[go: up one dir, main page]

JP5982177B2 - アクリル共重合体 - Google Patents

アクリル共重合体 Download PDF

Info

Publication number
JP5982177B2
JP5982177B2 JP2012117283A JP2012117283A JP5982177B2 JP 5982177 B2 JP5982177 B2 JP 5982177B2 JP 2012117283 A JP2012117283 A JP 2012117283A JP 2012117283 A JP2012117283 A JP 2012117283A JP 5982177 B2 JP5982177 B2 JP 5982177B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbon atoms
acrylic copolymer
hydrogen atom
hydrogen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012117283A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013245221A (ja
Inventor
幸太郎 小野
幸太郎 小野
良隆 小山内
良隆 小山内
恭兵 松川
恭兵 松川
欣彦 井上
欣彦 井上
涼介 相原
涼介 相原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Fine Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Toray Fine Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Fine Chemicals Co Ltd filed Critical Toray Fine Chemicals Co Ltd
Priority to JP2012117283A priority Critical patent/JP5982177B2/ja
Publication of JP2013245221A publication Critical patent/JP2013245221A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5982177B2 publication Critical patent/JP5982177B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

本発明は顔料分散安定性に優れ、且つ高度な耐熱性と現像性を発現するアクリル共重合体に関するものである。
近年パーソナルコンピューターや携帯電話などのフラットディスプレーとしてカラー液晶表示装置(LCD)が急速に普及している。このLCD用のカラーフィルターは、通常ブラックマトリクスを形成したガラス、プラスチックシートなどの透明基板表面に、赤、緑、青の異なる色相を順次、ストライプ状あるいはモザイク状等の色パターンで形成する方法で製造され、着色層、ブラックマトリックスのいずれも着色材分散技術が重要な役割を果たしている。
また有機EL等の様々な表示装置の台頭や、その表示情報の多様化により、上述したLCD用カラーフィルターの色特性に対する要求が高まっている。とりわけ、広い色再現性範囲への要求が強まっており、カラーフィルター用着色材料としては、高い濃度で着色材を安定に分散する技術が重要となっている。一般に着色材分散液は着色材、溶剤、分散剤、バインダー樹脂から成り立っており、組成物中に分散剤を多量に添加することで着色材を安定に分散することが可能となるが、カラーフィルターを製造するための加熱工程において分散剤が黄変して輝度の低下を招いたり、アルカリ可溶の光硬化性樹脂の濃度が希釈されて感度低下、硬化不良、塗膜強度低下、現像性不良等の問題を招く等の問題を生じることがあった。とりわけ現像性不良は生産上深刻な問題を引き起こすため、着色材分散液は出来るだけ少ない量の分散剤で、バインダー樹脂自身に高度な分散安定性を付与させることで顔料分散液の安定性を確保しつつ現像性と両立することが課題であった。加えて、近年は色特性の要求が多様化していることから、着色材として、従来の有機顔料のみならず、染料、無機顔料を用いた着色材料の開発も進んでおり、従来技術では多様化した着色材を高い濃度で分散安定化することが困難な状況となっている。
また技術革新の著しいタッチパネルディスプレーの分野においても、カラーフィルターと同様に遮光膜としてブラックマトリクスが形成されており、センサー基板に対向するカバーガラスやカバーフィルム上に印刷インクにより形成することが一般的になされている。一方、タッチパネル軽量化への要求が高まっており、カバーガラス上に遮光膜とタッチセンサーを同時に形成する技術開発が進んでいる。そのような場合、カバーガラス上にブラックマトリクスを形成した後に電極等を形成する必要があるため、高温真空下で電極を形成する工程に耐えうる高度な耐熱性が要求されている。
ブラックマトリックスで用いられる顔料としては、カーボンブラック、低次酸化チタンや酸窒化チタン等のチタンブラック、酸化鉄等の金属酸化物、その他有機顔料混色系が使用されているが、カーボンブラック及び酸窒化チタンが主流となっている。高い絶縁性を有するブラックマトリクスを得るためには、遮光材としてチタンブラックや樹脂等により表面処理したカーボンブラック、あるいは有機顔料を混合したものが使用されている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、高い遮光性を得るためには、高い顔料濃度において種々の顔料を安定に分散させる必要があり、従来の技術では長期の保存安定性の観点において不十分であった。
少量の分散剤で分散を安定化させる技術として、酸価とアミン価の両方を有する高分子分散剤とイミド基と光硬化性官能基を有する共重合体を用いる技術が開示されているが(例えば特許文献2参照)、分散が困難なチタンブラックやカーボンブラックといった色材を分散安定化させるには不十分であった。また、高い顔料濃度においても、安定に顔料を分散させるための技術としては、酸価を有する酸価分散剤とアミン価を有するアミン価分散剤を併用する技術(例えば特許文献3参照)や塩基性ブロックと酸性ブロックの両方を有するブロック構造をした樹脂型分散剤を用いる技術(例えば特許文献4参照)が挙げられる。インクジェット塗布用着色液としては有用ではあるが、感光性および現像性が必要とされるフォトリソグラフィー用着色液への適用は困難であった。
一方、顔料分散用のアクリル樹脂としては、側鎖にカルボキシル基とアクリロイル基またはメタクリロ基を有するアクリル共重合体(例えば特許文献5参照)や、特定の分子量や水酸基価において酸価又はアミン価を有するアクリル樹脂(例えば特許文献6参照)が挙げられるが、何れも分散安定性、感光性、現像性および耐熱性のすべてを両立させるという観点においては不十分であった。
特開2010−95716号公報 特許第4195323号公報 特許第4544292号公報 特開2009−167303号公報 特許第3120476号公報 特開2003−171605号公報
本発明は、かかる従来技術の欠点に鑑み創案されたもので、その目的とするところは、着色材を高濃度に含有する組成においても、分散安定性とアルカリ現像溶解性を両立し、なおかつ耐熱性に優れた着色材分散液ならびに製版特性に優れた感光性着色樹脂組成物を得るためのアクリル共重合体を提供することである。
本発明者らは、従来技術の課題を解決するために鋭意検討した結果、着色材を分散する際に以下のように特定の構造を有するアクリル共重合体を用いることにより、本発明の課題を解決できることを見いだした。すなわち本発明のアクリル共重合体は以下の構成からなる。
(1)分子側鎖にエチレン性不飽和基を有する下記式(A)で表される構造と、側鎖に3級アミノ基を有する下記式(B)で表される構造および/または側鎖に4級アンモニウム塩を有する下記式(C)で表される構造と、カルボキシル基を有する構造(D)と、芳香環を有する構造(E)を有するアクリル共重合体であり、該アクリル共重合体の塩基価が5〜70mmol/100g、酸価が50〜120mgKOH/g、かつゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算重量平均分子量が5,000〜30,000であることを特徴とするアクリル共重合体。
Figure 0005982177
(式中R1,R2は互いに独立に水素原子又はメチル基、R3は炭素数1〜4のアルキレン基、炭素数3〜6の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の2価の芳香族炭化水素基から選ばれるいずれかを表す。)
Figure 0005982177
(式中R4は水素原子又はメチル基、R5は炭素数1〜4のアルキレン基、炭炭素数3〜6の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の2価の芳香族炭化水素基から選ばれるいずれか、R6,R7は互いに独立に炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基から選ばれるいずれかを表す。)
Figure 0005982177
(式中R8は水素原子又はメチル基、R9は炭素数1〜4のアルキレン基、炭素数3〜6の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の2価の芳香族炭化水素基から選ばれるいずれか、R10,R11,R12は互いに独立に炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基から選ばれるいずれか、Xは臭素、塩素、ヨウ素、硫酸水素塩および水酸化物のいずれかを表す。)
(2)前記カルボキシル基を有する構造(D)が下記構造式(D1)で表される前記(1)に記載のアクリル共重合体。
Figure 0005982177
(式中R13は水素原子又はメチル基、nは0〜6の整数を表し、単一でも複数のnの混合形でもよい。)
(3)前記芳香環を有する構造(E)が下記構造式(E1)または(E2)で表される前記(1)または(2)に記載のアクリル共重合体。
Figure 0005982177
(式中R14は、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、エステル基、アシル基およびニトロ基から選ばれるいずれかを表す。)
Figure 0005982177
(式中R15は水素原子又はメチル基、R16は、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、エステル基、アシル基およびニトロ基から選ばれるいずれかを表す。)
(4)更に前記アクリル共重合体が、下記構造式(F)で表される構造を有する前記(1)〜(3)のいずれかに記載のアクリル共重合体。
Figure 0005982177
(R17は、水素原子またはメチル基、R18は、水素原子または炭素原子数2〜20個のアルキル基、R19は炭素原子数2〜40個のアルキル基を表す。)
本発明のアクリル共重合体を用いることにより、アルカリ現像溶解性および耐熱性に優れた着色材分散液および感光性着色樹脂組成物が得られる。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明のアクリル共重合体は、紫外線(UV)などの活性エネルギー線によってラジカルやアニオンまたはカチオンを発生する開始剤を併用した場合に、アクリル共重合体自体が架橋反応に取り込まれる機能を発現するために分子側鎖にエチレン性不飽和基を有する下記式(A)で表されるアクリル単位又はメタクリル単位を有することを必須とする。
Figure 0005982177
(式中R1,R2は互いに独立に水素原子又はメチル基、R3は炭素数1〜4のアルキレン基、炭素数3〜6の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の2価の芳香族炭化水素基から選ばれるいずれかを表す。)
上記式(A)において、R1,R2は互いに独立して水素原子又はメチル基であり、R1が水素のときアクリル単位、メチル基のときメタクリル単位になる。R3は炭素数1〜4のアルキレン基、炭素数3〜6の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の2価の芳香族炭化水素基から選ばれ、好ましくは炭素数1〜3のアルキレン基、炭素数5〜6の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜8の2価の芳香族炭化水素基であるとよい。
上記式(A)で表される(メタ)アクリル単位の導入方法としては特に限定されず、通常の方法で導入することができる。例えば、カルボキシル基含有不飽和単量体を共重合したアクリル共重体に、グリシジル基含有重合性不飽和単量体を付加反応させる方法などが挙げられる。この場合、共重合させるカルボキシル基含有不飽和単量体としてはアクリル酸、メタクリル酸などが、グリシジル含有不飽和単量体としてはアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルなどが例示できる。本発明ではこれらのアクリル単量体は単独で使用しても、2種類以上の混合物で使用してもよい。
本発明のアクリル共重合体は、高度な分散安定性を発現するために側鎖に3級アミノ基を有する下記式(B)で表される(メタ)アクリル単位および/または側鎖に4級アンモニウム塩を有する下記式(C)で表される(メタ)アクリル単位を含有することを必須とする。
3級アミノ基を有する式(B)で表される(メタ)アクリル単位および側鎖に4級アンモニウム塩を有する式(C)で表される(メタ)アクリル単位は、いずれも着色材との親和性を高くし、分散安定性を向上させるため、どちらか一方、または両方を導入しても良い。本発明のように現像性が必要な用途への適用の場合は、現像性と分散安定性のバランスが取りやすいという観点から、3級アミノ基を有する式(B)の(メタ)アクリル単位を導入するのが好ましい。
Figure 0005982177
(式中R4は水素原子又はメチル基、R5は炭素数1〜4のアルキレン基、炭素数3〜6の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の2価の芳香族炭化水素基から選ばれるいずれか、R6,R7は互いに独立に炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基から選ばれるいずれかを表す。)
上記式(B)において、R4は水素原子又はメチル基であり、R4が水素のときアクリル単位、メチル基のときメタクリル単位になる。R5は炭素数1〜4のアルキレン基、炭素数3〜6の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の2価の芳香族炭化水素基から選ばれ、好ましくは炭素数1〜3のアルキレン基、炭素数5〜6の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜8の2価の芳香族炭化水素基であるとよい。
6,R7は互いに独立し同一であっても異なってもよく、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基から選ばれ、好ましくは炭素数1〜3のアルキレン基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数5〜6の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜8の2価の芳香族炭化水素基であるとよい。
式(B)で表される3級アミノ基を有する(メタ)アクリル単位を構成する不飽和単量体としては、アクリル酸−2−ジメチルアミノエチル、アクリル酸−2−ジエチルアミノエチル、アクリル酸−2−ジプロピルアミノエチル、アクリル酸−2−ジフェニルアミノエチル、アクリル酸−2−ジベンジルアミノエチル、メタクリル酸−2−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸−2−ジエチルアミノエチル、メタクリル酸−2−ジプロピルアミノエチル、メタクリル酸−2−ジフェニルアミノエチル、メタクリル酸−2−ベンジルアミノエチルなどが例示できるが、特に限定されない。これらの(メタ)アクリル単量体は単独で使用しても、2種類以上の混合物で使用してもよい。
式(B)で表される3級アミノ基を有する(メタ)アクリル単位はアミノ基を含有する不飽和単量体を共重合することにより導入できる。
Figure 0005982177
(式中R8は水素原子又はメチル基、R9は炭素数1〜4のアルキレン基、炭素数3〜6の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の2価の芳香族炭化水素基から選ばれるいずれか、R10,R11,R12は互いに独立に炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基から選ばれるいずれか、Xは臭素、塩素、ヨウ素、硫酸水素塩および水酸化物のいずれかを表す。)
上記式(C)において、R8は水素原子又はメチル基であり、R8が水素のときアクリル単位、メチル基のときメタクリル単位になる。R9は炭素数1〜4のアルキレン基、炭素数3〜6の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の2価の芳香族炭化水素基から選ばれ、好ましくは炭素数1〜3のアルキレン基、炭素数5〜6の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜8の2価の芳香族炭化水素基であるとよい。
10,R11,R12は互いに独立し同一であっても異なってもよく、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基から選ばれ、好ましくは炭素数1〜3のアルキレン基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数5〜6の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜8の2価の芳香族炭化水素基であるとよい。
Xは臭素、塩素、ヨウ素、硫酸水素塩および水酸化物から選ばれ、好ましくは臭素または塩素であるとよい。
式(C)で表される4級アンモニウム塩を有する(メタ)アクリル単位を構成する不飽和単量体としては、アクリル酸−ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩、アクリル酸ジメチルアミノエチルベンジルクロライド塩、メタクリル酸−ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩、メタクリル酸ジメチルアミノエチルベンジルクロライド塩などが例示されるが、特に限定されない。これらの(メタ)アクリル単量体は単独で使用しても、2種類以上の混合物で使用してもよい。
式(C)で表される4級アンモニウム塩を有する(メタ)アクリル単位は4級アンモニウム塩を含有する不飽和単量体を共重合することにより導入できる。
本発明のアクリル共重合体は、アルカリ現像性を付与するため、側鎖に中和して水溶性を示す酸性基を導入する必要がある。酸性基としてはカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基などが例示されるが、本発明では分子側鎖にカルボキシル基を有する構造(D)を有することを必須とする。
カルボキシル基を有する構造(D)は、カルボキシル基含有不飽和単量体を共重合する事により導入できる。カルボキシル基含有不飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、無水フタル酸、クロトン酸などが例示できる。とりわけ、上述した式(A)で表される分子側鎖にエチレン性不飽和基を有する(メタ)アクリル単位を導入することを考慮し、分子側鎖にカルボキシル基を有する(メタ)アクリル単位が好ましい。特に下記式(D1)で表されるカルボキシ基含有不飽和単量体が、反応の制御及び安定性の観点から特に好ましい。
Figure 0005982177
(式中R13は水素原子又はメチル基、nは0〜6の整数を表し、単一でも複数のnの混合形でもよい。)
上記式(D1)において、R13は水素原子又はメチル基であり、R13が水素のときアクリル単位、メチル基のときメタクリル単位になる。nは0〜6の整数、好ましくは0である。nは一つの整数でも、0〜6間の複数の整数でもよい。
上記構造で表されるカルボキシル基を含有する不飽和単量体(D1)としては、アクリル酸、メタクリル酸、2−カルボキシエチルアクリレートオリゴマー、2−カルボキシエチルメタクリレートオリゴマーなどが例示できる。これらの(メタ)アクリル単量体は単独で使用しても、2種類以上の混合物で使用してもよい。
本発明のアクリル共重合体に高度な耐熱性を発現させるため、側鎖に芳香環を有する構造(E)を必ず含有する。側鎖に芳香環を持つ構造(E)は、芳香環を有する不飽和単量体を共重合することにより導入でき、下記式(E1)のようなフェニル基およびフェニル基の誘導体、または(E2)のようなベンジル基およびベンジル基の誘導体が特に好適であり、より高度な耐熱性向上の効果が得られる。
Figure 0005982177
(式中R14は、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、エステル基、アシル基およびニトロ基から選ばれるいずれかを表す。)
上記式(E1)において、R14は、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、エステル基、アシル基およびニトロ基から選ばれるいずれか、好ましくは水素、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数5〜6の脂環式炭化水素基、炭素数6〜8の芳香族炭化水素基である。
上記式(E1)で表される芳香環を含有する不飽和単量体としては、例えばスチレン、メチルスチレン、4−ビニルトルエン及びその構造異性体、4−メトキシスチレン及びその構造異性体、4−ブトキシスチレン及びその構造異性体、4−tert−ブトキシスチレン及びその構造異性体、4−ビニルビフェニル、2−ビニルナフタレン及びその構造異性体、9−ビニルアントラセン、9−ビニルカルバゾール、などが例示される。本発明ではこれらの不飽和単量体は単独で使用しても、2種類以上の混合物で使用してもよい。
Figure 0005982177
(式中R15は水素原子又はメチル基、R16は、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、エステル基、アシル基およびニトロ基から選ばれるいずれかを表す。)
上記式(E2)において、R15は水素原子又はメチル基であり、R15が水素のときアクリル単位、メチル基のときメタクリル単位になる。R16は、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、エステル基、アシル基およびニトロ基から選ばれるいずれか、好ましくは水素、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数5〜6の脂環式炭化水素基、炭素数6〜8の芳香族炭化水素基である。
上記式(E2)で表される芳香環を含有する(メタ)アクリル単量体としては、例えばアクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジルなどが例示されるがこれらに限定されない。本発明ではこれらの(メタ)アクリル単量体は単独で使用しても、2種類以上の混合物で使用してもよい。
本発明のアクリル共重合体において、上述した式(B)(C)(D1)(E1)及び(E2)で表わされる構造単位であるセグメントについては、溶液重合、乳化重合、塊状重合など通常のラジカル重合反応によってランダム共重合体やブロック共重合体などの形態で得ることができる。また、式(A)で表される(メタ)アクリル単位については、上記で得られたアクリル共重合体の側鎖官能基に、それと反応しうる官能基を有する単量体を付加反応させることで導入する通常の方法によって導入することができる。
本発明のアクリル共重合体は、側鎖に重合性不飽和結合、3級アミノ基および/または4級アンモニウム塩、カルボキシル基、芳香環を含有する構造単位からなることを特徴とする。なかでも3級アミノ基を側鎖に含む(メタ)アクリル単位を含むことが好ましく、特に好ましいアクリル共重合体としては下記式(1)で表される構造単位を含むアクリル共重合体が例示され、必要に応じて他の主鎖構成単位を含んでいてもよい。
Figure 0005982177
(式中R1,R2,R4は互いに独立に水素原子又はメチル基、R3は炭素数1〜4のアルキレン基、炭素数3〜6の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の2価の芳香族炭化水素基から選ばれるいずれか、R5は炭素数1〜4のアルキレン基、炭素数3〜6の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の2価の芳香族炭化水素基から選ばれるいずれか、R6,R7は互いに独立に炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基から選ばれるいずれか、R14は、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、エステル基、アシル基およびニトロ基から選ばれるいずれかを表す。)
本発明のアクリル共重合体は、分子側鎖にエチレン性不飽和基を有する式(A)の(メタ)アクリル単位と、側鎖に3級アミノ基を有する式(B)および/または側鎖に4級アンモニウム塩を有する式(C)の(メタ)アクリル単位と、カルボキシル基を有する式(D1)の(メタ)アクリル単位と、芳香環を有する式(E1)または(E2)の構造単位を必ず有し、さらに、側鎖に長鎖アルキル基を有する構造単位を導入することにより、より高度な分散安定性を発現することができる。
本発明において、長鎖アルキル基は、長鎖アルキル基含有不飽和単量体を共重合することにより導入できる。長鎖アルキル基含有不飽和単量体としては、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシルなどが例示できる。なかでも、下記式(F)で表される構造を持つ側鎖に長鎖アルキル基を有する不飽和単量体がより高度な分散安定性を発現する傾向があるため、特に好ましい。
Figure 0005982177
(R17は、水素原子またはメチル基、R18は、水素原子または炭素原子数2〜20個のアルキル基、R19は炭素原子数2〜40個のアルキル基を表す。)
上記式(F)において、R17は水素原子又はメチル基であり、R17が水素のときアクリル単位、メチル基のときメタクリル単位になる。R18は、水素または炭素数2〜20のアルキル基、好ましくは水素、炭素数2〜6のアルキル基である。R19は炭素原子数2〜40個のアルキル基、好ましくは炭素数2〜18のアルキル基である。
式(F)で表される長鎖アルキル基を含有する不飽和単量体としては、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシルなどが例示できるが、特に限定されない。これらのアクリル単量体は単独で使用しても、2種類以上の混合物で使用してもよい。
本発明のアクリル共重合体は必要に応じて上記で挙げた構造単位のほかに任意の(メタ)アクリル酸エステルを単量体として共重合することができる。具体的にはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボニルなどが例示されるが、これらに限定されない。本発明ではこれらの(メタ)アクリル酸エステル単量体は単独で使用しても、2種類以上の混合物で使用してもよい。
本発明のアクリル共重合体の製造方法は、溶液重合、乳化重合、塊状重合など通常の重合方法で得ることができるが、有機溶剤を使用した溶液重合が反応時の除熱が容易であるため好適である。
溶液重合に使用可能な有機溶剤としては特に限定されるものではないが、脂肪族炭化水素、カルボン酸エステル、ケトン、エーテル類、アルコール類が例示できる。中でも、カルボン酸エステル、ケトン、エーテル類が溶解性の観点から好適に使用できる。具体的には、ベンジルアセテート、エチルベンゾエート、γ−ブチロラクトン、メチルベンゾエート、マロン酸ジエチル、2−エチルヘキシルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、シュウ酸ジエチル、アセト酢酸エチル、シクロヘキシルアセテート、3−メトキシ−ブチルアセテート、アセト酢酸メチル、エチル−3−エトキシプロピオネート、2−エチルブチルアセテート、イソペンチルプロピオネート、酢酸ペンチル、3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが例示でき、なかでも3−メトキシ−ブチルアセテート、3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが特に好ましく使用できる。
また、上記以外の溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールターシャリーブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのプロピレングリコール誘導体などの脂肪族エーテル類、上記以外の脂肪族エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソペンチル、あるいは、ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノールなどの脂肪族アルコール類、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類、キシレン、エチルベンゼン、ソルベントナフサなどの溶剤を併用することも可能である。
本発明において、アクリル共重合体の酸価、塩基価および重量平均分子量を適切な範囲とすることが重要である。アクリル共重合体は、その塩基価が5〜70mmol/100g、好ましくは5〜50mmol/100g、より好ましくは10〜30mmol/100g、さらに好ましくは10〜20mmol/100gになるように共重合する。アクリル共重合体の塩基価が5mmol/100g未満では顔料分散安定性の悪化する傾向が見られ、70mmol/100gを越えると現像性が悪化する傾向がある。塩基価は、アクリル共重合体の構成単位の組成比、特に式(B)および(C)の構成単位の組成比を調製することにより所定の範囲内にすることができる。なおアクリル共重合体の塩基価は、アクリル共重合体100gを中和するのに要した過塩素酸のmol数と定義する(単位:mmol/100g)。
アクリル共重合体は、その酸価が50〜120mg、好ましくは60〜120mg、より好ましくは70〜110mg、さらに好ましくは70〜100mgとなるように共重合する。アクリル共重合体の酸価が120mgを超えると分散安定性が悪化する傾向が見られ、50mg未満ではアルカリ現像が悪化する傾向がある。酸価は、アクリル共重合体の構成単位の組成比を調製することにより所定の範囲内にすることができる。なおアクリル共重合体の酸価は、アクリル共重合体1gを中和するのに要した水酸化カリウムのmg数と定義する(単位:mgKOH/g)。
本発明のアクリル共重合体の重量平均分子量(Mw)は、5,000〜30,000、好ましくは5,000〜20,000である。重量平均分子量が5,000よりも小さいと分散安定性が低下する傾向が見られ、重量平均分子量が30,000よりも大きいと現像性が悪化する傾向がある。なおアクリル共重合体の重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフランをキャリアーとしてゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定し、標準ポリスチレンによる検量線を用いて換算したものとする。
以下、実施例および比較例を用いて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、アクリル共重合体の分析値および特性は、次の方法により測定した。
<評価方法>
「酸価」
アクリル共重合体1gを中和するのに要した水酸化カリウムのmg数を酸価とした(単位:mgKOH/g)。
「塩基価」
アクリル共重合体100gを中和するのに要した過塩素酸のmol数を塩基価とした(単位:mmol/100g)。
「重量平均分子量」
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)「HLC−8220GPC」(東ソー(株)の試験装置)を使用し、キャリアーをテトラヒドロフラン、分子量スタンダードとしてポリスチレンを用いて測定した重量平均分子量(Mw)の値とした。
「粘度」
粘度計(東機産業製RE105L)を使用し、25.0±0.2℃に温度設定し、100rpmで測定した値を粘度の値とする。
「分散安定性」
実施例にて作製した着色材分散液について、初期の粘度、1週間後の粘度を上記測定方法に測定し、1週間後の粘度の変化により、下記のように分散状態を総合的に評価した。経時増粘は小さい方が望ましいが、微細分散された顔料同士の相互作用が働くことで増粘する場合があり、許容基準は下記△とする。
○: 作製1週間での増粘が50%以下であり、分散状態が極めて良好である。
△: 作製1週間での増粘が50〜100%であり、分散状態が良好である。
×: 作製1週間での増粘が100%を超え、分散状態が不安定である。
「現像性」
0.045%水酸化カリウム水溶液で現像した塗膜の非感光部分の溶解時間について工業的利用の観点から許容の基準を下記の通り評価した。許容基準は下記△とする。
○: 現像性が極めて良好である(50秒以内でレジスト塗膜未露光部溶解完了)
△: 現像性が良好である(50〜100秒でレジスト塗膜未露光部溶解完了)
×: 現像性が不良である(レジスト塗膜未露光部溶解完了までに100秒を超える時間を要する)
「耐熱性」
実施例にて作製したブラックマトリックスを熱重量分析装置(TAインスツルメンツ製Q50)にてプリベーク150℃×30分行った後、ポストベーク280℃×60分の手順で加熱し、ポストベーク前後の試料重量変化で評価した。工業的利用の観点から耐熱性許容の基準を下記の通り評価した。許容基準は下記△とする。
○: 耐熱性が極めて良好である(1.5%以下の重量変化)
△: 耐熱性が良好である(1.5%を超え2.0%以下の重量変化)
×: 耐熱性が不良である(2.0%を超える重量変化)
<アクリル共重合体の合成>
以下に本発明におけるアクリル共重合体の合成例を示す。なお、本発明は以下の方法のみに限定されるものではない。また各合成例における「部」の表記は重量部を表わす。
〔合成例1〕
プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート溶媒200部を攪拌装置、温度計、還流冷却機、滴下用ポンプを備えた耐圧容器に仕込み反応容器内を窒素で満たした後90℃まで昇温を行い、メタクリル酸−2−ジメチルアミノエチル(MLDA)1部、メタクリル酸メチル(MMA)32部、メタクリル酸−2−エチルヘキシル(2EHMA)20部、スチレン(St)30部、メタクリル酸(MAA)を17部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)2.0部、ノルマルドデシルメルカプタン(MDM)3.0部を混合したものを滴下用ポンプにて3時間かけて滴下して共重合させアクリル共重合体を得た。次に、反応容器内を空気で置換し、p−メトキシフェノールを0.1部を重合禁止剤、N,N’−ジメチルベンジルアミンを触媒としてグリシジルメタクリレート(GMA)10部を滴下用ポンプにて1時間かけて滴下した。この段階における共重合体側鎖のカルボキシル基とグリシジルメタクリレートのエポキシ基の付加反応は、酸価の低下によってトレースし、グリシジルメタクリレートの消失が97%以上となる点で反応を完了し、側鎖に重合性不飽和基を導入したアクリル共重合体(P−1)を得た。
その結果、得られたアクリル共重合体(P−1)の塩基価は18mmol/100g、酸価71mgKOH/g、重量平均分子量7000であった。
〔合成例2〕
メタクリル酸メチル(MMA)の仕込量を32部、メタクリル酸−2−ジメチルアミノエチル(MLDA)の仕込量を1部に変更する以外は合成例1と同様に作製し、アクリル共重合体(P−2)を得た。アクリル共重合体(P−2)の塩基価は15mmol/100g、酸価75mgKOH/g、重量平均分子量7000であった。
〔合成例3〕
メタクリル酸メチル(MMA)の仕込量を33部、メタクリル酸−2−ジメチルアミノエチル(MLDA)の仕込量を2部に変更する以外は合成例1と同様に作製し、アクリル共重合体(P−3)を得た。アクリル共重合体(P−3)の塩基価は11mmol/100g、酸価73mgKOH/g、重量平均分子量7000であった。
〔合成例4〕
メタクリル酸メチル(MMA)の仕込量を31部、メタクリル酸−2−ジメチルアミノエチル(MLDA)の仕込量を4部に変更する以外は合成例1と同様に作製し、アクリル共重合体(P−4)を得た。アクリル共重合体(P−4)の塩基価は25mmol/100g、酸価78mgKOH/g、重量平均分子量7000であった。
〔合成例5〕
メタクリル酸−2−ジメチルアミノエチル(MLDA)3部をアクリル酸−2−ジメチルアミノエチル(ALDA)3部に変更する以外は合成例1と同様に作製し、アクリル共重合体(P−5)を得た。アクリル共重合体(P−5)の塩基価は16mmol/100g、酸価70mgKOH/g、重量平均分子量7000であった。
〔合成例6〕
メタクリル酸−2−ジメチルアミノエチル(MLDA)3部をメタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩(MLDA−Cl)3部に変更する以外は合成例1と同様に作製し、アクリル共重合体(P−6)を得た。アクリル共重合体(P−6)の塩基価は15mmol/100g、酸価71mgKOH/g、重量平均分子量7000であった。
〔合成例7〕
メタクリル酸メチル(MMA)の仕込量を26部、メタクリル酸−2−ジメチルアミノエチル(MLDA)の仕込量を7部に変更する以外は合成例1と同様に作製し、アクリル共重合体(P−7)を得た。アクリル共重合体(P−7)の塩基価は42mmol/100g、酸価67mgKOH/g、重量平均分子量7000であった。
〔合成例8〕
メタクリル酸メチル(MMA)の仕込量を32部、メタクリル酸(MAA)の仕込量を10部に変更する以外は合成例1と同様に作製し、アクリル共重合体(P−8)を得た。アクリル共重合体(P−8)の塩基価は18mmol/100g、酸価54mgKOH/g、重量平均分子量7000であった。
〔合成例9〕
メタクリル酸メチル(MMA)30部をアクリル酸(AA)30部にする以外は合成例1と同様に作製し、アクリル共重合体(P−9)を得た。アクリル共重合体(P−9)の塩基価は19mmol/100g、酸価89mgKOH/g、重量平均分子量7000であった。
〔合成例10〕
メタクリル酸メチル(MMA)の仕込量を14部、メタクリル酸(MAA)17部をカルボキシル基含有単量体混合物:ローディア日華(株)製(β−CEA)にして仕込量を33部にする以外は合成例1と同様に作製し、アクリル共重合体(P−10)を得た。アクリル共重合体(P−10)の塩基価は18mmol/100g、酸価65mgKOH/g、重量平均分子量7000であった。
〔合成例11〕
メタクリル酸メチル(MMA)の仕込量を27部、メタクリル酸(MAA)の仕込量を20部にする以外は合成例1と同様に作製し、アクリル共重合体(P−11)を得た。アクリル共重合体(P−11)の塩基価は18mmol/100g、酸価90mgKOH/g、重量平均分子量7000であった。
〔合成例12〕
メタクリル酸メチル(MMA)の仕込量を23部、メタクリル酸(MAA)の仕込量を24部にする以外は合成例1と同様に作製し、アクリル共重合体(P−12)を得た。アクリル共重合体(P−12)の塩基価は17mmol/100g、酸価114mgKOH/g、重量平均分子量7000であった。
〔合成例13〕
メタクリル酸−2−エチルヘキシル(2EHMA)20部をアクリル酸−2−エチルヘキシル(2EHA)20部にする以外は合成例1と同様に作製し、アクリル共重合体(P−13)を得た。アクリル共重合体(P−13)の塩基価は20mmol/100g、酸価73mgKOH/g、重量平均分子量7000であった。
〔合成例14〕
メタクリル酸−2−エチルヘキシル(2EHMA)20部をアクリル酸ドデシル(DOA)20部にする以外は合成例1と同様に作製し、アクリル共重合体(P−14)を得た。アクリル共重合体(P−14)の塩基価は20mmol/100g、酸価70mgKOH/g、重量平均分子量7000であった。
〔合成例15〕
メタクリル酸−2−エチルヘキシル(2EHMA)20部をアクリル酸ステアリル(SLA)20部にする以外は合成例1と同様に作製し、アクリル共重合体(P−15)を得た。アクリル共重合体(P−15)の塩基価は20mmol/100g、酸価72mgKOH/g、重量平均分子量7000であった。
〔合成例16〕
メタクリル酸−2−エチルヘキシル(2EHMA)を使用せずにメタクリル酸メチル(MMA)の仕込量を50部にする以外は合成例1と同様に作製し、アクリル共重合体(P−16)を得た。アクリル共重合体(P−16)の塩基価は20mmol/100g、酸価71mgKOH/g、重量平均分子量7000であった。
〔合成例17〕
ノルマルドデシルメルカプタン(MDM)の仕込み量を5.0部にする以外は合成例1と同様に作製し、アクリル共重合体(P−17)を得た。アクリル共重合体(P−17)の塩基価は17mmol/100g、酸価72mgKOH/g、重量平均分子量5000であった。
〔合成例18〕
ノルマルドデシルメルカプタン(MDM)の仕込み量を2.0部にする以外は合成例1と同様に作製し、アクリル共重合体(P−18)を得た。アクリル共重合体(P−18)の塩基価は18mmol/100g、酸価73mgKOH/g、重量平均分子量11000であった。
〔合成例19〕
ノルマルドデシルメルカプタン(MDM)の仕込み量を1.0部にする以外は合成例1と同様に作製し、アクリル共重合体(P−19)を得た。アクリル共重合体(P−19)の塩基価は18mmol/100g、酸価73mgKOH/g、重量平均分子量16000であった。
〔合成例20〕
ノルマルドデシルメルカプタン(MDM)を使用しなかった以外は合成例1と同様に作製し、アクリル共重合体(P−20)を得た。アクリル共重合体(P−20)の塩基価は17mmol/100g、酸価73mgKOH/g、重量平均分子量20000であった。
〔合成例21〕
スチレン(St)30部を4−メチルスチレン(4MSt)30部にする以外は合成例1と同様に作製し、アクリル共重合体(P−21)を得た。アクリル共重合体(P−21)の塩基価は17mmol/100g、酸価72mgKOH/g、重量平均分子量7000であった。
〔合成例22〕
スチレン(St)30部をメタクリル酸ベンジル(BzMA)30部にする以外は合成例1と同様に作製し、アクリル共重合体(P−22)を得た。アクリル共重合体(P−22)の塩基価は18mmol/100g、酸価73mgKOH/g、重量平均分子量7000であった。
〔合成例23〕
メタクリル酸−2−ジメチルアミノエチル(MLDA)を使用せずにメタクリル酸メチル(MMA)の仕込量を33部にする以外は合成例1と同様に作製し、アクリル共重合体(P−23)を得た。アクリル共重合体(P−23)の塩基価は0mmol/100g、酸価75mgKOH/g、重量平均分子量7000であった。
〔合成例24〕
メタクリル酸メチル(MMA)の仕込量を17部、メタクリル酸−2−ジメチルアミノエチル(MLDA)の仕込量を16部にする以外は合成例1と同様に作製し、アクリル共重合体(P−24)を得た。アクリル共重合体(P−24)の塩基価は95mmol/100g、酸価65mgKOH/g、重量平均分子量7000であった。
〔合成例25〕
メタクリル酸(MAA)を使用せずにメタクリル酸メチル(MMA)の仕込量を47部にする以外は合成例1と同様に作製し、アクリル共重合体(P−25)を得た。アクリル共重合体(P−25)の塩基価は20mmol/100g、酸価0mgKOH/g、重量平均分子量7000であった。
〔合成例26〕
メタクリル酸メチル(MMA)の仕込量を40部、メタクリル酸(MAA)の仕込量を7部にする以外は合成例1と同様に作製し、アクリル共重合体(P−26)を得た。アクリル共重合体(P−26)の塩基価は18mmol/100g、酸価14mgKOH/g、重量平均分子量7000であった。
〔合成例27〕
メタクリル酸メチル(MMA)の仕込量を15部、メタクリル酸(MAA)の仕込量を32部にする以外は合成例1と同様に作製し、アクリル共重合体(P−27)を得た。アクリル共重合体(P−27)の塩基価は17mmol/100g、酸価157mgKOH/g、重量平均分子量7000であった。
〔合成例28〕
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)の仕込量を6.0部にする以外は合成例1と同様に作製し、アクリル共重合体(P−28)を得た。アクリル共重合体(P−28)の塩基価は18mmol/100g、酸価74mgKOH/g、重量平均分子量3000であった。
〔合成例29〕
ノルマルドデシルメルカプタン(MDM)を使用せずにアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)の仕込量を0.8部にする以外は合成例1と同様に作製し、アクリル共重合体(P−29)を得た。アクリル共重合体(P−29)の塩基価は18mmol/100g、酸価74mgKOH/g、重量平均分子量39000であった。
〔合成例30〕
スチレン(St)を使用せずにメタクリル酸メチル(MMA)の仕込量を60部にする以外は合成例1と同様に作製し、アクリル共重合体(P−30)を得た。アクリル共重合体(P−30)の塩基価は18mmol/100g、酸価73mgKOH/g、重量平均分子量7000であった。
<アクリル共重合体の評価>
上記により合成したアクリル共重合体を使用した着色材分散液および感光性着色樹脂組成物を調製し評価した。
〔実施例1〕
着色材分散液の調製
熱プラズマ法により製造したチタン窒化物粒子(日清エンジニアリング(株)製)を200g、アクリル共重合体(P−1)のプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート35重量%溶液を114g、高分子分散剤として3級アミノ基と4級アンモニウム塩を有するディスパービックLPN−21116(DP−1、ビックケミー社製)を25gおよびプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート661gをタンクに仕込み、ホモミキサー(プライミクス製)で20分撹拌し、予備分散液を得た。その後、0.05mmφジルコニアビーズ(ネツレン製、YTZボール)を75%充填した遠心分離セパレーターを具備したウルトラアペックスミル(寿工業社製)に予備分散液を供給し、回転速度8m/sで3時間分散を行い、固形分濃度25重量%、着色材/樹脂(重量比)=80/20の着色材分散液1を得た。
得られた着色材分散液1は作製直後の粘度が4.2mPa・sであり、1週間経時後の粘度は4.6mPa・sであり、分散安定性は○と判定した。
感光性着色樹脂組成物の調製
この着色材分散液1を33.00gとアクリル共重合体(P−1)のプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート35重量%溶液を7.53g、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート55.36g、“アデカ(登録商標)オプトマー”N−1919(旭電化工業(株)製)0.99g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製DHPA)2.64g、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.45g、BYK333(ビックケミー(株)製)0.04gを混合し感光性着色樹脂組成物を調製した。
得られた感光性着色樹脂組成物を無アルカリガラス(コーニング社製“1737材”)基板上にスピンコーターで塗布し、90℃で10分プリベークした。この後、大日本スクリーン(株)製露光機“XG−5000”を用い、グレートーンマスクを介して露光し、0.045%水酸化カリウム水溶液を用いてネガ型レジストの現像を行なった。現像時間は33秒であり、現像性は○と判定した。
さらに、230℃で30分間キュアし、厚さ1.0μmのブラックマトリクスを作成し耐熱性を評価した。重量変化率は1.1%であり、○と判定した。
〔実施例2〜22および比較例1〜8〕
アクリル共重合体(P−1)の代わりに、酸価、塩基価、重量平均分子量の特性値と一部不飽和単量体を変更したアクリル共重合体(P−2〜P−30)を用いた以外は実施例1と同様にして着色材分散液および感光性着色樹脂組成物を調製し、評価を行った。
実施例1〜22および比較例1〜8で使用したアクリル共重合体のモノマ組成、分析値およびその評価結果を表1〜4に示す。表中「ベースモノマ MMA」の欄は、メタクリル酸メチルの仕込量を重量部で表わす。「(A)導入モノマ GMA」の欄は、式(A)の分子側鎖にエチレン性不飽和基を有する(メタ)アクリル単位を導入するために添加したグリシジルメタクリレートの仕込量を重量部で表わす。また「(C)モノマ MLDA−Cl」の欄は、式(C)の分子側鎖に4級アンモニウム塩を有する(メタ)アクリル単位を構成するメタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩の仕込量を重量部で表わす。
「(B)モノマ」の欄は、式(B)の分子側鎖に3級アミノ基を有する(メタ)アクリル単位を構成するため添加したモノマの種類とその仕込量を重量部で表わす。「(D)モノマ」の欄は、式(D)の分子側鎖にカルボキシル基を有する(メタ)アクリル単位を構成するため添加したモノマの種類とその仕込量を重量部で表わす。「(E)モノマ」の欄は、分子側鎖に芳香環を有する構造(E)を構成するため添加したモノマの種類とその仕込量を重量部で表わす。また「(F)モノマ」の欄は、式(F)の分子側鎖に長鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル単位を構成するため添加したモノマの種類とその仕込量を重量部で表わす。
Figure 0005982177
Figure 0005982177
Figure 0005982177
Figure 0005982177
〔実施例23〕
高抵抗カーボンブラック(キャボット(株)製)(150g)、アクリル共重合体(P−1)のプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート35重量%溶液(80g)、高分子分散剤としてディスパービックLPN−21116(23g)およびプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(440g)をタンクに仕込み、ホモミキサー(プライミクス製)で20分撹拌し、予備分散液を得た。その後、0.05mmφジルコニアビーズ(ネツレン製、YTZボール)を75%充填した遠心分離セパレーターを具備したウルトラアペックスミル(寿工業製)に予備分散液を供給し、回転速度8m/sで3時間分散を行い、固形分濃度25重量%、顔料/樹脂(重量比)=70/30の顔料分散液23を得た。得られた顔料分散液23の粘度は3.3mPa・sで、作製1週間後も粘度に変化は見られなかった。
〔実施例24〕
赤顔料(Pigment Red 177)(150g)、アクリル共重合体(P−1)のプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート35重量%溶液(190g)、高分子分散剤としてディスパービック2000(ビックケミー(株)製)(150g)およびプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(600g)をタンクに仕込み、ホモミキサー(プライミクス製)で20分撹拌し、予備分散液を得た。その後、0.03mmφジルコニアビーズ(ネツレン製、YTZボール)を75%充填した遠心分離セパレーターを具備したウルトラアペックスミル(寿工業製)に予備分散液を供給し、回転速度8m/sで3時間分散を行い、固形分濃度25重量%、顔料/樹脂(重量比)=60/40の顔料分散液R1を得た。得られた顔料分散液R1の粘度は6.7mPa・sで、作製1週間後の粘度は6.9mPa・sであった。
この顔料分散液R1を33gとプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート55g、“アデカ(登録商標)オプトマー”N−1919(旭電化工業(株)製)2g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製M520)3g、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.5g、BYK333(ビックケミー(株)製)0.5gを混合したレジスト組成物を調製した。
得られたレジスト組成物を無アルカリガラス(コーニング社製“1737材”)基板上にスピンコーターで塗布し、90℃で10分プリベークした。この後、大日本スクリーン(株)製露光機“XG−5000”を用い、フォトマスクを介して露光し、0.1%TMAH水溶液を用いてネガ型レジストの現像を行なった後、さらに、230℃で30分間キュアした。このようにして、厚さ1.0μmの着色塗膜R1を作成した。着色塗膜R1の現像時間は36秒であった。
〔実施例25〕
実施例24で使用したアクリル共重合体(P−1)をアクリル共重合体(P−2)へ変更以外は実施例24と同様の操作を行い、顔料分散液R2と着色塗膜R2を得た。得られた顔料分散液R2の粘度は5.4mPa・sで、作製1週間後も粘度に変化は見られなかった。着色塗膜R2の現像時間は27秒であった。
〔実施例26〕
実施例24において赤顔料(Pigment Red 177)(150g)、アクリル共重合体(P−1)のプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート35重量%溶液の仕込み量を190gから230g、高分子分散剤としてディスパービック2000の仕込み量を150gから100g、およびプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートの仕込み量を600gから620gに、組成物の仕込み量を変更した以外は実施例24と同様の操作を行い、顔料分散液R3と着色塗膜3を得た。得られた顔料分散液R3の粘度は7.0mPa・sで、作製1週間後の粘度は7.7mPa・sであった。着色塗膜R3の現像時間は27秒であった。
〔実施例27〕
実施例24の顔料を赤顔料(Pigment Red 177)から緑顔料(Pigment Green 36)へ変更したこと以外は実施例24と同様の操作を行い、顔料分散液G1と着色塗膜G1を得た。得られた顔料分散液G1の粘度は5.4mPa・sで、作製1週間後の粘度は6.0mPa・sであった。着色塗膜G1現像時間は28秒であった。
〔実施例28〕
実施例24の顔料を赤顔料(Pigment Red 177)から青顔料(Pigment Biue 15:3)へ変更したこと以外は実施例24と同様の操作を行い、顔料分散液B1と着色塗膜B1を得た。得られた顔料分散液B1の粘度は7.0mPa・sで、作製1週間後の粘度は7.3mPa・sであった。着色塗膜B1現像時間は20秒であった。
〔比較例9〕
実施例1において、アクリル共重合体(P−1)をアクリル共重合体(P−23)へ変更し、アクリル共重合体(P−23)のプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート35重量%溶液を71g、ディスパービックLPN−21116(DP−1)を63g、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートを666gに、仕込量を変更したこと以外は実施例1と同様に着色材分散液とブラックマトリックスを作製した。得られた着色材分散液は作製直後の粘度が3.4mPa・sであり、1週間経時後の粘度は3.6mPa・sであった。現像時間が111秒であった。
〔比較例10〕
実施例24において、アクリル共重合体を(P−23)へ変更以外は実施例24と同様の操作を行い、顔料分散液R4を得た。得られた顔料分散液の粘度は5.0mPa・sであった。しかしながら分散から24時間後に顔料分散液R4は凝集してしまった。
実施例1〜22で作製した着色材分散液は、比較例1〜8にて作製した着色材分散液と比較し分散安定性およびブラックマトリックスにしたときの現像性、耐熱性を両立できており、アクリル共重合体を特定の範囲の塩基価、酸価、重量平均分子量の特性値とすることが必要であることが判る。また、十分な耐熱性を得るためには、側鎖に芳香環が導入すること必要であること、側鎖に長鎖のアクリル基を導入することで顔料分散液の安定性はより高度なものになっていることが判る。
また、比較例9の結果から、塩基価を持たないアクリル共重合体は高分子分散剤使用量を増やすことで分散安定性を改善することが可能であるが、高分子分散剤の塩基由来によって現像性を損なうことがわかり、側鎖に3級アミンまたは4級アンモニウム塩の構造を有するアクリル共重合体を使用した実施例1〜22で作製した着色材分散液が性能バランスにおいて、非常に効果的であることがわかる。
さらに実施例23〜28の結果から、本発明はチタンブラックなどの金属顔料のみならず、カーボンブラック顔料や有機顔料にもチタンブラックの例と同様に保存安定性および製版特性に優れた着色材分散液ならびに感光性着色樹脂組成物を提供することができることが判る。
本発明のアクリル共重合体を使用した着色材分散液および感光性着色樹脂組成物は電子情報材料分野において特に有用であるが、このアクリル共重合体はその他にも、塗料、接着剤、光学材料など、工業用途として多岐にわたる分野で有用である。

Claims (4)

  1. 分子側鎖にエチレン性不飽和基を有する下記式(A)で表される構造と、側鎖に3級アミノ基を有する下記式(B)で表される構造および/または側鎖に4級アンモニウム塩を有する下記式(C)で表される構造と、カルボキシル基を有する構造(D)と、芳香環を有する構造(E)を有するアクリル共重合体であり、該アクリル共重合体の塩基価が5〜70mmol/100g、酸価が50〜120mgKOH/g、かつゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算重量平均分子量が5,000〜30,000であることを特徴とするアクリル共重合体。
    Figure 0005982177
    (式中R1,R2は互いに独立に水素原子又はメチル基、R3は炭素数1〜4のアルキレン基、炭素数3〜6の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の2価の芳香族炭化水素基から選ばれるいずれかを表す。)
    Figure 0005982177
    (式中R4は水素原子又はメチル基、R5は炭素数1〜4のアルキレン基、炭素数3〜6の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の2価の芳香族炭化水素基から選ばれるいずれか、R6,R7は互いに独立に炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基から選ばれるいずれかを表す。)
    Figure 0005982177
    (式中R8は水素原子又はメチル基、R9は炭素数1〜4のアルキレン基、炭素数3〜6の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の2価の芳香族炭化水素基から選ばれるいずれか、R10,R11,R12は互いに独立に炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基から選ばれるいずれか、Xは臭素、塩素、ヨウ素、硫酸水素塩および水酸化物のいずれかを表す。)
  2. 前記カルボキシル基を有する構造(D)が下記構造式(D1)で表される請求項1に記載のアクリル共重合体。
    Figure 0005982177
    (式中R13は水素原子又はメチル基、nは0〜6の整数を表し、単一でも複数のnの混合形でもよい。)
  3. 前記芳香環を有する構造(E)が下記構造式(E1)または(E2)で表される請求項1または2に記載のアクリル共重合体。
    Figure 0005982177
    (式中R14は、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、エステル基、アシル基およびニトロ基から選ばれるいずれかを表す。)
    Figure 0005982177
    (式中R15は水素原子又はメチル基、R16は、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、エステル基、アシル基およびニトロ基から選ばれるいずれかを表す。)
  4. 更に前記アクリル共重合体が、下記構造式(F)で表される構造を有する請求項1〜3のいずれかに記載のアクリル共重合体。
    Figure 0005982177
    (R17は、水素原子またはメチル基、R18は、水素原子または炭素原子数2〜20個のアルキル基、R19は炭素原子数2〜40個のアルキル基を表す。)
JP2012117283A 2012-05-23 2012-05-23 アクリル共重合体 Active JP5982177B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012117283A JP5982177B2 (ja) 2012-05-23 2012-05-23 アクリル共重合体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012117283A JP5982177B2 (ja) 2012-05-23 2012-05-23 アクリル共重合体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013245221A JP2013245221A (ja) 2013-12-09
JP5982177B2 true JP5982177B2 (ja) 2016-08-31

Family

ID=49845272

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012117283A Active JP5982177B2 (ja) 2012-05-23 2012-05-23 アクリル共重合体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5982177B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6776637B2 (ja) * 2016-06-08 2020-10-28 三菱ケミカル株式会社 活性エネルギー線重合性組成物からなるuvインキ及びその製造方法
WO2018088052A1 (ja) 2016-11-09 2018-05-17 昭和電工株式会社 ポジ型感光性樹脂組成物及びチタンブラック分散液
JP7044104B2 (ja) * 2017-03-10 2022-03-30 東亞合成株式会社 硬化型組成物
JP7376057B2 (ja) * 2018-10-02 2023-11-08 i-PRO株式会社 内視鏡
JP7263031B2 (ja) * 2019-02-01 2023-04-24 株式会社Dnpファインケミカル 色材分散液、分散補助樹脂、感光性着色樹脂組成物及びその硬化物、カラーフィルタ、表示装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10152536A (ja) * 1996-11-22 1998-06-09 Dainippon Printing Co Ltd カラーフイルター用感光性着色組成物及びカラーフイルター
JP4368135B2 (ja) * 2003-03-24 2009-11-18 大日本印刷株式会社 着色レジスト用顔料分散液、感光性着色組成物、及び、カラーフィルター
JP4368134B2 (ja) * 2003-03-24 2009-11-18 大日本印刷株式会社 着色レジスト用顔料分散液、感光性着色組成物、及び、カラーフィルター
JP5099094B2 (ja) * 2008-09-18 2012-12-12 東レ株式会社 黒色樹脂組成物、樹脂ブラックマトリクス、カラーフィルターおよび液晶表示装置
JP5317914B2 (ja) * 2009-09-29 2013-10-16 株式会社Dnpファインケミカル 着色樹脂組成物、カラーフィルター用感光性着色樹脂組成物、及びカラーフィルター

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013245221A (ja) 2013-12-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6079774B2 (ja) 着色材分散液および感光性着色樹脂組成物
CN103635541B (zh) 染料分散液、彩色滤光片用感光性树脂组合物、彩色滤光片、液晶显示装置及有机发光显示装置
JP5982177B2 (ja) アクリル共重合体
JP5479141B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、カラーフィルタ用着色硬化性樹脂組成物およびカラーフィルタ
JP6908020B2 (ja) ランダム共重合体、レジスト組成物、カラーフィルター及びランダム共重合体の製造方法
CN108003290B (zh) 一种碱溶性树脂聚合物、其制备方法和感光性树脂组合物及它们的应用
JP6890613B2 (ja) カラーフィルター用樹脂組成物、その製造方法及びカラーフィルター
WO2016199778A1 (ja) 色材分散液、カラーフィルタ用着色樹脂組成物、カラーフィルタの製造方法、液晶表示装置の製造方法、及び発光表示装置の製造方法
CN104650281A (zh) 一种彩色滤光片用碱溶性树脂聚合物及光敏性树脂组合物
KR20130081019A (ko) 착색 분산액 및 이를 포함하는 감광성 수지 조성물
TW200424219A (en) Photosensitive resin composition using photopolymer
JP2019174635A (ja) 感光性着色樹脂組成物、硬化物、カラーフィルタ、及び表示装置
KR101918433B1 (ko) 수지 조성물, 컬러 필터, 그 제조 방법 및 화상 표시 소자
JPWO2016203905A1 (ja) カラーフィルター用着色組成物、カラーフィルターおよび画像表示素子
KR102611643B1 (ko) 공중합체 및 그의 공중합체를 포함하는 수지 조성물
JP6160286B2 (ja) カラーフィルタ用着色組成物及びカラーフィルタ
KR20140143951A (ko) 감광성 수지 조성물 및 이로부터 제조된 스페이서
CN111234094B (zh) 一种改性染料、包含其的光敏树脂组合物及用途
JP6408230B2 (ja) 硬化性樹脂組成物およびカラーフィルタ
WO2022009676A1 (ja) 感光性樹脂組成物及びその樹脂硬化膜
CN116490533A (zh) 颜料分散组合物和感光性着色组合物
JPH10186652A (ja) 硬化塗膜用樹脂組成物、これを用いたカラーフィルタ保護膜、カラーフィルタおよび液晶表示素子
KR101831296B1 (ko) 녹색 감광성 수지 조성물, 이를 이용하여 제조된 컬러필터 및 화상 표시 장치
KR101961959B1 (ko) 착색 감광성 수지 조성물
JP7507006B2 (ja) ブラックマトリックス用顔料分散組成物、ブラックマトリックス用レジスト組成物、及び、ブラックマトリックス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141111

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151211

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151215

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160201

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160712

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160801

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5982177

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250