を低減させると共に、反応機内全体を窒素置換した。その後、2本のシグマ型ブレードを回転させながら、重合開始剤として過硫酸ナトリウム及びL−アスコルビン酸をそれぞれ0.05モル%、0.0003モル%となるように添加した。添加後、当該ニーダー型反応機内で攪拌重合が開始し、約40分間経過後、平均粒径が約2mmの粒子状含水ゲル状架橋重合体(b)が得られた。
上記操作で得られた粒子状の含水ゲル状架橋重合体(b)は、バンド乾燥機の多孔板上に薄く広げて載せ、180℃で40分間、熱風乾燥し、ブロック状の乾燥重合体(b)を得た。次いで、当該乾燥重合体(b)を連続的にロールミルに供給して粉砕した後に、目開き710μm及び150μmのJIS標準篩を有する篩い分け装置を用いて連続的に分級した。
上記一連の操作により、粒子径が150μm以上、710μm未満である粒子の含有量が90重量%以上である吸水性樹脂粉末(B)を得た。得られた吸水性樹脂粉末(B)は、受領平均粒子径(D50)が350μm、無加圧下吸水倍率(CRC)が44(g/g)、含水率が4.0重量%であった。
[実施例7]
上記実施例1で使用した吸水性樹脂粉末(A)を、製造例2で得られた吸水性樹脂粉末(B)に変更した以外は、実施例1と同じ操作を行って吸水性樹脂(7)を得た。得られた吸水性樹脂(7)の含水率は7.5重量%であった。その他の物性は表1に示した。
上記実施例1で使用した吸水性樹脂粉末(A)を、製造例2で得られた吸水性樹脂粉末(B)に変更した以外は、実施例1と同じ操作を行って吸水性樹脂(7)を得た。得られた吸水性樹脂(7)の含水率は7.5重量%であった。その他の物性は表1に示した。
なお、当該表面架橋処理における加熱処理時間は42分間であり、パドルドライヤーから排出された直後の吸水性樹脂粒子(7)の温度は101℃であった。
[実施例8]
上記実施例2で使用した吸水性樹脂粉末(A)を、製造例2で得られた吸水性樹脂粉末(B)に変更した以外は、実施例2と同じ操作を行って吸水性樹脂(8)を得た。得られた吸水性樹脂(8)の含水率は6.3重量%であった。その他の物性は表1に示した。
上記実施例2で使用した吸水性樹脂粉末(A)を、製造例2で得られた吸水性樹脂粉末(B)に変更した以外は、実施例2と同じ操作を行って吸水性樹脂(8)を得た。得られた吸水性樹脂(8)の含水率は6.3重量%であった。その他の物性は表1に示した。
なお、当該表面架橋処理における加熱処理時間は42分間であり、パドルドライヤーから排出された直後の吸水性樹脂粒子(8)の温度は101℃であった。
[比較例7]
上記比較例1で使用した吸水性樹脂粉末(A)を、製造例2で得られた吸水性樹脂粉末(B)に変更した以外は、比較例1と同じ操作を行って比較吸水性樹脂(7)を得た。得られた比較吸水性樹脂(7)の含水率は4.3重量%であった。その他の物性は表1に示した。
上記比較例1で使用した吸水性樹脂粉末(A)を、製造例2で得られた吸水性樹脂粉末(B)に変更した以外は、比較例1と同じ操作を行って比較吸水性樹脂(7)を得た。得られた比較吸水性樹脂(7)の含水率は4.3重量%であった。その他の物性は表1に示した。
なお、当該表面架橋処理における加熱処理時間は42分間であり、パドルドライヤーから排出された直後の比較吸水性樹脂粒子(7)の温度は100℃であった。
[実施例9]
上記製造例2で得られた吸水性樹脂粉末(B)を処理量70(kg/hr)で、高速攪拌型混合機(タービュライザー/ホソカワミクロン(株)製)に連続供給した。その後、予め作成しておいた表面架橋剤溶液(9)を当該混合機中に添加、混合し、湿潤された混合物(9)を得た。なお、当該表面架橋剤溶液(9)は、吸水性樹脂粉末(B)100重量部に対して、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.02重量部、イソプロピルアルコール2.0重量部及びイオン交換水4.0重量部を混合したものを用いた。
上記製造例2で得られた吸水性樹脂粉末(B)を処理量70(kg/hr)で、高速攪拌型混合機(タービュライザー/ホソカワミクロン(株)製)に連続供給した。その後、予め作成しておいた表面架橋剤溶液(9)を当該混合機中に添加、混合し、湿潤された混合物(9)を得た。なお、当該表面架橋剤溶液(9)は、吸水性樹脂粉末(B)100重量部に対して、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.02重量部、イソプロピルアルコール2.0重量部及びイオン交換水4.0重量部を混合したものを用いた。
上記操作で得られた混合物(9)を、雰囲気温度125℃、雰囲気露点90℃(相対湿度30%RH)に調温調湿したパドル式間接加熱反応機(パドルドライヤー/奈良機械製作所製)に連続供給し、表面架橋反応を行った。なお、当該パドルドライヤーの内壁面(パドル及びジャケット)は125℃の熱媒で加熱し、天板も0.2MPaの蒸気(約120℃)で保温した。当該表面架橋反応における加熱処理時間は30分間であり、パドルドライヤーから排出された直後の吸水性樹脂粒子(9)の温度は105℃であった。
続いて、上記パドルドライヤーから排出された吸水性樹脂粒子(9)を、目開き850μmのJIS標準篩に通過させて整粒し、吸水性樹脂(9)とした。得られた吸水性樹脂(9)の含水率は8.5重量%であった。その他の物性は表1に示した。
[実施例10]
上記実施例9において、パドルドライヤー内の雰囲気温度を105℃、雰囲気露点を75℃(相対湿度32%RH)にそれぞれ調整し、更に熱媒温度を110℃に調整した以外は、実施例9と同様の操作を行って吸水性樹脂(10)を得た。得られた吸水性樹脂(10)の含水率は7.9重量%であった。その他の物性は表1に示した。
上記実施例9において、パドルドライヤー内の雰囲気温度を105℃、雰囲気露点を75℃(相対湿度32%RH)にそれぞれ調整し、更に熱媒温度を110℃に調整した以外は、実施例9と同様の操作を行って吸水性樹脂(10)を得た。得られた吸水性樹脂(10)の含水率は7.9重量%であった。その他の物性は表1に示した。
なお、パドルドライヤーから排出された直後の吸水性樹脂粒子(10)の温度は95℃であった。
[比較例8]
上記実施例9において、パドルドライヤー内の雰囲気温度を70℃、雰囲気露点を45℃(相対湿度31%RH)にそれぞれ調整した以外は、実施例9と同様の操作を行って比較吸水性樹脂(8)を得た。得られた比較吸水性樹脂(8)の含水率は5.0重量%であった。その他の物性は表1に示した。
上記実施例9において、パドルドライヤー内の雰囲気温度を70℃、雰囲気露点を45℃(相対湿度31%RH)にそれぞれ調整した以外は、実施例9と同様の操作を行って比較吸水性樹脂(8)を得た。得られた比較吸水性樹脂(8)の含水率は5.0重量%であった。その他の物性は表1に示した。
なお、パドルドライヤーから排出された直後の比較吸水性樹脂粒子(8)の温度は95℃であった。
[比較例9]
特公平6−55838号公報(以下、「公報イ」と称する)の実施例1を準拠して実験を行った。なお、公報イの実施例1で使用されている粉体Dに代えて、本願製造例2で得られた吸水性樹脂粉末(B)を使用した。
特公平6−55838号公報(以下、「公報イ」と称する)の実施例1を準拠して実験を行った。なお、公報イの実施例1で使用されている粉体Dに代えて、本願製造例2で得られた吸水性樹脂粉末(B)を使用した。
即ち、当該吸水性樹脂粉末(B)を処理量35(kg/hr)で、公報イの実施例1に記載された混合機に連続供給した。その後、予め作成しておいた比較表面架橋剤溶液(9)を当該混合機中に添加、混合し、湿潤された比較混合物(9)を得た。なお、当該比較表面架橋剤溶液(9)は、吸水性樹脂粉末(B)100重量部に対して、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.1重量部及びメタノール1重量部を混合したものを用いた。
上記操作で得られた比較混合物(9)を、雰囲気温度80℃、雰囲気露点65℃(相対湿度53%RH)に調温調湿したパドルドライヤーに連続供給し、表面架橋処理を行った。なお、当該パドルドライヤーの内壁面(パドル及びジャケット)は85℃の熱媒で加熱し、天板は保温なしの状態であった。当該表面架橋処理における加熱処理時間は60分間であり、パドルドライヤーから排出された直後の比較吸水性樹脂粒子(9)の温度は80℃であった。
続いて、上記パドルドライヤーから排出された比較吸水性樹脂粒子(9)を、目開き850μmのJIS標準篩に通過させて整粒し、比較吸水性樹脂(9)とした。当該比較吸水性樹脂(9)中には2mm大の凝集物が多数混入しており、稼働時間の経過と共に、増加する傾向にあった。
生産開始後、6時間経過した時点で、JIS標準篩の通過量が低下したため、運転を停止した。その後、パドルドライヤー内部を点検したところ、天板に吸水性樹脂の付着が認められた。
運転停止するまでに得られた比較吸水性樹脂(9)の含水率は8.0重量%であった。その他の物性は表1に示した。
(まとめ)
実施例1,2と比較例1、実施例3と比較例3、実施例4と比較例4、実施例7,8と比較例7、及び実施例9,10と比較例8の対比から、反応装置内の雰囲気露点が60℃以上で加熱処理することによって、得られる吸水性樹脂の加圧下吸水倍率(AAP)が向上することが分かる。なお、この傾向は添加剤の添加後も同じである(実施例5,6と比較例5,6との対比)。
実施例1,2と比較例1、実施例3と比較例3、実施例4と比較例4、実施例7,8と比較例7、及び実施例9,10と比較例8の対比から、反応装置内の雰囲気露点が60℃以上で加熱処理することによって、得られる吸水性樹脂の加圧下吸水倍率(AAP)が向上することが分かる。なお、この傾向は添加剤の添加後も同じである(実施例5,6と比較例5,6との対比)。
また、反応装置内の雰囲気露点を60℃以上で、かつ吸水性樹脂粒子の温度(粉温)を130℃以下とすると、含水率が高く、粉化率が低い(耐衝撃性に優れる)吸水性樹脂が得られることが分かる。更に、吸水性樹脂の含水率が、雰囲気相対湿度ではなく粉相対湿度との相関性が高く、粉相対湿度15%以上で制御すればよいことが分かる。
高含水率の吸水性樹脂を得るには、従来では高相対湿度の雰囲気環境下で表面架橋反応を行ってきたが、比較例9の結果が示すように、結露トラブルが発生し、生産性の向上は望めなかった。しかしながら、実施例1,3,9及び10に示したように、吸水性樹脂粒子の温度(粉温)を90℃以上とし、反応装置の内壁面の温度を100℃以上に制御することで、同等以上の含水率の吸水性樹脂を安定的に生産できることが分かる。
本発明に係るポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の製造方法は、吸水性樹脂の生産、特に大量生産に適用することができる。また、本発明によって得られるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂は、紙オムツ等の衛生用品の吸収体用途に適している。
Claims (7)
- 表面架橋工程を含む、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の製造方法であって、
上記表面架橋工程の反応工程において、用いられる反応装置の内壁面温度が100〜250℃であり、当該反応装置内部の雰囲気露点が65〜95℃であり、かつ、吸水性樹脂混合物を加熱処理して粉温を90〜130℃とすることを特徴とする、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の製造方法。 - 上記反応装置内部の雰囲気温度が100〜150℃である、請求項1に記載の製造方法。
- 上記表面架橋工程の反応工程において、粉相対湿度が15〜100%である、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 上記表面架橋工程の反応工程において、加熱処理時間が5〜60分間である、請求項1〜3の何れか1項に記載の製造方法。
- 上記表面架橋工程において、エポキシ化合物、ハロエポキシ化合物、オキセタン化合物から選ばれる少なくとも1種を表面架橋剤として用いる、請求項1〜4の何れか1項に記載の製造方法。
- 上記表面架橋剤が水溶液状態で吸水性樹脂粉末に添加され、当該水溶液の水含有量が吸水性樹脂粉末100重量部に対して1〜15重量部である、請求項5に記載の製造方法。
- 上記表面架橋工程後に得られる吸水性樹脂の含水率が6〜15重量%である、請求項1〜6の何れか1項に記載の製造方法。
Applications Claiming Priority (3)
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