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JP5956563B2 - タルクフリーポリビニルアルコール組成物 - Google Patents

タルクフリーポリビニルアルコール組成物 Download PDF

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Description

本発明は、概して、不粘着性のタルクフリー組成物、不粘着性被膜、当該組成物を含む製品、及び当該組成物により剤形を被覆する方法に関する。
医薬品及び栄養補助食品剤形のタルク含有被膜は、現在、商業的に使用されている。タルクは、望ましくは、被覆に低粘着性又はタックフリー特性を付与して、製造中により速い包装及びよりクリーンなプロセス(錠剤ダストの発生がない)を可能にし、剤形を患者が取扱い及び飲み込みやすいものにする。例えば、タルクは、商用PVOH系コーティングOPADRY II(Colorcon, Inc., Harleysville, Pennsylvania; BPSI Holdings LLC, Wilmington Delaware, 両社とも米国)で粘着性を低減するために使用されている。
医薬又は栄養補助食品剤形のいくつかのコーティングは、おそらく、タルクを必要としないことが知られているが、それらは、好ましい実施形態ではタルクを使用することが望ましいことがある。これらのコーティングの全てではないがいくつかは、被膜形成剤としてポリビニルアルコール(PVOH)又はカルボキシメチルセルロース(CMC)のいずれか一方を使用する。例えば、国際公開第2009/031039号及び米国特許出願公開第2010/0062062号を参照。国際公開第2009/031039号には、単独で、又は親水コロイド、バイオガム、セルロースエーテル等の他の種類との組み合わせで特定分子量の変性CMCコーティング材料を使用することが言及されている。上記の必須の変性CMCコーティング剤に加えて、コーティング材料は、親水コロイド、セルロースエーテル及び/又はバイオガム以外の他のさらなる被膜形成剤を含んでもよい。米国特許出願公開第2010/0062062号には、特に、選択された賦形剤とPVOHで被覆された薬剤粉末又は顆粒との混合物を圧縮して錠剤にすることが言及されている。被覆された薬剤粉末又は顆粒の錠剤への圧縮は、従って、錠剤を形成するように、その被覆が、互いに接着又は粘着すること、賦形剤に接着又は粘着すること、又はそれらの両方を必要とする。そのため、米国特許出願公開第2010/0062062号では、PVOH被覆は、望ましくないことに、粘着性である。
本発明が取り組む課題は、不粘着性であること及び低水蒸気透過性を有するものとして特徴付けられるタルクフリー組成物を提供することを含む。
国際公開第2009/031039号 米国特許出願公開第2010/0062062号
本発明者らは、タルクが被覆を不透明にすること及び白色にすることは、着色された、透明な、又はその両方である被覆を必要とするいくつかの剤形用途のための望ましくないことを認識した。本発明者らは、また、PVOH単独又はCMC単独を含む被覆は、粘着性である、不透明である、着色している、水蒸気透過性である、又はこれらの組み合わせであることを含む1つ以上の欠点を独立に有することも認識した。本発明者らは、PVOH単独の被覆は少なくとも粘着性であり、CMC単独の被覆は、少なくとも曇り、水蒸気に対して許容できないほど透過性であることを見出した。本発明者らは、不粘着性であり、低水蒸気透過性を有するものとして特徴付けられるタルクフリー組成物を予想外に発見した。好ましい実施形態において、このタルクフリー組成物は、実質的に透明であり、曇りがなく、又はそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、このタルクフリー組成物は、別個の着色添加剤(例えば、顔料や染料)を添加されていない限り、無色でもある。
第1の実施形態において、本発明は、不粘着性であること、最大で5.0×10−7(0.0000005)グラム/パスカル・時・メートル(g/Pa・h・m)の平均水蒸気透過率を有すること、及び最大で5.0×10−7g/Pa・h・mの平均水蒸気透過率を有する不粘着性被膜を形成する能力を有することにより特徴付けられるタルクフリー組成物を提供する。
好ましくは、上記タルクフリー組成物から製造された被膜は、さらに、特性(a)及び(b):被膜厚さ1ミリメートル当たり少なくとも500パーセント(%/mm)の規格化された被膜明澄度;及び(b)最大で13パーセントの被膜曇り度、のうちの少なくとも1つを有する。他の実施形態において、特性(b)は、被膜厚さ1ミリメートル当たり最大で250パーセント(%/mm)、好ましくは最大で180%/mm、より好ましくは最大で120%/mm、さらに好ましくは最大で80%/mm、さらにいっそう好ましくは最大で25%/mm、なおいっそう好ましくは最大で13%/mmの規格化された被膜曇り度である。商用固形剤形被覆用途(例えば、医薬、栄養補助食品及び獣医学用途)で典型的に使用される被膜厚さでは、本発明の不粘着性被膜は最大で13%の曇り度を有する。幾つかの実施形態において、タルクフリー組成物は、少なくとも特性(a)を有し、他の実施形態において、少なくとも(b)を有し、さらに他の実施形態において、特性(a)及び(b)の両方を有する。
第2の実施形態において、本発明は、被覆された固形剤形の製造方法であって、被覆に有効な量のタルクフリー組成物を、有効成分を含む固形の保健衛生製剤(solid health formulation)に接触させることを含み、当該接触が、固形の保健衛生製剤を被覆して、タルクフリー組成物を含む不粘着性被膜を含む被覆された固形剤形をもたらすように行われ、不粘着性被膜が固形の保健衛生製剤と被覆機能的に接触し、かつ、最大で5.0×10−7グラム/パスカル・時・メートルの平均水透過率を有する、被覆された固形剤形の製造方法を提供する。好ましくは、被覆機能的接触は、不粘着性被膜が固形剤形の表面を完全に覆うことを意味する。
第3の実施態様において、本発明は、タルクフリー組成物を含む製品を提供する。好ましくは、この製品は、被覆された固形剤形を含む。
別の実施形態において、本発明は、タルクフリー組成物を含む不粘着性被膜を提供する。
本発明の組成物は、例えば、固形の保健衛生製剤の湿式造粒のための結合剤として、被覆された固形剤形、特に医薬用、獣医学用及び栄養補助食品用剤形(以下、まとめて剤形と呼ぶ)を製造するための被覆又は被膜として有用である。例えば、本発明の組成物は、栄養補助食品錠剤が自然に見えることを消費者が好む場合に被覆された錠剤をもたらすように栄養補助食品錠剤を被覆するため;医薬又は獣医学用錠剤に光沢を生じさせるため;及び透明又は着色被覆を作製するために使用できる。着色被覆は、望ましくは、剤形に美的かつ調整可能な遮光機能を付与するであろうし、異なる投薬強度を区別するために使用することができる。本発明の組成物は、接着剤、サイズ(例えば、繊維及び紙サイジング)、溶液の乳化、懸濁及び増粘用途などの他の用途においても有用である。
有利には、本発明は、最大で5.0×10−7g/Pa・h・mの平均水蒸気透過率を有する不粘着性被膜又は被覆を形成することのできるタルクフリー組成物を提供する。好ましい実施形態において、タルクフリー組成物は、上記特性(a)及び(b)のうちの少なくとも1つ、より好ましくは特性(a)及び(b)の両方を有する。更なる利点としては、被覆された錠剤が凝集しないように錠剤被覆方法の間に被膜が粘着性を低減すること、タルクを含有する本発明でない被覆と比べて視覚的な被膜の外観を改善すること(例えば被膜欠陥(例えばクラッキング)の低減)、及び錠剤を被覆するのに要する時間を短縮することが挙げられる。
さらなる本発明の実施形態は特許請求の範囲を含む明細書の残りの部分に記載されている。
先に要約した本発明の実施形態及び要約書は引用によりここに援用する。本明細書において、用語「有効成分」とは、栄養補助食品、医薬又は獣医学的文脈で保健衛生上の利益を提供することを目的とする任意の化合物又は物質を意味する。用語「被覆された」は、表面被覆又は被膜を有することを意味する。用語「被覆に有効な量」は、被膜を形成することにより覆うのに十分な量を意味する。用語「被覆機能的に接触」は、好ましくは実質的に表面全体に、間接的に(中間材料を介して)、又は、好ましくは直接的に物理的に接触する表面被覆を意味する。用語「組成物」は、化学物質の定性的及び定量的な構成を意味し、均一な及び不均一な物質を含む。用語「接触させる」(と接触している)などは、一体にする又は触れさせることを意味する。用語「剤形」は、ヒト又は動物へのその中の有効成分の投与に適した物理的形状又は構造を意味する。用語「被覆された固形剤形」は、明確な形状及び容量(「流体」であることとは対照的に)を有する保健衛生製剤の被膜で覆われた変形物を意味する。用語「保健衛生製剤」は、少なくとも有効成分及び栄養補助食品、医薬又は獣医学的文脈で使用に適する少なくとも1種の他の要素又は成分の調製物を意味する。用語「被膜」は、典型的には最大で1.0ミリメートル(mm)の厚さを有する薄い被覆を意味する。用語「製品」は、ある種のものの一員を意味し、当該一員は自然界にないものである。用語「不粘着性」は、後述する粘着性試験法を用いて決定した場合の「接着していない」の結果を意味する。用語「被膜明澄度」及び「規格化された被膜明澄度」は、それぞれ、比較に有用な後述する被膜明澄度試験法の結果又は変換された結果を意味する。用語「被膜曇り度」及び「規格化された被膜曇り度」は、それぞれ、比較に有用な後述する被膜曇り度試験法の結果又は変換された結果を意味する。用語「機能的に接触」は、間接的に(中間材料を介して)、又は、好ましくは直接的に物理的に接触することを意味する。用語「タルクフリー」は、化学式:HMg(SiO又はMgSi10(OH)を有する水和ケイ酸マグネシウムから構成される無機物を欠くことを意味する。用語「水蒸気透過率」及び「WVT透過率」は同義語であり、後述する水蒸気透過率試験法の結果を意味する。
コンフリクトの解消:本明細書に記述されていることは、引用により援用する特許、特許出願又は特許出願公開に記載されていることとのいかなるコンフリクトもコントロールする。構造は、化合物名とのいかなるコンフリクトもコントロールする。括弧なしで記載した単位値(unit value)は、括弧に記載した意図する対応する単位値とのいかなるコンフリクトもコントロールする。
数値範囲:数値の範囲のいかなる下限又はその範囲のいかなる好ましい下限も、その範囲のいかなる上限又はその範囲のいかなる好ましい上限と、その範囲の好ましい側面又は態様を規定するために組み合わせることができる。特に断らない限り、数値の各範囲は、その範囲に包含される有理数及び無理数の両方の全てを含む(例えば、「1から5まで」は、例えば1、1.5、2、2.75、3、3.81、4、及び5を含む)。
いくつかの実施形態において、部分的に閉じた語句「から実質的になる」は、開いた用語「含む」に置き換わる。かかる実施形態では、タルクフリー組成物は、さらなる成分を、それらが本発明の基本的かつ新規の特徴を打ち消さない限り含んでもよい。本発明のかかる基本的かつ新規な特徴は、前述の不粘着性及び平均水蒸気透過率である。いくつかの実施形態において、基本的かつ新規な特徴は、特性(a)及び(b)のうちの少なくとも1つ、好ましくは両方を含む。
好ましくは、タルクフリー組成物は、低粘度のポリビニルアルコール(LV−PVOH)及び粘着性低減有機アジュバント(tack-reducing organic adjuvant)を含む。ここで、当該組成物におけるLV−PVOHと粘着性低減有機(TRO)アジュバントの質量/質量比は60:40以上95:5以下である。いくつかの実施形態では、LV−PVOH/TROアジュバント質量/質量比は少なくとも61:39であり、他の実施形態では少なくとも65:35であり、他の実施形態では少なくとも7:3であり、他の実施態様では少なくとも8:2である。幾つかの実施形態では、LV−PVOH/TROアジュバントは、最大で94:6であり、他の実施形態では最大で91:9であり、他の実施形態では最大で90:10であり、他の実施形態では最大で8:2である。幾つかの実施形態では、LV−PVOH/TROアジュバント質量/質量比は6:4であり、他の実施形態では7:3であり、他の実施形態では8:2であり、他の実施形態では9:1であり、他の実施形態では19:1である。用語「低粘度ポリビニルアルコール」及び「LV−PVOH」は同義語であり、ビニルアルコールから誘導された繰返し単位を有し、20℃でその4質量/容量%(wt/vol%、脱イオン水のミリリットル(mL)単位での体積当たりのLV−PVOHのグラム(g)単位での質量)水溶液で測定した動的粘度が2ミリパスカル・秒(mPa・s)〜10mPa・sであり、ケン化度が80モルパーセント(mol%)〜95mol%であるオリゴマー又はポリマー材料を意味する。好ましくは、動的粘度は、3mPa・s〜9mPa・s、より好ましくは3.5mPa・s〜8mPa・s(例えば4mPa・s〜7mPa・s)であり、これらは全て20℃でその4wt/vol%水溶液で測定したものである。好ましくは、ケン化度は84mol%〜92mol%、より好ましくは85mol%〜90mol%(例えば、86.5mol%〜89.0mol%)である。ケン化度は、直前のポリ(ビニルアルコール)の上記mol%のアセテート官能基をケン化(例えば、NaOHにより加水分解)してLV−PVOHと酢酸(pHを中和した場合)をもたらし、酢酸を除去(例えば蒸発により)することにより調製されたLV−PVOHに関する。
本明細書で使用する用語「粘着性低減有機アジュバント」又は「TROアジュバント」は、PVOH以外の材料であって、炭素、水素及び酸素原子と、必要に応じて窒素原子を含み、LV−PVOHの粘着性を低減する機能を果たし、好ましくは、光透過特性(例えば、明澄度、曇り度、又は好ましくは両方)又は水蒸気透過率特性であるLV−PVOHの少なくとも1つの特性も改善して、PVOH単独では可能でない本発明の組成物の機能を可能にする材料を意味する。好ましくは、TROアジュバントは、透明な不粘着性被膜を形成する有機ポリマーである。いくつかの実施形態では、TROアジュバントは、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリ(エチレングリコール)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、マルトデキストリン、メチルセルロース、もしくはポリビニルピロリドン(PVP)、又はそれらの組み合わせ。より好ましくは、TROアジュバントは、CMCである。
いくつかの実施形態では、タルクフリー組成物は、さらに、又は第2の有機アジュバントである非相殺量の少なくとも1種のさらなる成分を含む又はから実質的になる。用語「非相殺量」は、上述の不粘着性及び平均水蒸気透過率を打ち消さない量を意味する。好ましくは、この量も、特性(a)及び(b)のうちの少なくとも1つ、好ましくは両方を打ち消さない。好ましくは、少なくとも1種のさらなる成分(第2の有機アジュバント)は、可塑剤、除去可能な分散剤、表面活性剤(界面活性剤)、又はこれらのうちの少なくとも2種の組み合わせである。いくつかの実施形態では、可塑剤及びTROアジュバントは同一成分であり、他の実施形態では異なる成分である。いくつかの実施形態では、可塑剤及び除去可能な分散剤は同一成分であり、他の実施形態では異なる成分である。いくつかの実施形態では、可塑剤及び界面活性剤は同一成分であり、他の実施形態では異なる成分である。用語「除去可能な分散剤」は、揮発性物質であって、当該揮発性物質中に広範な分布のLV−PVOH及びTROアジュバント含む懸濁液、溶液又はこれらの組み合わせを生成させるために有効な揮発性物質を意味する。当該揮発性物質は、101キロパスカル(kPa)の圧力で約130摂氏度(℃)未満の沸点(b.p.)を有する。好ましくは、揮発性物質のb.p.は、101kPaの圧力で、約0℃〜約115℃、より好ましくは約30℃〜110℃、さらに好ましくは約34℃〜約115℃である。好ましくは、除去可能な分散剤は、20℃及び101kPaで液体である。タルクフリー組成物がさらに除去可能な分散剤を含む場合、好ましくは、除去可能な分散剤は、当該除去可能な分散剤を含むタルクフリー組成物の総質量の50質量%〜99質量%、典型的には50質量%〜98質量%である。好ましくは、除去可能な分散剤は、タルクフリー組成物を溶解してその溶液を得るのに有効な溶媒である。当該溶液は、それを固形保健衛生製剤に適用するのに有用な温度にある。好ましい除去可能な分散剤の例としては、酢酸、アセトン、エタノール、酢酸エチル、メタノール、及び、より好ましくは、水である。用語「可塑剤」は、タルクフリー組成物の流動性を増加させるために有効な固体又は液体の物質を意味する。タルクフリー組成物がさらに可塑剤を含む場合、好ましくは、可塑剤は、任意の除去可能な分散剤の質量を含まないタルクフリー組成物の総質量の0.01質量%〜20質量%である。好ましくは、可塑剤は不揮発性(すなわち、101kPaの圧力で約150摂氏度(℃)を超えるb.p.を有する)であり、任意の除去可能な分散剤をタルクフリー組成物から除去した後にタルクフリー組成物に実質的に残る。使用される場合、いくつかの実施形態では、可塑剤は、タルクフリー組成物に共有結合的に結合せずに、タルクフリー組成物とのブレンドを形成し、他の実施形態では、可塑剤のうちの少なくともいくらかは反応して、LV−PVOH又はTROアジュバントの少なくともいくらかと共有結合(例えばカルボン酸のエステル化反応を介して)を形成する。好ましい可塑剤の例は、グリセロール、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、及びレシチンである。適切なPEGの例は、PEG−400、PEG−3350及びシグマ−アルドリッチ・カンパニー(Sigma−Aldrich Company)(米国ミズーリ州セントルイス)又はザ・ダウ・ケミカル・カンパニー(The Dow Chemical Company)(米国ミシガン州ミッドランド)から市販されている他のものである。例えば、ダウは、200g/mol〜8000g/molの数平均分子量範囲内のCARBOWAX(登録商標)ブランドのPEGを提供している。これらのPEG(g/mol単位での平均M範囲)としては、PEG−4(190〜210)、PEG−6(285〜315)、PEG−8(380〜420)、PEG−6/PEG−32ブレンド、PEG−12(570〜630)、PEG−20(950〜1050)、PEG−32(1305〜1595)、PEG−75(3015〜3685)、PEG−90(3600〜4400)、PEG−100(4400〜4800)、及びPEG−180(7000〜9000)が挙げられ、ここで、これらのPEGは、国際命名法化粧品成分の命名規則を使用してパーソナルケア製品評議会(Personal Care Products Council)(旧「化粧品、トイレタリー及びフレグランス協会(Cosmetics, Toiletries and Fragrances Association)」)(米国ワシントンD.C.)確立されたPEG命名法に従って命名される。いくつかの実施形態では、タルクフリー組成物はさらに可塑剤を含み、TROアジュバントは可塑剤とは異なる成分であり、可塑剤はポリ(エチレングリコール)、好ましくはPEG−400である。用語「表面活性剤」及び「界面活性剤」は同義語であり、水の表面張力を減少させることができる物質を意味する。タルクフリー組成物がさらに界面活性剤を含む場合、好ましくは、界面活性剤は、任意の除去可能な分散剤の質量を含まないタルクフリー組成物の総質量の0.001質量%〜1質量%である。界面活性剤の機能的な分類の例は、乳化剤、湿潤剤、発泡剤、分散剤及び消泡剤である。界面活性剤の構造的分類の例は、イオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤である。イオン性界面活性剤の例は、アニオン性界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、陽イオン性界面活性剤(例えば、セチルトリメチルアンモニウムブロミド)、及び双性イオン性界面活性剤(例えば、アミノ酸)である。非イオン性界面活性剤の例は、脂肪アルコールは、ポリオキシプロピレングリコール、及びポリソルベート(例えば、ポリオキシメチレン(20)ソルビタンモノオレエート(すなわち、商業的にTween 80として知られているポリソルベート80)である。
いくつかの実施形態では、タルクフリー組成物は、さらに、不揮発性の可塑剤としてグリセロール又はPEGを含む。いくつかの実施形態では、タルクフリー組成物は、さらに、不揮発性の可塑剤としてグリセロール又はPEGと、ポリソルベート界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、タルクフリー組成物は、さらに、除去可能な分散剤として水を含み、他の実施形態では、タルクフリー組成物は、除去可能な分散剤を実質的に欠く。いくつかの実施形態では、タルクフリー組成物は、LV−PVOHと、TROアジュバントとしてCMC及び不揮発性可塑剤としてPEGを含む。いくつかの実施形態では、タルクフリー組成物は、LV−PVOHと、TROアジュバントとしてCMC、不揮発性可塑剤としてPEG、及びポリソルベート界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、タルクフリー組成物は、LV−PVOH、CMC及びPEGの水溶液を含み、他の実施形態では、LV−PVOH、CMC、PEG及びポリソルベートの水溶液を含む。いくつかの実施形態では、タルクフリー組成物は、レシチンを欠き、他の実施形態では、最大でも低濃度(例えば、<1質量%(wt%))のレシチンを含む。いくつかの実施形態では、CMCが唯一のTROアジュバントであること、すなわち、タルクフリー組成物がHPMC、メチルセルロース、マルトデキストリン及びPVPを欠くことを除いて、前述の実施形態のいずれかで記載したとおりである。いくつかの実施形態では、CMCがHPMC、メチルセルロース(例えば、METHOCEL(登録商標))、マルトデキストリン、PVP又はそれらの組み合わせに完全に置き換わったことを除いて、この段落中の直前の1つ以外の上記実施形態のいずれかで記載したとおりである。
好ましくは、保健衛生製剤は、栄養補助食品、医薬又は獣医用剤形である。好ましくは、剤形は、単位剤形である。保健衛生製剤は、任意の物理的形態をとっていてもよい。好適な物理的形態の例は、固体及び液体を含有する物理的形態である。好適な固形の保健衛生製剤の例は、ビーズ(例えば、ノンパレイユビーズ(nonpareil bead))、粉末、顆粒、錠剤(例えば、粉末を圧縮することにより調製される)、カプセル(例えば、ゼラチンカプセル又はその成分)、ゲルキャップ錠剤、ロゼンジ、パッチ及びトローチ剤である。固形の保健衛生製剤の成分の少なくともいくつかは、固形の成分である。本発明は、いくつかの実施形態では、さらに少なくとも1種の液体成分を比較的少量含有する固形の保健衛生製剤を意図し、他の実施形態では固形成分のみを含有する固形の保健衛生製剤を意図する。固形の保健衛生製剤の固形成分の各々は、アモルファス、部分的に結晶性、又は結晶性であるとして特徴づけることができる。本発明の組成物は、好ましくは、固形の保健衛生製剤中の成分として、あるいは、好ましくは、固形の保健衛生製剤を被覆するため又は固形の保健衛生製剤上に被膜を形成するために使用できる。好適な液体含有保健衛生製剤の例は、クリーム、エリキシル、エマルジョン、ゲル、ローション、軟膏、溶液(例えば、水中の)、及びシロップである。本発明の組成物は、液体を含有する保健衛生製剤中の成分として使用することができる。
好ましくは、有効成分は、栄養補助的、医薬的又は獣医学的な有効成分である。栄養補助的な有効成分は、食事、栄養、又は予防保健衛生上の利益を提供する。有効成分は、固体又は液体であってもよい。いくつかの実施形態では、固形の保健衛生製剤は、固体賦形剤(例えば、固体担体)上又は中に広く分布する液体有効成分を含み、他の実施形態では、固体の有効成分は、液体賦形剤(例えば、液体担体)中に広く分布する固体の有効成分を含み、さらに他の実施形態では、固体賦形剤とブレンドを形成するように固体賦形剤中に広く分布する固体の有効成分を含む。栄養補助的有効成分の例は、栄養補助食品(例えば、酸化防止剤(例えば、レスベラトロール)、フラビノイド(例えば、柑橘類の果実、紅茶、ワイン、又はカカオ豆から)、ハーブ、ミネラル、天然に産出するアミノ酸、及びビタミン)及び強化食品(例えば、大豆タンパク質強化グラノーラバー)である。医薬的又は獣医学的有効成分は、疾患を治療する保健衛生上の利益を提供する(例えば、予防的治療における少なくとも一つの症状の発症までの時間を増大させ、緩和的治療における少なくとも一つの症状の重症度を減少させる、又は疾患又は障害の疾患改変治療を必要とするヒト又は動物患者での疾患又は障害の疾患改変治療における病理学的効果の進行を阻害する)。医薬的又は獣医学的有効成分の例としては、鎮痛剤(例えば、カルプロフェン)は、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤(例えば、キナプリル、例えば、キナプリル塩酸塩)、抗生物質(例えば、アジスロマイシン)、抗痙攣薬(例えば、ガバペンチン)、抗うつ薬(例えば、セルトラリン、例えば、セルトラリン塩酸塩)、抗線維筋痛剤(例えば、プレガバリン)、抗高血圧剤(例えば、アムロジピン、例えば、ベシル酸アムロジピン)、及びコレステロール低下薬(例えば、アトルバスタチン、例えば、アトルバスタチンカルシウム)である。
いくつかの実施形態では、保健衛生製剤は、有効成分との混合物で少なくとも1種の許容可能な賦形剤を含む。用語「混合物」は、配合された生成物を意味する。用語「許容可能な賦形剤」は、保健衛生製剤における使用に好適な有効成分(単数又は複数)以外の任意の化合物又は物質を意味する。好ましくは、許容可能な賦形剤は、栄養補助的、医薬的又は獣医学的に許容可能な賦形剤である。栄養補助的、医薬的又は獣医学的に許容可能な賦形剤の例は、キャリア;希釈剤;安定剤;栄養補助的、医薬的及び獣医学的アジュバント;及び剤形の特徴成分、例えばカプセル用のカプセルシェル(例えば、ゼラチンカプセルシェル)並びに経皮パッチ用の半透過性被膜及びバッキング材などである。
いくつかの実施形態では、タルクフリー組成物は、さらに、除去可能な分散剤を含み、被覆された固形剤形の製造方法はさらに除去可能な分散剤を使用する。被覆された固形剤形を与えるための固形の保健衛生製剤のコーティングは、表面被覆効果的な懸濁液の量又は、取り外し可能な分散剤中のタルクフリー組成物、好ましくは、除去可能な分散剤(例えば溶媒、例えばエタノール又は水)中の表面コーティングに有効な量のタルクフリー組成物の懸濁液又は好ましくは溶液を、(固形の)保健衛生製材の露出面をタルクフリー組成物で均一に覆うように(固形の)保健衛生製剤の露出面に適用し、被覆された(固形の)保健衛生製剤から除去可能な分散剤を除去して被覆された固形剤形をもたらすことにより好ましくは実施される。用語「表面コーティングに有効な量」は、露出面を覆うのに十分な量を意味する。適用の例は、噴霧、浸漬、及びタンブリングである。除去の例は、蒸発ブロッティング、及びワイピングである。タルクフリー組成物の懸濁液又は溶液を与えるようにタルクフリー組成物の懸濁液又は溶液は、好ましくは、適量の除去可能な分散剤(例えば、溶媒、例えばエタノール又は水)にタルクフリー組成物を接触させることによって調製される。接触の例は、撹拌、振とう、噴霧、撹拌、及びタンブリングである。
好ましくは、製品は、有効成分と、それと機能的に接触しているタルクフリー組成物を含む保健衛生製剤を含む。
本発明の例示的な実施例を以下に示すが、実施例は、特定の方法及び材料を示し、特定の調製物を含む。方法及び材料並びに調製物は、以下のセクションに記載されている。
LV−PVOH:日本合成(日本国大阪)製の所定のゴーセノールEG−05P。ゴーセノールEG−05Pは、86.5モル%〜89.0モル%のケン化度、及び20℃で4質量/容量%水溶液として測定した場合に4.8mPa・s〜5.8mPa・sの動的粘度を有する。
CMC:所定のナトリウムカルボキシメチルセルロース、CRT−30 PA、DS=0.9、ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー(米国ミシガン州ミッドランド)製の品番7M650。
PEG−400及びPEG−3350:それぞれ、ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー製のCARBOWAX SENTRYポリエチレングリコール400NF、WL0101 AAKC及びCARBOWAX SENTRYポリエチレングリコール3350。
ポリソルベート80:(Tween 80)所定の酵素グレード、フィッシャー・サイエンティフィック(Fisher Scientific)製の943317。
錠剤:ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー製の所定のプラセボ錠剤(100gの赤色カプレットコア、493gの白色楕円形錠剤、6.5gの白色ディスク)。
動粘度試験方法:ブルックフィールド−II、D06719を使用し、適切なスピンドル番号2、3、5又は7と、関連する10、20、50及び100回転毎分(rpm)を使用して測定。
被膜の作製:一定温度(22℃)及び相対湿度(50%RH)の環境内ですべての被膜の作製及び貯蔵を完了する。1mmギャップのキャスティング(ドローダウン)バーの端部付近に20質量%溶液をゆっくり注ぎ、次に、気泡及び欠陥を最低限に抑えるために溶液を徐々に引きのばすことによりガラス板上に湿潤被膜(1mm)を手動で引きのばす。プレート上の被膜を2日間乾燥させ、プレートからそれらを剥離し、さらに1日間の被膜をアニールする。アニールした被膜について被膜特性を測定する。好ましくは、任意のサンプル間の変動を最低限にするために被膜剥離から4日間以内に全ての被膜の試験を完了する。被膜を試験しないときは、被膜を、紙のシートの間で、一定の温度と相対湿度で保管する。
被膜明澄度試験法:オープンポート、黒色標準及びマイラー(Mylar)被膜標準によりそれぞれ100、0及び87(プラスマイナス1)明澄度で校正されたGardner Laboratory Inc.(米国メリーランド州ベセスダ(Bethesda))製のPacific Scientific PG-5500、及びZebedee Corporation(米国サウスカロライナ州ムーア(Moore))製のZebedee CL-100を使用して被膜の被膜明澄度を測定する。各被膜の4つの異なる位置で明澄度測定値を読み取る。4つの測定値の平均を記録する。
被膜曇り度試験法:作製した被膜の曇り度を、BYK Gardner(米国メリーランド州コロンビア製、カタログ番号4725)により測定する。曇り度及び透過率の両方の読み取り値を百分率として記録する。4つの読み取り値の平均値を記録する。
パーセント被膜曇り度及び明澄度値を被膜のミリメートル単位の厚さで割ってパーセント規格化被膜曇り度及びパーセント規格化被膜明澄度を得る。
粘着性試験法:錠剤を、後述する関連する実施例に従って被覆する。被覆された錠剤の粘着性は、互いに凝集及び粘着している又は互いに凝集も粘着もしていない被覆された錠剤の定性的な目視観察であることができる。好ましくは、粘着性は、製造した被覆された錠剤の総質量(すなわち、個々の被覆された錠剤の質量と任意の凝集部分の合計)の百分率として、被覆された錠剤の、もしあれば凝集した部分の質量に等しい定量的質量百分率である。もし凝集した部分が10質量%未満、好ましくは5質量%未満、より好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0質量%(すなわち、凝集がない)場合、タルクフリー組成物及び被覆された錠剤のコーティングは、本発明の目的上、「不粘着性」であると見なされる。サンプルを写真撮影して実験ランを比較する。
水蒸気透過率試験法:「ドライカップ」法を使用して水蒸気透過率を測定する。4オンス(120mL)瓶に塩化カルシウム(2.0g)を秤量し、それを、閉リングキャップ(その中に直径2.5cmの孔がある)を付けて相対湿度50%(73℃)で1時間放置する。次に、キャップの口の縁に少量の真空グリースを塗る。金属パンチを使用して、直径約1.3インチ(3.3センチメートル(cm))の円形に被膜を打ち抜く。瓶の上に被膜試料の円を載せ、被膜円の上に直径1インチ(2.5cm)の穴を有する蓋を置く。被膜円にひびが入らないように注意しながらシールを形成するために蓋を締める。75%の相対湿度及び25℃に設定されたEnviron−Cabコントローラ(Lab-Line Instrument, Inc.)を備えた温度湿度室に瓶を入れる。瓶、蓋、被膜、及び塩化カルシウムの総質量を記録し、5日間の間24時間ごとに総質量を再測定する。物質移動速度を得るために、総質量増加(m)対時間(t)の線形回帰を使用する。露出被膜面積で物質移動速度を割って、平方センチメートル・時当たりのグラム数単位(g/cm・hr)で水蒸気透過(WVT)率を得る。
Figure 0005956563
ここで、mは、質量の時間変化(グラム/時間(g/hr))であり、Aは平方センチメートル単位(cm)の露出被膜領域である。以下の式に従って被膜透過率を計算する:
Figure 0005956563
ここで、lは被膜厚さであり、Sは25℃での水の飽和蒸気圧であり、RHは0.75(75%相対湿度)及びRHは0である。S(RH−RH)の項は、被膜を通る水についての物質移動駆動力である。
本発明のタルクフリー組成物の被膜は、好ましいことに、本発明でないタルクフリー組成物(a)〜(d)の以下の被膜と比較することができる。
(a)100%CMCの被膜、この被膜は、14%/mmの規格化された被膜曇り度、472%/mmの規格化された被膜明澄度、及び12×10−7g/Pa・h・mの平均WVT透過率を有する;
(b)100%ゴーセノールEG−05Pの被膜、この被膜は粘着性である(後述の錠剤被覆法に従って被覆した場合に凝集した部分は13質量%);
(c)100%ゴーセノールEG−40P(86.5モル%〜89.0モル%のケン化度及び20℃で4wt/vol%水溶液として測定される40mPa・s〜46mPa・sの動的粘度を有する高粘度PVOH)の被膜、この被膜は粘着性であり、被膜(b)の規格化された被膜曇り度及び規格化された被膜明澄度と比べて実質的に高い規格化された被膜曇り度及び規格化された被膜明澄度を有する;及び
(d)50:50ゴーセノールEG−05P/CMCの被膜、この被膜は7×10−7g/Pa・h・mの平均水透過率を有する。
いくつかの本発明の実施形態を以下の実施例でより詳細に記載する。
実施例1〜6:LV−PVOH及びCMCのタルクフリー組成物。以下の表1に従って、8g〜25g(例えば10g)のゴーセノールEG−05P(LV−PVOH)及びCMCと必要に応じて可塑剤を脱イオン(DI)水(例えば、100グラム)中に混合しながら溶解させて実施例1〜6の各々について溶液(固形分4質量%〜15質量%)としてタルクフリー組成物を得た。溶液の一部から水を蒸発させて、実施例1に示したとおりゴーセノールEG−05PのLV−PVOH、CMC、及び必要に応じて可塑剤を含む実施例1〜6の各々の乾燥したタルクフリー組成物を得た。
Figure 0005956563
例A〜F:被覆された錠剤。別の実験で、錠剤と、40℃の温度エキゾースト設定点を有するVector Hi−CoaterモデルLDCSに錠剤を入れた。実施例1〜6のいずれかの溶液を、2.0〜2.7グラム/分(g/min)の噴霧速度で、1〜3%の理論質量増加を達成すると算出された時間錠剤に噴霧し、実施例A〜Fの各々の錠剤をそれぞれ得た。被膜及び被覆された錠剤を、粘着性;g/Pa・h・m×10−7単位での平均水透過率;被膜厚さ1ミリメートル当たりの百分率明澄度単位での、被膜厚さで規格化された被膜曇り度;及び、被膜厚さ1ミリメートル当たりの百分率曇り度単位での、被膜厚さで規格化された被膜曇り度を評価した。
Figure 0005956563
実施例により示されるように、タルクフリー組成物は、固形剤形上に不粘着性被膜又はコーティングを形成することができ、この被膜又はコーティングは、予想外に、最大で5.0×10−7g/Pa・h・mの平均水蒸気透過率;500%/mm超の規格化された被膜明澄度;及び13%以下の被膜曇り度;及び、幾つかの実施形態において、13%/mm未満の規格化された被膜曇り度を含む有利な組み合わせ又は特性を有する。被覆された錠剤は、本発明の不粘着性被膜の実施形態を含むコーティングを有し、医薬、栄養補助食品及び獣医学用の被覆された錠剤用途で使用するのに好適な被膜厚さを有するものである。
本発明に関連する発明の実施態様の一部を以下に示す。
[態様1]
不粘着性であること、最大で5.0×10 −7 グラム/パスカル・時・メートルの平均水透過率を有すること、及び最大で5.0×10 −7 グラム/パスカル・時・メートルの平均水蒸気透過率を有する不粘着性被膜を形成する能力を有することにより特徴付けられるタルクフリー組成物。
[態様2]
さらに、被膜厚さ1ミリメートル当たり少なくとも500%の規格化された被膜明澄度を有することにより特徴付けられる、上記態様1に記載のタルクフリー組成物。
[態様3]
さらに、最大で13%の被膜曇り度を有することにより特徴付けられる、上記態様1又は2に記載のタルクフリー組成物。
[態様4]
低粘度ポリビニルアルコール及び粘着性低減有機アジュバントから実質的になり、前記組成物中の低粘度ポリビニルアルコールと粘着性低減有機アジュバントの質量/質量比が60:40以上から95:5以下である、上記態様1〜3のいずれか一つに記載のタルクフリー組成物。
[態様5]
粘着性低減有機アジュバントが、カルボキシメチルセルロース、ポリ(エチレングリコール)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、メチルセルロース、もしくはポリビニルピロリドン、又はそれらの組み合わせである、上記態様4に記載のタルクフリー組成物。
[態様6]
粘着性低減有機アジュバントがカルボキシメチルセルロースである、上記態様5に記載のタルクフリー組成物。
[態様7]
さらに、非相殺量の少なくとも1種の第2の有機アジュバントから実質的になり、当該第2の有機アジュバントが可塑剤、界面活性剤又は除去可能な分散剤である、上記態様1〜6のいずれか一つに記載のタルクフリー組成物。
[態様8]
第2の有機アジュバントが、ポリ(エチレングリコール)、ポリソルベート、水、又は、ポリ(エチレングリコール)とポリソルベートと必要に応じて水との組み合わせである、上記態様7に記載のタルクフリー組成物。
[態様9]
被覆された固形剤形の製造方法であって、被覆に有効な量の上記態様1〜8のいずれか一つに記載のタルクフリー組成物を、有効成分を含む固形の保健衛生製剤に接触させることを含み、当該接触が、固形の保健衛生製剤を被覆して、固形の保健衛生製剤と被覆機能的に接触するタルクフリー組成物を含む不粘着性被膜を含む被覆された固形剤形をもたらすように行われる、被覆された固形剤形の製造方法。
[態様10]
上記態様1〜8のいずれか一つに記載のタルクフリー組成物を含む製品。
[態様11]
タルクフリー組成物を含む不粘着性被膜を含む被覆された固形剤形を含み、不粘着性被膜は固形の保健衛生製剤と被覆機能的に接触しており、かつ、最大で5.0×10 −7 グラム/パスカル・時・メートルの平均水透過率を有する、上記態様10に記載の製品。
[態様12]
上記態様1〜8のいずれか一つに記載のタルクフリー組成物を含む不粘着性被膜。

Claims (9)

  1. 低粘度ポリビニルアルコールとカルボキシメチルセルロースを含むタルクフリー組成物であって、前記組成物は、不粘着性であること、最大で5.0×10−7グラム/パスカル・時・メートルの平均水透過率を有すること、及び最大で5.0×10−7グラム/パスカル・時・メートルの平均水蒸気透過率を有する不粘着性被膜を形成する能力を有することにより特徴付けられ、前記組成物中の低粘度ポリビニルアルコールとカルボキシメチルセルロースの質量/質量比が60:40以上から95:5以下である、タルクフリー組成物。
  2. さらに、被膜厚さ1ミリメートル当たり少なくとも500%の規格化された被膜明澄度を有することにより特徴付けられる、請求項1に記載のタルクフリー組成物。
  3. さらに、最大で13%の被膜曇り度を有することにより特徴付けられる、請求項1又は2に記載のタルクフリー組成物。
  4. さらに、非相殺量の少なくとも1種の第2の有機アジュバントを含み、当該第2の有機アジュバントが可塑剤、界面活性剤又は除去可能な分散剤である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のタルクフリー組成物。
  5. 前記低粘度ポリビニルアルコールが、20℃でその4質量/容量%の水溶液で測定した場合に2mPa・s〜10mPa・sの動的粘度を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のタルクフリー組成物。
  6. 被覆された固形剤形の製造方法であって、被覆に有効な量の請求項1〜5のいずれか一項に記載のタルクフリー組成物を、有効成分を含む固形の保健衛生製剤に接触させることを含み、当該接触が、固形の保健衛生製剤を被覆して、固形の保健衛生製剤と被覆機能的に接触するタルクフリー組成物を含む不粘着性被膜を含む被覆された固形剤形をもたらすように行われる、被覆された固形剤形の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のタルクフリー組成物を含む製品。
  8. 前記タルクフリー組成物を含む不粘着性被膜を含む被覆された固形剤形を含み、不粘着性被膜は固形の保健衛生製剤と被覆機能的に接触しており、かつ、最大で5.0×10 −7 グラム/パスカル・時・メートルの平均水透過率を有する、請求項7に記載の製品。
  9. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のタルクフリー組成物を含む不粘着性被膜。
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