JP5991665B2 - 透明ハイブリッド皮膜とその製造方法 - Google Patents
透明ハイブリッド皮膜とその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5991665B2 JP5991665B2 JP2012125381A JP2012125381A JP5991665B2 JP 5991665 B2 JP5991665 B2 JP 5991665B2 JP 2012125381 A JP2012125381 A JP 2012125381A JP 2012125381 A JP2012125381 A JP 2012125381A JP 5991665 B2 JP5991665 B2 JP 5991665B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- transparent hybrid
- hybrid film
- group
- carbon atoms
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Paints Or Removers (AREA)
- Silicon Polymers (AREA)
Description
(1)基材の固体表面に形成させる透明ハイブリッド皮膜であって、原料の有機シランと金属アルコキシドを、有機溶媒、水、添加剤、任意に触媒を含む溶液中で共加水分解・縮重合して有機シラン間の距離を制御した前駆溶液を塗布することにより得られる皮膜であり、基材表面の動的濡れ性、すなわち、動的接触角[前進接触角(θA)と、後退接触角(θR)]を測定した時の接触角ヒステリシス(θA−θR)が、有機シラン単独で表面処理された表面より小さな値とする特性を有していることを特徴とする透明ハイブリッド皮膜。
(2)有機シランと金属アルコキシドが、1:0.1以上の任意のモル比で混合されている、前記(1)に記載の透明ハイブリッド皮膜。
(3)得られる透明ハイブリッド皮膜が、1−10nmの繰り返し周期の層状構造を有している、前記(1)または(2)に記載の透明ハイブリッド皮膜。
(4)上記皮膜が、防錆剤、紫外線吸収剤、防カビ剤、生物付着防止剤から選択した少なくとも1種類以上の添加剤を含有している、前記(1)から(3)のいずれかに記載の透明ハイブリッド皮膜。
(5)上記添加剤を、皮膜の総重量に対して、最大50wt%含有している、前記(1)から(4)のいずれかに記載の透明ハイブリッド皮膜。
(6)前記(4)または(5)に記載の添加剤が、1−10nmの繰り返し周期の層状構造内に固定化されている、前記(1)から(3)のいずれかに記載の透明ハイブリッド皮膜。
(7)有機シランと金属アルコキシドのモル比に依存して、有機シラン分子間の距離を変化させたものである、前記(1)から(6)のいずれかに記載の透明ハイブリッド皮膜。
(8)上記皮膜が、金属、合金、金属酸化膜、半導体、ポリマー・樹脂、木材、繊維、紙から選択した基材と接着する密着性を示す、前記(1)から(7)のいずれかに記載の透明ハイブリッド皮膜表面。
(9)上記皮膜が、平面、曲面、凹凸面、ポーラス面の中から選択した少なくとも1種類以上の表面から構成された混合表面と接着する密着性を示す、前記(1)から(8)のいずれかに記載の透明ハイブリッド皮膜。
(10)金属表面に皮膜を形成させた場合、スクラッチによる傷が表面に発生しても、自己修復する、前記(1)から(9)のいずれかに記載の透明ハイブリッド皮膜。
(11)表面張力が18〜73dyn/cmである液体に対する前進接触角と後退接触角との差としてのヒステリシスが、有機シラン単独で表面処理された表面より小さな値となる、前記(1)から(9)のいずれかに記載の透明ハイブリッド皮膜。
(12)前記(11)に記載の液体と、少なくとも1種類以上の化合物が混ざった混合液体に対する前進接触角と後退接触角との差としてのヒステリシスが、有機シラン単独で表面処理された表面より小さな値となる、前記(1)から(9)のいずれかに記載の透明ハイブリッド皮膜。
(13)上記皮膜が、指紋が付着しにくい難付着性で、かつ付着した指紋が拭き取りやすい易拭き取り性を示す、前記(1)から(9)のいずれかに記載の透明ハイブリッド皮膜。
(14)透明ハイブリッド皮膜の原料となる有機シランが、式(A)のR1−Si−R2 n−3R3 n(但し、n=1、2、または3、R1は、炭素数1−30のアルキル鎖または炭素数1−20のパーフルオロ基、R2は、炭素数1−6のアルキル基、R3は、炭素数1から15のアルコキシ基、クロロ基、イソシアナト基、またはアセトキシ基)で示され、かつSi−C結合で結合された不活性な官能基と、加水分解後に1つ以上のSi−OH基を生成する官能基を有する、前記(1)から(9)のいずれかに記載の透明ハイブリッド皮膜。
(15)透明ハイブリッド皮膜の原料となる有機シランが、式(B)のR1R2−Si−R3 nR4 n−3(但し、n=1、2、または3、R1は、水酸基、ビニル基、塩化アルキル基、アミノ基、イミノ基、ニトロ基、メルカプト基、エポキシ基、カルボニル基、メタクリロキシ基、アジド基、ジアゾ基、またはベンゾフェニル基あるいはこれらの誘導体、R2は、炭素数1から15のアルキル基、R3は、炭素数1−6のアルキル基、R4は、炭素数1から15のアルコキシ基、クロロ基、イソシアナト基、またはアセトキシ基)で示され、かつSi−C結合で結合された活性な官能基と、加水分解後に1つ以上のSi−OH基を生成する官能基を有する、前記(1)から(9)のいずれかに記載の透明ハイブリッド皮膜。
(16)透明ハイブリッド皮膜の原料となる有機シランが、前記(14)および(15)に記載された有機シランから選択された少なくとも2種類以上を原料としたものである、前記(1)から(9)のいずれかに記載の透明ハイブリッド皮膜。
(17)透明ハイブリッド皮膜の原料となる金属アルコキシドが、式(C)のM(R1)n(但し、n=1、2、3、または4、Mは、Al、Ca、Fe、Ge、Hf、In、Si、Ta、Ti、Sn、またはZrの金属元素、Rは、炭素数1から15のアルコキシ基)で示される、前記(1)から(9)のいずれかに記載の透明ハイブリッド皮膜。
(18)透明ハイブリッド皮膜の原料となる金属アルコキシドが、前記(17)に記載された金属アルコキシドから選択された少なくとも2種類以上を原料としたものである、前記(1)から(9)のいずれかに記載の透明ハイブリッド皮膜。
(19)透明ハイブリッド皮膜の層間に固定化する添加剤が、防錆剤、紫外線吸収剤/光安定剤、防カビ剤/抗菌剤、および/または生物付着防止剤である、前記(1)から(9)のいずれかに記載の透明ハイブリッド皮膜。
(20)透明ハイブリッド皮膜の層間に固定化する添加剤が、前記(19)に記載された添加剤から選択された少なくとも2種類以上を原料として使用した、前記(1)から(9)のいずれかに記載の透明ハイブリッド皮膜。
(21)有機シランと金属アルコキシドを、有機溶媒、水、添加剤としての防錆剤、紫外線吸収剤、防カビ剤、または生物付着防止剤、任意に触媒を含む溶液中で共加水分解・縮重合した前駆溶液を、金属、金属酸化膜、合金、半導体、ポリマー、セラミックス、ガラス、樹脂、木材、紙、繊維の内から選択した固体表面に滴下した後、所定時間、室温、大気圧下で溶媒を揮発させ、皮膜を架橋させることを特徴とする、透明ハイブリッド皮膜の製造方法。
(22)加水分解に使用する水と混和可能であり、かつ有機シラン、金属アルコキシドおよび添加剤の加水分解・縮重後の物質を溶解し、かつ蒸気圧が水より大きな有機溶媒を使用する、前記(21)に記載の透明ハイブリッド皮膜の製造方法。
(23)加水分解に使用する触媒が、式(A)のR3、式(B)のR4、式(C)のR1、の加水分解を促進する作用を有する、前記(21)から(22)のいずれかに記載の透明ハイブリッド皮膜の製造方法。
(24)スピンコーティング法、ディップコーティング法、ローラーコーティング法、バーコティング法、インクジェットコーティング法、グラビアコーティング法、スプレー法の内から選択したいずれかの方法により、溶媒の揮発を促進させる、前記(21)から(23)のいずれかに記載の透明ハイブリッド皮膜の製造方法。
(25)前駆溶液中の有機シラン、金属アルコキシドおよび添加剤の濃度、有機溶媒のモル濃度に依存して、10−10000nmまで膜厚を制御する、前記(21)から(24)のいずれかに記載の有機−無機透明ハイブリッド皮膜の製造方法。
(26)前記(21)から(25)に記載した方法で調製した前駆溶液が、少なくとも20日以上保存後も使用可能である、前記(21)から(25)のいずれかに記載の透明ハイブリッド皮膜の製造方法。
(27)前記(1)から(9)のいずれかに記載の透明ハイブリッド皮膜が被覆された固体表面であって、その表面が、はっ水/はつ油性、液滴除去能、耐指紋付着性、防汚性、耐食性、耐候性、防カビ性、抗菌性、および/または生物付着防止能を示すことを特徴とする固体表面。
本発明は、固体表面に形成させるための透明ハイブリッド皮膜であって、有機シランと金属アルコキシドを、有機溶媒、水、添加剤(防錆剤、紫外線吸収剤/光安定剤、防カビ剤/抗菌剤、生物付着防止剤等)を含む溶液中で共加水分解・縮重合することにより得られる皮膜であることを特徴とするものである。
[防錆剤]
アルカノールアミン、第四アンモニウム塩、アルカンチオール、イミダゾリン、メタバナジン酸ナトリウム、クエン酸ビスマス、フェノール誘導体、ポリアルケニルアミン、アルキルイミダゾリン誘導体、ジアノアルキルアミン、カルボン酸アミド、アルキレンジアミン、ピリミジンおよびこれらのカルボン酸、ナフテン酸、スルホン酸複合体、亜硝酸カルシウム、アルキルアミンとエステル、ポリアルコール、ポリフェノール、アルカノールアミン、モリブデン酸ナトリウム、タングステン酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、ホスホン酸ナトリウム、クロム酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ゼラチン、カルボン酸のポリマー、脂肪族および芳香族アミンとジアミン、エトキシ化アミン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、ニトロ化合物、ホルムアルデヒド、アセチレンアルコール、脂肪族および芳香族チオールとスルフィド、スルホキシド、チオ尿素、アセチレンアルコール、2−メルカプトベンズイミダゾール、アミン又は第四アンモニウム塩+ハロゲンイオン、アセチレンチオールおよびスルフィド、ジベンジルスルホキシド、アルキルアミン+ヨウ化カリウム、亜硝酸ジシクロヘキシルアミン、安息香酸シクロヘキシルアミン、ベンゾトリアゾール、タンニン+リン酸ナトリウム、トリエタノールアミン+ラウリルサルコシン、+ベンゾトリアゾール、アルキルアミン+ベンゾトリアゾール+亜硝酸ナトリウム+リン酸ナトリウム。
2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、メチル−3−[3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート−ポリエチレングリコール(分子量約300)との縮合物、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール誘導体、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−エトキシ−2’−エチル−オキサリック酸ビスアニリド。
2−(4−チアゾリル)ベンツイミダゾール、ソルビン酸、1,2−ベンズイソチアゾリン−3オン、(2−ピリジルチオ−1−オキシド)ナトリウム、デヒドロ酢酸、2−メチル−5−クロロ−4−イソチアゾロン錯体、2,4,5,6−テトラクロロフタロニトリル、2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチル、1−(ブチルカルバモイル)−2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチル、モノあるいはジブロモシアノアセトアミド類、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン、1,1−ジブロモ−1−ニトロプロパノールおよび1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−アセトキシプロパン。
テトラメチルチウラムジサルファイド、ビス(N,N−ジメチルジチオカルバミン酸)亜鉛、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア、ジクロロ−N−((ジメチルアミノ)スルフォニル)フルオロ−N−(P−トリル)メタンスルフェンアミド、ピリジン−トリフェニルボラン、N,N−ジメチル−N’−フェニル−N’−(フルオロジクロロメチルチオ)スルファミド、チオシアン酸第一銅(1)、酸化第一銅、テトラブチルチウラムジサルファイド、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、ジンクエチレンビスジチオカーバーメート、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン、N−(2,4,6−トリクロロフェニル)マレイミド、ビス(2−ピリジンチオール−1−オキシド)亜鉛塩、ビス(2−ピリジンチオール−1−オキシド)銅塩、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、フラノン類、アルキルピリジン化合物、グラミン系化合物、イソトニル化合物。
(1)高濃度(最大約50wt.%)の添加剤、例えば、防錆剤、紫外線吸収剤/光安定剤、防カビ剤/抗菌剤、生物付着防止等を皮膜の層間に導入することができるため、はっ水/はつ油性、防汚性、耐食性、耐候性、防カビ性、生物付着防止性等の、長期間に渡る効果持続を実現できる、新しい表面改質技術を提供することができる。
(2)添加剤は層間に固定化されているために、単に添加剤を混合したり、練り込んだ従来の塗膜や高分子材料と異なり、昇華やブリードアウト防止を実現できる、新しい表面改質技術を提供することができる。
(3)添加剤が有機化合物の場合、ハイブリッド皮膜内部で添加剤が完全に分散することで、結晶化・凝集が抑制されるため、濃度消光の抑制・最大吸収波長シフトの抑制、溶解性の向上が実現できる、新しい表面改質技術を提供することができる。
(4)皮膜に亀裂が入っても、添加剤が亀裂部位に集まっていく性能があるため、腐食の進行抑制を実現できる、新しい表面改質技術を提供することができる。
(5)不活性な官能基を有する有機シラン、例えば、長鎖アルキルトリエトキシシラン、パーフルオロアルキルトリエトキシシラン等を用いているため、層状構造形成の際に、腐食・劣化防止剤を疎水性相互作用により層間に固定化すると同時に、透明ハイブリッド皮膜の表面に、はっ水/はつ油性、液滴除去能、耐指紋付着性、防汚性等を付与できる、新しい表面改質技術を提供することができる。
(6)活性な官能基を有する有機シラン、例えば、ビニルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシ−4−(3−トリエトキシシリルプロポキシ)−ジフェニルケトン等を用いているため、層状構造形成の際に、添加剤を水素結合や共有結合により固定化すると同時に、透明ハイブリッド皮膜の表面に、生体親和性や化学反応性を付与できる、新しい表面改質技術を提供することができる。
(7)基材表面の動的濡れ性、すなわち、動的接触角[前進接触角(θA)と、後退接触角(θR)]を測定した時の接触角ヒステリシス(θA−θR)が、有機シラン単独で表面処理された表面より小さな値となる、ヒステリシスの極めて小さい表面にすることを可能とする表面改質技術を提供することができる。
(8)表面張力が18〜73dyn/cmの液体に対してヒステリシスの極めて小さい透明ハイブリッド皮膜を、特に、基材を選ぶことなく、また、基材の前処理を施すことなく、基材に密着性よく形成できる表面処理技術を提供することができる。
(9)有機溶媒に対する有機シランと金属アルコキシドの濃度によって、膜厚を任意に制御(10−10000nm)することが可能である。
(10)当該ハイブリッド皮膜は透明性が高いため、処理する基材表面の外観を維持したまま、意匠性を損なうことなく、表面処理を施すことができる。
(11)調製後の前駆溶液が安定であるため、調製後に長期間(1ヶ月程度)保存することができる。
(12)特に加熱処理をすることなく、室温で硬化させることが可能なため、耐熱温度の低いポリマー、紙、繊維、木材等への成膜が可能である。
(13)有機シラン含有量を調整することで、膜の硬度、耐熱性、可とう性を任意に調整することができるため、シート状のポリマー、金属フィルム、紙等に、曲げてもクラックや剥離を発生させない成膜が可能である。
(14)透明ハイブリッド皮膜の優れたはっ水/はつ油性、液滴除去能、耐指紋付着性、防汚性、耐食性、耐候性、防カビ性、生物付着防止性により、例えば、金属/木質材料の腐食防止、タッチパネルディスプレー等の指紋付着防止、日常生活品や食品梱包材への抗菌性付与、ポリマーフィルムへの耐候性付与、紙や繊維等の劣化/黄変防止や防水性付与、タイルや水周りの防カビ/防菌処理、等の用途において、長期に渡りこれらの機能を持続可能な、新しい表面改質技術を提供することができる。
[腐食試験1]
試験片を0.05M NaCl水溶液に、室温で24時間浸漬した。
[腐食試験2]
試験片を純水の入った密閉容器内で、100℃で240時間浸漬した。
[腐食試験3]
試験片を5wt%塩水噴霧に暴露した。
[腐食試験4]
試験片にメッシュ状の切り込み(縦横それぞれ10本)を入れ、0.05M NaCl水溶液に、室温で12時間浸漬した。
未処理の銅板を用いて、各種腐食試験を実施した。
テトラメトキシシラン(TMOS)を、エタノールおよび塩酸と混ぜ合わせた後、室温で所定時間撹拌した。その後、TMOSの固形成分(SiO2)の全重量に対し、0、3.1、6.3、12.5、25、50wt.%のトリルトリアゾール(TTA)、または、12.5wt.%のベンゾトリアゾール(BTA)を添加し、更に、所定時間添加した。得られた前駆溶液を、銅板上およびガラス板にスピンコートし、一日、室温で静置した。
テトラメトキシシラン(TMOS)、デシルトリエトキシシラン(DTES)をTMOS/DTES(モル比)=4の比率で混合し、エタノールおよび塩酸と混ぜ合わせた後、室温で所定時間撹拌した。得られた前駆溶液を、銅板およびガラス板にスピンコートし、一日、室温で静置した。
テトラメトキシシラン(TMOS)、オクタデシルトリメトキシシラン(ODMS)をTMOS/ODMS(モル比)=4の比率で混合し、エタノールおよび塩酸と混ぜ合わせた後、室温で所定時間撹拌した得られた前駆溶液を、銅板およびガラス板にディップコートし、一日、室温で静置した。
Claims (9)
- 基材の表面に形成された、有機シランと金属アルコキシドからなる透明ハイブリッド皮膜であって、
1〜10nmの繰り返し周期の層状構造を有し、層間に、防錆剤、紫外線吸収剤/光安定剤、防カビ剤/抗菌剤、及び生物付着防止剤から選択される少なくとも1種類以上の添加剤が固定化されており、
該皮膜が形成された基板表面の動的接触角[前進接触角(θ A )と後退接触角(θ R )]を測定した時の接触角ヒステリシス(θ A −θ R )が、有機シラン単独で形成された基板表面より小さな値である特性を有していることを特徴とする透明ハイブリッド皮膜。 - 前記添加剤を、皮膜の総重量に対して、3〜50wt%含有している請求項1に記載の透明ハイブリッド皮膜。
- 前記有機シランが、炭素数4〜18のアルキルアルコキシシランである請求項1又は2に記載の透明ハイブリッド皮膜。
- 有機シランと金属アルコキシドを、有機溶媒、添加剤としての防錆剤、紫外線吸収剤/光安定剤、防カビ剤/抗菌剤、及び生物付着防止剤から選択される少なくとも1種類以上、及び任意に触媒を含む溶液中で共加水分解・縮重合した前駆溶液を、基板表面に滴下した後、室温、大気圧下で溶媒を揮発させ、皮膜を架橋させることを特徴とする透明ハイブリッド皮膜の製造方法。
- 前記有機シランが、式(A)
R 1 −Si−(OR 2 ) 3 ・・・・(A)
(但し、式中、R 1 は炭素数4〜18のアルキル基、R 2 は炭素数1又は2のアルコキシ基)で示されることを特徴とする請求項4に記載の透明ハイブリッド皮膜の製造方法。 - 前記金属アルコキシドが、式(C)
Si(R 1 ) 4 ・・・・・・・(C)
(但し、式中、R 1 は炭素数1又は2のアルコキシ基)
で示されることを特徴とする請求項4又は5に記載の透明ハイブリッド皮膜の製造方法。 - 前記有機溶媒として、加水分解に使用する水と混和可能であり、かつ有機シラン、金属アルコキシドおよび添加剤の加水分解・縮重後の物質を溶解し、かつ蒸気圧が水より大きな有機溶媒を使用することを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の透明ハイブリッド皮膜の製造方法。
- 前記触媒が、前記式(A)中のR 2 で示される基及び式(C)中のR1 で示される基の加水分解を促進する作用を有することを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の透明ハイブリッド皮膜の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の透明ハイブリッド皮膜が被覆された固体表面であって、その表面が、はっ水/はつ油性、液滴除去能、耐指紋付着性、防汚性、耐食性、耐候性、防カビ性、抗菌性、および/または生物付着防止能を示すことを特徴とする固体表面。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012125381A JP5991665B2 (ja) | 2012-05-31 | 2012-05-31 | 透明ハイブリッド皮膜とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012125381A JP5991665B2 (ja) | 2012-05-31 | 2012-05-31 | 透明ハイブリッド皮膜とその製造方法 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013249389A JP2013249389A (ja) | 2013-12-12 |
JP2013249389A5 JP2013249389A5 (ja) | 2015-09-10 |
JP5991665B2 true JP5991665B2 (ja) | 2016-09-14 |
Family
ID=49848409
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012125381A Active JP5991665B2 (ja) | 2012-05-31 | 2012-05-31 | 透明ハイブリッド皮膜とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5991665B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20180085135A (ko) * | 2017-01-18 | 2018-07-26 | 한국해양대학교 산학협력단 | 상온 경화형 세라믹 도료 조성물 |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016068103A1 (ja) | 2014-10-31 | 2016-05-06 | 住友化学株式会社 | 撥水撥油コーティング組成物 |
WO2016068118A1 (ja) | 2014-10-31 | 2016-05-06 | 住友化学株式会社 | 透明皮膜 |
KR102478714B1 (ko) | 2014-11-12 | 2022-12-16 | 스미또모 가가꾸 가부시키가이샤 | 발수 발유 코팅 조성물 및 투명 피막 |
KR101884193B1 (ko) * | 2015-10-21 | 2018-08-01 | 주식회사 맥스젠테크놀로지 | 다기능을 가진 디스플레이 부품의 코팅층 및 그 코팅층의 제조방법 |
WO2017145201A1 (ja) * | 2016-02-25 | 2017-08-31 | 日新製鋼株式会社 | 塗装めっき金属板 |
KR20180081223A (ko) * | 2017-01-06 | 2018-07-16 | 주식회사 맥스젠테크놀로지 | 다기능을 가진 디스플레이 부품의 코팅층 및 그 코팅층의 제조방법 |
CN108485322A (zh) * | 2018-03-29 | 2018-09-04 | 南京信息工程大学 | 一种耐腐蚀复合材料及其制备方法 |
CN116574409B (zh) * | 2023-07-12 | 2023-09-22 | 中国林业科学研究院木材工业研究所 | 一种基于碳量子点的耐污防指纹助剂及其制备方法、耐污防指纹涂料及其应用 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4145699B2 (ja) * | 2003-04-03 | 2008-09-03 | 日鉱金属株式会社 | レジンダスト付着防止処理を施した銅箔又は銅合金箔及びレジンダスト付着防止方法 |
JP4289936B2 (ja) * | 2003-06-19 | 2009-07-01 | 三井化学株式会社 | 複合多層膜およびその製造方法および電子部品 |
JP4289935B2 (ja) * | 2003-06-19 | 2009-07-01 | 三井化学株式会社 | 複合多層膜、その自己組織的な製造方法および電子部品 |
JP4384898B2 (ja) * | 2003-11-28 | 2009-12-16 | 日油株式会社 | 撥水撥油性被膜の製造方法 |
US20050282953A1 (en) * | 2004-06-17 | 2005-12-22 | Microphase Coatings, Inc. | Hydrophobic coating composition |
-
2012
- 2012-05-31 JP JP2012125381A patent/JP5991665B2/ja active Active
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20180085135A (ko) * | 2017-01-18 | 2018-07-26 | 한국해양대학교 산학협력단 | 상온 경화형 세라믹 도료 조성물 |
KR101953568B1 (ko) * | 2017-01-18 | 2019-03-04 | 한국해양대학교 산학협력단 | 상온 경화형 세라믹 도료 조성물 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013249389A (ja) | 2013-12-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5991665B2 (ja) | 透明ハイブリッド皮膜とその製造方法 | |
Xiao et al. | Novel robust superhydrophobic coating with self-cleaning properties in air and oil based on rare earth metal oxide | |
JP4746323B2 (ja) | 腐食に対して保護する金属の被覆のための組成物 | |
RU2458095C2 (ru) | Биоцидное/гидрофобное внутреннее покрытие конденсаторных трубок (промышленных турбин и побочных охлаждающих контуров) | |
US11053397B2 (en) | Anticorrosion layer and process for production thereof | |
CN107109128B (zh) | 疏水疏油涂敷组合物及透明被膜 | |
JP2011526835A5 (ja) | ||
US20230031778A1 (en) | Selectively Applied Gradient Coating Compositions | |
WO2016068103A1 (ja) | 撥水撥油コーティング組成物 | |
JP2013213181A (ja) | 有機−無機透明ハイブリッド皮膜とその製造方法 | |
KR101463050B1 (ko) | 초소수성 표면을 포함하는 재료 및 이의 제조 방법 | |
JP6243914B2 (ja) | 超疎水/超親油性のある塗料、エポキシおよび組成物の製造方法 | |
CN101696340B (zh) | 一种可剥离防污涂料 | |
CN1646648A (zh) | 具有生物膜抑制涂层的基体 | |
JPWO2016068118A1 (ja) | 透明皮膜 | |
AU2018204389B2 (en) | A chromium-free water based coating for treating a Galvannealed or galvanized steel surface | |
WO2017188330A1 (ja) | 組成物 | |
WO2019131872A1 (ja) | ポリマーブラシ形成用基体及び該基体の製造方法並びに該方法に用いる前駆液 | |
Saffar et al. | Superhydrophobic ZnO thin film modified by stearic acid on copper substrate for corrosion and fouling protections | |
WO2019033199A1 (en) | COATING COMPOSITIONS AND METHODS FOR PREVENTING THE FORMATION OF BIOFILMS ON SURFACES | |
JP2016150558A (ja) | 抗菌性無機有機複合膜を有する基材 | |
Jiang et al. | NIR-Driven Self-Healing Phase-Change Solid Slippery Surface with Stability and Promising Antifouling and Anticorrosion Properties | |
EP4081604B9 (en) | An omniphobic and biocide sol-gel coating composition | |
AU2010340120B2 (en) | Corrosion protection coatings and methods of making the same | |
Akid et al. | Green coatings for industrial applications |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20150422 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150527 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150529 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20150702 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150626 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150717 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160210 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160511 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160711 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160803 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160808 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5991665 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |