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JP5983587B2 - 電子回路装置 - Google Patents

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Description

本発明は、トランスの一次側と二次側との間で電力伝送を行なう電子回路装置に関する。
従来の電子回路装置として、例えば特許文献1には、コアと一次巻線と二次巻線で構成したトランスを一つの部品とし、コアを介して一次巻線と二次巻線を磁気結合することで、電気的な絶縁を図りつつ電力を伝送するスイッチング電源装置が開示されている。
特許文献1では、シートトランス構造を有するトランスと、トランスの一次側に設けられるスイッチング素子(スイッチ)は別部品で構成され、トランスとスイッチング素子は分離して基板に搭載される。つまり、トランスとスイッチング素子との接続箇所で、トランスとスイッチング素子との間の距離が離れているので、基板の面積が自ずと大きくなり、装置が大型化して回路の寄生インダクタンスが増加する。
こうした問題に対して、非特許文献1には、トランスの二次側回路として同期整流スイッチング素子や平滑コンデンサを有するLLC共振コンバータにおいて、これらの同期整流スイッチング素子や平滑コンデンサを、トランスの二次巻線の途中に組み込むことで、トランスと二次側回路との間の距離を短くする考えが提案されている。
特開2012−134291号公報 ファン,ダオチェン(Huang, Daocheng);ジン、シュー(Jin, Shu);リー,フレッド.シー.(Lee Fred. C.)、「LLC共振コンバータ用マトリクストランス(Matrix transformer for LLC resonant converters)」、電力変換回路に関する展示会と会議(Applied Power Electronics Conference and Exposition(APEC)、2013年3月、第28年度(Twenty-Eighth Annual)、電気学会(IEEE)、2078〜2083頁、デジタルオブジェクト識別子(Digital Object Identifier):10.1109/APEC.2013.6520582
非特許文献1で提案されたLLC共振コンバータは、積層した基板の外層に二次巻線をパターン形成して、同期整流スイッチング素子や平滑コンデンサなどの二次側素子を、基板の表面で二次巻線の途中に直接搭載する考えが示されているが、トランスの一次巻線は基板の内層にパターン形成されるので、一次巻線の途中に一次側素子を組み込むことができず、装置全体の小型化を実現することができない。
そこで本発明は、トランスの一次側と二次側の両方でコンパクトな構造を図り、装置全体の小型化を実現した電子回路装置を提供することを目的とする。
本発明の電子回路装置は、トランスの一次側と二次側との間で電力伝送を行う電子回路装置であって、前記トランスは一次巻線と二次巻線と磁芯とを有し、前記一次巻線と前記二次巻線は、前記磁芯を周回するように配置され、前記一次巻線は、基板に構成された一次巻線部と、前記一次巻線部に接続パターン部を設けることなく電気的に接続され、直流を交流に変換する逆変換回路を構成する一次側素子とを有し、前記二次巻線は、基板に構成された二次巻線部と、前記二次巻線部に接続パターン部を設けることなく電気的に接続され、交流を直流に変換する順変換回路を構成する二次側素子とを有することを特徴とする。
この場合、前記一次巻線部と前記二次巻線部は前記基板上に配置されており、前記基板の一方の面に形成される前記一次巻線部と、前記基板の他方の面に形成される前記二次巻線部を備えたことが好ましい。
さらに、前記一次巻線部と前記二次巻線部は前記基板上に配置されており、前記一次巻線部と、前記二次巻線部の少なくとも一方は、前記基板内部にも配置されていることが好ましい。
また、前記一次巻線部および前記二次巻線部は、前記基板内部にのみ配置され、前記基板の一方の面に前記一次側素子が、他方の面に前記二次側素子が配置されていても良い。
また、前記電子回路装置の入力端子から前記一次巻線に至る第1の電流経路が、前記一次巻線に略垂直に突き当たる位置関係にあるか、または、前記電子回路装置の出力端子から前記二次巻線に至る第2の電流経路が、前記二次巻線に略垂直に突き当たる位置関係にあれば、更に好ましい。
加えて、前記一次側素子および前記二次側素子の少なくとも一方に配置する素子がFETであって、前記FETの直下に位置して、前記基板の内層にシールド層を設けても良い。
また、前記一次巻線を含む前記トランスの一次側回路は、ハーフブリッジ回路またはフルブリッジ回路で構成され、前記二次巻線を含む前記トランスの二次側回路は、ハーフブリッジ回路またはフルブリッジ回路で構成されていても良い。
本発明の電子回路装置によれば、トランスの一次巻線の一部として一次側素子が組み込まれ、且つトランスの二次巻線の一部として二次側素子が組み込まれるので、トランスと一次側素子との間の距離、およびトランスと二次側素子との間の距離を近付けることができる。したがって、トランスの一次側と二次側の両方でコンパクトな構造を図り、全体の小型化を実現した電子回路装置を提供できる。
また、基板の一方と他方の面に一次巻線と二次巻線をそれぞれ配置させ、基板の各面に一次側素子や二次側素子を搭載して巻線の一部として機能させることができ、素子を含む巻線の損失を抑えて、装置全体の小型化を実現できる。
また、基板の外層だけでなく、基板の内層にも一次巻線や二次巻線となる導体を配設して、これらを適宜接続することで、一次巻線や二次巻線のターン数を増やしたり、一次巻線や二次巻線に流せる電流量を増やしたりすることが容易にできる。
更に、巻線部を外面に露出させず、内部のみに配置すれば、素子の搭載面積が増大し、電子回路装置の小型化を促進することも可能である。
また、一次巻線に組み込まれる一次側素子が少なくとも2つ以上存在し、二次巻線に組み込まれる二次側素子が少なくとも2つ以上存在する場合、基板の一方の面と他方の面に、一次側素子と二次側素子をそれぞれ適宜配置させ、一次巻線部または二次巻線部とスルーホール等を用いながら接続することで、一次側回路や二次側回路を自由にレイアウトすることが可能となる。
また、電子回路装置の入力端子から前記1次巻線に至る第1の電流経路が、一次巻線に略垂直に突き当たる位置関係にあるか、または電子回路装置の出力端子から前記2次巻線に至る第2の電流経路が、二次巻線に略垂直に突き当たる位置関係にあれば、電子回路装置の入出力端子から巻線に達する電流経路に流れる電流によって発生する磁束が、一次巻線や二次巻線と鎖交せず、トランスとしての性能に影響を及ぼさないようにすることができる。
また、基板の内層にシールド層を設けることによって、FETと巻線との間で発生する近接効果を防止することが可能となり、FETの導通損を低減した効率の良い電子回路装置を提供できる。
さらに、トランスの一次側回路や二次側回路をハーフブリッジ構成やフルブリッジ構成とした電子回路装置を提供できる。
本発明の一実施形態に係る電子回路装置として、DC−DCコンバータに適用した要部の回路図を示している。 本実施例におけるDC−DCコンバータの一次側回路と二次側回路の部品配置をそれぞれ上段と下段に示すもので、上段は図7,図9の1−1’線を矢印方向から見た断面図であり、下段は図7,図9の2−2’線を矢印方向から見た断面図である。 図2における基板を概略的に示した断面図である。 本実施例におけるDC−DCコンバータの導体と各素子の配置関係を示した斜視図である。 従来例におけるDC−DCコンバータの一次側回路と二次側回路の部品配置をそれぞれ上段と下段に示すもので、上段は図10,図12の3−3’線を矢印方向から見た断面図であり、下段は図10,図12の4−4’線を矢印方向から見た断面図である。 従来例におけるDC−DCコンバータの導体と各素子の配置関係を示した斜視図である。 本実施例における基板の第1層を示す平面図である。 本実施例における基板の第2層を示す平面図である。 本実施例における基板の第3層を示す底面図である。 従来例における基板の第1層を示す平面図である。 従来例における基板の第2層を示す平面図である。 従来例における基板の第3層を示す底面図である。 スイッチとして用いられるFETの典型的な構造を示し、(A)は縦型構造のFET、(B)は横型構造のFETの概略図である。 トランスの二次巻線に2個の横型FETを組み込んだ場合の電流密度分布を示す図である。 スイッチング周波数が1Hzの条件で、トランスの二次巻線に縦型FETと横型FETを組み込んだ場合の電流密度分布を示す図である。 スイッチング周波数が5MHzの条件で、トランスの二次巻線に縦型FETと横型FETを組み込んだ場合の電流密度分布を示す図である。 横型FETと縦型FETのそれぞれについて、周波数と損失との関係を示すグラフである。 図17の状態から、横型FETの直下にシールド層を設けた場合の電流密度分布を示す図である。 (A)はシールド層を設ける前の電極における電流の流れを示し、(B)はシールド層を設けた後の電極における電流の流れを示す図である。 シールド層における電流の流れを示す図である。
以下、本発明の実施形態に係る電子回路装置について、添付図面を参照して説明する。
図1は、電子回路装置の一例として、電流共振形DC−DCコンバータ1の主な回路構成を示している。このDC−DCコンバータ1は、トランスTの一次側回路として、2個のスイッチQ1,Q2と、コンデンサC1,C2の直列回路からなるハーフブリッジ回路を有し、トランスTの二次側回路として、4個のスイッチQ3,Q4,Q5,Q6からなるフルブリッジ回路を有する。前記ハーフブリッジ回路は、DC−DCコンバータ1の入力端子Vi+,Vi−間に、ハイサイドスイッチQ1とローサイドスイッチQ2との直列回路と、コンデンサC1,C2の直列回路を接続して構成され、前記フルブリッジ回路は、DC−DCコンバータ1の出力端子Vо+,Vо−間に、ハイサイドスイッチQ3とローサイドスイッチQ4との直列回路と、ハイサイドスイッチQ5とローサイドスイッチQ6との直列回路をそれぞれ接続して構成される。トランスTの一次側回路には、コンデンサC1,C2の直列回路が入力端子Vi+,Vi−間に接続され、ハーフブリッジ回路が形成される。これにより、入力端子Vi+,Vi−間に印加される入力電圧を利用して、各コンデンサC1,C2の所望の充電電圧を充電することが可能になる。さらに、二次側回路のVо+,Vо−間には、出力コンデンサCoが接続される。
トランスTは、一次側と二次側との間で電気的に絶縁して電力伝送を行なうもので、一次巻線部11と二次巻線部12とを共通する磁芯13に巻回することで構成される。ここではトランスTの一次側において、ハイサイドスイッチQ1とローサイドスイッチQ2との接続点に、一次巻線部11の一方の端子p+(スルーホール24A)が接続され、コンデンサC1,C2の接続点に、一次巻線部11の他方の端子p−(スルーホール24B)が接続される。また、トランスTの二次側において、ハイサイドスイッチQ3とローサイドスイッチQ4との接続点に、二次巻線部12の一方の端子s+(スルーホール24C)が接続され、ハイサイドスイッチQ5とローサイドスイッチQ6との接続点に、二次巻線部12の他方の端子s−(スルーホール24D)が接続される。
DC−DCコンバータ1は、何れも制御端子付き半導体スイッチ素子からなる各スイッチQ1〜Q6に、パルス駆動信号を供給するためのドライバ回路が搭載される。ドライバ回路は、ハイサイドスイッチQ1とローサイドスイッチQ2を交互にスイッチング動作させるパルス駆動信号を、トランスTの一次側のハーフブリッジ回路に供給すると共に、ハイサイドスイッチQ1に同期してハイサイドスイッチQ3,ローサイドスイッチQ6がスイッチング動作し、ローサイドスイッチQ2に同期してローサイドスイッチQ4,ハイサイドスイッチQ5がスイッチング動作するようなパルス駆動信号を、トランスTの二次側のフルブリッジ回路に供給する構成となっている。
そして、スイッチQ1,Q3,Q6のオン期間中は、トランスTの一次側で、コンデンサC1の充電電圧が他方の端子p−に対して一方の端子p+を正にして一次巻線部11に印加され、これによりトランスTの二次側で、他方の端子s−に対して一方の端子s+を正にして発生した二次巻線部12の誘起電圧が、出力端子Vo+,Vo−間に出力される。このときのトランスTの一次側と二次側に発生する電流Fa1,Fa2の流れを、矢印でそれぞれ示す。
また、スイッチQ2,Q4,Q5のオン期間中は、トランスTの一次側で、コンデンサC2の充電電圧が一方の端子p+に対して他方の端子p−を正にして一次巻線部11に印加され、これによりトランスTの二次側で、一方の端子s+に対して他方の端子s−を正にして発生した二次巻線部12の誘起電圧が、出力端子Vo+,Vo−間に出力される。このときのトランスTの一次側と二次側に発生する電流Fb1,Fb2の流れを、矢印でそれぞれ示す。そして本実施例では、トランスTの漏れインダクタンスと共振用のコンデンサC1,C2とによる直列共振を利用することで、一次側回路に正弦波状の共振電流を発生させ、ハイサイドスイッチQ1とローサイドスイッチQ2のゼロ電流スイッチングを実現している。
図1に示すスイッチQ1〜Q6は、何れも電界効果トランジスタ即ちFETからなり、好ましくは電流経路が縦方向に形成される縦型構造のFETを搭載する。
図2は、本実施例において、図1で示したDC−DCコンバータ1の一次側回路と二次側回路の部品配置を示した断面図である。なお、図2の断面箇所は、後述の図7や図9に記載の平面図1−1’,2−2’である。図中、スイッチQ1〜Q6のDはドレインを示し、Sはソースを示している。また21は、絶縁基材22の表面(片面または両面)にパターン化された導体23を配設してなる基板である。なお、基板21は多層構造であっても良い。導体23は、例えば銅箔または板金などで所望の形状に形成される。
図3は多層構造を有する基板21の構造を示す概念図であり、図4は多層構造の基板21内部を示す斜視図である。図中、磁芯13は省略されているが、Φa1,Φb1は、トランスTの一次側電流Fa1,Fb1に伴い磁芯13に発生する磁束であり、矢印はその向きを示している。同図において、基板21の第1層には、第1の導体23Aと、ハイサイドスイッチQ1,Q3,Q5と、コンデンサC1がそれぞれ配置され、基板21の第2層には、第2の導体23Bが配置され、基板21の第3層には、第3の導体23Cと、ローサイドスイッチQ2,Q4,Q6と、コンデンサC2がそれぞれ配置される。ここでは、基板21の第1層が一方の面としての部品面21Aとなり、基板21の第3層が基板21の他方の面としての半田面21Bとなる。本実施例では、一次巻線W1を2ターンとし、二次巻線W2を1ターンとしたトランスTについて説明するが、一次巻線W1や二次巻線W2のターン数は特に限定しない。
図1〜図4を参照しながら、一次側回路の構成から説明すると、DC−DCコンバータ1の一次側回路は、コンデンサC1とハイサイドスイッチQ1を基板21の部品面21Aに実装し、コンデンサC2とローサイドスイッチQ2を、基板21の半田面21Bに実装して構成される。ハイサイドスイッチQ1のドレインDとコンデンサC1の正の電位側は、基板21の部品面21A側で導体23のノードNodeA1により接続され、そのノードNodeA1の接続部分から入力端子Vi+を引き出している。また、ハイサイドスイッチQ1のソースSは一次巻線部11の一方の端子p+(スルーホール24A)に接続され、コンデンサC1の負の電位側は一次巻線部11の他方の端子p−(スルーホール24B)に接続される。
これに対して、ローサイドスイッチQ2のソースSとコンデンサC2の負の電位側は、基板21の半田面21B側で導体23のノードNodeB1により接続し、そのノードNodeB1の接続部分から入力端子Vi−を引き出している。また、ローサイドスイッチQ2のドレインDは一次巻線部11の一方の端子p+(スルーホール24A)に接続し、コンデンサC2の正の電位側は一次巻線部11の他方の端子p−(スルーホール24B)に接続される。さらに、ハイサイドスイッチQ1のソースSとローサイドスイッチQ2のドレインD、およびコンデンサC1の負の電位側とコンデンサC2の正の電位側は、それぞれ基板21の裏表で、基板21を貫通する接続部としてのスルーホール24A,24Bを通して電気的に接続される。
こうした一次側回路における各部品の配置や、一次巻線部11と各部品との間の配置を採用することにより、コンデンサC1とハイサイドスイッチQ1の内部を流れる電流Fa1、またはローサイドスイッチQ2とコンデンサC2の内部を流れる電流Fb1によって発生する磁束Φa1,Φb1が、二次巻線部12と磁気結合することによって、二次側回路に電流Fa2,Fb2を流すことができる。
次に、二次側回路の構成を説明すると、当該二次側回路は、ハイサイドスイッチQ3,Q5を基板21の部品面21Aに実装し、ローサイドスイッチQ4,Q6を基板21の半田面21Bに実装して構成される。ハイサイドスイッチQ3とハイサイドスイッチQ5のドレインDどうしは、基板21の部品面21A側で導体23のノードNodeA2により接続され、そのノードNodeA2の接続部分から出力端子Vo+を引き出している。また、ハイサイドスイッチQ3のソースSは二次巻線部12の一方の端子s+(スルーホール24C)に接続され、ハイサイドスイッチQ5のソースSは二次巻線部12の他方の端子s−(スルーホール24D)に接続される。
これに対して、ローサイドスイッチQ4,Q6のソースSどうしを、基板21の半田面21B側で導体23のノードNodeB2により接続し、そのノードNodeB2の接続部分から出力端子Vo−を引き出している。また、ローサイドスイッチQ4のドレインDは二次巻線部12の一方の端子s+(スルーホール24C)に接続され、ローサイドスイッチQ6のドレインDは二次巻線部12の他方の端子s−(スルーホール24D)に接続される。さらに、ハイサイドスイッチQ3のソースSとローサイドスイッチQ4のドレインD、およびハイサイドスイッチQ5のソースSとローサイドスイッチQ6のドレインDは、それぞれ基板21の裏表で、基板21を貫通するスルーホール24C,24Dを通して電気的に接続される。
こうした二次側回路における各部品の配置や、二次巻線部12と各部品との間の配置を採用することにより、ハイサイドスイッチQ3とローサイドスイッチQ6、またはハイサイドスイッチQ4とローサイドスイッチQ5を含む二次巻線W2を、一次巻線部11に流れる電流Fa1,Fb1によって発生する磁束Φa1,Φb1と結合させることができる。
上記一次側回路に着目すると、本実施例では、第1の一次側素子であるコンデンサC1と、第2の一次側素子であるハイサイドスイッチQ1と、トランスTの一次巻線部11から構成される第1の一次側閉回路31の他に、第3の一次側素子であるコンデンサC2と、第4の一次側素子であるローサイドスイッチQ2と、トランスTの一次巻線部11から構成される第2の一次側閉回路32を備えている。そして第1の一次側閉回路31は、コンデンサC1の正の電位側であって、導体23の一部をなすノードNodeA1から開始して、ハイサイドスイッチQ1、トランスTの端子p+を通り、端子p+から一次巻線部11を通って端子p−に達し、そこからコンデンサC1の負の電位側を通り、ノードNodeA1に戻る構成となっている。これらのコンデンサC1およびハイサイドスイッチQ1と一次巻線部11から、トランスTの実質的な一次巻線W1が形成される。つまり本実施例では、トランスTの一次巻線W1にコンデンサC1とハイサイドスイッチQ1が挿入接続した構成を有し、その実質的な巻線構造に含まれる導体23のノードNodeA1から、正極の入力端子Vi+が引き出されている。
第1の一次側閉回路31に流れる電流Fa1による磁束Φa1は、トランスTの二次巻線W2に鎖交することにより、その二次巻線W2と磁気結合する。一方、ノードNodeA1から正極の入力端子Vi+が引き出されている箇所から流入する入力電流による磁束は電流が二次巻線W2と略垂直の経路を通じて流入するので、トランスTの二次巻線W2に鎖交しない。したがって、この電流による磁束は二次巻線W2と磁気結合していない。
同様に、第2の一次側閉回路32も、コンデンサC2の正の電位側から開始して、トランスTの端子p−に達し、その端子p−から一次巻線部11を通って端子p+に達し、その端子p+から、ローサイドスイッチQ2、導体23の一部をなすノードNodeB1を通って、コンデンサCの正の電位側に戻る構成となっており、これらのコンデンサC2およびローサイドスイッチQ2と一次巻線部11とにより、トランスTの実質的な一次巻線W1を形成している。つまり本実施例では、トランスTの一次巻線W1にコンデンサC2とローサイドスイッチQ2が挿入接続した構成を有し、その実質的な巻線構造に含まれる導体23のノードNodeB1から、負極の入力端子Vi−が引き出されている。
第2の一次側閉回路32に流れる電流Fb1による磁束Φb1は、トランスTの二次巻線W2に鎖交することにより、その二次巻線W2と磁気結合する。一方、ノードNodeB1から負極の入力端子Vi−が引き出されている箇所から流出する入力電流による磁束は電流が二次巻線W2と略垂直の経路を通じて流入するので、トランスTの二次巻線W2に鎖交しない。したがって、この電流による磁束は二次巻線W2と磁気結合していない。
上記のように第1の一次側閉回路31と第2の一次側閉回路32を構成することにより、第1の一次側閉回路31および第2の一次側閉回路32によって発生する磁束Φa1,Φb1が二次巻線W2と磁気結合するので、トランスTの一次側から二次側への電力伝送を行なうことができる。
第1の一次側閉回路31と第2の一次側閉回路32は一次巻線部11の部分で共通であり、一次巻線部11の巻き始めの端子p+から巻き終りの端子p−まで、それぞれ異なる2つの素子を通る閉回路である。第1の一次側閉回路31では、ハイサイドスイッチQ1とコンデンサC1が基板21の部品面21A側に配置されていて、第2の一次側閉回路32では、ローサイドスイッチQ2とコンデンサC2が基板21の半田面21B側に配置されている。さらに、コンデンサC1とハイサイドスイッチQ1が、基板21の部品面21A側でノードNodeA1により接続され、入力端子Vi+を引き出し、コンデンサC2とローサイドスイッチQ2が基板21の半田面21B側でノードNodeB1により接続され、入力端子Vi−を引き出している。
また、上記二次側回路に着目すると、本実施例では、第1の二次側素子であるハイサイドスイッチQ3と、第4の二次側素子であるローサイドスイッチQ6と、トランスTの二次巻線部12と、出力コンデンサCoからなる第1の二次側閉回路41の他に、第2の二次側素子であるハイサイドスイッチQ5と、第3の二次側素子であるローサイドスイッチQ4と、トランスTの二次巻線部12と、出力コンデンサCoからなる第2の二次側閉回路42を備えている。
そして第1の二次側閉回路41は、トランスTの二次巻線部12の端子s+から開始して、ハイサイドスイッチQ3、ノードNodeA2を通って出力コンデンサCoと出力端子Vo+に向かい、出力コンデンサCoと出力端子Vo−からノードNodeB2、ローサイドスイッチQ6を通り、二次巻線部12の端子s−に達し、その端子s−から二次巻線部12を通って端子s+に戻る構成となっており、これらのハイサイドスイッチQ3およびローサイドスイッチQ6と二次巻線部12とにより、トランスTの実質的な二次巻線W2が形成される。つまり本実施例では、トランスTの二次巻線W2にハイサイドスイッチQ3とローサイドスイッチQ6が挿入接続した構成を有し、その二次巻線W2に含まれるノードNodeA2,NodeB2から正極の出力端子Vo+と負極の出力端子Vo−が引き出されていて、この出力端子Vo+,Vo−間に出力コンデンサCoが接続されており、これらも含めて第1の二次側閉回路41を形成している。第1の二次側閉回路41は、一次巻線W1に流れる電流Fa1による磁束Φa1と磁気結合する。
同様に、第2の二次側閉回路42も、トランスTの二次巻線部12の端子s−から開始して、ハイサイドスイッチQ5、ノードNodeA2を通って出力コンデンサCoと出力端子Vo+に向かい、出力コンデンサCoと出力端子Vo−からノードNodeB2、ローサイドスイッチQ4を通り、二次巻線部12の端子s+に達し、その端子s+から二次巻線部12を通って端子s−に戻る構成となっており、これらのハイサイドスイッチQ5およびローサイドスイッチQ4と二次巻線部12とにより、トランスTの実質的な二次巻線W2が形成される。つまり本実施例では、トランスTの二次巻線W2にハイサイドスイッチQ5とローサイドスイッチQ4が挿入接続した構成を有し、その二次巻線W2に含まれるノードNodeA2,NodeB2から正極の出力端子Vo+と負極の出力端子Vo−が引き出されていて、この出力端子Vo+,Vo−間に出力コンデンサCoが接続されており、これらも含めて第2の二次側閉回路42を形成している。第2の二次側閉回路42は、一次巻線W1に流れる電流Fb1による磁束Φb1と磁気結合する。一方、第1の導体23AのノードNodeA2から正極の出力端子Vo+が引き出されている箇所で、出力端子Vo+に流出する出力電流の磁束と、第3の導体23CのノードNodeB2から負極の出力端子Vo−が引き出されている箇所で、出力端子Vo−より流入する出力電流の磁束は、一次巻線部11に対して何れも鎖交しないため、この電流による磁束は一次巻線W1と磁気結合していない。
上記のように第1の二次側閉回路41と第2の二次側閉回路42を構成することにより、第1の二次側閉回路41や第2の二次側閉回路42は、一次巻線W1に流れる電流Fa1,Fb1により発生する磁束Φa1,Φb1と磁気結合するので、トランスTの一次側から二次側への電力伝送を行なうことができる。
第1の二次側閉回路41と第2の二次側閉回路42は二次巻線部12の部分と出力コンデンサCoで共通であり、二次巻線部12の巻き始めの端子s+から巻き終りの端子s−まで、それぞれ異なる2つのスイッチ素子を通る閉回路である。第1の二次側閉回路41ではハイサイドスイッチQ3が基板21の部品面21A側に、ローサイドスイッチQ6が基板21の半田面21B側に配置されていて、第2の二次側閉回路42ではハイサイドスイッチQ5が基板21の部品面21A側に、ローサイドスイッチQ4が基板21の半田面21B側に配置されている。また、出力コンデンサCoは基板21の部品面21A側に配置され、出力コンデンサCoの正の電位側は、第1の導体23AのノードNodeA2に接続される一方で、出力コンデンサCoの負の電位側は、基板21を貫通するスルーホール24Fを介して、第3の導体23CのノードNodeB2に接続される。
さらに、2つのハイサイドスイッチQ3,Q5が、基板21の部品面21A側でノードNodeA2により接続され、出力端子Vo+を引き出し、2つのローサイドスイッチQ4,Q6が、基板21の半田面21B側でノードNodeB2により接続され、出力端子Vo−を引き出している。2つの閉回路は、それぞれ出力端子Vo+から出力コンデンサCoを通って出力端子Vo−までの区間も電流が通過する。
図2との比較のために、図5には、従来例におけるDC−DCコンバータ1の一次側回路と二次側回路の部品配置を示している。また、図4との比較のために、図6には、従来例におけるDC−DCコンバータ1における導体23と各素子の配置関係を第1層から見て、第2層、第3層を透過した斜視図で示す。
従来の一次側回路は、基板21の部品面21A側に、ハイサイドスイッチQ1とローサイドスイッチQ2を配置し、基板21の半田面21B側にコンデンサC1,C2を配置しており、一次巻線部11の巻き始めの端子p+は、スイッチQ1,Q2の間に配置され、一次巻線部11の巻き終りの端子p−は、コンデンサC1,C2の間に配置される。したがって、トランスTの一次巻線W1は、スイッチQ1,Q2やコンデンサC1,C2を実質的に含まずに、それらの素子に接続する前に一旦近づいて配設される。
また、従来の二次側回路は、基板21の部品面21A側に、ハイサイドスイッチQ3とローサイドスイッチQ4を配置し、基板21の半田面21B側に、ハイサイドスイッチQ5とローサイドスイッチQ6を配置しており、二次巻線部12の巻き始めの端子s+は、スイッチQ3,Q4の間に配置され、二次巻線部12の巻き終りの端子s−は、スイッチQ5,Q6の間に配置される。したがって、トランスTの二次巻線W2は、スイッチQ3,Q4やスイッチQ5,Q6を実質的に含まずに、それらの素子に接続する前に一旦近づいて配設される。
図7〜図9は、本実施例におけるDC−DCコンバータ1の基板21のパターン図を示している。図7〜図9は、図4の回路構成をより具体的に示した配線パターン図であり、基板21の第1層から見て、第2層、第3層を透過した図である。基板21は、複数の板状に形成された配線体25を積層した多層構造をなし、各配線体25は絶縁基材22の表面にパターン化された導体23を備えて構成される。本実施例は3層の導体23A〜23Cを有するが、その層数は特に限定されない。
図4および図7から図9に示すように、本実施例では、トランスTの磁芯13を周回する二次巻線W2に、ハイサイドスイッチQ3,Q5やローサイドスイッチQ4,Q6が組み込まれている。つまり、トランスTとスイッチQ3〜Q6との距離を可能な限り近付けて配置できる。
一方、図6および図10から図12に示すように、従来例では、トランスTの磁芯13を周回する二次巻線W2に、ハイサイドスイッチQ3,A5やローサイドスイッチQ4,Q6が組み込まれていない。つまり、磁芯13とスイッチQ3〜Q6との間には二次巻線W2が介在しており、トランスTとスイッチQ3〜Q6とを近付けて配置することができない。そして、これは一次側回路についても同じことがいえる。
図7は、基板21の部品面側の外層となる第1層を、露出した基板21の部品面21A側から見た図である。図8は、基板21の内層となる第2層を、基板21の部品面21A側から透過した図である。図9は、基板21の半田面側の外層となる第3層を、露出した基板21の部品面21A側から透過した図である。
トランスTの磁芯13は、対をなすE型コア部材の中央脚部13Aと側脚部13Bを突き合せて構成され、これらの中央脚部13Aや側脚部13Bが、基板21に形成された貫通孔26にそれぞれ装着される。基板21の部品面21Aの外層となる第1層には、一次側回路を構成するハイサイドスイッチQ1とコンデンサC1と、二次側回路を構成するハイサイドスイッチQ3,Q5がそれぞれ実装される。また、基板21の第1層には、前述のドライバ回路20などが実装される。基板21の半田面21B側の外層となる第3層には、一次側回路を構成するローサイドスイッチQ2とコンデンサC2がそれぞれ実装され、二次側回路を構成するローサイドスイッチQ4,Q6がそれぞれ実装される。
これらの図7〜9の平面図を用いて一次側、二次側の閉回路について説明すると、第1の一次側閉回路31は、図7に示す基板21の第1層において、第1の導体23AのノードNodeA1から開始して、ハイサイドスイッチQ1、一次巻線部11の端子p+を通過し、その端子p+のパターン部28Aから基板21の表裏を貫通するスルーホール24Bを通って、図8に示す基板21の第2層のパターン部28Bに達し、第2層で磁芯13の中央脚部13Aを取り囲む1ターンのロ字状の一次巻線部11を周回し、基板21の表裏を貫通するIVHスルーホール24Eを通って第1層に達し、第1層で磁芯13の中央脚部13Aを取り囲む1ターンのロ字状の一次巻線部11を周回し、一次巻線部11の端子p−、コンデンサC1を通過して、ノードNodeA1に戻る構成となっており、これらのコンデンサC1およびハイサイドスイッチQ1と一次巻線部11により、トランスTの実質的に2ターンの一次巻線W1を形成している。また、第1の一次側閉回路31の途中のノードNodeA1から分岐した第1の導体23Aのパターン部28Sが形成され、パターン部28Sと電気的に接続した正極の入力端子Vi+が、ノードNodeA1から引き出されている。
同様に第2の一次側閉回路32も、図9に示す基板21の第3層において、コンデンサC2から開始して、パターン部28Cに達して、そこからスルーホール24Aを通って図7に示す基板21の第1層の一次巻線部11の端子p−に達し、その第1層で磁芯13の中央脚部13Aを取り囲む1ターンのロ字状の一次巻線部11を周回し、IVHスルーホール24Eを通って図8に示す基板21の第2層に達し、第2層で磁芯13の中央脚部13Aを取り囲む1ターンのロ字状の一次巻線部11を周回し、パターン部28Bに達して、パターン部28Bからスルーホール24B、基板21の第3層のパターン部28D、ローサイドスイッチQ2、第3の導体23CのノードNodeB1を通過してコンデンサC2に戻る構成となっており、これらのコンデンサC2とローサイドスイッチQ2と一次巻線部11とにより、トランスTの実質的に2ターンの一次巻線W1を形成している。また、第2の一次側閉回路32の途中のノードNodeB1から分岐した第3の導体23Cのパターン部28Tが形成され、パターン部28Tと電気的に接続した負極の入力端子Vi−が、ノードNodeB1から引き出されている。
第1の二次側閉回路41は、図7に示す基板21の第1層において、トランスTの二次巻線部12の端子s+から開始して、その端子s+のパターン部29A、ハイサイドスイッチQ3、ノードNodeA2を通って出力コンデンサCoと出力端子Vo+に向かい、図9に示す基板21の第3層において、出力コンデンサCoと出力端子Vo−からノードNodeB2に戻ってきて、ローサイドスイッチQ6を通り、二次巻線部12の端子s−に達して、磁芯13の中央脚部13Aを取り囲むU字状の二次巻線部12を通過して、端子s+に戻る構成となっており、これらのハイサイドスイッチQ3およびローサイドスイッチQ6と二次巻線部12とにより、トランスTの実質的に1ターンの二次巻線W2を形成している。また、第1の二次側閉回路41の途中のノードNodeA2から分岐した第1の導体23Aのパターン部29Sが形成され、パターン部29Sと電気的に接続した正極の出力端子Vo+が、ノードNodeA2から引き出されていると共に、第1の二次側閉回路41の途中のノードNodeB2には、二次巻線W2から分岐した第3の導体23Cのパターン部29Tが形成され、パターン部29Tと電気的に接続した負極の出力端子Vo−が引き出されている。
同様に、第2の二次側閉回路42も、図7に示す基板21の第1層において、トランスTの二次巻線部12の端子s−から開始して、その端子s−のパターン部29C、ハイサイドスイッチQ5、ノードNodeA2を通って出力コンデンサCoと出力端子Vo+に向かい、図9に示す基板21の第3層において、出力コンデンサCoと出力端子Vo−からノードNodeB2に戻ってきて、ローサイドスイッチQ4を通り、二次巻線部12の端子s+に達して、磁芯13の中央脚部13Aを取り囲むU字状の二次巻線部12を通過して、端子s−に戻る構成となっており、これらのハイサイドスイッチQ4およびローサイドスイッチQ5と二次巻線部12とにより、トランスTの実質的に1ターンの二次巻線W2を形成している。また、第2の二次側閉回路42の途中のノードNodeA2から分岐した第1の導体23Aのパターン部29Sが形成され、パターン部29Sと電気的に接続した正極の出力端子Vo+が、ノードNodeA2から引き出されていると共に、第2の二次側閉回路42の途中のノードNodeB2から分岐した第3の導体23Cのパターン部29Tが形成され、パターン部29Tと電気的に接続した負極の出力端子Vo−が引き出されている。
本実施例における基板21を構成する配線体25は、第1層から第3層の順に導体23が積層されており、トランスTの一次巻線W1に関し、第1層の導体23Aに形成される1ターンの一次巻線部11と、第2層の導体23Bに形成される1ターンの一次巻線部11が、IVHスルーホール24Eによって直列に接続され、第1の一次側閉回路31と第2の一次側閉回路32に共通した一次巻線部11が配線体25に設けられている。また、トランスTの二次巻線W2に関し、第3層の配線体25にはU字状の二次巻線部12が形成され、二次巻線部12はスルーホール24C,24Dに接続される。したがって、これらの二次巻線部12は、第1の二次側閉回路41や第2の二次側閉回路42に共通するものとなる。
トランスTの一次巻線W1は、半導体であるスイッチQ1,Q2と、誘電体であるコンデンサC1,C2と、導体23の部分を含んでおり、一次巻線W1に流れる電流Fa1,Fb1による磁束Φa1,Φb1と二次巻線W2とが磁気結合することで、DC−DCコンバータ1の一次側から二次側への電力伝送部として機能する。例えば本実施例のように、一次巻線W1を2ターンとする場合には、スイッチQ1,Q2やコンデンサC1,C2を組み込んだ導体23としてのパターン部28A,28B,28C,28Dや、ノードNodeA1,NodeB1と、基板21の第1層と第2層に形成された一次巻線部11とにより、2ターンの一次巻線W1として構成することができる。
同様に、トランスTの二次巻線W2は、半導体であるハイサイドスイッチQ3,Q5やローサイドスイッチQ4,Q6と、導体23の部分を含んでおり、一次巻線W1に流れる電流Fa1,Fb1による磁束Φa1,Φb1と磁気結合することで、DC−DCコンバータ1の一次側から二次側への電力伝送部として機能する。例えば本実施例のように、二次巻線W1を1ターンとする場合には、ハイサイドスイッチQ3,Q5やローサイドスイッチQ4,Q6を組み込んだ導体23としてのパターン部29A,29B,29C,29Dや、ノードNodeA2,Node B2と、基板21の第3層にU字形に形成された二次巻線部12とにより、1ターンの二次巻線W2として構成することができる。
図7〜図9にそれぞれ対応して、図10〜図12には、従来例における基板21のパターン図を示している。従来例では、トランスTの一次側回路として、基板21の第1層にスイッチQ1,Q2を実装し、基板21の第3層にコンデンサC1,C2を設けており、これらのスイッチQ1,Q2とコンデンサC1,C2の位置が本実施例のものと何れも異なっている。ここでも基板21の第1層と第2層で、2ターンの一次巻線部11が形成され、一次巻線部11の他方の端子p−(スルーホール24G)と電気的に接続するパターン部28Eが延設され、一次巻線部11の一方の端子p+(スルーホール24H)と電気的に接続するパターン部28Fが延設される。また、基板21の第1層には、ハイサイドスイッチQ1のドレインDから正極の入力端子Vi+に引出され、スルーホール24Jで基板21の第3層に実装したコンデンサC1の正極に接続するパターン部28Gと、ローサイドスイッチQ2のソースSから負極の入力端子Vi−に引出され、スルーホール24Kで基板21の第3層に実装したコンデンサC2の負極に接続するパターン部28Hと、ハイサイドスイッチQ1のソースSとローサイドスイッチQ2のドレインDに接続して、そこからトランスTに向けて引き出され、スルーホール24Hで基板21の第2層に配設した一次巻線部11の一方の端子p+に接続するパターン部28Jと、をそれぞれ備えている。さらに、基板21の第3層には、コンデンサC1の負極とコンデンサC2の正極に接続して、そこから一次巻線部12に向けて引き出され、スルーホール24Gで基板21の第1層に配設した一次巻線部11の他方の端子p−に接続するパターン部28Kを備えている。
また、トランスTの二次側回路として、基板21の第1層にスイッチQ3,Q4を実装し、基板21の第3層にスイッチQ5,Q6を設けており、スイッチQ4とスイッチQ5の位置が本実施例のものと入れ替わっている。ここでも基板21の第3層の配線体25には、1ターンの二次巻線部12が形成され、二次巻線部12の一方の端子s+には、スルーホール24Mと電気的に接続するパターン部29Dが延設され、二次巻線部12の他方の端子s−には、スルーホール24Nと電気的に接続するパターン部29Eが延設される。また、基板21の第1層には、ハイサイドスイッチQ3のドレインDから正極の出力端子Vo+に引出され、スルーホール24Pで基板21の第3層に実装したローサイドスイッチQ5のドレインDに接続するパターン部29Fと、ローサイドスイッチQ4のソースSから負極の出力端子Vo−に引出され、スルーホール24Qで基板21の第3層に実装したローサイドスイッチQ6のソースSに接続するパターン部29Gと、ハイサイドスイッチQ3のソースSとローサイドスイッチQ4のドレインDに接続して、そこからトランスTに向けて引き出され、スルーホール24Mで基板21の第3層に配設した二次巻線部12の一方の端子s+に接続するパターン部29Hと、をそれぞれ備えている。
従来例におけるトランスTの一次側回路は、トランスTの一次巻線W1にスイッチQ1,Q2やコンデンサC1,C2が組み込まれておらず、トランスTとこれらのスイッチQ1,Q2やコンデンサC1,C2との間には、接続部となるパターン部28E,28F,28K,28Jが配設される。同様に、トランスTの二次側回路も、トランスTの二次巻線W2にスイッチQ3,Q4,Q5,Q6が組み込まれておらず、トランスTとこれらのスイッチQ3,Q4,Q5,Q6との間には、接続部となるパターン部29D,29E,29Hが配設される。これに対して、本実施例ではそうした接続部が存在しない分だけ、部品間の距離が短く、基板21に実装するDC−DCコンバータの面積を縮小できる。実際に、従来例におけるスイッチQ1,Q3間の距離dは、22mm(図10を参照)であったのに対し、本実施例におけるスイッチQ1,Q5間の距離dは、14mm(図7を参照)に減少できた。
このように、本実施例では、図1に示すDC−DCコンバータ1において、トランスTの一次側と二次側で、それぞれ2つの一次側閉回路31,32と、二次側閉回路41,42を有する回路トポロジーを提案し、トランスTの一次巻線W1に一次側素子であるスイッチQ1,Q2やコンデンサC1,C2を組込み、トランスTの二次巻線W2に二次側素子であるハイサイドスイッチQ3,Q5やローサイドスイッチQ4,Q6を組込むことで、基板21に対するDC−DCコンバータ1の実装面積のコンパクト化を実現している。
具体的には、本実施例では一次側回路または二次側回路を、2個のFET(スイッチQ1,Q2)と2個のコンデンサ(C1,C2)によるハーフブリッジ、または4個のFET(スイッチQ3〜Q6)によるフルブリッジで構成しており、トランスTはいわばシートトランスとして、その一次巻線W1や二次巻線W2が、何れも基板21を構成する導体23である銅箔や板金から構成される。
また、正極の入力端子Vi+につながるハイサイドスイッチQ1やコンデンサC1の2素子や、正極の出力端子Vo+につながるハイサイドスイッチQ3,Q5の2素子を、基板21の上面である部品面21Aに実装し、これらの2素子の接続箇所であるノードNodeA1,NodeA2から、パターン部28S,29Sによって正極の入力端子Vi+や出力端子Vo+を引き出すと共に、負極の入力端子Vi−につながるローサイドスイッチQ2やコンデンサC2の2素子や、負極の出力端子Vo−につながるローサイドスイッチQ4,Q6の2素子を、基板21の下面である半田面21Bに実装し、これらの2素子の接続箇所であるノードNodeB1,NodeB2から、パターン部28T,29Tによって負極の入力端子Vi−や出力端子Vo−を引き出している。
一次側回路のスイッチQ1,Q2やコンデンサC1,C2は、基板21の部品面21Aと半田面21Bにそれぞれパターン形成した第1の導体23Aおよび第3の導体23Cと、それらの導体23A,23Cを繋ぐ2箇所のスルーホール24A,24Bによって互いに接続され、そのスルーホール24A,24Bによる2箇所の接続部と一次巻線部11が接続して、トランスTの一次巻線W1を構成している。同様に、二次側回路の4素子は、基板21の部品面21Aと半田面21Bにそれぞれパターン形成した導体23Aおよび第3の導体23Cと、それらの導体23A,23Cを繋ぐ2箇所のスルーホール24C,24Dによって互いに接続され、そのスルーホール24C,24Dによる2箇所の接続部と二次巻線部12が接続して、トランスTの二次巻線W2を構成している。
次に、スイッチQ3〜Q6に関する実験例と、好ましい構成について説明する。なお、本実験例におけるスイッチQ3〜Q6は、同じ性能のスイッチ素子である。
通常、銅箔のパターンによる一次巻線と、銅箔のパターンによる二次巻線が平行して隣接し、一次電流が流れることによって磁束が発生して二次巻線と磁気結合している場合、一次巻線と二次巻線の双方に電流が流れて近接効果が発生し、それぞれの銅箔のパターンに流れる電流に偏りが生じる。その電流の偏りのために、銅箔の一部の領域のみに大部分の電流が流れ、巻線の損失が増加する。本発明では、トランスTの二次巻線W2を、銅箔のパターンによるU字状の二次巻線部12と、半導体のスイッチQ3〜Q6を含めて構成し、スイッチQ3〜Q6内部の電流が一次巻線W1の電流Fa1,Fb1によって発生する磁束Φa1,Φb1と磁気結合しているため、半導体のスイッチQ3〜Q6にも銅箔の二次巻線部12と同様の近接効果が発生して、スイッチQ3〜Q6内部の電流が偏り、一部の領域のみに大部分の電流が流れた場合、スイッチQ3〜Q6のオン抵抗がもともと銅箔の二次巻線部12よりも高いため、スイッチQ3〜Q6の損失が大幅に増加する。
図13は、スイッチQ3〜Q6の他に、スイッチQ1,Q2としても用いられるMOSFETの典型的な構造を概略的に示している。同図において、符号D,S,Gは、ドレイン,ソース,ゲートの各位置を示しており、符号Fは、ゲートGに電圧が印加された場合に、ドレインDからソースSへの電流の流れを示している。
図13(A)に示す縦型構造のFET(縦型FET)は、ドレインDとソースSがそれぞれ平板状に形成され、ゲートGに電圧が加わると、ドレインD−ソースS間の電流が縦方向に流れる。こうした縦型構造のFETは、高耐圧化や低オン抵抗化に適した構造で、スイッチング素子として最適な素子といえる。
一方、図13(B)に示す横型構造のFET(横型FET)は、ドレインSとソースDが櫛状に互い違いに並んでいるように形成され、ゲートGに電圧が加わると、ドレインD−ソースS間の電流が横方向に流れる。こうした横型構造のFETは、低容量特性,逆伝達容量(期間容量)が非常に小さい特徴があり、例えばGaN(窒化ガリウム)−FETでは、シリコン基板上に窒化アルミニウム絶縁層を介して窒化ガリウムを堆積させて構成される。
図14は、トランスTの一次巻線に流れる電流によって、トランスTの二次巻線W2に組み込まれる横型FETとしてのハイサイドスイッチQ3,Q5(またはローサイドスイッチQ4,Q6)の閉回路に電流が流れた場合の電流密度分布を簡略的に示したものである。この図では、一次巻線W1,二次巻線W2および各スイッチQ3,Q5内を流れる電流分布が、互いの巻線に近接している領域に配置されることを示している。実験では、FETの導通損が、FETに同じ実効値の直流電流を流した場合と比較して、0.58Wから1.35Wに増大した。
図15は、FET内部の電極構造もモデル化しており、電流経路が縦方向に形成される縦型FETと、電流経路が横方向に形成される横型FETのモデルの2種類を配置したものである。ここでは、スイッチング周波数が1Hzの条件で、縦型FETからなるスイッチQ3と横型FETからなるスイッチQ5を二次巻線W2に組み込んだ場合の電流密度分布を示しており、また図16は、図15のスイッチング周波数を1Hzから5MHzに変更した場合の電流密度分布を示している。これらの各図および後述の図18〜図20においても、横型FETQ5のドレインとソースの位置を、符号D,Sでそれぞれ示しており、ドレインDとソースSは互い違いに配置される。
スイッチQ3,Q5のスイッチング周波数が1Hzである場合、縦型FETQ3の導通損は0.600Wであるのに対し、横型FETQ5の導通損は0.621Wとなった。一方、スイッチQ3,Q5のスイッチング周波数が5MHzになると、縦型FETQ3の導通損は0.701Wであるのに対し、横型FETQ5の導通損は1.364Wに増加した。特に横型FETQ5の損失分布は、一次巻線W1に近い領域で集中増加しており、横型FETQ5では、その導通損が増加する。これに対して縦型FETQ3では、スイッチング周波数が高くなっても、その導通損はさほど増加しない。
図17には、縦型FETと横型FETのそれぞれについて、周波数と損失との関係をグラフで示している。横型FETの導通損は周波数が高くなると増加し、縦型FETの導通損は、周波数が高くなっても増加しないことがわかる。
図18は、図16に示す状態から、横型FETQ5の直下に銅箔によるシールド層61を設けた場合の電流密度分布を示している。この場合、横型FETQ5の導通損は1.364Wから0.907Wに減少した。また、シールド層61による損失は、0.067Wとなった。
図19と図20は、電流の流れを示したもので、図19(A)では、シールド層61を設ける前に、どのような電流分布で電極に電流が流れているのかを示し、図19(B)では、シールド層61を設けた後に、どのような電流分布で電極に電流が流れているのかを示している。また、図20では、シールド層61における電流の流れの分布を示している。
これらの各図によれば、シールド層61内にうず電流が発生して、ソース電極Sとドレイン電極Dにおける電流が一様になる。これにより横型FETQ5内での電流の偏りが解消し、横型FETQ5からシールド層61に近接効果が除去される。また、シールド層61は銅で形成されるので、横型FETQ5よりも損失が小さく、結果的に横型FETQ5とシールド層61を含めた損失も減少する。
このように、一次側回路のスイッチQ1,Q2や、二次側回路のスイッチQ3,Q4,Q5,Q6として、特にGaN−FETなどの横型FETを用いる場合は、一次巻線部11や二次巻線部12との間の近接効果による横型FET内部の電流の偏りを防ぐために、横型FETの直下の内層に導体のシールド層61を設けるのが好ましい。横型FETが基板21の部品面21Aに搭載される場合、シールド層61は好ましくは第1の配線体25Aの絶縁基材22Aの他方の面に第2の導体23Bとして設けたり、或いは可能ならば、第1の配線体25Aに隣接する第2の配線体25Bの絶縁基材22Bの一方の面に設けたりすればよく、また横型FETが基板21の半田面21Bに搭載される場合、シールド層61は好ましくは第2の配線体25の絶縁基材22Bの一方の面に設けたり、或いは可能ならば、第2の配線体25Bに隣接する第1の配線体25Aの絶縁基材22Aの他方の面に第2の導体2Bとして設けたりしてもよい。
以上のように、本実施例では、トランスTの一次側と二次側との間で電力伝送を行なう電子回路装置として、トランスTは一次巻線W1と、一次巻線W1に流れる電流Fa1,Fb1による磁束Φa1,Φb1と磁気結合する二次巻線W2と、磁芯13とを有しており、一次巻線W1と二次巻線W2は、磁芯13を周回するように配置され、一次巻線W1は、基板21に構成された導体23の一部をなす一次巻線部11と、一次巻線部11に電気的に接続される一次側素子であるハイサイドスイッチQ1やローサイドスイッチQ2やコンデンサC1,C2とを有し、一次巻線W1の一部として、ハイサイドスイッチQ1やローサイドスイッチQ2やコンデンサC1,C2を組み込んで挿入接続し、二次巻線W2は、基板21に構成された導体23の一部をなす二次巻線部12と、二次巻線部12に電気的に接続される二次側素子であるハイサイドスイッチQ3,Q5やローサイドスイッチQ4,Q6とを有し、二次巻線W2の一部として、ハイサイドスイッチQ3,Q5やローサイドスイッチQ4,Q6を組み込んで挿入接続したDC−DCコンバータ1を開示している。
この場合、トランスTの一次巻線W1の一部として、一次側素子であるハイサイドスイッチQ1やローサイドスイッチQ2やコンデンサC1,C2が組み込まれ、且つトランスTの二次巻線W2の一部として、二次側素子であるハイサイドスイッチQ3,Q5やローサイドスイッチQ4,Q6が組み込まれるので、トランスTと一次側素子との間の距離を近付けることができ、トランスTと二次側素子との間の距離も同様に近付けることができる。したがって、トランスTの一次側と二次側の両方でコンパクトな構造を図り、全体の小型化を実現した電子回路装置としてのDC−DCコンバータ1を提供できる。
なお、ここでの一次巻線W1は、一次巻線部11や一次側素子以外のものを含んでいてもよく、同様に二次巻線W2は、二次巻線部12や二次側素子以外のものを含んでいてもよい。
また本実施例では、一次巻線部11と二次巻線部12が基板21上に配置されており、基板21の一方の外面である部品面21Aに形成される一次巻線部11と、基板21の他方の外面である半田面21Bに形成される二次巻線部12を備えている。
この場合、基板21の部品面21Aに一次巻線部11を配置し、基板21の半田面21Bに二次巻線部12を配置することで、基板21の部品面21Aや半田面21Bに一次側素子となるスイッチQ1,Q2とコンデンサC1,C2や、二次側素子となるハイサイドスイッチQ3,Q5とローサイドスイッチQ4,Q6を直接搭載して一次巻線W1や二次巻線W2の一部として機能させることができ、これらの素子を含む一次巻線W1や二次巻線W2の損失を抑えて、DC−DCコンバータ1全体の小型化を実現できる。
また、本実施例の基板21は複数の配線体25を積層して構成され、一次巻線部11と二次巻線部12が基板21に配置されており、基板21の内層となる第2層にも、一次巻線部11と二次巻線部12の少なくとも一方の導体23を配置している。
この場合、本実施例のように、基板21の外層となる第1層や第3層にだけでなく、基板21の内層となる第2層にも、トランスTの一次巻線部11となる導体23を配設し、その一次巻線部11を、基板21の外層に設けた一次巻線W1となる導体23と適宜接続する。また、基板21の第2層にトランスTの二次巻線部12となる導体23を配設し、その一次巻線部11を基板21の外層に設けた二次巻線W2となる導体と適宜接続してもよい。こうすれば、一次巻線W1や二次巻線W2のターン数を増やしたり、一次巻線W1や二次巻線W2に流せる電流量を増やしたりすることが容易にできる。
更に、一次巻線部11や二次巻線部を基板21の外面に露出させず、基板21の内部にのみ、トランスTの一次巻線部11や二次巻線部12となる導体23を配置すれば、基板21の外面における素子の搭載面積が増大し、DC−DCコンバータ1の小型化を促進することも可能である。
また、一次巻線部11および二次巻線部12が基板21の内部にのみ配置され、基板21の一方の面である例えば部品面21Aに一次側素子が配置され、基板21の他方の面である例えば半田面21Bに二次巻線部12が配置される構成としてもよい。
この場合、一次巻線W1に組み込まれる一次側素子が少なくとも2つ以上存在し、二次巻線W2に組み込まれる二次側素子が少なくとも2つ以上存在する場合、基板21の部品面21Aと半田面21Bに、一次側素子と二次側素子をそれぞれ適宜配置させ、一次巻線部11または二次巻線部12とスルーホール等を用いながら接続することで、トランスTの一次側回路や二次側回路を自由にレイアウトすることが可能となる。
また、DC−DCコンバータ1の入力端子Vi+,Vi−から一次巻線W1のノードNodeA1,NodeB1に至る第1の電流経路であるパターン部28S,28Tが、一次巻線W1のノードNodeA1,NodeB1に略垂直に突き当たる位置関係にあるか、またはDC−DCコンバータ1の出力端子Vо+,Vо−から二次巻線W2のノードNodeA2,NodeB2に至る第2の電流経路であるパターン部29S,29Tが、二次巻線W2のノードNodeA2,NodeB2に略垂直に突き当たる位置関係にあれば、DC−DCコンバータ1の入力端子Vi+,Vi−や出力端子Vо+,Vо−から、対応する一次巻線W1や二次巻線W2に達する電流経路に流れる電流によって発生する磁束が、一次巻線W1や二次巻線W2と鎖交せず、トランスTとしての性能に影響を及ぼさないようにすることができる。
また本実施例では、一次側素子であるスイッチQ1,Q2や、二次側素子であるスイッチQ3,Q4,Q5,Q6の少なくとも一方に配置する素子がFETを含んでいて、そのFETが横型FETであるときは、その横型FETの直下に位置して、基板21の内層にシールド層61を設けている。
この場合、基板21の内層に設けたシールド層61によって、FETと一次巻線W1や二次巻線W2との間で発生する近接効果を防止することが可能となり、FETの導通損を低減した効率の良いDC−DCコンバータ1を提供できる。
また本実施例では、一次巻線W1を含むトランスTの一次側回路が、ハーフブリッジ回路またはフルブリッジ回路で構成され、二次巻線W2を含む前記トランスTの二次側回路が、ハーフブリッジ回路またはフルブリッジ回路で構成されるのが好ましい。
この場合、電子回路装置として、トランスTの一次側回路や二次側回路をハーフブリッジ構成やフルブリッジ構成とした例えばDC−DCコンバータ1を提供できる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これは本発明の説明のための例示であって、本発明の範囲をこの実施の形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、本実施例では電子回路装置としてDC−DCコンバータ1を提示したが、トランスTの一次側と二次側との間で電力伝送を行なえるものであれば、どのような電子回路装置であっても構わない。また、回路トポロジーに関して、一次側をハーフブリッジ、二次側をフルブリッジに限定することなく、一次側と二次側でハーフブリッジまたはフルブリッジをそれぞれ選択できる。さらに、二次側の出力端子Vo+または出力端子Vo−を引き出す箇所に、チョークコイルを追加してもよい。
1 DC−DCコンバータ(電子回路装置)
11 一次巻線部
12 二次巻線部
13 磁芯
21 基板
21A 部品面(一方の面)
21B 半田面(他方の面)
31 第1の一次側閉回路(一次側回路)
32 第2の一次側閉回路(一次側回路)
41 第1の二次側閉回路(二次側回路)
42 第2の二次側閉回路(二次側回路)
61 シールド層
C1 コンデンサ(一次側素子)
C2 コンデンサ(一次側素子)
T トランス
Q1 ハイサイドスイッチ(一次側素子,FET)
Q2 ローサイドスイッチ(一次側素子,FET)
Q3 ハイサイドスイッチ(二次側素子,FET)
Q4 ローサイドスイッチ(二次側素子,FET)
Q5 ハイサイドスイッチ(二次側素子,FET)
Q6 ローサイドスイッチ(二次側素子,FET)
Vi+ 入力端子
Vi− 入力端子
Vо+ 出力端子
Vо− 出力端子
W1 一次巻線
W2 二次巻線

Claims (7)

  1. トランスの一次側と二次側との間で電力伝送を行う電子回路装置であって、
    前記トランスは一次巻線と二次巻線と磁芯とを有し、
    前記一次巻線と前記二次巻線は、前記磁芯を周回するように配置され、
    前記一次巻線は、基板に構成された一次巻線部と、前記一次巻線部に接続パターン部を設けることなく電気的に接続され、直流を交流に変換する逆変換回路を構成する一次側素子とを有し、
    前記二次巻線は、基板に構成された二次巻線部と、前記二次巻線部に接続パターン部を設けることなく電気的に接続され、交流を直流に変換する順変換回路を構成する二次側素子とを有することを特徴とする電子回路装置。
  2. 前記一次巻線部と前記二次巻線部は前記基板上に配置されており、
    前記基板の一方の面に形成される前記一次巻線部と、
    前記基板の他方の面に形成される前記二次巻線部を備えたことを特徴とする請求項1記載の電子回路装置。
  3. 前記一次巻線部と前記二次巻線部は前記基板上に配置されており、
    前記一次巻線部と前記二次巻線部の少なくとも一方は、前記基板内部にも配置されてい
    ることを特徴とする請求項1または2記載の電子回路装置。
  4. 前記一次巻線部および二次巻線部は、前記基板内部にのみ配置され、前記基板の一方の面に前記一次側素子が、他方の面に前記二次側素子が配置されていることを特徴とする請求項1記載の電子回路装置。
  5. 前記電子回路装置の入力端子から前記一次巻線に至る第1の電流経路が、前記一次巻線に略垂直に突き当たる位置関係にあるか、または前記電子回路装置の出力端子から前記二次巻線に至る第2の電流経路が、前記二次巻線に略垂直に突き当たる位置関係にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の電子回路装置。
  6. 前記一次側素子および前記二次側素子の少なくとも一方に配置する素子がFETであって、
    前記FETの直下に位置して、前記基板の内層にシールド層を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の電子回路装置。
  7. 前記一次巻線を含む前記トランスの一次側回路は、ハーフブリッジ回路またはフルブリッジ回路で構成され、前記二次巻線を含む前記トランスの二次側回路は、ハーフブリッジ回路またはフルブリッジ回路で構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の電子回路装置。
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