JP6005678B2 - 金属錯体色素、光電変換素子、色素増感太陽電池および金属錯体色素を含有する色素溶液 - Google Patents
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Description
一方、最近になって、特定の置換基を有する[4−スチリル−2−(3−トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル]ピリジンと4,4’,4”−トリカルボキシ−ターピリジンを配位子とするRu金属錯体色素が提案されている(特許文献1参照)。
本発明者等は、これに加えて、得られた光電変換素子、色素増感太陽電池の性能が安定しない、すなわち、同じように製造したとしても作製した光電変換素子や色素増感太陽電池で同じ性能が得られない問題があることがわかった。
従って、本発明は、光電変換効率に加え、耐久性が大きく改善され、しかも繰り返し製造してもこれらの性能が安定して維持された光電変換素子、色素増感太陽電池、このような性能を発現する金属錯体色素および金属錯体色素を含有する色素溶液を提供することを課題とする。
(1)導電性支持体、電解質を含む感光体層、電解質を含む電荷移動体層および対極を有する光電変換素子であって、感光体層が、5.0モル%以上の異性体を含む下記式(I)で表される金属錯体色素の1種が担持された半導体微粒子を有する光電変換素子。
式(DL−1)、式(DL−2)において、G1は水素原子または下記式(GII)、式(G1−1)〜(G1−11)もしくは式(G1−1a)〜(G1−8a)のいずれかで表される基を表す。Eは下記式(E−1)〜(E−5)のいずれかで表される基を表す。
式(G1−1)〜(G1−11)、(G1−1a)〜(G1−8a)において、Xは酸素原子、硫黄原子またはNRfを表し、Xaは硫黄原子を表し、Yは酸素原子を表す。ここで、Rfは水素原子または炭素数1のアルキル基を表す。na、nbおよびncは1を表す。nbbは、Xが硫黄原子の場合、1または2を表し、Xが酸素原子およびNRfの場合、1を表す。maは0を表す。Ra、Rb、RdおよびReは各々独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基または炭素数1〜3のアルキルチオ基を表す。Ra’はアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基またはアミノ基を表す。Rcは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数1〜7のアルコキシ基、炭素数0〜20のアミノ基または炭素数6〜8のベンゼン環基を表す。Rgは炭素数1〜6のアルキル基を表す。環Cは縮環する2つのベンゼン環とともにカルバゾール環を形成する環を表す。ndおよびneは1を表し、nfは1を表す。mb、mcおよびmdは各々独立に0または1を表す。
(2)異性体の含有量が、5.0〜45モル%である(1)に記載の光電変換素子。
(3)異性体の含有量が、5.0〜30モル%である(1)または(2)に記載の光電変換素子。
(4)異性体の含有量が、5.0〜20モル%である(1)〜(3)のいずれかに記載の光電変換素子。
(5)異性体の含有量が、21〜30モル%である(1)〜(3)のいずれかに記載の光電変換素子。
(6)M1が、Ruである(1)〜(5)のいずれかに記載の光電変換素子。
(7)LAが、下記式(AL−2)で表される(1)〜(6)のいずれかに記載の光電変換素子。
(8)LAが、下記式(AL−3)で表される(1)〜(7)のいずれかに記載の光電変換素子。
(12)式(G1−1)〜(G1−8)において、XおよびYが酸素原子または硫黄原子である(1)〜(11)のいずれかに記載の光電変換素子。
(13)式(G1−1)〜(G1−8)において、Xが硫黄原子である(1)〜(12)のいずれかに記載の光電変換素子。
(14)G 1 が、下記式(G1−9)〜(G1−11)のいずれかで表される基である(1)〜(9)のいずれかに記載の光電変換素子。
(17)Rcが、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜20のアルキルアミノ基である(1)〜(16)のいずれかに記載の光電変換素子。
(18)G1が、式(GII)で表される基である(1)〜(9)のいずれかに記載の光電変換素子。
(19)式(I)で表される金属錯体色素が、下記式(II−1)〜(II−5)で表される(1)〜(18)のいずれかに記載の光電変換素子。
(20)式(I)で表される金属錯体色素が、下記式(III)で表される(1)〜(19)のいずれかに記載の光電変換素子。
(21)半導体微粒子に、さらに酸性基を1つ以上有する共吸着剤が担持されてなる(1)〜(20)のいずれかに記載の光電変換素子。
(22)共吸着剤が下記式(CA)で表される(21)に記載の光電変換素子。
(23) (1)〜(22)のいずれかに記載の光電変換素子を具備する色素増感太陽電池。
(24)下記式(I)で表され、5.0モル%以上の異性体を含む、異性体混合金属錯体色素。
M1(LA)(LD)Z1 式(I)
式(I)において、M1はRuおよびOsから選択される金属原子を表し、Z1は単座の配位子を表す。LAは下記式(AL−1)で表される3座の配位子を表す。LDは下記式(DL−1)または(DL−2)で表される2座の配位子を表す。
式(DL−1)、式(DL−2)において、G1は水素原子または下記式(GII)、式(G1−1)〜(G1−11)もしくは式(G1−1a)〜(G1−8a)のいずれかで表される基を表す。Eは下記式(E−1)〜(E−5)のいずれかで表される基を表す。
式(G1−1)〜(G1−11)、(G1−1a)〜(G1−8a)において、Xは酸素原子、硫黄原子またはNRfを表し、Xaは硫黄原子を表し、Yは酸素原子を表す。ここで、Rfは水素原子または炭素数1のアルキル基を表す。na、nbおよびncは1を表す。nbbは、Xが硫黄原子の場合、1または2を表し、Xが酸素原子およびNRfの場合、1を表す。maは0を表す。Ra、Rb、RdおよびReは各々独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基または炭素数1〜3のアルキルチオ基を表す。Ra’はアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基またはアミノ基を表す。Rcは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数1〜7のアルコキシ基、炭素数0〜20のアミノ基または炭素数6〜8のベンゼン環基を表す。Rgは炭素数1〜6のアルキル基を表す。環Cは縮環する2つのベンゼン環とともにカルバゾール環を形成する環を表す。ndおよびneは1を表し、nfは1を表す。mb、mcおよびmdは各々独立に0または1を表す。
(26)式(I)で表される金属錯体色素が、下記式(III)で表される(24)または(25)に記載の異性体混合金属錯体色素。
(27) (24)〜(26)のいずれかに記載の異性体混合金属錯体色素を溶解してなる色素溶液。
本発明においては、各置換基は、特に断らない限り、さらに置換基で置換されていてもよい。
本発明の光電変換素子は、例えば、図1に示すように、光電変換素子10は、導電性支持体1、色素(金属錯体色素)21により増感された半導体微粒子22を含む感光体層2、正孔輸送層である電荷移動体層3および対極4からなる。感光体層2を設置した導電性支持体1は光電変換素子10において作用電極として機能する。本実施形態においては、この光電変換素子10を外部回路6で動作手段Mに仕事をさせる電池用途に使用できるようにした色素増感太陽電池を利用したシステム100として示している。
以下、主たる部材について概略を説明する。
感光体層は後述する電解質を含み、下記本発明の金属錯体色素を含む増感色素が担持された半導体微粒子を含む層である。
本発明では、半導体微粒子の表面に吸着される金属錯体色素は、光電変換効率等の基本性能に少なくとも優れた金属錯体色素である。このような金属錯体色素において、複数存在する異性体を1.0モル%以上含有する異性体混合金属錯体色素を使用するものである
本発明で使用する金属錯体色素は、異性体が存在する金属錯体色素を使用するものである。
本発明では、詳細は以後に述べるが、後述の式(I)で表される金属錯体色素を使用する。例えば、ターピリジンのような3座配位子とピリジン環もしくはキノリン環と特定の5員環ヘテロアリール環が結合した2座の配位子と単座の配位子が金属原子に配位した金属錯体色素である。
本発明における異性体とは、立体異性体または構造異性体を意味する。
立体異性体の代表的な例は、置換基二重結合におけるE体、Z体、中心金属に対する配位子の空間的配置(絶対配置)による幾何異性体である。
一方、構造異性体の代表的な例は、イオン化異性体、配位異性体、結合異性体などが知られている。最も代表的な例で示せば、NCS(イソチオシアネート基)のように異なった原子で配位可能な配位子(両座配位子)を有し、異なった原子で配位した化合物間での異性体である。
このような異性体は、吸着液や半導体微粒子表面での吸着状態もしくは電解質液での媒体、吸着表面、色素間で比較的大きな相互作用を引き起こすため、本発明の効果を得やすい。
ここでRは置換基であり、配位子LAとして、環Aのピリジン環を3個有するターピリジン、配位子LDとして、環Bのピリジン環と環Cのピラゾール環が結合した2座の化合物、Z1としてNCS(イソチオシアネート基)がRuにオクタへドラルに配位したものである。
代表的な異性体としては、置換基の二重結におけるE体とZ体が挙げられ、例えば、環Bのピリジン環に置換するスチリル基の二重結合部分におけるE体(下記構造a)とZ体(下記構造b)である。
また、両座配位子における配位原子の相違による結合異性体が挙げられ、例えば、配位原子が窒素原子(N原子)である下記構造a、bと、配位原子が硫黄原子(S原子)である下記構造c、dである。
また、Ruに対する配位子の空間的配置による立体異性体も挙げられ、例えば、Ruを中心とする直行座標系において、z軸正方向に環Cのピラゾール、y軸負方向に環Bのピリジン環が配置される下記構造eと、z軸正方向に環Bのピリジン環、y軸負方向に環Cのピラゾール環が配置される下記構造fである。
このため、異性体の含有比率を調べることができる。含有比率は、例えば高速液体クロマトグラフィー(島津製作所)にて測定条件としてカラムAM−312、温度40℃、検出波長254nm、流速1.0mL/min、溶離液THF/水/TFAとした時に得られるそれぞれの面積%の比率で求めた。
本発明では、異性体の含有率は5.0モル%以上、すなわち、少なくとも2つの異性体が存在する場合、一つの異性体は5.0モル%〜95.0モル%、他方の異性体はその逆で、95.0モル%〜5.0モル%、合計100%の関係で含有することになる。
これより、さらに好ましい範囲は、光電変換素子の性能のうち、光耐久性と光電変換効率の若干好ましい範囲が異なり、光耐久性に対しては、21〜30モル%が特に好ましく、光電変換効率に対しては、5.0〜20モル%が特に好ましい。熱耐久性に関しては5.0〜30モル%が好ましい。
例えば、E体、Z体の異性体の場合、合成時の光照射またはpHと熱を調整することで、Ruに対する配位子の空間的配置による立体異性体の場合、合成時の熱または溶媒を調整することで、配位原子違いの異性体の場合、配位子導入時の配位子濃度等を調整することで、含有率を調整できる。
以下、前記式(I)で表される金属錯体色素を説明する。
本発明の金属錯体色素は、下記式(I)で表される。
式(DL−1)、(DL−2)において、G1は水素原子または置換基を表す。Eは下記式(E−1)〜(E−5)のいずれかで表される基を表す。
M1は金属原子を表す。このような金属としては、Ru、Fe、Os、Cu、W、Cr、Mo、Ni、Pd、Pt、Co、Ir、Rh、Re、MnまたはZnが好ましく、Ru、Os、ZnまたはCuがより好ましく、RuまたはOsがさらに好ましく、Ruが特に好ましい。
ただし、本発明では、M 1 はRuおよびOsから選択される金属原子である。
配位子LAは、前記式(AL−1)で表される。
Za、ZbおよびZcは5または6員環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。
形成される5または6員環は含窒素ヘテロ環となるが、形成される環は芳香環、すなわちヘテロアリール環であっても芳香環でないヘテロ環であっても構わない。これらの環を構成するヘテロ原子としては、窒素原子以外に、他のヘテロ原子、例えば、酸素原子、硫黄原子を含んでもよい。
本発明においては、形成される環はヘテロアリール環が好ましい。
これらの環は、単環であってもベンゼン環のようなアリール環や、ヘテロ環、脂肪族の環が縮環していてもよい。
5員環の場合はイミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環又はトリアゾール環を形成するのが好ましく、6員環の場合はピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環またはピラジン環を形成するのが好ましい。なかでもイミダゾール環またはピリジン環がより好ましい。
本発明においては、6員環のヘテロアリール環が好ましく、中でも環構成原子のヘテロ原子が窒素原子のみのものが好ましく、ピリジン環が特に好ましい。
本発明において酸性基とは、解離性のプロトンを有する置換基であり、例えば、カルボキシ基、ホスホニル基、ホスホリル基、スルホ基、ホウ酸基など、あるいはこれらのいずれかを有する基が挙げられ、好ましくはカルボキシ基、ホスホニル基あるいはこれを有する基である。また酸性基はプロトンを放出して解離した形を採っていてもよく、塩であってもよい。塩となるとき、対イオンとしては特に限定されないが、例えば、下記対イオンCIにおける正のイオンの例が挙げられる。上記のように本発明では、酸性基は、連結基を介して結合した基でもよく、例えば、カルボキシビニレン基、ジカルボキシビニレン基、シアノカルボキシビニレン基、カルボキシフェニル基などを好ましいものとして挙げることができる。このような基のうち、特にカルボキシ基もしくはその塩の場合、後述する式(Anc−1)〜(Anc−4)で表される基が好ましい。
なお、ここで挙げた酸性基及びその好ましい範囲を酸性基Acということがある。
ただし、本発明では、式(AL−1)において、Za、ZbおよびZcはピリジン環を形成するのに必要な非金属原子群である。ここで、Za、ZbおよびZcが形成する環は、カルボキシ基、カルボキシビニレン基、ジカルボキシビニレン基、シアノカルボキシビニレン基、カルボキシフェニル基およびこれらの塩から選択される酸性基、ならびに、炭素数6〜7のベンゼン環基から選択される置換基を有してもよいが、Za、ZbおよびZcが形成する環のうち少なくとも1つは該酸性基を有する。
本発明においては、配位子LDは、前記式(DL−1)または(DL−2)で表されるが、式(DL−1)で表される基が好ましい。
ハロゲン原子が置換したアルキル基は、パーハロゲン化アルキル基が好ましく、パーフルオロアルキル基がより好ましく、パーフルオロメチル基が特に好ましい。
式(E−1)〜(E−5)のうち、式(E−1)〜(E−4)が好ましく、式(E−2)が特に好ましい。
G1は、これらの中でも、下記式(GI)、(GII)または(GIII)で表される基であることが好ましい。
環Aおよび環Bにおけるヘテロアリーレン基のヘテロアリール環は、5または6員環が好ましく、環構成ヘテロ原子は、硫黄原子、酸素原子、窒素原子が好ましい。
該ヘテロアリール環は、ベンゼン環などのアリール環やヘテロアリール環などのヘテロ環、エチレンジオキシ環などの非芳香族系ヘテロ環で縮環していてもよい。
該アリール環やヘテロアリール環は置換基で置換されていてもよく、該置換基としては後述の置換基Tが挙げられる。
環Aおよび環Bはチオフェン環もしくはこれと他の環が縮環した環が特に好ましい。
式(GI)で表される基は、下記式(G1−1)〜(G1−8)のいずれかで表される基が好ましい。
Ra、Ra’、Rb、RdおよびReで規定される各基は後述の置換基Tにおける対応する基が好ましい。
na、nbおよびncは1または2が好ましく、1がより好ましい。
Rgはアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基またはアミノ基を表すが、これらの各基は後述する置換基Tの対応する基が好ましい。
mb〜mdは0または1が好ましい。
nfは0または1が好ましい。
また環Cは5員環のヘテロアリール環が好ましく、チオフェン環、フラン環、ピロール環がより好ましく、チオフェン環、ピロール環がさらに好ましく、ピロール環が特に好ましい。
また、パーハロゲン化アルキル基が好ましく、なかでもパーフルオルアルキル基が好ましく、パーフルオロメチル基が特に好ましい。
Rc’はアルキル基またはアルキルアミノ基を表す。R10は水素原子、アルキル基、ハロゲン原子が置換したアルキル基またはヘテロ環基を表す。
ヘテロ環基のヘテロ環としては、チオフェン環もしくはチオフェン環を含むヘテロ環が好ましい。
ただし、本発明では、式(DL−1)、式(DL−2)において、G 1 は水素原子または式(GII)、式(G1−1)〜(G1−11)もしくは式(G1−1a)〜(G1−8a)のいずれかで表される基である。
ここで、式(GII)において、R G は炭素数1〜5のアルキル基であり、nzは1である。
式(G1−1)〜(G1−3)、(G1−8)、(G1−1a)〜(G1−3a)、(G1−8a)において、Xは酸素原子、硫黄原子またはNRfであり、Yは酸素原子である。ここで、Rfは水素原子または炭素数1のアルキル基である。式(G1−4)〜(G1−7)、(G1−4a)〜(G1−7a)におけるXは硫黄原子である。na、nbおよびncは1である。ただし、式(G1−1)および式(G1−1a)におけるnbは、Xが硫黄原子の場合、1または2であり、Xが酸素原子およびNRfの場合、1である。maは0である。Ra、Rb、RdおよびReは各々独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基または炭素数1〜3のアルキルチオ基である。Ra’はアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基またはアミノ基である。Rcは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数1〜7のアルコキシ基、炭素数0〜20のアミノ基または炭素数6〜8のベンゼン環基である。Rgは炭素数1〜6のアルキル基である。環Cは縮環する2つのベンゼン環とともにカルバゾール環を形成する環である。ndおよびneは1であり、nfは1である。mb、mcおよびmdは各々独立に0または1である。
Z1は単座の配位子を表す。Z1は、例えば、アシルオキシ基、アシルチオ基、チオアシルオキシ基、チオアシルチオ基、アシルアミノオキシ基、チオカルバメート基、ジチオカルバメート基、チオカルボネート基、ジチオカルボネート基、トリチオカルボネート基、アシル基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、セレネート基、イソセレネート基、イソセレノシアネート基、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基およびアリールオキシ基からなる群から選ばれた基で配位する単座の配位子、またはハロゲン原子、ホスフィン配位子、カルボニル、ジアルキルケトン、カルボンアミド、チオカルボンアミドおよびチオ尿素からなる群より選ばれる単座の配位子を挙げることができる。
なお、金属錯体色素13、16、50、51および62は参考例である。
併用する色素としては、特表平7−500630号公報に記載のRu錯体色素(特に第5頁左下欄5行目〜第7頁右上欄7行目に例1〜例19で合成された色素)、特表2002−512729号公報に記載のRu錯体色素(特に第20頁の下から3行目〜第29頁23行目に例1〜例16で合成された色素)、特開2001−59062号公報に記載のRu錯体色素(特に、段落番号0087〜0104に記載の色素)、特開2001−6760号公報に記載のRu錯体色素(特に、段落番号0093〜0102に記載の色素)、特開2001−253894号公報に記載のRu錯体色素(特に、段落番号0009〜0010に記載の色素)、特開2003−212851号公報に記載のRu錯体色素(特に、段落番号0005に記載の色素)、国際公開第2007/91525号パンフレットに記載のRu錯体色素(特に、[0067]に記載の色素)、特開2001−291534号公報に記載のRu錯体色素(特に、段落番号0120〜0144に記載の色素)、特開2012−012570号公報に記載のRu錯体色素(特に、段落番号0095〜0103に記載の色素)、特開平11−214730号公報に記載のスクアリリウムシアニン色素(特に、段落番号0036〜0047に記載の色素)、特開2012−144688号公報に記載のスクアリリウムシアニン色素(特に、段落番号0039〜0046および段落番号0054〜0060に記載の色素)、特開2012−84503号公報に記載のスクアリリウムシアニン色素(特に、段落番号0066〜0076などに記載の色素)、特開2004−063274号公報に記載の有機色素(特に、段落番号0017〜0021に記載の色素)、特開2005−123033号公報に記載の有機色素(特に、段落番号0021〜0028に記載の色素)、特開2007−287694号公報に記載の有機色素(特に、段落番号0091〜0096に記載の色素)、特開2008−71648号公報に記載の有機色素(特に、段落番号0030〜0034に記載の色素)、国際公開第2007/119525号パンフレットに記載の有機色素(特に、[0024]に記載の色素)、Angew.Chem.Int.Ed.,49,1〜5(2010)等に記載のポルフィリン色素、Angew.Chem.Int.Ed.,46,8358(2007)等に記載のフタロシアニン色素が挙げられる。
併用する色素として好ましくは、Ru錯体色素、スクアリリウムシアニン色素、または有機色素が挙げられる。
導電性支持体は、金属のように支持体そのものに導電性があるものか、または表面に導電膜層を有するガラスもしくはプラスチックの支持体であるのが好ましい。プラスチックの支持体としては、例えば、特開2001−291534号公報の段落番号0153に記載の透明ポリマーフィルムが挙げられる。支持体としては、ガラスおよびプラスチックの他、セラミック(特開2005−135902号公報)、導電性樹脂(特開2001−160425号公報)を用いてもよい。導電性支持体上には、表面に光マネージメント機能を施してもよく、例えば、特開2003−123859号公報に記載の高屈折膜および低屈折率の酸化物膜を交互に積層した反射防止膜を有してもよく、特開2002−260746号公報に記載のライトガイド機能を有してもよい。
半導体微粒子は、好ましくは金属のカルコゲニド(例えば酸化物、硫化物、セレン化物等)またはペロブスカイトの微粒子である。金属のカルコゲニドとしては、好ましくはチタン、スズ、亜鉛、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、もしくはタンタルの酸化物、硫化カドミウム、セレン化カドミウム等が挙げられる。ペロブスカイトとしては、好ましくはチタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム等が挙げられる。これらのうち酸化チタン(チタニア)、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化タングステンが特に好ましい。
前記色素が塩である場合、前記特定の金属錯体色素の対イオンは特に限定されず、例えばアルカリ金属イオンまたは4級アンモニウムイオン等が挙げられる。
本発明の光電変換素子に用いられる電荷移動体層は、色素の酸化体に電子を補充する機能を有する層であり、受光電極と対極(対向電極)との間に設けられる。電荷移動体層は電解質を含む。電解質の例としては、酸化還元対を有機溶媒に溶解した液体電解質、酸化還元対を有機溶媒に溶解した液体をポリマーマトリクスに含浸したいわゆるゲル電解質、酸化還元対を含有する溶融塩などが挙げられる。光電変換効率を高めるためには液体電解質が好ましい。液体電解質の溶媒はニトリル化合物、エーテル化合物、エステル化合物等が用いられるが、ニトリル化合物が好ましく、アセトニトリル、メトキシプロピオニトリルが特に好ましい。
一般に、錯体が陽イオンまたは陰イオンであるか、あるいは正味のイオン電荷を有するかどうかは、錯体中の金属、配位子および置換基に依存する。
対イオンCIが正の対イオンの場合、例えば、対イオンCIは、無機または有機のアンモニウムイオン(例えばテトラアルキルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン等)、アルカリ金属イオンまたはプロトンである。
対イオンCIが負の対イオンの場合、例えば、対イオンCIは、無機陰イオンでも有機陰イオンでもよい。例えば、ハロゲン陰イオン(例えば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等)、置換アリールスルホン酸イオン(例えばp−トルエンスルホン酸イオン、p−クロロベンゼンスルホン酸イオン等)、アリールジスルホン酸イオン(例えば1,3−ベンゼンジスルホン酸イオン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフタレンジスルホン酸イオン等)、アルキル硫酸イオン(例えばメチル硫酸イオン等)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等が挙げられる。さらに電荷均衡対イオンとして、イオン性ポリマーあるいは錯体と逆電荷を有する他の錯体を用いてもよく、金属錯イオン(例えばビスベンゼン−1,2−ジチオラトニッケル(III)等)も使用可能である。
ZLC1、ZLC2およびZLC3は各々独立に、5員環または6員環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。ZLC1、ZLC2およびZLC3は置換基を有していてもよく、置換基を介して隣接する環と閉環していてもよい。qは0または1を表す。該置換基としては、後述の置換基Tが挙げられる。なお、qが0の場合、XLC3がZLC2で形成される5員環または6員環に結合する位置の炭素原子は、水素原子、またはZLC3で形成されるヘテロ環基以外の置換基が結合する。
マトリックス高分子として好ましくは、含窒素複素環を主鎖あるいは側鎖の繰り返し単位中に持つ高分子およびこれらを求電子性化合物と反応させた架橋体、トリアジン構造を持つ高分子、ウレイド構造をもつ高分子、液晶性化合物を含むもの、エーテル結合を有する高分子、ポリフッ化ビニリデン系、メタクリレート・アクリレート系、熱硬化性樹脂、架橋ポリシロキサン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアルキレングリコールとデキストリンなどの包摂化合物、含酸素または含硫黄高分子を添加した系、天然高分子などが挙げられる。これらにアルカリ膨潤型高分子、一つの高分子内にカチオン部位とヨウ素との電荷移動錯体を形成できる化合物を持った高分子などを添加してもよい。
本発明の光電変換素子においては、本発明の金属錯体色素または必要により併用する色素とともに共吸着剤を使用することが好ましい。このような共吸着剤としては酸性基(好ましくは、カルボキシ基もしくはその塩)を1つ以上有する共吸着剤が好ましく、脂肪酸やステロイド骨格を有する化合物が挙げられる。脂肪酸は、飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよく、例えばブタン酸、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ヘキサデカン酸、ドデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。
ステロイド骨格を有する化合物として、コール酸、グリココール酸、ケノデオキシコール酸、ヒオコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸、ウルソデオキシコール酸等が挙げられる。好ましくはコール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸であり、さらに好ましくはケノデオキシコール酸である。
酸性基は、先に示したものと同義であり、好ましい範囲も同じである。
RC1は、これらの中でも、カルボキシ基またはスルホ基もしくはそれらの塩が置換したアルキル基が好ましく、−CH(CH3)CH2CH2CO2H、−CH(CH3)CH2CH2CONHCH2CH2SO3Hがさらに好ましい。
lcは2〜4であることが好ましい。
本明細書において化合物(錯体、色素を含む)の表示については、当該化合物そのもののほか、その塩、そのイオンを含む意味に用いる。また、本明細書において置換または無置換を明記していない置換基(連結基および配位子についても同様)については、その基に任意の置換基を有していてもよい意味である。これは置換または無置換を明記していない化合物についても同義である。好ましい置換基としては、下記置換基Tが挙げられる。
また、本明細書において、単に置換基としてしか記載されていない場合は、この置換基Tを参照するものであり、また、各々の基、例えば、アルキル基、が記載されているのみの場合は、この置換基Tの対応する基における好ましい範囲、具体例が適用される。
アルキル基(好ましくは炭素数1〜20で、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル、トリフルオロメチル等)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20で、例えば、ビニル、アリル、オレイル等)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20で、例えば、エチニル、ブタジイニル、フェニルエチニル等)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20で、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等)、シクロアルケニル基(好ましくは炭素数5〜20で、例えばシクロペンテニル、シクロヘキセニル等)、アリール基(好ましくは炭素数6〜26で、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数2〜20で、少なくとも1つの酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有する5員環または6員環のヘテロ環基がより好ましく、例えば、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20で、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等)、アルケニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20で、例えば、ビニルオキシ、アリルオキシ等)、アルキニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20で、例えば、2−プロピニルオキシ、4−ブチニルオキシ等)、シクロアルキルオキシ基(好ましくは炭素数3〜20で、例えば、シクロプロピルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、4−メチルシクロヘキシルオキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜26で、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ等)、ヘテロ環オキシ基(例えば、イミダゾリルオキシ、ベンゾイミダゾリルオキシ、チアゾリルオキシ、ベンゾチアゾリルオキシ、トリアジニルオキシ、プリニルオキシ)、
対極は、色素増感太陽電池(光電気化学電池)の正極として働くものであることが好ましい。対極は、通常前述の導電性支持体と同義であるが、強度が十分に保たれるような構成では支持体は必ずしも必要でない。対極の構造としては、集電効果が高い構造が好ましい。感光体層に光が到達するためには、前述の導電性支持体と対極との少なくとも一方は実質的に透明でなければならない。本発明の色素増感太陽電池においては、導電性支持体が透明であって太陽光を支持体側から入射させるのが好ましい。この場合、対極は光を反射する性質を有することがさらに好ましい。色素増感太陽電池の対極としては、金属もしくは導電性の酸化物を蒸着したガラス、またはプラスチックが好ましく、白金を蒸着したガラスが特に好ましい。色素増感太陽電池では、構成物の蒸散を防止するために、電池の側面をポリマーや接着剤等で密封することが好ましい。
本発明においては、本発明の金属錯体色素を含有する色素溶液を使用して色素吸着電極を製造することが好ましい。
このような色素溶液には、本発明の金属錯体色素が溶媒に溶解されてなり、必要により共吸着剤や他の成分を含んでもよい。
使用する溶媒としては、特開2001−291534号公報に記載の溶媒が挙げられるが特に限定されない。本発明においては有機溶媒が好ましく、さらにアルコール類、アミド類、ニトリル類、炭化水素類、および、これらの2種以上の混合溶媒が好ましい。混合溶媒としては、アルコール類と、アミド類、ニトリル類または炭化水素類から選択される溶媒との混合溶媒が好ましい。さらに好ましくはアルコール類とアミド類、アルコール類と炭化水素類の混合溶媒、特に好ましくはアルコール類とアミド類の混合溶媒である。具体的にはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドが好ましい。
ここで、本発明の色素溶液は、光電変換素子や色素増感太陽電池を製造する際に、この溶液をこのまま使用できるように、金属錯体色素や共吸着剤が濃度調整されているものが好ましい。本発明においては、本発明の金属錯体色素を0.001〜0.1質量%含有することが好ましい。
同様に、光電変換素子や色素増感太陽電池における電解質の水分含有量の調整も、本発明の効果を効果的に奏するために好ましく、このため、この電解液の水分含有量(含有率)を0〜0.1質量%に調整することが好ましい。この電解質の調整は、色素溶液で行なうのが特に好ましい。
すなわち、色素増感太陽電池用の色素吸着電極は、上記色素溶液から得られてなる組成物を、半導体微粒子を付与した導電性支持体上に塗布し、塗布後の該組成物を硬化させて感光体層としたものが好ましい。
本発明では、この色素増感太陽電池用の色素吸着電極を使用し、電解質、および対極を準備し、これらを用いて組み立てることで、色素増感太陽電池を製造することが好ましい。
<金属錯体色素の合成>
以下の金属錯体色素を合成した。
以下に、本発明の金属錯体色素の合成方法を詳しく説明するが、出発物質、色素中間体及び合成ルートについてはこれにより限定されるものではない。
各異性体は、最終物または中間体粉末に対し50℃以上で一定時間加温する、または配位子導入工程の温度または溶媒を変更することで発生させたものをカラムクロマトグラフィーで分離し、必要に応じて残りの反応工程を実施することで得た。
米国特許出願公開第2012/0111410A1号明細書に記載の方法に従って、例示金属錯体色素29および31を合成した。なお、得られた反応粗生成物は、記載の方法に従って、セファデッククス LH−20カラムを使用したアルミナカラムクロトで精製した。
上記金属錯体色素29、31と同様にして、金属錯体色素25、33、35、36、38、39、55、61、63、64を合成した。
また、これらの異性体を金属錯体色素29、31と同様にして、単離した。
NCS(イソチオシアネート基)を単座配位子として導入する工程において、通常N原子で配位したものが主成分となるが、温度80℃以下で実施することでS原子で配位したものの比率を増加させることができる。これをカラムクロマトグラフィーで分離し、N原子配位したものとS原子配位したものをそれぞれ得た。これらに対し残りの工程を実施した後に、実施例記載の異性体比率になるように混合した。
Journal of the American Chemical Society,2001,123,1613〜1624に記載の方法に従って、比較色素骨格のBlack Dyeを合成した。
Black Dyeの下記の異性体は、金属錯体色素29、31と同様にして、単離した。1H−NMRスペクトル、13C−NMRスペクトル、MSスペクトル、X線構造解析からも、上記の立体構造を支持している。
なお、異性体の含有量は、単離した異性体を混合することで、半導体微粒子に吸着させた。
光電極を構成する半導体電極の半導体層または光散乱層形成するため、下記のペーストを調製し、このペーストを用いて、色素増感太陽電池を作製した。
(ペーストA)
球形のTiO2粒子(アナターゼ、平均粒径;25nm以下、球形TiO2粒子Aという。)を硝酸溶液に入れて撹拌することによりチタニアスラリーを調製した。次に、チタニアスラリーに増粘剤としてセルロース系バインダーを加え、混練してペーストを調製した。
(ペースト1)
球形TiO2粒子Aと、球形のTiO2粒子(アナターゼ、平均粒径;200nm以下、球形TiO2粒子Bという。)を硝酸溶液に入れて撹拌することによりチタニアスラリーを調製した。次に、チタニアスラリーに増粘剤としてセルロース系バインダーを加え、混練してペースト(TiO2粒子Aの質量:TiO2粒子Bの質量=30:70)を調製した。
(ペースト2)
ペーストAに、棒状TiO2粒子(アナターゼ、直径;100nm、アスペクト比;5以下、棒状TiO2粒子Cという。)を混合し、棒状TiO2粒子Cの質量:ペーストAの質量=30:70のペーストを調製した。
以下に示す手順により、特開2002−289274号公報に記載の図5に示されている光電極12と同様の構成を有する光電極を作製し、更に、光電極を用いて、同公報に記載の図3に示されている光電極以外は色素増感太陽電池20と同様の構成を有する10mm×10mmのスケールの色素増感太陽電池1を作製した。具体的な構成は本願に添付の図2に示した。20が色素増感太陽電池、41が透明電極、42が半導体電極、43が透明導電膜、44が基板、45が半導体層、46が光散乱層、40が光電極、CEが対極、Eが電解質、Sがスペーサーである。
次に、上記のようにして作製した光電極(色素吸着電極の前駆体)に色素を以下のようにして吸着させた。先ず、マグネシウムエトキシドで脱水した無水ブタノールとジメチルホルムアミドの1:1(体積比)の混合物を溶媒として、下記表5に記載の金属錯体色素を3×10−4モル/Lとなるように溶解し、さらに共吸着剤として、ケノデオキシコール酸とコール酸の等モル混合物を金属錯体色素1モルに対して20モル加え、各色素溶液を調製した。この色素溶液をカール・フィッシャー滴定により水分量を測定したところ、水は0.01質量%未満であった。次に、この溶液に半導体電極を40℃10時間浸漬し、引き上げ後50℃で乾燥させることにより、半導体電極に色素が約2×10−7mol/cm2吸着した光電極40をそれぞれ完成させた。
次に、対極として上記の光電極と同様の形状と大きさを有する白金電極(Pt薄膜の厚さ;100nm)、電解質Eとして、0.05Mヨウ素、0.01Mヨウ化リチウム、0.6M1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムヨージドおよび4−tert−ブチルピリジン、を含むヨウ素系レドックス溶液を調製した。更に、半導体電極の大きさに合わせた形状を有するデュポン社製のスペーサーS(商品名:「サーリン」)を準備し、特開2002−289274号公報に記載の図3に示されているように、光電極40と対極CEとスペーサーSを介して対向させ、内部に上記の電解質を充填して光電極Aを使用した光電変換素子からなる色素増感太陽電池(セルA)を完成させた。
電池特性試験を行い、色素増感太陽電池について、光電変換効率(η/%)を測定した。電池特性試験は、ソーラーシミュレーター(WACOM製、WXS−85H)を用い、AM1.5フィルタを通したキセノンランプから1000W/m2の疑似太陽光を照射することにより行った。I−Vテスターを用いて電流−電圧特性を測定し、光電変換効率(η/%)を求めた。D以上が合格レベルである。
AAA:8.5%以上
AA:8.0%以上8.5%未満
A:7.6%以上8.0%未満
B:7.2%以上7.6%未満
C:6.8%以上7.2%未満
D:6.4%以上6.8%未満
E:6.0%以上6.4%未満
F:6.0%未満
作製した色素増感太陽電池セルの光電変換効率を測定した後、耐久性として80℃、400時間暗所で経時後に光電変換効率を測定し、光電変換効率の低下率(%)を求めた。
低下率(%)は、〔(初期の効率−暗所経時後の効率)/初期の効率〕×100により求めた。
C以上が合格レベルである。
A:6.0%未満
B:6.0%以上8.0%未満
C:8.0%以上10.0%未満
D:10.0%以上
作製した色素増感太陽電池セルの光電変換効率を測定した後、耐久性として500時間、光照射を行い、光電変換効率の低下率(%)を求めた。
低下率(%)は、〔(初期の効率−光照射後の効率)/初期の効率〕×100により求めた。
C以上が合格レベルである。
AA:5.0%未満
A:5.0%以上6.5%未満
B:6.5%以上8.0%未満
C:8.0%以上9.5%未満
D:9.5%以上
色素吸着条件
溶媒:tBuOH/DMF=9/1
濃度:1.0mM
温度:室温
吸着時間:24時間
C以上が合格レベルである。
A:仕損じ率(0%以上〜1%未満)
B:仕損じ率(1%以上〜3%未満)
C:仕損じ率(3%以上〜6%未満)
D:仕損じ率(6%以上)
色素溶液条件
溶媒:tBuOH/DMF=1/1
濃度:0.5mM
C以上がが合格レベルである。
A:20日以上
B:10日以上20日未満
C:3日以上10日未満
D:3日未満
以下のようにして、金属錯体色素を合成した。
下記のスキームの方法に従って例示金属錯体色素1(Dye 1)を合成した。
化合物d−1−1(2−アセチル 4−メチルピリジン)25gをTHF(テトラヒドロフラン)200mlに溶解し、窒素雰囲気下、0℃で攪拌しならがら、ナトリウムエトキシド18.9gを添加し15分攪拌した。その後、トリフルオロ酢酸エチル28.9gを滴下し、外温70℃で20時間攪拌した。室温に戻した後、塩化アンモニウム水溶液を滴下、分液し、有機層を濃縮し、粗精製物d−1−2 72.6gを得た。
化合物d−1−2 72.6gをエタノール220mlに溶解し窒素雰囲気下、室温で攪拌しながら、ヒドラジン1水和物5.6mlを添加し、外温90℃で12時間加熱した。その後、濃塩酸5mlを添加し、1時間攪拌した。濃縮後、重曹水150mlと酢酸エチル150mlで抽出・分液後、有機層を濃縮した。アセトニトリルで再結晶後、化合物d−1−3 31.5gを得た。
ジイソプロピルアミン 4.1gとテトラヒドロフラン30mlを窒素雰囲気下、−40℃で攪拌しながら、1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液を23.1ml滴下した後、2時間攪拌した。その後、化合物d−1−3 4.0gを添加し0℃で80分攪拌した後、化合物d−1−4 3.45gをテトラヒドロフラン15mlに溶解した溶液を滴下した。その後、0℃で80分攪拌し、室温で5時間攪拌した。その後塩化アンモニウム溶液を添加し、酢酸エチルで抽出分液した。有機層を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製後、化合物d−1−5 5.7gを得た。
化合物d−1−5 5.0gとPPTS(ピリジニウムパラトルエンスルホン酸)5.9gを、トルエン50mlに加え、窒素雰囲気下で5時間加熱還流を行った。濃縮後、飽和重曹水および塩化メチレンで分液を行い、有機層を濃縮した。得られた結晶はメタノールおよび塩化メチレンで再結晶後、化合物d−1−6 4.3gを得た。
得られた化合物d−1−6の構造はMS(マススペクトル)測定により確認した。
MS−ESI m/z=404.2(M−H)+
化合物d−1−7 1.22g、化合物d−1−6 1.62g、をNMP(N−メチルピロリドン)150mlに加え窒素雰囲気下、70℃で3時間攪拌した。その後化合物d−1−8 1.63gを加え160℃で8時間加熱攪拌した。その後チオシアン酸アンモニウム 10.7gを加え160℃で8時間攪拌した。濃縮後、水を加えろ過した。ろ物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物d−1−9を得た後、アセトン30mlと1N水酸化ナトリウム水溶液40mlの混合溶媒に加え、外温65℃で24時間攪拌した。室温に戻し、塩酸でpHを3に調整し、析出物をろ過し、粗精製物の金属錯体色素1(Dye 1) 3.3gを得た。
得られた例示金属錯体色素1(Dye 1)の構造はMS測定により確認した。
MS−ESI m/z=928.1(M−H)+
得られた例示金属錯体色素1(Dye 1)について、340μmol/lテトラブチルアンモニウムヒドロキシドメタノール溶媒で色素濃度が17μmol/lとなるように調製し、分光吸収測定を行ったところ、最大吸収波長は521nmであった。
下記のスキームの方法に従って化合物d−2−2を合成し、例示金属錯体色素1(Dye 1)の化合物d−1−4を化合物d−2−2に変更して、例示金属錯体色素1(Dye 1)と同様にして例示金属錯体色素8を合成した。
MS−ESI m/z=986.1(M−H)+
得られた例示金属錯体色素8(Dye 8)について、340μmol/lテトラブチルアンモニウムヒドロキシドメタノール溶媒で色素濃度が17μmol/lとなるように調製し、分光吸収測定を行ったところ、最大吸収波長は521nmであった。
上記の例示金属錯体1と同様にして、下記の例示金属錯体色素2〜7、15、17〜24、27、30、34、37、40、41、43、47、52、53、56〜58、66〜70、72および73を合成した。
NCS(イソチオシアネート基)を配位子として導入する工程において、通常N原子で配位したものが主成分となるが、温度80℃以下で実施することで、S原子で配位したものの比率を増加させることができる。これをカラムクロマトグラフィーで分離し、N原子配位したものとS原子配位したものをそれぞれ得た。これらに対し残りの工程を実施した後に、実施例記載の異性体比率になるように混合した。
本発明の色素はRuに対し配位子LA、LDのどちらから配位させて合成してもよい。LA、LDのいずれか一方が配位したRuに対し、残りの配位子LAまたはLDを配位させる際の反応温度を90℃以下で行うことで、前述したRuに対する配位子空間の立体異性体であるeまたはfに当たる異性体の比率を高めることができる。これをアルミナカラムクロマトグラフィーで分離することでe、fの関係に当たるそれぞれの構造を得た。必要に応じて残りの工程を実施した後に、実施例記載の異性体比率になるように混合した。
ここで、実験No.239では、金属錯体色素1をテトラブチルアンモニウム塩(表中ではTBA塩と記した)にした後に半導体微粒子に吸着させた。
2 感光体層
21 色素
22 半導体微粒子
3 電荷移動体層
4 対極
5 受光電極
6 回路
10 光電変換素子
100 色素増感太陽電池を利用したシステム
M 電動モーター(扇風機)
40 光電極
41 透明電極
42 半導体電極
43 透明導電膜
44 基板
45 半導体層
46 光散乱層
CE 対極
E 電解質
S スペーサー
Claims (27)
- 導電性支持体、電解質を含む感光体層、電解質を含む電荷移動体層および対極を有する光電変換素子であって、該感光体層が、5.0モル%以上の異性体を含む下記式(I)で表される金属錯体色素の1種が担持された半導体微粒子を有する光電変換素子。
M1(LA)(LD)Z1 式(I)
式(I)において、M1はRuおよびOsから選択される金属原子を表し、Z1は単座の配位子を表す。LAは下記式(AL−1)で表される3座の配位子を表す。LDは下記式(DL−1)または(DL−2)で表される2座の配位子を表す。
式(DL−1)、式(DL−2)において、G1は水素原子または下記式(GII)、式(G1−1)〜(G1−11)もしくは式(G1−1a)〜(G1−8a)のいずれかで表される基を表す。Eは下記式(E−1)〜(E−5)のいずれかで表される基を表す。
式(G1−1)〜(G1−11)、(G1−1a)〜(G1−8a)において、Xは酸素原子、硫黄原子またはNRfを表し、Xaは硫黄原子を表し、Yは酸素原子を表す。ここで、Rfは水素原子または炭素数1のアルキル基を表す。na、nbおよびncは1を表す。nbbは、Xが硫黄原子の場合、1または2を表し、Xが酸素原子およびNRfの場合、1を表す。maは0を表す。Ra、Rb、RdおよびReは各々独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基または炭素数1〜3のアルキルチオ基を表す。Ra’はアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基またはアミノ基を表す。Rcは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数1〜7のアルコキシ基、炭素数0〜20のアミノ基または炭素数6〜8のベンゼン環基を表す。Rgは炭素数1〜6のアルキル基を表す。環Cは縮環する2つのベンゼン環とともにカルバゾール環を形成する環を表す。ndおよびneは1を表し、nfは1を表す。mb、mcおよびmdは各々独立に0または1を表す。
- 前記異性体の含有量が、5.0〜45モル%である請求項1に記載の光電変換素子。
- 前記異性体の含有量が、5.0〜30モル%である請求項1または2に記載の光電変換素子。
- 前記異性体の含有量が、5.0〜20モル%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 前記異性体の含有量が、21〜30モル%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 前記M1が、Ruである請求項1〜5のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 前記LAが、下記式(AL−2)で表される請求項1〜6のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 前記LAが、下記式(AL−3)で表される請求項1〜7のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 前記LDが、前記式(DL−1)で表される請求項1〜8のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 前記G1が、前記式(G1−1)〜(G1−8)のいずれかで表される基である請求項1〜9のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 前記式(G1−1)〜(G1−8)において、Ra、Rb、RdおよびReが水素原子であり、Rcが炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数1〜7のアルコキシ基、炭素数0〜20のアミノ基または炭素数6〜8のベンゼン基である請求項1〜10のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 前記式(G1−1)〜(G1−8)において、XおよびYが酸素原子または硫黄原子である請求項1〜11のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 前記式(G1−1)〜(G1−8)において、Xが硫黄原子である請求項1〜12のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 前記G 1 が、前記式(G1−9)〜(G1−11)のいずれかで表される基である請求項1〜9のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 前記G 1 が、前記式(G1−1a)〜(G1−8a)のいずれかで表される基である請求項1〜9のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 前記Rcが、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数1〜7のアルコキシ基または炭素数1〜20のアルキルアミノ基である請求項1〜15のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 前記Rcが、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜20のアルキルアミノ基である請求項1〜16のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 前記G1が、前記式(GII)で表される基である請求項1〜9のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 前記式(I)で表される金属錯体色素が、下記式(II−1)〜(II−5)で表される請求項1〜18のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 前記式(I)で表される金属錯体色素が、下記式(III)で表される請求項1〜19のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 前記半導体微粒子に、さらに酸性基を1つ以上有する共吸着剤が担持されてなる請求項1〜20のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 前記共吸着剤が下記式(CA)で表される請求項21に記載の光電変換素子。
- 請求項1〜22のいずれか1項に記載の光電変換素子を具備する色素増感太陽電池。
- 下記式(I)で表され、5.0モル%以上の異性体を含む、異性体混合金属錯体色素。
M1(LA)(LD)Z1 式(I)
式(I)において、M1はRuおよびOsから選択される金属原子を表し、Z1は単座の配位子を表す。LAは下記式(AL−1)で表される3座の配位子を表す。LDは下記式(DL−1)または(DL−2)で表される2座の配位子を表す。
式(DL−1)、式(DL−2)において、G1は水素原子または下記式(GII)、式(G1−1)〜(G1−11)もしくは式(G1−1a)〜(G1−8a)のいずれかで表される基を表す。Eは下記式(E−1)〜(E−5)のいずれかで表される基を表す。
式(G1−1)〜(G1−11)、(G1−1a)〜(G1−8a)において、Xは酸素原子、硫黄原子またはNRfを表し、Xaは硫黄原子を表し、Yは酸素原子を表す。ここで、Rfは水素原子または炭素数1のアルキル基を表す。na、nbおよびncは1を表す。nbbは、Xが硫黄原子の場合、1または2を表し、Xが酸素原子およびNRfの場合、1を表す。maは0を表す。Ra、Rb、RdおよびReは各々独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基または炭素数1〜3のアルキルチオ基を表す。Ra’はアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基またはアミノ基を表す。Rcは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数1〜7のアルコキシ基、炭素数0〜20のアミノ基または炭素数6〜8のベンゼン環基を表す。Rgは炭素数1〜6のアルキル基を表す。環Cは縮環する2つのベンゼン環とともにカルバゾール環を形成する環を表す。ndおよびneは1を表し、nfは1を表す。mb、mcおよびmdは各々独立に0または1を表す。
- 前記式(I)で表される金属錯体色素が、下記式(II−1)〜(II−5)で表される請求項24に記載の異性体混合金属錯体色素。
- 前記式(I)で表される金属錯体色素が、下記式(III)で表される請求項24または25に記載の異性体混合金属錯体色素。
- 請求項24〜26のいずれか1項に記載の異性体混合金属錯体色素を溶解してなる色素溶液。
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