JP5980153B2

JP5980153B2 - クリーム状皮膚洗浄料

Info

Publication number: JP5980153B2
Application number: JP2013057851A
Authority: JP
Inventors: 那央佐藤
Original assignee: Noevir Co Ltd
Current assignee: Noevir Co Ltd
Priority date: 2013-03-21
Filing date: 2013-03-21
Publication date: 2016-08-31
Anticipated expiration: 2033-03-21
Also published as: JP2014181223A

Description

本発明は、クリーム状皮膚洗浄料に関する。

高級脂肪酸塩を主洗浄料とするペースト状洗浄料組成物は、洗浄力と、洗い上がりのさっぱり感を特徴としており、広く上市されている。
例えば、特許文献１（特開２０１１−２１３６９３号公報）には、「（Ａ）カルボベタイン型両性界面活性剤、（Ｂ）高級脂肪酸塩、（Ｃ）アシルメチルタウリン型陰イオン性界面活性剤及び（Ｄ）平均分子量が１０００〜４０００のポリエチレングリコールを含有し、その含有量が（Ａ）０．５〜１０重量％、（Ｂ）１０〜５０重量％、（Ｃ）０．５〜５重量％及び（Ｄ）１〜５重量％含有することによって、起泡性に優れ、すすぎ時のぬめり感や洗浄後のつっぱり感が少なく、さらに経時安定性に優れたクリーム状洗顔料」が記載されています。（Ｄ）成分の配合により洗浄後のツッパリ感の改良は認められましたが、使用後に保湿効果が感じられるものではありませんでした。
特許文献２（特開２００７−２６９７０４号公報）には、「（ａ）高級脂肪酸塩（ｂ）ジアルキルジアリル４級アンモニウム塩とアクリルアミドとの共重合体（ｃ）ジグリセリン骨格を有する油剤を配合することを特徴とする皮膚洗浄剤組成物。更に、成分（ｄ）として、アルキロイル基の炭素数が８〜１６であるアルキロイルメチルタウリン塩が配合されていることを特徴とする皮膚洗浄剤組成物。使用時の泡の起泡力、泡のキメ細かさに優れ、また柔らかく弾力性のある泡を持続することができ、なおかつ後肌のしっとり感にも優れた皮膚洗浄剤組成物。」が記載されていますが、使用後にしっとり感というよりは、油性感の残る洗い上がりになる欠点が認められました。
特許文献３（特開２００５−３０６８４３号公報）には、「次の成分（Ａ）〜（Ｃ）、（Ａ）洗浄性界面活性剤５〜３０質量％（Ｂ）カチオン化セルロース０．０１〜３質量％（Ｃ）ジアルキルジアリル４級アンモニウム塩・アクリルアミド共重合体０．０１〜２質量％を必須成分として含有することを特徴とする皮膚洗浄剤組成物。洗浄中の泡立ちが良好で十分な洗浄効果が得られ、しかも洗い上がりの肌がつっぱることなく、乾燥後の肌にうるおい感、しっとり感を付与して柔軟性のある肌にする、優れた皮膚コンディショニング効果を有する皮膚洗浄剤組成物を提供すること。」が記載されています。しかしながらジアルキルジアリル４級アンモニウム塩・アクリルアミド共重合体を配合することにより、使用時に目にしみるなど、安全性に問題がありました。

特開２０１１−２１３６９３号公報特開２００７−２６９７０４号公報特開２００５−３０６８４３号公報

上述の通り、高級脂肪酸石けんを主洗浄料として含有するクリーム状皮膚洗浄料において、泡立ち、泡量、泡質（キメ、弾力性）、洗浄力、泡切れ、経時安定性が良好で、洗い流した後にしっとり感を有するクリーム状皮膚洗浄料はいまだ得られていないのが現状である。
そこで本発明の目的は、高級脂肪酸石けんを主洗浄料として含有するクリーム状皮膚洗浄料において、泡立ち、泡量、泡質（キメ、弾力性）、洗浄力、泡切れ、経時安定性が良好で、洗い流した後にしっとり感を有するクリーム状皮膚洗浄料を提供することにある。

本発明は、次の成分（Ａ）〜（Ｃ）：
（Ａ）高級脂肪酸塩をクリーム状皮膚洗浄料全量に対し２５〜５０質量％と、
（Ｂ）Ｎ−アシルアルキルタウリン塩と、
（Ｃ）塩化Ｏ−［２−ヒドロキシ−３−（トリメチルアンモニオ）プロピル］ヒドロキシエチルセルロース、
を含有するクリーム状皮膚洗浄料を提供する。

本発明のクリーム状皮膚洗浄料は、泡立ち、泡量、泡質（キメ、弾力性）、洗浄力、泡切れ、経時安定性が良好で、洗い流した後にしっとり感を有するという効果を発揮する。

以下本発明を実施するための形態を説明する。

本発明は、次の成分（Ａ）〜（Ｃ）：
（Ａ）高級脂肪酸塩をクリーム状皮膚洗浄料全量に対し２５〜５０質量％と、
（Ｂ）Ｎ−アシルアルキルタウリン塩と、
（Ｃ）塩化Ｏ−［２−ヒドロキシ−３−（トリメチルアンモニオ）プロピル］ヒドロキシエチルセルロース、
を含有するクリーム状皮膚洗浄料を提供するものである。

本発明で用いる成分（Ａ）高級脂肪酸塩を構成する高級脂肪酸としては、飽和若しくは不飽和のいずれであってもよく、炭素数８〜２４、特に１０〜２２のものが好ましい。好ましいものの具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ヒドロキシステアリン酸、ヒドロキシデセン酸、ヤシ油脂肪酸、還元ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸、還元牛脂脂肪酸、パーム核脂肪酸などが挙げられる。これらの脂肪酸の中でも、泡立ち、安全性、安定性の面から、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸から選択される１種又は２種以上を含有することが好ましく、特にミリスチン酸とパルミチン酸とステアリン酸の３種を用いることが好ましい。これらの高級脂肪酸と塩を形成するアルカリ剤としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、２−アミノ−２−メチルプロパノール、２−アミノ−２−メチルプロパンジオールなどのアルカノールアミン塩、リジン、アルギニンなどの塩基性アミノ酸塩等が挙げられる。これらのうち、特にカリウム、アルギニンが好ましい。

また、これらの高級脂肪酸塩は、必ずしも脂肪酸塩としてペースト状洗浄料組成物に配合する必要はなく、上記高級脂肪酸と塩基とをそれぞれ別個に添加し、組成物中で脂肪酸塩を形成せしめてもよい。

これらの高級脂肪酸塩は、１種又は２種以上を組み合わせて用いることができ、クリーム状皮膚洗浄料全量に対し２５〜５０質量％配合される。２５質量％未満では充分な洗浄力が得られない場合や、ペースト状の性状を保てなくなる場合がある。５０質量％を超えると結晶の析出や、硬くなり使用しにくいなどの問題を生じることがある。

本発明で用いる成分（Ｂ）Ｎ−アシルアルキルタウリン塩としては、次の一般式（１）

（式中、Ｒ^１は炭素数７〜２２のアルキル基、アルケニル基又はヒドロキシアルキル基を示し、Ｒ^２は炭素数１〜３のアルキル基を示し、Ｍはアルカリ金属又は有機アミンを示す）で表される化合物が挙げられる。

一般式（１）中、Ｒ^１ＣＯ−で示されるアシル基の具体例としては、ラウロイル、パルミトイル、ステアロイル、オレオイル、ヤシ油脂肪酸由来のココイル基（Ｒ^１の炭素数が１１〜１９の間に分布しているアルカノイル基）等が挙げられる。Ｒ^２で示されるアルキル基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル基等が挙げられる。さらに対イオンＭの具体例としては、リチウム、カリウム、ナトリウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン等が挙げられる。

上記Ｎ−アシルアルキルタウリン塩は、１種又は２種以上を組み合わせて用いることができ、クリーム状皮膚洗浄料全量に対し、好ましくは０．５〜１０質量％配合される。０．５質量％未満では十分な泡立ち、泡切れ改善効果が得られない場合がある。１０質量％を越えて含有させると泡質が粗くなる場合がある。

本発明で用いる成分（Ｃ）塩化Ｏ−［２−ヒドロキシ−３−（トリメチルアンモニオ）プロピル］ヒドロキシエチルセルロースは、ヒドロキシエチルセルロースに塩化グリシジルトリメチルアンモニウムを付加して得られる4級アンモニウム塩の重合体である。塩化Ｏ−［２−ヒドロキシ−３−（トリメチルアンモニオ）プロピル］ヒドロキシエチルセルロースとしては、市販のＰＯＬＹＱＵＴＡＬＲ−４００ＫＣ（KCI LIMITED社製）、ＰＯＬＹＱＵＴＡＬＲ−３０００ＫＣ（KCI LIMITED社製）、カチナールＨＣ−１００（東邦化学工業社製）、カチナールＨＣ−２００（東邦化学工業社製）、ポリマーＪＲ−３０Ｍ（Noveon社製）、ポリマーＪＲ−４００（Noveon社製）、レオガードＧ（ライオン社製）、レオガードＧＰ°（ライオン社製）、レオガードＧＰＳ（ライオン社製）、レオガードＬＰ（ライオン社製）、レオガードＭＧＰ（ライオン社製）、セルコートＳＣ２３０Ｍ（アクゾノーベル社製）、セルコートＳＣ２４０Ｃ（アクゾノーベル社製）等を用いることができる。

上記塩化Ｏ−［２−ヒドロキシ−３−（トリメチルアンモニオ）プロピル］ヒドロキシエチルセルロースは、１種又は２種以上を組み合わせて用いることができ、クリーム状皮膚洗浄料全量に対し、０．００５〜０．１質量％、好ましくは０．０１〜０．１質量％配合される。０．００５質量％未満では十分なしっとり感が得られない場合がある。０．１質量％を超えて含有させると洗い上がりにぬめり感が残る使用感となる場合がある。

本発明のクリーム状皮膚洗浄料には、上記成分（Ａ）〜成分（Ｃ）に加えて、グリセリンモノ脂肪酸エステルを配合することが好ましい。グリセリンモノ脂肪酸エステルを配合することにより、泡質、洗い流し後のしっとり感がさらに向上する。グリセリンモノ脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、炭素数炭素数８〜２４、特に１０〜２２のものが好ましい。好ましいものの具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ヒドロキシステアリン酸、ヒドロキシデセン酸、ヤシ油脂肪酸、還元ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸、還元牛脂脂肪酸、パーム核脂肪酸などが挙げられる。これら成分は、１種を単独で用いてもよく、２種以上を適宜組合せて用いることもできる。グリセリンモノ脂肪酸エステルの配合量は、クリーム状皮膚洗浄料全量に対し、８質量％未満、好ましくは０．１〜６質量％である。８質量％を超えて配合しても、洗い流し後のしっとり感に向上が見られない場合がある。

本発明のクリーム状皮膚洗浄料には、上記成分（Ａ）〜成分（Ｃ）に加えて、アシルグルタミン酸塩を配合することが好ましい。アシルグルタミン酸塩を配合することにより、泡立ち、泡量、泡質がさらに向上する。アシルグルタミン酸塩の具体例としては、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸カリウム、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸トリエタノールアミン、ラウロイルグルタミン酸カリウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸トリエタノールアミン、ミリストイルグルタミン酸カリウム、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸カリウム、ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸ニナトリウム、硬化牛脂脂肪酸アシルグルタミン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸・硬化牛脂脂肪酸アシルグルタミン酸ナトリウムなどを例示することができる。これら成分は、１種を単独で用いてもよく、２種以上を適宜組合せて用いることもできる。好適な成分（Ｃ）としては、高温保存時の乳化安定性を向上させる観点から、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸ナトリウムが好ましい。

本発明において成分アシルグルタミン酸塩の配合量はクリーム状皮膚洗浄料全量に対し１０．０質量％未満、好ましくは０．１〜５質量％である。１０．０質量％を超えて配合しても、これ以上の泡立ち、泡質の改善効果が認められない場合がある。

本発明のクリーム状皮膚洗浄料には、上記成分（Ａ）〜成分（Ｃ）に加えて、多価アルコールを配合することが好ましい。多価アルコールとしては、ポリエチレングリコール，プロピレングリコール，ジプロピレングリコール，１，３−ブチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン，デカグリセリン等のポリグリセリン類、グリセリンモノパルミチルエーテル（キミルアルコール），グリセリンモノステアリルエーテル（バチルアルコール），グリセリンモノオレイルエーテル（セラキルアルコール）等のグリセリンモノエーテル類、エリスリトール，スレイトール，ペンタエリスリトール，アドニトール，アラビトール，キシリトール，ソルビトール，マンニトール，ガラクチトール，イノシトール，マルチトール等の糖アルコール類、ブドウ糖，ショ糖等の糖類が挙げられ、これらより１種又は２種以上を選択して用いることができる。これらの多価アルコールの中でも、ジプロピレングリコール、１，３−ブチレングリコール、グリセリンから選択される１種又は２種以上を用いることが好ましい。

これら多価アルコールの液状洗浄料中における含有量は、４０質量％未満であり、好ましくは１〜４０質量％、さらに好ましくは１０〜４０質量とする。４０％以上配合すると使用時のべたつきの原因となったり、洗浄力が低下する場合がある。

本発明のクリーム状皮膚洗浄料は、常温でクリーム状の外観を呈する。

本願発明のクリーム状皮膚洗浄料には、上述の必須成分、任意成分の他に、必要に応じて通常皮膚洗浄料に配合される、水性成分、油性成分、保湿剤、色素、界面活性剤、紫外線吸収剤、増粘剤、薬剤、香料、高分子物質、防菌防微剤、アルコール類、生体由来成分等を適宜配合することができる。

本発明のクリーム状皮膚洗浄料は、例えば、洗顔料、クレンジング料、ボディソープ、ハンドソープ等として適用することができ、特に洗顔料として好適である。

以下に本発明を実施例を用いて説明するが、本発明の技術的範囲はこれによってなんら限定されるものではない。

表１に示した処方にて定法により皮膚洗浄料を調製し、下記の方法で評価を行った。評価結果を表２に示す。

「泡立ち」
実際に使用して泡立ちを「非常にはやい：◎」、「はやい：○」、「すぐには泡立たない：△」、「おそい：×」として評価した。
「泡量」
実際に使用して泡の量を「非常に多い：◎」、「多い：○」、「やや少ない：△」、「少ない：×」として評価した。
「泡質（キメ）」
実際に使用して泡のキメを「非常に細かい：◎」、「細かい：○」、「やや大きい：△」、「大きい：×」として評価した。
「泡質（弾力性）」
実際に使用して泡の弾力性を「非常にある：◎」、「ある：○」、「ややない：△」、「ない：×」として評価した。
「眼刺激」
実際洗顔を行い、目にしみるかどうかを「しみない：○」、「ややしみる：△」、「目が痛い：×」として評価した。
「洗浄力」
人工皮脂をしみこませた布を洗浄し、汚れ落ちを「良好である：○」、「汚れ残りがある：△」として評価した。
「泡切れ」
実際に使用して洗い流し時の泡切れを「非常に良好である：◎」、「良好である：○」、「やや悪い：△」、「悪い：×」として評価した。
「しっとり感」
実際に洗顔し、タオルドライした後の肌の状態を「非常にしっとりしている：◎」、「しっとりしている：○」、「やや乾燥する：△」、「乾燥する：×」として評価した。
「経時安定性」
４０℃恒温槽１ヶ月保存後の状態を観察し、「変化なし：○」、「分離，油浮きなどの変化が認められる：×」として評価した。

表２に示したとおり、実施例１の高級脂肪酸塩と、Ｎ−アシルアルキルタウリン塩と、塩化Ｏ−［２−ヒドロキシ−３−（トリメチルアンモニオ）プロピル］ヒドロキシエチルセルロース、を含有するクリーム状皮膚洗浄料は、泡立ち、泡質（キメ、弾力性）、眼刺激、洗浄力、泡切れ、しっとり感、経時安定性の全ての項目について、良好な結果が得られた。これに対し、高級脂肪酸塩を約２２質量％しか含有しない比較例１においては、泡立ち、泡量、洗浄力、経時安定性において、実施例１より劣っていた。Ｎ−アシルアルキルタウリン塩を配合せず、洗浄成分である高級脂肪酸塩を増量した比較例２においては、泡質、しっとり感の点で実施例１より劣っていた。塩化Ｏ−［２−ヒドロキシ−３−（トリメチルアンモニオ）プロピル］ヒドロキシエチルセルロースを配合せず、通常しっとり感を付与するために配合されている平均分子量２０００のポリエチレングリコールを５質量％配合した比較例３においては、洗浄後のしっとり感で実施例１より劣っていた。

肌荒れ防止用洗顔料（実施例５）、アクネ用洗顔料（実施例６）の実施例を表３に、その評価結果を表４に示す。実施例５、６ともに、泡立ち、泡量、泡質（キメ、弾力性）、洗浄力、泡切れ、経時安定性が良好で、洗い流した後にしっとり感を有する使用感であった。

Claims

次の成分（Ａ）〜（Ｄ）：
（Ａ）高級脂肪酸塩をクリーム状皮膚洗浄料全量に対し２５〜５０質量％と、
（Ｂ）Ｎ−アシルアルキルタウリン塩と、
（Ｃ）塩化Ｏ−［２−ヒドロキシ−３−（トリメチルアンモニオ）プロピル］ヒドロキシエチルセルロース、
（Ｄ）グリセリンモノ脂肪酸エステル
を含有するクリーム状皮膚洗浄料。