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JP5950226B2 - 静電容量型圧力センサおよびその製造方法、圧力センサパッケージ - Google Patents

静電容量型圧力センサおよびその製造方法、圧力センサパッケージ Download PDF

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Description

本発明は、静電容量型圧力センサおよびその製造方法、ならびに静電容量型圧力センサを備えるパッケージに関する。
近年、スマートフォン(Smartphone)等の普及によって、高さ方向のセンシングを可能にする圧力センサの利用が増加している。圧力センサとして、ピエゾ抵抗素子の抵抗値の変化量を圧力の変化量として検出するピエゾ抵抗型圧力センサが提案されている。
たとえば、特許文献1は、ベース基板と、凹部が形成され、ベース基板に貼り合わせられることによって当該凹部とベース基板との間に空間を区画するキャップ基板と、ベース基板の一部を利用して空間内に形成されたメンブレンと、メンブレンに形成された圧力センサ素子として機能する不純物拡散領域とを含む、圧力センサを開示している。この圧力センサでは、メンブレンが印加された圧力に応じて変位し、当該変位に伴う不純物拡散領域の抵抗値の変化を測定して圧力を検出する。
特開2011−146687号公報
しかしながら、ピエゾ抵抗素子は周囲温度の変化に依存しやすく、周囲温度が多様に変化する状況の中では検出精度にばらつきが生じやすい。そのため、ピエゾ抵抗素子を用いた圧力センサでは、圧力検出の際に補正が欠かせない。
そこで、本発明の目的は、検出精度のばらつきを小さくでき、さらに、差動出力によって微小な圧力変化にも対応可能な検出精度を備える静電容量型の圧力センサおよびこれを備えるパッケージを提供することである。
また、本発明の他の目的は、検出精度のばらつきを小さくでき、さらに、差動出力によって微小な圧力変化にも対応可能な検出精度を備える静電容量型の圧力センサを簡単に製造することができる製造方法を提供することである。
本発明の静電容量型圧力センサは、内部に絶縁層を有する半導体基板と、前記半導体基板における前記絶縁層の内方領域を取り囲み、前記半導体基板の一部からなるセンサ領域を、前記絶縁層と共に前記半導体基板の表面部に区画する第1絶縁部と、前記センサ領域の表面部の下方の領域を、前記第1絶縁部を横切る方向に沿って選択的に分断し、底部が前記絶縁層で画成された基準圧室と、前記基準圧室の上方にある前記センサ領域の前記表面部を、前記第1絶縁部を横切る方向に沿って選択的に分断する第2絶縁部と、前記センサ領域を前記半導体基板の表面から前記絶縁層に達するまで、前記第1絶縁部を横切る方向に沿って選択的に分断し、前記表面側が開放されたトレンチとを含み、前記センサ領域は、前記基準圧室、前記第2絶縁部および前記トレンチによって、前記半導体基板の前記表面に沿う横方向に順に配置され、互いに絶縁された少なくとも3つの半導体部分に区画されており、当該3つの半導体部分は、前記基準圧室と前記トレンチとの間に配置されたメンブレンと、前記メンブレンに対して前記基準圧室を隔てて対向する第1電極と、前記メンブレンに対して前記トレンチを隔てて対向する第2電極とを含み、み、
前記第1電極と前記メンブレンによって構成された第1キャパシタの静電容量の変化量と、前記メンブレンと前記第2電極によって構成された第2キャパシタの静電容量の変化量との差分に基づいて、前記メンブレンに作用した圧力を検出する(請求項1)。
この構成によれば、基準圧室を挟んで互いに対向する第1電極とメンブレンによって第1キャパシタが構成されている。また、トレンチを挟んで互いに対向するメンブレンと第2電極によって第2キャパシタが構成されている。つまり、メンブレンを共通の可動電極として、当該メンブレンの一方側および他方側(一方側の反対側)に、固定電極が1つずつ配置されている。したがって、メンブレンが圧力を受け、たとえばメンブレンが第1電極に近づく方向に距離α変位すると、第1電極とメンブレンとの間の距離が(−α)となる一方で、メンブレンと第2電極との距離が(+α)となる。そのため、第1キャパシタの静電容量の変化量と第2キャパシタの静電容量の変化量との差分を取ることによって、2つのキャパシタの静電容量の変化量の合計を検出値として得ることができる。たとえば、メンブレンの変位量による第1キャパシタの静電容量の変化量を(+ΔC)とし、第2キャパシタの静電容量の変化量を(−ΔC)とした場合、ΔC+ΔCを入力圧力に基づく検出値として得ることができる。その結果、メンブレンに微小な圧力が受けた場合でも、その圧力を精度よく検出することができる。
また、圧力を静電容量の変化量に基づいて検出するので、ピエゾ素子を圧力検出のための素子として用いる場合に比べて、周囲温度が多様に変化する状況の中でも検出精度のばらつきを小さくすることができる。
前記半導体基板は、下部半導体層と上部半導体層との間に前記絶縁層が挟まれた構造を有していることが好ましい(請求項2)。
この構成では、上部半導体層の厚さの設計値を変更することによって、メンブレンの面積を簡単に調節することができる。そのため、センサの設計寸法に納まる範囲で上部半導体層をできる限り厚くすることによって、メンブレンの有効面積を広くすることができ、検出精度を向上させることができる。たとえば、前記上部半導体層は、15μm〜30μmの厚さを有していてもよい(請求項4)。
前記半導体基板は、前記下部半導体層および前記上部半導体層がシリコンからなり、前記絶縁層が酸化シリコンからなるSOI基板であることが好ましい(請求項3)。
SOI基板は簡単に調達することができるため、半導体基板の準備に要する手間を省くことができる。
前記基準圧室は、前記横方向に沿って一定の幅を有していることが好ましい(請求項5)。
この構成によって、初期状態において第1キャパシタの電極間距離が一定になるので、第1キャパシタを平行板キャパシタとみなすことができる。その結果、第1キャパシタの静電容量を、公式:C=(εS)/dを用いて簡単に求めることができる。
前記トレンチは、前記横方向に沿って一定の幅を有していることが好ましい(請求項6)。
この構成によって、初期状態において第2キャパシタの電極間距離が一定になるので、第2キャパシタを平行板キャパシタとみなすことができる。その結果、第2キャパシタの静電容量を、公式:C=(εS)/dを用いて簡単に求めることができる。
前記メンブレンは、0.5μm〜5μmの厚さを有していてもよい(請求項7)。
前記センサ領域は、前記半導体基板上にマトリクス状に複数配列されていてもよいし(請求項8)、前記半導体基板上にストライプ状に複数配列されていてもよい(請求項9)。
センサ領域を複数配列することによって、より精度よく圧力を検出することができる。
前記第1絶縁部は、前記半導体基板に選択的に埋め込まれた絶縁材料からなる第1絶縁層を含んでいてもよい(請求項10)。また、前記第2絶縁部は、前記半導体基板に選択的に埋め込まれた絶縁材料からなる第2絶縁層を含んでいてもよい(請求項11)。
前記静電容量型圧力センサは、前記センサ領域の内側と外側との間に跨って配置された複数の配線を含み、前記複数の配線は、前記第1電極に接続された第1配線と、前記第2電極に接続された第2配線と、前記メンブレンに接続された第3配線とを含むことが好ましい(請求項12)。
前記基準室内は、密閉された空間であることが好ましい(請求項13)。
基準圧室内が密閉されていれば、周囲温度の変化による基準圧室内の圧力変化を防止することができる。その結果、圧力の検出精度を向上させることができる。
本発明の圧力センサパッケージは、前記第1電極と前記メンブレンによって構成された第1キャパシタの静電容量の変化量と、前記メンブレンと前記第2電極によって構成された第2キャパシタの静電容量の変化量との差分に基づいて、前記メンブレンに作用した圧力を検出する差動回路を有する回路チップと、前記トレンチの開放面が上方に向く姿勢で前記回路チップ上に配置された、本発明の静電容量型圧力センサと、前記回路チップおよび前記静電容量型圧力センサを収容するケースとを含む(請求項14)。
この構成によれば、本発明の静電容量型圧力センサを備えているので、検出精度のばらつきを小さくでき、さらに、差動出力によって微小な圧力変化にも対応可能な検出精度を備える圧力センサパッケージを実現することができる。
本発明の静電容量型圧力センサの製造方法は、内部に絶縁層を有する半導体基板における前記絶縁層の内方領域を取り囲むように、前記半導体基板の表面から前記絶縁層に達する周囲トレンチを形成する工程と、前記周囲トレンチを埋め戻す第1絶縁層を形成し、前記絶縁層および前記第1絶縁層によって前記半導体基板の表面部にセンサ領域を区画する工程と、前記センサ領域に複数の凹部を選択的に形成する工程と、前記複数の凹部の各内面に保護膜を形成する工程と、前記保護膜における前記凹部の底面上の部分を選択的に除去する工程と、異方性エッチングによって前記凹部を前記絶縁層へ向かって掘り下げた後、等方性エッチングによって前記複数の凹部の下方部を互いに連続させることによって、前記センサ領域の表面部の下方の領域を、前記第1絶縁層を横切る方向に沿って選択的に分断する基準圧室を形成する工程と、熱酸化処理により、前記半導体基板の前記表面と前記基準圧室との間を貫通している前記凹部からなる貫通孔を酸化シリコン膜で埋め戻すとともに、隣り合う前記貫通孔中の酸化シリコン膜が互いに繋がるように、隣り合う前記貫通孔で挟まれた部分も酸化シリコン膜に変質させることによって、前記基準圧室の上方にある前記センサ領域の前記表面部を、前記第1絶縁層を横切る方向に沿って選択的に分断する第2絶縁層を形成する工程と、前記センサ領域を前記半導体基板の前記表面から前記絶縁層に達するまでエッチングすることによって、前記センサ領域を、前記第1絶縁層を横切る方向に沿って選択的に分断するトレンチを形成する工程とを含む(請求項15)。
この方法によって製造された圧力センサでは、センサ領域が、基準圧室、第2絶縁層およびトレンチによって、半導体基板の表面に沿う横方向に順に配置された、互いに絶縁された少なくとも3つの半導体部分に区画される。そして、当該3つの半導体部分は、基準圧室とトレンチとの間に配置されたメンブレンと、メンブレンに対して基準圧室を隔てて対向する第1電極と、メンブレンに対してトレンチを隔てて対向する第2電極とを含む。したがって、前述のように、検出精度のばらつきを小さくでき、さらに、差動出力によって微小な圧力変化にも対応可能な検出精度を備える静電容量型圧力センサを実現することができる。
また、メンブレン、第1電極および第2電極を形成にあたって、半導体基板に対してエッチングや熱酸化処理などの加工を施すだけでよいので、当該静電容量型圧力センサを簡単に製造することができる。
前記半導体基板が、下部半導体層と上部半導体層との間に前記絶縁層が挟まれた構造を有する場合、前記静電容量型圧力センサの製造方法は、前記下部半導体層上に前記絶縁層を形成した後、エピタキシャル成長によって、前記絶縁層上に前記上部半導体層を形成する工程をさらに含むことが好ましい(請求項16)。
エピタキシャル成長の条件を調整することによって、メンブレンとなる上部半導体層の厚さを簡単に制御することができる。
前記静電容量型圧力センサの製造方法は、前記第2絶縁層の形成に先立って、前記貫通孔にエッチングガスを供給することによって、前記貫通孔の内面に残っている前記保護膜を除去する工程をさらに含むことが好ましい(請求項17)。
たとえば保護膜をプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)によって形成していた場合、熱酸化膜に比べて膜質が低いものとなる。そこで、この方法では、保護膜を除去することによって貫通孔の内面を一旦清浄化した後、半導体基板を熱酸化することによって、貫通孔に熱酸化膜からなる第2絶縁層を形成する。これにより、第2絶縁層の膜質を良好なものにすることができる。
前記第2絶縁層を形成する工程では、真空中で熱酸化処理を行うことが好ましい(請求項18)。
図1(a)(b)は、本発明の一実施形態に係る圧力センサの構造を説明するための図である。 図2(a)(b)は、前記圧力センサが有するキャパシタを説明するための図である。 図3(a)(b)は、前記圧力センサのレイアウトを説明するための図である。 図4は、前記圧力センサを用いた圧力検出のための回路図である。 図5は、前記圧力センサを備えるセンサパッケージの概略図である。 図6(a)(b)は、前記圧力センサの製造工程の一部を示す図である。 図7(a)(b)は、図6(a)(b)の次の工程を示す図である。 図8(a)(b)は、図7(a)(b)の次の工程を示す図である。 図9(a)(b)は、図8(a)(b)の次の工程を示す図である。 図10(a)(b)は、図9(a)(b)の次の工程を示す図である。 図11(a)(b)は、図10(a)(b)の次の工程を示す図である。 図12(a)(b)は、図11(a)(b)の次の工程を示す図である。 図13(a)(b)は、図12(a)(b)の次の工程を示す図である。 図14(a)(b)は、図13(a)(b)の次の工程を示す図である。 図15(a)(b)は、図14(a)(b)の次の工程を示す図である。 図16(a)(b)は、図15(a)(b)の次の工程を示す図である。 図17(a)(b)は、図16(a)(b)の次の工程を示す図である。
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1(a)(b)は、本発明の一実施形態に係る圧力センサの構造を説明するための図である。図1(a)は平面図であり、図1(b)は図1(a)の切断面線Ib−Ibから見た断面図である。なお、図1(a)では、明瞭化のために、圧力センサの構成要素の一部を省略している。
圧力センサ1は、静電容量の変化量に基づいて圧力の変化量を検出する静電容量型圧力センサであって、製造過程において、1枚のSOIウエハ2に縦横規則的に配列されて多数形成される。本発明の半導体基板の一例としてのSOIウエハ2(以下「SOI基板2」ともいう)は、この実施形態では、共にシリコンからなる下部半導体層201と上部半導体層202(SOI基板2の表面部を構成する部分)との間に、酸化シリコンからなる絶縁層203が挟まれた構造を有する。SOIウエハ2の下部半導体層201および上部半導体層202は、たとえば、比抵抗が5mΩ・cm〜25mΩ・cmの低抵抗シリコンからなることが好ましい。また、上部半導体層202は、15μm〜30μmの厚さを有していることが好ましい。
SOI基板2には、その表面2A(上部半導体層202の上面)から絶縁層203に達する環状の周囲トレンチ3が選択的に形成されている。周囲トレンチ3は、この実施形態では、平面視で四角環状(具体的には、長方形状)である。周囲トレンチ3には、第1絶縁層4が埋め込まれている。第1絶縁層4は、この実施形態では酸化シリコン(SiO)からなるが、その他の絶縁材料からなっていてもよい。これにより、上部半導体層202における第1絶縁層4の内方領域は、側方から第1絶縁層4によって区画され、下方から絶縁層203によって区画されることによって、上部半導体層202の他の部分から絶縁分離されたセンサ領域5をなしている。なお、センサ領域5は、第1絶縁層4が埋め込まれていない周囲トレンチ3によって、その側方に配置された上部半導体層202から絶縁分離されていてもよい。つまり、本発明の第1絶縁部の一例は、周囲トレンチ3であってもよいし、第1絶縁層4であってもよい。
センサ領域5の内部には、基準圧室6(空洞)が形成されている。基準圧室6は、センサ領域5の表面部の下方の領域に選択的に配置されており、その底部が絶縁層203で画成されている。具体的には、基準圧室6は、この実施形態では、センサ領域5の表面部の下方の領域を、第1絶縁層4を横切る方向に沿って選択的に分断している。第1絶縁層4が、平面視において互いに対向する二対の辺を有する四角環状である場合、基準圧室6は、一対の辺の間に跨って1つ形成されていることが好ましい。この場合、基準圧室6は、直方体形状(平面視で四角形状)であってもよい。つまり、基準圧室6は、互いに対向する一対の側面が第1絶縁層4によって形成され、他の一対の側面が上部半導体層202によって形成されている。また、基準圧室6の天面は上部半導体層202によって形成され、基準圧室6の底面は絶縁層203によって形成されている。また、基準圧室6は、その内部圧力が圧力検出の際の基準とされる空洞として密閉されている。基準圧室6は、この実施形態では、真空もしくは減圧状態(たとえば、10−5Torr)に保持されている。
基準圧室6の上方にあるセンサ領域5の表面部(基準圧室6の上壁6A)には、SOI基板2の表面2Aと基準圧室6との間を貫通する貫通孔7が形成されている。具体的には、貫通孔7は、この実施形態では、基準圧室6の上壁6Aを、第1絶縁層4を横切る方向に沿って選択的に分断している。第1絶縁層4が、平面視において互いに対向する二対の辺を有する四角環状である場合、貫通孔7は、一対の辺の間に跨って基準圧室6と平行に形成されたライン状トレンチであることが好ましい。ライン状の貫通孔7は、上部半導体層202で形成された基準圧室6の両側面に対して間隔を空けた上壁6Aの内方領域(たとえば、上壁6Aの幅方向中央)に形成されていてもよい。これにより、上壁6Aを選択的に残すことができるので、メンブレン10(上部半導体層202)に対する第3配線16(後述)のコンタクト領域を確保することができる。
貫通孔7には、第2絶縁層8が埋め込まれている。第2絶縁層8は、この実施形態では酸化シリコン(SiO)からなるが、その他の絶縁材料からなっていてもよい。第2絶縁層8および基準圧室6によって、センサ領域5は、SOI基板2の表面2Aに沿う横方向(この実施形態では、基準圧室6を横切る方向)に沿って、互いに絶縁された2つの半導体部分に区画されている。各半導体部分は、側面が第1絶縁層4もしくは第2絶縁層8で画成され、底面が絶縁層203で画成されている。
センサ領域5にはさらに、センサ領域5をSOI基板2の表面2Aから絶縁層203に達するまでトレンチ9が形成されている。具体的には、トレンチ9は、この実施形態では、互いに絶縁分離されたセンサ領域5の2つの半導体部分の一方を、第1絶縁層4を横切る方向に沿って選択的に分断している。第1絶縁層4が、平面視において互いに対向する二対の辺を有する四角環状である場合、トレンチ9は、ライン状の貫通孔7に平行なライン状トレンチであることが好ましい。つまり、平面視において、第1絶縁層4の共通の一対の辺の間に跨って、互いに平行なライン状トレンチ(貫通孔7およびトレンチ9)が形成されていることが好ましい。トレンチ9は、互いに対向する一対の側面が第1絶縁層4によって形成され、他の一対の側面が上部半導体層202によって形成されている。また、トレンチ9の表面2A側は開放され、トレンチ9の底面は絶縁層203によって形成されている。トレンチ9によって、当該半導体部分(センサ領域5の一部)はさらに、基準圧室6を横切る方向に沿って、互いに絶縁された2つの半導体部分に区画されている。
以上をまとめると、センサ領域5は、基準圧室6およびその上方の第2絶縁層8と、トレンチ9とによって、基準圧室6を横切る方向に順に配置された、互いに絶縁された3つの半導体部分に区画されている。そして、当該3つの半導体部分はそれぞれ、基準圧室6とトレンチ9との間に配置されたメンブレン10と、メンブレン10に対して基準圧室6(空洞)を隔てて対向する第1電極11と、メンブレン10に対してトレンチ9(空洞)を隔てて対向する第2電極12とをなしている。なお、図1では、明瞭化のため、第1電極11および第2電極12に対して、メンブレン10を相対的に厚く表している。
第1電極11とメンブレン10との間の基準圧室6は、前記横方向に沿って一定の幅Wを有していることが好ましい。幅Wは、たとえば、500μm〜1000μmである。また、メンブレン10と第2電極12との間のトレンチ9は、前記横方向に沿って一定の幅Wを有していることが好ましい。幅Wは、たとえば、500μm〜1000μmである。また、第1電極11と第2電極12との間に配置されたメンブレン10は、0.5μm〜5μmの厚さを有していることが好ましい。なお、幅Wおよび幅Wは、同じであっても互いに異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。W=Wであれば、後述する第1キャパシタ22(図2(a)(b)参照)の静電容量Cの変化量の絶対値と、第2キャパシタ23(図2(a)(b)参照)の静電容量Cの変化量の絶対値とを等しくすることができる。
SOI基板2の表面2Aは、酸化シリコン(SiO)等の絶縁材料からなる層間膜13で被覆されている。層間膜13の厚さは、たとえば、5000Å〜10000Åである。層間膜13は、この実施形態では単層構造であるが、多層構造であってもよい。また、SOI基板2の裏面2B(下部半導体層201の下面)は、露出面である。
層間膜13上には、第1配線14、第2配線15および第3配線16が形成されている。第1配線14、第2配線15および第3配線16は、この実施形態ではアルミニウム(Al)からなる。第1配線14は、層間膜13を通って第1電極11に接続されている。第2配線15は、層間膜13を通って第2電極12に接続されている。第3配線16は、層間膜13を通ってメンブレン10に接続されている。これらの配線14〜16は、第1絶縁層4を横切って、センサ領域5の内側と外側との間に跨っている。
層間膜13上には、窒化シリコン(SiN)等の絶縁材料からなる表面保護膜17が形成されている。第1配線14、第2配線15および第3配線16は、表面保護膜17によって被覆されている。表面保護膜17には、センサ領域5の外側において第1配線14、第2配線15および第3配線16の一部を、第1パッド18、第2パッド19および第3パッド20としてそれぞれ露出させる開口が形成されている。第1パッド18、第2パッド19および第3パッド20は、たとえば、第1絶縁層4の或る一辺に沿って互いに間隔を空けて配置されている。また、第1絶縁層4の周囲には、第1パッド18、第2パッド19および第3パッド20の他に、複数のパッド21が配置されている。
図2(a)(b)は、前記圧力センサが有するキャパシタを説明するための図であって、図2(a)はキャパシタの概略図であり、図2(b)はキャパシタの動作を説明するための図である。
前述したように、圧力センサ1は、振動可能なメンブレン10と、メンブレン10に対して所定の間隔(幅Wおよび幅W)を空けて対向する第1電極11および第2電極12を備えている。これにより、第1電極11およびメンブレン10は、メンブレン10の振動によって静電容量が変化する第1キャパシタ22を形成している。一方、第2電極12およびメンブレン10は、メンブレン10の振動によって静電容量が変化する第2キャパシタ23を形成している。つまり、圧力センサ1には、メンブレン10を共通の可動電極として、当該メンブレン10の一方側および他方側(一方側の反対側)に、固定電極(第1電極11および第2電極12)が1つずつ配置されている。
したがって、メンブレン10が圧力を受け、図2(b)に示すように、たとえばメンブレン10が第1電極11に近づく方向に距離α変位すると、第1電極11とメンブレン10との間の距離が(W−α)となる一方で、メンブレン10と第2電極12との距離が(W+α)となる。そのため、第1キャパシタ22の静電容量Cの変化量と第2キャパシタ23の静電容量Cの変化量との差分を取ることによって、2つのキャパシタ22,23の静電容量C,Cの変化量の合計を検出値として得ることができる。たとえば、メンブレン10の変位量による第1キャパシタ22の静電容量の変化量を(C+ΔC)とし、第2キャパシタ23の静電容量の変化量を(C−ΔC)とした場合、ΔC+ΔCを入力圧力に基づく検出値として得ることができる。その結果、メンブレン10に微小な圧力が受けた場合でも、その圧力を精度よく検出することができる。
また、圧力を2つのキャパシタ22,23の静電容量C,Cの変化量に基づいて検出するので、ピエゾ素子を圧力検出のための素子として用いる場合に比べて、周囲温度が多様に変化する状況の中でも検出精度のばらつきを小さくすることができる。
また、前述のように、基準圧室6の幅Wおよびトレンチ9の幅Wが共に一定であるので、初期状態において、第1キャパシタ22の電極間距離Wおよび第2キャパシタ23の電極間距離Wが共に一定となる。そのため、第1キャパシタ22および第2キャパシタ23を平行板キャパシタとみなすことができる。その結果、第1キャパシタ22および第2キャパシタ23の静電容量C,Cを、公式:C=(εS)/dを用いて簡単に求めることができる。
また、圧力センサ1では、SOI基板2の上部半導体層202を利用してメンブレン10を形成しているので、上部半導体層202の厚さの設計値を変更することによって、メンブレン10の面積を簡単に調節することができる。そのため、圧力センサ1の設計寸法に納まる範囲で上部半導体層202をできる限り厚くすることによって、メンブレン10の有効面積を広くすることができ、検出精度を向上させることができる。さらに、SOI基板2は簡単に調達することができるため、半導体基板の準備に要する手間を省くことができる。
また、基準圧室6内が真空に保持されるため、外部環境の温度変化による基準圧室6内の圧力変化を防止することができる。その結果、圧力センサ1の圧力検出精度を向上させることができる。
なお、図1では、SOI基板2上に形成されたセンサ領域5を1つのみ表しているが、センサ領域5は、SOI基板2上に複数個形成されていてもよい。複数個のセンサ領域5のレイアウトは、特に制限されず、様々なものを採用することができる。
たとえば、図3(a)に示すように、複数のセンサ領域5は、マトリクス状に配列されていてもよい。また、複数のセンサ領域5は、メンブレン10の面内方向に沿って延びるストライプ状に配列されていてもよい。ストライプ状の各センサ領域5は、たとえば、その長さLが50μm〜500μmであり、その深さ(上部半導体層202の厚さ)が10μm〜100μmであることが好ましい。
このような構成では、複数のセンサ領域5で圧力を検出することができるので、圧力の検出精度を一層向上させることができる。
次に、圧力センサ1による圧力の検出方法を具体的に説明する。
図4は、前記圧力センサを用いた圧力検出のための回路図である。
本発明の差動回路の一例としての圧力検出回路24は、2つのC/V変換回路25A,25Bと、1つの差動アンプ26とを備えている。
2つのC/V変換回路25A,25Bの入力端は、それぞれ、第1配線14および第2配線15を介して、第1キャパシタ22の第1電極11および第2キャパシタ23の第2電極12に接続されている。2つのC/V変換回路25A,25Bの出力端は、差動アンプ26の入力端に接続されている。差動アンプ26の出力端は、データ処理回路27に接続されている。
第1配線14の途中部には、接続配線28の一端が接続されている。接続配線28の他端は、第2配線15の途中部に接続されている。第1配線14には、接続配線28の接続点29とC/V変換回路25Aとの間に、スイッチSAが介在されている。第2配線15には、接続配線28の接続点30とC/V変換回路25Bとの間に、スイッチSBが介在されている。また、接続配線28の途中部には、スイッチSが介在されている。
メンブレン10には、所定の電圧(たとえば、3V)が印加されている。圧力の検出時には、スイッチSA,SBがオンにされるとともに、スイッチSがオフにされる。このとき、メンブレン10に圧力が作用してメンブレン10が振動すると、第1キャパシタ22および第2キャパシタ23の静電容量C,Cがそれぞれ変化する。第1キャパシタ22の静電容量Cの変化に伴い、第1キャパシタ22の第1電極11に接続された第1配線14には、その静電容量の変化量(ΔC)に応じた電流が流れる。第1配線14を流れる電流は、C/V変換回路25Aに入力される。C/V変換回路25Aでは、入力電流に応じた電圧信号が生成される。一方、第2キャパシタ23の静電容量Cの変化に伴い、第2キャパシタ23の第2電極12に接続された第2配線15には、その静電容量の変化量(ΔC)に応じた電流が流れる。第2配線15を流れる電流は、C/V変換回路25Bに入力される。C/V変換回路25Bでは、入力電流に応じた電圧信号が生成される。C/V変換回路25A,25Bで生成された各電圧信号は、差動アンプ26に入力される。差動アンプ26では、C/V変換回路25A,25Bで生成された各電圧信号の差に適当なゲインを乗じることにより差動増幅信号が生成される。こうして生成される差動増幅信号は、第1キャパシタ22および第2キャパシタ23に生じた静電容量の変化量の差に対応する。したがって、データ処理回路27では、差動アンプ26から入力される差動増幅信号に基づいて、メンブレン10に作用した圧力の大きさを求めることができる。
図5は、前記圧力センサを備えるセンサパッケージの概略図である。
以上説明した圧力センサ1は、たとえば、図5に示すセンサパッケージに収納して使用することができる。
このセンサパッケージ31は、回路チップ(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)32と、トレンチ9の開放面が上方に向く姿勢で回路チップ32上に配置された圧力センサ1と、回路チップ32および圧力センサ1を収容するケース33とを含む。回路チップ32には、圧力検出回路24が組み込まれている。
センサパッケージ31は、前記圧力センサ1を備えているので、検出精度のばらつきを小さくでき、さらに、差動出力によって微小な圧力変化にも対応可能な検出精度を備える圧力センサパッケージを実現することができる。
図6(a)(b)〜図17(a)(b)は、前記圧力センサの製造工程の一部を工程順に示す図である。なお、図6(a)(b)〜図17(a)(b)において、(a)は平面図であり、(b)は(a)の切断面線Yb−Yb(Y=XI〜XVII)から見た断面図である。なお、各図の(a)では、明瞭化のために、圧力センサの構成要素の一部を省略している。
図6(a)(b)に示すように、熱酸化によって、下部半導体層201の上面に絶縁層203を形成した後、エピタキシャル成長によって、絶縁層203上に上部半導体層202を形成する。この際、エピタキシャル成長の条件を調整することによって、メンブレン10となる上部半導体層202の厚さを簡単に制御することができる。これにより、SOI基板2が形成される。なお、SOI基板2を市場から調達できるのであれば、SOI基板2を形成する手間を省くことができる。
次に、異方性のディープRIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)によって、具体的にはボッシュプロセスにより、SOI基板2の上部半導体層202を選択的に掘り下げる。エッチングは、エッチングによって形成される周囲トレンチ3の底面が絶縁層203に達するまで行われ、絶縁層203に達した時点で、この絶縁層203がエッチングストップ層として機能して終了する。つまり、シリコンからなる上部半導体層202と、酸化シリコンからなる絶縁層203とのエッチング選択比の差を利用して、絶縁層203をエッチングストップ層として利用することができる。
次に、図7(a)(b)に示すように、たとえば真空中で、SOI基板2を熱酸化(たとえば、1100℃〜1150℃で24時間)することによって、周囲トレンチ3を酸化シリコン膜で埋め戻す。これにより、第1絶縁層4が形成されて、上部半導体層202にセンサ領域5が区画される。なお、センサ領域5は、図6(a)(b)に示す工程の終了時点においても上部半導体層202の他の部分から絶縁分離されているので、図6(a)(b)に示す工程の終了を以って、センサ領域5が区画されたとしてもよい。
次に、図8(a)(b)に示すように、異方性のディープRIEによって、センサ領域5においてSOI基板2の上部半導体層202を掘り下げる。エッチングは、エッチングによって形成される凹部34の底面が上部半導体層202の厚さ方向途中部に留まる深さまで行われる。このエッチングによって、センサ領域5に複数の凹部34が形成される。凹部34は、具体的には、図8(a)に示すように、ドット状の凹部34を水玉模様パターン(たとえば、直線状等)に配列されるように形成する。
次に、図9(a)(b)に示すように、凹部34の内面全域(つまり、凹部34の内周面および底面)およびSOI基板2の表面2Aに、酸化シリコン(SiO)等の絶縁材料からなる保護膜35を形成する。保護膜35が酸化シリコンからなる場合、保護膜35は、SOI基板2の熱酸化、プラズマCVDのいずれの方法でも形成することができる。
次に、図10(a)(b)に示すように、エッチバックによって、保護膜35における凹部34の底面上の部分を選択的に除去する。これにより、凹部34の底面に上部半導体層202が露出した状態となる。
次に、図11(a)(b)に示すように、保護膜35をマスクとする異方性のディープRIEによって、凹部34の底面をさらに掘り下げる。これにより、凹部34の底面および側面に、上部半導体層202の結晶面が露出した露出空間36が形成される。
次に、図12(a)(b)に示すように、等方性のRIEによって、凹部34の露出空間36に反応性イオンおよびエッチングガスを供給する。そして、その反応性イオン等の作用によって、上部半導体層202が、露出空間36を起点にSOI基板2の厚さ方向にエッチングされつつ、SOI基板2の表面2Aに平行な方向にエッチングされる。これにより、互いに隣接する全ての露出空間36が一体化して、SOI基板2の内部に基準圧室6が形成され、同時に、第1電極11が形成される。また、基準圧室6の形成を以って、凹部34は、SOI基板2の表面2Aと基準圧室6との間を貫通する貫通孔37となる。
次に、貫通孔37にエッチングガスを供給することによって、貫通孔37の内面に残っている保護膜35を除去してもよい。この実施形態では、エッチングガスとして、たとえばフッ酸(HF)を用い、そのエッチングガスを貫通孔37に対して斜めに供給する。これにより、保護膜35を除去して貫通孔37の内面に上部半導体層202の結晶面を露出させることができる。たとえば保護膜35がプラズマCVDによって形成されている場合、熱酸化膜に比べて膜質が低いものとなる。そこで、保護膜35を除去しておくことによって貫通孔37の内面を一旦清浄化しておけば、後述する工程において、貫通孔37内に、熱酸化膜からなる第2絶縁層8を形成することができる。これにより、第2絶縁層8の膜質を良好なものにすることができる。
次に、図13(a)(b)に示すように、たとえば真空中で、SOI基板2を熱酸化(たとえば、1100℃〜1150℃で24時間)することによって、第2絶縁層8を形成する。具体的には、SOI基板2を熱酸化すると、図13(a)に示すように、上部半導体層202の一部が、各貫通孔37の外周から同心円状に酸化シリコン膜に変質するとともに、当該酸化シリコン膜が熱膨張して各貫通孔37を埋める。図13(a)において、破線で示した円が、第2絶縁層8の形成前に存在していた貫通孔37の輪郭である。そして、この熱酸化の際、隣り合う貫通孔37で挟まれた半導体部分38も酸化シリコン膜に変質し、隣り合う貫通孔37中の酸化シリコン膜を互いに繋がる。その結果、複数のドットの周面が互いに繋がって形成された波状の輪郭を有するスリット状の貫通孔7および第2絶縁層8が形成される。また、当該熱酸化の際、SOI基板2の表面2A上の保護膜35が厚膜化して、層間膜13となる。
次に、図14(a)(b)に示すように、たとえばプラズマエッチングによって、層間膜13を選択的に除去して、第1電極11を露出させるコンタクトホール39、およびメンブレン10および第2電極12が形成される部分をそれぞれ露出させるコンタクトホール40,41が同時に形成される。次に、層間膜13上に、第1配線14、第2配線15および第3配線16を形成する。
次に、図15(a)(b)に示すように、たとえばプラズマCVD法によって、層間膜13上に表面保護膜17を形成する。次に、表面保護膜17に選択的に開口を形成することによって、第1パッド18、第2パッド19、第3パッド20およびパッド21が形成される。
次に、図16(a)(b)に示すように、層間膜13および表面保護膜17におけるトレンチ9に対応する領域が選択的に除去される。
次に、図17(a)(b)に示すように、層間膜13および表面保護膜17をマスクとする異方性のディープRIEによって、SOI基板2の上部半導体層202を選択的に掘り下げる。エッチングは、エッチングによって形成されるトレンチ9の底面が絶縁層203に達するまで行われ、絶縁層203に達した時点で、この絶縁層203がエッチングストップ層として機能して終了する。これにより、トレンチ9が形成され、同時に、メンブレン10および第2電極12が形成される。以上の工程を経て、図1等に示す構造の圧力センサ1が得られる。
以上の方法によれば、メンブレン10、第1電極11および第2電極12の形成にあたって、SOI基板2のみに対してディープRIE、熱酸化などの各種処理を施すだけでよい。したがって、検出精度のばらつきを小さくでき、さらに、差動出力によって微小な圧力変化にも対応可能な検出精度を備える圧力センサ1を簡単に製造することができる。しかも、使用される基板がSOI基板2といった安価な材料であるため、基板に要するコストを一層低減することができる。
また、メンブレン10の面外方向(メンブレン10の厚さ方向)がSOI基板2の表面2Aに沿う方向に平行なので、トレンチ9のエッチング時の位置合わせによって、メンブレン10の厚さを簡単に設定することができる。
また、表面2A側が開放されたトレンチ9を最後に形成することによって、それ以降に、表面2Aにレジスト等が塗布されることをなくすことができる。そのため、トレンチ9内部に空間を確保することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
本発明は、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 圧力センサ
2 SOI基板
2A 表面
201 下部半導体装置
202 上部半導体層
203 絶縁層
3 周囲トレンチ
4 第1絶縁層
5 センサ領域
6 基準圧室
7 貫通孔
8 第2絶縁層
9 トレンチ
10 メンブレン
11 第1電極
12 第2電極
14 第1配線
15 第2配線
16 第3配線
22 第1キャパシタ
23 第2キャパシタ
24 圧力検出回路
31 センサパッケージ
32 回路チップ
33 ケース
34 凹部
35 保護膜
37 貫通孔
38 半導体部分

Claims (18)

  1. 内部に絶縁層を有する半導体基板と、
    前記半導体基板における前記絶縁層の内方領域を取り囲み、前記半導体基板の一部からなるセンサ領域を、前記絶縁層と共に前記半導体基板の表面部に区画する第1絶縁部と、
    前記センサ領域の表面部の下方の領域を、前記第1絶縁部を横切る方向に沿って選択的に分断し、底部が前記絶縁層で画成された基準圧室と、
    前記基準圧室の上方にある前記センサ領域の前記表面部を、前記第1絶縁部を横切る方向に沿って選択的に分断する第2絶縁部と、
    前記センサ領域を前記半導体基板の表面から前記絶縁層に達するまで、前記第1絶縁部を横切る方向に沿って選択的に分断し、前記表面側が開放されたトレンチとを含み、
    前記センサ領域は、前記基準圧室、前記第2絶縁部および前記トレンチによって、前記半導体基板の前記表面に沿う横方向に順に配置された、互いに絶縁された少なくとも3つの半導体部分に区画されており、
    当該3つの半導体部分は、
    前記基準圧室と前記トレンチとの間に配置されたメンブレンと、
    前記メンブレンに対して前記基準圧室を隔てて対向する第1電極と、
    前記メンブレンに対して前記トレンチを隔てて対向する第2電極とを含み、
    前記第1電極と前記メンブレンによって構成された第1キャパシタの静電容量の変化量と、前記メンブレンと前記第2電極によって構成された第2キャパシタの静電容量の変化量との差分に基づいて、前記メンブレンに作用した圧力を検出する、静電容量型圧力センサ。
  2. 前記半導体基板は、下部半導体層と上部半導体層との間に前記絶縁層が挟まれた構造を有している、請求項1に記載の静電容量型圧力センサ。
  3. 前記半導体基板は、前記下部半導体層および前記上部半導体層がシリコンからなり、前記絶縁層が酸化シリコンからなるSOI基板である、請求項2に記載の静電容量型圧力センサ。
  4. 前記上部半導体層は、15μm〜30μmの厚さを有している、請求項2または3に記載の静電容量型圧力センサ。
  5. 前記基準圧室は、前記横方向に沿って一定の幅を有している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の静電容量型圧力センサ。
  6. 前記トレンチは、前記横方向に沿って一定の幅を有している、請求項1〜5のいずれか一項に記載の静電容量型圧力センサ。
  7. 前記メンブレンは、0.5μm〜5μmの厚さを有している、請求項1〜6のいずれか一項に記載の静電容量型圧力センサ。
  8. 前記センサ領域は、前記半導体基板上にマトリクス状に複数配列されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の静電容量型圧力センサ。
  9. 前記センサ領域は、前記半導体基板上にストライプ状に複数配列されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の静電容量型圧力センサ。
  10. 前記第1絶縁部は、前記半導体基板に選択的に埋め込まれた絶縁材料からなる第1絶縁層を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の静電容量型圧力センサ。
  11. 前記第2絶縁部は、前記半導体基板に選択的に埋め込まれた絶縁材料からなる第2絶縁層を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の静電容量型圧力センサ。
  12. 前記静電容量型圧力センサは、前記センサ領域の内側と外側との間に跨って配置された複数の配線を含み、
    前記複数の配線は、
    前記第1電極に接続された第1配線と、
    前記第2電極に接続された第2配線と、
    前記メンブレンに接続された第3配線とを含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の静電容量型圧力センサ。
  13. 前記基準室内は、密閉された空間である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の静電容量型圧力センサ。
  14. 前記第1電極と前記メンブレンによって構成された第1キャパシタの静電容量の変化量と、前記メンブレンと前記第2電極によって構成された第2キャパシタの静電容量の変化量との差分に基づいて、前記メンブレンに作用した圧力を検出する差動回路を有する回路チップと、
    前記トレンチの開放面が上方に向く姿勢で前記回路チップ上に配置された、請求項1〜12のいずれか一項に記載の静電容量型圧力センサと、
    前記回路チップおよび前記静電容量型圧力センサを収容するケースとを含む、圧力センサパッケージ。
  15. 内部に絶縁層を有する半導体基板における前記絶縁層の内方領域を取り囲むように、前記半導体基板の表面から前記絶縁層に達する周囲トレンチを形成する工程と、
    前記周囲トレンチを埋め戻す第1絶縁層を形成し、前記絶縁層および前記第1絶縁層によって前記半導体基板の表面部にセンサ領域を区画する工程と、
    前記センサ領域に複数の凹部を選択的に形成する工程と、
    前記複数の凹部の各内面に保護膜を形成する工程と、
    前記保護膜における前記凹部の底面上の部分を選択的に除去する工程と、
    異方性エッチングによって前記凹部を前記絶縁層へ向かって掘り下げた後、等方性エッチングによって前記複数の凹部の下方部を互いに連続させることによって、前記センサ領域の表面部の下方の領域を、前記第1絶縁層を横切る方向に沿って選択的に分断する基準圧室を形成する工程と、
    熱酸化処理により、前記半導体基板の前記表面と前記基準圧室との間を貫通している前記凹部からなる貫通孔を酸化シリコン膜で埋め戻すとともに、隣り合う前記貫通孔中の酸化シリコン膜が互いに繋がるように、隣り合う前記貫通孔で挟まれた部分も酸化シリコン膜に変質させることによって、前記基準圧室の上方にある前記センサ領域の前記表面部を、前記第1絶縁層を横切る方向に沿って選択的に分断する第2絶縁層を形成する工程と、
    前記センサ領域を前記半導体基板の前記表面から前記絶縁層に達するまでエッチングすることによって、前記センサ領域を、前記第1絶縁層を横切る方向に沿って選択的に分断するトレンチを形成する工程とを含む、静電容量型圧力センサの製造方法。
  16. 前記半導体基板は、下部半導体層と上部半導体層との間に前記絶縁層が挟まれた構造を有しており、
    前記静電容量型圧力センサの製造方法は、前記下部半導体層上に前記絶縁層を形成した後、エピタキシャル成長によって、前記絶縁層上に前記上部半導体層を形成する工程をさらに含む、請求項15に記載の静電容量型圧力センサの製造方法。
  17. 前記静電容量型圧力センサの製造方法は、前記第2絶縁層の形成に先立って、前記貫通孔にエッチングガスを供給することによって、前記貫通孔の内面に残っている前記保護膜を除去する工程をさらに含む、請求項15または16に記載の静電容量型圧力センサの製造方法。
  18. 前記第2絶縁層を形成する工程では、真空中で熱酸化処理を行う、請求項15〜17のいずれか一項に記載の静電容量型圧力センサの製造方法。
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