JP5957472B2 - 末端不飽和α−オレフィン重合体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
一方、ワックス成分や潤滑油成分としては、より炭素数が大きいα−オレフィンの重合体が用いられるが、特に炭素数5以上のα−オレフィン重合体に対して、多量の不飽和基を効率よく導入する方法について何ら具体的に開示されていない。
本発明の目的は、不飽和度が高く、炭素数5以上のα−オレフィンの重合体である末端不飽和α−オレフィン重合体を提供することである。
本発明の他の目的は、副生成物の発生量が少ない末端不飽和α−オレフィン重合体の製造方法を提供することである。
[1]炭素数5以上のα−オレフィンの単独重合体及び/又は共重合体であって、末端不飽和基濃度が2.0〜30モル%であることを特徴とする末端不飽和α−オレフィン重合体。
[2]1分子当りの末端不飽和基の数が1.0個を超え2.5個以下である、[1]に記載の末端不飽和α−オレフィン重合体。
[3]炭素数5〜12のα−オレフィン単位を50〜100質量%含む、[1]又は[2]に記載の末端不飽和α−オレフィン重合体。
[4]炭素数14〜30のα−オレフィン単位を50〜100質量%含む、[1]又は[2]に記載の末端不飽和α−オレフィン重合体。
[5]100℃における動粘度が3〜2000mm/s2であり、メソトリアッド分率[mm]が20〜80モル%である、[1]〜[4]のいずれかに記載の末端不飽和α−オレフィン重合体。
[6]示差走査型熱量計を用いた融解挙動測定において、融点が20℃以上100℃以下であり、ピーク温度が一つだけ観測され、かつ該ピークの半値幅が15℃以内である、[1]〜[5]のいずれかに記載の末端不飽和α−オレフィン重合体。
[7]重量平均分子量Mwが500〜100,000であり、かつ、分子量分布Mw/Mnが1.10〜2.60である、[1]〜[6]のいずれかに記載の末端不飽和α−オレフィン重合体。
[8]有機過酸化物を原料ポリオレフィンに対して0.05〜5.0質量%添加し、温度200〜380℃で加熱処理することを特徴とする[1]〜[7]のいずれかに記載の末端不飽和α−オレフィン重合体の製造方法。
[9]原料ポリオレフィンを、温度200〜500℃で滞留時間1時間以内で加熱処理することを特徴とする[1]〜[7]のいずれかに記載の末端不飽和α−オレフィン重合体の製造方法。
[10]前記加熱処理の処理時間が30秒〜10時間である、[8]又は[9]に記載の末端不飽和α−オレフィン重合体の製造方法。
また、本発明によれば、副生成物の発生量が少ない末端不飽和α−オレフィン重合体の製造方法を提供できる。
本発明の末端不飽和α−オレフィン重合体は、炭素数5以上のα−オレフィンの単独重合体及び/又は共重合体であって、末端不飽和基濃度が2.0〜30モル%であることを特徴とする。
本発明の末端不飽和α−オレフィン重合体は、末端不飽和基の濃度が高く、反応性に優れる。
本発明の末端不飽和α−オレフィン重合体は、炭素数5〜12のα−オレフィン単位を50〜100質量%含むことが好ましく、また、炭素数14〜30のα−オレフィン単位を50〜100質量%含んでいても好ましい。
メソトリアッド分率[mm]が20モル%未満であると、ベタツキ等による取扱い性が悪くなり、一方80モル%を超えると、結晶性が高くなるため、低温溶融性が低下し、塗布性等の作業性が悪くなる。
1分子当りの末端不飽和基濃度が2.0モル%未満であると、反応性に劣り、接着性能が低下する。また、末端不飽和基濃度が30モル%を超えると反応点が多くなり、ゲルが発生し接着性能が低下したり、溶融流動性が悪くなり、塗布性等の作業性が悪くなる。
本発明の末端不飽和α−オレフィン重合体は、1分子当りの末端不飽和基の数が1.0個を超え2.5個以下であることが好ましく、1.3〜2.5個であることがより好ましく、1.35〜2.5個であることがさらに好ましく、1.4〜2.0個であることが特に好ましい。
1分子当りの末端不飽和基の数が1.0個を超える場合、末端不飽和基を起点とした反応による耐熱性の付与が期待される。一方、1分子当りの末端不飽和基の数が2.5個以下の場合、ポリオレフィンの分岐構造が少なくなる。分岐構造は、直鎖状構造及び溶融流動性が異なるため塗布等の挙動が変化するおそれがある。
本発明の末端不飽和α−オレフィン重合体における末端不飽和基濃度及び末端不飽和基数は、ビニル基及びビニリデン基の総量の濃度及び数を意味する。ビニル基のみ存在する場合は、ビニル基のみの濃度及び数を意味し、ビニル基及びビニリデン基両方含む場合は、両方の和の濃度及び数を意味する。
ビニリデン基のCH2(4.8〜4.6ppm)・・・(i)
ビニル基のCH(5.9〜5.7ppm)・・・(ii)
側鎖末端のCH3(1.05〜0.60ppm)・・・(iii)
ビニリデン基量=[(i)/2]/[(iii)/3]×100 モル%
ビニル基量=(ii)/[(iii)/3]×100 モル%
末端不飽和基濃度=[ビニリデン基量]+[ビニル基量]
上記方法により算出した末端不飽和基濃度(C、モル%)と、ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)より求めた数平均分子量(Mn)及びモノマー分子量(M)から、下記式により1分子当りの末端不飽和基の数を算出することができる。
1分子当りの末端不飽和基の数(個)=(Mn/M)×(C/100)
重量平均分子量が500以上であると、末端ビニリデン基を基点とした反応によってポリオレフィンに耐熱性を付与する場合に、ポリオレフィンの柔軟性が良好となる。一方、重量平均分子量が100,000以下であると、溶融粘度が小さくなり、塗布性等の作業性が向上する。
なお、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法により測定できる。
分子量分布が1.10以上であると製造が容易となる一方、分子量分布が2.60を超えると、分子量分布が広く官能基濃度のバラつきが懸念され、硬化性等の性能が悪くなる。
重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ポリスチレン換算分子量を対応するポリマーの分子量に換算するため、Mark−Houwink−桜田の式の定数K及びaを用いてUniversal Calibration法により求めることができる。
具体的には「『サイズ排除クロマトグラフィー』、森定雄著、p.67〜69、1992年、共立出版」に記載の方法によって決定できる。なお、K及びαは、「『Polymer Handbook』,John Wiley&Sons,Inc.」に記載されている。また、新たに算出する絶対分子量に対する極限粘度の関係から定法によって決定することもできる。
検出器:液体クロマトグラフィー用RI検出器 ウオーターズ 150C
カラム:TOSO GMHHR−H(S)HT
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン
測定温度:145℃
流速:1.0mL/分
試料濃度:0.3質量%
上記融解挙動測定は、示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を室温から190℃まで、100℃/分で昇温し、190℃で5分保持した後、−30℃まで、10℃/分で降温させ、−30℃で5分保持した後、190℃まで10℃/分で昇温させることで、吸熱ピークを示す融解曲線を得ることで行われる。示差走査型熱量計としては特に限定されないが、例えばパーキンエルマー社製DSC7(商品名)を用いることができる。本発明では、得られた融解曲線におけるピークトップの温度を融点(Tm)とする。
前記融点は、低温融解性と保管性の観点から、好ましくは30〜90℃、より好ましくは35〜85℃、さらに好ましくは40〜80℃である。また、融点の測定に際して得られる吸熱ピークの半値幅は、DSCにて融点(Tm)を測定した際の吸熱ピークの50%高さにおけるピーク幅を言い、低温融解成分、シャープメルト性の観点から、好ましくは1〜9℃、より好ましくは1〜7℃、さらに好ましくは2〜7℃である。半値幅が小さいことは吸熱ピークがシャープ、つまり融解挙動が急速であることを示し、この場合、低温融解成分等により高温保管安定性やベタツキ等取り扱い性の課題の発生が抑制される。
100℃における動粘度は、JIS K2283に準拠して測定する値であり、10〜1500mm/s2であることが好ましく、より好ましくは30〜1000mm/s2であり、更に好ましくは50〜500mm/s2である。
100℃動粘度が3mm/s2未満であると、硬化等での性能が不十分であり、100℃動粘度が2000mm/s2を超えると、粘度が高いため、室温での流動性が低下し塗布性等の性能が低下し、接着剤、シーリング等の用途で使うことが難しい。
本発明の末端不飽和α−オレフィン重合体は、炭素数5以上のα−オレフィンの単独重合体及び/又は共重合体を原料ポリオレフィンとして用い、これに対して有機過酸化物を0.05〜5.0質量%添加し、温度200〜380℃で加熱処理することを特徴とする。
原料ポリオレフィンのメソトリアッド分率[mm]が20〜80モル%であると、原料ポリオレフィンは低温で容易に溶融でき、又は溶媒への良好な溶解性を有するため、分解反応場の選定範囲及び分解設定温度範囲が広く、比較的低温で分解することが可能である。これにより、副反応を制御できるメリットを有している。加えて、有機過酸化物を併用する分解では、より温和でかつ短時間の反応で効率よく分解でき、原料ポリオレフィンの上記メリットを大きくすることができる。特に原料ポリオレフィンが末端不飽和基を予め有している場合では、上記メリットを最大化できる。また、分解物のメソトリアッド分率も原料ポリオレフィンに由来するため、[mm]が20〜80モル%であると低温で容易に溶融できる、又は溶媒への良好な溶解性を有するため、適用用途範囲が広がる。
原料ポリオレフィンの重量平均分子量が4,000以上であると、分解率を高く設定することができる。一方、原料ポリオレフィンの重量平均分子量が1,000,000以下であると、分解時の粘度が低くなるため、プロセス上の撹拌動力、撹拌均一性等の制約が生じない。
1分子当りの末端不飽和基の数が0.40個以上であると、分解によって末端不飽和基の数が十分に増加し、末端不飽和基を増加させるために、高分子量体を分解する必要が生じない。一方、1分子当りの末端不飽和基の数が1.00個以下であると、後述する重合触媒による技術での製造が容易となる。
(A)シクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基を有する周期律表第3族〜10族の金属元素を含む遷移金属化合物
(B)遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物
(C)有機アルミニウム化合物
E1及びE2はそれぞれ、置換シクロペンタジエニル基,インデニル基,置換インデニル基,ヘテロシクロペンタジエニル基,置換ヘテロシクロペンタジエニル基,アミド基(−N<),ホスフィン基(−P<),炭化水素基〔>CR−,>C<〕及びケイ素含有基〔>SiR−,>Si<〕(但し、Rは水素又は炭素数1〜20の炭化水素基あるいはヘテロ原子含有基である)の中から選ばれた配位子を示し、A1及びA2を介して架橋構造を形成している。E1及びE2は互いに同一でも異なっていてもよい。このE1及びE2としては、シクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基,インデニル基及び置換インデニル基が好ましく、E1及びE2のうちの少なくとも一つは、シクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基又は置換インデニル基である。
前記置換シクロペンタジエニル基、置換インデニル基、置換へテロシクロペンタジエニル基の置換基としては、炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5)の炭化水素基、ケイ素含有基又はヘテロ原子含有基等の置換基を示す。
Xはσ結合性の配位子を示し、Xが複数ある場合、複数のXは同じでも異なっていてもよく、他のX,E1,E2又はYと架橋していてもよい。このXの具体例としては、ハロゲン原子,炭素数1〜20の炭化水素基,炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素数6〜20のアリールオキシ基,炭素数1〜20のアミド基,炭素数1〜20のケイ素含有基,炭素数1〜20のホスフィド基,炭素数1〜20のスルフィド基,炭素数1〜20のアシル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。炭素数1〜20の炭化水素基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基等のアルキル基;ビニル基、プロペニル基、シクロヘキセニル基等のアルケニル基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアリールアルキル基;フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、アントラセニル基、フェナントニル基等のアリール基等が挙げられる。なかでもメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基やフェニル基等のアリール基が好ましい。
炭素数1〜20のケイ素含有基としては、メチルシリル基、フェニルシリル基等のモノ炭化水素置換シリル基;ジメチルシリル基、ジフェニルシリル基等のジ炭化水素置換シリル基;トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリシクロヘキシルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリトリルシリル基、トリナフチルシリル基等のトリ炭化水素置換シリル基;トリメチルシリルエーテル基等の炭化水素置換シリルエーテル基;トリメチルシリルメチル基等のケイ素置換アルキル基;トリメチルシリルフェニル基等のケイ素置換アリール基等が挙げられる。なかでもトリメチルシリルメチル基、フェニルジメチルシリルエチル基等が好ましい。
炭素数1〜20のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、パルミトイル基、テアロイル基、オレオイル基等のアルキルアシル基、ベンゾイル基、トルオイル基、サリチロイル基、シンナモイル基、ナフトイル基、フタロイル基等のアリールアシル基、シュウ酸、マロン酸、コハク酸等のジカルボン酸からそれぞれ誘導されるオキサリル基、マロニル基、スクシニル基等が挙げられる。
このような架橋基のうち、少なくとも一つは炭素数1以上の炭化水素基からなる架橋基もしくは、ケイ素含有基であることが好ましい。このような架橋基としては、例えば下記一般式(a)で表されるものが挙げられ、その具体例としては、メチレン基,エチレン基,エチリデン基,プロピリデン基,イソプロピリデン基,シクロヘキシリデン基,1,2−シクロヘキシレン基,ビニリデン基(CH2=C=),ジメチルシリレン基,ジフェニルシリレン基,メチルフェニルシリレン基,ジメチルゲルミレン基,ジメチルスタニレン基,テトラメチルジシリレン基,ジフェニルジシリレン基等を挙げることができる。これらの中で、エチレン基,イソプロピリデン基及びジメチルシリレン基が好適である。
(C)成分の有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルへキシルアルミニウム、トリノルマルオクチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ジメチルアルミニウムフルオリド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムヒドリド及びエチルアルミニウムセスキクロリド等が挙げられる。これらの有機アルミニウム化合物は一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのうち、本発明においては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルへキシルアルミニウム及びトリノルマルオクチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウムが好ましく、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルへキシルアルミニウム及びトリノルマルオクチルアルミニウムがより好ましい。
(A)成分と(B)成分との使用割合(A)/(B)は、モル比で好ましくは10/1〜1/100、より好ましくは2/1〜1/10である。(A)/(B)が10/1〜1/100の範囲にあると、触媒としての効果が得られると共に、単位質量ポリマー当たりの触媒コストを抑えることができる。また、目的とする末端不飽和α−オレフィン重合体中にホウ素が多量に存在するおそれがない。
(A)成分と(C)成分との使用割合(A)/(C)は、モル比で好ましくは1/1〜1/10000、より好ましくは1/5〜1/2000、更に好ましくは1/10〜1/1000である。(C)成分を用いることにより、遷移金属当たりの重合活性を向上させることができる。(A)/(C)が1/1〜1/10000の範囲にあると、(C)成分の添加効果と経済性のバランスが良好であり、また、目的とする末端不飽和α−オレフィン重合体中にアルミニウムが多量に存在するおそれがない。
本発明の製造方法においては、上述した(A)成分及び(B)成分、あるいは(A)成分、(B)成分及び(C)成分を用いて予備接触を行うこともできる。予備接触は、(A)成分に、例えば(B)成分を接触させることにより行うことができるが、その方法に特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。このような予備接触により触媒活性の向上や、助触媒である(B)成分の使用割合の低減等、触媒コストの低減に効果的である。
また、重合反応における重合温度は、60〜120℃であることが好ましく、70〜100℃であることがより好ましい。重合温度が70℃以上であると、当該原料ポリオレフィンを用いて得られる末端不飽和α−オレフィン重合体の末端不飽和基濃度が2.0モル%以上となりやすい。
原料ポリオレフィンに対する有機過酸化物の添加量を0.05質量%以上とすることで、得られる末端不飽和α−オレフィン重合体の末端不飽和基濃度を高めることができる。
上記分解温度は、好ましくは220〜360であり、より好ましくは250〜350℃である。分解温度が200℃未満の場合、分解反応が進まず、得られる末端不飽和α−オレフィン重合体の末端不飽和基濃度が2.0モル%以上とならないおそれがある。一方、分解温度が380℃を超える場合、分解が激しく進行し、撹拌により十分に有機過酸化物が溶融ポリマーに均一拡散する前に分解が終了してしまい、収率が低下するおそれがある。
上記有機過酸化物の滴下は、上記分解時間の範囲内で滴下するとよく、当該滴下は連続的な滴下及び分割した滴下のいずれでもよい。また、滴下終了時間からの反応時間は、上記反応時間の範囲内とするとよい。
上記溶媒は、好ましくは炭化水素系溶媒であり、具体例としてはヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、ヘキサデカン、ナノデカン等の脂肪族炭化水素;メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロへキサン、シクロオクタン、シクロドデカン等の脂環式炭化水素;及びベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素が挙げられる。これら溶媒のなかでも、沸点が100℃以上の溶媒が好ましい。
装置は、単軸又は二軸の溶融押出機を用いることができ、好ましくはバレル途中に注入口を有し、減圧脱気が可能な押出機であって、L/D=10以上である押出機である。
なお、有機過酸化物が固体である、又は有機過酸化物が原料ポリオレフィンに対して溶解性が低い場合は、有機過酸化物を予め炭化水素溶媒に溶解させた溶液として、原料ポリオレフィンに吸収含浸させるとよい。
当該官能基は、好ましくは水酸基、エポキシ基、アルコキシ珪素基、アルキル珪素基、カルボキシル基、アミノ基及びイソシアナート基から選択される1以上の官能基である。
また、本発明の末端不飽和α−オレフィン重合体は、好ましくは酸無水物構造を有する。酸無水物構造とは、カルボン酸のカルボキシル基2個から1分子の水が失われ、2つのアシル基が1個の酸素原子を共有する構造である。一般に、R1COOCOR2で示される。例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸等が挙げられる。
1H−NMR測定より得られるδ4.8〜4.6(2H)に出現する末端ビニリデン基、δ5.9〜5.7(1H)に出現する末端ビニル基及びδ1.05〜0.60(3H)に出現するメチル基に基づいて、末端不飽和基濃度(C)(モル%)を算出した。
ビニリデン基のCH2(4.8〜4.6ppm)・・・(i)
ビニル基のCH(5.9〜5.7ppm)・・・(ii)
側鎖末端のCH3(1.05〜0.60ppm)・・・(iii)
ビニリデン基量=[(i)/2]/[(iii)/3]×100 モル%
ビニル基量=(ii)/[(iii)/3]×100 モル%
末端不飽和基濃度(C)=[ビニリデン基量]+[ビニル基量]
上記方法により算出した末端不飽和基濃度(C、モル%)と、ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)より求めた数平均分子量(Mn)及びモノマー分子量(M)から、下記式により1分子当りの末端不飽和基の数を算出した。
1分子当りの末端不飽和基の数(個)=(Mn/M)×(C/100)
JIS K 2283に準拠し測定した。
ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)法により、重量平均分子量及び分子量分布を測定した(ポリスチレン換算)。
GPC測定装置
カラム:TOSO GMHHR−H(S)HT
検出器:液体クロマトグラム用RI検出器 WATERS 150C
測定条件
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン
測定温度:145℃
流速:1.0ミリリットル/分50
試料濃度:2.2mg/ミリリットル
注入量:160マイクロリットル
検量線:Universal Calibration
解析プログラム:HT−GPC(Ver.1.0)
示差走査型熱量計(DSC、パーキンエルマー社製、商品名:「DSC7」)を用い、試料を室温から190℃まで、100℃/分で昇温し、190℃で5分保持した後、−30℃まで、10℃/分で降温させ、−30℃で5分保持した後、190℃まで10℃/分で昇温させることで、吸熱ピークを示す融解曲線を得た。得られた融解曲線におけるピークトップの温度を融点(Tm)とした。
上記でDSCにて融点(Tm)を測定した際の吸熱ピークの50%高さにおけるピーク幅を測定した。
Macromolecules,24,2334(1991)及びPolymer,30,1350(1989)に記載の方法により13C−NMRを用いて求めた。
以下の基準に従って評価した。
◎:末端不飽和基の濃度が2.0〜30モル%、且つ、1分子当りの末端不飽和基の数が1.7〜2.0個
○:末端不飽和基の濃度が2.0〜30モル%、且つ、1分子当りの末端不飽和基の数が1.0個を超え2.5個未満
×:末端不飽和基の濃度が2.0モル%未満又は30モル%を超える
以下の基準に従って評価した。
有:室温にて、目視により、流動性を有することを確認した。
無:室温にて、目視により、流動性を有しないことを確認した。
[原料ポリオレフィンの製造]
加熱乾燥した1リットルオートクレーブに、1−ヘキセン400ミリリットル、トリイソブチルアルミニウム1ミリモル、(1,1’−エチレン)(2,2’−テトラメチルジシリレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド2マイクロモル、テトラキスペンタフルオロフェニルボレート8マイクロモルを加え、更に水素0.05MPaを導入した。撹拌しながら温度80℃で1時間重合した。重合反応終了後、反応液をアセトン中へ移した。沈殿物をろ過後、加熱、減圧下にて乾燥することにより、原料ポリオレフィンである末端不飽和低立体規則性ポリ1−ヘキセン200gを得た。
得られた原料ポリオレフィンについて、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、メソトリアッド分率[mm]、1分子当りの末端不飽和基の数、末端不飽和基濃度、及び収率を測定した。結果を第1表に示す。
[原料ポリオレフィンの製造]
加熱乾燥した1リットルオートクレーブに、1−デセン400ミリリットル、トリイソブチルアルミニウム1ミリモル、(1,1’−エチレン)(2,2’−テトラメチルジシリレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド2マイクロモル、テトラキスペンタフルオロフェニルボレート8マイクロモルを加え、更に水素0.05MPaを導入した。撹拌しながら温度90℃で1時間重合した。重合反応終了後、反応液をアセトン中へ移した。沈殿物をろ過後、加熱、減圧下にて乾燥することにより、原料ポリオレフィンである末端不飽和低立体規則性ポリ1−デセン230gを得た。
得られた原料ポリオレフィンについて、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、メソトリアッド分率[mm]、1分子当りの末端不飽和基の数、末端不飽和基濃度、及び収率を測定した。結果を第1表に示す。
[原料ポリオレフィンの製造]
加熱乾燥した1リットルオートクレーブに、1−ドデセン400ミリリットル、トリイソブチルアルミニウム1ミリモル、(1,1’−エチレン)(2,2’−テトラメチルジシリレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド2マイクロモル、テトラキスペンタフルオロフェニルボレート8マイクロモルを加え、更に水素0.05MPaを導入した。撹拌しながら温度90℃で1時間重合した。重合反応終了後、反応液をアセトン中へ移した。沈殿物をろ過後、加熱、減圧下にて乾燥することにより、原料ポリオレフィンである末端不飽和低立体規則性ポリ1−ドデセン220gを得た。
得られた原料ポリオレフィンについて、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、メソトリアッド分率[mm]、1分子当りの末端不飽和基の数、末端不飽和基濃度、及び収率を測定した。結果を第1表に示す。
[原料ポリオレフィンの製造]
加熱乾燥した1リットルオートクレーブに、1−オクタデセン400ミリリットル、トリイソブチルアルミニウム1ミリモル、(1,1’−エチレン)(2,2’−テトラメチルジシリレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド2マイクロモル、テトラキスペンタフルオロフェニルボレート8マイクロモルを加え、更に水素0.05MPaを導入した。撹拌しながら温度90℃で1時間重合した。重合反応終了後、反応液をアセトン中へ移した。沈殿物をろ過後、加熱、減圧下にて乾燥することにより、原料ポリオレフィンである末端不飽和低立体規則性ポリ1−オクタデセン190gを得た。
得られた原料ポリオレフィンについて、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、メソトリアッド分率[mm]、1分子当りの末端不飽和基の数、末端不飽和基濃度、及び収率を測定した。結果を第1表に示す。
[原料ポリオレフィンの製造]
加熱乾燥した1リットルオートクレーブに、炭素数26〜28のαオレフィン混合物400ミリリットル、トリイソブチルアルミニウム1ミリモル、(1,1’−エチレン)(2,2’−テトラメチルジシリレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド2マイクロモル、テトラキスペンタフルオロフェニルボレート8マイクロモルを加え、更に水素0.05MPaを導入した。撹拌しながら温度110℃で1時間重合した。重合反応終了後、反応液をアセトン中へ移した。沈殿物をろ過後、加熱、減圧下にて乾燥することにより、原料ポリオレフィンである末端不飽和低立体規則性C26〜28共重合体175gを得た。
得られた原料ポリオレフィンについて、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、メソトリアッド分率[mm]、1分子当りの末端不飽和基の数、末端不飽和基濃度、及び収率を測定した。結果を第1表に示す。
[触媒混合液の調製]
10ミリリットルのガラス製シュレンク瓶に窒素雰囲気下でトリイソブチルアルミニウム0.20ミリモル(0.5ミリモル/ミリリットルのトルエン溶液;0.4ミリリットル)、(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−ジメチルシリレン)−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド4マイクロモル(5マイクロモル/ミリリットルのトルエン溶液;0.8ミリリットル)及び粉末状のN,N’−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.08ミリモル(64ミリグラム)を入れ室温で1分ほど加え撹拌した後、1−ドデセン1ミリリットルを加えてさらに室温で1時間撹拌し、触媒混合液を調製した。
[原料ポリオレフィンの製造]
加熱乾燥した1リットルオートクレーブに、1−ドデセン234ミリリットル、1−オクテン166ミリリットル、トリイソブチルアルミニウム0.3ミリモルをいれ、90℃に昇温した。上述の調製工程により得られた触媒混合液を1.6ミリリットル投入後、水素0.05MPaGを導入し、重合を開始した。120分後、残りの触媒混合液1.6ミリリットルを添加し、更に90℃で120分反応させた後、メタノール10ミリリットルを投入し重合を停止させた。内容物を取出し、1質量%NaOH水溶液200ミリリットル中に加え、撹拌した。この溶液を分液ロートに移し、有機層を分取した後、有機層を水洗し、有機層を東洋ろ紙2Cのろ紙で固形分を取り除いた。得られた溶液からロータリーエバポレーター(約1.0×10-4MPaGの減圧下、オイルバス100℃)でトルエン、原料、メタノール等を留去し、無色透明液体235g得た。更に掃く薄膜蒸留装置(柴田科学製分子蒸留装置MS−300特型、高真空排気装置DS−212Z)を用いて5×10-6MPaの減圧下、180℃で蒸留を行い、炭素数24以下の成分を取り除くことにより、原料ポリオレフィンである末端不飽和低立体規則性1−オクテン/1−ドデセン共重合体を205g得た。
得られた原料ポリオレフィンについて、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、メソトリアッド分率[mm]、1分子当りの末端不飽和基の数、末端不飽和基濃度、及び収率を測定した。結果を第1表に示す。
[末端不飽和α−オレフィン重合体の製造]
撹拌装置付きステンレス製反応器(内容量500ml)に製造例1で製造した原料ポリオレフィン40gを投入し、窒素気流下に30分間撹拌した。
撹拌を停止し、マントルヒーターを用い樹脂温度を160℃に上昇した。溶融状態になったことを確認して、撹拌を再開した。マントルヒーターを樹脂温度が270℃と一定になるように制御した。これに、キュメンハイドロパーオキサイド0.4ミリリットルを4分にわたり滴下した。滴下終了後、4分間反応し、その後110℃まで冷却した。
反応終了後、100℃で減圧乾燥を10時間行い、末端不飽和α−オレフィン重合体であるラジカル分解アモルファスポリ1−ヘキセンを得た。
得られた末端不飽和α−オレフィン重合体の収率は原料ポリオレフィンに対して99.1質量%であり、副生成物量は微量であった。末端不飽和α−オレフィン重合体の重量平均分子量(Mw)は8800であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.64であった。また、1分子当りの末端不飽和基の数は1.9個であった。
[末端不飽和α−オレフィン重合体の製造]
撹拌装置付きステンレス製反応器(内容量500ml)に製造例2で製造した原料ポリオレフィン40gを投入し、窒素気流下に30分間撹拌した。
撹拌を停止し、マントルヒーターを用い樹脂温度を160℃に上昇した。溶融状態になったことを確認して、撹拌を再開した。マントルヒーターを樹脂温度が270℃と一定になるように制御した。これに、キュメンハイドロパーオキサイド0.4ミリリットルを4分にわたり滴下した。滴下終了後、4分間反応し、その後110℃まで冷却した。
反応終了後、100℃で減圧乾燥を10時間行い末端不飽和α−オレフィン重合体であるラジカル分解ポリ1−デセンを得た。
得られた末端不飽和α−オレフィン重合体の収率は原料ポリオレフィンに対して99.2質量%であり、副生成物量は微量であった。末端不飽和α−オレフィン重合体の重量平均分子量(Mw)は9100であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.72であった。また、1分子当りの末端不飽和基の数は1.8個であった。
[末端不飽和α−オレフィン重合体の製造]
撹拌装置付きステンレス製反応器(内容量500ml)に製造例3で製造した原料ポリオレフィン40gを投入し、窒素気流下に30分間撹拌した。
撹拌を停止し、マントルヒーターを用い樹脂温度を160℃に上昇した。溶融状態になったことを確認して、撹拌を再開した。マントルヒーターを樹脂温度が270℃と一定になるように制御した。これに、キュメンハイドロパーオキサイド0.4ミリリットルを4分にわたり滴下した。滴下終了後、4分間反応し、その後110℃まで冷却した。
反応終了後、100℃で減圧乾燥を10時間行い末端不飽和α−オレフィン重合体であるラジカル分解ポリ1−ドデセンを得た。
得られた分解ポリ1−ドデセンの収率は原料ポリオレフィンに対して99.9質量%であり、副生成物量は微量であった。末端不飽和α−オレフィン重合体の重量平均分子量(Mw)は8500であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.81であった。また、1分子当りの末端不飽和基の数は1.7個であった。
[末端不飽和α−オレフィン重合体の製造]
撹拌装置付きステンレス製反応器(内容量500ml)に製造例4で製造した原料ポリオレフィン40gを投入し、窒素気流下に30分間撹拌した。
撹拌を停止し、マントルヒーターを用い樹脂温度を160℃に上昇した。溶融状態になったことを確認して、撹拌を再開した。マントルヒーターを樹脂温度が270℃と一定になるように制御した。これに、キュメンハイドロパーオキサイド0.4ミリリットルを4分にわたり滴下した。滴下終了後、4分間反応し、その後110℃まで冷却した。
反応終了後、100℃で減圧乾燥を10時間行い末端不飽和α−オレフィン重合体であるラジカル分解ポリ1−オクタデセンを得た。
得られた末端不飽和α−オレフィン重合体の収率は原料ポリオレフィンに対して99.9質量%であり、副生成物量は微量であった。末端不飽和α−オレフィン重合体の重量平均分子量(Mw)は8500であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.81であった。また、1分子当りの末端不飽和基の数は1.5個であった。
[末端不飽和α−オレフィン重合体の製造]
撹拌装置付きステンレス製反応器(内容量500ml)に製造例5で製造した原料ポリオレフィン40gを投入し、窒素気流下に30分間撹拌した。
撹拌を停止し、マントルヒーターを用い樹脂温度を160℃に上昇した。溶融状態になったことを確認して、撹拌を再開した。マントルヒーターを樹脂温度が270℃と一定になるように制御した。これに、キュメンハイドロパーオキサイド0.4ミリリットルを4分にわたり滴下した。滴下終了後、4分間反応し、その後110℃まで冷却した。
反応終了後、100℃で減圧乾燥を10時間行い末端不飽和α−オレフィン重合体であるラジカル分解C26〜28共重合体を得た。
得られた末端不飽和α−オレフィン重合体の収率は原料ポリオレフィンに対して98.9質量%であり、副生成物量は微量であった。末端不飽和α−オレフィン重合体の重量平均分子量(Mw)は6500であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.79であった。また、1分子当りの末端不飽和基の数は1.5個であった。
[末端不飽和α―オレフィン重合体の製造]
内径10ミリ長さ50センチメートルからなる管状反応器にガラスビーズを充填し、マントルヒーターで400℃に加熱した。そこに製造例6で得られた原料ポリオレフィンをポンプで40ミリリットル/時間の流量で通し連続的に分解し、末端不飽和1−オクテン/1−ドデセン共重合体を得た。この時の滞留時間は27分であった。
得られた末端不飽和1−オクテン/1−ドデセン共重合体について、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、メソトリアッド分率[mm]、1分子当りの末端不飽和基の数、末端不飽和基濃度、及び収率を測定した。結果を第2表に示した。
[末端不飽和プロピレン重合体の製造]
撹拌機付きの内容積20Lのステンレス製反応器に、n−ヘプタンを24L/h、トリイソブチルアルミニウムを15mmol/h、及びジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレートと(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロライドとトリイソブチルアルミニウムとプロピレンとを質量比1:2:20で接触させて得られた触媒成分を、ジルコニウム換算で6μmol/hで連続供給した。
重合温度を83℃に設定し、反応器の気相部の水素濃度を0.86モル%、反応器内の全圧を0.7MPa・Gに保つように、プロピレン及び水素を連続供給し、重合反応を行った。
得られた重合溶液に、安定剤であるイルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)をその含有割合が500質量ppmになるように添加し、溶媒であるn−ヘプタンを除去して、原料ポリプロピレンである低結晶性ポリプロピレンを得た。この原料ポリプロピレンをアンダーウオーターカットにより樹脂ペレットとした。
得られた原料ポリプロピレンの立体規則性[mmmm]は45モル%であり、重量平均分子量(Mw)は45,600、末端不飽和基数は0.95個/分子であった。
具体的には、撹拌装置付きステンレス製反応器(内容量500mL)に原料ポリプロピレン70gを投入した。窒素気流下に30分間撹拌した。
撹拌を停止し、マントルヒーターを用いて樹脂温度を120℃に昇温した。溶融状態になったことを確認して撹拌を再開し、マントルヒーターを樹脂温度が320℃で一定になるように制御した。この溶融樹脂に、キュメンハイドロパーオキサイド(商品名:パークミルP、日油株式会社製)1.2gを4分にわたり滴下した。滴下終了後、4分間反応させ、空冷して110℃まで冷却した。110℃で温度を保ったまま、トルエン200ミリリットルを投入し、均一溶液を調製した。
このトルエン溶液をテフロン(登録商標)コート製のバットに回収し、トルエンを除去して、100℃で8時間減圧乾燥することでラジカル分解ポリプロピレンを得た。
得られた末端不飽和プロピレン重合体について、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、メソトリアッド分率[mm]、1分子当りの末端不飽和基の数、末端不飽和基濃度、及び収率を測定した。結果を第2表に示す。
製造例2で製造した原料ポリオレフィンをそのまま評価に供した。
得られた末端不飽和α−オレフィン重合体について、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、メソトリアッド分率[mm]、100℃における動粘度、融点(Tm)、末端不飽和基濃度及び1分子当りの末端不飽和基の数を測定した。結果を第2表に示す。
これに対し、比較例1では炭素数3の末端不飽和オレフィン重合体であるため、分子量あたりの末端不飽和濃度が2.0モル%未満であった。また、比較例2では分解反応を行っていないので、分子量あたりの末端不飽和濃度が2.0モル%未満であった。さらに、末端不飽和基濃度が低いため、得られた重合体の反応性は低く、反応型接着剤、封止材、シーリング材、接着剤、可塑剤等の用途での使用は難しい結果となった。
Claims (9)
- 炭素数5以上のα−オレフィンの単独重合体及び/又は共重合体であって、末端不飽和基濃度が2.0〜30モル%であり、1分子当りの末端不飽和基の数が1.7個以上2.5個以下であることを特徴とする末端不飽和α−オレフィン重合体。
- 炭素数5〜12のα−オレフィン単位を50〜100質量%含む、請求項1に記載の末端不飽和α−オレフィン重合体。
- 炭素数14〜30のα−オレフィン単位を50〜100質量%含む、請求項1に記載の末端不飽和α−オレフィン重合体。
- 100℃における動粘度が3〜2000mm/s2であり、メソトリアッド分率[mm]が20〜80モル%である、請求項1〜3のいずれかに記載の末端不飽和α−オレフィン重合体。
- 示差走査型熱量計を用いた融解挙動測定において、融点が20℃以上100℃以下であり、ピーク温度が一つだけ観測され、かつ該ピークの半値幅が15℃以内である、請求項1〜4のいずれかに記載の末端不飽和α−オレフィン重合体。
- 重量平均分子量Mwが500〜100,000であり、かつ、分子量分布Mw/Mnが1.10〜2.60である、請求項1〜5のいずれかに記載の末端不飽和α−オレフィン重合体。
- 原料ポリオレフィンを、下記(A)、(B)及び(C)の組合せからなるメタロセン触媒を用い、水素圧を0.1MPa以下とする条件で製造し、次いで有機過酸化物を該原料ポリオレフィンに対して0.05〜5.0質量%添加し、温度200〜380℃で加熱処理することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の末端不飽和α−オレフィン重合体の製造方法。
(A)シクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、又は置換インデニル基を有する周期律表第3族〜10族の金属元素を含む遷移金属化合物
(B)遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物
(C)有機アルミニウム化合物 - 原料ポリオレフィンを、下記(A)、(B)及び(C)の組合せからなるメタロセン触媒を用い、水素圧を0.1MPa以下とする条件で製造し、次いで、該原料ポリオレフィンを、温度200〜500℃で滞留時間1時間以内で加熱処理することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の末端不飽和α−オレフィン重合体の製造方法。
(A)シクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、又は置換インデニル基を有する周期律表第3族〜10族の金属元素を含む遷移金属化合物
(B)遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物
(C)有機アルミニウム化合物 - 前記加熱処理の処理時間が30秒〜10時間である、請求項7又は8に記載の末端不飽和α−オレフィン重合体の製造方法。
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