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JP5952517B1 - 摩擦性貼付部材 - Google Patents

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JP5952517B1
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Abstract

指の腹側等に貼付した場合に、目立たないばかりか、使用感に優れ、かつ、所定の摩擦性を発揮して、紙めくりやスマートフォン等の操作性が良好となる摩擦性貼付部材を提供する。少なくともオレフィン不織布又はウレタン不織布と、粘着剤層と、を含んでなり、当該粘着剤層を介して、指の腹側又は指の腹側及び側面に対して、直接的又は間接的に貼付する摩擦性貼付部材であって、オレフィン不織布又はウレタン不織布の、JIS P 8147(傾斜法)に準拠して測定される静摩擦係数を0.51〜2.0未満の値とする。

Description

本発明は、摩擦性貼付部材に関し、特に、指の腹側、又は指の腹側及び側面(以下、指の腹側等と称する場合がある。)に貼付することにより、目立たないばかりか、長期間にわたってフィット感に優れ、かつ、所定の摩擦性を発揮して、紙めくりやレジスター打ち、あるいはスマートフォン等の携帯端末の操作性が良好となる摩擦性貼付部材に関する。
従来、不織布の片面に、粘着剤層を備えた医療用粘着テープや、そのような構成に適した貼付用基材が各種提案されている。
例えば、フィット性が良好であるとともに、外表面の滑り性が良好な医療用粘着テープが提案されている(特許文献1参照)。
より具体的には、ウレタン不織布等の片面に、粘着剤層を形成した医療用粘着テープであって、粘着剤層が形成されていない側の静摩擦係数を0.3〜0.5の範囲内の値とすることを特徴としている。
また、伸縮性やフィットに富んだ貼付用基材であって、通気性や表面の毛羽立ちが少ない貼付用基材も提案されている(特許文献2参照)。
より具体的には、所定方法で紡糸してなる平均繊維直径8μm以下の極細繊維で形成された見掛け密度0.18〜0.3g/cm3の不織布であって、該不織布の一面に、所定モジュラス以下のバインダー樹脂との混在層を形成するとともに、エンボス処理が施してあり、もう一方の面においては、バインダー樹脂をほとんど含まないことを特徴とする貼付用基材である。
さらに、医療用粘着テープの一種として、指の腹側と背側に貼り付ける指爪被覆テープが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
より具体的には、通気孔を設けたフィルムに粘着剤を施してなり、且つその全体形状は、指の腹側と背側のそれぞれに貼り付けられる円形状部の間に、括れ部を有する形状とされ、さらに指の腹側と背側に貼り付けられる部分の長さが、指先から第1関節の手前までの長さ程度とされ、また括れ部の最小幅が指爪の幅とほぼ同じかやや狭い程度とされ、そして括れ部に位置対応させて非粘着性のパッド部が設けられた指爪被覆テープである。
一方、紙めくり冶具としては、変形性や柔軟性に優れたゴム製の指サックが主流であるが、不織布を主体とした指サックも提案されている(特許文献4参照)
より具体的には、熱可塑性樹脂製不織布(50%以上の破断強度を有し、熱圧着面積が8%以上である目付けが200〜1000g/m2である当該不織布)を、最大成形深さが1cm以上になるように、3次元立体構造に成形してなる指サックである。
特開平11−9623(特許請求の範囲等) 特開平7−54314(特許請求の範囲等) 特開平11−19118(特許請求の範囲等) 特開2005−350783(特許請求の範囲等)
しかしながら、特許文献1に開示された医療用粘着テープは、表面平滑処理が施されており、紙めくり等の際に使用する指サックとして立体加工することが困難であるとともに、仮に、立体加工したとしても、静摩擦係数の値が過度に小さいことから、指サックとして使用できないという問題が見られた。
また、特許文献2に開示された貼付用基材においても、医療用粘着剤層を形成する面と反対側の不織布の面に対して、所定モジュラス以下のバインダー樹脂が相当量(例えば、1.5g/m2)配合してあることより、紙めくり等の際に使用する指サックとして立体加工することが困難であるとともに、仮に、立体加工したとしても、表面平滑性に優れていることから、指サックとして使用できないという問題が見られた。
また、特許文献3に開示された指爪被覆テープは、所定静摩擦係数を有するオレフィン不織布等を用いておらず、紙めくり等の際に使用する指サックとして使用することは困難であった。
その上、指の腹側等のみならず、指爪まで覆ってしまうことから、パーソナルコンピューターや携帯電話等を使用する場合に、違和感が大きいという問題が見られた。
さらにまた、特許文献4に開示された指サックは、安定的に製造することが困難であって、紙めくり等の途中で、脱落したり、位置ずれが生じたり、さらには外観性に乏しいという問題も見られた。
その上、従来のゴム製指サックは、数ミリの肉厚ゴムから形成されており、過度に指の周囲を圧迫したり、摩擦係数が過度に大きかったり、さらには、外観性に乏しいばかりか、使い捨てするには高価であって、経済的に不利であるという問題も見られた。
そこで、本発明者は、オレフィン不織布又はウレタン不織布の表面における静摩擦係数の値を所定範囲内の値に制御し、かつ、指の腹側等に貼付することにより、紙やガラス基板等に対して、適度な摩擦性を発揮し、紙めくり等、あるいは、スマートフォン等の操作にも好適に使用できることを見出し、本発明の摩擦性貼付部材を完成させたものである。
すなわち、指の大きさにかかわらず、容易にフィットして、長期間適用できるばかりか、目立たず、外観性に優れ、その上、安定的な製造が可能で、かつ、安価で使い捨て可能な、各種用途に使用できる摩擦性貼付部材を提供することを目的とする。
本発明によれば、少なくともオレフィン不織布又はウレタン不織布と、粘着剤層と、を含んでなり、当該粘着剤層を介して、指の腹側、又は指の腹側及び側面に対して、直接的又は間接的に貼付する摩擦性貼付部材であって、オレフィン不織布又はウレタン不織布の、JIS P 8147(傾斜法)に準拠して測定される静摩擦係数を0.51〜2.0未満の値とすることを特徴とする摩擦性貼付部材が提供、上述した問題を解決することができる。
すなわち、本発明の摩擦性貼付部材によれば、指の腹側等に貼付するだけで、紙や樹脂、あるいはガラス等に対して、所定の摩擦性を発揮し、紙めくり等の際に使用する指サックの代用品として、あるいは、指紋を付けずに携帯端末を操作する際に好適に使用することができる。
なお、オレフィン不織布又はウレタン不織布の静摩擦係数が、過度に小さいと、滑ってしまい、紙めくり等に使用することができず、一方で、静摩擦係数が、過度に大きいと、紙めくり等をした場合に、耐久性が低下したり、あるいは、携帯端末の表示画面に付着してしまい、基本的に操作できないという問題がある。
また、摩擦性貼付部材の平面形状や平面積(大きさ)、あるいは厚さ等を容易に変えられるため、指の大きさにかかわらず、貼付するだけで容易にフィットし、かつ、指全体を過度に加圧するおそれも無いことから、違和感がなく、過度に変形することを防止したり、長期間使用したりすることができる。
さらに、摩擦性貼付部材を構成するオレフィン不織布又はウレタン不織布の表面に印刷したり、着色したりすることにより、外観性や情報性に優れるとともに、指の腹側等に貼付するため、外観上、目立たず、その上、製造容易で、使い捨て可能な指サックの代用品等として提供することができる。
また、本発明の摩擦性貼付部材を構成するにあたり、オレフィン不織布又はウレタン不織布の目付けを50〜250g/m2の範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、オレフィン不織布又はウレタン不織布における静摩擦係数の値の調整、ひいては摩擦性貼付部材の使用性がさらに容易になる。
また、本発明の摩擦性貼付部材を構成するにあたり、オレフィン不織布又はウレタン不織布の伸び率(JIS−L−1096準拠)を200%以上の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、指の腹側のみならず、側部等の所定箇所にも、容易に貼付できるとともに、さらに優れた使用感を得ることができる。
また、本発明の摩擦性貼付部材を構成するにあたり、オレフィン不織布が、主成分として、ポリプロピレン系熱可塑性エラストマーから構成されていることが好ましい。
このように、主成分として、ポリプロピレン系熱可塑性エラストマーからなるオレフィン不織布であれば、摩擦性貼付部材を構成した場合に、所定の機械的強度が得られる一方、良好な伸びや柔軟性を得ることができる。
その上、かかるオレフィン不織布であれば、外観上、ゴムシートに類似しており、目止め処理を特に施すことなく、オレフィン不織布の内部に対して、粘着剤が過度に侵入するのを防止することができる。
また、本発明の摩擦性貼付部材を構成するにあたり、摩擦性貼付部材の平面形状を、先端に円弧状の突起を有する舟形とすることが好ましい。
このように構成することにより、指の大きさにかかわらず、指の腹側、又は指の腹側及び側面に対して、正確かつ容易に貼付できるとともに、優れた使用感を得ることができる。
また、本発明の摩擦性貼付部材を構成するにあたり、摩擦性貼付部材の側方に、指の側面を部分的に覆うフラップを有することが好ましい。
このように構成することにより、指の腹側のみならず、側部等の所定箇所に対して、指の大きさにかかわらず、部分的に包みこむように貼付することができ、それによって、脱落するのを容易に防止したり、長時間の使用に耐えたりすることができる。
また、摩擦性貼付部材の側方における突起部としてのフラップの長さを調整すれば、摩擦性貼付部材が、比較的小さい場合であっても、比較的大面積とすることができ、親指等の場合、腹側のみならず、側部に対しても確実に貼付することができる。したがって、親指等の側部を利用して、紙等のめくりをさらに容易にすることができる。
また、本発明の摩擦性貼付部材を構成するにあたり、摩擦性貼付部材の表面に、オレフィン不織布又はウレタン不織布を介して、識別マークあるいは装飾層が設けてあることが好ましい。
このように構成することにより、摩擦性貼付部材の外観性や情報性、ひいては、装飾性も向上させることができ、その上、識別マークあるいは装飾層の立体性を利用して、静摩擦係数の調整についても容易となる。
また、本発明の摩擦性貼付部材を構成するにあたり、粘着剤層が、オルガノポリシロキサン系感圧粘着剤から構成してあることが好ましい。
このように構成することにより、皮膚に対して、適度な粘着性を示すことができる一方、耐クリープ性、耐水性、さらには耐薬品性についても向上させることができる。
また、オルガノポリシロキサン系感圧粘着剤からなるシリコーン粘着剤であれば、所定の導電性を発揮して、スマートフォンの動作についてもより迅速に行うことができる。
図1(a)〜(b)は、本発明の摩擦性貼付部材及びその好適例における断面図である。 図2(a)及び(b)は、それぞれ本発明の摩擦性貼付部材の使用状態を説明するために供する図である。 図3(a)〜(b)は、摩擦性貼付部材に用いるオレフィン不織布の外観を示す平面図(写真)である(倍率:約1.7と0.9)。 図4(a)〜(b)は、メルトブロー法で製造された熱可塑性エラストマーのみからなるオレフィン不織布(縦方向及び横方向)の応力−歪み曲線である。 図5(a)〜(b)は、スパンボンド法で製造された熱可塑性エラストマー/ポリプロピレン樹脂の混合物からなるオレフィン不織布(縦方向及び横方向)の応力−歪み曲線である。 図6(a)〜(c)は、本発明の摩擦性貼付部材及びフラップを備えた好適例の平面図である。 図7(a)〜(d)は、本発明の摩擦性貼付部材の製造方法の概略を説明するために供する図である。 図8は、摩擦性貼付部材のオレフィン不織布における静摩擦係数と、紙の指めくり性及びスマートフォンの操作性1との関係をそれぞれ示す図である。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、少なくともオレフィン不織布又はウレタン不織布と、粘着剤層と、を含んでなり、当該粘着剤層を介して、指の腹側、又は指の腹側及び側面に対して、直接的又は間接的に貼付する摩擦性貼付部材であって、オレフィン不織布又はウレタン不織布の、JIS P 8147(傾斜法)に準拠して測定される静摩擦係数を0.51〜2.0未満の値とすることを特徴とする摩擦性貼付部材である。
より具体的には、図1(a)〜(b)に示される、少なくともオレフィン不織布又はウレタン不織布12と、粘着剤層14と、を含んで摩擦性貼付部材10を、図2(a)〜(b)に示すように、指31の爪30には接触させず、指31の腹側32、又は指31の腹側32及び側面32aに対して、直接的又は間接的に貼付する構成である。
以下、第1の実施形態の摩擦性貼付部材に関する実施形態を、紙をめくる際に使用する指サック代替品を例にとって、適宜図面を参照しながら、説明する。
1.オレフィン不織布又はウレタン不織布
(1)種類
図1(a)〜(b)に図示されるオレフィン不織布又はウレタン不織布(以下、単に、オレフィン不織布と称する場合がある。)12、あるいは図3(a)〜(b)に平面写真として示されるオレフィン不織布(写真倍率:約1.7と、0.9)の種類としては、特に制限されるものでないものの、オレフィン材料やウレタン材料を主原料としたものが挙げられる。
より具体的には、オレフィン不織布の場合、ポリプロピレン樹脂や、ポリプロピレン系熱可塑性エラストマー(ポリプロピレン・ポリエチレン系熱可塑性エラストマーやポリエチレン系熱可塑性エラストマーを含む。)の混合物を主成分として構成してあることが好ましい。
また、ウレタン不織布の場合、ポリエステルウレタン樹脂やポリエーテルウレタン樹脂を主成分として、構成してあることが好ましい。
すなわち、このような主成分からなるオレフィン不織布やウレタン不織布であれば、静摩擦係数の値の調整が比較的容易であって、かつ、所定の機械的強度や柔軟性等が得られる一方、比較的安価であるためである。
ここで、オレフィン不織布の原材料の一部を構成するポリプロピレン系熱可塑性エラストマーの含有量を、オレフィン不織布の原材料の全体量(100重量%)に対して、95重量%を超えた値とすることが好ましい。
この理由は、かかるポリプロピレン系熱可塑性エラストマーの含有量が95重量%以下の値になると、オレフィン不織布の最大伸率や回復性が著しく低下し、指に対するフィット性が低下する場合があるためである。
したがって、ポリプロピレン系熱可塑性エラストマーと、ポリプロピレン樹脂等との混合物から、オレフィン不織布を構成する場合には、当該オレフィン不織布の原材料の全体量(100重量%)に対して、ポリプロピレン系熱可塑性エラストマーの含有量を96〜99重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、97〜98重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
但し、スマートフォン等の携帯端末の操作に特化し、しかも使い方によっては、オレフィン不織布やウレタン不織布の伸び率が相対的に低く、例えば、200%未満のほうが、摩擦性貼付部材の貼付性や使い勝手が、良好な場合がある。
例えば、指の腹側のみに、直径が3〜8mm程度の指の腹側面積よりも小さい、円形、楕円形、四角形、又は異形等のシール状の摩擦性貼付部材を、主として、携帯端末の操作に適用する場合である。
この場合、摩擦性貼付部材を、あえて指の側方まで伸ばした状態で使用する必要がない。
したがって、このような場合には、オレフィン不織布等の主成分であるポリプロピレン系熱可塑性エラストマーの含有量を、オレフィン不織布等の原材料の全体量(100重量%)に対して、50〜95重量%未満範囲内の値とすることが好ましく、60〜90重量%の範囲内の値とすることが好ましく、70〜80重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、オレフィン不織布に含まれるポリプロピレン系熱可塑性エラストマーのMFR(メルトフローレート)を1g/10分〜48g/10分(温度:230℃)の範囲内の値とすることが好ましい。
すなわち、ポリプロピレン系熱可塑性エラストマーのMFRを所定範囲内の値に調整することによって、オレフィン不織布の良好な製造効率と、機械的強度や最大伸率との間のバランスが良好となるためである。
より具体的には、ポリプロピレン系熱可塑性エラストマーのMFRが、1g/10分未満の値になると、オレフィン不織布を、メルトブロー法で製造する場合の、加熱温度が過度に高くなったり、あるいは、製造効率が過度に低下したりする場合があるためである。
一方、ポリプロピレン系熱可塑性エラストマーのMFRが、48g/10分以上の値になると、得られるオレフィン不織布の機械的強度や最大伸率が過度に低い値となる場合があるためである。
したがって、オレフィン不織布に含まれるポリプロピレン系熱可塑性エラストマーのMFRを5〜45g/10分(温度:230℃)の範囲内の値とすることがより好ましく、8〜40g/10分(温度:230℃)の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、かかるポリプロピレン系熱可塑性エラストマーのMFRは、JIS K 7210に準拠して、測定することができる。
(2)静摩擦係数
また、オレフィン不織布又はウレタン不織布における、JIS P 8147(傾斜法)に準拠して測定される静摩擦係数を0.51〜2.0未満の値とすることを特徴とする。
この理由は、オレフィン不織布又はウレタン不織布(不織布表面)における静摩擦係数を所定範囲内の値に調整し、それにより、指の腹側等に、摩擦性貼付部材を部分的に貼付するだけで、紙や樹脂、あるいはガラス等に対して、所定の摩擦性を発揮させるためである。
より具体的には、オレフィン不織布又はウレタン不織布における静摩擦係数が0.51未満の値になると、滑りやすくなって、紙めくりやレジ打ちに際に使用する指サック代替品としての使用や、スマートフォン等の操作が困難となる場合があるためである。
一方、オレフィン不織布又はウレタン不織布における静摩擦係数が2.0以上になると、スマートフォン等の操作画面に付着してしまい、同様に、操作が困難となる場合があるためである。
したがって、オレフィン不織布又はウレタン不織布における静摩擦係数を0.6〜1.8未満の値とすることがより好ましく、0.8〜1.6未満の値とすることがさらに好ましい。
なお、オレフィン不織布又はウレタン不織布の静摩擦係数は、基本的に、後述する目付けの値やオレフィン不織布等を構成する主成分樹脂の物性(Tg、弾性率、表面張力等)、あるいは混合物としての配合比率によって、所望範囲内の値に調整することができる。
その他、オレフィン不織布又はウレタン不織布の静摩擦係数の調整のために、オレフィン不織布又はウレタン不織布の一部又は全部に、静摩擦係数調整部材として、樹脂フィルムを積層することも好ましい。
(3)応力−歪曲線
また、オレフィン不織布又はウレタン不織布の応力−歪曲線を測定し、それから選択することも好ましい。
すなわち、このようなオレフィン不織布又はウレタン不織布の応力−歪曲線は、JIS L 1913に準拠して、引っ張り試験装置ストログラフVE5D(東洋精機(株)製)にて、測定することができる。
ここで、図4(a)〜(b)の特性曲線(n1〜n3)は、所定の熱可塑性エラストマー(100重量%)を原料として、メルトブロー法で製造されたオレフィン不織布(実施例1相当)に対応した応力−歪み曲線(縦方向及び横方向)を示している。
また、特性曲線が3本(n1〜n3)あるのは、同一のオレフィン不織布(サンプル数3)のばらつきを検討したためである。
すなわち、図4(a)〜(b)に示すように、歪みが80%程度までは、それぞれ急峻に応力が3N〜4N程度まで大きくなるが、歪みが80%を超えて、480%までは、徐々に、応力が上昇し、5〜6Nとなる傾向が見られた。
また、少なくとも縦方向及び横方向の歪みが、それぞれ480%を超えても、オレフィン不織布が破断しないことが確認された。
よって、発生する応力が比較的低い一方、オレフィン不織布における縦方向及び横方向の最大点伸び率がそれぞれ480%以上の値であることが確認され、かかるオレフィン不織布を用いた場合、優れた伸び性を有すると言える。
また、図5(a)〜(b)の特性曲線(n1〜n3)は、ポリプロピレン系熱可塑性エラストマー/ポリプロピレン混合物を原料として、スパンボンド法で製造された所定のオレフィン不織布に対応した応力−歪み曲線(縦方向及び横方向)を示している。
すなわち、図5(a)〜(b)に示すように、歪みが60%程度までは、それぞれ急峻に応力が10N〜15N程度まで大きくなるが、歪みが60%を超えて、240%までは、徐々に応力が上昇し、20〜25N程度となる傾向が見られた。
また、縦方向の歪みは250%を超えると、横方向の歪みは、300%を超えると、それぞれオレフィン不織布が破断することが確認された。
よって、オレフィン不織布における縦方向及び横方向の最大点伸び率はそれぞれ200%以上の値であるものの、縦方向及び横方向における伸び性が、それほど高くないことが確認された。
すなわち、図4(a)〜(b)及び図5(a)〜(b)に示す応力−歪み曲線(縦方向及び横方向)の比較により、熱可塑性エラストマー(100重量%)のみを原料として、メルトブロー法で製造されたオレフィン不織布において、発生する応力は、それほど大きな値ではないものの、最も良好な伸び性を有していると言える。
一方、熱可塑性エラストマー/ポリプロピレン混合物を原料として、スパンボンド法で製造されたオレフィン不織布は、発生する応力は比較的大きいものの、相対的に伸び特性が低いと言える。
よって、本発明において、スパンボンド法で製造されたオレフィン不織布ももちろん使用できるが、メルトブロー法で製造されたオレフィン不織布のほうが、縦方向及び横方向の伸び特性が良好であって、発生する応力も比較的小さいことから、最も使い勝手性が良好であると理解される。
(4)100%モジュラス
また、オレフィン不織布又はウレタン不織布の100%モジュラス(縦方向を代表値とする。)を2〜30N/50mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このように100%モジュラスを制御することによって、オレフィン不織布又はウレタン不織布の伸縮性の低下を抑制し、ひいては、摩擦性貼付部材における良好な伸縮性や柔軟性、あるいは機械的強度を維持できるためである。
より具体的には、かかるオレフィン不織布又はウレタン不織布の100%モジュラスが2N/50mm未満の値になると、わずかな応力で伸びてしまい、取り扱い性が過度に低下する場合があるためである。
一方、かかるオレフィン不織布又はウレタン不織布の100%モジュラスが30N/50mmを超えた値になると、追従性が低下したり、風合い(触感)が過度に硬くなったりする場合があるためである。
したがって、オレフィン不織布又はウレタン不織布の100%モジュラスを3〜15N/50mmの範囲内の値とすることがより好ましく、5〜10N/50mmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(5)目付
また、オレフィン不織布又はウレタン不織布の目付を50〜250g/m2の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このようにオレフィン不織布又はウレタン不織布の目付を制御することにより、静摩擦係数の値が比較的小さくなるとともに、透湿量やクッション性を所定範囲内の値に調整し、保湿性やフィット性を制御できるためである。
より具体的には、オレフィン不織布又はウレタン不織布の目付が50g/m2未満の値になると、静摩擦係数の値が低下したり、ばらつきが大きくなったりし、さらには、取扱性やクッション性が過度に低下する場合があるためである。
一方、オレフィン不織布又はウレタン不織布の目付が250g/m2を超えると、静摩擦係数の値が比較的大きくなり、スマートフォン等の用途に対しては、過度に滑り性が低下し、使用できない場合があるためである。
したがって、オレフィン不織布又はウレタン不織布の目付を70〜200g/m2の範囲内の値とすることがより好ましく、80〜120g/m2の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
2.粘着剤層
図1(a)〜(b)の粘着剤層14を構成する粘着剤の種類は特に制限されるものではないが、例えば、以下に説明するオルガノポリシロキサン系感圧粘着剤や、アクリル系粘着剤を使用することが好ましい。
(1)オルガノポリシロキサン系感圧粘着剤
粘着層を構成する粘着剤の主成分として、オルガノポリシロキサン系感圧粘着剤を用いることが好ましい。
この理由は、かかるオルガノポリシロキサン系感圧粘着剤を用いることにより、皮膚に対して、適度な粘着性を示すことができる一方、耐クリープ性、耐水性、さらには耐薬品性についても向上させることができるためである。
このようなオルガノポリシロキサン系感圧接着剤の代表例としては、たとえば、所定のジメチルシリコーン樹脂やメチルフェニルシリコーン樹脂の組み合わせ、あるいはいずれか一方を配合して、脱水縮合することによりえられるオルガノポリシロキサンなどが好ましい。
(2)無機充填剤
また、オルガノポリシロキサン系感圧粘着剤中に、全体量に対して、酸化アルミニウム等の無機充填剤を添加することが好ましい。
この理由は、このような範囲で無機充填剤を添加することにより、体積抵抗値を所定範囲内の値に調整し、スマートフォン等の携帯端末の操作(クリーニングを含む。)を可能にするためである。また、無機充填剤を所定量添加すると、粘着剤の凝集力が向上し、剥がした時に、粘着剤が糊残ることが少なくなるためである。
そして、無機充填剤の添加量を、全体量に対して、1〜10重量%の範囲内の値、好ましくは3〜7重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる無機充填剤の添加量が1重量%未満の場合には、オルガノポリシロキサン系感圧粘着剤が、被着体としての皮膚に残ることがあり、かかる添加量が10重量%をこえる場合には、粘着剤の凝集力が過度に向上し、粘着力が著しく低下する場合があるためである。
したがって、全体量に対して、無機充填剤を0.5〜8重量%の範囲で添加することがより好ましく、1〜5重量%の範囲で添加することがさらに好ましい。
い。
また、無機充填剤の平均粒子径を1〜20μm、好ましくは4〜12μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、無機充填剤の平均粒子径が1μm未満の場合には、無機充填剤が凝集しやすくなって、体積抵抗を所望範囲に調整することが困難となったり、粘着剤中に均一に分散したりすることが困難となる場合があるためである。
一方、無機充填剤の平均粒子径が10μmを超えると、形成される粘着層の厚さが、通常、25〜30μmであるため、その表面上に無機充填剤が突出し、ザラツキ感を与える場合があるためである。さらに、無機充填剤の平均粒子径が大きくなると、製造工程において、無機充填剤の粘着剤中における沈降速度が速くなって、均一な分散状態とすることが困難となる場合があるためである。
なお、無機充填剤の種類としては、たとえば炭酸カルシウム、ベントナイト、酸化チタン、酸化亜鉛、カリオン、シリカ、酸化アルミニウム、酸化ジルコニム等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
(3)アクリル系粘着剤
また、オルガノポリシロキサン系感圧粘着剤に添加して(全体量の10〜30重量%)、あるいはオルガノポリシロキサン系感圧粘着剤の代わりに(全体量の100重量%)に、アクリル系粘着剤を使用することが好ましい。
この理由は、このようなアクリル系粘着剤を使用することにより、粘着剤の凝集力を低下させずに、タック性を容易に向上させることができるためである。
ここで、このようなアクリル系粘着剤の種類としては、たとえばアクリル酸2−エチルヘキシル及びアクリル酸ブチルを主成分としたアクリル系共重合体が代表例としてあげられる。
また、このようなアクリル酸2−エチルヘキシル及びアクリル酸ブチルとの配合割合は、重量比で20:80〜80:20、好ましくは20:80〜40:60となるように調整される。アクリル酸2−エチルヘキシルの割合が過度に少ない場合には、粘着剤の凝集力が増加し、粘着力が低下する場合があるためである。一方、アクリル酸2−エチルヘキシルの割合が過度に多い場合には、粘着剤の凝集力が低化しすぎて粘着力が低下する傾向があるためである。
なお、アクリル系粘着剤を構成するモノマー成分として、アクリルアミドやビニルカルボン酸を、全体量に対して、5重量%を超えない範囲で配合してもよい。
さらに、オルガノポリシロキサン系粘着剤との相溶性を考慮して、アクリル系粘着剤の粘度を500〜20,000cP(25℃)の範囲内の値とすることが好ましい。
(4)架橋剤
また、オルガノポリシロキサン系粘着剤であれば、架橋性を付与し、高温下における粘着性を向上せしめるために、過酸化ベンゾイルや過酸化ジクミルなどの有機過酸化物や白金触媒等を配合することが好ましい。
その場合、オルガノポリシロキサン系粘着剤の固形分100重量%に対して、有機過酸化物や白金触媒等を1.5〜3重量%の範囲で添加することが好ましい。
なお、添加効果を有効に発揮させるために、有機過酸化物や白金触媒を添加した後に、120℃以上の温度で加熱することが好ましい。
一方、アクリル系粘着剤の場合には、アクリル系粘着剤が有するヒドロキシ基やカルボキシル基を利用して、架橋すべく、イソシアネート架橋剤を配合することが好ましい。
その場合、アクリル系粘着剤の固形分100重量%に対して、イソシアネート架橋剤を0.1〜5重量%の範囲で添加することが好ましい。
なお、イソシアネート架橋剤を完全に反応させ、添加効果を有効に発揮させるために、いわゆるエージング処理(室温、1〜7日程度)を施すことが好ましい。
(5)添加剤
また、粘着剤中に、所定の薬効を発揮できるように、添加剤の一種として、製剤(薬物)を添加することができる。このような製剤の種類は特に制限されるものではないが、例えば、抗炎症薬剤、消炎鎮痛剤、冠血管拡張剤、喘息薬、抗高血圧剤、抗ヒスタミン剤、精神安定剤、抗生物質、麻酔剤、ビタミン剤等の一種単独又は二種以上の組合せが挙げられる。
また、製剤の添加量は、製剤の種類や粘着剤組成物の用途によって異なるが、例えば、粘着剤組成物の全体量に対して、0.1〜30質量%の範囲内の値とすることが好ましい。
その他、粘着剤中に、各種添加剤を添加することが好ましい。例えば、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤、隠蔽剤、可塑剤、ワックス、着色剤、無機フィラー、有機フィラー、増量剤、カップリング剤等の一種単独又は二種以上の組合せが挙げられる。
(6)厚さ
また、粘着剤層の厚さを10〜100μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる粘着剤層の厚さが10μm未満の値になると、貼付力が著しく低下して、摩擦性貼付部材が指の腹から脱落しやすくなったり、摩擦性貼付部材の取り扱いが困難となったりする場合があるためである。
一方、かかる粘着剤層の厚さが100μmを超えると、使用中に摩擦性貼付部材からはみ出して、ひいては、紙や樹脂等に付着する場合があるためである。
したがって、粘着剤層の厚さを15〜75μmの範囲内の値とすることがより好ましく、20〜50μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
3.摩擦性貼付部材
(1)形状
また、摩擦性貼付部材の平面形状は、特に制限されるものではないが、指の腹側に貼付できるように、楕円、円形、長円形、四角形、多角形、又は異形とすることが好ましい。
この理由は、このような平面形状であれば、指に巻くテープ状と異なり、紙をめくる際の指の動きを制限することが少なくなり、パーソナルコンピューターや携帯電話等を使用する場合であっても、指に対する違和感がさらに少なくなるためである。
また、このような平面形状であれば、指の動きに追随しやすくなって、粘着剤層に対する負荷が少なくなって、容易に剥離しないためでもある。
そして、図6(a)〜(c)に示すように、摩擦性貼付部材10の平面形状に関し、先端に円弧状の突起12aを有する舟形とすることも好ましい。
この理由は、このように構成することにより、指の形状に沿って、指の側方の一部まで覆うように貼付することができ、正確かつ容易に貼付できるとともに、優れた使用感や接着力が得られるためである。
また、図6(b)に示すように、摩擦性貼付部材10の側方に、指の側面を部分的に覆うように突出したフラップ12bを有することも好ましい。
この理由は、フラップ12bを備えることにより、所定箇所に、指の大きさにかかわらず貼付して、脱落するのを有効に防止しつつ、かつ、それにより長時間の使用に耐えることができるためである。
また、図6(c)に示すように、摩擦性貼付部材10の側方に、平面形状が四角形等であって、本体部分と同程度の面積を有するフラップ12cを備えることによって、親指等のように、主として指の側面を使って紙等をめくる場合にも対応することができる。
なお、フラップの平面形状としては特に制限されるものではないが、用途や使用目的に応じて、半円形状、楕円形、長方形、正方形、三角形、波型形状等の各種形状を採用することができる。
(2)撥水処理層
また、図1(b)に示すように、摩擦性貼付部材10における不織布12の表面に、撥水処理層(サイジング層を含む)13を設けることが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、水仕事や外仕事、あるいは医療分野等においても、外部からの液体物の進入を容易に防止して、衛生環境上好ましいばかりか、摩擦性貼付部材の剥がれを有効に防止できるためである。
なお、このような撥水処理層は、例えば、フッ素樹脂やシリコーン樹脂等から構成することが好ましい。
(3)透湿度
また、摩擦性貼付部材の用途にもよるが、JIS Z−0208に準拠して測定される、摩擦性貼付部材の一部である不織布の透湿度を1500〜6000g/m2・24Hrsの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このように不織布の透湿度を制御することにより、水仕事や外仕事、あるいは医療分野等においても、衛生環境上好ましいためである。また、不織布の透湿度を制御することにより、指からの発汗を外部に十分飛散することができ、ひいては、摩擦性貼付部材の剥がれを有効に防止できるためである。
したがって、摩擦性貼付部材の一部である不織布の透湿度を、2000〜5000g/m2・24Hrsの範囲内の値とすることがより好ましく、2500〜4500g/m2・24Hrsの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(4)識別マーク及び装飾層
また、図示しないものの、摩擦性貼付部材の一部である不織布の表面や、当該不織布の表面と、粘着剤層の間に、識別マークや装飾層が設けてあることが好ましい。
この理由は、このような識別マークとして、数字マーク、漢字マーク、絵文字マーク、あるいは点字マーク等を設けることにより、最適サイズの摩擦性貼付部材を一目瞭然で選別することができ、摩擦性貼付部材を使用する際の使い勝手を著しく向上させることができるためである。
また、このような装飾層として、数字柄、漢字柄、絵文字柄、あるいは写真絵柄等を表す装飾層を設けることにより、摩擦性貼付部材を使用する際の使い勝手性が向上するばかりか、ファッション性についての価値も向上させることができるためである。特に、蛍光剤を含む装飾層とすることにより、夜間における認識性を高めることも可能である。
(5)剥離接着力
また、JIS Z0237に準拠した摩擦性貼付部材の剥離接着力(モード:180°剥離、被着体:ベークライト板、剥離速度:300mm/min)を2〜30N/25mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる剥離接着力が2N/25mmmm未満の値になると、皮膚等から容易に剥離してしまい、摩擦性貼付部材としての機能に劣る場合があるためである。一方、かかる剥離接着力が30N/25mmを超えると、粘着剤を皮膚から除去することが困難になったり、あるいは、皮膚刺激性が過度に高くなって、使用時に不快感が生じたりする場合があるためである。
したがって、かかる摩擦性貼付部材の剥離接着力を3〜20N/25mmの範囲内の値とすることがより好ましく、4〜10N/25mmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、少なくともオレフィン不織布又はウレタン不織布と、粘着剤層と、を含んでなり、当該粘着剤層を介して、指の腹側又は指の腹側及び側面に対して、直接的又は間接的に貼付する摩擦性貼付部材の製造方法である。
そして、オレフィン不織布又はウレタン不織布の、JIS P 8147(傾斜法)に準拠して測定される静摩擦係数を0.51〜2.0未満の値とすることを特徴とする摩擦性貼付部材の製造方法であって、以下の工程(a)〜(d)を含むことを特徴とする。
(a)第1の工程紙上に、オレフィン不織布又はウレタン不織布を形成する工程。
(b)第2の工程紙上に、粘着剤層を形成する工程。
(c)第1の工程紙上の粘着剤層に対して、第2の工程紙付きのオレフィン不織布又はウレタン不織布をラミネートし、所定積層体とする工程。
(d)所定積層体を所定形状に切断して、摩擦性貼付部材とする工程。
なお、第1の実施形態で説明した内容は適宜省略し、第2の実施形態に特有の内容を説明する。
1.オレフィン不織布又はウレタン不織布の形成工程
オレフィン不織布又はウレタン不織布の形成工程は、図示しないものの、予め、原材料としてのオレフィン材料から、例えば、メルトブロー法を用いて、第1の工程紙上に、オレフィン不織布又はウレタン不織布を形成する工程である。
その際、形成したオレフィン不織布又はウレタン不織布の表面につき、JIS P 8147(傾斜法)に準拠して測定される静摩擦係数を測定し、所定範囲内の値であることを確認しておくことが好ましい。
2.粘着剤層の形成工程
一方、粘着剤層の形成工程は、図7(a)に示すように、第2の工程紙である剥離部材16上に、粘着剤層14を形成する工程である。
その場合、粘着剤層14の形成方法は特に制限されるものではないが、例えば、ロールコーター、コンマコーター、ナイフコーター等を用いて、粘着剤組成物を基材上に均一に塗布することにより、容易に製造することができる。
3.ラミネート工程
次いで、ラミネート工程は、図7(b)に示すように、剥離部材16上の粘着剤層14の上に、オレフィン不織布又はウレタン不織布12をさらに積層し、所定積層体とする工程である。
その場合、粘着剤層14と、オレフィン不織布又はウレタン不織布12とを積層する方法は特に制限されるものではないが、例えば、ラミネートや押圧ロール等を用いることができる。
4.切断工程
最後に、図7(c)に示すように、得られた所定積層体を、切断治具20を用いて、所定形状に切断し、摩擦性貼付部材10とする工程である。
その場合、切断治具20として、カッター、ナイフ、レーザー、切断わく等を用いることができる。
また、その後の取り扱いを考慮して、剥離部材16は切断せずに、オレフィン不織布又はウレタン不織布12及び粘着剤層14のみを所定形状に切断する、キスカット工程とすることも好ましい。
その場合であっても、摩擦性貼付部材10の取り扱いをさらに容易にすべく、ミシン目やスリット等の切り込み18を設けておくことがより好ましい。
[実施例1]
1.オレフィン不織布の形成工程
ポリプロピレン樹脂(5重量%)と、ポリプロピレン系熱可塑性エラストマー(95重量)とを含有してなる原材料から、メルトブロー法を用いて、工程紙上に、オレフィン不織布(目付:100g/m2、伸び率:350%、100%モジュラス:5N/50mm)を形成した。
なお、形成したオレフィン不織布につき、JIS P 8147(傾斜法)に準拠して測定される静摩擦係数を測定したところ、1.63であることを確認した。
2.粘着剤層の形成工程
剥離部材16上に、無機充填剤(アルミナ)入りのオルガノポリシロキサン系感圧粘着剤を、ナイフコーターを用いて、厚さ30μm(乾燥後)になるように塗布した。
3.ラミネート工程
次いで、剥離部材16上の粘着剤層14の上に、ラミネートロールを用いて、オレフィン不織布12をさらに積層し、所定の積層物とした。
なお、オレフィン不織布12については、第1の工程紙上に形成後、当該第1の工程紙を除去した状態でラミネートしても良いし、あるいは、第1の工程紙とともに、ラミネートしても良い。
4.切断工程
切断治具(カッター)20を用いて、オレフィン不織布12を積層した状態の積層物を、所定形状に切断して、摩擦性貼付部材10とした。
5.評価
(1)静摩擦係数
オレフィン不織布の静摩擦係数を測定し、以下の基準で、評価した。
◎:1.0〜1.85未満の値である。
○:0.8〜1.0未満、あるいは、1.85〜2.0未満の値である。
△:0.3〜0.8未満、あるいは、2.0〜2.2未満の値である。
×:0.3未満、又は2.2を超えた値である。
(2)紙めくり性
摩擦性貼付部材による紙めくり性を実施し、以下の基準で、紙めくり性を評価した。
◎:A4コピー紙を、1分間以内に、100枚以上めくることができる。
○:A4コピー紙を、1分間以内に、75枚以上めくることができる。
△:A4コピー紙を、1分間以内に、50枚以上めくることができる。
×:A4コピー紙を、1分間以内に、50枚未満であればめくることができる。
(3)圧迫性
被験者3人(A〜C)が、摩擦性貼付部材による、A4コピー紙の紙めくり性を所定期間実施し、以下の基準で、圧迫性を評価した。なお、評価結果は、被験者3人(A〜C)の平均評価である。
◎:3時間以上、紙めくりに使用しても、圧迫感がない。
○:1時間以上、紙めくりに使用しても、圧迫感がない。
△:30分間以上、紙めくりに使用しても、圧迫感がない。
×:30分間未満の紙めくりに使用した場合であっても、圧迫感がある。
(4)スマートフォンの操作性1
摩擦性貼付部材によるスマートフォン(アップル社製、アイフォンファイブ)の画面動作を実施し、以下の基準で、スマートフォンの操作性を評価した。
◎:全く問題なく画面操作ができる。
○:問題なく画面操作ができる。
△:ほぼ問題なく画面操作ができる。
×:滑ったり、逆に、貼り付いたりして、画面操作ができない。
(5)スマートフォンの操作性2
摩擦性貼付部材によるスマートフォン(アップル社製、アイフォンファイブ)の画面動作を1時間にわたって実施し、以下の基準で、スマートフォンの画面における指紋付着性(汚染性)を評価した。
◎:画面に全く指紋付着が見られない。
○:画面に指紋付着がほとんど見られない。
△:画面に指紋付着が少々見られる。
×:画面に顕著な指紋付着が見られる。
(6)外観性
図6(a)に示される実寸大の摩擦性貼付部材を、図2(b)に示すように、人差し指の腹側に貼付し、それを人差し指の爪側から目視し、摩擦性貼付部材の外観性(視認性)を検討し、以下の基準で、評価した。
◎:摩擦性貼付部材は、外観的に全く認識されない。
○:摩擦性貼付部材は、外観的にほとんど認識されない。
△:摩擦性貼付部材は、外観的に少々認識される。
×:摩擦性貼付部材は、外観的に認識される。
[実施例2]
実施例2において、オレフィン不織布の原材料(ポリプロピレン樹脂:3重量%、ポリプロピレン系熱可塑性エラストマー:97重量%)を変えて、静摩擦係数を1.80に変化させた以外は、実施例1と同様に、摩擦性貼付部材を作成し、評価した。
[実施例3]
実施例3において、オレフィン不織布の目付けを85g/m2とし、静摩擦係数を1.2に変化させた以外は、実施例1と同様に、摩擦性貼付部材を作成し、評価した。
[実施例4]
実施例4において、オレフィン不織布の原材料(ポリプロピレン樹脂:10重量%、ポリプロピレン系熱可塑性エラストマー:90重量%)を変えて、静摩擦係数を1.0に変化させた以外は、実施例1と同様に、摩擦性貼付部材を作成し、評価した。
[実施例5]
実施例5において、オレフィン不織布の目付を55g/m2とし、静摩擦係数を0.55に変化させた以外は、実施例1と同様に、摩擦性貼付部材を作成し、評価した。
[比較例1]
比較例1において、実施例1で用いたオレフィン不織布の目付を40g/m2とし、静摩擦係数を0.3に変化させた以外は、実施例1と同様に、摩擦性貼付部材を作成し、評価した。
[比較例2]
比較例2において、実施例1で用いたオレフィン不織布の目付を280g/m2とし、静摩擦係数を2.1に変化させた以外は、実施例1と同様に、摩擦性貼付部材を作成し、評価した。
[比較例3]
比較例3において、市販のゴム製指サック(コクヨ(株)製、メクリンキャップMブルー)用いた以外は、実施例1と同様に、摩擦性貼付部材を作成し、評価した。
なお、市販のゴム製指サックの静摩擦係数は、所定の立体形状ゆえに、直接的に測定できなかったものの、スマートフォンへの表示画面への付着性から判断して、2.2を超えると推定した。
Figure 0005952517
本発明によれば、オレフィン不織布及び粘着剤層等からなる簡易構造であっても、オレフィン不織布の表面における静摩擦係数の値を比較的大きくし、それを指の腹側、又は指の腹側及び側面に貼付することにより、目立たないばかりか、長期間にわたってフィット感に優れ、かつ、紙やガラス基板等に対して、所定の摩擦性を発揮する摩擦性貼付部材を提供できるようになった。
すなわち、使用感や装飾性(隠ぺい性)に優れた、紙めくりやレジ打ちに際に使用する指サックの代用品、さらには、スマートフォン等の携帯端末の表示画面を汚染させることなく良好な表示操作が可能な摩擦性貼付部材を提供できるようになった。
さらには、手袋等を介して、摩擦性貼付部材を指に間接的に貼付した場合であっても、スマートフォン等の携帯端末の操作が可能になり、手袋等の装着が必須要件とするクリ−ンルームや寒冷地等での携帯端末の操作にも展開されることが期待される。
10、10´:摩擦性貼付部材
12:オレフィン不織布(又はウレタン不織布)
12a:円弧状の突起
12b、12c:フラップ
13:撥水処理層
14:粘着剤層
16:剥離部材(第2の工程紙)
18:切り込み
20:切断治具
30:爪
31:指
32:腹側
32a:側方

Claims (8)

  1. 少なくともオレフィン不織布又はウレタン不織布と、粘着剤層と、を含んでなり、当該粘着剤層を介して、指の腹側又は指の腹側及び側面に対して、直接的又は間接的に貼付する摩擦性貼付部材であって、
    前記オレフィン不織布又はウレタン不織布の、JIS P 8147(傾斜法)に準拠して測定される静摩擦係数を1.2〜2.0未満の値とすることを特徴とする摩擦性貼付部材。
  2. 前記オレフィン不織布又はウレタン不織布の目付けを50〜250g/m2の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1に記載の摩擦性貼付部材。
  3. 前記オレフィン不織布又はウレタン不織布の伸び率(JIS−L−1096準拠)が200%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の摩擦性貼付部材。
  4. 前記オレフィン不織布が、主成分として、ポリプロピレン系熱可塑性エラストマーから構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の摩擦性貼付部材。
  5. 前記摩擦性貼付部材の平面形状を、先端に円弧状の突起を有する舟形とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の摩擦性貼付部材。
  6. 前記摩擦性貼付部材の側方に、前記指の側面を部分的に覆うフラップを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の摩擦性貼付部材。
  7. 前記摩擦性貼付部材の表面に、前記オレフィン不織布又はウレタン不織布を介して、識別マークあるいは装飾層が設けてあることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の摩擦性貼付部材。
  8. 前記粘着剤層が、オルガノポリシロキサン系感圧粘着剤から構成してあることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の摩擦性貼付部材。
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